仮の宿 学習室 資格 医療情報技師 合格ラボ 病院情報システムの機能
医療情報技師 HEALTHCARE INFORMATION TECHNOLOGIST
病院情報システムの機能
講義 4 本・確認問題 35 問 | 本試験では「医療情報システム系」(60問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと 基幹システムと部門システムからなる病院情報システムの全体像、蓄積されるデータの特徴、基盤機能と求められる要件を学ぶ。 医師の指示を各部門に伝えるオーダエントリシステムの仕組みと、オーダの流れ・実施入力・代行入力と承認を学ぶ。 電子カルテの記載・テンプレート・クリニカルパス・スキャン取込みと、受付から会計・レセプトまでの医事会計システムを学ぶ。 検体検査・放射線・薬剤・輸血・給食・リハビリ・看護・物流などの部門システムと、診療所・歯科・調剤薬局のシステムを学ぶ。
1. 病院情報システムの全体構成と基盤
基幹システムと部門システムからなる病院情報システムの全体像、蓄積されるデータの特徴、基盤機能と求められる要件を学ぶ。
病院情報システム(HIS)は医療情報システムの中核をなすもので、診療の指示を伝達するオーダエントリシステム、診療記録を扱う電子カルテシステム、診療報酬請求を担う医事会計システムの基幹システムと、検体検査・放射線・薬剤・輸血・給食・リハビリテーション・物流など各部門の業務を支える部門システムから構成される。
蓄積されるデータの持ち方には、データ本体を部門システム側に置き基幹システムからは参照リンクで表示するリンク参照型と、部門システムのデータを基幹システム側に取り込んで保持するデータ取り込み型がある。データの形式には、項目が定義された構造化データと、自由記載文などの非構造化データ、画像系のデータがある。
システム間の情報連携には、コミュニケーション、情報活用、コスト請求、モノを動かす、記録という目的がある。これらを支える基盤機能として、ユーザ情報管理・ユーザ認証・権限管理、いつ誰がどの情報にアクセスしたかを記録する監査証跡、システム間で記録時刻を揃える時刻同期、蓄積データを分析用に統合するデータウェアハウス(DWH)などがある。
病院情報システムには、確実な処理と安定性、電源やデータの冗長化、データの継続性・機密性、医療安全への寄与、操作性とレスポンスへの配慮といった要件が求められる。診療は24時間続くため、長時間の停止を前提とした運用は許されない。
病院情報システムの構成 区分 システム・機能の例 基幹システム オーダエントリシステム、電子カルテシステム、医事会計システム 部門システム 検体検査(LIS)、放射線(RIS・PACS)、薬剤、輸血、給食、リハビリ、看護支援、物流(SPD) 基盤機能 ユーザ認証・権限管理、監査証跡、時刻同期、DWH
用語 基幹システム 病院情報システムの中核となるシステム群。オーダエントリシステム・電子カルテシステム・医事会計システムを指し、部門システムと連携して診療業務全体を支える。 部門システム 検体検査・放射線・薬剤・輸血・給食・リハビリテーション・物流など、各部門固有の業務を支援するシステム。基幹システムとオーダや実施情報をやり取りする。 リンク参照型 データ本体は部門システム側に置いたまま、基幹システムからは参照用のリンクを通じて表示するデータの持ち方。データを基幹側に複製して保持するデータ取り込み型と対比される。 監査証跡 誰が・いつ・どの情報にアクセスし操作したかを記録したログ。不正アクセスの抑止や事後の検証を可能にする、病院情報システムの重要な基盤機能である。 時刻同期 システム間で時計を揃えること。診療記録やログの時刻の信頼性を保つために不可欠で、記録の前後関係を正しく検証できるようにする。 DWH Data Warehouse(データウェアハウス)。業務システムに蓄積されたデータを、分析や二次利用のために統合・再構成して蓄積するデータベース。経営分析や臨床研究などに活用される。
例題
例題:病院情報システムの基幹システムとは何か。
答えと考え方 オーダエントリシステム・電子カルテシステム・医事会計システムを指し、各部門システムと連携して診療業務全体を支える。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.1(医療情報システムの全体像), SBO 2.2.1・2.2.3〜2.2.5(病院情報システムの概要・データの特徴・情報連携・要件), SBO 2.3.1(病院情報システムの基盤)
2. オーダエントリシステム
医師の指示を各部門に伝えるオーダエントリシステムの仕組みと、オーダの流れ・実施入力・代行入力と承認を学ぶ。
オーダエントリシステムは、処方・注射・検体検査・生理検査・放射線検査・処置・手術・輸血・給食(食事)・リハビリテーション・予約など、医師の指示(オーダ)を関係部門に電子的に伝達するシステムである。指示を出す医師自身がその場で入力する発生源入力を原則とすることで、転記による誤りを減らし、指示の伝達を速く正確にする。
オーダは関係部門の部門システムに伝わり、業務が進む。例えば入院患者の処方オーダは薬剤部門に伝達され、薬剤師が処方監査・調剤・調剤監査を行って病棟に払い出す。検体検査オーダでは、オーダ情報に基づき採血管とラベルが準備され、検体は検体検査部門システム(LIS)で管理・分析されて結果が返され、医師は端末から結果照会できる。
指示された行為が実際に行われたことを記録するのが実施入力である。実施情報は診療の記録であると同時に医事会計システムへ連携され、診療報酬請求の基礎データとなる。注射の実施時には、患者・薬剤・実施者を照合する3点認証により誤投与を防ぐ運用が行われる。
医師事務作業補助者などによる代行入力では、入力された内容を医師本人が確認して承認(確定)する必要がある。研修医の記載に指導医が確認の署名をするカウンターサインも同様の考え方である。オーダ入力はマスターに登録された医薬品・検査項目等に基づいて行われるため、マスター管理が重要である。システム障害時は紙の伝票で運用し、復旧後に記録を遡及入力して診療記録と会計情報を補完する。
代表的なオーダと連携先部門 オーダ 主な連携先 業務の流れの例 処方オーダ 薬剤部門 処方監査 → 調剤 → 調剤監査 → 払い出し 注射オーダ 薬剤部門・病棟 調剤(混注)→ 実施時に3点認証 → 実施入力 検体検査オーダ 検体検査部門(LIS) 採血管・ラベル準備 → 採血 → 分析 → 結果報告・結果照会 放射線検査オーダ 放射線部門(RIS) 予約・受付 → 撮影 → 実施入力 → 画像保存(PACS)・読影 給食(食事)オーダ 栄養・給食部門 食種・食数管理 → 配膳、入退院・食止めとの連携
用語 発生源入力 情報が発生したその場で、指示を出した医師など発生源となる本人が直接入力すること。転記や伝票の受け渡しによる誤りと遅れを減らすオーダエントリシステムの基本的な考え方。 オーダ 処方・注射・検査・処置・給食など、医師が診療上の行為を関係部門に指示すること、またはその指示情報。オーダエントリシステムにより関係部門に電子的に伝達される。 実施入力 オーダで指示された行為が実際に行われたことを記録する入力。診療記録となるとともに医事会計システムに連携され、診療報酬請求の基礎データとなる。 代行入力と承認 医師事務作業補助者などが医師に代わって記録やオーダを入力すること。代行入力された内容は、指示した医師本人が確認して承認(確定)しなければならない。 3点認証 注射などの実施時に、患者(リストバンド)・薬剤・実施者のバーコード等を照合して、患者・薬剤・実施者の組合せが正しいことを確認する仕組み。誤投与の防止に用いられる。 カウンターサイン 研修医などが記載した記録やオーダに対し、指導医が内容を確認したうえで行う確認の署名(承認)。記録の質と責任の所在を担保する仕組み。
例題
例題:入院患者の処方オーダはどのように薬剤部門に届き、処理されるか。
答えと考え方 医師がオーダエントリシステムに入力した処方情報が薬剤部門システムに伝達され、薬剤師が処方監査・調剤・調剤監査を行って病棟に払い出す。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(オーダエントリシステム・オーダの種類・部門システムとの連携・実施入力・代行入力と承認)
3. 電子カルテシステムと医事会計システム
電子カルテの記載・テンプレート・クリニカルパス・スキャン取込みと、受付から会計・レセプトまでの医事会計システムを学ぶ。
電子カルテシステムは、患者プロファイルや経過記録などの診療記録を電子的に作成・保存・参照するシステムである。電子化により、複数の職種・部署からの同時参照、検索・集計、診療支援が可能になる。記載にはSOAP形式などが用いられ、定型的な項目をあらかじめ用意したテンプレートを使うと、選択式で構造化された記録を効率よく作成でき、後の集計・分析にも役立つ。
クリニカルパスは、疾患や治療ごとに検査・処置・ケアなどの標準的な診療計画を時系列にまとめたもので、電子カルテ・オーダエントリシステムと連携して運用される。計画からの逸脱はバリアンスとして記録・分析し、パスの改善につなげる。紙の同意書や紹介状などはスキャンシステムで電子化して取り込む。読み取れる品質で遅滞なく取り込み、元の文書との同一性を確保することが求められる。診断書や診療情報提供書(紹介状)の作成は、患者基本情報や診療記録を引用できる医療文書作成支援システムが支援する。
医事会計システムは、患者登録・受付、会計、診療報酬請求(レセプト)を担う。初診時に患者基本情報を登録して患者IDを発行し、再来時は再来受付機などで受付する。会計では実施情報などの診療行為データを収集して診療報酬を計算し、自己負担額の請求書・領収書を発行する。自動精算機との連携も行われる。
診療報酬明細書(レセプト)は患者ごとに月単位で作成し、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険団体連合会)に請求する。審査で請求点数が減点されることを査定、不備などによりレセプトが医療機関に差し戻されることを返戻といい、システムはこれらの進捗管理や病名登録、点数改定への対応も支援する。急性期入院医療では、診断群分類に基づく1日当たり包括評価の支払い方式であるDPC/PDPSによる医事会計処理が行われる。
医事会計システムの主な業務と機能 業務 主な機能 患者登録・受付 患者基本情報の登録と患者IDの発行、初診・再来受付、再来受付機との連携 会計 診療行為データの収集、診療報酬の計算、請求書・領収書の発行、自動精算機との連携 診療報酬請求 レセプトの作成・電子請求、病名登録、査定・返戻の進捗管理、点数改定への対応 DPC/PDPS DPC登録、診断群分類に基づく包括評価の会計処理
用語 テンプレート 電子カルテで定型的な記載項目をあらかじめ用意しておき、選択・入力により構造化された記録を効率よく作成する機能。記録の標準化と後の集計・分析に役立つ。 クリニカルパス 疾患や治療ごとに検査・処置・ケアなどの標準的な診療計画を時系列にまとめたもの。医療の標準化と質の向上を目的とし、計画からの逸脱はバリアンスとして管理する。 バリアンス クリニカルパスで定めた標準的な診療計画からの逸脱。発生した理由を記録・分析することで、パスの改善や医療の質の向上につなげる。 スキャンシステム 紙の同意書・紹介状などをスキャナで電子化して診療記録に取り込むシステム。読み取れる品質で遅滞なく取り込み、元の文書との同一性を確保する運用が求められる。 レセプト 診療報酬明細書。保険診療の費用を請求するため患者ごとに月単位で作成し、審査支払機関(支払基金・国保連合会)に提出する。レセプト電算処理システムにより電子的に請求される。 査定・返戻 査定は審査支払機関の審査により請求点数が減点されること。返戻は記載不備などの理由でレセプトが医療機関に差し戻されること。医事会計システムはこれらの進捗管理を支援する。 DPC/PDPS 診断群分類(DPC)に基づく1日当たり包括評価の入院医療費支払い方式(PDPS)。急性期入院医療に適用され、診断群分類の決定のためDPC登録の情報入力が行われる。
例題
例題:レセプトはどの機関に、どの単位で請求するか。
答えと考え方 患者ごとに月単位で作成し、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険団体連合会)に請求する。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.1(電子カルテシステム), SBO 2.4.3〜2.4.4(医療文書作成支援・スキャンシステム), SBO 2.6.3(クリニカルパス), SBO 2.8.1〜2.8.4(医事会計システム・受付・会計・診療報酬請求)
4. 部門システムと診療所等のシステム
検体検査・放射線・薬剤・輸血・給食・リハビリ・看護・物流などの部門システムと、診療所・歯科・調剤薬局のシステムを学ぶ。
検体検査部門ではLIS(検体検査部門システム)が検査の受付・進捗・結果を管理し、分析装置を連ねた検査自動化システム(LAS)や採血支援システムと連携する。診療現場でその場で行う検査はPOCTと呼ばれる。放射線部門ではRIS(放射線部門システム)が検査の予約・受付・実施情報や撮影装置(モダリティ)との連携を管理し、撮影された医用画像はPACS(医用画像管理システム)が保存・管理・配信する。読影レポートシステムが画像診断報告書の作成を支援する。
薬剤部門システムは処方監査や内服薬・外用薬・注射剤の調剤支援、持参薬管理、抗がん剤プロトコル管理などを担う。輸血部門システムは血液型・不規則抗体などの検査データ、血液製剤のロット・在庫、患者の輸血歴や副作用を管理し、コンピュータクロスマッチ(交差適合試験の電子的照合)を支援する。栄養・給食部門システムは食事オーダに基づき、アレルギーや治療食に対応した献立・食数管理を行い、入退院・外泊の情報と連携して食止めなどに対応する。リハビリテーション部門システムはリハ処方の登録、療法士のスケジュール管理、実施記録などを支援する。
看護業務支援システムは、看護計画の作成、経過記録、バイタルサインを時系列で表示する経過表(温度板)、勤務管理などを支援する。物流部門ではSPD(物品の供給・在庫・搬送の一元管理)の仕組みにより、医療材料などの物品管理が行われる。
診療所では、レセプトコンピュータと電子カルテを一体型で導入する形態が多く、日医標準レセプトソフト(日レセ)などが使われている。歯科では歯の部位(歯式)の概念を扱える点が医科と大きく異なり、標準歯科病名マスターや技工指示書の管理などが特徴である。調剤薬局(保険薬局)では、レセプトコンピュータのほか、自動錠剤分包機や調剤監査システム、服薬歴・指導内容を記録する電子薬歴システム、電子版お薬手帳が用いられる。
主な部門システムの略称・正式名称・役割 略称 正式名称 役割 LIS Laboratory Information System 検体検査の受付・進捗・結果の管理 LAS Laboratory Automation System 分析装置を連ねた検体検査の自動化 RIS Radiology Information System 放射線検査の予約・受付・実施情報の管理、モダリティ連携 PACS Picture Archiving and Communication System 医用画像の保存・管理・配信 SPD Supply Processing and Distribution 医療材料などの物品の供給・在庫・搬送の一元管理 POCT Point of Care Testing 診療現場でその場で行う検査
用語 LIS Laboratory Information System(検体検査部門システム)。検体検査の受付・進捗・結果を管理し、分析装置や検査自動化システム(LAS)と連携する。 RIS Radiology Information System(放射線部門システム)。放射線検査の予約・受付・実施情報の管理や、撮影装置(モダリティ)との連携を担う。 PACS Picture Archiving and Communication System(医用画像管理システム)。CT・MRIなどの医用画像を保存・管理し、院内に配信するシステム。RISや読影レポートシステムと連携する。 SPD Supply Processing and Distribution。医療材料などの物品の供給・在庫・搬送を一元管理する物流管理の仕組み。物品コードによる管理は病院経営にも寄与する。 POCT Point of Care Testing。中央検査室ではなく、診療の現場(ベッドサイドや外来)でその場で行う検査。迅速に結果が得られる。 コンピュータクロスマッチ 輸血の適合性を、血液型や不規則抗体などの検査データに基づいてコンピュータ上で照合する方法。輸血部門システムの機能の一つ。 電子薬歴システム 調剤薬局で患者の服薬歴や指導内容を電子的に記録するシステム。処方監査や服薬指導に活用される。 日レセ 日医標準レセプトソフト。日本医師会が提供するレセプトコンピュータ用ソフトウェアで、診療所を中心に広く使われている。
例題
例題:RISとPACSの役割の違いは何か。
答えと考え方 RISは放射線検査の予約・受付・実施情報の管理を担い、PACSは撮影された医用画像の保存・管理・配信を担う。両者は連携して放射線部門の業務を支える。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.9.3(看護業務支援), SBO 2.10.1〜2.10.2・2.10.7・2.10.10・2.10.11・2.10.14〜2.10.15(薬剤・検体検査・放射線・輸血・リハビリ・給食・物流), SBO 2.7.1(歯科), SBO 5.2.1〜5.2.3(診療所), SBO 5.5.1(薬局)
確認問題(35問) 四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|基幹システム
病院情報システムの基幹システムの組合せとして適切なのはどれか。
RIS・PACS・LIS・内視鏡部門システム オーダエントリシステム・電子カルテシステム・医事会計システム 給食システム・物流システム・輸血システム・内視鏡部門システム 財務会計システム・給与管理システム・勤怠管理システム 正解と解説 正解:B. オーダエントリシステム・電子カルテシステム・医事会計システム 病院情報システムの基幹はオーダエントリシステム・電子カルテシステム・医事会計システムであり、これらが部門システムと連携して診療業務全体を支える。RIS・PACS・LISや給食・物流・輸血は部門システムであり、給与・勤怠管理は診療系の基幹システムではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.1・2.2.1(医療情報システムの全体像・病院情報システムの概要)
問2|部門システム
病院情報システムのうち部門システムに該当するのはどれか。
医事会計システム 電子カルテシステム 検体検査部門システム オーダエントリシステム 正解と解説 正解:C. 検体検査部門システム 検体検査部門システム(LIS)は検体検査部門の業務を支援する部門システムである。医事会計システム・電子カルテシステム・オーダエントリシステムは病院情報システムの基幹システムに位置づけられる。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.1(医療情報システムの定義と構成)
問3|リンク参照型
病院情報システムにおけるデータの持ち方のうち「リンク参照型」の説明として適切なのはどれか。
データ本体は部門システム側に置き、基幹システムからは参照リンクを通じて表示する方式 部門システムのデータを基幹システム側にすべて複製して保持し、基幹システムから表示する方式 自由記載の文章をそのままの形で保存し、項目に分けない方式 データを項目ごとに定義し、決められた形式で保存する方式 正解と解説 正解:A. データ本体は部門システム側に置き、基幹システムからは参照リンクを通じて表示する方式 リンク参照型はデータ本体を部門システム側に置いたまま、基幹システムからリンクで参照・表示する方式である。基幹側に複製して保持するのはデータ取り込み型で、自由記載文の保存は非構造化データ、項目定義による保存は構造化データの説明である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.2.3(診療データの持ち方・リンク参照型とデータ取り込み型)
問4|監査証跡
病院情報システムにおける監査証跡の目的として適切なのはどれか。
利用者の操作に対するシステムの応答時間を短縮し、日常業務の処理を速くすること 実施された診療行為から診療報酬を自動的に計算する 保存データを圧縮してディスクの使用量を削減する 誰が・いつ・どの情報にアクセスしたかを記録し、事後に検証できるようにする 正解と解説 正解:D. 誰が・いつ・どの情報にアクセスしたかを記録し、事後に検証できるようにする 監査証跡はアクセスや操作の記録(ログ)を残すことで、不正アクセスの抑止と事後の検証を可能にする基盤機能である。応答時間の短縮や診療報酬の計算、ディスク使用量の削減は監査証跡の目的ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.3.1(病院情報システムの基盤・監査証跡)
問5|DWH
DWH(データウェアハウス)の説明として適切なのはどれか。
医薬品を保管する倉庫の温度や湿度を一定に保ち、医薬品の品質を維持するために設置される管理装置である 業務システムに蓄積されたデータを、分析や二次利用のために統合・再構成して蓄積するデータベースである 医師が日々のオーダ入力を行うために診察室に置かれる端末である 紙カルテを保管する書庫の出し入れを記録する管理台帳である 正解と解説 正解:B. 業務システムに蓄積されたデータを、分析や二次利用のために統合・再構成して蓄積するデータベースである DWHは基幹・部門システムに蓄積されたデータを分析・二次利用のために統合・再構成して蓄積するデータベースで、経営分析や臨床研究などに活用される。倉庫の温度管理装置やオーダ入力端末、紙カルテの管理台帳ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.3.1・2.4.6(病院情報システムの基盤・DWH)
問6|HISの要件
病院情報システムに求められる要件として適切でないのはどれか。
電源やデータの冗長化によって、障害の発生に備えておく 利用者の操作性と画面のレスポンスに配慮する 夜間・休日はシステムを完全に停止する運用を前提とする 患者情報を守るためデータの機密性を確保する 正解と解説 正解:C. 夜間・休日はシステムを完全に停止する運用を前提とする 診療は24時間365日続くため、夜間・休日の完全停止を前提とした運用は病院情報システムでは許されず、確実な処理と安定性が求められる。冗長化による障害への備え、操作性とレスポンスへの配慮、データの機密性の確保はいずれも求められる要件である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.2.5(病院情報システムに求められる要件)
問7|発生源入力
オーダエントリシステムにおける「発生源入力」の説明として適切なのはどれか。
指示を出す医師など情報の発生源となる本人がその場で入力すること 事務職員が紙の伝票を集めて、診療が終わった後にまとめて入力すること 患者自身が診察の前に自分でオーダを入力すること 紙の伝票をスキャンして画像として保存しておくこと 正解と解説 正解:A. 指示を出す医師など情報の発生源となる本人がその場で入力すること 発生源入力は、指示を出した医師など情報の発生源となる本人がその場で直接入力することで、転記による誤りや伝達の遅れを減らすオーダエントリシステムの基本的な考え方である。事務職員によるまとめ入力や伝票のスキャンは発生源入力ではなく、オーダは患者が入力するものでもない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(オーダエントリシステムの概要・オーダの入力操作)
問8|処方オーダ
入院患者に対する処方オーダの一般的な流れとして適切なのはどれか。
医事課が処方の内容を決めて薬剤部門に伝え、薬剤師に調剤を依頼したうえで病棟に届けてもらう 看護師が処方オーダを入力し、そのまま病棟で調剤して患者に渡す 医師が処方オーダを入力し、薬剤部門に伝達され、薬剤師が処方監査・調剤を行って病棟に払い出す 会計が終了した処方のみが薬剤部門に伝達され、調剤される 正解と解説 正解:C. 医師が処方オーダを入力し、薬剤部門に伝達され、薬剤師が処方監査・調剤を行って病棟に払い出す 処方オーダは医師が入力し、薬剤部門システムに伝達される。薬剤師が処方監査を行ったうえで調剤し、調剤監査を経て病棟へ払い出す。処方内容を決めるのは医師であり医事課ではない。調剤は薬剤師の業務であり、会計の完了はオーダ伝達の前提条件ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(オーダエントリシステムと部門システムとの連携), SBO 2.10.1(薬剤部門業務に関するシステム)
問9|検体ラベル
検体検査オーダに基づいて発行される採血管ラベルの主な役割はどれか。
採血を担当した看護師の氏名と勤務した時間を記録として残す 採血管に貼付し、検体と患者・オーダ情報を正しく対応づける 検査結果を印刷して患者に通知するために用いる 採血管の製造年月日と使用期限を表示する 正解と解説 正解:B. 採血管に貼付し、検体と患者・オーダ情報を正しく対応づける オーダ情報に基づいて発行されるラベルを採血管に貼付することで、検体がどの患者のどのオーダのものかを一意に対応づけ、取り違えを防止する。勤務時間の記録や結果通知、製造年月日の表示はラベルの役割ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(オーダエントリシステムと部門システムとの連携), SBO 2.10.2(採血支援システム)
問10|3点認証
注射実施時の3点認証で照合する組合せとして適切なのはどれか。
患者・病室・時刻 医師・看護師・薬剤師 薬剤・伝票・診療録 患者・薬剤・実施者 正解と解説 正解:D. 患者・薬剤・実施者 3点認証では、患者のリストバンド、薬剤、実施者(職員)のバーコード等を照合し、正しい患者に正しい薬剤を正しい実施者が投与することを確認して誤投与を防ぐ。病室や時刻、職種の組合せや伝票・診療録の照合は3点認証の対象ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(オーダの実施入力), SBO 2.9.3(携帯情報端末による看護業務支援)
問11|オーダの種類
オーダエントリシステムで扱う一般的なオーダに該当しないのはどれか。
職員の勤務シフトの指示 医師が入力する処方オーダ 採血を伴う検体検査オーダ 入院患者の給食(食事)オーダ 正解と解説 正解:A. 職員の勤務シフトの指示 オーダエントリシステムが扱うのは、処方・注射・検体検査・生理検査・放射線検査・処置・手術・輸血・給食(食事)・リハビリなど患者の診療に関する医師の指示である。職員の勤務シフトは勤務管理システムの扱う情報であり、診療のオーダには該当しない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(オーダの種類)
問12|代行入力と承認
医師の指示の代行入力について適切なのはどれか。
代行入力を行った者の権限で、承認まで完了してよい 医師の指示の代行入力は、法令によって職種を問わず一切禁止されている 代行入力された内容は、医師の承認を経ずに確定する 代行入力された内容は指示した医師本人が確認して承認する必要がある 正解と解説 正解:D. 代行入力された内容は指示した医師本人が確認して承認する必要がある 医師事務作業補助者などによる代行入力は認められているが、入力内容は指示した医師本人が確認して承認(確定)しなければならない。代行入力者が承認まで行うことや、承認なしの確定は責任の所在を損なうため不適切であり、代行入力自体が禁止されているわけでもない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(代行入力と承認)
問13|実施入力
オーダの実施入力の説明として適切なのはどれか。
すでに入力されたオーダを取り消して、その指示をなかったことにするために行う入力である 指示された行為が実際に行われたことを記録する入力で、診療報酬請求の基礎データとなる 患者が自分の症状や体調を入力し、医師に伝えることである システムに障害が起きたことを管理者へ報告する入力である 正解と解説 正解:B. 指示された行為が実際に行われたことを記録する入力で、診療報酬請求の基礎データとなる 実施入力は、オーダで指示された検査・注射・処置などが実際に行われたことを記録する入力である。実施情報は診療の記録となると同時に医事会計システムへ連携され、診療報酬請求の基礎データとなる。オーダの取り消しや患者による症状入力、障害報告は実施入力ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(オーダの実施入力・診療報酬請求のための実施入力)
問14|障害時の遡及
システム障害時のオーダ運用として適切なのはどれか。
障害が続いている間に行った診療行為については、システムが復旧した後も記録を残さなくてよい 障害が復旧するまでの間、外来も入院もすべての診療を中止して待つ 障害中は紙の伝票などで運用し、復旧後に記録をシステムへ遡及入力して診療記録と会計情報を補完する 障害中に行った診療の会計データは、請求しないことにする 正解と解説 正解:C. 障害中は紙の伝票などで運用し、復旧後に記録をシステムへ遡及入力して診療記録と会計情報を補完する システム障害時は紙の伝票などの代替手段で診療を継続し、復旧後に紙の記録をもとにデータを遡及入力して、診療記録と診療報酬請求に必要な情報を補完する。診療行為を記録しない、診療を全面中止する、請求を放棄するといった対応は不適切である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.2(システム障害時のデータ遡及)
問15|電子カルテ
診療記録を電子カルテ化するメリットとして適切なのはどれか。
複数の職種・部署から同時に診療記録を参照できる 記載の誤りが自動的になくなり、確認が不要になる システム障害の影響を一切受けずに参照できる 紙カルテよりも必ず安価に運用することができる 正解と解説 正解:A. 複数の職種・部署から同時に診療記録を参照できる 電子カルテでは紙カルテと異なり、複数の職種・部署から同時に診療記録を参照でき、検索・集計も容易になる。一方、記載の誤りがなくなるわけではなく、障害時には参照できなくなるおそれがあり、導入・運用には相応の費用がかかるため、他の選択肢は誤りである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.1(カルテを電子化することのメリット)
問16|テンプレート
電子カルテのテンプレート機能の説明として適切なのはどれか。
実施した診療行為をもとに診療報酬を自動的に計算し、レセプトを作成して請求まで行う機能 医用画像を圧縮して保存し、記憶装置の容量を節約する機能 利用者のパスワードを登録し、有効期限を管理する機能 定型的な項目をあらかじめ用意し、選択・入力により構造化された記録を効率よく作成する機能 正解と解説 正解:D. 定型的な項目をあらかじめ用意し、選択・入力により構造化された記録を効率よく作成する機能 テンプレートは、定型的な記載項目をあらかじめ用意しておき、選択式の入力で構造化された記録を効率よく作成する機能である。記録の標準化と後の集計・分析に役立つ。診療報酬請求・画像圧縮・パスワード管理はテンプレート機能ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.1(診療記録の様式・診療記録の登録)
問17|クリニカルパス
クリニカルパスの説明として適切なのはどれか。
患者ごとに毎回ゼロから作成するもので、入院に必要な費用をあらかじめ見積もった個別の会計上の計画である 疾患や治療ごとに標準的な診療計画を時系列にまとめたもので、計画からの逸脱をバリアンスとして管理する 地震や火災に備えて対応手順を定めた病院の防災マニュアルである 医薬品の入庫と払い出しを記録し、在庫を管理する台帳である 正解と解説 正解:B. 疾患や治療ごとに標準的な診療計画を時系列にまとめたもので、計画からの逸脱をバリアンスとして管理する クリニカルパスは疾患や治療ごとに検査・処置・ケアなどの標準的な診療計画を時系列にまとめたもので、電子カルテ・オーダエントリシステムと連携して運用され、計画からの逸脱はバリアンスとして記録・分析される。個別の会計計画や防災マニュアル、在庫台帳ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.6.3(クリニカルパスとは・電子カルテ/オーダエントリシステムとの連携)
問18|スキャン取込
紙の文書をスキャンして電子カルテに取り込み保存する運用として適切なのはどれか。
内容が読み取れない画質でも、画像として残っていればよい 数か月分をまとめて、後から一度に取り込めばよい 情報が読み取れる品質で遅滞なく取り込み、元の文書との同一性を確保する スキャンを行った後の紙の文書は、例外なく必ず即日廃棄しなければならない 正解と解説 正解:C. 情報が読み取れる品質で遅滞なく取り込み、元の文書との同一性を確保する スキャンによる電子保存では、情報が欠落せず読み取れる品質で遅滞なく取り込み、元の文書との同一性を確保する運用が求められる。読み取れない画質や長期間の放置は不適切であり、スキャン後の紙の扱いは施設の運用で定めるもので即日廃棄が義務づけられているわけではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.4(スキャンシステム・電子化して保存する場合の運用)
問19|患者登録受付
医事会計システムにおける患者登録・受付の説明として適切なのはどれか。
初診時に患者基本情報を登録して患者IDを発行し、再来時は再来受付機などで受付する 患者が来院して受付をするたびに、その都度新しい患者IDを発行して別々に管理する 患者基本情報の登録は、退院のときにまとめて行う 再来受付機は、会計の精算だけを行うための専用装置である 正解と解説 正解:A. 初診時に患者基本情報を登録して患者IDを発行し、再来時は再来受付機などで受付する 初診時に氏名・生年月日などの患者基本情報を登録して患者IDを発行し、再来時は診察券などを用いて再来受付機で受付する。患者IDは同一患者に一貫して用いるもので受付ごとに発行せず、登録は診療の前に行う。再来受付機は受付用であり、精算は自動精算機が担う。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.8.2(患者登録・受付・再来受付機との連携)
問20|レセプト
診療報酬明細書(レセプト)について正しいのはどれか。
診療を行うたびに、その日のうちに医療費を請求する 患者に窓口で渡す領収書のことである 年に1回、1年分をまとめて作成する 患者ごとに月単位で作成し、審査支払機関に請求する 正解と解説 正解:D. 患者ごとに月単位で作成し、審査支払機関に請求する レセプトは保険診療の費用を請求するため患者ごとに月単位で作成し、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険団体連合会)に請求する。診療の都度や年1回の請求ではなく、患者に渡す領収書とも別のものである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.8.4(診療報酬明細書の発行・レセプト電算処理システム)
問21|査定と返戻
レセプトの「返戻」の説明として適切なのはどれか。
審査によって請求した点数の一部が減点されること 記載不備などの理由でレセプトが医療機関に差し戻されること 窓口で多く徴収しすぎた医療費の差額を、後日患者に返金すること 請求の手続きを翌月まで保留しておくこと 正解と解説 正解:B. 記載不備などの理由でレセプトが医療機関に差し戻されること 返戻は、病名の記載漏れなどの不備を理由にレセプトが審査支払機関から医療機関に差し戻されることで、医療機関は修正のうえ再請求する。審査による減点は査定であり、患者への返金や請求保留は返戻とは別の事柄である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.8.4(査定・返戻・過誤調整・請求保留レセプトなどの進捗管理)
問22|レセ電算
レセプト電算処理システムに関する記述として、正しいのはどれか。
紙で作成したレセプトを、毎月まとめて郵送や持参によって審査支払機関の窓口へ直接提出する仕組みである 診療報酬明細書を電子データとして作成し、オンラインまたは電子媒体で審査支払機関に提出する仕組みである 患者が自分の医療費の内訳をスマートフォンで確認するためのサービスである 医薬品の在庫を把握し、不足分を発注するためのシステムである 正解と解説 正解:B. 診療報酬明細書を電子データとして作成し、オンラインまたは電子媒体で審査支払機関に提出する仕組みである レセプト電算処理システムは、診療報酬明細書(レセプト)を厚生労働省が定めたレセプト電算コードに基づく電子データとして作成し、オンラインまたは電子媒体で審査支払機関へ提出する仕組みである。紙の郵送は電子化前の方法、医療費の確認サービスや在庫発注は別のシステムであり、いずれもレセプト電算処理システムの説明ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4(医事会計システム・レセプト電算処理)
問23|医療文書支援
医療文書作成支援システムの説明として適切なのはどれか。
診断書や診療情報提供書(紹介状)などの文書を、患者基本情報や診療記録を引用して効率よく作成できるシステム 作成したレセプトを審査支払機関へオンラインで送信し、請求を行うシステム 医薬品の在庫数を把握し、発注と払い出しを管理するシステム CTやMRIなどで撮影した医用画像を長期にわたり保存・管理し、院内の端末や診察室に配信するシステム 正解と解説 正解:A. 診断書や診療情報提供書(紹介状)などの文書を、患者基本情報や診療記録を引用して効率よく作成できるシステム 医療文書作成支援システムは、診断書・診療情報提供書などの医療文書を、患者基本情報や診療記録・検査結果を引用しながら効率よく作成できるようにするシステムである。レセプトの送信は医事会計・レセプト電算処理、在庫管理は薬剤・物流システム、画像の保存・配信はPACSの役割である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.3(医療文書作成支援システム)
問24|RISの役割
RIS(放射線部門システム)の主な役割はどれか。
撮影した医用画像を長期にわたって保存し、院内の端末に配信する 検体検査の受付や進捗、検査結果を管理する 医療材料の在庫と物流を一元的に管理する 放射線検査の予約・受付・実施情報を管理し、撮影装置と連携する 正解と解説 正解:D. 放射線検査の予約・受付・実施情報を管理し、撮影装置と連携する RIS(Radiology Information System)は放射線検査の予約・受付・実施情報の管理や撮影装置(モダリティ)との連携を担う。医用画像の保存・配信はPACS、検体検査の管理はLIS、物流管理はSPDの役割であり、取り違えないよう注意する。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.10.7(放射線部門システム RIS・モダリティとの連携)
問25|PACSの役割
PACSの主な役割はどれか。
放射線検査の予約枠を管理し、受付や実施情報を扱う CT・MRIなどの医用画像を保存・管理し、院内に配信する 処方内容の監査と調剤の業務を支援し、患者ごとの薬歴を管理する 診療報酬を計算してレセプトを作成する 正解と解説 正解:B. CT・MRIなどの医用画像を保存・管理し、院内に配信する PACS(Picture Archiving and Communication System)は医用画像管理システムであり、CT・MRIなどの画像を保存・管理して院内に配信する。予約管理はRIS、調剤支援は薬剤部門システム、レセプト作成は医事会計システムの役割である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.4.5・2.10.7(PACS・画像情報を扱うシステム)
問26|LISの役割
LISの説明として適切なのはどれか。
放射線検査の予約や実施情報を管理するシステム 撮影した医用画像を保存し、院内の各端末に配信するシステム 検体検査部門で検査の受付・進捗・結果を管理するシステム 医療材料の在庫と供給を一元的に管理するシステム 正解と解説 正解:C. 検体検査部門で検査の受付・進捗・結果を管理するシステム LIS(Laboratory Information System)は検体検査部門システムであり、検査の受付・進捗・結果の管理を担い、分析装置や検査自動化システム(LAS)と連携する。放射線検査の管理はRIS、画像の保存・配信はPACS、材料の在庫管理はSPDの役割である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.10.2(検体検査部門システム LIS)
問27|SPDの役割
SPDの説明として適切なのはどれか。
医療材料などの物品の供給・在庫・搬送を一元管理する仕組み 医用画像を長期にわたり保存し、院内の端末に配信するシステム 検体検査の受付と進捗、結果を管理するシステム 放射線検査の予約と実施情報を管理するシステム 正解と解説 正解:A. 医療材料などの物品の供給・在庫・搬送を一元管理する仕組み SPD(Supply Processing and Distribution)は、医療材料などの物品の供給・在庫・搬送を一元管理する物流管理の仕組みで、物品コードによる管理は病院経営にも寄与する。画像の保存・配信はPACS、検体検査の結果管理はLIS、放射線検査の管理はRISの役割である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.10.15(物流部門業務・用度部門・SPDの業務)
問28|略称と正式名
部門システムの略称と正式名称の組合せとして正しいのはどれか。
RIS — Regional Integrated Information System LIS — Logistics Information Management System SPD — Standard Procedure Documentation Management PACS — Picture Archiving and Communication System 正解と解説 正解:D. PACS — Picture Archiving and Communication System PACSはPicture Archiving and Communication System(医用画像管理システム)の略で正しい。RISはRadiology Information System(放射線部門システム)、LISはLaboratory Information System(検体検査部門システム)、SPDはSupply Processing and Distribution(物品の供給・在庫・搬送の一元管理)の略である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.10.2・2.10.7・2.10.15(LIS・RIS/PACS・SPD)
問29|略称と役割
部門システムの略称と役割の組合せとして誤っているのはどれか。
RIS — 放射線検査の予約・受付・実施情報の管理 LIS — 医用画像の保存・管理・配信 SPD — 医療材料などの物品の供給・在庫・搬送の一元管理 PACS — 医用画像の保存・管理・配信 正解と解説 正解:B. LIS — 医用画像の保存・管理・配信 LIS(Laboratory Information System)は検体検査部門システムであり、検査の受付・進捗・結果の管理を担う。医用画像の保存・管理・配信はPACSの役割であるため、この組合せが誤りである。RIS・SPD・PACSの組合せはいずれも正しい。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.10.2・2.10.7・2.10.15(LIS・RIS/PACS・SPD)
問30|輸血部門
輸血部門システムの機能として適切なのはどれか。
手術や処置に用いる器材の滅菌処理の履歴を記録し、使用した患者や手術と対応づけて管理する 入院患者の食事の献立と食数を管理し、治療食にも対応する 血液型・不規則抗体などの検査データや血液製剤・輸血歴を管理し、コンピュータクロスマッチを支援する 放射線治療における照射線量と照射する範囲を計画して管理する 正解と解説 正解:C. 血液型・不規則抗体などの検査データや血液製剤・輸血歴を管理し、コンピュータクロスマッチを支援する 輸血部門システムは、血液型・不規則抗体検査などの患者検査データ、血液製剤のロット・在庫、患者の輸血歴・副作用を管理し、交差適合試験を電子的に照合するコンピュータクロスマッチを支援する。器材の滅菌履歴は滅菌物管理、献立・食数は給食部門、照射計画は放射線治療のシステムが担う。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.10.10(輸血部門システム・コンピュータクロスマッチ・血液製剤の管理)
問31|給食部門
栄養・給食部門システムの機能として適切なのはどれか。
食事オーダに基づき、アレルギーや治療食に対応した献立・食数管理を行い、入退院や食止めの情報と連携する 職員食堂の売上と利用者数を日ごとに集計して管理する 検体検査のオーダに基づいて、患者情報を印字した検体ラベルを発行する 放射線科医が撮影された医用画像について読影レポートを作成し、依頼元の診療科や主治医へ配信する 正解と解説 正解:A. 食事オーダに基づき、アレルギーや治療食に対応した献立・食数管理を行い、入退院や食止めの情報と連携する 栄養・給食部門システムは食事オーダに基づく献立・食数管理を行い、アレルギーや治療食に対応し、入退院・外泊・食止めの情報と連携して誤配膳や無駄を防ぐ。職員食堂の売上管理は対象外で、検体ラベルの発行は検体検査部門、読影レポートは放射線部門のシステムの機能である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.10.14(栄養・給食部門システム・食事オーダ・入退院との連携)
問32|看護支援
看護業務支援システムの機能として適切なのはどれか。
実施した診療行為から診療報酬を計算し、患者ごとに月単位のレセプトを発行する 処方内容を確認して調剤の監査を行い、薬歴を記録する 撮影された医用画像の読影を行い、レポートを作成する 看護計画の作成や経過記録、バイタルサインの経過表(温度板)の管理などを支援する 正解と解説 正解:D. 看護計画の作成や経過記録、バイタルサインの経過表(温度板)の管理などを支援する 看護業務支援システムは、看護過程に沿った看護計画の作成、経過記録、バイタルサインを時系列で表示する経過表(温度板)、勤務管理など看護業務を支援する。レセプト発行は医事会計、調剤監査は薬剤部門、読影は放射線部門のシステムの機能である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.9.2〜2.9.3(看護管理業務・看護業務支援に関するシステム)
問33|薬局システム
調剤薬局(保険薬局)の情報システムについて適切なのはどれか。
薬局ではレセプトコンピュータは使用されておらず、調剤報酬の請求はすべて手書きで行う 電子薬歴システムにより患者の服薬歴や指導内容を記録し、処方監査や服薬指導に活用する 自動錠剤分包機は情報システムと連携できず、手作業で設定する お薬手帳は紙のものしか認められておらず、電子版は使えない 正解と解説 正解:B. 電子薬歴システムにより患者の服薬歴や指導内容を記録し、処方監査や服薬指導に活用する 調剤薬局では電子薬歴システムで服薬歴・指導内容を記録し、処方監査や服薬指導に活用する。薬局でも調剤報酬請求のためレセプトコンピュータが使われ、自動錠剤分包機や調剤監査システムは処方情報と連携して動作する。お薬手帳には電子版お薬手帳も普及している。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.5.1(薬局の情報システム・電子薬歴システム・電子版お薬手帳)
問34|診療所
診療所の情報システムの特徴として適切なのはどれか。
病院と同様に多数の部門システムを備えることが必須である 日医標準レセプトソフト(日レセ)は画像を扱う放射線部門システムである レセプトコンピュータと電子カルテを一体型で導入する形態が多い 診療所には電子カルテの導入が法令で義務づけられている 正解と解説 正解:C. レセプトコンピュータと電子カルテを一体型で導入する形態が多い 診療所は病院に比べて規模が小さく、レセプトコンピュータと電子カルテを一体型で導入する形態が多い。多数の部門システムの整備は必須ではなく、日レセは日本医師会が提供するレセプトコンピュータ用ソフトである。電子カルテの導入は法令上の義務ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.1〜5.2.3(診療所のIT化・レセプトコンピュータ・電子カルテ)
問35|歯科システム
歯科診療に関するシステムの特徴として適切なのはどれか。
歯の部位(歯式)の概念を扱える点が医科のシステムと異なる特徴である 歯科には標準病名マスターが存在せず、独自の病名を使う 歯科技工の指示は口頭での伝達が原則であり、記録は不要である 歯科では画像を扱うシステムは使用されておらず、記録はすべて文字だけである 正解と解説 正解:A. 歯の部位(歯式)の概念を扱える点が医科のシステムと異なる特徴である 歯科の診療録は歯の部位(歯式)ごとに処置や経過を扱う必要があり、部位の概念を扱える点が医科と大きく異なる。標準歯科病名マスターが整備されており、歯科技工には技工指示書が用いられる。歯科でもエックス線画像などを扱う画像システムが使用される。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医療情報システム系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.7.1(歯科診療に関するシステム・部位の概念・標準歯科病名マスター・技工指示書)
演習:この章の問題を解く ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
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※ 解説は学習用の情報提供です。医療上の助言ではありません。最新の試験実施要項は医療情報技師育成部会の公式発表をご確認ください。 ※ 出題は日本医療情報学会 医療情報技師育成部会が公開する「医療情報技師 到達目標」(v7・GIO/SBO/キーワード)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。合格基準は非公開のため、本サイトの到達度は独自の目安です。試験の実施要項は育成部会の公式発表をご確認ください。