仮の宿 学習室

第二種電気工事士 ELECTRICIAN CLASS 2

配電理論と配線設計

講義 4 本・確認問題 30 問 | 一般問題(本試験 30問程度) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 配電方式:単相2線式・単相3線式・三相3線式
  2. 電圧降下と電力損失
  3. 許容電流と電流減少係数
  4. 幹線・分岐回路と過電流遮断器
  5. 確認問題(30問)
  6. 演習ツール

1. 配電方式:単相2線式・単相3線式・三相3線式

住宅や小さな工場に電気を届ける線のつなぎ方(配電方式)には、主に3つの型があります。それぞれの電線の本数と、どの線の間に何ボルトがかかるかを押さえます。

電力会社の電柱の上の変圧器(へんあつき=電圧を変える機器)から、建物の中の照明やコンセントまで電気を届ける線のつなぎ方を配電方式(はいでんほうしき)といいます。試験センターは第二種の学科試験の範囲の一つとして「配電理論及び配線設計」を挙げ、その中に「配電方式」「引込線」「配線」を入れています。例題の解説では、100 Vの単相2線式と100/200 Vの単相3線式の特徴を理解することが求められています。

単相2線式(たんそう にせんしき)

電線2本で電気を送る方式です。2本の間の電圧は100 Vです。電流は行きの線を通って負荷(ふか=電気を使う機器)に入り、帰りの線を通って戻ります。そのため、電流は2本の線の両方を流れることを覚えておきます。この点は次の講義の電圧降下の計算で大切になります。

単相3線式(たんそう さんせんしき)

電線3本で送る方式で、いまの住宅で広く使われています。3本のうち真ん中の線を中性線(ちゅうせいせん)、残りの2本を外線(がいせん)と呼びます。外線と中性線の間は100 V、外線と外線の間は200 Vです(図1)。100 Vの照明やコンセントと、200 Vのエアコンなどを、同じ引込みから使えます。

電源(変圧器)ANB中性線100 V100 V200 V
図1 単相3線式(100/200 V)。A–N間とN–B間は100 V、A–B間は200 V

中性線を流れる電流は、上と下の100 V側の電流の差になります。負荷が抵抗だけ(電熱器や白熱電球のように電流と電圧の向きがそろう負荷)で、上側が15 A、下側が9 Aなら、中性線には15−9=6 Aが流れます。上下の電流が等しいとき(平衡〔へいこう〕しているとき)は、中性線の電流は0 Aです。

中性線が切れると危ないのも単相3線式の大事な点です。中性線が切れると、上下の100 V負荷は直列(ちょくれつ=1本の道に並ぶつなぎ方)になり、200 Vがかかります。電圧は抵抗の大きさの比で分かれるので、消費電力の小さい(抵抗の大きい)負荷に100 Vより高い電圧がかかり、機器がこわれるおそれがあります。

三相3線式(さんそう さんせんしき)

電線3本で三相交流を送る方式です。200 Vの三相3線式では、3本のどの2本の間も200 Vです。工場や店のモーター(電動機)など「動力」に使われます。三相の電力は、電圧をV、線を流れる電流をI、力率(りきりつ)をcosθとすると、P=√3 VI cosθ で求めます(dk1で学んだ式)。

電力会社が守る電圧の幅

電気事業法施行規則第38条は、電気を届ける場所で維持すべき電圧の値を決めています(2026年10月時点)。

表1 標準電圧と維持すべき値(電気事業法施行規則第38条)
標準電圧維持すべき値範囲にすると
100 V101 Vの上下6 Vを超えない値95 V以上 107 V以下
200 V202 Vの上下20 Vを超えない値182 V以上 222 V以下

コンセントの電圧が少し100 Vからずれていても、この範囲に入っていれば決まりの中です。電圧降下(次の講義)を考えるときの目安にもなります。

注意:このページは試験勉強のためのものです。一般用電気工作物等の電気工事の作業は、電気工事士の免状を持つ人でなければ行えません(電気工事士法第3条。経済産業省令で定める軽微な作業を除く)。資格のない人が配線を変えると、法律違反になるうえ、感電や火災の危険があります。

用語

配電方式
電気を負荷まで届けるための、電線の本数と電圧のとり方。
中性線
単相3線式の真ん中の線。外線との間が100 Vになる。
平衡
単相3線式で、上下の100 V側の電流が等しい状態。中性線の電流は0 A。
負荷
電気を使う機器や回路のこと。
三相3線式
3本の線で三相交流を送る方式。200 Vなら、どの2本の間も200 V。

例題

例題:単相3線式100/200 Vの回路で、上側の100 V負荷に12 A、下側の100 V負荷に20 Aが流れています(どちらも抵抗負荷)。中性線を流れる電流は何Aですか。
答えと考え方 中性線の電流は上下の電流の差です。20−12=8 A。足し算(32 A)ではない点に注意します。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験のポイント」、電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」、電気事業法施行規則 第38条(e-Gov法令検索)、電気工事士法 第3条(e-Gov法令検索)(2026年10月16日確認)

2. 電圧降下と電力損失

電線にもわずかな抵抗があるため、電流が流れると電線の中で電圧が下がり(電圧降下)、熱として電力が失われます(電力損失)。配電方式ごとの式を覚え、計算できるようにします。

電線は銅などでできていますが、抵抗は0ではありません。電線に電流が流れると、オームの法則(V=IR)により電線の中で電圧が使われ、負荷にかかる電圧は電源より小さくなります。これを電圧降下(でんあつこうか)といいます。また、電線の抵抗で熱が出て、電力が失われます。これを電力損失(でんりょくそんしつ)といい、P=I²R で求めます。

試験センターの例題でも、単相2線式の電圧降下を、電線の抵抗の計算とオームの法則で求める問題が出ています。以下では、電線1本の抵抗をr〔Ω〕、線を流れる電流をI〔A〕とし、負荷は抵抗だけ(力率1)とします。

単相2線式

電源rr負荷I →← I
図2 単相2線式の電線路。行きの線と帰りの線の両方に抵抗 r がある

電流は行きの線と帰りの線の両方を流れます(図2)。そのため、電線2本分の電圧降下があります。

電圧降下 v=2Ir、電力損失 P=2I²r

電線の抵抗が「1 kmあたり◯Ω」で与えられたら、まず電線1本の長さぶんの抵抗rを出します。例:1 kmあたり8 Ωの電線を25 m使うと、r=8×25÷1000=0.2 Ωです。「長さ25 m」は電源から負荷までの距離で、電線は行きと帰りの2本あることを忘れないようにします。

単相3線式

上下の負荷が平衡しているときは、中性線に電流が流れません。そのため、100 V側の電圧降下は外線1本分だけです。

平衡のとき:電圧降下(100 V側)v=Ir、電力損失 P=2I²r(電流が流れるのは外線2本だけ)

平衡していないときは、中性線にも差の電流が流れます。上側の電流をI₁、下側をI₂(I₁>I₂)とすると、中性線には I₁−I₂ が流れます。上側の負荷の電圧は「電源の電圧 − I₁r −(I₁−I₂)r」、下側の負荷の電圧は「電源の電圧 − I₂r +(I₁−I₂)r」です。中性線の電流の向きが、上側の回路と下側の回路で逆になるため、下側では電圧が上がる向きにはたらきます。

三相3線式

三相3線式の線間の電圧降下は、v=√3 Ir(√3≒1.73)です。電力損失は電線3本分で、P=3I²rです。

表1 配電方式ごとの式(電線1本の抵抗 r、線電流 I、負荷は抵抗だけ)
配電方式電圧降下電力損失
単相2線式2Ir2I²r
単相3線式(平衡)Ir(100 V側)2I²r
三相3線式√3 Ir3I²r

単相3線式のよい点

同じ電力を同じ太さの電線で送る場合をくらべます。単相2線式100 Vで電流Iが流れていたとすると、損失は2I²rです。同じ負荷を半分ずつに分けて平衡した単相3線式にすると、外線の電流は I/2 になり、損失は 2×(I/2)²×r=I²r/2。つまり損失は4分の1になります。電力損失は電流の2乗に比例するので、電流を半分にすると損失は4分の1、電流が2倍になると損失は4倍です。

電線を太くすると

電線の抵抗は、長さに比例し、断面積(だんめんせき=切り口の面積)に反比例します。太い電線ほど抵抗が小さく、電圧降下も電力損失も小さくなります。直径が2倍になると断面積は4倍、抵抗は4分の1です。

用語

電圧降下
電線の抵抗のために、負荷にかかる電圧が電源の電圧より下がること。
電力損失
電線の抵抗で熱になって失われる電力。I²Rで求める。
断面積
電線の切り口の面積。大きいほど抵抗が小さい。
力率
交流で、電圧と電流の向きのずれを表す値(cosθ)。抵抗だけの負荷では1。

例題

例題:単相2線式で、電線1本の抵抗が0.1 Ω、負荷電流が20 Aです(負荷は抵抗だけ)。電源の電圧が104 Vのとき、負荷にかかる電圧は何Vですか。
答えと考え方 電圧降下は v=2Ir=2×20×0.1=4 V。負荷の電圧は 104−4=100 V。電線1本分(2 V)だけ引いて102 Vとするのはよくある間違いです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」、電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験のポイント」(2026年10月16日確認)。式はオームの法則と電力の式(P=I²R)から導いたものです。

3. 許容電流と電流減少係数

電線には、安全に流し続けられる電流の上限(許容電流)があります。電線管に何本もまとめて入れると熱がこもるため、上限を下げて使います。その考え方を学びます。

電線に電流が流れると、電線の抵抗で熱が出ます(ジュール熱)。熱で電線の温度が上がりすぎると、電線を包む絶縁物(ぜつえんぶつ=電気を通さないビニルなどの被覆)が傷み、ショートや火災の原因になります。そこで、電線の種類・太さ・施設のしかたごとに、安全に流し続けてよい電流の上限が決められています。これを許容電流(きょようでんりゅう)といいます。

電気設備に関する技術基準を定める省令は、配線は施設場所の状況と電圧に応じて「感電又は火災のおそれがないように」施設すること(第56条)、電路の必要な場所に、過電流による過熱焼損から電線と電気機械器具を守る過電流遮断器を置くこと(第14条)を求めています。許容電流は、この「過熱させない」ための目安です。

許容電流を左右するもの

表1 許容電流が大きくなる条件・小さくなる条件
条件許容電流理由
電線が太い(断面積が大きい)大きくなる抵抗が小さく、熱が出にくい
周りの温度が高い小さくなる熱が逃げにくく、絶縁物の温度が上がりやすい
電線管に多くの電線をまとめて入れる小さくなるたがいの熱がこもる
熱に強い絶縁物を使う大きくなる高い温度まで傷まない

ただし、断面積が2倍になっても許容電流は2倍にはなりません。たとえば下の表2で、直径1.6 mm(断面積 約2.0 mm²)は27 A、直径2.0 mm(約3.1 mm²)は35 Aです。断面積は約1.56倍ですが、許容電流は約1.3倍です。許容電流は必ず表の値で確かめます。

電流減少係数

絶縁電線を金属管や合成樹脂管(電線管)に入れると、空気中に1本だけで張る場合より熱が逃げにくくなります。管に入れる本数が多いほど熱がこもります。そこで、もとの許容電流に1より小さい数をかけて、使える電流を小さくします。この数を電流減少係数(でんりゅうげんしょうけいすう)といい、本数が多いほど小さい値になります。

管に入れたときの許容電流=もとの許容電流×電流減少係数

例:直径2.0 mmの軟銅線(もとの許容電流35 A)を3本、同じ管に入れると、電流減少係数は0.70なので、35×0.70=24.5 Aです。係数で割ると50 Aになり、逆に大きくなってしまうので注意します。

許容電流と電流減少係数の値(解釈第146条)

電線の太さごとの許容電流と、本数ごとの電流減少係数は、経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」第146条第2項に表で定められています(2026年10月時点の最新は令和7年11月20日改正)。600 Vビニル絶縁電線(IV)などの絶縁電線が対象です。試験に出る範囲の値を次にまとめます。

表2 軟銅線の許容電流(解釈146-1表・146-2表から抜粋)
単線の直径許容電流より線の公称断面積許容電流
1.6 mm27 A2 mm²27 A
2.0 mm35 A3.5 mm²37 A
2.6 mm48 A5.5 mm²49 A
3.2 mm62 A8 mm²61 A
14 mm²88 A
表3 電流減少係数(解釈146-4表から抜粋)
同じ管に入れる電線の数電流減少係数
3本以下0.70
4本0.63
5本または6本0.56
7本以上15本以下0.49

表2の値には、周囲温度による許容電流補正係数もかけます。ビニル混合物(耐熱性のないもの)の絶縁物では、補正係数は √((60−θ)÷30)(θは周囲温度〔℃〕。30 ℃以下なら30とする)です。周囲温度が30 ℃以下なら √(30÷30)=1 なので、表2の値をそのまま使えます。電流減少係数をかけるのは、絶縁電線を合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴに収める場合です。

まとめ:電線管に入れた絶縁電線の許容電流=表2の値×温度の補正係数×電流減少係数。たとえば直径1.6 mmを3本入れると 27×1×0.70=18.9 A、直径2.6 mmを3本入れると 48×0.70=33.6 Aです。試験では、端数の扱いは問題文の指示に従います。

電線の太さと断面積

丸い電線(単線)の断面積は、半径をrとすると πr² です。直径2.0 mmなら半径1.0 mmなので、π×1.0²≒3.14 mm²です。直径を半径とまちがえて π×2.0²≒12.6 mm² としないようにします。

用語

許容電流
電線の温度が上がりすぎないように決められた、流し続けてよい電流の上限。
絶縁物
電線のまわりを包み、電気がもれないようにする材料。熱で傷む。
電流減少係数
電線管に複数の電線を入れるとき、許容電流にかける1より小さい数。本数が多いほど小さい。
周囲温度
電線のまわりの空気などの温度。高いほど許容電流は小さくなる。30 ℃を超えると補正係数が1より小さくなる。

例題

例題:直径2.6 mmの600 Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を同じ金属管に収めます。周囲温度は30 ℃以下です。電線1本の許容電流は約何Aですか。
答えと考え方 表2から直径2.6 mmは48 A、温度の補正係数は1、表3から4本の電流減少係数は0.63です。48×1×0.63=30.24なので約30 Aです。3本以下の係数0.70を使って33.6 Aとしないように、本数を数えてから係数を選びます。

根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov法令検索) 第14条・第56条、経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第146条第2項(146-1表・146-2表・146-3表・146-4表)、電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験のポイント」(2026年10月16日確認)

4. 幹線・分岐回路と過電流遮断器

引込口から入った電気は、幹線を通って分電盤に行き、そこで分岐回路に分かれて照明やコンセントに届きます。どこに何の遮断器を置き、どう選ぶのかを学びます。

電柱から建物に電気を引き込む線を引込線(ひきこみせん)、建物に入る場所を引込口(ひきこみぐち)といいます。引込口から入った電気は、次の順に流れます。

表1 建物の中の電気の流れ
順番名前はたらき
1引込口電気が建物に入る場所
2幹線(かんせん)引込口から分電盤までの太い線。建物全体の電流が流れる
3分電盤(ぶんでんばん)主開閉器・漏電遮断器・分岐用の遮断器をまとめた箱
4分岐回路(ぶんきかいろ)幹線から分かれて、照明・コンセント・エアコンなどに至る回路

電気設備に関する技術基準を定める省令第63条は、「低圧の幹線」「低圧の幹線から分岐して電気機械器具に至る低圧の電路」などに、適切な箇所に開閉器を施設し、過電流が生じた場合に保護できるよう過電流遮断器を施設することを求めています。

幹線を流れる電流

幹線には、その先につながるすべての負荷の電流が集まります。単相2線式100 Vで、1,500 W、1,000 W、500 Wの電熱器(抵抗負荷)を同時に使うと、電流は 1,500÷100+1,000÷100+500÷100=15+10+5=30 A です。幹線の電線は、この電流を安全に流せる太さにします。

過電流遮断器と漏電遮断器

過電流遮断器(かでんりゅうしゃだんき)は、決められた以上の電流(過電流)が流れたときに自動で電路を切る装置です。配線用遮断器(ブレーカー)やヒューズがあります。省令第14条は、過電流による過熱焼損から電線と電気機械器具を守り、火災を防ぐために、電路の必要な箇所に過電流遮断器を置くことを求めています。

漏電遮断器(ろうでんしゃだんき)は、電気が本来の道からもれて大地へ流れる地絡(ちらく)を見つけて電路を切る装置です。省令第15条は、地絡が生じた場合に電線や機器の損傷、感電、火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置をとることを求めています(乾燥した場所など危険のおそれがない場合を除く)。過電流遮断器は「電流が多すぎる」ことを、漏電遮断器は「電流がもれている」ことを見ている、と区別します。

遮断器の選び方の考え方

遮断器は、(1) ふだん使う負荷の電流では切れないこと、(2) 守る電線が過熱する前に切れること、の2つを満たすように選びます。小さすぎると、ふつうに使っているだけで切れてしまいます。大きすぎると、電線が過熱しても切れず、火災の原因になります。具体的な決まりは、経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」の第148条(幹線)と第149条(分岐回路)にあります(2026年10月時点の最新は令和7年11月20日改正)。試験では次の値を覚えて使います。

幹線の電線と遮断器(解釈第148条)

幹線の電線の許容電流は、その幹線から電気を受ける機器の定格電流の合計以上にします。ただし、電動機のように始動のとき大きな電流が流れる機器(電動機等)の定格電流の合計 IM が、ほかの機器の定格電流の合計 IH より大きいときは、次の値以上にします。

表2 幹線の電線の許容電流(IM>IH の場合)
電動機等の定格電流の合計 IM電線の許容電流
50 A以下IH+1.25×IM 以上
50 Aを超えるIH+1.1×IM 以上

幹線を守る過電流遮断器の定格電流は、原則として幹線の許容電流以下です。電動機等がつながる場合は「3×IM+IH」以下にでき、この値が幹線の許容電流の2.5倍を超えるときは「許容電流×2.5」以下とします。

分岐回路の遮断器を置く位置(解釈第149条第1項)

分岐回路の過電流遮断器は、幹線との分岐点から電線の長さが3 m以下の箇所に置くのが原則です。ただし、分岐点から遮断器までの電線の許容電流が、幹線を守る過電流遮断器の定格電流の35 %以上なら8 m以下の箇所に、55 %以上なら長さの制限なく置けます。

分岐回路の遮断器・電線・コンセント(解釈第149条第2項)

一般の分岐回路(電動機等だけに至る回路などを除く)では、遮断器の定格電流は50 A以下とし、遮断器の種類ごとに、電線(軟銅線)の太さと、つないでよいコンセントの定格が決まっています。

表3 分岐回路の遮断器・電線・コンセント(解釈149-1表・149-3表をまとめたもの)
分岐回路を守る過電流遮断器軟銅線の太さコンセントの定格電流
15 A以下直径1.6 mm以上15 A以下
15 Aを超え20 A以下の配線用遮断器直径1.6 mm以上20 A以下
15 Aを超え20 A以下(配線用遮断器以外。ヒューズなど)直径2.0 mm以上20 A(20 A未満の差込みプラグが接続できるものを除く)
20 Aを超え30 A以下直径2.6 mm以上20 A以上30 A以下(20 A未満の差込みプラグが接続できるものを除く)
30 Aを超え40 A以下断面積8 mm²以上30 A以上40 A以下
40 Aを超え50 A以下断面積14 mm²以上40 A以上50 A以下

同じ20 Aでも、配線用遮断器なら直径1.6 mmでよく、ヒューズなどなら直径2.0 mmが必要です。また、30 Aの遮断器の回路に15 Aのコンセントはつなげません(コンセントの定格が小さすぎる)。表の電線の太さは、軟銅線、またはこれと同等以上の許容電流があるものです。

注意:このページは試験勉強のためのものです。一般用電気工作物等の電気工事の作業は、電気工事士の免状を持つ人でなければ行えません(電気工事士法第3条。経済産業省令で定める軽微な作業を除く)。資格のない人が配線を変えると、法律違反になるうえ、感電や火災の危険があります。

用語

引込口
引込線から建物の中に電気が入る場所。
幹線
引込口から分電盤までの、建物全体の電流が流れる線。
分岐回路
幹線から分かれて、照明やコンセントなどの負荷に至る回路。
過電流遮断器
電流が多すぎるときに電路を切る装置。配線用遮断器やヒューズ。
漏電遮断器
地絡(電気のもれ)を見つけて電路を切る装置。
地絡
電気が本来の道を外れて、大地へ流れること。

例題

例題:低圧幹線に、定格電流の合計が60 Aの電動機と、定格電流の合計が20 Aの電熱器がつながっています(需要率・力率などは考えない)。幹線の電線の許容電流は何A以上必要ですか。
答えと考え方 電動機の合計60 Aは電熱器の合計20 Aより大きく、50 Aを超えるので倍率は1.1です。20+1.1×60=20+66=86 A以上です。1.25をかけて95 Aとしたり、単純に足して80 Aとしたりしないように、まず「電動機の合計が他より大きいか」「50 A以下か」を確かめます。

根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov法令検索) 第14条・第15条・第63条、経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第148条第1項・第149条第1項・第2項(149-1表・149-3表)、電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験のポイント」、電気工事士法 第3条(e-Gov法令検索)(2026年10月16日確認)

確認問題(30問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|単相3線式の電圧

単相3線式100/200 Vの配電で、2本の外線の間の電圧はどれか。

  1. 100 V
  2. 141 V
  3. 173 V
  4. 200 V
正解と解説
正解:D. 200 V

単相3線式では、外線と中性線の間が100 V、外線と外線の間が200 Vです。141 Vは100×√2、173 Vは100×√3で、どちらも単相3線式の外線間の電圧ではありません。100 Vは外線と中性線の間の電圧です。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験のポイント」、電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問2|三相3線式

200 Vの三相3線式について、正しいものはどれか。

  1. 3本の電線のどの2本の間も200 Vである
  2. 電線は4本あり、1本は必ず中性線である
  3. どの2本の間も200÷√3 Vである
  4. 主に家庭の100 Vコンセントに使われる
正解と解説
正解:A. 3本の電線のどの2本の間も200 Vである

200 Vの三相3線式は3本の線で送り、どの2本の間も200 Vです。電線は3本で、単相3線式のような中性線はありません。200÷√3(約115 V)はどの線間の電圧でもありません。主な用途は工場などの電動機(動力)で、家庭の100 Vコンセントは単相の回路から取ります。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験のポイント」(2026年10月16日確認)

問3|維持すべき電圧(100 V)

電気事業法施行規則で、標準電圧100 Vの場合に電気を供給する場所で維持すべき値の範囲はどれか(2026年10月時点)。

  1. 90 V以上110 V以下
  2. 95 V以上107 V以下
  3. 97 V以上103 V以下
  4. 101 V以上107 V以下
正解と解説
正解:B. 95 V以上107 V以下

施行規則第38条は、標準電圧100 Vでは「101 Vの上下6 Vを超えない値」を維持すべきとしています。101−6=95、101+6=107なので95 V以上107 V以下です。90〜110 Vは100 Vの上下10 V、97〜103 Vは100 Vの上下3 Vで、どちらも基準の値ではありません。101〜107 Vは上の幅だけを見た誤りです。

根拠:電気事業法施行規則 第38条(e-Gov法令検索)(2026年10月16日確認)

問4|維持すべき電圧(200 V)

電気事業法施行規則で、標準電圧200 Vの場合に維持すべき値の範囲はどれか(2026年10月時点)。

  1. 180 V以上220 V以下
  2. 190 V以上210 V以下
  3. 182 V以上222 V以下
  4. 196 V以上208 V以下
正解と解説
正解:C. 182 V以上222 V以下

施行規則第38条は、標準電圧200 Vでは「202 Vの上下20 Vを超えない値」としています。202−20=182、202+20=222です。180〜220 Vは中心を200 Vとした誤り、190〜210 Vと196〜208 Vは幅をまちがえています。

根拠:電気事業法施行規則 第38条(e-Gov法令検索)(2026年10月16日確認)

問5|平衡時の中性線電流
電源(変圧器)ANB中性線抵抗負荷抵抗負荷10 A →← 10 A
上側・下側とも10 Aの抵抗負荷

図の単相3線式回路で、上側と下側の100 V負荷にそれぞれ10 Aが流れている(どちらも抵抗負荷)。中性線を流れる電流はどれか。

  1. 0 A
  2. 5 A
  3. 10 A
  4. 20 A
正解と解説
正解:A. 0 A

中性線の電流は上下の電流の差です。10−10=0 Aで、平衡しているときは中性線に電流は流れません。20 Aは足し算をした誤り、10 Aは片側の電流をそのまま答えた誤り、5 Aは半分にした誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問6|不平衡時の中性線電流

単相3線式100/200 Vで、上側の100 V負荷に15 A、下側の100 V負荷に9 Aが流れている(どちらも抵抗負荷)。中性線を流れる電流はどれか。

  1. 24 A
  2. 6 A
  3. 12 A
  4. 0 A
正解と解説
正解:B. 6 A

抵抗負荷どうしなので、中性線の電流は上下の電流の差で 15−9=6 A です。24 Aは足し算、12 Aは平均、0 Aは平衡のときの値で、どれも誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問7|中性線の断線
電源(変圧器)ANB中性線100 V 200 W100 V 600 W断線
中性線が×の位置で切れた状態

図の単相3線式100/200 V回路で、上側に定格100 V・200 W、下側に定格100 V・600 Wの抵抗負荷がつながっている。中性線が×の位置で断線したとき、200 Wの負荷にかかる電圧はどれか。ただし、負荷の抵抗は変わらず、外線間の電圧は200 Vとする。

  1. 50 V
  2. 100 V
  3. 150 V
  4. 200 V
正解と解説
正解:C. 150 V

抵抗はR=V²/Pで、200 Wの負荷は100²÷200=50 Ω、600 Wの負荷は100²÷600≒16.7 Ωです。中性線が切れると2つは直列になり200 Vがかかります。電流は 200÷(50+16.7)=3 A、200 Wの負荷の電圧は 3×50=150 V です。50 Vは600 W側の電圧、100 Vは断線前の電圧、200 Vは全体の電圧です。消費電力の小さい負荷に高い電圧がかかる点が危険です。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問8|単相3線式と損失

同じ太さの電線で同じ抵抗負荷に電力を送る。単相2線式100 Vから、負荷を半分ずつに分けて平衡した単相3線式100/200 Vに変えると、電線路の電力損失は何倍になるか。

  1. 1/2倍
  2. 2倍
  3. 変わらない
  4. 1/4倍
正解と解説
正解:D. 1/4倍

単相2線式で電流Iなら損失は2I²r。単相3線式(平衡)では外線の電流がI/2、中性線は0なので、損失は2×(I/2)²×r=I²r/2。I²r/2÷2I²r=1/4です。損失は電流の2乗に比例するので、電流が半分なら1/2倍ではなく1/4倍です。2倍や「変わらない」は電流が減ることを見落としています。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)。式はP=I²Rから導いたもの

問9|単相2線式の電圧降下

単相2線式の回路で、電線1本の抵抗が0.1 Ω、負荷電流が20 Aである(負荷は抵抗だけ)。電線路の電圧降下はどれか。

  1. 2 V
  2. 4 V
  3. 8 V
  4. 0.2 V
正解と解説
正解:B. 4 V

単相2線式では電流が行きと帰りの2本を流れるので、v=2Ir=2×20×0.1=4 V です。2 Vは電線1本分だけ、8 Vは4本分、0.2 Vは電流を掛け忘れた(2×0.1)誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問10|負荷の電圧(単相2線式)

単相2線式で、電源の電圧が104 V、電線1本の抵抗が0.15 Ω、負荷電流が10 A(抵抗負荷)である。負荷にかかる電圧はどれか。

  1. 102.5 V
  2. 104 V
  3. 98 V
  4. 101 V
正解と解説
正解:D. 101 V

電圧降下は 2Ir=2×10×0.15=3 V なので、負荷の電圧は 104−3=101 V です。102.5 Vは電線1本分(1.5 V)しか引いていない誤り、104 Vは電圧降下を無視した誤り、98 Vは降下を2倍に数えた誤り(104−6)です。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問11|電線の長さと電圧降下

単相2線式で、電源から負荷までの距離が25 m、電線の抵抗は1 kmあたり8 Ω(1本あたり)、負荷電流が15 A(抵抗負荷)である。電圧降下はどれか。

  1. 6 V
  2. 3 V
  3. 0.6 V
  4. 12 V
正解と解説
正解:A. 6 V

電線1本の抵抗は r=8×25÷1000=0.2 Ω。単相2線式なので v=2Ir=2×15×0.2=6 V です。3 Vは1本分だけ、12 Vは往復をさらに2倍した誤り、0.6 Vは単位換算の桁をまちがえた(r=0.02 Ω とした)誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問12|単相2線式の電力損失

単相2線式で、電線1本の抵抗が0.2 Ω、負荷電流が10 Aである。電線路の電力損失はどれか。

  1. 20 W
  2. 4 W
  3. 40 W
  4. 80 W
正解と解説
正解:C. 40 W

損失は P=2I²r=2×10²×0.2=40 W です。20 Wは電線1本分、80 Wは4本分、4 Wは2乗を忘れた(2×10×0.2)誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)。式はP=I²Rから導いたもの

問13|三相3線式の電圧降下

三相3線式の回路で、電線1本の抵抗が0.15 Ω、線電流が20 Aである(負荷は抵抗だけ)。線間の電圧降下に最も近いものはどれか。

  1. 3.0 V
  2. 5.2 V
  3. 6.0 V
  4. 9.0 V
正解と解説
正解:B. 5.2 V

三相3線式の電圧降下は v=√3 Ir=1.73×20×0.15≒5.2 V です。3.0 VはIr(1本分)、6.0 Vは単相2線式の式2Ir、9.0 Vは3Irとした誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)。式は三相交流の線間電圧と相電圧の関係から導いたもの

問14|三相3線式の電力損失

三相3線式の回路で、電線1本の抵抗が0.1 Ω、線電流が10 Aである。電線路の電力損失はどれか。

  1. 17 W
  2. 20 W
  3. 30 W
  4. 10 W
正解と解説
正解:C. 30 W

電線3本それぞれでI²rの損失が出るので P=3I²r=3×10²×0.1=30 W です。17 Wは√3I²r、20 Wは単相2線式の2I²r、10 Wは1本分です。損失は電線の本数で数え、√3は使いません。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)。式はP=I²Rから導いたもの

問15|単相3線式(平衡)の負荷電圧

単相3線式100/200 Vで、電源側の外線と中性線の間の電圧はそれぞれ105 V、電線1本の抵抗は0.1 Ωである。上下の100 V負荷にそれぞれ20 Aが流れている(平衡、抵抗負荷)。上側の負荷にかかる電圧はどれか。

  1. 101 V
  2. 104 V
  3. 105 V
  4. 103 V
正解と解説
正解:D. 103 V

平衡なので中性線に電流は流れず、電圧降下は外線1本分の Ir=20×0.1=2 V。負荷の電圧は 105−2=103 V です。101 Vは単相2線式のように2Irを引いた誤り、105 Vは降下を無視、104 Vは電流を半分にした誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問16|単相3線式(不平衡)の負荷電圧
電源(変圧器)ANB中性線負荷1負荷220 A →← 10 A
上側20 A、下側10 A。電線はどれも1本0.1 Ω

図の単相3線式回路で、電源側の外線と中性線の間の電圧はそれぞれ105 V、電線1本の抵抗はどれも0.1 Ωである。上側の負荷1に20 A、下側の負荷2に10 Aが流れている(抵抗負荷)。負荷1にかかる電圧はどれか。

  1. 102 V
  2. 103 V
  3. 104 V
  4. 101 V
正解と解説
正解:A. 102 V

中性線には差の電流 20−10=10 A が流れます。負荷1の電圧=105−(外線の降下 20×0.1)−(中性線の降下 10×0.1)=105−2−1=102 V です。103 Vは中性線の降下を忘れた誤り、101 Vは中性線にも20 Aが流れるとした誤り、104 Vは外線の降下を忘れた誤りです。なお負荷2の電圧は 105−1+1=105 V になります。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)

問17|電動機がある幹線の許容電流

低圧幹線に、定格電流の合計が40 Aの電動機と、定格電流の合計が15 Aの電熱器がつながっている(需要率・力率などは考えない)。電気設備の技術基準の解釈第148条によると、この幹線の電線の許容電流の最小値はどれか。

  1. 65 A
  2. 55 A
  3. 59 A
  4. 68.75 A
正解と解説
正解:A. 65 A

電動機の合計40 Aが電熱器の合計15 Aより大きく、50 A以下なので、電動機の合計に1.25をかけて電熱器の合計に加えます。15+1.25×40=15+50=65 A です。55 Aは単純に足した値(電動機の始動電流を考えていない)、59 Aは50 Aを超える場合の倍率1.1を使った誤り(15+44)、68.75 Aは電熱器の分にまで1.25をかけた誤り(55×1.25)です。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第148条第1項第二号(2026年10月16日確認)

問18|分岐回路の遮断器の位置

低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流が100 Aである。この幹線から分岐し、分岐点から電線の長さが6 mの箇所に分岐回路の過電流遮断器を施設する。電気設備の技術基準の解釈第149条によると、分岐点からこの過電流遮断器までの電線の許容電流の最小値はどれか。

  1. 25 A
  2. 55 A
  3. 100 A
  4. 35 A
正解と解説
正解:D. 35 A

分岐回路の過電流遮断器は分岐点から3 m以下に置くのが原則ですが、電線の長さが8 m以下で、電線の許容電流が幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の35 %以上なら、3 mを超える箇所に置けます。100×0.35=35 A です。55 Aは長さの制限がない場合(55 %以上)の値で、6 mでは必要ありません。100 Aは遮断器の定格そのもので、決まりにはない値です。25 Aは35 %に足りません。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第149条(2026年10月16日確認)

問19|許容電流の目的

電線の許容電流が決められている主な理由として、正しいものはどれか。

  1. 電線の温度が上がりすぎて絶縁物が傷むのを防ぐため
  2. 電線を流れる電流で電圧降下を一定にするため
  3. 電線の重さで支持物がこわれないようにするため
  4. 電力量計が正しく測れる範囲にするため
正解と解説
正解:A. 電線の温度が上がりすぎて絶縁物が傷むのを防ぐため

電流が流れると電線は熱を出し、温度が上がりすぎると絶縁物が傷んで、ショートや火災の原因になります。許容電流はこれを防ぐための上限です。電圧降下は長さや電流で変わるもので、許容電流では一定になりません。電線の重さや電力量計の測定範囲は許容電流を決める理由ではありません。

根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov法令検索) 第14条・第56条(2026年10月16日確認)

問20|電線管の本数と許容電流

絶縁電線を同じ電線管に入れる本数を増やすと、電線1本あたりの許容電流の扱いはどうなるか。

  1. 本数に比例して大きくする
  2. 変わらない
  3. 1より大きい係数をかけて大きくする
  4. 1より小さい係数をかけて小さくする
正解と解説
正解:D. 1より小さい係数をかけて小さくする

電線管に多くの電線をまとめて入れると熱がこもるため、もとの許容電流に1より小さい電流減少係数をかけて小さくします。本数が多いほど係数は小さくなります。大きくする・変わらない、はどれも熱がこもることを見落とした誤りです。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第146条第2項第二号ロ(146-4表)(2026年10月16日確認)

問21|電線管に入れたときの許容電流

直径2.0 mmの600 Vビニル絶縁電線(軟銅線)3本を、同じ金属管に収めて施設する。周囲温度は30 ℃以下とする。電気設備の技術基準の解釈第146条によると、電線1本の許容電流はどれか。

  1. 18.9 A
  2. 24.5 A
  3. 33.6 A
  4. 35 A
正解と解説
正解:B. 24.5 A

直径2.0 mmの軟銅線の許容電流は35 A(146-1表)。周囲温度30 ℃以下では補正係数は1、3本以下の電流減少係数は0.70(146-4表)なので、35×1×0.70=24.5 A です。18.9 Aは直径1.6 mm(27 A×0.70)、33.6 Aは直径2.6 mm(48 A×0.70)の値です。35 Aは電流減少係数をかけ忘れた値です。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第146条第2項(146-1表・146-3表・146-4表)(2026年10月16日確認)

問22|周囲温度と許容電流

電線のまわりの温度(周囲温度)が高い場所に電線を施設するときの許容電流について、正しいものはどれか。

  1. 周囲温度が高いほど、許容電流は小さくなる
  2. 周囲温度が高いほど、許容電流は大きくなる
  3. 周囲温度は許容電流に関係しない
  4. 周囲温度が高いと、電流減少係数は1より大きくなる
正解と解説
正解:A. 周囲温度が高いほど、許容電流は小さくなる

周囲温度が高いと電線の熱が逃げにくく、絶縁物の温度が上がりやすいので、許容電流は小さくなります。解釈第146条では、ビニル絶縁電線の許容電流に補正係数 √((60−θ)÷30)(θは周囲温度。30 ℃以下は30とする)をかけるので、30 ℃を超えると係数が1より小さくなります。大きくなる・関係しない、は熱の逃げ方を考えていない誤りです。電流減少係数は電線の本数による係数で、1より大きくなることはありません。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第146条第2項(146-3表・146-4表)(2026年10月16日確認)

問23|電線の断面積

直径2.0 mmの丸い単線の断面積に最も近いものはどれか。

  1. 2.0 mm²
  2. 6.28 mm²
  3. 3.14 mm²
  4. 12.6 mm²
正解と解説
正解:C. 3.14 mm²

断面積はπr²で、半径rは直径の半分の1.0 mmです。π×1.0²≒3.14 mm²。12.6 mm²は直径を半径として計算した誤り(π×2.0²)、6.28 mm²は円周の式(2πr)を使った誤り、2.0 mm²は直径の数字をそのまま使った誤りです。

根拠:断面積の式(円の面積πr²)による。電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験のポイント」(2026年10月16日確認)

問24|電線の太さの選定

負荷電流25 Aの回路に、600 Vビニル絶縁電線(軟銅線の単線)3本を同じ金属管に収めて使う。周囲温度は30 ℃以下とする。電気設備の技術基準の解釈第146条の許容電流で考えるとき、許容電流が負荷電流以上になる最も細い電線はどれか。

  1. 直径3.2 mm
  2. 直径2.6 mm
  3. 直径2.0 mm
  4. 直径1.6 mm
正解と解説
正解:B. 直径2.6 mm

3本を管に入れるので電流減少係数は0.70です。1.6 mmは27×0.70=18.9 A、2.0 mmは35×0.70=24.5 A、2.6 mmは48×0.70=33.6 A、3.2 mmは62×0.70=43.4 A。25 A以上で最も細いのは2.6 mmです。2.0 mmは24.5 Aでわずかに足りません(係数をかけずに35 Aで比べると、まちがえて選んでしまいます)。1.6 mmも足りません。3.2 mmは使えますが、最も細いものではありません。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第146条第2項(146-1表・146-3表・146-4表)(2026年10月16日確認)

問25|電線を太くした効果

同じ長さ・同じ材料のまま、電線を太い(断面積の大きい)ものに替えたときの変化として、正しいものはどれか。

  1. 抵抗が大きくなり、電圧降下も大きくなる
  2. 抵抗が小さくなり、許容電流は小さくなる
  3. 抵抗が小さくなり、電圧降下と電力損失が小さくなる
  4. 抵抗は変わらず、許容電流だけが大きくなる
正解と解説
正解:C. 抵抗が小さくなり、電圧降下と電力損失が小さくなる

抵抗は断面積に反比例するので、太くすると抵抗が小さくなります。電流が同じなら、電圧降下(IR)も電力損失(I²R)も小さくなり、許容電流は大きくなります。抵抗が大きくなる、許容電流が小さくなる、抵抗が変わらない、はどれも誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 例題(2 配電理論及び配線設計)」(2026年10月16日確認)。抵抗と断面積の関係は電気の基礎理論による

問26|分岐回路とは

分岐回路の説明として、正しいものはどれか。

  1. 電柱から建物の引込口までの電線
  2. 引込口から分電盤までの、建物全体の電流が流れる線
  3. 幹線から分かれて、照明やコンセントなどの負荷に至る回路
  4. 変圧器の中で電圧を変える巻線
正解と解説
正解:C. 幹線から分かれて、照明やコンセントなどの負荷に至る回路

分岐回路は、幹線から分かれて電気機械器具(照明・コンセントなど)に至る回路です。省令第63条も「低圧の幹線から分岐して電気機械器具に至る低圧の電路」と書いています。電柱から引込口までは引込線、引込口から分電盤までは幹線です。変圧器の巻線は配線の回路ではありません。

根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov法令検索) 第63条(2026年10月16日確認)

問27|幹線の電流

単相2線式100 Vの幹線に、1,500 W、1,000 W、500 Wの電熱器(抵抗負荷)が同時につながっている。幹線を流れる電流はどれか。

  1. 15 A
  2. 20 A
  3. 45 A
  4. 30 A
正解と解説
正解:D. 30 A

電流は I=P÷V。15 A+10 A+5 A=30 A です。幹線にはすべての負荷の電流が集まります。15 Aは最も大きい負荷だけ、20 Aは1,500 Wと500 Wの2つだけを足した誤り、45 Aは1,500 Wを2回足した誤りです。

根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov法令検索) 第63条(2026年10月16日確認)。電流は P=VI から計算

問28|分岐回路の電線とコンセント

定格電流30 Aの配線用遮断器で保護する分岐回路(電動機等だけに至るものではない)がある。電気設備の技術基準の解釈第149条によると、この回路に使う電線(軟銅線)の太さと、接続するコンセントの組合せとして、適合するものはどれか。

  1. 直径2.0 mm・定格20 Aのコンセント
  2. 直径2.6 mm・定格30 Aのコンセント
  3. 直径2.6 mm・定格15 Aのコンセント
  4. 直径1.6 mm・定格30 Aのコンセント
正解と解説
正解:B. 直径2.6 mm・定格30 Aのコンセント

定格電流が20 Aを超え30 A以下の遮断器の分岐回路では、電線は直径2.6 mm以上(149-1表)、コンセントは定格20 A以上30 A以下(20 A未満の差込みプラグが接続できるものを除く。149-3表)です。したがって「直径2.6 mm・30 A」が適合します。直径2.0 mmと1.6 mmは30 Aの遮断器には細すぎます。15 Aのコンセントは定格が小さすぎます。

根拠:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第149条第2項(149-1表・149-3表)(2026年10月16日確認)

問29|漏電遮断器

漏電遮断器のはたらきとして、正しいものはどれか。

  1. 電流が定格を超えたときだけ電路を切る
  2. 電圧が低くなったときに電圧を上げる
  3. 地絡(電気のもれ)を見つけて電路を切る
  4. 雷の電圧を大地に逃がす
正解と解説
正解:C. 地絡(電気のもれ)を見つけて電路を切る

漏電遮断器は、電気が本来の道から外れて大地へ流れる地絡を見つけて電路を切ります。省令第15条は、地絡による電線や機器の損傷、感電、火災を防ぐため、地絡遮断器の施設などの措置を求めています。電流が定格を超えたときに切るのは過電流遮断器の役目です。電圧を上げる装置や、雷の電圧を逃がす装置(避雷器)とは別のものです。

根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov法令検索) 第15条(2026年10月16日確認)

問30|遮断器が大きすぎる場合

許容電流20 Aの電線で組んだ分岐回路に、定格電流40 Aの配線用遮断器を取り付けた。起こりうることとして、最も適切なものはどれか。

  1. ふつうに使うだけで遮断器がたびたび切れる
  2. 負荷にかかる電圧が2倍になる
  3. 電線の電力損失が0になる
  4. 電線が過熱しても遮断器が切れず、火災のおそれがある
正解と解説
正解:D. 電線が過熱しても遮断器が切れず、火災のおそれがある

遮断器は電線を守るためのものです。電線の許容電流(20 A)より大きい40 Aの遮断器では、20 Aを超えて電線が過熱しても切れないおそれがあり、火災の原因になります。たびたび切れるのは遮断器が小さすぎる場合です。遮断器の定格で電圧が2倍になったり、損失が0になったりはしません。なお解釈149-1表では、40 Aの遮断器の分岐回路には断面積8 mm²以上の軟銅線が必要です。

根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令(e-Gov法令検索) 第14条、経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(令和7年11月20日改正) 第149条第2項(149-1表)(2026年10月16日確認)

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※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。数値は法令・「電気設備の技術基準の解釈」(経済産業省)など公開の一次資料で確かめています。実際の工事は、資格と法令に従って行ってください。