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学校の制度と学校教育法

講義 3 本・確認問題 30 問 | 教育法規 | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 学校の種類と設置・管理、小学校と中学校の目的
  2. 義務教育と就学のしくみ
  3. 教科書、懲戒と体罰の禁止、出席停止
  4. 確認問題(30問)
  5. 演習ツール

1. 学校の種類と設置・管理、小学校と中学校の目的

学校教育法が定める学校の種類、学校をつくり管理する人、先生の職、小学校と中学校の目的・目標を並べて整理します。

教員採用試験の「教職教養」では、学校教育法(昭和22年法律第26号)がよく出ます。この法律は、日本の学校の種類、目的、先生の職などを決めた基本の法律です。この講義では、学校の種類と、学校をつくる人・管理する人、そして小学校と中学校の目的・目標を整理します。条文は2026年10月時点のものです。

学校の種類(第1条)

第1条は「この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする」と定めています。この9種類を、条文の番号から一条校と呼ぶことがあります。義務教育学校は小学校から中学校までの9年間を1つの学校で一貫して教える学校で、修業年限は9年です(第49条の4)。専修学校や各種学校も学校教育法の中に規定がありますが、第1条の「学校」には入りません。保育所は児童福祉法の施設で、学校教育法の学校ではありません。

だれが学校をつくり、管理するか

第2条により、学校を設置できるのは国・地方公共団体・学校法人(私立学校法第3条の法人)だけです。国が設置すれば国立学校、地方公共団体なら公立学校、学校法人なら私立学校です。これは教育基本法第6条の「法律に定める学校は、公の性質を有する」という考え方を具体化したものです。

第5条は、学校の設置者は、その学校を管理し、法令に特別の定めがある場合を除いて、その学校の経費を負担すると定めています(設置者管理主義・設置者負担主義)。第6条は、学校は授業料を徴収できるとしつつ、国立・公立の小学校・中学校・義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校の小学部・中学部での義務教育については、授業料を徴収できないと定めています。私立の小学校・中学校は授業料を徴収できます。教育基本法第5条第4項も、国・地方公共団体が設置する学校の義務教育では授業料を徴収しないと定めています。

市町村は、区域内の学齢児童を就学させるのに必要な小学校を設置しなければなりません(第38条。義務教育学校で代えることもできます)。中学校にも準用されます。

先生の職と、なれない人

第37条第1項により、小学校には校長、教頭、教諭、養護教諭、事務職員を置かなければなりません。第2項により、副校長、主幹教諭、指導教諭、主務教諭、栄養教諭などを置くことができます。主務教諭は、2025年の法改正で新しく設けられ、2026年4月1日から施行された職で、児童の教育をつかさどり、命を受けて教育活動に関する教職員間の総合的な調整を行います(第37条第11項)。校長は「校務をつかさどり、所属職員を監督する」(第4項)、教頭は校長を助け、校務を整理し、必要に応じ児童の教育をつかさどります(第7項)。第37条から第44条までは第49条で中学校に準用されるので、中学校の職員の規定も同じです。

第9条は、校長・教員になれない人(欠格事由)を定めています。たとえば拘禁刑以上の刑に処せられた者、教育職員免許法により免許状が失効し、または取上げの処分を受けて3年を経過しない者などです。

小学校と中学校の目的・目標

小学校と中学校の規定の比較(学校教育法・同施行規則)
項目小学校中学校
目的第29条:心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施す第45条:小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施す
目標第30条:目的を実現するために必要な程度において第21条各号の目標を達成する第46条:目的を実現するため、第21条各号の目標を達成する
修業年限第32条:6年第47条:3年
教育課程の構成施行規則第50条:各教科・特別の教科である道徳・外国語活動・総合的な学習の時間・特別活動施行規則第72条:各教科・特別の教科である道徳・総合的な学習の時間・特別活動
授業の1単位時間45分(施行規則別表第一)50分(施行規則別表第二)
学習指導要領の根拠施行規則第52条施行規則第74条

第30条第2項(中学校にも準用)は、基礎的な知識及び技能、思考力・判断力・表現力その他の能力、主体的に学習に取り組む態度を養うことに特に意を用いるよう求めています。これは学習指導要領の「資質・能力の3つの柱」につながります(学習指導要領と教育課程)。学習指導要領は、施行規則に基づいて文部科学大臣が「教育課程の基準」として公示(告示)するものです。義務教育の目標(第21条)は次の講義で扱います。

用語

一条校
学校教育法第1条に挙げられた9種類の学校。
義務教育学校
小・中の9年間の教育を一貫して行う学校。修業年限9年。
設置者管理主義
学校を設置した者が、その学校を管理し経費を負担するという原則(第5条)。
主務教諭
2026年4月1日施行で新設された職。教育をつかさどり、教職員間の総合的な調整を行う。
準用
ある規定を、似た別の場面にも当てはめること。中学校には小学校の多くの規定が第49条で準用される。

例題

例題:私立中学校が授業料を徴収することは、学校教育法上許されるか。
答えと考え方 許されます。第6条で授業料を徴収できないのは、国立・公立の小学校・中学校などにおける義務教育です。私立は対象外です。「義務教育はすべて無料」と覚えていると間違えるので、「国公立の義務教育は授業料不徴収」と覚えましょう。

根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」(第1条・第2条・第5条・第6条・第9条・第29条〜第32条・第37条・第38条・第45条〜第49条・第49条の4)、「学校教育法施行規則」(第50条・第52条・第72条・第74条・別表第一・別表第二)、小学校学習指導要領(平成29年告示)所収の関係法令・中学校学習指導要領(平成29年告示)所収の関係法令、「教育基本法」第5条・第6条、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律(令和7年)附則第1条(主務教諭の施行日)(2026-10-16確認)

2. 義務教育と就学のしくみ

保護者の就学義務、猶予・免除と就学援助、義務教育の目標、入学までの手続きを確認します。

日本の義務教育は、だれに、どんな義務があるのでしょうか。この講義では、憲法・教育基本法・学校教育法がどうつながるかと、子どもが小学校に入学するまでの手続き(就学事務)を整理します。小学校・中学校の両方に関係する内容です。

義務教育の法的なしくみ

日本国憲法第26条第2項は、国民は法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負い、義務教育は無償とすると定めています。教育基本法第5条は、その義務の内容を「別に法律で定める」とし、義務教育の目的、国と地方公共団体の責任、国公立学校での授業料不徴収を定めています(教育の理念と教育基本法)。

そして学校教育法第16条が「保護者は、次条に定めるところにより、子に九年の普通教育を受けさせる義務を負う」と定めます。ここでいう保護者は、子に対して親権を行う者(親権を行う者がいないときは未成年後見人)です。義務を負うのは子どもではなく保護者だという点が大切です。

就学義務の期間(第17条)

第17条第1項:保護者は、子が満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、小学校・義務教育学校の前期課程・特別支援学校の小学部に就学させる義務を負います。ただし、満12歳の学年の終わりまでに小学校の課程を修了しないときは、満15歳に達した日の属する学年の終わりまでが義務の期間になります。

第17条第2項:小学校の課程などを修了した日の翌日以後の最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、中学校・義務教育学校の後期課程・中等教育学校の前期課程・特別支援学校の中学部に就学させる義務を負います。学年は4月1日に始まり、翌年3月31日に終わります(施行規則第59条。中学校には第79条で準用)。この期間にある子を学齢児童(小学校段階)、学齢生徒(中学校段階)といいます。

義務を支える規定

就学義務に関係する学校教育法の規定
条内容だれが
第18条病弱、発育不完全その他やむを得ない事由で就学困難な子について、就学義務を猶予・免除できる市町村の教育委員会
第19条経済的理由で就学困難な学齢児童生徒の保護者に、必要な援助を与えなければならない(就学援助)市町村
第20条学齢児童生徒を使用する者は、義務教育を受けることを妨げてはならない子を使用する者

第21条は、義務教育の目標を10号にわたって定めています。たとえば、自主・自律・協同の精神や規範意識(1号)、生命と自然の尊重、環境保全(2号)、伝統と文化の尊重と他国の尊重(3号)、生活に必要な国語を正しく理解し使用する基礎的な能力(5号)、数量的な関係(6号)、職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度、進路を選択する能力(10号)などです。小学校(第30条)も中学校(第46条)も、この第21条の目標を達成するよう教育を行います。

入学までの手続き(就学事務)

学校教育法施行令は、手続きを次のように定めています。市町村の教育委員会は、住民基本台帳に基づいて学齢簿を作ります(第1条)。新入学予定の子については、毎学年の初めから5か月前までに学齢簿を作成します(第2条)。その後、市町村の教育委員会は就学時の健康診断を行い(学校保健安全法第11条)、結果に基づいて治療の勧告や、就学義務の猶予・免除、特別支援学校への就学に関する指導などを行います(同第12条)。

市町村の教育委員会は、保護者に対し、翌学年の初めから2か月前までに入学期日を通知し、学校が2校以上あれば就学すべき学校を指定します(施行令第5条)。保護者の申立てにより、相当と認めるときは指定した学校を変更できます(第8条)。住所地以外の市町村の学校に通うときは、就学先の承諾書を添えて住所地の教育委員会に届け出ます(第9条、区域外就学)。障害のある子の就学先を決める前には、保護者と専門家の意見を聴きます(第18条の2)。

入学後、校長は出席状況を常に把握し(第19条)、休業日を除き引き続き7日間出席せず、その他出席状況が良好でない場合で、保護者に正当な事由がないと認められるときは、速やかに市町村の教育委員会に通知します(第20条)。教育委員会は保護者に出席を督促します(第21条)。

外国籍の子ども

文部科学省の説明では、外国人には就学義務は課されていませんが、保護者が公立の義務教育諸学校への就学を希望すれば受け入れ、授業料不徴収・教科書の無償給与など、日本人児童生徒と同様に取り扱います。日本語指導については特別支援教育とインクルーシブ教育で扱います。

用語

保護者
子に対して親権を行う者(いないときは未成年後見人)。就学義務を負う。
学齢児童・学齢生徒
就学義務の期間にある小学校段階・中学校段階の子。
猶予・免除
就学困難な事由があるとき、市町村の教育委員会が就学義務を先に延ばす(猶予)、またはなくす(免除)こと。
就学援助
経済的理由で就学困難な家庭に市町村が行う援助(第19条)。
学齢簿
市町村の教育委員会が作る、区域内の学齢児童生徒の名簿。

例題

例題:小学校の学齢児童が、正当な理由なく休業日を除いて8日間続けて欠席している。校長が施行令に基づいて行うことは何か。
答えと考え方 速やかに市町村の教育委員会に通知します。基準は「休業日を除き引き続き7日間」です。通知を受けた教育委員会が保護者に出席を督促します。督促するのは校長ではなく教育委員会です。なお「年間30日以上の欠席」は不登校の調査で使われる目安で、この通知の基準とは別のものです。

根拠:「日本国憲法」第26条、「教育基本法」第5条、e-Gov法令検索「学校教育法」第16条〜第21条・第30条・第46条、「学校教育法施行令」第1条・第2条・第5条・第8条・第9条・第18条の2・第19条〜第21条、「学校教育法施行規則」第59条・第79条、「学校保健安全法」第11条・第12条、文部科学省「外国人児童生徒等教育の現状と課題」(2026-10-16確認)

3. 教科書、懲戒と体罰の禁止、出席停止

教科書の使用義務と採択、懲戒と体罰の違い、退学・停学の制限、出席停止の手続きを学びます。

この講義では、授業で使う教科書のルールと、児童生徒を指導するときの懲戒・体罰の禁止・出席停止を整理します。条文は小学校の規定で、第49条により中学校にも準用されます。

教科書の使用義務(第34条)

第34条第1項は、小学校では「文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない」と定めています。これを教科書の使用義務といいます。教科書の発行に関する臨時措置法第2条によれば、教科書は、教育課程の構成に応じて組織排列された教科の主たる教材として使われる児童生徒用図書で、検定を経たもの、または文部科学省が著作の名義を有するものです。教科書は民間の発行者が著作・編集し、文部科学大臣の検定を経ます。

第34条第2項・第3項では、教科書の内容を記録した電磁的記録である教材(いわゆるデジタル教科書)を、文部科学大臣の定めるところにより、教育課程の一部で教科書に代えて使えること、視覚障害や発達障害などで教科書を使った学習が困難な児童には、教育課程の全部または一部で使えることを定めています。第4項は、教科書等以外の教材でも有益適切なものは使用できるとしています(補助教材)。

なお、2026年6月10日に「学校教育法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第37号、同年6月17日公布)が成立し、紙とデジタルを組み合わせた教科書を認める制度に改めることになりました。文部科学省の法律案の概要では、施行期日は2027年4月1日とされています。2026年10月時点では、上に書いた現行の第34条が適用されています。

採択と無償

どの教科書を使うかを決めることを採択といいます。文部科学省の説明では、公立学校で使う教科書の採択権限は、その学校を設置する市町村や都道府県の教育委員会にあり、国立・私立学校では校長にあります。義務教育の教科書は、都道府県教育委員会が設定する採択地区ごとに種目ごとに同一の教科書を採択し、原則として4年間同じ教科書を採択します。義務教育諸学校の教科書は無償で給与されます。

懲戒と体罰の禁止(第11条)

第11条:「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」

懲戒には、叱責、起立、居残り、宿題や清掃当番の割当て、訓告など、法的効果を伴わない事実行為としての懲戒と、退学・停学といった法的効果を伴う懲戒があります(生徒指導提要)。施行規則第26条は、懲戒には心身の発達に応ずる等の教育上必要な配慮をすること、退学・停学・訓告の処分は校長が行うことを定めています。さらに、退学は、市町村立の小学校・中学校(併設型中学校を除く)・義務教育学校と、公立の特別支援学校に在学する学齢児童生徒には行えません。停学は、国立・公立・私立を問わず、学齢児童生徒には行えません。

義務教育段階の懲戒処分(施行規則第26条)
処分市町村立小・中学校の学齢児童生徒国立・私立小・中学校の学齢児童生徒
退学できない(併設型中学校を除く)できる(同条の事由に当たる場合)
停学できないできない
訓告できるできる

体罰に当たるかどうかは、平成25年3月13日の文部科学省通知によれば、児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、行為が行われた場所的・時間的環境、懲戒の態様などの諸条件を総合的かつ客観的に考え、個々の事案ごとに判断します。その結果、身体に対する侵害(殴る、蹴るなど)や肉体的苦痛を与えるもの(正座・直立など特定の姿勢を長時間保持させるなど)と判断されれば体罰です。一方、児童生徒の暴力に対して防衛のためやむを得ず行った有形力の行使や、他の児童生徒への暴力を制止するためにやむを得ず行った行為は、体罰に当たりません(正当防衛・正当行為)。生徒指導提要は、大声で怒鳴る、連帯責任を負わせるなどを「不適切な指導と考えられ得る例」として挙げ、部活動で特定の生徒に執拗かつ過度な負荷を与えることも教育的指導とはいえないとしています。

出席停止(第35条)

出席停止は懲戒ではなく、ほかの児童生徒の教育を受ける権利を守るための制度です。市町村の教育委員会は、①他の児童に傷害・心身の苦痛・財産上の損失を与える行為、②職員に傷害・心身の苦痛を与える行為、③施設・設備を損壊する行為、④授業その他の教育活動の実施を妨げる行為の一つまたは二つ以上を繰り返し行うなど性行不良で、他の児童の教育に妨げがあると認めるときは、その保護者に対して出席停止を命ずることができます。あらかじめ保護者の意見を聴取し、理由と期間を記載した文書を交付し(第2項)、期間中は学習への支援など教育上必要な措置を講じます(第4項)。感染症による出席停止は別の制度で、学校保健安全法第19条により校長が行います。

用語

検定
民間で作られた図書を、文部科学大臣が教科書として適切か審査すること。
採択
使用する教科書を決めること。公立は教育委員会、国私立は校長。
懲戒
教育上必要なときに児童生徒を叱責・処罰すること。体罰は含まれない。
訓告
校長が行う懲戒処分の一つで、戒めを告げるもの。
出席停止
市町村教育委員会が保護者に命じる措置。懲戒ではない。

例題

例題:私立中学校に通う中学2年生(学齢生徒)に、校長は停学を命じることができるか。
答えと考え方 できません。施行規則第26条第4項により、停学は学齢児童生徒には行えず、これは私立でも同じです。一方、退学は、市町村立の場合とは違い、私立中学校の学齢生徒には同条の事由に当たれば行うことができます。

根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」第11条・第34条・第35条・第49条、「学校教育法施行規則」第26条、「学校保健安全法」第19条、文部科学省「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」(平成25年3月13日)、文部科学省「生徒指導提要」(令和4年12月)「3.6.2 懲戒と体罰、不適切な指導」「3.6.3 出席停止制度の趣旨と運用」、文部科学省「教科書とは」、文部科学省「採択の方法」、文部科学省「学校教育法等の一部を改正する法律の成立」(2026年6月10日)、同法律案の概要(2026-10-16確認)

確認問題(30問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|一条校

学校教育法第1条に定める「学校」に含まれないものはどれか。

  1. 義務教育学校
  2. 専修学校
  3. 中等教育学校
  4. 高等専門学校
正解と解説
正解:B. 専修学校

正解は専修学校。第1条の学校は、幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・大学・高等専門学校の9種類です。専修学校は学校教育法の別の条文で定められていますが、第1条の学校ではありません。義務教育学校、中等教育学校、高等専門学校は、いずれも第1条に挙げられています。

根拠:学校教育法第1条(2026-10-16確認)

問2|学校の設置者

学校教育法第2条が定める、学校を設置することができる者の組合せとして正しいものはどれか。

  1. 国・地方公共団体・一般社団法人
  2. 国・都道府県のみ
  3. 国・地方公共団体・宗教法人
  4. 国・地方公共団体・学校法人
正解と解説
正解:D. 国・地方公共団体・学校法人

正解は国・地方公共団体・学校法人。第2条は、学校は国、地方公共団体及び私立学校法第3条に規定する学校法人のみが設置できると定めています。一般社団法人や宗教法人はこの中に入っていません。また、市町村も地方公共団体なので「国・都道府県のみ」は誤りです(市町村には小学校の設置義務もあります)。

根拠:学校教育法第2条・第38条(2026-10-16確認)

問3|授業料

学校教育法第6条の授業料に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 私立中学校は、授業料を徴収することができる。
  2. 国立中学校は、授業料を徴収することができる。
  3. 公立中学校は、保護者が同意すれば授業料を徴収できる。
  4. 義務教育である以上、私立小学校も授業料を徴収できない。
正解と解説
正解:A. 私立中学校は、授業料を徴収することができる。

正解は私立中学校は授業料を徴収できる、です。第6条は授業料の徴収を認めたうえで、国立・公立の小学校・中学校・義務教育学校などにおける義務教育については徴収できないとしています。国立も対象なので国立中学校は徴収できません。保護者の同意で例外になるという規定はありません。私立は対象外なので、私立小学校は授業料を徴収できます。

根拠:学校教育法第6条、教育基本法第5条第4項(2026-10-16確認)

問4|欠格事由

学校教育法第9条で、校長又は教員となることができない者として定められているものはどれか。

  1. 罰金刑に処せられた者
  2. 教員免許状の取上げ処分から3年を経過した者
  3. 拘禁刑以上の刑に処せられた者
  4. 日本国籍を有しない者
正解と解説
正解:C. 拘禁刑以上の刑に処せられた者

正解は拘禁刑以上の刑に処せられた者。第9条は、拘禁刑以上の刑に処せられた者や、免許状が失効し又は取上げの処分を受けて3年を経過しない者などを挙げています。罰金刑は拘禁刑より軽く、第9条には入っていません。取上げから3年を「経過した」者は欠格事由に当たりません。国籍は第9条の欠格事由ではありません。

根拠:学校教育法第9条(2026-10-16確認)

問5|主務教諭

2025年の法改正で学校教育法に新たに設けられ、2026年4月1日から施行された職はどれか。

  1. 主幹教諭
  2. 指導教諭
  3. 主務教諭
  4. 副校長
正解と解説
正解:C. 主務教諭

正解は主務教諭。2025年に成立した給特法等の一部改正法で学校教育法第37条などが改正され、児童の教育をつかさどり、教育活動について教職員間の総合的な調整を行う主務教諭が新設されました(2026年4月1日施行)。主幹教諭・指導教諭・副校長は、この改正より前から置くことができる職です。

根拠:学校教育法第37条第2項・第11項、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律(令和7年)附則第1条(2026-10-16確認)

問6|必置の職員

学校教育法第37条第1項で、小学校に必ず置かなければならない職員の組合せとして正しいものはどれか。

  1. 校長・教頭・教諭・養護教諭・事務職員
  2. 校長・副校長・教諭・栄養教諭・事務職員
  3. 校長・主幹教諭・教諭・養護教諭・事務職員
  4. 校長・教頭・教諭・栄養教諭・学校司書
正解と解説
正解:A. 校長・教頭・教諭・養護教諭・事務職員

正解は校長・教頭・教諭・養護教諭・事務職員。第37条第1項がこの5つを必置としています。副校長・主幹教諭・栄養教諭は第2項で「置くことができる」職です(教頭は副校長を置くときなどは置かないことができます)。学校司書は学校教育法第37条の職ではありません。この規定は第49条で中学校にも準用されます。

根拠:学校教育法第37条第1項〜第3項・第49条(2026-10-16確認)

問7|中学校の目的

学校教育法第45条が定める中学校の目的として正しいものはどれか。

  1. 心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施す。
  2. 心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施す。
  3. 心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施す。
  4. 小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施す。
正解と解説
正解:D. 小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施す。

正解は「小学校における教育の基礎の上に…普通教育を施す」。「普通教育のうち基礎的なもの」は小学校の目的(第29条)、「基礎的なものから一貫して施す」は義務教育学校の目的(第49条の2)、「高度な普通教育及び専門教育」は高等学校の目的(第50条。中学校の教育の基礎の上に)です。小学校は「基礎的なもの」、中学校は「小学校の基礎の上に」という違いを押さえましょう。

根拠:学校教育法第29条・第45条・第49条の2・第50条(2026-10-16確認)

問8|中学校の目標

小学校(第30条第1項)と中学校(第46条)の教育の目標に関する規定の比較として正しいものはどれか。

  1. 中学校には、第21条とは別に中学校独自の目標が10号定められている。
  2. 小学校には「必要な程度において」という限定があるが、中学校の規定にはない。
  3. 中学校の規定にだけ「必要な程度において」という限定がある。
  4. 中学校の教育は、高等学校の目標を準用して行われる。
正解と解説
正解:B. 小学校には「必要な程度において」という限定があるが、中学校の規定にはない。

正解は「小学校には『必要な程度において』という限定があるが、中学校の規定にはない」。小学校は「前条に規定する目的を実現するために必要な程度において第21条各号に掲げる目標を達成する」、中学校は「前条に規定する目的を実現するため、第21条各号に掲げる目標を達成する」と定めています。どちらも第21条(義務教育の目標)を使い、中学校独自の10号はありません。限定があるのは小学校の方です。高等学校の目標を準用する規定はありません。

根拠:学校教育法第21条・第30条・第46条(2026-10-16確認)

問9|授業の単位時間

学校教育法施行規則の別表で、中学校の授業時数の1単位時間は何分とされているか。

  1. 50分
  2. 45分
  3. 60分
  4. 40分
正解と解説
正解:A. 50分

正解は50分(別表第二の備考)。45分は小学校の1単位時間です(別表第一の備考)。60分や40分という定めはありません。総授業時数は、中学校の各学年と小学校第4〜6学年がいずれも1015単位時間です。

学校教育法施行規則別表第一・別表第二、中学校学習指導要領(平成29年告示)所収の関係法令(2026-10-16確認)

問10|中学校の教育課程

学校教育法施行規則第72条が定める中学校の教育課程を構成するものに含まれないものはどれか。

  1. 特別の教科である道徳
  2. 総合的な学習の時間
  3. 外国語活動
  4. 特別活動
正解と解説
正解:C. 外国語活動

正解は外国語活動。第72条は、中学校の教育課程を各教科(外国語を含む)、特別の教科である道徳、総合的な学習の時間、特別活動で編成するとしています。外国語活動は小学校の教育課程(第50条)にだけあり、小学校第3・4学年で行います。

学校教育法施行規則第50条・第72条、中学校学習指導要領(平成29年告示)所収の関係法令(2026-10-16確認)

問11|普通教育の年数

学校教育法第16条で、保護者が子に受けさせる義務を負う普通教育の年数はどれか。

  1. 6年
  2. 9年
  3. 10年
  4. 12年
正解と解説
正解:B. 9年

正解は9年。第16条は「保護者は…子に九年の普通教育を受けさせる義務を負う」と定めています。6年は小学校の修業年限、12年は高等学校までの合計です。10年という定めはありません。教育基本法第5条は年数を定めず「別に法律で定める」としており、それを学校教育法が具体化しています。

根拠:学校教育法第16条、教育基本法第5条(2026-10-16確認)

問12|就学義務の始期と終期

学校教育法第17条第1項が定める、小学校等に就学させる義務の期間として正しいものはどれか。

  1. 満6歳に達した日から、満12歳に達した日まで
  2. 満6歳に達した日の属する学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の初めまで
  3. 満7歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満13歳に達した日まで
  4. 満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで
正解と解説
正解:D. 満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで

正解は「満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで」。第17条第1項は「満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで」と定めています。誕生日の当日から数える、学年の「初め」で終わる、7歳から始まる、といった規定はありません。学年は4月1日に始まり翌年3月31日に終わります(施行規則第59条)。

根拠:学校教育法第17条、学校教育法施行規則第59条(2026-10-16確認)

問13|小学校課程の未修了

満12歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校の課程を修了しない子について、学校教育法第17条第1項ただし書の定めとして正しいものはどれか。

  1. 満12歳の学年の終わりで就学義務はすべて終わる。
  2. 修了していなくても、翌学年から中学校に就学させなければならない。
  3. 満18歳に達した日の属する学年の終わりまで、小学校等に就学させる義務が続く。
  4. 満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、小学校等に就学させる義務が続く。
正解と解説
正解:D. 満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、小学校等に就学させる義務が続く。

正解は「満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、小学校等に就学させる義務が続く」。ただし書は、満12歳の学年の終わりまでに小学校の課程などを修了しないときは、満15歳に達した日の属する学年の終わりまでとしています。12歳で義務が全部終わるわけではなく、課程を修了していないのに中学校への就学義務が始まるわけでもありません(第2項は小学校の課程の修了が起点)。18歳という定めはありません。

根拠:学校教育法第17条第1項・第2項(2026-10-16確認)

問14|猶予・免除

病弱、発育不完全その他やむを得ない事由で就学困難と認められる子について、就学義務の猶予又は免除をすることができるのはだれか。

  1. 就学予定の学校の校長
  2. 市町村の教育委員会
  3. 都道府県知事
  4. 文部科学大臣
正解と解説
正解:B. 市町村の教育委員会

正解は市町村の教育委員会。第18条により、市町村の教育委員会が文部科学大臣の定めるところにより猶予・免除をします。校長や都道府県知事にはこの権限はありません。文部科学大臣は手続などを定めますが、個別に猶予・免除を決めるのではありません。

根拠:学校教育法第18条(2026-10-16確認)

問15|就学援助

学校教育法第19条(就学援助)の内容として正しいものはどれか。

  1. 経済的理由で就学困難な学齢児童生徒の保護者に対し、市町村は必要な援助を与えなければならない。
  2. 経済的理由で就学困難と認められる場合、市町村の教育委員会は保護者の就学義務を免除する。
  3. 経済的理由で就学困難な学齢児童生徒の保護者への援助は、都道府県が行い、市町村は行わない。
  4. 経済的理由で就学困難な場合、市町村は援助を与えるよう努めればよい。
正解と解説
正解:A. 経済的理由で就学困難な学齢児童生徒の保護者に対し、市町村は必要な援助を与えなければならない。

正解は「市町村は必要な援助を与えなければならない」。第19条は「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」と定めています。経済的理由は猶予・免除(第18条)の事由ではありません。援助するのは市町村で、「努めればよい」という努力義務ではなく義務です。

根拠:学校教育法第18条・第19条(2026-10-16確認)

問16|義務教育の目標

学校教育法第21条(義務教育の目標)に定められている内容はどれか。

  1. 外国語に親しませ、外国語で日常的な会話ができる能力を確実に身に付けさせること。
  2. 将来の職業に必要な高度な専門的知識及び技能を確実に習得させること。
  3. 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
  4. 郷土の産業について理解させ、地域の産業に就職する意欲を養うこと。
正解と解説
正解:C. 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。

正解は「読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと」(第21条第5号)。第21条は外国の文化の理解を通じて他国を尊重する態度(第3号)を挙げていますが、外国語の会話能力を目標とする号はありません。高度な専門的知識・技能は義務教育の目標ではありません。第10号は職業についての基礎的な知識と技能や、個性に応じて将来の進路を選択する能力を挙げており、特定の産業への就職は求めていません。

根拠:学校教育法第21条、小学校学習指導要領(平成29年告示)所収の関係法令(2026-10-16確認)

問17|入学期日の通知

学校教育法施行令第5条による入学期日の通知について正しいものはどれか。

  1. 市町村の教育委員会が、翌学年の初めから2月前までに保護者に通知する。
  2. 入学する学校の校長が、翌学年の初めから1月前までに保護者に通知する。
  3. 都道府県の教育委員会が、翌学年の初めから3月前までに保護者に通知する。
  4. 市町村長が、翌学年の初めから2月前までに本人に通知する。
正解と解説
正解:A. 市町村の教育委員会が、翌学年の初めから2月前までに保護者に通知する。

正解は「市町村の教育委員会が、翌学年の初めから2月前までに保護者に通知する」。施行令第5条は、市町村の教育委員会が就学予定者の保護者に対し、翌学年の初めから2月前までに入学期日を通知し、学校が2校以上ある場合は就学すべき学校を指定すると定めています。通知するのは校長や市町村長ではなく、相手は本人ではなく保護者です。都道府県教育委員会が通知するのは特別支援学校に就学する子の場合です(第14条)。

学校教育法施行令第5条・第14条(2026-10-16確認)

問18|長期欠席の通知

学校教育法施行令第20条で、校長が市町村の教育委員会に通知する場合の欠席の基準はどれか。

  1. 休業日を除き引き続き3日間出席しない場合など
  2. 年度間に通算30日以上出席しない場合など
  3. 休業日を含め引き続き14日間出席しない場合など
  4. 休業日を除き引き続き7日間出席しない場合など
正解と解説
正解:D. 休業日を除き引き続き7日間出席しない場合など

正解は「休業日を除き引き続き7日間」。施行令第20条は、学齢児童生徒が休業日を除き引き続き7日間出席せず、その他出席状況が良好でない場合で、保護者に正当な事由がないと認められるときに、校長が速やかに市町村の教育委員会に通知すると定めています。年間30日以上は不登校の調査で使われる目安で、この規定とは別です。3日や14日という定めはありません。

学校教育法施行令第19条〜第21条(2026-10-16確認)

問19|就学時の健康診断

学校保健安全法第11条で、翌学年の初めから小学校等に就学させるべき子の就学時の健康診断を行うのはだれか。

  1. 入学予定の小学校の校長
  2. 都道府県の教育委員会
  3. 市町村の教育委員会
  4. 保健所長
正解と解説
正解:C. 市町村の教育委員会

正解は市町村の教育委員会。第11条は市町村の教育委員会に就学時の健康診断の実施を義務づけ、第12条でその結果に基づく治療の勧告や、就学義務の猶予・免除、特別支援学校への就学に関する指導などの措置を求めています。在学中の児童生徒の定期健康診断は学校が行うもので、就学時の健康診断とは別です。

学校保健安全法第11条・第12条(2026-10-16確認)

問20|外国籍の子ども

外国籍の子どもの公立小・中学校への就学について、文部科学省の説明として正しいものはどれか。

  1. 日本に住む外国籍の子どもの保護者にも、日本人と同じ就学義務が課され、違反すれば督促を受ける。
  2. 就学義務は課されていないが、希望すれば受け入れ、授業料不徴収・教科書無償給与は日本人と同様に扱う。
  3. 就学義務はないが、希望すれば受け入れる。ただし授業料は日本人と異なり徴収する。
  4. 就学義務がないため公立学校には受け入れず、外国人学校に就学させることとされている。
正解と解説
正解:B. 就学義務は課されていないが、希望すれば受け入れ、授業料不徴収・教科書無償給与は日本人と同様に扱う。

正解は「就学義務は課されていないが、希望すれば受け入れ、日本人と同様に扱う」。文部科学省は、外国人には就学義務は課されていないが、保護者が公立の義務教育諸学校への就学を希望する場合は受け入れ、授業料不徴収・教科書の無償給与など日本人児童生徒と同様に取り扱うと説明しています。就学義務がある、授業料を徴収する、公立に受け入れない、はいずれも誤りです。

根拠:文部科学省「外国人児童生徒等教育の現状と課題」(2026-10-16確認)

問21|教科書の使用義務

学校教育法第34条第1項で、小学校が使用しなければならないとされている教科用図書はどれか。

  1. 都道府県の教育委員会が作成した教科用図書
  2. 文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書
  3. 校長が市販の図書の中から選定した教科用図書
  4. 文部科学大臣の検定を経た教科用図書に限る(文部科学省著作のものは除く)
正解と解説
正解:B. 文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書

正解は「文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書」。第34条第1項は「文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書」の使用を義務づけています(中学校にも第49条で準用)。都道府県教委作成の図書や、校長が市販本から選んだ図書は教科書ではありません。文部科学省著作の教科書も含まれます。

根拠:学校教育法第34条・第49条、文部科学省「教科書とは」(2026-10-16確認)

問22|教科書の採択

教科書の採択について、文部科学省の説明として正しいものはどれか。

  1. 公立学校では設置者である教育委員会が、国立・私立学校では校長が採択の権限を持つ。
  2. 国立・公立・私立を問わず、各学校の校長が自校で使う教科書の採択の権限を持つ。
  3. 全国の学校で使う教科書は、検定を行う文部科学大臣が一律に採択する。
  4. 学級の実態をよく知る各学級の担任が、学級で使う教科書を採択する。
正解と解説
正解:A. 公立学校では設置者である教育委員会が、国立・私立学校では校長が採択の権限を持つ。

正解は「公立学校では設置者である教育委員会、国立・私立学校では校長」。文部科学省は、公立学校の教科書の採択権限は所管の教育委員会に、国立・私立学校では校長にあると説明しています。義務教育の教科書は採択地区ごとに種目ごとに同一の教科書を採択し、原則として4年間同じ教科書を採択します。文部科学大臣は検定を行いますが、採択はしません。担任が採択するしくみはありません。

根拠:文部科学省「採択の方法」(2026-10-16確認)

問23|懲戒と体罰

学校教育法第11条の内容として正しいものはどれか。

  1. 教員は懲戒を加えることができず、教育上必要があるときに懲戒を加えられるのは校長だけである。
  2. 教育上必要があり、保護者の同意があれば、体罰を加えることができる。
  3. 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは懲戒を加えることができるが、体罰を加えることはできない。
  4. 児童生徒に懲戒を加えることができるのは、学校を設置する市町村の教育委員会である。
正解と解説
正解:C. 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは懲戒を加えることができるが、体罰を加えることはできない。

正解は「校長及び教員は懲戒を加えることができるが、体罰を加えることはできない」。第11条は、校長及び教員が、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより懲戒を加えることができるとし、ただし書で体罰を禁止しています。教員も懲戒を加えられます(退学・停学・訓告の「処分」は校長が行います)。保護者の同意があっても体罰は許されません。教育委員会は第11条の懲戒の主体ではありません。

根拠:学校教育法第11条、学校教育法施行規則第26条(2026-10-16確認)

問24|処分を行う者

学校教育法施行規則第26条で、退学・停学・訓告の処分を行うとされているのはだれか(大学を除く)。

  1. 学級担任の教諭
  2. 市町村の教育委員会
  3. 教頭
  4. 校長
正解と解説
正解:D. 校長

正解は校長。施行規則第26条第2項は、退学・停学・訓告の処分は校長(大学では学長の委任を受けた学部長を含む)が行うと定めています。叱責などの事実行為としての懲戒は教員も行えますが、これらの処分は校長が行います。市町村の教育委員会が命じるのは出席停止(学校教育法第35条)です。

学校教育法施行規則第26条、根拠:学校教育法第35条(2026-10-16確認)

問25|退学・停学の制限

学齢児童生徒に対する懲戒処分について、学校教育法施行規則第26条の内容として正しいものはどれか。

  1. 市町村立中学校でも、性行不良で改善の見込みがなければ学齢生徒を退学させることができる。
  2. 私立中学校では、学齢生徒に停学を命じることができる。
  3. 私立中学校でも、学齢生徒に停学を命じることはできない。
  4. 国立小学校の学齢児童には、訓告を行うことができない。
正解と解説
正解:C. 私立中学校でも、学齢生徒に停学を命じることはできない。

正解は「私立中学校でも、学齢生徒に停学を命じることはできない」。第26条第4項により、停学は学齢児童生徒には行えず、国立・公立・私立を問いません。退学は、市町村立の小学校・中学校(併設型中学校を除く)・義務教育学校と公立の特別支援学校の学齢児童生徒には行えません(第3項)ので、市町村立中学校の学齢生徒は退学させられません。訓告には学齢児童生徒であることによる制限はありません。

学校教育法施行規則第26条(2026-10-16確認)

問26|体罰の判断基準

平成25年3月13日の文部科学省通知が示す、懲戒行為が体罰に当たるかどうかの判断の仕方として正しいものはどれか。

  1. 年齢、健康、心身の発達状況、場所的・時間的環境、懲戒の態様等を総合的・客観的に考え、事案ごとに判断する。
  2. 児童生徒本人が身体的・精神的な苦痛を感じたと訴えたかどうかだけで判断する。
  3. 行為をした教員に教育的な意図や指導の目的があれば、体罰には当たらないと判断する。
  4. 保護者が事前に同意し、学校に一任していれば、体罰には当たらないと判断する。
正解と解説
正解:A. 年齢、健康、心身の発達状況、場所的・時間的環境、懲戒の態様等を総合的・客観的に考え、事案ごとに判断する。

正解は「諸条件を総合的・客観的に考え、事案ごとに判断する」。通知は、諸条件を総合的に考え、教員や児童生徒・保護者の主観だけでなく客観的に考慮して、個々の事案ごとに判断するとしています。その結果、身体に対する侵害や肉体的苦痛を与えるものと判断されれば体罰です。本人の訴えだけ、教員の意図、保護者の同意で決まるものではありません。

根拠:文部科学省「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」(平成25年3月13日)、文部科学省「生徒指導提要」(令和4年12月)3.6.2(2026-10-16確認)

問27|懲戒として認められる行為

文部科学省の通知・生徒指導提要に照らし、肉体的苦痛を伴わない限り、通常、懲戒として認められる行為はどれか。

  1. 正座を長時間続けさせる。
  2. 放課後に教室に残して指導する。
  3. 反省させるため頬を平手でたたく。
  4. 部活動で特定の生徒にだけ執拗かつ過度な運動を課す。
正解と解説
正解:B. 放課後に教室に残して指導する。

正解は放課後の居残り。通知は、注意、叱責、居残り、別室指導、起立、宿題、清掃、学校当番の割当てなどを、肉体的苦痛を与えるものでない限り通常懲戒権の範囲内としています。正座など特定の姿勢を長時間保持させるのは肉体的苦痛を与える体罰、平手でたたくのは身体に対する侵害で体罰です。生徒指導提要は、部活動で特定の生徒に執拗かつ過度な負荷を与えることは教育的指導とはいえないとしています。

根拠:文部科学省「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」(平成25年3月13日)、文部科学省「生徒指導提要」(令和4年12月)3.6.2(2026-10-16確認)

問28|正当防衛

生徒から暴力を受けた教員が、防衛のためにやむを得ず生徒の腕をつかんだ。文部科学省の通知に照らした扱いとして正しいものはどれか。

  1. 身体に触れているので、必ず体罰に当たる。
  2. 懲戒の一種として体罰に当たるが、処分の対象にはならない。
  3. 学級担任でなければ、体罰に当たる。
  4. 正当防衛又は正当行為として、体罰には当たらない。
正解と解説
正解:D. 正当防衛又は正当行為として、体罰には当たらない。

正解は「正当防衛又は正当行為として、体罰には当たらない」。通知は、児童生徒から教員等への暴力行為に対して防衛のためにやむを得ずした有形力の行使は、教育上の懲戒ではなく、身体への侵害や肉体的苦痛を与えた場合でも体罰に当たらないとしています。他の児童生徒への暴力を制止するためにやむを得ずした行為も同様です。体に触れたことだけで体罰になるわけではなく、担任かどうかも関係ありません。

根拠:文部科学省「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」(平成25年3月13日)、文部科学省「生徒指導提要」(令和4年12月)3.6.2(2026-10-16確認)

問29|出席停止

学校教育法第35条の出席停止について正しいものはどれか。

  1. 市町村の教育委員会が、性行不良で他の児童の教育に妨げがある児童の保護者に対して命ずる。
  2. 校長が、懲戒の一つとして、性行不良で他の児童の教育に妨げがある児童本人に対して命ずる。
  3. 都道府県の教育委員会が、市町村の教育委員会の報告を受けて、児童本人に対して命ずる。
  4. 学級担任が、授業その他の教育活動の実施を妨げた児童に対して、その場で命ずる。
正解と解説
正解:A. 市町村の教育委員会が、性行不良で他の児童の教育に妨げがある児童の保護者に対して命ずる。

正解は「市町村の教育委員会が保護者に対して命ずる」。第35条は、他の児童に傷害・心身の苦痛・財産上の損失を与える行為などを繰り返し行うなど性行不良で、他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるとき、市町村の教育委員会がその保護者に対して出席停止を命ずることができると定めています。命じる前に保護者の意見を聴取し、理由と期間を記載した文書を交付し、期間中は学習への支援などを行います。出席停止は懲戒ではなく、校長・都道府県教委・担任が命じるものでもありません。

根拠:学校教育法第35条・第49条、文部科学省「生徒指導提要」(令和4年12月)3.6.3(2026-10-16確認)

問30|感染症による出席停止

感染症にかかっている児童生徒の出席停止について、学校保健安全法第19条で出席を停止させることができるとされているのはだれか。

  1. 市町村の教育委員会
  2. 校長
  3. 学校医
  4. 保健所長
正解と解説
正解:B. 校長

正解は校長。学校保健安全法第19条は、校長は感染症にかかっており、かかっている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより出席を停止させることができると定めています。性行不良による出席停止(学校教育法第35条)は市町村の教育委員会が命じるもので、混同しないようにしましょう。学校医や保健所長が命じる規定ではありません。

学校保健安全法第19条、根拠:学校教育法第35条(2026-10-16確認)

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※ 解説は学習用の情報提供です。採用選考の実施方法・出題範囲は、必ず受験する自治体の実施要項をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。法令は2026年10月時点のものです。