仮の宿 学習室

幼稚園教員 KINDERGARTEN TEACHER

指導計画・環境の構成・評価

講義 4 本・確認問題 30 問 | 指導と運営・論述 | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 教育課程と指導計画:長期と短期
  2. 環境の構成
  3. 教師の役割と援助
  4. 幼児理解に基づいた評価と指導要録
  5. 確認問題(30問)
  6. 演習ツール

1. 教育課程と指導計画:長期と短期

教育課程・全体的な計画・指導計画の関係と、長期・短期の指導計画の違いを、要領の言葉で整理します。

幼稚園の毎日の遊びや生活は、その場の思いつきで進んでいるように見えるかもしれません。しかし実際には、いくつもの「計画」が重なって支えています。この講義では、教育課程・全体的な計画・指導計画の関係と、指導計画の長期・短期の区別を、幼稚園教育要領(以下「要領」)の言葉で整理します。教育課程の編成の基本(教育週数39週以上、1日4時間を標準など)は総則の章で学ぶので、ここでは「教育課程をどう具体的な指導につなげるか」に絞ります。

3つの計画の関係

教育課程は、入園から修了までの教育期間全体を見通して、各幼稚園が「どんなねらいと内容で教育するか」を組み立てた園の計画です。要領は、各園が創意工夫を生かし、幼児の心身の発達と幼稚園・地域の実態に応じて編成するとしています。

全体的な計画は、要領総則第3の6で求められているもので、「教育課程を中心に」、教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動(いわゆる預かり保育など)の計画、学校保健計画、学校安全計画などを関連させ、一体的に教育活動が展開されるように作るものです。

指導計画は、教育課程に基づいて、実際の指導の場面に合わせて具体的に作る計画です。要領総則第4の1は、幼稚園教育が「幼児が自ら意欲をもって環境と関わることによりつくり出される具体的な活動を通して」目標の達成を図るものだと述べ、そのために「調和のとれた組織的,発展的な指導計画を作成し,幼児の活動に沿った柔軟な指導を行わなければならない」としています。つまり指導計画は、守ること自体が目的の時間割ではなく、幼児の姿に合わせて修正していく見通しです。

要領が示す長期の指導計画と短期の指導計画(総則第4の3(1))
種類期間の例要領が示す特徴
長期の指導計画年、学期、月など長期的に発達を見通して作る
短期の指導計画週、日など長期の計画との関連を保ちながら、より具体的な幼児の生活に即して作る。幼児の生活のリズムに配慮し、意識や興味の連続性のある活動が幼稚園生活の自然な流れの中に組み込まれるようにする

注意したいのは、要領では「月」も長期の指導計画に含まれていることです。月の計画(月案)は「1か月だから短い」と思いがちですが、要領の区分では年・学期と同じ側です。

具体的なねらい・内容と、行事の扱い

指導計画では、具体的なねらい及び内容を明確に設定し、適切な環境を構成して、幼児の活動が選択・展開されるようにします(総則第4の2(2))。具体的なねらい及び内容は、「幼稚園生活における幼児の発達の過程を見通し,幼児の生活の連続性,季節の変化などを考慮して,幼児の興味や関心,発達の実情などに応じて設定する」とされています。

運動会や発表会などの行事について、要領は、幼稚園生活の自然の流れの中で生活に変化や潤いを与え、幼児が主体的に楽しく活動できるようにすること、それぞれの行事の教育的価値を十分検討し,適切なものを精選し,幼児の負担にならないようにすることを求めています(総則第4の3(5))。見栄えのための長い練習は、この考え方と合いません。

保育所保育指針との比較

保育所保育指針(以下「指針」)も、保育所が「全体的な計画」を作り、それに基づいて長期的な指導計画と短期的な指導計画を作ることを求めています。ただし保育所は0歳から子どもが在籍し、在園時間も長いため、指針には幼稚園の要領にない留意事項があります。3歳未満児については一人一人の生育歴や発達、活動の実態に即して個別的な計画を作ること、午睡や長時間の保育への配慮を指導計画に位置付けることなどです。(保育士ラボもあわせて見てください。)

計画の名前の比べ方
幼稚園(要領)保育所(指針)
中心になる計画教育課程(全体的な計画の中心)全体的な計画
指導計画長期(年・学期・月など)と短期(週・日など)長期的な指導計画と短期的な指導計画
個別の計画障害のある幼児などについて個別の指導計画・個別の教育支援計画の作成・活用に努める3歳未満児の個別的な計画。障害のある子どもは家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど

例題

例題:次の4つの計画を、要領の区分で「長期の指導計画」と「短期の指導計画」に分けなさい。年間指導計画、月の指導計画、週の指導計画、日の指導計画。
答えと考え方 長期は年間指導計画と月の指導計画、短期は週と日の指導計画です。要領は「年,学期,月などにわたる長期の指導計画」と「週,日などの短期の指導計画」と書き分けています。月の計画を短期と答えるのはよくある誤りです。

用語

教育課程
入園から修了までを見通して、各幼稚園が編成する教育の中心となる計画
全体的な計画
教育課程を中心に、預かり保育などの計画、学校保健計画、学校安全計画などを関連させた計画
指導計画
教育課程に基づき、具体的なねらい・内容・環境の構成・援助などを示す計画。幼児の活動に沿って柔軟に修正する
長期の指導計画
年、学期、月などにわたる計画。長期的に発達を見通す
短期の指導計画
週、日などの計画。生活のリズムや興味の連続性に配慮し、より具体的に作る

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第3・第4、保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号) 第1章3(2026年10月16日確認)

2. 環境の構成

「環境を通して行う教育」の意味と、要領が求める環境の構成・再構成の考え方、学級編制の基準を確かめます。

要領総則第1は、幼稚園教育は「環境を通して行うものであることを基本とする」と定めています。ここでいう環境は、部屋の飾り付けだけではありません。遊具・用具・素材などの「もの」、保育室や園庭などの「場」、教師や友達などの「人」、自然や地域の出来事まで含みます。幼児は、こうした環境に自分から関わる中で学んでいきます。だから教師の仕事の大きな部分は、幼児が関わりたくなる環境をつくることです。

要領が教師に求める環境の構成

総則第1は、教師は「幼児の主体的な活動が確保されるよう幼児一人一人の行動の理解と予想に基づき,計画的に環境を構成しなければならない」とし、さらに「幼児と人やものとの関わりが重要であることを踏まえ,教材を工夫し,物的・空間的環境を構成しなければならない」と述べています。放任でも、教師がすべてを決めることでもなく、「幼児がこう関わりそうだ」という予想に基づいて意図的に準備するのがポイントです。

指導計画の作成について、総則第4の2(2)イは、環境は「具体的なねらいを達成するために適切なものとなるように構成し,幼児が自らその環境に関わることにより様々な活動を展開しつつ必要な体験を得られるようにすること」、その際「幼児の生活する姿や発想を大切にし,常にその環境が適切なものとなるようにすること」としています。一度整えたら終わりではなく、遊びの様子を見てつくり直していきます(現場では「環境の再構成」と呼ぶことがあります)。

要領の中の、環境の構成に関わる主な記述
箇所内容(要旨)
総則第3の4(3)教職員の協力体制の下、幼児の主体的な活動を大切にしつつ、園庭や園舎などの環境の配慮や指導の工夫で安全を確保する
総則第4の3(3)言語に関する能力の発達と思考力等の発達の関連を踏まえ、幼稚園生活全体を通して言語環境を整え、言語活動の充実を図る
総則第4の3(6)幼児期は直接的な体験が重要。視聴覚教材やコンピュータなど情報機器は、幼稚園生活では得難い体験を補完するなど、幼児の体験との関連を考慮して使う
総則第6の2地域の自然、高齢者や異年齢の子供などを含む人材、行事や公共施設などの地域の資源を積極的に活用する
健康 内容の取扱い(3)幼児の興味や関心が戸外にも向くよう、幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置などを工夫する
表現 内容の取扱い(3)遊具や用具などを整え、様々な素材や表現の仕方に親しんだり、他の幼児の表現に触れられるよう配慮したりする

例えば「数量や文字」について、要領(領域「環境」)は、日常生活の中で幼児自身の必要感に基づく体験を大切にするとしています。文字の練習帳を配るより、お店ごっこの値札や、当番表の名前など、遊びや生活の中で「数や字を使いたくなる」場面を用意することが環境の工夫です。

学級という環境:幼稚園設置基準

学級の大きさも環境の一つです。幼稚園設置基準は、学級は原則として学年の初めの日の前日に同じ年齢にある幼児で編制し、各学級に少なくとも専任の教諭等を1人置くとしています。一学級の幼児数は、第3条で長く「三十五人以下を原則とする」とされてきました。この人数を引き下げる改正(2026年4月施行、経過措置つき)があるという情報もありますが、この章の確認(2026年10月16日)では、改正後の条文と附則を一次情報で確かめられませんでした。人数と経過措置は、試験の前にe-Gov法令検索の幼稚園設置基準で最新の第3条と附則を確かめてください。

入園当初の環境

要領は、入園当初、特に3歳児の入園については家庭との連携を緊密にし、生活のリズムや安全面に十分配慮すること、満3歳児は学年の途中から入園することを考慮し、安心して過ごせるよう配慮することを求めています(総則第3の4(2))。この時期は、家庭で親しんでいる遊具を置く、居場所になるコーナーを作るなど、安心できる環境が先です。

例題

例題:5歳児が段ボールでお店ごっこを始めた。翌日、「お金を入れるところがほしい」「お客さんが並ぶ場所を作りたい」という声が出た。指導計画では製作コーナーは今週で片付ける予定だった。教師はどうするのがよいか。
答えと考え方 計画どおり片付けるのではなく、幼児の発想を大切にして、空き箱や紙など必要な素材を加え、お店を広げられる場所を確保するなど環境をつくり直します。要領は、幼児の生活する姿や発想を大切にし、常に環境が適切なものとなるようにすることを求めています。指導計画は幼児の活動に沿って柔軟に修正するものです。

用語

環境を通して行う教育
幼児が身近な環境に主体的に関わる中で育つことを基本とする、幼稚園教育の方法
物的・空間的環境
遊具・用具・素材などのものと、保育室や園庭などの場の構成
環境の再構成
幼児の遊びの様子や発想に合わせて、環境をつくり直すこと
言語環境
言葉に親しみ、使いたくなるような、幼稚園生活全体の言葉の環境
動線
幼児が園内で動く道すじ。遊具の配置などで配慮する

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第1・第3の4・第4・第6の2、第2章「健康」「環境」「表現」、幼稚園設置基準 第3条〜第5条(2026年改正の条文・附則は2026年10月16日時点で未確認。要確認)

3. 教師の役割と援助

理解者・共同作業者などの役割、援助のしかた、協力体制、特別な配慮を必要とする幼児への指導を整理します。

環境を整えれば、あとは幼児に任せておけばよい、というわけではありません。要領総則第1は、教師は「幼児との信頼関係を十分に築き」、幼児と共によりよい教育環境を創造するよう努めるとし、「幼児一人一人の活動の場面に応じて,様々な役割を果たし,その活動を豊かにしなければならない」と述べています。この講義では、指導計画の留意事項(総則第4の3)を中心に、教師の役割を整理します。

理解者・共同作業者など、様々な役割

総則第4の3(7)は、「幼児の主体的な活動を促すためには,教師が多様な関わりをもつことが重要であることを踏まえ,教師は,理解者,共同作業者など様々な役割を果たし,幼児の発達に必要な豊かな体験が得られるよう,活動の場面に応じて,適切な指導を行うようにすること」としています。

理解者とは、幼児が何を感じ、何をしようとしているのかを受け止め、分かろうとする役割です。共同作業者とは、幼児と一緒に遊びに加わり、同じ目線で作ったり試したりする役割です。要領は「など」と書いており、教師の役割はこの2つに限られません。大切なのは、同じ教師が場面によって関わり方を変えることです。

援助のしかた

総則第4の2(2)ウは、「幼児の行う具体的な活動は,生活の流れの中で様々に変化するものであることに留意し,幼児が望ましい方向に向かって自ら活動を展開していくことができるよう必要な援助をすること」としています。援助とは、答えを教えたり代わりにやったりすることではなく、幼児が自分で進められるように支えることです。

総則第4の3にある、教師の関わりに関する主な留意事項
項目内容(要旨)
(2)多様な体験を通して心身の調和のとれた発達を促す。主体的・対話的で深い学びが実現するようにし、心を動かされる体験が次の活動を生み出すことを考慮して、一つ一つの体験が相互に結び付くようにする
(4)幼児が次の活動への期待や意欲をもてるよう、教師や他の幼児と共に、遊びや生活の中で見通しをもったり、振り返ったりするよう工夫する
(7)教師は理解者、共同作業者など様々な役割を果たす
(8)活動は個人、グループ、学級全体などで多様に展開される。幼稚園全体の教師による協力体制を作り、一人一人が興味や欲求を十分に満足させるよう援助する

領域のねらい・内容の取扱いにも教師の関わり方が書かれています。例えば領域「人間関係」は、幼児の行動を見守りながら適切な援助を行うこと、幼児が互いに思いを主張し、折り合いを付ける体験をし、きまりの必要性などに気付き、自分の気持ちを調整する力が育つようにすることを示しています。領域「表現」は、幼児の素朴な自己表現を教師が受容することを求めています。

特別な配慮を必要とする幼児

総則第5は、障害のある幼児などへの指導について、集団の中で生活することを通して全体的な発達を促していくことに配慮し、特別支援学校などの助言又は援助を活用しつつ、指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うとしています。そして次の2つの計画の作成・活用に努めるとしています。

2つの個別の計画(総則第5の1)
計画目的(要領の表現から)
個別の教育支援計画家庭、地域及び医療や福祉、保健等の業務を行う関係機関との連携を図り、長期的な視点で幼児への教育的支援を行うため
個別の指導計画個々の幼児の実態を的確に把握し、指導に生かすため

また、海外から帰国した幼児や、生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児については、安心して自己を発揮できるよう配慮するなど、個々の幼児の実態に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うとしています。日本語が十分でないことを理由に活動から外すのではなく、身振りや絵、その子の母語での声かけなどで安心できる場をつくることが出発点です。特別支援教育の一般的な制度は教職・一般教養ラボで扱います。

最後に、教師は一人で保育するのではありません。総則第6の1は、園長の方針の下に、園務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら教育課程や指導の改善を図るとしています。

例題

例題:4歳児のAさんとBさんが、砂場で1本のスコップを取り合って泣いている。危険はない。要領の考え方に合う教師の関わりはどれか、考えなさい。
答えと考え方 すぐに取り上げて一方に渡したり、引き離したりするのではなく、それぞれの思いを受け止め、相手の気持ちにも気付けるよう言葉を添えながら、順番にする・別の道具を探すなど自分たちで折り合いを付ける体験を支えます。領域「人間関係」は、互いに思いを主張し、折り合いを付ける体験を通して、自分の気持ちを調整する力が育つようにすることを求めています。

用語

援助
幼児が自分で活動を展開していけるように、教師が必要に応じて支えること
理解者
幼児の思いや考えを受け止め、分かろうとする教師の役割
共同作業者
幼児と一緒に遊びや活動に加わる教師の役割
個別の教育支援計画
家庭や関係機関と連携し、長期的な視点で教育的支援を行うための計画
個別の指導計画
個々の幼児の実態を把握し、指導内容や方法を具体的にする計画
園務分掌
園の仕事を教職員で分担するしくみ

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第1・第4の2・第4の3・第5・第6の1、第2章「人間関係」「表現」(2026年10月16日確認)

4. 幼児理解に基づいた評価と指導要録

比較や評定によらない評価の考え方、評価と指導計画の改善のつながり、指導要録の作成・送付・保存を学びます。

幼稚園の評価は、テストの点数や「できる・できない」の判定ではありません。要領総則第4の4は「幼児理解に基づいた評価」を掲げ、評価を、幼児をより深く理解し、指導をよくするための営みとして位置付けています。

評価の2つのポイント

総則第4の4(1)は、「指導の過程を振り返りながら幼児の理解を進め,幼児一人一人のよさや可能性などを把握し,指導の改善に生かすようにすること」とし、続けて「その際,他の幼児との比較や一定の基準に対する達成度についての評定によって捉えるものではないことに留意すること」と述べています。順位を付けたり、段階で評定したりする評価ではない、ということです。

総則第4の4(2)は、「評価の妥当性や信頼性が高められるよう創意工夫を行い,組織的かつ計画的な取組を推進するとともに,次年度又は小学校等にその内容が適切に引き継がれるようにすること」としています。担任一人の印象に頼らず、記録を残し、園内の話し合いなどで複数の目で確かめることが、妥当性・信頼性を高める工夫になります。

評価は指導計画とつながっている

総則第4の2(2)は、幼児の実態や幼児を取り巻く状況の変化などに即して指導の過程についての評価を適切に行い、常に指導計画の改善を図るとしています。評価の対象は幼児だけでなく、教師の環境の構成や援助も含みます。「なぜこの遊びは続かなかったのか」と自分の指導を振り返ることも評価です。

指導計画実践評価(幼児理解を深める)改善
指導の過程の評価と指導計画の改善の循環(要領総則第4の2(2)・第4の4をもとに作成)

園全体の段階では、教育課程の実施状況を評価して改善を図ることなどを通して教育活動の質の向上を図るカリキュラム・マネジメント(総則第3の1)があり、学校評価はカリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するとされています(総則第6の1)。

幼稚園幼児指導要録と「10の姿」

指導要録は、幼児の学籍と指導の過程・結果の要約を記録する公簿です。学校教育法施行規則第24条により、校長(幼稚園では園長)が作成し、幼児が進学したときは抄本又は写しを進学先の校長に送付しなければなりません。同第28条により、指導要録の保存期間は5年間、ただし入学・卒業等の学籍に関する記録は20年間です(2026年10月時点、e-Gov法令検索で確認)。

最終学年の記録では「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)を活用します。要領は10の姿を「教師が指導を行う際に考慮するもの」と位置付けています。文部科学省の検討会が示した様式の参考例の留意事項では、10の姿は到達すべき目標ではなく、個別に取り出されて指導されるものではないことに留意し、項目別に記入しないよう留意するとされています。

評価についての幼稚園と保育所の比較
幼稚園(要領など)保育所(指針)
評価の考え方幼児理解に基づいた評価。他の幼児との比較や達成度の評定ではない保育士等の自己評価では、活動内容やその結果だけでなく、心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮する
園としての評価学校評価をカリキュラム・マネジメントと関連付けて実施保育所の自己評価を行い、結果を公表するよう努める
小学校への引継ぎ指導要録の抄本又は写しを進学先に送付子どもの育ちを支えるための資料を保育所から小学校へ送付

例題

例題:ある教師が記録に「Cさんは、クラスで一番絵が下手。年長の基準に届いていない」と書いた。要領の評価の考え方から、どう書き直すとよいか。
答えと考え方 他の幼児との比較(「一番下手」)や一定の基準への達成度(「基準に届いていない」)で捉えるのは、要領が示す評価ではありません。例えば「絵をかくより、友達と砂で大きな山を作ることに夢中。山に水を流す道を工夫している。絵の具に触れる機会をこの遊びの中に作ってみる」のように、その子のよさや可能性と、次の指導の改善につながる形で書きます。

用語

幼児理解に基づいた評価
指導を振り返りながら幼児理解を進め、一人一人のよさや可能性を把握して指導の改善に生かす評価
指導要録
学籍と指導の記録を残す公簿。園長が作成し、進学先へ抄本又は写しを送る
学籍に関する記録
入学・卒業等の記録。保存期間は20年間
カリキュラム・マネジメント
教育課程の評価・改善や体制の確保を通して、組織的・計画的に教育活動の質を高めること
学校評価
園の教育活動や運営を評価する取組。カリキュラム・マネジメントと関連付けて行う

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第2の3・第3の1・第4の2・第4の4・第6の1、学校教育法施行規則 第24条・第28条、幼児理解に基づいた評価に関する検討会(2018年1月)資料「幼稚園幼児指導要録の様式の参考例」、保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号) 第1章3(4)・第2章4(2)(2026年10月16日確認)

確認問題(30問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|指導計画の考え方

幼稚園教育要領が示す「指導計画の考え方」として正しいものはどれか。

  1. 指導計画は一度作成したら、幼児の興味が変わっても計画どおりに活動を進めることを優先する
  2. 指導計画は教育課程とは切り離し、各担任がその日の思いつきで自由に作成してよい
  3. 教育課程に基づき、調和のとれた組織的、発展的な指導計画を作成し、幼児の活動に沿った柔軟な指導を行う
  4. 指導計画は年間の計画だけを作成すれば足り、週や日の計画は作成しないことを原則とする
正解と解説
正解:C. 教育課程に基づき、調和のとれた組織的、発展的な指導計画を作成し、幼児の活動に沿った柔軟な指導を行う

要領総則第4の1は、教育課程に基づき「調和のとれた組織的,発展的な指導計画を作成し,幼児の活動に沿った柔軟な指導を行わなければならない」としています。『計画どおりに進めることを優先する』という選択肢は、柔軟な指導という考え方と逆です。『教育課程と切り離して思いつきで作る』という選択肢は、教育課程に基づくという点に反します。『年間の計画だけでよい』という選択肢は、長期と短期の両方を作るとする総則第4の3(1)に反します。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の1・第4の3(1)

問2|長期の指導計画

幼稚園教育要領で「長期の指導計画」とされている期間の例として正しいものはどれか。

  1. 年、学期、月など
  2. 年、学期のみ(月は短期とする)
  3. 週、日など
  4. 学期、月、週など
正解と解説
正解:A. 年、学期、月など

要領総則第4の3(1)は「年,学期,月などにわたる長期の指導計画」と「週,日などの短期の指導計画」を区別しています。月の計画は長期に入るので、『月は短期とする』選択肢は誤りです。『週、日など』は短期の指導計画の例です。『学期、月、週など』は、短期に当たる週を長期に含めている点が誤りです。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の3(1)

問3|短期の指導計画

週・日などの短期の指導計画について、幼稚園教育要領が特に留意するよう求めていることとして正しいものはどれか。

  1. 1日の活動を細かい時間割で区切り、毎日同じ時刻に同じ内容の活動を行うように組み立てる
  2. 長期の指導計画とは関連させず、その週の行事の準備を中心にして活動を組み立てる
  3. 教師があらかじめ決めた一斉活動だけで1日を構成し、幼児が選ぶ活動は入れないようにする
  4. 幼児の生活のリズムに配慮し、意識や興味の連続性のある活動が幼稚園生活の自然な流れの中に組み込まれるようにする
正解と解説
正解:D. 幼児の生活のリズムに配慮し、意識や興味の連続性のある活動が幼稚園生活の自然な流れの中に組み込まれるようにする

要領総則第4の3(1)は、短期の指導計画について「幼児の生活のリズムに配慮し,幼児の意識や興味の連続性のある活動が相互に関連して幼稚園生活の自然な流れの中に組み込まれるようにすること」としています。『細かい時間割で毎日同じ』とする選択肢は、自然な流れや興味の連続性を考えていません。『長期の計画と関連させない』とする選択肢は、短期の計画は長期の計画との関連を保つという規定に反します。『一斉活動だけ』とする選択肢は、幼児の主体的な活動を促すという要領全体の考え方に合いません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の3(1)

問4|具体的なねらい及び内容の設定

指導計画における具体的なねらい及び内容の設定について、幼稚園教育要領の記述として正しいものはどれか。

  1. 小学校の各教科の単元の順序に合わせて、就学までに学ぶ内容を前倒しして設定する
  2. 幼児の発達の過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮して、興味や関心、発達の実情などに応じて設定する
  3. 前年度の同じ学年の指導計画をそのまま使い、毎年同じねらい及び内容を設定する
  4. 保護者から寄せられた要望の多い順に、ねらい及び内容を設定することを基本とする
正解と解説
正解:B. 幼児の発達の過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮して、興味や関心、発達の実情などに応じて設定する

要領総則第4の2(2)アは、具体的なねらい及び内容は「幼児の発達の過程を見通し,幼児の生活の連続性,季節の変化などを考慮して,幼児の興味や関心,発達の実情などに応じて設定すること」としています。『小学校の教科の単元に合わせて前倒し』とする選択肢は、幼児期にふさわしい生活を通した指導という考え方に合いません。『前年度の計画をそのまま使う』選択肢は、目の前の幼児の興味や発達の実情を考えていません。『保護者の要望の多い順』とする選択肢は、要領の示す設定の考え方にありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の2(2)ア

問5|行事の指導

行事の指導について、幼稚園教育要領の記述として正しいものはどれか。

  1. 行事は多いほど幼児の体験が豊かになるので、できるだけ数を増やして年間計画に組み込む
  2. 生活に変化や潤いを与え、主体的に楽しく活動できるようにし、教育的価値を検討して精選し、負担にならないようにする
  3. 保護者に見せる完成度を高めるため、本番までの練習時間を十分に確保することを優先する
  4. 行事は教育課程の外の活動なので、指導計画には位置付けずに別に運営することとする
正解と解説
正解:B. 生活に変化や潤いを与え、主体的に楽しく活動できるようにし、教育的価値を検討して精選し、負担にならないようにする

要領総則第4の3(5)は、行事の指導は「幼稚園生活の自然の流れの中で生活に変化や潤いを与え,幼児が主体的に楽しく活動できるようにすること」、行事は「その教育的価値を十分検討し,適切なものを精選し,幼児の負担にならないようにすること」としています。『数を増やす』選択肢は、精選の考え方と逆です。『完成度のために練習時間を優先』する選択肢は、幼児の負担や主体性への配慮を欠きます。『指導計画に位置付けない』選択肢は誤りで、要領は行事の指導を指導計画作成上の留意事項として扱っています。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の3(5)

問6|全体的な計画

幼稚園教育要領が作成を求める「全体的な計画」の説明として正しいものはどれか。

  1. 指導計画を中心に、園の予算計画や職員の勤務計画などを関連させて、園長が単独で作る
  2. 教育課程とは別に、預かり保育などの教育時間の終了後等に行う教育活動だけについて作る
  3. 接続する小学校の教育課程を中心に、幼稚園の行事計画や保健計画を当てはめて作る
  4. 教育課程を中心に、教育時間の終了後等に行う教育活動の計画、学校保健計画、学校安全計画などを関連させて作る
正解と解説
正解:D. 教育課程を中心に、教育時間の終了後等に行う教育活動の計画、学校保健計画、学校安全計画などを関連させて作る

要領総則第3の6は、「教育課程を中心に,第3章に示す教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動の計画,学校保健計画,学校安全計画などとを関連させ,一体的に教育活動が展開されるよう全体的な計画を作成する」としています。中心は教育課程なので、『指導計画を中心に予算や勤務計画』とする選択肢は誤りです。『預かり保育などだけについて作る』選択肢は、教育課程と関連させて一体的に作るという点に反します。『小学校の教育課程を中心に』とする選択肢も、中心を取り違えています。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第3の6

問7|保育所保育指針との比較

保育所保育指針が、指導計画の作成に当たって「個別的な計画」を作成することとしている対象として正しいものはどれか。

  1. 3歳未満児
  2. 3歳以上児
  3. 小学校就学前の年度の5歳児
  4. 在園時間が4時間程度の子ども
正解と解説
正解:A. 3歳未満児

保育所保育指針第1章3(2)イ(ア)は「3歳未満児については,一人一人の子どもの生育歴,心身の発達,活動の実態等に即して,個別的な計画を作成すること」としています。3歳以上児については、個の成長と子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること(同(イ))とされており、個別的な計画の作成は求められていません。就学前の5歳児や在園時間の短い子どもを対象に個別的な計画を求める規定はありません。なお、障害のある子どもについては、支援のための計画を個別に作成するなどの対応が別に示されています。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号) 第1章3(2)

問8|情報機器の活用

視聴覚教材やコンピュータなど情報機器の活用について、幼稚園教育要領の記述として正しいものはどれか。

  1. 小学校での学習に備えるため、毎日一定の時間を決めて情報機器の操作に慣れる活動を行う
  2. 幼児期は直接的な体験が重要なので、幼稚園では情報機器を一切使ってはならないとされている
  3. 幼児期は直接的な体験が重要であることを踏まえ、幼稚園生活では得難い体験を補完するなど、体験との関連を考慮する
  4. 飼育や栽培は手間がかかるので、生き物の観察は動画で代えることが勧められている
正解と解説
正解:C. 幼児期は直接的な体験が重要であることを踏まえ、幼稚園生活では得難い体験を補完するなど、体験との関連を考慮する

要領総則第4の3(6)は「幼児期は直接的な体験が重要であることを踏まえ,視聴覚教材やコンピュータなど情報機器を活用する際には,幼稚園生活では得難い体験を補完するなど,幼児の体験との関連を考慮すること」としています。『毎日時間を決めて操作に慣れる』選択肢は、体験との関連を考えるという趣旨に合いません。『一切使ってはならない』とする選択肢は、活用する際の留意点を示している要領の書き方と合いません。『動画で代える』選択肢は、直接的な体験を補完ではなく置き換えてしまう点で誤りです。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の3(6)

問9|環境の構成と教師

幼稚園教育要領総則第1が教師に求めている環境の構成として正しいものはどれか。

  1. 幼児が自由に遊べるよう、教師は環境に手を加えず、自然の成り行きに任せる
  2. 幼児一人一人の行動の理解と予想に基づき、計画的に環境を構成する
  3. 全員が同じ活動に取り組めるよう、教師が決めた教材だけを用意して配る
  4. 環境は年度初めに整えれば、年度の途中では変えずに同じ配置で使い続ける
正解と解説
正解:B. 幼児一人一人の行動の理解と予想に基づき、計画的に環境を構成する

要領総則第1は、教師は「幼児の主体的な活動が確保されるよう幼児一人一人の行動の理解と予想に基づき,計画的に環境を構成しなければならない」としています。『手を加えず成り行きに任せる』選択肢は、計画的に構成するという点に反する放任です。『教師が決めた教材だけを配る』選択肢は、幼児の主体的な活動の確保に合いません。『年度途中は変えない』選択肢は、常に環境が適切なものとなるようにするという総則第4の2(2)イに反します。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第1・第4の2(2)イ

問10|環境の再構成

5歳児がブロックで駅を作って遊んでいる。「線路をもっと長くしたい」と言い始めたが、保育室の隅のスペースではこれ以上広げられない。幼稚園教育要領の考え方に最も合う教師の対応はどれか。

  1. 指導計画にない展開なので、予定していたブロックの片付けの時間を早めて別の活動に移る
  2. 教師が長い線路を完成させて見本を示し、そのとおりに作るよう幼児に順番に指示する
  3. スペースの都合なので、今ある線路の範囲で遊ぶように伝え、環境はそのままにしておく
  4. 幼児の発想を大切にし、場所を広げたり素材を足したりして、遊びが続けられるよう環境をつくり直す
正解と解説
正解:D. 幼児の発想を大切にし、場所を広げたり素材を足したりして、遊びが続けられるよう環境をつくり直す

要領総則第4の2(2)イは、環境は具体的なねらいを達成するために適切なものとなるように構成し、「幼児の生活する姿や発想を大切にし,常にその環境が適切なものとなるようにすること」としています。『計画にないので片付けを早める』選択肢は、幼児の活動に沿った柔軟な指導(総則第4の1)に反します。『教師が完成させて指示する』選択肢は、幼児が自ら活動を展開していく機会を奪います。『環境はそのまま』とする選択肢は、幼児の発想に応じて環境を見直すという考え方に合いません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の1・第4の2(2)イ

問11|安全と環境

幼稚園生活の安全について、幼稚園教育要領総則が教育課程の編成上の留意事項として示していることとして正しいものはどれか。

  1. 教職員による協力体制の下、幼児の主体的な活動を大切にしつつ、園庭や園舎などの環境の配慮や指導の工夫を行う
  2. 事故を防ぐため、幼児が自分で選ぶ遊びは控え、教師が指示した安全な活動だけに限る
  3. 安全の管理は園長が一人で担い、担任は保育に専念して安全面には関わらないようにする
  4. 少しでも危険のおそれがある遊具はすべて撤去し、園庭は平らな広場だけにしておく
正解と解説
正解:A. 教職員による協力体制の下、幼児の主体的な活動を大切にしつつ、園庭や園舎などの環境の配慮や指導の工夫を行う

要領総則第3の4(3)は「幼稚園生活が幼児にとって安全なものとなるよう,教職員による協力体制の下,幼児の主体的な活動を大切にしつつ,園庭や園舎などの環境の配慮や指導の工夫を行うこと」としています。『自分で選ぶ遊びは控える』選択肢は、主体的な活動を大切にするという点に反します。『園長が一人で担う』選択肢は、教職員の協力体制という点に反します。『遊具をすべて撤去』する選択肢は、環境の配慮と指導の工夫によって安全を図るという考え方と異なります。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第3の4(3)

問12|言語環境

言語環境について、幼稚園教育要領の指導計画作成上の留意事項として正しいものはどれか。

  1. 言葉の指導は領域「言葉」の時間を決めて、その時間に学級全体で一斉に行うことを基本とする
  2. 小学校への接続のため、修了までに全員が平仮名をすべて読み書きできるよう練習の時間を設ける
  3. 言語に関する能力の発達と思考力等の発達の関連を踏まえ、幼稚園生活全体を通して言語環境を整え、言語活動の充実を図る
  4. 言語環境は、外国語の早期学習のために英語の掲示や教材を中心に整えることとされている
正解と解説
正解:C. 言語に関する能力の発達と思考力等の発達の関連を踏まえ、幼稚園生活全体を通して言語環境を整え、言語活動の充実を図る

要領総則第4の3(3)は「言語に関する能力の発達と思考力等の発達が関連していることを踏まえ,幼稚園生活全体を通して,幼児の発達を踏まえた言語環境を整え,言語活動の充実を図ること」としています。幼稚園の領域は教科のように時間を区切って教えるものではなく、『「言葉」の時間を決めて一斉に』とする選択肢は誤りです。『全員が平仮名をすべて読み書き』とする選択肢は、要領の求めるものではありません(文字は幼児自身の必要感に基づく体験を大切にします)。『外国語の早期学習のため』とする選択肢も、要領の記述にありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の3(3)、第2章「環境」内容の取扱い(5)

問13|戸外への関心と環境

領域「健康」の内容の取扱いで、幼児の興味や関心が戸外にも向くようにするために示されている工夫として正しいものはどれか。

  1. けがを防ぐため、戸外遊びの時間を短くして室内での活動を中心にする
  2. 運動能力を測定し、記録のよい幼児から順に遊具を使えるようにする
  3. 特定の運動種目を選び、技能が身に付くまで繰り返し練習させる
  4. 幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置などを工夫する
正解と解説
正解:D. 幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置などを工夫する

領域「健康」の内容の取扱い(3)は、自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶことで体の諸機能の発達が促されることに留意し、幼児の興味や関心が戸外にも向くようにすること、その際「幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置などを工夫すること」としています。『戸外遊びを短くする』選択肢は、戸外に関心を向けるという趣旨と逆です。『記録のよい順に遊具を使う』選択肢は、比較による扱いで要領の考え方に合いません。『特定の種目を繰り返し練習』とする選択肢は、多様な動きを経験することを求める同(2)とも合いません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 第2章「健康」内容の取扱い(2)(3)

問14|入園当初の配慮

入園当初の幼児への配慮について、幼稚園教育要領総則が教育課程の編成上の留意事項として示していることとして正しいものはどれか。

  1. 特に3歳児の入園については、家庭との連携を緊密にし、生活のリズムや安全面に十分配慮する
  2. 早く集団生活に慣れるよう、入園の初日から学級全体での一斉活動を中心に1日を組み立てる
  3. 満3歳児も学年の初めに入園した幼児と同じ指導計画で扱い、入園時期の違いは考慮しない
  4. 家庭との連絡は幼児の甘えにつながるので、入園当初は保護者との連絡をできるだけ控える
正解と解説
正解:A. 特に3歳児の入園については、家庭との連携を緊密にし、生活のリズムや安全面に十分配慮する

要領総則第3の4(2)は「入園当初,特に,3歳児の入園については,家庭との連携を緊密にし,生活のリズムや安全面に十分配慮すること。また,満3歳児については,学年の途中から入園することを考慮し,幼児が安心して幼稚園生活を過ごすことができるよう配慮すること」としています。『初日から一斉活動を中心に』とする選択肢は、入園当初を一人一人の遊びや教師との触れ合いを通して幼稚園生活に親しみ、安定していく時期とする同(1)の考え方に合いません。『満3歳児も同じ計画で入園時期の違いは考慮しない』とする選択肢は、学年の途中から入園することを考慮するという規定に反します。『保護者との連絡を控える』選択肢は、家庭との連携を緊密にするという規定と逆です。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第3の4(1)(2)

問15|地域の資源の活用

幼稚園教育要領総則第6が、幼児が豊かな生活体験を得られるよう積極的に活用するとしている地域の資源の例として正しいものはどれか。

  1. 地域の学習塾や習い事教室が提供する、就学前向けの教材やプログラムなど
  2. 地域の自然、高齢者や異年齢の子供などを含む人材、行事や公共施設など
  3. 地域の企業が提供する商品の宣伝物や、販売促進のためのイベントなど
  4. 地域の小学校の教科書や、小学校で使われている授業用の教材など
正解と解説
正解:B. 地域の自然、高齢者や異年齢の子供などを含む人材、行事や公共施設など

要領総則第6の2は、家庭や地域社会との連続性を保つため「地域の自然,高齢者や異年齢の子供などを含む人材,行事や公共施設などの地域の資源を積極的に活用し,幼児が豊かな生活体験を得られるように工夫する」としています。学習塾の教材、企業の宣伝物やイベント、小学校の教科書は、要領がここで例に挙げているものではありません。小学校とは、児童との交流の機会を積極的に設けることが同第6の3に示されています。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第6の2・第6の3

問16|教師の様々な役割

幼稚園教育要領が、幼児の主体的な活動を促すために教師が果たす役割として例に挙げているものはどれか。

  1. 管理者、評価者として一貫した役割
  2. 指示者として活動を一斉に導く役割
  3. 理解者、共同作業者など様々な役割
  4. 観察者として関わらずに見守る役割
正解と解説
正解:C. 理解者、共同作業者など様々な役割

要領総則第4の3(7)は「教師は,理解者,共同作業者など様々な役割を果たし,幼児の発達に必要な豊かな体験が得られるよう,活動の場面に応じて,適切な指導を行うようにすること」としています。『管理者、評価者』や『指示者』は要領が挙げる役割ではなく、一つの役割に固定する考え方も「様々な役割」に反します。『関わらずに見守る』だけの役割も、多様な関わりをもつことが重要だとする同項の趣旨に合いません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の3(7)

問17|必要な援助

幼児の行う具体的な活動について、幼稚園教育要領の指導計画作成上の基本的事項として正しいものはどれか。

  1. 生活の流れの中で様々に変化することに留意し、幼児が望ましい方向に向かって自ら活動を展開していけるよう必要な援助をする
  2. 計画した活動から外れた場合は、教師がすぐに声をかけて、計画どおりの活動に戻すようにする
  3. 活動の展開はすべて幼児に任せ、教師は援助をせずに結果を記録することに専念する
  4. 活動が変化しないよう、手順を前もって細かく決め、その手順を守るよう幼児に伝える
正解と解説
正解:A. 生活の流れの中で様々に変化することに留意し、幼児が望ましい方向に向かって自ら活動を展開していけるよう必要な援助をする

要領総則第4の2(2)ウは「幼児の行う具体的な活動は,生活の流れの中で様々に変化するものであることに留意し,幼児が望ましい方向に向かって自ら活動を展開していくことができるよう必要な援助をすること」としています。『すぐに計画どおりに戻す』選択肢と『手順を細かく決めて守らせる』選択肢は、活動が変化することを前提にした援助になっていません。『援助をせず記録に専念』する選択肢は、必要な援助をするという規定に反します。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の2(2)ウ

問18|体験のつながり

幼児の体験について、幼稚園教育要領の指導計画作成上の留意事項として正しいものはどれか。

  1. 多様な体験をさせるため、毎日違う活動を次々に用意し、前の日の活動とは切り離して行う
  2. 主体的・対話的で深い学びは小学校以降で求められるもので、幼稚園の指導計画では考えない
  3. 体験の数を増やすことを優先し、一つの遊びに長い時間取り組むことは避けるようにする
  4. 心を動かされる体験が次の活動を生み出すことを考慮し、一つ一つの体験が相互に結び付き、幼稚園生活が充実するようにする
正解と解説
正解:D. 心を動かされる体験が次の活動を生み出すことを考慮し、一つ一つの体験が相互に結び付き、幼稚園生活が充実するようにする

要領総則第4の3(2)は、幼児の発達に即して「主体的・対話的で深い学びが実現するようにするとともに,心を動かされる体験が次の活動を生み出すことを考慮し,一つ一つの体験が相互に結び付き,幼稚園生活が充実するようにすること」としています。『前の日の活動と切り離す』選択肢と『一つの遊びに長く取り組むのを避ける』選択肢は、体験の結び付きや興味の連続性を軽んじています。『主体的・対話的で深い学びは考えない』選択肢は、要領に明記されている内容と矛盾します。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の3(2)

問19|協力体制

幼児の活動が個人、グループ、学級全体などで多様に展開されることについて、幼稚園教育要領の記述として正しいものはどれか。

  1. 学級全体での活動を基本とし、個人やグループでの活動は自由時間に限って認めるようにする
  2. 幼稚園全体の教師による協力体制を作りながら、一人一人の幼児が興味や欲求を十分に満足させるよう適切な援助を行う
  3. 担任が自分の学級の幼児だけに責任をもって援助し、他の学級の教師は関わらないようにする
  4. グループでの活動は年長児になってから行い、3歳児と4歳児では個人の活動だけを行う
正解と解説
正解:B. 幼稚園全体の教師による協力体制を作りながら、一人一人の幼児が興味や欲求を十分に満足させるよう適切な援助を行う

要領総則第4の3(8)は「幼児の行う活動は,個人,グループ,学級全体などで多様に展開されるものであることを踏まえ,幼稚園全体の教師による協力体制を作りながら,一人一人の幼児が興味や欲求を十分に満足させるよう適切な援助を行うようにすること」としています。『学級全体が基本で個人やグループは自由時間だけ』とする選択肢は、活動の多様な展開を認めていません。『他の学級の教師は関わらない』選択肢は、幼稚園全体の協力体制に反します。『年長児になってからグループ』とする規定は要領にありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の3(8)

問20|2つの個別の計画

障害のある幼児などへの指導で、幼稚園教育要領が作成・活用に努めるとする2つの計画の説明として正しいものはどれか。

  1. 個別の指導計画は関係機関と連携し長期的な視点で支援するため、個別の教育支援計画は日々の指導内容を決めるため
  2. どちらの計画も医療機関が作成し、幼稚園はその計画に示された訓練をそのまま実施する
  3. 個別の教育支援計画は関係機関と連携し長期的な視点で支援するため、個別の指導計画は個々の実態を把握し指導に生かすため
  4. どちらの計画も障害者手帳をもつ幼児だけに作成が義務付けられ、それ以外の幼児には作らない
正解と解説
正解:C. 個別の教育支援計画は関係機関と連携し長期的な視点で支援するため、個別の指導計画は個々の実態を把握し指導に生かすため

要領総則第5の1は、家庭、地域及び医療や福祉、保健等の業務を行う関係機関との連携を図り「長期的な視点で幼児への教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成し活用することに努める」とともに、「個々の幼児の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成し活用することに努める」としています。2つの計画の役割を入れ替えた選択肢は誤りです。『医療機関が作成し訓練を実施』とする選択肢は、幼稚園が指導内容や方法の工夫を組織的・計画的に行うという規定に合いません。要領は「障害のある幼児など」とし、障害者手帳の有無で対象を限っていないので、『手帳をもつ幼児だけに義務』とする選択肢も誤りです。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第5の1

問21|日本語の習得に困難のある幼児

生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児の幼稚園生活への適応について、幼稚園教育要領の記述として正しいものはどれか。

  1. 日本語で会話ができるようになるまでは、学級の集団での活動には参加させずに個別に過ごさせる
  2. 早く日本語を身に付けるため、園内では母語を使わないよう幼児と保護者に求めることとする
  3. 担任一人の判断で個別に対応することとし、園全体の取組としては扱わないようにする
  4. 安心して自己を発揮できるよう配慮するなど、個々の実態に応じ、指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行う
正解と解説
正解:D. 安心して自己を発揮できるよう配慮するなど、個々の実態に応じ、指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行う

要領総則第5の2は、海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児については「安心して自己を発揮できるよう配慮するなど個々の幼児の実態に応じ,指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行う」としています。『集団の活動に参加させない』選択肢は、安心して自己を発揮できるようにするという配慮と逆です。『母語を使わないよう求める』選択肢も、安心して自己を発揮することを妨げ、要領の記述にもありません。『担任一人の判断で、園全体では扱わない』選択肢は、組織的かつ計画的に行うという規定に反します。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第5の2

問22|いざこざへの関わり

4歳児のAさんとBさんが、1台の三輪車を取り合って言い争っている。危険はない。幼稚園教育要領の領域「人間関係」の考え方に最も合う教師の関わりはどれか。

  1. すぐに三輪車を預かり、先に乗っていた幼児に返して、もう一人には別の遊びを勧める
  2. それぞれの思いを受け止め、相手の気持ちに気付けるよう言葉を添えながら、二人が折り合いを付ける体験を支える
  3. けんかは望ましくないので、二人を別々の場所に分けて、それぞれ一人で遊ぶように伝える
  4. 幼児同士で解決する力を育てるため、どれだけ長引いても教師は一切声をかけないようにする
正解と解説
正解:B. それぞれの思いを受け止め、相手の気持ちに気付けるよう言葉を添えながら、二人が折り合いを付ける体験を支える

領域「人間関係」の内容の取扱い(5)は、幼児が教師との信頼関係に支えられて自己を発揮する中で「互いに思いを主張し,折り合いを付ける体験をし,きまりの必要性などに気付き,自分の気持ちを調整する力が育つようにすること」としています。また同(1)は、幼児の行動を見守りながら適切な援助を行うことを求めています。『すぐに預かって一方に返す』選択肢と『別々の場所に分ける』選択肢は、折り合いを付ける体験の機会をなくしてしまいます。『一切声をかけない』選択肢は、見守りながら適切な援助を行うという考え方と異なります。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 第2章「人間関係」内容の取扱い(1)(4)(5)

問23|幼児理解に基づいた評価

幼稚園教育要領が示す「幼児理解に基づいた評価」の考え方として正しいものはどれか。

  1. 指導の過程を振り返りながら幼児理解を進め、一人一人のよさや可能性などを把握し、指導の改善に生かす
  2. 他の幼児と比較して学級の中での順位を付け、順位の低い幼児から優先して指導する
  3. 一定の基準を示し、それに対する達成度を三段階で評定して保護者に伝えるようにする
  4. 評価は修了の時期に一度だけ行い、その結果を小学校に伝えることを目的とする
正解と解説
正解:A. 指導の過程を振り返りながら幼児理解を進め、一人一人のよさや可能性などを把握し、指導の改善に生かす

要領総則第4の4(1)は「指導の過程を振り返りながら幼児の理解を進め,幼児一人一人のよさや可能性などを把握し,指導の改善に生かすようにすること。その際,他の幼児との比較や一定の基準に対する達成度についての評定によって捉えるものではないことに留意すること」としています。『順位を付ける』選択肢と『達成度を三段階で評定』する選択肢は、この留意事項に正面から反します。『修了時に一度だけ』とする選択肢は、指導の過程を振り返り、指導の改善に生かすという考え方に合いません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の4(1)

問24|評価の妥当性・信頼性と引継ぎ

評価の実施について、幼稚園教育要領総則第4の4(2)の記述として正しいものはどれか。

  1. 評価は担任一人の印象に基づいて行うものとし、園内の他の教職員と共有しないようにする
  2. 評価の内容は個人の情報なので、次年度の担任や小学校には引き継がないことを原則とする
  3. 妥当性や信頼性が高められるよう創意工夫し、組織的かつ計画的に取り組み、次年度又は小学校等に内容が適切に引き継がれるようにする
  4. 信頼性を高めるため、全園共通のテストを定期的に行い、その得点に基づいて評価する
正解と解説
正解:C. 妥当性や信頼性が高められるよう創意工夫し、組織的かつ計画的に取り組み、次年度又は小学校等に内容が適切に引き継がれるようにする

要領総則第4の4(2)は「評価の妥当性や信頼性が高められるよう創意工夫を行い,組織的かつ計画的な取組を推進するとともに,次年度又は小学校等にその内容が適切に引き継がれるようにすること」としています。『担任一人の印象で共有しない』選択肢は、組織的な取組に反します。『引き継がない』選択肢は、引継ぎを求める規定に反します。『共通テストの得点で評価』する選択肢は、一定の基準に対する達成度の評定によらないとする同(1)に合いません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の4

問25|評価と指導計画の改善

指導計画の作成に当たり、幼稚園教育要領総則第4の2が示す評価と改善の考え方として正しいものはどれか。

  1. 指導計画は年度末に一度だけ評価し、年度の途中では内容を変更しないことを原則とする
  2. 幼児の実態や幼児を取り巻く状況の変化などに即して指導の過程についての評価を適切に行い、常に指導計画の改善を図る
  3. 評価の対象は幼児の活動の結果だけであり、教師の環境の構成や援助は評価の対象としない
  4. 指導の過程の評価は園外の専門家に任せ、担任はその結果に従って次年度の計画を作る
正解と解説
正解:B. 幼児の実態や幼児を取り巻く状況の変化などに即して指導の過程についての評価を適切に行い、常に指導計画の改善を図る

要領総則第4の2(2)は、具体的なねらい・内容の設定、環境の構成、援助について述べたあと「その際,幼児の実態及び幼児を取り巻く状況の変化などに即して指導の過程についての評価を適切に行い,常に指導計画の改善を図るものとする」としています。『年度末に一度だけ』とする選択肢は、常に改善を図るという規定に反します。評価するのは「指導の過程」なので、『教師の環境の構成や援助は対象としない』選択肢は誤りです。『園外の専門家に任せる』選択肢も、要領の記述にありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第4の2(2)

問26|要録と「10の姿」

幼稚園幼児指導要録の最終学年の記入で「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)を活用する際の留意点として、文部科学省の検討会資料が示しているものはどれか。

  1. 10の項目それぞれについて、達成の程度をA・B・Cの三段階で評定して記入する
  2. 10の項目のうち、修了までに達成できた項目に印を付けて、小学校に送るようにする
  3. 5歳児になってから10の項目を一つずつ順番に指導し、その結果を項目別に記入する
  4. 到達すべき目標ではなく、個別に取り出されて指導されるものではないことに留意し、項目別に記入しないようにする
正解と解説
正解:D. 到達すべき目標ではなく、個別に取り出されて指導されるものではないことに留意し、項目別に記入しないようにする

文部科学省の検討会資料「幼稚園幼児指導要録の様式の参考例」の留意事項は、最終年度の記入に当たって10の姿を活用して発達の姿を確認する一方で、10の姿は「到達すべき目標ではない」こと、個別に取り出されて指導されるものではないことに留意し、「項目別に記入しないように留意すること」としています。『三段階で評定』する選択肢と『達成した項目に印』を付ける選択肢は、10の姿を到達目標として扱っています。『一つずつ順番に指導』する選択肢は、個別に取り出して指導しないという点に反します。要領自体も、10の姿を「教師が指導を行う際に考慮するもの」としています。

根拠:幼児理解に基づいた評価に関する検討会(2018年1月)資料「幼稚園幼児指導要録の様式の参考例」、幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第2の3

問27|指導要録の作成と送付

学校教育法施行規則が定める指導要録の作成と送付について正しいものはどれか(幼稚園では校長を園長と読む)。

  1. 校長が作成し、幼児が進学したときは抄本又は写しを作成して進学先の校長に送付する
  2. 担任が作成し、幼児が進学したときは原本を進学先の小学校に送付する
  3. 教育委員会が作成し、修了のときに原本を保護者に渡して小学校に提出させる
  4. 作成は各園の任意であり、作成した場合は保護者の同意を得て小学校に送る
正解と解説
正解:A. 校長が作成し、幼児が進学したときは抄本又は写しを作成して進学先の校長に送付する

学校教育法施行規則第24条第1項は「校長は,その学校に在学する児童等の指導要録…を作成しなければならない」とし、第2項は、児童等が進学した場合は「その作成に係る当該児童等の指導要録の抄本又は写しを作成し,これを進学先の校長に送付しなければならない」としています。作成の責任者は校長(園長)であり、実際の記入を担任が担うことはあっても、『原本を送付』するのではありません。『教育委員会が作成し保護者に渡す』選択肢は規定にありません。作成は義務なので、『任意』とする選択肢も誤りです。

根拠:学校教育法施行規則 第24条(2026年10月16日確認)

問28|指導要録の保存期間

学校教育法施行規則が定める指導要録の保存期間として正しいものはどれか。

  1. 学籍に関する記録も指導に関する記録も、どちらも5年間
  2. 指導に関する記録は20年間、学籍に関する記録は5年間
  3. 入学、卒業等の学籍に関する記録は20年間、それ以外は5年間
  4. 学籍に関する記録も指導に関する記録も、永年保存とする
正解と解説
正解:C. 入学、卒業等の学籍に関する記録は20年間、それ以外は5年間

学校教育法施行規則第28条第2項は、表簿は別に定めるもののほか5年間保存しなければならないとし、ただし書で「指導要録及びその写しのうち入学,卒業等の学籍に関する記録については,その保存期間は,二十年間とする」としています。したがって学籍に関する記録は20年間、それ以外(指導に関する記録など)は5年間です。『どちらも5年間』は学籍の特例を落としています。『指導20年・学籍5年』は逆になっています。『永年保存』とする規定はありません。

根拠:学校教育法施行規則 第28条(2026年10月16日確認)

問29|学校評価とカリキュラム・マネジメント

幼稚園の学校評価について、幼稚園教育要領総則第6の記述として正しいものはどれか。

  1. 学校評価は施設や設備の安全点検に限られるので、教育課程の評価とは切り離して実施する
  2. 教育課程の編成、実施、改善が教育活動や幼稚園運営の中核となることを踏まえ、カリキュラム・マネジメントと関連付けて実施する
  3. カリキュラム・マネジメントは園長一人の業務なので、学校評価に教職員は関わらないようにする
  4. 学校評価は保護者アンケートの結果だけで行い、教職員による振り返りは含めないようにする
正解と解説
正解:B. 教育課程の編成、実施、改善が教育活動や幼稚園運営の中核となることを踏まえ、カリキュラム・マネジメントと関連付けて実施する

要領総則第6の1は、園長の方針の下に園務分掌に基づき教職員が役割を分担し、相互に連携しながら教育課程や指導の改善を図るとし、学校評価については「教育課程の編成,実施,改善が教育活動や幼稚園運営の中核となることを踏まえ,カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意する」としています。『施設の点検に限られ教育課程と切り離す』選択肢は、この関連付けに反します。『園長一人の業務で教職員は関わらない』選択肢は、教職員が分担・連携するという規定に反します。『保護者アンケートだけ』とする規定も要領にはありません。

根拠:幼稚園教育要領(平成29年文部科学省告示第62号) 総則第3の1・第6の1

問30|保育士等の自己評価

保育所保育指針が示す保育士等の自己評価について正しいものはどれか。

  1. 子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮する
  2. 子どもの活動の結果を数値に置き換え、近隣の保育所の結果と比べて評価することを基本とする
  3. 保育所としての自己評価の結果は、外部に公表してはならないとされている
  4. 自己評価は施設長が行うものであり、保育士は自らの保育実践を評価しない
正解と解説
正解:A. 子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮する

保育所保育指針第1章3(4)ア(イ)は、保育士等による自己評価に当たっては「子どもの活動内容やその結果だけでなく,子どもの心の育ちや意欲,取り組む過程などにも十分配慮するよう留意すること」としています。『数値化して他園と比べる』選択肢は、この考え方に合いません。同イ(ア)は、保育所が自ら評価を行い「その結果を公表するよう努めなければならない」としているので、『公表してはならない』とする選択肢は誤りです。同ア(ア)は保育士等が自らの保育実践を振り返り自己評価するとしているので、『保育士は評価しない』選択肢も誤りです。幼稚園の評価が比較や達成度の評定によらないことと共通する考え方です。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号) 第1章3(4)

演習:この章の問題を解く

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※ 解説は学習用の情報提供です。認定試験・採用選考の受験資格や実施方法は、必ず文部科学省・受験する自治体の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。幼稚園教育要領は平成29年告示のもの(2026年10月時点)です。