仮の宿 学習室

第二種電気工事士 ELECTRICIAN CLASS 2

【第一種】受電設備

講義 3 本・確認問題 30 問 | 第一種の追加分(受電設備・発電と送配電・自家用の施工と検査・法令と高圧の配線図) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 高圧受電設備のしくみとキュービクル
  2. 断路器・遮断器・計器用変成器
  3. 保護継電器と進相コンデンサ
  4. 確認問題(30問)
  5. 演習ツール

1. 高圧受電設備のしくみとキュービクル

ビルや工場は、配電線から6.6kVの高圧で電気を受け取ります。受電設備の機器の並び、キュービクル、避雷器と接地の決まりを学びます。

この章では、第一種電気工事士の学科試験で加わる科目「電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備(じゅでんせつび)」のうち、受電設備を学びます。試験センターは、この科目の範囲に「受電設備の設計、維持及び運用」を挙げています。第二種では住宅などの低圧(100V・200V)の設備が中心でしたが、第一種では、ビル・工場・学校などが電力会社の配電線から高圧で電気を受け取る設備が加わります。

電圧の区分と高圧受電

電気設備に関する技術基準を定める省令(以下「省令」)第2条は、電圧を3つに区分しています。交流では、600V以下が低圧、600Vを超え7,000V以下が高圧、7,000Vを超えるものが特別高圧です。使う電力の大きい建物は、配電線から公称電圧6.6kV(6,600V)の高圧で受電し、自分の変圧器(へんあつき)で100V・200Vなどに下げて使います。電気設備の技術基準の解釈(以下「解釈」)第1条は、需要場所で高圧または特別高圧の電気を受電し、変圧器などで電気を変成する場所を「変電所に準ずる場所」と定義しています。

受電設備の機器の並び

受電設備では、電源側(電力会社側)から負荷側へ、おおむね次の順に機器が並びます。まず電力会社と需要家(じゅようか:電気を使う側)の保安上の責任の境目である責任分界点(せきにんぶんかいてん)に、区分開閉器を置きます。地絡(ちらく:電路が大地とつながる事故)を検出する装置付きの高圧交流負荷開閉器がよく使われ、構内で地絡が起きたときに開いて、配電線全体が停電する波及事故(はきゅうじこ)を防ぎます。次に引込ケーブル、断路器(DS)、計器用変成器(VT・CT)、主遮断装置、母線(ぼせん)と続き、母線から変圧器や進相コンデンサへ分かれます。

配電線(高圧 6.6kV)区分開閉器(責任分界点)引込ケーブル断路器(DS)計器用変成器(VT・CT)主遮断装置(CB など)母線変圧器→低圧へ進相コンデンサ
図 高圧受電設備(CB形)の機器のおおまかな並び(上が電源側)。実際の設備では避雷器・ヒューズ・計器なども加わる

主遮断装置の形で、受電設備は2つに分かれます。CB形は主遮断装置に遮断器(CB)を使い、変流器と保護継電器で事故を検出して遮断器を開きます。PF・S形は、限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS)を組み合わせて主遮断装置とする形で、短絡(ショート)はヒューズが切って守ります。構成が簡単なので、小規模な設備で使われます。

キュービクルと「人が触れない」施設

高圧の機械器具は、人が触れると命にかかわります。解釈第21条は、高圧の機械器具を次のいずれかで施設するよう定めています(発電所・変電所や、これらに準ずる場所に施設する場合を除く。これらの場所には、さく・へい・施錠などで取扱者以外の者の立入りを防ぐ解釈第38条の規定があります)。

高圧の機械器具の施設方法(解釈第21条の要点)
方法内容
屋内取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する
さく・へい周囲にさく・へいを設け、さく等の高さと、さく等から充電部分までの距離との和を5m以上にし、危険である旨を表示する(工場等の構内では高さと表示の規定によらなくてよい)
高い所附属する高圧電線にケーブル等を使い、地表上4.5m(市街地外は4m)以上の高さに施設する
箱に収めるコンクリート製の箱、またはD種接地工事を施した金属製の箱に収め、充電部分が露出しないようにする

金属製の箱に機器をまとめて収めた受電設備をキュービクル(キュービクル式高圧受電設備)といいます。4番目の方法と同じく、機器を箱に収めて充電部分に人が触れないようにする考え方です。JIS C 4620(2023年版)は、公称電圧6.6kV、系統短絡電流12.5kA以下の回路に使う、受電設備容量4,000kVA以下のキュービクルを対象にしています。

また解釈第23条により、動作時にアーク(火花)を生じる高圧用の開閉器・遮断器・避雷器などは、耐火性のもので囲むか、木製の壁や天井など可燃性のものから1m以上離します(特別高圧は原則2m以上)。

避雷器・地絡遮断装置・接地

避雷器(ひらいき)は、雷などによる異常な高電圧を大地へ逃がして機器を守る装置です。解釈第37条は、高圧架空電線路から供給を受ける受電電力500kW以上の需要場所の引込口などに避雷器を施設し、避雷器にはA種接地工事を施すよう定めています。また解釈第36条第4項は、他の者から供給を受ける受電点の負荷側の電路に、地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設するよう定めています(受電した電気をすべてその受電場所で変成・使用する場合は施設しなくてよい、という例外があります)。

受電設備に関係する主な接地工事(解釈より)
施設するもの接地工事条文
高圧の機械器具の金属製外箱等A種(接地抵抗10Ω以下)第29条・第17条
高圧・特別高圧の電路の避雷器A種第37条
高圧計器用変成器の2次側電路D種第28条
高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側(中性点など)B種第24条

A種接地工事の接地線は、引張強さ1.04kN以上の容易に腐食しにくい金属線、または直径2.6mm以上の軟銅線を使います(解釈第17条。移動して使う機器の可とう性が必要な部分などを除く)。

例題

例題:高圧架空電線路から受電電力600kWで受電する工場の引込口に、避雷器は必要か。必要なら、その接地工事の種類は何か。
答えと考え方 受電電力が500kW以上なので、解釈第37条により引込口またはこれに近接する箇所に避雷器を施設します(直接接続する電線が短い場合などの例外あり)。避雷器にはA種接地工事を施します。

用語

高圧
交流では600Vを超え7,000V以下の電圧(省令第2条)
責任分界点
電力会社と需要家の保安上の責任の境目。区分開閉器を置く
波及事故
構内の事故で配電線側まで停電させてしまう事故
キュービクル
受電用の機器を金属製の箱に収めた受電設備。JIS C 4620
CB形・PF・S形
主遮断装置が遮断器か、限流ヒューズと負荷開閉器の組合せか、による区分
避雷器
雷などの異常電圧を大地へ逃がす装置。A種接地工事を施す

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」(科目4の範囲「受電設備の設計、維持及び運用」)、電気設備に関する技術基準を定める省令 第2条、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第1条、第17条、第21条、第23条、第24条、第28条、第29条、第36条、第37条、第38条、JIS C 4620:2023「キュービクル式高圧受電設備」(日本規格協会の公開プレビュー)(適用範囲)(2026年10月16日確認)

2. 断路器・遮断器・計器用変成器

電路を切る・つなぐ機器と、電圧・電流を小さくして測る機器を、「何を開閉できるか」「何に注意するか」で区別します。

受電設備の中心は、電路を「切る・つなぐ」機器と、電圧・電流を測るための機器です。似た名前が多いので、何を開閉できるか(電流が流れていない状態だけか、負荷電流か、短絡電流まで切れるか)で区別すると覚えやすくなります。

断路器・負荷開閉器・遮断器

開閉する機器の比較
機器開閉できる電流おもな用途
断路器(DS)負荷電流は開閉しない(電流がほぼ流れていないときに操作)点検のときに電路を確実に切り離す
高圧交流負荷開閉器(LBS)負荷電流は開閉できるが、短絡電流は遮断できない限流ヒューズと組み合わせて変圧器・コンデンサの回路に
遮断器(CB)負荷電流も短絡電流も遮断できる主遮断装置。保護継電器の信号で自動的に開く

断路器(だんろき)には、電流を切るときに生じるアークを消す力がありません。負荷電流が流れたまま開くと、大きなアークが出て危険です。このため、停電させるときは先に遮断器を開いて電流を止めてから断路器を開き、送電するときは断路器を閉じてから遮断器を閉じます。

遮断器(しゃだんき)は、アークを消す装置をもち、事故のときの大きな短絡電流まで遮断できます。受電設備でよく使われる真空遮断器(VCB)は、真空の容器の中で接点を開き、アークを消します。解釈第34条は、高圧の過電流遮断器について、短絡を生じたときに作動するものは施設箇所を通過する短絡電流を遮断する能力をもつこと、開閉状態を表示する装置をもつこと(状態を容易に確認できるものを除く)を定めています。

高圧ヒューズ

解釈第34条は、高圧電路に過電流遮断器として施設するヒューズの性能も定めています。包装ヒューズ(溶ける部分を筒などに収めたもの)は、定格電流の1.3倍の電流に耐え、かつ2倍の電流で120分以内に溶断するもの、または規格に適合する高圧限流ヒューズとします。非包装ヒューズは、定格電流の1.25倍に耐え、2倍の電流で2分以内に溶断するものとします。限流ヒューズ(PF)は、短絡電流が大きくなりきる前に溶断して電流を抑えるヒューズです。

計器用変成器(VT・CT・ZCT)

6,600Vの電圧や数百Aの電流は、そのままでは計器や継電器につなげません。そこで計器用変成器で小さな値に変えます。計器用変圧器(VT)は高い電圧を低い電圧に、変流器(CT)は大きな電流を小さな電流に変えます。変成比は銘板に「6,600/110V」「100/5A」のように書かれ、一次側の値は「二次側の値 × 変成比」で求めます。

扱いの注意は逆向きです。VTの二次側を短絡すると大きな電流が流れて焼損するおそれがあります。一方、CTは一次側の電流で決まる電流を二次側に流す機器で、通電中に二次側を開放すると、二次側に高い電圧が生じて絶縁破壊や焼損のおそれがあります。CTの二次側の計器を外すときは、先に二次側を短絡します。解釈第28条により、高圧計器用変成器の二次側電路にはD種接地工事(特別高圧ではA種)を施します。

零相変流器(ZCT)は、3本の電線をまとめて通し、行きと帰りの電流の差(零相電流)を検出します。ふだんは差がほぼ0ですが、地絡が起きると大地へ流れた分だけ差が生じます。この信号で地絡継電器が働きます(次の講義)。

変圧器のV結線と短絡電流

単相変圧器3台をΔ(デルタ)結線にしていて1台が故障したとき、残る2台で三相の電力を送る方法をV結線といいます。V結線で取り出せる容量は、変圧器1台の容量の√3倍です。50kVAの変圧器なら√3 × 50 ≒ 86.6kVAで、2台分の100kVAより小さくなります。

変圧器の百分率インピーダンス(%Z)は、定格電流を流したときの内部の電圧降下が定格電圧の何%かを表します。変圧器の二次側で三相短絡が起きたときの短絡電流は「定格電流 × 100 ÷ %Z」で求められます。遮断器やヒューズは、この短絡電流を遮断できるものを選びます。

例題

例題:変流比100/5AのCTの二次側に4Aが流れている。一次側の電流は何Aか。
答えと考え方 変流比は100 ÷ 5 = 20です。一次電流 = 二次電流 × 変流比 = 4 × 20 = 80A です。

用語

断路器(DS)
電流が流れていないときに開閉し、電路を切り離す機器
高圧交流負荷開閉器(LBS)
負荷電流は開閉できるが、短絡電流は遮断できない開閉器
真空遮断器(VCB)
真空中でアークを消す遮断器。短絡電流も遮断できる
変流器(CT)
大電流を小電流に変える。通電中に二次側を開放しない
零相変流器(ZCT)
3線の電流の差(零相電流)から地絡を検出する
百分率インピーダンス(%Z)
短絡電流 = 定格電流 × 100 ÷ %Z の計算に使う

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第28条、第34条、電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。開閉器・計器用変成器のはたらき、V結線と短絡電流の式は電気工学の基本事項(2026年10月16日確認)

3. 保護継電器と進相コンデンサ

事故を検出して遮断器を開く保護継電器と、力率を改善する進相コンデンサのしくみと計算を学びます。

受電設備の事故には、大きな電流が流れる過電流・短絡と、電路が大地とつながる地絡があります。これを検出して遮断器や開閉器に「開け」と信号を出すのが保護継電器(ほごけいでんき)です。後半では、力率を改善する進相コンデンサを学びます。

過電流継電器(OCR)

過電流継電器は、変流器(CT)の二次電流を受けて、設定値を超える電流が流れると動作し、遮断器を開きます。受電設備で使われる過電流継電器は、一般に電流が大きいほど短い時間で動作する反限時(はんげんじ)特性をもちます。短絡のような大電流ではすばやく、少しの過負荷では時間をおいて動作します。

地絡継電器(GR)と地絡方向継電器(DGR)

地絡継電器は、零相変流器(ZCT)で検出した零相電流が設定値を超えると動作します。責任分界点の区分開閉器に地絡継電装置を付けると、構内の地絡で区分開閉器が開き、配電線への波及事故を防げます。

ただし、構内の高圧ケーブルが長いと、ケーブルと大地の間の静電容量(コンデンサのように電気をためる性質)が大きくなります。すると、構外(他の需要家や配電線)で地絡が起きたときにも、このケーブルを通って零相電流が流れ、地絡継電器が働いてしまうことがあります(不必要動作)。地絡方向継電器は、零相電流に加えて零相電圧も検出し、地絡が構内側か構外側かを判別して、構内側の地絡だけで動作します。

保護協調

事故が起きたとき、停電の範囲を最小にするには、事故点にいちばん近い電源側の遮断器だけが動作し、その上流(電源側)の遮断器は動作しないのが理想です。このように、上流と下流の保護装置の動作電流・動作時間を調整することを保護協調といいます。受電設備の継電器は、電力会社の配電用変電所の継電器より先に動作するよう整定(せいてい:設定)します。

進相コンデンサと力率改善

電動機などの負荷は、仕事をする有効電力P〔kW〕のほかに、電動機の磁界をつくるなどのために電源と負荷を行き来する無効電力Q〔kvar〕を必要とします。両者を合わせた皮相電力S〔kVA〕は S = √(P² + Q²)、力率は P ÷ S です。電動機の無効電力は「遅れ」の無効電力で、コンデンサは逆向きの「進み」の無効電力を出すため、負荷と並列に進相コンデンサをつなぐと遅れの無効電力を打ち消し、力率が1に近づきます。

力率を改善すると、同じ有効電力を送るのに必要な電流が減るため、線路や変圧器の電力損失(電流の2乗に比例)や電圧降下が減り、変圧器の容量にも余裕ができます。有効電力そのものは変わりません。力率をcosθ₁からcosθ₂に改善するのに必要なコンデンサの容量は、Q = P ×(tanθ₁ − tanθ₂)で求めます。

よく使う力率とtanθ(sinθ ÷ cosθ)
力率 cosθsinθtanθ
0.60.84/3 ≒ 1.33
0.80.60.75
1.000

軽負荷のときにコンデンサを入れたままにすると、進みの無効電力が多すぎて進み力率になり、受電端の電圧が上がることがあります。負荷に合わせてコンデンサを開閉するなどの注意が必要です。

進相コンデンサには直列リアクトル(SR)を組み合わせます。日本電機工業会の資料は、直列リアクトルが高調波による電圧のひずみを改善し、コンデンサを入れたときの突入電流を抑え、異常電圧の発生を抑える効果をもつこと、高圧受電設備ではコンデンサのリアクタンスの6%(または13%)の直列リアクトルを施設するとされていること(日本電気協会の高圧受電設備規程による)を説明しています。また、コンデンサは電源から切り離しても電荷が残るので、放電コイルや放電抵抗で残った電荷を放電させます。

例題

例題:有効電力400kW、力率0.8(遅れ)の負荷に、300kvarの進相コンデンサを並列につないだ。改善後の力率と皮相電力を求めよ。
答えと考え方 改善前の無効電力は Q = P × tanθ = 400 × 0.75 = 300kvar(皮相電力は400 ÷ 0.8 = 500kVA)。300kvarのコンデンサで無効電力は0になり、力率は1.0、皮相電力は400kVAに下がります。電流は500 → 400kVAの比で0.8倍になります。

用語

過電流継電器(OCR)
CTの電流が設定値を超えると動作する。反限時特性をもつ
地絡継電器(GR)
ZCTで検出した零相電流で動作する
地絡方向継電器(DGR)
零相電圧も使い、構内側の地絡だけで動作する
保護協調
事故点に最も近い保護装置だけが動作するよう調整すること
進相コンデンサ
進みの無効電力で遅れの無効電力を打ち消し、力率を改善する
直列リアクトル
コンデンサと直列に入れ、高調波と突入電流を抑える

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第36条第4項(地絡遮断装置の規定と、その例外)、日本電機工業会「知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い」(直列リアクトルの効果と6%・13%の記述)。力率と電力の式は電気工学の基本事項(2026年10月16日確認)

確認問題(30問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|高圧の範囲

電気設備に関する技術基準を定める省令による、交流の「高圧」の範囲として正しいものはどれか。

  1. 300Vを超え6,600V以下
  2. 600Vを超え7,000V以下
  3. 750Vを超え7,000V以下
  4. 600Vを超え10,000V以下
正解と解説
正解:B. 600Vを超え7,000V以下

省令第2条で、交流の高圧は600Vを超え7,000V以下です。「300Vを超え6,600V以下」は、屋内配線などで出てくる300Vと配電線の公称電圧6,600Vを混同した値です。「750Vを超え」は直流の低圧の上限(750V)と混同しています。「10,000V以下」は誤りで、7,000Vを超えると特別高圧です。

根拠:電気設備に関する技術基準を定める省令 第2条

問2|さくによる施設

高圧の機械器具の周囲にさくを設けて施設する場合(工場等の構内を除く)、さくの高さと、さくから充電部分までの距離との和は何m以上とするか。

  1. 3m
  2. 4m
  3. 6m
  4. 5m
正解と解説
正解:D. 5m

解釈第21条第二号で、さく・へいの高さと、さく・へいから充電部分までの距離との和は5m以上です。3mと4mは短すぎます。6mは特別高圧(35,000Vを超え160,000V以下)の機械器具のさくの値(解釈第22条)です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第21条

問3|高圧機器を高い所に施設

市街地で、高圧の機械器具を人が触れるおそれがないように高い所に施設する場合(附属する電線はケーブル)、地表上の高さは何m以上とするか。

  1. 4.5m
  2. 3.5m
  3. 4m
  4. 5m
正解と解説
正解:A. 4.5m

解釈第21条第三号で、地表上4.5m(市街地外では4m)以上です。4mは市街地外の値で、市街地では足りません。3.5mは規定にない値です。5mは、さくの高さと充電部分までの距離の和の値、または特別高圧の機械器具を高い所に施設するときの値(解釈第22条)と混同しています。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第21条

問4|キュービクルの外箱

高圧の機械器具を金属製の箱に収め、充電部分が露出しないように施設する場合、その金属製の箱に施す接地工事として、電気設備の技術基準の解釈第21条に定められているものはどれか。

  1. A種接地工事
  2. B種接地工事
  3. D種接地工事
  4. C種接地工事
正解と解説
正解:C. D種接地工事

解釈第21条第四号は「コンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱」に収めることを定めています。A種は、高圧の機械器具そのものの金属製外箱(解釈第29条)や避雷器に施す接地で、この条の箱の規定ではありません。B種は高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側に施す接地です。C種は300Vを超える低圧の機械器具の外箱の接地です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第21条

問5|アークを生じる器具

動作時にアークを生じる高圧用の遮断器を、耐火性のもので囲まずに施設する場合、木製の天井など可燃性のものとの離隔距離は何m以上とするか。

  1. 0.5m
  2. 1.5m
  3. 2m
  4. 1m
正解と解説
正解:D. 1m

解釈第23条で、高圧の開閉器等の可燃性のものとの離隔距離は1m以上です。2mは特別高圧の場合の値です。0.5mと1.5mは規定にない値です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第23条

問6|避雷器の施設

高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口に、避雷器の施設が必要となるのは、受電電力が何kW以上の場合か。

  1. 50kW以上
  2. 500kW以上
  3. 300kW以上
  4. 2,000kW以上
正解と解説
正解:B. 500kW以上

解釈第37条第1項第三号で、高圧架空電線路から供給を受ける受電電力500kW以上の需要場所の引込口に避雷器を施設します。50kW・300kW・2,000kWは、いずれもこの規定の値ではありません。50kWのように小さい値では、規定より広く施設が義務づけられることになります。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第37条

問7|避雷器の接地

高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の種類として、原則とされているものはどれか。

  1. A種接地工事
  2. B種接地工事
  3. C種接地工事
  4. D種接地工事
正解と解説
正解:A. A種接地工事

解釈第37条第3項で、高圧・特別高圧の電路に施設する避雷器にはA種接地工事を施します。B種は変圧器の低圧側の混触防止の接地、C種とD種は低圧の機械器具の外箱などの接地で、雷の大きな電流を大地へ逃がす避雷器には使いません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第37条

問8|外箱の接地

高圧の変圧器の金属製外箱に施す接地工事と、その接地抵抗値の組合せとして正しいものはどれか(さく・絶縁台などの例外がない場合)。

  1. A種接地工事・100Ω以下
  2. C種接地工事・10Ω以下
  3. A種接地工事・10Ω以下
  4. D種接地工事・100Ω以下
正解と解説
正解:C. A種接地工事・10Ω以下

解釈第29条で、高圧の機械器具の金属製外箱等にはA種接地工事を施し、解釈第17条でA種の接地抵抗値は10Ω以下です。「A種・100Ω以下」は抵抗値をD種の値と混同しています。「C種・10Ω以下」は300Vを超える低圧の機械器具の接地です。「D種・100Ω以下」は300V以下の低圧の機械器具の接地です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第17条、第29条

問9|CB形とPF・S形

キュービクル式高圧受電設備の「PF・S形」の主遮断装置として正しいものはどれか。

  1. 真空遮断器と過電流継電器の組合せ
  2. 限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器の組合せ
  3. 断路器と計器用変圧器の組合せ
  4. 避雷器と零相変流器の組合せ
正解と解説
正解:B. 限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器の組合せ

PF・S形は、限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS、Switch)を組み合わせて主遮断装置とする形です。遮断器と過電流継電器の組合せはCB形の考え方です。断路器は負荷電流を開閉できず、計器用変圧器は測定用なので主遮断装置になりません。避雷器と零相変流器も、異常電圧対策と地絡検出の機器です。

根拠:JIS C 4620:2023「キュービクル式高圧受電設備」(日本規格協会の公開プレビュー)、電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」

問10|区分開閉器の目的

責任分界点に地絡継電装置付きの高圧交流負荷開閉器を施設する、おもな目的はどれか。

  1. 構内の力率を改善して電気料金を下げる
  2. 雷による異常電圧を大地へ逃がす
  3. 受電電圧を低圧に変成する
  4. 構内の地絡事故が配電線に波及するのを防ぐ
正解と解説
正解:D. 構内の地絡事故が配電線に波及するのを防ぐ

地絡継電装置付きの区分開閉器は、構内で地絡が起きたときに開き、電力会社の配電線全体が停電する波及事故を防ぎます。力率改善は進相コンデンサ、異常電圧を大地へ逃がすのは避雷器、電圧を下げるのは変圧器の役目です。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」(受電設備の設計、維持及び運用)。区分開閉器と地絡継電装置のはたらきは電気工学の基本事項。なお、電気設備の技術基準の解釈 第36条第4項の受電点の地絡遮断装置には、受電した電気をすべてその受電場所で変成・使用する場合の例外がある

問11|断路器の扱い

断路器(DS)について正しいものはどれか。

  1. 負荷電流が流れているときに開路してはならない
  2. 短絡電流を遮断する能力をもつ
  3. 負荷電流は開閉できるが短絡電流は遮断できない
  4. 過電流継電器の信号で自動的に開く
正解と解説
正解:A. 負荷電流が流れているときに開路してはならない

断路器にはアークを消す力がないため、負荷電流が流れているときに開路してはいけません。短絡電流を遮断し、継電器の信号で自動的に開くのは遮断器です。「負荷電流は開閉できるが短絡電流は遮断できない」のは高圧交流負荷開閉器(LBS)の説明です。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」(受電設備の設計、維持及び運用)。開閉器のはたらきは電気工学の基本事項

問12|停電操作の順序

遮断器(CB)と断路器(DS)が直列に入った高圧の回路を、点検のために停電させる操作の順序として正しいものはどれか。

  1. 断路器を開いてから遮断器を開く
  2. 遮断器と断路器を同時に開く
  3. 遮断器を開いてから断路器を開く
  4. 断路器だけを開き遮断器は閉じたままにする
正解と解説
正解:C. 遮断器を開いてから断路器を開く

断路器は負荷電流を切れないので、先に遮断器を開いて電流を止め、そのあとで断路器を開いて電路を切り離します。断路器を先に開く、または同時に開くと、電流が流れた状態の断路器にアークが出て危険です。断路器だけを開くのも同じ理由で誤りです。送電のときは逆に、断路器を閉じてから遮断器を閉じます。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。開閉器のはたらきは電気工学の基本事項

問13|負荷開閉器

高圧交流負荷開閉器(LBS)を変圧器の一次側に使うとき、限流ヒューズと組み合わせる理由として正しいものはどれか。

  1. 負荷開閉器だけでは負荷電流を開閉できないから
  2. 限流ヒューズが力率を改善するから
  3. 限流ヒューズが地絡電流を検出するから
  4. 負荷開閉器だけでは短絡電流を遮断できないから
正解と解説
正解:D. 負荷開閉器だけでは短絡電流を遮断できないから

負荷開閉器は負荷電流を開閉できますが、短絡電流は遮断できないため、短絡は限流ヒューズに切らせます。「負荷電流を開閉できない」のは断路器の性質です。ヒューズは力率を改善せず、地絡電流の検出は零相変流器と地絡継電器の役目です。

根拠:JIS C 4620:2023「キュービクル式高圧受電設備」(日本規格協会の公開プレビュー)、電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」

問14|真空遮断器

真空遮断器(VCB)の説明として正しいものはどれか。

  1. 圧縮した空気を吹き付けてアークを消し、電流を遮断する
  2. 真空の容器の中で接点を開き、アークを消して電流を遮断する
  3. 負荷電流が流れていないときだけ開閉できる
  4. 一度動作すると溶断して交換が必要になる
正解と解説
正解:B. 真空の容器の中で接点を開き、アークを消して電流を遮断する

真空遮断器は、真空の容器の中で接点を開き、アークを消します。圧縮空気を吹き付けるのは空気遮断器の方式です。負荷電流がないときだけ開閉できるのは断路器、動作すると溶断して交換するのはヒューズの性質です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第34条、電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」

問15|包装ヒューズの性能

高圧電路に過電流遮断器として施設する包装ヒューズ(高圧限流ヒューズとして施設するものを除く)の性能として、電気設備の技術基準の解釈に定められているものはどれか。

  1. 定格電流の1.3倍に耐え、2倍の電流で120分以内に溶断する
  2. 定格電流の1.25倍に耐え、2倍の電流で2分以内に溶断する
  3. 定格電流の1.1倍に耐え、1.6倍の電流で60分以内に溶断する
  4. 定格電流の1.5倍に耐え、3倍の電流で10分以内に溶断する
正解と解説
正解:A. 定格電流の1.3倍に耐え、2倍の電流で120分以内に溶断する

解釈第34条第2項で、包装ヒューズは定格電流の1.3倍に耐え、2倍の電流で120分以内に溶断するもの(または規格に適合する高圧限流ヒューズ)です。「1.25倍・2倍で2分以内」は非包装ヒューズの規定(同条第3項)です。「1.1倍・1.6倍で60分」は低圧ヒューズ(定格30A以下)の規定(解釈第33条)の値で、高圧の規定ではありません。「1.5倍・3倍で10分」は規定にない組合せです。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第33条、第34条

問16|変流器の二次側

通電中の変流器(CT)の二次側に接続された電流計を取り外すときの扱いとして正しいものはどれか。

  1. 二次側を開放したまま取り外す
  2. 先に二次側のD種接地線を外してから取り外す
  3. 先に二次側の端子間を短絡してから取り外す
  4. 一次側の電流を増やしてから取り外す
正解と解説
正解:C. 先に二次側の端子間を短絡してから取り外す

通電中のCTの二次側を開放すると、二次側に高い電圧が生じて絶縁破壊や焼損のおそれがあるため、先に二次側を短絡してから計器を外します。開放したまま外すのは、まさに避けるべき操作です。二次側の接地(解釈第28条のD種接地)を外すと、一次側と二次側の間の絶縁が壊れたときの危険が増します。一次電流を増やしても危険は減りません。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第28条。変流器のはたらきは電気工学の基本事項

問17|変流器の計算

変流比150/5Aの変流器の二次側に3.2Aの電流が流れている。一次側の電流は何Aか。

  1. 480A
  2. 30A
  3. 0.11A
  4. 96A
正解と解説
正解:D. 96A

変流比は150 ÷ 5 = 30です。一次電流 = 3.2 × 30 = 96A です。480Aという値は3.2 × 150と、二次側の5Aで割り忘れた値です。30Aという値は変流比そのものです。0.11Aという値は3.2 × 5 ÷ 150と、逆に割った値です。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。変成比の計算は電気工学の基本事項

問18|計器用変圧器の計算

変圧比6,600/110Vの計器用変圧器(VT)の二次側の電圧計が105Vを示している。一次側の電圧は何Vか。

  1. 6,600V
  2. 6,300V
  3. 6,930V
  4. 11,550V
正解と解説
正解:B. 6,300V

変圧比は6,600 ÷ 110 = 60です。一次電圧 = 105 × 60 = 6,300V です。6,600Vは定格の値で、二次側が110Vのときの電圧です。6,930Vは6,600 × 105 ÷ 100と、110ではなく100で割った値です。11,550Vは105 × 110と、変圧比を使わずにかけた値です。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。変成比の計算は電気工学の基本事項

問19|V結線の容量

50kVAの単相変圧器3台をΔ結線で使っていたが、1台が故障したため、残りの2台をV結線にして三相の負荷に供給する。供給できる最大の容量は約何kVAか。

  1. 100kVA
  2. 150kVA
  3. 86.6kVA
  4. 75kVA
正解と解説
正解:C. 86.6kVA

V結線で取り出せる容量は変圧器1台の容量の√3倍で、√3 × 50 ≒ 86.6kVAです。100kVAという値は2台の容量の単純な和で、V結線では取り出せません。150kVAという値は3台のΔ結線の容量です。75kVAという値は150kVAを半分にした値です。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。三相結線の容量は電気工学の基本事項

問20|短絡電流の計算

定格容量300kVA、二次電圧210V、百分率インピーダンス5%の三相変圧器の二次側端子で三相短絡が起きた。短絡電流は約何kAか(電源側のインピーダンスは考えない)。

  1. 16.5kA
  2. 28.6kA
  3. 4.1kA
  4. 0.82kA
正解と解説
正解:A. 16.5kA

定格電流 = 300,000 ÷(√3 × 210)≒ 824.8A。短絡電流 = 定格電流 × 100 ÷ %Z = 824.8 × 100 ÷ 5 ≒ 16,496A ≒ 16.5kA です。28.6kAという値は三相の√3を忘れて300,000 ÷ 210 × 20 と計算した値です。4.1kAという値は824.8 × 5 と、100 ÷ %Z でなく %Z をかけた値です。0.82kAという値は定格電流そのものです。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。百分率インピーダンスと短絡電流の式は電気工学の基本事項

問21|零相変流器

高圧受電設備で、地絡継電器と組み合わせて地絡を検出するために使う機器はどれか。

  1. 計器用変圧器(VT)
  2. 零相変流器(ZCT)
  3. 直列リアクトル(SR)
  4. 断路器(DS)
正解と解説
正解:B. 零相変流器(ZCT)

零相変流器は3本の電線をまとめて通し、電流の差(零相電流)から地絡を検出して地絡継電器に伝えます。計器用変圧器は電圧を測るための機器、直列リアクトルはコンデンサの高調波・突入電流対策、断路器は電路の切り離し用です。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。零相変流器と地絡継電器のはたらきは電気工学の基本事項

問22|過電流継電器の特性

受電設備の過電流継電器の「反限時特性」の説明として正しいものはどれか。

  1. 流れる電流が大きいほど、長い時間をおいて動作する
  2. 電流の大きさに関係なく、一定の時間で動作する
  3. 電流が設定値を下回ったときに動作する
  4. 流れる電流が大きいほど、短い時間で動作する
正解と解説
正解:D. 流れる電流が大きいほど、短い時間で動作する

反限時特性は、電流が大きいほど動作時間が短くなる特性で、短絡のような大電流ではすばやく、小さな過負荷では時間をおいて動作します。「大きいほど長い」は逆です。電流に関係なく一定時間で動作するのは定限時特性です。電流が設定値を下回って動作するものは過電流継電器ではありません。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。保護継電器の特性は電気工学の基本事項

問23|地絡方向継電器

構内の高圧ケーブルが長い受電設備で、地絡継電器の代わりに地絡方向継電器を使う理由として正しいものはどれか。

  1. 構外の地絡のとき、ケーブルの対地静電容量による電流で不必要に動作するのを防ぐため
  2. 構内の短絡電流を、より大きな値まで遮断できるようにするため
  3. 力率が進みになったときに、コンデンサを自動で切り離すため
  4. 雷による異常電圧を、すばやく大地へ逃がすため
正解と解説
正解:A. 構外の地絡のとき、ケーブルの対地静電容量による電流で不必要に動作するのを防ぐため

ケーブルが長いと対地静電容量が大きく、構外で地絡が起きたときにもケーブルを通って零相電流が流れ、地絡継電器が不必要に動作することがあります。地絡方向継電器は零相電圧も使って地絡の方向を判別し、構内側の地絡だけで動作します。短絡電流を遮断する能力は遮断器の性能で、継電器の種類では変わりません。コンデンサの開閉や雷の異常電圧は、地絡方向継電器の役目ではありません。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。保護継電器のはたらきは電気工学の基本事項

問24|保護協調

保護協調の考え方として正しいものはどれか。

  1. 事故が起きたら、すべての遮断器を同時に開いて安全を確保する
  2. 電力会社の変電所の遮断器が、需要家の遮断器より先に動作する
  3. 事故点に最も近い電源側の保護装置だけが動作し、停電範囲を最小にする
  4. 過電流継電器と地絡継電器のどちらか一方だけを施設する
正解と解説
正解:C. 事故点に最も近い電源側の保護装置だけが動作し、停電範囲を最小にする

保護協調は、事故点に最も近い電源側の保護装置だけが動作するよう、上流と下流の動作電流・時間を調整することです。すべての遮断器を同時に開くと停電範囲が広がります。変電所の遮断器が先に動くと配電線全体が停電する波及事故になるので、需要家側が先に動作するよう整定します。過電流と地絡は別の事故なので、どちらか一方だけでは守れません。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」(受電設備の設計、維持及び運用)。保護協調は電気工学の基本事項

問25|力率改善の効果

負荷と並列に進相コンデンサを接続して力率を改善したときの効果として正しいものはどれか(負荷の有効電力は変わらないものとする)。

  1. 負荷の有効電力が増え、電動機の出力が上がる
  2. 線路に流れる電流が増え、電圧降下が大きくなる
  3. 負荷の消費する無効電力そのものがなくなる
  4. 線路に流れる電流が減り、電力損失が減る
正解と解説
正解:D. 線路に流れる電流が減り、電力損失が減る

コンデンサの進みの無効電力が負荷の遅れの無効電力を打ち消すので、電源から送る皮相電力と電流が減り、電流の2乗に比例する電力損失や電圧降下が減ります。有効電力は変わらず、電動機の出力も上がりません。電流が増えるのは逆です。負荷自身は同じ無効電力を必要としており、それをコンデンサが近くで供給するだけです。

根拠:日本電機工業会「知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い」(力率を改善し電力のムダを省く機器)。電力の式は電気工学の基本事項

問26|力率改善の計算

有効電力300kW、力率0.6(遅れ)の負荷の力率を0.8(遅れ)に改善したい。必要な進相コンデンサの容量は何kvarか。

  1. 175kvar
  2. 225kvar
  3. 400kvar
  4. 60kvar
正解と解説
正解:A. 175kvar

tanθ₁ = 0.8 ÷ 0.6 = 4/3、tanθ₂ = 0.6 ÷ 0.8 = 0.75。Q = 300 ×(4/3 − 0.75)= 300 × 0.583… = 175kvar です。225kvarは改善後に残る無効電力(300 × 0.75)です。400kvarは改善前の無効電力(300 × 4/3)で、これを全部打ち消すと力率は1になります。60kvarは300 ×(0.8 − 0.6)と、力率の差をかけた誤りです。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。力率改善の式は電気工学の基本事項

問27|力率1への改善

有効電力240kW、力率0.8(遅れ)の負荷の力率を1.0に改善するために必要な進相コンデンサの容量は何kvarか。

  1. 144kvar
  2. 180kvar
  3. 300kvar
  4. 320kvar
正解と解説
正解:B. 180kvar

力率0.8のとき tanθ = 0.6 ÷ 0.8 = 0.75 なので、無効電力は 240 × 0.75 = 180kvar。力率1.0にするにはこれを全部打ち消すので180kvarです。144kvarは240 × 0.6 と、tanθでなくsinθをかけた値です。300kvarは皮相電力(240 ÷ 0.8 = 300kVA)と混同した値です。320kvarは240 × 4/3 で、力率0.6のときのtanθを使っています。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」。力率改善の式は電気工学の基本事項

問28|直列リアクトル

高圧の進相コンデンサに直列リアクトルを組み合わせるおもな目的として正しいものはどれか。

  1. 負荷の有効電力を増やし、電動機の効率を上げる
  2. 零相電流を検出して地絡継電器を動作させる
  3. 高調波による電圧のひずみを改善し、投入時の突入電流を抑える
  4. 電源から切り離したコンデンサの残留電荷を放電させる
正解と解説
正解:C. 高調波による電圧のひずみを改善し、投入時の突入電流を抑える

日本電機工業会の資料は、直列リアクトルが高調波による電圧ひずみを改善し、コンデンサの突入電流を抑えると説明しています(高圧受電設備ではコンデンサのリアクタンスの6%などのものを使う)。有効電力は増えません。零相電流の検出は零相変流器、残留電荷の放電は放電コイルや放電抵抗の役目です。

根拠:日本電機工業会「知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い」

問29|軽負荷時のコンデンサ

夜間などの軽負荷のときに、進相コンデンサを接続したままにしておくと起こりやすいことはどれか。

  1. 遅れ力率が大きくなり、電圧が大きく下がる
  2. 有効電力が増え、電力量計の値が大きくなる
  3. 変圧器の鉄心が飽和して地絡が起こる
  4. 進み力率になり、受電端の電圧が上昇する
正解と解説
正解:D. 進み力率になり、受電端の電圧が上昇する

軽負荷では負荷の遅れの無効電力が小さいので、コンデンサの進みの無効電力が上回って進み力率になり、受電端の電圧が上がることがあります。遅れ力率が大きくなるのは逆です。コンデンサは有効電力を増やしません。鉄心の飽和や地絡は、この現象とは関係ありません。

根拠:電気技術者試験センター「第一種電気工事士 学科試験のポイント」(受電設備の維持及び運用)。力率と電圧の関係は電気工学の基本事項

問30|計器用変成器二次側の接地

高圧の計器用変成器(VT・CT)の二次側電路に施す接地工事の種類はどれか。

  1. A種接地工事
  2. D種接地工事
  3. B種接地工事
  4. C種接地工事
正解と解説
正解:B. D種接地工事

解釈第28条で、高圧計器用変成器の二次側電路にはD種接地工事を施します。A種は特別高圧計器用変成器の二次側電路(同条第2項)や、高圧機器の外箱に施す接地です。B種は高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側、C種は300Vを超える低圧機器の外箱に施す接地です。

根拠:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正版) 第28条

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。試験の実施方法・出題範囲・合格基準は、必ず電気技術者試験センターの公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。数値は法令・「電気設備の技術基準の解釈」(経済産業省)など公開の一次資料で確かめています。実際の工事は、資格と法令に従って行ってください。