第二種電気工事士 ELECTRICIAN CLASS 2
検査方法
講義 2 本・確認問題 20 問 | 一般問題(本試験 30問程度) | 最終更新 2026-10-16
この章で学ぶこと- 竣工検査は、点検 → 測定・試験 → 通電試験の順に進めること。
- 低圧の電路の絶縁抵抗の最小値(0.1MΩ・0.2MΩ・0.4MΩ)と、対地電圧による区分のしかた。
- 絶縁抵抗計で電線相互間と電路と大地の間を測るときの準備のちがい。
- D種・C種接地工事の接地抵抗値と、接地抵抗計の補助接地極の配置。
- 回路計・クランプ形電流計・検電器・検相器など、検査で使う測定器の用途。
1. 竣工検査の流れと絶縁抵抗の測定
工事が終わったら、電気を流す前に安全を確かめます。検査の順序と、絶縁抵抗の基準値・測り方を学びます。
電気工事が終わったら、電気を流す前に「安全に使える状態か」を確かめます。これを竣工検査(しゅんこうけんさ)といいます。竣工は「工事が完成すること」です。第二種電気工事士の学科試験には「一般用電気工作物等の検査方法」という科目があり、試験センターはその範囲を「点検の方法、導通試験の方法、絶縁抵抗測定の方法、接地抵抗測定の方法、試験用器具の性能及び使用方法」としています。
検査の大きな流れ
検査は、大きく点検 → 測定・試験 → 通電試験の順に進めます。
点検は、目で見て確かめる作業です(目視点検〔もくしてんけん〕)。電線の太さや種類、器具の取り付け、接続のしかた、接地線がつながっているかなどが、技術基準に合っているかを見ます。
測定・試験では、測定器を使って数値で確かめます。絶縁抵抗の測定、接地抵抗の測定、配線が正しくつながっているかを確かめる導通試験(どうつうしけん)などです。絶縁抵抗の測定は、電気を止めた状態で行います。
通電試験は、最後に実際に電気を流して、照明が点くか、コンセントに正しい電圧が出ているかなどを確かめる試験です。測定で異常がないと分かってから電気を流すので、通電試験は最後になります。もし先に電気を流すと、配線の誤りや絶縁不良があったときに、感電や火災、機器の故障につながるおそれがあります。
電力会社などによる「調査」
住宅などの一般用電気工作物が技術基準に合っているかは、電気事業法第57条にもとづき、電線路を維持・運用する者(送配電事業者など)が調査します。登録調査機関に委託することもできます。電気事業法施行規則第96条は、調査を「設置された時」と「変更の工事が完成した時」に行うほか、原則として4年に1回以上行うと定めています(登録点検業務受託法人が点検を受託している場合は5年に1回以上。2026年10月時点)。
絶縁抵抗の基準値
絶縁抵抗(ぜつえんていこう)は、電線どうし、または電線と大地の間に、電気がどれだけ漏れにくいかを表す値です。大きいほど漏れにくく、安全です。単位はMΩ(メガオーム)で、1MΩ=1,000,000Ωです。
電気設備に関する技術基準を定める省令第58条は、電気使用場所の低圧の電路について、開閉器や過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の値以上であることを求めています。
表 低圧の電路の絶縁抵抗の最小値(省令第58条の要点)| 電路の使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 | 例 |
|---|
| 300V以下で、対地電圧が150V以下 | 0.1MΩ以上 | 単相2線式100V、単相3線式100/200V |
| 300V以下で、上記以外 | 0.2MΩ以上 | 三相3線式200V |
| 300Vを超えるもの | 0.4MΩ以上 | 400V級の電動機の回路 |
対地電圧(たいちでんあつ)は、省令第58条の定義では、接地式の電路では電線と大地の間の電圧、非接地式の電路では電線と電線の間の電圧です。住宅の電路はふつう接地式なので、電線と大地の間の電圧と考えます。単相3線式100/200Vでは、200Vの負荷をつないでも、それぞれの電線と大地の間は100Vなので、0.1MΩ以上が基準です。ここはよく問われます。
絶縁抵抗の測定がむずかしい場合(停電できないときなど)について、電気設備の技術基準の解釈第14条は、電圧が加わった状態での漏えい電流が1mA以下であればよいとしています。対地電圧100Vで0.1MΩなら、100V÷100,000Ω=0.001A=1mAとなり、基準値どうしの関係が分かります。
絶縁抵抗計の使い方
絶縁抵抗は絶縁抵抗計(ぜつえんていこうけい。通称メガー)で測ります。絶縁抵抗計は、直流の高い電圧を加えて、流れるわずかな電流から抵抗値を求めます。そのため、電子機器をつないだまま測ると機器をいためることがあるので、外してから測ります。
電路と大地の間を測るときは、分岐開閉器を切って電気を止め、負荷(照明器具など)はつないだまま、点滅器(スイッチ)は入れた状態にして、電線をまとめて大地との間を測ります。点滅器を入れるのは、スイッチの先の配線まで測るためです。
電線相互間(電線どうし)を測るときは、電気を止めたうえで、負荷を外し、点滅器は入れて測ります。負荷をつないだままだと、負荷そのものの抵抗(電球のフィラメントなど)を測ってしまい、とても小さな値が出るからです。
例題
例題:三相3線式200Vの電動機の分岐回路で、電路と大地の間の絶縁抵抗を測ったら0.15MΩでした。省令の基準に適合していますか。
答えと考え方 適合していません。三相3線式200Vは使用電圧300V以下ですが、対地電圧が150Vを超えるので、基準は0.2MΩ以上です。0.15MΩはそれより小さいので不適合です。
用語
- 竣工検査(しゅんこうけんさ)
- 工事の完成後、電気を使い始める前に行う検査。点検、測定・試験、通電試験の順に進める。
- 導通試験(どうつうしけん)
- 電線が切れていないか、正しい場所につながっているかを確かめる試験。
- 絶縁抵抗(ぜつえんていこう)
- 電線どうし、電線と大地の間の電気の漏れにくさ。単位はMΩ。
- 対地電圧(たいちでんあつ)
- 電線と大地の間の電圧。絶縁抵抗の基準値を決めるときに使う。
- 漏えい電流(ろうえいでんりゅう)
- 絶縁物を通って大地などへ漏れる電流。
根拠:電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」、電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov)第58条、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第14条、電気事業法(e-Gov)第57条、電気事業法施行規則(e-Gov)第96条
2. 接地抵抗の測定と検査に使う測定器
接地工事の抵抗値の基準と接地抵抗計の使い方、そして回路計やクランプ形電流計など検査で使う測定器を学びます。
この講義では、接地抵抗の基準と測り方、そして検査で使う測定器を学びます。接地(せっち)は、機器の金属の外箱などを大地につなぐことで、漏電したときに人が感電しにくくするためのものです。施工のしかたは前の章(dk5)で学びました。
接地工事の種類と接地抵抗の値
電気設備の技術基準の解釈第29条は、低圧の機械器具の金属製外箱などに、使用電圧が300V以下ならD種接地工事、300Vを超えるならC種接地工事を施すとしています。第17条は、それぞれの接地抵抗値を次のように定めています。
表 C種・D種接地工事の接地抵抗値(解釈第17条の要点)| 種類 | 主な対象 | 接地抵抗値 | 0.5秒以内に自動的に遮断する装置がある場合 |
|---|
| D種接地工事 | 300V以下の低圧の機器の外箱など | 100Ω以下 | 500Ω以下 |
| C種接地工事 | 300Vを超える低圧の機器の外箱など | 10Ω以下 | 500Ω以下 |
「0.5秒以内に自動的に遮断する装置」の代表は、地絡(ちらく。電気が大地へ漏れること)を感知して回路を切る漏電遮断器です。これがあれば、D種でもC種でも500Ω以下まで認められます。接地線は、原則として直径1.6mm以上の軟銅線などを使います。
また、解釈第29条第2項は、接地工事を省略できる場合を定めています。たとえば、対地電圧150V以下の機器を乾燥した場所に施設する場合、電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁の構造の機器の場合、水気のある場所以外で、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型の漏電遮断器を施設した電路の機器の場合などです(2026年10月時点)。
接地抵抗計の使い方
接地抵抗は接地抵抗計(アーステスタ)で測ります。測りたい接地極をEとし、地面に補助接地極を2本(PとC)打ち込みます。E・P・Cはほぼ一直線に並べ、Pを中間に置きます。間隔は製品の説明書に従います(10m程度ずつ離す例が多い)。Cに電流を流し、Pで電圧を測って、Eの接地抵抗を求めるしくみです。
図 接地抵抗計の補助接地極の配置(E・P・Cをほぼ一直線に並べ、Pを中間に置く)測る前には、電池の電圧が足りているかを確かめます。補助接地極が近すぎたり一直線でなかったりすると、正しい値が出ません。
検査で使うそのほかの測定器
表 検査で使う主な測定器と用途| 測定器 | 何を確かめるか |
|---|
| 回路計(かいろけい。テスタ) | 抵抗、交流電圧など。導通試験にも使う |
| クランプ形電流計 | 電線をはさんで電流を測る。負荷電流や漏れ電流 |
| 検電器(けんでんき) | 電路が充電されているか(電圧がかかっているか) |
| 検相器(けんそうき) | 三相交流の相順(そうじゅん) |
| 照度計(しょうどけい) | 明るさ(照度。単位はlx〔ルクス〕) |
クランプ形電流計で漏れ電流を測るときは、その回路の電線をすべてまとめてはさみます。行きと帰りの電流は、漏れがなければ打ち消し合って0になります。打ち消し合わずに残った分が、大地へ漏れている電流です。単相3線式なら3本、単相2線式なら2本をまとめてはさみます。負荷電流を測るときは1本だけをはさみます。
営業所にそなえる器具
電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)は、電気工事業者に営業所ごとに器具をそなえることを求めています。同法施行規則第11条は、一般用電気工事のみの業務を行う営業所では、絶縁抵抗計、接地抵抗計、抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計をそなえるとしています(2026年10月時点)。この3つが、この章で学んだ検査の基本の道具です。
例題
例題:使用電圧200Vの三相電動機の外箱にD種接地工事をしました。電路には、地絡のとき0.1秒で動作する漏電遮断器があります。接地抵抗を測ると220Ωでした。基準に適合していますか。
答えと考え方 適合しています。使用電圧300V以下なのでD種接地工事です。D種は原則100Ω以下ですが、0.5秒以内に自動的に遮断する装置があるので500Ω以下まで認められます。220Ωは500Ω以下です。
用語
- 接地抵抗(せっちていこう)
- 接地極と大地の間の電気の流れにくさ。小さいほどよい。
- 補助接地極(ほじょせっちきょく)
- 接地抵抗を測るために一時的に地面に打ち込む極。PとCの2本。
- 地絡(ちらく)
- 電気が絶縁不良などで大地へ流れること。
- 漏電遮断器(ろうでんしゃだんき)
- 地絡を感知して自動的に電路を切る遮断器。
- 相順(そうじゅん)
- 三相交流の各相の電圧が最大になる順番。逆だと電動機が逆に回る。
根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第17条・第29条、電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則(e-Gov)第11条、電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」
確認問題(20問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|一般用電気工作物の調査の時期
住宅などの一般用電気工作物について、送配電事業者などが技術基準への適合を調べる「調査」の時期として、電気事業法施行規則の原則に合うものはどれか(登録点検業務受託法人が点検を受託していない場合)。
- 設置時と変更工事の完成時に行い、そのほか4年に1回以上行う
- 設置時にだけ行い、その後は所有者から依頼があったときに行う
- 設置時と変更工事の完成時に行い、そのほか10年に1回以上行う
- 設置時には行わず、毎年1回、定期的に行う
正解と解説
正解:A. 設置時と変更工事の完成時に行い、そのほか4年に1回以上行う電気事業法施行規則第96条は、調査を設置時と変更の工事の完成時に行うほか、原則として4年に1回以上行うと定めています(登録点検業務受託法人が受託している場合は5年に1回以上。2026年10月時点)。設置時だけ・10年に1回・設置時に行わない、はいずれも条文と合いません。
根拠:電気事業法施行規則(e-Gov)第96条、電気事業法(e-Gov)第57条
問2|竣工検査の順序
一般用電気工作物の竣工検査を進める順序として、最も適切なものはどれか。
- 通電試験 → 点検 → 測定・試験
- 測定・試験 → 通電試験 → 点検
- 点検 → 測定・試験 → 通電試験
- 点検 → 通電試験 → 測定・試験
正解と解説
正解:C. 点検 → 測定・試験 → 通電試験まず目視で施工状態を確かめ(点検)、次に電気を止めたまま絶縁抵抗・接地抵抗・導通などを測定・試験し、異常がないと分かってから最後に電気を流します(通電試験)。通電試験を先にすると、配線の誤りや絶縁不良があったときに感電・火災・機器の故障につながるおそれがあるので、ほかの3つの順序は不適切です。
根拠:電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」(検査方法の範囲:点検、導通試験、絶縁抵抗測定、接地抵抗測定)
問3|単相3線式の絶縁抵抗
単相3線式100/200Vの電路から供給する、使用電圧200Vの分岐回路がある。電路と大地の間の絶縁抵抗の最小値として、電気設備に関する技術基準を定める省令で定められている値はどれか。
- 0.2MΩ
- 0.1MΩ
- 0.4MΩ
- 1MΩ
正解と解説
正解:B. 0.1MΩ単相3線式100/200Vでは、200Vの回路でも各電線と大地の間の電圧(対地電圧)は100Vです。使用電圧300V以下で対地電圧150V以下なので、基準は0.1MΩ以上です。0.2MΩは対地電圧が150Vを超える300V以下の電路(三相3線式200Vなど)、0.4MΩは300Vを超える電路の値です。1MΩは省令の値ではありません。
根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov)第58条
問4|三相200Vの絶縁抵抗
三相3線式200Vの電動機の分岐回路について、電路と大地の間の絶縁抵抗の最小値として正しいものはどれか。
- 0.1MΩ
- 0.4MΩ
- 1MΩ
- 0.2MΩ
正解と解説
正解:D. 0.2MΩ三相3線式200Vは使用電圧300V以下ですが、対地電圧が150Vを超えるので、省令第58条の基準は0.2MΩ以上です。0.1MΩは対地電圧150V以下の場合、0.4MΩは使用電圧が300Vを超える場合の値です。1MΩは省令の値ではありません。
根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov)第58条
問5|300Vを超える電路の絶縁抵抗
使用電圧400Vの三相電動機の回路について、電路と大地の間の絶縁抵抗の最小値として正しいものはどれか。
- 0.4MΩ
- 0.2MΩ
- 0.1MΩ
- 1MΩ
正解と解説
正解:A. 0.4MΩ使用電圧が300Vを超える低圧の電路は、省令第58条で0.4MΩ以上です。0.2MΩと0.1MΩは使用電圧300V以下の電路の値なので、400Vの電路には当てはまりません。1MΩは省令の値ではありません。
根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov)第58条
問6|漏えい電流による判定
低圧の電路で、停電できないなど絶縁抵抗の測定が困難な場合、電気設備の技術基準の解釈では、使用電圧が加わった状態での漏えい電流がいくら以下であればよいとしているか。
- 0.1mA
- 0.5mA
- 1mA
- 10mA
正解と解説
正解:C. 1mA解釈第14条は、絶縁抵抗測定が困難な場合、使用電圧が加わった状態における漏えい電流が1mA以下であればよいとしています。対地電圧100Vで0.1MΩなら100÷100,000=0.001A=1mAとなり、絶縁抵抗の基準とつり合う値です。0.1mA・0.5mAは条文の値より厳しく、10mAは条文の値より大きいので誤りです。
根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第14条
問7|漏えい電流から絶縁抵抗を求める
対地電圧100Vの電路で、電路と大地の間の漏えい電流を測ったら0.5mAであった。このときの電路と大地の間の絶縁抵抗はいくらか。
- 0.1MΩ
- 0.2MΩ
- 0.5MΩ
- 2MΩ
正解と解説
問8|絶縁抵抗計のしくみ
絶縁抵抗計(メガー)についての記述として、正しいものはどれか。
- 交流100Vを加えて、流れる電流から抵抗値を求める
- 電路に電気を流したまま(通電中に)測るのが原則である
- 回路計の抵抗レンジで同じ値を代わりに測れる
- 直流の高い電圧を加えるので、電子機器は外して測る
正解と解説
正解:D. 直流の高い電圧を加えるので、電子機器は外して測る絶縁抵抗計は直流の高い電圧を加え、わずかに流れる電流から絶縁抵抗を求めます。そのため電子機器をつないだままだと機器をいためることがあり、外して測ります。交流100Vを加えるのではありません。絶縁抵抗の測定は電気を止めて行います。回路計の抵抗レンジは加える電圧が低く、MΩ級の絶縁抵抗の測定には使いません。
根拠:電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」(絶縁抵抗測定の方法、試験用器具の性能及び使用方法)、電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov)第58条
問9|電線相互間の測定
照明回路の電線相互間の絶縁抵抗を測るときの準備として、最も適切なものはどれか。
- 分岐開閉器を切り、電球などの負荷を外し、点滅器は入れておく
- 分岐開閉器を切り、負荷はつないだまま、点滅器は入れておく
- 分岐開閉器を入れたまま、負荷を外し、点滅器は切っておく
- 分岐開閉器を切り、負荷を外し、点滅器は切っておく
正解と解説
正解:A. 分岐開閉器を切り、電球などの負荷を外し、点滅器は入れておく電線相互間は、電気を止め(分岐開閉器を切る)、負荷を外して測ります。負荷をつないだままだと、電球のフィラメントなど負荷そのものの抵抗を測ってしまい、非常に小さな値になります。点滅器は入れて、スイッチの先の配線まで測ります。分岐開閉器を入れたままの測定は危険で、点滅器を切るとその先の配線が測れません。
根拠:電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」(絶縁抵抗測定の方法)、電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov)第58条(電線相互間及び電路と大地との間)
問10|電路と大地の間の測定
照明回路の電路と大地の間の絶縁抵抗を測る方法として、最も適切なものはどれか。
- 分岐開閉器を入れて通電したまま、電圧側の電線と大地の間を測る
- 分岐開閉器を切り、点滅器も切って、接地側の電線だけと大地の間を測る
- 分岐開閉器を切り、負荷はつないだまま点滅器を入れ、電線をまとめて大地との間を測る
- 分岐開閉器を切り、負荷をすべて外さないと、大地との間は測れない
正解と解説
問11|D種接地工事の抵抗値
使用電圧200Vの三相電動機の金属製外箱に接地工事を施す。地絡のとき自動的に電路を遮断する装置は施設しない。接地抵抗値の上限として、電気設備の技術基準の解釈に合うものはどれか。
- 10Ω以下
- 100Ω以下
- 500Ω以下
- 1000Ω以下
正解と解説
正解:B. 100Ω以下使用電圧300V以下の機器の外箱はD種接地工事(解釈第29条)で、接地抵抗値は100Ω以下です(解釈第17条)。10Ω以下はC種接地工事の値、500Ω以下は0.5秒以内に自動遮断する装置がある場合の値です。1000Ωはどの区分の値でもありません。
根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第17条・第29条
問12|漏電遮断器がある場合の判定
水気のある場所に施設した使用電圧200Vの機器の外箱にD種接地工事をした。電路には定格感度電流30mA・動作時間0.1秒の漏電遮断器がある。接地抵抗を測ったら350Ωであった。判定として正しいものはどれか。
- 100Ωを超えているので不適合である
- 漏電遮断器があるとC種接地工事となり、10Ω以下が必要なので不適合である
- 漏電遮断器があるので接地工事は不要であり、判定の必要はない
- 0.5秒以内に遮断する装置があるので500Ω以下でよく、適合である
正解と解説
正解:D. 0.5秒以内に遮断する装置があるので500Ω以下でよく、適合であるD種接地工事は原則100Ω以下ですが、地絡のとき0.5秒以内に自動的に遮断する装置があれば500Ω以下でよい(解釈第17条)ので、350Ωは適合です。漏電遮断器があってもC種にはなりません。接地工事を省略できる漏電遮断器の条件は、水気のある場所以外で、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型のもの(解釈第29条)なので、この例では省略できません。
根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第17条・第29条
問13|300Vを超える機器の接地
使用電圧400Vの三相電動機の金属製外箱に施す接地工事と、その接地抵抗値の組合せとして正しいものはどれか。ただし、地絡のとき0.5秒以内に自動的に遮断する装置は施設しない。
- D種接地工事・100Ω以下
- D種接地工事・500Ω以下
- C種接地工事・10Ω以下
- C種接地工事・100Ω以下
正解と解説
正解:C. C種接地工事・10Ω以下使用電圧が300Vを超える低圧の機器の外箱はC種接地工事(解釈第29条)で、接地抵抗値は10Ω以下です(解釈第17条)。D種は300V以下の機器に施すものです。500Ωは0.5秒以内の自動遮断装置がある場合の値で、この問題では使えません。C種の原則の値は100Ωではありません。
根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第17条・第29条
問14|接地工事を省略できる場合
低圧の機械器具の金属製外箱に施すD種接地工事を省略できる場合として、電気設備の技術基準の解釈に合うものはどれか。
- 交流の対地電圧100Vの機器を、乾燥した場所に施設する
- 交流の対地電圧200Vの機器を、水気のある場所に施設する
- 水気のある場所の機器の電路に、定格感度電流30mA・動作時間0.1秒の漏電遮断器を施設する
- 使用電圧400Vの機器を、乾燥した場所に施設する
正解と解説
正解:A. 交流の対地電圧100Vの機器を、乾燥した場所に施設する解釈第29条第2項は、交流の対地電圧150V以下の機器を乾燥した場所に施設する場合などに接地工事の省略を認めています。対地電圧200Vで水気のある場所は当てはまりません。漏電遮断器による省略は、水気のある場所以外で、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型の場合です。400Vの機器はC種接地工事の対象で、乾燥した場所というだけでは省略できません(2026年10月時点)。
根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第29条第2項
問15|接地抵抗計の補助接地極
接地抵抗計で接地抵抗を測るときの、被測定接地極Eと補助接地極P・Cの配置として、最も適切なものはどれか。
- Eを中央に置き、PとCをその両側に置く
- PとCを同じ場所に並べて打ち込む
- PとCを、Eから1m以内のすぐ近くに打ち込む
- E・P・Cをほぼ一直線に並べ、Pを中間に置く
正解と解説
正解:D. E・P・Cをほぼ一直線に並べ、Pを中間に置く接地抵抗計は、Cに電流を流し、Pで電圧を測ってEの接地抵抗を求めます。そのためE・P・Cをほぼ一直線に並べ、Pを中間に置き、説明書に従って間隔をとります(10m程度ずつの例が多い)。Eを中央に置く、PとCを同じ場所に置く、Eのすぐ近くに打ち込む、のいずれも正しい値が得られません。
根拠:電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」(接地抵抗測定の方法、試験用器具の性能及び使用方法)、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第17条
問16|検電器の用途
低圧検電器の用途として、正しいものはどれか。
- 電線の絶縁抵抗の値を測る
- 電路が充電されているかどうかを確かめる
- 接地極の接地抵抗の値を測る
- 三相交流の相順を確かめる
正解と解説
正解:B. 電路が充電されているかどうかを確かめる検電器は、電路に電圧がかかっているか(充電されているか)を確かめる器具で、作業前の安全確認などに使います。絶縁抵抗は絶縁抵抗計、接地抵抗は接地抵抗計、三相の相順は検相器で確かめます。
根拠:電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」(試験用器具の性能及び使用方法)
問17|導通試験の測定器
配線が切れていないか、正しくつながっているかを確かめる導通試験に使う測定器として、最も適切なものはどれか。
- 回路計(テスタ)
- 照度計
- 検相器
- 接地抵抗計
正解と解説
問18|クランプ形電流計で漏れ電流を測る
単相3線式の回路の漏れ電流をクランプ形電流計で測るとき、はさむ電線として正しいものはどれか。
- 中性線の1本だけ
- 電圧側の電線の1本だけ
- 中性線と電圧側の電線の3本をまとめて
- 電圧側の電線の2本だけをまとめて
正解と解説
正解:C. 中性線と電圧側の電線の3本をまとめて回路の電線をすべてまとめてはさむと、漏れがなければ行きと帰りの電流が打ち消し合って0になり、打ち消し合わずに残った分が漏れ電流として表示されます。単相3線式なら3本すべてです。1本だけでは負荷電流を測ることになり、電圧側の2本だけでは中性線を流れる電流の分が残ってしまいます。
根拠:電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」(試験用器具の性能及び使用方法)、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)第14条(漏えい電流)
問19|検相器の用途
三相誘導電動機を据え付けた後、回転の向きにかかわる三相交流の相順を確かめたい。使う測定器として正しいものはどれか。
- 回路計
- 照度計
- クランプ形電流計
- 検相器
正解と解説
正解:D. 検相器三相交流の相順(各相の電圧が最大になる順番)は検相器で確かめます。相順が逆だと電動機は逆向きに回ります。回路計は抵抗や電圧、照度計は明るさ、クランプ形電流計は電流を測るもので、相順は分かりません。
根拠:電気技術者試験センター「第二種 学科試験のポイント」(試験用器具の性能及び使用方法)
問20|営業所にそなえる器具
電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則で、一般用電気工事のみの業務を行う営業所にそなえることとされている器具の組合せはどれか。
- 絶縁抵抗計・接地抵抗計・回転計
- 絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計
- 接地抵抗計・回路計・照度計
- 絶縁抵抗計・検相器・回路計
正解と解説
正解:B. 絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計施行規則第11条は、一般用電気工事のみの業務を行う営業所では、絶縁抵抗計、接地抵抗計、抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計をそなえるとしています(2026年10月時点)。回転計・照度計・検相器はこの3つに含まれません。
根拠:電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則(e-Gov)第11条
演習:この章の問題を解く
ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
※ 解説は学習用の情報提供です。試験の実施方法・出題範囲・合格基準は、必ず電気技術者試験センターの公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。数値は法令・「電気設備の技術基準の解釈」(経済産業省)など公開の一次資料で確かめています。実際の工事は、資格と法令に従って行ってください。