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学習指導要領と教育課程

講義 4 本・確認問題 36 問 | 教育課程・指導 | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 学習指導要領の位置づけと総則の全体像
  2. 育成を目指す資質・能力――生きる力と三つの柱
  3. カリキュラム・マネジメントと主体的・対話的で深い学び
  4. 学習評価・発達の支援・道徳教育の配慮事項
  5. 確認問題(36問)
  6. 演習ツール

1. 学習指導要領の位置づけと総則の全体像

学習指導要領が法令のどこに位置づけられるか、授業時数と総則の構成を、小学校と中学校を並べて確認します。

学校で、何を、どの順番で、どれだけの時間をかけて教えるかをまとめた全体計画を教育課程(カリキュラム)といいます。教育課程を作る(編成する)のは各学校ですが、全国どこでも一定の水準の教育が受けられるように、国がその「基準」を示しています。これが学習指導要領です。いまの小学校と中学校の学習指導要領は、どちらも2017年(平成29年)3月31日に告示されました。小学校は2020年度(令和2年度)から、中学校は2021年度(令和3年度)から全面的に実施されています。

法令の中での位置

学習指導要領は「法律 → 省令 → 告示」という順につながっています。まず学校教育法が、小学校の教育課程に関する事項は文部科学大臣が定めると決めています(第33条。中学校は第48条)。これを受けて、文部科学省令である学校教育法施行規則が、教育課程を作る教科などの種類と、授業時数の標準を定めます。そして「教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する」学習指導要領によると定めています。学習指導要領は、この規定に基づいて出された文部科学省の告示です(小学校は告示第63号、中学校は告示第64号)。

小学校と中学校の根拠規定(学校教育法・同施行規則)
項目小学校中学校
学校の目的学校教育法第29条学校教育法第45条
教育課程の事項は大臣が定める同第33条同第48条
教育課程を作るもの施行規則第50条施行規則第72条
授業時数の標準施行規則第51条・別表第一施行規則第73条・別表第二
学習指導要領による施行規則第52条施行規則第74条
全面実施2020年度(令和2年度)2021年度(令和3年度)

教育課程を作るもの

小学校の教育課程は、各教科(国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育、外国語)、特別の教科である道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動で作ります(施行規則第50条)。中学校は、各教科(国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国語)、特別の教科である道徳、総合的な学習の時間、特別活動です(第72条)。外国語活動は小学校(第3・4学年)だけにあります。なお、私立の小学校は宗教を加えることができ、宗教をもって道徳に代えることもできます(第50条第2項)。

授業時数

施行規則の別表は、授業時数の「標準」を定めています。数え方の単位である1単位時間は、小学校が45分、中学校が50分です。また総則は、各教科等の授業を年間35週(小学校第1学年は34週)以上にわたって行うよう計画し、週あたりの授業時数が子どもの負担過重にならないようにするとしています。別表の特別活動の時数は、学級活動(学校給食に係るものを除く)に充てるものです。

主な標準授業時数(年間。小学校は1単位時間45分、中学校は50分)
区分道徳外国語活動総合的な学習の時間特別活動総授業時数
小134--34850
小235--35910
小335357035980
小4353570351015
小5・小635-70351015
中135-50351015
中2・中335-70351015

小学校第5・6学年では、教科としての外国語が年間70単位時間あります。

前文と総則の構成

学習指導要領は「前文」から始まります。前文は、教育基本法第1条の教育の目的と第2条の教育の目標を示したうえで、子ども一人一人が「持続可能な社会の創り手」となることができるようにすることを求めています。そして、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会が共有し、どのような資質・能力を身に付けるのかを教育課程で明確にしながら、社会との連携・協働で実現を図る社会に開かれた教育課程の実現が重要だと述べています。また学習指導要領は、教育課程の基準を大綱的に(大まかな枠組みとして)定めるもので、その役割の一つは、公の性質をもつ学校の教育水準を全国的に確保することだとしています。

第1章「総則」は、教育課程全体に共通するきまりで、小学校・中学校とも6つの部分からできています。第1「教育の基本と教育課程の役割」、第2「教育課程の編成」、第3「教育課程の実施と学習評価」、第4「児童(中学校は生徒)の発達の支援」、第5「学校運営上の留意事項」、第6「道徳教育に関する配慮事項」です。小学校と中学校で文章の多くは同じで、「児童」と「生徒」の言い換えのほかに、校種による違いがいくつかあります。この章では、その違いも並べて確認します。

用語

教育課程
学校の教育目的・目標を達成するために、教育の内容を授業時数との関連で組織した、学校の教育計画。各学校が編成する。
学習指導要領
学校教育法施行規則に基づき、文部科学大臣が教育課程の基準として公示するもの。
告示
国の機関が、決めたことを広く知らせる形式。学習指導要領は文部科学省告示として出される。
社会に開かれた教育課程
学校と社会が理念を共有し、身に付ける資質・能力を明確にして、社会と連携・協働しながら実現を図る教育課程。前文で示された。
標準授業時数
施行規則の別表が定める、各学年の授業時数の標準。

例題

例題:中学校第1学年の総合的な学習の時間の標準授業時数と、1単位時間の長さは。
答えと考え方 年間50単位時間で、1単位時間は50分です(施行規則別表第二)。第2・3学年は70単位時間です。小学校は第3学年から第6学年まで各70単位時間で、1単位時間は45分です(別表第一)。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)(前文・第1章総則、収録の学校教育法・同施行規則(抄))、中学校学習指導要領(平成29年告示)(同)、学校教育法施行規則(e-Gov)(別表第一は2026年4月1日施行の改正後の現行版で確認)、学校教育法(e-Gov)

2. 育成を目指す資質・能力――生きる力と三つの柱

総則の第1と第2の2から、生きる力、資質・能力の三つの柱、教科等横断的な資質・能力を学びます。

総則の第1は、学校教育で何を目指すのかを示す部分です。ここに、今回の学習指導要領の中心となる「生きる力」と「資質・能力の三つの柱」が書かれています。

教育課程編成の原則(第1の1)

各学校は、教育基本法・学校教育法その他の法令と学習指導要領に従い、子どもの「人間として調和のとれた育成」を目指して、子どもの心身の発達の段階や特性、学校や地域の実態を十分考慮して、適切な教育課程を編成します。

生きる力を育む3つの事項(第1の2)

学校は、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、次の⑴から⑶の実現を図り、子どもに生きる力を育むことを目指します。

⑴ 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実。その際、言語活動など学習の基盤をつくる活動を充実し、家庭と連携して学習習慣が確立するよう配慮します。

⑵ 道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動等を通した、豊かな心や創造性の涵養(かんよう:少しずつ育てること)を目指した教育の充実。学校の道徳教育は、特別の教科である道徳(道徳科)を要(かなめ)として学校の教育活動全体を通じて行います。道徳教育の目標は、道徳性を養うことですが、その書き方が校種で違います。小学校は「自己の生き方を考え」、中学校は「人間としての生き方を考え」としています。

⑶ 体育・健康に関する指導を学校の教育活動全体を通じて行い、健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指す教育の充実。食育の推進、体力の向上、安全に関する指導、心身の健康の保持増進に関する指導は、小学校では体育科・家庭科・特別活動、中学校では保健体育科・技術・家庭科・特別活動の時間はもとより、ほかの教科等でもそれぞれの特質に応じて行います。

資質・能力の三つの柱(第1の3)

⑴から⑶の実現を図り、「豊かな創造性を備え持続可能な社会の創り手となることが期待される」子どもに生きる力を育むため、学校教育全体と各教科等の指導を通して、どのような資質・能力の育成を目指すのかを明確にします。その際、次の3つが偏りなく実現できるようにします。

⑴ 知識及び技能が習得されるようにすること。⑵ 思考力、判断力、表現力等を育成すること。⑶ 学びに向かう力、人間性等を涵養すること。

この三つの柱は、2016年(平成28年)12月の中央教育審議会答申で整理され、各教科等の目標や内容もこの三つで整理されています。ここでいう「各教科等」は、小学校では各教科、道徳科、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動、中学校では外国語活動を除いたものを指します。

学校教育法第30条第2項とのつながり

学校教育法第30条第2項は、小学校で「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう」、基礎的な知識及び技能を習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならないと定めています。この規定は、第49条によって中学校にも準用されます(読み替えて当てはめること)。三つの柱は、この規定と対応しています。

学校教育法第30条第2項と三つの柱
学校教育法第30条第2項資質・能力の三つの柱
基礎的な知識及び技能知識及び技能
思考力、判断力、表現力その他の能力思考力、判断力、表現力等
主体的に学習に取り組む態度学びに向かう力、人間性等

教科等横断的な資質・能力(第2の2)

総則は、特定の教科だけでは育たない力を、教科等横断的な視点で育てることも求めています。⑴ 言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む)、問題発見・解決能力等の「学習の基盤となる資質・能力」。⑵ 豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力です。⑵は、各学校の特色を生かした教育課程の編成で育てます。

用語

生きる力
第1の2の⑴〜⑶の実現を図ることで子どもに育むことを目指す力。
資質・能力の三つの柱
知識及び技能/思考力、判断力、表現力等/学びに向かう力、人間性等。
涵養
水がしみ込むように、少しずつ養い育てること。
道徳科を要として
道徳教育の中心(かなめ)を道徳科に置きつつ、学校の教育活動全体で行うということ。
学習の基盤となる資質・能力
言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む)、問題発見・解決能力等。

例題

例題:「学びに向かう力、人間性等」は、学校教育法第30条第2項のどの言葉と対応すると考えられるか。
答えと考え方 「主体的に学習に取り組む態度」です。三つの柱の⑴は「基礎的な知識及び技能」、⑵は「思考力、判断力、表現力その他の能力」と対応します。なお、三つの柱の⑶は「人間性等」まで含むので、法律の言葉より広い内容を指しています。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章総則 第1・第2の2、学校教育法(e-Gov)第30条第2項・第49条、中央教育審議会答申(平成28年12月21日、中教審第197号)

3. カリキュラム・マネジメントと主体的・対話的で深い学び

教育課程の編成のきまり、学校段階等間の接続、授業改善の考え方を、小学校と中学校の違いとともに整理します。

目指す資質・能力を、実際の教育課程と授業でどう実現するかを定めているのが、総則の第1の4、第2、第3の1です。キーワードは「カリキュラム・マネジメント」と「主体的・対話的で深い学び」です。

カリキュラム・マネジメント(第1の4)

総則は、次のようなことを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくことをカリキュラム・マネジメントと呼び、各学校がこれに努めるとしています。

① 子どもや学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと。② 教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと。③ 教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくこと。

第5の1では、校長の方針の下に、校務分掌に基づき教職員が役割を分担し連携しながらカリキュラム・マネジメントを行うこと、学校評価はカリキュラム・マネジメントと関連付けて行うことが示されています。また、学校保健計画、学校安全計画、食に関する指導の全体計画、いじめの防止等のための対策に関する基本的な方針など、各分野の全体計画とも関連付けます。

教育課程の編成(第2)

各学校は、育成を目指す資質・能力を踏まえて学校の教育目標を明確にし、教育課程の編成の基本的な方針を家庭や地域とも共有するよう努めます。その際、総合的な学習の時間で各学校が定める目標との関連を図ります。

内容の取扱いの共通ルールは次のとおりです。学習指導要領に示す内容は、特に示す場合を除き、どの学校でも取り扱わなければなりません。一方で、特に必要がある場合には、示していない内容を加えて指導することができます。ただし、目標や内容の趣旨を逸脱したり、子どもの負担過重となったりしてはいけません。また、内容に掲げる事項の順序は、特に示す場合を除き、指導の順序を示すものではありません。各教科等の授業を休業日の期間に授業日を設定して行うことや、10分から15分程度の短い時間を活用した指導を、条件を満たせば年間授業時数に含めることもできます。総合的な学習の時間の学習活動で学校行事と同様の成果が期待できる場合は、それをもって相当する学校行事の実施に替えることもできます。

第2の中で小学校と中学校が違う主な点
項目小学校中学校
2学年まとめて示した内容2学年間を見通して計画的に指導する規定なし
複式学級で学年別の順序によらない範囲各教科及び道徳科各教科
選択教科規定なし開設して履修させることができる
合科的・関連的な指導指導計画の配慮事項にある規定なし
学校段階等間の接続幼児期の教育との接続、中学校教育以降との接続小学校教育との接続、高等学校教育以降との接続

学校段階等間の接続(第2の4)

小学校は、幼稚園教育要領等に示された「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえた指導を工夫します。特に入学当初は、遊びを通して育まれてきたことが各教科等の学習に円滑につながるよう、生活科を中心に、合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定などを行います。義務教育学校・中学校連携型小学校・中学校併設型小学校では、義務教育9年間を見通した教育課程を編成します。中学校は、小学校までの学習の成果が円滑に接続され、義務教育段階の終わりまでに育成を目指す資質・能力を確実に身に付けられるよう工夫します。中等教育学校・連携型中学校・併設型中学校では、中等教育6年間を見通した教育課程を編成します。

主体的・対話的で深い学び(第3の1)

各教科等の指導では、三つの柱が偏りなく実現されるよう、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行います。その際、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である見方・考え方を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりする過程を重視します。

あわせて、言語能力を育てるため国語科を要としつつ各教科等で言語活動を充実させること、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用できる環境を整えること、学習の見通しを立てたり振り返ったりする活動、体験活動、子どもが自ら学習課題や学習活動を選択する機会、学校図書館や地域の図書館・博物館等の活用も示されています。小学校の総則には、コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作を習得する学習活動と、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付ける学習活動を計画的に実施することが、はっきり書かれています。

用語

カリキュラム・マネジメント
教育課程に基づき、組織的かつ計画的に学校の教育活動の質の向上を図っていくこと。3つの側面がある。
教科等横断的な視点
一つの教科の枠をこえて、複数の教科等の内容を関連させて組み立てる考え方。
見方・考え方
各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方。
合科的・関連的な指導
複数の教科の内容を合わせたり、関連付けたりして行う指導。
単元
内容や時間のまとまり。授業改善や評価は単元や題材を見通して行う。

例題

例題:小学校1年生の4月、算数の授業と生活科の学校探検を関連させ、時間割も子どもの様子に合わせて柔軟に組んだ。これは総則のどの規定に沿った工夫か。
答えと考え方 第2の4⑴の、小学校入学当初に生活科を中心として合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定などを行う、という規定です。幼児期に遊びを通して育まれてきたことを、各教科等の学習に円滑につなげるための工夫です。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第1の4・第2・第3の1・第5の1

4. 学習評価・発達の支援・道徳教育の配慮事項

総則の後半にある学習評価、発達の支援、学校運営、道徳教育の規定を、文部科学省の学習評価の通知とあわせて確認します。

総則の後半(第3の2〜第6)は、学習評価、子どもの発達の支援、学校運営、道徳教育について定めています。学習評価は文部科学省の通知とあわせて確認します。

学習評価(第3の2)

総則は、子どものよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫し、学習の過程や成果を評価して、指導の改善や学習意欲の向上に生かすことを求めています。また、評価の妥当性や信頼性を高めるよう組織的かつ計画的に取り組むことと、学年や学校段階を越えて学習の成果が円滑に接続されるよう工夫することも示しています。

2019年(平成31年)3月29日の文部科学省の通知は、「学習指導」と「学習評価」はカリキュラム・マネジメントの中核的な役割を担うとし、学習評価を児童生徒の学習改善と教師の指導改善につながるものにすることを求めています。各教科の観点別学習状況の評価は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点です。「主体的に学習に取り組む態度」は、知識及び技能の獲得や思考力等の育成に向けた粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとしているかを含めて評価します。一方、「学びに向かう力、人間性等」のうち観点別学習状況の評価になじまない部分(感性や思いやりなど)は、個人内評価(その子自身のよさや伸びを見る評価)等で見取ります。

指導要録での記録の仕方(2019年3月の通知の別紙1・2)
項目小学校中学校
観点別学習状況A・B・Cの3段階A・B・Cの3段階
評定第3学年以上で3段階(3・2・1)5段階(5〜1)
特別の教科 道徳個人内評価として文章で記述個人内評価として文章で記述
外国語活動どのような力が身に付いたかを文章で記述(外国語活動はない)

A は「十分満足できる」、B は「おおむね満足できる」、C は「努力を要する」状況です。評定は観点別学習状況を基本的な要素として、各学校が具体的な決め方を定めます。

発達の支援(第4)

学級経営の充実を図り、主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方で発達を支援します。あわせて生徒指導の充実、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じたキャリア教育の充実、個に応じた指導の充実を図ります。中学校では、キャリア教育の中で、学校の教育活動全体を通じた組織的かつ計画的な進路指導を行うことも加わっています。小学校には、低学年・中学年・高学年の時期の特長を生かした指導の工夫が書かれています。

特別な配慮を必要とする子どもについては、障害のある子どもへの指導(特別支援学級の特別の教育課程では、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領に示す自立活動を取り入れる。特別支援学級に在籍する子どもや通級による指導を受ける子どもには、個別の教育支援計画と個別の指導計画を作成し、効果的に活用する)、海外から帰国した子どもや日本語の習得に困難のある子どもへの指導、不登校の子どもへの配慮(社会的自立を目指す観点から必要な支援を行う)が定められています。中学校には、これに加えて、夜間その他の特別の時間に授業を行う課程での学齢を経過した者への配慮があります。

学校運営と道徳教育(第5・第6)

第5では、家庭や地域社会との連携・協働、他の学校との連携、障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けることが示されています。中学校だけに、部活動の規定があります。部活動は生徒の自主的、自発的な参加により行われ、学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意し、持続可能な運営体制を整えるとしています。

第6では、各学校が道徳教育の全体計画を作り、校長の方針の下に、道徳教育推進教師を中心に全教師が協力して道徳教育を展開することが示されています。指導内容の重点は、小学校では第1・2学年、第3・4学年、第5・6学年の段階ごとに示され、中学校では小学校の指導内容を更に発展させるものとして示されています。豊かな体験の例として、小学校は集団宿泊活動、中学校は職場体験活動を挙げ、ボランティア活動、自然体験活動、地域の行事への参加は両方に共通です。

用語

観点別学習状況の評価
目標に照らし、観点ごとに実現状況を A・B・C で評価するもの。3観点で行う。
評定
各教科の学習状況を総括的に評価するもの。小学校(第3学年以上)は3段階、中学校は5段階。
個人内評価
ほかの子どもとの比較ではなく、その子自身のよい点や進歩の状況を見る評価。
ガイダンスとカウンセリング
集団の場面での指導・援助と、一人一人の課題に個別に対応した指導。双方で発達を支援する。
道徳教育推進教師
道徳教育の推進を主に担当する教師。校長の方針の下、全教師の協力の中心となる。

例題

例題:中学校の数学で、ある生徒は課題が難しくても解き方を何度も変えて取り組み、途中で自分の理解を確かめて進め方を直していた。この様子は、主にどの観点で評価するか。
答えと考え方 「主体的に学習に取り組む態度」です。通知は、この観点を、粘り強い取組の中で自らの学習を調整しようとしているかどうかを含めて評価するとしています。単に挙手の回数やノートの提出といった形式的な態度だけを見るものではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章総則 第3の2・第4〜第6、文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(平成31年3月29日)、同通知 別紙1(小学校)・別紙2(中学校)

確認問題(36問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|学習指導要領の法的根拠

小学校学習指導要領が「教育課程の基準」として文部科学大臣により公示される直接の根拠となる規定はどれか。

  1. 教育基本法第16条
  2. 学校教育法施行規則第52条
  3. 学校教育法施行令第1条
  4. 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第21条
正解と解説
正解:B. 学校教育法施行規則第52条

学校教育法施行規則第52条は、小学校の教育課程について「教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする」と定めています(中学校は第74条)。教育基本法第16条は教育行政の原則、学校教育法施行令第1条は学齢簿に関する規定、地方教育行政法第21条は教育委員会の職務権限の規定で、学習指導要領の公示の直接の根拠ではありません。

根拠:学校教育法施行規則(e-Gov)第52条・第74条(小学校学習指導要領(平成29年告示)収録の告示文)

問2|前文の理念

平成29年告示の学習指導要領の前文で、その実現が重要だとされている理念はどれか。

  1. 学校完全週5日制による教育課程
  2. 習熟度別指導を中心とする教育課程
  3. 教科書の内容を全国で統一した教育課程
  4. 社会に開かれた教育課程
正解と解説
正解:D. 社会に開かれた教育課程

前文は、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会が共有し、社会との連携・協働により実現を図る「社会に開かれた教育課程」の実現が重要だとしています。学校週5日制は前文の理念として書かれていません。習熟度別指導は第4の1の⑷で個に応じた指導の方法の例の一つとして出てくるだけです。教科書の内容の統一も前文の理念ではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 前文

問3|学習指導要領の性格

前文が示す学習指導要領の性格・役割として正しいものはどれか。

  1. 教育課程の基準を大綱的に定め、教育水準を全国的に確保する役割をもつ
  2. 各学校の教育課程を文部科学大臣が個別に審査し、承認するためのものである
  3. 各教科の内容を指導する順序と時期を、全国一律に細かく定めたものである
  4. 学校の特色づくりを認めず、どの学校も同じ時間割で指導させるためのものである
正解と解説
正解:A. 教育課程の基準を大綱的に定め、教育水準を全国的に確保する役割をもつ

前文は、学習指導要領を教育課程の基準を大綱的に定めるものとし、その役割の一つを公の性質を有する学校の教育水準を全国的に確保することとしています。教育課程は各学校が編成するもので、大臣が個別に承認するものではありません。総則は内容の順序は指導の順序を示すものではないとし、時間割も各学校が弾力的に編成できるとしています。また前文は、各学校が特色を生かして創意工夫を重ねることも重要だとしています。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 前文、第1章総則 第2の3

問4|中学校の教育課程の構成

学校教育法施行規則で、小学校の教育課程には含まれるが、中学校の教育課程(第72条)には含まれないものはどれか。

  1. 特別の教科である道徳
  2. 総合的な学習の時間
  3. 外国語活動
  4. 特別活動
正解と解説
正解:C. 外国語活動

小学校の教育課程(第50条)には外国語活動が含まれますが、中学校(第72条)は各教科、特別の教科である道徳、総合的な学習の時間、特別活動で編成し、外国語活動はありません。外国語活動は小学校第3・4学年で行います。道徳科、総合的な学習の時間、特別活動は小学校・中学校の両方にあります。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示)(収録の学校教育法施行規則(抄))、学校教育法施行規則(e-Gov) 第50条・第72条

問5|1単位時間

学校教育法施行規則の別表が定める授業時数の1単位時間の長さとして正しい組み合わせはどれか。

  1. 小学校40分、中学校45分
  2. 小学校45分、中学校45分
  3. 小学校45分、中学校50分
  4. 小学校50分、中学校50分
正解と解説
正解:C. 小学校45分、中学校50分

別表第一(小学校)の備考は1単位時間を45分、別表第二(中学校)の備考は50分としています。小学校と中学校で同じではありません。なお、実際の授業の1単位時間は、年間授業時数を確保しつつ各学校が適切に定めることができます(総則第2の3⑵ウ)。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示)(収録の学校教育法施行規則(抄))、学校教育法施行規則(e-Gov) 別表第一・別表第二の備考

問6|授業の週数

総則が示す、各教科等の授業を計画する週数について正しいものはどれか。

  1. 年間35週(小学校第1学年は34週)以上にわたって行うよう計画する
  2. 小学校・中学校とも全学年で年間34週ちょうどで計画する
  3. 年間40週以上にわたって行うよう計画しなければならない
  4. 週数の定めはなく、各学校が自由に決めてよい
正解と解説
正解:A. 年間35週(小学校第1学年は34週)以上にわたって行うよう計画する

総則第2の3⑵アは、各教科等の授業を年間35週(小学校第1学年については34週)以上にわたって行うよう計画し、週当たりの授業時数が子どもの負担過重にならないようにするとしています。中学校は全学年35週以上です。「34週ちょうど」「40週以上」はどちらも誤りで、定めがないわけでもありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第2の3⑵ア

問7|総授業時数

学校教育法施行規則の別表に示された総授業時数(標準)について正しいものはどれか。

  1. 小学校第1学年は年間910単位時間、第2学年は850単位時間である
  2. 中学校は第1学年が最も多く、第3学年が最も少ない
  3. 小学校第3学年の総授業時数は第4学年より多い
  4. 小学校第4〜6学年と中学校の各学年は、いずれも年間1015単位時間である
正解と解説
正解:D. 小学校第4〜6学年と中学校の各学年は、いずれも年間1015単位時間である

別表第一で小学校第4〜6学年は1015、別表第二で中学校第1〜3学年は各1015です。小学校第1学年は850、第2学年は910で、選択肢は逆になっています。中学校の総授業時数は3学年とも同じです。小学校第3学年は980で、第4学年の1015より少ないです。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示)(収録の学校教育法施行規則(抄))、学校教育法施行規則(e-Gov) 別表第一・別表第二

問8|総合的な学習の時間の時数

総合的な学習の時間の標準授業時数(年間)として正しいものはどれか。

  1. 中学校は各学年とも105単位時間
  2. 中学校第1学年は50単位時間、第2・3学年は各70単位時間
  3. 小学校は第1学年から第6学年まで各70単位時間
  4. 小学校第3・4学年は各35単位時間、第5・6学年は各70単位時間
正解と解説
正解:B. 中学校第1学年は50単位時間、第2・3学年は各70単位時間

別表第二で中学校の総合的な学習の時間は第1学年50、第2・3学年各70です。各学年105ではありません。小学校は別表第一で第3学年から第6学年まで各70で、第1・2学年にはありません。第3・4学年の35は外国語活動の時数で、総合的な学習の時間ではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示)(収録の学校教育法施行規則(抄))、学校教育法施行規則(e-Gov) 別表第一・別表第二

問9|全面実施の時期

平成29年3月告示の学習指導要領の全面実施(施行)の時期として正しいものはどれか。

  1. 小学校は2020年度(令和2年度)、中学校は2021年度(令和3年度)から
  2. 小学校・中学校とも2018年度(平成30年度)から
  3. 小学校は2021年度、中学校は2020年度から
  4. 小学校・中学校とも2022年度(令和4年度)から
正解と解説
正解:A. 小学校は2020年度(令和2年度)、中学校は2021年度(令和3年度)から

告示文は、小学校学習指導要領を平成32年(=令和2年、2020年)4月1日から、中学校学習指導要領を平成33年(=令和3年、2021年)4月1日から施行するとしています。2018年度からは移行期間で、全面実施ではありません。小学校と中学校を逆にした選択肢、2022年度とする選択肢も誤りです。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 冒頭の文部科学省告示第63号・第64号

問10|三つの柱

総則第1の3に示された、偏りなく実現できるようにする資質・能力の三つの柱の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. 知識及び理解/技能及び表現/関心・意欲・態度
  2. 確かな学力/豊かな心/健やかな体
  3. 知識及び技能/思考力、判断力、表現力等/学びに向かう力、人間性等
  4. 知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度
正解と解説
正解:C. 知識及び技能/思考力、判断力、表現力等/学びに向かう力、人間性等

第1の3は、⑴知識及び技能が習得されるようにすること、⑵思考力、判断力、表現力等を育成すること、⑶学びに向かう力、人間性等を涵養することを挙げています。「知識及び理解/技能及び表現/関心・意欲・態度」は総則のこの規定の言葉ではありません。「知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度」は学習評価の3観点で、三つの柱そのものではありません。「確かな学力/豊かな心/健やかな体」も第1の3の三つの柱の言葉ではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第1の3、文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(平成31年3月29日)

問11|学校教育法第30条第2項

学校教育法第30条第2項(基礎的な知識及び技能、思考力・判断力・表現力その他の能力、主体的に学習に取り組む態度)と中学校の関係について正しいものはどれか。

  1. 小学校だけに適用され、中学校には同じ趣旨の規定がない
  2. 小学校の規定だが、第49条により中学校に準用される
  3. 中学校については、学校教育法施行規則で独自に定められている
  4. 中学校については、学習指導要領の総則だけが根拠となる
正解と解説
正解:B. 小学校の規定だが、第49条により中学校に準用される

第30条第2項は小学校の規定ですが、第49条が「第三十条第二項…の規定は、中学校に準用する」とし、「前項」を「第四十六条」と読み替えています。そのため中学校にも同じ趣旨が当てはまり、第48条は中学校の教育課程に関する事項をこの規定に従って大臣が定めるとしています。中学校に規定がないとする選択肢、施行規則や総則だけが根拠とする選択肢は誤りです。

根拠:学校教育法(e-Gov)第30条第2項・第48条・第49条(中学校学習指導要領(平成29年告示)収録の学校教育法(抄))

問12|豊かな心

総則第1の2の⑵に掲げられている事項はどれか。

  1. 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力等を育むこと
  2. 体育・健康に関する指導を学校の教育活動全体を通じて行い、豊かなスポーツライフの実現を目指すこと
  3. 言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等を教科等横断的な視点で育成すること
  4. 道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動等を通して、豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めること
正解と解説
正解:D. 道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動等を通して、豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めること

第1の2の⑵は、道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動等を通した豊かな心や創造性の涵養です。知識及び技能の習得と思考力等の育成は⑴、体育・健康に関する指導は⑶にあたります。言語能力などの学習の基盤となる資質・能力は第2の2の⑴で、第1の2ではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第1の2・第2の2

問13|道徳教育の進め方

総則が示す学校における道徳教育の進め方として正しいものはどれか。

  1. 道徳科の授業時間の中だけで行い、ほかの教科等では扱わない
  2. 特別活動を要として学校の教育活動全体を通じて行う
  3. 家庭で行うことを原則とし、学校は道徳科の授業だけを担う
  4. 道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて行う
正解と解説
正解:D. 道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて行う

総則第1の2の⑵は、学校における道徳教育は特別の教科である道徳(道徳科)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものとし、各教科等のそれぞれの特質に応じて適切な指導を行うとしています。道徳科の時間だけで行うものではありません。特別活動を要とするのはキャリア教育(第4の1の⑶)です。道徳教育の主な場を家庭とする規定もありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第1の2⑵・第4の1⑶

問14|道徳教育の目標の小中の違い

総則に示された道徳教育の目標の書き方で、小学校と中学校が違う部分の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. 小学校は「人間としての生き方を考え」、中学校は「自己の生き方を考え」
  2. 小学校は「自己の生き方を考え」、中学校は「人間としての生き方を考え」
  3. 小学校は「よりよく生きる力を考え」、中学校は「人間としての在り方生き方を考え」
  4. 小学校・中学校とも「自己の生き方を考え」で、違いはない
正解と解説
正解:B. 小学校は「自己の生き方を考え」、中学校は「人間としての生き方を考え」

道徳教育の目標は、小学校では「自己の生き方を考え」、中学校では「人間としての生き方を考え」、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うこととしています。小中を逆にした選択肢は誤りです。「よりよく生きる力」「人間としての在り方生き方」は、小学校・中学校の総則の道徳教育の目標の言葉ではありません。小中で違いがないとする選択肢も誤りです。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第1の2⑵

問15|体育・健康に関する指導

総則第1の2の⑶で、食育の推進、体力の向上、安全に関する指導、心身の健康の保持増進に関する指導を「はもとより」行う時間として、中学校で挙げられているものはどれか。

  1. 体育科、家庭科及び特別活動の時間
  2. 保健体育科と総合的な学習の時間だけ
  3. 保健体育科、技術・家庭科及び特別活動の時間
  4. 特別の教科である道徳と学級活動だけ
正解と解説
正解:C. 保健体育科、技術・家庭科及び特別活動の時間

中学校の総則は、これらの指導を保健体育科、技術・家庭科及び特別活動の時間はもとより、各教科、道徳科及び総合的な学習の時間などでもそれぞれの特質に応じて行うよう努めるとしています。「体育科、家庭科及び特別活動」は小学校の書き方です。保健体育科と総合的な学習の時間だけ、道徳科と学級活動だけという限定もありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第1の2⑶

問16|学習の基盤となる資質・能力

総則第2の2の⑴が「学習の基盤となる資質・能力」として例示しているものの組み合わせはどれか。

  1. 言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む)、問題発見・解決能力
  2. 計算能力、記憶力、語彙力
  3. 外国語能力、プログラミング能力、プレゼンテーション能力
  4. 体力、協調性、規範意識
正解と解説
正解:A. 言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む)、問題発見・解決能力

第2の2の⑴は、言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む。)、問題発見・解決能力等を学習の基盤となる資質・能力とし、各教科等の特質を生かし、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るとしています。ほかの選択肢の組み合わせは、総則のこの規定に示されていません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第2の2⑴

問17|三つの柱と各教科等

総則第1の3の「各教科等」の範囲について正しいものはどれか。

  1. 小学校・中学校とも特別活動を含まない
  2. 小学校では外国語活動を含み、中学校では外国語活動を含まない
  3. 小学校・中学校とも道徳科を含まない
  4. 中学校では選択教科だけを指す
正解と解説
正解:B. 小学校では外国語活動を含み、中学校では外国語活動を含まない

第1の3は、小学校では「各教科、道徳科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動」、中学校では「各教科、道徳科、総合的な学習の時間及び特別活動」を「各教科等」としています。外国語活動は小学校だけです。特別活動と道徳科は両方に含まれます。中学校で選択教科だけを指すという定めはありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第1の3

問18|豊かな体験の例

総則第6の3で、道徳教育のための豊かな体験の例として、小学校と中学校で違うものの組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. 小学校は集団宿泊活動、中学校は職場体験活動
  2. 小学校は職場体験活動、中学校は集団宿泊活動
  3. 小学校はボランティア活動、中学校は自然体験活動
  4. 小学校は地域の行事への参加、中学校は部活動
正解と解説
正解:A. 小学校は集団宿泊活動、中学校は職場体験活動

第6の3は、豊かな体験として、小学校では集団宿泊活動、中学校では職場体験活動を最初に挙げ、どちらもボランティア活動、自然体験活動、地域の行事への参加を続けて挙げています。小中を逆にした選択肢は誤りです。ボランティア活動・自然体験活動・地域の行事への参加は両方に共通です。部活動は第5の1ウの規定で、第6の体験の例ではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第5の1・第6の3

問19|カリキュラム・マネジメントの側面

総則第1の4が示すカリキュラム・マネジメントの内容に含まれるものはどれか。

  1. 各教科の教科書を学校ごとに選んで採択すること
  2. 学習指導要領の内容を学校独自に削減して授業時数を減らすこと
  3. 教育課程の編成を教育委員会にすべて任せること
  4. 教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくこと
正解と解説
正解:D. 教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくこと

第1の4は、①教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと、②教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、③教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくこと、などを通して教育活動の質の向上を図ることをカリキュラム・マネジメントとしています。教科書の採択は総則のこの規定の内容ではありません。示された内容は特に示す場合を除き取り扱わなければならず、学校独自に削減することはできません。教育課程は各学校が編成するものです。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第1の4・第2の3⑴

問20|カリキュラム・マネジメントと学校評価

総則第5の1アの内容として正しいものはどれか。

  1. カリキュラム・マネジメントは教務主任が一人で行い、ほかの教職員は関わらない
  2. 学校評価は教育課程と切り離し、施設・設備の点検だけを対象とする
  3. 校長の方針の下に教職員が役割を分担・連携してカリキュラム・マネジメントを行い、学校評価はカリキュラム・マネジメントと関連付けて実施する
  4. カリキュラム・マネジメントは教育委員会が行い、各学校は報告を受けるだけである
正解と解説
正解:C. 校長の方針の下に教職員が役割を分担・連携してカリキュラム・マネジメントを行い、学校評価はカリキュラム・マネジメントと関連付けて実施する

第5の1アは、各学校で校長の方針の下に、校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ相互に連携しながらカリキュラム・マネジメントを行うよう努め、学校評価はカリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するとしています。一人の教員だけで行うもの、教育委員会が行うものではありません。学校評価を教育課程と切り離すという内容は逆で、教育課程の編成・実施・改善は教育活動や学校運営の中核とされています。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第5の1ア

問21|示していない内容の指導

学習指導要領に示していない内容の指導について、総則第2の3⑴イの内容として正しいものはどれか。

  1. 学習指導要領に示していない内容は、どのような場合も指導してはならない
  2. 示していない内容を加える場合は、文部科学大臣の承認を受けなければならない
  3. 特に必要がある場合には加えて指導できるが、目標や内容の趣旨を逸脱したり負担過重となったりしてはならない
  4. 示していない内容は、全ての子どもに必ず指導しなければならない
正解と解説
正解:C. 特に必要がある場合には加えて指導できるが、目標や内容の趣旨を逸脱したり負担過重となったりしてはならない

第2の3⑴イは、学校において特に必要がある場合には示していない内容を加えて指導することができ、内容の範囲や程度を示す事項にかかわらず加えて指導することもできるとしています。ただし、目標や内容の趣旨を逸脱したり、子どもの負担過重となったりしてはいけません。どのような場合も指導できないとする選択肢、大臣の承認が必要とする選択肢、全員に必ず指導するという選択肢は、いずれも規定と違います。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第2の3⑴イ

問22|選択教科

総則第2の3⑴の「選択教科」について正しいものはどれか。

  1. 小学校の総則にも、第5・6学年で選択教科を開設できると示されている
  2. 中学校では選択教科を必ず開設しなければならない
  3. 選択教科の名称や目標は、文部科学大臣が全国一律に定める
  4. 中学校の総則に、各教科や特に必要な教科を選択教科として開設し履修させることができると示されている
正解と解説
正解:D. 中学校の総則に、各教科や特に必要な教科を選択教科として開設し履修させることができると示されている

中学校の総則第2の3⑴オは、生徒や学校、地域の実態を考慮して、各教科や特に必要な教科を選択教科として開設し生徒に履修させることができるとし、特に必要な教科の名称、目標、内容などは各学校が適切に定めるとしています。小学校の総則に選択教科の規定はありません。「できる」規定なので必ず開設する義務はなく、名称等を大臣が一律に定めるわけでもありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第2の3⑴

問23|短時間の学習

10分から15分程度の短い時間を活用して特定の教科等の指導を行う場合について、総則の説明として正しいものはどれか。

  1. 指導内容の決定や成果の把握と活用等を教師が責任をもって行う体制が整備されているときは、その時間を年間授業時数に含めることができる
  2. どのような場合でも年間授業時数に含めることはできない
  3. 朝の読書の時間であれば、条件なしに国語の授業時数に含めなければならない
  4. 中学校では認められず、小学校だけで認められている
正解と解説
正解:A. 指導内容の決定や成果の把握と活用等を教師が責任をもって行う体制が整備されているときは、その時間を年間授業時数に含めることができる

総則第2の3⑵ウは、各教科等の特質に応じ、10分から15分程度の短い時間を活用して特定の教科等の指導を行う場合に、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した中で、教師(中学校は当該教科等を担当する教師)が指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されているときは、その時間を当該教科等の年間授業時数に含めることができるとしています。条件付きで含めることができるので、「どのような場合も含められない」「条件なしに含めなければならない」は誤りです。中学校にも同じ趣旨の規定があります。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第2の3⑵ウ

問24|総合的な学習の時間と学校行事

総合的な学習の時間と特別活動の学校行事の関係について、総則の説明として正しいものはどれか。

  1. 学校行事の時間をもって、総合的な学習の時間の授業時数に必ず替えなければならない
  2. 総合的な学習の時間の学習活動で学校行事と同様の成果が期待できる場合、相当する学校行事の実施に替えることができる
  3. 総合的な学習の時間と学校行事は、どのような場合も互いに替えることはできない
  4. 学校行事は総合的な学習の時間の一部であり、別に実施する必要はない
正解と解説
正解:B. 総合的な学習の時間の学習活動で学校行事と同様の成果が期待できる場合、相当する学校行事の実施に替えることができる

総則第2の3⑵エは、総合的な学習の時間における学習活動により、特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては、総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する学校行事の実施に替えることができるとしています。向きは「総合的な学習の時間で学校行事に替える」であり、学校行事で総合的な学習の時間に必ず替えるというものではありません。替えることが一切できないという選択肢も、学校行事が総合的な学習の時間の一部だとする選択肢も誤りです。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第2の3⑵エ

問25|小学校入学当初の接続

小学校の総則第2の4⑴が示す、小学校入学当初の指導の工夫として正しいものはどれか。

  1. 生活科を中心に、合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定などを行う
  2. 国語科を中心に、一斉指導による読み書きの反復だけを行う
  3. 幼稚園での遊びの経験は考慮せず、各教科の学習をすぐに始める
  4. 特別活動を中心に、1単位時間を90分に固定して指導する
正解と解説
正解:A. 生活科を中心に、合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定などを行う

第2の4⑴は、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を踏まえた指導を工夫し、特に入学当初は、幼児期に自発的な活動としての遊びを通して育まれてきたことが各教科等の学習に円滑に接続されるよう、生活科を中心に、合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など指導の工夫や指導計画の作成を行うとしています。国語科中心の反復だけ、幼児期の経験を考慮しない、特別活動中心で90分固定、のいずれも規定と違います。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第2の4

問26|見方・考え方

総則第3の1⑴で「見方・考え方」はどのように説明されているか。

  1. 教師が授業の前に作成する指導案の書き方
  2. 各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方
  3. 子どもの学習状況を数値で表す評価の方法
  4. 学習指導要領に示された各教科の内容の順序
正解と解説
正解:B. 各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方

第3の1⑴は、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方を「見方・考え方」とし、子どもがこれを働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりする過程を重視した学習の充実を図るとしています。指導案の書き方、評価の方法、内容の順序のことではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第3の1⑴

問27|言語活動の充実

総則第3の1⑵で、言語能力の育成を図るために言語活動を充実する際の考え方として正しいものはどれか。

  1. 国語科の授業の中だけで充実する
  2. 外国語科を要として充実する
  3. 国語科を要としつつ各教科等の特質に応じて充実する
  4. 特別活動を要として充実する
正解と解説
正解:C. 国語科を要としつつ各教科等の特質に応じて充実する

第3の1⑵は、言語能力の育成を図るため、各学校において必要な言語環境を整えるとともに、国語科を要としつつ各教科等の特質に応じて子どもの言語活動を充実すること、あわせて読書活動を充実することを示しています。国語科だけで行うものではなく、要は外国語科や特別活動ではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第3の1⑵

問28|プログラミング

総則第3の1⑶に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 小学校・中学校の総則とも、情報手段の活用については何も示していない
  2. 中学校の総則にだけ、コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作を習得する学習活動が示されている
  3. 小学校の総則は、コンピュータの使用を第5・6学年に限っている
  4. 小学校の総則には、児童がプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施することが示されている
正解と解説
正解:D. 小学校の総則には、児童がプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施することが示されている

小学校の総則第3の1⑶は、情報手段を活用するために必要な環境を整え、各教科等の特質に応じて、ア 文字の入力などの基本的な操作を習得する学習活動、イ プログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施するとしています。中学校の総則第3の1⑶にも情報手段の環境整備と活用は示されていますが、ア・イの学習活動の列挙はありません。学年を限る規定もありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第3の1⑶

問29|学習評価の3観点

平成31年3月29日の文部科学省の通知が示す、各教科の観点別学習状況の評価の観点として正しいものはどれか。

  1. 関心・意欲・態度/思考・判断・表現/技能/知識・理解
  2. 知識及び技能/思考力、判断力、表現力等/学びに向かう力、人間性等
  3. 知識・理解/技能・表現/感性・思いやり
  4. 知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度
正解と解説
正解:D. 知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度

通知は、観点別学習状況の評価の観点を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理しました。「関心・意欲・態度」を含む4つの組み合わせは、この通知の観点ではありません。「知識及び技能/思考力、判断力、表現力等/学びに向かう力、人間性等」は資質・能力の三つの柱で、評価の観点の名称とは違います。感性や思いやりは観点別評価になじまず、個人内評価等で見取るものとされています。

根拠:文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(平成31年3月29日)

問30|主体的に学習に取り組む態度

通知が示す「主体的に学習に取り組む態度」の評価の考え方として正しいものはどれか。

  1. 挙手の回数やノートの提出回数など、形式的な行動を数えて評価する
  2. 感性や思いやりの豊かさを中心に評価する
  3. 粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとしているかどうかを含めて評価する
  4. テストの点数だけで評価する
正解と解説
正解:C. 粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとしているかどうかを含めて評価する

通知は、「主体的に学習に取り組む態度」について、知識及び技能を獲得したり思考力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとしているかどうかを含めて評価するとしています。挙手やノート提出など形式的な行動だけで見るものではありません。感性や思いやりは観点別評価になじまず個人内評価等で見取る部分とされています。テストの点数だけで見る観点でもありません。

根拠:文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(平成31年3月29日)

問31|評定の段階

指導要録の各教科の「評定」について、通知の別紙が示す内容として正しいものはどれか。

  1. 小学校・中学校とも全学年で5段階で記入する
  2. 小学校は第3学年以上で3段階、中学校は5段階で記入する
  3. 小学校は第1学年から3段階、中学校は3段階で記入する
  4. 小学校は第3学年以上で5段階、中学校は3段階で記入する
正解と解説
正解:B. 小学校は第3学年以上で3段階、中学校は5段階で記入する

別紙1(小学校)は、評定を第3学年以上の各教科について、「十分満足できる」を3、「おおむね満足できる」を2、「努力を要する」を1として記入するとしています。別紙2(中学校)は、必修教科の評定を5段階(5〜1)で記入するとしています。小学校の第1・2学年には評定はありません。小中の段階数を逆にした選択肢も誤りです。

根拠:同通知 別紙1(小学校)・別紙2(中学校)

問32|道徳科と個人内評価

特別の教科である道徳の評価(指導要録の記録)について正しいものはどれか。

  1. 学習状況や道徳性に係る成長の様子を、個人内評価として文章で記述する
  2. 各学年でA・B・Cの3段階で評価する
  3. 中学校では5段階、小学校では3段階で評定する
  4. 道徳科は評価の対象とせず、記録も行わない
正解と解説
正解:A. 学習状況や道徳性に係る成長の様子を、個人内評価として文章で記述する

通知の別紙は、道徳科について、学習活動における学習状況や道徳性に係る成長の様子を、個人内評価として文章で記述するとしています。A・B・Cや数値による評価、評定は行いません。評価を行わないという選択肢も誤りです。

根拠:同通知 別紙1(小学校)・別紙2(中学校)

問33|ガイダンスとカウンセリング

総則第4の1⑴のガイダンスとカウンセリングの説明として正しいものはどれか。

  1. ガイダンスは個別の面談だけを指し、カウンセリングは学級全体への説明を指す
  2. ガイダンスは主に集団の場面で必要な指導や援助を行い、カウンセリングは一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行う
  3. ガイダンスとカウンセリングは、どちらもスクールカウンセラーだけが行う
  4. ガイダンスは中学校だけで、カウンセリングは小学校だけで行う
正解と解説
正解:B. ガイダンスは主に集団の場面で必要な指導や援助を行い、カウンセリングは一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行う

第4の1⑴は、主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の子どもの多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により、子どもの発達を支援するとしています。説明が逆の選択肢、専門職だけが行うとする選択肢、校種で分ける選択肢は誤りです。この規定は小学校・中学校の両方にあります。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第4の1⑴

問34|キャリア教育と進路指導

総則第4の1⑶のキャリア教育について正しいものはどれか。

  1. 小学校・中学校とも総合的な学習の時間を要として行う
  2. キャリア教育は中学校だけの規定で、小学校の総則には示されていない
  3. 中学校の進路指導は、第3学年の担任だけが行う
  4. 小学校・中学校とも特別活動を要とし、中学校ではその中で組織的かつ計画的な進路指導を行うことも示されている
正解と解説
正解:D. 小学校・中学校とも特別活動を要とし、中学校ではその中で組織的かつ計画的な進路指導を行うことも示されている

第4の1⑶は、小学校・中学校とも、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていけるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じてキャリア教育の充実を図るとしています。中学校はこれに加えて、生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択できるよう、学校の教育活動全体を通じて組織的かつ計画的な進路指導を行うとしています。要は総合的な学習の時間ではなく、小学校にも規定があり、進路指導は一人の担任だけが行うものではありません。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第4の1⑶

問35|特別支援学級と通級

総則第4の2⑴の障害のある子どもへの指導について正しいものはどれか。

  1. 特別支援学級に在籍する子どもや通級による指導を受ける子どもについては、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し、効果的に活用するものとする
  2. 特別支援学級の特別の教育課程には、自立活動を取り入れてはならない
  3. 個別の指導計画は、特別支援学校だけで作成するもので、小学校・中学校では作成しない
  4. 通級による指導では、各教科等との関連を図らず独立して行う
正解と解説
正解:A. 特別支援学級に在籍する子どもや通級による指導を受ける子どもについては、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し、効果的に活用するものとする

第4の2⑴エは、障害のある子どもなどについて個別の教育支援計画・個別の指導計画を作成し活用することに努めるとし、特に特別支援学級に在籍する子どもや通級による指導を受ける子どもについては、これらを作成し、効果的に活用するものとしています。特別支援学級の特別の教育課程では、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動を取り入れます。通級による指導では、各教科等と通級による指導との関連を図るなど、教師間の連携に努めます。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第4の2⑴

問36|中学校だけの規定

小学校の総則にはなく、中学校の総則にだけある規定はどれか。

  1. 不登校の子どもについて社会的自立を目指す観点から支援を行うこと
  2. 日本語の習得に困難のある子どもへの指導を組織的かつ計画的に行うこと
  3. 部活動を学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意すること
  4. 障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けること
正解と解説
正解:C. 部活動を学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意すること

中学校の総則第5の1ウは、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動について、学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意し、持続可能な運営体制が整えられるようにするとしています。小学校の総則に部活動の規定はありません。不登校への配慮(第4の2⑶)、日本語指導(第4の2⑵)、交流及び共同学習(第5の2イ)は、小学校・中学校の両方にあります。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 第1章 総則 第4の2・第5

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