仮の宿 学習室

日商簿記3級 BOOKKEEPING GRADE 3

証ひょう・伝票と帳簿の選び方

講義 2 本・確認問題 10 問 | 日々の取引(諸取引の処理) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 証ひょうから仕訳する・3つの伝票
  2. 伝票の集計と補助簿の選び方
  3. 確認問題(10問)
  4. 演習ツール

1. 証ひょうから仕訳する・3つの伝票

請求書や入出金明細を読んで仕訳する方法と、入金・出金・振替の3伝票の使い分け、一部が現金の取引の2つの書き方を学びます。

会社の取引には、ほとんどの場合、紙や電子データの「記録」が残ります。請求書、納品書、領収書、銀行口座の入出金明細、振込依頼書の控えなどです。こうした、取引があったことを示す書類をまとめて証ひょう(証憑)といいます。簿記では、証ひょうを読んで「何が、いくら、どう動いたか」を確かめ、仕訳にします。日商簿記3級の出題区分表(2027年度適用)でも、第一「簿記の基本原理」の5に「証ひょうと伝票」が置かれています。

証ひょうを読むときの3つの問い

証ひょうから仕訳をつくるときは、次の3つを順に確かめます。

1. だれが発行した書類か。自社が受け取った請求書なら「自社が払う側」、自社が発行した請求書の控えなら「自社が受け取る側」です。同じ請求書でも、立場で借方・貸方が逆になります。

2. 何を買った(売った)のか。販売するための商品なら「仕入」(三分法の場合)、事務で使うコピー用紙なら「消耗品費」、長く使うパソコンや机なら「備品」というように、品物の中身で勘定科目が決まります。

3. 代金はどうなったか。その場で現金で払ったのか、後で払うのか、口座から引き落とされたのかを見ます。商品の代金を後で払うなら「買掛金」、商品以外(備品など)の代金を後で払うなら「未払金」です。

このラボでは、消費税は税抜方式で考えます。証ひょうに「税抜金額」と「消費税額」が分けて書いてあれば、支払う側は消費税額を「仮払消費税」、受け取る側は「仮受消費税」で記録します(税率は問題文で示されます)。

受け取った請求書の例(税率10%)
品物数量単価金額
商品A(販売用)20個4,000円80,000円
小計(税抜)80,000円
消費税(10%)8,000円
合計88,000円(支払期限:月末)

この請求書は、仕入先が自社あてに発行したものです。販売用の商品を買い、代金は月末に払うので、仕訳は次のとおりです。

請求書から作る仕訳
借方金額貸方金額
仕入80,000買掛金88,000
仮払消費税8,000

銀行口座の入出金明細も証ひょうです。たとえば普通預金の明細に「振込入金 ミナミ商店 220,000」とあり、ミナミ商店が売掛金のある得意先なら、売掛金を回収したと読み取り、(借)普通預金/(貸)売掛金と仕訳します。「入金」は口座の残高が増えること、「出金」は減ることです。

3つの伝票(3伝票制)

伝票は、仕訳帳の代わりに、取引を1件ずつ小さな紙(または画面)に書く方法です。1件1枚なので、担当者で分けて書いたり、種類ごとにまとめたりしやすくなります。3級では、入金伝票・出金伝票・振替伝票の3種類を使う方法を学びます。

3つの伝票の使い分け
伝票使う取引書き方の特徴
入金伝票現金が入ってくる取引借方は必ず「現金」なので書かない。科目欄には相手の科目(貸方)だけを書く
出金伝票現金が出ていく取引貸方は必ず「現金」なので書かない。科目欄には相手の科目(借方)だけを書く
振替伝票現金が動かない取引仕訳帳と同じように借方・貸方の両方を書く

たとえば入金伝票に「売掛金 40,000」とあれば、(借)現金 40,000/(貸)売掛金 40,000 という意味です。現金ではなく普通預金に振り込まれた取引は、現金が動かないので振替伝票を使います。

一部だけ現金の取引:2つの起票方法

「商品 100,000円を仕入れ、30,000円は現金で払い、残りは掛けとした」のように、現金と現金以外がまざった取引があります。仕訳は(借)仕入 100,000/(貸)現金 30,000、買掛金 70,000 ですが、伝票は1枚に1種類しか書けません。そこで次の2つの方法があります。

一部現金取引の2つの起票方法(商品100,000円、うち現金30,000円)
方法出金伝票振替伝票
① 取引を分けて書く仕入 30,000(借)仕入 70,000/(貸)買掛金 70,000
② いったん全額を掛け取引とみなす買掛金 30,000(借)仕入 100,000/(貸)買掛金 100,000

①は「現金で買った分」と「掛けで買った分」に取引を分ける方法です。②は、まず全額を掛けで仕入れたことにし、すぐにその一部を現金で払ったと考える方法です。どちらの方法でも、2枚の伝票を合わせると仕入 100,000、現金 30,000 の減少、買掛金 70,000 の増加となり、もとの仕訳と同じ結果になります。問題では、片方の伝票が示され、もう片方を答える形がよくあります。示された伝票の科目(仕入か買掛金か)を見れば、どちらの方法かが分かります。

用語

証ひょう
請求書・納品書・領収書・入出金明細など、取引があったことを示す書類や記録。
入金伝票
現金が増える取引を書く伝票。借方の「現金」は書かず、相手科目だけを書く。
出金伝票
現金が減る取引を書く伝票。貸方の「現金」は書かず、相手科目だけを書く。
振替伝票
現金が動かない取引を書く伝票。借方と貸方の両方を書く。
税抜方式
消費税を売上や仕入の金額に含めず、仮払消費税・仮受消費税で別に記録する方法。

例題

例題:商品 50,000円を売り上げ、代金のうち 10,000円は現金で受け取り、残りは掛けとした。いったん全額を掛け取引とみなす方法で起票するとき、入金伝票と振替伝票には何を書くか(消費税は考えない)。
答えと考え方 まず全額を掛けで売ったことにするので、振替伝票は(借)売掛金 50,000/(貸)売上 50,000。そのあと売掛金のうち 10,000円を現金で回収したと考え、入金伝票の科目欄は「売掛金 10,000」です。合わせると、現金 10,000、売掛金 40,000 の増加、売上 50,000 となり、もとの取引と一致します。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 ア・イ(証ひょう、伝票〔入金・出金・振替の各伝票〕)(PDF)。消費税(税抜方式)は同 第二 19、勘定科目は日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」2027年度適用(PDF)。

2. 伝票の集計と補助簿の選び方

1日分の伝票を集計する表(仕訳日計表など)のつくり方と転記の流れ、取引ごとにどの補助簿に記入するかを学びます。

伝票は1件1枚なので、1日に何十枚にもなります。それを1枚ずつ総勘定元帳に転記すると手間がかかり、写し間違いも起きやすくなります。そこで、一定の期間(たとえば1日)の伝票を勘定科目ごとに集計し、その合計を転記する方法があります。出題区分表(2027年度適用)は、この部分を「伝票の集計・管理」とだけ書いています。このラボでは、1日分の伝票を集計する表の例として仕訳日計表などと呼びます。

仕訳日計表などのつくり方

集計の手順は次のとおりです。

1. 入金伝票の合計を、現金の借方に書く。入金伝票の科目欄に書かれた相手科目は、それぞれの科目の貸方に書きます。

2. 出金伝票の合計を、現金の貸方に書く。出金伝票の科目欄の相手科目は、それぞれの科目の借方に書きます。

3. 振替伝票は、借方・貸方をそのまま科目ごとに足す。

4. 借方合計と貸方合計が一致することを確かめる。どの伝票も貸借が同じ金額なので、集計した表の借方合計と貸方合計は必ず一致します。一致しなければ、集計のどこかに誤りがあります。

ある日の伝票
伝票内容
入金伝票売上 12,000/売掛金 30,000
出金伝票仕入 8,000/消耗品費 2,000
振替伝票(借)売掛金 50,000/(貸)売上 50,000
振替伝票(借)仕入 20,000/(貸)買掛金 20,000
集計した結果(仕訳日計表など)
借方勘定科目貸方
42,000現金10,000
50,000売掛金30,000
買掛金20,000
売上62,000
28,000仕入
2,000消耗品費
122,000合計122,000

現金の借方 42,000 は入金伝票の合計(12,000+30,000)、貸方 10,000 は出金伝票の合計(8,000+2,000)です。売上の貸方 62,000 は、入金伝票の 12,000 と振替伝票の 50,000 を足したものです。

転記の流れ

集計表をつくった場合、総勘定元帳へは集計表から科目ごとの合計額で転記します。一方、売掛金元帳・買掛金元帳(得意先・仕入先ごとの明細)は、どの相手との取引かが分からないと記入できないので、個々の伝票から転記します。集計表は、伝票と元帳のあいだに入る「まとめの表」であり、総勘定元帳の代わりになるものではありません。伝票には日付と番号をつけ、種類ごとにつづって保管し、後で元の取引を確かめられるようにします。これが伝票の「管理」です。

取引ごとに補助簿を選ぶ

主要簿(仕訳帳と総勘定元帳)のほかに、特定の取引や勘定の明細を記録する帳簿を補助簿といいます。出題区分表(2027年度適用)の3級に出てくる補助簿は、次のとおりです。

3級の補助簿と記入する場面
補助簿記入する場面
現金出納帳現金が増えた・減ったとき
当座預金出納帳当座預金が増えた・減ったとき
小口現金出納帳小口現金から支払ったとき、補給したとき
仕入帳商品を仕入れたとき、仕入れた商品を返品したとき
売上帳商品を売り上げたとき、売り上げた商品が返品されたとき
商品有高帳商品が入ってきた・出ていったとき(数量・単価・金額)
売掛金元帳得意先ごとの売掛金が増えた・減ったとき
買掛金元帳仕入先ごとの買掛金が増えた・減ったとき
固定資産台帳建物・備品などを取得・売却・除却したとき

補助簿を選ぶときは、まず仕訳を書き、仕訳に出てくる科目ごとに対応する補助簿があるかを確かめます。たとえば「商品 50,000円を仕入れ、20,000円は現金で払い、残りは掛けとした」なら、仕訳は(借)仕入 50,000/(貸)現金 20,000、買掛金 30,000 です。仕入があるので仕入帳と商品有高帳、現金があるので現金出納帳、買掛金があるので買掛金元帳に記入します。未払金や消耗品費のように、対応する補助簿が3級の区分表にない科目もあります。

なお、2027年度(2027年4月1日以降の試験)からは、紙の手形・小切手に関する出題はなくなります(2026年10月時点の確定版の区分表による)。そのため、以前の教材にある「受取手形記入帳」「支払手形記入帳」は、2027年度以降の3級では使いません。

用語

仕訳日計表など
1日分などの伝票を勘定科目ごとに集計する表。借方合計と貸方合計は一致する。
転記
仕訳や集計表の金額を、元帳の各勘定に書き写すこと。
補助簿
特定の取引や勘定の明細を記録する帳簿。現金出納帳・仕入帳・売掛金元帳など。
売掛金元帳
得意先ごとに売掛金の増減と残高を記録する補助簿(得意先元帳ともいう)。
固定資産台帳
建物や備品など、固定資産ごとに取得日・取得原価・減価償却などを記録する補助簿。

例題

例題:得意先に商品 70,000円を売り上げ、代金は掛けとした。記入する補助簿をすべて挙げなさい(消費税は考えない)。
答えと考え方 仕訳は(借)売掛金 70,000/(貸)売上 70,000。売上があるので売上帳、商品が出ていくので商品有高帳、売掛金があるので売掛金元帳の3つです。現金は動いていないので、現金出納帳には記入しません。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 4 イ(補助簿)、5 ウ(伝票の集計・管理)、第二 1・3・7・10(各補助簿)(PDF)。集計表の名前は区分表に書かれていないため「仕訳日計表など」と表記。手形の出題がなくなった点は日本商工会議所「改定項目等の説明書(紙媒体の手形・小切手の廃止、リース会計基準の適用)」(PDF)。

確認問題(10問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|請求書(受け取った側)

仕入先から次の請求書を受け取った。内容は「販売用の商品A 20個×@4,000円=80,000円、消費税(10%)8,000円、合計 88,000円、支払期限は月末」である。正しい仕訳はどれか(消費税は税抜方式)。

  1. (借)仕入 88,000/(貸)買掛金 88,000
  2. (借)仕入 80,000、仮払消費税 8,000/(貸)買掛金 88,000
  3. (借)仕入 80,000、仮払消費税 8,000/(貸)未払金 88,000
  4. (借)仕入 80,000、仮受消費税 8,000/(貸)買掛金 88,000
正解と解説
正解:B. (借)仕入 80,000、仮払消費税 8,000/(貸)買掛金 88,000

正解は『(借)仕入 80,000、仮払消費税 8,000/(貸)買掛金 88,000』。販売用の商品を代金後払いで買ったので仕入と買掛金、支払う側の消費税は仮払消費税です。仕入を88,000円とする選択肢は、税抜方式なのに消費税を仕入に含めています。貸方を未払金とする選択肢の未払金は、商品以外(備品など)の代金を後で払うときの科目です。仮受消費税を使う選択肢の仮受消費税は、売った側(消費税を受け取る側)が使う科目です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 ア(証ひょう)(PDF)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」2027年度適用(PDF)。消費税(税抜方式)は区分表 第二 19。

問2|領収書(事務用品)

事務所で使うコピー用紙を買い、現金で支払って次の領収書を受け取った。「品代(コピー用紙)税抜 5,000円、消費税(10%)500円、合計 5,500円」。正しい仕訳はどれか(消費税は税抜方式)。

  1. (借)消耗品費 5,500/(貸)現金 5,500
  2. (借)備品 5,000、仮払消費税 500/(貸)現金 5,500
  3. (借)消耗品費 5,000、仮払消費税 500/(貸)未払金 5,500
  4. (借)消耗品費 5,000、仮払消費税 500/(貸)現金 5,500
正解と解説
正解:D. (借)消耗品費 5,000、仮払消費税 500/(貸)現金 5,500

正解は『(借)消耗品費 5,000、仮払消費税 500/(貸)現金 5,500』。コピー用紙は事務で使って消えるものなので消耗品費、領収書があるのでその場で現金で払っています。消耗品費を5,500円とする選択肢は、消費税を費用に含めています。借方を備品とする選択肢の備品は、長く使う机やパソコンなどの科目です。貸方を未払金とする選択肢の未払金は、代金をまだ払っていないときの科目で、領収書(支払済みの証拠)と合いません。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 ア(証ひょう)(PDF)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」2027年度適用(PDF)。消費税(税抜方式)は区分表 第二 19。

問3|入出金明細(普通預金)

普通預金口座の入出金明細に「振込入金 ミナミ商店 220,000」とあった。ミナミ商店は得意先で、商品代金の売掛金が残っている。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)普通預金 220,000/(貸)売掛金 220,000
  2. (借)普通預金 220,000/(貸)売上 220,000
  3. (借)売掛金 220,000/(貸)普通預金 220,000
  4. (借)当座預金 220,000/(貸)売掛金 220,000
正解と解説
正解:A. (借)普通預金 220,000/(貸)売掛金 220,000

正解は『(借)普通預金 220,000/(貸)売掛金 220,000』。得意先から売掛金が振り込まれたので、普通預金が増え(借方)、売掛金が減ります(貸方)。貸方を売上とする選択肢は誤りで、売上は商品を売ったときにすでに計上済みなので、回収のときに再び計上すると二重になります。『(借)売掛金/(貸)普通預金』とする選択肢は借方と貸方が逆です。借方を当座預金とする選択肢は、入金した口座が普通預金なのに当座預金としています。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 ア(証ひょう)(PDF)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」2027年度適用(PDF)。売掛金は区分表 第二 3。

問4|一部現金取引(振替伝票)

商品 100,000円を仕入れ、代金のうち 30,000円は現金で支払い、残りは掛けとした。この取引について、出金伝票に「買掛金 30,000」と記入した。振替伝票の記入として正しいものはどれか(消費税は考えない)。

  1. (借)仕入 70,000/(貸)買掛金 70,000
  2. (借)仕入 100,000/(貸)現金 100,000
  3. (借)仕入 100,000/(貸)買掛金 100,000
  4. (借)買掛金 100,000/(貸)仕入 100,000
正解と解説
正解:C. (借)仕入 100,000/(貸)買掛金 100,000

正解は『(借)仕入 100,000/(貸)買掛金 100,000』。出金伝票の科目が「買掛金」なので、いったん全額を掛けで仕入れたとみなす方法です。振替伝票は仕入 100,000/買掛金 100,000 になります。仕入 70,000/買掛金 70,000 とする選択肢は取引を分けて書く方法の振替伝票で、その場合の出金伝票は「仕入 30,000」になるはずです。貸方を現金とする選択肢は現金を含むので、振替伝票には書きません。『(借)買掛金/(貸)仕入』とする選択肢は借方と貸方が逆です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 イ(入金、出金、振替の各伝票)(PDF)

問5|入金伝票を読む

入金伝票の科目欄に「売掛金」、金額欄に「40,000」と書かれている。この伝票が表す内容として正しいものはどれか。

  1. 現金 40,000 が増え、売掛金 40,000 が減った
  2. 売掛金 40,000 が増え、現金 40,000 が減った
  3. 商品 40,000 を売り上げ、代金を掛けとした
  4. 売掛金 40,000 が普通預金に振り込まれた
正解と解説
正解:A. 現金 40,000 が増え、売掛金 40,000 が減った

正解は『現金 40,000 が増え、売掛金 40,000 が減った』。入金伝票の借方は必ず現金なので省略され、科目欄には貸方の科目だけが書かれます。つまり(借)現金 40,000/(貸)売掛金 40,000 で、売掛金を現金で回収した取引です。『売掛金 40,000 が増え、現金 40,000 が減った』とする選択肢は貸借が逆です。掛けで売り上げたとする選択肢は現金が動かない取引なので、振替伝票に書きます。普通預金に振り込まれたとする選択肢も、現金ではなく普通預金が増える取引なので、振替伝票に書きます。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 イ(入金、出金、振替の各伝票)(PDF)

問6|使う伝票を選ぶ

3伝票制で「商品 60,000円を売り上げ、代金は掛けとした」という取引を記録する。使う伝票として正しいものはどれか(消費税は考えない)。

  1. 入金伝票1枚
  2. 振替伝票1枚
  3. 出金伝票1枚
  4. 入金伝票と振替伝票の2枚
正解と解説
正解:B. 振替伝票1枚

正解は『振替伝票1枚』。仕訳は(借)売掛金 60,000/(貸)売上 60,000 で、現金が動かないので振替伝票1枚に書きます。入金伝票は現金が増える取引に使います。出金伝票は現金が減る取引に使います。『入金伝票と振替伝票の2枚』とする選択肢は、代金の一部を現金で受け取ったときのような一部現金取引で使う書き方です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 イ(入金、出金、振替の各伝票)(PDF)

問7|伝票の集計(合計)

ある日の伝票は次のとおりである。入金伝票:売上 12,000、売掛金 30,000。出金伝票:仕入 8,000、消耗品費 2,000。振替伝票:(借)売掛金 50,000/(貸)売上 50,000、(借)仕入 20,000/(貸)買掛金 20,000。これを勘定科目ごとに集計した表(仕訳日計表など)の借方合計はいくらか。

  1. 70,000円
  2. 52,000円
  3. 244,000円
  4. 122,000円
正解と解説
正解:D. 122,000円

正解は『122,000円』。借方は、現金 42,000(入金伝票の合計)、売掛金 50,000、仕入 28,000(出金伝票 8,000+振替伝票 20,000)、消耗品費 2,000 で、合計 122,000円です。貸方も売上 62,000、売掛金 30,000、現金 10,000、買掛金 20,000 で 122,000円となり一致します。『70,000円』は振替伝票だけ、『52,000円』は入金伝票と出金伝票の金額だけを足しています。『244,000円』は借方合計と貸方合計を足してしまっています。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 ウ(伝票の集計・管理)(PDF)。集計表の名前は区分表に書かれていない。

問8|集計表と転記

伝票を1日分ずつ集計する表(仕訳日計表など)を使う場合の説明として、正しいものはどれか。

  1. 総勘定元帳へは伝票から1枚ずつ転記し、売掛金元帳へは集計表の合計を転記する
  2. 集計表は伝票の数が多い日には、借方合計と貸方合計が一致しないことがある
  3. 総勘定元帳へは集計表から合計額で転記し、売掛金元帳へは個々の伝票から転記する
  4. 集計表を作れば、総勘定元帳に記入する必要はなくなり、集計表だけを保管する
正解と解説
正解:C. 総勘定元帳へは集計表から合計額で転記し、売掛金元帳へは個々の伝票から転記する

正解は『総勘定元帳へは集計表から合計額で転記し、売掛金元帳へは個々の伝票から転記する』。総勘定元帳へは科目ごとの合計額で転記して手間を減らします。売掛金元帳は得意先ごとの明細なので、どの得意先かが分かる個々の伝票から転記します。総勘定元帳へ伝票から1枚ずつ転記するとする選択肢は、2つの元帳への転記元が逆です。借方合計と貸方合計が一致しないことがあるとする選択肢は誤りで、どの伝票も貸借が同じ金額なので、集計表の借方合計と貸方合計は必ず一致します。総勘定元帳への記入が不要になるとする選択肢も誤りで、集計表は伝票と総勘定元帳のあいだに入るまとめの表であり、元帳の代わりにはなりません。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 5 ウ(伝票の集計・管理)(PDF)、第一 4(帳簿)。

問9|補助簿の選択(一部現金の仕入)

「商品 50,000円を仕入れ、代金のうち 20,000円は現金で支払い、残りは掛けとした」。この取引を記入する補助簿の組み合わせとして正しいものはどれか(消費税は考えない)。

  1. 現金出納帳・仕入帳・買掛金元帳
  2. 現金出納帳・仕入帳・商品有高帳・買掛金元帳
  3. 仕入帳・商品有高帳・売掛金元帳
  4. 現金出納帳・売上帳・商品有高帳・買掛金元帳
正解と解説
正解:B. 現金出納帳・仕入帳・商品有高帳・買掛金元帳

正解は『現金出納帳・仕入帳・商品有高帳・買掛金元帳』。仕訳は(借)仕入 50,000/(貸)現金 20,000、買掛金 30,000。仕入なので仕入帳、商品が入ってくるので商品有高帳、現金が減るので現金出納帳、仕入先への買掛金が増えるので買掛金元帳に記入します。『現金出納帳・仕入帳・買掛金元帳』は商品有高帳が抜けています。売掛金元帳を含む選択肢は現金出納帳と買掛金元帳が抜け、関係のない売掛金元帳が入っています。売上帳を含む選択肢は、仕入帳ではなく売上帳を選んでいます。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 4 イ(補助簿)、第二 1・3・7・10(PDF)

問10|補助簿の選択(備品の購入)

事務所で使う机(備品)を 300,000円で購入し、代金は月末に支払うこととした。この取引を記入する補助簿として正しいものはどれか(消費税は考えない)。

  1. 固定資産台帳
  2. 固定資産台帳と買掛金元帳
  3. 仕入帳と商品有高帳
  4. 固定資産台帳と仕入帳
正解と解説
正解:A. 固定資産台帳

正解は『固定資産台帳』。仕訳は(借)備品 300,000/(貸)未払金 300,000。備品は固定資産なので固定資産台帳に記入します。未払金には3級の区分表で対応する補助簿がありません。買掛金元帳を含む選択肢は誤りで、買掛金元帳は商品代金の買掛金の明細なので、未払金の取引には使いません。『仕入帳と商品有高帳』は販売用の商品の取引に使います。『固定資産台帳と仕入帳』も同じ理由で、仕入帳は使いません。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」第一 4 イ(補助簿)、第二 1・3・7・10(PDF)。未払金は日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」2027年度適用(PDF)。

演習:この章の問題を解く

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※ 解説は学習用の情報提供です。出題範囲・配点・試験の実施方法は、必ず日本商工会議所の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。