仮の宿 学習室

日商簿記3級 BOOKKEEPING GRADE 3

現金と預金

講義 3 本・確認問題 12 問 | 日々の取引(諸取引の処理) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 現金と現金過不足
  2. 普通預金・当座預金・定期預金と当座借越
  3. 小口現金と小口現金出納帳
  4. 確認問題(12問)
  5. 演習ツール

1. 現金と現金過不足

簿記の「現金」に含まれるものと、帳簿と実際の金額が合わないときの処理(現金過不足)を学びます。

簿記でいう現金は、財布や金庫にある紙幣・硬貨(通貨)だけではありません。金融機関などに持っていけば、すぐに通貨と引き換えられる証券も「現金」として扱います。これを通貨代用証券といいます。例として、郵便局で現金と引き換えられる郵便為替証書があります。

以前の教科書では、取引先が振り出した小切手も通貨代用証券の代表でした。しかし、全国銀行協会が2025年3月に、電子交換所での手形・小切手の交換を2026年度末で廃止することを決めたため、日本商工会議所は2027年度からの出題区分表で紙の手形・小切手に関する内容を削りました(2026年10月時点)。このラボでも小切手の受け取り・振り出しは扱いません。

現金の増減と現金出納帳

現金は資産なので、増えたら借方、減ったら貸方に記入します。たとえば売掛金50,000円を現金で受け取ったら「(借)現金 50,000/(貸)売掛金 50,000」です。現金の出入りを日付順に細かく記録する補助簿が現金出納帳です。収入・支出・残高の欄があり、月末には残高を「次月繰越」として支出欄に書き、収入欄と支出欄の合計を一致させて締め切ります。翌月の初めには、同じ金額を「前月繰越」として収入欄に書きます。

現金出納帳の形(例)
日付摘要収入支出残高
4/1前月繰越30,00030,000
4/9売掛金の回収20,00050,000
4/18切手の購入1,50048,500
4/30次月繰越48,500
(合計)50,00050,000

現金過不足:帳簿と実際が合わないとき

金庫の現金を数えた金額(実際有高)が、帳簿の現金の残高と合わないことがあります。原因がすぐ分からないときは、まず帳簿を実際の金額に合わせ、差額を一時的に現金過不足という勘定に記入します。現金過不足は資産でも負債でもない、原因が分かるまでの「仮の置き場所」です。

現金過不足の3つの場面
場面実際が帳簿より少ない(不足)実際が帳簿より多い(過剰)
① 不一致の発見(借)現金過不足/(貸)現金(借)現金/(貸)現金過不足
② 原因が判明(借)正しい科目(例:通信費)/(貸)現金過不足(借)現金過不足/(貸)正しい科目(例:受取手数料)
③ 決算でも不明(借)雑損/(貸)現金過不足(借)現金過不足/(貸)雑益

①では、現金をどちらに動かせば実際の金額になるかを考えます。不足なら現金を減らす(貸方)ので、相手の現金過不足は借方です。②では、記帳を忘れていた取引の科目を記入し、現金過不足を反対側に書いて消します。③では、決算になっても原因が分からない残りを、借方残高なら雑損(費用)、貸方残高なら雑益(収益)に振り替えて、現金過不足を0にします。なお、決算日に初めて不一致を見つけ、原因も分からないときは、現金過不足を使わず直接 雑損・雑益とします。

例題

例題:帳簿の現金残高は63,000円、実際有高は60,500円だった。後日、通信費1,800円の記帳漏れが分かった。決算でも残りの原因は分からなかった。それぞれの仕訳は?
答えと考え方 ①不足2,500円:(借)現金過不足 2,500/(貸)現金 2,500。②(借)通信費 1,800/(貸)現金過不足 1,800。③借方に700円残るので(借)雑損 700/(貸)現金過不足 700。②で「(貸)現金」とすると、①ですでに減らした現金を二重に減らしてしまいます。

用語

通貨代用証券
すぐに通貨と引き換えられる証券。簿記では現金として扱う(例:郵便為替証書)
実際有高
金庫などにある現金を実際に数えた金額
現金出納帳
現金の収入・支出・残高を日付順に記録する補助簿
現金過不足
帳簿と実際の差額を、原因が分かるまで一時的に記録する勘定
雑損・雑益
決算でも原因が分からない不足額(費用)・過剰額(収益)

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第二 1 ア(現金)・イ(現金出納帳)・ウ(現金過不足)、同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(現金過不足・雑損・雑益)、同「改定項目等の説明書(紙媒体の手形・小切手の廃止ほか)確定版」(手形・小切手の廃止の経緯)(いずれも2026-10-16確認)

2. 普通預金・当座預金・定期預金と当座借越

3種類の預金の使い分け、複数口座の管理、当座借越の決算での扱いを学びます。

会社は銀行などにいくつもの口座を持ち、目的に応じて使い分けます。3級で使う預金の勘定は普通預金・当座預金・定期預金です。どれも資産なので、預け入れたら借方、引き出したら貸方に記入します。2027年度の出題区分表では、「現金預金」の項目に普通預金がはっきり書き加えられました。企業で広く使われているのに、それまで区分表に書かれていなかったためです。

3級で使う主な預金
勘定特徴
普通預金自由に出し入れできる。給料の支払い、売掛金の入金、振込など日常の取引に使う
当座預金利息が付かない。電子記録債務の支払いの口座として金融機関から求められることがある。決済用預金としてペイオフの全額保護の対象になる
定期預金一定の期間は引き出さない約束で預ける。満期になると利息と一緒に払い戻される

口座別の管理

同じ種類の口座を複数の銀行に持っているときは、「普通預金東西銀行」「当座預金南北銀行」のように、銀行名を付けた勘定で管理することがあります。勘定科目表でも「普通預金○○銀行」などが標準の科目として示されています。口座の間でお金を移す(預け替える)ときは、増えた口座を借方、減った口座を貸方に書きます。振込手数料がかかった場合は支払手数料(費用)とします。

例:東西銀行の普通預金から南北銀行の当座預金へ100,000円を移し、手数料220円が東西銀行の口座から引き落とされた。
(借)当座預金南北銀行 100,000、支払手数料 220/(貸)普通預金東西銀行 100,220

当座借越

銀行と当座借越契約を結んでおくと、当座預金の残高を超える支払いがあっても、限度額までは銀行が立て替えて支払ってくれます。残高を超えた部分は、実質的には銀行からの借入れです。期中は当座預金の勘定に記入を続けるので、超えた分だけ当座預金が貸方残高になります。決算では、この貸方残高を負債の当座借越に振り替えます(勘定科目表では借入金も許容)。

(借)当座預金 ××/(貸)当座借越 ××

翌期の初めには、逆の仕訳(再振替)をして当座預金の勘定に戻します。

当座預金出納帳

当座預金の出入りを記録する補助簿が当座預金出納帳です。預入・引出・残高の欄に加えて「借/貸」の欄があり、残高が預金のときは「借」、借越のときは「貸」と書きます。

例題

例題:当座預金の期首残高は50,000円(借方)。買掛金80,000円を当座預金から振り込んで支払った(当座借越契約あり、限度額100,000円)。ほかに当座預金の出入りはない。決算の仕訳は?
答えと考え方 50,000−80,000=−30,000円で、当座預金は貸方残高30,000円。決算で(借)当座預金 30,000/(貸)当座借越 30,000。借越の限度額100,000円は仕訳に関係しません。

用語

普通預金
自由に出し入れできる預金。日常の入金・支払いに使う
当座預金
利息が付かない決済用の預金
定期預金
一定期間は引き出さない約束で預ける預金
当座借越
当座預金の残高を超えて銀行が支払った額。決算で負債として示す
預け替え
自分の口座の間でお金を移すこと

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第二 1 エ(普通預金・当座預金・その他の預貯金、複数口座の管理)・オ(当座預金出納帳)、第三 3(当座借越の振替)、同「改定項目等の説明書(紙媒体の手形・小切手の廃止ほか)確定版」第二 1 の改定内容(普通預金の追加、当座預金の存在意義)、同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(普通預金○○銀行・当座借越など)(いずれも2026-10-16確認)

3. 小口現金と小口現金出納帳

少額の支払いを担当者に任せる小口現金の仕組みと、定額資金前渡法の仕訳・帳簿を学びます。

交通費や切手代のような少額の支払いのたびに、会計係が金庫からお金を出していたのでは手間がかかります。そこで、会計係が一定の金額を担当者(小口係・用度係などと呼ぶ)にあらかじめ渡しておき、担当者がそこから少額の支払いをします。このお金を小口現金(資産)といいます。

定額資金前渡法(インプレスト・システム)

3級でよく使うのは、定額資金前渡法です。一週間や一か月など期間を決め、期間の初めに一定額(定額)を渡しておきます。期間の終わりに担当者が「何にいくら使ったか」を会計係に報告し、会計係は使った金額と同じ額を補給します。補給したあとの手元の残高は、いつも最初の定額に戻ります。

定額資金前渡法の仕訳(定額20,000円、普通預金から補給する例)
場面仕訳
① 前渡し(借)小口現金 20,000/(貸)普通預金 20,000
② 支払いの報告(例:交通費5,000円・通信費3,000円)(借)旅費交通費 5,000、通信費 3,000/(貸)小口現金 8,000
③ 補給(借)小口現金 8,000/(貸)普通預金 8,000
②と③を同時に行う場合(借)旅費交通費 5,000、通信費 3,000/(貸)普通預金 8,000

大切なのは、担当者が支払ったときには会計係は仕訳をしないことです。会計係が費用を記録するのは、報告を受けたときです。報告と補給を同時に行う場合は、②の「小口現金」と③の「小口現金」が借方と貸方で打ち消し合うので、最後の行のように1本の仕訳になります。

小口現金出納帳

担当者は、支払いの記録を小口現金出納帳に書きます。受入・日付・摘要・支払・残高の欄のほか、支払いの中身を分ける内訳欄(交通費・通信費・消耗品費・雑費など)があります。週末に内訳欄をそれぞれ合計すると、それがそのまま報告する費用の金額になります。

小口現金出納帳の形(例・定額20,000円)
受入日付摘要支払交通費通信費消耗品費残高
20,0006/3前週繰越20,000
6/4バス回数券2,0002,00018,000
6/5郵便切手1,1001,10016,900
6/6ボールペン90090016,000
合計4,0002,0001,100900

週末に補給する場合は、合計の下に「本日補給」として受入欄に補給額を書き、残高を定額に戻してから「次週繰越」で締め切ります。翌週の初めに補給する場合は、週末の残高を次週に繰り越し、翌週の初めに補給額を受入欄に書きます。どちらの方法かは問題文に書かれるので、よく読みましょう。

例題

例題:定額20,000円の定額資金前渡法。今週の支払いは交通費5,600円、通信費2,100円、雑費900円で、週末に報告を受けて、ただちに同額を普通預金から補給した。仕訳と補給後の小口現金の残高は?
答えと考え方 支払合計は8,600円。(借)旅費交通費 5,600、通信費 2,100、雑費 900/(貸)普通預金 8,600。補給後の残高は 11,400+8,600=20,000円で、定額に戻ります。

用語

小口現金
少額の支払いのために担当者に渡しておく現金
定額資金前渡法
一定額を前渡しし、使った額と同じ額を補給する方法。インプレスト・システムともいう
補給
使った金額を担当者の手元に補うこと
小口現金出納帳
小口現金の受入・支払・残高と支払いの内訳を記録する補助簿
内訳欄
小口現金出納帳で、支払いを費用の種類ごとに分けて書く欄

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第二 1 キ(小口現金)・ク(小口現金出納帳)、同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(小口現金・旅費交通費・通信費・消耗品費・雑費)(いずれも2026-10-16確認)

確認問題(12問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|〔仕〕現金過不足の発生

現金の帳簿残高は86,000円だったが、金庫の現金を数えると82,500円だった。原因は分からない。このときの仕訳として正しいものはどれか。

  1. (借)現金 3,500/(貸)現金過不足 3,500
  2. (借)現金過不足 3,500/(貸)現金 3,500
  3. (借)雑損 3,500/(貸)現金 3,500
  4. (借)現金過不足 3,500/(貸)普通預金 3,500
正解と解説
正解:B. (借)現金過不足 3,500/(貸)現金 3,500

実際の現金が帳簿より3,500円少ないので、帳簿の現金を3,500円減らし(貸方)、相手を現金過不足(借方)にします。現金を借方にする仕訳は、現金を増やしてしまい、差がさらに広がります。雑損に振り替えるのは決算になっても原因が分からないときで、まだ期中なので早すぎます。不足しているのは現金なので、普通預金を減らすのは誤りです。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 ア・ウ(現金、現金過不足)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

問2|〔仕〕現金過不足の原因判明

先に現金の不足額3,500円を現金過不足として記録していた。その後、このうち2,800円はタクシー代の支払いの記帳漏れであると分かった。このときの仕訳として正しいものはどれか。

  1. (借)旅費交通費 2,800/(貸)現金過不足 2,800
  2. (借)旅費交通費 2,800/(貸)現金 2,800
  3. (借)現金過不足 2,800/(貸)旅費交通費 2,800
  4. (借)旅費交通費 3,500/(貸)現金過不足 3,500
正解と解説
正解:A. (借)旅費交通費 2,800/(貸)現金過不足 2,800

現金はすでに不足を見つけたときに減らしてあります。原因が分かったら、正しい科目の旅費交通費を借方に書き、借方にある現金過不足を貸方に書いて、その分を消します。「(貸)現金」とすると現金を二重に減らしてしまいます。借方と貸方を逆にすると、費用が減ってしまいます。原因が分かったのは2,800円だけなので、3,500円全額を旅費交通費にするのは誤りです。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 ア・ウ(現金、現金過不足)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

問3|〔仕〕決算時の現金過不足(貸方残高)

決算日に、現金過不足の勘定に貸方残高1,200円があり、原因は最後まで分からなかった。決算整理の仕訳として正しいものはどれか。

  1. (借)雑損 1,200/(貸)現金過不足 1,200
  2. (借)現金過不足 1,200/(貸)現金 1,200
  3. (借)現金 1,200/(貸)雑益 1,200
  4. (借)現金過不足 1,200/(貸)雑益 1,200
正解と解説
正解:D. (借)現金過不足 1,200/(貸)雑益 1,200

貸方残高は現金が多かった(過剰)ことを示します。現金過不足を借方に書いて0にし、原因不明の過剰額を雑益(収益)とします。雑損は借方残高(不足)のときの科目です。現金はすでに実際の金額に合わせてあるので、ここで現金を増減させるのは誤りです。「(貸)現金」は実際の現金を帳簿上だけ減らし、「(借)現金/(貸)雑益」は現金を増やすうえ、現金過不足が残ったままになります。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 ア・ウ(現金、現金過不足)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

問4|〔仕〕複数口座の預け替え

口座ごとに銀行名を付けた勘定で管理している。東西銀行の普通預金口座から南北銀行の当座預金口座へ200,000円を振り込み、振込手数料330円が東西銀行の普通預金口座から引き落とされた。このときの仕訳として正しいものはどれか。

  1. (借)当座預金南北銀行 200,330/(貸)普通預金東西銀行 200,330
  2. (借)当座預金南北銀行 200,000、支払利息 330/(貸)普通預金東西銀行 200,330
  3. (借)当座預金南北銀行 200,000、支払手数料 330/(貸)普通預金東西銀行 200,330
  4. (借)普通預金東西銀行 200,330/(貸)当座預金南北銀行 200,000、支払手数料 330
正解と解説
正解:C. (借)当座預金南北銀行 200,000、支払手数料 330/(貸)普通預金東西銀行 200,330

南北銀行の当座預金は200,000円増え(借方)、東西銀行の普通預金は手数料を含めて200,330円減ります(貸方)。手数料330円は支払手数料(費用)です。手数料まで当座預金の増加にすると、南北銀行の残高が実際より多くなります。支払利息は借入れの利息の科目で、振込手数料には使いません。借方を普通預金東西銀行、貸方を当座預金南北銀行と支払手数料にする選択肢は、借方と貸方が逆です。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 エ(普通預金、当座預金、その他の預貯金、複数口座の管理)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

問5|〔仕〕定期預金の満期

定期預金500,000円が満期となり、利息1,000円とともに普通預金口座に入金された。このときの仕訳として正しいものはどれか(税金は考えない)。

  1. (借)普通預金 501,000/(貸)定期預金 500,000、受取利息 1,000
  2. (借)普通預金 501,000/(貸)定期預金 501,000
  3. (借)普通預金 501,000/(貸)定期預金 500,000、受取手数料 1,000
  4. (借)定期預金 500,000、受取利息 1,000/(貸)普通預金 501,000
正解と解説
正解:A. (借)普通預金 501,000/(貸)定期預金 500,000、受取利息 1,000

普通預金が501,000円増え(借方)、定期預金500,000円がなくなり(貸方)、利息1,000円は受取利息(収益)です。定期預金を501,000円減らすと、預けていない1,000円まで減らすことになり、利息の収益も記録されません。受取手数料はサービスの対価を受け取ったときの科目で、預金の利息ではありません。借方を定期預金と受取利息、貸方を普通預金にする選択肢は、借方と貸方が逆です。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 エ(普通預金、当座預金、その他の預貯金、複数口座の管理)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

問6|〔仕〕当座借越の決算振替

決算日に、当座預金の勘定が貸方残高45,000円になっていた(銀行と当座借越契約を結んでいる)。この貸方残高を当座借越の勘定に振り替える仕訳として正しいものはどれか。

  1. (借)当座借越 45,000/(貸)当座預金 45,000
  2. (借)当座預金 45,000/(貸)普通預金 45,000
  3. (借)現金 45,000/(貸)当座借越 45,000
  4. (借)当座預金 45,000/(貸)当座借越 45,000
正解と解説
正解:D. (借)当座預金 45,000/(貸)当座借越 45,000

貸方残高45,000円を0にするため当座預金を借方に書き、同じ額を負債の当座借越(貸方)にします。『(借)当座借越/(貸)当座預金』とする選択肢は逆向きで、翌期首に行う再振替の仕訳です。普通預金を減らすと、実際にはないお金の移動を記録することになります。現金は動いていないので、現金を借方にするのも誤りです。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 エ・第三 3(当座借越の振替)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用(当座借越)

問7|〔仕〕小口現金の報告と補給

定額資金前渡法を採用している。週末に小口係から、通信費4,200円、旅費交通費6,800円、消耗品費2,500円を支払ったと報告を受け、ただちに同額を普通預金から補給した。このときの仕訳として正しいものはどれか。

  1. (借)通信費 4,200、旅費交通費 6,800、消耗品費 2,500/(貸)小口現金 13,500
  2. (借)通信費 4,200、旅費交通費 6,800、消耗品費 2,500/(貸)普通預金 13,500
  3. (借)小口現金 13,500/(貸)普通預金 13,500
  4. (借)雑費 13,500/(貸)普通預金 13,500
正解と解説
正解:B. (借)通信費 4,200、旅費交通費 6,800、消耗品費 2,500/(貸)普通預金 13,500

報告の仕訳「費用/小口現金」と補給の仕訳「小口現金/普通預金」を同時に行うと、小口現金が打ち消し合い、「費用/普通預金」になります。貸方を小口現金とする選択肢は報告だけで、補給が記録されていません。『(借)小口現金/(貸)普通預金』とする選択肢は補給だけで、費用が記録されていません。借方をすべて雑費とする選択肢は、内訳が分かっているのにまとめて雑費にしているので誤りです。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 キ・ク(小口現金、小口現金出納帳)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

問8|〔計〕現金過不足の決算整理

期中に現金の不足額5,000円を現金過不足として記録した。その後、通信費3,200円の支払いの記帳漏れと、手数料1,500円を現金で受け取った記帳漏れが分かった。決算になっても残りの原因は分からなかった。決算での処理として正しいものはどれか。

  1. 雑損 300円を計上する
  2. 雑益 300円を計上する
  3. 雑損 3,300円を計上する
  4. 雑損 1,800円を計上する
正解と解説
正解:C. 雑損 3,300円を計上する

現金過不足は借方5,000円から始まります。通信費が判明すると(借)通信費/(貸)現金過不足 3,200円で、残りは借方1,800円。手数料の受取りの記帳漏れは現金を多くする原因なので(借)現金過不足/(貸)受取手数料 1,500円となり、借方残高は 1,800+1,500=3,300円。これを雑損にします。300円は受取手数料の分を逆に引いた誤り、雑益300円はさらに貸借の向きも誤り、1,800円は手数料の記帳漏れを無視した誤りです。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 ア・ウ(現金、現金過不足)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

問9|〔計〕小口現金の補給額

定額資金前渡法で、定額は30,000円である。今週の支払いは、交通費7,400円、通信費3,860円、消耗品費5,200円、雑費1,150円だった。週末に報告を受けて補給する金額はいくらか。

  1. 17,610円
  2. 12,390円
  3. 30,000円
  4. 47,610円
正解と解説
正解:A. 17,610円

定額資金前渡法では、使った金額と同じ額を補給します。7,400+3,860+5,200+1,150=17,610円。12,390円は補給前の手元残高(30,000−17,610)で、補給額ではありません。30,000円は定額そのもの、47,610円は定額に支払額を足した誤りです。補給後の残高は 12,390+17,610=30,000円で定額に戻ります。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 キ・ク(小口現金、小口現金出納帳)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

問10|〔計〕当座借越の金額

当座預金の期首残高は120,000円(借方)。期中に、買掛金180,000円を当座預金から振り込んで支払い、売掛金35,000円が当座預金に振り込まれ、水道光熱費18,000円が当座預金から引き落とされた。当座借越契約の限度額は300,000円で、ほかに当座預金の出入りはない。決算で当座借越に振り替える金額はいくらか。

  1. 25,000円
  2. 113,000円
  3. 257,000円
  4. 43,000円
正解と解説
正解:D. 43,000円

120,000−180,000+35,000−18,000=−43,000円なので、当座預金は貸方残高43,000円。これを当座借越に振り替えます。25,000円は水道光熱費の引落しを入れ忘れた誤り、113,000円は売掛金の入金を減少として扱った誤り、257,000円は限度額の残り(300,000−43,000)で、振り替える金額ではありません。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 エ・第三 3(当座借越の振替)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用(当座借越)

問11|〔読〕現金出納帳の締切

10月の現金出納帳の記入は次のとおり。10/1 前月繰越 収入52,000円/10/8 売掛金の回収 収入30,000円/10/15 文房具の購入 支出4,400円/10/20 普通預金への預け入れ 支出50,000円。10月31日に締め切るときの「次月繰越」の記入として正しいものはどれか。

  1. 収入欄に 27,600円
  2. 支出欄に 27,600円
  3. 支出欄に 77,600円
  4. 収入欄に 54,400円
正解と解説
正解:B. 支出欄に 27,600円

残高は 52,000+30,000−4,400−50,000=27,600円。次月繰越は支出欄に書き、収入合計82,000円と支出合計(4,400+50,000+27,600=82,000円)を一致させて締め切ります。収入欄に書くのは翌月初めの「前月繰越」なので、月末の締切では誤りです。77,600円は普通預金への預け入れを支出から外した誤りで、預け入れも現金の減少です。54,400円は支出の合計で、残高ではありません。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 イ(現金出納帳)・第三 8 イ(補助簿の締切)

問12|〔読〕小口現金出納帳の内訳欄

小口現金出納帳の今週の支払いは次のとおり(かっこ内は内訳欄)。5/10 バス代 1,320円(交通費)/5/11 切手 840円(通信費)/5/12 コピー用紙 2,640円(消耗品費)/5/13 タクシー代 3,100円(交通費)/5/14 来客用のお茶 960円(雑費)。週末の報告にもとづく仕訳で、旅費交通費として記録する金額はいくらか。

  1. 1,320円
  2. 3,100円
  3. 4,420円
  4. 8,860円
正解と解説
正解:C. 4,420円

内訳欄の「交通費」の合計が旅費交通費になります。1,320+3,100=4,420円。1,320円と3,100円はそれぞれ1件分だけで、合計していません。8,860円は今週の支払い全体(補給額)で、通信費・消耗品費・雑費も含んでいます。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 1 キ・ク(小口現金、小口現金出納帳)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用

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※ 解説は学習用の情報提供です。出題範囲・配点・試験の実施方法は、必ず日本商工会議所の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。