仮の宿 学習室

日商簿記3級 BOOKKEEPING GRADE 3

その他の債権・債務

講義 3 本・確認問題 12 問 | 日々の取引(諸取引の処理) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 貸付金・借入金と利息の月割計算
  2. 未収入金・未払金、立替金・預り金
  3. 仮払金・仮受金と差入保証金
  4. 確認問題(12問)
  5. 演習ツール

1. 貸付金・借入金と利息の月割計算

お金を貸したら貸付金(資産)、借りたら借入金(負債)。相手が役員・従業員のときの科目と、利息の月割計算を学びます。

お金を他人に貸したとき、お金を借りたときの記録のしかたを学びます。商品の売り買いで生まれる売掛金・買掛金とは別に、お金そのものを貸し借りしたときは、専用の勘定科目を使います。

貸付金と借入金

貸付金は、お金を貸したことで生まれる「あとで返してもらう権利」です。権利なので資産になり、増えたら借方、減ったら貸方に書きます。反対に借入金は、お金を借りたことで生まれる「あとで返す義務」です。義務なので負債になり、増えたら貸方、減ったら借方に書きます。

同じ取引でも、貸した側と借りた側では仕訳が逆向きになります。たとえば、A社がB社に500,000円を普通預金から振り込んで貸したとき、A社は「貸付金が増え、普通預金が減った」、B社は「普通預金が増え、借入金が増えた」と記録します。

貸付金と借入金のちがい
貸付金借入金
意味お金を貸した(返してもらう権利)お金を借りた(返す義務)
5要素資産負債
増えたとき借方貸方
利息の科目受取利息(収益)支払利息(費用)

役員・従業員との貸し借り

相手が会社の役員(取締役など)や従業員のときは、ふつうの貸付金・借入金と区別するために、次の科目を使います。どれも3級の勘定科目表の標準科目(A欄)にのっています。

相手によって使い分ける科目
相手お金を貸したお金を借りた
取引先・銀行など貸付金借入金
役員役員貸付金役員借入金
従業員従業員貸付金(3級の科目表にはない)

役員への貸付や役員からの借入は、会社と役員の利害がぶつかりやすい取引なので、ほかの貸し借りと分けて記録しておくと、あとで確かめやすくなります。試験では、問題文に「役員」「従業員」とあれば、まずこの専用の科目を考えます。

利息の計算は「月割」

利息は、ふつう年利率(1年間で元金の何%か)で示されます。貸し借りの期間が1年より短いときは、月数で割り合いを出します。これを月割計算といいます。

利息 = 元金 × 年利率 × 借りていた月数 ÷ 12

たとえば、元金600,000円、年利率4%、期間9か月なら、600,000 × 0.04 × 9 ÷ 12 = 18,000円です。「年利率4%だから24,000円」と1年分で計算してしまうのが、よくある間違いです。

貸したとき・返してもらったときの仕訳

貸したときは元金だけを記録します。利息は、返してもらうときにまとめて受け取ることが多いので、そのときに受取利息として記録します。

取引先に600,000円を普通預金から貸し付けた(期間9か月、年利率4%)
借方科目金額貸方科目金額
貸付金600,000普通預金600,000
満期に元金と利息を普通預金で受け取った
借方科目金額貸方科目金額
普通預金618,000貸付金600,000
受取利息18,000

借りた側は逆です。借りたときに「(借)普通預金/(貸)借入金」、返すときに「(借)借入金・支払利息/(貸)普通預金」と書きます。元金と利息を1つの科目にまとめず、元金は貸付金・借入金、利息は受取利息・支払利息と分けることが大切です。

なお、2027年度適用の区分表では、紙の手形に関する規定がすべて削除されました。2027年度適用の勘定科目表にも、手形貸付金・手形借入金はありません。3級では、お金の貸し借りは貸付金・借入金(役員・従業員の科目を含む)で記録します。

例題

例題:従業員に240,000円を現金で貸し付けた(期間6か月、年利率2%)。6か月後、元金と利息を現金で受け取った。返してもらったときの仕訳はどうなるか。
答えと考え方 利息は 240,000 × 0.02 × 6 ÷ 12 = 2,400円です。相手が従業員なので「従業員貸付金」を使います。仕訳は「(借)現金 242,400/(貸)従業員貸付金 240,000、受取利息 2,400」です。元金と利息を分けて書きます。

用語

貸付金
お金を貸したことで生まれる、返してもらう権利。資産。
借入金
お金を借りたことで生まれる、返す義務。負債。
役員貸付金・役員借入金
会社の役員とのお金の貸し借りを、ほかと区別して記録する科目。
年利率
1年間でつく利息が元金の何%かを表す割合。
月割計算
1年分の金額を12で割り、実際の月数をかけて計算する方法。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4(その他の債権と債務等) ア(貸付金、借入金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(3級 資産・負債・収益・費用)、改定項目等の説明書(2027年度適用)(手形の規定の削除)

2. 未収入金・未払金、立替金・預り金

商品以外の取引の「あとで受け取る・払う」と、給料から差し引く源泉所得税・社会保険料の記録を学びます。

本業の商品売買以外で生まれる「あとで受け取る・あとで払う」の記録と、他人のお金を一時的に立て替えたり預かったりしたときの記録を学びます。

未収入金と未払金

商品を掛けで売ったときは売掛金、掛けで仕入れたときは買掛金を使いました。これは本業の商品の取引にだけ使う科目です。商品以外のもの(備品、土地、使わなくなった物など)を売り買いして、代金をあとで受け取る・払うときは、次の科目を使います。

商品の取引かどうかで科目が変わる
本業の商品商品以外のもの
代金をあとで受け取る売掛金(資産)未収入金(資産)
代金をあとで払う買掛金(負債)未払金(負債)

たとえば、事務で使うパソコンを250,000円で買い、代金を月末に払うことにしたとき、パソコンは商品ではなく備品なので、「(借)備品 250,000/(貸)未払金 250,000」と書きます。買掛金にしてしまうのがよくある間違いです。なお、未収入金は勘定科目表のB欄(許容科目)で「未収金」とも書けます。

立替金

立替金は、本来は他人が払うべきお金を、会社が代わりに払ったときに使う資産の科目です。あとでその人から返してもらう権利だからです。相手が従業員のときは従業員立替金を使います(勘定科目表のA欄。立替金もA欄にあり、従業員立替金のB欄=許容科目としても示されています)。従業員が個人で払うべき保険料を会社が現金で払ったら、「(借)従業員立替金/(貸)現金」です。会社の費用(保険料)ではありません。

預り金(源泉所得税・社会保険料)

預り金は、他人のお金を一時的に預かっているときの負債の科目です。あとで本人に返すか、本人の代わりにどこかへ納める義務があるからです。代表的なのが給料の支払いです。会社は給料を払うとき、従業員が負担する所得税(源泉所得税)や社会保険料、住民税を差し引き、あとで従業員の代わりに国や自治体などへ納めます。差し引いた額は、納めるまで会社が預かっているお金なので、次の科目で記録します。

3級の勘定科目表にある預り金の科目(A欄)
科目使う場面
預り金他人から一時的に預かったお金(下の科目のまとめ役。下の4つの許容科目でもある)
所得税預り金給料から差し引いた源泉所得税
社会保険料預り金給料から差し引いた社会保険料(従業員の負担分)
住民税預り金給料から差し引いた住民税
従業員預り金従業員から預かったそのほかのお金

給料総額300,000円から、源泉所得税12,000円と社会保険料15,000円を差し引き、残りを普通預金から振り込んだときの仕訳は次のとおりです。借方の給料は差し引く前の総額で書くのがポイントです。

給料の支払い(差し引いた分は預り金)
借方科目金額貸方科目金額
給料300,000所得税預り金12,000
社会保険料預り金15,000
普通預金273,000

社会保険料は、従業員だけでなく会社も負担します。納めるときは、預かっていた従業員負担分は社会保険料預り金を減らし、会社負担分は法定福利費(費用)として記録します。

社会保険料を納めた(従業員負担15,000円、会社負担15,000円)
借方科目金額貸方科目金額
社会保険料預り金15,000普通預金30,000
法定福利費15,000

前払金・前受金と受取商品券も区分表の同じ項目(その他の債権と債務等)に入っていますが、商品の売り買いと一緒に学ぶほうが分かりやすいので、bk3(商品売買)の章で扱います。

例題

例題:給料総額250,000円から、源泉所得税8,000円、社会保険料12,000円、先月会社が立て替えた従業員の個人的な支払い5,000円を差し引き、残りを普通預金から振り込んだ。仕訳はどうなるか。
答えと考え方 差し引いた合計は 8,000 + 12,000 + 5,000 = 25,000円、振込額は 250,000 - 25,000 = 225,000円です。「(借)給料 250,000/(貸)所得税預り金 8,000、社会保険料預り金 12,000、従業員立替金 5,000、普通預金 225,000」。立て替えた分は、返してもらったので従業員立替金(資産)を減らします。

用語

未収入金
商品以外のものを売って、代金をあとで受け取る権利。資産。
未払金
商品以外のものを買って、代金をあとで払う義務。負債。
立替金
他人が払うべきお金を代わりに払い、あとで返してもらう権利。資産。
預り金
他人のお金を一時的に預かり、あとで返すか納める義務。負債。
源泉所得税
給料などを払う側が、支払いのときに差し引いて納める所得税。
法定福利費
社会保険料のうち、会社が負担する分を記録する費用の科目。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4(その他の債権と債務等) イ(未収入金、未払金)・オ(立替金、預り金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(3級 預り金の各科目、法定福利費)

3. 仮払金・仮受金と差入保証金

内容が決まる前のお金の出入りを仮の科目で記録し、あとで正しい科目に振り替えます。建物を借りるときの保証金も学びます。

お金の出入りはあったのに、内容や金額がまだはっきりしないときの「仮の記録」と、建物などを借りるときに預ける保証金の記録を学びます。

仮払金:内容や金額が決まる前に払った

従業員が出張する前に、旅費の見込み額をまとめて渡すことがあります。この時点では、何にいくら使うかが決まっていません。そこで、いったん仮払金(資産)で記録し、使い道と金額が分かったら正しい科目に振り替えます。

仮払金の流れ(出張前に50,000円を現金で渡し、旅費が43,000円だった)
時点仕訳
渡したとき(借)仮払金 50,000/(貸)現金 50,000
報告を受け、残りを現金で受け取った(借)旅費交通費 43,000、現金 7,000/(貸)仮払金 50,000

精算のときは、仮払金を最初に渡した全額で減らします。使った額が渡した額より多く、不足分を会社が追加で払ったときは、貸方に仮払金と現金が並びます。

仮受金:内容が分からないお金を受け取った

普通預金口座に入金があったのに、何のお金か分からないことがあります。このときは、いったん仮受金(負債)で記録し、内容が分かったら仮受金を減らして、正しい科目に振り替えます。

内容不明の入金120,000円があった
借方科目金額貸方科目金額
普通預金120,000仮受金120,000
売掛金の回収80,000円と、注文の手付金40,000円と判明した
借方科目金額貸方科目金額
仮受金120,000売掛金80,000
前受金40,000

判明したときに普通預金をもう一度借方に書くのは間違いです。入金はすでに記録ずみなので、ここでは仮受金を消して、中身の科目に置き換えるだけです。商品の注文の手付金は、あとで商品を渡す義務なので前受金(負債)です。

仮払金と仮受金
仮払金仮受金
お金の向き払った(出た)受け取った(入った)
5要素資産負債
判明したとき貸方に書いて消す借方に書いて消す

差入保証金:借りるときに預けるお金

店舗や事務所を借りるとき、家賃のほかに敷金(保証金)を払うことがあります。敷金は、家賃の未払いや部屋の傷みに備えて家主に預けるお金で、契約が終わると原則として返してもらえます。返してもらえるお金なので、費用ではなく差入保証金(資産)で記録します。一方、不動産会社に払う仲介手数料は返ってこないので支払手数料(費用)、家賃は支払家賃(費用)です。区分表では、差入保証金は「上の級に属するが3級でも簡易な内容を出題する」項目(※印)です。

店舗を借りた(敷金200,000円、仲介手数料100,000円、1か月分の家賃100,000円を普通預金から支払)
借方科目金額貸方科目金額
差入保証金200,000普通預金400,000
支払手数料100,000
支払家賃100,000

借りた建物は自分の物ではないので、建物(資産)にはしません。

例題

例題:出張前に従業員へ現金30,000円を概算で渡し、仮払金で処理していた。帰ってきた従業員から、旅費交通費が34,000円だったと報告があり、不足分を現金で支払った。仕訳はどうなるか。
答えと考え方 仮払金は渡した全額30,000円を貸方に書いて消します。実際の費用は34,000円なので、不足分 34,000 - 30,000 = 4,000円を現金で払います。「(借)旅費交通費 34,000/(貸)仮払金 30,000、現金 4,000」です。

用語

仮払金
内容や金額が決まる前にお金を払ったときの、一時的な資産の科目。
仮受金
内容が分からないお金を受け取ったときの、一時的な負債の科目。
概算払い
正確な金額が決まる前に、見込みの金額をまとめて渡すこと。
差入保証金
建物などを借りるときに預け、契約終了後に返してもらう敷金などの資産。
支払手数料
仲介などのサービスに払う手数料。費用。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4(その他の債権と債務等) カ(仮払金、仮受金)・ク(差入保証金※)、同表の注4(※印の意味)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(3級 資産・負債・費用)

確認問題(12問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|〔科〕役員への貸付

当社の取締役に、会社の資金500,000円を普通預金から振り込んで貸し付けた。借方に記入する勘定科目として、最も適切なものはどれか。

  1. 役員貸付金
  2. 役員借入金
  3. 従業員貸付金
  4. 立替金
正解と解説
正解:A. 役員貸付金

取締役は役員なので、役員に貸したお金は「役員貸付金」(資産)で記録します。役員借入金は会社が役員から借りたときの負債です。従業員貸付金は相手が従業員のときの科目です。立替金は他人が払うべき支払いを代わりにしたときの科目で、お金を貸したときには使いません。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 ア(貸付金、借入金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)

問2|〔仕〕貸付金の発生

取引先に、期間9か月・年利率4%の条件で600,000円を貸し付け、普通預金口座から振り込んだ。利息は返済日に元金とともに受け取る。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)普通預金 600,000/(貸)貸付金 600,000
  2. (借)貸付金 600,000/(貸)普通預金 600,000
  3. (借)借入金 600,000/(貸)普通預金 600,000
  4. (借)貸付金 600,000/(貸)普通預金 582,000、受取利息 18,000
正解と解説
正解:B. (借)貸付金 600,000/(貸)普通預金 600,000

貸したときは、貸付金(資産)の増加を借方、普通預金の減少を貸方に書きます。利息は返済日に受け取るので、この時点では記録しません。貸借が逆の仕訳は、お金を借りて預金が増えたことになってしまいます。借入金は借りた側の負債で、貸した側では使いません。受取利息18,000円を今記録する仕訳は、まだ受け取っていない利息を計上し、振込額も実際の600,000円と合いません。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 ア(貸付金、借入金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)

問3|〔仕〕借入金の返済と月割利息

銀行から借り入れていた1,200,000円(借入期間5か月、年利率3%)の返済日となり、元金と利息を普通預金口座から返済した。利息は月割で計算する。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)借入金 1,215,000/(貸)普通預金 1,215,000
  2. (借)借入金 1,200,000、支払利息 36,000/(貸)普通預金 1,236,000
  3. (借)貸付金 1,200,000、支払利息 15,000/(貸)普通預金 1,215,000
  4. (借)借入金 1,200,000、支払利息 15,000/(貸)普通預金 1,215,000
正解と解説
正解:D. (借)借入金 1,200,000、支払利息 15,000/(貸)普通預金 1,215,000

利息は 1,200,000 × 0.03 × 5 ÷ 12 = 15,000円です。元金は借入金(負債)の減少、利息は支払利息(費用)として分けて書きます。利息まで借入金に含める仕訳は、借入金の残高を実際より多く減らし、費用も記録されません。36,000円は1年分の利息で、月割をしていません。貸付金はお金を貸した側の資産で、借りたお金の返済には使いません。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 ア(貸付金、借入金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)

問4|〔仕〕商品以外の購入と未払金

事務所で使うパソコン1台を250,000円で購入し、代金は月末に支払うことにした。(消費税は考えない。)正しい仕訳はどれか。

  1. (借)備品 250,000/(貸)買掛金 250,000
  2. (借)仕入 250,000/(貸)未払金 250,000
  3. (借)備品 250,000/(貸)未払金 250,000
  4. (借)未払金 250,000/(貸)備品 250,000
正解と解説
正解:C. (借)備品 250,000/(貸)未払金 250,000

事務所で使うパソコンは商品ではなく備品(資産)です。商品以外のものの代金をあとで払う義務は、未払金(負債)で記録します。買掛金は商品を仕入れたときの未払いにだけ使います。仕入は販売するための商品を買ったときの費用で、自社で使う物には使いません。貸借が逆の仕訳は、備品が減り未払金も減ったことになってしまいます。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 イ(未収入金、未払金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)

問5|〔科〕商品以外の売却と未収入金

営業用に持っていた土地を帳簿価額と同じ金額で売却し、代金は来月受け取ることにした。代金を受け取る権利を記録する勘定科目として、最も適切なものはどれか。

  1. 売掛金
  2. 未収入金
  3. 貸付金
  4. 前受金
正解と解説
正解:B. 未収入金

土地は本業の商品ではないので、代金をあとで受け取る権利は未収入金(資産)です。売掛金は商品を掛けで売ったときだけ使います。貸付金はお金を貸したときの科目で、物を売った代金には使いません。前受金は代金を先に受け取ったときの負債で、まだ受け取っていない今回とは逆です。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 イ(未収入金、未払金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)

問6|〔仕〕従業員の支払いの立替え

従業員が個人で負担すべき保険料8,000円を、会社が現金で立て替えて支払った。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)保険料 8,000/(貸)現金 8,000
  2. (借)従業員預り金 8,000/(貸)現金 8,000
  3. (借)現金 8,000/(貸)従業員立替金 8,000
  4. (借)従業員立替金 8,000/(貸)現金 8,000
正解と解説
正解:D. (借)従業員立替金 8,000/(貸)現金 8,000

従業員が払うべきお金を会社が代わりに払ったので、あとで返してもらう権利として従業員立替金(資産)で記録します。保険料は会社の費用で、従業員個人の保険料を会社の費用にするのは誤りです。従業員預り金は従業員からお金を預かったときの負債で、今回は預かっていません。貸借が逆の仕訳は、現金が増えたことになってしまいます。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 オ(立替金、預り金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)

問7|〔仕〕給料の支払いと預り金

従業員の給料総額300,000円から、源泉所得税12,000円と社会保険料(従業員負担分)15,000円を差し引き、残りを普通預金口座から振り込んだ。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)給料 300,000/(貸)所得税預り金 12,000、社会保険料預り金 15,000、普通預金 273,000
  2. (借)給料 273,000/(貸)普通預金 273,000
  3. (借)給料 300,000/(貸)立替金 27,000、普通預金 273,000
  4. (借)給料 273,000、法定福利費 15,000、租税公課 12,000/(貸)普通預金 300,000
正解と解説
正解:A. (借)給料 300,000/(貸)所得税預り金 12,000、社会保険料預り金 15,000、普通預金 273,000

給料は差し引く前の総額300,000円で借方に書きます。差し引いた所得税と社会保険料は、従業員の代わりに後で納めるために預かっているお金なので、所得税預り金・社会保険料預り金(負債)です。振込額は 300,000 - 12,000 - 15,000 = 273,000円。給料を振込額で書く仕訳は、預かった27,000円の義務が記録されません。立替金は代わりに払った権利(資産)で、預かったお金には使いません。法定福利費・租税公課を使う仕訳は、従業員の負担分を会社の費用にしており、振込額も300,000円になって実際と合いません。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 オ(立替金、預り金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(所得税預り金・社会保険料預り金)

問8|〔科〕住民税の差し引き

従業員の給料を支払う際に、従業員が負担する住民税を差し引いた。差し引いた額を記録する勘定科目として、最も適切なものはどれか。

  1. 租税公課
  2. 立替金
  3. 住民税預り金
  4. 未払金
正解と解説
正解:C. 住民税預り金

差し引いた住民税は、従業員の代わりに後で納めるために会社が預かっているお金なので、住民税預り金(負債)です。3級の勘定科目表のA欄にあります。租税公課は会社自身が負担する税金の費用で、従業員の税金には使いません。立替金は代わりに払った権利(資産)で、お金を預かったときとは逆です。未払金は商品以外のものを買った代金の未払いに使う科目です。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 オ(立替金、預り金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(住民税預り金)

問9|〔仕〕社会保険料の納付

給料の支払い時に従業員から預かっていた社会保険料15,000円と、会社負担分15,000円をあわせて、普通預金口座から納付した。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)社会保険料預り金 30,000/(貸)普通預金 30,000
  2. (借)法定福利費 30,000/(貸)普通預金 30,000
  3. (借)社会保険料預り金 15,000、給料 15,000/(貸)普通預金 30,000
  4. (借)社会保険料預り金 15,000、法定福利費 15,000/(貸)普通預金 30,000
正解と解説
正解:D. (借)社会保険料預り金 15,000、法定福利費 15,000/(貸)普通預金 30,000

預かっていた従業員負担分は社会保険料預り金(負債)を減らし、会社負担分は法定福利費(費用)とします。全額を預り金で減らす仕訳は、預かっていない15,000円まで減らしてしまいます。全額を法定福利費にする仕訳は、預り金が残ったままになります。会社負担の社会保険料は給料ではなく法定福利費です。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 オ(立替金、預り金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(社会保険料預り金、法定福利費)

問10|〔仕〕仮払金の精算

出張前に従業員へ旅費の概算額50,000円を現金で渡し、仮払金で処理していた。従業員が帰り、旅費交通費が43,000円だったと報告を受け、残りを現金で受け取った。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)旅費交通費 43,000、現金 7,000/(貸)仮払金 50,000
  2. (借)旅費交通費 50,000/(貸)仮払金 43,000、現金 7,000
  3. (借)旅費交通費 43,000、現金 7,000/(貸)仮受金 50,000
  4. (借)仮払金 50,000/(貸)旅費交通費 43,000、現金 7,000
正解と解説
正解:A. (借)旅費交通費 43,000、現金 7,000/(貸)仮払金 50,000

仮払金(資産)は渡した全額50,000円を貸方に書いて消します。実際の費用43,000円は旅費交通費、返ってきた 50,000 - 43,000 = 7,000円は現金の増加です。旅費交通費を50,000円とする仕訳は、費用が多すぎ、仮払金も一部しか消えず、現金も減ったことになります。仮受金はお金を受け取ったときの科目で、払ったお金の精算には使いません。貸借が逆の仕訳は、仮払金が増え、費用が減ったことになってしまいます。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 カ(仮払金、仮受金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)

問11|〔仕〕仮受金の内容の判明

先日、普通預金口座に内容不明の入金120,000円があり、仮受金で処理していた。調べたところ、得意先からの売掛金80,000円の回収と、商品の注文を受けた際の手付金40,000円であることが分かった。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)仮受金 120,000/(貸)売掛金 120,000
  2. (借)普通預金 120,000/(貸)売掛金 80,000、前受金 40,000
  3. (借)仮受金 120,000/(貸)売掛金 80,000、前受金 40,000
  4. (借)仮受金 120,000/(貸)売掛金 80,000、前払金 40,000
正解と解説
正解:C. (借)仮受金 120,000/(貸)売掛金 80,000、前受金 40,000

内容が分かったので、仮受金(負債)を借方に書いて消し、売掛金の回収分は売掛金(資産)の減少、手付金は後で商品を渡す義務なので前受金(負債)とします。全額を売掛金とする仕訳は、手付金の分まで売掛金を減らしています。普通預金を借方に書く仕訳は、入金を二重に記録し、仮受金も残ります。前払金は当社が先に代金を払ったときの資産で、受け取った手付金には使いません。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 カ(仮払金、仮受金)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(区分表 第二 4 ウ 前払金、前受金も参照)

問12|〔仕〕建物の賃借と差入保証金

店舗として使う建物を借りる契約を結び、敷金(保証金)200,000円、不動産会社への仲介手数料100,000円、1か月分の家賃100,000円を普通預金口座から支払った。正しい仕訳はどれか。

  1. (借)支払家賃 400,000/(貸)普通預金 400,000
  2. (借)差入保証金 200,000、支払手数料 100,000、支払家賃 100,000/(貸)普通預金 400,000
  3. (借)建物 400,000/(貸)普通預金 400,000
  4. (借)差入保証金 300,000、支払家賃 100,000/(貸)普通預金 400,000
正解と解説
正解:B. (借)差入保証金 200,000、支払手数料 100,000、支払家賃 100,000/(貸)普通預金 400,000

敷金は契約終了後に返してもらえるので差入保証金(資産)、仲介手数料は返ってこないので支払手数料(費用)、家賃は支払家賃(費用)です。全額を支払家賃にする仕訳は、返ってくる敷金まで費用にしています。建物にする仕訳は、借りただけの建物を自社の資産にしており誤りです。仲介手数料を差入保証金に含める仕訳は、返ってこない手数料を資産にしています。

根拠:商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用) 第二 4 ク(差入保証金※)、商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)(区分表 第二 18 収益と費用も参照)

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※ 解説は学習用の情報提供です。出題範囲・配点・試験の実施方法は、必ず日本商工会議所の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。