仮の宿 学習室

高校・高2

漢文 句法

古典:返り点・再読文字・句法

返り点の読み方、再読文字、否定・疑問・反語・使役などの句法を確かめます。

問題 40 問・6 分野 | 最終更新 2026-10-03

目次
  1. 再読文字(6問)
  2. 否定(8問)
  3. 疑問・反語(8問)
  4. 使役・受身(6問)
  5. 比較・選択(5問)
  6. 重要語(7問)
  7. 演習ツール

再読文字

問1|未(いまだ〜ず)

再読文字「未」の書き下しと意味として正しいものはどれか。

  1. 「なんぞ〜ざる」と読み、「どうして〜しないのか」の意
  2. 「まさに〜んとす」と読み、「今にも〜しそうだ」の意
  3. 「いまだ〜ず」と読み、「まだ〜ない」の意
  4. 「よろしく〜べし」と読み、「〜するのがよい」の意
正解と解説正解:C. 「いまだ〜ず」と読み、「まだ〜ない」の意

「未」は「いまだ〜ず」と二度読み、「まだ〜していない」という未完了を表す。返り点に従って一度目は副詞、二度目は打消の助動詞として読むのが再読文字の原則。「将(まさに〜んとす)」と混同しやすいが、「未」は否定を含む点が決定的な違い。書き下しで二度目の「ず」を平仮名にし忘れると減点されやすい。

問2|将(まさに〜んとす)

「将」を再読文字として用いた場合の意味として正しいものはどれか。

  1. 〜する必要がある
  2. まだ〜していない
  3. ちょうど〜のようだ
  4. 今にも〜しようとする
正解と解説正解:D. 今にも〜しようとする

「将」は「まさに〜んとす」と読み、近い未来「今にも〜しようとする」を表す。同じ読みの「且」もほぼ同義で、セットで覚えるのが定石。「当(まさに〜べし)」と一度目の読みが同じため、二度目の読み(んとす/べし)で区別する点が頻出のひっかけ。

問3|当(まさに〜べし)

再読文字「当」の意味として最も適切なものはどれか。

  1. 当然〜すべきである
  2. まだ〜していない
  3. ちょうど〜のようだ
  4. 今にも〜しようとする
正解と解説正解:A. 当然〜すべきである

「当」は「まさに〜べし」と読み、「当然〜すべきだ」という強い当為を表す。類義の「応(まさに〜べし)」は「きっと〜だろう」と推量寄りに訳すのが基本で、この訳し分けが選択肢問題で狙われる。「将(まさに〜んとす)」と一度目の読みが同じ点にも注意。

問4|宜(よろしく〜べし)

再読文字「宜」の書き下しとして正しいものはどれか。

  1. すべからく〜べし
  2. なんすれぞ〜ざる
  3. まさに〜べし
  4. よろしく〜べし
正解と解説正解:D. よろしく〜べし

「宜」は「よろしく〜べし」と読み、「〜するのがよい」という穏やかな勧めを表す。「須(すべからく〜べし=〜する必要がある)」「当(まさに〜べし=当然〜すべきだ)」と二度目の読みがすべて「べし」で共通するため、一度目の読みの区別が試験の急所。「宜しく」は現代語の挨拶ではなく勧誘・適当の意と押さえる。

問5|須(すべからく〜べし)

「須」を再読文字として読む場合の意味として正しいものはどれか。

  1. ぜひ〜する必要がある
  2. まだ〜していない
  3. 〜してはならない
  4. おそらく〜だろう
正解と解説正解:A. ぜひ〜する必要がある

「須」は「すべからく〜べし」と読み、「ぜひ〜する必要がある」という必要・義務を表す。現代語「すべからく」を「すべて」の意味で誤用する感覚のまま訳すと失点する。「宜(〜するのがよい)」より強制度が高い点で区別し、「須=必須の須」と覚えると確実。

問6|猶(なほ〜ごとし)

再読文字「猶」の書き下しと意味の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. 「まさに〜ごとし」=当然〜のはずだ
  2. 「なほ〜ごとし」=依然として〜しない
  3. 「いまだ〜ごとし」=まだ〜のようではない
  4. 「なほ〜ごとし」=ちょうど〜のようだ
正解と解説正解:D. 「なほ〜ごとし」=ちょうど〜のようだ

「猶」は「なほ〜ごとし」と読み、比況「ちょうど〜のようだ」を表す再読文字(「由」も同じ)。「過猶不及(過ぎたるはなほ及ばざるがごとし)」の形で覚えると定着しやすい。再読しない副詞「猶ほ(それでもなお)」の用法もあるため、下に「ごとし」へ返る返り点があるかで判断する。

否定

問7|部分否定

「不常来(つねには来たらず)」のように、否定語が「常」の上にある場合の意味として正しいものはどれか。

  1. 一度も来ない
  2. いつも来ない
  3. いつも来るとは限らない
  4. 必ず来る
正解と解説正解:C. いつも来るとは限らない

否定語が副詞の上に来る「不常〜」は部分否定で、「いつも〜するとは限らない」と訳す。語順が逆の「常不来」は全部否定「いつも来ない」となり、意味が正反対になる。「否定語が上なら部分否定」と語順で機械的に判定するのが鉄則で、共通テスト型の選択肢で最も差がつくポイント。

問8|全部否定

「常不読書(つねに書を読まず)」の意味として正しいものはどれか。

  1. たまには書物を読む
  2. 書物を読まないことはない
  3. いつも書物を読まない
  4. いつも書物を読むとは限らない
正解と解説正解:C. いつも書物を読まない

「常」が否定語「不」の上にある「常不〜」は全部否定で、「いつも〜しない」と完全に打ち消す。「不常〜(部分否定=いつも〜とは限らない)」との語順の違いが試験の定番のひっかけ。「上にある語が先に効く」と考え、否定より上の「常」がそのまま全体を修飾すると理解する。

問9|二重否定

「無不知(知らざる(は)無し)」の意味として正しいものはどれか。

  1. 誰も知らない
  2. 知ってはならない
  3. 知っているとは限らない
  4. 知らないものはない(=みな知っている)
正解と解説正解:D. 知らないものはない(=みな知っている)

否定語を重ねた二重否定は強い肯定になり、「無不知」は「みな知っている」の意。否定が二つ並ぶと反射的に「知らない」と訳してしまう誤答が多い。「否定×否定=強い肯定」と機械的に処理し、書き下し「〜ざる(は)無し」の形ごと覚えておくと安全。

問10|不敢(あへて〜ず)

「不敢言(あへて言はず)」の意味として最も適切なものはどれか。

  1. 進んで言おうとはしない
  2. 決して言ってはならない
  3. 言わないことなど決してない
  4. 言わないわけにはいかない
正解と解説正解:A. 進んで言おうとはしない

「不敢〜」は「あへて〜ず」と読み、「進んで〜しようとはしない・〜する勇気がない」の意。語順が逆の「敢不〜(あへて〜ざらんや)」は反語で「どうして〜しないことがあろうか(必ず〜する)」となり、意味がほぼ反対になる。「不敢」と「敢不」の語順の違いは頻出の失点ポイントなので、上にある字から素直に読むこと。

問11|不復(部分否定)

「不復飲(また飲まず)」の意味として正しいものはどれか。

  1. また飲んでしまった
  2. 一度も飲まなかった
  3. 二度とは飲まなかった
  4. 飲まないはずがない
正解と解説正解:C. 二度とは飲まなかった

「不復〜」は部分否定で「二度とは〜しない」、つまり一度目はあったが繰り返さない意。「復不〜」なら全部否定「今度もまた〜しない」となる。「不常」「不必」と同じく、否定語が副詞の上にあれば部分否定という原則で処理できる。訳語「二度とは」を選択肢から拾えるかが得点の分かれ目。

問12|莫(なし)

否定を表す「莫」の基本的な読みと意味として正しいものはどれか。

  1. 「ず」と読み、動作を打ち消す
  2. 「あらず」と読み、「〜ではない」の意
  3. 「なし」と読み、「〜(するもの)がない」の意
  4. 「なかれ」としか読まず、禁止専用の字である
正解と解説正解:C. 「なし」と読み、「〜(するもの)がない」の意

「莫」は「無」と同じく「なし」と読む存在の否定が基本。文末で「(〜する)なかれ」と読めば禁止になるが、禁止専用ではない点が選択肢のひっかけ。「非(あらず)」は判断の否定、「不(ず)」は動作の否定と、否定語ごとの役割分担を整理しておくと句法問題全般で失点しにくい。

問13|不可不(〜ざるべからず)

「不可不学(学ばざるべからず)」の意味として正しいものはどれか。

  1. 学ばないわけにはいかない(=必ず学ぶべきだ)
  2. 学んではならない
  3. 学ぶことができない
  4. 学ぶとは限らない
正解と解説正解:A. 学ばないわけにはいかない(=必ず学ぶべきだ)

「不可不〜」は二重否定で「〜しないことは許されない」、すなわち強い義務「必ず〜すべきだ」を表す。「不可〜(〜すべからず=〜してはならない)」と字面が似ているため、「不」が二つあるかを必ず確認する。二重否定=強い肯定の代表形として書き下しごと暗記しておきたい。

問14|非(あらず)

「非人也(人に非ざるなり)」の「非」の働きとして正しいものはどれか。

  1. 反語を作って強い肯定を表す
  2. 動詞の動作を打ち消す
  3. 「〜ではない」と名詞などを打ち消す
  4. 「〜するな」と禁止する
正解と解説正解:C. 「〜ではない」と名詞などを打ち消す

「非」は「〜にあらず」と読み、「AはBではない」と名詞・状態を否定する判断の否定語。動作を打ち消す「不」との使い分けが基本知識として問われる。書き下しでは直前に「に」を補って「〜に非ず」とするのが原則で、この「に」の脱落も減点対象になりやすい。

疑問・反語

問15|何(なんぞ)

「何笑(なんぞ笑ふ)」のような文頭の「何」の基本的な意味はどれか。

  1. いつ(時を問う)
  2. だれが(人を問う)
  3. どうして(理由を問う)
  4. どこで(場所を問う)
正解と解説正解:C. どうして(理由を問う)

文頭の「何(なんぞ)」は原因・理由を問う疑問詞で、「どうして〜するのか」と訳すのが基本。「何(なに・なにをか)」と読めば目的語「何を」を問う用法にもなり、読み分けが問われる。文末が「〜(せ)ん」なら反語に転じる点も併せて確認しておくこと。

問16|安(いづくんぞ)

「安知(いづくんぞ知らん)」の意味として最も適切なものはどれか。

  1. どこで知ったのか
  2. どうして知ろうか、いや知らない
  3. いつ知ったのか
  4. 知らないはずがない
正解と解説正解:B. どうして知ろうか、いや知らない

「安くんぞ〜ん」は反語で、「どうして〜だろうか、いや〜ない」と強い否定を表す。「安」には「いづくにか(どこに)」と場所を問う読みもあるため、文脈と文末の「ん」で判断する。反語は「訳の最後に打消を補う」のが鉄則で、疑問のまま訳すと選択肢を誤る。

問17|豈(あに〜んや)

「豈忘之乎(あにこれを忘れんや)」の意味として正しいものはどれか。

  1. どうしてこれを忘れようか、いや忘れない
  2. きっとこれを忘れるにちがいない
  3. これを忘れてよいかどうか尋ねている
  4. これを忘れてしまったのだろうか
正解と解説正解:A. どうしてこれを忘れようか、いや忘れない

「豈に〜んや」は反語の代表形で、「どうして〜しようか、いや〜しない」と結論は否定(内容としては強い肯定「決して忘れない」)になる。「豈」を見たらまず反語を疑うのが実戦的な読み方。疑問として「〜だろうか」と訳す選択肢が定番のひっかけなので、文末「んや」を根拠に反語と断定する。

問18|乎(や・か)

文末の「乎」の基本的な働きとして正しいものはどれか。

  1. 否定を表す
  2. 場所を示す前置詞としてしか使われない
  3. 疑問・反語などを表す終尾の助字
  4. 使役を表す
正解と解説正解:C. 疑問・反語などを表す終尾の助字

文末の「乎」は「や・か」と読み、疑問・反語・詠嘆を表す終尾の助字(「哉」「邪」「与」も同類)。一方、文中の「乎」は「於」と同じく「〜に・〜より」と場所・比較を示す前置詞になる。位置(文末か文中か)で働きが変わることを問うのが定番で、機械的に「や」と読むと誤る。

問19|疑問と反語の見分け

漢文で疑問と反語を見分ける手がかりとして最も適切なものはどれか。

  1. 文頭に主語があれば疑問、なければ反語である
  2. 疑問詞があれば必ず疑問で、反語には疑問詞を用いない
  3. 反語文には必ず「不」などの否定語が含まれる
  4. 文末が「ん・んや」と推量の形で結ばれていれば反語が疑われる
正解と解説正解:D. 文末が「ん・んや」と推量の形で結ばれていれば反語が疑われる

疑問と反語は同じ疑問詞を使うため、文末の形が最大の手がかり。「〜んや」「〜ん」と推量・意志の「ん」で結ばれていれば反語の可能性が高く、「〜や」「連体形+か」なら疑問寄りと判断する。反語は「いや〜ない」と打消を補って訳すため、疑問として訳した選択肢を選ぶと丸ごと失点する。最終的には文脈で確定させる姿勢も大切。

問20|何如と如何

「何如」と「如何」の使い分けとして正しいものはどれか。

  1. 「何如」は方法を問い、「如何」は状態を問う
  2. どちらも全く同じで区別する必要はない
  3. 「何如」は状態・程度を問い、「如何」は手段・方法を問うのが基本
  4. 「如何」は疑問には使えず、反語専用である
正解と解説正解:C. 「何如」は状態・程度を問い、「如何」は手段・方法を問うのが基本

「何如(いかん)」は「どうであるか」と状態・程度・是非を問い、「如何(いかん・いかんせん)」は「どうするか・どうしたらよいか」と手段・方法を問うのが原則。字順が逆になるだけで問う内容が変わるため、選択肢問題で頻出。「如何」が「いかんせん」と読まれれば「どうしようもない」の詠嘆・反語に傾くことも押さえたい。

問21|誰(たれか)

「誰能行之(たれかよくこれを行はん)」の「誰」の働きとして正しいものはどれか。

  1. 「どこに」と場所を問う
  2. 「だれが〜か」と人を問う疑問詞(反語にも用いる)
  3. 「いくつ」と数量を問う
  4. 「どうして」と理由を問う
正解と解説正解:B. 「だれが〜か」と人を問う疑問詞(反語にも用いる)

「誰(たれ・たれか)」は人を問う疑問詞で、文末が「ん」なら「だれが〜しようか、いや誰も〜しない」という反語になる。この例文も反語で「誰も行えない」の意。「孰(いづれ・たれ)」も人や選択を問う類義の疑問詞としてセットで覚えると効率がよい。

問22|幾何(いくばく)

「幾何」の読みと意味として正しいものはどれか。

  1. 「いかん」と読み、方法を問う
  2. 「いくばく」と読み、数量・程度を問う
  3. 「いづくんぞ」と読み、反語を表す
  4. 「なんすれぞ」と読み、理由を問う
正解と解説正解:B. 「いくばく」と読み、数量・程度を問う

「幾何(いくばく)」は「どれほどか」と数量・程度を問う疑問詞。「人生幾何(人生いくばくぞ)」のように詠嘆を込めて「どれほどもない」と反語的に使われることも多い。読み自体を問う出題が中心なので、「幾何=いくばく」と即答できるようにしておく。

使役・受身

問23|使(しむ)

「使民耕(民をして耕さしむ)」の句法として正しいものはどれか。

  1. 使役(〜に…させる)
  2. 禁止(〜するな)
  3. 受身(〜される)
  4. 比較(〜より…だ)
正解と解説正解:A. 使役(〜に…させる)

「使」は代表的な使役の助字で、「AをしてBせしむ=AにBさせる」と訳す。書き下しでは対象に「をして」を添え、文末を「しむ」で結ぶのが型。「をして」を落とす、または受身と取り違えるのが典型的な失点パターンなので、「使・令・教・遣」を使役四天王としてまとめて覚える。

問24|令(しむ)

使役の「令」を用いた「令子読書」の書き下しとして正しいものはどれか。

  1. 子は書を読むを令とす
  2. 子、書を読みて令(よ)し
  3. 子に書を読むを令(うなが)す
  4. 子をして書を読ましむ
正解と解説正解:D. 子をして書を読ましむ

「令」は「使」と同じく使役の助字で、「令AB」は「AをしてBせしむ」と書き下す。「命令の令」のイメージから「命じる」と動詞で読んでしまうのがひっかけだが、句法問題ではまず使役を疑う。対象への「をして」と文末「しむ」の二点セットを外さないこと。

問25|教・遣(しむ)

「使」「令」以外に使役を表す字として適切な組み合わせはどれか。

  1. 教・遣
  2. 於・于
  3. 見・被
  4. 未・将
正解と解説正解:A. 教・遣

使役の助字は「使・令」のほか「教(〜に…させる)」「遣(〜を遣って…させる)」があり、いずれも「しむ」と読む。「教」を「おしえる」、「遣」を「つかわす」とだけ覚えていると使役文で読み誤る。「見・被」は受身、「於・于」は前置詞であり、機能の異なる字と混ぜた選択肢に注意。

問26|見(る・らる)

「見欺(あざむかる)」のように動詞の上に置かれた「見」の働きはどれか。

  1. 可能(〜できる)
  2. 受身(〜される)
  3. 使役(〜させる)
  4. 願望(〜したい)
正解と解説正解:B. 受身(〜される)

動詞の直前の「見」は受身の助字で、「見欺」は「欺かる=だまされる」の意。「みる」と訓読してしまうのが最も多い誤りで、下に動詞が続いていたら受身を疑うのが鉄則。受身の助字「見・被・為・所」はまとめて整理しておくと安定して得点できる。

問27|被(る・らる)

「被殺(殺さる)」の「被」の説明として正しいものはどれか。

  1. 「こうむる」としか読めず助字にはならない
  2. 使役を表し「しむ」と読む
  3. 受身を表し「る・らる」と読む
  4. 否定を表し「ず」と読む
正解と解説正解:C. 受身を表し「る・らる」と読む

「被」は動詞の上に置かれて受身「る・らる」を表す助字で、「被殺」は「殺される」の意。「被害」の語感から「こうむる」と実字で読む用法もあるが、句法問題では受身の助字用法がまず問われる。「見」と同じ働きと押さえ、書き下しで「被」を平仮名の助動詞に直せるかが採点ポイント。

問28|為A所B(受身)

「為人所笑(人の笑ふところとなる)」の意味として正しいものはどれか。

  1. 人のために笑う
  2. 人に笑われる
  3. 人を笑わせる
  4. 人の笑い方をまねる
正解と解説正解:B. 人に笑われる

「為A所B」は「Aの B するところとなる」と読み、「AにBされる」という受身の最重要句形。「為」を「ために」と読んでしまうと「人のために笑う」という誤訳に直結する、試験頻出のひっかけ。「為〜所…」の形を見たら即座に受身と判定できるよう、型ごと暗記しておくこと。

比較・選択

問29|於(比較)

「白於雪(雪よりも白し)」の「於」の働きとして正しいものはどれか。

  1. 使役を表し「しむ」と読む
  2. 比較の基準を示し「〜よりも」と読む
  3. 受身を表し「る」と読む
  4. 疑問を表し「や」と読む
正解と解説正解:B. 比較の基準を示し「〜よりも」と読む

形容詞の下の「於」は比較の基準を示し、「〜よりも」と読む(この文は「雪よりも白い」)。「於」は場所「〜に」、受身「〜に…らる」、比較「〜より」と多機能で、直前が形容詞なら比較と判断するのがコツ。置き字として読まない場合もあるが、比較では「より」と必ず訓読する点が問われる。

問30|莫如(〜にしくはなし)

「莫如学(学ぶに如くは莫し)」の意味として正しいものはどれか。

  1. 学ばないほうがよい
  2. 学ぶことに及ぶものはない(=学ぶのが一番だ)
  3. 学んでも意味がない
  4. 学んではならない
正解と解説正解:B. 学ぶことに及ぶものはない(=学ぶのが一番だ)

「莫如〜」は「〜に如くは莫し」と読み、「〜に及ぶものはない=〜が最上だ」という最上級の句形。否定語「莫」があるため「学ぶな」と禁止に誤読するのが典型的なひっかけ。「如く(およぶ)」の意味を核に、「百聞は一見に如かず」の「如かず」と関連づけて覚えると忘れない。

問31|不如(〜にしかず)

「不如帰(帰るに如かず)」の意味として正しいものはどれか。

  1. 帰ってはならない
  2. 帰るかどうか分からない
  3. 帰るのが一番よい(帰るに及ばない、の形で帰るを推す)
  4. 帰ることができない
正解と解説正解:C. 帰るのが一番よい(帰るに及ばない、の形で帰るを推す)

「不如A」は「Aに如かず」と読み、「Aには及ばない=Aのほうがよい」と結局Aを推す比較の句形。字面の否定に引きずられて「帰るな」と訳すと正反対の誤読になる。「百聞不如一見」で型を覚え、「不如の下に来るものが優れている」と機械的に処理するのが安全。

問32|与其A寧B

「与其生而無義、寧死(其の生きて義無からんよりは、寧ろ死せん)」が表す内容として正しいものはどれか。

  1. 生きて義を行い、さらに死をも恐れない
  2. 死ぬよりはとにかく生きるべきだ
  3. 生きることと死ぬことのどちらも選べない
  4. 義のないまま生きるくらいなら、いっそ死ぬほうを選ぶ
正解と解説正解:D. 義のないまま生きるくらいなら、いっそ死ぬほうを選ぶ

「与其A寧B」は「其のAせんよりは寧ろBせん」と読み、AとBを比べてBを選ぶ選択の句形。「与」を「と・ともに」と読んでしまうと構文全体が崩れるのが最大の落とし穴。「寧ろ」の下に置かれた行為が選ばれる側だと押さえれば、内容一致問題でも迷わない。上位者でも読み違えやすい差のつく句形なので、型ごと音読して定着させたい。

問33|孰若(いづれぞ)

二つを比べて「AはBに比べてどうか(Bのほうがよいのでは)」と問う比較・選択の句形はどれか。

  1. A不若B(AはBにしかず)
  2. A於B(AはBよりす)
  3. A孰若B(AはBにいづれぞ)
  4. A莫若B(AはBにしくはなし)
正解と解説正解:C. A孰若B(AはBにいづれぞ)

「孰若(いづれぞ)」は「孰与」と同じく、AとBを並べて「どちらがよいか」と問いかける比較・選択の句形で、実質的にBを推す文脈で使われることが多い。「不若(〜に及ばない)」は断定的な比較であり、疑問の形をとる「孰若」との違いが問われる。「孰」単独でも「いづれ・たれ」と選択を問う疑問詞になることを併せて確認しておく。

重要語

問34|蓋し(けだし)

文頭の「蓋」を「けだし」と読む場合の意味として正しいものはどれか。

  1. ふたをすれば
  2. どうして〜しないのか
  3. 思うに・おそらく
  4. すぐに
正解と解説正解:C. 思うに・おそらく

文頭の「蓋し」は「思うに・おそらく」と推量をこめて話題を切り出す発語の副詞。実字「ふた・おおう」の意味に引きずられないこと。なお「蓋」には「なんぞ〜ざる(どうして〜しないのか)」と再読的に勧誘を表す用法(盍と同じ)もあり、文脈での読み分けが上位校で問われる。

問35|所以(ゆゑん)

「所以」の読みと意味として正しいものはどれか。

  1. 「このゆゑに」と読み、結果を導く
  2. 「ここにおいて」と読み、場面の転換を表す
  3. 「ゆゑん」と読み、理由・手段を表す
  4. 「ところもつて」と読み、場所を表す
正解と解説正解:C. 「ゆゑん」と読み、理由・手段を表す

「所以(ゆゑん)」は「〜する理由・わけ」また「〜する手段」を表す重要熟語。「所」と「以」を別々に訓読して「ところをもって」などとするのは誤り。結果を導く「是以(ここをもって)」や場面転換の「於是(ここにおいて)」との識別が選択肢の定番なので、三語をセットで整理しておく。

問36|是以(ここをもって)

「是以」の読みと働きとして正しいものはどれか。

  1. 「ここにおいて」と読み、場所を示す
  2. 「これいがい」と読み、例外を示す
  3. 「ここをもつて」と読み、「こういうわけで」と結果を導く
  4. 「ぜをもつて」と読み、正しさを主張する
正解と解説正解:C. 「ここをもつて」と読み、「こういうわけで」と結果を導く

「是以」は「ここをもって」と読み、前の内容を受けて「こういうわけで・だから」と結果・結論を導く接続語。「以是」も同義で用いられる。「於是(ここにおいて=そこで)」と読み・働きが紛らわしく、字順と訳語の対応を問う出題が多い。理由を表す「所以(ゆゑん)」との三点セットで覚えるのが効率的。

問37|於是(ここにおいて)

「於是」の読みと意味として正しいものはどれか。

  1. 「これより」と読み、比較を表す
  2. 「ここにおいて」と読み、「そこで・こうして」と場面を転換する
  3. 「ここをもつて」と読み、理由を示す
  4. 「これになんぞ」と読み、反語を表す
正解と解説正解:B. 「ここにおいて」と読み、「そこで・こうして」と場面を転換する

「於是」は「ここにおいて」と読み、「そこで・こうして」と話を次の場面へつなぐ接続語。「是以(ここをもって=だから)」との混同が最頻出のひっかけで、「於是=場面転換」「是以=因果」と機能で区別する。物語文の展開をつかむ目印にもなるので、読解上も重要な語。

問38|抑揚形

「死馬且買之、況生者乎(死馬すら且つこれを買ふ、況んや生ける者をや)」の句法と内容として正しいものはどれか。

  1. 仮定形で、「もし死んだ馬を買えば生きた馬も手に入る」の意
  2. 反語形で、「死んだ馬など決して買わない」の意
  3. 比較形で、「死んだ馬より生きた馬のほうが高い」の意
  4. 抑揚形で、「死んだ馬でさえ買うのだから、まして生きた馬はなおさら買う」の意
正解と解説正解:D. 抑揚形で、「死んだ馬でさえ買うのだから、まして生きた馬はなおさら買う」の意

「A且(すら)〜、況んやBをや」は抑揚形で、程度の低いAを先に挙げて(抑)、Bならなおさらだ(揚)と強調する句形。「況んや〜をや」の部分には述語を繰り返さず、「なおさら〜だ」と補って訳すのがポイント。「すら・且つ・況んや」の呼応を見抜けるかで差がつく、記述でも選択でも頻出の最重要句形。文末「をや」を疑問と誤解しないこと。

問39|累加形

「不啻聡明、亦有徳(啻だに聡明なるのみならず、亦た徳有り)」の句法として正しいものはどれか。

  1. 抑揚形で、「聡明でさえあれば徳は不要だ」の意
  2. 累加形で、「ただ聡明であるだけでなく、その上徳もある」の意
  3. 否定形で、「聡明でも徳があるわけでもない」の意
  4. 限定形で、「ただ聡明であるだけだ」の意
正解と解説正解:B. 累加形で、「ただ聡明であるだけでなく、その上徳もある」の意

「不啻〜(啻だに〜のみならず)」は限定の「啻(唯・独も同様)」を否定して「〜だけではない、その上…」と付け加える累加形。限定形「唯だ〜のみ」との違いは、上に否定語があるかどうかで機械的に判定できる。「非独〜」「不唯〜」も同じ型。限定と累加の識別は差がつく頻出ポイントで、否定語の見落としが致命的な失点につながる。

問40|限定形(唯〜のみ)

「唯有一人(唯だ一人有るのみ)」の句法として正しいものはどれか。

  1. 受身形で、「一人に〜される」の意
  2. 累加形で、「一人だけでなく大勢いる」の意
  3. 反語形で、「一人もいるはずがない」の意
  4. 限定形で、「ただ一人がいるだけだ」の意
正解と解説正解:D. 限定形で、「ただ一人がいるだけだ」の意

「唯(惟・只・独)〜のみ」は限定形で、「ただ〜だけだ」と範囲を限る句形。書き下しで文末に「のみ」を補うのが型で、「耳・已・爾」も文末で「のみ」と読む。上に「不」「非」が付くと累加形に変わるため、否定語の有無の確認を習慣にすると失点を防げる。

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