仮の宿 学習室

保育士試験 CHILDCARE WORKER EXAM

子どもの食と栄養

講義 5 本・確認問題 45 問 | 子どもの食と栄養(20問) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 栄養素の働きと日本人の食事摂取基準(2025年版)
  2. 乳児期の授乳(乳汁栄養)
  3. 離乳の進め方
  4. 幼児期の食事と保育所の食育
  5. 食物アレルギーと特別な配慮が必要な子どもの食事
  6. 確認問題(45問)
  7. 演習ツール

1. 栄養素の働きと日本人の食事摂取基準(2025年版)

食べ物に含まれる栄養素の働きと、どれだけ食べればよいかの物差しである「日本人の食事摂取基準(2025年版)」のしくみを学びます。数値はすべて2025年版の値です(2026年10月時点の現行版)。

私たちの体は、食べ物から取り入れた栄養素を使って動き、成長し、調子を保っています。栄養素は大きく炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルの5つに分けられ、「五大栄養素」と呼ばれます。このうち炭水化物・脂質・たんぱく質は体の中でエネルギーのもとになるため、食事摂取基準では「エネルギー産生栄養素」と呼び、その割合(エネルギー産生栄養素バランス)にも基準を設けています。

五大栄養素の主な働き
栄養素主な働き
炭水化物主にエネルギー源になる。消化されにくい食物繊維も炭水化物の仲間で、腸の働きを助ける
脂質少ない量で多くのエネルギーを出す。細胞膜などの材料になり、脂溶性ビタミンの吸収を助ける
たんぱく質筋肉・臓器・血液など体をつくる材料。アミノ酸がつながってできている。体内でつくれないアミノ酸(必須アミノ酸)は食事からとる必要がある
ビタミン体の調子を整える。油に溶ける脂溶性ビタミン(A・D・E・K)と、水に溶ける水溶性ビタミン(B群・C)に分かれる
ミネラル骨や歯の材料(カルシウムなど)、血液の材料(鉄はヘモグロビンの成分)になり、体の調子を整える

ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨づくりに関わります。鉄は赤血球のヘモグロビンの成分で、不足すると貧血の原因になります。乳幼児は体が急速に大きくなるので、こうした栄養素が特に大切です。

日本人の食事摂取基準とは

日本人の食事摂取基準は、健康増進法に基づいて厚生労働大臣が定める、エネルギーと栄養素の摂取量の基準です。対象は、健康な個人と、健康な人を中心とした集団です。生活習慣病などの危険因子があっても、おおむね自立した日常生活を送っている人は対象に含まれます。保育所の給食の計画(給食管理)にも使われます。

栄養素には、次の5つの指標があります。不足を防ぐための指標(推定平均必要量・推奨量・目安量)、とりすぎを防ぐための指標(耐容上限量)、生活習慣病の発症予防のための指標(目標量)です。

栄養素の5つの指標(2025年版)
指標意味
推定平均必要量(EAR)集団の必要量の平均値の推定値。集団の半数の人が必要量を満たす量
推奨量(RDA)集団のほとんどの人(97〜98%)が必要量を満たす量
目安量(AI)推定平均必要量・推奨量を決める根拠が足りないときに使う、一定の栄養状態を維持するのに十分な量
耐容上限量(UL)健康障害をもたらすリスクがないとみなされる、習慣的な摂取量の上限
目標量(DG)生活習慣病の発症予防のために、当面の目標とする量

エネルギーについては、成人はBMI(体格)を指標にします。推定エネルギー必要量は「参考表」として示され、主に給食の計画などで使います。身体活動レベルは「低い」「ふつう」「高い」の3つです。年齢区分は、乳児が0〜5か月と6〜11か月(さらに6〜8か月・9〜11か月に分けることがある)、幼児が1〜2歳、3〜5歳です。

乳児(0〜5か月)の目安量は、母乳中の濃度と基準哺乳量から計算されています。成人の値を小さくしたものではありません。

乳幼児の主な値(日本人の食事摂取基準〔2025年版〕)
年齢推定エネルギー必要量(kcal/日、ふつう)男/女たんぱく質(g/日)
0〜5か月550/500目安量 10
6〜8か月650/600目安量 15
9〜11か月700/650目安量 25
1〜2歳950/900推定平均必要量 15・推奨量 20
3〜5歳1,300/1,250推定平均必要量 20・推奨量 25

エネルギー産生栄養素バランスの目標量は、1歳以上でたんぱく質13〜20%エネルギー、脂質20〜30%エネルギーです。3歳以上では飽和脂肪酸も10%エネルギー以下が目標量です。乳児の脂質は目安量で、0〜5か月は50%エネルギー、6〜11か月は40%エネルギーです。乳児は母乳から多くのエネルギーを脂質でとっているためです。

例題

例題:3〜5歳の女児の推定エネルギー必要量(身体活動レベル「ふつう」)はいくつか。
答えと考え方 1,250kcal/日です。同じ年齢の男児は1,300kcal/日、1〜2歳は男児950kcal/日・女児900kcal/日です。男女と年齢区分を取り違えないように、表で覚えましょう。

用語

五大栄養素
炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルの5つ
エネルギー産生栄養素
エネルギーのもとになる炭水化物・脂質・たんぱく質
推奨量
集団のほとんど(97〜98%)の人が必要量を満たす量
目安量
根拠が足りないときに使う、十分とみなせる量。乳児の基準の多くはこれ
%エネルギー
総エネルギー摂取量のうち、その栄養素からとるエネルギーの割合

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

2. 乳児期の授乳(乳汁栄養)

生まれてから離乳が始まるまで、赤ちゃんの栄養は母乳や育児用ミルク(乳汁)です。「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」をもとに、授乳の考え方と支援のポイントを学びます。

乳児期の前半、赤ちゃんは乳汁だけで育ちます。乳汁の与え方は、母乳だけの母乳栄養、育児用ミルクだけの人工栄養、両方を使う混合栄養に分けられます。

厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)は、保健医療の専門職などが、妊娠中から離乳の完了までの授乳・離乳を支援するときの基本をまとめたものです。保育所の保育士も、保護者と協力して授乳や離乳を進めるうえで、この考え方を知っておく必要があります。

授乳の意味

ガイドは、授乳を「乳汁(母乳または育児用ミルク)を子どもに与えること」とし、授乳は子どもに栄養素などを与えるだけでなく、母子・親子の絆を深め、子どもの心身の健やかな成長・発達を促すうえで大切だとしています。そのため、母乳か育児用ミルクかという乳汁の種類にかかわらず、母子の健康を保ち、健やかな母子・親子関係をつくり、保護者が育児に自信をもてるように支援することが基本です。

母乳育児の利点

ガイドが挙げる母乳育児の主な利点
対象内容
乳児乳児に最適な成分組成で、代謝の負担が少ない/感染症の発症と重症度の低下/小児期の肥満やのちの2型糖尿病の発症リスクの低下
母親産後の母体の回復の促進/母子関係の良好な形成

母乳育児を望む保護者への支援は大切ですが、母乳が出にくいなどの事情で育児用ミルクを使う家庭もあります。どちらの場合も、保護者の気持ちに寄り添って支援することが求められます。

育児用ミルク

ガイドでいう育児用ミルクは、母乳の代わりに飲む乳児用調製粉乳(粉ミルク)と乳児用調製液状乳(液体ミルク)のことです。フォローアップミルクは含まれません。2019年の改定では、新しく使えるようになった液体ミルクの情報なども加えられました。

母親の食事と食物アレルギー

子どものアレルギー疾患を予防するために、妊娠中や授乳中の母親が特定の食品を避けたり、逆にたくさん食べたりする必要はないとされています。大切なのはバランスのよい食事です。2019年改定版は、食物アレルギーの予防についても、最新の科学的知見をふまえて本文で説明しています。

母乳だけで育つ子どもで気をつけること

母乳だけで育つ子どもは、生後6か月ごろには鉄やビタミンDが不足しやすくなります。適切な時期に離乳を始め、これらを含む食品をとり入れていくことが大切です(離乳は次の講義)。

食事摂取基準との関係

日本人の食事摂取基準(2025年版)で、0〜5か月のたんぱく質の目安量(10g/日)などは、母乳中の濃度と基準哺乳量から計算されています。推定エネルギー必要量は、0〜5か月で男児550kcal/日、女児500kcal/日です。

例題

例題:授乳・離乳の支援ガイドでいう「育児用ミルク」にフォローアップミルクは含まれるか。
答えと考え方 含まれません。育児用ミルクは、母乳の代わりに飲む乳児用調製粉乳と乳児用調製液状乳のことです。フォローアップミルクは母乳の代わりのものではない、と区別して覚えましょう。

用語

母乳栄養・人工栄養・混合栄養
母乳だけ/育児用ミルクだけ/両方を使う、乳汁の与え方の分類
育児用ミルク
乳児用調製粉乳と乳児用調製液状乳。フォローアップミルクは含まない
乳児用調製液状乳
いわゆる液体ミルク。そのまま飲ませられる
授乳・離乳の支援ガイド
厚生労働省が示す授乳・離乳の支援の基本。現行は2019年改定版

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

3. 離乳の進め方

母乳や育児用ミルクから、ふつうの食事へ移っていく「離乳」。始める時期と目安、段階ごとの食べ方と固さ、気をつける食品を「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」で確かめます。

成長するにつれて、乳汁だけではエネルギーや栄養素が足りなくなります。離乳とは、乳汁から幼児食へ移っていく過程のことで、この間に与える食事を離乳食といいます。食べ物をかみつぶして飲み込む力、食べ物の種類や量も少しずつ増えていきます。

離乳の開始

ガイドは、離乳の開始を「なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時」としています。時期は生後5〜6か月頃が適当です。目安となる子どもの様子は、首のすわりがしっかりして寝返りができ、5秒以上座れる、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる(哺乳反射の減弱)、食べ物に興味を示す、などです。月齢はあくまで目安で、子どもの様子をよく見ることが大切です。

離乳の開始前に果汁やイオン飲料を与えることに、栄養学的な意味は認められていません。また、食物アレルギーを心配して離乳の開始や特定の食物を食べ始める時期を遅らせても、予防効果があるという科学的根拠はないとされています。

離乳食の進め方の目安(授乳・離乳の支援ガイド〔2019年改定版〕より要約)
段階回数・食べ方調理形態摂食機能の目安
離乳初期(生後5〜6か月頃)1日1回。子どもの様子を見ながら1さじずつ始める。母乳や育児用ミルクは飲みたいだけ与えるなめらかにすりつぶした状態口を閉じて取り込みや飲み込みができるようになる
離乳中期(7〜8か月頃)1日2回食で食事のリズムをつける。いろいろな味や舌ざわりを楽しめるよう食品の種類を増やす舌でつぶせる固さ舌と上あごでつぶしていけるようになる
離乳後期(9〜11か月頃)食事のリズムを大切に1日3回食に進める。共食を通じて食の楽しい体験を積み重ねる歯ぐきでつぶせる固さ歯ぐきでつぶせるようになる
離乳完了期(12〜18か月頃)1日3回の食事のリズムで生活リズムを整える。手づかみ食べで自分で食べる楽しみを増やす歯ぐきで噛める固さ歯を使うようになる
1回当たりの目安量の例(同ガイドより)
段階穀類野菜・果物魚卵
中期全がゆ50〜80g20〜30g10〜15g卵黄1〜全卵1/3
後期全がゆ90〜軟飯80g30〜40g15g全卵1/2
完了期軟飯90〜ご飯80g40〜50g15〜20g全卵1/2〜2/3

初期は量の目安を示さず、つぶしがゆから始め、慣れてきたらすりつぶした野菜、さらに豆腐・白身魚・卵黄などを試していきます。目安量はあくまで目安で、子どもの食欲や成長・発達に合わせて調整します。

離乳の完了

離乳の完了とは、形のある食物をかみつぶせるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳または育児用ミルク以外の食物からとれるようになった状態で、時期は生後12〜18か月頃です。母乳や育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではありません。

気をつける食品

はちみつは、乳児ボツリヌス症を防ぐため1歳を過ぎるまで与えません。牛乳を飲み物として与えるのは、鉄欠乏性貧血の予防の点から1歳を過ぎてからが望ましいとされます。卵は固ゆでした卵黄から始め、全卵へ進めます。フォローアップミルクは母乳の代わりのものではなく、離乳が順調なら飲ませる必要はありません。母乳育児の場合は鉄やビタミンDが不足しやすいので、これらを含む食品をとり入れます。

手づかみ食べは、目と手と口を協調させる運動で、自分で食べる力を育てる大切な段階です。こぼしても叱らず、つかみやすい形に調理するなどの工夫をします。

例題

例題:離乳後期(生後9〜11か月頃)の調理形態の目安は何か。
答えと考え方 「歯ぐきでつぶせる固さ」です。中期は「舌でつぶせる固さ」、完了期は「歯ぐきで噛める固さ」です。段階ごとに、つぶす場所が「舌→歯ぐき」と変わり、最後は「噛める」になると覚えましょう。

用語

離乳
乳汁から幼児食へ移っていく過程
離乳の開始
なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時。生後5〜6か月頃
離乳の完了
形のある食物をかみつぶせ、栄養の大部分を乳汁以外からとれる状態。生後12〜18か月頃
哺乳反射
口に入ったものを舌で押し出すなど、乳を飲むための生まれつきの反射。弱まることが離乳開始の目安の一つ
乳児ボツリヌス症
はちみつなどに含まれることがあるボツリヌス菌による乳児の病気

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

4. 幼児期の食事と保育所の食育

幼児期は、食べる機能と食べる意欲が大きく育つ時期です。幼児の栄養の目安と食事の配慮、保育所保育指針が定める「食育の推進」を学びます。

幼児期は、体が大きくなり、よく動き回るようになる時期です。日本人の食事摂取基準(2025年版)の推定エネルギー必要量(身体活動レベル「ふつう」)は、1〜2歳で男児950kcal/日・女児900kcal/日、3〜5歳で男児1,300kcal/日・女児1,250kcal/日です。たんぱく質の推奨量は1〜2歳で20g/日、3〜5歳で25g/日です。体重あたりにすると、大人よりも多くのエネルギーや栄養素が必要です。

一方で、かむ力や飲み込む力(咀嚼・嚥下の機能)はまだ発達の途中です。保育所保育指針解説は、食事の提供にあたって、子どもの咀嚼や嚥下機能などの発達に応じて、食品の種類、量、大きさ、固さ、食具などに配慮することを求めています。誤嚥や窒息を防ぐためにも大切な点です。

保育所保育指針の「食育の推進」

保育所保育指針(平成29年告示)は、第3章「健康及び安全」の中に「2 食育の推進」を置いています。主な内容は次のとおりです。

保育所保育指針 第3章2「食育の推進」の要点
項目内容
目標健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培う
期待する姿生活と遊びの中で意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していく
計画食事の提供を含む食育計画を全体的な計画に基づいて作成し、その評価と改善に努める。栄養士が配置されている場合は専門性を生かす
環境自然の恵みとしての食材や食の循環・環境への意識、調理する人への感謝の気持ちが育つよう、調理員等との関わりや調理室など食に関わる環境に配慮する
連携保護者や地域の多様な関係者と連携・協働して取り組む
個別の配慮体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなど一人一人の状態に応じ、嘱託医・かかりつけ医等の指示や協力の下に対応する

保育所保育指針解説は、野菜などの栽培や収穫を通して、食べ物が土や雨、太陽の光などによって育つことに気付いていくこと、育てた食材で調理したり調理の一部を手伝ったりすること、行事を通して地域のさまざまな食文化に関心をもつことなどを例に挙げています。食育計画は、指導計画とも関連付け、各年齢を通して一貫性のあるものにします。

「楽しく食べる子どもに」

厚生労働省は2004年に「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」を示しました。ここでは、期待する子ども像として、お腹がすくリズムのもてる子ども、食べたいもの・好きなものが増える子ども、一緒に食べたい人がいる子ども、食事づくり・準備にかかわる子ども、食べものを話題にする子どもの5つを挙げ、食育の内容を「食と健康」「食と人間関係」「食と文化」「いのちの育ちと食」「料理と食」の5項目に整理しています。

食育基本法と食育推進基本計画

国の食育は食育基本法(平成17年法律第63号)に基づいて進められ、同法第16条により食育推進基本計画がつくられます。2026年10月時点では、食育基本法の一部改正(2026年5月27日公布・施行)と、第5次食育推進基本計画の決定(2026年6月24日、2026年度からおおむね5年間)がありました。これを受けて、こども家庭庁は保育所・認定こども園に食育計画の作成・見直しなどを求める通知を出しています。保育士試験は毎回、その年の4月1日時点の法令などで出題されるので、受ける回の基準日を確かめましょう。

例題

例題:保育所保育指針で、保育所における食育の目標とされているものは何か。
答えと考え方 健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことです。「食べる量を増やす」「栄養の知識を覚える」といった狭い目標ではない点に注意しましょう。

用語

食を営む力
健康な生活の基本として、食を自ら選び、楽しみ、営んでいく力。保育所はその基礎を培う
食育計画
食事の提供を含む食育の計画。全体的な計画に基づいて作り、評価・改善する
咀嚼・嚥下
かみくだくこと・飲み込むこと
共食
家族や仲間と一緒に食べること
食育推進基本計画
食育基本法に基づき国が定める計画。2026年6月に第5次計画が決定

根拠:「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第3章2、こども家庭庁「保育所保育指針解説(第3章〜第5章)」、厚生労働省「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」(平成16年3月29日 雇児保発第0329001号。WAM NET掲載の行政資料)、農林水産省「第5次食育推進基本計画の決定について」(2026年6月24日)、こども家庭庁「保育所及び認定こども園における食育の推進について」(2026年9月)、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

5. 食物アレルギーと特別な配慮が必要な子どもの食事

保育所での食物アレルギー対応は、命に関わることがあります。「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」の基本原則、生活管理指導表、除去の考え方、緊急時の対応を学びます。

食物アレルギーは、特定の食べ物を食べたときに、体を守る免疫のしくみが過剰に働いて、じんましん、せき、おう吐などの症状が出るものです。乳幼児期に最も多く、成長とともに治ることが多いとされています。そのため、除去が必要かどうかは定期的に見直します。

保育所における対応の基本原則

ガイドラインは、保育所のアレルギー対応の基本原則として次の4つを示しています。

保育所におけるアレルギー対応の基本原則
原則内容
1全職員を含めた関係者の共通理解の下で、組織的に対応する
2医師の診断指示に基づき、保護者と連携し、適切に対応する
3地域の専門的な支援、関係機関との連携の下で対応の充実を図る
4食物アレルギー対応においては安全・安心の確保を優先する

生活管理指導表と除去の考え方

保育所で配慮が必要な場合は、医師(できればかかりつけ医)が記入する生活管理指導表を使います。食物の除去を申請するには、医師の診断に基づいた生活管理指導表が必須です。保護者と話し合い、1年に1回以上、子どもの状態に応じて再提出などを行います。

保育所の給食では、安全を最優先し、「完全除去」か「解除」の両極で対応を開始することが望ましいとされます。少しなら食べられる、という家庭での細かな量の調整を給食で行うと、間違いが起きやすいからです。ただし、原因食物が調味料や油脂などに極少量含まれるだけなら、除去が不要なことが多いとされます。除去を解除するときは、医師の指示に基づいて保護者が書面で申請します。

原因食物と症状の型

ガイドラインが引用する調査では、原因食物は鶏卵39%、牛乳21.8%、小麦11.7%で、この3つが上位です。症状の出方には、食べてからおおむね2時間以内に症状が出る即時型、原因食物を食べたあとに運動すると起きる食物依存性運動誘発アナフィラキシー、果物や野菜を食べて数分以内に口やのどがかゆくなる口腔アレルギー症候群、育児用ミルクなどで血便やおう吐が起きる新生児・乳児消化管アレルギーなどがあります。

アナフィラキシーと緊急時の対応

じんましんなどの皮膚症状、腹痛やおう吐などの消化器症状、ゼーゼー・息苦しさなどの呼吸器症状が、複数同時にかつ急激に出ることをアナフィラキシーといいます。血圧の低下や意識の低下を伴い、すぐ対応しないと命に関わる状態をアナフィラキシーショックといいます。

繰り返し吐き続ける、持続する強い腹痛、のどや胸がしめつけられる、声がかすれる、ゼーゼーする呼吸、息がしにくい、唇や爪が青白い、意識がもうろうとしている、ぐったりしている、などの緊急性が高い症状が一つでもあれば、ためらわずに「エピペン®」(アドレナリン自己注射薬)を使い、救急車を呼びます。エピペン®は、自分で注射できない子どもに代わって、その場にいる保育所の職員が注射しても構わないとされています。使ったあとは速やかに救急搬送し、医療機関を受診します。

誤食を防ぐ

誤食の主な原因は、配膳の間違いなどの人的エラーです。食事内容を書いた配膳カードを作る、アレルギーのある子どもの食器の色を変える、調理から配膳まで二重・三重に確認する、などの工夫をします。また、子どもが初めて食べる食品は、家庭で安全に食べられることを確認してから保育所で提供します。

保育所保育指針も、体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなどについて、一人一人の状態に応じ、嘱託医・かかりつけ医などの指示や協力の下に対応することを求めています。

例題

例題:保育所の給食で食物の除去を始めるために必要な書類は何か。
答えと考え方 医師の診断に基づいて記入された生活管理指導表です。保護者の希望だけで除去を決めるのではなく、医師の診断と指示に基づいて、保護者と連携して対応します。

用語

生活管理指導表
医師が記入する、保育所での配慮や管理の内容を示す書類。除去の申請に必須
完全除去
原因食物を給食から完全に除くこと。保育所での対応の基本
アナフィラキシー
複数の臓器の症状が同時にかつ急激に出る、重いアレルギー反応
エピペン®
アナフィラキシーのときに使うアドレナリン自己注射薬
誤食
除去が必要な食物を誤って食べてしまうこと

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)、「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第3章2

確認問題(45問)

五肢択一(「2つ選べ」などの問題は正解が複数)。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|エネルギー産生栄養素

五大栄養素のうち、日本人の食事摂取基準(2025年版)で「エネルギー産生栄養素」とされるものの組合せとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 炭水化物・脂質・たんぱく質
  2. 炭水化物・ビタミン・ミネラル
  3. 脂質・たんぱく質・ビタミン
  4. たんぱく質・ミネラル・ビタミン
  5. 炭水化物・脂質・ミネラル
正解と解説
正解:A. 炭水化物・脂質・たんぱく質

エネルギーのもとになるのは炭水化物・脂質・たんぱく質で、食事摂取基準はその割合を「エネルギー産生栄養素バランス」として示しています。ビタミンとミネラルは体の調子を整える働きが中心で、エネルギーにはなりません。そのため、ビタミンやミネラルを含む組合せはどれも誤りです。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問2|脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンの組合せとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. ビタミンB1・B2・C・D
  2. ビタミンA・C・E・K
  3. ビタミンA・D・E・K
  4. ビタミンB6・B12・葉酸・D
  5. ビタミンA・B1・C・K
正解と解説
正解:C. ビタミンA・D・E・K

油に溶ける脂溶性ビタミンはA・D・E・Kの4つです(日本人の食事摂取基準〔2025年版〕の分類)。B群(B1・B2・B6・B12・葉酸など)とCは水に溶ける水溶性ビタミンです。そのため、B群やCを含む組合せは誤りです。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問3|推奨量の意味

日本人の食事摂取基準(2025年版)の「推奨量」の説明として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 集団の必要量の平均値の推定値で、半数の人が必要量を満たす量
  2. 健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限
  3. 生活習慣病の発症予防のために、当面の目標とする量
  4. 集団に属するほとんどの人(97〜98%)が必要量を満たすと推定される量
  5. 根拠が足りないときに、一定の栄養状態を維持するのに十分とされる量
正解と解説
正解:D. 集団に属するほとんどの人(97〜98%)が必要量を満たすと推定される量

推奨量は、集団のほとんど(97〜98%)の人が必要量を満たす量です。半数が満たす量は推定平均必要量、とりすぎの上限は耐容上限量、生活習慣病予防のための量は目標量、根拠が足りないときの量は目安量で、どれも推奨量ではありません。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問4|食事摂取基準のしくみ

日本人の食事摂取基準(2025年版)について、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 乳児の年齢区分は0〜11か月の1区分だけで、月齢による区別はない。
  2. 生活習慣病の危険因子が一つでもある人は、対象から完全に外れる。
  3. 対象は、健康な個人と、健康な人を中心として構成されている集団である。
  4. 身体活動レベルは「低い」「ふつう」「高い」の3つに分けられている。
  5. 推定エネルギー必要量は、成人のエネルギー収支を判定するための主な指標である。
正解と解説
正解:C・D(対象は、健康な個人と、健康な人を中心として構成されている集団である。 / 身体活動レベルは「低い」「ふつう」「高い」の3つに分けられている。)

対象は健康な個人と健康な人を中心とした集団で、身体活動レベルは「低い」「ふつう」「高い」の3区分です。乳児は0〜5か月と6〜11か月(6〜8か月・9〜11か月)に分けられるので、1区分だけという説明は誤りです。危険因子があっても、おおむね自立した生活を送る人は対象に含まれます。成人のエネルギーの指標はBMIで、推定エネルギー必要量は参考表として示されるものです。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問5|推定エネルギー必要量(3〜5歳)

日本人の食事摂取基準(2025年版)で、3〜5歳の男児の推定エネルギー必要量(身体活動レベル「ふつう」)として、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 950kcal/日
  2. 900kcal/日
  3. 1,250kcal/日
  4. 1,300kcal/日
  5. 1,100kcal/日
正解と解説
正解:D. 1,300kcal/日

3〜5歳の男児は1,300kcal/日です。950kcal/日は1〜2歳の男児、900kcal/日は1〜2歳の女児、1,250kcal/日は3〜5歳の女児の値です。1,100kcal/日は、この表の乳幼児の区分にはない値です。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問6|たんぱく質の推奨量(1〜2歳)

日本人の食事摂取基準(2025年版)で、1〜2歳のたんぱく質の推奨量として、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 10g/日
  2. 15g/日
  3. 25g/日
  4. 30g/日
  5. 20g/日
正解と解説
正解:E. 20g/日

1〜2歳の推奨量は20g/日です。15g/日は1〜2歳の推定平均必要量(6〜8か月の目安量も15g/日)、10g/日は0〜5か月の目安量、25g/日は3〜5歳の推奨量、30g/日は6〜7歳の推奨量です。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問7|脂質の目標量

日本人の食事摂取基準(2025年版)で、1〜2歳の脂質の目標量(総エネルギーに占める割合)として、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 13〜20%エネルギー
  2. 20〜30%エネルギー
  3. 40%エネルギー
  4. 50%エネルギー
  5. 30〜40%エネルギー
正解と解説
正解:B. 20〜30%エネルギー

1歳以上の脂質の目標量は20〜30%エネルギーです。13〜20%エネルギーはたんぱく質の目標量です。50%エネルギーは0〜5か月、40%エネルギーは6〜11か月の脂質の目安量で、乳児の値です。30〜40%エネルギーは基準にない値です。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問8|栄養素の働き

栄養素の働きについて、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 食物繊維は、消化酵素でよく分解されて主なエネルギー源になる。
  2. 鉄は、赤血球のヘモグロビンの成分になる。
  3. ビタミンCは脂溶性で、体内にためておきやすい。
  4. ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける。
  5. たんぱく質は体内でいくらでも合成できるので、食事からとる必要はない。
正解と解説
正解:B・D(鉄は、赤血球のヘモグロビンの成分になる。 / ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける。)

鉄はヘモグロビンの成分で、不足すると貧血の原因になります。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます。食物繊維は消化されにくい成分で、主なエネルギー源ではありません。ビタミンCは水溶性です。たんぱく質を構成するアミノ酸には体内でつくれない必須アミノ酸があり、食事からとる必要があります。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問9|乳児の目安量の考え方

日本人の食事摂取基準(2025年版)で、0〜5か月の乳児のたんぱく質の目安量の決め方として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 母乳中のたんぱく質濃度と基準哺乳量から算定している。
  2. 成人の推奨量を体重の比で小さくして算定している。
  3. 市販の育児用ミルクの成分表示の平均値を用いている。
  4. 6〜11か月児と同じ値をそのまま用いている。
  5. 耐容上限量の半分の値を目安量としている。
正解と解説
正解:A. 母乳中のたんぱく質濃度と基準哺乳量から算定している。

0〜5か月児の目安量は、母乳中のたんぱく質濃度と基準哺乳量から計算されています。成人の値を縮めたものでも、育児用ミルクの表示から決めたものでもありません。6〜8か月は15g/日、9〜11か月は25g/日で、0〜5か月(10g/日)とは違います。耐容上限量とは関係がありません。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問10|乳汁栄養の分類

母乳と育児用ミルクの両方を用いて乳児を育てる方法を何というか。適切なものを一つ選びなさい。

  1. 混合栄養
  2. 母乳栄養
  3. 人工栄養
  4. 補完食
  5. 幼児食
正解と解説
正解:A. 混合栄養

母乳と育児用ミルクを併用するのは混合栄養です。母乳栄養は母乳だけ、人工栄養は育児用ミルクだけで育てる方法です。補完食は離乳食に当たる語(WHOのComplementary Feedingの訳)、幼児食は離乳完了後の食事で、乳汁の与え方の分類ではありません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問11|母乳育児の利点(乳児)

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)が挙げる、乳児にとっての母乳育児の利点として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 鉄とビタミンDが十分に含まれるので、離乳を遅らせてよいこと
  2. 母乳で育った子どもは、食物アレルギーにならないこと
  3. 加熱殺菌されているので、衛生面の配慮が不要なこと
  4. 成分が授乳期間を通じて一定で変わらないこと
  5. 感染症の発症と重症度の低下
正解と解説
正解:E. 感染症の発症と重症度の低下

ガイドは乳児の利点として、最適な成分組成で代謝の負担が少ないこと、感染症の発症と重症度の低下などを挙げています。母乳育児では生後6か月ごろに鉄やビタミンDが不足しやすく、適切な時期に離乳を始めます。母乳で育てれば食物アレルギーにならない、という記述はありません。母乳は加熱殺菌されたものではなく、成分が一定とも書かれていません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問12|授乳の支援

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)の授乳の支援の考え方として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 授乳は栄養を与えるだけでなく、母子・親子の絆を深めるうえでも大切である。
  2. 育児用ミルクを使う家庭は、授乳の支援の対象から外す。
  3. フォローアップミルクは育児用ミルクに含まれ、母乳の代わりとして使う。
  4. 子どものアレルギー予防のために、授乳中の母親が特定の食品を避ける必要はない。
  5. 授乳の時刻と回数は、子どもの欲求よりも決めた予定を常に優先する。
正解と解説
正解:A・D(授乳は栄養を与えるだけでなく、母子・親子の絆を深めるうえでも大切である。 / 子どものアレルギー予防のために、授乳中の母親が特定の食品を避ける必要はない。)

ガイドは、授乳が母子・親子の絆を深め、心身の健やかな成長を促すとしています。また、アレルギー予防のために母親が特定の食品を避けたり多くとったりする必要はなく、バランスのよい食事が大切だとしています。支援は乳汁の種類にかかわらず行うので、ミルクを使う家庭を外すのは誤りです。フォローアップミルクは育児用ミルクに含まれません。子どもの様子に合わせずに予定だけを優先する、という考え方も示されていません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問13|育児用ミルクの範囲

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)でいう「育児用ミルク」に含まれるものとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 乳児用調製液状乳
  2. フォローアップミルク
  3. 牛乳
  4. 豆乳
  5. イオン飲料
正解と解説
正解:A. 乳児用調製液状乳

育児用ミルクは、母乳の代わりに飲む乳児用調製粉乳と乳児用調製液状乳(液体ミルク)のことです。ガイドは、フォローアップミルクは含まれないと明記しています。牛乳・豆乳・イオン飲料は母乳の代わりになるものではありません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問14|乳児のたんぱく質の目安量

日本人の食事摂取基準(2025年版)で、0〜5か月の乳児のたんぱく質の目安量として、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 5g/日
  2. 15g/日
  3. 20g/日
  4. 10g/日
  5. 25g/日
正解と解説
正解:D. 10g/日

0〜5か月の目安量は10g/日です。15g/日は6〜8か月、25g/日は9〜11か月の目安量です。20g/日は1〜2歳の推奨量です。5g/日は基準にない値です。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問15|母乳育児で不足しやすい栄養素

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)で、母乳育児の場合に生後6か月ごろに不足しやすいとされる栄養素として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. ナトリウム
  2. 鉄
  3. ビタミンD
  4. 脂質
  5. 炭水化物
正解と解説
正解:B・C(鉄 / ビタミンD)

母乳育児では、生後6か月ごろに鉄とビタミンDが不足しやすいとされ、適切な時期に離乳を始めて、これらを含む食品をとり入れることが勧められています。ナトリウム・脂質・炭水化物が不足しやすいという記述はありません。なお乳児はエネルギーの多くを母乳の脂質からとっています。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問16|2019年改定のポイント

授乳・離乳の支援ガイドの2019年の改定内容として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 離乳の開始時期を、生後8〜9か月頃に遅らせた。
  2. 育児用ミルクの情報を削り、母乳以外の栄養法は扱わないことにした。
  3. 妊娠中は授乳や離乳の情報を提供しないこととした。
  4. 2018年に製造・販売が可能になった乳児用調製液状乳(液体ミルク)の情報を加えた。
  5. はちみつを与え始める時期を、生後6か月頃に早めた。
正解と解説
正解:D. 2018年に製造・販売が可能になった乳児用調製液状乳(液体ミルク)の情報を加えた。

2019年改定版は、2018年8月に製造・販売が可能になった乳児用調製液状乳(液体ミルク)について、コラムで情報を加えています。離乳の開始は生後5〜6か月頃が適当とされ、8〜9か月に遅らせてはいません。育児用ミルクの情報は削られておらず、支援は乳汁の種類にかかわらず行います。妊娠中から支援を行うことも示されています。はちみつは1歳を過ぎるまで与えません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問17|推定エネルギー必要量(乳児)

日本人の食事摂取基準(2025年版)で、0〜5か月の男児の推定エネルギー必要量として、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 500kcal/日
  2. 550kcal/日
  3. 600kcal/日
  4. 650kcal/日
  5. 700kcal/日
正解と解説
正解:B. 550kcal/日

0〜5か月の男児は550kcal/日です。500kcal/日は0〜5か月の女児、600kcal/日は6〜8か月の女児、650kcal/日は6〜8か月の男児(9〜11か月の女児も650kcal/日)、700kcal/日は9〜11か月の男児の値です。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問18|母乳育児の利点(母親)

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)が挙げる、母親にとっての母乳育児の利点として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 授乳期間中に妊娠しないことが保証されること
  2. 母親の食事の量や内容に気を配る必要がなくなること
  3. 母親の睡眠時間が必ず長くなること
  4. 乳児が夜泣きをしなくなること
  5. 産後の母体の回復の促進
正解と解説
正解:E. 産後の母体の回復の促進

ガイドは母親の利点として、産後の母体の回復の促進と、母子関係の良好な形成を挙げています。妊娠しないことの保証、食事に気を配らなくてよいこと、睡眠時間が必ず長くなること、夜泣きがなくなることは、いずれも挙げられていません。母親はバランスのよい食事が大切とされています。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問19|離乳の開始の定義

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)で、「離乳の開始」とされるものとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 果汁をスプーンで初めて与えた時
  2. 母乳や育児用ミルクを飲まなくなった時
  3. なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時
  4. 1日3回の離乳食を食べるようになった時
  5. スプーンを初めて口に入れて遊ばせた時
正解と解説
正解:C. なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時

ガイドは、離乳の開始を「なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時」と定義しています。離乳開始前に果汁を与えることに栄養学的な意味は認められておらず、果汁は開始の目安ではありません。乳汁をやめることや3回食になることは開始ではなく、スプーンに慣れることも開始の定義ではありません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問20|離乳の開始時期

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)で、離乳を始める時期として適当とされるものを一つ選びなさい。

  1. 生後2〜3か月頃
  2. 生後3〜4か月頃
  3. 生後7〜8か月頃
  4. 生後5〜6か月頃
  5. 生後9〜11か月頃
正解と解説
正解:D. 生後5〜6か月頃

離乳の開始は生後5〜6か月頃が適当とされています。2〜4か月頃では早すぎます。7〜8か月頃は離乳中期、9〜11か月頃は離乳後期の時期です。食物アレルギーを心配して開始を遅らせても、予防効果があるという科学的根拠はないとされています。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問21|離乳開始の目安

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)で、離乳開始の目安となる子どもの様子として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 前歯が8本生えそろっている。
  2. 1日3回、決まった時刻にミルクを飲めるようになる。
  3. 首のすわりがしっかりして寝返りができ、5秒以上座れる。
  4. 手づかみで食べ物を口に運ぶことができる。
  5. スプーンなどを口に入れても、舌で押し出すことが少なくなる。
正解と解説
正解:C・E(首のすわりがしっかりして寝返りができ、5秒以上座れる。 / スプーンなどを口に入れても、舌で押し出すことが少なくなる。)

ガイドは、首のすわりがしっかりして寝返りができ5秒以上座れること、スプーンなどを舌で押し出すことが少なくなること(哺乳反射の減弱)、食べ物に興味を示すことなどを目安に挙げています。前歯が8本生えそろうのは1歳前後です。ミルクを決まった時刻に飲めることは目安にされていません。手づかみ食べは離乳後期から完了期にかけて大切にされる行動です。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問22|離乳中期の調理形態

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)で、離乳中期(生後7〜8か月頃)の調理形態の目安として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. なめらかにすりつぶした状態
  2. 舌でつぶせる固さ
  3. 歯ぐきでつぶせる固さ
  4. 歯ぐきで噛める固さ
  5. 大人と同じ固さ
正解と解説
正解:B. 舌でつぶせる固さ

中期は舌でつぶせる固さです。なめらかにすりつぶした状態は初期、歯ぐきでつぶせる固さは後期、歯ぐきで噛める固さは完了期です。大人と同じ固さは、離乳期の目安ではありません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問23|離乳後期の回数

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)で、離乳後期(生後9〜11か月頃)の食事の回数の目安として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 1日1回
  2. 1日2回
  3. 1日5回
  4. 1日3回
  5. 回数は決めず、母乳だけを与える
正解と解説
正解:D. 1日3回

後期は、食事のリズムを大切に1日3回食に進めます。1日1回は初期、1日2回は中期の目安です。1日5回という目安はありません。後期は離乳食を進める時期なので、母乳だけを与えるのは誤りです。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問24|離乳の完了

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)の「離乳の完了」の説明として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 母乳や育児用ミルクを一切飲まなくなった状態のことで、生後12か月頃である。
  2. 1日2回の離乳食を食べられるようになった状態のことで、生後9か月頃である。
  3. 形のある食物をかみつぶせ、栄養の大部分を乳汁以外からとれる状態で、生後12〜18か月頃
  4. 前歯が8本生えそろった時点のことで、時期は生後10か月頃である。
  5. 大人と同じ食事を同じ量だけ食べられる状態のことで、3歳頃である。
正解と解説
正解:C. 形のある食物をかみつぶせ、栄養の大部分を乳汁以外からとれる状態で、生後12〜18か月頃

離乳の完了は、形のある食物をかみつぶせるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳・育児用ミルク以外の食物からとれる状態で、生後12〜18か月頃です。ガイドは、母乳や育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではないと明記しています。2回食は中期の目安で、歯の本数で決めるものでもありません。大人と同じ量を食べることも条件ではありません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問25|離乳期に気をつける食品

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)の内容として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. はちみつは、乳児ボツリヌス症を予防するため、1歳を過ぎるまで与えない。
  2. 牛乳は、生後7か月頃から飲み物としてそのまま与えるのが望ましい。
  3. 離乳の開始前に果汁を与えることには、栄養学的な意義がある。
  4. フォローアップミルクは母乳の代わりになるので、すべての子どもに必要である。
  5. 卵は、固ゆでにした卵黄から始め、全卵へ進めていく。
正解と解説
正解:A・E(はちみつは、乳児ボツリヌス症を予防するため、1歳を過ぎるまで与えない。 / 卵は、固ゆでにした卵黄から始め、全卵へ進めていく。)

はちみつは1歳を過ぎるまで与えず、卵は固ゆでの卵黄から全卵へ進めます。牛乳を飲み物として与えるのは、鉄欠乏性貧血の予防の点から1歳を過ぎてからが望ましいとされます。離乳開始前の果汁に栄養学的な意義は認められていません。フォローアップミルクは母乳の代わりではなく、離乳が順調なら必要ありません。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問26|離乳中期の目安量

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)で、離乳中期(生後7〜8か月頃)の1回当たりの穀類の目安量として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 全がゆ50〜80g
  2. つぶしがゆを1さじから
  3. 全がゆ90〜軟飯80g
  4. 軟飯90〜ご飯80g
  5. ご飯120g
正解と解説
正解:A. 全がゆ50〜80g

中期の穀類は全がゆ50〜80gです。つぶしがゆを1さじずつ始めるのは初期、全がゆ90〜軟飯80gは後期、軟飯90〜ご飯80gは完了期の目安です。ご飯120gという目安は示されていません。量はあくまで目安で、子どもの食欲や発達に合わせて調整します。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問27|離乳と食物アレルギー

授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)の、離乳と食物アレルギーについての考え方として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 発症を心配して離乳や特定の食物の開始を遅らせても、予防効果の科学的根拠はない。
  2. 鶏卵・牛乳・小麦は、予防のためにすべての子どもで1歳になるまで除去する。
  3. 食物アレルギーを予防するため、離乳の開始は生後8か月以降に遅らせる。
  4. 妊娠中に母親が鶏卵を避けると、子どもの食物アレルギーを予防できる。
  5. 湿疹がある子どもは、医師に相談せずに家庭の判断で多くの食品を除去する。
正解と解説
正解:A. 発症を心配して離乳や特定の食物の開始を遅らせても、予防効果の科学的根拠はない。

ガイドは、食物アレルギーを心配して離乳の開始や特定の食物の開始を遅らせても予防効果があるという科学的根拠はないとし、生後5〜6か月頃から始めるよう示しています。すべての子どもに除去を求めることも、開始を遅らせることも示されていません。母親の食品除去も予防のために必要ないとされます。食物アレルギーが疑われる場合は、自己判断で除去せず医師の診断に基づいて進めます。

根拠:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」

問28|推定エネルギー必要量(1〜2歳)

日本人の食事摂取基準(2025年版)で、1〜2歳の女児の推定エネルギー必要量(身体活動レベル「ふつう」)として、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 950kcal/日
  2. 700kcal/日
  3. 900kcal/日
  4. 1,250kcal/日
  5. 1,300kcal/日
正解と解説
正解:C. 900kcal/日

1〜2歳の女児は900kcal/日です。950kcal/日は1〜2歳の男児、700kcal/日は9〜11か月の男児、1,250kcal/日は3〜5歳の女児、1,300kcal/日は3〜5歳の男児の値です。

根拠:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」、同「日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集」

問29|保育所の食育の目標

保育所保育指針(平成29年告示)で、保育所における食育の目標とされているものとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 栄養素の名前と働きを、早い時期から正確に覚えさせること
  2. 健康な生活の基本としての「食を営む力」の基礎を培うこと
  3. 給食を残さず食べることを、すべての子どもに徹底させること
  4. 大人と同じ調理技術を、就学前までに身に付けさせること
  5. 食品の栄養価を自分で計算できる力を、幼児期に育てること
正解と解説
正解:B. 健康な生活の基本としての「食を営む力」の基礎を培うこと

指針は第3章2で、保育所の食育は健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標とするとしています。知識の暗記、完食の徹底、大人と同じ調理技術、栄養価計算の力は、指針が目標として挙げているものではありません。

根拠:「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第3章2

問30|食育の推進

保育所保育指針(平成29年告示)第3章2「食育の推進」の内容として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 食物アレルギーのある子どもへの対応は、保護者の判断だけで決める。
  2. 食育は、栄養士が配置されている保育所だけが行う。
  3. 食育は保育所の中で完結させ、保護者や地域との連携は求めない。
  4. 食事の提供を含む食育計画を全体的な計画に基づいて作成し、その評価と改善に努める。
  5. 調理員等との関わりや調理室など、食に関わる保育環境に配慮する。
正解と解説
正解:D・E(食事の提供を含む食育計画を全体的な計画に基づいて作成し、その評価と改善に努める。 / 調理員等との関わりや調理室など、食に関わる保育環境に配慮する。)

指針は、食事の提供を含む食育計画を全体的な計画に基づいて作り評価・改善すること、調理員等との関わりや調理室など食に関わる環境に配慮することを示しています。食物アレルギーなどは嘱託医・かかりつけ医等の指示や協力の下に対応します。食育はすべての保育所で行うもので、栄養士がいる場合はその専門性を生かします。保護者や地域の関係者との連携も求められています。

根拠:「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第3章2

問31|食育の5項目

「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」(2004年)が示す食育の5項目の組合せとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 食と健康・食と経済・食と文化・いのちの育ちと食・料理と食
  2. 食と健康・食と人間関係・食と科学・いのちの育ちと食・料理と食
  3. 食と運動・食と人間関係・食と文化・いのちの育ちと食・料理と食
  4. 食と健康・食と人間関係・食と文化・いのちの育ちと食・料理と食
  5. 食と健康・食と人間関係・食と文化・食と安全・料理と食
正解と解説
正解:D. 食と健康・食と人間関係・食と文化・いのちの育ちと食・料理と食

5項目は「食と健康」「食と人間関係」「食と文化」「いのちの育ちと食」「料理と食」です。「食と経済」「食と科学」「食と運動」「食と安全」は、この指針の項目ではありません。

根拠:厚生労働省「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」(平成16年3月29日 雇児保発第0329001号。WAM NET掲載の行政資料)

問32|期待する子ども像

「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」(2004年)が示す、食育で期待する子ども像として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 好き嫌いをせず、出されたものを必ず残さず食べる子ども
  2. お腹がすくリズムのもてる子ども
  3. 食事中は話さずに静かに食べる子ども
  4. 栄養素の名前をすべて言える子ども
  5. 食べものを話題にする子ども
正解と解説
正解:B・E(お腹がすくリズムのもてる子ども / 食べものを話題にする子ども)

期待する子ども像は、お腹がすくリズムのもてる子ども、食べたいもの・好きなものが増える子ども、一緒に食べたい人がいる子ども、食事づくり・準備にかかわる子ども、食べものを話題にする子どもの5つです。必ず完食する、黙って食べる、栄養素の名前を言える、という子ども像はありません。

根拠:厚生労働省「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」(平成16年3月29日 雇児保発第0329001号。WAM NET掲載の行政資料)

問33|食育推進基本計画の根拠

国の「食育推進基本計画」を作成する根拠となっている法律として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 健康増進法
  2. 児童福祉法
  3. 食育基本法
  4. 学校給食法
  5. 母子保健法
正解と解説
正解:C. 食育基本法

食育推進基本計画は、食育基本法(平成17年法律第63号)第16条に基づいて作られます。2026年6月には第5次計画が決定されました。健康増進法は日本人の食事摂取基準の根拠となる法律です。児童福祉法・学校給食法・母子保健法は、食育推進基本計画の根拠ではありません。

根拠:農林水産省「第5次食育推進基本計画の決定について」(2026年6月24日)、e-Gov法令検索「食育基本法」

問34|誤嚥・窒息への配慮

保育所保育指針解説が示す、食事の提供での配慮として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 発達の個人差に関係なく、年齢ごとに同じ大きさ・固さに切りそろえて提供する。
  2. 咀嚼や嚥下の機能などの発達に応じて、食品の種類、量、大きさ、固さ、食具などに配慮する。
  3. 決められた時間内に終わるよう、急いで口に運んで食べさせる。
  4. 食べ物がのどにつまらないよう、食事中は水分を一切とらせない。
  5. 眠そうにしている子どもにも、予定どおり食べさせ続ける。
正解と解説
正解:B. 咀嚼や嚥下の機能などの発達に応じて、食品の種類、量、大きさ、固さ、食具などに配慮する。

指針解説は、子どもの咀嚼や嚥下機能などの発達に応じて、食品の種類、量、大きさ、固さ、食具などに配慮することを示しています。年齢だけで一律に決める、急いで食べさせる、眠い子に食べさせ続けることは、誤嚥や窒息の危険を高めます。水分を一切とらせない、という配慮は示されていません。

根拠:こども家庭庁「保育所保育指針解説(第3章〜第5章)」

問35|栽培・調理の体験

保育所保育指針解説が、食育に関わる体験の例として示している内容として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 調理室は危険なので、子どもが調理員と関わる機会はつくらないようにする。
  2. 栽培や収穫を通して、食べ物が土や雨、太陽の光などで育つことに気付く。
  3. 栽培した野菜は衛生上、子どもの調理体験には一切使わない。
  4. 行事は食育と切り離し、地域の食文化には触れない。
  5. 食育の体験は年長児だけを対象とし、乳児期には行わない。
正解と解説
正解:B. 栽培や収穫を通して、食べ物が土や雨、太陽の光などで育つことに気付く。

指針解説は、栽培や収穫を通して食べ物が土や雨、太陽の光などで育つことに気付くこと、育てた食材で調理したり調理の一部を手伝ったりすることを例に挙げています。調理員等との関わりや調理室への配慮も指針が求めるものです。行事で食育に取り組み地域の食文化に関心をもつこと、各年齢を通して一貫性のある食育計画にすることも示されています。

根拠:こども家庭庁「保育所保育指針解説(第3章〜第5章)」

問36|食育計画の位置づけ

保育所保育指針と同解説に照らして、保育所の食育計画についての説明として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 全体的な計画に基づいて作り、指導計画と関連付け、年齢を通して一貫させる。
  2. 全体的な計画とは別に栄養士だけで作成し、保育士は作成に関わらない。
  3. 5歳児クラスだけを対象にして作成し、ほかのクラスでは作らない。
  4. 一度作成すれば十分で、その後の評価や改善は必要ない。
  5. 給食の献立表をそのまま食育計画とみなし、別には作らない。
正解と解説
正解:A. 全体的な計画に基づいて作り、指導計画と関連付け、年齢を通して一貫させる。

指針は、食事の提供を含む食育計画を全体的な計画に基づいて作成し、評価と改善に努めることを求めています。解説は、指導計画とも関連付け、各年齢を通して一貫性をもたせることを示しています。栄養士だけで作る、一部の年齢だけ、評価しない、献立表で代える、のいずれも誤りです。

根拠:「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第3章2、こども家庭庁「保育所保育指針解説(第3章〜第5章)」

問37|アレルギー対応の基本原則

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)の基本原則として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 保護者の希望があれば、医師の診断がなくても食物を除去する。
  2. 担任の保育士が一人で判断し、対応を決める。
  3. 子どもの好き嫌いに合わせて、除去する食物を決める。
  4. 症状が出てから、対応の方法を考える。
  5. 食物アレルギー対応においては、安全・安心の確保を優先する。
正解と解説
正解:E. 食物アレルギー対応においては、安全・安心の確保を優先する。

基本原則は、全職員を含めた関係者の共通理解の下で組織的に対応する、医師の診断指示に基づき保護者と連携して対応する、地域の専門的な支援・関係機関との連携の下で対応の充実を図る、食物アレルギー対応では安全・安心の確保を優先する、の4つです。医師の診断のない除去、担任一人での判断、好き嫌いによる除去、事前の備えのない対応は、原則に反します。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

問38|生活管理指導表

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)の生活管理指導表についての説明として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 保育士が記入するもので、医師の確認は必要ない。
  2. 入所するときに1回提出すれば、その後は見直す必要がない。
  3. 医師が記入し、除去の申請に必須で、1年に1回以上再提出などを行う。
  4. 保護者が口頭で伝えれば、提出しなくてもよい。
  5. 食物アレルギーのない子どもも含め、全員が毎月提出する。
正解と解説
正解:C. 医師が記入し、除去の申請に必須で、1年に1回以上再提出などを行う。

生活管理指導表は医師(できればかかりつけ医)が記入し、食物の除去の申請には医師の診断に基づいた生活管理指導表が必須です。保護者との協議を通じて、1年に1回以上、子どもの状態に応じて再提出などを行います。保育士が記入するもの、1回だけで見直さないもの、口頭で代えられるもの、全員が毎月出すもの、ではありません。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

問39|除去の考え方

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)で、保育所の給食における除去の考え方として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 家庭で少しずつ食べている量に合わせて、給食でも細かく量を調整するのが基本である。
  2. 「完全除去」か「解除」の両極で対応を開始することが望ましい。
  3. 保育士がその日の子どもの体調を見て、除去するかどうかを毎日決める。
  4. 原因食物は、調味料に極少量含まれる場合も含めて、必ずすべて除去しなければならない。
  5. 除去の解除は、保護者が口頭で伝えればすぐに行う。
正解と解説
正解:B. 「完全除去」か「解除」の両極で対応を開始することが望ましい。

ガイドラインは、安全を優先し「完全除去」か「解除」の両極で対応を開始することが望ましいとしています。給食で細かな量を調整したり、保育士が日ごとに判断したりすると誤りが起きやすくなります。原因食物が調味料や油脂などに極少量含まれるだけなら、除去の必要がないことが多いとされます。解除は医師の指示に基づき、保護者が書面で申請します。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

問40|主な原因食物

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)が示す、食物アレルギーの原因食物の上位3つの組合せとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. そば・落花生・えび
  2. 大豆・ごま・魚卵
  3. 鶏卵・牛乳・小麦
  4. 牛乳・大豆・米
  5. 小麦・そば・キウイフルーツ
正解と解説
正解:C. 鶏卵・牛乳・小麦

ガイドラインが引用する調査では、原因食物は鶏卵39%、牛乳21.8%、小麦11.7%で、この3つが上位です。ほかの組合せには、この上位3つに入らない食物が含まれています。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

問41|アナフィラキシーの定義

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)での「アナフィラキシー」の説明として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 皮膚にじんましんが1か所だけ出て、ほかに症状がない状態
  2. 原因食物を食べてから数日後に、湿疹だけが出てくる状態
  3. 特定の食物を嫌がって、口に入れようとしない状態
  4. 食後に眠くなって、しばらくぼんやりしている状態
  5. 皮膚・消化器・呼吸器などの症状が、複数同時に急激に出た状態
正解と解説
正解:E. 皮膚・消化器・呼吸器などの症状が、複数同時に急激に出た状態

アナフィラキシーは、じんましんなどの皮膚症状、腹痛やおう吐などの消化器症状、ゼーゼーや息苦しさなどの呼吸器症状が、複数同時にかつ急激に出現した状態です。血圧低下や意識低下を伴うものはアナフィラキシーショックです。1か所のじんましんだけ、数日後の湿疹だけ、好き嫌い、食後の眠気は、この定義に当たりません。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

問42|緊急性が高い症状

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)で、一つでも見られたら「エピペン®」の使用や救急車の要請など緊急の対応をとるべき症状として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 繰り返し吐き続ける。
  2. 口の周りが少し赤くなったが、ほかの症状はない。
  3. ゼーゼーする呼吸があり、息がしにくい。
  4. 食後に機嫌よく遊んでいる。
  5. いつもより食べる量が少し少ない。
正解と解説
正解:A・C(繰り返し吐き続ける。 / ゼーゼーする呼吸があり、息がしにくい。)

ガイドラインの緊急性が高い症状には、消化器の症状(繰り返し吐き続ける、持続する強いおなかの痛み)、呼吸器の症状(のどや胸のしめつけ、声がかすれる、犬が吠えるようなせき、ゼーゼーする呼吸、息がしにくい)、全身の症状(唇や爪が青白い、脈が弱い、意識がもうろう、ぐったりなど)があります。口の周りが少し赤いだけ、機嫌よく遊んでいる、食べる量が少し少ない、はこれに当たりません。ただし、症状の変化には注意して観察を続けます。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

問43|エピペン®の使用

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)での「エピペン®」の扱いとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 保育所の職員は注射できないので、保護者が到着するまで待つ。
  2. 注射できるのは保育所の看護師だけで、保育士は注射できない。
  3. 注射して症状が治まれば、医療機関を受診する必要はない。
  4. 緊急性が高い症状が複数そろうまでは、注射してはならない。
  5. 本人に代わって居合わせた職員が注射してよく、使用後は速やかに救急搬送する。
正解と解説
正解:E. 本人に代わって居合わせた職員が注射してよく、使用後は速やかに救急搬送する。

ガイドラインは、命に関わるアナフィラキシーの状態では、自分で注射できない子どもに代わって、その場にいる保育所の職員がエピペン®を注射しても構わないとしています。使った後は速やかに救急搬送し、医療機関を受診する必要があります。保護者を待つ、看護師だけに限る、受診しない、症状がそろうまで待つ、はいずれも誤りで、緊急性が高い症状が一つでもあれば対応します。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

問44|誤食の防止

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)が示す誤食防止の考え方として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 主な原因は配膳ミスなどの人的エラーで、配膳カードや二重・三重の確認で防ぐ。
  2. 主な原因は調理器具の不足なので、器具を増やせば確認は不要になる。
  3. アレルギーのある子どもの情報は、担任以外の職員には知らせない。
  4. 配膳は担当者一人に任せ、ほかの職員は確認に関わらないようにする。
  5. 献立を複雑にして、除去食の種類をできるだけ多く用意する。
正解と解説
正解:A. 主な原因は配膳ミスなどの人的エラーで、配膳カードや二重・三重の確認で防ぐ。

ガイドラインは、誤食の主な原因を配膳ミスなどの人的エラーとし、食事内容を書いた配膳カードの作成、食器の色を変えるなどの注意喚起、調理から配膳までの二重・三重の確認などを示しています。器具を増やせば確認不要、情報を担任だけにとどめる、一人に任せる、献立を複雑にする、はいずれも誤食の危険を高めます。基本原則は全職員の共通理解による組織的な対応です。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

問45|初めて食べる食品

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)で、子どもが初めて食べる食品の扱いとして、適切なものを一つ選びなさい。

  1. アレルギーの有無を確かめるため、保育所で最初に食べさせる。
  2. 家庭で安全に食べられることを確認してから、保育所で提供する。
  3. 初めての食品は、少量なら確認せずに給食で出してよい。
  4. 保育士の判断で、おやつの時間に試しに食べさせる。
  5. 年齢に関係なく、初めての食品は3歳になるまで出さない。
正解と解説
正解:B. 家庭で安全に食べられることを確認してから、保育所で提供する。

ガイドラインは、子どもが初めて食べる食品は、家庭で安全に食べられることを確認してから保育所で提供することが重要だとしています。保育所で初めて食べさせる、少量なら確認しない、保育士の判断で試す、は誤りです。3歳まで一律に出さない、という記述もありません。

根拠:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。試験の日程・出題範囲・合格基準は、必ず全国保育士養成協議会の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。保健・栄養の内容は国のガイドラインに基づく学習用の説明で、医療上の助言ではありません。