日商簿記3級 BOOKKEEPING GRADE 3
商品売買
講義 4 本・確認問題 14 問 | 日々の取引(諸取引の処理) | 最終更新 2026-10-16
この章で学ぶこと- 3分法で仕入・売上・返品を仕訳し、引取運賃は仕入に含め、売手の送料は発送費にする。
- 売上原価対立法で、販売のたびに売上と売上原価の2本の仕訳を書く。
- 前払金・前受金、クレジット売掛金、受取商品券を使い分ける。
- 仕入帳・売上帳を締め切り、純仕入高・純売上高を求める。
- 商品有高帳を先入先出法・移動平均法で記入し、売上原価と売上総利益を計算する。
1. 3分法の基本:仕入・売上・諸掛り・返品
商品売買の基本の記帳方法「3分法」と、運賃や返品の扱いを学びます。
この章では、商品を仕入れて売る「商品売買」の記帳を学びます。3級の試験では、商品売買の処理として3分法と売上原価対立法(販売のつど売上原価勘定に振り替える方法)の2つが出題範囲です。この講義は、基本となる3分法から始めます。
3分法とは
3分法は、商品売買を仕入(費用)・売上(収益)・繰越商品(資産)の3つの勘定で記録する方法です。期中は、商品を仕入れたら原価で「仕入」に、売ったら売価で「売上」に記入するだけです。いま手元にいくら分の商品があるか、売った商品の原価がいくらかは、期中には勘定に出てきません。決算のときに、期首と期末の在庫を使ってまとめて計算します(→決算整理の章)。
3分法の基本の仕訳(消費税は考えない例)| 取引 | 借方 | 貸方 |
| 商品80,000円を掛けで仕入れた | 仕入 80,000 | 買掛金 80,000 |
| 商品を120,000円で掛けで売った | 売掛金 120,000 | 売上 120,000 |
「掛け」は、代金を後日まとめて払う(受け取る)約束で取引することです。後で払う義務は買掛金(負債)、後で受け取る権利は売掛金(資産)で記録します。
仕入諸掛り:引取運賃などは仕入に含める
商品を仕入れるときに、運賃や保険料などの費用がかかることがあります。これを仕入諸掛り(しいれしょがかり)といいます。当社が負担する仕入諸掛りは、商品を手に入れるために必要な支出なので、商品の原価に含めて「仕入」勘定に記入します。3級の勘定科目表には「引取運賃」という科目はありません。
例:商品100,000円を掛けで仕入れ、引取運賃2,000円を現金で払った → (借)仕入 102,000/(貸)買掛金 100,000、現金 2,000
発送費:売手が払う送料は費用
商品を売ったときに売手が払う送料は、発送費(費用)で処理します(許容科目は支払運賃・発送運賃)。日本商工会議所は2021年度の改定で、収益認識に関する会計基準に合わせ、3級と2級では「売手が支払う送料は、売手の費用として処理する」形で出題するとしました。送料を買手に請求して立替金や売掛金にする処理は、3級では出題されません。
例:商品50,000円を掛けで売り、送料1,000円(当社負担)を現金で払った → (借)売掛金 50,000、発送費 1,000/(貸)売上 50,000、現金 1,000
返品:品違いなどで返したとき
品違いや傷などで商品を返すことを返品といいます。仕入れた商品を返したら、仕入の仕訳の逆(仕入を減らす)、売った商品が返ってきたら、売上の仕訳の逆(売上を減らす)を書きます。
返品の仕訳(掛け取引の場合)| 取引 | 借方 | 貸方 |
| 仕入れた商品5,000円を品違いで返品した(仕入戻し) | 買掛金 5,000 | 仕入 5,000 |
| 売った商品3,000円が品違いで返品された(売上戻り) | 売上 3,000 | 売掛金 3,000 |
なお、たくさん買ったことで代金を減らしてもらう「仕入割戻」は2級の範囲です。3級では、品違いなどによる返品を扱います。
消費税がある場合(税抜方式)
3級の消費税は税抜方式です。仕入のときに払った消費税は仮払消費税(資産)、売上のときに受け取った消費税は仮受消費税(負債)に記録し、仕入や売上は税抜の金額で書きます。例:商品30,000円(税抜)を掛けで仕入れ、消費税10% → (借)仕入 30,000、仮払消費税 3,000/(貸)買掛金 33,000。くわしくは税金の章で学びます。
用語
- 3分法
- 仕入・売上・繰越商品の3つの勘定で商品売買を記録する方法
- 仕入諸掛り
- 仕入のときにかかる運賃などの費用。当社負担なら仕入に含める
- 発送費
- 売手が商品を送るときに払う送料。費用の勘定
- 仕入戻し・売上戻り
- 仕入れた商品・売った商品の返品
- 掛け
- 代金を後日まとめて払う(受け取る)約束での取引
例題
例題:商品60,000円を掛けで仕入れ、引取運賃1,500円を現金で払った(当社負担)。3分法で仕訳しなさい。
答えと考え方 (借)仕入 61,500/(貸)買掛金 60,000、現金 1,500。引取運賃は商品の原価に含めるので、仕入は60,000+1,500=61,500円です。発送費は売るときの送料に使う科目なので、ここでは使いません。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 ア・エ(3分法、品違い等による返品)、19(消費税(税抜方式))、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(仕入・売上・発送費・仮払消費税・仮受消費税)、2021年度 出題区分表の改定について(収益認識基準)(売手が支払う送料は売手の費用として出題)(いずれも日本商工会議所、2026-10-16確認)
2. 売上原価対立法と売上総利益
2027年度から3級に加わった「販売のつど売上原価に振り替える方法」と、売上原価・売上総利益の求め方を学びます。
3分法では、売った商品の原価(売上原価)は決算のときにまとめて計算します。これに対して、売上原価対立法は、商品を売るたびに売上原価を記録する方法です。出題区分表では「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」と書かれており、2027年度(2027年4月1日以降の試験)から2級から3級に移りました。
なぜ3級に移ったのか
日本商工会議所の改定説明書は、理由として次の点を挙げています。3分法で決算まで売上原価を全く把握しないのは、企業経営の観点から健全とはいえず簡便な扱いにとどまること。実務でも販売のつど売上原価に振り替える方法が増えていること。そして3級でも、商品有高帳(講義4)で販売のたびに払出しの原価を記録しているので、それを総勘定元帳にも反映させる方法を学ぶ必要があること、です。
使う勘定
売上原価対立法では、商品(資産)・売上(収益)・売上原価(費用)の3つの勘定を使います。「商品」と「売上原価」はどちらも3級の標準の勘定科目です。
売上原価対立法の仕訳| 取引 | 借方 | 貸方 |
| 商品40,000円を掛けで仕入れた | 商品 40,000 | 買掛金 40,000 |
| 上の商品のうち原価30,000円分を50,000円で掛けで売った | 売掛金 50,000 売上原価 30,000 | 売上 50,000 商品 30,000 |
| 売った商品のうち売価5,000円(原価3,000円)が品違いで返品された | 売上 5,000 商品 3,000 | 売掛金 5,000 売上原価 3,000 |
ポイントは、販売のときに2本の仕訳を書くことです。1本目は売価で売上を記録し、2本目は原価で「商品」を減らして「売上原価」に移します。返品のときは両方を逆にします。こうすると、商品勘定の残高はいつでも「手元にある商品の原価」になり、売上原価勘定の残高はいつでも「これまでに売れた商品の原価」になります。仕入諸掛りは、3分法と同じく商品の原価に含めて「商品」勘定に記入します。
3分法との比べ方
2つの方法の違い | 3分法 | 売上原価対立法 |
| 仕入のとき | 仕入(費用) | 商品(資産) |
| 販売のとき | 売上だけ | 売上と、売上原価/商品 |
| 売上原価が分かる時 | 決算のとき | 販売のたび |
売上原価と売上総利益の計算
どちらの方法でも、1年間の売上原価は次の式で求められます。
売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 − 期末商品棚卸高
「棚卸高」は、在庫を数えて原価で計算した金額です。当期商品仕入高は、返品(仕入戻し)を引いた純仕入高を使います。売上高から売上原価を引いたものが売上総利益(いわゆる粗利)です。売上高も、返品(売上戻り)を引いた純売上高を使います。
例:期首商品20,000円、当期仕入300,000円、期末商品25,000円、売上400,000円 → 売上原価は20,000+300,000−25,000=295,000円、売上総利益は400,000−295,000=105,000円。
用語
- 売上原価
- 売れた商品の原価(仕入れたときの値段)
- 売上原価対立法
- 販売のたびに商品の原価を売上原価勘定に振り替える方法
- 棚卸高
- 在庫を数え、原価で計算した金額
- 売上総利益
- 純売上高から売上原価を引いた利益
例題
例題:売上原価対立法で記帳している。原価18,000円の商品を25,000円で売り、代金は現金で受け取った。仕訳しなさい。
答えと考え方 (借)現金 25,000、売上原価 18,000/(貸)売上 25,000、商品 18,000。売価で売上を記録し、原価で商品を減らして売上原価に移します。差額の7,000円は勘定には出ず、売上と売上原価の差として表れます。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 イ(販売のつど売上原価勘定に振り替える方法)、2027年度適用 改定項目等の説明書「7.商品の売買」(2級から3級への移行と理由)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(商品・売上原価は3級A欄)(いずれも日本商工会議所、2026-10-16確認)
3. 前払金・前受金、クレジット売掛金、受取商品券
手付金のやりとりや、カード・キャッシュレス決済・商品券で代金を受け取ったときの記帳を学びます。
商品売買では、代金を先に払ったり受け取ったり、現金以外の方法で受け取ったりすることがあります。この講義では、出題区分表の「その他の債権と債務等」や「売掛金および買掛金ならびに電子記録債権等」に入っている、商品売買と一緒に出てくる科目をまとめて学びます。
前払金と前受金:手付金のやりとり
商品を注文するときに、代金の一部を手付金(内金)として先に払うことがあります。払った側は、あとで商品を受け取る権利を持つので前払金(資産。許容科目は前渡金)で記録します。受け取った側は、あとで商品を渡す義務を負うので前受金(負債)で記録します。注文した時点では、まだ商品のやりとりがないので、仕入や売上は記録しません。
手付金の流れ(売手の側)| 取引 | 借方 | 貸方 |
| 注文を受け、手付金10,000円を現金で受け取った | 現金 10,000 | 前受金 10,000 |
| 商品100,000円を引き渡し、手付金を差し引いた残りを掛けとした | 前受金 10,000 売掛金 90,000 | 売上 100,000 |
買手の側は逆になります。注文時は(借)前払金/(貸)現金、商品を受け取ったら(借)仕入/(貸)前払金・買掛金です。
クレジット売掛金:カードやキャッシュレス決済での販売
お客さんがクレジットカードで払うと、代金はカード会社(信販会社)から後日入金されます。このとき、お客さんに対する売掛金とは区別して、クレジット売掛金(資産)で記録します。2027年度の出題区分表では「クレジット売掛金(キャッシュレス決済を含む)」と書かれ、改定説明書は、クレジットカードだけでなく各種のキャッシュレス決済の取引で生じた債権もこの勘定で扱うことを明らかにした、と説明しています。
カード会社などに払う手数料は支払手数料(費用)です。手数料をいつ記録するかは問題文の指示に従います。販売時に計上する指示なら、例えば商品50,000円をカード払いで売り、手数料3%を販売時に計上 → (借)クレジット売掛金 48,500、支払手数料 1,500/(貸)売上 50,000。後日入金されたら (借)普通預金 48,500/(貸)クレジット売掛金 48,500 です。
受取商品券:商品券で代金を受け取る
自治体や商店街などが発行した商品券で代金を受け取ることがあります。受け取った商品券は、あとで発行した団体にお金と交換してもらえる権利なので受取商品券(資産)で記録します。例:商品20,000円を売り、代金として商品券20,000円を受け取った → (借)受取商品券 20,000/(貸)売上 20,000。発行団体から精算されて普通預金に入金されたら (借)普通預金 20,000/(貸)受取商品券 20,000 です。自社が商品券を発行する場合の処理(発行商品券等)は1級の範囲です。
消費税と組み合わせる場合
税抜方式では、売上は税抜の金額、消費税は仮受消費税で記録し、受け取る総額は税込になります。例:商品10,000円(税抜)、消費税10%をカード払いで販売 → お客さんが払うのは11,000円です。受け取り方が何であっても、売上と仮受消費税の書き方は変わりません。
用語
- 前払金
- 商品を受け取る前に払った手付金。資産
- 前受金
- 商品を渡す前に受け取った手付金。負債
- クレジット売掛金
- クレジットカードやキャッシュレス決済で売ったときの、決済会社などに対する債権
- 受取商品券
- 代金として受け取った、他の団体などが発行した商品券
- 支払手数料
- 決済会社などに払う手数料。費用
例題
例題:先に手付金5,000円を払って注文していた商品40,000円を受け取り、残りは掛けとした。買手の仕訳を3分法で書きなさい。
答えと考え方 (借)仕入 40,000/(貸)前払金 5,000、買掛金 35,000。手付金を払ったときに記録した前払金を取り崩し、残りの35,000円が買掛金になります。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 3 カ(クレジット売掛金(キャッシュレス決済を含む))、4 ウ・キ(前払金・前受金、受取商品券)、2027年度適用 改定項目等の説明書「3.売掛金および買掛金ならびに電子記録債権等」、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(前払金〔B欄 前渡金〕・前受金・クレジット売掛金・受取商品券・支払手数料)(いずれも日本商工会議所、2026-10-16確認)
4. 仕入帳・売上帳と商品有高帳
商品売買の補助簿の書き方と、先入先出法・移動平均法による払出単価の決め方を学びます。
主要簿(仕訳帳・総勘定元帳)とは別に、取引の明細を記録する帳簿を補助簿といいます。商品売買の補助簿として、3級では仕入帳・売上帳と、商品有高帳(先入先出法・移動平均法)が出題範囲です。総平均法は2級の範囲です。
仕入帳と売上帳
仕入帳は仕入取引の明細(日付・仕入先・品名・数量・単価・金額・支払条件)を、売上帳は売上取引の明細を記録します。返品は赤字で記入し、締め切るときに「総仕入高(総売上高)」から返品の額を引いて「純仕入高(純売上高)」を出します。当社負担の引取運賃は仕入の金額に含めるので、仕入帳にも記入します。一方、発送費は売上ではないので売上帳には記入しません。
仕入帳の締切りの例(数字は架空)| 日付 | 摘要 | 金額 |
| 7/2 | E商店 掛 品物A 20個 @1,000(20,000)、引取運賃 現金 500 | 20,500 |
| 7/9 | F商店 掛 品物B 10個 @2,000 | 20,000 |
| 7/11 | F商店 掛返品 品物B 1個 @2,000(赤字で記入) | 2,000 |
| 総仕入高 | 40,500 |
| 仕入戻し高 | 2,000 |
| 純仕入高 | 38,500 |
商品有高帳
商品有高帳は、商品の種類ごとに、受入(仕入れた)・払出(売った)・残高を、数量・単価・金額で記録する帳簿です。金額はすべて原価で書きます。売価は書きません。払出欄の金額の合計が、その商品の売上原価になります。
同じ商品でも、仕入れた時期によって単価が違うことがあります。そのとき、払い出す商品の単価をどう決めるかで、次の2つの方法があります。
先入先出法
先に受け入れたものから先に払い出したと考える方法です。単価の違う商品が残高にあるときは、単価ごとに行を分けて書きます。例:残高に10個@500円と30個@520円があるところで15個を払い出すと、払出は「10個@500=5,000円」と「5個@520=2,600円」の2行、残高は「25個@520=13,000円」になります。
移動平均法
仕入れるたびに平均単価を計算し直す方法です。平均単価=(受入直前の残高金額+受入金額)÷(受入直前の残高数量+受入数量)。払出はその時点の平均単価で書きます。例:残高10個@500円(5,000円)に30個@520円(15,600円)を受け入れると、平均単価は20,600÷40=515円。ここから15個払い出すと、払出は15個@515=7,725円です。
同じ取引を2つの方法で記録した結果 | 先入先出法 | 移動平均法 |
| 15個の払出(売上原価) | 7,600円 | 7,725円 |
| 残り25個の残高 | 13,000円 | 12,875円 |
仕入単価が上がっているときは、先入先出法のほうが古い安い単価から払い出すので、売上原価が小さく、残高が大きくなります。どちらの方法でも、払出と残高の合計(20,600円)は同じです。売上総利益は、売上高からこの払出(売上原価)を引いて求めます。
用語
- 補助簿
- 主要簿とは別に、取引の明細を記録する帳簿
- 純仕入高・純売上高
- 総仕入高・総売上高から返品の額を引いた金額
- 商品有高帳
- 商品ごとの受入・払出・残高を原価で記録する帳簿
- 先入先出法
- 先に受け入れた商品から先に払い出すと考える方法
- 移動平均法
- 受け入れるたびに平均単価を計算し直す方法
例題
例題:残高が20個@300円。そこへ20個@330円を仕入れ、その後25個を払い出した。移動平均法での払出金額はいくらか。
答えと考え方 平均単価=(6,000+6,600)÷40=315円。払出は25個×315円=7,875円です。先入先出法なら20個@300+5個@330=7,650円になり、結果が違うことに注意しましょう。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第一 4 イ(補助簿)、第二 7 カ・キ(仕入帳と売上帳、商品有高帳(先入先出法、移動平均法)。総平均法は2級)(いずれも日本商工会議所、2026-10-16確認)。計算例は仮の宿が作成し、Pythonで再計算して確認
確認問題(14問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|仕入諸掛り
3分法で記帳している。商品200,000円を掛けで仕入れ、引取運賃4,000円(当社負担)を現金で支払った。正しい仕訳はどれか。
- (借)仕入 200,000、発送費 4,000/(貸)買掛金 200,000、現金 4,000
- (借)仕入 204,000/(貸)買掛金 200,000、現金 4,000
- (借)仕入 204,000/(貸)買掛金 204,000
- (借)仕入 200,000、支払手数料 4,000/(貸)買掛金 200,000、現金 4,000
正解と解説
正解:B. (借)仕入 204,000/(貸)買掛金 200,000、現金 4,000当社負担の引取運賃は商品を手に入れるための支出なので、仕入の原価に含めます。仕入は200,000+4,000=204,000円、運賃は現金で払ったので貸方は買掛金200,000円と現金4,000円です。発送費は売るときの送料の科目、支払手数料は手数料の科目なので誤りです。運賃まで買掛金にする仕訳は、現金で払った事実と合いません。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 ア、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(3級に引取運賃の科目はない)
問2|発送費
3分法で記帳している。商品150,000円を掛けで販売し、商品の送料3,000円(当社負担)を現金で支払った。正しい仕訳はどれか。
- (借)売掛金 153,000/(貸)売上 150,000、現金 3,000
- (借)売掛金 150,000、仕入 3,000/(貸)売上 150,000、現金 3,000
- (借)売掛金 147,000、発送費 3,000/(貸)売上 150,000
- (借)売掛金 150,000、発送費 3,000/(貸)売上 150,000、現金 3,000
正解と解説
問3|売上の返品
3分法で記帳している。先日掛けで販売した商品のうち20,000円分が、品違いのため返品された。代金は売掛金から差し引く。正しい仕訳はどれか。
- (借)売上 20,000/(貸)売掛金 20,000
- (借)売掛金 20,000/(貸)売上 20,000
- (借)仕入 20,000/(貸)売掛金 20,000
- (借)売上 20,000/(貸)買掛金 20,000
正解と解説
正解:A. (借)売上 20,000/(貸)売掛金 20,000売上戻り(売った商品の返品)は、販売時の仕訳(借)売掛金/(貸)売上の逆を書き、売上と売掛金を減らします。貸借を逆にした仕訳は、売上をさらに増やしてしまいます。仕入は仕入れた商品の返品で使う科目です。買掛金は仕入先への債務なので、得意先への売掛金を減らす取引には使いません。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 エ(品違い等による仕入および売上の返品)
問4|売上原価対立法:販売
商品売買を「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」で記帳している。原価60,000円の商品を90,000円で掛けで販売した。正しい仕訳はどれか。
- (借)売掛金 90,000/(貸)売上 90,000
- (借)売掛金 90,000/(貸)商品 60,000、売上 30,000
- (借)売掛金 90,000、売上原価 60,000/(貸)売上 90,000、商品 60,000
- (借)売掛金 90,000、商品 60,000/(貸)売上 90,000、売上原価 60,000
正解と解説
問5|前受金
3分法で記帳している。かねて注文を受け、手付金30,000円を受け取っていた商品300,000円を得意先に引き渡し、手付金を差し引いた残額は掛けとした。正しい仕訳はどれか。
- (借)前受金 30,000、売掛金 270,000/(貸)売上 300,000
- (借)前払金 30,000、売掛金 270,000/(貸)売上 300,000
- (借)売掛金 300,000/(貸)売上 270,000、前受金 30,000
- (借)売掛金 330,000/(貸)売上 300,000、前受金 30,000
正解と解説
正解:A. (借)前受金 30,000、売掛金 270,000/(貸)売上 300,000手付金を受け取ったときは前受金(負債)で記録しています。商品を引き渡したので、前受金30,000円を取り崩し、残り270,000円を売掛金とし、売上300,000円を記録します。前払金は手付金を払った側(買手)が使う科目です。売上を270,000円とする仕訳は売上が少なく、前受金を貸方に書くと前受金がさらに増えてしまいます。売掛金を330,000円とする仕訳も、前受金を増やしており誤りです。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 ウ(前払金、前受金)、7 ア
問6|クレジット売掛金
3分法で記帳している。商品100,000円をクレジットカード払いで販売した。カード会社への手数料(販売代金の4%)は販売時に計上する。正しい仕訳はどれか。
- (借)売掛金 96,000、支払手数料 4,000/(貸)売上 100,000
- (借)クレジット売掛金 96,000、支払手数料 4,000/(貸)売上 100,000
- (借)クレジット売掛金 100,000/(貸)売上 100,000
- (借)クレジット売掛金 100,000/(貸)売上 96,000、支払手数料 4,000
正解と解説
正解:B. (借)クレジット売掛金 96,000、支払手数料 4,000/(貸)売上 100,000カード払いの代金はカード会社から入金されるので、得意先への売掛金とは区別してクレジット売掛金で記録します。手数料は100,000×4%=4,000円で、販売時に計上する指示なので支払手数料(費用)を借方に書き、クレジット売掛金は96,000円です。売掛金を使う仕訳は科目が違います。手数料を計上しない仕訳は指示に反します。手数料を貸方に書くと、費用ではなく収益のように扱ってしまいます。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 3 カ(クレジット売掛金(キャッシュレス決済を含む))、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(クレジット売掛金・支払手数料)
問7|受取商品券と消費税
3分法・税抜方式(消費税率10%)で記帳している。商品50,000円(税抜)を販売し、代金のうち33,000円は自治体が発行した商品券で受け取り、残りは現金で受け取った。正しい仕訳はどれか。
- (借)受取商品券 33,000、現金 22,000/(貸)売上 55,000
- (借)受取商品券 33,000、現金 22,000/(貸)売上 50,000、仮払消費税 5,000
- (借)売掛金 33,000、現金 22,000/(貸)売上 50,000、仮受消費税 5,000
- (借)受取商品券 33,000、現金 22,000/(貸)売上 50,000、仮受消費税 5,000
正解と解説
正解:D. (借)受取商品券 33,000、現金 22,000/(貸)売上 50,000、仮受消費税 5,000税込の代金は50,000+5,000=55,000円で、商品券33,000円と現金22,000円で受け取りました。他の団体が発行した商品券は受取商品券(資産)で記録します。税抜方式なので売上は50,000円、受け取った消費税は仮受消費税(負債)です。売上を55,000円とするのは税込方式の書き方です。仮払消費税は仕入のときに払った消費税の科目です。商品券は売掛金ではありません。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 キ(受取商品券)、19(消費税(税抜方式))、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(受取商品券・仮受消費税)
問8|売上総利益の計算
3分法で記帳している。次の資料から、当期の売上総利益を求めよ。期首商品棚卸高40,000円、当期の総仕入高510,000円、仕入戻し高10,000円、期末商品棚卸高50,000円、純売上高700,000円。
- 200,000円
- 190,000円
- 210,000円
- 160,000円
正解と解説
正解:C. 210,000円純仕入高は510,000−10,000=500,000円。売上原価=期首40,000+純仕入高500,000−期末50,000=490,000円。売上総利益=700,000−490,000=210,000円です。200,000円は仕入戻し高を引き忘れた誤り(売上原価500,000円)、190,000円は期首と期末を逆にした誤り(売上原価510,000円)、160,000円は期末商品を差し引き忘れた誤り(売上原価540,000円)です。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 ア・エ・カ、第三(決算整理・商品棚卸)。計算は仮の宿がPythonで再計算して確認
問9|先入先出法の売上原価
商品Xの4月の取引は次のとおりである。4月1日 前月繰越 10個 @1,000円、4月8日 仕入 30個 @1,200円、4月15日 売上 25個、4月22日 仕入 20個 @1,290円、4月28日 売上 30個。先入先出法で商品有高帳に記入したとき、4月の売上原価はいくらか。
- 65,350円
- 65,650円
- 68,700円
- 64,000円
正解と解説
正解:A. 65,350円先入先出法では古いものから払い出します。4月15日の25個は、前月繰越10個×1,000=10,000円と、4月8日分15個×1,200=18,000円で28,000円。4月28日の30個は、4月8日分の残り15個×1,200=18,000円と、4月22日分15個×1,290=19,350円で37,350円。合計65,350円です。65,650円は移動平均法の結果です。68,700円は、どちらの払出も直前に仕入れた単価で計算した誤り(4月15日の25個を1,200円、4月28日の30個を1,290円)、64,000円は4月8日分が15個しか残っていないのに30個すべてを1,200円で計算した誤りです。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 キ(商品有高帳(先入先出法、移動平均法))。計算は仮の宿がPythonで再計算して確認
問10|移動平均法の売上総利益
商品Xの4月の取引は次のとおりである。4月1日 前月繰越 10個 @1,000円、4月8日 仕入 30個 @1,200円、4月15日 売上 25個、4月22日 仕入 20個 @1,290円、4月28日 売上 30個。売上の売価はいずれも1個2,000円である。移動平均法で商品有高帳に記入したとき、4月の売上総利益はいくらか。
- 44,650円
- 44,350円
- 46,750円
- 42,550円
正解と解説
正解:B. 44,350円4月8日の平均単価=(10,000+36,000)÷40個=1,150円。4月15日の払出は25個×1,150=28,750円、残りは15個・17,250円。4月22日の平均単価=(17,250+25,800)÷35個=1,230円。4月28日の払出は30個×1,230=36,900円。売上原価は65,650円、売上高は55個×2,000=110,000円なので、売上総利益は44,350円です。44,650円は先入先出法の結果です。46,750円は4月22日の仕入のあと平均単価を計算し直さず1,150円のままにした誤り、42,550円は4月28日の払出を最新の仕入単価1,290円で計算した誤りです。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 キ(商品有高帳(先入先出法、移動平均法))。計算は仮の宿がPythonで再計算して確認
問11|売上原価対立法:商品勘定の残高
「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」で記帳している。商品勘定の期首残高は30,000円、当期に掛けで仕入れた商品は400,000円、当期に販売した商品の原価は360,000円であった。また、販売した商品のうち原価6,000円分が品違いで返品された。商品勘定の期末残高はいくらか。
- 70,000円
- 64,000円
- 46,000円
- 76,000円
正解と解説
正解:D. 76,000円商品勘定は、仕入で増え(借方)、販売で原価分減り(貸方)、売上の返品では戻ってきた商品の原価分増えます(借方 商品/貸方 売上原価)。30,000+400,000−360,000+6,000=76,000円です。70,000円は返品を忘れた誤り、64,000円は返品を減らす方向に計算した誤り、46,000円は期首残高を入れ忘れた誤りです。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 イ・エ、2027年度適用 改定項目等の説明書「7.商品の売買」
問12|仕入帳の純仕入高
5月の仕入帳の記入は次のとおりである。5月3日 A商店 掛 甲品50個 @800円 40,000円。5月10日 B商店 掛 乙品30個 @1,000円 30,000円、引取運賃(当社負担)現金払い1,500円、合計31,500円。5月12日 B商店 掛返品 乙品3個 @1,000円 3,000円(赤字記入)。仕入帳を締め切ったとき、純仕入高はいくらか。
- 71,500円
- 67,000円
- 68,500円
- 65,500円
正解と解説
正解:C. 68,500円総仕入高は40,000+31,500=71,500円(当社負担の引取運賃は仕入原価に含める)。ここから仕入戻し高3,000円を引いて、純仕入高は68,500円です。71,500円は総仕入高で、返品を引いていません。67,000円は引取運賃を仕入に含めなかった誤り、65,500円は引取運賃を返品と同じように差し引いた誤りです。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 カ(仕入帳と売上帳)・エ(返品)
問13|売上帳の純売上高
6月の取引は次のとおりである。6月5日 C商店に甲品40個 @1,500円を掛けで販売。6月12日 D商店に乙品20個 @2,000円を掛けで販売し、送料1,000円(当社負担)を現金で支払った。6月14日 D商店から乙品2個が品違いのため返品された(掛代金から差し引く)。売上帳を締め切ったとき、純売上高はいくらか。
- 100,000円
- 96,000円
- 97,000円
- 95,000円
正解と解説
正解:B. 96,000円総売上高は60,000+40,000=100,000円。売上戻り高は2個×2,000=4,000円なので、純売上高は96,000円です。当社負担の送料は発送費(費用)で、売上ではないため売上帳の金額には含めません。100,000円は返品を引いていない総売上高、97,000円は送料を売上に加えた誤り、95,000円は送料を売上から差し引いた誤りです。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 カ(仕入帳と売上帳)・エ(返品)、2021年度 出題区分表の改定について(収益認識基準)(売手が支払う送料は売手の費用)
問14|商品有高帳の払出欄
商品Yの商品有高帳(先入先出法)に、5月1日 前月繰越 20個 @500円 10,000円、5月9日 仕入 30個 @520円 15,600円 と記入されている。5月20日に25個を販売した。5月20日の払出欄の記入として正しいものはどれか。
- 20個 @500円 10,000円 と 5個 @520円 2,600円 の2行
- 25個 @512円 12,800円 の1行
- 25個 @520円 13,000円 の1行
- 5個 @500円 2,500円 と 20個 @520円 10,400円 の2行
正解と解説
正解:A. 20個 @500円 10,000円 と 5個 @520円 2,600円 の2行先入先出法では、先に受け入れた前月繰越の20個(@500円)から払い出し、足りない5個を5月9日の仕入分(@520円)から払い出します。単価が違うので2行に分けて書きます。@512円は移動平均法の単価(25,600÷50個)です。25個すべてを@520円とするのは新しい仕入から払い出した誤り、5個@500円と20個@520円は数量の割り振りを逆にした誤りです。
根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 7 キ(商品有高帳(先入先出法、移動平均法))
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※ 解説は学習用の情報提供です。出題範囲・配点・試験の実施方法は、必ず日本商工会議所の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。