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相続手続きの全体像と期限——死亡届から3か月・4か月・10か月・3年まで一覧で確認

やさしい ことばで家族かぞくが 亡なくなると、たくさんの 手続てつづきが あります。
手続てつづきには、それぞれ 期限きげん(いつまでに するか)が あります。
とくに 大切たいせつなのは「7日か」「3か月げつ」「10か月げつ」「3年ねん」です。
わからない ときは、役所やくしょや 専門家せんもんかに 早はやめに 相談そうだんしましょう。
最終更新:2026年10月16日|仮の宿 編集部
先に結論

家族が亡くなると、悲しみの中で多くの手続きが一度に押し寄せます。何から始めればよいか分からないまま、期限を過ぎてしまう人も少なくありません。この記事では、相続手続きの全体の流れと、法律で決まっている主な期限を一覧表にまとめました。細かい手続きは、関連するページで詳しく説明しています。

この記事でわかること
  1. 相続手続きの全体の流れ(5つの段階)
  2. 期限の一覧表(7日〜10年)
  3. 段階ごとのポイント
  4. 外国籍の人・海外に家族がいる場合の注意点
  5. 困ったときの相談先

相続手続きの全体の流れ

相続(そうぞく)とは、亡くなった人(被相続人)の財産や借金を、家族など(相続人)が引き継ぐことです。手続きは、おおまかに次の5つの段階で進みます。

  1. 死亡直後の届出——死亡届、健康保険・年金などの手続き
  2. 遺言書と相続人・財産の確認——遺言書を探す、戸籍を集めて相続人を確定する、財産と借金を調べる
  3. 相続するかどうかを決める——そのまま相続する/相続放棄/限定承認(3か月以内)
  4. 遺産の分け方を決めて名義を変える——遺産分割協議、預金の解約、不動産の相続登記
  5. 税金の手続き——準確定申告(4か月)、相続税の申告・納付(10か月)

2〜5は順番どおりに進むとは限らず、並行して進めることも多いです。だからこそ、期限から逆算して動くことが大切です。

期限の一覧表

主な手続きと期限をまとめます。「起点」(いつから数えるか)は手続きによって違うので、注意してください。

期限手続き窓口・ポイント
7日以内死亡届(火葬許可の申請も同時に)市区町村役場。死亡の事実を知った日から。国外で亡くなった場合は知った日から3か月以内
14日以内国民健康保険の資格喪失の届出市区町村役場。会社の健康保険などに入っていた場合は、勤務先・加入先に確認
14日以内世帯主の変更届(必要な場合)市区町村役場。変更が生じた日から
14日以内在留カードの返納(亡くなった人が外国籍の場合)出入国在留管理官署(郵送も可)。親族または同居者が返納
すみやかに年金の受給停止の届出年金事務所など。日本年金機構にマイナンバーが収録されていれば、原則として届出は不要
遅滞なく遺言書の検認(自宅などで保管されていた自筆の遺言書など)家庭裁判所。公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言は検認不要
3か月以内相続放棄・限定承認、または期間の伸長の申立て家庭裁判所。自分のために相続が始まったことを知った時から
4か月以内準確定申告(亡くなった人の所得税の申告)税務署。相続の開始があったことを知った日の翌日から
10か月以内相続税の申告・納付(基礎控除額を超える場合)税務署。死亡したことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から
1年遺留分侵害額の請求相続の開始と、遺留分を侵害する贈与・遺贈を知った時から1年。相続開始から10年でも消滅
2年葬祭費の申請(国民健康保険)市区町村役場。葬祭を行ってから2年で時効
3年以内相続登記(不動産の名義変更)法務局。2024年4月1日から義務。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象
10年遺産分割で特別受益・寄与分を主張できる期間の目安相続開始から10年を過ぎると、原則として法定相続分(または指定相続分)を基準に分ける
期限の数え方に注意
・起点は「亡くなった日」とは限りません。「知った日(時)」から数える手続きが多くあります
・役所の手続きは、最終日が閉庁日にあたると翌開庁日まで延びる扱いをしている自治体があります。相続税も、期限が土日祝日などにあたる場合は翌日が期限です
・市区町村の手続きの細かい扱いは自治体ごとに異なるため、亡くなった人の住所地の役所で確認しましょう

段階ごとのポイント

1. 死亡直後(〜14日):役所への届出

死亡届は、医師の死亡診断書(または死体検案書)と一体の用紙で、市区町村役場に出します。届出人になれるのは、親族、同居者、家主などです。火葬のための許可の申請も、通常は死亡届と同時に行います。

続いて、国民健康保険の資格喪失、世帯主の変更(必要な場合)などの届出があります。自治体によっては「おくやみコーナー」などの窓口で、まとめて案内してもらえます。年金は、日本年金機構にマイナンバーが収録されている人なら、原則として死亡の届出は不要です。まだ受け取っていない年金(未支給年金)は、一定の遺族が請求できます。

2. 遺言書を探し、相続人と財産を確かめる

最初に遺言書があるかどうかを確認します。自宅などで保管されていた自筆の遺言書は、家庭裁判所で検認(けんにん:遺言書の状態を確認し、変造などを防ぐ手続き)を受けます。公正証書遺言と、法務局の保管制度を使った自筆証書遺言は、検認が不要です。遺言の種類は遺言の種類と選び方で説明しています。

次に、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を集めて、相続人をすべて確定します。集め方は戸籍収集チェックリスト、整理のしかたは相続関係説明図の書き方と法定相続情報一覧図を参考にしてください。あわせて、預貯金・不動産・株式などの財産と、借金・保証などの負債を調べます。

3. 3か月以内:相続するかどうかを決める

相続人には、次の3つの選択肢があります。

相続人は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月」の熟慮期間(じゅくりょきかん:考えて決めるための期間)のうちに、このどれにするかを選ぶ必要があります。財産の調査が終わらず決められないときは、3か月の間に家庭裁判所へ期間の伸長を申し立てることができます(収入印紙800円分〈相続人1人につき〉と郵便切手)。

放棄を考えているなら、財産に手をつけない
遺産の一部を処分すると、相続を承認したものとみなされ、相続放棄が認められないことがあります(処分の内容や理由によっては受理されることもあります)。預金を引き出す、物を売るなどの前に、家庭裁判所や専門家に相談してください。詳しくは相続放棄と限定承認で説明しています。

4. 4か月以内:準確定申告

亡くなった人に確定申告が必要な所得があった場合、相続人が代わりに所得税の申告をします。これを準確定申告といい、期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。年の初めに亡くなり、前年分の確定申告もまだだった場合は、前年分・本年分とも同じ4か月以内が期限になります。

5. 遺産の分け方を決める(遺産分割)

遺言がない財産は、相続人全員で話し合って分け方を決めます(遺産分割協議)。遺産分割そのものに申告のような期限はありませんが、次の点に注意が必要です。

葬儀費用などで急いで預金が必要なときは、遺産分割前の相続預金の払戻し制度があります。各相続人は、口座ごとに「相続開始時の預金額×3分の1×その人の法定相続分」まで、ほかの相続人の同意なしに払戻しを受けられます。ただし、同じ金融機関からは150万円が上限です。

6. 10か月以内:相続税の申告と納付

相続税の申告が必要なのは、取得した財産の合計が遺産に係る基礎控除額を超える場合です。基礎控除額は次の式で計算します。

基礎控除額3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
(例:法定相続人が3人なら 3,000万円+1,800万円=4,800万円)

期限は、死亡したことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月以内で、納税も同じ期限までに行います。納付が遅れると延滞税がかかる場合があります。分けて払う延納や、財産そのもので納める物納は、申告期限までに申請して許可を受ける必要があります。

生前に受けた贈与(暦年課税)の一部は、相続財産に足し戻して計算します。2024年1月1日以後の贈与から、この対象期間が相続開始前3年から7年へ段階的に延びています。2026年12月31日までに開始した相続では、まだ相続開始前3年以内が対象です。

7. 3年以内:相続登記

2024年4月1日から、相続で不動産を取得した相続人は、相続の開始と、その不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務になりました。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。2024年4月1日より前に始まった相続でも、登記をしていなければ対象で、2027年3月31日までに登記が必要です(相続で不動産を取得したことを知った日が2024年4月1日以後の場合は、その日から3年以内)。遺産分割がまとまらないときは、より簡単な相続人申告登記で、基本的な義務を果たすことができます。詳しくは相続登記の義務化をご覧ください。

外国籍の人・海外に家族がいる場合

海外とのやりとりは郵送に時間がかかります。3か月・10か月の期限がある手続きは、特に早めに準備を始めましょう。

困ったときの相談先

内容公的な窓口専門家
死亡届・保険・年金市区町村役場、年金事務所——
相続放棄・限定承認・遺言書の検認・遺産分割の調停家庭裁判所弁護士、司法書士
相続登記法務局司法書士
準確定申告・相続税税務署税理士

費用の心配がある場合は、法テラス(日本司法支援センター)に相談する方法もあります。

よくある質問

Q. 相続の期限は、いつから数えますか?
A. 手続きごとに起点が違います。死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内、相続放棄は自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内、準確定申告は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内、相続税の申告は死亡したことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月以内です。迷ったら早めに窓口や専門家に確認してください。
Q. 3か月以内に相続するか決められないときは、どうすればいいですか?
A. 3か月の期間内に、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることができます。費用は相続人1人につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です。
Q. 相続税がかからない場合も申告は必要ですか?
A. 取得した財産の合計額が遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以内であれば、申告も納税も不要です。ただし、配偶者の税額の軽減などの特例は申告書を提出して受ける仕組みのため、特例を使う場合は税務署や税理士に確認してください。
Q. 海外に住んでいて印鑑証明書が出せない相続人はどうしますか?
A. 日本国籍の人なら、住んでいる国の日本大使館・総領事館(在外公館)で「署名証明(サイン証明)」を取り、印鑑証明書の代わりに使うのが一般的です。本人が公館へ出向き、領事の前で署名します。日本国籍でない人の場合は、提出先と専門家に必要な書類を確認してください。
出典(最終確認:2026年10月)
※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、法律・税務・登記に関する具体的な助言ではありません。個別の事案については、弁護士・司法書士・税理士等の専門家、または家庭裁判所・法務局・税務署・法テラス等の公的窓口にご相談ください。記載内容は最終更新日時点の情報にもとづきます。
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