教員採用試験 TEACHER EMPLOYMENT EXAM
教員の身分と服務
講義 4 本・確認問題 36 問 | 教育法規 | 最終更新 2026-10-16
この章で学ぶこと- 公立学校の教員が地方公務員であり、教育公務員特例法の特例を受けることと、県費負担教職員の任命と服務監督のしくみを理解します。
- 教員の採用(選考・条件付採用1年)と、免許状の種類・効力、中学校の免許状が教科ごとであることを押さえます。
- 地方公務員法の服務の義務と、政治的行為・兼職兼業についての教員の特例を区別できるようにします。
- 分限と懲戒の目的・事由・種類の違いと、懲戒免職などによる免許状の失効を確認します。
- 初任者研修・中堅教諭等資質向上研修・指導改善研修などの法定研修と、給特法の教職調整額・時間外勤務の基準を学びます。
1. 教員の身分と任用、免許状のしくみ
公立学校の教員は地方公務員であり、そのうえで教育公務員としての特例を受けます。採用のされ方と、教壇に立つために必要な免許状のしくみを整理します。
公立の小学校・中学校の教員は地方公務員です。地方公務員全体のルールを定めるのが地方公務員法(以下、地公法)で、教員などには、その特例を定めた教育公務員特例法(以下、教特法)があります。教特法は、地公法の条文を読み替えたり、「地公法の規定にかかわらず」と別のルールを置いたりしています。試験では「地公法の原則」と「教員の特例」を並べて覚えるのが近道です。
教特法第2条でいう教育公務員は、公立学校の学長・校長・教員・部局長と、教育委員会の専門的教育職員(指導主事・社会教育主事)です。私立学校の教員や、公立学校でも事務職員は含まれません。
県費負担教職員:任命するのは誰か
市町村立の小・中学校の教員の多くは、給与を都道府県が負担する県費負担教職員です。任命権は都道府県の教育委員会にあり(地教行法第37条)、日々の服務を監督するのは市町村の教育委員会です(同法第43条第1項)。教員は市町村教育委員会の職務上の命令にも従います(同条第2項)。なお、政令指定都市の学校の教職員は、市が給与を負担するため県費負担教職員には当たりません(市町村立学校職員給与負担法第1条)。
学校に置く職
学校教育法第37条は、小学校に校長・教頭・教諭・養護教諭・事務職員を置くことを原則とし、副校長・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・栄養教諭などを置くことができるとしています。この規定は第49条で中学校にも準用されます。校長は「校務をつかさどり、所属職員を監督する」、教諭は「児童の教育をつかさどる」職です。主務教諭は2025年の法改正で設けられた職で(2026年4月施行)、児童の教育をつかさどり、命を受けて教育活動について教諭その他の職員の間の総合的な調整を行います。
採用と条件付採用
地公法では、人事委員会を置く自治体の職員の採用は競争試験が原則です(第17条の2)。これに対し教特法第11条は、公立学校の校長・教員の採用と昇任を選考によるとし、選考を行うのは任命権者である教育委員会の教育長です。採用はすべて条件付で、地公法第22条ではその期間は6か月ですが、教特法第12条は公立の小学校・中学校などの教諭・講師などについて1年に読み替えています。
免許状のしくみ
教育職員免許法(以下、免許法)第3条は、教員は各相当の免許状を持つ者でなければならないとしています(相当免許状主義)。義務教育学校の教員は小学校と中学校の両方の免許状が原則として必要です。
免許状の種類(免許法第4条・第9条)
| 種類 | 中身 | 効力 |
| 普通免許状 | 教諭・養護教諭・栄養教諭の免許状。専修・一種・二種(高校の教諭は専修・一種) | 全ての都道府県 |
| 特別免許状 | 教諭の免許状(幼稚園などを除く) | 授与した都道府県の中だけ |
| 臨時免許状 | 助教諭・養護助教諭の免許状 | 授与した都道府県の中だけ、3年間 |
小学校と中学校の違い:中学校(と高校)の免許状は教科ごとに授与されます(第4条第5項)。小学校の普通免許状は教科ごとではなく、全教科を担任する前提です(小学校の特別免許状は教科ごとに授与されます。第4条第6項)。また第16条の5により、中学校や高校の免許状を持つ人は、小学校でその教科に相当する教科などを担任する教諭などになることができます。免許状を受ける道には、大学で単位を修得するほか、教員資格認定試験(第16条)もあります。なお、教員免許更新制は2022年7月1日に発展的に解消され、現在の第9条には普通免許状の有効期間の定めがありません。
用語
- 教育公務員
- 公立学校の学長・校長・教員・部局長と、教育委員会の指導主事・社会教育主事。
- 県費負担教職員
- 市町村立学校の教職員で、給与を都道府県が負担する人。任命は都道府県教委、服務監督は市町村教委。
- 選考
- 競争試験以外の方法で、職に必要な能力があるかを確かめること。教員の採用はこの方法による。
- 条件付採用
- 正式採用の前に、職務を良好に果たせるかを見る期間。教諭などは1年。
- 相当免許状主義
- 学校の種類や教科に応じた免許状を持つ人だけが教員になれるという原則。
例題
例題:A市立中学校の教諭(県費負担教職員)が、職務を行ううえで従う義務を負う「職務上の命令」は、誰の命令か。任命したのは誰か。
答えと考え方 任命したのは都道府県の教育委員会ですが、服務を監督するのはA市の教育委員会です。教諭は、A市教育委員会と校長など上司の職務上の命令に従います。「任命」と「服務監督」の主体が違う点が狙われます。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第2条・第11条・第12条、地方公務員法第17条の2・第22条、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)第37条・第43条、市町村立学校職員給与負担法第1条、学校教育法第37条・第49条、教育職員免許法第3条・第4条・第9条・第16条・第16条の5、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)附則(令和7年法律第68号の施行期日)、文部科学省「教員免許更新制」(2026年10月16日確認)
2. 服務:地方公務員法の義務と教員の特例
服務とは、公務員として仕事をするうえで守るべき義務のことです。地公法第30条から第38条の義務と、教特法による教員の特例を整理します。
地公法第30条は服務の根本基準として、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」と定めています。また職員は、条例の定めるところにより服務の宣誓をしなければなりません(第31条)。
第32条から第38条の義務は、学習のために次の2つに分けると覚えやすくなります。職務上の義務は仕事をしている間に守るもの、身分上の義務は公務員という身分を持つ限り、勤務時間の外でも守るものです。
地方公務員法の服務(第32条〜第38条)
| 条 | 義務 | ポイント |
| 第32条 | 法令等及び上司の職務上の命令に従う義務 | 法令・条例・規則・規程に従い、上司の職務上の命令に忠実に従う(職務上) |
| 第35条 | 職務に専念する義務 | 勤務時間と職務上の注意力のすべてを職責のために使う。法律・条例に特別の定めがあれば例外(職務上) |
| 第33条 | 信用失墜行為の禁止 | 職の信用を傷つけ、職全体の不名誉となる行為をしない(身分上) |
| 第34条 | 秘密を守る義務 | 職務上知った秘密を漏らさない。退職後も同じ(身分上) |
| 第36条 | 政治的行為の制限 | 政党の結成への関与や選挙での勧誘運動などの制限(身分上) |
| 第37条 | 争議行為等の禁止 | 同盟罷業(ストライキ)・怠業などをしない。何人もその企てやあおりをしてはならない(身分上) |
| 第38条 | 営利企業への従事等の制限 | 任命権者の許可なく営利企業の役員になる、自ら営む、報酬を得て事業に従事することはできない(身分上) |
第34条の秘密を守る義務では、法令による証人などとして職務上の秘密を発表するときは任命権者の許可が必要で、任命権者は法律に特別の定めがある場合を除き、この許可を拒むことができません。
教員の特例(教特法)
政治的行為:教特法第18条は、公立学校の教育公務員の政治的行為の制限について、当分の間、地公法第36条にかかわらず国家公務員の例によるとしています。地公法第36条には、一部の行為を「その職員の属する地方公共団体の区域外」なら認めるただし書きがありますが、教員には国家公務員と同じ考え方が当てはまります。ただし同条第2項により、国家公務員法の罰則(第110条第1項)は教員には適用されません。
兼職・兼業:教特法第17条は、教育に関する他の職を兼ねたり、教育に関する他の事業・事務に従事したりすることを、本務の遂行に支障がないと任命権者が認める場合に、給与を受け、又は受けないで行えるとしています。県費負担教職員の場合、認めるのは市町村の教育委員会です。
小学校・中学校で服務の規定に違いはありません。勤務時間外の飲酒運転や体罰、個人情報の持ち出しなどは、信用失墜行為の禁止や秘密を守る義務の違反として、次の講義で学ぶ懲戒処分の対象になり得ます。
用語
- 服務
- 公務員が職務を行ううえで守る義務。地公法第30条〜第38条などに定めがある。
- 全体の奉仕者
- 一部の人のためでなく、住民全体のために働く者という公務員の位置づけ。
- 職務専念義務
- 勤務時間と注意力のすべてを職務に向ける義務。法律・条例の定めで免除されることがある。
- 信用失墜行為
- 職の信用を傷つけ、公務員全体の不名誉となる行為。勤務時間の内外を問わない。
- 任命権者
- 職員を任命する権限を持つ機関。公立学校の教員では教育委員会。
例題
例題:小学校の教諭が、地域の学習塾で報酬を受けて週1回講師をしたい。どの法律の何を確認すればよいか。
答えと考え方 報酬を得て事業に従事するので地公法第38条の制限にかかります。教特法第17条は、教育に関する事業への従事を、本務の遂行に支障がないと任命権者(県費負担教職員なら市町村教委)が認めた場合に可能としています。無断で行えば服務違反になり得るので、事前に承認を得る必要があります。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第30条〜第38条、教育公務員特例法第17条・第18条(2026年10月16日確認)
3. 分限と懲戒、免許状の失効
職員の意に反して身分を変える処分には「分限」と「懲戒」の2つがあります。目的の違いと、それぞれの事由・種類、免許状への影響を押さえます。
地公法第27条は、すべての職員の分限と懲戒は公正でなければならないと定めています。そのうえで、職員の意に反して降任・免職されるのは地公法で定める事由による場合に限られ、休職・降給も法律や条例で定める事由によります。懲戒も、地公法で定める事由によらなければ受けません。
分限と懲戒の違い
分限は、勤務実績がよくない、心身の故障で職務が果たせないなど、職務を十分に果たせない状態に対応する処分で、本人の非行を罰するものではありません。懲戒は、法令違反や職務上の義務違反、非行に対する制裁です。
分限と懲戒(地公法第28条・第29条)
| 分限 | 懲戒 |
| 種類 | 降任・免職・休職・降給 | 戒告・減給・停職・免職 |
| 事由 | 降任・免職:①勤務実績がよくない ②心身の故障で職務に支障がある・堪えない ③職に必要な適格性を欠く ④職制・定数の改廃、予算の減少で廃職・過員が生じた 休職:①心身の故障で長期の休養が必要 ②刑事事件に関し起訴された | ①地公法や特例法、条例・規則・規程に違反した ②職務上の義務に違反し、又は職務を怠った ③全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった |
懲戒の種類は戒告・減給・停職・免職の4つだけです。学校現場で聞く「訓告」や「厳重注意」は、この4つに含まれないので、地公法上の懲戒処分ではありません。
条件付採用期間中の職員と失職
条件付採用期間中の職員と臨時的に任用された職員には、分限の規定の一部(第27条第2項、第28条第1項〜第3項など)が適用されません(第29条の2)。懲戒の規定は適用除外に入っていません。
また職員が欠格条項(第16条)のうち第2号以外に当たるようになると、条例に特別の定めがある場合を除き、その職を失います(第28条第4項)。これは処分ではなく、法律上当然に職を失う「失職」です。第16条は、拘禁刑以上の刑に処せられ執行を終わるまで(又は執行を受けることがなくなるまで)の者や、その地方公共団体で懲戒免職の処分を受け、その日から2年を経過しない者などを、職員になれない者としています。
免許状への影響
免許法第10条により、公立学校の教員が懲戒免職の処分を受けたとき、免許状は効力を失います。分限免職でも、地公法第28条第1項の第1号(勤務実績不良)又は第3号(適格性欠如)による場合は失効します。心身の故障(第2号)や廃職・過員(第4号)による分限免職は、この失効の事由に含まれていません。失効した免許状は、速やかに免許管理者に返納します。
こうした規定は小学校・中学校で共通です。指導が不適切と認定された教員への「指導改善研修」と、その後の免職などの措置は、研修の講義(第4講)で扱います。
用語
- 分限
- 職務を十分に果たせない状態などに対し、身分を変える処分。降任・免職・休職・降給。
- 懲戒
- 義務違反や非行に対する制裁。戒告・減給・停職・免職。
- 戒告
- 懲戒のうち最も軽いもの。責任を確認し、将来を戒める。
- 失職
- 欠格条項に当たるようになったことで、処分なしに当然に職を失うこと。
- 失効
- 免許状が効力を失うこと。懲戒免職などで起こる。
例題
例題:病気で長く休む必要がある教員に対する「休職」と、無断欠勤を繰り返した教員に対する「停職」は、それぞれ分限・懲戒のどちらか。
答えと考え方 心身の故障で長期の休養が必要な場合の休職は分限(第28条第2項第1号)です。無断欠勤は職務上の義務違反なので、停職は懲戒(第29条第1項)です。どちらも仕事を離れますが、目的がちがいます。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第16条・第27条〜第29条の2、教育職員免許法第10条(2026年10月16日確認)
4. 研修と勤務条件:教特法と給特法
教員には、絶えず研究と修養に努める義務と、研修を受ける機会があります。法定の研修と、教員の給与・勤務時間の特例を定めた給特法を整理します。
教特法第21条第1項は「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」と定めています。地公法第39条は職員一般に研修の機会を与え、研修は任命権者が行うとしています。教特法第22条はさらに、教員は授業に支障のない限り、本属長(校長)の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができ、任命権者の定めるところにより現職のままで長期にわたる研修を受けることができるとしています。
資質向上のしくみ(2022年改正後)
任命権者は、国の指針を参酌して校長及び教員としての資質に関する指標を定め(第22条の3)、大学などと組織する協議会で協議します(第22条の7)。研修実施者は指標を踏まえて教員研修計画を毎年度定め(第22条の4)、任命権者は校長・教員ごとに研修等に関する記録を作成します(第22条の5)。指導助言者は、この記録なども活用して資質の向上について指導・助言を行います(第22条の6)。
法律で定められた主な研修など(教特法)
| 名前 | 内容 |
| 初任者研修(第23条) | 採用の日から1年間、教諭の職務の遂行に必要な事項の実践的な研修。所属校の副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭・講師などから指導教員を命じる |
| 中堅教諭等資質向上研修(第24条) | 相当の経験を持ち、学校運営で中核的な役割が期待される教諭等が対象。能力・適性等を評価し、一人ひとりの計画書を作る |
| 指導改善研修(第25条) | 児童等への指導が不適切と認定された教諭等が対象。期間は1年を超えてはならず、延長しても開始から2年まで。終了時に改善の程度を認定 |
| 大学院修学休業(第26条) | 専修免許状を取るため、任命権者の許可を受け、3年を超えない範囲で年単位で大学院などに在学できる |
指導改善研修の認定では、教育学・医学・心理学などの専門家や保護者の意見を聴きます。研修後も指導を適切に行えないと認定された教員には、任命権者が免職その他の必要な措置を講じます(第25条の2)。
給特法:教員の給与と勤務時間の特例
給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)は、教員の職務と勤務態様の特殊性に基づき、給与などの特例を定めています。小学校・中学校の教員に共通です。
第3条により、教員(校長・副校長・教頭などを除く)には教職調整額が支給され、そのかわり時間外勤務手当と休日勤務手当は支給されません。教職調整額は長く給料月額の4%でしたが、2025年の改正(令和7年法律第68号)で本則が10%(幼稚園は4%)になり、附則で2026年は5%、以後1年ごとに1%ずつ上がり、2031年1月から10%になります(2026年10月時点)。
政令は、教員には原則として時間外勤務を命じないとし、命じられるのは①校外実習など生徒の実習、②修学旅行など学校の行事、③職員会議、④非常災害や児童生徒の指導で緊急の措置が必要な場合などの業務で、臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るとしています(いわゆる「超勤4項目」)。また文部科学大臣は業務量の管理と健康確保の指針を定め(第7条)、教育委員会はそれに即して実施計画を定めて公表します(第8条、2026年4月施行)。
用語
- 研究と修養
- 教特法第21条で教育公務員に求められる、学び続ける努力。
- 本属長
- 所属する機関の長。学校の教員にとっては校長。
- 指導教員
- 初任者研修で、初任者に指導・助言を行う教員。
- 教職調整額
- 時間外勤務手当のかわりに、給料月額に一定の割合をかけて支給される額。
- 超勤4項目
- 教員に時間外勤務を命じることができる4種類の業務。
例題
例題:給料月額が30万円の中学校教諭について、2026年に支給される教職調整額はいくらか(月額)。
答えと考え方 2026年1月〜12月の割合は5%なので、30万円×0.05=1万5千円です。改正前の4%なら1万2千円、2031年1月からの10%なら3万円になります。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第20条〜第26条、地方公務員法第39条、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)第1条〜第3条・第5条〜第8条・附則、公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令(2026年10月16日確認)
確認問題(36問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|教育公務員の範囲
教育公務員特例法でいう「教育公務員」に当たる者はどれか。
- 私立中学校で教える教諭
- 市の教育委員会に置かれた指導主事
- 公立小学校で働く事務職員
- 国立大学法人の附属小学校の教諭
正解と解説
正解:B. 市の教育委員会に置かれた指導主事教特法第2条は、教育公務員を公立学校の学長・校長・教員・部局長と、教育委員会の専門的教育職員(指導主事・社会教育主事)としています。したがって指導主事は教育公務員です。私立学校の教諭は公務員ではありません。公立小学校の事務職員は地方公務員ですが、校長・教員などに当たらないので教育公務員ではありません。国立大学法人の附属学校は、地方公共団体が設置する公立学校ではないため、その教諭も含まれません。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第2条(2026年10月16日確認)
問2|県費負担教職員
市町村立小学校・中学校の県費負担教職員について、正しい組合せはどれか。
- 任命権は市町村教育委員会にあり、服務の監督は都道府県教育委員会が行う
- 任命権も服務の監督も、すべて市町村教育委員会が行う
- 任命権も服務の監督も、すべて都道府県教育委員会が行う
- 任命権は都道府県教育委員会にあり、服務の監督は市町村教育委員会が行う
正解と解説
正解:D. 任命権は都道府県教育委員会にあり、服務の監督は市町村教育委員会が行う地教行法第37条は県費負担教職員の任命権が都道府県委員会に属するとし、第43条第1項は市町村委員会が服務を監督するとしています。任命と服務監督の主体を入れ替えた選択肢は誤りです。どちらか一方の教育委員会がすべてを行うという選択肢も、この2つの条文と合いません。
根拠:e-Gov法令検索 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)第37条・第43条(2026年10月16日確認)
問3|学校に置く職
学校教育法第37条で、小学校に原則として置かなければならない職の組合せはどれか(中学校にも第49条で準用される)。
- 校長・教頭・教諭・養護教諭・事務職員
- 校長・副校長・教諭・栄養教諭・事務職員
- 校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・教諭
- 校長・副校長・主務教諭・教諭・養護教諭
正解と解説
正解:A. 校長・教頭・教諭・養護教諭・事務職員第37条第1項は、校長・教頭・教諭・養護教諭・事務職員を置かなければならないとしています。副校長・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・栄養教諭は、同条第2項で「置くことができる」職です。ほかの選択肢は、置くことができる職を必ず置く職に混ぜているので誤りです。
根拠:e-Gov法令検索 学校教育法第37条・第49条(2026年10月16日確認)
問4|主務教諭
2026年4月から学校に置くことができるようになった「主務教諭」の職務として、学校教育法の規定に合うものはどれか。
- 校長を助け、命を受けて校務の一部を整理し、並びに児童の教育をつかさどる
- 児童の教育をつかさどり、並びに教諭等に対して教育指導の改善と充実のための指導助言を行う
- 児童の教育をつかさどり、命を受けて教育活動に関する教諭等の間の総合的な調整を行う
- 校務をつかさどり、所属職員を監督する
正解と解説
正解:C. 児童の教育をつかさどり、命を受けて教育活動に関する教諭等の間の総合的な調整を行う学校教育法第37条第11項は、主務教諭を「児童の教育をつかさどり、及び命を受けて当該小学校の教育活動に関し教諭その他の職員間における総合的な調整を行う」職としています。校務の一部を整理するのは主幹教諭、指導助言を行うのは指導教諭、校務をつかさどり所属職員を監督するのは校長の職務です。
根拠:e-Gov法令検索 学校教育法第37条、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)附則(令和7年法律第68号の施行期日)(2026年10月16日確認)
問5|教員の採用
公立学校の教員の採用について、教育公務員特例法の規定として正しいものはどれか。
- 選考によるものとし、選考は任命権者である教育委員会の教育長が行う
- 競争試験によるものとし、競争試験は人事委員会が行う
- 選考によるものとし、選考は採用される学校の校長が行う
- 競争試験によるものとし、競争試験は教育委員会の教育長が行う
正解と解説
正解:A. 選考によるものとし、選考は任命権者である教育委員会の教育長が行う教特法第11条は、公立学校の校長・教員の採用と昇任を「選考」によるものとし、選考は任命権者である教育委員会の教育長が行うとしています。地公法第17条の2では人事委員会を置く自治体の採用は競争試験が原則ですが、教員はこの特例によります。校長が選考を行うという規定はありません。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第11条、地方公務員法第17条の2(2026年10月16日確認)
問6|条件付採用
公立小学校・中学校の教諭の条件付採用の期間は、原則としてどれだけか。
- 6か月
- 3か月
- 2年
- 1年
正解と解説
正解:D. 1年地公法第22条は条件付採用の期間を6か月としていますが、教特法第12条は公立の小学校・中学校などの教諭・講師などについて、これを1年に読み替えています。6か月は一般の地方公務員の期間で、3か月や2年という規定はありません。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第12条、地方公務員法第22条(2026年10月16日確認)
問7|中学校の免許状
中学校の教諭の普通免許状についての説明として正しいものはどれか。
- 小学校の免許状と同じく全教科について授与される
- 国語・数学などの教科ごとに授与される
- 専修と一種の2種類だけで、二種はない
- 授与した都道府県の中でだけ効力がある
正解と解説
正解:B. 国語・数学などの教科ごとに授与される教育職員免許法第4条第5項により、中学校(と高校)の免許状は教科ごとに授与されます。小学校の免許状は教科ごとではないので、「小学校と同じく全教科」は誤りです。専修・一種だけなのは高校の教諭の免許状で、中学校には二種もあります。普通免許状は全ての都道府県で効力があります(第9条)。
根拠:e-Gov法令検索 教育職員免許法第4条・第9条(2026年10月16日確認)
問8|免許状の効力
教育職員免許法第9条(2026年10月時点)による免許状の効力として正しいものはどれか。
- 普通免許状は授与した都道府県だけで効力があり、10年ごとに更新しなければならない
- 特別免許状は全ての都道府県で効力があり、臨時免許状は期間の定めがない
- 普通免許状は全ての都道府県で効力があり、臨時免許状は授与した都道府県で3年間効力がある
- 普通免許状は全ての都道府県で効力があるが、10年ごとに更新講習を受けなければ失効する
正解と解説
正解:C. 普通免許状は全ての都道府県で効力があり、臨時免許状は授与した都道府県で3年間効力がある第9条は、普通免許状は全ての都道府県で効力を持ち、特別免許状は授与した都道府県の中だけ、臨時免許状は授与した都道府県の中で3年間効力を持つとしています。教員免許更新制は2022年7月1日に発展的に解消されたので、10年ごとの更新や更新講習は現在ありません。特別免許状も全国で使えるわけではありません。
根拠:e-Gov法令検索 教育職員免許法第9条、文部科学省「教員免許更新制」(2026年10月16日確認)
問9|他校種の免許での担任
中学校の理科の免許状を持つ人が、小学校で理科を担任することについて正しいものはどれか。
- 免許状の教科に相当する教科などを担任する教諭等になれる
- 小学校の免許状がなければ、どの教科も担任することはできない
- 小学校の学級担任として、全ての教科を担任することができる
- 理科は担任できるが、主幹教諭や講師としては担任できない
正解と解説
正解:A. 免許状の教科に相当する教科などを担任する教諭等になれる教育職員免許法第16条の5第1項は、第3条の相当免許状主義の例外として、中学校や高校の免許状を持つ人が、小学校でその免許状の教科に相当する教科その他文部科学省令で定める事項を担任する主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭・講師になれるとしています。どの教科も担任できないわけではなく、逆に全教科を担任できるわけでもありません。主幹教諭や講師も対象に含まれます。
根拠:e-Gov法令検索 教育職員免許法第3条・第16条の5(2026年10月16日確認)
問10|服務の根本基準
地方公務員法第30条(服務の根本基準)の内容として正しいものはどれか。
- 所属する団体の利益のために勤務し、上司の命令には全力を挙げて従う
- 住民の代表として地域の利益のために勤務し、職務に誠実に取り組む
- 全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、全力を挙げて職務に専念する
- 国民全体の奉仕者として国の利益のために勤務し、法令を誠実に守る
正解と解説
正解:C. 全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、全力を挙げて職務に専念する第30条は「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」と定めています。「所属団体の利益」「地域の利益」「国の利益」のために勤務するとは書かれていません。上司の命令に従う義務は第32条の内容です。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第30条(2026年10月16日確認)
問11|上司の命令に従う義務
地方公務員法第32条について、正しいものはどれか。
- 職務の遂行に当たり、法令等に従い、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない
- 勤務時間外の私的な行動についても、上司の命令に忠実に従わなければならない
- 上司の命令は法令に優先するので、法令と異なる命令にも従わなければならない
- 上司の命令に従う義務は、条件付採用の期間が終わった後に初めて生じる
正解と解説
正解:A. 職務の遂行に当たり、法令等に従い、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない第32条は「職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」と定めています。対象は「職務上の命令」なので、私的な行動への命令は含まれません。法令に従うことも同じ条で求められており、命令が法令に優先するわけではありません。条件付採用期間中だけ義務がないという規定もありません。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第32条(2026年10月16日確認)
問12|信用失墜行為の禁止
地方公務員法第33条(信用失墜行為の禁止)についての説明として正しいものはどれか。
- 勤務時間中の行為だけを対象とし、休日の私生活での行為は対象にならない
- 刑事事件で有罪となった行為だけを対象とし、それ以外は対象にならない
- 校長など管理職だけに課される義務で、一般の教諭には適用されない
- 職の信用を傷つける行為などを禁じ、勤務時間外の行為も対象になり得る
正解と解説
正解:D. 職の信用を傷つける行為などを禁じ、勤務時間外の行為も対象になり得る第33条は「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と定めており、勤務時間中に限る、刑事事件に限る、管理職に限るといった限定はありません。そのため、休日の飲酒運転なども信用失墜行為として懲戒の対象になり得ます。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第33条・第29条(2026年10月16日確認)
問13|秘密を守る義務
地方公務員法第34条の秘密を守る義務について、正しいものはどれか。
- 在職中だけの義務であり、退職すれば漏らしても処罰の対象にならない
- 職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、その職を退いた後も同様である
- 校長の許可があれば、職務上の秘密を自由に公表してよい
- 勤務時間外に知った職務上の秘密は、義務の対象にならない
正解と解説
正解:B. 職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、その職を退いた後も同様である第34条第1項は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、「その職を退いた後も、また、同様とする」と定めています。退職後も義務は続きます。法令による証人などとして職務上の秘密を発表する場合に必要なのは任命権者の許可で(同条第2項)、校長の許可で自由に公表できるわけではありません。秘密を知った時間帯で義務の有無が変わる規定もありません。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第34条(2026年10月16日確認)
問14|証言と任命権者の許可
職員が法令による証人として職務上の秘密に属する事項を発表する場合について、地方公務員法第34条の規定として正しいものはどれか。
- 所属する学校の校長の許可が必要で、校長は理由を示せば許可を拒める
- 人事委員会の許可が必要で、人事委員会は自由な判断で許可を拒める
- 証人として発表する場合には許可は必要なく、本人の判断で発表してよい
- 任命権者の許可が必要で、法律に特別の定めがある場合を除き拒めない
正解と解説
正解:D. 任命権者の許可が必要で、法律に特別の定めがある場合を除き拒めない第34条第2項は、法令による証人・鑑定人などとして職務上の秘密に属する事項を発表する場合は任命権者(退職者は退職した職の任命権者)の許可を受けなければならないとし、第3項は、その許可は法律に特別の定めがある場合を除き拒むことができないとしています。許可するのは校長や人事委員会ではなく、許可が不要というわけでもありません。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第34条(2026年10月16日確認)
問15|職務に専念する義務
地方公務員法第35条(職務に専念する義務)の説明として正しいものはどれか。
- 法律・条例に特別の定めがある場合を除き、勤務時間と注意力のすべてを職責に用いる
- 勤務時間外も含めて、いつも職務のことだけを考えて行動しなければならない
- 校長が認めれば、法律や条例に定めがなくても、この義務は自由に免除される
- 勤務時間中であっても、職務上の注意力の半分以上を職責に用いればよい
正解と解説
正解:A. 法律・条例に特別の定めがある場合を除き、勤務時間と注意力のすべてを職責に用いる第35条は、職員は法律又は条例に特別の定めがある場合を除き、勤務時間及び職務上の注意力のすべてを職責遂行のために用い、その地方公共団体がなすべき職務にのみ従事しなければならないとしています。対象は勤務時間で、時間外までは含みません。免除できるのは法律・条例に特別の定めがある場合です。「半分以上」ではなく「すべて」です。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第35条(2026年10月16日確認)
問16|教員の政治的行為
公立学校の教員の政治的行為の制限について、教育公務員特例法第18条の規定として正しいものはどれか。
- 地方公務員法第36条がそのまま適用され、勤務する自治体の区域外なら制限されない
- 当分の間、国家公務員の例により、国家公務員法の罰則規定も同じく適用される
- 当分の間、国家公務員の例によるが、国家公務員法の罰則規定は適用されない
- 教員には政治的中立が求められないので、政治的行為の制限はない
正解と解説
正解:C. 当分の間、国家公務員の例によるが、国家公務員法の罰則規定は適用されない教特法第18条第1項は、公立学校の教育公務員の政治的行為の制限について、当分の間、地公法第36条にかかわらず国家公務員の例によるとしています。したがって地公法第36条の「区域外」のただし書きをそのまま当てはめることはできません。同条第2項は、これにより国家公務員法第110条第1項の罰則が適用されると解してはならないとしています。制限がないという選択肢も誤りです。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第18条、地方公務員法第36条(2026年10月16日確認)
問17|争議行為等の禁止
地方公務員法第37条の争議行為等の禁止について、正しいものはどれか。
- 勤務時間外に行う同盟罷業であれば、職員も参加することができる
- 同盟罷業・怠業などの争議行為をしてはならず、何人もその企てやあおりをしてはならない
- 任命権者の許可を受ければ、職員は怠業を行うことができる
- 禁止されるのは職員本人の争議行為だけで、職員以外があおることは禁止されない
正解と解説
正解:B. 同盟罷業・怠業などの争議行為をしてはならず、何人もその企てやあおりをしてはならない第37条第1項は、職員が同盟罷業・怠業その他の争議行為や、能率を低下させる怠業的行為をしてはならないとし、「何人も」こうした違法な行為の企て、共謀、そそのかし、あおりをしてはならないとしています。勤務時間外なら参加できる、許可があればよい、という規定はありません。「何人も」なので職員以外も対象です。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第37条(2026年10月16日確認)
問18|兼職・兼業の特例
公立学校の教員が教育に関する他の職を兼ねることについて、教育公務員特例法第17条の規定として正しいものはどれか。
- 教育に関する職であっても、給与を受けて兼ねることは一切できない
- 教育に関する職であれば、誰の承認も受けずに自由に兼ねることができる
- 本務に支障があっても、校長が認めれば給与を受けて兼ねることができる
- 本務の遂行に支障がないと任命権者が認めれば、給与を受けても兼ねられる
正解と解説
正解:D. 本務の遂行に支障がないと任命権者が認めれば、給与を受けても兼ねられる教特法第17条第1項は、教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業等に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者(県費負担教職員は市町村教委)が認める場合には、給与を受け、又は受けないで行うことができるとしています。給与を受けることも可能で、承認なしに自由にできるわけではありません。本務に支障があれば認められません。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第17条、地方公務員法第38条(2026年10月16日確認)
問19|分限と懲戒の違い
分限処分と懲戒処分の違いとして正しいものはどれか。
- 分限は職務を果たせない状態などへの対応、懲戒は義務違反や非行への制裁
- 分限は非行に対する制裁で、懲戒は病気などで職務を果たせない場合の対応である
- 分限も懲戒も非行に対する制裁であり、違いは処分の重さだけである
- 分限は条件付採用期間中の職員だけが、懲戒は正式採用後の職員だけが受ける
正解と解説
正解:A. 分限は職務を果たせない状態などへの対応、懲戒は義務違反や非行への制裁地公法第28条の分限の事由は、勤務実績不良・心身の故障・適格性欠如・廃職や過員などで、職務を十分に果たせない状態などに対応するものです。第29条の懲戒の事由は、法令違反・職務上の義務違反・全体の奉仕者にふさわしくない非行で、制裁としての性質を持ちます。両者を入れ替えた選択肢や同じものとする選択肢は誤りです。条件付採用期間中の職員には、むしろ分限の規定の一部が適用されません(第29条の2)。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第28条・第29条・第29条の2(2026年10月16日確認)
問20|分限免職の事由
地方公務員法第28条第1項で、職員の意に反して降任・免職できる事由に当たらないものはどれか。
- 人事評価などに照らして勤務実績がよくない場合
- 心身の故障のため職務の遂行に支障がある場合
- 職制や定数の改廃、予算の減少で廃職や過員が生じた場合
- 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
正解と解説
正解:D. 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合第28条第1項の事由は、①勤務実績がよくない場合、②心身の故障のため職務の遂行に支障があり又はこれに堪えない場合、③その職に必要な適格性を欠く場合、④職制・定数の改廃や予算の減少で廃職又は過員を生じた場合です。「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」は第29条第1項の懲戒の事由です。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第28条・第29条(2026年10月16日確認)
問21|休職の事由
地方公務員法第28条第2項で、職員の意に反して休職させることができる事由の組合せはどれか。
- 勤務実績がよくない場合と、刑事事件に関し逮捕された場合
- 心身の故障のため長期の休養を要する場合と、刑事事件に関し起訴された場合
- 心身の故障のため長期の休養を要する場合と、懲戒処分を受けた場合
- 職に必要な適格性を欠く場合と、本人が大学院に進学する場合
正解と解説
正解:B. 心身の故障のため長期の休養を要する場合と、刑事事件に関し起訴された場合第28条第2項は、休職の事由を①心身の故障のため長期の休養を要する場合、②刑事事件に関し起訴された場合、の2つとしています。勤務実績不良や適格性欠如は降任・免職の事由です。「逮捕」ではなく「起訴」です。懲戒処分を受けたことは休職の事由ではありません。大学院で学ぶための休業は教特法第26条の大学院修学休業で、本人の申請による別の制度です。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第28条、教育公務員特例法第26条(2026年10月16日確認)
問22|懲戒の種類
地方公務員法第29条に定める懲戒処分の種類として正しい組合せはどれか。
- 訓告・減給・停職・免職
- 戒告・降給・休職・免職
- 戒告・減給・停職・免職
- 厳重注意・戒告・減給・停職
正解と解説
正解:C. 戒告・減給・停職・免職第29条第1項は、懲戒処分として戒告・減給・停職・免職の4つを定めています。訓告や厳重注意は、この4つに含まれないので地公法上の懲戒処分ではありません。降給・休職は第28条の分限処分の種類です。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第28条・第29条(2026年10月16日確認)
問23|懲戒の事由
地方公務員法第29条第1項の懲戒の事由に当たるものはどれか。
- 心身の故障のため長期の休養を要する状態となった場合
- 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合
- 職制や定数の改廃により廃職や過員を生じた場合
- その職に必要な適格性を欠くと判断される場合
正解と解説
正解:B. 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合第29条第1項の懲戒の事由は、①地公法や特例法、条例・規則・規程に違反した場合、②職務上の義務に違反し又は職務を怠った場合、③全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合、の3つです。心身の故障による長期休養は分限休職の事由、過員や適格性欠如は分限の降任・免職の事由です(第28条)。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第28条・第29条(2026年10月16日確認)
問24|分限・懲戒の基準
地方公務員法第27条(分限及び懲戒の基準)について、正しいものはどれか。
- 職員は、地方公務員法で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない
- 分限と懲戒は、任命権者の裁量で公正さを考えずに行うことができる
- 職員は、条例で定めれば、地方公務員法にない事由でも意に反して免職される
- 懲戒の事由は、各学校の校長が定める校内規程で自由に追加できる
正解と解説
正解:A. 職員は、地方公務員法で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない第27条第1項はすべての職員の分限と懲戒は公正でなければならないとし、第2項は意に反する降任・免職は地公法で定める事由による場合に限るとし、第3項は懲戒は地公法で定める事由によらなければ受けないとしています。条例で休職・降給の事由を定める余地はありますが、意に反する免職の事由は地公法によります。校内規程で懲戒の事由を追加することはできません。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第27条(2026年10月16日確認)
問25|条件付採用期間中の職員
条件付採用期間中の職員について、地方公務員法第29条の2の規定として正しいものはどれか。
- 懲戒の規定が適用されないので、懲戒処分を受けることはない
- 服務の規定が適用されないので、秘密を守る義務を負わない
- 分限の規定が手厚く適用され、正式採用の職員より保護が強い
- 第28条第1項から第3項までなど、分限の規定の一部が適用されない
正解と解説
正解:D. 第28条第1項から第3項までなど、分限の規定の一部が適用されない第29条の2第1項は、条件付採用期間中の職員と臨時的任用職員には、第27条第2項、第28条第1項〜第3項、第49条第1項・第2項と行政不服審査法を適用しないとしています。懲戒(第29条)や服務の規定は適用除外に入っていないので、懲戒処分を受けることも、秘密を守る義務を負うこともあります。分限の保護はむしろ弱くなります。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第29条の2(2026年10月16日確認)
問26|欠格条項と失職
地方公務員法第16条と第28条第4項について、正しいものはどれか。
- 懲戒免職の処分を受けた者は、その日から5年を経過しない限り、どの自治体の職員にもなれない
- 職員が欠格条項に当たるようになっても、懲戒処分を受けない限り職を失わない
- その自治体で懲戒免職の処分を受け、その日から2年を経過しない者は、その自治体の職員になれない
- 拘禁刑以上の刑に処せられても、執行猶予が付けば欠格条項には当たらない
正解と解説
正解:C. その自治体で懲戒免職の処分を受け、その日から2年を経過しない者は、その自治体の職員になれない第16条第2号は、その地方公共団体で懲戒免職の処分を受け、その日から2年を経過しない者を欠格としています。「5年」「どの自治体でも」ではありません。第28条第4項は、職員が第16条(第2号を除く)に当たるようになったときは、条例に特別の定めがある場合を除き職を失うとしており、懲戒処分は必要ありません。第16条第1号は拘禁刑以上の刑に処せられ、執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者を欠格としているので、執行猶予中も当たります。
根拠:e-Gov法令検索 地方公務員法第16条・第28条(2026年10月16日確認)
問27|免許状の失効
公立学校の教員について、教育職員免許法第10条により免許状が効力を失う場合はどれか。
- 停職の処分を受けたとき
- 懲戒免職の処分を受けたとき
- 心身の故障を理由に分限免職の処分を受けたとき
- 過員を理由に分限免職の処分を受けたとき
正解と解説
正解:B. 懲戒免職の処分を受けたとき第10条第1項は、公立学校の教員が懲戒免職の処分を受けたとき、また地公法第28条第1項第1号(勤務実績不良)又は第3号(適格性欠如)による分限免職の処分を受けたときなどに、免許状が効力を失うとしています。停職では失効しません。心身の故障(第2号)や廃職・過員(第4号)による分限免職は、この失効の事由に含まれていません。
根拠:e-Gov法令検索 教育職員免許法第10条、地方公務員法第28条(2026年10月16日確認)
問28|勤務場所を離れての研修
教育公務員特例法第22条第2項について、正しいものはどれか。
- 教員は、授業に支障があっても、本人の判断で勤務場所を離れて研修を行うことができる
- 教員は、教育委員会の命令がない限り、勤務場所を離れて研修を行うことはできない
- 教員は、授業に支障のない限り、保護者の同意を得て勤務場所を離れて研修を行うことができる
- 教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる
正解と解説
正解:D. 教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる第22条第2項は「教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる」と定めています。条件は「授業に支障のない限り」と「本属長(校長)の承認」で、本人の判断だけでも、保護者の同意でもありません。教育委員会の命令がなければできないという規定でもありません。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第22条(2026年10月16日確認)
問29|初任者研修
教育公務員特例法第23条の初任者研修について、正しいものはどれか。
- 採用の日から6か月間、教育委員会の研修施設だけで行い、指導教員は置かない
- 採用から3年目に1年間行い、学校外の大学教員を指導教員として命じる
- 採用の日から1年間、実践的な研修を行い、所属校の教員から指導教員を命じる
- 採用の日から2年間、本人の希望がある場合に限り行い、校長が指導教員となる
正解と解説
正解:C. 採用の日から1年間、実践的な研修を行い、所属校の教員から指導教員を命じる第23条第1項は、研修実施者が、教諭等に対し採用の日から1年間、職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(初任者研修)を実施しなければならないとし、第2項は、所属する学校の副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・主務教諭・教諭・講師などから指導教員を命じるとしています。期間は1年で、指導教員は所属校の教員の中から命じます。本人の希望に限るものではありません。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第23条(2026年10月16日確認)
問30|中堅教諭等資質向上研修
教育公務員特例法第24条の中堅教諭等資質向上研修について、正しいものはどれか。
- 受講者の能力・適性等を評価し、その結果に基づき一人ひとりの計画書を作る
- 採用から10年を経過した全ての教諭に、同じ内容の研修を一律に行う
- 指導が不適切と認定された教諭に対し、指導の改善のために行う
- 免許状の有効期間を更新するために、大学が開設する講習として行う
正解と解説
正解:A. 受講者の能力・適性等を評価し、その結果に基づき一人ひとりの計画書を作る第24条は、相当の経験を持ち、学校運営で中核的な役割を果たすことが期待される中堅教諭等に対する研修で、指導助言者が受講者の能力・適性等を評価し、その結果に基づいて一人ひとりの計画書を作成するとしています。一律の内容ではありません。指導が不適切な教諭への研修は第25条の指導改善研修です。免許状の更新制は2022年7月に発展的に解消されています。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第24条・第25条、文部科学省「教員免許更新制」(2026年10月16日確認)
問31|指導改善研修
教育公務員特例法第25条の指導改善研修の期間について、正しいものはどれか。
- 6か月を超えてはならず、どのような事情があっても延長することはできない
- 1年を超えてはならないが、特に必要なときは開始から2年まで延長できる
- 3年を超えてはならないが、本人が希望すれば何度でも延長することができる
- 期間の定めはなく、指導の改善が認められるまで何年でも続けることができる
正解と解説
正解:B. 1年を超えてはならないが、特に必要なときは開始から2年まで延長できる第25条第2項は、指導改善研修の期間は1年を超えてはならないとし、特に必要があると認めるときは、任命権者は研修を開始した日から引き続き2年を超えない範囲で延長できるとしています。6か月・3年という規定や、期間の定めがないという規定はありません。研修後も指導を適切に行えないと認定された者には、免職その他の必要な措置が講じられます(第25条の2)。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第25条・第25条の2(2026年10月16日確認)
問32|指標・研修計画・記録
2022年の改正後の教育公務員特例法について、正しいものはどれか。
- 教員研修計画は、各教員が自分で毎年度作成し、校長に提出しなければならない
- 校長及び教員としての資質に関する指標は、各学校の校長が学校ごとに定める
- 任命権者は、校長及び教員ごとに研修等に関する記録を作成しなければならない
- 研修等に関する記録は、本人の希望がある場合に限り作成すればよい
正解と解説
正解:C. 任命権者は、校長及び教員ごとに研修等に関する記録を作成しなければならない第22条の5は、任命権者が校長及び教員ごとに研修等に関する記録を作成しなければならないとしています。本人の希望の有無で作るかどうかが決まるわけではありません。指標は任命権者が国の指針を参酌して定め(第22条の3)、教員研修計画は研修実施者が指標を踏まえて毎年度定めます(第22条の4)。校長や各教員が定めるものではありません。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第22条の3〜第22条の7(2026年10月16日確認)
問33|大学院修学休業
教育公務員特例法第26条の大学院修学休業について、正しいものはどれか。
- 一種免許状を取るため、校長の許可を受けて、1年を超えない範囲で短期大学に在学できる
- 専修免許状を取るため、本人の届出だけで、期間の制限なく大学院に在学できる
- 条件付採用期間中の教諭が、任命権者の許可を受けて、5年の範囲で大学院に在学できる
- 専修免許状を取るため、任命権者の許可を受け、3年以内で年単位で在学できる
正解と解説
正解:D. 専修免許状を取るため、任命権者の許可を受け、3年以内で年単位で在学できる第26条は、教諭等が専修免許状を取るために、任命権者の許可を受けて、3年を超えない範囲内で年を単位として定める期間、大学院の課程などに在学できるとしています。目的は一種ではなく専修免許状、許可するのは校長ではなく任命権者で、期間の上限があります。条件付採用期間中の者などは対象外とされています。
根拠:e-Gov法令検索 教育公務員特例法第26条(2026年10月16日確認)
問34|教職調整額と手当
給特法第3条について、正しいものはどれか。
- 教員には教職調整額に加えて、時間外勤務の時間に応じた時間外勤務手当も支給する
- 校長・教頭などを除く教員に教職調整額を支給し、時間外勤務手当等は支給しない
- 教職調整額は校長・副校長・教頭だけに支給し、一般の教諭には支給しない
- 教職調整額は、本人の申請がある月に限って、超過勤務の時間に応じて支給する
正解と解説
正解:B. 校長・教頭などを除く教員に教職調整額を支給し、時間外勤務手当等は支給しない給特法第3条第1項は、校長・副校長・教頭などを除く教育職員に教職調整額を支給するとし、第2項は教育職員には時間外勤務手当及び休日勤務手当を支給しないとしています。したがって、調整額と時間外勤務手当を両方支給することはありません。校長などは調整額の対象外です。調整額は給料月額に一定の割合をかけた額で、超過勤務の時間に応じて支給するものではありません。
根拠:e-Gov法令検索 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)第3条(2026年10月16日確認)
問35|超勤4項目
教員に時間外勤務を命じることができる業務を定めた政令(いわゆる超勤4項目)に含まれないものはどれか。
- 保護者への学級通信の作成に関する業務
- 修学旅行その他学校の行事に関する業務
- 職員会議に関する業務
- 非常災害の場合など、やむを得ない場合に必要な業務
正解と解説
問36|教職調整額の割合
2025年の給特法改正(令和7年法律第68号)後の教職調整額の割合について、2026年10月時点で正しいものはどれか(小学校・中学校の教員)。
- 2026年4月から、一度に給料月額の10%まで引き上げられた
- 改正後も給料月額の4%のまま変わらず、別の手当の追加で対応する
- 2026年は5%で、毎年1%ずつ上がり、2031年1月に10%になる
- 2026年は給料月額の6%で、2028年1月からは10%になる
正解と解説
正解:C. 2026年は5%で、毎年1%ずつ上がり、2031年1月に10%になる改正後の給特法第3条第1項は、教職調整額を給料月額の10%(幼稚園は4%)とし、附則で、2026年1月〜12月は5%、2027年は6%、2028年は7%、2029年は8%、2030年は9%と読み替えています。したがって2031年1月から10%です。一度に10%になったわけでも、4%のままでもありません。
根拠:e-Gov法令検索 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)第3条・附則(2026年10月16日確認)
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※ 解説は学習用の情報提供です。採用選考の実施方法・出題範囲は、必ず受験する自治体の実施要項をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。法令は2026年10月時点のものです。