幼稚園教員 KINDERGARTEN TEACHER
領域「健康」「人間関係」
講義 4 本・確認問題 35 問 | 幼稚園教育要領 | 最終更新 2026-10-16
この章で学ぶこと- 第2章の「ねらい」「内容」「内容の取扱い」の意味と、領域を総合的に指導する考え方を押さえます。
- 領域「健康」のねらい3項目・内容10項目と、内容の取扱い(食育・生活習慣・安全など)を要領の文言で確認します。
- 領域「人間関係」のねらい3項目・内容13項目と、葛藤・折り合い・規範意識の芽生えについての内容の取扱いを確認します。
- 学校教育法第23条、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿、保育所保育指針との共通点と違いを整理します。
1. 第2章の見方と領域「健康」のねらい・内容
第2章の「ねらい」「内容」「内容の取扱い」の意味を確かめ、領域「健康」のねらい3項目と内容10項目を要領の文言で押さえます。
幼稚園教育要領(ようりょう)は、文部科学省が告示する、幼稚園の教育課程の基準です。今の要領は平成29年3月に告示されました。第1章「総則」が全体の考え方、第2章「ねらい及び内容」が5つの領域、第3章が教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動(預かり保育など)を定めています。この章では、第2章のうち領域「健康」と「人間関係」を学びます。総則の全体像はyc3「幼稚園教育要領の総則」で扱います。
第2章の3つの言葉:ねらい・内容・内容の取扱い
第2章の冒頭は、3つの言葉を次のように定義しています。ねらいは「幼稚園教育において育みたい資質・能力を幼児の生活する姿から捉えたもの」、内容は「ねらいを達成するために指導する事項」、内容の取扱いは「幼児の発達を踏まえた指導を行うに当たって留意すべき事項」です。この定義はそのまま問われやすいので、3つを入れ替えた選択肢に注意しましょう。
領域は、ねらいと内容を「幼児の発達の側面から」まとめたものです。心身の健康に関する領域「健康」、人との関わりに関する領域「人間関係」、身近な環境との関わりに関する領域「環境」、言葉の獲得に関する領域「言葉」、感性と表現に関する領域「表現」の5つです。領域は小学校の教科とは違い、時間割で分けて教えるものではありません。要領は、ねらいは「幼稚園における生活の全体を通じ」て「相互に関連をもちながら次第に達成に向かう」もの、内容は「幼児が環境に関わって展開する具体的な活動を通して総合的に指導される」ものだと書いています。たとえば鬼ごっこ1つの中にも、体を動かす(健康)、ルールを話し合う(人間関係・言葉)といった複数の領域が重なっています。
また、特に必要な場合は、ねらいの趣旨に基づいて具体的な内容を工夫して加えてもよい、とされています。ただし、第1章に示す幼稚園教育の基本から外れないよう慎重に配慮する必要があります。
領域「健康」の目標とねらい
各領域の最初には、その領域の目指す方向が〔 〕で示されています。「健康」は〔健康な心と体を育て,自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。〕です。「心と体」の両方が入っていること、「自ら」「つくり出す」と幼児の主体性を重視していることがポイントです。
領域「健康」のねらい(幼稚園教育要領 第2章)| 番号 | ねらい(要領の文言) |
|---|
| (1) | 明るく伸び伸びと行動し,充実感を味わう。 |
| (2) | 自分の体を十分に動かし,進んで運動しようとする。 |
| (3) | 健康,安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け,見通しをもって行動する。 |
領域「健康」の内容(10項目)
内容は10項目です。大きく分けると、心の安定と遊び・運動((1)〜(4))、食((5))、生活習慣((6)〜(9))、安全((10))です。(1)「先生や友達と触れ合い,安定感をもって行動する。」(2)「いろいろな遊びの中で十分に体を動かす。」(3)「進んで戸外で遊ぶ。」(4)「様々な活動に親しみ,楽しんで取り組む。」(5)「先生や友達と食べることを楽しみ,食べ物への興味や関心をもつ。」(6)「健康な生活のリズムを身に付ける。」(7)「身の回りを清潔にし,衣服の着脱,食事,排泄などの生活に必要な活動を自分でする。」(8)「幼稚園における生活の仕方を知り,自分たちで生活の場を整えながら見通しをもって行動する。」(9)「自分の健康に関心をもち,病気の予防などに必要な活動を進んで行う。」(10)「危険な場所,危険な遊び方,災害時などの行動の仕方が分かり,安全に気を付けて行動する。」
健康の内容が「心の安定」から始まっている点に注目しましょう。体の健康は、安心して過ごせる心の状態と切り離せない、という考え方です。
学校教育法・10の姿・保育所保育指針とのつながり
学校教育法第23条は幼稚園教育の目標を5つ挙げ、その第1号は「健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。」です。これが領域「健康」の土台です。また、総則の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)の(1)「健康な心と体」は、「幼稚園生活の中で,充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ,見通しをもって行動し,自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。」と書かれています。10の姿は到達目標ではなく、修了時の具体的な姿として「教師が指導を行う際に考慮するもの」です。
保育所保育指針の「3歳以上児」の健康のねらい・内容は、要領とほぼ同じ文言で、「先生」が「保育士等」、「幼稚園」が「保育所」になっています。1歳以上3歳未満児では、ねらいが「自分の体を十分に動かし,様々な動きをしようとする。」などと別の文言になり、乳児は領域ではなく3つの視点(「健やかに伸び伸びと育つ」など)で示されます。保育士ラボ(/learn/shikaku/hoiku/)と合わせて、年齢による違いを整理しておきましょう。
用語
- ねらい
- 育みたい資質・能力を、幼児の生活する姿から捉えたもの。
- 内容
- ねらいを達成するために指導する事項。
- 内容の取扱い
- 幼児の発達を踏まえた指導を行うに当たって留意すべき事項。
- 領域
- ねらいと内容を発達の側面からまとめたもの。教科のように時間で分けて教えるものではない。
- 身体諸機能
- 体のさまざまな働き。学校教育法第23条第1号は、その「調和的発達」を目標とする。
例題
例題:「ねらいを達成するために指導する事項」と定義されているのは、ねらい・内容・内容の取扱いのどれですか。
答えと考え方 内容です。ねらいは「資質・能力を幼児の生活する姿から捉えたもの」、内容の取扱いは「指導に当たって留意すべき事項」です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)(第1章第2の3、第2章)、学校教育法(e-Gov法令検索)(第23条)、保育所保育指針(平成29年告示、こども家庭庁掲載)(第2章)
2. 「健康」の内容の取扱いと指導の例
領域「健康」の内容の取扱い6項目(心と体、全身運動、戸外、食育、生活習慣、安全)を読み、幼児期運動指針とあわせて指導の例を考えます。
領域「健康」の「内容の取扱い」は6項目あります。どれも「〜ようにすること」という形で、教師が指導するときに気を付けることを示しています。ここでは6項目を順に読み、実際の指導の例と結びつけます。
領域「健康」の内容の取扱い(要旨)| 番号 | テーマ | キーワード(要領の文言) |
|---|
| (1) | 心と体の関連 | 温かい触れ合い、自己の存在感や充実感、しなやかな心と体 |
| (2) | 全身を使う遊び | 体を動かす楽しさ、自分の体を大切にしようとする気持ち、多様な動き |
| (3) | 戸外・自然 | 体の諸機能の発達、幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置 |
| (4) | 食育 | 和やかな雰囲気、食べる喜びや楽しさ、進んで食べようとする気持ち |
| (5) | 基本的な生活習慣 | 家庭での生活経験に配慮、自立心、次第に見通しをもって |
| (6) | 安全 | 情緒の安定、安全についての構え、交通安全、避難訓練 |
(1)(2) 心と体、全身を使う遊び
(1)は「心と体の健康は,相互に密接な関連がある」ことを踏まえ、幼児が教師や他の幼児との温かい触れ合いの中で「自己の存在感や充実感を味わうことなどを基盤として」、しなやかな心と体の発達を促すよう求めています。特に「十分に体を動かす気持ちよさを体験し,自ら体を動かそうとする意欲が育つように」とあります。体力の数値を上げることより、まず意欲を育てることが中心です。
(2)は、幼児が「興味や関心,能力に応じて全身を使って活動すること」で体を動かす楽しさを味わい、「自分の体を大切にしようとする気持ちが育つように」するものです。その際、「多様な動きを経験する中で,体の動きを調整するように」します。
文部科学省の「幼児期運動指針」(平成24年3月)は、「幼児が様々な遊びを中心に、毎日、合計60分以上、楽しく体を動かすことが望ましい」としています。「幼児期の運動の在り方」のうち「運動の行い方」のポイントとして「多様な動きが経験できるように様々な遊びを取り入れること」「楽しく体を動かす時間を確保すること」「発達の特性に応じた遊びを提供すること」の3つを挙げています。特定の種目だけを繰り返す練習ではなく、遊びの中で多様な動きを経験することが大切だ、という点で要領と同じ方向です。
(3)(4) 戸外遊びと食育
(3)は、自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶことで「体の諸機能の発達が促される」ことに留意し、幼児の興味や関心が戸外にも向くようにするものです。その際「幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置などを工夫すること」とされます。動線とは、幼児が動いて通る道筋のことです。
(4)は食育です。「健康な心と体を育てるためには食育を通じた望ましい食習慣の形成が大切である」ことを踏まえ、幼児の食生活の実情に配慮し、「和やかな雰囲気の中で教師や他の幼児と食べる喜びや楽しさを味わったり,様々な食べ物への興味や関心をもったり」して、「食の大切さに気付き,進んで食べようとする気持ちが育つように」します。無理に完食させることではなく、食べる楽しさと興味を育てることが中心です。
(5)(6) 生活習慣と安全
(5)は基本的な生活習慣です。「家庭での生活経験に配慮し,幼児の自立心を育て,幼児が他の幼児と関わりながら主体的な活動を展開する中で」生活に必要な習慣を身に付け、「次第に見通しをもって行動できるように」します。一人一人の家庭の生活は違うので、一律に教え込むのではありません。
(6)は安全です。「情緒の安定を図り,遊びを通して安全についての構えを身に付け,危険な場所や事物などが分かり,安全についての理解を深めるように」します。また「交通安全の習慣を身に付ける」こと、「避難訓練などを通して,災害などの緊急時に適切な行動がとれるように」することも書かれています。危険をすべて取り除くのではなく、遊びの中で自分で気を付ける力を育てる、という考え方です。総則も、3歳児の入園については「家庭との連携を緊密にし,生活のリズムや安全面に十分配慮すること」としています。
指導の例
たとえば4歳児の学級で鬼ごっこを楽しむ場面では、走る・止まる・身をかわすなど多様な動きが自然に生まれます((2))。教師は、ぶつかりやすい場所に気付けるよう幼児と一緒に場所を確かめ((6))、園庭の遊具の位置も見直します((3))。お弁当の時間には、友達と話しながら食べる楽しさを大切にし、学級で育てた野菜を話題にして食べ物への関心を広げます((4))。保健・安全の制度面はyc7で扱います。
用語
- しなやかな心と体
- 取扱い(1)の言葉。心と体の健康が互いに関連していることを踏まえた表現。
- 動線
- 人が動いて通る道筋。園庭や遊具の配置で配慮する。
- 食育
- 食を通して、望ましい食習慣や食への関心を育てること。
- 安全についての構え
- 遊びを通して身に付ける、危険に気付き安全に気を付けようとする心構え。
- 幼児期運動指針
- 文部科学省が平成24年3月にまとめた指針。毎日合計60分以上楽しく体を動かすことが望ましいとする。
例題
例題:安全に関する指導で、要領が最初に「図り」と求めているものは何ですか。
答えと考え方 「情緒の安定」です。心が落ち着いていることが、遊びの中で安全についての構えを身に付ける前提になります。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)(第1章第3の4、第2章「健康」)、文部科学省「幼児期運動指針」(平成24年3月)
3. 領域「人間関係」のねらい・内容
領域「人間関係」の目標、ねらい3項目、内容13項目を整理し、学校教育法第23条第2号や10の姿との関係を確かめます。
領域「人間関係」は、人との関わりに関する領域です。目標は〔他の人々と親しみ,支え合って生活するために,自立心を育て,人と関わる力を養う。〕です。人と関わる力だけでなく、「自立心」を育てることが先に書かれている点が大切です。自分で考え、自分で行動できることが、人と関わる土台になるからです。
領域「人間関係」のねらい(幼稚園教育要領 第2章)| 番号 | ねらい(要領の文言) |
|---|
| (1) | 幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう。 |
| (2) | 身近な人と親しみ,関わりを深め,工夫したり,協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい,愛情や信頼感をもつ。 |
| (3) | 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。 |
内容(13項目)
人間関係の内容は13項目で、5領域の中で最も多い数です(健康10、環境12、言葉10、表現8)。(1)「先生や友達と共に過ごすことの喜びを味わう。」(2)「自分で考え,自分で行動する。」(3)「自分でできることは自分でする。」(4)「いろいろな遊びを楽しみながら物事をやり遂げようとする気持ちをもつ。」ここまでは主に自立心に関わります。
(5)「友達と積極的に関わりながら喜びや悲しみを共感し合う。」(6)「自分の思ったことを相手に伝え,相手の思っていることに気付く。」(7)「友達のよさに気付き,一緒に活動する楽しさを味わう。」(8)「友達と楽しく活動する中で,共通の目的を見いだし,工夫したり,協力したりなどする。」ここは友達との関わり・協同に関わります。
(9)「よいことや悪いことがあることに気付き,考えながら行動する。」(10)「友達との関わりを深め,思いやりをもつ。」(11)「友達と楽しく生活する中できまりの大切さに気付き,守ろうとする。」(12)「共同の遊具や用具を大切にし,皆で使う。」ここは道徳性・規範意識に関わります。最後の(13)は「高齢者をはじめ地域の人々などの自分の生活に関係の深いいろいろな人に親しみをもつ。」で、園の外の人との関わりです。
「健康」の内容(7)にも「生活に必要な活動を自分でする」があり、「人間関係」の内容(3)「自分でできることは自分でする」と似ています。前者は衣服の着脱・食事・排泄などの生活習慣、後者は自立心の面から書かれています。このように、1つの姿が複数の領域から捉えられるのが領域の特徴です。
学校教育法・10の姿とのつながり
学校教育法第23条第2号は「集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身近な人への信頼感を深め、自主、自律及び協同の精神並びに規範意識の芽生えを養うこと。」です。第3号の「思考力の芽生え」と取り違えないようにしましょう。
10の姿のうち、人間関係と特に関係が深いのは次の4つです。「自立心」は、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる姿です。「協同性」は「友達と関わる中で,互いの思いや考えなどを共有し,共通の目的の実現に向けて,考えたり,工夫したり,協力したりし,充実感をもってやり遂げるようになる」姿です。「道徳性・規範意識の芽生え」には、「きまりを守る必要性が分かり,自分の気持ちを調整し,友達と折り合いを付けながら,きまりをつくったり,守ったりするようになる」と書かれています。「社会生活との関わり」は、家族を大切にしようとする気持ちをもち、地域の身近な人と触れ合う中で、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる姿などです。
保育所保育指針との違い
保育所保育指針の3歳以上児の人間関係は、要領とほぼ同じ文言です(「先生」→「保育士等」、「幼稚園」→「保育所」など)。1歳以上3歳未満児では、ねらいが「保育所での生活を楽しみ,身近な人と関わる心地よさを感じる。」「周囲の子ども等への興味や関心が高まり,関わりをもとうとする。」などになります。乳児では領域ではなく、視点「身近な人と気持ちが通じ合う」として示されます。
用語
- 自立心
- 自分で考え、自分の力でやろうとする心。人間関係の目標に含まれる。
- 協同
- 共通の目的に向けて、友達と考えたり工夫したり協力したりすること。
- 規範意識の芽生え
- きまりの必要性に気付き、守ろうとする気持ちの始まり。学校教育法第23条第2号にもある言葉。
- 共同の遊具
- 学級や園の皆で使う遊具や用具。内容(12)で「大切にし,皆で使う」とされる。
例題
例題:人間関係の内容で、名前を挙げて示されている地域の人は誰ですか。
答えと考え方 「高齢者」です。内容(13)は「高齢者をはじめ地域の人々などの自分の生活に関係の深いいろいろな人に親しみをもつ。」です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)(第1章第2の3、第2章「人間関係」)、学校教育法(e-Gov法令検索)(第23条)、保育所保育指針(平成29年告示、こども家庭庁掲載)(第2章)
4. 「人間関係」の内容の取扱いと指導の例
領域「人間関係」の内容の取扱い6項目を読み、葛藤やトラブル、協同、地域の人との交流、日本語の習得に困難のある幼児への配慮など、指導の例を考えます。
領域「人間関係」の「内容の取扱い」は6項目です。人と関わる力は、教師が言葉で教え込んで育つものではなく、幼児が自分で関わり、うまくいかない経験も含めて育っていくもの、という考え方が全体に流れています。
領域「人間関係」の内容の取扱い(要旨)| 番号 | テーマ | キーワード(要領の文言) |
|---|
| (1) | 信頼関係と自分の生活 | 教師との信頼関係、試行錯誤、諦めずにやり遂げることの達成感、見守り |
| (2) | 集団の形成 | 一人一人を生かした集団、自己を発揮、認められる体験 |
| (3) | 協同して遊ぶ | 自ら行動する力、共通の目的が実現する喜び |
| (4) | 道徳性の芽生え | 基本的な生活習慣、相手を尊重、動植物、葛藤やつまずき |
| (5) | 規範意識の芽生え | 思いを主張し折り合いを付ける、きまりの必要性、気持ちを調整する力 |
| (6) | 地域の人・家族 | 高齢者をはじめ地域の人々、人の役に立つ喜び、家族の愛情 |
(1)〜(3) 信頼関係から集団へ
(1)は「教師との信頼関係に支えられて自分自身の生活を確立していくことが人と関わる基盤となる」ことを考慮するよう求めています。幼児が自ら周囲に働き掛けて多様な感情を体験し、「試行錯誤しながら諦めずにやり遂げることの達成感」や「前向きな見通しをもって自分の力で行うことの充実感」を味わえるよう、「幼児の行動を見守りながら適切な援助を行う」ことが教師の役割です。
(2)は「一人一人を生かした集団を形成しながら人と関わる力を育てていく」ことです。集団の中で幼児が自己を発揮し、教師や他の幼児に認められる体験をして、自分のよさや特徴に気付き、自信をもって行動できるようにします。全員を同じに動かす集団ではなく、一人一人が生きる集団です。(3)は、協同して遊ぶようになるために、自ら行動する力を育てるとともに、試行錯誤しながら活動を展開する楽しさや「共通の目的が実現する喜び」を味わえるようにすることです。
(4)(5) 道徳性と規範意識の芽生え
(4)は道徳性の芽生えです。「基本的な生活習慣の形成を図るとともに」、他の幼児との関わりの中で他人の存在に気付き、相手を尊重する気持ちをもって行動できるようにし、「自然や身近な動植物に親しむことなどを通して豊かな心情が育つように」します。そして「人に対する信頼感や思いやりの気持ちは,葛藤やつまずきをも体験し,それらを乗り越えることにより次第に芽生えてくることに配慮すること」とあります。けんかや取り合いを、すぐになくすべきものではなく、育ちの機会として捉える根拠になる一文です。
(5)は規範意識の芽生えです。幼児が教師との信頼関係に支えられて自己を発揮する中で、「互いに思いを主張し,折り合いを付ける体験をし,きまりの必要性などに気付き,自分の気持ちを調整する力が育つように」します。きまりを先に与えて守らせるより、体験を通して必要性に気付くことが重視されています。
(6) 地域の人々と家族
(6)は、高齢者をはじめ地域の人々などと触れ合い、「自分の感情や意志を表現しながら共に楽しみ,共感し合う体験」を通して親しみをもち、「人と関わることの楽しさや人の役に立つ喜び」を味わえるようにすることです。また、生活を通して親や祖父母などの家族の愛情に気付き、家族を大切にしようとする気持ちが育つようにします。
教師の役割と特別な配慮
総則(第4の3(7))は、幼児の主体的な活動を促すために、教師が「理解者,共同作業者など様々な役割を果たし」、場面に応じて適切な指導を行うよう求めています。また総則第5の2は、海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児について、「安心して自己を発揮できるよう配慮するなど個々の幼児の実態に応じ,指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行う」としています。人と関わる力を育てるうえで、言葉の違いがある幼児が安心できる関係づくりは大切です。障害のある幼児への指導など特別支援の一般論は教職・一般教養ラボで学べます。
指導の例
5歳児の2人が砂場でシャベルを取り合っている場面を考えます。教師はすぐに取り上げたり、教師がきまりを決めて渡したりするのではなく、まず2人の気持ちを受け止め、互いの思いを言葉で伝え合えるよう仲立ちします。「順番に使う」「別の道具で一緒に山を作る」など、2人が折り合いを付ける方法を見つけられたら、その工夫を認めます((4)(5))。学級で大きな作品を作る活動では、共通の目的に向けて役割を分け合う姿を支えます((3))。
用語
- 試行錯誤
- いろいろやってみて、うまくいかなければやり方を変えながら進めること。
- 葛藤
- 自分の思いと相手の思いがぶつかったり、心の中で迷ったりする状態。
- 折り合いを付ける
- 互いの思いを出し合ったうえで、双方が受け入れられる形を見つけること。
- 仲立ち
- 幼児同士の間に入り、気持ちを伝え合えるよう橋渡しをすること。
例題
例題:要領によると、人に対する信頼感や思いやりの気持ちは、どのようにして芽生えてくるとされていますか。
答えと考え方 「葛藤やつまずきをも体験し,それらを乗り越えることにより次第に芽生えてくる」とされています。トラブルを避けさせるだけでは育ちにくい、という考え方です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)(第1章第4の3(7)・第5の2、第2章「人間関係」)
確認問題(35問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|「健康」の目標
幼稚園教育要領の領域「健康」の冒頭に〔 〕で示されている文として、正しいものはどれか。
- 他の人々と親しみ,支え合って生活するために,自立心を育て,人と関わる力を養う。
- 健康な心と体を育て,自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。
- 周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり,それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。
- 健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図る。
正解と解説
正解:B. 健康な心と体を育て,自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。「健康な心と体を育て,自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。」が領域「健康」の文言です。「他の人々と親しみ…」は領域「人間関係」、「周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって…」は領域「環境」の文言です。「身体諸機能の調和的発達を図る」は学校教育法第23条第1号の目標で、要領の領域の文言ではありません。
根拠:学校教育法(e-Gov法令検索)、文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問2|「ねらい」の定義
幼稚園教育要領第2章の冒頭で、「ねらい」はどのように説明されているか。
- 幼児の発達を踏まえた指導を行うに当たって留意すべき事項
- 幼稚園教育において育みたい資質・能力を幼児の生活する姿から捉えたもの
- 幼稚園修了までに一人一人が必ず到達すべき具体的な達成基準
- ねらいを達成するために教師が指導する事項を具体的に並べたもの
正解と解説
正解:B. 幼稚園教育において育みたい資質・能力を幼児の生活する姿から捉えたものねらいは「幼稚園教育において育みたい資質・能力を幼児の生活する姿から捉えたもの」です。「ねらいを達成するために指導する事項」は「内容」の説明、「指導を行うに当たって留意すべき事項」は「内容の取扱い」の説明です。ねらいは生活の全体を通じて次第に達成に向かうもので、全員が到達すべき達成基準ではありません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問3|領域と総合的な指導
幼稚園教育要領の「領域」についての説明として、適切なものはどれか。
- 内容は,幼児が環境に関わって展開する具体的な活動を通して総合的に指導される。
- 領域ごとに時間を区切り,小学校の教科のように別々の時間に指導する。
- ねらいは領域ごとに順番に扱い,学期ごとに1つずつ達成させていく。
- 各園が独自の内容を加えることは認められず,示された内容だけを扱う。
正解と解説
正解:A. 内容は,幼児が環境に関わって展開する具体的な活動を通して総合的に指導される。要領は、内容は「幼児が環境に関わって展開する具体的な活動を通して総合的に指導される」ものだとしています。領域は小学校の教科とは違い、時間を区切って別々に教えるものではありません。ねらいは生活の全体を通じて「相互に関連をもちながら次第に達成に向かう」もので、学期ごとに1つずつ達成させるものではありません。特に必要な場合は、ねらいの趣旨に基づいて具体的な内容を加えても差し支えないとされています(幼稚園教育の基本を逸脱しないよう慎重な配慮が必要)。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問4|「健康」のねらい
幼稚園教育要領の領域「健康」の「ねらい」として示されているものはどれか。
- 伸び伸びと体を動かし,はう,歩くなどの運動をしようとする。
- 自分の体を十分に動かし,進んで運動しようとする。
- 自分の体を十分に動かし,様々な動きをしようとする。
- 幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう。
正解と解説
正解:B. 自分の体を十分に動かし,進んで運動しようとする。「自分の体を十分に動かし,進んで運動しようとする。」が要領の健康のねらい(2)です。「様々な動きをしようとする」は保育所保育指針の1歳以上3歳未満児の健康のねらい、「はう,歩くなどの運動をしようとする」は乳児保育の視点「健やかに伸び伸びと育つ」のねらいです。「幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう」は領域「人間関係」のねらいです。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)、保育所保育指針(平成29年告示、こども家庭庁掲載)
問5|「健康」の内容
幼稚園教育要領の領域「健康」の「内容」として示されているものはどれか。
- 進んで戸外で遊ぶ。
- 共同の遊具や用具を大切にし,皆で使う。
- 自分でできることは自分でする。
- 便器での排泄に慣れ,自分で排泄ができるようになる。
正解と解説
正解:A. 進んで戸外で遊ぶ。「進んで戸外で遊ぶ。」は健康の内容(3)です。「自分でできることは自分でする。」と「共同の遊具や用具を大切にし,皆で使う。」は領域「人間関係」の内容です(健康の内容(7)は「身の回りを清潔にし,衣服の着脱,食事,排泄などの生活に必要な活動を自分でする。」で、文言が違います)。「便器での排泄に慣れ…」は保育所保育指針の1歳以上3歳未満児の健康の内容です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)、保育所保育指針(平成29年告示、こども家庭庁掲載)
問6|食に関する内容
幼稚園教育要領の領域「健康」の内容のうち、食に関するものとして正しいものはどれか。
- 好き嫌いをせずに,出されたものを残さず食べる習慣を身に付ける。
- 食べ物の栄養の働きを知り,自分で献立を考えて選んで食べる。
- 先生や友達と食べることを楽しみ,食べ物への興味や関心をもつ。
- 様々な食品や調理形態に慣れ,ゆったりとした雰囲気の中で食事や間食を楽しむ。
正解と解説
正解:C. 先生や友達と食べることを楽しみ,食べ物への興味や関心をもつ。要領の健康の内容(5)は「先生や友達と食べることを楽しみ,食べ物への興味や関心をもつ。」です。「残さず食べる」ことや「栄養の働きを知り献立を考える」ことは要領の内容にはありません。要領は食べる楽しさや興味を重視しています。「様々な食品や調理形態に慣れ…」は保育所保育指針の1歳以上3歳未満児の健康の内容です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)、保育所保育指針(平成29年告示、こども家庭庁掲載)
問7|学校教育法第23条と「健康」
学校教育法第23条が掲げる幼稚園教育の目標のうち、領域「健康」と最も深く関わるものはどれか。
- 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度を養うこと。
- 健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。
- 音楽、身体による表現、造形等に親しむことを通じて、豊かな感性と表現力の芽生えを養うこと。
- 集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身近な人への信頼感を深めること。
正解と解説
正解:B. 健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。第23条第1号「健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。」が領域「健康」の土台です。「集団生活を通じて…」は第2号で人間関係、「身近な社会生活、生命及び自然…」は第3号で環境に関わります。「身体による表現」を含む目標は第5号で、主に表現の領域に関わります。「身体」という語だけで選ばないようにしましょう。
根拠:学校教育法(e-Gov法令検索)、文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問8|10の姿の位置付け
幼稚園教育要領の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の説明として、適切なものはどれか。
- 修了までに一人一人が到達したかどうかを判定するために用いる評定の基準
- 5つの領域とは別に,修了前の時期に特別な時間を設けて指導する10の項目
- 資質・能力が育まれている幼児の修了時の具体的な姿であり,教師が指導を行う際に考慮するもの
- 領域「健康」と「人間関係」のねらいだけから導かれた,修了時の生活習慣の一覧
正解と解説
正解:C. 資質・能力が育まれている幼児の修了時の具体的な姿であり,教師が指導を行う際に考慮するもの要領は、10の姿を「ねらい及び内容に基づく活動全体を通して資質・能力が育まれている幼児の幼稚園修了時の具体的な姿であり,教師が指導を行う際に考慮するもの」としています。到達したかを判定する評定基準ではありません。5領域全体のねらい及び内容に基づく活動全体から導かれるもので、健康と人間関係だけのものではなく、領域とは別の時間を設けて指導する項目でもありません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問9|10の姿「健康な心と体」
「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の「健康な心と体」の文言として、正しいものはどれか。
- しなければならないことを自覚し,自分の力で行うために考えたり,工夫したりしながら,諦めずにやり遂げるようになる。
- 決められた運動に毎日取り組み,体力や運動能力を高め,病気にかからない丈夫な体をつくり,健康な生活を送るようになる。
- 充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ,見通しをもって行動し,自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。
- 友達と関わる中で,互いの思いや考えなどを共有し,共通の目的の実現に向けて,協力し,充実感をもってやり遂げるようになる。
正解と解説
正解:C. 充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ,見通しをもって行動し,自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。「健康な心と体」は「幼稚園生活の中で,充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ,見通しをもって行動し,自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。」です。「決められた運動に毎日取り組み体力を高める」という文言は要領にありません。「しなければならないことを自覚し…諦めずにやり遂げる」は「自立心」、「互いの思いや考えなどを共有し,共通の目的の実現に向けて…」は「協同性」の文言です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問10|取扱い(1)の基盤
領域「健康」の内容の取扱い(1)が、しなやかな心と体の発達を促す基盤として挙げているものはどれか。
- 教師や他の幼児との温かい触れ合いの中で自己の存在感や充実感を味わうこと
- 決まった体操を毎朝同じ時間に繰り返し,体の動きを覚えること
- 年齢ごとに定めた運動能力の基準を学級の全員が満たしていくこと
- 体力テストの記録を定期的に測り,友達と比べて競い合うこと
正解と解説
正解:A. 教師や他の幼児との温かい触れ合いの中で自己の存在感や充実感を味わうこと取扱い(1)は、心と体の健康が相互に密接に関連することを踏まえ、「教師や他の幼児との温かい触れ合いの中で自己の存在感や充実感を味わうことなどを基盤として」しなやかな心と体の発達を促すとしています。年齢別の運動能力基準を全員に満たさせることや、記録を比べて競わせること、決まった体操の反復は、要領が基盤として挙げるものではありません。特に「自ら体を動かそうとする意欲」を育てることが求められています。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問11|取扱い(2)の文言
領域「健康」の内容の取扱い(2)の文言「様々な遊びの中で,幼児が興味や関心,能力に応じて全身を使って活動することにより,体を動かす楽しさを味わい,( )気持ちが育つようにすること」の空欄に入る語句はどれか。
- 自分の体を大切にしようとする
- 体力や運動能力を高めようとする
- 決められた運動を最後まで続けようとする
- 友達に負けないように頑張ろうとする
正解と解説
正解:A. 自分の体を大切にしようとする空欄には「自分の体を大切にしようとする」が入ります。取扱い(2)は続けて「その際,多様な動きを経験する中で,体の動きを調整するようにすること」としています。友達との勝ち負けや、決められた運動の継続、体力の向上を目的とする文言は、要領のこの項目にはありません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問12|戸外遊びと環境の工夫
領域「健康」の内容の取扱い(3)が、幼児の興味や関心が戸外にも向くようにする際に工夫するよう求めているものはどれか。
- 天候に関係なく毎日決まった時間の戸外活動
- 年齢別に定めた遊具の数と使用時間の基準
- 教師の合図で一斉に行う園庭での体操の時間
- 幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置
正解と解説
正解:D. 幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置取扱い(3)は、自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶことで体の諸機能の発達が促されることに留意し、「その際,幼児の動線に配慮した園庭や遊具の配置などを工夫すること」としています。天候に関係なく決まった時間外に出すこと、遊具の数や時間の基準、一斉の体操は、この項目で求められている工夫ではありません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問13|食育の指導
4歳児のAさんは野菜が苦手で、お弁当の時間に野菜を残しがちである。幼稚園教育要領の領域「健康」の内容の取扱いに照らして、最も適切な関わりはどれか。
- 食べる習慣を早く身に付けられるよう,野菜を全部食べ終わるまでは席を立たないように伝える。
- 嫌な思いをさせないよう,保護者に頼んで野菜をお弁当に入れないようにしてもらう。
- 和やかな雰囲気で友達と食べる楽しさを大切にし,学級で育てた野菜に触れるなど食べ物への関心を広げる。
- 学級全員の食べた量を表にして掲示し,友達と比べることで食べる意欲を高める。
正解と解説
正解:C. 和やかな雰囲気で友達と食べる楽しさを大切にし,学級で育てた野菜に触れるなど食べ物への関心を広げる。取扱い(4)は、和やかな雰囲気の中で教師や他の幼児と食べる喜びや楽しさを味わったり、様々な食べ物への興味や関心をもったりして、「進んで食べようとする気持ちが育つように」するとしています。食べ終わるまで席を立たせない方法は楽しさを損ないます。野菜を入れないようにするだけでは様々な食べ物への関心は広がりません。食べた量を掲示して比べることは、和やかな雰囲気とは逆の方向です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問14|基本的な生活習慣
領域「健康」の内容の取扱い(5)にある、基本的な生活習慣の形成についての考え方として、適切なものはどれか。
- 入園直後から全員に同じ手順を一斉に教え,できるようになるまで繰り返して身に付けさせる。
- 家庭での生活経験に配慮し,他の幼児と関わりながら主体的な活動を展開する中で身に付けるようにする。
- 幼児が困らないよう,身の回りのことは当面すべて教師が代わりに行うようにする。
- 生活習慣は家庭のしつけが担うものなので,幼稚園では教育の内容として扱わない。
正解と解説
正解:B. 家庭での生活経験に配慮し,他の幼児と関わりながら主体的な活動を展開する中で身に付けるようにする。取扱い(5)は、「家庭での生活経験に配慮し,幼児の自立心を育て,幼児が他の幼児と関わりながら主体的な活動を展開する中で,生活に必要な習慣を身に付け,次第に見通しをもって行動できるようにすること」としています。家庭の経験は一人一人違うので、一斉に同じ手順を繰り返させる方法は合いません。生活習慣は健康の内容(6)(7)にもあり、幼稚園で扱わないということはありません。教師がすべて代わりに行うと、自立心が育ちません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問15|安全に関する指導
領域「健康」の内容の取扱い(6)の安全に関する指導の考え方として、適切なものはどれか。
- 交通安全は小学校で扱う内容なので,幼稚園では避難訓練だけを行う。
- 安全のきまりを紙に書いて読み聞かせ,すべて暗記できるまで繰り返させる。
- 危険につながる遊具はすべて撤去し,危険に出会わない環境を何より優先する。
- 情緒の安定を図り,遊びを通して安全についての構えを身に付けるようにする。
正解と解説
正解:D. 情緒の安定を図り,遊びを通して安全についての構えを身に付けるようにする。取扱い(6)は「情緒の安定を図り,遊びを通して安全についての構えを身に付け,危険な場所や事物などが分かり,安全についての理解を深めるようにすること」としています。危険を完全に取り除くことを最優先する考え方では、自分で気を付ける構えが育ちにくくなります。きまりの暗記は「遊びを通して」とは違う方法です。同じ項目に「交通安全の習慣を身に付けるようにする」とあり、避難訓練などとともに幼稚園で扱います。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問16|幼児期運動指針の時間
文部科学省「幼児期運動指針」(平成24年3月)が示す、幼児が楽しく体を動かす時間の目安はどれか。
- 週3日以上,1回60分以上
- 毎日,合計90分以上
- 毎日,合計30分以上
- 毎日,合計60分以上
正解と解説
正解:D. 毎日,合計60分以上幼児期運動指針は「幼児が様々な遊びを中心に、毎日、合計60分以上、楽しく体を動かすことが望ましい」としています。30分や90分ではなく、「週3日」という形でもありません。「合計」なので、一度に続けて60分でなくてもよい点もポイントです。
根拠:文部科学省「幼児期運動指針」(平成24年3月)
問17|幼児期運動指針のポイント
文部科学省「幼児期運動指針」が「運動の行い方」のポイントとして示しているものはどれか。
- 多様な動きが経験できるように様々な遊びを取り入れること
- 持久力を高めるため,毎日決まった距離を走らせること
- 運動能力テストの結果で目標を決め,記録の更新を目指させること
- 早い時期から1つの種目を決めて繰り返し練習させること
正解と解説
正解:A. 多様な動きが経験できるように様々な遊びを取り入れること指針は「幼児期の運動の在り方」の中の「運動の行い方」で、ポイントとして「多様な動きが経験できるように様々な遊びを取り入れること」「楽しく体を動かす時間を確保すること」「発達の特性に応じた遊びを提供すること」の3つを挙げています。1つの種目の反復練習、テスト結果による目標づくり、決まった距離の持久走は、ポイントとして示されていません。
根拠:文部科学省「幼児期運動指針」(平成24年3月)
問18|3歳児の入園
幼稚園教育要領の総則が、3歳児の入園について求めている配慮として、適切なものはどれか。
- 泣いている幼児は,落ち着くまで一人で別室で過ごさせるようにすること
- 集団に早く慣れるよう,入園初日から5歳児と同じ一日の流れで過ごすこと
- 園での様子だけで判断できるよう,家庭での生活については尋ねないこと
- 家庭との連携を緊密にし,生活のリズムや安全面に十分配慮すること
正解と解説
正解:D. 家庭との連携を緊密にし,生活のリズムや安全面に十分配慮すること総則(教育課程の編成上の留意事項)は「入園当初,特に,3歳児の入園については,家庭との連携を緊密にし,生活のリズムや安全面に十分配慮すること」としています。初日から5歳児と同じ流れにすることは、生活のリズムへの配慮に反します。泣いている幼児を一人で別室に置くことは、健康の内容(1)の「安定感をもって行動する」ことにつながりません。家庭の様子を尋ねないことは、家庭との連携と逆です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問19|「人間関係」の目標
幼稚園教育要領の領域「人間関係」の冒頭に〔 〕で示されている文として、正しいものはどれか。
- 集団生活を通じて,喜んでこれに参加する態度を養い,規範意識の芽生えを養う。
- 健康な心と体を育て,自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。
- 他の人々と親しみ,支え合って生活するために,自立心を育て,人と関わる力を養う。
- 受容的・応答的な関わりの下で,身近な大人との信頼関係を育て,人と関わる力の基盤を培う。
正解と解説
問20|「人間関係」のねらい
幼稚園教育要領の領域「人間関係」の「ねらい」として示されているものはどれか。
- 幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう。
- 周囲の子ども等への興味や関心が高まり,関わりをもとうとする。
- 明るく伸び伸びと行動し,充実感を味わう。
- 身近な人と親しみ,関わりを深め,愛情や信頼感が芽生える。
正解と解説
正解:A. 幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう。「幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう。」が要領の人間関係のねらい(1)です。「身近な人と親しみ,関わりを深め,愛情や信頼感が芽生える。」は保育所保育指針の乳児保育の視点「身近な人と気持ちが通じ合う」のねらいです(要領のねらい(2)は「…一緒に活動する楽しさを味わい,愛情や信頼感をもつ。」で、文末が違います)。「周囲の子ども等への興味や関心が高まり…」は指針の1歳以上3歳未満児のねらいです。「明るく伸び伸びと行動し,充実感を味わう。」は領域「健康」のねらいです。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)、保育所保育指針(平成29年告示、こども家庭庁掲載)
問21|ねらい(3)の文言
幼稚園教育要領の領域「人間関係」のねらい(3)はどれか。
- 地域社会の仕組みを理解し,自分の言葉で説明する。
- 公共の施設の使い方を覚え,一人で利用できるようになる。
- 集団のきまりを守り,教師の指示に従って行動する。
- 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。
正解と解説
正解:D. 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。ねらい(3)は「社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。」です。「教師の指示に従って行動する」という文言は要領にありません。要領は、きまりの必要性に幼児自身が気付くことを重視しています。地域社会の仕組みを説明することは幼児期のねらいとして示されていません。公共の施設を大切に利用することは10の姿「社会生活との関わり」に含まれますが、「一人で利用できる」というねらいではありません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問22|内容の項目数
幼稚園教育要領で、領域「健康」と領域「人間関係」の「内容」として示されている項目数の組合せとして、正しいものはどれか。
- 健康 13項目・人間関係 10項目
- 健康 12項目・人間関係 13項目
- 健康 10項目・人間関係 13項目
- 健康 10項目・人間関係 10項目
正解と解説
正解:C. 健康 10項目・人間関係 13項目要領の内容は、健康が(1)〜(10)の10項目、人間関係が(1)〜(13)の13項目です。人間関係の13項目は5領域の中で最も多い数です(環境は12項目、言葉は10項目、表現は8項目)。ねらいはどちらも3項目です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問23|内容(6)の領域
「自分の思ったことを相手に伝え,相手の思っていることに気付く。」は、幼稚園教育要領のどの領域の「内容」か。
- 表現
- 人間関係
- 言葉
- 健康
正解と解説
正解:B. 人間関係この文は領域「人間関係」の内容(6)です。「伝える」という言葉から「言葉」や「表現」と考えがちですが、相手の思いに気付くという人との関わりの面から示されています。領域は発達の側面からの整理なので、1つの姿が複数の領域に関わることがあります。健康の内容には、この文はありません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問24|学校教育法第23条第2号
学校教育法第23条第2号「集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身近な人への信頼感を深め、自主、自律及び協同の精神並びに( )の芽生えを養うこと。」の空欄に入る語はどれか。
- 公共の精神
- 思考力
- 規範意識
- 道徳心
正解と解説
問25|10の姿「協同性」
「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の「協同性」の説明として、正しいものはどれか。
- 友達と関わる中で,互いの思いや考えなどを共有し,共通の目的の実現に向けて,考えたり,工夫したり,協力したりし,充実感をもってやり遂げるようになる。
- しなければならないことを自覚し,自分の力で行うために考えたり,工夫したりしながら,諦めずにやり遂げることで達成感を味わい,自信をもって行動するようになる。
- 地域の身近な人と触れ合う中で,人との様々な関わり方に気付き,相手の気持ちを考えて関わり,自分が役に立つ喜びを感じ,地域に親しみをもつようになる。
- 友達と様々な体験を重ねる中で,してよいことや悪いことが分かり,自分の行動を振り返ったり,友達の気持ちに共感したりし,相手の立場に立って行動するようになる。
正解と解説
正解:A. 友達と関わる中で,互いの思いや考えなどを共有し,共通の目的の実現に向けて,考えたり,工夫したり,協力したりし,充実感をもってやり遂げるようになる。「協同性」は「友達と関わる中で,互いの思いや考えなどを共有し,共通の目的の実現に向けて…充実感をもってやり遂げるようになる。」です。「しなければならないことを自覚し…」は「自立心」、「してよいことや悪いことが分かり…」は「道徳性・規範意識の芽生え」、「地域の身近な人と触れ合う中で…」は「社会生活との関わり」の文言です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問26|10の姿:きまりと折り合い
「きまりを守る必要性が分かり,自分の気持ちを調整し,友達と折り合いを付けながら,きまりをつくったり,守ったりするようになる。」という記述を含む「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」はどれか。
- 社会生活との関わり
- 協同性
- 自立心
- 道徳性・規範意識の芽生え
正解と解説
正解:D. 道徳性・規範意識の芽生えこの記述は「道徳性・規範意識の芽生え」の後半です。「協同性」は共通の目的に向けて協力しやり遂げる姿、「自立心」は自分の力で諦めずにやり遂げる姿、「社会生活との関わり」は家族や地域の人との関わり、情報の活用、公共の施設を大切に利用することなどを示す姿で、きまりづくりの記述は含みません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問27|保育所保育指針との比較
領域「人間関係」について、幼稚園教育要領と保育所保育指針(平成29年告示)を比べた説明として、適切なものはどれか。
- 保育所保育指針には「人間関係」という領域がなく,「養護」の中で人との関わりを扱っている。
- 3歳以上児のねらい・内容はほぼ同じ文言で,「先生」が「保育士等」,「幼稚園」が「保育所」などになっている。
- 保育所保育指針は,3歳以上児についても領域を用いず,3つの視点でねらいを示している。
- 保育所保育指針の3歳以上児の内容には,高齢者など地域の人々との関わりが含まれていない。
正解と解説
正解:B. 3歳以上児のねらい・内容はほぼ同じ文言で,「先生」が「保育士等」,「幼稚園」が「保育所」などになっている。保育所保育指針の3歳以上児の人間関係は、要領とほぼ同じ文言で、「先生」が「保育士等」、「幼稚園」が「保育所」、「幼児」が「子ども」などになっています。3つの視点で示すのは乳児保育だけで、1歳以上と3歳以上は5領域です。指針にも「人間関係」の領域があります。指針の3歳以上児の内容にも「高齢者をはじめ地域の人々など…に親しみをもつ」が含まれています。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)、保育所保育指針(平成29年告示、こども家庭庁掲載)
問28|取扱い(1)の基盤
領域「人間関係」の内容の取扱い(1)の文言「( )に支えられて自分自身の生活を確立していくことが人と関わる基盤となることを考慮し」の空欄に入る語句はどれか。
- 学級で決めたきまり
- 保護者からの指示
- 教師との信頼関係
- 友達との競い合い
正解と解説
正解:C. 教師との信頼関係空欄は「教師との信頼関係」です。取扱い(1)は続けて、幼児が自ら周囲に働き掛けて多様な感情を体験し、試行錯誤しながら諦めずにやり遂げる達成感などを味わえるよう、「幼児の行動を見守りながら適切な援助を行う」としています。友達との競い合い、保護者の指示、学級のきまりは、この文の基盤として書かれていません。取扱い(5)でも「教師との信頼関係に支えられて自己を発揮する」とあり、教師との信頼関係が繰り返し強調されています。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問29|集団の形成
領域「人間関係」の内容の取扱い(2)が示す、集団の形成についての考え方として、適切なものはどれか。
- 集団としてのまとまりを優先し,全員が同じ時に同じ行動をとれるように指導する。
- 自己主張の強い幼児は集団から離し,落ち着くまで個別の活動で過ごさせるようにする。
- 一人一人の個性を守るため,集団での活動はできるだけ減らして個人の遊びを中心にする。
- 一人一人を生かした集団を形成し,幼児が自己を発揮して教師や他の幼児に認められる体験ができるようにする。
正解と解説
正解:D. 一人一人を生かした集団を形成し,幼児が自己を発揮して教師や他の幼児に認められる体験ができるようにする。取扱い(2)は「一人一人を生かした集団を形成しながら人と関わる力を育てていくようにすること」とし、幼児が自己を発揮し、教師や他の幼児に認められる体験をして、自分のよさや特徴に気付き自信をもって行動できるようにするとしています。全員に同じ行動をとらせる集団は「一人一人を生かした」集団とは違います。自己主張の強い幼児を集団から離すことは、自己を発揮して認められる体験の機会を奪います。集団での活動を減らすことも、集団の中で人と関わる力を育てるという考え方と合いません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問30|葛藤とトラブルへの対応
5歳児のBさんとCさんが、砂場で1つのシャベルを取り合っている。幼稚園教育要領の領域「人間関係」の内容の取扱いに照らして、最も適切な教師の関わりはどれか。
- 取り合いが起きないよう,すぐにシャベルを人数分用意して二人に1つずつ渡し,その場を収める。
- けんかになった道具は使えないことにして,二人からシャベルを預かり,その日は使わせない。
- 先に手にしていた子が使うというきまりを教師が決めて伝え,後から来た子には別の遊びを勧める。
- 二人の気持ちをそれぞれ受け止め,互いの思いを伝え合えるよう仲立ちし,折り合いの付け方を一緒に考える。
正解と解説
正解:D. 二人の気持ちをそれぞれ受け止め,互いの思いを伝え合えるよう仲立ちし,折り合いの付け方を一緒に考える。取扱い(4)は、人に対する信頼感や思いやりの気持ちは「葛藤やつまずきをも体験し,それらを乗り越えることにより次第に芽生えてくる」としています。取扱い(5)は、「互いに思いを主張し,折り合いを付ける体験」を通してきまりの必要性に気付き、自分の気持ちを調整する力が育つようにするとしています。すぐに道具をそろえて収める方法や、教師がきまりを決めて渡す方法では、その体験の機会がなくなります。道具を取り上げる方法は、気持ちを受け止めることにも、折り合いを付ける体験にもつながりません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問31|道徳性の芽生え
領域「人間関係」の内容の取扱い(4)が、道徳性の芽生えを培うに当たって示しているものとして、適切なものはどれか。
- きまりを破った幼児にはその場で罰を与え,してはいけないことを体で覚えられるようにする。
- 基本的な生活習慣の形成を図るとともに,自然や身近な動植物に親しむことなどを通して豊かな心情が育つようにする。
- 善悪を教える物語を毎日読み聞かせ,そこから分かる教訓を言葉で覚えられるようにする。
- 道徳の時間を週に1回設け,決まった教材に沿って正しい行動を一斉に指導するようにする。
正解と解説
正解:B. 基本的な生活習慣の形成を図るとともに,自然や身近な動植物に親しむことなどを通して豊かな心情が育つようにする。取扱い(4)は「基本的な生活習慣の形成を図るとともに」、他の幼児との関わりの中で他人の存在に気付き相手を尊重する気持ちをもって行動できるようにし、「自然や身近な動植物に親しむことなどを通して豊かな心情が育つようにすること」としています。教訓を言葉で覚えさせること、罰で覚えさせること、週1回の道徳の時間を設けることは、この項目に示されていません。幼稚園には小学校のような「特別の教科 道徳」の時間はありません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問32|規範意識の芽生え
領域「人間関係」の内容の取扱い(5)の文言「幼児が教師との信頼関係に支えられて自己を発揮する中で,互いに思いを主張し,( )体験をし,きまりの必要性などに気付き,自分の気持ちを調整する力が育つようにすること」の空欄に入る語句はどれか。
- 折り合いを付ける
- 教師に判断を任せる
- 相手に譲る
- きまりを覚える
正解と解説
正解:A. 折り合いを付ける空欄は「折り合いを付ける」です。互いに思いを主張したうえで、双方が受け入れられる形を見つける体験が、きまりの必要性への気付きと気持ちを調整する力につながる、という考え方です。いつも相手に譲るだけでは自分の思いを主張する体験になりません。教師に判断を任せることやきまりを覚えることは、この文の言葉ではありません。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問33|地域の人との交流
5歳児の学級で、近くの高齢者施設を訪ねる交流を計画している。幼稚園教育要領の領域「人間関係」の内容の取扱い(6)に照らして、最も適切な考え方はどれか。
- 発表会として歌を正確に披露することを目的に,当日まで繰り返し練習を重ねる。
- 幼児の負担にならないよう,直接会わずに手紙のやり取りだけで交流を済ませる。
- 幼児が自分の感情や意志を表現しながら共に楽しみ,共感し合う体験になるようにする。
- 失礼のないよう高齢者への接し方を細かく決めておき,その通りに振る舞うよう指導する。
正解と解説
正解:C. 幼児が自分の感情や意志を表現しながら共に楽しみ,共感し合う体験になるようにする。取扱い(6)は、高齢者をはじめ地域の人々などと触れ合い、「自分の感情や意志を表現しながら共に楽しみ,共感し合う体験を通して」親しみをもち、人と関わる楽しさや人の役に立つ喜びを味わえるようにするとしています。歌を正確に披露することが目的になると、共に楽しむ体験から離れます。接し方を細かく決めてその通りにさせると、自分の感情や意志を表現できません。手紙だけでは「触れ合い」の体験になりにくくなります。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問34|教師の役割
幼稚園教育要領の総則(指導計画の作成上の留意事項)は、幼児の主体的な活動を促すために、教師が果たす様々な役割の例をどう示しているか。
- 理解者,共同作業者など
- 指示者,評価者など
- 審判,記録者など
- 管理者,監督者など
正解と解説
正解:A. 理解者,共同作業者など総則は「教師は,理解者,共同作業者など様々な役割を果たし,幼児の発達に必要な豊かな体験が得られるよう,活動の場面に応じて,適切な指導を行うようにすること」としています。指示者・評価者、管理者・監督者、審判・記録者という言葉は示されていません。人間関係の取扱い(1)の「見守りながら適切な援助を行う」ともつながる考え方です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
問35|日本語の習得に困難のある幼児
4歳児学級に、日本語がまだあまり話せない外国籍のDさんが入園した。幼稚園教育要領の総則に照らして、最も適切な対応はどれか。
- 担任一人の工夫に任せ,園全体の指導計画には位置付けずに様子を見るようにする。
- 安心して自己を発揮できるよう配慮し,個々の実態に応じた指導内容や方法の工夫を組織的かつ計画的に行う。
- 早く日本語に慣れるよう,園では家庭で使う言葉を話さないように本人と保護者に求める。
- 日本語が話せるようになるまでは学級の活動から外し,別室での個別の日本語指導だけを行う。
正解と解説
正解:B. 安心して自己を発揮できるよう配慮し,個々の実態に応じた指導内容や方法の工夫を組織的かつ計画的に行う。総則第5の2は、海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児について、「安心して自己を発揮できるよう配慮するなど個々の幼児の実態に応じ,指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行う」としています。学級の活動から外すと、友達と関わる機会が失われます。担任一人に任せることは「組織的かつ計画的に」と合いません。家庭の言葉を禁じることは、安心して自己を発揮できるようにする配慮と逆です。
根拠:文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
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※ 解説は学習用の情報提供です。認定試験・採用選考の受験資格や実施方法は、必ず文部科学省・受験する自治体の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。幼稚園教育要領は平成29年告示のもの(2026年10月時点)です。