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相続登記の義務化——3年の期限、過料、相続人申告登記、過去の相続まで

やさしい ことばで家族かぞくが 亡なくなって、土地とちや 家いえを もらう ことが あります。
その ときは、法務局ほうむきょくで 名前なまえを かえる 手続てつづき(相続登記そうぞくとうき)を しなければ なりません。
期限きげんは、もらった ことを 知しった 日ひから 3年ねんです。
間まに 合あわない ときは、「相続人そうぞくにんです」と 法務局ほうむきょくに 伝つたえる 方法ほうほうも あります。
わからない ときは、法務局ほうむきょくや 司法書士しほうしょしに 相談そうだんしましょう。
最終更新:2026年10月16日|仮の宿 編集部
先に結論

親が亡くなって実家の土地や建物を受け継いだのに、名義が親のままになっている——そんなケースは珍しくありません。これまで相続登記は任意でしたが、所有者が分からない土地が増えたことを背景に、不動産登記法が改正されて義務になりました。この記事では、だれが・いつまでに・何をすればよいかを、法務省・法務局の公式情報にもとづいて整理します。

この記事でわかること
  1. 相続登記とは(なぜ義務になったのか)
  2. 期限の一覧(3年の数え方、遺産分割、過去の相続)
  3. 守らないとどうなるか(過料と「正当な理由」)
  4. 間に合わないときの「相続人申告登記」
  5. 申請に必要な書類と費用
  6. 外国籍の人・海外に住む相続人がいるとき
  7. 2026年に始まった関連制度

相続登記とは

相続登記は、亡くなった人(被相続人)の名義になっている不動産を、相続した人の名義に変える登記です。申請先は、その不動産がある地域を担当する法務局(登記の役所)です。

根拠は不動産登記法76条の2です。相続によって所有権を取得した人は、「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に」登記を申請しなければならない、と定めています。遺言で相続人に不動産を遺贈した場合も同じく対象です。

期限の一覧

ケース期限根拠
2024年4月1日以後に相続が始まった(亡くなった)場合相続の開始と、不動産の取得を知った日から3年以内不動産登記法76条の2第1項
2024年4月1日より前に相続したことを知っていた不動産で、まだ登記していないもの2027年3月31日まで法務省Q&A
法定相続分で登記した後に遺産分割がまとまり、法定相続分を超えて取得した場合遺産分割の日から3年以内同法76条の2第2項
相続人申告登記をした後に、遺産分割で不動産を取得した場合遺産分割の日から3年以内同法76条の3第4項

ポイントは「知った日」から数えることです。法務省のQ&Aによると、期間は特定の不動産を相続で取得したことを知った日からスタートします。亡くなった人がその不動産を持っていたことを知らなかった間は、義務は生じません。遺産分割がまとまっていない間は、相続人全員が法定相続分で共有している扱いとなり、全員に義務があります。

「まだ大丈夫」と思いやすいポイント
・何年も前の相続も対象です。祖父母名義のまま放置している土地も確認しましょう
・不動産を取得したことを知ったのが2024年4月1日以後なら、その知った日から3年で考えます
・戸籍を集めるだけで数か月かかることがあります(戸籍収集チェックリスト)

守らないとどうなるか——過料と「正当な理由」

正当な理由がないのに申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になります(不動産登記法164条1項)。過料を科すかどうかと金額は、裁判所が決めます。

法務省Q&Aによる流れは次のとおりです。

  1. 登記官が義務違反を把握すると、まず登記をするよう催告書を送る
  2. 催告で示した期限までに登記がなく、正当な理由も認められないとき、登記官が裁判所に通知する
  3. 裁判所が要件に当たるかを判断し、過料を科す裁判をする(金額も裁判所が決める)

法務省は「正当な理由」の例として、次のような場合を挙げています(ほかの事情でも個別に認められる場合があります)。

催告書が届いたら放置せず、事情を法務局に伝えることが大切です。

間に合わないときの「相続人申告登記」

相続人申告登記は、義務化と同時に始まった簡易な手続きです。登記官に「登記名義人に相続が開始したこと」と「自分がその相続人であること」を申し出ると、期限内に申し出た本人は、登記の義務を果たしたものとみなされます(不動産登記法76条の3)。

項目内容
だれが相続人が1人で申し出できる。ほかの相続人の分もまとめて申し出ることもできる
書類申出書と、自分が相続人であることが分かる戸籍(除籍)謄本など。法定相続情報一覧図の写しや法定相続情報番号で代えられる
費用登録免許税はかからない
方法不動産を管轄する法務局に申し出る。オンライン(「かんたん登記・供託申請」)でも可能で、押印・電子署名は不要
相続人申告登記の注意点
・義務を果たしたことになるのは申し出た本人だけ。ほかの相続人は、それぞれ申し出るか、まとめて申し出てもらう必要があります
・権利関係(だれが何分の1を持つか)を公示するものではありません。売却や抵当権の設定には、別に相続登記が必要です
・その後に遺産分割で不動産を取得したら、分割の日から3年以内に相続登記をします

申請に必要な書類と費用

必要な書類は、法定相続分で登記するか、遺産分割協議によるか、遺言によるかで変わります。法務局の「登記手続ハンドブック」の遺産分割協議の記載例では、主に次の書類が挙げられています。

相続関係説明図をあわせて出すと、戸籍謄本の原本を返してもらえます。

登録免許税(登記にかかる税金)は、原則として不動産の価額の1000分の4(0.4%)です。ただし、法務局の案内では次の免税措置が2027年3月31日まで設けられています(申請書に根拠条文の記載が必要。書かないと受けられません)。

報酬を受けて相続登記の申請を代理したり書類を作ったりできるのは、司法書士と弁護士です。法務局の登記手続案内(予約制、1回20分以内)でも、申請書の書き方などを相談できます。

外国籍の人・海外に住む相続人がいるとき

どの国の法律で相続するか、国ごとにどの書類が使えるかはケースで大きく変わります。外国籍の人・海外に住む相続人がいるときの相続もあわせて読み、在外公館や司法書士・弁護士に確認してください。

2026年に始まった関連制度

所有不動産記録証明制度(2026年2月2日開始)

登記名義人本人や、その相続人などが、名義人の不動産の一覧を法務局に請求できる制度です。手数料は1通(検索条件1つ)あたり書面請求1,600円、オンライン請求・郵送受取1,500円、オンライン請求・窓口受取1,470円。登記簿の氏名・住所が検索条件と違う不動産は一覧に載らない、などの限界があります。

住所等変更登記の義務化(2026年4月1日施行)

不動産の名義人の住所・氏名が変わったら、変わった日から2年以内に変更登記をすることが義務になりました(正当な理由なく怠ると5万円以下の過料)。施行前の変更も対象で、期限は2028年3月31日です。相続登記で名義を変えた後に引っ越したときも忘れずに。

よくある質問

Q. 3年の期限を過ぎたら、すぐに過料を払うことになりますか?
A. すぐではありません。法務省のQ&Aによると、登記官が義務違反を把握すると、まず登記をするよう催告書を送ります。期限までに登記がされず、正当な理由も認められない場合に、登記官が裁判所へ通知し、裁判所が過料を科すかどうかと金額(10万円以下)を判断します。催告を受けたら放置せず、法務局に相談してください。
Q. 遺産分割の話し合いがまとまりません。期限に間に合わないときはどうすればいいですか?
A. 3年以内に「相続人申告登記」をすれば、申し出た本人は登記の義務を果たしたものとみなされます。相続人が1人で申し出ることができ、登録免許税はかかりません。ただし、その後に遺産分割がまとまって不動産を取得したら、分割の日から3年以内に相続登記をする必要があります。
Q. 相続人の1人が海外に住んでいて、印鑑証明書が取れません。
A. 外国に住んでいて印鑑証明書が取れない人は、代わりに日本の領事が作成した署名証明を添付することが認められています(法務省)。外務省の案内では、在外公館の署名証明は原則として日本国籍の人が対象で、外国籍の人は現地の公証人に依頼します。必要な書類は事案で変わるため、提出先の法務局や司法書士に確認してください。
Q. 亡くなった親がどこに不動産を持っていたか分かりません。
A. 2026年2月2日から「所有不動産記録証明制度」が始まり、相続人は亡くなった人が登記名義人になっている不動産の一覧を法務局に請求できます。手数料は書面請求で1通1,600円です。ただし、登記簿の氏名・住所が検索条件と違うと一覧に載らないため、固定資産税の通知書なども合わせて確認してください。
出典(最終確認日:2026年10月)
※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、法律・税務・登記に関する具体的な助言ではありません。個別の事案については、司法書士・弁護士・税理士等の専門家、または法務局・法テラス等の公的窓口にご相談ください。記載内容は最終更新日時点の情報にもとづきます。
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この記事は文化・作法・制度の一般的な解説です。宗教的な勧誘を目的とするものではありません。制度・法令は最新の公式情報をご確認ください。