仮の宿 学習室

第二種電気工事士 ELECTRICIAN CLASS 2

【第一種】自家用電気工作物の施工と検査

講義 2 本・確認問題 25 問 | 第一種の追加分(受電設備・発電と送配電・自家用の施工と検査・法令と高圧の配線図) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 高圧の施工方法と接地工事
  2. 竣工検査:絶縁耐力試験・継電器試験・接地抵抗
  3. 確認問題(25問)
  4. 演習ツール

1. 高圧の施工方法と接地工事

自家用電気工作物の高圧の配線・地中電線路・引込線・機械器具の施設方法と、A種〜D種接地工事の値を、電気設備の技術基準の解釈の条文で学びます。

この章は第一種電気工事士の学科試験のための追加章です。第一種では、工場やビルなどの自家用電気工作物(じかようでんきこうさくぶつ)の工事も扱います。自家用電気工作物の多くは、電力会社から高圧(こうあつ)で電気を受けます。電気設備に関する技術基準を定める省令第2条は、交流では600V以下を低圧、600Vを超え7,000V以下を高圧、7,000Vを超えるものを特別高圧と区分しています。高圧の受電では6,600Vがよく使われます。

この講義の数値は、すべて経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」(以下「解釈」。2026年6月版)の条文で確かめたものです。試験センターは、第一種の「電気工事の施工方法」の範囲を「配線工事の方法」「電気機器、蓄電池及び配線器具の設置工事の方法」「接地工事の方法」などとしています。

注意:高圧の電気は、触れなくても近づくだけで感電することがあり、たいへん危険です。この章は試験の学習のためのものです。電気工事は資格のある人が行います。

高圧屋内配線(解釈第168条)

建物の中の高圧の配線(高圧屋内配線)は、次のどちらかの工事で施設します。

① がいし引き工事(乾燥した場所で、展開した場所に限る) ② ケーブル工事

低圧で使える金属管工事や合成樹脂管工事は、高圧屋内配線の工事方法として挙げられていません。

がいし引き工事(がいしという絶縁物で電線を支える工事)の場合は、接触防護措置を施し、電線の支持点間の距離を6m以下(造営材の面に沿って取り付ける場合は2m以下)、電線相互の間隔を8cm以上、電線と造営材の離隔距離を5cm以上にします。

ケーブル工事の場合、ケーブルを収める管などの防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、ケーブルの被覆に使う金属体にはA種接地工事を施します。ただし、接触防護措置(人が触れないようにする措置)を施す場合はD種接地工事でもよいとされています。

高圧屋内配線が、低圧屋内電線・弱電流電線・水管・ガス管などと接近・交差するときは、離隔距離を15cm以上にします(がいし引き工事の低圧の裸電線の場合は30cm以上)。ケーブル工事なら、耐火性のある堅ろうな隔壁を設ける、耐火性のある堅ろうな管に収める、などの方法もあります。

地中電線路(解釈第120条・第125条)

地中に埋める電線路は、電線にケーブルを使い、管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設します。直接埋設式の埋設深さは、車両などの重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2m以上、その他の場所で0.6m以上です。管路式・直接埋設式の高圧の地中電線路には、物件の名称・管理者名・電圧(需要場所に施設する場合は電圧だけ)を、おおむね2mの間隔で表示します。ただし、需要場所に施設する高圧地中電線路で長さが15m以下のものは表示しなくてもよいとされています。低圧と高圧の地中電線が接近・交差するときは、原則として離隔距離を0.15m以上にします。

高圧架空引込線(解釈第117条・第67条・第68条)

電柱から建物へ空中を通して引き込む高圧の電線を高圧架空引込線といいます。電線には高圧絶縁電線、引下げ用高圧絶縁電線、ケーブルを使います。高さは第68条に準じ、道路を横断する場合は路面上6m以上、鉄道・軌道を横断する場合はレール面上5.5m以上、その他は地表上5m以上です。道路・鉄道の横断や横断歩道橋の上でない場合は、条件を満たせば地表上3.5m以上にできます。

ケーブルを使う場合は、ちょう架用線(ケーブルをつり下げて支える線)で支えます。ハンガーで支える方法では、高圧ではハンガーの間隔を50cm以下にします。ちょう架用線とケーブルの被覆の金属体にはD種接地工事を施します。

高圧の機械器具の施設(解釈第21条・第23条・第37条)

変圧器などの高圧の機械器具は、取扱者以外が出入りできない屋内に置くか、人が触れないように周囲にさく・へいを設けるなどして施設します。さく・へいを設ける場合は、さくの高さとさくから充電部分までの距離の和を5m以上にし、危険である旨を表示します(工場等の構内では、和の規定と表示の規定によらないことができます)。

さく機械器具高さ a距離 b(充電部分まで)a + b ≧ 5m
図 さくの高さaと、さくから充電部分までの距離bの和を5m以上にする(解釈第21条)

高圧用の開閉器・遮断器・避雷器など、動作のときにアーク(火花)を生じるものは、耐火性のもので囲むか、木製の壁や天井など可燃性のものから1m以上離します(第23条)。

避雷器(ひらいき。雷などの異常電圧を大地へ逃がす装置)は、高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力500kW以上の需要場所の引込口などに施設し、A種接地工事を施します(第37条)。

接地工事の種類(解釈第17条・第24条・第28条・第29条)

表 接地工事の種類と主な値(解釈第17条ほかの要点)
種類主な施設箇所接地抵抗値接地線(軟銅線の場合)
A種高圧・特別高圧の機械器具の金属製外箱、避雷器10Ω以下直径2.6mm以上
B種高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側の中性点(低圧側が300V以下で中性点に施し難いときは1端子)原則150/Ig Ω以下直径4mm以上(高圧と低圧を結合する変圧器は2.6mm以上)
C種300Vを超える低圧の機械器具の外箱10Ω以下(0.5秒以内に遮断する装置があれば500Ω以下)直径1.6mm以上
D種300V以下の低圧の機械器具の外箱、高圧計器用変成器の2次側電路100Ω以下(0.5秒以内に遮断する装置があれば500Ω以下)直径1.6mm以上

A種接地工事の接地極や接地線を、人が触れるおそれがある場所に施設するときは、接地極を地下75cm以上の深さに埋め、接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分を合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管とCD管を除く)などで覆います。

計器用変成器(VT・CTなど、高い電圧や大きな電流を計器で測れる大きさに変える機器)の2次側電路には、高圧用ではD種接地工事、特別高圧用ではA種接地工事を施します(第28条)。

B種接地工事の抵抗値の計算

B種接地工事は、変圧器の中で高圧と低圧が触れ合う混触(こんしょく)が起きたとき、低圧側の電圧が上がりすぎないようにするためのものです。接地抵抗値は、高圧側の1線地絡電流Ig〔A〕を使って、次のように決まります(第17条第2項、17-1表)。

・下記以外の場合:150/Ig〔Ω〕以下
・混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えたとき、高圧電路を自動的に遮断する装置があり、遮断時間が1秒を超え2秒以下:300/Ig〔Ω〕以下
・同じく遮断時間が1秒以下:600/Ig〔Ω〕以下

早く遮断できるほど、大きな抵抗値まで認められます。高圧電路のIgを計算式で求めた場合、小数点以下は切り上げ、2A未満なら2Aとします。

例題

例題:高圧電路の1線地絡電流Igが4Aです。混触のとき1秒以内に高圧電路を自動的に遮断する装置があります。B種接地工事の接地抵抗値は何Ω以下にすればよいですか。
答えと考え方 遮断時間が1秒以下なので600/Igを使います。600÷4=150なので、150Ω以下です。遮断装置がなければ150÷4=37.5Ω以下になります。

用語

自家用電気工作物(じかようでんきこうさくぶつ)
工場やビルなど、高圧などで受電する需要設備を含む電気工作物。
がいし引き工事
がいし(磁器などの絶縁物)で電線を支えて配線する工事。
ちょう架用線(ちょうかようせん)
架空のケーブルをつり下げて支えるための線。
混触(こんしょく)
変圧器の中などで、高圧側と低圧側の電路が触れ合うこと。
1線地絡電流(いっせんちらくでんりゅう)
電線の1本が大地とつながったときに流れる電流。B種接地の計算に使う。

根拠:電気技術者試験センター「第一種 学科試験のポイント」、電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov)第2条、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第17条・第21条・第23条・第24条・第28条・第29条・第37条・第67条・第68条・第117条・第120条・第125条・第168条

2. 竣工検査:絶縁耐力試験・継電器試験・接地抵抗

高圧の電路と機械器具の絶縁耐力試験の電圧と時間、試験の手順、継電器試験で確かめることを学びます。

自家用電気工作物の工事が終わったら、電気を送る前に検査をします。試験センターは第一種の「自家用電気工作物の検査方法」の範囲を、「点検の方法」「導通試験の方法」「絶縁抵抗測定及び絶縁耐力試験の方法」「接地抵抗測定の方法」「継電器試験の方法」「温度上昇試験の方法」「試験用器具の性能及び使用方法」としています。第二種の検査(検査方法の章)に、絶縁耐力試験と継電器試験が加わるのが大きな違いです。

最大使用電圧(解釈第1条)

絶縁耐力試験の電圧は、最大使用電圧をもとに決めます。最大使用電圧は「通常の使用状態において電路に加わる最大の線間電圧」です。公称電圧の電路では、使用電圧に次の係数を掛けて求めます(1-1表)。

・使用電圧1,000V以下:1.15倍
・1,000Vを超え500,000V未満:1.15/1.1倍

たとえば公称電圧6,600Vの電路では、6,600×1.15÷1.1=6,900Vが最大使用電圧です。

絶縁耐力試験(解釈第15条)

絶縁耐力試験(ぜつえんたいりょくしけん)は、ふだんより高い電圧を一定の時間加えて、絶縁が破れないかを確かめる試験です。高圧の電路では、絶縁抵抗の値だけでは安全を判断しきれないため、この試験を行います。

最大使用電圧が7,000V以下の交流の電路では、試験電圧は最大使用電圧の1.5倍の交流電圧です。この電圧を電路と大地の間(多心ケーブルでは、心線相互間と心線と大地の間)に連続して10分間加え、これに耐えればよいとされます。

6,600Vの電路なら、6,900×1.5=10,350Vを10分間加えます。

電線にケーブルを使う交流の電路では、交流の試験電圧の2倍の直流電圧を10分間加える方法でもよいとされています。6,600Vのケーブルなら10,350×2=20,700Vの直流です。ケーブルは静電容量が大きく、交流で試験すると大きな充電電流が流れるため、直流で試験する方法が認められています。

機械器具の絶縁耐力(解釈第16条)

変圧器の巻線は、最大使用電圧7,000V以下なら最大使用電圧の1.5倍(500V未満となる場合は500V)を、試験される巻線とほかの巻線・鉄心・外箱の間に10分間加えます。たとえば公称200Vの低圧巻線は、200×1.15×1.5=345Vで500V未満なので、500Vで試験します。

回転機(電動機・発電機。回転変流機を除く)は、最大使用電圧7,000V以下なら1.5倍(500V未満なら500V)を巻線と大地の間に10分間加えます。交流の回転機では、その1.6倍の直流電圧で試験する方法もあります。

表 絶縁耐力試験の要点(最大使用電圧7,000V以下)
対象交流の試験電圧直流で行う場合時間
高圧の電路(第15条)最大使用電圧の1.5倍ケーブルの電路なら交流の試験電圧の2倍連続10分間
変圧器の巻線(第16条)1.5倍(500V未満なら500V)―連続10分間
回転機(第16条)1.5倍(500V未満なら500V)交流の回転機なら交流の試験電圧の1.6倍連続10分間

試験の手順と安全

絶縁耐力試験の前と後に、絶縁抵抗計で絶縁抵抗を測ります。試験の前に測るのは、絶縁が明らかに悪いところに高い電圧を加えないためです。試験の後に測るのは、試験で絶縁がいたんでいないかを確かめるためです。試験中は関係者以外が近づかないように区画し、終わったら接地棒などで残っている電荷を放電してから触れます。ケーブルは電気をためやすいので、放電を忘れると感電のおそれがあります。

交流で試験するとき、電路の静電容量C〔F〕に流れる充電電流は I=2πfCV〔A〕で求められます(fは周波数〔Hz〕、Vは試験電圧〔V〕)。試験用変圧器は、この電流を流せる容量が必要です。

継電器試験

高圧の受電設備には、事故のときに遮断器を動かす保護継電器(ほごけいでんき。リレー)があります。過電流継電器(OCR)は過電流や短絡を、地絡継電器(GR)は地絡を検出します。地絡継電器は、零相変流器(ZCT)で、3本の電線の電流の和(零相電流)を検出します。地絡がなければ3本の電流の和はほぼ0で、地絡があると大地へ流れた分だけ和が0になりません。なお、解釈第36条第4項は、他の者から供給を受ける高圧の受電点の負荷側の電路に、地絡のとき自動的に遮断する装置を施設することを求めています(受電した電気をすべてその受電場所で変成・使用する場合を除く)。

継電器試験では、継電器試験装置で模擬の電流を流し、①設定した値で動作するか(動作電流)、②動作までの時間(動作時間)、③継電器が動作したとき遮断器が実際に開くか(連動試験)を確かめます。

接地抵抗測定と温度上昇試験

接地抵抗は接地抵抗計で測り、前の講義の値(A種10Ω以下など)に合っているかを確かめます。測り方は検査方法の章と同じです。温度上昇試験は、変圧器などに負荷をかけて運転し、温度が上がりすぎないかを確かめる試験です。

例題

例題:公称電圧6,600Vの高圧電路(ケーブル)の絶縁耐力試験を、交流で行うときと直流で行うときの試験電圧と時間を答えてください。
答えと考え方 最大使用電圧は6,600×1.15÷1.1=6,900V。交流は1.5倍の10,350Vを連続10分間。ケーブルなので直流でもよく、その場合は2倍の20,700Vを連続10分間加えます。

用語

最大使用電圧
通常の使用状態で電路に加わる最大の線間電圧。試験電圧のもとになる。
絶縁耐力試験(ぜつえんたいりょくしけん)
決められた高い電圧を一定時間加え、絶縁が耐えるかを確かめる試験。
充電電流(じゅうでんでんりゅう)
ケーブルなどの静電容量に交流電圧を加えたときに流れる電流。
零相変流器(れいそうへんりゅうき)
ZCT。3本の電線の電流の和(零相電流)を検出し、地絡を見つける。
連動試験(れんどうしけん)
継電器の動作で遮断器が実際に開くかを確かめる試験。

根拠:電気技術者試験センター「第一種 学科試験のポイント」、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第1条(1-1表)・第15条(15-1表)・第16条(16-1表・16-2表)・第36条第4項

確認問題(25問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|高圧屋内配線の工事方法

電気設備の技術基準の解釈で、高圧屋内配線の工事方法として認められているものはどれか。

  1. 金属管工事
  2. ケーブル工事
  3. 合成樹脂管工事
  4. 金属ダクト工事
正解と解説
正解:B. ケーブル工事

解釈第168条は、高圧屋内配線を、がいし引き工事(乾燥した場所で展開した場所に限る)またはケーブル工事で施設するとしています。金属管工事・合成樹脂管工事・金属ダクト工事は低圧屋内配線の工事方法で、高圧屋内配線の工事方法には挙げられていません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第168条

問2|高圧ケーブル工事の防護装置の接地

高圧屋内配線をケーブル工事で施設する。ケーブルを収める管の金属製部分には、原則として何種接地工事を施すか(接触防護措置を施さない場合)。

  1. D種接地工事
  2. C種接地工事
  3. B種接地工事
  4. A種接地工事
正解と解説
正解:D. A種接地工事

解釈第168条は、高圧のケーブル工事で、管などの防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、ケーブルの被覆の金属体にA種接地工事を施すとしています。接触防護措置を施す場合に限ってD種でもよいとされます。C種は300Vを超える低圧の機械器具の外箱など、B種は高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側に施すもので、ここでは誤りです。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第168条・第24条・第29条

問3|高圧屋内配線と他の電線の離隔

高圧屋内配線が低圧屋内電線や水管と接近する場合、隔壁や耐火性の管などを使わないときに必要な離隔距離はいくら以上か(低圧側が裸電線でない場合)。

  1. 15cm
  2. 5cm
  3. 30cm
  4. 1m
正解と解説
正解:A. 15cm

解釈第168条第2項は、高圧屋内配線と他の屋内電線・水管・ガス管などとの離隔距離を15cm以上(がいし引き工事の低圧の裸電線なら30cm以上)としています。5cmは高圧のがいし引き工事での電線と造営材の離隔、30cmは相手が裸電線の場合、1mはアークを生じる高圧の開閉器と可燃物の離隔で、いずれもこの場面の値ではありません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第168条第2項

問4|高圧がいし引き工事の間隔

高圧屋内配線をがいし引き工事で施設する。電線相互の間隔と、電線と造営材との離隔距離の組合せとして正しいものはどれか。

  1. 相互6cm以上、造営材2.5cm以上
  2. 相互10cm以上、造営材10cm以上
  3. 相互8cm以上、造営材5cm以上
  4. 相互15cm以上、造営材8cm以上
正解と解説
正解:C. 相互8cm以上、造営材5cm以上

解釈第168条第1項第二号は、高圧のがいし引き工事について、電線相互の間隔を8cm以上、電線と造営材との離隔距離を5cm以上としています。6cm・2.5cm、10cm・10cm、15cm・8cmの組合せは、いずれも条文の値と一致しません(15cmは他の電線や水管などとの離隔の値です)。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第168条第1項第二号

問5|直接埋設式の埋設深さ

高圧の地中電線路を直接埋設式で施設する。車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所での埋設深さは、原則としていくら以上か。

  1. 1.2m
  2. 0.3m
  3. 0.6m
  4. 2.0m
正解と解説
正解:A. 1.2m

解釈第120条第4項は、直接埋設式の地中電線の埋設深さを、重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2m以上、その他の場所で0.6m以上としています。0.6mはその他の場所の値です。0.3m・2.0mは第120条の埋設深さの値ではありません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第120条第4項

問6|高圧機械器具のさく

工場等の構内以外の場所で、高圧の機械器具の周囲にさくを設けて施設する。さくの高さが2mのとき、さくから機械器具の充電部分までの距離は最低いくら必要か。

  1. 1m
  2. 2m
  3. 2.5m
  4. 3m
正解と解説
正解:D. 3m

解釈第21条は、さくの高さと、さくから充電部分までの距離の和を5m以上とするよう求めています。5m−2m=3mなので、距離は3m以上必要です。1mでは和が3m、2mでは4m、2.5mでは4.5mで、いずれも5mに足りません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第21条

問7|アークを生じる器具の離隔

動作時にアークを生じる高圧用の開閉器を、耐火性のもので囲まずに施設する。木製の壁や天井から何m以上離すか。

  1. 0.5m
  2. 1m
  3. 2m
  4. 3m
正解と解説
正解:B. 1m

解釈第23条は、アークを生じる開閉器等を可燃性のものから離す距離を、高圧で1m以上、特別高圧(35,000V以下)で原則2m以上としています。2mは特別高圧の値です。0.5m・3mは23-1表にない値です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第23条(23-1表)

問8|高圧機械器具の外箱の接地

高圧の変圧器の金属製外箱に施す接地工事の種類はどれか。

  1. A種接地工事
  2. B種接地工事
  3. C種接地工事
  4. D種接地工事
正解と解説
正解:A. A種接地工事

解釈第29条(29-1表)は、機械器具の金属製外箱等の接地を、低圧300V以下はD種、低圧300V超はC種、高圧または特別高圧はA種としています。B種は外箱ではなく、高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側の中性点などに施す接地です。C種・D種は低圧の機械器具の外箱に施すものです。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第29条(29-1表)・第24条

問9|A種接地工事の値

A種接地工事の接地抵抗値と、接地線に軟銅線を使う場合の太さの組合せとして正しいものはどれか(移動して使う機器の可とう部分を除く)。

  1. 100Ω以下、直径1.6mm以上
  2. 10Ω以下、直径1.6mm以上
  3. 100Ω以下、直径2.6mm以上
  4. 10Ω以下、直径2.6mm以上
正解と解説
正解:D. 10Ω以下、直径2.6mm以上

解釈第17条第1項は、A種接地工事の接地抵抗値を10Ω以下、接地線を直径2.6mm以上の軟銅線(または引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線)としています。100ΩはD種の値、直径1.6mmはC種・D種の接地線の値なので、それを含む組合せは誤りです。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第17条第1項・第3項・第4項

問10|A種接地線の保護

人が触れるおそれがある場所にA種接地工事の接地線を施設する。接地線を合成樹脂管などで覆う範囲として正しいものはどれか。

  1. 地下30cmから地表上1mまで
  2. 地下75cmから地表上2mまで
  3. 地下60cmから地表上2.5mまで
  4. 地下1mから地表上3mまで
正解と解説
正解:B. 地下75cmから地表上2mまで

解釈第17条第1項第三号は、接地極を地下75cm以上に埋め、接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分を合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管とCD管を除く)などで覆うとしています。ほかの範囲は条文の値と合いません(60cmは接地線にケーブル等を使う規定の「地表上60cm」と混同しやすい値です)。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第17条第1項第三号

問11|計器用変成器の2次側の接地

高圧計器用変成器(VT・CT)の2次側電路に施す接地工事の種類はどれか。

  1. A種接地工事
  2. B種接地工事
  3. C種接地工事
  4. D種接地工事
正解と解説
正解:D. D種接地工事

解釈第28条は、高圧計器用変成器の2次側電路にD種接地工事、特別高圧計器用変成器の2次側電路にA種接地工事を施すとしています。A種は特別高圧の場合、B種は高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側、C種は300Vを超える低圧の機械器具の外箱に施すものです。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第28条

問12|B種接地抵抗の計算(遮断装置なし)

高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側にB種接地工事を施す。高圧側の1線地絡電流Igが5Aで、混触時に高圧電路を自動的に遮断する装置はない。接地抵抗値の上限は何Ωか。

  1. 10Ω
  2. 60Ω
  3. 120Ω
  4. 30Ω
正解と解説
正解:D. 30Ω

遮断装置がない場合、解釈第17条第2項(17-1表)により150/Igを使います。150÷5=30Ωです。60Ωは300/Ig(遮断時間1秒超2秒以下)、120Ωは600/Ig(1秒以下)で計算した値です。10ΩはA種接地工事の値で、B種の計算とは関係ありません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第17条第2項(17-1表)

問13|B種接地抵抗の計算(1秒以内に遮断)

高圧側の1線地絡電流Igが4Aの電路で、混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えたとき、1秒以内に高圧電路を自動的に遮断する装置がある。B種接地工事の接地抵抗値の上限は何Ωか。

  1. 37.5Ω
  2. 75Ω
  3. 150Ω
  4. 600Ω
正解と解説
正解:C. 150Ω

遮断時間が1秒以下なので、解釈第17条第2項(17-1表)の600/Igを使います。600÷4=150Ωです。37.5Ωは150/Ig(遮断装置なし)、75Ωは300/Ig(1秒超2秒以下)の値です。600Ωは式の分子をそのまま答えたもので、Igで割っていません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第17条第2項(17-1表)

問14|避雷器の施設

高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所で、引込口に避雷器の施設が求められるのは受電電力がいくら以上の場合か。また、その避雷器の接地工事の種類はどれか。

  1. 50kW以上、D種接地工事
  2. 500kW以上、C種接地工事
  3. 50kW以上、B種接地工事
  4. 500kW以上、A種接地工事
正解と解説
正解:D. 500kW以上、A種接地工事

解釈第37条は、高圧架空電線路から供給を受ける受電電力500kW以上の需要場所の引込口に避雷器を施設し、高圧・特別高圧の電路の避雷器にはA種接地工事を施すとしています。50kWは条文の値ではなく、B種・C種・D種は避雷器の接地の種類として誤りです。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第37条

問15|高圧架空ケーブルのハンガー

高圧架空引込線にケーブルを使い、ハンガーでちょう架用線に支持する。ハンガーの間隔はいくら以下とするか。

  1. 20cm
  2. 1m
  3. 50cm
  4. 2m
正解と解説
正解:C. 50cm

解釈第117条は高圧架空引込線のケーブルを第67条に準じて施設するとし、第67条は高圧架空電線をハンガーで支持する場合のハンガーの間隔を50cm以下としています。20cmは金属テープをらせん状に巻き付ける方法の間隔、2mは低圧のケーブル工事で造営材に沿って取り付ける場合の支持点間の距離です。1mは第67条の値ではありません(第164条ではキャブタイヤケーブルの支持点間の距離です)。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第117条・第67条・第164条

問16|最大使用電圧の求め方

公称電圧6,600Vの高圧電路の最大使用電圧は何Vか。

  1. 6,600V
  2. 6,900V
  3. 7,590V
  4. 9,900V
正解と解説
正解:B. 6,900V

解釈第1条(1-1表)により、使用電圧1,000Vを超え500,000V未満の電路の最大使用電圧は使用電圧×1.15/1.1です。6,600×1.15÷1.1=6,900Vです。6,600Vは係数を掛けていない値、7,590Vは1.15だけを掛けた値(1,000V以下の係数)、9,900Vは1.5倍した値です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第1条(1-1表)

問17|高圧電路の絶縁耐力試験電圧(交流)

公称電圧6,600Vの高圧電路の絶縁耐力試験を交流で行う。電路と大地の間に加える試験電圧は何Vか。

  1. 10,350V
  2. 9,900V
  3. 8,625V
  4. 20,700V
正解と解説
正解:A. 10,350V

最大使用電圧は6,600×1.15÷1.1=6,900V。解釈第15条(15-1表)により、最大使用電圧7,000V以下の交流の電路は最大使用電圧の1.5倍なので、6,900×1.5=10,350Vです。9,900Vは公称電圧に1.5を掛けた値、8,625Vは1.25倍した値、20,700Vはケーブルを直流で試験する場合の値です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第1条(1-1表)・第15条(15-1表)

問18|ケーブルの直流による試験

公称電圧6,600Vの高圧ケーブルの電路の絶縁耐力試験を直流で行う。試験電圧として正しいものはどれか。

  1. 10,350V
  2. 13,800V
  3. 20,700V
  4. 16,560V
正解と解説
正解:C. 20,700V

解釈第15条第二号は、ケーブルを使う交流の電路では、15-1表の試験電圧の2倍の直流電圧を10分間加えてもよいとしています。交流の試験電圧は6,900×1.5=10,350Vなので、10,350×2=20,700Vです。10,350Vは交流の値そのまま、13,800Vは最大使用電圧の2倍、16,560Vは交流の試験電圧に1.6(回転機の直流試験の倍率)を掛けた値です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第15条(15-1表)・第16条第2項

問19|試験電圧を加える時間

高圧電路の絶縁耐力試験で、試験電圧を加える時間として電気設備の技術基準の解釈に定められているものはどれか。

  1. 連続して1分間
  2. 連続して10分間
  3. 連続して30分間
  4. 合計で10分間(分けてもよい)
正解と解説
正解:B. 連続して10分間

解釈第15条は、試験電圧を電路と大地の間に「連続して10分間」加えたとき、これに耐えることを求めています。1分間・30分間は条文の値ではなく、分けて合計10分とする方法も「連続して」という条件に合いません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第15条

問20|変圧器の低圧巻線の試験電圧

高圧6,600V/低圧200Vの変圧器の、低圧側巻線(公称電圧200V)の絶縁耐力試験電圧は何Vか。

  1. 230V
  2. 300V
  3. 500V
  4. 345V
正解と解説
正解:C. 500V

低圧巻線の最大使用電圧は200×1.15=230V。解釈第16条(16-1表)は最大使用電圧7,000V以下の巻線を1.5倍とし、500V未満となる場合は500Vとしています。230×1.5=345Vで500V未満なので、試験電圧は500Vです。230Vは最大使用電圧そのもの、345Vは最低値500Vの規定を忘れた値、300Vは公称電圧を1.5倍した値です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第1条(1-1表)・第16条(16-1表)

問21|高圧電動機の試験電圧

公称電圧3,300Vの三相誘導電動機の巻線と大地の間に加える、交流の絶縁耐力試験電圧は何Vか。

  1. 3,450V
  2. 4,950V
  3. 5,175V
  4. 8,280V
正解と解説
正解:C. 5,175V

最大使用電圧は3,300×1.15÷1.1=3,450V。解釈第16条第2項(16-2表)は、最大使用電圧7,000V以下の回転機を1.5倍としているので、3,450×1.5=5,175Vです。3,450Vは最大使用電圧そのもの、4,950Vは公称電圧を1.5倍した値、8,280Vは5,175Vを1.6倍した直流試験の値です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第1条(1-1表)・第16条第2項(16-2表)

問22|試験時の充電電流

静電容量0.3μFの高圧ケーブルに、周波数60Hz・10,350Vの交流試験電圧を加える。流れる充電電流はおよそ何Aか(漏れ電流は無視する)。

  1. 0.98A
  2. 0.19A
  3. 2.34A
  4. 1.17A
正解と解説
正解:D. 1.17A

充電電流はI=2πfCVです。I=2×3.14×60×0.3×10⁻⁶×10,350≒1.17Aです。周波数を50Hzとして計算すると0.98A、2πを掛け忘れると約0.19A(60×0.3×10⁻⁶×10,350≒0.19)、直流試験の電圧20,700Vを使うと2.34Aになり、いずれも誤りです。試験用変圧器には、この電流を流せる容量が必要です(目安は10,350V×1.17A≒12.1kVA)。

根拠:交流回路の容量性リアクタンスの公式(I=2πfCV)、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第15条

問23|絶縁耐力試験の手順

高圧ケーブルの絶縁耐力試験の手順として、適切なものはどれか。

  1. 試験の前だけ絶縁抵抗を測り、後は測らない
  2. 試験の前後に絶縁抵抗を測り、試験後は放電してから触れる
  3. 試験後すぐにケーブルに触れて温度を確かめる
  4. 試験電圧を急に加えて、すぐに下げる
正解と解説
正解:B. 試験の前後に絶縁抵抗を測り、試験後は放電してから触れる

試験の前に絶縁抵抗を測るのは、絶縁が明らかに悪いところに高電圧を加えないため、試験の後に測るのは、試験で絶縁がいたんでいないかを確かめるためです。ケーブルは静電容量が大きく電荷が残るので、接地棒などで放電してから触れます。試験前だけの測定では試験後の異常が分かりません。放電せずに触れるのは感電のおそれがあります。試験電圧は解釈第15条により連続して10分間加えるので、すぐに下げる方法は誤りです。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第15条、電気技術者試験センター「第一種 学科試験のポイント」(絶縁抵抗測定及び絶縁耐力試験の方法)

問24|地絡継電器と零相変流器

高圧受電設備の地絡継電器(GR)が地絡を検出するために組み合わせて使う機器と、その機器が検出するものの組合せとして正しいものはどれか。

  1. 零相変流器(ZCT)で、零相電流を検出する
  2. 計器用変圧器(VT)で、線間電圧を検出する
  3. 変流器(CT)で、1本の電線の負荷電流を検出する
  4. 避雷器(LA)で、異常電圧を検出する
正解と解説
正解:A. 零相変流器(ZCT)で、零相電流を検出する

地絡継電器は零相変流器(ZCT)と組み合わせ、3本の電線の電流の和(零相電流)を検出します。地絡がなければ和はほぼ0で、地絡があると大地へ流れた分が現れます。VTは電圧を計器用に変成する機器、CTは過電流継電器などで負荷電流を検出する機器、避雷器は異常電圧を大地へ逃がす機器で、地絡電流の検出には使いません。

電気技術者試験センター「第一種 学科試験のポイント」(継電器試験の方法)、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)(2026年6月版)第36条第4項・第37条

問25|継電器試験で確かめること

高圧受電設備の保護継電器の試験で、継電器が動作したときに遮断器が実際に開くことを確かめる試験を何というか。

  1. 連動試験
  2. 温度上昇試験
  3. 導通試験
  4. 絶縁耐力試験
正解と解説
正解:A. 連動試験

継電器試験では、設定した値で動作するか(動作電流)、動作までの時間(動作時間)を確かめ、さらに継電器の動作で遮断器が実際に開くかを連動試験で確かめます。温度上昇試験は機器を運転して温度の上がり方を見る試験、導通試験は配線がつながっているかを見る試験、絶縁耐力試験は高い電圧に絶縁が耐えるかを見る試験で、いずれも遮断器の動作は確かめません。

電気技術者試験センター「第一種 学科試験のポイント」(継電器試験の方法、温度上昇試験の方法、導通試験の方法)

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。試験の実施方法・出題範囲・合格基準は、必ず電気技術者試験センターの公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。数値は法令・「電気設備の技術基準の解釈」(経済産業省)など公開の一次資料で確かめています。実際の工事は、資格と法令に従って行ってください。