仮の宿 学習室 資格 医療情報技師 合格ラボ 地域連携と標準規格
医療情報技師 HEALTHCARE INFORMATION TECHNOLOGIST
地域連携と標準規格
講義 4 本・確認問題 30 問 | 本試験では「医療情報システム系」(60問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと 診療所の情報システム、地域医療連携情報システムの機能とアーキテクチャ、EHR・PHRの考え方を学ぶ。 マイナ保険証によるオンライン資格確認、電子処方箋の仕組み、遠隔医療の分類(D to D・D to P)を学ぶ。 薬局の調剤支援システムと電子版お薬手帳、健診システム、介護・訪問看護のシステム、検査センターの仕組みを学ぶ。 DICOM・HL7(v2/CDA/FHIR)・SS-MIX2・IHEと、病名・検査・医薬品の標準コード、厚生労働省標準規格を学ぶ。
1. 地域医療連携とEHR・PHR
診療所の情報システム、地域医療連携情報システムの機能とアーキテクチャ、EHR・PHRの考え方を学ぶ。
保健・医療・介護を支える情報システムは、病院情報システムだけでなく、診療所・薬局・訪問看護ステーション・介護事業者・健診機関・検査センターなどのシステムと、それらをつなぐ地域医療情報連携ネットワークから構成される。
診療所の情報システムは、病院と異なり部門システムが少なく、レセプトコンピュータと電子カルテが一体または密接に連携した構成が多い。日本医師会が開発・提供する日医標準レセプトソフト(日レセ)はその代表例である。診療所では専任の情報担当者を置きにくいため運用管理の負担を小さくする工夫が求められ、地域医療連携ネットワークに参加するうえで標準化への対応が重要になる。
地域医療連携情報システム(地域医療情報連携ネットワーク)は、地域の医療機関が患者の診療情報を相互に参照・共有し、紹介状(診療情報提供書)の作成や診療予約、地域連携パスの運用などを支援する仕組みである。アーキテクチャには、各施設がデータを保持し必要時に相互参照する分散型と、データセンターに情報を集約するクラウド型(集中型)がある。運用面では、システム利用者の運用の徹底、在宅医療での利用、補助金終了後の事業継続の問題などが課題とされる。
EHR(Electronic Health Record:電子健康記録)は、施設の枠を越えて生涯にわたる個人の医療・健康情報を共有・活用する記録の考え方であり、地域医療連携情報システムはその基盤となる。PHR(Personal Health Record:個人健康記録)は、個人が自らの健康・医療情報を管理・活用する仕組みで、電子版お薬手帳や健診結果の管理アプリなどが該当する。
地域医療連携アーキテクチャの比較 方式 データの持ち方 特徴 分散型 各施設が自施設のデータを保持 必要時に施設間で相互参照する。既存システムを活かしやすい クラウド型(集中型) データセンターに集約 参加施設は共通基盤を参照する。一元管理しやすい
用語 地域医療連携情報システム 地域の病院・診療所などが患者の診療情報を相互に参照・共有するためのシステム。紹介状作成・診療予約機能や地域連携パス機能を持ち、地域完結型医療を支える基盤となる。 分散型とクラウド型 地域医療連携のアーキテクチャの分類。分散型は各施設がデータを保持し必要時に相互参照する方式、クラウド型(集中型)はデータセンターに情報を集約して共有する方式である。 地域連携パス 急性期病院から回復期病院、かかりつけ医までの診療計画を地域の複数施設で共有し、切れ目のない医療を提供するための計画表。地域医療連携情報システムの主要機能の一つ。 EHR Electronic Health Record(電子健康記録)。施設の枠を越えて生涯にわたる個人の医療・健康情報を共有・活用する記録の考え方。地域医療連携情報システムがその基盤となる。 PHR Personal Health Record(個人健康記録)。個人が自らの健康・医療情報を収集・管理し、健康管理や受診に活用する仕組み。電子版お薬手帳や健診結果管理アプリが例である。 日医標準レセプトソフト 日本医師会が開発・提供するレセプトコンピュータ用ソフトウェア(日レセ、ORCA)。診療所を中心に広く利用され、診療報酬請求事務を支援する。
例題
例題:個人が自らの健康・医療情報を管理・活用する仕組みを何と呼ぶか。
答えと考え方 PHR(Personal Health Record)。施設を越えた共有の仕組みであるEHRと区別する。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(全体概要), SBO 5.2.1〜5.2.3(診療所のIT化), SBO 5.4.1〜5.4.3(地域医療連携情報システム), SBO 1.3.1・1.3.2(EHR・PHR)
2. オンライン資格確認・電子処方箋と遠隔医療
マイナ保険証によるオンライン資格確認、電子処方箋の仕組み、遠隔医療の分類(D to D・D to P)を学ぶ。
オンライン資格確認は、患者の医療保険の資格情報をその場でオンライン照会する仕組みで、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会が運営するオンライン資格確認等システムを基盤とする。患者はマイナンバーカード(マイナ保険証)を顔認証付きカードリーダーにかざし、ICチップの電子証明書で本人確認と資格確認を行う。12桁のマイナンバー自体を医療機関が扱うわけではない。保険医療機関・薬局には2023年4月からオンライン資格確認の導入が原則義務化されている。患者本人の同意のもと、医療機関・薬局は薬剤情報や特定健診情報等を閲覧でき、診療に活用できる。従来の健康保険証は2024年12月に新規発行が終了し、マイナ保険証を保有しない人には資格確認書が交付される。
電子処方箋は、紙の処方箋を電子化し、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会が運営する電子処方箋管理サービスを通じて医療機関と薬局の間で処方・調剤情報をやり取りする仕組みで、2023年1月に運用が開始された。オンライン資格確認等システムを基盤とし、複数の医療機関・薬局にまたがる直近の処方・調剤情報を確認して重複投薬や併用禁忌のチェックに活用できる。処方箋の発行には医師・歯科医師の電子署名(HPKIカード等による)が必要で、患者は電子処方箋か紙の処方箋かを選択できる。
遠隔医療は、接続対象によりD to D(医師—医師間)とD to P(医師—患者間)などに分類される。D to Dの代表が、放射線画像を遠隔地の専門医が読影するテレラジオロジー(遠隔読影)と、病理標本の画像を病理医が遠隔で診断するテレパソロジー(遠隔病理)であり、テレパソロジーは術中迅速診断にも活用される。D to Pの代表が、情報通信機器を通じて診察・処方などを行うオンライン診療(遠隔診療)や、在宅患者の状態を継続的に把握する遠隔モニタリングである。看護師等が患者側にいて医師とつなぐD to N to Pという形態もある。通信の形態では、テレビ会議のようにリアルタイムで行う同期型と、画像等を送っておき後から診断する非同期型に分けられる。
遠隔医療の主な分類 分類 接続対象 代表例 D to D 医師 — 医師 テレラジオロジー(遠隔読影)、テレパソロジー(遠隔病理)、遠隔医療コンサルテーション D to P 医師 — 患者 オンライン診療(遠隔診療)、遠隔モニタリング D to N to P 医師 — 看護師等 — 患者 看護師等が患者側で支援する遠隔診療・遠隔保健指導 通信形態 同期型/非同期型 同期型:テレビ電話等のリアルタイム通信/非同期型:画像等を送り後から診断
用語 オンライン資格確認 医療保険の資格情報をオンラインで照会する仕組み。マイナンバーカードのICチップの電子証明書または資格確認書等で確認し、支払基金・国保中央会のオンライン資格確認等システムが基盤となる。 マイナ保険証 健康保険証として利用登録したマイナンバーカード。顔認証付きカードリーダーで本人確認と資格確認を行い、本人の同意のもとで薬剤情報や特定健診情報等を医療機関が閲覧できる。 資格確認書 マイナ保険証を保有しない人に保険者が交付する、医療保険の資格を確認するための書面。従来の健康保険証の新規発行終了(2024年12月)後の受診手段として用いられる。 電子処方箋 処方箋を電子的に運用する仕組み。電子処方箋管理サービスを介して医療機関と薬局が処方・調剤情報を共有し、重複投薬・併用禁忌のチェックに活用できる。2023年1月運用開始。 HPKI 保健医療福祉分野の公開鍵基盤(Healthcare PKI)。医師などの国家資格を電子的に証明でき、電子処方箋の処方箋発行時の電子署名などに用いられる。 テレラジオロジー 遠隔読影。放射線画像を通信回線で送り、遠隔地の専門医が読影・診断するD to D型の遠隔医療。読影医が不足する施設の画像診断を支援する。 テレパソロジー 遠隔病理診断。病理標本の画像を送り、遠隔地の病理医が診断するD to D型の遠隔医療。手術中の術中迅速診断への活用が代表的である。 オンライン診療 情報通信機器を用いて医師が患者をリアルタイムに診察するD to P型の遠隔医療。関連する指針・法規に沿って実施され、テレビ電話等の同期型通信を用いる。
例題
例題:オンライン資格確認で患者の本人確認と資格確認に用いられるのはマイナンバーカードの何か。
答えと考え方 ICチップの電子証明書。12桁のマイナンバー自体を医療機関が扱うのではない。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(保健・医療・介護を支える情報システムの全体概要), SBO 5.3.1〜5.3.3(遠隔医療)/オンライン資格確認・電子処方箋は2026年8月時点の現行制度(支払基金・厚生労働省公表資料で確認)
3. 薬局・健診・介護の情報システム
薬局の調剤支援システムと電子版お薬手帳、健診システム、介護・訪問看護のシステム、検査センターの仕組みを学ぶ。
薬局の情報システムには、処方内容の入力と調剤報酬請求を行うレセプトコンピュータのほか、調剤を支援する各種システムがある。自動錠剤分包機は服用時点ごとに錠剤を一包化し、散薬監査システムは散薬の秤量を監査し、調剤監査システムは調剤結果の照合を支援する。電子薬歴システムは患者ごとの服薬指導記録を管理する。電子版お薬手帳は、患者がスマートフォンアプリなどで自らの調剤情報・服薬歴を管理する仕組みで、PHRの一例である。
健診システムは、健診の予約受付から実施、検査結果の管理、判定、報告書作成までを支援する。健診は同じ検査項目を多数の受診者に短時間で実施する点が診療と異なり、結果の経年管理や事後指導への活用が重要である。
介護分野では、保険者(市区町村)側の介護情報システムが資格管理・要介護認定・給付管理などを担い、事業者側のシステムがケアプランの作成や介護報酬請求(国民健康保険団体連合会への請求)を支援する。訪問看護ステーションでは、訪問先で記録・情報共有ができる訪問看護業務支援システムが用いられ、医療・介護の多職種をつなぐ地域医療・介護情報連携システムへの期待が高まっている。
検査センター(衛生検査所)は医療機関から検体検査を受託する施設で、検体の受領から結果報告までの業務をシステムで管理する。医療機関との間では依頼情報と結果情報をオンラインなどでやり取りし、バーコード等を用いて検体と依頼情報を正しく対応付ける「検体と情報のマッチング」が業務の要となる。
保健・医療・介護を支える主な情報システム 領域 主なシステム 主な機能 薬局 レセコン・調剤支援・電子薬歴 処方入力、調剤報酬請求、分包・監査、服薬指導記録 個人 電子版お薬手帳(PHR) 調剤情報・服薬歴を個人が管理 健診 健診システム 予約〜実施〜判定〜報告書、結果の経年管理 介護 保険者・事業者の介護情報システム 要介護認定・給付管理、ケアプラン、国保連への請求 訪問看護 訪問看護業務支援システム 訪問先での記録と多職種の情報共有 検査受託 検査センターのシステム 依頼・結果のデータ交換、検体と情報のマッチング
用語 電子版お薬手帳 患者がスマートフォンアプリなどで自らの調剤情報・服薬歴を電子的に管理する仕組み。複数の薬局・医療機関の情報をまとめて管理でき、PHRの代表例とされる。 自動錠剤分包機 処方に基づき服用時点ごとに錠剤を自動で一包化する装置。調剤の効率化と取り違え防止に寄与し、薬局や病院薬剤部門の調剤支援システムと連携して動作する。 散薬監査システム 散薬(粉薬)の調剤時に、秤量した薬品と分量が処方と一致しているかを監査するシステム。秤の計量値と処方データを照合し、調剤過誤を防止する。 健診システム 健康診断の予約受付、実施管理、検査結果の管理・判定、報告書作成までを支援するシステム。多数の受診者を対象とし、結果の経年管理や事後指導への活用が特徴である。 介護情報システム 介護分野の情報システム。保険者(市区町村)側では資格管理・要介護認定・給付管理を、事業者側ではケアプラン作成や国保連合会への介護報酬請求を支援する。 検体と情報のマッチング 検査センターの業務で、受領した検体と検査依頼情報をバーコード等で正しく対応付けること。取り違えは誤った結果報告に直結するため、業務フローの要とされる。
例題
例題:検査センターの業務で、検体と検査依頼情報をバーコード等で正しく対応付けることを何と呼ぶか。
答えと考え方 検体と情報のマッチング。取り違え防止の要となる。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.5.1(薬局の情報システム), SBO 5.5.2(訪問看護), SBO 5.5.3(介護), SBO 5.5.4(検査センター), SBO 5.5.5(健診システム)
4. 医療情報の標準規格
DICOM・HL7(v2/CDA/FHIR)・SS-MIX2・IHEと、病名・検査・医薬品の標準コード、厚生労働省標準規格を学ぶ。
多施設間で医療情報を交換・蓄積するには標準規格と標準マスターが不可欠である。DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)は医用画像とその通信の標準規格で、CT・MRIなどの撮影装置(モダリティ)とPACSの接続、可搬型媒体、画像表示の一貫性を保つグレースケール標準表示関数(GSDF)などを定める。
HL7(Health Level 7)は医療情報交換の標準規格群である。HL7 V2は患者基本情報・オーダ・検査結果などをメッセージとして交換する規格で、病院情報システムと部門システムの連携に広く使われる。CDA(Clinical Document Architecture)は診療情報提供書などの文書を構造化して交換するための規格である。HL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)は、情報を「リソース」の単位で定義し、REST APIやJSONなどのWeb技術で交換する新しい標準で、実装のしやすさから国内外で採用が進んでいる。
SS-MIX2は、処方・検査結果・病名などの診療情報をHL7メッセージ等の標準形式で蓄積する「標準化ストレージ」の仕様であり、標準対象外のデータを格納する拡張ストレージも定義されている。施設間の情報連携や災害に備えた診療情報のバックアップに活用される。IHE(Integrating the Healthcare Enterprise)は、新しい規格を作るのではなく、DICOMやHL7などの既存標準の使い方を業務シナリオごとに統合プロファイルとして定義し、テクニカルフレームワークとして公開する国際的な取り組みである。
標準マスター・コードには、WHOの国際疾病分類ICD-10に対応したICD10対応標準病名マスター、臨床検査項目の分類コードJLAC10、医薬品を識別する標準医薬品マスター(HOTコード)、診療報酬請求に用いるレセプト電算処理システム用コードなどがある。保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)はデータ交換規約などのJAHIS標準を策定している。国は、医療情報標準化推進協議会(HELICS協議会)で採択された標準などから「厚生労働省標準規格」を定めており、SS-MIX2、DICOM、ICD10対応標準病名マスター、JLAC10、HOTコードのほか、HL7 FHIRに基づく記述仕様(診療情報提供書・退院時サマリー・健康診断結果報告書)も採択されている。
主な標準規格・標準マスターの名称・対象・用途 名称 対象 主な用途 DICOM 医用画像・画像通信 モダリティとPACSの接続、画像の保存・表示(GSDF) HL7 V2 診療情報のメッセージ交換 患者基本情報・オーダ・検査結果のシステム間連携 HL7 CDA 診療文書の構造化 診療情報提供書などの文書交換 HL7 FHIR リソース単位の情報交換 REST API・JSON等のWeb技術による連携 SS-MIX2 診療情報の標準化ストレージ 標準形式での蓄積、施設間連携・災害時バックアップ IHE 既存標準の運用方法 統合プロファイルによる相互接続性の確保 ICD-10(標準病名マスター) 疾病分類・病名 病名の標準コード化、統計・DPC JLAC10 臨床検査項目 検査項目コードの標準化 HOTコード 医薬品 医薬品の識別・システム間連携 レセプト電算処理システム用コード 診療行為・医薬品・特定器材 診療報酬請求(レセプト電算処理) JAHIS標準 データ交換規約等 業界団体JAHISが策定する実装規約類
用語 DICOM 医用画像とその通信の標準規格。撮影装置(モダリティ)とPACSの接続、画像の保存・可搬型媒体、グレースケール標準表示関数(GSDF)などを定め、画像診断分野で世界的に用いられる。 HL7 V2 患者基本情報・オーダ・検査結果などをメッセージ形式で交換する医療情報交換の標準規格。病院情報システムと部門システムの連携に広く使われている。 HL7 FHIR 情報をリソース単位で定義し、REST APIやJSONなどのWeb技術で交換するHL7の標準規格。実装が容易で、診療情報提供書などのFHIR記述仕様が厚生労働省標準規格にも採択されている。 SS-MIX2 処方・検査結果・病名などの診療情報を標準形式で蓄積する標準化ストレージの仕様。標準対象外データ用の拡張ストレージも持ち、施設間連携や災害時のバックアップに活用される。 IHE Integrating the Healthcare Enterprise。DICOMやHL7などの既存標準の使い方を業務シナリオごとに統合プロファイルとして定義する国際的な取り組み。テクニカルフレームワークとして公開される。 ICD-10 WHOが定める国際疾病分類の第10版。疾病や死因を分類するコード体系で、国内では ICD10対応標準病名マスターとして病名の標準コード化に用いられる。 JLAC10 日本臨床検査医学会が定めた臨床検査項目の分類コード。検査項目を体系的に識別し、施設間での検査結果の交換・比較を可能にする。 HOTコード 医薬品を識別する標準医薬品マスターのコード。販売名や包装単位のレベルで医薬品を一意に識別でき、システム間での医薬品情報の連携に用いられる。 厚生労働省標準規格 医療情報の標準化のため厚生労働省が定める標準規格群。HELICS協議会で採択された標準などから選ばれ、SS-MIX2・DICOM・標準病名マスター・JLAC10・HOTコード・FHIR記述仕様などが含まれる。
例題
例題:診療情報を標準形式で蓄積し、災害時のバックアップにも活用される標準化ストレージの仕様はどれか。
答えと考え方 SS-MIX2。医用画像の標準規格DICOMと取り違えないこと。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.1.1〜6.1.3(標準規格・標準マスターの必要性、厚生労働省標準規格), SBO 6.2.1(DICOM), SBO 6.2.2(HL7), SBO 6.2.3(IHE), SBO 6.2.5(SS-MIX/SS-MIX2), SBO 6.2.7(その他の標準規格)
確認問題(30問) 四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|地域医療連携
地域医療連携情報システムの目的として最も適切なのはどれか。
1つの病院の中だけで、診療部門と事務部門の間で診療情報を共有すること 地域の医療機関の間で患者の診療情報を共有し、地域完結型医療を支えること 医療機関に勤務する職員の給与計算と勤怠の管理を行うこと 患者の診療情報を医療機関の広告や宣伝に利用すること 正解と解説 正解:B. 地域の医療機関の間で患者の診療情報を共有し、地域完結型医療を支えること 地域医療連携情報システムは、地域の病院・診療所などが患者の診療情報を相互に参照・共有し、紹介・逆紹介や地域連携パスの運用を通じて地域完結型医療を支えることを目的とする。院内の部門間連携は病院情報システムの役割であり、給与計算や広告利用は目的ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.4.1(地域医療連携情報システムの概要)
問2|アーキテクチャ
地域医療連携情報システムのアーキテクチャに関する説明として正しいのはどれか。
分散型は各施設がデータを保持し、必要時に施設間で相互参照する方式である 分散型とは、すべてのデータを1か所のデータセンターに集約する方式である クラウド型(集中型)は各施設が紙のカルテを郵送し合う方式である 分散型とクラウド型にデータの持ち方の違いはない 正解と解説 正解:A. 分散型は各施設がデータを保持し、必要時に施設間で相互参照する方式である 分散型は各施設が自施設のデータを保持したまま、必要なときに施設間で相互参照するアーキテクチャである。データセンターに情報を集約するのはクラウド型(集中型)であり、両者はデータの持ち方が異なる。紙のカルテの郵送は情報システムのアーキテクチャの説明として誤りである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.4.2(地域医療情報連携基盤のアーキテクチャ:分散型・クラウド型)
問3|地域連携NW
地域医療情報連携ネットワークに関する記述として、最も適切なのはどれか。
参加する医療機関の間で、同意を得た患者の診療情報を相互に参照できるようにした仕組みである 一つの病院の中で、部門システム同士を接続するためのネットワークである 患者本人の同意を得ていない場合でも、すべての国民の診療情報が自動的に共有される仕組みである 医薬品卸と病院の間で、発注情報だけをやり取りする仕組みである 正解と解説 正解:A. 参加する医療機関の間で、同意を得た患者の診療情報を相互に参照できるようにした仕組みである 地域医療情報連携ネットワークは、地域の病院・診療所・薬局・介護施設などが参加し、本人の同意を得た患者の診療情報を相互に参照できるようにした仕組みで、紹介・逆紹介や重複検査の削減に役立つ。院内の部門間接続は病院情報システムの構成の話であり、同意なしに全国民の情報が共有される仕組みではなく、発注情報のやり取りは医薬品の流通システムである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1(地域医療情報連携ネットワーク)
問4|診療所の特徴
診療所の情報システムの特徴として最も適切なのはどれか。
病院よりも部門システムの数が多く、構成が複雑である 専任の情報システム担当者が必ず複数配置され、日常の運用と保守を担っている レセプトコンピュータは使われておらず、請求は手書きで行う レセプトコンピュータと電子カルテが一体または密接に連携した構成が多い 正解と解説 正解:D. レセプトコンピュータと電子カルテが一体または密接に連携した構成が多い 診療所では病院と異なり中央診療部門が少ないため部門システムは少なく、レセプトコンピュータと電子カルテが一体型または密接に連携した構成が多い。専任の情報担当者を置きにくいため運用管理の負担を抑える工夫が必要で、レセプトコンピュータはむしろ診療所に広く普及している。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.3(診療所の電子カルテの特徴・診療所と病院の相違点)
問5|日レセ
日医標準レセプトソフト(日レセ)を開発・提供している団体はどれか。
日本医師会 日本薬剤師会 日本看護協会 日本病院会 正解と解説 正解:A. 日本医師会 日医標準レセプトソフト(日レセ、ORCA)は日本医師会が開発・提供するレセプトコンピュータ用ソフトウェアで、診療所を中心に広く利用されている。日本薬剤師会・日本看護協会・日本病院会はいずれも日レセの開発・提供団体ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.2(診療所のレセプトコンピュータ:日医標準レセプトソフト)
問6|連携の課題
地域医療連携情報システムの課題として挙げられるものはどれか。
診療情報を施設間で共有することが、法律で全面的に禁止されていること 補助金終了後の事業継続やシステム利用者の運用の徹底が課題となること 参加する施設が増えるほど、必ず運用が容易になっていくこと 紙の紹介状を郵送する場合より、通信費が常に高額になること 正解と解説 正解:B. 補助金終了後の事業継続やシステム利用者の運用の徹底が課題となること 地域医療連携情報システムでは、構築時の補助金が終了した後の運営費負担など事業継続の問題、参加施設におけるシステム利用者の運用の徹底、在宅医療での利用、広域利用への対応などが課題とされる。診療情報の共有自体は適切な同意・安全管理のもとで行われており法律で全面禁止されてはいない。参加施設の増加は調整をむしろ複雑にする。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.4.3(地域医療連携情報システムの課題:事業継続の問題・システム利用者の運用)
問7|地域連携パス
地域医療連携情報システムが持つ機能として最も適切なのはどれか。
院内の職員の勤務シフトを自動で作成する機能 医薬品の製造工程を管理する機能 紹介状作成・診療予約や地域連携パスの機能 患者が加入する生命保険契約を管理する機能 正解と解説 正解:C. 紹介状作成・診療予約や地域連携パスの機能 地域医療連携情報システムは、診療情報の相互参照に加え、紹介状(診療情報提供書)の作成・送付、連携先への診療予約、急性期から回復期・かかりつけ医までの診療計画を共有する地域連携パスなどの機能を持つ。勤務シフト作成は看護管理などのシステム、医薬品の製造管理や生命保険契約の管理は医療連携の機能ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.4.1(紹介状作成・診療予約機能、地域連携パス機能)
問8|資格確認
オンライン資格確認の仕組みに関する説明として正しいのはどれか。
マイナンバーカードのICチップの電子証明書を用いて本人確認と資格確認を行う 医療機関の窓口で、12桁のマイナンバーを患者が口頭で伝えることによって確認する 資格情報は、各医療機関が独自に管理する台帳のみで確認する オンライン資格確認は、歯科医療機関や薬局では利用できない 正解と解説 正解:A. マイナンバーカードのICチップの電子証明書を用いて本人確認と資格確認を行う オンライン資格確認では、患者がマイナンバーカードを顔認証付きカードリーダーにかざし、ICチップの電子証明書によって本人確認と資格確認を行う。12桁のマイナンバー自体を医療機関が扱うのではない。資格情報は支払基金・国保中央会のオンライン資格確認等システムに照会するもので、医科・歯科・薬局を通じて利用される。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(全体概要)/オンライン資格確認(2026年8月時点の現行制度)
問9|情報の閲覧
オンライン資格確認の仕組みを通じて、患者の同意のもとで医療機関・薬局が閲覧できる情報はどれか。
患者の預金残高と金融資産の状況 患者の納税額と所得金額の情報 患者の学歴と職歴に関する情報 患者の薬剤情報や特定健診情報 正解と解説 正解:D. 患者の薬剤情報や特定健診情報 オンライン資格確認等システムでは、患者本人が同意した場合に、医療機関・薬局が薬剤情報や特定健診情報等を閲覧し、診療や服薬指導に活用できる。預金残高・納税額・学歴といった情報はこの仕組みの対象ではなく、医療保険の資格確認と診療への活用という目的の範囲外である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(全体概要)/オンライン資格確認(2026年8月時点の現行制度)
問10|資格確認書
2026年時点の医療保険の資格確認に関する説明として正しいのはどれか。
従来の健康保険証は、現在も新規の発行が続けられている マイナ保険証を保有しない人には資格確認書が交付され、受診時の資格確認に用いられる 資格確認書は、マイナンバーカードを持っている人だけに交付される仕組みになっている オンライン資格確認の導入は保険医療機関の任意であり、義務ではない 正解と解説 正解:B. マイナ保険証を保有しない人には資格確認書が交付され、受診時の資格確認に用いられる 従来の健康保険証は2024年12月に新規発行が終了し、マイナ保険証(健康保険証利用登録をしたマイナンバーカード)を保有しない人には保険者から資格確認書が交付され、受診時の資格確認に用いられる。オンライン資格確認は2023年4月から保険医療機関・薬局に導入が原則義務化されており、任意ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(全体概要)/マイナ保険証・資格確認書(2026年8月時点の現行制度)
問11|電子処方箋
電子処方箋の仕組みに関する説明として正しいのはどれか。
電子処方箋管理サービスは、各都道府県がそれぞれ個別に構築して運営している仕組みである 発行された電子処方箋は、郵便で薬局に送付される仕組みである オンライン資格確認等システムを基盤とし、複数施設の処方・調剤情報から重複投薬等のチェックに活用できる 電子処方箋の導入により、患者は紙の処方箋を選ぶことができなくなった 正解と解説 正解:C. オンライン資格確認等システムを基盤とし、複数施設の処方・調剤情報から重複投薬等のチェックに活用できる 電子処方箋は、支払基金・国保中央会が運営する電子処方箋管理サービスを介して処方・調剤情報をやり取りする仕組みで、オンライン資格確認等システムを基盤とし、複数の医療機関・薬局にまたがる直近の処方・調剤情報を重複投薬・併用禁忌のチェックに活用できる。都道府県ごとの運営ではなく、郵送も行わない。患者は電子か紙かを選択できる。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(全体概要)/電子処方箋(2023年1月運用開始・2026年8月時点の現行制度、電子処方箋管理サービス)
問12|HPKI
電子処方箋の発行時に医師の電子署名に用いられる、保健医療福祉分野の公開鍵基盤はどれか。
HPKI PACS DICOM DWH 正解と解説 正解:A. HPKI HPKI(Healthcare PKI)は保健医療福祉分野の公開鍵基盤で、医師などの国家資格を電子的に証明でき、電子処方箋の発行時の電子署名などに用いられる。PACSは医用画像管理システム、DICOMは医用画像の標準規格、DWHはデータウェアハウスであり、いずれも資格を証明する公開鍵基盤ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(全体概要)/電子処方箋の電子署名(HPKI、2026年8月時点の現行制度)
問13|遠隔医療分類
遠隔医療の分類で、医師と患者を直接つなぐ形態はどれか。
D to D B to B P to P D to P 正解と解説 正解:D. D to P 遠隔医療は接続対象により分類され、D to Pは医師(Doctor)と患者(Patient)を直接つなぐ形態で、オンライン診療や遠隔モニタリングが代表例である。D to Dは医師同士をつなぐ形態で遠隔読影・遠隔病理が該当する。看護師等を介する形態はD to N to Pと呼ばれる。B to BやP to Pは遠隔医療の分類用語ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.3.2(遠隔医療の接続対象による分類:D to D, D to P, D to N to P)
問14|遠隔読影
テレラジオロジー(遠隔読影)の説明として正しいのはどれか。
患者が自宅で血圧や体重を測定し、その結果を記録すること 放射線画像を通信回線で送り、遠隔地の専門医が読影・診断すること 薬局が処方箋を電子的に受け取り、内容を確認したうえで調剤を行うこと 介護事業者が利用者の状態に応じてケアプランを作成すること 正解と解説 正解:B. 放射線画像を通信回線で送り、遠隔地の専門医が読影・診断すること テレラジオロジーは、CT・MRIなどの放射線画像を通信回線で送り、遠隔地の放射線科専門医が読影・診断するD to D型の遠隔医療で、読影医が不足する施設を支援する。自宅での血圧測定は遠隔モニタリングに関わる行為、処方箋の電子的な受け取りは電子処方箋、ケアプラン作成は介護のシステムの話である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.3.2(テレラジオロジー)
問15|遠隔病理
テレパソロジー(遠隔病理診断)の活用例として最も適切なのはどれか。
手術中の術中迅速診断を、病理医が遠隔地から画像で支援する 救急車の現在位置を地図の上に表示して、出動の状況を管理する 薬剤の在庫が減った時点で自動的に発注する 外来の待ち人数を掲示板に表示して知らせる 正解と解説 正解:A. 手術中の術中迅速診断を、病理医が遠隔地から画像で支援する テレパソロジーは病理標本の画像を通信回線で送り、遠隔地の病理医が診断するD to D型の遠隔医療で、病理医が常勤しない施設での手術中の術中迅速診断への活用が代表例である。救急車の位置表示、薬剤の自動発注、待ち人数の表示はいずれも遠隔病理診断の活用例ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.3.2(テレパソロジー)
問16|お薬手帳
電子版お薬手帳の説明として最も適切なのはどれか。
薬局に勤務する従業員の勤務時間とシフトを管理するシステムである 医薬品の卸売価格を医療機関どうしで比較し、発注先を選ぶために使うシステムである 患者がスマートフォンアプリなどで自らの調剤情報・服薬歴を管理する仕組みである 医師が処方できる医薬品を制限するための仕組みである 正解と解説 正解:C. 患者がスマートフォンアプリなどで自らの調剤情報・服薬歴を管理する仕組みである 電子版お薬手帳は、患者がスマートフォンアプリなどで自らの調剤情報・服薬歴を電子的に管理する仕組みで、複数の薬局・医療機関の情報をまとめて管理でき、PHRの代表例とされる。勤務管理や卸売価格の比較のシステムではなく、医師の処方権を制限するものでもない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.5.1(薬局の情報システム:電子版お薬手帳)
問17|調剤支援
薬局の調剤に関するシステムの説明として正しいのはどれか。
自動錠剤分包機は、検体検査の結果を判定する装置である 散薬監査システムは、注射薬の混合を行う装置である 電子薬歴システムは、病棟ごとの病床の空き状況を管理するシステムである 散薬監査システムは秤量した薬品と分量が処方と一致しているかを照合する 正解と解説 正解:D. 散薬監査システムは秤量した薬品と分量が処方と一致しているかを照合する 散薬監査システムは、散薬の調剤時に秤量した薬品と分量が処方内容と一致しているかを照合し、調剤過誤を防止する。自動錠剤分包機は服用時点ごとに錠剤を一包化する装置であり検査結果の判定は行わない。電子薬歴システムは服薬指導記録を管理するもので、病床管理は病院情報システムの機能である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.5.1(調剤に関するシステム:自動錠剤分包機・散薬監査システム・電子薬歴システム)
問18|健診システム
健診システムの特徴として最も適切なのはどれか。
1人の患者について入院診療の経過を時系列で記録し、管理することに特化している 同じ検査項目を多数の受診者に実施し、結果の判定・報告書作成・経年管理を支援する 健診の結果は保存せず、報告のたびに毎回破棄する 予約受付の機能は持たず、当日受付のみに対応する 正解と解説 正解:B. 同じ検査項目を多数の受診者に実施し、結果の判定・報告書作成・経年管理を支援する 健診は同じ検査項目を多数の受診者に短時間で実施する点が診療と異なり、健診システムは予約受付から実施、結果の管理・判定、報告書作成までを支援し、結果の経年管理や事後指導への活用が重要となる。入院診療の記録は病院情報システムの領域であり、結果を破棄する運用や予約機能を持たないという説明は誤りである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.5.5(健診システム)
問19|介護システム
介護分野の情報システムに関する説明として正しいのはどれか。
保険者(市区町村)側のシステムは要介護認定や給付管理などを支援する 介護報酬の請求先は日本年金機構であると法令で定められている 事業者側のシステムには、ケアプランを作成するための機能は備わっていない 介護の分野では、情報システムは一切使われていない 正解と解説 正解:A. 保険者(市区町村)側のシステムは要介護認定や給付管理などを支援する 介護情報システムは保険者側と事業者側に大別され、保険者(市区町村)側は資格管理・要介護認定・給付管理などを、事業者側はケアプラン作成や介護報酬請求を支援する。介護報酬の請求先は国民健康保険団体連合会であり日本年金機構ではない。ケアプラン作成は事業者側システムの代表的機能で、介護分野でもシステム化は進んでいる。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.5.3(介護を支える情報システム:保険者・事業者の介護情報システム)
問20|検査センター
検査センター(衛生検査所)の業務で特に重要とされる「検体と情報のマッチング」の説明として最も適切なのはどれか。
検査に使用する機器を、すべて同じメーカーの製品に統一してそろえること 検査の結果を新聞などで広く公表すること 受領した検体と検査依頼情報をバーコード等で正しく対応付けること 受領した検体を五十音順に並べ替えること 正解と解説 正解:C. 受領した検体と検査依頼情報をバーコード等で正しく対応付けること 検査センターは多数の医療機関から検体を受託するため、受領した検体と検査依頼情報をバーコード等で正しく対応付ける「検体と情報のマッチング」が業務の要となる。対応付けを誤ると別の患者の結果を報告することになり重大な影響が生じる。機器メーカーの統一や検体の並べ替え、結果の公表はこの概念とは無関係である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.5.4(検査センターの情報システム:検体と情報のマッチング)
問21|DICOM
CT・MRIなどの医用画像とその通信を対象とする標準規格はどれか。
SS-MIX2 JLAC10 HL7 FHIR DICOM 正解と解説 正解:D. DICOM DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)は医用画像とその通信の標準規格で、モダリティとPACSの接続や可搬型媒体、グレースケール標準表示関数(GSDF)などを定める。SS-MIX2は診療情報の標準化ストレージ、JLAC10は臨床検査項目コード、HL7 FHIRはWeb技術による情報交換の規格であり、医用画像の標準規格ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.2.1(DICOM)
問22|HL7 V2
患者基本情報・オーダ・検査結果などをメッセージとして交換する、病院情報システムと部門システムの連携に広く使われる標準規格はどれか。
HL7 V2 DICOM ICD-10 HOTコード 正解と解説 正解:A. HL7 V2 HL7 V2は、患者基本情報・オーダ・検査結果などをメッセージ形式で交換する医療情報交換の標準規格で、病院情報システムと部門システムの連携に広く使われている。DICOMは医用画像、ICD-10は疾病分類、HOTコードは医薬品の標準コードであり、メッセージ交換の規格ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.2.2(HL7:HL7 V2メッセージ標準)
問23|HL7 FHIR
HL7 FHIRの特徴として最も適切なのはどれか。
医用画像を表示する装置の階調の特性を定め、施設間で見え方をそろえる規格である 情報をリソース単位で定義し、REST APIやJSONなどのWeb技術で交換する 医薬品の販売名や包装単位を識別するためのコード体系である 紙のカルテの保管の方法を定めた規格である 正解と解説 正解:B. 情報をリソース単位で定義し、REST APIやJSONなどのWeb技術で交換する HL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)は、患者・検査結果などの情報を「リソース」の単位で定義し、REST APIやJSONなどのWeb技術で交換する標準規格で、実装のしやすさから採用が進み、FHIRに基づく記述仕様は厚生労働省標準規格にも採択されている。画像の表示階調はDICOMのGSDF、医薬品コードはHOTの説明である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.2.2(HL7:FHIR), SBO 6.1.3(厚生労働省標準規格)
問24|SS-MIX2
処方・検査結果・病名などの診療情報を標準形式で蓄積する「標準化ストレージ」の仕様はどれか。
DICOM IHE SS-MIX2 JLAC10 正解と解説 正解:C. SS-MIX2 SS-MIX2は、処方・検査結果・病名などの診療情報をHL7メッセージ等の標準形式で蓄積する標準化ストレージの仕様で、標準対象外データ用の拡張ストレージも定義され、施設間連携や災害時のバックアップに活用される。DICOMは医用画像の規格、IHEは既存標準の使い方を定める取り組み、JLAC10は臨床検査項目コードである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.2.5(SS-MIX/SS-MIX2:標準化ストレージ・拡張ストレージ)
問25|ICD-10
ICD-10の説明として正しいのはどれか。
医用画像を圧縮して保存し、通信するための方式である 臨床検査の項目を分類するために国内で用いるコードである 医薬品の販売名や包装単位を識別するために国内で広く用いられているコード体系である WHOが定める国際疾病分類で、国内では標準病名マスターの基盤として病名のコード化に用いられる 正解と解説 正解:D. WHOが定める国際疾病分類で、国内では標準病名マスターの基盤として病名のコード化に用いられる ICD-10はWHOが定める国際疾病分類の第10版で、疾病や死因を分類するコード体系である。国内ではICD10対応標準病名マスターとして病名の標準コード化に用いられ、統計やDPCにも関わる。画像圧縮の方式ではなく、臨床検査項目の分類はJLAC10、医薬品の識別はHOTコードの役割である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.1.2(標準マスター・コードの概要), SBO 6.2.7(その他の代表的な標準規格:ICD-10)
問26|JLAC10
臨床検査項目を体系的に分類するコードはどれか。
HOTコード JLAC10 ICD-10 DICOM 正解と解説 正解:B. JLAC10 JLAC10は日本臨床検査医学会が定めた臨床検査項目の分類コードで、検査項目を体系的に識別し、施設間での検査結果の交換・比較を可能にする。HOTコードは医薬品を識別する標準コード、ICD-10は疾病分類、DICOMは医用画像の標準規格であり、いずれも臨床検査項目のコードではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.1.2(標準マスター・コードの概要:JLAC10)
問27|HOTコード
医薬品を識別するための標準マスターのコードはどれか。
HOTコード JLAC10 SS-MIX2 IHE 正解と解説 正解:A. HOTコード HOTコードは標準医薬品マスターのコードで、販売名や包装単位のレベルで医薬品を一意に識別でき、システム間での医薬品情報の連携に用いられる。JLAC10は臨床検査項目の分類コード、SS-MIX2は診療情報の標準化ストレージの仕様、IHEは既存標準の運用方法を定める取り組みであり、医薬品の識別コードではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.1.2(標準マスター・コードの概要:HOTコード)
問28|IHE
IHE(Integrating the Healthcare Enterprise)の説明として最も適切なのはどれか。
DICOMやHL7に代わる新しい通信規格を独自に開発している国際的な団体である 医薬品の価格を国際的に決定するための機関である 既存の標準規格の使い方を業務シナリオごとに統合プロファイルとして定義する取り組みである 電子カルテの画面デザインを統一するための規格である 正解と解説 正解:C. 既存の標準規格の使い方を業務シナリオごとに統合プロファイルとして定義する取り組みである IHEは、新しい規格を作るのではなく、DICOMやHL7などの既存標準をどのように組み合わせて使うかを業務シナリオごとに統合プロファイルとして定義し、テクニカルフレームワークとして公開する国際的な取り組みである。独自の通信規格の開発団体でも、薬価の決定機関でも、画面デザインの規格でもない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.2.3(IHE:統合プロファイル・テクニカルフレームワーク)
問29|厚労省標準
厚生労働省標準規格に関する説明として最も適切なのはどれか。
各医療機関がそれぞれ独自に定めた院内のルールをまとめて総称したもので、施設ごとに内容が大きく異なる 民間企業が販売している製品の名称を並べた一覧である 海外でのみ使われている規格であり、国内の医療機関では使われていない 医療情報の標準化のため国が定める標準規格群で、SS-MIX2やDICOM、標準病名マスター、JLAC10などが含まれる 正解と解説 正解:D. 医療情報の標準化のため国が定める標準規格群で、SS-MIX2やDICOM、標準病名マスター、JLAC10などが含まれる 厚生労働省標準規格は、医療情報の標準化を進めるため国が定める標準規格群で、医療情報標準化推進協議会(HELICS協議会)で採択された標準などから選ばれる。SS-MIX2、DICOM、ICD10対応標準病名マスター、JLAC10、HOTコードのほか、HL7 FHIRに基づく記述仕様も採択されている。院内ルールや製品名の一覧ではなく、国内の医療情報連携で用いられる。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.1.3(厚生労働省標準規格)
問30|規格の対応
標準規格・標準コードとその対象の組合せとして正しいのはどれか。
DICOM — 臨床検査項目を分類するために用いる国内標準のコード レセプト電算処理システム用コード — 診療報酬請求に用いる診療行為・医薬品等のコード SS-MIX2 — 医用画像の保存と通信のための規格 JLAC10 — 医薬品の販売名や包装単位を識別するためのコード体系 正解と解説 正解:B. レセプト電算処理システム用コード — 診療報酬請求に用いる診療行為・医薬品等のコード レセプト電算処理システム用コードは、レセプトの電子的な請求に用いる診療行為・医薬品・特定器材などのコードであり、組合せとして正しい。DICOMの対象は医用画像とその通信、SS-MIX2は診療情報の標準化ストレージ、JLAC10は臨床検査項目の分類コードであり、それぞれ対象の取り違えである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 6.1.2(標準マスター・コードの概要:レセプト電算処理システム用コード), SBO 6.2.7(その他の代表的な標準規格)
演習:この章の問題を解く ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
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※ 解説は学習用の情報提供です。医療上の助言ではありません。最新の試験実施要項は医療情報技師育成部会の公式発表をご確認ください。 ※ 出題は日本医療情報学会 医療情報技師育成部会が公開する「医療情報技師 到達目標」(v7・GIO/SBO/キーワード)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。合格基準は非公開のため、本サイトの到達度は独自の目安です。試験の実施要項は育成部会の公式発表をご確認ください。