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開発技術
講義 4 本・確認問題 30 問 | 本試験では「マネジメント系」(20問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- システムが企画から運用・保守までどんな順番で作られるのか、工程ごとの役割をつかめます。
- テストの4段階とV字モデル、ホワイトボックス/ブラックボックスの違い、レビューの種類を整理できます。
- 代表的な開発の進め方を比べ、案件に合ったモデルを選ぶ目を養います。
- スクラムの役割とイベント、XPの実践、DevOpsやCI/CDなど現場で使われる言葉を押さえます。
1. システム開発のプロセス
システムが企画から運用・保守までどんな順番で作られるのか、工程ごとの役割をつかめます。
業務で使うシステムは、いきなりプログラムを書き始めるわけではありません。まず「何が必要か」を決め、次に「どう作るか」を決め、それから作って、確かめて、使い始めます。この一連の流れをシステム開発のプロセスといい、要件定義 → システム設計 → プログラミング → テスト → ソフトウェア受入れ → 運用・保守 の順に進みます。
最初の要件定義(ソフトウェア要件定義)では、利用者の業務を調べ、システムに必要な機能(機能要件)と、応答速度や稼働率などの品質・性能(非機能要件)を文書にまとめます。ここでの取り違えは後工程で大きな手戻りになるため、利用者と開発者が内容に合意することが何より大切です。
システム設計は二段構えです。外部設計(基本設計)では、画面のレイアウト、印刷する帳票、他システムとやり取りするデータの形式など、利用者から見える部分を決めます。内部設計(詳細設計)では、その仕様を実現するためにプログラムをどんな部品(モジュール)に分け、どんな手順で処理するかという内部の構造を決めます。機能を適切に分割し、部品どうしの結び付きを弱く、部品の中のまとまりを強くしておくと、修正やテストがしやすくなります。
設計が固まったらプログラミングで実際のプログラムを作り、テストで誤りを取り除きます。完成したソフトウェアは発注者が確認したうえで受け取り(ソフトウェア受入れ)、本番稼働後は障害対応や法改正・業務変更への対応として運用・保守が続きます。システムは作って終わりではなく、使われている間ずっと手入れが必要です。
システム開発の工程と主な成果物| 工程 | 主にやること | 主な成果物 |
|---|
| 要件定義 | 利用者の業務を調べ、必要な機能と性能を決める | 要件定義書 |
| 外部設計(基本設計) | 画面・帳票・データのやり取りなど、外から見える仕様を決める | 外部設計書 |
| 内部設計(詳細設計) | モジュールの分け方と処理手順など、内部の構造を決める | 内部設計書 |
| プログラミング | 設計に従ってプログラムを作り、単体テストを行う | ソースコード |
| テスト | 結合テスト・システムテストで仕様どおり動くか確かめる | テスト計画書・テスト報告書 |
| ソフトウェア受入れ | 発注者が運用テストで確認し、納入物を受け取る | 受入報告書・検収書 |
| 運用・保守 | 本番稼働させ、障害対応や業務変更に合わせて修正する | 運用手順書・保守記録 |
用語
- 要件定義
- 利用者の業務を調べて、システムに必要な機能や性能を決め、文書にまとめる最初の工程。ここで決めた内容が以降すべての工程の基準になる。
- 機能要件
- システムが「何をできるか」を表す要求。例えば受注データを登録できる、月次の売上を集計できる、といった業務上の働きそのものを指す。
- 非機能要件
- システムが「どのくらいの品質か」を表す要求。応答時間、同時に使える人数、稼働率、セキュリティ、保守のしやすさなど、機能以外の条件をいう。
- 外部設計(基本設計)
- 利用者から見える部分を決める設計工程。画面のレイアウト、帳票の様式、他システムとやり取りするデータの形式などを決め、利用者と確認する。
- 内部設計(詳細設計)
- 外部設計で決めた仕様を実現するために、プログラムの内部をどう作るかを決める設計工程。モジュールの分け方や処理手順を決める。利用者には直接見えない。
- モジュール
- プログラムを機能ごとに分けた部品のこと。小さくまとまった部品にしておくと、修正したときの影響が狭い範囲で済み、テストや他システムへの再利用もしやすくなる。
- ユーザビリティ
- 使いやすさのこと。利用者が迷わず、少ない手間で目的を達成できるかを表す。分かりやすい表示や、入力ミスをその場で知らせる仕組みなどで高められる。
- ソフトウェア受入れ
- 発注者が納入されたソフトウェアを運用テストなどで確認し、要求を満たしていれば正式に受け取る工程。検収ともいう。ここで合格すると本番稼働に移る。
- 運用・保守
- 本番稼働させて日々使えるようにするのが運用。障害の修正や、法改正・業務変更に合わせてソフトウェアを直すのが保守。開発費用より長い期間の費用がかかることも多い。
例題
例題:画面のレイアウトを決めるのは外部設計と内部設計のどちらか。
答えと考え方 外部設計。利用者から見える部分を決めるのが外部設計で、内部のモジュール構造や処理手順を決めるのが内部設計である。
例題:「同時に100人が利用しても3秒以内に応答すること」は機能要件と非機能要件のどちらか。
答えと考え方 非機能要件。何ができるかではなく、どのくらいの性能・品質かを示しているため。
出典・根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術
2. テスト工程とレビュー
テストの4段階とV字モデル、ホワイトボックス/ブラックボックスの違い、レビューの種類を整理できます。
テストは小さい単位から大きい単位へ段階的に進めます。まずモジュール1本ごとに確かめる単体テスト、次に組み合わせてつなぎ目を確かめる結合テスト、続いて本番に近い環境でシステム全体を確かめるシステムテスト(総合テスト)、最後に利用者が実際の業務の流れで使えるかを確かめる運用テスト(受入テスト)です。前の段階を合格してから次に進むのが原則です。
この段階は開発の工程と1対1で対応しています。左側に要件定義 → 外部設計 → 内部設計 → プログラミングを下ろし、右側に単体テスト → 結合テスト → システムテスト → 運用テストを上げると、アルファベットのVの字になるのでV字モデルと呼びます。各テストは、向かい合う設計工程で決めたことが実現できているかを確かめる、という関係になっています。
テストケースの作り方には二つの立場があります。ホワイトボックステストはプログラムの内部構造を見て、命令や分岐がもれなく実行されるように経路を選ぶ方法で、主に単体テストで使います。ブラックボックステストは内部を見ずに仕様だけを頼りにする方法で、入力を意味のまとまりごとに分けて代表値を選ぶ同値分割や、条件の境目の値を選ぶ境界値分析が代表的です。
プログラムを修正すると、直していないところが壊れることがあります。これを見つけるため、修正後に既存の機能をもう一度確認するのが回帰テスト(リグレッションテスト)です。またテストの前に、成果物を人の目で確かめるレビューも欠かせません。作成者が説明して関係者が非公式に指摘し合うウォークスルー、進行役(モデレータ)を置き役割と手順を定めて行う公式なインスペクション、設計内容を関係者で検討するデザインレビュー、ソースコードを対象とするコードレビューなどがあります。
V字モデル:開発工程と対応するテスト工程| 開発の工程(Vの左側) | 対応するテスト工程(Vの右側) | 何を確かめるか |
|---|
| 要件定義 | 運用テスト(受入テスト) | 利用者の業務が要求どおり回るか |
| 外部設計(基本設計) | システムテスト(総合テスト) | システム全体が仕様どおり動くか、性能や負荷に耐えるか |
| 内部設計(詳細設計) | 結合テスト | モジュールどうしのつなぎ目でデータが正しく渡るか |
| プログラミング | 単体テスト | モジュール1本ごとの処理が正しいか |
用語
- 単体テスト
- モジュールやプログラム1本ごとに、内部の処理が正しく動くかを確かめるテスト。ふつう作った本人(開発者)が行い、テストの最初の段階にあたる。
- 結合テスト
- 単体テストを終えたモジュールを組み合わせ、モジュールどうしのデータの受渡し(インタフェース)が正しいかを確かめるテスト。
- システムテスト(総合テスト)
- 開発側が行う最終段階のテスト。本番に近い環境でシステム全体を対象に、機能だけでなく性能や大量アクセスへの耐性なども確かめる。
- 運用テスト(受入テスト)
- 利用者(発注者)が主体となり、実際の業務手順に沿って使ってみて、要求を満たしているかを確かめる最終テスト。合格すると受入れ(検収)となる。
- V字モデル
- 開発工程とテスト工程の対応を表した図。要件定義↔運用テスト、外部設計↔システムテスト、内部設計↔結合テスト、プログラミング↔単体テストが向かい合う。
- ホワイトボックステスト
- プログラムの内部構造に着目し、命令や分岐が実行されるように経路を網羅してテストする方法。中身が見える箱にたとえた呼び名で、主に単体テストで使う。
- ブラックボックステスト
- 内部構造は見ずに、仕様書の入力と出力の関係だけに着目してテストする方法。中身が見えない箱にたとえた呼び名で、結合テスト以降でよく使う。
- 同値分割・境界値分析
- ブラックボックステストでテストケースを選ぶ考え方。同じ結果になる入力のまとまりから代表値を選ぶのが同値分割、条件の境目とその前後を選ぶのが境界値分析。
- 回帰テスト(リグレッションテスト)
- プログラムを修正したあとに、修正前は正しく動いていた部分に不具合が生じていないかを確かめるテスト。修正の副作用を見つけるために行う。
- ウォークスルー
- 作成者が中心となって関係者に成果物を説明し、その場で誤りを指摘し合う非公式なレビュー。少人数で気軽に行え、早い段階で欠陥を見つけられる。
- インスペクション
- 進行役(モデレータ)が主催し、参加者の役割と手順をあらかじめ定めて行う公式なレビュー。記録を残し、欠陥の検出と対処の確認まで行う。
- デザインレビュー/コードレビュー
- デザインレビューは設計書の内容を関係者で検討して問題を早期に見つける活動。コードレビューは書かれたソースコードを他の人が読んで誤りや改善点を指摘する活動。
例題
例題:内部設計の内容を確かめるテストはどれか。
答えと考え方 結合テスト。V字モデルでは内部設計と結合テストが向かい合っており、モジュール間の受渡しが設計どおりかを確かめる。
例題:「入力が0〜99なら正常、100以上はエラー」という仕様で、99と100をテストデータに選んだ。これは何という技法か。
答えと考え方 境界値分析。仕様の条件の境目とその前後を選ぶブラックボックステストの技法で、境目付近は誤りが出やすいため重視される。
出典・根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術
3. 開発モデル(ウォーターフォールとアジャイル)
代表的な開発の進め方を比べ、案件に合ったモデルを選ぶ目を養います。
同じシステムでも、どういう手順で作るかにはいくつかの型があります。これを開発モデルといいます。もっとも古典的なウォーターフォールモデルは、要件定義から順に工程を進め、原則として前の工程には戻りません。各工程の成果物を承認してから次へ進むため進捗が管理しやすい反面、後の工程で仕様変更が出ると手戻りが大きくなります。
早い段階で認識のずれをなくす工夫がプロトタイピングモデルです。試作品(プロトタイプ)を作って利用者に操作してもらい、その評価をもとに要求を固めていきます。スパイラルモデルは、システムを部分に分け、設計・開発・評価という一連の作業を繰り返しながら、らせん状に完成度を高めていく考え方で、リスクの大きい部分から先に確かめられます。
アジャイル開発は、1〜4週間程度の短い反復(イテレーション、スクラムではスプリント)を繰り返し、反復ごとに動くソフトウェアを提供する進め方です。詳しい文書をそろえることより、動くものを早く出して利用者の意見を取り入れ、変化に対応することを重視します。要求が変わりやすい案件や、早く小さく出して試したい案件に向きます。
どちらが優れているというものではありません。要求が固まっていて品質の証跡が厳しく求められる大規模案件ではウォーターフォールが選ばれ、要求が定まらず素早く形にしたい案件ではアジャイルが選ばれます。そのほか、少人数のチームと開発支援ツールを活用して短期間で作り上げるRAD(Rapid Application Development)という手法もあります。
ウォーターフォールモデルとアジャイル開発の比較| 観点 | ウォーターフォールモデル | アジャイル開発 |
|---|
| 進め方 | 工程を順に1回ずつ進め、原則として前工程に戻らない | 短い反復を何度も繰り返し、反復ごとに動くものを出す |
| 仕様の確定 | 最初にすべて確定させることを前提とする | 全体は大まかに決め、反復ごとに詳細を決めていく |
| 文書 | 各工程で詳細な文書を作り、承認して次へ進む | 動くソフトウェアを重視し、文書は必要な分だけ作る |
| 仕様変更への強さ | 後工程での変更は手戻りが大きく、苦手 | 反復ごとに見直せるため、変更に強い |
| 利用者の関与 | 主に要件定義と受入れの時期に関わる | 開発期間を通じて継続的に関わる |
| 問題の見つけやすさ | 終盤のテストまで問題が見えにくい | 反復ごとに動くものが出るため早く分かる |
| 向く案件 | 要求が固まっており、大規模で高い信頼性が要る案件 | 要求が変わりやすく、早く小さく提供したい案件 |
用語
- ウォーターフォールモデル
- 水が上から下へ落ちるように、工程を順番に1回ずつ進める開発モデル。前工程には戻らない前提で、各工程の成果物を承認して次へ進む。
- プロトタイピングモデル
- 早い段階で試作品を作り、利用者に操作してもらった評価を要求に反映する開発モデル。認識のずれによる大きな手戻りを防げる。
- スパイラルモデル
- システムを部分に分け、設計・開発・評価の作業を繰り返しながら、らせんを描くように完成度を高めていく開発モデル。リスクの大きい部分から確かめられる。
- アジャイル開発
- 短い反復を繰り返し、反復ごとに動くソフトウェアを提供する開発の考え方。アジャイルは「素早い」という意味で、変化への対応と利用者との協調を重んじる。
- イテレーション
- アジャイル開発で繰り返す一定期間の反復のこと。日本語では「反復」。1回の中で設計・実装・テストまで行い、動くソフトウェアを作り上げる。
- RAD
- Rapid Application Developmentの略で「高速アプリケーション開発」。少人数のチームと開発支援ツールを使い、短期間でシステムを作り上げる手法。
例題
例題:法令で定められた帳票を出力する大規模な基幹システムで、要求が確定している。適した開発モデルは。
答えと考え方 ウォーターフォールモデル。要求が固まっており、工程ごとの成果物と承認の記録を残しやすいため。
例題:新規サービスのスマートフォンアプリで、利用者の反応を見ながら機能を足したい。適した開発モデルは。
答えと考え方 アジャイル開発。短い反復ごとに動く機能を出し、評価を次の反復に反映できるため。
出典・根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術
4. アジャイルの実践とDevOps
スクラムの役割とイベント、XPの実践、DevOpsやCI/CDなど現場で使われる言葉を押さえます。
アジャイル開発を実際に進めるための代表的な進め方がスクラムです。スクラムでは役割を三つに分けます。プロダクトオーナーは、実現したい要求を優先順位を付けて並べたプロダクトバックログに責任を持ち、成果物の価値を最大にします。スクラムマスターは、スクラムが正しく実践されるよう支援し、チームの妨げになる問題を取り除きます(指揮命令する管理者ではありません)。開発チームは、スプリントで動くソフトウェアを作り、作業の分担を自分たちで決めます。
スクラムは1〜4週間程度の固定期間であるスプリントを繰り返します。スプリントの始めに何を作るかを決めるスプリントプランニング、毎日15分程度で進捗と問題を共有するデイリースクラム、終わりに成果物を関係者に見せて評価を受けるスプリントレビュー、進め方そのものを振り返るスプリントレトロスペクティブというイベントがあります。期間は延ばさず、間に合わない機能は次のスプリントに回すのが原則です。なお、スクラムの成果物は三つあり、実現したい要求を優先順位付きで並べたプロダクトバックログ、そのスプリントで実現する項目と作業計画をまとめたスプリントバックログ、スプリントの終わりに出来上がる動く成果物であるインクリメントをいいます。
XP(エクストリームプログラミング)はアジャイル開発の代表的な手法で、具体的な実践が定められています。2人1組で1台の端末を使い、一方が書き他方が確認するペアプログラミング、先にテストを書いてからそれを通す実装を行うテスト駆動開発、外から見た動作を変えずに内部構造を整理して読みやすくするリファクタリングなどです。
開発したものを素早く安全に届けるための考え方も広がっています。DevOpsは開発(Development)担当と運用(Operations)担当が協力し、自動化と継続的な改善によってリリースを速める文化・取組みです。CI/CDは、変更したソースコードを頻繁に統合してビルドとテストを自動実行する継続的インテグレーションと、その先のリリースまでを自動化する継続的デリバリを指します。このほか、既存のプログラムを解析して仕様や設計情報を導き出すリバースエンジニアリング、公開されている複数のサービスを組み合わせて新しいサービスを作るマッシュアップ、ソースコードをほとんど書かずにアプリを作るノーコード/ローコード開発も押さえておきましょう。
スクラムの役割・成果物・イベント| 区分 | 名称 | 内容 |
|---|
| 役割 | プロダクトオーナー | プロダクトバックログの内容と優先順位に責任を持ち、成果物の価値を最大にする |
| 役割 | スクラムマスター | スクラムが正しく実践されるよう支援し、チームの妨げを取り除く(指揮命令はしない) |
| 役割 | 開発チーム | スプリントで動くソフトウェアを作る。作業の分担は自分たちで決める |
| 成果物 | プロダクトバックログ | 実現したい要求を優先順位を付けて並べた一覧 |
| 成果物 | スプリントバックログ | そのスプリントで実現する項目と作業計画をまとめた一覧 |
| 成果物 | インクリメント | スプリントの終わりに出来上がる、実際に動く状態の成果物 |
| 反復の単位 | スプリント | 1〜4週間程度の固定期間の反復。期間は延長しない |
| イベント | スプリントプランニング | そのスプリントで何を作るかを決める |
| イベント | デイリースクラム | 毎日15分程度で進捗・予定・問題を共有する |
| イベント | スプリントレビュー | 成果物を関係者に見せ、評価や意見をもらう |
| イベント | スプリントレトロスペクティブ | チームの進め方そのものを振り返り、改善策を決める |
用語
- スクラム
- アジャイル開発の代表的な進め方。短い期間(スプリント)の反復と、決められた役割・イベントによってチームで開発を進める枠組み。ラグビーの組み合いに由来する。
- プロダクトオーナー
- スクラムの役割の一つ。プロダクトバックログの中身と優先順位に責任を持ち、「何を作るか」を決めて成果物の価値を最大にする。
- スクラムマスター
- スクラムの役割の一つ。スクラムが正しく実践されるようチームを支援し、開発の妨げとなる問題を取り除く。作業を指示する管理者ではない。
- 開発チーム
- スクラムの役割の一つ。スプリントの中で実際に動くソフトウェアを作る少人数のチーム。誰が何をするかは自分たちで決める(自己組織化)。シラバスや近年のスクラムガイドでは「開発者」とも呼ぶ。
- スプリント
- スクラムで繰り返す1〜4週間程度の固定期間の反復。期間は延長せず、終わりには動くソフトウェアができている状態を目指す。
- プロダクトバックログ
- 実現したい要求や機能を優先順位を付けて並べた一覧。プロダクトオーナーが管理し、開発が進む中で随時見直される。
- スプリントバックログ
- そのスプリントで実現するプロダクトバックログ項目と、それを実現するための作業計画をまとめた一覧。開発チームが自分たちで作り、スプリントの途中でも見直す。
- インクリメント
- スプリントの終わりに出来上がる、実際に動く状態の成果物。過去のスプリントの成果に今回の成果を積み上げたものを指し、いつでも使える品質であることが求められる。
- デイリースクラム
- 開発チームが毎日決まった時刻に15分程度行う短い会議。進捗と当日の予定、妨げになっている問題を共有し、遅れを早く見つける。
- スプリントレビュー
- スプリントの終わりに、できあがった成果物を関係者に見せて評価や意見をもらうイベント。得られた意見は次のスプリントの計画に反映する。
- ペアプログラミング
- XPの実践の一つ。2人1組で1台の端末を使い、一方がコードを書き、他方がその場で確認・助言する。書きながらレビューするので誤りを早く見つけられる。
- テスト駆動開発(TDD)
- 先にテストコードを書き、それが通るように最小限の実装をしてから改善する、という短い流れを繰り返す開発手法。テストが仕様書の役割も果たす。
- リファクタリング
- 外から見た動作を変えないまま、プログラムの内部構造を整理して読みやすく直すこと。機能追加ではなく、後の修正をしやすくするために行う。
- DevOps
- 開発担当と運用担当が壁を作らず協力し、自動化と継続的な改善によって安全かつ迅速にリリースを繰り返す考え方・取組み。DevelopmentとOperationsを組み合わせた語。
- CI/CD
- 継続的インテグレーション/継続的デリバリ。変更したコードを頻繁に統合してビルドとテストを自動実行し、さらにリリースまでの手順も自動化する仕組み。
- リバースエンジニアリング
- 既存のソフトウェアや製品を解析して、その仕様や設計情報を導き出すこと。設計書が残っていない古いシステムを作り直すときなどに使われる。
- マッシュアップ
- 公開されている複数のサービスやデータを組み合わせて、新しい一つのサービスを作ること。地図サービスと店舗情報を組み合わせた案内サイトなどが例。
- ノーコード/ローコード
- ソースコードをまったく書かずに(ノーコード)、またはごく少ないコードで(ローコード)、画面上で部品を組み合わせてアプリを作れる開発手法・ツール。
例題
例題:スプリントの期間内に予定した機能が完成しそうにない。スクラムの原則ではどうするか。
答えと考え方 スプリントの期間は延ばさず、間に合わない機能は次のスプリントに回す。期間を固定することで進み具合を測りやすくするため。
例題:地図サービスと自社の店舗データを組み合わせて店舗検索サイトを作った。この手法の名称は。
答えと考え方 マッシュアップ。既存の公開サービスやデータを組み合わせて新しいサービスを作ることをいう。
出典・根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術
確認問題(30問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|要件定義
システム開発における要件定義で行う作業はどれか。
- 利用者の業務を調査し、システムに必要な機能や性能を明確にする
- プログラム内部のモジュール構造や処理手順を決める
- 作成したプログラムが設計書のとおりに動くかを1本ずつ確かめていく
- 本番稼働後に発生した障害を修正し、機能を改善する
正解と解説
正解:A. 利用者の業務を調査し、システムに必要な機能や性能を明確にする要件定義は開発の最初の工程で、利用者の要求を整理してシステムに求める機能・性能を明確にする。イは内部設計、ウは単体テスト、エは保守で行う作業であり、いずれも要件定義より後の工程に位置する。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(ソフトウェア要件定義)
問2|外部設計
外部設計(基本設計)で決める内容として、最も適切なものはどれか。
- 各モジュールの内部の処理手順やアルゴリズム
- コーディング規約に沿った変数名や関数名の付け方の統一
- 結合テストで使用するテストデータの作成手順
- 利用者が操作する画面や出力する帳票のレイアウト
正解と解説
正解:D. 利用者が操作する画面や出力する帳票のレイアウト外部設計は利用者から見える部分(画面・帳票・データの受渡し)を決める工程なのでエが正しい。アは内部設計、イはプログラミング、ウはテスト工程での作業であり、いずれも外部設計で決める内容ではない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(システム設計)
問3|設計の関係
外部設計と内部設計の関係を説明したものとして、適切なものはどれか。
- 内部設計を終えてから、その結果に基づいて外部設計を行う
- 外部設計・内部設計とも、利用者と合意すべき画面や帳票のレイアウト仕様を決める工程である
- 外部設計で決めた利用者から見える仕様を、内部設計でプログラムの構造に落とし込む
- 外部設計はプログラマが、内部設計は利用者が中心となって行う
正解と解説
正解:C. 外部設計で決めた利用者から見える仕様を、内部設計でプログラムの構造に落とし込む開発は外部設計から内部設計へ進み、外から見える仕様を内部のモジュール構成や処理手順に具体化する。アは順序が逆、イは内部設計が利用者向けの仕様を決める工程ではない点、エは担当が逆である点で誤り。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(システム設計)
問4|工程の順序
システム開発の工程を実施する順序として、適切なものはどれか。
- 要件定義 → プログラミング → システム設計 → テスト
- システム設計 → 要件定義 → テスト → プログラミング
- 要件定義 → テスト → システム設計 → プログラミング
- 要件定義 → システム設計 → プログラミング → テスト
正解と解説
正解:D. 要件定義 → システム設計 → プログラミング → テスト開発は、要件定義で作るものを決め、システム設計で実現方法を決め、プログラミングで作り、テストで確かめる順に進む。ア・イ・ウはいずれも設計やテストが本来より前に置かれており、作る前に検査するなど成立しない順序である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(システム開発のプロセス)
問5|モジュール分割
プログラムを複数のモジュールに分割して設計する主な狙いはどれか。
- プログラム全体のソースコードの行数を必ず減らせるようにする
- 利用者が入力する項目数を減らして操作を簡単にする
- 部品ごとの独立性を高め、修正やテスト、再利用をしやすくする
- 本番環境で使用するサーバの台数を減らして費用を下げる
正解と解説
正解:C. 部品ごとの独立性を高め、修正やテスト、再利用をしやすくするモジュール分割は機能ごとに部品化して独立性を高め、修正の影響範囲を狭めてテストや再利用をしやすくすることが狙いである。分割しても総行数が減るとは限らないためアは誤り、イは画面設計、エは基盤構成の話で目的が異なる。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(機能分割・モジュール設計)
問6|ユーザビリティ
ユーザビリティを高める画面設計の例として、最も適切なものはどれか。
- 専門用語を多く使い、詳しい利用者だけが使える画面にする
- 入力の誤りをその場で知らせ、誤りの内容と直し方を具体的に表示する
- 1画面にすべての入力項目を詰め込み、見出しや補足の説明は一切表示しない
- 操作方法は画面に示さず、別冊のマニュアルだけで説明する
正解と解説
正解:B. 入力の誤りをその場で知らせ、誤りの内容と直し方を具体的に表示するユーザビリティは利用者が迷わず効率よく目的を達成できる使いやすさのことで、誤りをその場で分かりやすく知らせる工夫はこれを高める。ア・ウ・エはいずれも利用者の理解や操作の負担を増やすため、使いやすさを下げてしまう。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(ユーザビリティ)
問7|受入れ
ソフトウェア受入れの説明として、適切なものはどれか。
- 開発者が自ら作成したプログラムを、モジュールやプログラム1本ごとに区切ってテストすること
- 発注者が納入されたソフトウェアを運用テストなどで確認し、要求を満たしていれば受け取ること
- 開発者が設計書のとおりに、プログラムの内部構造や処理手順を組み立てて作り込むこと
- 本番稼働の開始後に、業務の変化や利用者からの要望に合わせてソフトウェアを改良していくこと
正解と解説
正解:B. 発注者が納入されたソフトウェアを運用テストなどで確認し、要求を満たしていれば受け取ることソフトウェア受入れは発注者側が運用テストなどで要求を満たしているか確認したうえで納入物を受け取る工程で、検収ともいう。アは単体テスト、ウはプログラミング、エは保守であり、いずれも受入れとは別の工程である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(ソフトウェア受入れ)
問8|単体テスト
単体テストの説明として、適切なものはどれか。
- モジュールやプログラム1本ごとに、内部の処理が正しく動くかを確かめる
- 複数のモジュールを組み合わせ、その間のデータの受渡しが正しいかを確かめる
- 本番に近い環境で、性能や負荷への耐性を含めシステム全体を確かめる
- 利用者が実際の業務手順に沿って使い、要求を満たすかを確かめる
正解と解説
正解:A. モジュールやプログラム1本ごとに、内部の処理が正しく動くかを確かめる単体テストはモジュール単位で行うテストの最初の段階である。イは結合テスト、ウはシステムテスト、エは運用テスト(受入テスト)の説明であり、いずれも単体テストより後の段階で実施される。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(テスト)
問9|結合テスト
結合テストで主に確認する内容はどれか。
- 組み合わせたモジュール間のデータの受渡しや連携が正しいか
- 1つのモジュールの中にある命令や分岐がすべて実行されているか
- 利用者が実際の業務の流れで問題なく使えるか
- 開発費用が当初の予算内に収まっているか
正解と解説
正解:A. 組み合わせたモジュール間のデータの受渡しや連携が正しいか結合テストは単体テストを終えたモジュールをつなぎ、インタフェース(受渡し)が正しいかを確かめる段階である。イは単体テストで行うホワイトボックステスト、ウは運用テストの目的、エはテストではなくプロジェクトのコスト管理の話である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(テスト)
問10|システムテスト
システムテスト(総合テスト)で行う内容として、最も適切なものはどれか。
- 作成中のモジュールを担当者どうしが1本ずつ机上で読み合わせ、記述の誤りを確認する
- ソースコードの字下げや書式の乱れを自動整形ツールで整える
- 本番に近い環境でシステム全体を対象に、機能に加えて性能や負荷への耐性も確認する
- 納品後に利用者から寄せられた要望を、新しい機能として追加していく
正解と解説
正解:C. 本番に近い環境でシステム全体を対象に、機能に加えて性能や負荷への耐性も確認するシステムテストは開発側が行う最終段階のテストで、システム全体が要求どおり動くかを機能・性能・負荷などの面から確認する。アはレビューや単体テストの作業、イはコーディングの作業、エは保守での機能追加であり、いずれも該当しない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(テスト)
問11|運用テスト
運用テスト(受入テスト)の説明として、適切なものはどれか。
- 開発者がプログラムの内部構造に着目し、命令や分岐を網羅して確認する
- 開発者が結合したモジュール間の連携を確認する
- 開発者がプログラムを机上で読み合わせて誤りを指摘する
- 利用者が実際の業務の流れに沿って使い、要求を満たすかを確認する
正解と解説
正解:D. 利用者が実際の業務の流れに沿って使い、要求を満たすかを確認する運用テストは利用者(発注者)が主体となり、実際の業務手順で使えるかを確認する最終テストである。アはホワイトボックステスト、イは結合テスト、ウはコードレビューで、いずれも開発者側が行う作業であり主体も目的も異なる。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(テスト)
問12|V字モデル
V字モデルにおいて、外部設計(基本設計)と対応付けられるテスト工程はどれか。
- システムテスト
- 単体テスト
- 結合テスト
- 運用テスト
正解と解説
正解:A. システムテストV字モデルでは要件定義と運用テスト、外部設計とシステムテスト、内部設計と結合テスト、プログラミングと単体テストが向かい合う。よって外部設計に対応するのはシステムテストで、単体テストはプログラミング、結合テストは内部設計、運用テストは要件定義に対応する。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(テスト)
問13|ホワイトボックス
ホワイトボックステストの説明として、適切なものはどれか。
- プログラムの内部構造は考えず、仕様書に示された入力と出力の関係だけに着目してテストする
- プログラムの内部構造に着目し、命令や分岐が実行されるように経路を網羅してテストする
- 利用者に試作品を操作してもらい、要望を聞き取って要求に反映する
- 本番と同じ量のデータを流し、処理時間が基準内かを計測する
正解と解説
正解:B. プログラムの内部構造に着目し、命令や分岐が実行されるように経路を網羅してテストするホワイトボックステストはプログラムの中身(制御構造)を見て、命令や分岐を網羅するようにテストケースを作る方法で、主に単体テストで用いる。アはブラックボックステスト、ウはプロトタイピング、エは性能テストの説明である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(テスト)
問14|ブラックボックス
ブラックボックステストにおけるテストケースの作り方として、適切なものはどれか。
- すべての分岐が少なくとも1回は実行されるように経路を選ぶ
- ソースコードの行数に比例した数のテストケースを、機械的に割り当てて用意する
- 仕様書の入力条件を意味のまとまりごとに分け、その代表値や境目の値を選ぶ
- 開発者が書いたコメント文の記述が正しいかを1行ずつ確認する
正解と解説
正解:C. 仕様書の入力条件を意味のまとまりごとに分け、その代表値や境目の値を選ぶブラックボックステストは内部構造を見ず仕様に基づいて行い、同値分割や境界値分析で入力の代表値・境界値を選ぶ。アは内部構造に着目するホワイトボックステスト、イは行数はテストケースの根拠にならず、エはコードレビューの作業である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(テスト)
問15|回帰テスト
回帰テスト(リグレッションテスト)を行う目的はどれか。
- 新しく追加した機能が仕様書どおりに動くかどうかだけを対象として、追加した部分に限って確認する
- 本番の利用に耐えるだけの処理性能があることを確認する
- 研修を受けた利用者が、変更後の新しい操作方法を正しく習得できたことを確認する
- プログラムを修正したことで、修正前は正しく動いていた箇所に不具合が生じていないかを確認する
正解と解説
正解:D. プログラムを修正したことで、修正前は正しく動いていた箇所に不具合が生じていないかを確認する回帰テストは修正や機能追加の影響で、既存の正常だった機能が壊れていないかを確かめるテストである。アは追加機能そのもののテスト、イは性能テスト、ウは教育・訓練の確認であり、いずれも回帰テストの目的ではない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(テスト)
問16|レビュー技法
ソフトウェアのレビュー技法のうち、インスペクションの説明として適切なものはどれか。
- 進行役(モデレータ)が主催し、参加者の役割と手順をあらかじめ定めて公式に成果物の欠陥を検出する
- 作成者が中心となって関係者に成果物の内容を順に説明し、その場で非公式に誤りや疑問点を指摘し合う
- プログラムを実際に動かし、入力に対する出力が仕様どおりかを確かめる
- 2人1組で1台の端末を使い、交代しながらプログラムを作成する
正解と解説
正解:A. 進行役(モデレータ)が主催し、参加者の役割と手順をあらかじめ定めて公式に成果物の欠陥を検出するインスペクションはモデレータが進行し、役割・手順を定めて記録を残す公式なレビューである。イは非公式に行うウォークスルー、ウは実際に動かすテスト、エはXPのペアプログラミングであり、いずれもインスペクションとは異なる。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類8:システム開発技術(レビュー)
問17|WFモデル
ウォーターフォールモデルの特徴として、適切なものはどれか。
- 短い期間の反復を繰り返し、反復ごとに動くソフトウェアを提供する
- 工程を順番に進め、原則として前の工程に戻らずに開発を進める
- 試作品を作って利用者の評価を受けながら要求を固めていく
- 開発担当と運用担当が一体となり、自動化によって頻繁にリリースする
正解と解説
正解:B. 工程を順番に進め、原則として前の工程に戻らずに開発を進めるウォーターフォールモデルは上流から下流へ工程を順に進め、前工程に戻らないことを前提に成果物を承認しながら開発する。アはアジャイル開発、ウはプロトタイピングモデル、エはDevOpsの説明であり、いずれも別の考え方である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(開発モデル)
問18|プロトタイプ
プロトタイピングモデルを採用する主な利点はどれか。
- 試作品が設計書の代わりになるため、文書化の作業が一切不要になる
- 試作品を作ることで開発の総工数が必ず削減され、費用が半分になる
- 早い段階で試作品を利用者に確認してもらい、要求のずれや認識違いによる手戻りを減らせる
- 利用者が試作品を確認しているため、稼働を開始した後に仕様変更が発生しないことを保証できる
正解と解説
正解:C. 早い段階で試作品を利用者に確認してもらい、要求のずれや認識違いによる手戻りを減らせるプロトタイピングは試作品を早期に評価してもらうことで、要求の取り違えによる大きな手戻りを防ぐ手法である。試作品を作っても設計書は必要でアは誤り、工数が必ず半減する保証も、変更が起きない保証もないためイ・エも誤りである。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(開発モデル)
問19|スパイラル
スパイラルモデルの説明として、適切なものはどれか。
- 上流から下流へ1回の工程の流れで全機能を完成させ、前の工程への後戻りや途中での見直しは一切行わない
- 要件定義の工程を省略し、動くものを先に作ってから仕様を文書化する
- 開発の全工程を外部に委託し、進捗は月次の報告だけで管理する
- システムを部分に分け、設計・開発・評価という一連の作業を繰り返しながら、らせん状に完成度を高める
正解と解説
正解:D. システムを部分に分け、設計・開発・評価という一連の作業を繰り返しながら、らせん状に完成度を高めるスパイラルモデルはシステムを部分に分け、設計から評価までのサイクルを繰り返してリスクを減らしながら完成度を高める開発モデルである。アはウォーターフォールモデルの考え方、イ・ウはスパイラルモデルの定義とは関係がない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(開発モデル)
問20|アジャイル
アジャイル開発の考え方として、最も適切なものはどれか。
- 短い反復で動くソフトウェアを作り、利用者の意見を取り入れながら変化に対応する
- すべての仕様を最初に確定し、以後の変更は原則として認めない
- 詳細な設計文書を完璧に整えることを、動くソフトウェアを早く示すことよりも優先する
- 利用者は要件定義と検収の時だけ関わり、開発期間中は関与しない
正解と解説
正解:A. 短い反復で動くソフトウェアを作り、利用者の意見を取り入れながら変化に対応するアジャイル開発は短い反復を繰り返し、動くソフトウェアと変化への対応を重視して利用者と協調しながら進める。イ・ウ・エはいずれもウォーターフォール型の進め方の特徴であり、アジャイルの考え方とは反対の内容である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(アジャイル)
問21|モデル選択
要求が固まっておらず、利用者の反応を見ながら短い期間で機能を追加していきたいシステムの開発方針として、最も適切なものはどれか。
- 全機能の仕様を確定してから一括で開発し、完成時に初めて利用者に見せる
- 短い反復ごとに動く機能をリリースし、利用者の評価を次の反復に反映する
- 要件定義書の承認まで開発に着手せず、承認後は変更を一切受け付けない
- テストは最後にまとめて実施し、それまでは動作確認を行わない
正解と解説
正解:B. 短い反復ごとに動く機能をリリースし、利用者の評価を次の反復に反映する要求が変わりやすい案件では、反復ごとに動くものを出して評価を反映するアジャイル型の進め方が適する。ア・ウはウォーターフォール型で変更に弱く、エは不具合の発見が遅れて手戻りが大きくなるため、この状況には向かない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(開発モデル)
問22|RAD
RAD(Rapid Application Development)の説明として、適切なものはどれか。
- 既存のプログラムを解析して、その仕様や設計情報を導き出す手法
- 開発担当と運用担当が密に協力し合い、自動化によって継続的な改善を図る考え方
- 少人数のチームと開発支援ツールを活用し、短期間でシステムを開発する手法
- 公開されている複数のサービスを組み合わせて新しいサービスを作る手法
正解と解説
正解:C. 少人数のチームと開発支援ツールを活用し、短期間でシステムを開発する手法RADは少人数のチームと開発支援ツールを活用して開発期間を短縮する手法である。アはリバースエンジニアリング、イはDevOps、エはマッシュアップの説明であり、いずれもRADとは別の用語である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(RAD)
問23|ペアプロ
ペアプログラミングの説明として、適切なものはどれか。
- 2つのチームが同じ機能をそれぞれ別々に開発し、完成した後に出来の良い方を採用する
- 2種類のテストを同時に実施して不具合を早く見つける
- 2人の利用者に同じ画面を操作してもらい、使いやすさを比べる
- 2人1組で1台の端末を使い、一方がコードを書き、他方が確認・助言しながら開発する
正解と解説
正解:D. 2人1組で1台の端末を使い、一方がコードを書き、他方が確認・助言しながら開発するペアプログラミングはXPの代表的な実践で、2人で1つのコードを書き、その場でレビューしながら品質を高める。アは競争的な開発の進め方、イはテストの実施方法、ウはユーザビリティの評価であり、いずれも該当しない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(XP)
問24|TDD
テスト駆動開発(TDD)の進め方として、適切なものはどれか。
- 先にテストコードを書き、それが通るようにプログラムを実装していく
- すべての実装が完了してから、初めてテストの計画を立てる
- テストは外部の専門業者だけに任せ、開発者はテストを行わない
- 本番稼働の後に利用者から障害の報告を受けてから、初めてテストを作成する
正解と解説
正解:A. 先にテストコードを書き、それが通るようにプログラムを実装していくテスト駆動開発はテストを先に書き、それが通る最小限の実装を行い、改善を繰り返す手法である。イ・ウ・エはいずれもテストが実装や稼働より後になる進め方で、テストが開発を導くというTDDの考え方に反する。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(XP)
問25|リファクタリング
リファクタリングの説明として、適切なものはどれか。
- 利用者から寄せられた要望に応じて、既存のプログラムに新しい機能を追加していくこと
- 外部から見た動作を変えずに、プログラムの内部構造を分かりやすく整理すること
- 処理速度を上げるためにサーバの台数やメモリを増やすこと
- 運用中のシステムを別のデータセンタへ移設すること
正解と解説
正解:B. 外部から見た動作を変えずに、プログラムの内部構造を分かりやすく整理することリファクタリングは外部から見た振る舞いを保ったままコードの内部構造を整理し、後の修正をしやすくする作業である。アは機能追加、ウはハードウェアの増強、エは設備の移設であり、いずれも内部構造の改善ではない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(XP)
問26|PO
スクラムにおけるプロダクトオーナーの役割はどれか。
- チームメンバの人事評価を行い、担当作業を1人ずつ割り当てる
- スクラムのルールが正しく守られるよう支援し、開発の妨げになる問題を取り除く
- プロダクトバックログの内容と優先順位に責任を持ち、成果物の価値を最大にする
- 毎日の進捗を記録し、経営層に予算の超過を報告する
正解と解説
正解:C. プロダクトバックログの内容と優先順位に責任を持ち、成果物の価値を最大にするプロダクトオーナーは「何を作るか」の優先順位に責任を持つ役割である。イはスクラムマスターの役割、アはスクラムでは定義されておらず作業分担は開発チームが自ら決め、エも定義された役割ではない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(スクラム)
問27|スクラムマスター
スクラムにおけるスクラムマスターの役割として、適切なものはどれか。
- 開発チームの一人ひとりに作業を指示し、遅れているメンバを叱責して管理する
- 顧客と価格の交渉を行い、契約条件を決定する
- 要求の優先順位を決め、リリースする機能を確定する
- スクラムが正しく実践されるよう支援し、チームの妨げになる問題を取り除く
正解と解説
正解:D. スクラムが正しく実践されるよう支援し、チームの妨げになる問題を取り除くスクラムマスターはチームがスクラムを実践できるよう支援し、妨げを取り除く役割である。アのような指揮命令は行わず、イは営業や管理部門の仕事、ウはプロダクトオーナーの役割であり、いずれもスクラムマスターの職務ではない。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(スクラム)
問28|スクラム用語
スクラムにおけるデイリースクラムの説明として、適切なものはどれか。
- 開発チームが毎日短時間集まり、進捗と問題点を共有して当日の作業を確認する
- スプリントの終わりに、その回で完成した成果物を関係者に見せて評価や意見をもらう
- 実現したい要求を優先順位を付けて一覧に整理する
- チームの仕事の進め方を振り返り、次に向けた改善策を決める
正解と解説
正解:A. 開発チームが毎日短時間集まり、進捗と問題点を共有して当日の作業を確認するデイリースクラムは毎日15分程度で行う短い会議で、進捗の共有と妨げの早期発見が目的である。イはスプリントレビュー、ウはプロダクトバックログ、エはスプリントレトロスペクティブの説明であり、実施の時期も目的も異なる。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(スクラム)
問29|CI/CD
CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリ)の説明として、適切なものはどれか。
- リリースの直前にすべての変更をまとめて一括で結合し、その時点で初めてまとめて一度だけテストを実施する
- 変更したソースコードを頻繁に統合してビルドとテストを自動実行し、リリースまでの流れも自動化する
- 運用担当者が手作業で本番環境にファイルを複写し、変更を一つずつ反映する
- 新しい開発を中断し、既存システムの仕様書の整備だけを進める
正解と解説
正解:B. 変更したソースコードを頻繁に統合してビルドとテストを自動実行し、リリースまでの流れも自動化するCI/CDは小さな変更を頻繁に統合し、ビルド・テスト・リリースを自動化して品質と提供速度を高める仕組みである。アは従来型の一括結合で問題の発見が遅れ、ウは自動化されておらず、エは開発活動そのものが進まないため誤りである。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(DevOps・CI/CD)
問30|リバースE
リバースエンジニアリングに該当するものはどれか。
- 設計書に基づいてプログラムを作成する
- 公開されている複数のサービスを組み合わせて新しいサービスを作る
- 既存のプログラムを解析して、その仕様や設計情報を導き出す
- 画面上で部品を配置するだけでアプリケーションを作れる開発環境を利用する
正解と解説
正解:C. 既存のプログラムを解析して、その仕様や設計情報を導き出すリバースエンジニアリングは既存のソフトウェアを解析して仕様や設計情報を取り出すことをいう。アは設計から実装へ進む通常の(順方向の)開発、イはマッシュアップ、エはノーコード/ローコード開発の説明である。
根拠:IPA「ITパスポート試験」シラバス Ver.6.5 大分類4:開発技術 中分類9:ソフトウェア開発管理技術(リバースエンジニアリング)
演習:この章の問題を解く
ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ずIPAの公式発表をご確認ください。
※ 出題はIPA公開のシラバスVer.6.5(2026年1月1日適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。試験制度・実施要項はIPAの公式発表をご確認ください。