応用情報技術者 APPLIED IT ENGINEER
ネットワーク
講義 4 本・確認問題 45 問 | 本試験では「テクノロジ系」(50問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- OSI参照モデルとTCP/IPの対応、スイッチの動きとVLANまで、LANの土台を一気に固めます。
- サブネットを手で計算できるようにし、経路がどう選ばれるか、NATが何を変えているかを理解します。
- TCPが何を保証してUDPが何を捨てているか、DNSやHTTP、メールが実際にどう動くかをつかみます。
- 無線とQoSの仕組みを押さえたうえで、転送時間や帯域を自分で見積もれるようになります。
1. ネットワークの階層とLAN
OSI参照モデルとTCP/IPの対応、スイッチの動きとVLANまで、LANの土台を一気に固めます。
ネットワークの決まりごとは、役割ごとに階層に分けて考えます。OSI基本参照モデルは下から物理・データリンク・ネットワーク・トランスポート・セション・プレゼンテーション・アプリケーションの7層です。実際に動いているTCP/IPは4階層で整理され、ネットワークインタフェース層がOSIの第1層と第2層、インターネット層が第3層、トランスポート層が第4層、アプリケーション層が第5層から第7層をまとめて受け持ちます。階層に分けておくと、下の層の実装が銅線から光や無線に変わっても上の層を作り直さずに済みます。
送信側では、上の層のデータに各層が自分のヘッダを付けて下へ渡します。これがカプセル化で、受信側では下から順にヘッダを外していきます。データのまとまりの呼び名も層ごとに違い、第2層ではフレーム、第3層ではパケット(IPデータグラム)、第4層ではセグメント(TCP)やデータグラム(UDP)といいます。トラブルを切り分けるときは、この階層をそのまま点検の順番として使います。ケーブルは通じているか、同じLAN内の相手にフレームは届くか、別のネットワークの相手までパケットは届くか、ポートは開いているか、という順です。
中継機器も、どの層まで見て転送するかで分類できます。リピータやリピータハブは電気信号をそのまま増幅して流すだけの第1層の機器で、つながった全ポートが一つの衝突ドメインになります。ブリッジやスイッチングハブは第2層の機器で、フレームの宛先MACアドレスを見てそのポートにだけ送るので、ポートごとに衝突ドメインが分かれます。ルータは第3層の機器で、宛先IPアドレスを見てネットワークをまたいで転送し、ブロードキャストはここで止まります。さらに上の層まで見て振り分けるものはレイヤ4スイッチやレイヤ7スイッチと呼ばれ、負荷分散装置がその代表です。
スイッチングハブは、受け取ったフレームの送信元MACアドレスと受信ポートの対応を表に記録していきます。これがMACアドレス学習です。宛先が表にあればそのポートだけへ、まだ無ければ受信ポート以外の全ポートへ送ります。この全ポートへの送出がフラッディングです。ブロードキャストフレームは常に全ポートへ流れるので、1台のスイッチにつながった範囲は一つのブロードキャストドメインになります。端末が増えるとブロードキャストの量が無視できなくなるので、分割の設計が必要になります。
ブロードキャストドメインを、物理的な配線と切り離して論理的に分けるのがVLANです。ポートごとに所属を決めるポートVLANと、フレームにVLAN識別子のタグを付けて1本のケーブルで複数のVLANを運ぶタグVLAN(IEEE 802.1Q)があり、後者を通す回線をトランクといいます。同じスイッチにつながっていてもVLANが違えば直接は通信できず、VLANをまたぐ通信にはルータかレイヤ3スイッチによるVLAN間ルーティングが要ります。部署単位や用途単位で分ければ、ブロードキャストを抑えられるうえ、通信をVLANの境界で制御できるので、性能と安全の両面で効きます。
LANの冗長化にも決まりごとがあります。スイッチをループ状につなぐとブロードキャストが永久に回り続けるブロードキャストストームが起きるため、スパニングツリープロトコルが一部のポートを論理的に閉じてループを断ち、障害時にそこを開いて経路を切り替えます。一方、複数の物理リンクを束ねて1本の論理リンクとして扱うのがリンクアグリゲーションで、こちらは帯域を足し合わせつつ、1本切れても残りで通信を続けられます。ループを避けたいのか帯域を増やしたいのかで、使う技術が変わります。
中継機器を、どの層まで見るかで並べる| 機器 | 見ている情報 | 衝突ドメイン | ブロードキャストドメイン |
|---|
| リピータハブ | 電気信号だけ(第1層) | 全ポートで一つ | 分割しない |
| スイッチングハブ | 宛先MACアドレス(第2層) | ポートごとに分割 | 分割しない |
| ルータ | 宛先IPアドレス(第3層) | ポートごとに分割 | 分割する |
| レイヤ3スイッチ | 宛先IPアドレス(第3層) | ポートごとに分割 | VLAN単位で分割する |
| レイヤ4以上のスイッチ | ポート番号やURL(第4層以上) | ポートごとに分割 | 分割する |
用語
- OSI基本参照モデル
- 通信の役割を物理・データリンク・ネットワーク・トランスポート・セション・プレゼンテーション・アプリケーションの7層に分けたモデル。機器や障害の切分けの共通語として使う。
- カプセル化
- 上位層のデータに各層が自分のヘッダを付けて下位層へ渡すこと。受信側は下位から順にヘッダを外す。層ごとの独立性を保つ仕組みである。
- 衝突ドメイン
- 信号の衝突が起こり得る範囲。リピータハブでは全ポートが一つの衝突ドメインになるが、スイッチングハブではポートごとに分かれる。
- ブロードキャストドメイン
- ブロードキャストフレームが届く範囲。スイッチでは分かれず、ルータかVLANの境界で分かれる。端末が増えるとここを分割する設計が要る。
- MACアドレス学習
- スイッチが、受け取ったフレームの送信元MACアドレスと受信ポートの対応を表に記録していく動作。表に無い宛先へはフラッディングする。
- フラッディング
- 宛先MACアドレスが学習表に無いフレームを、受信したポート以外の全ポートへ送り出すこと。相手が応答すればその時点で学習される。
- タグVLAN
- IEEE 802.1Q。フレームにVLAN識別子のタグを付けて、1本のケーブルで複数のVLANの通信を運ぶ方式。これを通す回線をトランクという。
- VLAN間ルーティング
- VLANが違う端末どうしを通信させるための第3層の中継。ルータかレイヤ3スイッチが担う。VLANを分けただけでは相互に通信できない。
- スパニングツリー
- スイッチをループ状に接続したときに、一部のポートを論理的に閉じてループを断つプロトコル。障害時には閉じていたポートを開いて経路を切り替える。
- リンクアグリゲーション
- 複数の物理リンクを束ねて1本の論理リンクとして扱う技術。帯域を足し合わせられ、1本が切れても残りで通信を継続できる。
- CSMA/CD
- 半二重のイーサネットで用いられた制御方式。送信前に回線を聞き、衝突を検知したら乱数時間だけ待って再送する。全二重のスイッチ接続では衝突自体が起きない。
- MTU
- 1フレームで運べるデータ部の最大長。イーサネットでは通常1500バイト。これを超えるパケットは分割されるか、送信元に通知して小さくしてもらう。
例題
例題:例題:8ポートのスイッチングハブ1台に8台のPCをつなぎ、VLANを2つ作って4台ずつ割り当てた。衝突ドメインとブロードキャストドメインはそれぞれいくつになるか。
答えと考え方 スイッチはポートごとに衝突ドメインを分けるので、衝突ドメインは8個。ブロードキャストドメインはVLANの数だけできるので2個です。同じスイッチにつながっていても、VLANが違えばVLAN間ルーティングなしには通信できません。これがリピータハブ1台なら、衝突ドメインもブロードキャストドメインも1個になります。
例題:例題:1 Gbpsのリピータハブに10台のPCをつないだ場合と、1 Gbpsのスイッチングハブに10台をつないだ場合とでは、何がどう違うか。
答えと考え方 リピータハブは全ポートが一つの衝突ドメインなので、10台で1 Gbpsを取り合い、同時に送れるのは実質1台だけです。スイッチングハブはポートごとに衝突ドメインが分かれ、全二重で同時に送受信できるので、宛先が重ならなければ各ポートが1 Gbpsを使えます。ブロードキャストが全体に届く点だけは、どちらも同じです。
出典・根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
2. IPアドレスとルーティング
サブネットを手で計算できるようにし、経路がどう選ばれるか、NATが何を変えているかを理解します。
IPv4アドレスは32ビットで、8ビットずつ区切って10進数で書きます。前半がネットワーク部、後半がホスト部で、その境目をサブネットマスク、あるいはビット数を添えたCIDR表記で示します。203.0.113.64/27 なら上位27ビットがネットワーク部、残る5ビットがホスト部です。ホスト部が全部0のアドレスはネットワークアドレス、全部1のアドレスはブロードキャストアドレスとして予約されるので、端末に割り当てられるのは 2⁵ から2を引いた30個になります。設計では「必要な台数に足りる中で最も小さいブロック」を選ぶので、12台なら /28 を、200台なら /24 を選びます。
あるホストアドレスがどのネットワークに属するかは、アドレスとマスクのビットごとの論理積で求めます。10.30.77.5/18 なら、マスクは 255.255.192.0 で第3オクテットの上位4ビットまでがネットワーク部です。77 は2進で 01001101 なので上位2ビットは 01、下位を0で埋めると 64 になり、ネットワークアドレスは 10.30.64.0、ブロードキャストは 10.30.127.255、割当て可能な最後のホストは 10.30.127.254 です。オクテットの区切りとマスクの区切りがそろっていないときは、そのオクテットだけを2進で考えるのが確実です。
逆に、連続する複数のネットワークを1本の経路にまとめるのが経路集約です。10.5.20.0/24 から 10.5.23.0/24 までの4個は、第3オクテットが 20, 21, 22, 23 で上位6ビットが共通なので、10.5.20.0/22 の1本にまとめられます。ここで /21 にすると 10.5.16.0 から 10.5.23.255 まで、つまり実在しない4個ぶんまで広告してしまい、/23 にすると 20 と 21 しか含まず残りの経路が失われます。集約は経路表を小さくして安定させますが、広すぎる集約は存在しない宛先を引き受ける事故につながります。
経路の決め方には、管理者が書く静的ルーティングと、ルータどうしで情報を交換する動的ルーティングがあります。動的の方式は大きく二つで、距離ベクトル型は隣のルータから受け取った「宛先までの距離」を足して伝えていく方式で、RIPがその代表です。設定は簡単ですが、経由するルータ数(ホップ数)だけを見るので回線速度を考慮できず、規模も15ホップまでという制限があります。リンク状態型は各ルータが自分のつながり具合を全体に広め、全員が同じ地図を持ってから最短経路を計算する方式で、OSPFがその代表です。帯域を反映したコストで選べ、収束も速いので、組織内のネットワークでは主流です。組織どうしをつなぐインターネットの経路交換はBGPが担い、こちらは技術的な最短ではなく契約や方針に基づいて経路を選びます。
経路表に複数の候補が当てはまるときは、プレフィックス長が最も長い、つまり最も細かく宛先を指定している経路が選ばれます。これがロンゲストマッチです。0.0.0.0/0 のデフォルトルートが最後の受け皿になるのも、プレフィックス長が0で最も短いからです。同じプレフィックス長の候補が複数あるときは、経路を教えてくれたプロトコルの信頼度や、そのプロトコル内のメトリックで決まります。
組織内ではプライベートIPアドレス(10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16)を使い、インターネットへ出るときにグローバルアドレスへ書き換えます。これがNATで、アドレスを1対1で置き換えます。ポート番号まで併せて書き換え、多数の端末で1個のグローバルアドレスを共用できるようにしたのがNAPT(IPマスカレード)です。内側から始まった通信は変換表に記録されるので戻りも通せますが、外側から内側へ突然来る通信はどの端末宛てか決められないため、そのままでは通せません。公開サーバを内側に置くなら、静的な変換をあらかじめ定義しておく必要があります。
よく使うプレフィックス長と、その大きさ| プレフィックス | サブネットマスク | アドレス総数 | 割当て可能ホスト数 | 使いどころの目安 |
|---|
| /30 | 255.255.255.252 | 4 | 2 | ルータどうしを結ぶ2点間の回線 |
| /28 | 255.255.255.240 | 16 | 14 | サーバを数台だけ置く区画 |
| /26 | 255.255.255.192 | 64 | 62 | 50台程度の部署LAN |
| /24 | 255.255.255.0 | 256 | 254 | 標準的な1フロア |
| /22 | 255.255.252.0 | 1024 | 1022 | 1000台規模の拠点 |
| /20 | 255.255.240.0 | 4096 | 4094 | 大規模拠点や集約用のブロック |
用語
- CIDR表記
- アドレスの後ろにネットワーク部のビット数を書く表記。192.168.10.0/26 なら上位26ビットがネットワーク部。クラスにとらわれず境目を自由に決められる。
- ネットワークアドレス
- ホスト部のビットがすべて0のアドレス。そのネットワーク自体を指すので端末には割り当てられない。ホスト部がすべて1のブロードキャストアドレスも同様。
- 割当て可能ホスト数
- ホスト部のビット数をmとしたとき、2のm乗から2を引いた数。ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2個が引かれる。
- 経路集約
- 連続する複数のネットワークを、共通する上位ビットだけを残した1本の経路にまとめること。経路表を小さくできるが、広すぎると実在しない宛先まで引き受ける。
- 距離ベクトル型
- 隣のルータから受け取った宛先までの距離を足して伝える方式。RIPが代表で、設定は簡単だがホップ数しか見ず、規模と収束速度に限界がある。
- リンク状態型
- 各ルータが自分の接続状況を全体に広め、全員が同じ地図から最短経路を計算する方式。OSPFが代表で、帯域を反映したコストで選べ収束も速い。
- BGP
- 自律システム(組織)どうしの経路情報を交換するプロトコル。技術的な最短ではなく、契約や運用方針に基づいて経路を選ぶ点が組織内のプロトコルと異なる。
- ロンゲストマッチ
- 経路表に複数の候補が当てはまるとき、プレフィックス長が最も長い経路を選ぶ規則。デフォルトルートが最後の受け皿になるのはこの規則の帰結である。
- NAT
- プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを1対1で置き換える仕組み。同時に外へ出られる台数は、用意したグローバルアドレスの数までになる。
- NAPT
- アドレスに加えてポート番号も書き換え、多数の端末で1個のグローバルアドレスを共用する仕組み。IPマスカレードとも呼ぶ。外から始まる通信は原則通せない。
- ARP
- 同じLAN内で、宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを問い合わせるプロトコル。ブロードキャストで尋ね、該当する端末が自分のMACアドレスを返す。
- ICMP
- 到達不能や時間超過などの通知と、疎通確認に使われるプロトコル。ping はエコー要求と応答、traceroute は生存時間を1ずつ増やして経路を調べる。
例題
例題:例題:192.168.200.130/26 が属するネットワークアドレスとブロードキャストアドレスはいくつか。
答えと考え方 /26 なので第4オクテットの上位2ビットまでがネットワーク部で、区切りは 0, 64, 128, 192 の64ごとです。130 は128以上192未満なので、ネットワークアドレスは 192.168.200.128、ブロードキャストは 192.168.200.191、割当て可能なホストは 192.168.200.129 から 192.168.200.190 までの62個になります。
例題:例題:172.16.0.0/20 から 172.16.48.0/20 までの連続する4個のネットワークを1本に集約すると、どうなるか。
答えと考え方 第3オクテットは 0, 16, 32, 48 で、2進では 00000000, 00010000, 00100000, 00110000。共通しているのは上位2ビットまでなので、ネットワーク部は 16+2 で18ビット、集約結果は 172.16.0.0/18 です。/20 のままでは4本、/16 まで広げると存在しない範囲まで引き受けてしまいます。
出典・根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
3. TCPとUDP、主要プロトコル
TCPが何を保証してUDPが何を捨てているか、DNSやHTTP、メールが実際にどう動くかをつかみます。
IPは宛先まで届けようと努力するだけで、届いたことも順番も保証しません。その上に載って信頼性を作るのがTCPです。通信を始めるときは、SYN、SYNとACK、ACKという3ウェイハンドシェイクで互いの初期シーケンス番号を確認し合います。以後、送ったデータにはシーケンス番号が付き、受け取った側が確認応答(ACK)を返します。一定時間ACKが来なければ再送し、受け取った側は番号を見て順番を並べ直し、重複は捨てます。終了は、双方が独立にFINとACKを交わす4回のやり取りになります。UDPはこうした仕掛けを持たず、ヘッダも8バイトと小さく、届いたかどうかは上位の判断に任せます。音声や映像、DNSの問合せのように、遅れて届いた古いデータに価値がない通信や、1往復で終わる小さな通信に向きます。
TCPは流量も調整します。受信側は自分の受信バッファの空きをウィンドウサイズとして毎回知らせ、送信側はその範囲内であればACKを待たずにまとめて送れます。これがウィンドウ制御で、1個送るたびに応答を待つ方式に比べて、往復遅延の大きい回線でも速度を出せます。実際に出せる速度の上限は、おおよそウィンドウサイズを往復遅延時間で割った値です。加えて、ネットワークの混雑を避けるために、送り始めは小さく、うまくいくたびに増やし、損失を検知したら一気に絞るという輻輳制御を行います。受信側の都合に合わせるフロー制御と、途中の混雑に合わせる輻輳制御は別物です。
通信の相手を決めるのは、IPアドレスとポート番号の組です。よく使うサービスには0番から1023番のウェルノウンポートが割り当てられていて、HTTPは80、HTTPSは443、SMTPは25、DNSは53、SSHは22などが決まっています。クライアント側は空いている番号を一時的に使うので、同じサーバの同じポートに多数の接続があっても、送信元のアドレスとポートの組合せで区別できます。
名前とアドレスを対応付けるのがDNSです。問合せは、まずキャッシュDNSサーバに向かい、そこに無ければルートから順に、権威をもつサーバへたどっていきます。ホスト名からIPアドレスを引くのが正引き(Aレコード、IPv6ならAAAAレコード)、逆が逆引き(PTRレコード)で、メールの宛先サーバを示すMXレコード、別名を示すCNAMEレコードなどがあります。応答にはキャッシュの有効期間が付いているので、サーバを移す作業の前にはこの値を短くしておく、という運用が定石です。端末にIPアドレスやデフォルトゲートウェイ、DNSサーバの場所を自動で配るのはDHCPで、探索・提示・要求・確認の4段階で決まります。DHCPの探索はブロードキャストなのでルータを越えません。別のセグメントのサーバから配るときは、ルータにリレーエージェントを設定します。
Webの通信はHTTPで、要求にはGETやPOSTなどのメソッド、応答には200番台の成功、300番台の転送、400番台の要求側の誤り、500番台のサーバ側の誤りといった状態コードが付きます。HTTP自体は前の要求を覚えていないので、状態はCookieやセッション識別子で保ちます。TLSで暗号化したものがHTTPSで、盗聴を防ぐだけでなく、サーバ証明書によって接続先が本物かを確かめ、改ざんも検知します。メールは、送るときと受け取るときでプロトコルが分かれます。送信と、サーバ間の転送はSMTP。受信は、メールを手元へ取り出すPOP3と、サーバ上に置いたまま操作するIMAP4があり、複数の端末で同じ状態を見たいならIMAP4を選びます。日本語や添付ファイルはMIMEの形式で表現します。差出人の詐称対策としては、送信元サーバを宣言するSPF、電子署名を付けるDKIM、その結果をどう扱うかを宣言するDMARCが、いずれもDNSのレコードを使って組み合わされます。
運用に欠かせない裏方も押さえておきます。NTPは機器の時刻を合わせるプロトコルで、時刻がずれるとログの突合せも証明書の検証も成り立ちません。SNMPは機器の状態を集めるプロトコルで、管理側から問い合わせる方式と、機器側から異常を通知するトラップの二通りがあります。プロキシサーバはクライアントの代理としてWeb通信を中継し、キャッシュによる高速化、アクセス先の記録と制限を行います。逆に、外から来た要求をサーバの代理として受けるのがリバースプロキシで、暗号化処理の肩代わりや負荷分散に使われます。
TCPとUDPの違いと、選ぶ理由| 観点 | TCP | UDP |
|---|
| 接続 | 3ウェイハンドシェイクで確立してから送る | 確立せずいきなり送る |
| 到達の保証 | 確認応答と再送で保証する | 保証しない |
| 順序 | シーケンス番号で並べ直す | 並べ直さない |
| ヘッダの大きさ | 20バイト以上 | 8バイト |
| 向いている通信 | ファイル転送、Web、メール | 音声、映像、DNS問合せ、同報 |
| 選ぶ理由 | 欠けや入替りが許されないから | 遅れて届いた古いデータに価値がないから |
クライアント サーバ | --- SYN ---------> | /* 接続要求。初期シーケンス番号を伝える */ | <-- SYN, ACK ------ | /* 受諾。サーバ側の初期番号も伝える */ | --- ACK ----------> | /* 確認。ここで接続が確立する */ | === データ転送 ===> | | --- FIN ----------> | /* 一方向の切断要求 */ | <-- ACK ----------- | | <-- FIN ----------- | /* 逆方向も切断 */ | --- ACK ----------> |
用語
- 3ウェイハンドシェイク
- TCPの接続確立手順。SYN、SYNとACK、ACKの3回のやり取りで、双方の初期シーケンス番号を確認し合う。切断はFINとACKを双方向に交わす4回になる。
- ウィンドウ制御
- 受信側が知らせた空き容量の範囲で、確認応答を待たずにまとめて送る仕組み。実効速度の上限は、おおよそウィンドウサイズを往復遅延時間で割った値になる。
- フロー制御と輻輳制御
- 前者は受信側の処理が追いつかなくなるのを防ぐ調整、後者はネットワーク途中の混雑を避ける調整。混同しやすいが原因も対象も異なる。
- UDP
- 確認応答も順序制御も持たないトランスポート層プロトコル。ヘッダが小さく遅延が少ないので、音声や映像、DNSのような小さく速い通信に向く。
- ウェルノウンポート
- 0番から1023番までの、代表的なサービスに割り当てられたポート番号。HTTPは80、HTTPSは443、SMTPは25、DNSは53、SSHは22。
- 権威DNSサーバ
- あるドメインの情報を正式に持ち、問合せに答える責任をもつサーバ。キャッシュDNSサーバは、その答えを一定期間ためて代わりに返す。
- MXレコード
- そのドメイン宛てのメールを受け取るサーバを示すDNSのレコード。優先度を付けて複数書ける。Aレコードは名前からIPv4アドレスを引くためのもの。
- DHCP
- IPアドレスやデフォルトゲートウェイ、DNSサーバの場所を端末へ自動で配る仕組み。探索はブロードキャストなので、別セグメントから配るにはリレーエージェントが要る。
- HTTPの状態コード
- 200番台は成功、300番台は転送、400番台は要求側の誤り、500番台はサーバ側の誤りを表す。404は宛先が無い、503はサーバが一時的に扱えない。
- IMAP4
- メールをサーバ上に置いたまま参照・操作する受信プロトコル。複数の端末で同じ状態を見たい場合に選ぶ。手元へ取り出すのはPOP3。
- SPFとDKIM
- 差出人の詐称に対する送信ドメイン認証。SPFは送信を許可したサーバをDNSに宣言し、DKIMは電子署名を付ける。両者の結果の扱いを宣言するのがDMARC。
- リバースプロキシ
- サーバの代理として外部からの要求を受ける中継。暗号化処理の肩代わり、負荷分散、内部構成の隠蔽に使う。クライアント側の代理は単にプロキシと呼ぶ。
例題
例題:例題:伝送速度 200 Mbps、往復遅延時間 30 ms の経路で帯域を使い切るには、ウィンドウサイズをいくつ以上にする必要があるか。
答えと考え方 その経路が同時に運べる量、つまり帯域遅延積まで広げる必要があります。200×10⁶ に 0.03 を掛けると 6×10⁶ ビット、8で割って 750000 バイト、すなわち 750 kバイトです。これより小さいと、送ったぶんの確認応答が返るまで手が空いてしまい、回線がいくら速くても待ち時間が支配的になります。
例題:例題:Webサーバへの接続が「名前は引けるのに応答が返らない」とき、どこから疑うか。
答えと考え方 名前が引けている以上、DNSと、DNSサーバまでの経路は生きています。次に ping で相手までIPパケットが届くかを見て(第3層)、届くならポート443が開いているかを確かめます(第4層)。ここまで通って応答が無ければ、サーバ上のWebサービスや証明書の問題(第7層)と絞り込めます。階層を下から順に潰すのが定石です。
出典・根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
4. 無線LAN・QoSとネットワーク設計
無線とQoSの仕組みを押さえたうえで、転送時間や帯域を自分で見積もれるようになります。
無線LANはIEEE 802.11として規格化され、使う周波数帯と変調方式の違いで世代が分かれます。2.4 GHz帯は障害物に強く遠くまで届きますが、電子レンジやBluetoothと干渉しやすく、干渉しないチャネルは限られます。5 GHz帯はチャネル数が多く速度も出ますが、届く距離は短めです。有線のイーサネットが衝突を検知して対処するCSMA/CDだったのに対し、無線は送信中に自分で衝突を検知できないため、送る前に一定時間の空きを確認し、乱数時間だけ待ってから送るCSMA/CAで衝突そのものを避けます。互いの電波が届かない端末どうしが同時に送ってしまう隠れ端末問題には、送信の許可を先に取り合うRTS/CTSで対処します。
無線は媒体を共有するので、規格上の最大速度がそのまま出ることはありません。同じアクセスポイントにぶら下がる端末が増えれば1台あたりの取り分は減り、確認応答や待ち時間のぶんも差し引かれます。設計では、実効はカタログ値の半分程度と見込むのが安全です。安全面では、暗号化と認証の世代を確認します。WEPは解読方法が知られており使ってはならず、WPA2はAESによる暗号化を用います。WPA3はさらに、事前共有鍵を用いる場合でも総当たり攻撃に強い鍵交換を導入しています。利用者ごとに認証したい場合は、IEEE 802.1XとRADIUSサーバを組み合わせます。
回線を流れる通信は本来すべて平等に扱われます(ベストエフォート)が、音声会議のように遅延やゆらぎに弱い通信を守りたいときはQoSを設定します。優先制御は、印を付けた通信を待ち行列の先へ通す仕組みで、混雑時に効きます。帯域制御には、上限を超えた分をいったんためて平らにならすシェーピングと、超えた分をその場で捨てるポリシングがあります。どの通信を優先するかの印はIPヘッダのDSCPやイーサネットフレームのCoSで運びます。押さえておきたいのは、QoSは限られた帯域の配り方を変える仕組みであって、帯域そのものを増やしはしないという点です。全体が常に不足しているなら、増速か通信量の削減が先です。
性能の見積りは、単位をそろえることがすべてです。データ量はバイト、回線速度はビット毎秒なので、必ず8倍して合わせます。転送時間は、データ量をビットに直して、回線速度に伝送効率を掛けた実効速度で割ります。たとえば 240 Mバイトのデータを 60 Mbps の回線で伝送効率 80% として送るなら、1920 Mビットを 48 Mbps で割って40秒です。ここで効率を掛け忘れると32秒、効率で割るべきところを掛けてしまうと25.6秒になり、いずれも短めの答えが出ます。逆に、決められた時間内に送り切るために必要な回線速度を求める問題も同じ式を組み替えるだけです。
回線の速度だけでなく、遅延も効きます。帯域と往復遅延を掛けたものが帯域遅延積で、その回線が同時に運べるデータの量を表します。400 Mbps で往復25 msなら、400000000 に 0.025 を掛けて8で割り、125万バイトです。ウィンドウサイズがこれより小さいと、いくら帯域があっても待ち時間だけが増えていきます。加えて、フレームを一度受け切ってから送り出すストアアンドフォワード方式では、経由する回線の本数だけ送出時間が積み上がる点にも注意します。
設計では、止まらないことと使い切らないことを両立させます。機器や回線を並列に置けば、1台の稼働率が0.9でも2台並列なら 1-(1-0.9)² で0.99になり、直列につないだ部分は掛け算で下がっていきます。どこを二重化すれば全体の可用性がいちばん上がるかは、この計算で比べられます。帯域は、ピーク時の同時利用者数と1人あたりの通信量から見積もり、実測の伸び率を掛けて余裕を持たせます。利用者に近い場所へコンテンツを配るCDN、拠点間を安全に結ぶVPN、複数の回線を用途に応じて自動で使い分けるSD-WANなども、帯域と可用性の要件から選ぶ道具立てです。
性能見積りの式と、間違えやすいところ| 求めるもの | 式 | つまずきやすい点 |
|---|
| 転送時間 | データ量をビットに直し、回線速度と伝送効率の積で割る | バイトとビットの8倍を忘れる。効率を掛け忘れる |
| 必要な回線速度 | データ量のビット数を、許される時間と効率の積で割る | 許容時間を秒に直し忘れる |
| 実効スループット | 回線速度に伝送効率を掛ける | 効率を割ってしまう |
| 帯域遅延積 | 回線速度に往復遅延時間を掛け、8で割ってバイトにする | 片道遅延で計算してしまう |
| ウィンドウ制限の上限速度 | ウィンドウサイズのビット数を往復遅延時間で割る | ウィンドウをビットに直し忘れる |
| 並列2台の稼働率 | 1から、両方が同時に停止する確率を引く | 稼働率を単純に足してしまう |
用語
- CSMA/CA
- 無線LANの制御方式。送信中に衝突を検知できないため、送る前に空きを確認し乱数時間だけ待つことで衝突を避ける。有線のCSMA/CDは衝突を検知してから対処する。
- 隠れ端末問題
- 互いの電波が届かない端末どうしが、アクセスポイントに対して同時に送信してしまう問題。送信許可を先に取り合うRTS/CTSで緩和する。
- WPA3
- 無線LANの暗号化と認証の規格。事前共有鍵を使う場合でも総当たり攻撃に強い鍵交換を導入している。WEPは解読方法が知られており使用してはならない。
- IEEE 802.1X
- 接続してきた端末や利用者を、RADIUSサーバと連携して認証してからネットワークに参加させる仕組み。有線ポートにも無線にも適用できる。
- 優先制御
- 印を付けた通信を待ち行列の先へ通し、遅延に弱い通信を守るQoSの手法。印はIPヘッダのDSCPやイーサネットフレームのCoSで運ぶ。
- シェーピングとポリシング
- 帯域制御の二方式。シェーピングは上限を超えた分をためて平らにならし、ポリシングは超えた分をその場で捨てる。前者は遅延が増え、後者は損失が出る。
- 伝送効率
- 回線速度のうち、実際のデータ転送に使える割合。ヘッダや確認応答、再送のぶんが差し引かれる。転送時間はこれを掛けた実効速度で割って求める。
- 帯域遅延積
- 回線速度と往復遅延時間を掛けた値で、その経路が同時に運べるデータ量を表す。ウィンドウサイズがこれを下回ると、帯域があっても速度が出ない。
- ストアアンドフォワード
- フレームを最後まで受け切ってから次へ送り出す転送方式。誤りのあるフレームを転送せずに済むが、経由する回線の本数だけ送出時間が積み上がる。
- 並列構成の稼働率
- どちらか一方が動いていればよい構成の稼働率。1から、両方が同時に停止する確率を引いて求める。直列構成は各稼働率の積になる。
- CDN
- コンテンツを利用者に近い配信拠点へ複製して届ける仕組み。元のサーバの負荷と、利用者までの遅延の両方を下げられる。
- SD-WAN
- 複数の広域回線を、通信の種類や状態に応じてソフトウェアで自動的に使い分ける方式。専用線と安価な回線を組み合わせて費用と品質の折合いを付ける。
例題
例題:例題:3 Gバイトのデータを 1 Gbps の回線で送る。伝送効率が 60% のとき、転送に何秒かかるか。1 Gバイトは 10⁹ バイトとする。
答えと考え方 データ量は 3×10⁹ バイト、ビットに直すと 24×10⁹ ビット。実効速度は 1 Gbps の60%で 6×10⁸ bps。割ると40秒です。効率を掛け忘れると24秒、バイトのまま割ると5秒と、いずれも短く出てしまいます。単位をそろえてから割る、という手順を必ず守ります。
例題:例題:稼働率0.95の回線を2本並列にし、その先に稼働率0.98の機器が1台直列に入っている。全体の稼働率はいくらか。
答えと考え方 並列部分は 1-(1-0.95)×(1-0.95) で0.9975。これに直列の0.98を掛けて0.97755、およそ97.8%です。並列にすると0.95が0.9975まで跳ね上がる一方、直列の要素はそのまま足を引っ張ります。二重化の投資は、いちばん弱い直列部分から検討するのが効率的だと分かります。
出典・根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
確認問題(45問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|層の対応
TCP/IPの階層モデルのインターネット層は、OSI基本参照モデルのどの層に相当するか。
- 物理層
- データリンク層
- ネットワーク層
- トランスポート層
正解と解説
正解:C. ネットワーク層インターネット層はIPが受け持つ層で、宛先IPアドレスを見てネットワークをまたいで届ける役割を担うので、OSI基本参照モデルのネットワーク層(第3層)に相当する。TCP/IPのネットワークインタフェース層が物理層とデータリンク層をまとめて受け持ち、トランスポート層は同名で対応し、アプリケーション層がセションからアプリケーションまでの3層をまとめている。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問2|PDU
データリンク層で扱うデータのまとまりの呼び名はどれか。
- パケット
- フレーム
- セグメント
- ビット列
正解と解説
正解:B. フレームデータリンク層ではフレーム、ネットワーク層ではパケット(IPデータグラム)、トランスポート層ではTCPならセグメント、UDPならデータグラムと呼び分ける。物理層で扱うのはビットの列である。上位層のデータに各層がヘッダを付けて下へ渡すカプセル化の各段階に、それぞれの呼び名が付いていると考えると整理しやすい。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問3|ハブ比較
リピータハブとスイッチングハブの違いとして、適切なものはどれか。
- リピータハブは全ポートが一つの衝突ドメインになるが、スイッチングハブはポートごとに分かれる
- リピータハブは宛先MACアドレスを見て転送するが、スイッチングハブは全ポートへ流す
- リピータハブはブロードキャストドメインを分割するが、スイッチングハブは分割しない
- リピータハブは第3層、スイッチングハブは第2層の機器である
正解と解説
正解:A. リピータハブは全ポートが一つの衝突ドメインになるが、スイッチングハブはポートごとに分かれるリピータハブは電気信号をそのまま増幅して全ポートへ流す第1層の機器なので、つながった範囲全体が一つの衝突ドメインになる。スイッチングハブは宛先MACアドレスを見て該当ポートにだけ送る第2層の機器なので、衝突ドメインがポートごとに分かれる。どちらもブロードキャストは通すので、ブロードキャストドメインは分割しない。分割するのはルータかVLANである。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問4|ドメイン数
8ポートのスイッチングハブ2台を、それぞれ1ポートずつ使ってケーブル1本でカスケード接続し、空いているポートにPCを合計14台つないだ。VLANは設定していない。ブロードキャストドメインと衝突ドメインの数の組合せはどれか。
- ブロードキャストドメイン 1、衝突ドメイン 1
- ブロードキャストドメイン 2、衝突ドメイン 15
- ブロードキャストドメイン 1、衝突ドメイン 15
- ブロードキャストドメイン 15、衝突ドメイン 1
正解と解説
正解:C. ブロードキャストドメイン 1、衝突ドメイン 15スイッチはブロードキャストを止めないので、VLANを設定しなければ全体で一つのブロードキャストドメインになる。衝突ドメインはスイッチのポートごとに分かれるので、PCへの14本とスイッチ間の1本を合わせた15本のリンクが、それぞれ独立した衝突ドメインになる。これがリピータハブ2台なら、どちらも1になる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問5|MAC学習
スイッチングハブが、宛先MACアドレスを学習表に持っていないフレームを受け取ったときの動作はどれか。
- フレームを破棄し、送信元にエラーを返す
- 宛先が判明するまでフレームをバッファに保持し続ける
- デフォルトゲートウェイへ転送する
- 受信したポート以外のすべてのポートへ送り出す
正解と解説
正解:D. 受信したポート以外のすべてのポートへ送り出す宛先が学習表に無いフレームは、受信ポート以外の全ポートへ送り出される。これがフラッディングで、相手が応答すればその応答の送信元MACアドレスと受信ポートが学習されるので、次回からは該当ポートにだけ送られる。破棄すれば通信が始められず、保持し続けても宛先は判明しない。デフォルトゲートウェイへ送るのは第3層の話で、スイッチの動作ではない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問6|タグVLAN
IEEE 802.1QのタグVLANの説明として適切なものはどれか。
- フレームにVLAN識別子を付けることで、1本の回線で複数のVLANの通信を運べるようにする方式である
- スイッチのポートごとに所属するVLANを固定的に割り当てる方式である
- VLANが異なる端末どうしを、ルータを介さずに直接通信させる方式である
- IPアドレスの上位ビットによってVLANを決める方式である
正解と解説
正解:A. フレームにVLAN識別子を付けることで、1本の回線で複数のVLANの通信を運べるようにする方式であるタグVLANは、イーサネットフレームにVLAN識別子を含むタグを挿入することで、スイッチ間を結ぶ1本の回線に複数のVLANの通信を同時に流せるようにする方式で、この回線をトランクという。ポートごとに所属を固定するのはポートVLANである。VLANが異なる端末どうしの通信には、依然として第3層の中継が必要で、タグを付けても直接は通信できない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問7|VLAN間
1台のスイッチングハブに、VLAN 10 と VLAN 20 を設定して端末を収容した。VLAN 10 の端末から VLAN 20 の端末へ通信させるために必要なものはどれか。
- 両方のVLANに同じサブネットのIPアドレスを割り当てる
- スパニングツリープロトコルの有効化
- スイッチのMACアドレス学習表への手動登録
- ルータまたはレイヤ3スイッチによるVLAN間ルーティング
正解と解説
正解:D. ルータまたはレイヤ3スイッチによるVLAN間ルーティングVLANは第2層のブロードキャストドメインを分けるので、VLANが異なれば同じスイッチにつながっていても直接は通信できない。またぐにはルータかレイヤ3スイッチによる第3層の中継が要る。同じサブネットのアドレスを割り当てても、ブロードキャストが届かないためARPが成立せず通信できない。スパニングツリーはループ対策、MACアドレスの手動登録はVLANの境界を越える手段にならない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問8|冗長化選択
2台のLANスイッチを2本のケーブルで相互に接続する。ブロードキャストストームを起こさずに、2本ぶんの帯域を合わせて使いたい。採用すべき技術はどれか。
- スパニングツリープロトコル
- リンクアグリゲーション
- タグVLAN
- NAPT
正解と解説
正解:B. リンクアグリゲーションリンクアグリゲーションは複数の物理リンクを束ねて1本の論理リンクとして扱うので、ループにはならず帯域を足し合わせられ、1本が切れても残りで通信を続けられる。スパニングツリーもループは防ぐが、片方のポートを論理的に閉じてしまうので帯域は1本ぶんのままである。タグVLANは複数のVLANを1本に載せる仕組み、NAPTはアドレス変換であり、いずれも目的が違う。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問9|CSMA/CD
スイッチングハブとPCを全二重で接続した場合、CSMA/CDについて成り立つことはどれか。
- 衝突の回数が増えるため、再送の制御がより重要になる
- 送信と受信が同時に行えるため、そもそも衝突が起こらない
- 衝突を検知したときの待ち時間が固定値になる
- 全二重でもCSMA/CDによる衝突検知が必須である
正解と解説
正解:B. 送信と受信が同時に行えるため、そもそも衝突が起こらないCSMA/CDは、複数の機器が1本の伝送路を共有する半二重の環境で衝突に対処するための方式である。スイッチのポートと端末を全二重で1対1に接続すると、送信路と受信路が分かれるので衝突そのものが起こらず、CSMA/CDは不要になる。現在のスイッチによるLANでは、この理由でCSMA/CDは事実上使われていない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問10|L3SW
レイヤ3スイッチの説明として適切なものはどれか。
- 宛先MACアドレスだけを見て転送する、第2層の中継機器である
- 電気信号を増幅して全ポートへ流す機器である
- 宛先IPアドレスを見た転送を、スイッチングハブと同等の高速性で行う機器である
- URLの内容を見て、転送先のサーバを振り分ける機器である
正解と解説
正解:C. 宛先IPアドレスを見た転送を、スイッチングハブと同等の高速性で行う機器であるレイヤ3スイッチは、ルータと同じく宛先IPアドレスを見てネットワークをまたぐ転送を行いつつ、処理を専用のハードウェアで実装して高速化した機器である。VLANを多数設定した構内ネットワークで、VLAN間ルーティングを担わせる使い方が典型である。MACアドレスだけを見るのはスイッチングハブ、信号を増幅するのはリピータハブ、URLで振り分けるのはレイヤ7スイッチである。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問11|MTU
MTUの説明として適切なものはどれか。
- 1秒間に転送できるフレームの最大数
- 1つのフレームで運べるデータ部の最大長
- ネットワークに接続できる機器の最大数
- ルータが保持できる経路情報の最大件数
正解と解説
正解:B. 1つのフレームで運べるデータ部の最大長MTUは、そのデータリンクで1フレームに載せられるデータ部の最大長で、イーサネットでは通常1500バイトである。これを超える大きさのIPパケットは、途中で分割されるか、経路上の最小MTUを調べて送信元が小さく送り直す。MTUが小さすぎるとヘッダの割合が増えて効率が落ち、経路によって異なると分割の負荷や到達性の問題が生じる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問12|切り分け
あるPCは、同一サブネット内の端末とはIPアドレスを指定して通信できるが、別のサブネットの端末とはIPアドレスを指定しても通信できない。最も疑わしい原因はどれか。
- DNSサーバのアドレス設定の誤り
- デフォルトゲートウェイの設定の誤り
- Webブラウザのプロキシ設定の誤り
- 宛先サーバのサーバ証明書の期限切れ
正解と解説
正解:B. デフォルトゲートウェイの設定の誤り同一サブネット内では通信できているので、ケーブル、スイッチ、そのPCのIPアドレスとサブネットマスクの整合は取れている。別サブネットへ出るときだけ失敗するのは、パケットをルータへ渡す先であるデフォルトゲートウェイの設定が誤っている場合が最も疑わしい。IPアドレスを直接指定しているのでDNSは関係せず、プロキシと証明書はWeb通信という上位層の話なので、他のプロトコルでも通信できない状況の説明にならない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問13|ホスト数
192.168.10.0/26 のネットワークで、端末に割り当てられるIPアドレスは何個か。
- 30
- 62
- 64
- 126
正解と解説
正解:B. 62/26 なのでホスト部は 32-26 の6ビットあり、アドレスの総数は64個になる。このうちホスト部が全部0のネットワークアドレスと、全部1のブロードキャストアドレスは端末に割り当てられないので、62個が答えである。64は2個を引き忘れた値、30は /27 の場合、126は /25 の場合の割当て可能数である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問14|NWアドレス
IPアドレス 172.16.53.100、サブネットマスク 255.255.240.0 のホストが属するネットワークアドレスはどれか。
- 172.16.0.0
- 172.16.32.0
- 172.16.48.0
- 172.16.53.0
正解と解説
正解:C. 172.16.48.0255.255.240.0 は /20 で、第3オクテットの上位4ビットまでがネットワーク部である。53 は2進で 00110101 なので上位4ビットは 0011、下位4ビットを0で埋めると 00110000 すなわち 48 になり、ネットワークアドレスは 172.16.48.0 である。172.16.32.0 はマスクを 255.255.224.0 と読み違えた場合、172.16.53.0 は /24 と考えた場合、172.16.0.0 は /16 と考えた場合の値である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問15|BCアドレス
IPアドレス 10.20.30.200/21 のホストが属するネットワークのブロードキャストアドレスはどれか。
- 10.20.24.255
- 10.20.30.255
- 10.20.31.255
- 10.20.255.255
正解と解説
正解:C. 10.20.31.255/21 なので第3オクテットの上位5ビットまでがネットワーク部で、区切りは8ごとになる。30 は24以上32未満なのでネットワークアドレスは 10.20.24.0、ホスト部を全部1にしたブロードキャストアドレスは 10.20.31.255 である。10.20.30.255 は /24 と考えた場合、10.20.255.255 は /16 と考えた場合、10.20.24.255 はネットワークアドレスの側のオクテットをそのまま使ってしまった値である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問16|必要長さ
1つのサブネットに端末を100台収容したい。無駄を最小限にしたいとき、選ぶべきプレフィックス長はどれか。
- /26
- /25
- /24
- /23
正解と解説
正解:B. /25/26 は62個しか割り当てられず100台に足りない。/25 はホスト部が7ビットで 128-2 の126個となり、100台を収容できるうちで最も小さいブロックなので、これを選ぶ。/24 は254個、/23 は510個で収容はできるが、アドレスを余らせすぎる。「必要な台数に足りる中で最も小さいものを選ぶ」が設計の基本である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問17|経路集約
192.168.8.0/24、192.168.9.0/24、192.168.10.0/24、192.168.11.0/24 の四つのネットワークを、過不足なく1本の経路に集約したい。適切なものはどれか。
- 192.168.0.0/20
- 192.168.8.0/21
- 192.168.8.0/22
- 192.168.8.0/23
正解と解説
正解:C. 192.168.8.0/22第3オクテットの 8, 9, 10, 11 は2進で 00001000, 00001001, 00001010, 00001011 であり、共通しているのは上位6ビットまでである。したがってネットワーク部は 16+6 の22ビットで、192.168.8.0/22 が過不足のない集約になる。/23 は 8 と 9 しか含まず残りが失われ、/21 は 8 から 15、/20 は 0 から 15 まで含んでしまい、実在しない宛先まで引き受けることになる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問18|同一判定
IPアドレスが 192.168.1.130、サブネットマスクが /26 の端末がある。この端末と同じサブネットに属さないアドレスはどれか。
- 192.168.1.129
- 192.168.1.150
- 192.168.1.190
- 192.168.1.200
正解と解説
正解:D. 192.168.1.200/26 は第4オクテットを64ごとに区切るので、130 が属するのは 128 から 191 までのブロックである。ネットワークアドレスが 192.168.1.128、ブロードキャストが 192.168.1.191 で、割当て可能なのは 129 から 190 まで。200 はこの範囲の外にあり、次のブロック(192 から 255)に属するので同じサブネットではない。同じサブネットでない相手への通信は、必ずデフォルトゲートウェイ経由になる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問19|プライベート
プライベートIPアドレスとして定められている範囲に含まれるものはどれか。
- 11.0.0.1
- 172.32.0.1
- 192.168.1.1
- 192.169.1.1
正解と解説
正解:C. 192.168.1.1プライベートIPアドレスの範囲は 10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16 の三つである。172.16.0.0/12 は 172.16 から 172.31 までなので 172.32.0.1 は含まれず、192.168.0.0/16 は第2オクテットが 168 のものだけなので 192.169.1.1 も含まれない。11.0.0.1 は 10.0.0.0/8 の隣で、これも範囲外である。プライベートアドレスはそのままインターネットへ出られないので、NATやNAPTで変換して使う。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問20|RIPとOSPF
RIPと比べたときのOSPFの特徴として、適切なものはどれか。
- 経由するルータの台数だけを見て経路を選ぶので、設定が簡単である
- 自律システムどうしの経路交換に用いられ、契約や方針に基づいて経路を選ぶ
- 経路情報を交換せず、管理者が経路を一つずつ登録する
- 各ルータが自分の接続状況を全体へ広め、帯域を反映したコストで最短経路を計算する
正解と解説
正解:D. 各ルータが自分の接続状況を全体へ広め、帯域を反映したコストで最短経路を計算するOSPFはリンク状態型のルーティングプロトコルで、各ルータが自分の接続情報を全体に広めて同じ地図を共有し、帯域を反映したコストで最短経路を計算する。収束が速く、大規模な組織内ネットワークに向く。ホップ数だけを見るのは距離ベクトル型のRIPで、規模も15ホップまでという制限がある。自律システム間の経路交換はBGP、管理者が登録するのは静的ルーティングである。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問21|最長一致
ルータの経路表に 0.0.0.0/0、10.0.0.0/8、10.1.0.0/16、10.1.2.0/24 の四つの経路が登録されている。宛先が 10.1.2.5 のパケットは、どの経路に従って転送されるか。
- 0.0.0.0/0
- 10.0.0.0/8
- 10.1.0.0/16
- 10.1.2.0/24
正解と解説
正解:D. 10.1.2.0/24四つの経路はいずれも 10.1.2.5 に当てはまるが、ルータはプレフィックス長が最も長い、つまり最も細かく宛先を指定している経路を選ぶ。これがロンゲストマッチで、この場合は /24 の経路が選ばれる。0.0.0.0/0 のデフォルトルートは、他にどれも当てはまらなかったときの最後の受け皿として働く。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問22|NAPT
NAPT(IPマスカレード)について、適切なものはどれか。
- インターネット側から内部の任意の端末へ、事前の設定なしに通信を開始できる
- グローバルIPアドレスを1個しか持たなくても、複数の端末が同時にインターネットへアクセスできる
- 内部の端末のIPアドレスを変換せず、ポート番号だけを書き換える
- 変換のたびにIPアドレスとポート番号を暗号化するので、盗聴を防げる
正解と解説
正解:B. グローバルIPアドレスを1個しか持たなくても、複数の端末が同時にインターネットへアクセスできるNAPTはIPアドレスに加えてポート番号も書き換え、その対応を変換表に記録することで、1個のグローバルアドレスを多数の端末で共用できるようにする。内部から始まった通信は変換表があるので戻りも通せるが、外部から突然来る通信はどの端末宛てか判断できず、静的な変換をあらかじめ定義しない限り通せない。アドレスも書き換えており、暗号化の機能は持たない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問23|ARP
ARPの役割として適切なものはどれか。
- IPアドレスから、同一LAN内の対応するMACアドレスを求める
- 名前解決の問合せを送り、ドメイン名から対応するIPアドレスを求める
- 起動した端末の要求に応じて、IPアドレスを一定期間貸し出す形で割り当てる
- TTLを1ずつ増やしたパケットを送り、経路上のルータを調べる
正解と解説
正解:A. IPアドレスから、同一LAN内の対応するMACアドレスを求めるARPは、同じLAN内で宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを問い合わせるプロトコルで、ブロードキャストで尋ね、該当する端末が自分のMACアドレスを返す。イーサネットフレームを組み立てるにはMACアドレスが要るので、IP通信の直前に必ず働く。ドメイン名からIPアドレスを求めるのはDNS、アドレスを自動で配るのはDHCP、経路上のルータを調べるのは traceroute の役割である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問24|3ウェイ
TCPの3ウェイハンドシェイクで交わされるものの順序として、正しいものはどれか。
- SYN、SYNとACK、ACK
- SYN、ACK、FIN
- ACK、SYN、ACK
- FIN、ACK、SYN
正解と解説
正解:A. SYN、SYNとACK、ACK接続の確立は、クライアントがSYNを送り、サーバがSYNとACKを合わせて返し、クライアントがACKを返す3回のやり取りで完了する。ここで双方の初期シーケンス番号を確認し合うので、以後の順序制御と再送が成り立つ。FINは切断の要求で、確立の手順には現れない。切断は双方向それぞれにFINとACKが要るため、通常4回のやり取りになる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問25|UDP選択
TCPではなくUDPを選ぶ理由として、最も適切なものはどれか。
- すべてのデータが欠けずに順番どおり届くことを保証したいから
- 遅れて届いた古いデータには価値がなく、再送より低遅延を優先したいから
- 受信側の処理能力に合わせて送信量を自動的に調整したいから
- 混雑を検知して送信速度を自動的に絞りたいから
正解と解説
正解:B. 遅れて届いた古いデータには価値がなく、再送より低遅延を優先したいから音声や映像のように、届くのが遅れた時点で価値がなくなるデータでは、再送を待つより欠けたまま先へ進むほうが体感品質が良い。UDPは確認応答も順序制御も持たずヘッダも小さいので、この用途に向く。欠けずに順番どおり届けること、受信側に合わせるフロー制御、混雑に合わせる輻輳制御は、いずれもTCPが提供する機能である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問26|制御の別
TCPのフロー制御と輻輳制御の違いとして、適切なものはどれか。
- フロー制御は受信側の処理能力に合わせる調整、輻輳制御はネットワーク途中の混雑に合わせる調整である
- フロー制御はネットワークの混雑を避ける調整、輻輳制御は受信側の空きに合わせる調整である
- どちらも同じ仕組みを別の名前で呼んだものである
- フロー制御はUDPが行い、輻輳制御はTCPが行う
正解と解説
正解:A. フロー制御は受信側の処理能力に合わせる調整、輻輳制御はネットワーク途中の混雑に合わせる調整であるフロー制御は、受信側が知らせるウィンドウサイズによって、受信バッファがあふれないように送信量を抑える仕組みである。輻輳制御は、経路の途中が混雑していると判断したときに送信速度を絞る仕組みで、送り始めを小さくして徐々に増やし、損失を検知すると一気に絞る。原因も見ている相手も異なるので、別々の仕組みとして働く。UDPはどちらも持たない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問27|窓と速度
TCPのウィンドウサイズが 65536 バイト、往復遅延時間が 40 ms のとき、この接続で出せるおおよその最大スループットはどれか。回線の速度は十分に大きいものとする。
- 約 1.6 Mbps
- 約 6.6 Mbps
- 約 13.1 Mbps
- 約 26.2 Mbps
正解と解説
正解:C. 約 13.1 Mbps1往復ごとにウィンドウサイズぶんを送れるので、65536 バイトすなわち 524288 ビットを 0.04 秒で送る計算になり、約 13.1 Mbps である。1.6 Mbps はバイトをビットに直し忘れた値、26.2 Mbps は往復遅延ではなく片道の 20 ms で割った値、6.6 Mbps は与えられた 40 ms を片道と勘違いして2倍の 80 ms で割った値である。帯域があっても、ウィンドウが小さければここが上限になる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問28|ポート番号
HTTPSで使われる、既定のウェルノウンポート番号はどれか。
- 22
- 25
- 80
- 443
正解と解説
正解:D. 443HTTPSは443番である。22はSSH、25はSMTP、80はHTTPで、いずれも0番から1023番までのウェルノウンポートに含まれる。クライアント側は空いている番号を一時的に使うので、同じサーバの同じポートへ多数の接続があっても、送信元アドレスと送信元ポートの組合せで一つ一つの通信を区別できる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問29|MX
あるドメイン宛てのメールを、どのサーバが受け取るかを示すDNSのリソースレコードはどれか。
- MXレコード
- Aレコード
- CNAMEレコード
- PTRレコード
正解と解説
正解:A. MXレコードMXレコードは、そのドメイン宛てのメールを受け取るサーバを示すレコードで、優先度を付けて複数書ける。Aレコードはホスト名からIPv4アドレスを引くためのもの、CNAMEレコードは別名から正式名を示すもの、PTRレコードはIPアドレスから名前を引く逆引きに使う。送信側のメールサーバは、まずMXレコードを引いてから宛先サーバへ接続する。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問30|TTL運用
Webサーバを別のIPアドレスへ移設する。切替え時に、名前解決が古いアドレスを返し続ける時間をできるだけ短くしたい。移設の前に行っておくべきことはどれか。
- 対象レコードのTTLを、あらかじめ十分長い値に変更しておく
- 権威DNSサーバを停止しておく
- 逆引きのPTRレコードを削除しておく
- 対象レコードのTTL(キャッシュの有効期間)を、あらかじめ十分短い値に変更しておく
正解と解説
正解:D. 対象レコードのTTL(キャッシュの有効期間)を、あらかじめ十分短い値に変更しておく応答に付いたTTLの間、世界中のキャッシュDNSサーバは古いアドレスを返し続ける。したがって、切替えの数日前からTTLを短く(たとえば数分に)しておき、切替え後に元の値へ戻すのが定石である。直前に短くしても、それ以前に配られた長いTTLのキャッシュは残るので、余裕をもって下げる。権威サーバを止めれば名前解決自体ができなくなり、逆引きの削除は切替え時間の短縮に関係しない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問31|DHCP中継
DHCPサーバを、端末とは別のサブネットに1台だけ置いて全社の端末へアドレスを配りたい。必要になるものはどれか。
- 各サブネットのルータに設定するDHCPリレーエージェント
- 各端末へのデフォルトゲートウェイの手動設定
- サブネットごとのDNSサーバの増設
- スイッチでのタグVLANの無効化
正解と解説
正解:A. 各サブネットのルータに設定するDHCPリレーエージェントDHCPの最初の探索メッセージはブロードキャストで送られ、ルータを越えないので、そのままでは別サブネットのDHCPサーバに届かない。ルータやレイヤ3スイッチにリレーエージェントを設定すると、受け取ったブロードキャストをユニキャストでDHCPサーバへ転送してくれるので、1台のサーバで複数のサブネットに配れる。手動設定はDHCPを使う目的に反し、DNSやVLANはこの問題と関係しない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問32|状態コード
HTTPの応答で、サーバ側の内部的な問題によって処理できなかったことを表す状態コードの区分はどれか。
- 200番台
- 300番台
- 400番台
- 500番台
正解と解説
正解:D. 500番台500番台はサーバ側の誤りを表し、500は内部エラー、503は一時的に扱えないことを示す。200番台は成功、300番台は別の場所への転送、400番台は要求側の誤りで、404は宛先が無い、403は権限が無いことを表す。切分けでは、400番台が返っていれば要求の作り方を、500番台ならサーバ側の状態を疑う、という読み方をする。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問33|POPとIMAP
PCとスマートフォンの両方で同じメールボックスを見て、既読や振分けの状態をそろえたい。適切な受信プロトコルはどれか。
- SMTP
- POP3
- SNMP
- IMAP4
正解と解説
正解:D. IMAP4IMAP4はメールをサーバ上に置いたまま参照・操作する方式なので、複数の端末から見ても既読やフォルダの状態が共通になる。POP3はメールを手元の端末へ取り出す方式が基本で、端末ごとに状態が分かれてしまう。SMTPは送信とサーバ間の転送に使うプロトコル、SNMPは機器の状態を集める運用管理のプロトコルである。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問34|送信認証
送信ドメイン認証について、SPF・DKIM・DMARCの関係を説明したものとして最も適切なものはどれか。
- SPFは送信を許可したサーバをDNSで宣言し、DKIMは電子署名で発信元と改ざんを検証し、DMARCは両者の検証結果に応じた扱いを宣言する
- SPFは電子署名で本文の改ざんを検知し、DKIMは送信元サーバのIPアドレスを検証し、DMARCはその結果を暗号化する
- 三つはいずれもメール本文を暗号化する技術で、どれか一つを選んで使う
- 三つはいずれも受信側だけの設定で完結し、送信側のDNSには何も登録しない
正解と解説
正解:A. SPFは送信を許可したサーバをDNSで宣言し、DKIMは電子署名で発信元と改ざんを検証し、DMARCは両者の検証結果に応じた扱いを宣言するSPFは、そのドメインからの送信を許可したサーバのアドレスをDNSのレコードとして公開し、受信側が送信元IPアドレスと照合する。DKIMは送信側が電子署名を付け、受信側がDNSで公開された鍵で検証するので、発信元と改ざんの有無が分かる。DMARCは、SPFとDKIMの検証に失敗したメールをどう扱うか(そのまま受け取る、隔離する、拒否する)と、結果の報告先をドメイン所有者が宣言する仕組みである。いずれも本文の暗号化ではなく、送信側のDNSへの登録が前提になる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問35|CSMA/CA
無線LANでCSMA/CDではなくCSMA/CAが用いられる理由として、適切なものはどれか。
- 無線では衝突がまったく起こらないので、検知の仕組みが不要だから
- 送信中に自分で衝突を検知することが難しいので、衝突が起きる前に避ける必要があるから
- 有線より伝送速度が速く、検知が間に合わないから
- 暗号化した通信では衝突検知ができないから
正解と解説
正解:B. 送信中に自分で衝突を検知することが難しいので、衝突が起きる前に避ける必要があるから無線では、自分が送信している間は自局の電波が強すぎて他局の信号を聞き取れないため、送信しながら衝突を検知することが実際上できない。そこでCSMA/CAでは、送る前に一定時間の空きを確認し、さらに乱数時間だけ待ってから送ることで、衝突そのものが起きにくいようにする。無線でも衝突は起こり、速度や暗号化は理由ではない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問36|隠れ端末
無線LANの隠れ端末問題への対策として用いられるものはどれか。
- RTS/CTSによる送信許可のやり取り
- リンクアグリゲーション
- スパニングツリープロトコル
- 経路集約
正解と解説
正解:A. RTS/CTSによる送信許可のやり取り隠れ端末問題は、互いの電波が届かない端末どうしが、同じアクセスポイントに対して同時に送信してしまう問題である。送信したい端末が先にRTSを送り、アクセスポイントがCTSで許可を返すと、そのCTSは双方の端末に届くので、他方は送信を控える。これで衝突を抑えられる。他の三つはいずれも有線ネットワークの技術で、この問題とは関係がない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問37|無線暗号
無線LANの暗号化方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- WEPは鍵を解読する方法が知られていないため安全性が高く、新規に構築する無線LANでも推奨される
- WPA3はWPA2より暗号化の強度が低い代わりに処理が軽く、事前共有鍵を用いる場合の鍵交換もWPA2と同じ方式である
- SSIDを隠せば電波そのものが外部に届かなくなるので、暗号化を設定しなくても通信内容は保護される
- WPA2はAESによる暗号化を用い、WPA3は事前共有鍵を使う場合でも総当たり攻撃に強い鍵交換を導入している
正解と解説
正解:D. WPA2はAESによる暗号化を用い、WPA3は事前共有鍵を使う場合でも総当たり攻撃に強い鍵交換を導入しているWEPは短時間で鍵を解読する方法が知られており、使ってはならない。WPA2はAESによる暗号化を用い、WPA3はさらに、事前共有鍵を用いる場合でもオフラインの総当たり攻撃に耐える鍵交換を導入している。SSIDを隠しても電波そのものは飛んでいるので、暗号化していなければ内容は読み取られる。利用者ごとに認証したいなら、IEEE 802.1XとRADIUSを組み合わせる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問38|QoS限界
回線が常時ほぼ満杯で、音声会議も業務システムも遅い。ここへQoSの優先制御を導入した場合の効果として、最も適切なものはどれか。
- 優先した通信の遅延は改善するが、後回しにした通信はより遅くなる
- 回線の帯域そのものが増えるので、すべての通信が速くなる
- 通信量が自動的に削減されるので、増速は不要になる
- 優先度の低い通信も含め、全体の待ち時間が均等に短くなる
正解と解説
正解:A. 優先した通信の遅延は改善するが、後回しにした通信はより遅くなるQoSは限られた帯域の配り方を変える仕組みであって、帯域そのものを増やしはしない。優先した通信は待ち行列の先へ通されて遅延が改善するが、そのぶん後回しにされた通信の待ちは長くなる。全体が恒常的に不足しているなら、増速か通信量の削減が本筋であり、QoSはピーク時の品質を守る補助として位置付ける。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問39|帯域制御
トラフィックシェーピングとポリシングの違いとして、適切なものはどれか。
- シェーピングは上限を超えた分をためて平らにならし、ポリシングは超えた分をその場で破棄する
- シェーピングは超えた分を破棄し、ポリシングはためて平らにならす
- どちらも超えた分を破棄する点は同じで、対象とする層だけが異なる
- どちらも帯域そのものを増やす技術である
正解と解説
正解:A. シェーピングは上限を超えた分をためて平らにならし、ポリシングは超えた分をその場で破棄するシェーピングは、上限を超えた分をバッファにためて後から送り出すので、パケットは失われないが遅延とゆらぎが増える。ポリシングは超えた分をその場で捨てるので、遅延は増えないがパケット損失が発生し、TCPなら再送が起きる。どちらを選ぶかは、遅延を嫌う通信か、損失を嫌う通信かで判断する。どちらも帯域自体は増やさない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問40|転送時間
600 Mバイトのデータを、伝送速度 100 Mbps の回線で転送する。伝送効率が 80% であるとき、転送に要する時間は何秒か。1 Mバイトは 10⁶ バイトとする。
- 6
- 38.4
- 48
- 60
正解と解説
正解:D. 60データ量をビットに直すと 600×10⁶×8 で 4800×10⁶ ビット。実効速度は 100 Mbps の80%で 80 Mbps なので、割ると60秒になる。48は伝送効率を掛け忘れた値、38.4は効率で割るべきところを掛けてしまった値、6はバイトをビットに直し忘れ、さらに伝送効率も掛け忘れた値(600 ÷ 100)である。単位をそろえてから割る、という順序を必ず守る。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問41|必要速度
45 Gバイトのデータを、毎晩4時間以内に別拠点へ転送したい。伝送効率を 50% とするとき、必要な回線速度として最も小さいものはどれか。1 Gバイトは 10⁹ バイトとする。
- 6.25 Mbps
- 12.5 Mbps
- 25 Mbps
- 50 Mbps
正解と解説
正解:D. 50 Mbpsデータ量は 45×10⁹×8 で 360×10⁹ ビット。4時間は 14400 秒なので、必要な実効速度は 25 Mbps になる。伝送効率が50%なので、回線速度としてはその2倍の 50 Mbps が要る。25 Mbps は効率を考えなかった値、12.5 Mbps は効率で割るべきところを掛けてしまった値、6.25 Mbps はバイトをビットに直し忘れた値である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問42|帯域遅延積
伝送速度 100 Mbps、往復遅延時間 40 ms の経路がある。この経路の帯域遅延積はおよそいくらか。
- 250 kバイト
- 500 kバイト
- 2 Mバイト
- 4 Mバイト
正解と解説
正解:B. 500 kバイト帯域遅延積は伝送速度と往復遅延時間の積で、100×10⁶ に 0.04 を掛けると 4×10⁶ ビット。これを8で割ると 500000 バイト、すなわち約 500 kバイトになる。250 kバイトは片道の 20 ms で計算した値、4 Mバイトはビットをバイトに直し忘れた値、2 Mバイトは片道で計算したうえに直し忘れた値である。ウィンドウサイズがこの値を下回ると、帯域があっても速度が出ない。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問43|稼働率
拠点間を、稼働率 0.9 の回線2本で並列に接続し、その先に稼働率 0.95 の装置が1台直列に入っている。全体の稼働率に最も近い値はどれか。
- 約 0.77
- 約 0.86
- 約 0.94
- 約 0.99
正解と解説
正解:C. 約 0.94並列部分は、両方が同時に止まる確率 0.1×0.1 を1から引いて 0.99。これに直列の 0.95 を掛けて 0.9405、約 0.94 になる。0.99 は直列の装置を数え忘れた値、0.86 は回線を1本しか数えずに 0.9×0.95 とした値、0.77 は回線2本を直列とみなして 0.9×0.9×0.95 とした値である。並列にすると大きく上がるが、直列の要素はそのまま全体を引き下げる。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問44|蓄積転送
長さ 1500 バイトのフレームを、伝送速度 100 Mbps のリンクだけで構成された経路で、ルータ2台を経由して送る。各ルータはフレームを最後まで受け切ってから送り出すストアアンドフォワード方式である。伝搬遅延と処理時間を無視するとき、送信開始から受信完了までの時間はどれか。
- 120 μs
- 240 μs
- 360 μs
- 480 μs
正解と解説
正解:C. 360 μsルータ2台を経由するので、リンクは送信元からルータ1、ルータ1からルータ2、ルータ2から宛先の3本になる。1本あたりの送出時間は 1500×8 の 12000 ビットを 100×10⁶ bps で割った 120 μs で、ストアアンドフォワードでは各リンクでフレーム全体を受け切るため、3本ぶんが積み上がって 360 μs になる。120 μs は1本ぶんだけ、240 μs はルータの台数を本数と取り違えた値、480 μs はリンクを4本と数えた値である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
問45|CDN
CDN(コンテンツデリバリネットワーク)を利用する目的として、最も適切なものはどれか。
- 拠点間の通信を暗号化したトンネルにまとめて通し、経路上での盗聴と改ざんを防ぐ
- 複数の広域回線を通信の種類に応じて自動的に使い分け、回線の費用と通信品質を両立させる
- 利用者に近い配信拠点からコンテンツを届け、元のサーバの負荷と利用者までの遅延を下げる
- 1台のサーバのCPUとメモリを増強して処理能力を高め、同時に扱える要求の数を増やす
正解と解説
正解:C. 利用者に近い配信拠点からコンテンツを届け、元のサーバの負荷と利用者までの遅延を下げるCDNは、コンテンツを世界各地の配信拠点へ複製しておき、利用者に地理的に近い拠点から返す仕組みである。元のサーバへ集まる要求が減って負荷が下がり、経路が短くなって遅延も下がる。拠点間の暗号化はVPN、複数回線の自動的な使い分けはSD-WAN、1台の性能を引き上げるのはスケールアップであり、それぞれ別の手段である。
根拠:IPA「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス Ver.7.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク
演習:この章の問題を解く
ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ずIPAの公式発表をご確認ください。
※ 出題はIPA公開のシラバスに沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。計算問題はすべて機械検算ずみ。試験制度・実施要項はIPAの公式発表をご確認ください(2027年度春ごろに新試験制度へ移行予定)。