次の勘定科目のうち、負債に属するものはどれか。
- 売掛金
- 受取手数料
- 買掛金
- 支払家賃
正解と解説
買掛金は、商品を買って代金をあとで支払う義務なので負債です。売掛金は商品を売って代金をあとで受け取る権利なので資産です。受取手数料は手数料を受け取ったときの収益、支払家賃は家賃を払ったときの費用で、どちらも負債ではありません。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 1 基礎概念、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」
日商簿記3級 BOOKKEEPING GRADE 3
簿記で記録するものは、資産・負債・純資産(資本)・収益・費用の5つに分かれます。それをまとめたのが貸借対照表と損益計算書です。
簿記(ぼき)は、お店や会社のお金やものの動きを、決まったルールで帳簿(ちょうぼ=記録のノート)に書く技術です。書いた記録をまとめると、「いま何を持っていて、何を返す必要があるか」と「この期間にいくらもうかったか」が分かります。日商簿記3級は、比較的小規模の株式会社を想定した商業簿記を対象にしています。
簿記では、記録をまとめる期間を会計期間(多くは1年)と呼びます。会計期間の始まりを期首、終わりを期末、終わりにまとめる作業を決算といいます。
簿記で記録するものは、すべて次の5つのグループ(要素)のどれかに入ります。出題区分表の3級の欄では「資産、負債、および資本」「収益、費用」と書かれています。株式会社の貸借対照表では、資本にあたる部分を純資産と呼ぶので、このラボでは「純資産(資本)」と書きます。
| 要素 | 意味 | 勘定科目の例 |
|---|---|---|
| 資産 | お金やもの、あとで受け取る権利 | 現金、普通預金、売掛金、貸付金、備品、建物、土地 |
| 負債 | あとで支払う・返す義務 | 買掛金、借入金、未払金、預り金 |
| 純資産(資本) | 資産から負債を引いた残り。株主が出したお金と、ためた利益 | 資本金、繰越利益剰余金 |
| 収益 | もうけを生む原因(純資産を増やす) | 売上、受取手数料、受取利息、受取家賃 |
| 費用 | もうけを減らす原因(純資産を減らす) | 仕入、給料、支払家賃、水道光熱費、支払利息 |
表の右の「現金」「売掛金」などを勘定科目といいます。試験では、日本商工会議所の「標準・許容勘定科目表」にある科目を使います。たとえば「売掛金」は商品を売って代金をあとで受け取る権利(資産)、「買掛金」は商品を買って代金をあとで払う義務(負債)です。名前が似ていても、受け取る側か払う側かで要素が変わる点に注意します。
決算でまとめる表のうち、基本になるのが次の2つです。
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう、B/S)は、期末の時点で、資産・負債・純資産がいくらあるかを示す表です。左側に資産、右側に負債と純資産を書きます。左右の合計は必ず同じになり、資産=負債+純資産という式が成り立ちます。
損益計算書(そんえきけいさんしょ、P/L)は、会計期間の収益と費用を並べて、もうけを示す表です。収益−費用=当期純利益(マイナスなら当期純損失)です。
| 表 | 左側(借方) | 右側(貸方) |
|---|---|---|
| 貸借対照表 | 資産 | 負債・純資産 |
| 損益計算書 | 費用・当期純利益 | 収益 |
2つの表はつながっています。損益計算書で出た当期純利益は、貸借対照表の純資産を増やします。増資(株式を追加で発行すること)や配当がなければ、期末の純資産−期首の純資産=当期純利益になります。この関係を、区分表は「損益計算書と貸借対照表との関係」として3級の範囲に入れています。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 1 基礎概念、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」、「改定項目等の説明書(確定版)」(3級は比較的小規模の株式会社を想定)、「2027年度適用の商工会議所簿記検定試験出題区分表等(確定版)」(2026年7月31日公表、2027年4月1日施行。2026年10月16日確認)
簿記でいう「取引」とは何かを確かめ、取引の8要素と、勘定の左右どちらに書くかのルールを学びます。
簿記でいう取引は、ふだんの言葉の「取引」と少し違います。簿記の取引とは、資産・負債・純資産(資本)・収益・費用のどれかが増えたり減ったりすることです。金額で記録できることも条件です。
| できごと | 簿記の取引か | 理由 |
|---|---|---|
| 商品の注文を受けた(まだ渡していない) | ならない | 約束だけで、資産や負債はまだ変わらない |
| 事務所を借りる契約をした(家賃はまだ払っていない) | ならない | 契約だけで、お金は動いていない |
| 倉庫の商品が火事で燃えた | なる | 資産(商品)が減る |
| 現金が盗まれた | なる | 資産(現金)が減る |
| 備品を買い、代金は月末に払う | なる | 資産(備品)と負債(未払金)が増える |
火事や盗難は、ふだんは「取引」と呼びませんが、資産が減るので簿記の取引です。反対に、注文や契約は、ふだんは「取引」と呼ばれても、それだけでは資産などが変わらないので簿記の取引ではありません。
簿記では、記録の左側を借方(かりかた)、右側を貸方(かしかた)と呼びます。「借りる」「貸す」という意味はもうなく、単に左と右を指す言葉です。
どんな取引も、次の8つの変化(取引の8要素)の組み合わせで表せます。左(借方)に来るものが4つ、右(貸方)に来るものが4つです。
| 借方(左)の要素 | 貸方(右)の要素 |
|---|---|
| 資産の増加 | 資産の減少 |
| 負債の減少 | 負債の増加 |
| 純資産(資本)の減少 | 純資産(資本)の増加 |
| 費用の発生 | 収益の発生 |
1つの取引には、必ず借方の要素と貸方の要素が両方あり、金額は同じになります。たとえば「銀行から現金を借りた」は、資産(現金)の増加=借方と、負債(借入金)の増加=貸方の組み合わせです。区分表は、これを「取引の8要素と結合関係」と呼んでいます。
勘定科目ごとの記録の場所を勘定といい、左右に分けたT字の形(T勘定)で表します。どちらに書くかは、要素ごとに決まっています。覚え方は「貸借対照表・損益計算書で置かれる側に書くと増える(発生する)」です。
| 要素 | 増加・発生 | 減少 |
|---|---|---|
| 資産 | 借方(左) | 貸方(右) |
| 負債 | 貸方(右) | 借方(左) |
| 純資産(資本) | 貸方(右) | 借方(左) |
| 収益 | 貸方(右)に発生 | 借方(左)(取り消すとき) |
| 費用 | 借方(左)に発生 | 貸方(右)(取り消すとき) |
資産は貸借対照表の左側にあるので、増えたら左、減ったら右。負債と純資産は右側にあるので、増えたら右、減ったら左。費用は損益計算書の左、収益は右に置かれるので、発生したらその側に書きます。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 2 取引、3 勘定、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」、「2027年度適用の商工会議所簿記検定試験出題区分表等(確定版)」(2026年7月31日公表、2027年4月1日施行。2026年10月16日確認)
取引を仕訳で表し、総勘定元帳に転記する流れを学びます。借方と貸方の合計が必ず一致する理由も確かめます。
取引を、借方と貸方に分けて勘定科目と金額で書き表すことを仕訳(しわけ)といいます。仕訳は簿記の記録の出発点です。
(1) 取引で何が変わったかを見つける。(2) それぞれの勘定科目と要素(資産・負債など)を決める。(3) 記入ルールで借方か貸方かを決める。(4) 金額を書き、借方の合計と貸方の合計が同じか確かめる。
例:「銀行から300,000円を借り入れ、現金で受け取った」。現金(資産)の増加は借方、借入金(負債)の増加は貸方です。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 300,000 | 借入金 | 300,000 |
1つの側に2つ以上の科目が来ることもあります。例:「備品250,000円を買い、50,000円は現金で払い、残りは月末に払う」。備品(資産)の増加250,000円が借方、現金(資産)の減少50,000円と未払金(負債)の増加200,000円が貸方です。商品以外のものを買って代金をあとで払う義務は「未払金」、商品の代金をあとで払う義務は「買掛金」と使い分けます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品 | 250,000 | 現金 | 50,000 |
| 未払金 | 200,000 |
どの仕訳も借方の合計と貸方の合計が同じなので、すべての勘定を集めても、借方の合計と貸方の合計は必ず一致します。これを貸借平均の原理といいます。あとで学ぶ試算表は、この原理を使って記録の誤りを見つける表です。
区分表は、3級で学ぶ主要簿として仕訳帳と総勘定元帳を挙げています。仕訳帳は、すべての取引の仕訳を日付順に書く帳簿です。総勘定元帳は、勘定科目ごとのページ(勘定)を集めた帳簿です。
仕訳を総勘定元帳の各勘定に書き写すことを転記(てんき)といいます。転記のルールは2つです。(1) 仕訳の借方の金額は、その科目の勘定の借方に、貸方の金額はその勘定の貸方に書く。(2) 摘要(てきよう)欄には、自分の科目名ではなく相手の勘定科目を書く。相手科目が2つ以上あるときは「諸口」(しょくち)と書きます。
| 勘定 | 借方(左) | 貸方(右) |
|---|---|---|
| 現金 | 日付 借入金 300,000 | |
| 借入金 | 日付 現金 300,000 |
転記のあと、勘定の借方合計と貸方合計の差を残高といいます。資産の勘定はふつう借方に残高が出ます。たとえば現金勘定の借方合計が450,000円、貸方合計が180,000円なら、借方残高は270,000円で、これが手元の現金の額です。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 3 勘定、4 帳簿、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」、「2027年度適用の商工会議所簿記検定試験出題区分表等(確定版)」(2026年7月31日公表、2027年4月1日施行。2026年10月16日確認)
次の勘定科目のうち、負債に属するものはどれか。
買掛金は、商品を買って代金をあとで支払う義務なので負債です。売掛金は商品を売って代金をあとで受け取る権利なので資産です。受取手数料は手数料を受け取ったときの収益、支払家賃は家賃を払ったときの費用で、どちらも負債ではありません。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 1 基礎概念、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」
次のできごとのうち、簿記上の取引に当たらないものはどれか。
注文を受けただけでは、資産・負債・純資産・収益・費用のどれも変わらないので、簿記上の取引ではありません。火事で商品が焼けると資産(商品)が減り、盗難では資産(現金)が減るので、ふだんの言葉では取引と呼ばなくても簿記上の取引です。備品を後払いで買うと、資産(備品)と負債(未払金)が増えるので取引です。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 2 取引
勘定の記入ルールとして正しいものはどれか。
負債は貸借対照表の右側(貸方)に置かれるので、増加は貸方に書きます。資産の減少は貸方に書くので、借方とするのは誤りです。収益の発生は貸方に書くので、借方とするのは誤りです。純資産の増加は貸方に書くので、借方とするのは誤りです。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 3 勘定(イ 勘定記入法則)
銀行から300,000円を借り入れ、現金で受け取った。正しい仕訳はどれか。
現金(資産)が増えるので借方、借入金(負債)が増えるので貸方です。借方と貸方を逆にした仕訳は、借入金を返したときの形です。貸付金は相手にお金を貸したときの資産の科目で、借りたときには使いません。資本金は株主が出したお金で、銀行からの借り入れとは違います。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 3 勘定(ウ 仕訳の意義)、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」
商品80,000円を仕入れ、代金は掛けとした(消費税は考えない)。正しい仕訳はどれか。
商品を仕入れたときは仕入(費用)の発生として借方に書き、代金をあとで払う義務は買掛金(負債)の増加として貸方に書きます。売掛金は売ったときにあとで受け取る権利なので、仕入の代金には使いません。借方と貸方を逆にした仕訳は誤りです。(借)売掛金/(貸)売上 は、商品を掛けで売ったときの仕訳です。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 3 勘定(ウ 仕訳の意義)、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」
事務用の備品250,000円を購入し、代金のうち50,000円は現金で支払い、残りは月末に支払うことにした。正しい仕訳はどれか。
備品(資産)が250,000円増えるので借方。貸方には、現金(資産)の減少50,000円と、あとで払う義務200,000円を書きます。商品以外のものを買った代金の後払いは未払金を使い、買掛金は商品の仕入代金に使うので、買掛金とするのは誤りです。現金で払った分だけの仕訳では、後払いの義務と備品の全額が記録されません。借方と貸方を逆にした仕訳は、備品を手放したような形になり誤りです。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 3 勘定(ウ 仕訳の意義、エ 貸借平均の原理)、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」
取引先を紹介した手数料30,000円を現金で受け取った。正しい仕訳はどれか。
現金(資産)が増えるので借方、受取手数料(収益)が発生するので貸方です。借方と貸方を逆にすると、収益を取り消したような形になり誤りです。支払手数料は手数料を払ったときの費用の科目です。売上は商品を売ったときの収益の科目で、紹介の手数料には使いません。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 3 勘定(ウ 仕訳の意義)、「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」
「(借)備品 200,000/(貸)未払金 200,000」という仕訳を総勘定元帳に転記した。未払金勘定への記入として正しいものはどれか。
未払金は仕訳の貸方にあるので、未払金勘定の貸方に書きます。摘要欄には自分の科目名ではなく相手の勘定科目である「備品」を書きます。借方に書くのは、仕訳の側と合わないので誤りです。摘要に「未払金」と自分の科目名を書くのも誤りです。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 4 帳簿(ア 主要簿(仕訳帳と総勘定元帳))
ある会社の期首の資産は800,000円、負債は300,000円だった。期末の資産は1,050,000円、負債は400,000円だった。期中に増資と配当はなかった。当期純利益はいくらか。
期首の純資産は800,000−300,000=500,000円、期末の純資産は1,050,000−400,000=650,000円です。増資・配当がないので、純資産の増加分650,000−500,000=150,000円が当期純利益です。100,000円は負債の増加分、250,000円は資産の増加分で、純資産の変化ではありません。650,000円は期末の純資産そのものです。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 1 基礎概念(ウ 損益計算書と貸借対照表との関係)
現金勘定の借方には、前期繰越200,000円、売掛金150,000円、借入金100,000円が記入され、貸方には、仕入120,000円、支払家賃60,000円が記入されている。現金勘定の残高はいくらか。
借方合計は200,000+150,000+100,000=450,000円、貸方合計は120,000+60,000=180,000円です。残高は差額の450,000−180,000=270,000円で、借方のほうが大きいので借方残高です。450,000円は借方合計、180,000円は貸方合計で、残高ではありません。630,000円は借方と貸方を足した額で、残高の求め方として誤りです。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 3 勘定、4 帳簿(ア 主要簿(仕訳帳と総勘定元帳))
ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
※ 解説は学習用の情報提供です。出題範囲・配点・試験の実施方法は、必ず日本商工会議所の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。