教員採用試験 TEACHER EMPLOYMENT EXAM
教育の理念と教育基本法
講義 3 本・確認問題 30 問 | 教育法規 | 最終更新 2026-10-16
この章で学ぶこと- 日本国憲法・教育基本法・学校教育法・学習指導要領の上下関係と、憲法の教育関係条文を説明できる。
- 教育基本法の成り立ち(2006年の全部改正)と、前文・4章18条の構成をつかむ。
- 教育の目的(人格の完成)と第2条の5つの目標、生涯学習、機会均等をキーワードで言える。
- 小学校と中学校の目的・目標のちがいと、学力の3つの要素を条文で確かめる。
- 義務教育・教員・家庭教育・政治教育・宗教教育・教育行政の規定を、主語と義務の強さに注意して読み分ける。
1. 日本国憲法と教育基本法の位置づけ
教育の法令は、日本国憲法を頂点に、教育基本法・学校教育法・施行規則・学習指導要領と積み重なっています。まず全体の形と、憲法の教育関係の条文をつかみます。
教員採用試験の「教職教養」では、教育に関する法令が必ずといってよいほど出題されます。その出発点が日本国憲法と教育基本法です。この講義では、まず法令の上下関係をつかみ、次に憲法の中で教育にかかわる条文を確かめ、最後に教育基本法がどんな法律かを見ます。
法令の上下関係
憲法第98条第1項は、憲法を「国の最高法規」とし、その条規に反する法律や命令は効力を持たないと定めています。教育の分野では、憲法の下に教育の基本を定める教育基本法があり、その下に学校の種類や目的を定める学校教育法、さらに細かい事項を定める学校教育法施行規則(文部科学省令)があります。学習指導要領は、施行規則(小学校は第52条)にもとづいて文部科学大臣が公示する「教育課程の基準」です。
教育に関する主な法令の上下関係(上の規範にもとづいて下が定められる)憲法の中の「教育」にかかわる条文
憲法の条文で、教育に直接ふれるのは第26条です。第1項は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定め、教育を受けることを国民の権利としています。第2項は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」と定めます。義務を負うのは子ども本人ではなく、子を保護する国民(保護者)です。
「無償」の中身は法律で具体化されています。教育基本法第5条第4項は、国や地方公共団体が設置する学校の義務教育では授業料を徴収しないと定めます。教科書は、別の法律(義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律)にもとづき、国が購入して学校の設置者に無償で給付しています。
教育にかかわる日本国憲法の主な条文(2026年10月時点)| 条文 | 内容(要旨) | 教育との関係 |
|---|
| 第13条 | 個人として尊重される。生命・自由・幸福追求の権利 | 一人一人を大切にする教育の土台 |
| 第14条第1項 | 法の下の平等。人種・信条・性別・社会的身分・門地で差別されない | 教育基本法第4条(教育の機会均等)につながる |
| 第15条第2項 | すべて公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない | 公立学校の教員の服務の考え方 |
| 第19条 | 思想及び良心の自由は侵してはならない | 児童生徒の内心の自由 |
| 第20条第3項 | 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない | 国公立学校の宗教的中立 |
| 第23条 | 学問の自由は、これを保障する | 教育基本法第2条「学問の自由を尊重しつつ」 |
| 第26条 | 教育を受ける権利、普通教育を受けさせる義務、義務教育の無償 | 教育の中心となる条文 |
| 第89条 | 公金を、公の支配に属しない慈善・教育・博愛の事業に支出してはならない | 私学助成の議論で出てくる |
| 第99条 | 公務員などは憲法を尊重し擁護する義務を負う | 公立学校の教員も含まれる |
教育基本法とはどんな法律か
教育基本法は、教育の目的や理念、教育を行うときの基本を定めた法律です。最初の教育基本法は1947年(昭和22年法律第25号)に作られ、2006年に全部改正されました。今の法律は平成18年法律第120号で、2006年12月22日に公布され、附則により公布の日から施行されています。
前文には「日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する」とあり、憲法と一体の法律であることが示されています。前文は、個人の尊厳、真理と正義、公共の精神、豊かな人間性と創造性、伝統の継承と新しい文化の創造も掲げています。
今の法律は前文と4章・18条からなります。第1章「教育の目的及び理念」(第1〜4条)、第2章「教育の実施に関する基本」(第5〜15条)、第3章「教育行政」(第16〜17条)、第4章「法令の制定」(第18条)です。2006年の改正では、生涯学習の理念(第3条)、大学(第7条)、私立学校(第8条)、家庭教育(第10条)、幼児期の教育(第11条)、学校・家庭・地域住民等の連携協力(第13条)、教育振興基本計画(第17条)などが新しく設けられました。一方、旧法第5条の「男女共学」は削除されています。
小学校・中学校の学習指導要領(平成29年告示)は、どちらも前文で教育基本法第1条の目的と第2条の目標をそのまま引いています。学校種がちがっても、教育の目的と目標は共通だということです。
例題
例題:憲法第26条第2項で、子に普通教育を受けさせる義務を負うのはだれか。
答えと考え方 子を保護する国民(保護者)です。子ども本人には「教育を受ける権利」(第1項)があり、「義務」を負うのは保護者です。学校教育法第16条も、保護者が子に9年の普通教育を受けさせる義務を負うと定めています。
用語
- 最高法規
- 国の法令の中でいちばん上にある決まり。憲法第98条で、憲法に反する法律などは効力を持たないとされる。
- 全部改正
- 法律の題名や番号を新しくして、中身をすべて書き直すこと。2006年の教育基本法がこれにあたる。
- 普通教育
- 職業や専門に分かれる前に、だれもが共通に学ぶ一般的な教育。
- 公布・施行
- 公布は法令を国民に知らせること、施行は法令の効力が実際に生じること。
- 全体の奉仕者
- 公務員は特定の人や団体のためでなく、国民全体のために働くという考え方(憲法第15条第2項)。
根拠:e-Gov法令検索「日本国憲法」(第13・14・15・19・20・23・26・89・98・99条)/e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(前文・附則)/文部科学省「教育基本法 新旧対照表」/e-Gov法令検索「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」(第3条)/e-Gov法令検索「学校教育法」(第16条)/文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」(教育基本法・学校教育法(抄)を収録)
2. 教育の目的・目標と機会均等(教育基本法 第1〜4条)
教育基本法第1章は、教育の目的、5つの目標、生涯学習、機会均等を定めます。小学校・中学校の目的と目標(学校教育法)も並べて確かめます。
教育基本法の第1章「教育の目的及び理念」は、第1条から第4条までの4つの条文です。教職教養では、条文の言葉そのものを問う問題がよく出ます。キーワードを、条文の順番と一緒に覚えましょう。
第1条 教育の目的
第1条は「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と定めます。教育のいちばん大きな目的は「人格の完成」です。学力の向上や職業の準備は大切ですが、目的そのものとしては書かれていません。
第2条 教育の目標
第2条は、目的を実現するため「学問の自由を尊重しつつ」、次の5つの目標を達成するよう教育を行うと定めます。この条文は2006年の改正で新しく書かれたもので、小学校・中学校の学習指導要領の前文にもそのまま引かれています。
教育基本法第2条の5つの目標(キーワード)| 号 | キーワード |
|---|
| 第1号 | 幅広い知識と教養、真理を求める態度、豊かな情操と道徳心、健やかな身体 |
| 第2号 | 個人の価値の尊重、能力・創造性、自主及び自律の精神、職業及び生活との関連、勤労を重んずる態度 |
| 第3号 | 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力、公共の精神、社会の形成に参画 |
| 第4号 | 生命を尊び、自然を大切に、環境の保全に寄与 |
| 第5号 | 伝統と文化の尊重、我が国と郷土を愛する、他国を尊重、国際社会の平和と発展に寄与 |
第3条 生涯学習の理念
第3条は、国民一人一人が自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、「その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会」の実現を求めています。学校だけが学びの場ではない、という考え方です。
第4条 教育の機会均等
第1項は、すべて国民はひとしく「その能力に応じた教育を受ける機会」を与えられ、「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地」によって教育上差別されないと定めます。憲法第14条第1項の列挙(人種・信条・性別・社会的身分・門地)に「経済的地位」が加わっている点がよく問われます。第2項は、国と地方公共団体が、障害のある者がその障害の状態に応じて十分な教育を受けられるよう教育上必要な支援を講じなければならないと定めます(2006年の改正で新設)。第3項は、能力があるのに経済的理由で修学が困難な者に対する奨学の措置を定めます。
義務教育の目標と、小学校・中学校の目的
教育基本法第5条第2項が定める義務教育の目的を受けて、学校教育法第21条は義務教育の10の目標を掲げます(社会的活動と公共の精神、自然体験と環境、我が国と郷土・他国の尊重、家庭と衣食住、国語、数量、自然現象、健康と体力、芸術、職業と進路)。小学校と中学校の目的・目標は、次のように並べると違いが分かります。
小学校と中学校の目的・目標(学校教育法)| 事項 | 小学校 | 中学校 |
|---|
| 目的 | 第29条:心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施す | 第45条:小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施す |
| 目標 | 第30条第1項:目的を実現するために必要な程度において第21条各号の目標を達成する | 第46条:目的を実現するため、第21条各号の目標を達成する |
| 学力の要素 | 第30条第2項 | 第49条で第30条第2項を準用 |
| 修業年限 | 第32条:6年 | 第47条:3年 |
学校教育法第30条第2項は、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、①基礎的な知識及び技能を習得させ、②これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、③主体的に学習に取り組む態度を養うことに特に意を用いるよう求めます。これは「学力の3つの要素」と呼ばれ、中学校にも第49条で準用されます。
例題
例題:「教育は、人格の完成を目指し…」で始まる条文は、教育基本法の第何条で、何を定めたものか。
答えと考え方 第1条「教育の目的」です。第2条は目的を実現するための「目標」、第3条は「生涯学習の理念」、第4条は「教育の機会均等」です。「目的」は1つの文、「目標」は5つの号、と形のちがいでも見分けられます。
用語
- 人格の完成
- 教育基本法第1条が掲げる教育の目的。知・徳・体などがつり合って育った人になること。
- 生涯学習
- 学校を出たあとも含め、一生のあいだ、あらゆる場所で学ぶこと(第3条)。
- 機会均等
- だれもが能力に応じて、ひとしく教育を受ける機会を与えられること(第4条)。
- 奨学の措置
- 経済的理由で学ぶことが難しい人に、奨学金などで学びを支える仕組み(第4条第3項)。
- 準用
- ある条文を、別の場面にも(必要な読み替えをして)当てはめること。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第1〜5条)/e-Gov法令検索「学校教育法」(第21・29・30・32・45〜47・49条)/e-Gov法令検索「日本国憲法」(第14条)/文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」(教育基本法・学校教育法(抄)を収録)
3. 教育の実施・教育行政(教育基本法 第5〜18条)
義務教育、学校、教員、家庭、政治と宗教、教育行政、教育振興基本計画までを、主語と「義務か努力義務か」に注目して読みます。
教育基本法の第2章「教育の実施に関する基本」(第5〜15条)は、義務教育、学校、教員、家庭、地域、政治と宗教などについての基本を定めます。第3章(第16〜17条)は教育行政、第4章(第18条)は法令の制定です。条文の主語(だれの義務か)と、義務か努力義務か(「〜しなければならない」か「〜努める」か)に注意して読みます。
第5条 義務教育
第1項:国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負います(9年という年数は学校教育法第16条が定めます)。第2項:義務教育として行われる普通教育は、各個人の能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的とします。第3項:国と地方公共団体は、適切な役割分担と相互の協力の下、義務教育の実施に責任を負います。第4項:国・地方公共団体の設置する学校の義務教育では授業料を徴収しません。
第6条〜第9条 学校と教員
第6条第1項:法律に定める学校は「公の性質」を有し、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが設置できます。第2項:教育の目標が達成されるよう、心身の発達に応じて体系的な教育が組織的に行われなければならず、その際、教育を受ける者が学校生活を営むうえで必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視します。第7条は大学、第8条は私立学校(国と地方公共団体は自主性を尊重しつつ助成などで振興に努める)です。
第9条第1項は、法律に定める学校の教員は「自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」と定めます。第2項は、その身分の尊重、待遇の適正、養成と研修の充実を求めます。この条文は国公立だけでなく私立学校の教員にもかかわります。
第10条〜第13条 家庭・幼児期・社会・連携
第10条第1項:父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有し、生活のために必要な習慣を身に付けさせ、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとされます。第11条:幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものとされ、国と地方公共団体はその振興に努めなければなりません。第12条:社会教育は国と地方公共団体が奨励し、図書館・博物館・公民館などの設置や学校の施設の利用などで振興に努めます。第13条:学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、それぞれの役割と責任を自覚し、相互の連携及び協力に努めるものとされます。
第14条・第15条 政治教育と宗教教育
政治教育と宗教教育の比較| 事項 | 尊重すること(第1項) | 禁止すること(第2項) | 禁止の対象 |
|---|
| 政治教育(第14条) | 良識ある公民として必要な政治的教養 | 特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動 | 法律に定める学校(国公立・私立を問わない) |
| 宗教教育(第15条) | 宗教に関する寛容の態度、一般的な教養、宗教の社会生活における地位 | 特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動 | 国及び地方公共団体が設置する学校(私立は含まない) |
私立学校は宗教教育を行うことができます。たとえば学校教育法施行規則第50条第2項は、私立の小学校が教育課程に宗教を加え、特別の教科である道徳に代えることができると定めています。
第16条〜第18条 教育行政と法令
第16条第1項:教育は「不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより」行われるべきもので、教育行政は国と地方公共団体の適切な役割分担と相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければなりません。第2項は国が全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上のための施策を、第3項は地方公共団体が地域の実情に応じた施策を、それぞれ策定・実施すると定め、第4項は必要な財政上の措置を求めます。
第17条第1項:政府は教育振興基本計画を定め、国会に報告するとともに公表しなければなりません。第2項:地方公共団体は、国の計画を参酌して地域の計画を定めるよう努めなければならない(努力義務)とされます。第1期の計画は2008年度〜2012年度を対象とし、第4期の計画は2023年6月16日に閣議決定されました。文部科学省のページによると、2026年8月21日に第5期の計画について中央教育審議会に諮問されています(2026年10月時点)。第18条は、この法律の諸条項を実施するために必要な法令が制定されなければならないと定めます。
例題
例題:公立中学校で、特定の政党を支持するための政治教育を行うことと、宗教に関する一般的な教養を教えることは、それぞれ教育基本法上どう扱われるか。
答えと考え方 前者は第14条第2項で禁止されています。後者は第15条第1項で「教育上尊重されなければならない」とされており、行ってよいものです。公立学校で禁止されるのは「特定の宗教のための」宗教教育や宗教的活動です。
用語
- 公の性質
- 学校は私的な利益のためでなく、社会全体のために教育を行うものだという性質(第6条第1項)。
- 研究と修養
- 教員が学び続け、人格や技量をみがき続けること(第9条第1項)。
- 第一義的責任
- 子の教育について、まず最初に責任を負うのは保護者だという意味(第10条第1項)。
- 不当な支配
- 法律にもとづかない形で教育をゆがめようとする力。教育はこれに服してはならない(第16条第1項)。
- 教育振興基本計画
- 政府が教育の振興のための施策の基本方針などを定める計画。国会に報告し公表する(第17条)。
- 努力義務
- 「〜努めなければならない」「〜努めるものとする」と書かれ、達成に向けて努めることが求められる義務。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第5〜18条)/文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」(教育基本法・学校教育法(抄)を収録)(学校教育法施行規則第50条第2項を収録)/文部科学省「教育振興基本計画」(2026年10月時点)
確認問題(30問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|教育を受ける権利
日本国憲法第26条第1項の内容として正しいものはどれか。
- すべて国民は、その年齢に応じて、教育を受ける義務を負う。
- すべて国民は、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
- すべて国民は、その希望に応じて、無償で教育を受ける権利を有する。
- すべて国民は、その居住地に応じて、学校を選ぶ権利を有する。
正解と解説
正解:B. すべて国民は、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。第26条第1項は「法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」です。第1項は「権利」の規定で、義務の規定ではないので「教育を受ける義務を負う」は誤りです。無償は第2項の「義務教育」についての定めで、希望に応じてすべての教育が無償になるわけではありません。学校を選ぶ権利は第26条には書かれていません。
根拠:e-Gov法令検索「日本国憲法」(第26条)
問2|普通教育を受けさせる義務
日本国憲法第26条第2項で、普通教育を受けさせる義務を負うとされているのはだれか。
- 義務教育の年齢にある子ども本人
- 子どもが住んでいる市町村の教育委員会
- 公立の小学校・中学校の校長
- 子女を保護する国民(保護者)
正解と解説
正解:D. 子女を保護する国民(保護者)第26条第2項は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」と定めます。義務を負うのは保護者です。子ども本人は第1項の「教育を受ける権利」を持つ立場です。教育委員会や校長には法律上さまざまな役割がありますが、憲法第26条第2項の義務の主体ではありません。
根拠:e-Gov法令検索「日本国憲法」(第26条)
問3|義務教育の無償
国・地方公共団体が設置する学校の義務教育の「無償」について、法令の内容として正しいものはどれか。
- 教育基本法第5条第4項は、授業料を徴収しないと定めている。
- 教育基本法第5条第4項は、給食費を徴収しないと定めている。
- 日本国憲法第26条は、教科書を無償とすると明記している。
- 日本国憲法第26条は、高等学校までを無償とすると定めている。
正解と解説
問4|学問の自由
「学問の自由は、これを保障する。」と定める日本国憲法の条文はどれか。
- 第19条
- 第21条
- 第23条
- 第26条
正解と解説
正解:C. 第23条学問の自由は第23条です。第19条は思想及び良心の自由、第21条は集会・結社・表現の自由、第26条は教育を受ける権利と義務教育を定めます。教育基本法第2条も「学問の自由を尊重しつつ」と書いており、第23条とつながっています。
根拠:e-Gov法令検索「日本国憲法」(第19・21・23・26条)
問5|国の宗教的活動の禁止
日本国憲法第20条第3項の内容として正しいものはどれか。
- 国及びその機関は、宗教に関する一般的な教養を教えてはならない。
- 国及びその機関は、私立学校の宗教教育を監督しなければならない。
- 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
- 国及びその機関は、すべての宗教を平等に教えなければならない。
正解と解説
正解:C. 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。第20条第3項は「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と定めます。宗教に関する一般的な教養は、教育基本法第15条第1項で「教育上尊重されなければならない」とされており、禁止されていません。私立学校の宗教教育を監督する義務や、すべての宗教を平等に教える義務は、この条文には書かれていません。
根拠:e-Gov法令検索「日本国憲法」(第20条)/e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第15条)
問6|公金支出の制限
日本国憲法第89条が、公金その他の公の財産を支出してはならないとしている対象はどれか。
- 公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業
- 国や地方公共団体が設置する公立学校の事業
- 地方公共団体が設置する公民館や図書館の事業
- 義務教育の授業料と教科書にかかる事業
正解と解説
正解:A. 公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業第89条は、公金などを宗教上の組織・団体の使用や便益のため、または「公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業」に支出してはならないと定めます。公立学校や公立の公民館・図書館は国や地方公共団体自身が設置するもので、「公の支配に属しない」事業ではありません。義務教育の授業料は教育基本法で徴収しないとされ、教科書は法律にもとづき国が無償で給付しています。
根拠:e-Gov法令検索「日本国憲法」(第89条)
問7|全体の奉仕者
公立学校の教員の服務の考え方の土台となる「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」は、日本国憲法の何条にあるか。
- 第13条
- 第14条第1項
- 第99条
- 第15条第2項
正解と解説
正解:D. 第15条第2項「全体の奉仕者」は第15条第2項です。第13条は個人の尊重と幸福追求権、第14条第1項は法の下の平等、第99条は天皇・国務大臣・国会議員・裁判官その他の公務員の憲法尊重擁護義務を定めます。第99条も公務員にかかわる条文なので混同しやすい点に注意します。
根拠:e-Gov法令検索「日本国憲法」(第13・14・15・99条)
問8|教育基本法の改正
現在の教育基本法について正しいものはどれか。
- 1947年の法律の一部を改正したもので、法律番号は昭和22年のままである。
- 2006年に旧法の全部を改正したもので、公布の日から施行された。
- 2006年に新しく制定され、旧法は2007年4月まで併存した。
- 2016年に旧法の全部を改正したもので、翌年4月から施行された。
正解と解説
正解:B. 2006年に旧法の全部を改正したもので、公布の日から施行された。現在の教育基本法(平成18年法律第120号)は、旧法(昭和22年法律第25号)の全部を改正したもので、2006年12月22日に公布され、附則により公布の日から施行されました。一部改正ではないので法律番号も新しくなっています。旧法と新法が併存した期間はなく、改正は2016年でもありません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(制定文・附則)
問9|前文
教育基本法の前文で、この法律を制定する理由として述べられている内容はどれか。
- 国際条約の定めにしたがい、外国の教育制度にならうため
- 地方公共団体ごとに異なる教育の理念を統一して廃止するため
- 日本国憲法の精神にのっとり、未来を切り拓く教育の基本を確立するため
- 学校教育に限って、その目的と内容を細かく定めるため
正解と解説
正解:C. 日本国憲法の精神にのっとり、未来を切り拓く教育の基本を確立するため前文は「日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する」と述べています。国際条約や外国の制度にならうためとは書かれていません。地方の理念を廃止する趣旨もありません。また、教育基本法は家庭教育・社会教育・生涯学習も扱い、学校教育だけの法律ではありません。細かな内容は学校教育法や学習指導要領で定めます。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(前文)
問10|2006年改正で削除された規定
2006年の教育基本法の全部改正で、旧法にはあったが現行法では削除された規定はどれか。
- 教育の機会均等
- 政治教育
- 宗教教育
- 男女共学
正解と解説
正解:D. 男女共学文部科学省の新旧対照表では、旧法第5条「男女共学」が削除されています。教育の機会均等(現行第4条)、政治教育(第14条)、宗教教育(第15条)は、旧法にも現行法にもある規定です。なお、男女の平等は現行法第2条第3号の目標に書かれています。
根拠:文部科学省「教育基本法 新旧対照表」
問11|教育の目的
教育基本法第1条が定める教育の目的の書き出しとして正しいものはどれか。
- 教育は、学力の向上を目指し、
- 教育は、職業的自立を目指し、
- 教育は、人格の完成を目指し、
- 教育は、国際競争力の強化を目指し、
正解と解説
正解:C. 教育は、人格の完成を目指し、第1条は「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」です。学力の向上、職業的自立、国際競争力の強化は、第1条の目的としては書かれていません。勤労を重んずる態度などは第2条第2号の目標に出てきます。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第1条・第2条)
問12|目標の柱書
教育基本法第2条は、教育はその目的を実現するため、何を尊重しつつ次の目標を達成するよう行われるとしているか。
- 地域の慣習
- 学問の自由
- 保護者の意向
- 教員の裁量
正解と解説
正解:B. 学問の自由第2条の柱書は「教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする」です。日本国憲法第23条の学問の自由とつながる言葉です。地域の慣習、保護者の意向、教員の裁量は、第2条の柱書には書かれていません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第2条)
問13|第2条第4号
教育基本法第2条の目標のうち、第4号の内容はどれか。
- 伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重する態度を養う。
- 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずる態度を養う。
- 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培う。
- 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養う。
正解と解説
正解:D. 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養う。第4号は「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」です。伝統と文化・郷土・他国の尊重は第5号、正義と責任・男女の平等・自他の敬愛と協力は第3号、幅広い知識と教養・真理を求める態度は第1号です。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第2条)
問14|第2条第5号
教育基本法第2条第5号の目標に含まれる言葉はどれか。
- 国際社会の平和と発展に寄与する態度
- 職業及び生活との関連を重視する態度
- 健やかな身体を養うこと
- 主体的に社会の形成に参画する態度
正解と解説
正解:A. 国際社会の平和と発展に寄与する態度第5号は「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」です。職業及び生活との関連の重視は第2号、健やかな身体は第1号、主体的に社会の形成に参画する態度は第3号の言葉です。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第2条)
問15|生涯学習の理念
教育基本法第3条(生涯学習の理念)の内容として正しいものはどれか。
- 学校を卒業するまでの間、学校において計画的に学習し、その成果を進学や就職に生かせる社会の実現
- 生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習でき、その成果を適切に生かせる社会の実現
- 成人になってから、公民館などの社会教育施設において学習し、その成果を地域活動に生かせる社会の実現
- 職業に就いてから、企業の研修によって学習し、その成果を職務の遂行に生かせる社会の実現
正解と解説
正解:B. 生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習でき、その成果を適切に生かせる社会の実現第3条は、国民一人一人が「その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現」を求めています。学校在学中だけ、成人後の社会教育施設だけ、就職後の企業研修だけ、のように時期や場所を限る考え方ではありません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第3条)
問16|教育上差別されない事由
教育基本法第4条第1項が教育上差別されない事由として挙げており、日本国憲法第14条第1項の列挙にはない言葉はどれか。
- 信条
- 門地
- 経済的地位
- 社会的身分
正解と解説
問17|障害のある者への支援
教育基本法第4条第2項の内容として正しいものはどれか。
- 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。
- 保護者は、障害のある子を、その障害の状態に応じ、特別支援学校に就学させるよう、あらかじめ教育委員会と協議しなければならない。
- 学校は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、通常の学級で十分な教育を受けられるよう、必ず教員を加配しなければならない。
- 国は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、学費と通学費を全額負担しなければならない。
正解と解説
正解:A. 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。第4条第2項は、国及び地方公共団体が、障害のある者がその障害の状態に応じ十分な教育を受けられるよう「教育上必要な支援を講じなければならない」と定めます(2006年の改正で新設)。主語は国と地方公共団体で、保護者や個々の学校ではありません。教育委員会との事前協議、教員の加配、学費と通学費の全額負担は、この条文には書かれていません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第4条)/文部科学省「教育基本法 新旧対照表」
問18|義務教育の目標
学校教育法第21条(義務教育の目標)について正しいものはどれか。
- 小学校だけに適用され、中学校には別の目標が定められている。
- 目標は5つで、教育基本法第2条と同じ文が並んでいる。
- 学習指導要領の前文として定められ、法律の条文ではない。
- 教育基本法第5条第2項の目的を実現するため、10の目標を掲げている。
正解と解説
正解:D. 教育基本法第5条第2項の目的を実現するため、10の目標を掲げている。学校教育法第21条は「義務教育として行われる普通教育は、教育基本法第5条第2項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする」として、第1号から第10号まで10の目標を掲げます。小学校(第30条)と中学校(第46条)はどちらもこの第21条の目標を達成するよう教育を行うので、中学校だけ別ということはありません。5つの目標は教育基本法第2条の方で、第21条は法律の条文です。
根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」(第21・30・46条)
問19|小学校と中学校の目的
学校教育法が定める中学校の目的(第45条)として正しいものはどれか。
- 心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施す。
- 小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施す。
- 小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施す。
- 義務教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、進路に応じた職業教育を施す。
正解と解説
正解:B. 小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施す。第45条は「中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする」です。「普通教育のうち基礎的なもの」は小学校の目的(第29条)です。「高度な普通教育及び専門教育」は高等学校の目的に使われる言葉で、中学校の目的ではありません。職業教育を目的とする規定でもありません。
根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」(第29・45条)
問20|学力の3つの要素
学校教育法第30条第2項(中学校には第49条で準用)が、特に意を用いなければならないとしている事項の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 基礎的な知識及び技能、思考力・判断力・表現力その他の能力、主体的に学習に取り組む態度
- 基礎的な知識及び技能、体力・運動能力その他の身体的能力、集団生活に適応する態度
- 高度な専門的知識及び技能、課題を発見する能力その他の能力、職業を選択する態度
- 読み書き計算の基礎的な能力、規範意識その他の道徳性、郷土を愛し大切にする態度
正解と解説
正解:A. 基礎的な知識及び技能、思考力・判断力・表現力その他の能力、主体的に学習に取り組む態度第30条第2項は、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに特に意を用いるよう求めます。体力、集団生活への適応力、職業選択の能力、規範意識、郷土を愛する態度などは、第21条の目標などに関連する言葉はあっても、第30条第2項の組み合わせではありません。
根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」(第30・49条)
問21|義務教育の目的
教育基本法第5条第2項が定める義務教育の目的として正しいものはどれか。
- 各個人の能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養う。
- 各個人の希望に応じて上級学校への進学に必要な学力を培い、また、国際社会で活躍するために必要とされる資質を養う。
- 各個人の適性に応じて職業に必要な専門的な技能を培い、また、地域社会の担い手として必要とされる資質を養う。
- 各個人の家庭環境に応じて生活に必要な習慣を培い、また、家族の一員として必要とされる基本的な資質を養う。
正解と解説
正解:A. 各個人の能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養う。第5条第2項は「義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われる」と定めます。上級学校への進学や専門的な職業技能を目的とするものではありません。生活に必要な習慣を身に付けさせることは、第10条で保護者の役割として書かれています。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第5条・第10条)
問22|学校の設置者
教育基本法第6条第1項で、法律に定める学校を設置することができるとされている者の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 国、地方公共団体及び宗教法人
- 国及び地方公共団体のみ
- 国、地方公共団体及び株式会社
- 国、地方公共団体及び法律に定める法人
正解と解説
正解:D. 国、地方公共団体及び法律に定める法人第6条第1項は「法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを設置することができる」と定めます。国と地方公共団体だけに限られてはいません。宗教法人や株式会社と書かれているわけではなく、条文の言葉は「法律に定める法人」です。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第6条)
問23|学校教育で重視すること
教育基本法第6条第2項が、学校教育を行う際に重視しなければならないとしている事項はどれか。
- 教育を受ける者が、学校の決まりよりも個人の自由を優先し、自ら学ぶ内容を選ぶこと
- 教育を受ける者が、互いの競争によって学力を高め、上位の成績を目指す意欲を持つこと
- 教育を受ける者が、規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めること
- 教育を受ける者が、保護者の指示に従って、毎日決まった時間に家庭学習に取り組むこと
正解と解説
正解:C. 教育を受ける者が、規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めること第6条第2項は、体系的な教育が組織的に行われなければならないとし、その際「教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して」行うと定めます(2006年の改正で新設)。規律より個人の自由を優先すること、競争による学力向上、保護者の指示による家庭学習は、この条文には書かれていません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第6条)/文部科学省「教育基本法 新旧対照表」
問24|教員
教育基本法第9条第1項の内容として正しいものはどれか。
- 公立学校の教員に限り、法令に従い、かつ、上司の職務上の命令に忠実に従って、その職責の遂行に努めなければならない。
- 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。
- 法律に定める学校の教員は、任命権者が定める研修を年に一度受け、その結果を校長に報告しなければならない。
- 私立学校の教員は、学校法人の建学の精神を深く自覚し、その精神に従って職務の遂行に努めなければならない。
正解と解説
正解:B. 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。第9条第1項は「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」です。公立に限った規定ではなく、私立学校の教員にもかかわります。上司の職務上の命令に従う義務は地方公務員法の服務の規定で、教育基本法第9条の内容ではありません。年1回の研修や建学の精神についても、この条文には書かれていません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第9条)
問25|家庭教育
教育基本法第10条第1項で、子の教育について「第一義的責任」を有するとされているのはだれか。
- 国及び地方公共団体
- 学校の設置者
- 学級担任の教員
- 父母その他の保護者
正解と解説
正解:D. 父母その他の保護者第10条第1項は「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」と定め、生活のために必要な習慣を身に付けさせ、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとしています。国及び地方公共団体は、第2項で家庭教育の自主性を尊重しつつ家庭教育を支援する施策を講ずるよう努める立場です。学校の設置者や学級担任は、この条文の主語ではありません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第10条)
問26|幼児期の教育
教育基本法第11条で、幼児期の教育はどのようなものとされているか。
- 小学校の教科学習の準備を中心に行うもの
- 生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの
- 保護者の希望がある場合に限って行うもの
- 幼稚園においてのみ行われるもの
正解と解説
正解:B. 生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの第11条は「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ」、国及び地方公共団体が良好な環境の整備などでその振興に努めなければならないと定めます(2006年の改正で新設)。教科学習の準備を中心とするとは書かれていません。保護者の希望がある場合に限る、幼稚園だけで行う、という限定もこの条文にはありません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第11条)/文部科学省「教育基本法 新旧対照表」
問27|連携協力
教育基本法第13条(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)の内容として正しいものはどれか。
- 学校は、家庭及び地域住民の教育活動について、その役割と責任を明らかにし、これを指導し監督しなければならない。
- 地域住民その他の関係者は、学校の教育課程の編成に参加し、その実施について責任を負わなければならない。
- 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、それぞれの役割と責任を自覚し、相互の連携及び協力に努めるものとする。
- 家庭は、学校が定める教育の方針を自覚し、その方針にしたがって子の教育を行わなければならない。
正解と解説
正解:C. 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、それぞれの役割と責任を自覚し、相互の連携及び協力に努めるものとする。第13条は「学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする」と定めます(2006年の改正で新設)。三者は対等に連携・協力する立場で、学校が家庭や地域を指導・監督する、家庭が学校の方針に従う、といった上下関係は書かれていません。地域住民の教育課程編成への参加義務も、この条文にはありません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第13条)/文部科学省「教育基本法 新旧対照表」
問28|政治教育と宗教教育
教育基本法第14条第2項と第15条第2項の禁止の対象について、正しいものはどれか。
- 特定の政党のための政治教育は国及び地方公共団体が設置する学校だけで禁止され、特定の宗教のための宗教教育は私立学校を含むすべての学校で禁止される。
- 特定の政党のための政治教育は私立学校を含む法律に定める学校で禁止され、特定の宗教のための宗教教育は国及び地方公共団体が設置する学校で禁止される。
- 特定の政党のための政治教育も、特定の宗教のための宗教教育も、国及び地方公共団体が設置する学校だけで禁止される。
- 特定の政党のための政治教育も、特定の宗教のための宗教教育も、私立学校を含む法律に定めるすべての学校で禁止される。
正解と解説
正解:B. 特定の政党のための政治教育は私立学校を含む法律に定める学校で禁止され、特定の宗教のための宗教教育は国及び地方公共団体が設置する学校で禁止される。第14条第2項は「法律に定める学校」(国公立・私立を問わない)に、特定の政党を支持し又は反対するための政治教育その他政治的活動を禁じます。第15条第2項は「国及び地方公共団体が設置する学校」に、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動を禁じます。私立学校は宗教教育を行うことができ、学校教育法施行規則第50条第2項は私立小学校が宗教を加え、道徳に代えることができると定めています。ほかの選択肢は、禁止の対象の範囲を取りちがえています。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第14・15条)/文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」(教育基本法・学校教育法(抄)を収録)(学校教育法施行規則第50条第2項)
問29|教育行政
教育基本法第16条第1項の書き出しとして正しいものはどれか。
- 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの
- 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきもの
- 教育は、文部科学大臣の定める基準により、全国で一律に同じ内容で行われるべきもの
- 教育は、地方公共団体の長の定める方針により、地域の実情に応じて行われるべきもの
正解と解説
正解:A. 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの第16条第1項は「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」です。「不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて」は旧法第10条第1項の文で、現行法では「国民全体に対し直接に責任を負つて」が「この法律及び他の法律の定めるところにより」に改められています。文部科学大臣の基準で一律に行う、地方公共団体の長の方針による、という書き方もされていません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第16条)/文部科学省「教育基本法 新旧対照表」
問30|教育振興基本計画
教育基本法第17条(教育振興基本計画)について正しいものはどれか。
- 文部科学大臣が計画を定め、中央教育審議会の承認を得なければならない。
- 地方公共団体は、国の計画と同じ内容の計画を定めなければならない。
- 国会が計画を議決し、政府に実施を命じなければならない。
- 政府が計画を定め、国会に報告するとともに公表しなければならない。
正解と解説
正解:D. 政府が計画を定め、国会に報告するとともに公表しなければならない。第17条第1項は、政府が教育の振興に関する施策の基本的な方針などについて基本的な計画を定め「これを国会に報告するとともに、公表しなければならない」と定めます。計画を定めるのは政府で、国会は議決ではなく報告を受ける立場です。中央教育審議会の承認という規定はありません。第2項で、地方公共団体は国の計画を参酌し、地域の実情に応じた計画を定めるよう努めなければならない(努力義務)とされ、同じ内容にする義務ではありません。
根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」(平成18年法律第120号)(第17条)/文部科学省「教育振興基本計画」
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※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。法令は2026年10月時点のものです。