日商簿記3級 BOOKKEEPING GRADE 3
収益・費用、税金、株式会社の純資産
講義 3 本・確認問題 12 問 | 日々の取引(諸取引の処理) | 最終更新 2026-10-16
この章で学ぶこと- 収益・費用の主な勘定科目と、給料から差し引く預り金・会社が負担する法定福利費の仕訳ができる
- 固定資産税・印紙税を租税公課で、郵便切手を通信費で処理できる
- 税抜方式の消費税を仮払消費税・仮受消費税で記録し、決算で未払消費税を計算できる
- 法人税等の中間納付(仮払法人税等)と決算(未払法人税等)の流れを説明できる
- 株式の発行で資本金を、剰余金の配当で未払配当金と利益準備金を正しく記入できる
1. 収益・費用の科目と給料・法定福利費
日々の取引で使う収益・費用の勘定科目を整理し、給料から差し引く預り金と、会社が負担する法定福利費の仕訳を学びます。
この章では、まず日々の取引でよく使う収益と費用の勘定科目を整理します。収益は、会社のもうけを増やす原因(売上や受取手数料など)です。費用は、もうけを得るために使ったお金や価値(給料や家賃など)です。収益は発生したら貸方に、費用は発生したら借方に記入します。3級の出題区分表では、第二「18.収益と費用」に、受取手数料・受取家賃・受取地代・給料・法定福利費・広告宣伝費・旅費交通費・通信費・消耗品費・水道光熱費・支払家賃・支払地代・雑費・貸倒損失・受取利息・償却債権取立益などが並んでいます。
3級でよく使う収益・費用の科目(例)| 区分 | 勘定科目 | どんなときに使うか |
|---|
| 収益 | 受取手数料 | 仲介などのサービスをして手数料を受け取ったとき |
| 収益 | 受取家賃・受取地代 | 建物や土地を貸して、家賃や地代を受け取ったとき |
| 収益 | 受取利息 | 貸付金や預金の利息を受け取ったとき |
| 費用 | 広告宣伝費 | チラシやインターネット広告の代金 |
| 費用 | 旅費交通費 | 電車・バス・タクシー代、出張の旅費 |
| 費用 | 通信費 | 電話代・インターネット料金・郵便切手 |
| 費用 | 消耗品費 | 文房具・コピー用紙など、すぐに使う物 |
| 費用 | 水道光熱費 | 水道代・電気代・ガス代 |
| 費用 | 支払家賃・支払地代 | 事務所や店舗の家賃、土地の地代 |
| 費用 | 雑費 | どの科目にも当てはまらない少額の費用 |
2027年度の改定で、2級以上では不動産を借りる取引をリースとして扱い、支払リース料勘定などを使うことになりました。しかし3級は比較的小規模の株式会社を想定しているため、家賃や地代は引き続き支払家賃・支払地代(貸した側は受取家賃・受取地代)で出題されます(改定項目等の説明書)。
給料の支払い
会社は従業員に給料を払うとき、全額をそのまま渡すわけではありません。所得税(源泉徴収)や、従業員が負担する社会保険料(健康保険・厚生年金保険など)を差し引いて、残りを支払います。差し引いた分は、会社が従業員の代わりに後で国などに納めるため、一時的に預かっているお金です。そこで、所得税預り金・社会保険料預り金(どちらも負債)で処理します。給料勘定には、差し引く前の総額(総支給額)を記入する点が大切です。
法定福利費
厚生年金保険の保険料は、事業主(会社)と被保険者(従業員)が半分ずつ負担します(日本年金機構)。従業員の負担分は給料から預かった社会保険料預り金です。会社の負担分は会社の費用で、法定福利費で処理します。保険料を納めるときは、預り金を減らし、同じ額の会社負担分を法定福利費として計上します。
給料と社会保険料の仕訳の流れ(金額は例)| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|
| 給料の支給(総額300,000円、所得税20,000円・社会保険料30,000円を差し引き、残りを普通預金から) | 給料 300,000 | 所得税預り金 20,000 社会保険料預り金 30,000 普通預金 250,000 |
| 社会保険料の納付(従業員負担30,000円+会社負担30,000円) | 社会保険料預り金 30,000 法定福利費 30,000 | 普通預金 60,000 |
| 所得税の納付 | 所得税預り金 20,000 | 普通預金 20,000 |
勘定科目表では、所得税預り金や社会保険料預り金のかわりに「預り金」としても採点上許容されます(B欄)。ただし、問題文に勘定科目の指定があるときは、その指定に従います。
例題
例題:従業員の給料総額250,000円から、所得税15,000円と社会保険料25,000円を差し引き、残額を普通預金口座から振り込んだ。
答えと考え方 (借)給料 250,000/(貸)所得税預り金 15,000、社会保険料預り金 25,000、普通預金 210,000。給料は差し引く前の総額で記入します。振込額は 250,000-15,000-25,000=210,000円です。
用語
- 収益
- 会社の純資産を増やす原因になるもの。売上、受取手数料、受取利息など。
- 費用
- 収益を得るために使った価値。給料、支払家賃、通信費など。
- 源泉徴収
- 給料を払う会社が、従業員の所得税を差し引いて預かり、国に納めるしくみ。
- 預り金
- 他人のために一時的に預かっているお金を表す負債。所得税預り金・社会保険料預り金など。
- 法定福利費
- 社会保険料のうち、法律にもとづいて会社が負担する部分を表す費用。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第二 18(収益と費用)/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(3級 A欄・B欄)/同「改定項目等の説明書(確定版、2026-07-31)」 第二 18(3級の受取家賃・支払家賃は賃貸借処理)/日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
2. 税金:租税公課・消費税・法人税等
税金を「費用になる税」「もうけにかかる税」「預かって納める税」の3つに分け、それぞれの勘定科目と仕訳の流れを学びます。
3級の出題区分表の第二「19.税金」は、ア 固定資産税など、イ 法人税・住民税・事業税(※簡易な内容)、ウ 消費税(税抜方式)の3つです。税金は、処理のしかたで3種類に分けると覚えやすくなります。
税金の3つのグループ| グループ | 主な税金 | 使う勘定科目 |
|---|
| 費用になる税金 | 固定資産税、印紙税など | 租税公課 |
| 会社のもうけにかかる税金 | 法人税・住民税・事業税 | 仮払法人税等、法人税、住民税及び事業税、未払法人税等 |
| 預かって納める税金 | 消費税 | 仮払消費税、仮受消費税、未払消費税 |
租税公課(固定資産税・印紙税)
固定資産税は、土地・家屋・償却資産の所有者に市町村(東京23区内は東京都)がかける税金で、1月1日(賦課期日)の所有者が納めます(総務省)。会社では費用として租税公課で処理します。処理の方法には、納税通知書を受け取ったときに年税額の全額を租税公課とし、まだ払っていない分を未払金とする方法と、納めたときに納めた分だけ租税公課とする方法があります。問題文の指示をよく読みましょう。なお「未払固定資産税」は2級の勘定科目表にある科目で、3級では未払金を使います。
印紙税は、契約書や領収書など、印紙税法で決められた文書(課税文書)にかかる税金です(国税庁)。収入印紙を買ったときは租税公課で処理します。郵便切手は税金ではないので通信費です。決算のときに使っていない収入印紙や切手が残っていれば貯蔵品に振り替えます(決算整理の章で学びます)。
消費税(税抜方式)
消費税は、お客さんが負担し、会社がいったん預かって国に納める税金です。3級は税抜方式だけを扱います。商品を仕入れて払った消費税は仮払消費税(資産)、売上で受け取った消費税は仮受消費税(負債)とし、仕入や売上の金額には消費税を含めません。決算で両者を相殺し、仮受消費税のほうが多ければ差額を未払消費税(負債)とします。翌期に納付したら未払消費税を減らします。
消費税の仕訳の流れ(税率10%)| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|
| 商品200,000円(税抜)を掛けで仕入れ | 仕入 200,000 仮払消費税 20,000 | 買掛金 220,000 |
| 商品300,000円(税抜)を掛けで販売 | 売掛金 330,000 | 売上 300,000 仮受消費税 30,000 |
| 決算(相殺) | 仮受消費税 30,000 | 仮払消費税 20,000 未払消費税 10,000 |
| 翌期に納付 | 未払消費税 10,000 | 普通預金 10,000 |
法人税・住民税・事業税
会社のもうけにかかる法人税・住民税・事業税は、まとめて「法人税、住民税及び事業税」勘定(3級のA欄。「法人税等」はB欄の許容科目)で処理します。法人税では、事業年度が6か月を超える普通法人(株式会社など)は、原則として事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内に中間申告をし、税額を納めます(国税庁)。この中間納付の時点では1年分の税額が決まっていないので、仮払法人税等(資産)で処理します。決算で1年分の税額が決まったら、その全額を法人税、住民税及び事業税とし、仮払法人税等を取り崩して、残りを未払法人税等(負債)とします。確定申告は原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内で、そのときに未払法人税等を納めます。
法人税等の仕訳の流れ(金額は例)| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|
| 中間納付 400,000円 | 仮払法人税等 400,000 | 普通預金 400,000 |
| 決算(年税額 900,000円) | 法人税、住民税及び事業税 900,000 | 仮払法人税等 400,000 未払法人税等 500,000 |
| 確定申告で納付 | 未払法人税等 500,000 | 普通預金 500,000 |
注意:日本商工会議所は、2026年7月の法人税等に関する会計基準の改正は2027年度版の区分表に反映しておらず、強制適用(2028年4月〜)の前に区分表を改定する予定としています(2026年10月時点)。法人税等の部分は、2028年度に変わる可能性があります。
例題
例題:決算において、仮払消費税の残高が180,000円、仮受消費税の残高が260,000円であった。消費税の整理の仕訳をしなさい。
答えと考え方 (借)仮受消費税 260,000/(貸)仮払消費税 180,000、未払消費税 80,000。預かった消費税(260,000円)から払った消費税(180,000円)を差し引いた 80,000円が、国に納める額です。
用語
- 租税公課
- 費用になる税金や公的な負担を表す費用の科目。固定資産税・印紙税など。
- 税抜方式
- 消費税を売上や仕入の金額に含めず、仮払消費税・仮受消費税で別に記録する方法。
- 仮払消費税
- 仕入などで支払った消費税。決算で仮受消費税と相殺する資産。
- 中間申告
- 事業年度の途中で、法人税などを前もって申告・納付すること。
- 仮払法人税等
- 中間納付した法人税等を、年税額が決まるまで一時的に記録する資産。
- 未払法人税等
- 決算で決まった法人税等のうち、まだ納めていない額を表す負債。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第二 19(税金)/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(3級:租税公課、仮払消費税、仮受消費税、未払消費税、仮払法人税等、未払法人税等、法人税、住民税及び事業税。未払固定資産税は2級)/同「出題区分表」(法人税等の会計基準の改正に関する注記)/総務省「固定資産税」/国税庁 タックスアンサー No.7100/国税庁「法人税のあらましと申告の手引」2 申告の種類と内容
3. 株式会社の純資産:株式の発行と剰余金の配当
資本金・利益準備金・繰越利益剰余金の役割と、株式の発行(設立・増資)、剰余金の配当の仕訳を学びます。
株式会社は、株式を発行して株主からお金を集め、そのお金で事業をします。会社の純資産(資産から負債を引いた残り)は、3級では次の3つの勘定科目で表します。株主が払い込んだお金を表す資本金、会社法で積み立てが決められている利益準備金、もうけのうち会社に残っている繰越利益剰余金です。どれも純資産なので、増えたら貸方、減ったら借方に記入します。
3級で扱う純資産の3つの科目と、増減の原因図の説明:株主の払込みは資本金を増やします。決算で計算した当期純利益は繰越利益剰余金を増やします(帳簿の締切の章で学びます)。配当をすると繰越利益剰余金が減り、その一部を利益準備金として積み立てます。
株式の発行(設立・増資)
会社をつくるとき(設立)や、つくった後に資金を増やすとき(増資)に株式を発行します。会社法では、株主が払い込んだ額を原則として資本金とし、その2分の1までは資本金にしないで資本準備金にできます。しかし3級では、株式の発行価額の総額を資本金とする処理だけが出題されます(日本商工会議所の改定項目等の説明書)。資本準備金は2級の科目です。
たとえば、1株60,000円で100株を発行し、払込金が当座預金に入金されたときは、60,000円×100株=6,000,000円を資本金とします。仕訳は(借)当座預金 6,000,000/(貸)資本金 6,000,000です。設立でも増資でも、3級の仕訳の形は同じです。
剰余金の配当
会社は、もうけの一部を株主に配当として分けることがあります。配当は株主総会などで決めます。決めた時点ではまだ払っていないので、払う額を未払配当金(負債)とします。あわせて、会社法では配当で減る剰余金の10分の1を準備金として積み立てることになっています(会社法第445条第4項)。ただし、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達していれば、それ以上は積み立てません(会社計算規則第22条)。この積立額の計算は2級の内容で、3級では積み立てる利益準備金の額は問題文で示されます。繰越利益剰余金から配当するときは、利益準備金を積み立てます。
剰余金の配当の仕訳(配当300,000円、利益準備金30,000円の例)| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|
| 株主総会で配当を決めたとき | 繰越利益剰余金 330,000 | 未払配当金 300,000 利益準備金 30,000 |
| 配当金を普通預金から支払ったとき | 未払配当金 300,000 | 普通預金 300,000 |
繰越利益剰余金は、配当額だけでなく配当額と利益準備金の積立額の合計だけ減ります。ここがよく間違えるところです。
2級で学ぶこと(参考)
2級では、資本準備金やその他資本剰余金、任意積立金(別途積立金など)、準備金の積立額の計算、株主資本等変動計算書、さらに有価証券、リース、税効果会計、本支店会計などを学びます。3級では、この章の資本金・利益準備金・繰越利益剰余金の基本をしっかり押さえておけば十分です。
例題
例題:会社の設立にあたり、株式200株を1株50,000円で発行し、全額が普通預金口座に払い込まれた。
答えと考え方 (借)普通預金 10,000,000/(貸)資本金 10,000,000。発行価額の総額 50,000円×200株=10,000,000円を、3級では全額資本金にします。
用語
- 資本金
- 株主が払い込んだ額のうち、資本金とした額。3級では発行価額の総額。
- 増資
- 会社の設立後に、新しく株式を発行して資本金を増やすこと。
- 繰越利益剰余金
- 会社が稼いだもうけのうち、配当などをせずに会社に残っている額。
- 利益準備金
- 配当をするときに、会社法の決まりにより積み立てる純資産。
- 未払配当金
- 配当を決めたが、まだ株主に払っていない額を表す負債。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第四 1(資本金:設立・増資)・3(利益剰余金)・4(剰余金の配当※)/同「改定項目等の説明書(確定版、2026-07-31)」(3級は株式の発行価額の総額を資本金とする)/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(3級:資本金、利益準備金、繰越利益剰余金、未払配当金)/会社法 第445条/会社計算規則 第22条
確認問題(12問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|給料の支払い
従業員の給料総額300,000円から、所得税の源泉徴収額20,000円と従業員負担の社会保険料30,000円を差し引き、残額を普通預金口座から振り込んだ。正しい仕訳はどれか。
- (借)給料 300,000/(貸)所得税預り金 20,000、法定福利費 30,000、普通預金 250,000
- (借)給料 300,000/(貸)所得税預り金 20,000、社会保険料預り金 30,000、普通預金 250,000
- (借)給料 250,000/(貸)普通預金 250,000
- (借)給料 300,000/(貸)仮受金 50,000、普通預金 250,000
正解と解説
正解:B. (借)給料 300,000/(貸)所得税預り金 20,000、社会保険料預り金 30,000、普通預金 250,000正解は、給料を総額300,000円で借方に記入し、差し引いた所得税と社会保険料をそれぞれ所得税預り金・社会保険料預り金(負債)とする仕訳。預り金は、後で会社が従業員の代わりに納めるために預かっているお金だから負債になる。法定福利費を貸方にする仕訳は誤り。法定福利費は会社が負担する社会保険料を表す費用で、従業員から預かった分ではない。給料を手取りの250,000円で記入する仕訳は、給料(費用)が少なくなり、預かった税金・保険料の記録も残らないので誤り。仮受金は、内容が分からない入金を一時的に記録する科目で、内容がはっきりしている預り金には使わない。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第二 18(給料、法定福利費)/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(3級 A欄)
問2|社会保険料の納付
先月の給料から預かった従業員負担の社会保険料30,000円に、同額の会社負担分を加えた60,000円を、普通預金口座から納付した。正しい仕訳はどれか。
- (借)法定福利費 60,000/(貸)普通預金 60,000
- (借)社会保険料預り金 60,000/(貸)普通預金 60,000
- (借)給料 30,000、社会保険料預り金 30,000/(貸)普通預金 60,000
- (借)社会保険料預り金 30,000、法定福利費 30,000/(貸)普通預金 60,000
正解と解説
問3|固定資産税
店舗の建物と土地について固定資産税の納税通知書(年税額120,000円)を受け取り、第1期分30,000円を普通預金口座から納付した。納税通知書を受け取ったときに年税額の全額を費用として計上し、未納分は未払金とする方法による。正しい仕訳はどれか。
- (借)租税公課 120,000/(貸)普通預金 30,000、未払金 90,000
- (借)建物 120,000/(貸)普通預金 30,000、未払金 90,000
- (借)租税公課 120,000/(貸)普通預金 30,000、未払法人税等 90,000
- (借)法人税、住民税及び事業税 120,000/(貸)普通預金 30,000、未払金 90,000
正解と解説
正解:A. (借)租税公課 120,000/(貸)普通預金 30,000、未払金 90,000正解は、年税額120,000円を租税公課(費用)とし、納付した30,000円は普通預金の減少、残りの90,000円を未払金とする仕訳。固定資産税は建物などを持っていることにかかる毎年の税金で、建物の取得原価には含めないので、建物を借方にする仕訳は誤り。未払法人税等は法人税・住民税・事業税の未納分に使う科目で、固定資産税には使わない。法人税、住民税及び事業税は会社のもうけにかかる税金の科目で、固定資産税はこれに含まれない。なお「未払固定資産税」は2級の科目で、3級では未払金を使う。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第二 19(税金)/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(3級 A欄)/総務省「固定資産税」
問4|収入印紙と郵便切手
収入印紙4,000円と郵便切手1,000円を現金で購入した(どちらもすぐに使用した)。正しい仕訳はどれか。
- (借)通信費 5,000/(貸)現金 5,000
- (借)租税公課 5,000/(貸)現金 5,000
- (借)租税公課 4,000、通信費 1,000/(貸)現金 5,000
- (借)租税公課 1,000、通信費 4,000/(貸)現金 5,000
正解と解説
問5|仕入と消費税
商品200,000円(税抜)を仕入れ、代金は消費税(税率10%)とあわせて掛けとした。税抜方式による正しい仕訳はどれか。
- (借)仕入 200,000、仮払消費税 20,000/(貸)買掛金 220,000
- (借)仕入 220,000/(貸)買掛金 220,000
- (借)仕入 200,000、仮受消費税 20,000/(貸)買掛金 220,000
- (借)仕入 200,000、仮払消費税 20,000/(貸)買掛金 200,000、未払消費税 20,000
正解と解説
正解:A. (借)仕入 200,000、仮払消費税 20,000/(貸)買掛金 220,000正解は、仕入を税抜の200,000円とし、支払う消費税20,000円(200,000円×10%)を仮払消費税、買掛金を税込の220,000円とする仕訳。仕入を220,000円とする仕訳は消費税を仕入に含める方法(税込方式)で、3級の税抜方式ではない。仮受消費税は売上のときに受け取った消費税の科目で、仕入には使わない。未払消費税は決算で仮受消費税と仮払消費税を相殺した差額に使う科目で、仕入先に払う代金は消費税分も含めて買掛金になる。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第二 19(税金)/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(3級 A欄)
問6|決算での消費税の整理
決算において、仮払消費税の残高は180,000円、仮受消費税の残高は260,000円であった。消費税の納付額を確定させる正しい仕訳はどれか。
- (借)仮払消費税 180,000、未払消費税 80,000/(貸)仮受消費税 260,000
- (借)租税公課 80,000/(貸)未払消費税 80,000
- (借)仮受消費税 80,000/(貸)未払消費税 80,000
- (借)仮受消費税 260,000/(貸)仮払消費税 180,000、未払消費税 80,000
正解と解説
問7|消費税の納付額
当期の売上は3,500,000円(税抜)、仕入は2,100,000円(税抜)で、どちらも消費税(税率10%)がかかる取引であった。ほかに消費税のかかる取引はない。税抜方式で記帳しているとき、決算で計上する未払消費税はいくらか。
- 350,000円
- 210,000円
- 140,000円
- 560,000円
正解と解説
正解:C. 140,000円仮受消費税は 3,500,000円×10%=350,000円、仮払消費税は 2,100,000円×10%=210,000円。未払消費税はその差額で 350,000円-210,000円=140,000円。350,000円は売上で預かった消費税だけ、210,000円は仕入で払った消費税だけで、相殺していない。560,000円は2つを足していて誤り。払った消費税は預かった消費税から差し引く。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第二 19(税金)/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(3級 A欄)
問8|法人税等の中間納付
法人税・住民税・事業税の中間申告を行い、450,000円を普通預金口座から納付した。正しい仕訳はどれか。
- (借)法人税、住民税及び事業税 450,000/(貸)普通預金 450,000
- (借)仮払法人税等 450,000/(貸)普通預金 450,000
- (借)租税公課 450,000/(貸)普通預金 450,000
- (借)未払法人税等 450,000/(貸)普通預金 450,000
正解と解説
問9|未払法人税等の金額
決算において、当期の法人税・住民税・事業税が合計840,000円と計算された。期中に中間申告で380,000円を納付し、仮払法人税等で処理している。決算で計上する未払法人税等はいくらか。
- 460,000円
- 840,000円
- 1,220,000円
- 380,000円
正解と解説
正解:A. 460,000円決算の仕訳は(借)法人税、住民税及び事業税 840,000/(貸)仮払法人税等 380,000、未払法人税等 460,000。未払法人税等は年税額から中間納付額を引いた 840,000円-380,000円=460,000円。840,000円は年税額そのもので、すでに納めた分を引いていない。1,220,000円は中間納付額を足していて誤り。380,000円はすでに納めた中間納付額で、これから納める額ではない。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第二 19(税金)/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」(3級 A欄)/日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 3(決算整理)
問10|増資
株式会社が増資を行い、新たに株式100株を1株60,000円で発行し、払込金の全額が当座預金口座に入金された。3級の処理による正しい仕訳はどれか。
- (借)当座預金 6,000,000/(貸)繰越利益剰余金 6,000,000
- (借)当座預金 6,000,000/(貸)資本金 3,000,000、利益準備金 3,000,000
- (借)当座預金 6,000,000/(貸)資本金 6,000,000
- (借)資本金 6,000,000/(貸)当座預金 6,000,000
正解と解説
問11|剰余金の配当の決定
株主総会において、繰越利益剰余金から株主への配当300,000円を行うことが決まった。あわせて利益準備金30,000円を積み立てる。配当金はまだ支払っていない。正しい仕訳はどれか。
- (借)繰越利益剰余金 300,000/(貸)未払配当金 270,000、利益準備金 30,000
- (借)繰越利益剰余金 330,000/(貸)普通預金 300,000、利益準備金 30,000
- (借)利益準備金 30,000、繰越利益剰余金 300,000/(貸)未払配当金 330,000
- (借)繰越利益剰余金 330,000/(貸)未払配当金 300,000、利益準備金 30,000
正解と解説
問12|配当後の繰越利益剰余金
繰越利益剰余金の残高が1,500,000円のとき、株主総会で配当400,000円と利益準備金40,000円の積立てが決まった。この仕訳を記入した後の繰越利益剰余金の残高はいくらか。
- 1,100,000円
- 1,060,000円
- 1,140,000円
- 1,460,000円
正解と解説
正解:B. 1,060,000円繰越利益剰余金は、配当額と利益準備金の積立額の合計440,000円だけ減る。1,500,000円-400,000円-40,000円=1,060,000円。1,100,000円は配当額だけを引いていて、利益準備金の積立てを忘れている。1,140,000円は利益準備金を足していて誤り(利益準備金は繰越利益剰余金から振り替えるので減らす)。1,460,000円は利益準備金だけを引いていて、配当額を引いていない。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第四 1・3・4/同「改定項目等の説明書(確定版、2026-07-31)」/同「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)2027年度適用」
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※ 解説は学習用の情報提供です。出題範囲・配点・試験の実施方法は、必ず日本商工会議所の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。