日商簿記3級 BOOKKEEPING GRADE 3
固定資産と減価償却
講義 3 本・確認問題 12 問 | 日々の取引(諸取引の処理) | 最終更新 2026-10-16
この章で学ぶこと- 有形固定資産の取得原価に付随費用を含め、後払いの代金を未払金で記録する。
- 定額法と定率法(償却率を示す簡易な形)で減価償却費を計算し、年の途中の取得は月割にする。
- 減価償却を間接法(減価償却累計額)で記帳し、帳簿価額を読み取る。
- 期首・期中の売却で売却損益を計算し、除却・廃棄を貯蔵品と固定資産除却損で処理する。
- 固定資産台帳から当期の減価償却費と減価償却累計額を読み取る。
1. 有形固定資産の取得と取得原価
建物・備品・車両運搬具・土地を買ったとき、いくらで記録するかを学びます。付随費用と、後払いの代金に使う「未払金」がポイントです。
会社が長いあいだ使うために持っている建物や机、車などを有形固定資産(ゆうけいこていしさん)といいます。「有形」は形がある、「固定」は1年をこえて使い続ける、という意味です。売るために仕入れた商品とはちがい、会社の仕事のための道具や場所です。3級で使う有形固定資産の勘定科目は、建物、備品(びひん:机・いす・パソコン・陳列棚など)、車両運搬具(しゃりょううんぱんぐ:トラック・営業用の車など)、土地の4つです。どれも資産なので、増えたら借方、減ったら貸方に書きます。
取得原価には付随費用を含める
有形固定資産を買ったときは、取得原価(しゅとくげんか)で記録します。取得原価は、本体の代金(購入代価)に、使い始めるまでにかかった費用を足した金額です。この使い始めるまでの費用を付随費用(ふずいひよう)といいます。たとえば、土地や建物を買うときの不動産会社への仲介手数料や登記料、備品の運送費や据付費(すえつけひ:設置の工事代)、試運転の費用などです。付随費用は支払手数料などの費用にせず、資産の金額に入れます。その資産を使える状態にするために必要だった支出だからです。
一方で、使い始めたあとにかかる費用は取得原価に入れません。たとえば、建物や土地にかかる毎年の固定資産税は「租税公課」(そぜいこうか)という費用、壊れた部分を元にもどす修理は「修繕費」という費用です(税金の科目は第7章で学びます)。
取得原価に入れるもの・入れないもの| 支出 | 扱い | 使う勘定科目 |
|---|
| 本体の代金(購入代価) | 取得原価に入れる | 建物・備品・車両運搬具・土地 |
| 仲介手数料・登記料(土地・建物) | 取得原価に入れる | 同上 |
| 運送費・据付費・試運転費(備品など) | 取得原価に入れる | 同上 |
| 毎年の固定資産税 | 入れない(費用) | 租税公課 |
| 使い始めたあとの修理 | 入れない(費用) | 修繕費 |
代金の後払いは「未払金」
商品を後払いで仕入れたときは「買掛金」を使いますが、有形固定資産を後払いで買ったときは未払金(みばらいきん)を使います。買掛金は商品売買という本業の取引だけに使う、と区別するためです。同じように、有形固定資産を売って代金をあとで受け取るときは、売掛金ではなく未収入金(みしゅうにゅうきん)を使います(第3講義)。
仕訳の例:備品200,000円を買い、据付費10,000円とあわせて月末に払う| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|
| 備品 | 210,000 | 未払金 | 210,000 |
この例では、据付費10,000円も備品の取得原価に入れるので、備品は210,000円です。代金は月末払いなので、貸方は未払金になります。
土地は、ほかの有形固定資産と1つだけちがう点があります。使っても古くならないと考えるので、次の講義で学ぶ減価償却をしません。建物と土地をいっしょに買ったときは、金額を分けて、建物の勘定と土地の勘定に別々に記録します。
例題
例題:店舗用の建物を5,000,000円で買った。代金は翌月末に払う。あわせて不動産会社への仲介手数料150,000円と登記料50,000円を普通預金から払った。仕訳は?
答えと考え方 仲介手数料と登記料は付随費用なので建物の取得原価に入れ、建物は5,000,000+150,000+50,000=5,200,000円です。仕訳は(借)建物 5,200,000/(貸)未払金 5,000,000、普通預金 200,000。代金は商品の代金ではないので、買掛金ではなく未払金です。
用語
- 有形固定資産
- 会社が1年をこえて使うために持つ、形のある資産。3級では建物・備品・車両運搬具・土地。
- 取得原価
- 固定資産を記録する金額。購入代価に付随費用を足したもの。
- 付随費用
- 使い始めるまでにかかった費用。仲介手数料・登記料・運送費・据付費など。取得原価に入れる。
- 未払金
- 商品以外のもの(固定資産など)を後払いで買ったときの、まだ払っていない代金。負債。
- 未収入金
- 商品以外のもの(固定資産など)を売って、まだ受け取っていない代金。資産。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 ア(有形固定資産の取得)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」(2027年度適用・確定版)(3級の資産・負債の科目)
2. 減価償却:定額法・定率法と間接法
固定資産の取得原価を毎年の費用に割りふる減価償却を、定額法と定率法の2つの方法、月割、間接法の記帳で学びます。
建物や備品は、使っているうちに古くなり、価値が下がっていきます。そこで、取得原価を、使う期間(耐用年数:たいようねんすう)に割りふって、毎年の費用にしていきます。この手続きを減価償却(げんかしょうきゃく)といい、その年の費用を減価償却費といいます。減価償却は、決算のとき(会計期間の最後)に行います。土地は減価償却をしません。
定額法:毎年同じ金額
定額法(ていがくほう)は、毎年同じ金額を減価償却費にする方法です。式は「(取得原価−残存価額)÷耐用年数」です。残存価額(ざんぞんかがく)は、耐用年数が終わったときに残ると見込む金額で、問題文で「ゼロ」や「取得原価の10%」のように示されます。
年の途中で買った場合は、その年は使った月数の分だけ計上します。これを月割(つきわり)といいます。1か月未満の端数がある月は、1か月として数えるのが一般的です(問題文の指示に従います)。たとえば決算日が3月31日の会社が10月1日に備品を買ったら、10月から3月までの6か月分、つまり1年分×6/12を計上します。
定率法:毎年同じ「率」
定率法(ていりつほう)は、まだ費用になっていない金額(帳簿価額)に、毎年同じ償却率をかける方法です。式は「(取得原価−減価償却累計額)×償却率」です。帳簿価額は毎年小さくなるので、減価償却費は最初の年が一番大きく、だんだん小さくなります。定率法は2027年度の試験から3級の範囲に入りました。3級では償却率を問題文で示す簡易な出題にとどめ、法人税法の「200%定率法」で使う保証率や改定償却率は出題されません(2026年10月時点の日本商工会議所の説明書による)。
取得原価400,000円の備品(耐用年数5年・残存価額ゼロ)を比べる| 年 | 定額法の減価償却費 | 定率法(償却率40%)の減価償却費 | 定率法の計算 |
|---|
| 1年目 | 80,000 | 160,000 | 400,000×40% |
| 2年目 | 80,000 | 96,000 | (400,000−160,000)×40% |
| 3年目 | 80,000 | 57,600 | (400,000−256,000)×40% |
間接法で記帳する
3級では、減価償却を間接法(かんせつほう)で記帳します。間接法では、資産の勘定(備品など)は取得原価のまま残し、減った分を減価償却累計額(げんかしょうきゃくるいけいがく)という勘定の貸方に積み上げていきます。勘定科目は「備品減価償却累計額」「建物減価償却累計額」「車両運搬具減価償却累計額」のように資産ごとに分けます。減価償却累計額は資産の価値が減った分を表す勘定で、資産から差し引いて見る「評価勘定」です。
仕訳の例:決算で備品の減価償却費80,000円を計上する(間接法)| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|
| 減価償却費 | 80,000 | 備品減価償却累計額 | 80,000 |
このとき、備品勘定の残高は400,000円のまま、備品減価償却累計額は80,000円になります。2つの差額320,000円が帳簿価額です。取得原価と、これまでに減った合計の両方が帳簿から読み取れるのが間接法の特徴です。
例題
例題:決算日は3月31日。当期の8月1日に備品を600,000円で買った。耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法、間接法で、当期の減価償却費と仕訳は?
答えと考え方 1年分は600,000÷5=120,000円。8月から3月までは8か月なので、120,000×8/12=80,000円。仕訳は(借)減価償却費 80,000/(貸)備品減価償却累計額 80,000。備品勘定は600,000円のまま動かしません。
用語
- 減価償却
- 固定資産の取得原価を、耐用年数にわたって毎年の費用に割りふる手続き。
- 耐用年数
- 固定資産を使えると見込む年数。問題文で示される。
- 残存価額
- 耐用年数が終わったときに残ると見込む金額。
- 帳簿価額
- 取得原価から減価償却累計額を引いた金額。
- 減価償却累計額
- これまでの減価償却費の合計を記録する勘定。資産から差し引いて見る評価勘定。
- 月割
- 年の途中で取得・売却したとき、使った月数の分だけ計上すること。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 オ(減価償却(間接法)、定額法・定率法)、日本商工会議所「改定項目等の説明書」(2027年度適用・確定版)(定率法を3級へ移した趣旨と出題の範囲)、日本商工会議所「2027年度適用の商工会議所簿記検定試験出題区分表等(確定版)」
3. 売却・除却・廃棄と固定資産台帳
固定資産を売ったとき、使うのをやめたとき、捨てたときの仕訳と、固定資産を1つずつ管理する固定資産台帳を学びます。
使わなくなった固定資産は、売ったり、捨てたりします。どちらの場合も、その資産の取得原価と減価償却累計額を帳簿から消し、帳簿価額と実際に得た金額との差を損益にします。
売却:帳簿価額と売った金額の差が売却損益
売った金額が帳簿価額より大きければ固定資産売却益(収益)、小さければ固定資産売却損(費用)です。間接法では、貸方に資産の取得原価、借方に減価償却累計額を書いて、両方を帳簿から消します。代金をあとで受け取るときは未収入金を使います。
仕訳の例:期首に備品(取得原価300,000円、減価償却累計額180,000円)を100,000円で売り、代金は月末に受け取る| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|
| 備品減価償却累計額 | 180,000 | 備品 | 300,000 |
| 未収入金 | 100,000 | | |
| 固定資産売却損 | 20,000 | | |
帳簿価額は300,000−180,000=120,000円、売った金額は100,000円なので、20,000円の売却損です。
年の途中(期中)で売ったときは、期首から売った日までの減価償却費を月割で計上してから、売却損益を計算します。この減価償却費は、売却の仕訳の中で「減価償却費」として借方に書きます。期首の減価償却累計額と、当期分の減価償却費を足した分だけ、価値が減っているからです。
除却と廃棄:使うのをやめる
除却(じょきゃく)は、固定資産を仕事に使うのをやめて帳簿から外すことです。廃棄(はいき)は、それを捨てることです。どちらも2027年度の試験から3級の範囲に入りました。除却した資産にまだ売れる見込みがあるときは、その見込みの金額(見積売却価額)を貯蔵品(ちょぞうひん)という資産にし、帳簿価額との差を固定資産除却損にします。廃棄して何も残らないときは、帳簿価額の全部が損失です。3級の標準の勘定科目は「固定資産除却損」で、「固定資産廃棄損」は許容される科目として示されています。
仕訳の例:期首に備品(取得原価250,000円、減価償却累計額225,000円)を除却。見積売却価額は10,000円| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|
| 備品減価償却累計額 | 225,000 | 備品 | 250,000 |
| 貯蔵品 | 10,000 | | |
| 固定資産除却損 | 15,000 | | |
固定資産台帳
固定資産台帳(こていしさんだいちょう)は、固定資産を1つずつ管理する補助簿です。取得年月日、名称、耐用年数、取得原価、期首の減価償却累計額、当期の減価償却費などを記入します。総勘定元帳の備品勘定は全部の備品の合計しか分かりませんが、台帳を見れば、どの備品がいつ買われ、あといくら帳簿価額が残っているかが分かります。台帳の各行の合計は、総勘定元帳の金額と一致します。
例題
例題:決算日は3月31日。当期の6月30日に備品(取得原価300,000円、期首の減価償却累計額120,000円、定額法・耐用年数5年・残存価額ゼロ)を140,000円で売り、代金は現金で受け取った。仕訳は?
答えと考え方 当期分の減価償却費は300,000÷5×3/12=15,000円(4月〜6月の3か月)。帳簿価額は300,000−120,000−15,000=165,000円なので、140,000円で売ると25,000円の売却損。仕訳は(借)備品減価償却累計額 120,000、減価償却費 15,000、現金 140,000、固定資産売却損 25,000/(貸)備品 300,000。
用語
- 固定資産売却益・売却損
- 売った金額と帳簿価額の差。売った金額が大きければ益、小さければ損。
- 除却
- 固定資産を使うのをやめて帳簿から外すこと。
- 廃棄
- 固定資産を捨てること。処分価値がなければ帳簿価額の全部が損失。
- 貯蔵品
- 除却した資産のうち、売れる見込みの金額を記録する資産の勘定。
- 固定資産除却損
- 除却・廃棄で生じた損失の勘定(3級の標準科目)。
- 固定資産台帳
- 固定資産を1つずつ記録する補助簿。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 イ(売却)・ウ(除却、廃棄)・ク(固定資産台帳)、日本商工会議所「改定項目等の説明書」(2027年度適用・確定版)(除却・廃棄を3級へ移した趣旨)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」(2027年度適用・確定版)(固定資産除却損・貯蔵品)
確認問題(12問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|備品の取得と付随費用
〔仕訳〕事務所用の備品を600,000円で購入し、代金は月末に支払うことにした。あわせて据付費15,000円を現金で支払った。正しい仕訳はどれか。
- (借)備品 600,000、支払手数料 15,000/(貸)未払金 600,000、現金 15,000
- (借)備品 615,000/(貸)買掛金 600,000、現金 15,000
- (借)備品 615,000/(貸)未払金 600,000、現金 15,000
- (借)備品 615,000/(貸)未払金 615,000
正解と解説
問2|土地の取得原価
〔仕訳〕店舗を建てるための土地を3,000,000円で購入し、不動産会社への仲介手数料90,000円と登記料30,000円とあわせて、普通預金口座から支払った。正しい仕訳はどれか。
- (借)土地 3,120,000/(貸)普通預金 3,120,000
- (借)土地 3,000,000、支払手数料 120,000/(貸)普通預金 3,120,000
- (借)土地 3,000,000、支払手数料 90,000、租税公課 30,000/(貸)普通預金 3,120,000
- (借)建物 3,120,000/(貸)普通預金 3,120,000
正解と解説
正解:A. (借)土地 3,120,000/(貸)普通預金 3,120,000仲介手数料と登記料は、土地を手に入れて使える状態にするための付随費用なので、どちらも土地の取得原価に入れる。土地は3,000,000+90,000+30,000=3,120,000円。借方に支払手数料120,000円を入れる選択肢は、手数料と登記料を費用にしている点が誤り。借方に租税公課30,000円を入れる選択肢は、登記料を租税公課にしている点が誤り(租税公課になるのは毎年の固定資産税など、取得後の税金)。借方を建物とする選択肢は誤りで、これから店舗を建てる予定でも、買ったのは土地なので建物ではない。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 ア(有形固定資産の取得)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」(2027年度適用・確定版)(土地)
問3|定額法と月割
〔計算〕決算日は3月31日(会計期間は1年)。当期の8月1日に備品を360,000円で購入し、すぐに使い始めた。耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法で月割計算するとき、当期の減価償却費はいくらか。
- 72,000円
- 48,000円
- 42,000円
- 54,000円
正解と解説
正解:B. 48,000円1年分は360,000÷5=72,000円。8月から3月までの8か月分なので、72,000×8/12=48,000円。72,000円は月割をせず1年分を計上した誤り。42,000円は7か月分(月数の数え違い)、54,000円は9か月分(7月から数えた誤り)。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 オ(減価償却:定額法)
問4|残存価額がある定額法
〔計算〕建物(取得原価6,000,000円)を期首に取得した。耐用年数30年、残存価額は取得原価の10%、定額法による1年分の減価償却費はいくらか。
- 200,000円
- 20,000円
- 162,000円
- 180,000円
正解と解説
正解:D. 180,000円残存価額は6,000,000×10%=600,000円。(6,000,000−600,000)÷30=180,000円。200,000円は残存価額を引き忘れた誤り。20,000円は残存価額600,000円を30年で割った誤り。162,000円は180,000円からさらに10%を引いた誤りで、残存価額は1回だけ差し引く。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 オ(減価償却:定額法)
問5|定率法の決算整理仕訳
〔仕訳〕決算にあたり、車両運搬具(取得原価1,600,000円、決算整理前の車両運搬具減価償却累計額400,000円)について、定率法(償却率25%)で減価償却を行う。記帳は間接法による。正しい仕訳はどれか。
- (借)減価償却費 400,000/(貸)車両運搬具減価償却累計額 400,000
- (借)減価償却費 300,000/(貸)車両運搬具減価償却累計額 300,000
- (借)車両運搬具減価償却累計額 300,000/(貸)減価償却費 300,000
- (借)減価償却費 100,000/(貸)車両運搬具減価償却累計額 100,000
正解と解説
正解:B. (借)減価償却費 300,000/(貸)車両運搬具減価償却累計額 300,000定率法は帳簿価額に償却率をかける。(1,600,000−400,000)×25%=300,000円。間接法なので、借方は減価償却費、貸方は車両運搬具減価償却累計額。400,000円は取得原価に償却率をかけた誤り(それは1年目だけの計算)。借方を車両運搬具減価償却累計額、貸方を減価償却費とする選択肢は貸借が逆。100,000円は減価償却累計額に償却率をかけた誤り。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 オ(減価償却(間接法)、定率法)、日本商工会議所「改定項目等の説明書」(2027年度適用・確定版)(定率法は償却率を示す簡易な出題)
問6|定率法と帳簿価額
〔計算〕期首に備品を800,000円で取得した。定率法(償却率20%)で毎年の決算で減価償却を行う。2回目の決算で減価償却を行ったあとの、備品の帳簿価額はいくらか。
- 480,000円
- 640,000円
- 512,000円
- 288,000円
正解と解説
正解:C. 512,000円1年目:800,000×20%=160,000円、帳簿価額640,000円。2年目:640,000×20%=128,000円、帳簿価額512,000円。480,000円は2年目も取得原価に20%をかけた(定額法のような)誤り。640,000円は1年目の終わりの帳簿価額。288,000円は2年分の減価償却累計額で、帳簿価額ではない。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 オ(減価償却:定率法)、日本商工会議所「改定項目等の説明書」(2027年度適用・確定版)
問7|期首の売却
〔仕訳〕期首に、備品(取得原価500,000円、備品減価償却累計額300,000円、間接法)を150,000円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。正しい仕訳はどれか。
- (借)備品減価償却累計額 300,000、売掛金 150,000、固定資産売却損 50,000/(貸)備品 500,000
- (借)未収入金 150,000、固定資産売却損 350,000/(貸)備品 500,000
- (借)備品 500,000/(貸)備品減価償却累計額 300,000、未収入金 150,000、固定資産売却益 50,000
- (借)備品減価償却累計額 300,000、未収入金 150,000、固定資産売却損 50,000/(貸)備品 500,000
正解と解説
正解:D. (借)備品減価償却累計額 300,000、未収入金 150,000、固定資産売却損 50,000/(貸)備品 500,000帳簿価額は500,000−300,000=200,000円。150,000円で売ったので50,000円の売却損。備品と備品減価償却累計額の両方を帳簿から消し、代金の未収分は未収入金にする。借方に売掛金を使う選択肢は、商品以外の売却代金に売掛金を使っている点が誤り。固定資産売却損を350,000円とする選択肢は、減価償却累計額を消し忘れ、損を大きくしている。貸方に固定資産売却益50,000円を入れる選択肢は貸借が逆で、損を益にしている。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 イ(有形固定資産の売却)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」(2027年度適用・確定版)(未収入金・固定資産売却損)
問8|期中の売却
〔仕訳〕決算日は3月31日。当期の9月30日に、車両運搬具(取得原価1,200,000円、期首の車両運搬具減価償却累計額720,000円、定額法・耐用年数5年・残存価額ゼロ、間接法)を400,000円で売却し、代金は普通預金口座に振り込まれた。当期分の減価償却費は月割で計上する。正しい仕訳はどれか。
- (借)車両運搬具減価償却累計額 720,000、減価償却費 120,000、普通預金 400,000/(貸)車両運搬具 1,200,000、固定資産売却益 40,000
- (借)車両運搬具減価償却累計額 720,000、普通預金 400,000、固定資産売却損 80,000/(貸)車両運搬具 1,200,000
- (借)車両運搬具減価償却累計額 720,000、減価償却費 240,000、普通預金 400,000/(貸)車両運搬具 1,200,000、固定資産売却益 160,000
- (借)車両運搬具減価償却累計額 840,000、普通預金 400,000/(貸)車両運搬具 1,200,000、固定資産売却益 40,000
正解と解説
正解:A. (借)車両運搬具減価償却累計額 720,000、減価償却費 120,000、普通預金 400,000/(貸)車両運搬具 1,200,000、固定資産売却益 40,0001年分は1,200,000÷5=240,000円(期首の累計額720,000円はちょうど3年分)。4月から9月の6か月分で120,000円を減価償却費にする。帳簿価額は1,200,000−720,000−120,000=360,000円、400,000円で売ったので40,000円の売却益。固定資産売却損80,000円とする選択肢は、当期分の減価償却費を計上し忘れた誤り(帳簿価額を480,000円とみている)。減価償却費を240,000円とする選択肢は、月割をせず1年分を計上した誤り。減価償却累計額を840,000円とする選択肢は当期分を減価償却累計額に入れているが、期首から売却日までの分は当期の費用(減価償却費)にする。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 イ(売却)・オ(減価償却)
問9|期中売却の売却損益
〔計算〕決算日は3月31日。当期の12月31日に、備品(取得原価480,000円、期首の備品減価償却累計額240,000円、定額法・耐用年数4年・残存価額ゼロ)を100,000円で売却した。当期分の減価償却費は月割で計上する。この売却で生じる損益はどれか。
- 固定資産売却損 140,000円
- 固定資産売却損 20,000円
- 固定資産売却損 50,000円
- 固定資産売却益 50,000円
正解と解説
正解:C. 固定資産売却損 50,000円当期分は480,000÷4×9/12=90,000円(4月〜12月の9か月)。帳簿価額は480,000−240,000−90,000=150,000円。100,000円で売ったので50,000円の売却損。140,000円は当期分の減価償却費を引き忘れた誤り。20,000円は月割せず1年分(120,000円)を引いた誤り。売却益50,000円は、売った金額が帳簿価額より小さいのに益にした誤り。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 イ(売却)・オ(減価償却)
問10|除却と貯蔵品
〔仕訳〕期首に、備品(取得原価400,000円、備品減価償却累計額360,000円、間接法)を除却した。この備品の見積売却価額は15,000円である。正しい仕訳はどれか。
- (借)備品減価償却累計額 360,000、現金 15,000、固定資産除却損 25,000/(貸)備品 400,000
- (借)備品減価償却累計額 360,000、貯蔵品 15,000、固定資産除却損 25,000/(貸)備品 400,000
- (借)備品減価償却累計額 360,000、固定資産除却損 40,000/(貸)備品 400,000
- (借)備品減価償却累計額 360,000、貯蔵品 15,000、固定資産売却損 25,000/(貸)備品 400,000
正解と解説
正解:B. (借)備品減価償却累計額 360,000、貯蔵品 15,000、固定資産除却損 25,000/(貸)備品 400,000除却しただけでまだ売っていないので、見積売却価額15,000円は貯蔵品(資産)にする。帳簿価額40,000円との差25,000円が固定資産除却損。借方に現金15,000円を入れる選択肢は、まだ代金を受け取っていないのに現金にしている点が誤り。固定資産除却損を40,000円とする選択肢は、売れる見込みの15,000円を無視し、損を大きくしている。固定資産売却損を使う選択肢は、売却していないのに売却損にしている点が誤り。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 ウ(有形固定資産の除却、廃棄)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」(2027年度適用・確定版)(固定資産除却損・貯蔵品)
問11|定率法の資産の廃棄
〔計算〕期首に取得した備品(取得原価500,000円)を、その後3回の決算で定率法(償却率40%)により減価償却してきた(間接法)。4年目の期首にこの備品を廃棄した。処分価値はない。このときの固定資産除却損はいくらか。
- 108,000円
- 180,000円
- 392,000円
- 200,000円
正解と解説
正解:A. 108,000円1年目200,000円、2年目(500,000−200,000)×40%=120,000円、3年目(500,000−320,000)×40%=72,000円で、減価償却累計額は392,000円。帳簿価額は500,000−392,000=108,000円で、処分価値がないので全額が固定資産除却損。180,000円は2年目の終わりの帳簿価額(3年目の償却を忘れた)。392,000円は減価償却累計額で、損失ではない。200,000円は1年目の減価償却費。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 ウ(除却、廃棄)・オ(定率法)、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2〜3級)」(2027年度適用・確定版)(固定資産除却損。固定資産廃棄損は許容科目)
問12|固定資産台帳を読む
〔読み取り〕決算日は3月31日。当期は20X5年4月1日〜20X6年3月31日。固定資産台帳(備品、定額法・残存価額ゼロ・間接法)に次の3行がある。<br>・備品A:取得20X2年4月1日、取得原価300,000円、耐用年数5年、期首減価償却累計額180,000円<br>・備品B:取得20X4年4月1日、取得原価240,000円、耐用年数4年、期首減価償却累計額60,000円<br>・備品C:取得20X5年10月1日、取得原価360,000円、耐用年数6年、期首減価償却累計額0円<br>当期の減価償却を月割で行ったあと、期末の備品減価償却累計額勘定の残高はいくらか。
- 240,000円
- 420,000円
- 150,000円
- 390,000円
正解と解説
正解:D. 390,000円当期の減価償却費は、A:300,000÷5=60,000円、B:240,000÷4=60,000円、C:360,000÷6×6/12=30,000円(10月〜3月)で、合計150,000円。期首の累計額240,000円(180,000+60,000)に足して390,000円。240,000円は期首の累計額だけで当期分を足していない。420,000円はCを月割せず1年分(60,000円)にした誤り。150,000円は当期の減価償却費の合計で、累計額の残高ではない。
根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用) 第二 10 ク(固定資産台帳)・オ(減価償却)
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※ 解説は学習用の情報提供です。出題範囲・配点・試験の実施方法は、必ず日本商工会議所の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。