仮の宿 学習室

幼稚園教員 KINDERGARTEN TEACHER

子育て支援・預かり保育・安全と保健

講義 4 本・確認問題 25 問 | 指導と運営・論述 | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 幼稚園の子育て支援と、家庭・地域との連携
  2. 預かり保育(教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動)
  3. 安全と保健:要領の指導と学校保健安全法
  4. 事故防止と事故発生時の対応(国のガイドライン)
  5. 確認問題(25問)
  6. 演習ツール

1. 幼稚園の子育て支援と、家庭・地域との連携

幼稚園は、通っている幼児を教育するだけでなく、地域の子育て家庭を支える役割も持っています。法律と幼稚園教育要領がその役割をどう書いているかを確かめます。

幼稚園の子育て支援の出発点は、法律です。学校教育法第24条は、幼稚園は第22条の目的を実現するための教育を行うほか、「幼児期の教育に関する各般の問題につき、保護者及び地域住民その他の関係者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努めるものとする」と定めています。つまり、相談の相手は在園児の保護者だけではなく、地域の人も含みます。幼稚園の目的・目標(第22・23条)は教職・一般教養ラボ(/learn/shikaku/kyoshoku/)でも扱っています。

幼稚園教育要領での位置づけ

幼稚園教育要領(平成29年告示)は、第1章総則の「第7」で、幼稚園は「幼児の生活全体が豊かなものとなるよう家庭や地域における幼児期の教育の支援に努める」と書き、具体的な留意事項を第3章にまとめています。第3章の2は、子育ての支援のために保護者や地域の人々に機能や施設を開放し、次のような取組を進めて、「地域における幼児期の教育のセンターとしての役割を果たすよう努める」としています。

幼稚園教育要領 第3章の2が例に挙げる子育て支援
取組ねらい(取組の意味の例)
幼児期の教育に関する相談に応じる保護者の悩みを受け止め、幼稚園の専門性を生かす
情報を提供する幼児期の教育について正しい情報を届ける
幼児と保護者との登園を受け入れる未就園の親子が園の環境で過ごせる
保護者同士の交流の機会を提供する孤立を防ぎ、支え合う関係をつくる

その際、園内体制の整備や関係機関との連携・協力に配慮し、心理や保健の専門家、地域の子育て経験者等と連携・協働しながら取り組むよう配慮するとされています。幼稚園だけで抱え込まず、専門家や地域の力を借りるという考え方です。

在園児の家庭との連携

総則の「第6 幼稚園運営上の留意事項」の2は、幼児の生活は家庭を基盤として地域社会を通じて次第に広がりをもつと述べ、幼稚園の生活が家庭や地域社会と連続性を保つよう求めています。地域の自然、高齢者や異年齢の子供などを含む人材、行事や公共施設などの地域の資源を積極的に活用することも書かれています。家庭との連携では、保護者との情報交換の機会や保護者と幼児との活動の機会を設けることを通じて、保護者の幼児期の教育に関する理解が深まるよう配慮します。

第6の3は、幼稚園間に加えて、保育所、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校などとの連携や交流を図るとし、特に小学校との円滑な接続のため、幼稚園の幼児と小学校の児童との交流の機会を積極的に設けるとしています。障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けることにも努めます。

保育所保育指針との比較

保育所保育指針は、第4章を「子育て支援」に充て、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に保護者の自己決定を尊重すること、子どもの利益に反しない限りプライバシーを保護し秘密を保持すること、地域の子どもへの一時預かり事業などを書いています。幼稚園教育要領は「地域における幼児期の教育のセンター」という言葉で、保育所保育指針は保育所の特性を生かした支援という形で、どちらも地域に開かれた子育て支援を求めている点が共通しています。保育所の側からの詳しい内容は保育士ラボ(/learn/shikaku/hoiku/)で学べます。

虐待が疑われるとき

子育て支援の中で、虐待が疑われる様子に気づくこともあります。児童虐待の防止等に関する法律第5条は、学校や学校の教職員などは児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、早期発見に努めなければならないとしています。第6条は、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに市町村、都道府県の設置する福祉事務所もしくは児童相談所に(または児童委員を介して)通告しなければならないと定めています。確証が得られるまで待つ必要はありません。保育所保育指針も、虐待が疑われる場合には速やかに市町村または児童相談所に通告するとしています。

用語

家庭及び地域における幼児期の教育の支援
学校教育法第24条が幼稚園に求める、相談・情報提供・助言などによる子育て家庭の支援。
幼児期の教育のセンター
幼稚園教育要領が幼稚園に期待する、地域の幼児期の教育を支える拠点としての役割。
未就園児の親子登園
まだ入園していない幼児と保護者が一緒に園に来て過ごす取組。要領の「幼児と保護者との登園を受け入れ」にあたる。
通告
虐待を受けたと思われる子どもを見つけた人が、市町村や児童相談所などに知らせること。法律上の義務。

例題

例題:幼稚園が、まだ入園していない2歳児とその保護者を週1回園に招き、園庭で遊んだり保護者同士で話したりする会を開いている。要領のどの考え方にあたるか。
答えと考え方 第3章の2の子育て支援です。「幼児と保護者との登園を受け入れ」「保護者同士の交流の機会を提供」にあたり、幼稚園が地域における幼児期の教育のセンターとしての役割を果たそうとする取組です。相談を受けたときに心理や保健の専門家につなぐ体制もあると、さらに要領の趣旨に合います。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第6・第7、第3章 2、e-Gov法令検索「学校教育法」第24条、e-Gov法令検索「児童虐待の防止等に関する法律」第5条・第6条、厚生労働省「保育所保育指針」第4章(いずれも2026-10-16確認)

2. 預かり保育(教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動)

幼稚園の「教育時間」は1日4時間が標準です。その後に希望者を対象に行う活動が、いわゆる預かり保育です。要領の留意事項を5つに分けて押さえます。

教育課程の時間と週数

幼稚園教育要領(平成29年告示)は、第1章総則の第3で、幼稚園の毎学年の教育課程に係る教育週数は、特別の事情のある場合を除き、39週を下ってはならないとし、1日の教育課程に係る教育時間は4時間を標準としています(ただし、幼児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮します)。この「教育課程に係る教育時間」は、在園する幼児全員が受ける教育の時間です。

一方、共働きの家庭が増えるなど、教育時間が終わったあとも幼児を園で過ごさせたいという保護者の要請があります。要領の第3章は、これを「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動」と呼びます。一般には「預かり保育」と呼ばれ、教育時間の前(朝)や、長期休業中に行う園もあるので「終了後等」となっています。

対象と基本の考え方

第3章の1は、この活動を「地域の実態や保護者の要請により、教育課程に係る教育時間の終了後等に希望する者を対象に行う教育活動」と書きます。全員参加ではなく希望者が対象です。そして、まず幼児の心身の負担に配慮するものとしています。長い時間を園で過ごす幼児は疲れやすいので、静かに休める場所や時間を用意することも大切です。

また、総則の第7は、この活動を学校教育法に規定する目的及び目標並びに幼稚園教育の基本を踏まえ実施するとしています。単に子どもを預かる時間ではなく、幼稚園の教育活動の一つとして位置づけられている点が重要です。

幼稚園教育要領 第3章の1の留意点(要約)
番号留意すること
(1)教育課程に基づく活動を考慮し、幼児期にふさわしい無理のないものにする。教育課程に基づく活動を担当する教師と緊密に連携する
(2)家庭や地域での幼児の生活も考慮して計画を作成する。地域の人々と連携するなど、地域の様々な資源を活用し、多様な体験ができるようにする
(3)家庭と緊密に連携する。情報交換の機会を設けるなどして、保護者が幼稚園と共に幼児を育てるという意識が高まるようにする
(4)地域の実態や保護者の事情、幼児の生活のリズムを踏まえ、実施日数や時間などについて弾力的な運用に配慮する
(5)適切な責任体制と指導体制を整備した上で行う

(1)の「教師との連携」は、例えば午前中にクラスで汗をかくほど体を動かした日には、預かり保育では落ち着いて過ごせる遊びを用意する、といった形で生かされます。担当者が別でも、幼児の1日は一続きです。(3)は、保護者に任せきりにするのでも、園がすべてを引き受けるのでもなく、「共に育てる」意識を育てることを求めています。

全体的な計画の中に位置づける

総則の第3の6は、各幼稚園が、教育課程を中心に、第3章に示す教育時間の終了後等に行う教育活動の計画、学校保健計画、学校安全計画などとを関連させ、一体的に教育活動が展開されるよう全体的な計画を作成するとしています。預かり保育の計画は、教育課程とばらばらに作るものではありません。学校保健計画と学校安全計画は次の講義で扱います。

保育所では、保育所保育指針に基づいて保育を行い、地域の子どもへの一時預かり事業なども行います。幼稚園の預かり保育と似ていますが、幼稚園では「教育課程に係る教育時間」とその後の活動が区別されている点を押さえましょう。

用語

教育課程に係る教育時間
在園児全員が受ける教育の時間。1日4時間が標準。
預かり保育
教育課程に係る教育時間の終了後等に、希望する者を対象に行う教育活動の通称。
教育週数
1年間に教育課程に基づく教育を行う週の数。特別の事情がある場合を除き39週を下らない。
全体的な計画
教育課程を中心に、預かり保育の計画・学校保健計画・学校安全計画などを関連させた園全体の計画。
弾力的な運用
地域や家庭の事情、幼児の生活のリズムに合わせて、実施日数や時間などを柔軟に決めること。

例題

例題:ある幼稚園が、預かり保育の時間も午前と同じ一斉の課題活動を続けることにした。要領の留意事項から見て、どこが問題か。
答えと考え方 第3章の1は、幼児の心身の負担に配慮し、教育課程に基づく活動を考慮して「幼児期にふさわしい無理のないもの」にするよう求めています。午前の活動とのつながりを担任と確かめ、休息やゆったりした遊びも取り入れた計画にするのが趣旨に合います。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第3(3・6)・第7、第3章 1(2026-10-16確認)

3. 安全と保健:要領の指導と学校保健安全法

安全と健康は、領域「健康」での指導と、園としての計画・体制の両面から考えます。要領と学校保健安全法の決まりを結びつけて整理します。

領域「健康」での安全の指導

幼稚園教育要領(平成29年告示)の領域「健康」は、内容の(10)に「危険な場所、危険な遊び方、災害時などの行動の仕方が分かり、安全に気を付けて行動する」を挙げています。内容(9)は「自分の健康に関心をもち、病気の予防などに必要な活動を進んで行う」です。

内容の取扱いの(6)は、安全に関する指導に当たっては、情緒の安定を図り、遊びを通して安全についての構えを身に付け、危険な場所や事物などが分かり、安全についての理解を深めるようにすること、また、交通安全の習慣を身に付けるようにするとともに、避難訓練などを通して、災害などの緊急時に適切な行動がとれるようにすること、としています。危険をすべて取り除いて体験させない、のではなく、遊びの中で危険に気づき、自分で身を守る力を育てる考え方です。領域「健康」全体は章yc4で扱います。

総則にある安全への配慮

総則の第3の4は、教育課程の編成上の留意事項として、入園当初、特に3歳児の入園については、家庭との連携を緊密にし、生活のリズムや安全面に十分配慮すること、また幼稚園生活が幼児にとって安全なものとなるよう、教職員による協力体制の下、幼児の主体的な活動を大切にしつつ、園庭や園舎などの環境の配慮や指導の工夫を行うことを挙げています。

学校保健安全法の3つの計画・要領

幼稚園は学校教育法第1条の「学校」なので、学校保健安全法が適用されます(同法第2条)。園として作るものは次のとおりです。

学校保健安全法で学校が作るもの
名前(条)目的主な内容
学校保健計画(第5条)児童生徒等及び職員の心身の健康の保持増進健康診断、環境衛生検査、児童生徒等に対する指導その他保健に関する事項
学校安全計画(第27条)児童生徒等の安全の確保施設及び設備の安全点検、通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修その他学校における安全に関する事項
危険等発生時対処要領(第29条)危険等発生時に職員がとるべき措置の具体的内容と手順を定める校長が職員に周知し、訓練を実施するなどの措置を講じる

第29条第3項は、事故などで児童生徒等に危害が生じた場合、その児童生徒等や、心理的外傷その他の心身の健康に対する影響を受けた児童生徒等その他の関係者の心身の健康を回復させるため必要な支援を行うことも求めています。危険等発生時対処要領は、一般に「危機管理マニュアル」と呼ばれます。

前の講義で見たとおり、要領は、学校保健計画と学校安全計画を教育課程や預かり保育の計画と関連させて全体的な計画を作るよう求めています。

感染症と出席停止

学校保健安全法第19条は、校長は、感染症にかかっており、かかっている疑いがあり、またはかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができるとしています。幼稚園では園長がこの立場にあたります。保育所の感染症対策は「保育所における感染症対策ガイドライン」に基づくなど、根拠が異なる点に注意しましょう。

保育所保育指針との比較

保育所保育指針は第3章を「健康及び安全」に充て、子どもの健康支援、食育の推進、環境及び衛生管理並びに安全管理、災害への備えを書いています。幼稚園では、同じ内容が領域「健康」の指導と、学校保健安全法に基づく計画とに分かれて書かれている、と整理すると覚えやすくなります。

用語

学校保健計画
健康診断・環境衛生検査・保健指導などをまとめた計画(学校保健安全法第5条)。
学校安全計画
施設設備の安全点検・安全指導・職員研修などをまとめた計画(同法第27条)。
危険等発生時対処要領
事故や災害などの危険が生じたときに職員がとる措置の内容と手順を定めたもの。危機管理マニュアル(同法第29条)。
出席停止
感染症にかかっている、またはその疑いやおそれがある幼児等について、校長(園長)が出席を止めること(同法第19条)。
安全についての構え
危険に気づき、自分で安全に行動しようとする心の準備。要領は遊びを通して身に付けるとする。

例題

例題:ある園では、園庭の遊具を「けがが心配だから」と全面的に使用禁止にした。要領の安全指導の考え方から見て、どう考えるべきか。
答えと考え方 要領は、遊びを通して安全についての構えを身に付け、危険な場所や事物などが分かるようにすることを求めています。遊具は学校安全計画に基づいて点検し、壊れている所は直したうえで、使い方を遊びの中で伝えるのが趣旨に合います。危険をすべて遠ざけるだけでは、自分で身を守る力が育ちません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第3(4・6)、第2章「健康」、e-Gov法令検索「学校保健安全法」第2条・第5条・第19条・第27条・第29条、厚生労働省「保育所保育指針」第3章(いずれも2026-10-16確認)

4. 事故防止と事故発生時の対応(国のガイドライン)

国は、幼稚園・保育所・認定こども園などに共通の「事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」を示しています。重大事故が起きやすい場面と、起きたときの手順を押さえます。

「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」(平成28年3月。現在はこども家庭庁のウェブサイトに掲載)は、死亡や重篤な事故への対応を念頭に置いた資料で、内容は技術的な助言に相当するとされています。対象には、子ども・子育て支援新制度の確認を受けた幼稚園、認定こども園、保育所のほか、一時預かり事業なども含まれます。各施設は、これを参考に自分たちの実情に合った指針を作ります。

重大事故が発生しやすい場面

【事故防止のための取組み】(施設・事業者向け)は、子どもの年齢、場所、活動内容に留意するとし、特に次の場面は重大事故が発生しやすいとして注意事項を示しています。

重大事故が発生しやすい場面と主な注意事項
場面主な注意事項(ガイドラインより)
睡眠中医学的な理由で医師からうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、乳児の顔が見える仰向けに寝かせる。一人にしない。やわらかい布団やぬいぐるみ、ヒモ状のものを置かない。呼吸・体位などを定期的に点検する
プール活動・水遊び専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置し、役割分担を明確にする。十分な監視体制が確保できない場合は、プール活動の中止も選択肢とする
誤嚥(食事中)咀嚼・嚥下の発達などの情報を職員で共有する。普段食べている食材でも窒息につながる可能性を認識する。過去に事故が起きた食材(白玉風のだんご、丸のままのミニトマト等)は使用しないことが望ましい
誤嚥(玩具、小物等)窒息の可能性のある大きさ・形状の物は乳児のいる室内に置かない。髪ゴムの飾りなどの除去は保護者にも協力を求める
食物アレルギー幼稚園等の学校では学校生活管理指導表を配付・提出してもらい、医師の診断に基づいて対応する。除去は完全除去を基本とする。家庭で摂ったことのない食物は基本的に与えない

アレルギー児の食事の確認、プールの監視、移動の際の人数確認、睡眠の点検などでは、声に出して指差し確認するなど確実な確認を実践するとされています。また、重大事故のリスクがあった場面に関わった職員はヒヤリハット報告を作り、施設はそれを分析して対策を講じる、という組織的な取組も示されています。全ての職員が心肺蘇生法、気道内異物除去、AED・エピペン®の使用などの実技講習や実践的な研修を受けることも求められています。

事故が起きたとき

【事故発生時の対応】は、重大事故が起きた直後に次の①〜③に迅速に対応するとしています。①心肺蘇生・応急処置、必要と判断した場合は直ちに119番通報。②事故の状況を的確に把握する。③保護者に事故の発生を連絡し、現在分かっている事実を説明する。子どもの生命と健康を優先し、受診の判断に迷う場合には受診するとされています。

その後は、地方自治体などへ連絡し、事故が発生した現場は、二次的な事故が起きる可能性がある場合を除き片付けや物の移動をせず現状のまま保存します。他の子どもは別の部屋に移し、事故に対応する職員と教育・保育を行う職員は可能な限り分けて配置します。

記録は、職員がその日のうちにできる限り早く、ボールペンなど修正できない筆記用具で手書きし、一人ひとりが個別に書きます。書く前や書いている間に他の職員と相談せず、書いたものを見せ合いません。報道機関への対応は、地方自治体と調整のうえ窓口を一本化します。

ガイドライン(平成28年3月時点)では、施設は地方自治体に事故を報告し、地方自治体は原則事故発生当日(遅くとも翌日)に国へ報告するとされています。報告の対象は、死亡事故や、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等(意識不明の事故を含む)です。報告の様式や窓口は通知の改正で変わることがあるので、最新の通知で確かめましょう。

用語

重大事故
ガイドラインでは、死亡事故(SIDSや死因不明の事例を含む)と、自治体が検証が必要と判断した事例(意識不明等)。
誤嚥
食べ物が食道ではなく気管に入ってしまうこと。食べ物以外を飲み込む「誤飲」と区別する。
ヒヤリハット
事故には至らなかったが、ひやりとしたりはっとしたりした出来事。報告と分析で事故防止に生かす。
学校生活管理指導表
幼稚園等の学校で、アレルギーなどへの配慮が必要な場合に医師が記入し、保護者が提出する書類。
現状保存
事故の後、原因を確かめられるよう、事故現場を片付けずそのままにしておくこと。

例題

例題:夏のプール活動で、教師2人のうち1人が泳ぎ方を教え、もう1人が着替えの手伝いで更衣室に行った。ガイドラインから見て何が問題か。
答えと考え方 ガイドラインは、監視体制の空白が生じないよう、専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置するよう求めています。この場面ではプールを見守る専任の監視者がいません。人が足りないときは、プール活動の中止も選択肢とされています。

根拠:同ガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~(平成28年3月)、教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故発生時の対応】(平成28年3月)、同ガイドライン【事故防止のための取組み】~地方自治体向け~(平成28年3月)(こども家庭庁掲載、2026-10-16確認)

確認問題(25問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|学校教育法第24条

学校教育法第24条が幼稚園に求めていることとして、正しいものはどれか。

  1. 在園している幼児の保護者からの相談に限って応じ、地域住民への支援はすべて市町村に任せる
  2. 保護者や地域住民などの相談に応じ、情報の提供や助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努める
  3. 教育時間の終了後に、保護者の希望の有無にかかわらず、在園する全ての幼児を園で預からなければならない
  4. 満3歳未満の地域の子どもを、保護者の就労を条件として、毎日継続して保育しなければならない
正解と解説
正解:B. 保護者や地域住民などの相談に応じ、情報の提供や助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努める

第24条は、幼稚園が保護者及び地域住民その他の関係者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努めると定めています。相談相手には地域住民も含まれるので、在園児の保護者に限るとする選択肢は誤りです。教育時間後の活動(預かり保育)は希望する者が対象で、全員を預かる義務を定めた規定ではありません。満3歳未満児を毎日保育する義務も、この条文にはありません。

根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」第24条

問2|幼児期の教育のセンター

幼稚園教育要領第3章の2は、子育ての支援を通じて幼稚園が地域において果たすよう努める役割を何と表しているか。

  1. 地域における幼児期の教育のセンターとしての役割
  2. 地域における保育の需要を調整する中核施設としての役割
  3. 地域における家庭教育を指導・監督する機関としての役割
  4. 地域における子育て支援事業を認可する窓口としての役割
正解と解説
正解:A. 地域における幼児期の教育のセンターとしての役割

要領は、幼稚園と家庭が一体となって幼児と関わる取組を進め、「地域における幼児期の教育のセンターとしての役割を果たすよう努める」と書いています。保育の需要を調整する中核施設という表現は要領にありません。家庭教育を指導・監督するという上下関係の考え方も要領の趣旨と違います。子育て支援事業を認可するのは行政の仕事で、幼稚園の役割ではありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第3章 2

問3|子育て支援の例

幼稚園教育要領第3章の2が、子育ての支援の取組の例として挙げていないものはどれか。

  1. 幼児期の教育に関する相談に応じること
  2. 幼児と保護者との登園を受け入れること
  3. 保護者同士の交流の機会を提供すること
  4. 保護者に代わって家庭の家事を行うこと
正解と解説
正解:D. 保護者に代わって家庭の家事を行うこと

要領は、機能や施設を開放して、幼児期の教育に関する相談に応じたり、情報を提供したり、幼児と保護者との登園を受け入れたり、保護者同士の交流の機会を提供したりするなどの取組を例に挙げています。相談・親子登園・保護者同士の交流はいずれも要領に書かれています。家事を代わりに行うことは、要領が挙げる例に含まれていません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第3章 2

問4|家庭との連携の目的

幼稚園教育要領の総則(第6)は、家庭との連携で保護者との情報交換の機会や保護者と幼児との活動の機会を設けることを、何のために行うとしているか。

  1. 保護者が担任の指導方法を評価できるようにするため
  2. 幼稚園の教育課程の編成を保護者に任せるため
  3. 保護者の幼児期の教育に関する理解が深まるようにするため
  4. 家庭での学習の進み具合を確認して成績をつけるため
正解と解説
正解:C. 保護者の幼児期の教育に関する理解が深まるようにするため

第6の2は、保護者との情報交換の機会や保護者と幼児との活動の機会を設けることを通じて、「保護者の幼児期の教育に関する理解が深まるよう配慮する」としています。担任の評価を目的とする記述はありません。教育課程は各幼稚園が編成するもので、保護者に任せるものではありません。家庭学習に成績をつけるという考え方も要領にはありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第6 2

問5|小学校などとの交流

幼稚園教育要領の総則(第6の3)が、幼稚園教育と小学校教育の円滑な接続のために積極的に設けるとしているものはどれか。

  1. 小学校の教科書を使った読み書きの先取り学習の時間
  2. 幼稚園の幼児と小学校の児童との交流の機会
  3. 小学校入学前に行う学力検査と、その結果の共有
  4. 5歳児が毎日小学校の授業に参加する体験期間
正解と解説
正解:B. 幼稚園の幼児と小学校の児童との交流の機会

第6の3は、特に幼稚園教育と小学校教育の円滑な接続のため、幼稚園の幼児と小学校の児童との交流の機会を積極的に設けるとしています。教科書を使った先取り学習は、幼児期にふさわしい生活を通して基礎を培うという要領の考え方と合いません。入学前の学力検査や、毎日授業に参加させることも要領には書かれていません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第6 3

問6|虐待が疑われるとき

幼稚園の教師が、ある幼児の様子から虐待を受けているのではないかと思った。児童虐待の防止等に関する法律に照らして、適切な対応はどれか。

  1. 虐待を受けたと思われる段階で、速やかに市町村や児童相談所などに通告する
  2. 虐待の確かな証拠が集まるまで、通告せずに様子を見続ける
  3. まず保護者に事情を聞き、保護者の同意が得られた場合にだけ通告する
  4. 園内の問題として園長と担任だけで対応し、外部には知らせない
正解と解説
正解:A. 虐待を受けたと思われる段階で、速やかに市町村や児童相談所などに通告する

法律第6条は、児童虐待を「受けたと思われる」児童を発見した者は、速やかに市町村、都道府県の設置する福祉事務所もしくは児童相談所に通告しなければならないとしています。確証を待つ必要はないので、証拠が集まるまで様子を見る対応は誤りです。通告に保護者の同意は必要ありません。第5条は学校の教職員に早期発見に努めるよう求めており、園内だけで抱え込むことも適切ではありません。

根拠:e-Gov法令検索「児童虐待の防止等に関する法律」第5条・第6条

問7|保育所保育指針の子育て支援

保育所保育指針の第4章「子育て支援」が、保護者に対する子育て支援の基本として示している姿勢はどれか。

  1. 保育士の判断を優先し、保護者には子育ての正しい方法を指示する
  2. 保護者の相談内容は、職員全員と他の保護者にも共有して支え合う
  3. 家庭の事情には立ち入らず、保育所での子どもの様子だけを伝える
  4. 保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重する
正解と解説
正解:D. 保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重する

保育所保育指針第4章は、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重することを基本としています。保育士の判断を優先して指示するのは、自己決定の尊重と反対です。指針は、子どもの利益に反しない限りプライバシーを保護し秘密を保持するとしているので、他の保護者に共有するのは誤りです。外国籍家庭など特別な配慮が必要な家庭への個別の支援も書かれており、家庭の事情に一切関わらないわけではありません。

根拠:厚生労働省「保育所保育指針」第4章 1・2

問8|教育週数

幼稚園教育要領が定める、幼稚園の毎学年の教育課程に係る教育週数として正しいものはどれか。

  1. 特別の事情のある場合を除き、35週を下ってはならない
  2. 40週を標準とし、園の判断で増減できる
  3. 特別の事情のある場合を除き、39週を下ってはならない
  4. 週数の定めはなく、各園が自由に決める
正解と解説
正解:C. 特別の事情のある場合を除き、39週を下ってはならない

要領第1章第3の3(2)は、毎学年の教育課程に係る教育週数は、特別の事情のある場合を除き、39週を下ってはならないとしています。35週とする選択肢は数字が違います。40週を標準とする定めはなく、要領は下限として示しています。週数の定めがないという選択肢も誤りです。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第3 3(2)

問9|1日の教育時間

幼稚園教育要領は、幼稚園の1日の教育課程に係る教育時間をどのように定めているか。

  1. 4時間を標準とし、幼児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮する
  2. 4時間を上限とし、それを超えて幼児を園にとどめてはならない
  3. 8時間を原則とし、保護者の就労時間に合わせて延長する
  4. 6時間を標準とし、年齢が上がるほど長くする
正解と解説
正解:A. 4時間を標準とし、幼児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮する

要領第1章第3の3(3)は、1日の教育課程に係る教育時間は4時間を標準とし、ただし幼児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮するとしています。4時間は標準であって上限ではなく、教育時間の終了後に預かり保育を行うこともできるので、上限とする選択肢は誤りです。8時間や6時間とする定めはありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第3 3(3)

問10|預かり保育の対象

幼稚園教育要領第3章が示す「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動」(いわゆる預かり保育)の対象として、正しいものはどれか。

  1. 在園する全ての幼児を対象とし、参加を義務とする
  2. 保護者がフルタイムで働いている幼児だけを対象とする
  3. 入園前の満3歳未満の子どもだけを対象とする
  4. 地域の実態や保護者の要請により、希望する者を対象とする
正解と解説
正解:D. 地域の実態や保護者の要請により、希望する者を対象とする

第3章の1は、この活動を「地域の実態や保護者の要請により、教育課程に係る教育時間の終了後等に希望する者を対象に行う教育活動」としています。全員参加を義務とするものではありません。要領は対象を就労の形で限っておらず、フルタイム就労に限る選択肢は誤りです。在園児の教育時間の後の活動なので、入園前の子どもだけを対象とするものでもありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第3章 1

問11|教育課程との関連

預かり保育の担当者が、午前中に学級で戸外での鬼ごっこを長時間行ったことを知らずに、午後も同じような激しい運動を計画していた。幼稚園教育要領第3章の留意事項から見て、最も適切な改善はどれか。

  1. 預かり保育は教育活動ではないので、担当者の判断だけで計画してよい
  2. 教育課程に基づく活動を担当する教師と連携し、午前の活動を踏まえて無理のない活動にする
  3. 午前と午後で同じ活動を繰り返すほうが、定着につながるのでそのまま行う
  4. 保護者の要望が多い活動を優先し、幼児の疲れ具合は考えない
正解と解説
正解:B. 教育課程に基づく活動を担当する教師と連携し、午前の活動を踏まえて無理のない活動にする

第3章の1(1)は、教育課程に基づく活動を考慮し、幼児期にふさわしい無理のないものとなるようにし、その際、教育課程に基づく活動を担当する教師と緊密な連携を図るとしています。総則の第7は、この活動を幼稚園教育の基本を踏まえて実施するとしており、教育活動でないとする考えは誤りです。同じ激しい運動を繰り返すことは幼児の心身の負担への配慮に欠けます。保護者の要望だけを優先して疲れを考えないことも要領の趣旨に反します。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第7、第3章 1(1)

問12|弾力的な運用と体制

幼稚園教育要領第3章の1が、預かり保育について示している留意事項として正しいものはどれか。

  1. 地域の実態や保護者の事情、幼児の生活のリズムを踏まえ、実施日数や時間などを弾力的に運用する
  2. 実施日数と時間は全国で統一されているので、地域や家庭の事情があっても各園で変えてはならない
  3. 地域の人々と連携すると責任があいまいになるので、預かり保育は園の職員だけで行う
  4. 責任体制や指導体制は、実施してみて事故が起きたときに改めて整えればよい
正解と解説
正解:A. 地域の実態や保護者の事情、幼児の生活のリズムを踏まえ、実施日数や時間などを弾力的に運用する

第3章の1(4)は、地域の実態や保護者の事情とともに幼児の生活のリズムを踏まえつつ、実施日数や時間などについて弾力的な運用に配慮するとしています。全国で統一された日数・時間は定められていません。(2)は地域の人々と連携するなど地域の様々な資源を活用して多様な体験ができるようにするとしているので、職員だけで行うとする選択肢は誤りです。(5)は適切な責任体制と指導体制を整備した上で行うとしており、事故後に整えるのでは遅すぎます。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第3章 1(2)(4)(5)

問13|全体的な計画

幼稚園教育要領の総則は、各幼稚園が「全体的な計画」を作成するとしている。その説明として正しいものはどれか。

  1. 預かり保育の計画を中心に据え、教育課程はその計画の一部として作成する
  2. 学校保健計画と学校安全計画は、教育課程とは切り離して別々に作成し扱う
  3. 教育課程を中心に、預かり保育の計画、学校保健計画、学校安全計画などを関連させて作成する
  4. 全体的な計画は保育所だけが作るもので、幼稚園には作成が求められていない
正解と解説
正解:C. 教育課程を中心に、預かり保育の計画、学校保健計画、学校安全計画などを関連させて作成する

要領第1章第3の6は、各幼稚園が、教育課程を中心に、第3章に示す教育時間の終了後等に行う教育活動の計画、学校保健計画、学校安全計画などとを関連させ、一体的に教育活動が展開されるよう全体的な計画を作成するとしています。中心は教育課程であり、預かり保育の計画ではありません。保健・安全の計画を切り離すのではなく関連させます。幼稚園にも全体的な計画の作成が求められています。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第1章 第3 6

問14|「健康」の内容と安全

幼稚園教育要領の領域「健康」の内容として、正しいものはどれか。

  1. 危険な場所や遊具には近づかないよう、教師の指示があるまで室内で過ごす
  2. 交通規則をすべて覚え、一人で安全に登園できるようにする
  3. けがをしたときに、自分で応急手当ができるようにする
  4. 危険な場所、危険な遊び方、災害時などの行動の仕方が分かり、安全に気を付けて行動する
正解と解説
正解:D. 危険な場所、危険な遊び方、災害時などの行動の仕方が分かり、安全に気を付けて行動する

領域「健康」の内容(10)は「危険な場所、危険な遊び方、災害時などの行動の仕方が分かり、安全に気を付けて行動する」です。危険を避けるために室内で過ごさせるという考え方は、遊びを通して安全についての構えを身に付けるという要領の趣旨と合いません。要領は交通安全の習慣を身に付けることを求めていますが、規則をすべて覚えて一人で登園することは内容にありません。幼児が自分で応急手当をすることも内容にはありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第2章「健康」2(10)

問15|安全に関する指導

幼稚園教育要領の領域「健康」の内容の取扱い(6)が示す安全に関する指導の考え方として、正しいものはどれか。

  1. 危険を経験させないことを最優先し、少しでも危険のある遊びは全面的に禁止して室内で過ごさせる
  2. 安全のきまりを紙に書いて保育室に掲示し、幼児が文字で読んで一つずつ覚えることを中心にする
  3. 情緒の安定を図り、遊びを通して安全についての構えを身に付け、避難訓練などで緊急時の行動を身に付ける
  4. 避難訓練は幼児を不安にさせるので行わず、緊急時の手順は教師だけで確認し幼児には知らせない
正解と解説
正解:C. 情緒の安定を図り、遊びを通して安全についての構えを身に付け、避難訓練などで緊急時の行動を身に付ける

内容の取扱い(6)は、情緒の安定を図り、遊びを通して安全についての構えを身に付け、危険な場所や事物などが分かり、安全についての理解を深めるようにすること、交通安全の習慣を身に付けるとともに、避難訓練などを通して災害などの緊急時に適切な行動がとれるようにすることを求めています。危険のある遊びを全面的に禁止する考え方は、遊びを通して構えを育てる趣旨と合いません。文字で覚えさせることを中心にするのも幼児期の指導として適切ではありません。避難訓練を行わないという選択肢は、要領の記述と正反対です。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年告示) 第2章「健康」3(6)

問16|学校保健計画の根拠

幼稚園が、幼児と職員の健康診断や環境衛生検査などについて「学校保健計画」を策定し、実施しなければならないと定めている法律はどれか。

  1. 学校教育法
  2. 学校保健安全法
  3. 児童福祉法
  4. 子ども・子育て支援法
正解と解説
正解:B. 学校保健安全法

学校保健安全法第5条は、学校は児童生徒等及び職員の心身の健康の保持増進を図るため、健康診断、環境衛生検査、児童生徒等に対する指導その他保健に関する事項について計画を策定し、これを実施しなければならないと定めています。幼稚園は学校教育法第1条の学校なので、この法律が適用されます(同法第2条)。学校教育法は学校の種類や目的を定める法律で、学校保健計画を定める条文ではありません。児童福祉法は保育所などの根拠法、子ども・子育て支援法は給付などの制度を定める法律です。

根拠:e-Gov法令検索「学校保健安全法」第2条・第5条

問17|学校安全計画

学校保健安全法第27条が、学校安全計画に盛り込む事項として挙げているものはどれか。

  1. 施設及び設備の安全点検、通学を含めた安全に関する指導、職員の研修
  2. 健康診断、環境衛生検査、児童生徒等に対する保健に関する指導
  3. 教育週数、1日の教育時間、教育課程の編成についての基本的な方針
  4. 入園者の選考方法、保育料の額、預かり保育の利用料と利用時間
正解と解説
正解:A. 施設及び設備の安全点検、通学を含めた安全に関する指導、職員の研修

第27条は、学校は児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の施設及び設備の安全点検、児童生徒等に対する通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修その他学校における安全に関する事項について計画を策定し、実施しなければならないとしています。健康診断や環境衛生検査は第5条の学校保健計画の内容です。教育週数や教育時間は幼稚園教育要領が定める教育課程の事項です。選考方法や料金は学校安全計画の事項ではありません。

根拠:e-Gov法令検索「学校保健安全法」第5条・第27条

問18|危険等発生時対処要領

学校保健安全法第29条の「危険等発生時対処要領」(いわゆる危機管理マニュアル)についての説明として、正しいものはどれか。

  1. 国が全国共通の内容で作成し、各学校は手を加えずにそのまま掲示すればよい
  2. 保護者会が作成し、学校は保護者から求められたときにだけ内容を確認する
  3. 事故が起きたあとに、その事故の経過を詳しく記録しておくために作成する
  4. 危険等発生時に職員がとるべき措置の具体的内容と手順を定め、校長が職員に周知し訓練を行う
正解と解説
正解:D. 危険等発生時に職員がとるべき措置の具体的内容と手順を定め、校長が職員に周知し訓練を行う

第29条は、学校は、危険等発生時において職員がとるべき措置の具体的内容及び手順を定めた対処要領を作成するものとし、校長は、これを職員に周知し、訓練の実施その他の必要な措置を講ずるとしています。各学校が実情に応じて作成するもので、国が作った共通の内容をそのまま使うものではありません。作成するのは学校で、保護者会ではありません。事故が起きる前に手順を決めておくためのもので、事故後の経過記録のためのものではありません。

根拠:e-Gov法令検索「学校保健安全法」第29条

問19|出席停止

学校保健安全法第19条で、感染症にかかっている疑いがある幼児の出席を停止させることができるのは誰か。

  1. 学校医
  2. 校長(幼稚園では園長)
  3. 学校の設置者
  4. 幼児の担任の教師
正解と解説
正解:B. 校長(幼稚園では園長)

第19条は、校長は、感染症にかかっており、かかっている疑いがあり、またはかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができるとしています。幼稚園では園長がこの立場にあたります。学校医は医学的な助言をしますが、出席停止を行う者として定められているのは校長です。学校の設置者や担任の教師が行うとする規定ではありません。

根拠:e-Gov法令検索「学校保健安全法」第19条

問20|重大事故が起きやすい場面

「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」が、重大事故が発生しやすい場面として特に注意事項を示しているものの組み合わせとして、正しいものはどれか。

  1. 登降園の送迎、運動会などの行事、遠足、作品の展示や片付け
  2. 朝の受け入れ、帰りの会、保護者との個人面談、保育参観の日
  3. 睡眠中、プール活動・水遊び、食事中などの誤嚥、食物アレルギー
  4. 絵本の読み聞かせ、歌やリズム遊び、製作活動、お絵かき
正解と解説
正解:C. 睡眠中、プール活動・水遊び、食事中などの誤嚥、食物アレルギー

ガイドライン【事故防止のための取組み】は、睡眠中、プール活動・水遊び、誤嚥(食事中)、誤嚥(玩具、小物等)、食物アレルギーの場面を重大事故が発生しやすいとして、注意事項を示しています。送迎や行事、受け入れや面談、読み聞かせなどの活動にも安全への配慮は必要ですが、ガイドラインが特に挙げている場面ではありません。

根拠:同ガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~(平成28年3月) 1(1)①

問21|プール活動の監視

ガイドラインが示すプール活動・水遊びの際の体制として、適切なものはどれか。

  1. 専ら監視を行う者を指導する者とは別に置き、体制が不十分なら中止も選択肢とする
  2. 指導を行う教師が、泳ぎ方を教えながら同時にプール全体の監視も行う
  3. 幼児同士でペアを組ませて互いに見守らせ、教師はプールサイドを離れてよい
  4. 職員が足りない日は、監視者を置かずに活動時間を短くして実施する
正解と解説
正解:A. 専ら監視を行う者を指導する者とは別に置き、体制が不十分なら中止も選択肢とする

ガイドラインは、監視体制の空白が生じないように、専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置し、役割分担を明確にするとしています。また、十分な監視体制の確保ができない場合については、プール活動の中止も選択肢とするとしています。指導しながら同時に監視するのは、監視者が監視に専念するという考え方に反します。幼児同士の見守りで教師が離れることや、監視者なしで時間を短くして行うことも、監視の空白を生みます。

根拠:同ガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~(平成28年3月) 1(1)①イ

問22|食物アレルギーへの対応

ガイドラインが示す、幼稚園での食物アレルギーへの対応として正しいものはどれか。

  1. 保護者の口頭の申し出だけで、少量なら食べさせて慣れさせる
  2. 家庭で食べたことのない食物も、園で積極的に試して確かめる
  3. アレルギー児の食事の確認は、担当者一人が心の中で確かめれば十分である
  4. 学校生活管理指導表を提出してもらい、医師の診断に基づいて完全除去を基本に対応する
正解と解説
正解:D. 学校生活管理指導表を提出してもらい、医師の診断に基づいて完全除去を基本に対応する

ガイドラインは、配慮が必要な場合は保護者から申し出てもらい、幼稚園等の学校では学校生活管理指導表を配付・提出してもらい、医師の診断に基づいた同表を基に、完全除去を基本として対応するとしています。少量なら食べさせるという対応は完全除去の原則に反します。家庭で摂ったことのない食物は基本的に与えないことが望ましいとされています。確認時は声に出して指差し確認するなど確実な確認を実践し、2重・3重のチェック体制をとることが例示されています。

根拠:同ガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~(平成28年3月) 1(1)①オ

問23|事故直後と現場

園庭で重大事故が起きた直後とその後の対応について、ガイドラインの考え方に合うものはどれか。

  1. 他の幼児が怖がらないよう、まず現場をきれいに片付けてから保護者に連絡する
  2. 応急処置と必要な通報を行い、受診に迷えば受診させ、現場は原則片付けずに保存する
  3. 受診するかどうか迷う程度のけがであれば、受診させずに園で様子を見る
  4. 事故に対応している職員が、そのまま他の幼児の保育も一人で兼ねて行う
正解と解説
正解:B. 応急処置と必要な通報を行い、受診に迷えば受診させ、現場は原則片付けずに保存する

ガイドラインは、重大事故の直後に、心肺蘇生・応急処置と必要と判断した場合の119番通報、状況の把握、保護者への連絡を迅速に行うとし、受診の判断に迷う場合には受診するとしています。事故現場は、二次的な事故の可能性がある場合を除き、片付けや物の移動を行わず現状のまま保存します。先に片付けるのは現状保存に反します。迷ったら受診するので、様子見とする選択肢は誤りです。事故に対応する職員と教育・保育を行う職員は可能な限り分けて配置します。

根拠:教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故発生時の対応】(平成28年3月)(1)(2)

問24|事故状況の記録

ガイドラインが示す、事故現場にいた職員が事故の状況を記録するときの留意点として、正しいものはどれか。

  1. 職員全員で話し合って内容をそろえ、代表者が一つの記録にまとめて提出する
  2. 記憶を整理するため、数日たって気持ちが落ち着いてから記録する
  3. その日のうちに、修正できない筆記用具で、一人ひとりが他の職員と相談せずに個別に記録する
  4. あとで書き直しやすいよう、鉛筆で下書きをしてからボールペンで清書する
正解と解説
正解:C. その日のうちに、修正できない筆記用具で、一人ひとりが他の職員と相談せずに個別に記録する

ガイドラインは、職員はその日のうちにできる限り早く事実を記録し、ボールペンなどの修正できない筆記用具で紙に手書きし、一人ひとりが個別に記録し、記録の前や最中に他の職員と相談しないこととしています。話し合って内容をそろえることは、一人ひとりの記憶を残すという趣旨に反します。数日後に記録するのは、その日のうちにできる限り早くという留意点に反します。鉛筆で書き直しやすくするのは、修正できない筆記用具を使うという留意点に反します。

根拠:教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故発生時の対応】(平成28年3月)(3)

問25|事故報告の対象

ガイドライン(平成28年3月時点)が示す、国への事故報告の対象となる重大事故の範囲として、正しいものはどれか。

  1. 死亡事故と、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等
  2. 死亡事故だけが対象で、負傷や疾病を伴う事故は報告の対象にならない
  3. 医療機関を受診した全ての事故が対象で、治療に要する期間は問わない
  4. 治療に要する期間が7日以上の負傷を伴う全ての事故が対象となる
正解と解説
正解:A. 死亡事故と、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等

ガイドライン【事故発生時の対応】は、報告の対象となる重大事故の範囲を、死亡事故と、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等とし、意識不明の事故を含むとしています。負傷の事故も対象になるので、死亡事故だけとする選択肢は誤りです。受診した全ての事故や、7日以上とする選択肢も、ガイドラインの範囲と違います。報告の仕組みは通知の改正で変わることがあるので、最新の通知で確かめる必要があります。

根拠:教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故発生時の対応】(平成28年3月)(6)

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。認定試験・採用選考の受験資格や実施方法は、必ず文部科学省・受験する自治体の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。幼稚園教育要領は平成29年告示のもの(2026年10月時点)です。