仮の宿 学習室

第二種電気工事士 ELECTRICIAN CLASS 2

【第一種】法令と高圧の配線図

講義 3 本・確認問題 35 問 | 第一種の追加分(受電設備・発電と送配電・自家用の施工と検査・法令と高圧の配線図) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 電気事業法:自家用電気工作物の保安のしくみ
  2. 電気工事士法・電気工事業法:自家用電気工作物の工事
  3. 高圧受電設備の単線結線図を読む
  4. 確認問題(35問)
  5. 演習ツール

1. 電気事業法:自家用電気工作物の保安のしくみ

高圧で受電する工場やビルの電気設備は、設置者が自分で保安を確保するしくみになっています。技術基準の維持、保安規程、電気主任技術者、事故報告を整理します。

dk7で学んだとおり、電気事業法(でんきじぎょうほう)では、一般用電気工作物以外の電気工作物を事業用電気工作物といい、そのうち電気事業に使うもの以外が自家用電気工作物(じかようでんきこうさくぶつ)です(第38条)。6,600Vの高圧で受電する工場・ビル・病院などがこれにあたります。住宅などの一般用電気工作物は、電線路維持運用者が定期的に調査します。これに対して自家用電気工作物には、設置者が自分で保安を確保するしくみが用意されています。第一種電気工事士は、この自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備など)の工事をするので、設置者の側の決まりも知っておきます。

保安の柱:技術基準・保安規程・主任技術者

事業用電気工作物を設置する者のおもな義務(電気事業法、2026年10月時点)
決まり内容
技術基準適合維持(第39条)事業用電気工作物を、主務省令で定める技術基準に適合するように維持する。技術基準は、人体に危害を及ぼさず物件に損傷を与えないこと、他の電気設備などに電気的・磁気的な障害を与えないこと、損壊によって一般送配電事業者などの電気の供給に著しい支障を及ぼさないことなどを確保するものとされる
技術基準適合命令(第40条)技術基準に適合していないと認めるとき、主務大臣は設置者に、修理・改造・移転・使用の一時停止を命じ、または使用を制限できる
保安規程(第42条)工事・維持・運用に関する保安のため、保安を一体的に確保すべき組織ごとに保安規程を定め、使用の開始前に主務大臣に届け出る(使用前自主検査を行うものは工事の開始前)。変更したときは遅滞なく届け出る。設置者とその従業者は保安規程を守る。小規模事業用電気工作物は対象外
主任技術者(第43条)工事・維持・運用に関する保安の監督をさせるため、主任技術者免状を持つ人から主任技術者を選任し、遅滞なく主務大臣に届け出る。解任したときも同じ

主任技術者は保安の監督の職務を誠実に行い、工事・維持・運用に従事する人は、主任技術者が保安のためにする指示に従わなければなりません(第43条第4項・第5項)。第一種電気工事士として高圧受電設備の工事に入るときも、その事業場の電気主任技術者の指示に従います。なお、自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)では、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状のない人を主任技術者に選任することもできます(第43条第2項)。

電気主任技術者の種類と監督できる範囲

主任技術者免状には、第一種・第二種・第三種の電気主任技術者免状のほか、ダム水路主任技術者免状、ボイラー・タービン主任技術者免状があり、経済産業大臣が交付します(第44条)。電気主任技術者が保安の監督をできる範囲は、電気事業法施行規則第56条で決められています。

電気主任技術者が保安の監督をできる範囲(電気事業法施行規則第56条)
免状範囲
第一種電気主任技術者すべての事業用電気工作物(電圧の上限なし)
第二種電気主任技術者電圧17万V未満の事業用電気工作物
第三種電気主任技術者電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5,000kW以上の発電所・蓄電所を除く)

6,600Vで受電するキュービクルの需要設備は5万V未満なので、第三種電気主任技術者でも監督できます。

兼任と外部委託

主任技術者は事業場や設備ごとに選任するのが原則です。1人に2つ以上の事業場・設備の主任技術者を兼ねさせることは原則として禁止で、保安上支障がないとして承認を受けた場合だけ兼任できます(施行規則第52条第4項)。また、7,000V以下で受電する需要設備などは、保安管理業務を外部に委託する契約を結び、経済産業大臣(事業場が1つの産業保安監督部の管轄区域内にあるときは産業保安監督部長)の承認を受ければ、電気主任技術者を選任しないことができます(同条第2項)。委託先は、施行規則第53条でいう電気管理技術者(個人)や電気保安法人です。

工事の届出と事故の報告

一定の規模以上の事業用電気工作物の設置や変更の工事は、工事計画を主務大臣に届け出て、受理された日から30日を経過した後でなければ工事を始められません(第48条)。どの工事が対象かは施行規則で細かく決められています。

事故が起きたときは、電気関係報告規則第3条により報告します。自家用電気工作物のおもな報告対象は次のとおりで、報告先は電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長です。

自家用電気工作物のおもな事故報告(電気関係報告規則第3条、2026年10月時点)
事故報告する場合
感電などによる死傷事故人が死亡した場合、または病院・診療所に入院した場合
電気火災事故工作物では半焼以上の場合
波及事故(一般に使われる呼び名)電圧3,000V以上の自家用電気工作物の破損や誤操作・操作しないことによって、一般送配電事業者などに供給支障を発生させた場合

報告は2段階です。事故の発生を知った時から24時間以内に可能な限り速やかに、日時・場所・電気工作物・事故の概要を電話などで報告し(速報)、知った日から30日以内に報告書を出します(同条第2項)。

用語

事業用電気工作物
一般用電気工作物以外の電気工作物。自家用電気工作物や電気事業用の設備が入る。
保安規程
事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安のために設置者が定める社内規程。使用の開始前に届け出る。
電気主任技術者
事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安を監督する人。第一種〜第三種の免状がある。
外部委託
7,000V以下で受電する需要設備などで、承認を受けて保安管理業務を外部の電気管理技術者などに委託すること。
波及事故
自家用電気工作物(3,000V以上)の事故で、一般送配電事業者などの供給に支障を起こす事故の一般的な呼び名。電気関係報告規則の条文にはこの語は使われていない。

例題

例題:最大電力300kW、6,600Vで受電する工場を新しく建てる。設置者が使用の開始の前にしておかなければならないことを、電気事業法から1つ挙げよ。
答えと考え方 保安規程を定めて、使用の開始前に主務大臣に届け出ます(第42条)。あわせて、電気主任技術者を選任して遅滞なく届け出るか、7,000V以下の受電なので外部委託の承認を受けます(第43条、施行規則第52条第2項)。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法」(第38条〜第40条・第42条〜第44条・第48条)・「電気事業法施行規則」(第52条・第53条・第56条)・「電気関係報告規則」(第3条)(いずれも2026-10-16確認)

2. 電気工事士法・電気工事業法:自家用電気工作物の工事

第一種電気工事士が従事できる自家用電気工作物の範囲と、第一種だけでは従事できない特殊電気工事、自家用電気工事を営む事業者のルールを整理します。

この講義では、第一種電気工事士が工事に従事する自家用電気工作物まわりの法令を見ます。試験制度や、第一種の免状の交付に必要な実務経験は資格・実務の学習ページで扱っています。

電気工事士法でいう「自家用電気工作物」

電気工事士法第2条第2項の自家用電気工作物は、電気事業法の自家用電気工作物から、施行規則第1条の2で定めるものを除いたものです。除かれるのは、発電所、蓄電所、変電所、最大電力500kW以上の需要設備、送電線路(発電所・蓄電所・変電所の相互間の電線路と、これに附属する開閉所など)、保安通信設備です。これらは、電気工事士法の資格の対象になっていません。

したがって、第一種電気工事士が従事するのは、最大電力500kW未満の需要設備(工場やビルの受電設備、構内の配線など)が中心です。ただし、需要設備の中にも、第一種だけでは従事できない工事があります。

自家用電気工作物の工事に関わる資格(電気工事士法第3条・第4条の2、同法施行令第14条)
資格従事できる工事免状・認定証の交付
第一種電気工事士自家用電気工作物の工事(特殊電気工事を除く)免状:都道府県知事
特種電気工事資格者特殊電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)。工事の種類ごとに認定証がある認定証:経済産業大臣(権限は住所地を管轄する産業保安監督部長に委任)
認定電気工事従事者簡易電気工事(600V以下で使う自家用電気工作物の工事。電線路を除く)認定証:経済産業大臣(同上)

特殊電気工事の中身

電気工事士法施行規則第2条の2は、特殊電気工事の範囲を具体的に決めています。

ネオン工事:ネオン用として設置される分電盤、主開閉器(電源側の電線との接続部分を除く)、タイムスイッチ、点滅器、ネオン変圧器、ネオン管と、これらの附属設備の工事。

非常用予備発電装置工事:非常用予備発電装置として設置される原動機、発電機、配電盤(他の需要設備との間の電線との接続部分を除く)と、これらの附属設備の工事。

「除く」とされた接続部分は特殊電気工事に入らないので、第一種電気工事士が従事できます。たとえば、ネオン用の主開閉器に電源側の電線をつなぐ工事や、非常用発電装置の配電盤に建物のほかの需要設備へ向かう電線をつなぐ工事は第一種の範囲で、ネオン変圧器や発電機・配電盤そのものの工事は特種電気工事資格者の範囲です。特種電気工事資格者が行う作業を補助する作業は、保安上支障がないとして資格がなくてもできます(同条第2項)。

第一種電気工事士の講習

第一種電気工事士は、やむを得ない事由がある場合を除き、免状の交付を受けた日から5年以内に、経済産業大臣が指定する者が行う自家用電気工作物の保安に関する講習を受けなければなりません。講習を受けた日以降も同様で、5年以内ごとに受け続けます(第4条の3)。第二種電気工事士には、この義務はありません。

電気工事業法:自家用電気工事を営む事業者

dk7で見たとおり、一般用電気工事を含む電気工事業を営むには登録が必要です。これに対して、自家用電気工事だけを営む人は、事業を始めようとする日の10日前までに通知をします。通知先は、2つ以上の都道府県に営業所を置くときは経済産業大臣、1つの都道府県の中だけに置くときはその営業所の所在地の都道府県知事です(第17条の2)。通知をした人を通知電気工事業者といい、登録電気工事業者とあわせて電気工事業者と呼びます(第2条)。

自家用電気工事に関わる電気工事業法のおもな決まり(2026年10月時点)
決まり対象内容
主任電気工事士(第19条)登録電気工事業者の、一般用電気工事の業務を行う営業所自家用電気工事だけの営業所には、この規定はない
従事させてよい人(第21条)電気工事業者自家用電気工事には第一種電気工事士(特殊電気工事を除く)。簡易電気工事には認定電気工事従事者も可。特殊電気工事にはその種類の特種電気工事資格者
器具の備付け(第24条、施行規則第11条)電気工事業者自家用電気工事の営業所:絶縁抵抗計、接地抵抗計、抵抗と交流電圧を測れる回路計、低圧検電器、高圧検電器、継電器試験装置、絶縁耐力試験装置。継電器試験装置と絶縁耐力試験装置は、必要なときに使用し得る措置が講じられていればよい
帳簿(第26条)電気工事業者営業所ごとに帳簿を備え、定められた事項を記載して保存する

電気工事は、資格がなければできません。高圧の設備は、わずかな誤りでも感電や波及事故につながります。このラボで学んだことは試験の準備に使い、実際の作業は資格を取ってから、電気主任技術者の指示のもとで行ってください。

用語

特殊電気工事
自家用電気工作物のネオン工事と非常用予備発電装置工事。特種電気工事資格者でなければ従事できない。
特種電気工事資格者
特殊電気工事の種類ごとに、経済産業大臣の認定証を受けた人。
通知電気工事業者
自家用電気工事だけを営むため、事業開始の10日前までに通知をした人。
継電器試験装置
保護継電器が決められた電流や時間で正しく動作するかを試験する装置。
絶縁耐力試験装置
電路や機器に高い試験電圧を一定時間加えて、絶縁が耐えるかを確かめる装置。

例題

例題:自家用電気工事だけを営む会社が、東京都内の1か所の営業所で事業を始める。電気工事業法で、何を、いつまでに、どこへしなければならないか。
答えと考え方 事業を始めようとする日の10日前までに、東京都知事に通知します(第17条の2)。登録ではありません。営業所が2つ以上の都道府県にあれば、通知先は経済産業大臣になります。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事士法」(第2条・第3条・第4条の2・第4条の3)・「電気工事士法施行令」(第14条)・「電気工事士法施行規則」(第1条の2・第2条の2)・「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(第2条・第17条の2・第19条・第21条・第24条・第26条)・「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則」(第11条)(いずれも2026-10-16確認)

3. 高圧受電設備の単線結線図を読む

高圧で受電する設備は、1本の線で機器の並びを表す単線結線図で描きます。電気が流れる順に、機器の名前と役目、接地工事の種類を読み取れるようにします。

第一種の学科試験は、一般問題40問程度と配線図問題10問程度で、図記号はJISに従うとされています(電気技術者試験センター、2026年10月時点)。ここでは、高圧で受電する設備の構成を表す単線結線図(たんせんけっせんず)を読む練習をします。単線結線図は、三相3線の電路でも線を1本で描き、機器を電気の流れる順に並べた図です。

図1はこのラボで描いた例で、6,600Vの架空配電線から受電するキュービクル式(金属製の箱に受電用の機器をまとめて収めた形)の受電設備です。機器には略号を添えています。本試験の図とは描き方の細部が違うことがあります。

電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(このラボの略図)

引込みから母線まで

図1の機器(引込みから母線まで)
番号名称おもな役目
①PAS・GR地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(区分開閉器)構内で最初の開閉器。GR(地絡継電装置)が構内の地絡を検出すると自動的に開き、配電線への波及事故を防ぐ
②高圧引込ケーブル電柱上の開閉器からキュービクルまで電気を引き込む
③DS断路器点検のときに回路を切り離して開いておく。電流の開閉はできないので、負荷電流が流れているときに操作してはいけない
④LA避雷器雷による異常電圧を大地へ逃がし、電気設備の損壊を防ぐ(電技省令第49条)
⑤VCT・Wh計器用変圧変流器と電力量計VT(計器用変圧器)とCT(変流器)を1つにまとめた電力需給用の計器用変成器。電力量計に電圧と電流を送り、取引用の電力量を計る
⑥VCB真空遮断器短絡などの事故電流を遮断する過電流遮断器(電技省令第14条)。OCRの信号で自動的に開く
⑦VT計器用変圧器6,600Vを電圧計などで測れる低い電圧に変成する。高圧側にヒューズを付ける
⑧CT・OCR変流器と過電流継電器CTが電流を小さな電流に変成し、OCRが過電流を検出するとVCBを引き外す

母線から負荷まで

図1の機器(母線から負荷まで)
番号名称おもな役目
⑨PF付LBS限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器負荷電流は開閉器で開閉し、短絡電流は限流ヒューズが溶断して遮断する
⑩SR直列リアクトルコンデンサと直列に入れ、高調波による電圧ひずみの改善や、コンデンサへの突入電流の抑制をする
⑪SC高圧進相コンデンサ遅れ力率の負荷に進み電流を供給して力率を改善し、電力のむだを減らす
⑫⑬三相変圧器・単相変圧器6,600Vを動力用の三相210V、電灯用の単相210-105Vに下げる

直列リアクトルについて、日本電機工業会の資料は、コンデンサには直列リアクトルを付けることを原則とし(JIS C 4902)、高圧配電線に接続する設備ではコンデンサのリアクタンスの6%のものが使われていると説明しています。

接地工事の種類

図1の接地と接地工事の種類(電気設備の技術基準の解釈)
接地する箇所種類根拠
④避雷器A種第37条第3項
高圧の機械器具(変圧器・遮断器など)の金属製外箱A種第29条
高圧計器用変成器(⑤⑦⑧)の2次側電路D種第28条
⑫⑬高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側の中性点(300V以下で中性点に施しにくいときは低圧側の1端子)B種第24条

A種接地工事の接地抵抗値は10Ω以下で、接地線には引張強さ1.04kN以上の容易に腐食しにくい金属線か、直径2.6mm以上の軟銅線を使います(第17条)。B種の接地抵抗値は、変圧器の高圧側の電路の1線地絡電流で150を割った値など、混触のときの遮断時間に応じて決まります。

解釈が定めるその他の要点

(1)高圧の機械器具は、人が触れるおそれがないように施設します。その方法の1つが、機械器具をコンクリート製の箱かD種接地工事を施した金属製の箱に収め、充電部分が露出しないようにすることです(第21条)。(2)高圧の開閉器・遮断器・避雷器など、動作のときにアークを生じるものは、耐火性のもので囲むか、木製の壁や天井などの可燃性のものから1m以上離します(第23条)。(3)高圧の電路に施設する過電流遮断器は、通過する短絡電流を遮断する能力と、開閉状態を表示する装置(容易に確認できるものは不要)が必要です(第34条)。(4)避雷器は、高圧架空電線路から受電する受電電力500kW以上の需要場所の引込口などに施設が義務づけられています(第37条第1項)。

用語

単線結線図
三相の電路も1本の線で表し、機器を電気の流れる順に並べた図。
キュービクル式受電設備
受電用の機器を金属製の箱にまとめて収めた受電設備。
断路器(DS)
無電流の状態で回路を切り離すための開閉器。負荷電流の開閉はできない。
計器用変成器
高い電圧・大きな電流を、計器や継電器で扱える大きさに変える機器。VT・CT・VCTなど。
力率
交流で、皮相電力のうち実際に仕事をする有効電力の割合。進相コンデンサで改善する。

例題

例題:図1で、構内の高圧の回路で短絡が起き、⑥が自動的に開いた。⑥を開かせた継電器と、その継電器に電流の情報を送った機器はどれか。
答えと考え方 過電流を検出したのは⑧のOCR(過電流継電器)で、電流の情報を送ったのは⑧のCT(変流器)です。OCRが⑥のVCB(真空遮断器)を引き外して短絡電流を遮断します。③のDSは電流を開閉できないので、事故のときに開く機器ではありません。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版、第17条・第21条・第23条・第24条・第28条・第29条・第34条・第37条)・e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」(第14条・第15条・第49条)・日本電機工業会「知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い」・参考:三菱電機「負荷開閉器・断路器 概要」(断路器と負荷開閉器の機能)・三菱電機「零相変流器」(零相変流器の用途)・電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」(いずれも2026-10-16確認)

確認問題(35問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|技術基準の維持義務

電気事業法で、事業用電気工作物を技術基準に適合するように維持する義務を負うのは誰か。

  1. その工事をした電気工事士
  2. その地域の電線路維持運用者
  3. その事業用電気工作物を設置する者
  4. その工事を請け負った電気工事業者
正解と解説
正解:C. その事業用電気工作物を設置する者

電気事業法第39条第1項は、事業用電気工作物を設置する者に、技術基準に適合するように維持する義務を課しています。電気工事士の義務は、作業をするときに技術基準に適合するように作業することで(電気工事士法第5条)、設備を維持する義務ではありません。電線路維持運用者が調査するのは一般用電気工作物です(電気事業法第57条)。電気工事業者は工事を請け負う者で、完成後の設備を維持する義務者ではありません。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法」(第39条・第57条)・「電気工事士法」(第5条)

問2|技術基準適合命令

自家用電気工作物が技術基準に適合していないと認めるとき、電気事業法で主務大臣ができることはどれか。

  1. 設置者に、修理・改造・移転や使用の一時停止を命じる
  2. 工事をした電気工事士の免状を、その場で取り消す
  3. 電気工事業者に、無償で改修工事をするよう命じる
  4. 電線路維持運用者に、設備の撤去を命じる
正解と解説
正解:A. 設置者に、修理・改造・移転や使用の一時停止を命じる

電気事業法第40条により、主務大臣は、事業用電気工作物が技術基準に適合していないと認めるとき、設置者に対し、修理・改造・移転・使用の一時停止を命じ、または使用を制限できます。電気工事士の免状の返納命令は電気工事士法で都道府県知事が行うもので、この条文の内容ではありません。電気工事業者への無償改修の命令や、電線路維持運用者への撤去命令は、第40条に定められていません。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法」(第40条)

問3|保安規程の届出

自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)の保安規程について、電気事業法の定めとして正しいものはどれか。

  1. 使用の開始から1年以内に定め、都道府県知事に届け出る
  2. 電気主任技術者が個人として定め、届出はいらない
  3. 工事をした電気工事業者が定め、設置者に交付する
  4. 組織ごとに定め、使用の開始前に主務大臣に届け出る
正解と解説
正解:D. 組織ごとに定め、使用の開始前に主務大臣に届け出る

電気事業法第42条第1項により、事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)を設置する者は、保安を一体的に確保すべき組織ごとに保安規程を定め、使用の開始前に主務大臣に届け出ます。使用開始後1年以内という猶予はなく、届出先は都道府県知事ではありません。保安規程を定めるのは設置者で、電気主任技術者や電気工事業者ではありません。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法」(第42条)

問4|保安規程の変更

自家用電気工作物の設置者が保安規程を変更した。電気事業法で必要な手続きはどれか。

  1. 変更の30日前までに、主務大臣の認可を受ける
  2. 遅滞なく、変更した事項を主務大臣に届け出る
  3. 電気主任技術者の承認を得れば、届出はいらない
  4. 次の定期検査のときに、検査員に報告する
正解と解説
正解:B. 遅滞なく、変更した事項を主務大臣に届け出る

電気事業法第42条第2項により、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を主務大臣に届け出ます。変更の前に認可を受ける制度ではありません。電気主任技術者の承認で届出が不要になるという定めもありません。次の定期検査まで待って報告するのでは、遅滞なく届け出たことになりません。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法」(第42条)

問5|主任技術者の選任届

自家用電気工作物の設置者が、電気主任技術者免状を持つ人を主任技術者に選任した。電気事業法で必要な手続きはどれか。

  1. 選任の前に、主務大臣の許可を受ける
  2. 遅滞なく、選任したことを主務大臣に届け出る
  3. 選任から1年以内に、都道府県知事に届け出る
  4. 届出はいらず、事業場に氏名を掲示すればよい
正解と解説
正解:B. 遅滞なく、選任したことを主務大臣に届け出る

電気事業法第43条第3項により、免状を持つ人を主任技術者に選任したときは、遅滞なく主務大臣に届け出ます(解任したときも同じです)。主務大臣の許可が必要なのは、免状を持たない人を選任する場合です(同条第2項)。届出先は都道府県知事ではなく、1年以内という期限もありません。掲示だけで届出を省くことはできません。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法」(第43条)

問6|免状のない人の選任

自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)の設置者が、主任技術者免状を持たない人を主任技術者に選任できるのはどの場合か。

  1. 許可がなくても、第一種電気工事士の免状を持つ場合
  2. 許可がなくても、電気工事の実務経験が5年以上ある場合
  3. 選任した後に、主務大臣に届け出た場合
  4. 主務大臣の許可を受けた場合
正解と解説
正解:D. 主務大臣の許可を受けた場合

電気事業法第43条第2項により、自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)の設置者は、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状を持たない人を主任技術者に選任できます。第一種電気工事士の免状は主任技術者免状ではないので、許可なしに選任することはできません。実務経験の年数だけで許可が不要になることもありません。選任後の届出は免状を持つ人を選任した場合の手続きで(同条第3項)、免状のない人の選任には事前の許可が必要です。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法」(第43条・第44条)

問7|主任技術者の指示

高圧受電設備の工事で、その事業場の電気主任技術者が保安のための指示をした。工事に従事する第一種電気工事士について、電気事業法で正しいものはどれか。

  1. 主任技術者が保安のためにする指示に従わなければならない
  2. 電気工事士の免状を持つので、指示に従うかは自分で判断してよい
  3. 指示に従う義務は設置者の従業員だけにあり、外部の作業者にはない
  4. 指示が技術基準より厳しいときは、従わなくてよい
正解と解説
正解:A. 主任技術者が保安のためにする指示に従わなければならない

電気事業法第43条第5項により、事業用電気工作物の工事・維持・運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければなりません。電気工事士の免状を持っていても、この義務は変わりません。条文は「従事する者」としており、設置者の従業員に限っていないので、外部から工事に入る作業者も対象です。指示が技術基準より厳しいことを理由に従わなくてよいという定めはありません。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法」(第43条)

問8|第三種電気主任技術者の範囲

第三種電気主任技術者が保安の監督をすることができる事業用電気工作物はどれか。

  1. 66,000Vで受電する、最大電力3,000kWの工場の需要設備
  2. 電圧22,000V、出力6,000kWの太陽電池発電所
  3. 6,600Vで受電する、最大電力400kWの工場の需要設備
  4. 電圧77,000Vで運転する、工場の構内の変電所
正解と解説
正解:C. 6,600Vで受電する、最大電力400kWの工場の需要設備

電気事業法施行規則第56条により、第三種電気主任技術者は、電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5,000kW以上の発電所・蓄電所を除く)の保安の監督ができます。6,600V受電の需要設備はこれにあたります。66,000Vの需要設備と77,000Vの変電所は5万V以上なので、第二種(17万V未満)以上が必要です。22,000Vの太陽電池発電所は電圧は5万V未満ですが、出力が5,000kW以上なので第三種の範囲から除かれます。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」(第56条)

問9|保安管理業務の外部委託

保安管理業務の外部委託の承認を受けて、電気主任技術者を選任しないことができる需要設備はどれか(電気事業法施行規則第52条第2項)。

  1. 22,000Vで受電する需要設備
  2. 受電電圧にかかわらず、最大電力500kW未満の需要設備
  3. 77,000Vで受電し、最大電力2,000kW未満の需要設備
  4. 7,000V以下で受電する需要設備
正解と解説
正解:D. 7,000V以下で受電する需要設備

電気事業法施行規則第52条第2項は、保安管理業務を外部に委託する契約を結び、承認を受けた場合に電気主任技術者を選任しないことができる設備として、7,000V以下で受電する需要設備などを挙げています。22,000Vや77,000Vで受電する需要設備はこの条件にあたりません。外部委託の条件は受電の電圧で決まっていて、最大電力500kW未満であれば電圧にかかわらず委託できるという定めではありません。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」(第52条・第53条)

問10|主任技術者の兼任

1人の電気主任技術者に、2つの事業場の主任技術者を兼ねさせることについて、正しいものはどれか。

  1. 同じ会社の事業場なら、届出だけで兼ねさせることができる
  2. 原則として禁止で、承認を受けた場合は兼ねさせることができる
  3. 第一種電気主任技術者なら、制限なく兼ねさせることができる
  4. どのような場合でも、兼ねさせることはできない
正解と解説
正解:B. 原則として禁止で、承認を受けた場合は兼ねさせることができる

電気事業法施行規則第52条第4項により、事業用電気工作物を設置する者は、主任技術者に2以上の事業場・設備の主任技術者を兼ねさせてはならないのが原則です。ただし、保安上支障がないと認められて承認を受けた場合は兼任できます。同じ会社であることや届出だけでは足りず、免状の種類によって制限がなくなることもありません。承認による例外があるので、「どのような場合でもできない」も誤りです。

根拠:e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」(第52条)

問11|感電事故の報告

自家用電気工作物で作業者が感電し、病院に入院した。電気関係報告規則による報告として正しいものはどれか。

  1. 24時間以内に可能な限り速やかに速報し、30日以内に報告書を出す
  2. 入院が1週間を超えた場合に限り、30日以内に報告書だけを出す
  3. 死亡した場合に限り、7日以内に都道府県知事に報告する
  4. 事故から3か月以内に、電気主任技術者が経済産業大臣に報告する
正解と解説
正解:A. 24時間以内に可能な限り速やかに速報し、30日以内に報告書を出す

電気関係報告規則第3条は、感電などで人が死亡し、または病院・診療所に入院した事故を報告対象としています。報告は、事故の発生を知った時から24時間以内に可能な限り速やかに電話などで速報し、知った日から30日以内に報告書を提出します。報告先は設置の場所を管轄する産業保安監督部長です。入院の日数による条件はなく、死亡に限られません。都道府県知事への報告や3か月以内という期限は定められていません。

根拠:e-Gov法令検索「電気関係報告規則」(第3条)

問12|波及事故

電気関係報告規則で報告が必要な事故のうち、一般に「波及事故」と呼ばれるものにあたるのはどれか。

  1. 工場の低圧の分電盤で漏電遮断器が動作し、工場内の一部の照明が消えた
  2. 落雷で一般送配電事業者の配電線が止まり、その配電線から受電する工場も停電した
  3. 6,600V受電の工場の引込ケーブルの地絡で配電線が止まり、周辺が停電した
  4. 工場の電動機が焼損したが、構内でも構外でも停電は起きなかった
正解と解説
正解:C. 6,600V受電の工場の引込ケーブルの地絡で配電線が止まり、周辺が停電した

電気関係報告規則第3条は、電圧3,000V以上の自家用電気工作物の破損、誤操作、操作しないことによって、一般送配電事業者などに供給支障を発生させた事故を報告対象としています。高圧引込ケーブルの地絡で配電線が止まり周辺が停電した事故がこれにあたります。漏電遮断器の動作は低圧の構内だけの停電で、一般送配電事業者の供給支障ではありません。落雷で配電線が止まった場合は、工場の設備が原因ではありません。停電が起きていない電動機の焼損は、供給支障を発生させていません。

根拠:e-Gov法令検索「電気関係報告規則」(第3条)

問13|電気工事士法の自家用電気工作物

電気工事士法の「自家用電気工作物」にあたり、その工事に第一種電気工事士の資格が必要なものはどれか(特殊電気工事を除く)。

  1. 出力1,500kWの太陽電池発電所
  2. 最大電力800kWの工場の需要設備
  3. 最大電力450kWのビルの高圧受電設備
  4. 自家用の保安通信設備
正解と解説
正解:C. 最大電力450kWのビルの高圧受電設備

電気工事士法施行規則第1条の2は、発電所、蓄電所、変電所、最大電力500kW以上の需要設備、送電線路、保安通信設備を、電気工事士法の自家用電気工作物から除いています。最大電力450kWのビルの高圧受電設備は除かれていないので、第一種電気工事士の範囲です。太陽電池発電所は発電所、800kWの需要設備は500kW以上、保安通信設備は除かれる設備なので、電気工事士法の資格の対象になっていません。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事士法」(第2条・第3条)・「電気工事士法施行規則」(第1条の2)

問14|ネオン工事の範囲

自家用電気工作物に設置するネオン設備の工事のうち、特殊電気工事(ネオン工事)に含まれず、第一種電気工事士が従事できるものはどれか。

  1. ネオン変圧器を取り付けて接続する工事
  2. ネオン用の主開閉器の、電源側の電線との接続部分の工事
  3. ネオン用として設置するタイムスイッチの工事
  4. ネオン管とその附属設備の工事
正解と解説
正解:B. ネオン用の主開閉器の、電源側の電線との接続部分の工事

電気工事士法施行規則第2条の2は、ネオン工事を、ネオン用の分電盤、主開閉器(電源側の電線との接続部分を除く)、タイムスイッチ、点滅器、ネオン変圧器、ネオン管とこれらの附属設備の工事としています。主開閉器の電源側の電線との接続部分は除かれているので特殊電気工事ではなく、第一種電気工事士が従事できます。ネオン変圧器、タイムスイッチ、ネオン管と附属設備の工事はネオン工事に含まれ、特種電気工事資格者(ネオン工事)でなければ従事できません。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事士法」(第3条)・「電気工事士法施行規則」(第2条の2)

問15|非常用予備発電装置工事の範囲

自家用電気工作物の非常用予備発電装置について、特種電気工事資格者の認定証がなくても、第一種電気工事士が従事できる工事はどれか。

  1. 発電機を回す原動機の工事
  2. 非常用予備発電装置として設置する発電機の工事
  3. 発電機と配電盤の附属設備の工事
  4. 配電盤と、他の需要設備との間の電線との接続部分の工事
正解と解説
正解:D. 配電盤と、他の需要設備との間の電線との接続部分の工事

電気工事士法施行規則第2条の2は、非常用予備発電装置工事を、非常用予備発電装置として設置される原動機、発電機、配電盤(他の需要設備との間の電線との接続部分を除く)とこれらの附属設備の工事としています。配電盤と他の需要設備との間の電線の接続部分は除かれているので、第一種電気工事士が従事できます。原動機、発電機、これらの附属設備の工事は特殊電気工事で、特種電気工事資格者(非常用予備発電装置)でなければ従事できません。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事士法」(第3条)・「電気工事士法施行規則」(第2条の2)

問16|認定証の交付

特種電気工事資格者認定証と認定電気工事従事者認定証について、正しいものはどれか。

  1. 経済産業大臣が交付し、権限は住所地の産業保安監督部長に委任されている
  2. 電気工事士免状と同じく、法律で住所地の都道府県知事が交付するとされている
  3. 電気技術者試験センターが、電気工事士試験の合格者に交付する
  4. 特種電気工事資格者認定証は1種類で、すべての特殊電気工事に共通である
正解と解説
正解:A. 経済産業大臣が交付し、権限は住所地の産業保安監督部長に委任されている

電気工事士法第4条の2第1項により、2つの認定証は経済産業大臣が交付します。電気工事士法施行令第14条により、交付などの権限は、申請者の住所地を管轄する産業保安監督部長が行うものとされています。都道府県知事が交付するのは電気工事士免状です。電気技術者試験センターは試験を行う機関で、認定証を交付しません。特種電気工事資格者認定証は特殊電気工事の種類ごとに交付されます(第4条の2第2項)。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事士法」(第4条の2)・「電気工事士法施行令」(第14条)

問17|第一種電気工事士の講習

第一種電気工事士の講習について、電気工事士法で正しいものはどれか。

  1. 免状の交付を受けた日から3年以内に、自家用電気工作物の保安に関する講習を受ける
  2. 第二種電気工事士も、5年以内ごとに同じ講習を受ける
  3. 免状の交付を受けた日から5年以内に、自家用電気工作物の保安に関する講習を受ける
  4. 講習を一度受ければ、その後は受け直す必要はない
正解と解説
正解:C. 免状の交付を受けた日から5年以内に、自家用電気工作物の保安に関する講習を受ける

電気工事士法第4条の3により、第一種電気工事士は、やむを得ない事由がある場合を除き、免状の交付を受けた日から5年以内に、経済産業大臣が指定する者が行う自家用電気工作物の保安に関する講習を受けなければなりません。期間は3年ではありません。この義務は第一種だけで、第二種にはありません。講習を受けた日以降も同様とされているので、一度で終わりではなく、5年以内ごとに受けます。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事士法」(第4条の3)

問18|通知電気工事業者

自家用電気工事だけを営む電気工事業を、神奈川県内の1か所の営業所で始めようとする。電気工事業法で必要な手続きはどれか。

  1. 事業を始めようとする日の10日前までに、神奈川県知事に通知する
  2. 事業を始める前に、神奈川県知事の登録を受ける
  3. 事業を始めようとする日の10日前までに、経済産業大臣に通知する
  4. 事業を始めてから30日以内に、神奈川県知事に届け出る
正解と解説
正解:A. 事業を始めようとする日の10日前までに、神奈川県知事に通知する

電気工事業法第17条の2により、自家用電気工事だけを営む人は、事業を始めようとする日の10日前までに通知をします。営業所が1つの都道府県の中だけにあるときの通知先は、その所在地の都道府県知事です。登録が必要なのは一般用電気工事を含む電気工事業です(第3条)。経済産業大臣への通知は、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合です。事業を始めた後の届出では、10日前までという期限を守れません。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(第3条・第17条の2)

問19|自家用電気工事に従事させる人

電気工事業者が、最大電力300kWの工場(電気工事士法の自家用電気工作物)の工事に作業者を従事させる。電気工事業法で正しいものはどれか。

  1. 高圧受電設備の工事には、免状の交付後3年以上の実務経験がある第二種電気工事士を従事させることができる
  2. ネオン工事には、第一種電気工事士であれば従事させることができる
  3. 非常用予備発電装置工事には、認定電気工事従事者を従事させることができる
  4. 600V以下で使う設備の工事(電線路を除く)には、認定電気工事従事者を従事させることができる
正解と解説
正解:D. 600V以下で使う設備の工事(電線路を除く)には、認定電気工事従事者を従事させることができる

電気工事業法第21条第4項により、電気工事業者は、認定電気工事従事者を簡易電気工事(600V以下で使う自家用電気工作物の工事で、電線路を除く)に従事させることができます。自家用電気工事には、原則として第一種電気工事士でない者を従事させてはいけません(同条第1項)。第二種電気工事士の実務経験3年は主任電気工事士の要件で、自家用の工事の資格にはなりません。ネオン工事と非常用予備発電装置工事は特殊電気工事で、その種類の特種電気工事資格者でなければ従事させられません(同条第3項)。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(第19条・第21条)・「電気工事士法」(第3条)

問20|通知電気工事業者の義務

自家用電気工事だけを営む通知電気工事業者について、電気工事業法で正しいものはどれか。

  1. 営業所ごとに、第一種電気工事士を主任電気工事士として置かなければならない
  2. 営業所に主任電気工事士を置く義務はない
  3. 営業所ごとに帳簿を備える義務はない
  4. 営業所に絶縁抵抗計などの器具を備える義務はない
正解と解説
正解:B. 営業所に主任電気工事士を置く義務はない

主任電気工事士を置く義務(電気工事業法第19条)は、登録電気工事業者の、一般用電気工事の業務を行う営業所に課されています。自家用電気工事だけの通知電気工事業者には、この義務はありません。一方、器具の備付け(第24条)と帳簿(第26条)の義務は「電気工事業者」に課されていて、電気工事業者には登録電気工事業者と通知電気工事業者の両方が含まれます(第2条)。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(第2条・第19条・第24条・第26条)

問21|必要なときに使える措置でよい器具

自家用電気工事の業務を行う営業所に備える器具のうち、「必要なときに使用し得る措置」が講じられていれば備えているものとされる器具はどれか。

  1. 高圧検電器
  2. 継電器試験装置
  3. 絶縁抵抗計
  4. 接地抵抗計
正解と解説
正解:B. 継電器試験装置

電気工事業法施行規則第11条第1号は、自家用電気工事の営業所に備える器具として、絶縁抵抗計、接地抵抗計、抵抗と交流電圧を測れる回路計、低圧検電器、高圧検電器、継電器試験装置、絶縁耐力試験装置を挙げ、このうち継電器試験装置と絶縁耐力試験装置については「必要なときに使用し得る措置が講じられているもの」を含むとしています。高圧検電器、絶縁抵抗計、接地抵抗計には、この扱いはありません。

根拠:e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(第24条)・「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則」(第11条)

問22|①PASとGRの役目
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の①(PASとGR)のおもな役目はどれか。

  1. 構内の地絡を検出して自動的に開き、配電線への波及事故を防ぐ
  2. 雷による異常電圧を大地へ逃がし、構内の機器を守る
  3. 取引用の電力量を計るため、電圧と電流を変成する
  4. 遅れ力率の負荷に進み電流を供給し、力率を改善する
正解と解説
正解:A. 構内の地絡を検出して自動的に開き、配電線への波及事故を防ぐ

①は地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)で、構内で最初の区分開閉器です。GRが構内の地絡を検出すると自動的に開き、事故が一般送配電事業者の配電線に広がる波及事故を防ぎます。異常電圧を大地へ逃がすのは④の避雷器、電力量の計量のための変成は⑤のVCT、力率の改善は⑪の進相コンデンサの役目です。

根拠:e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」(第15条:地絡に対する保護措置)・「電気関係報告規則」(第3条:供給支障を起こした事故の報告)

問23|③DSの取扱い
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の③(DS)の取扱いとして、正しいものはどれか。

  1. 短絡が起きたとき、自動的に開いて短絡電流を遮断する
  2. 負荷電流が流れたまま開いて、設備の運転を止める
  3. 過電流継電器の信号を受けて、自動的に開く
  4. 負荷電流が流れていないときに開閉し、点検時に回路を切り離す
正解と解説
正解:D. 負荷電流が流れていないときに開閉し、点検時に回路を切り離す

③は断路器です。断路器は、点検などのときに回路を開いて切り離しておくための開閉器で、電流の開閉はできません。だから、負荷電流が流れていない状態で操作します。短絡電流を遮断する能力もなく、負荷電流が流れたまま開くとアークが出て危険です。過電流継電器(OCR)の信号で自動的に開くのは⑥の真空遮断器(VCB)です。

根拠:三菱電機「負荷開閉器・断路器 概要」(参考、メーカーの技術解説)

問24|④LAの接地工事
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の④(LA)に施す接地工事の種類はどれか。

  1. B種接地工事
  2. C種接地工事
  3. A種接地工事
  4. D種接地工事
正解と解説
正解:C. A種接地工事

解釈第37条第3項により、高圧と特別高圧の電路に施設する避雷器にはA種接地工事を施します。B種は高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側の中性点など(第24条)、C種は300Vを超える低圧の機械器具の金属製外箱など(第29条)、D種は高圧計器用変成器の2次側電路や300V以下の低圧の機械器具の外箱など(第28条・第29条)に施す接地工事です。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版)(第24条・第28条・第29条・第37条)

問25|避雷器の施設義務
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の④(LA)について、電気設備の技術基準の解釈で施設が義務づけられているのは、高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所のうち、受電電力がいくら以上の需要場所の引込口か。

  1. 50kW
  2. 500kW
  3. 300kW
  4. 2,000kW
正解と解説
正解:B. 500kW

解釈第37条第1項第三号は、高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500kW以上の需要場所の引込口(またはこれに近接する箇所)に避雷器を施設することを定めています。50kW・300kW・2,000kWという値は、この条文の基準ではありません。なお、電技省令第49条は、雷電圧による損壊のおそれがある引込口などに避雷器などの適切な措置を求めています。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版)(第37条)・e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」(第49条)

問26|⑤VCTの名称
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の⑤のVCTの名称はどれか。

  1. 零相変流器
  2. 計器用変圧器
  3. 変流器
  4. 計器用変圧変流器
正解と解説
正解:D. 計器用変圧変流器

VCTは計器用変圧変流器で、計器用変圧器(VT)と変流器(CT)を1つにまとめた電力需給用の計器用変成器です。電力量計(Wh)に電圧と電流を送り、取引用の電力量を計ります。零相変流器(ZCT)は地絡のときの零相電流を検出する機器で、地絡継電器と組み合わせて使います。計器用変圧器は電圧だけ(図の⑦)、変流器は電流だけ(図の⑧)を変成します。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版)(第28条)・参考:三菱電機「零相変流器」(地絡事故時の零相電流の検出、地絡継電器用)

問27|OCRが引き外す機器
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1で、⑧のOCRが過電流を検出したときに自動的に開いて電路を遮断する機器はどれか。

  1. ⑥のVCB
  2. ③のDS
  3. ①のPAS
  4. ⑨のPF付LBS
正解と解説
正解:A. ⑥のVCB

⑧のCT(変流器)が電流を小さな電流に変成してOCR(過電流継電器)に送り、OCRが過電流を検出すると、⑥のVCB(真空遮断器)を引き外して短絡電流などを遮断します。図の点線はこの信号の流れを表しています。③の断路器は電流を開閉できません。①のPASはGR(地絡継電装置)の信号で開く開閉器で、OCRとはつながっていません。⑨のPF付LBSは、短絡のときは限流ヒューズの溶断で遮断し、OCRの信号では動きません。

根拠:e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」(第14条)・経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版、第34条)

問28|計器用変成器の2次側の接地
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の⑦(VT)と⑧(CT)の2次側電路に施す接地工事の種類はどれか。

  1. A種接地工事
  2. B種接地工事
  3. D種接地工事
  4. C種接地工事
正解と解説
正解:C. D種接地工事

解釈第28条第1項により、高圧計器用変成器の2次側電路にはD種接地工事を施します(特別高圧計器用変成器の2次側はA種です)。A種は避雷器や高圧の機械器具の金属製外箱などに、B種は高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側の中性点などに、C種は300Vを超える低圧の機械器具の金属製外箱などに施します。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版)(第24条・第28条・第29条・第37条)

問29|⑥に求められる性能
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の⑥は高圧の電路に施設する過電流遮断器である。電気設備の技術基準の解釈がこれに求めていることはどれか。

  1. 定格電流の2倍の電流で、2分以内に溶断する性能を持つ
  2. 通過する短絡電流を遮断する能力と、開閉状態を表示する装置を持つ
  3. 地絡が起きたとき、技術員駐在所に警報する装置を持つ
  4. 雷による異常電圧を、大地へ逃がす性能を持つ
正解と解説
正解:B. 通過する短絡電流を遮断する能力と、開閉状態を表示する装置を持つ

解釈第34条第1項は、高圧または特別高圧の電路に施設する過電流遮断器に、短絡のとき作動するものはその箇所を通過する短絡電流を遮断する能力を持つこと、作動に伴い開閉状態を表示する装置を持つこと(容易に確認できるものは不要)を求めています。定格電流の2倍で2分以内に溶断するのは、同条第3項の高圧の非包装ヒューズの性能です。技術員駐在所への警報は、地絡遮断装置を省略できる場合の定め(第36条第5項)です。異常電圧を大地へ逃がすのは避雷器の役目です。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版)(第34条・第36条・第37条)

問30|⑩SRの役目
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の⑩(SR)を⑪のコンデンサと直列に入れるおもな目的はどれか。

  1. コンデンサとあわせて進み電流を増やし、力率をさらに改善する
  2. 短絡が起きたとき、短絡電流を遮断してコンデンサを切り離す
  3. 取引用の電力量を計るため、コンデンサの電流を変成する
  4. 高調波による電圧ひずみを改善し、コンデンサへの突入電流を抑える
正解と解説
正解:D. 高調波による電圧ひずみを改善し、コンデンサへの突入電流を抑える

⑩は直列リアクトルです。日本電機工業会の資料は、直列リアクトルが高調波による系統の電圧ひずみを改善し、コンデンサの突入電流を抑制すると説明し、高調波によるコンデンサの損傷を避けるためにも設置を勧めています。力率の改善は⑪の進相コンデンサの役目です。短絡電流を遮断してコンデンサを切り離すのは⑨のPF付LBSの限流ヒューズです。取引用の計量のための変成は⑤のVCTの役目です。

根拠:日本電機工業会「知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い」

問31|⑪SCの役目
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の⑪(SC)を設けるおもな目的はどれか。

  1. 遅れ力率の負荷の力率を改善し、電力のむだを減らす
  2. 高調波による電圧ひずみを改善する
  3. 6,600Vの電圧を、低圧の210Vに下げる
  4. 構内の地絡を検出して、自動的に回路を開く
正解と解説
正解:A. 遅れ力率の負荷の力率を改善し、電力のむだを減らす

⑪は高圧進相コンデンサです。電動機など遅れ力率の負荷に進み電流を供給して力率を改善し、日本電機工業会の資料が説明するとおり電力のむだを省きます。高調波による電圧ひずみの改善は⑩の直列リアクトルの役目です。6,600Vを210Vに下げるのは⑫⑬の変圧器です。地絡を検出して開くのは①のGR付PASです。

根拠:日本電機工業会「知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い」

問32|⑨PF付LBSの動作
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の⑨(限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器)の動作として、正しいものはどれか。

  1. 負荷電流も短絡電流も、開閉器の接点だけで遮断する
  2. 開閉器は電流が流れていないときだけ操作でき、負荷電流はヒューズで開閉する
  3. 負荷電流は開閉器で開閉し、短絡電流は限流ヒューズが溶断して遮断する
  4. 構内の地絡電流を検出して、開閉器が自動的に開く
正解と解説
正解:C. 負荷電流は開閉器で開閉し、短絡電流は限流ヒューズが溶断して遮断する

高圧交流負荷開閉器(LBS)は、断路器に消弧室を設けて負荷電流を開閉できるようにした開閉器です。ヒューズ付きのものは、短絡電流を限流ヒューズの溶断で遮断できます。開閉器の接点だけで短絡電流を遮断するものではありません。電流が流れていないときだけ操作できるのは断路器です。ヒューズは負荷電流を開閉するための部品ではありません。地絡を検出して自動的に開くのは①のGR付PASです。

根拠:三菱電機「負荷開閉器・断路器 概要」(参考、メーカーの技術解説)・経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版、第34条第2項)

問33|変圧器の低圧側の接地
電力会社の高圧配電線(6.6kV・架空)PASGR1高圧引込ケーブル2キュービクル式受電設備DS3LA4VCTWh5VCB6VVT7CT8OCR高圧母線PF付LBSPF付LBSPF付LBS9SR10SC11三相変圧器6600/210V動力へ12単相変圧器6600/210-105V電灯へ13
図1 高圧受電設備の単線結線図(6,600V・架空受電、キュービクル式)

図1の⑬の単相変圧器(6600/210-105V)の低圧側の中性点に施す接地工事の種類はどれか。

  1. A種接地工事
  2. B種接地工事
  3. C種接地工事
  4. D種接地工事
正解と解説
正解:B. B種接地工事

解釈第24条により、高圧電路と低圧電路を結合する変圧器には、低圧側の中性点にB種接地工事を施します。高圧と低圧が混触(こんしょく)したとき、低圧側の対地電圧が上がる危険を防ぐためです。A種は避雷器や変圧器の金属製外箱など高圧の機械器具に、C種は300Vを超える低圧の機械器具の外箱などに、D種は高圧計器用変成器の2次側電路などに施します。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版)(第17条・第24条・第28条・第29条)

問34|高圧の機械器具を箱に収める

高圧の機械器具を人が触れるおそれがないように施設する方法として、電気設備の技術基準の解釈が定めるものはどれか。

  1. 接地工事を施さない金属製の箱に収め、扉に危険である旨を表示する
  2. 木製の箱に収め、箱の周囲と扉の合わせ目に絶縁テープを巻く
  3. 屋外の地表上2mの高さに施設し、近くに注意の表示をする
  4. D種接地工事を施した金属製の箱などに収め、充電部分が露出しないようにする
正解と解説
正解:D. D種接地工事を施した金属製の箱などに収め、充電部分が露出しないようにする

解釈第21条第四号は、高圧の機械器具をコンクリート製の箱またはD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ充電部分が露出しないように施設する方法を定めています。金属製の箱にはD種接地工事が必要で、接地しない箱では条件を満たしません。木製の箱に収める方法は定められていません。高い所に施設する方法(第三号)は、地表上4.5m(市街地外では4m)以上で、附属する高圧電線にケーブルなどを使う場合です。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版)(第21条)

問35|アークを生じる器具の離隔

動作のときにアークを生じる高圧用の開閉器を、木製の壁など可燃性のものの近くに施設する。耐火性のもので囲まない場合、可燃性のものとの離隔距離はいくら以上必要か。

  1. 1m
  2. 0.5m
  3. 2m
  4. 3m
正解と解説
正解:A. 1m

解釈第23条は、高圧用・特別高圧用の開閉器・遮断器・避雷器などで動作時にアークを生じるものは、耐火性のものでアークを生じる部分を囲むか、木製の壁や天井などの可燃性のものとの離隔距離を23-1表の値以上にすることを定めています。高圧は1mです。2mは特別高圧の値(35,000V以下でアークの方向と長さを制限した場合は1m)で、0.5mと3mは表にない値です。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2026年6月版)(第23条)

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。試験の実施方法・出題範囲・合格基準は、必ず電気技術者試験センターの公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。数値は法令・「電気設備の技術基準の解釈」(経済産業省)など公開の一次資料で確かめています。実際の工事は、資格と法令に従って行ってください。