仮の宿 学習室

就職活動 JOB HUNTING

障害のある人の就職活動

講義 2 本・確認問題 10 問 | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 障害者雇用のしくみと応募のしかた
  2. 合理的配慮と支援機関、面接での伝え方
  3. 確認問題(10問)
  4. 演習ツール

1. 障害者雇用のしくみと応募のしかた

法定雇用率と手帳の関係、障害者求人と一般求人(オープン・クローズ)、在宅勤務の選択肢を整理します。

障害のある人が仕事を探すときに、知っておくと選択肢が広がる制度があります。その中心が「障害者雇用率制度」です。障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)にもとづき、会社などの事業主は、雇っている労働者のうち一定の割合以上の障害者を雇うことが義務付けられています。この割合を「法定雇用率」といいます。割合に足りない会社からは納付金を集め、多く雇っている会社には調整金を支払うしくみもあります。この章は、制度を知ったうえで「自分に合った働き方と応募のしかた」を選ぶための章です。どれが正解かは人によって違うので、迷ったら後で紹介する支援機関に相談してください。

民間企業の法定雇用率は、2023年度に2.3%でしたが、2024年4月に2.5%、2026年7月に2.7%へと段階的に引き上げられました。これにあわせて、障害者を雇う義務がある会社の範囲も、従業員40.0人以上から37.5人以上へ広がりました。国・地方公共団体は3.0%、都道府県などの教育委員会は2.9%です。法定雇用率は法律で「少なくとも5年ごとに」見直すこととされているので、2.7%のあとの率は、厚生労働省の発表で確かめてください。参考までに、2025年6月1日時点の民間企業の実雇用率は2.41%で、法定雇用率(当時2.5%)を達成した企業は46.0%でした。

雇用率に数えるときは、原則として身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳で障害を確かめます(身体障害は指定医などの診断書、知的障害は判定機関の判定書で確かめられる場合もあります)。手帳を持っていない精神障害のある人は、雇用率には数えられません。ただし、これは「会社がどう数えるか」の話です。ハローワークや地域障害者職業センターの支援、雇用での差別の禁止と合理的配慮は、手帳を持つ人に限られません。手帳がなくても、相談はできます(ハローワークでは、主治医の意見書などで障害を確かめることがあります)。

応募のしかたには、大きく2つの道があります。1つは「障害者求人」(障害者雇用枠)で、障害のある人だけが応募できる求人です。障害があることを伝えたうえで応募するので、配慮を前提に働き方を相談しやすいのが特徴です。応募には手帳が必要なことが一般的です。もう1つは「一般求人」(一般枠)で、だれでも応募できます。一般枠では、障害を伝えて応募すること(オープン)も、伝えないで応募すること(クローズ)もできます。クローズで働くと、配慮を求めにくくなることがあります。どれを選ぶかは本人が決めることで、障害の状態、必要な配慮、希望する仕事、手帳の有無などを考えて選びます。

外出や通勤が難しい人にとっては、在宅勤務(テレワーク)での障害者雇用も選択肢です。厚生労働省の「障害者テレワーク事例集」は、テレワークが通勤の難しい人の働く機会を広げ、地方に住む人と都市部の会社をつなぐと紹介しています。同じ資料は、在宅では労働時間の管理、健康管理、作業環境、孤立しない工夫、通信費の負担の決め方が大切だとしています。求人を見るときは「完全在宅か、ときどき出社があるか」「機器や通信費はだれが負担するか」を確かめましょう。求人票の読み方はこのラボの「求人の探し方と求人票の読み方」の章、労働時間など働くルールは 日本の働き方の基礎 を見てください。

応募のしかたの比べ方(一般的な特徴。会社によって異なります)
項目障害者求人(障害者雇用枠)一般求人・オープン一般求人・クローズ
応募できる人障害のある人(手帳が必要なことが多い)だれでも
障害を伝えるか伝える伝える伝えない
配慮の相談前提として相談しやすい相談できる求めにくくなることがある
考えておきたいこと仕事の内容や条件が希望に合うか配慮の内容を具体的に伝えられるか体調が変わったときにどうするか

用語

法定雇用率
事業主が雇わなければならない障害者の割合。民間企業は2026年7月から2.7%。
障害者求人(障害者雇用枠)
障害のある人だけが応募できる求人。
オープン・クローズ
障害を会社に伝えて働くこと(オープン)と、伝えないで働くこと(クローズ)。どちらを選ぶかは本人が決める。
実雇用率
実際に雇われている障害者の割合。法定雇用率と比べて、達成しているかを見る。

例題

例題:手帳を持っていないBさんは「手帳がないと、ハローワークで障害についての相談もできない」と考えています。正しいですか。
答えと考え方 正しくありません。手帳がないと雇用率には数えられませんが、ハローワークや地域障害者職業センターの支援は手帳を持つ人に限られません。まず相談し、手帳を取るかどうかも含めて一緒に考えてもらえます。

出典・根拠:厚生労働省「障害者雇用対策」、厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」(リーフレット、PDF)、厚生労働省 職業安定局「最近の障害者雇用対策について」(令和5年3月、PDF)、大分労働局「令和8年7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられます」、厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」(PDF)、福井労働局「障害者雇用率制度」、ハローワーク新宿 専門援助第二部門「障害者求人の申込みについて」(PDF)、厚生労働省「障害者テレワーク 事例集」(PDF)、愛知労働局(ハローワーク)「障害をお持ちの求職者の方へ」、福井労働局 掲載「福井障害者職業センター」案内(PDF)(いずれも2026-10-16確認)

2. 合理的配慮と支援機関、面接での伝え方

合理的配慮の決まりと流れ、相談できる支援機関、面接で配慮を具体的に伝える方法を確かめます。

障害のある人が働くときの大切な考え方が「合理的配慮」です。障害のある人が、ない人と同じように働けるよう、障害による困りごとを取り除くために会社が行う工夫や調整のことです。たとえば、机の高さを変える、面接を筆談で行う、口頭だけでなく文書や図で説明する、通院や体調に合わせて出退勤の時刻や休憩を調整する、などです。

雇用の分野では、障害者雇用促進法の改正で、2016年4月から、規模や業種にかかわらずすべての事業主に、障害者への差別の禁止と合理的配慮の提供が義務付けられています。一方、2024年4月1日からは、障害者差別解消法の改正で、お店やサービスなど事業者一般にも合理的配慮の提供が義務化されました。ただし、雇用や仕事の場面での配慮は、引き続き障害者雇用促進法の決まりによります。どちらの法律でも、障害者は手帳を持つ人に限られません。

配慮を受けるまでの流れは、場面によって違います。募集や採用の段階では、障害のある人が会社に「どんなことに困るか」を申し出ます。採用後は、会社の側が、職場で困っていることがないかを確かめます。そのうえで、本人と会社が話し合って配慮の内容を決めます。会社にとって「過重な負担」になる場合は義務になりませんが、その場合も理由を説明し、負担にならない範囲で配慮することが求められます。つまり、配慮は「お願いして終わり」ではなく、話し合って決めていくものです。

ひとりで抱え込まずに、支援機関を使いましょう。ハローワークの専門援助部門では、障害のある人の担当者が、障害の状態や希望に合わせて職業相談・職業紹介・職場定着の支援をします。JEED(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)の地域障害者職業センターは、各都道府県にあり、職業評価や職業指導などの専門的な支援をします。障害者就業・生活支援センターは、仕事のことと生活のことをまとめて支援する身近な窓口で、2026年4月時点で全国に340か所あります。就職をめざして訓練を受けたい人には、障害福祉サービスの「就労移行支援」があり、標準の利用期間は2年です。就職後に職場に慣れるまでは、ジョブコーチ(職場適応援助者)が職場で支援することもできます。

面接で配慮を伝えるときは、病名を説明するより、①できること・得意なこと、②困ることと必要な配慮、③自分で工夫していること、の3つを具体的に伝えると、会社が仕事を考えやすくなります。厚生労働省の「就労パスポート」は、自分の特徴や希望する配慮を支援機関と一緒に整理して、会社に伝えるための道具です。採用選考で必ず出す書類ではありません。また、障害についての情報は特に慎重に扱う個人情報で、どこまで伝えるかは本人が決めます。面接全体のマナーは 面接のマナー、履歴書は 履歴書の書き方 を見てください。

主な支援機関
機関主な支援
ハローワーク(専門援助部門)障害のある人の職業相談・職業紹介・職場定着の支援
地域障害者職業センター(JEED)職業評価・職業指導などの専門的な支援、ジョブコーチの派遣
障害者就業・生活支援センター仕事と生活の両面をまとめて支援(全国340か所)
就労移行支援事業所一般の会社への就職をめざす訓練・職場探し・定着支援(標準2年)
配慮を伝える準備1. 支援機関に相談し、応募のしかた(障害者求人・オープン・クローズ)を考える2. できること・困ること・必要な配慮・自分の工夫を書き出す(就労パスポートも使える)3. 応募書類や面接で、仕事に関係する範囲で具体的に伝える4. 採用後も、配慮が合っているかを会社と話し合って見直す

用語

合理的配慮
障害による困りごとを取り除くため、会社が過重な負担にならない範囲で行う工夫や調整。
過重な負担
会社の規模や費用などから見て、配慮が重すぎる場合。個別に判断され、理由の説明が必要。
ジョブコーチ(職場適応援助者)
職場に来て、本人と会社の両方を支援する人。最後は上司や同僚の支援に引き継ぐことをめざす。
就労パスポート
自分の特徴や希望する配慮を整理して会社に伝えるための、厚生労働省の様式。

例題

例題:聴覚に障害のあるCさんが、面接の前に会社へ配慮を求めたいと考えています。何をどう伝えればよいですか。
答えと考え方 採用の段階では本人から申し出るので、「面接は筆談かチャットでお願いしたい」など、困ることと必要な配慮を具体的に伝えます。あわせて「メールやチャットでのやりとりなら問題なく仕事ができます」とできることも伝えると、会社が仕事を考えやすくなります。

出典・根拠:厚生労働省「雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」、厚生労働省「合理的配慮指針」の概要資料(PDF)、厚生労働省「障害者の雇用の促進等に関する法律」改正(平成28年4月1日施行)の案内、内閣府「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」、内閣府 リーフレット「障害者差別解消法が変わります」(PDF)、厚生労働省「障害者の方への施策」、厚生労働省「ハローワークにおける障害者の職業紹介」概要(PDF)、高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「地域障害者職業センター」、JEED「地域障害者職業センター所在地一覧」、福井労働局 掲載「福井障害者職業センター」案内(PDF)、厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」、厚生労働省「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について」、厚生労働省「就労支援施策(障害福祉サービス)」、厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要」(PDF)、厚生労働省「就労パスポート」、ハローワーク新宿 専門援助第二部門「障害者求人の申込みについて」(PDF)(いずれも2026-10-16確認)

確認問題(10問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|民間企業の法定雇用率

2026年7月からの、民間企業の障害者の法定雇用率として正しいものはどれですか。

  1. 2.7%
  2. 2.3%
  3. 2.5%
  4. 3.0%
正解と解説
正解:A. 2.7%

民間企業の法定雇用率は、2024年4月に2.5%、2026年7月に2.7%へ段階的に引き上げられました。2.3%は2023年度の率、2.5%は2024年4月から2026年6月までの率です。3.0%は国・地方公共団体の率で、民間企業の率ではありません。

根拠:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」(リーフレット、PDF)、厚生労働省 職業安定局「最近の障害者雇用対策について」(令和5年3月、PDF)、大分労働局「令和8年7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられます」

問2|雇う義務のある会社の範囲

2026年7月から、障害者を雇う義務がある民間企業の範囲はどうなりましたか。

  1. 従業員100人以上の企業だけになった
  2. 従業員40.0人以上の企業のままで変わらない
  3. 従業員37.5人以上の企業に広がった
  4. 規模に関係なく、すべての企業が1人以上雇う義務を負うようになった
正解と解説
正解:C. 従業員37.5人以上の企業に広がった

法定雇用率が2.7%になったのにあわせて、雇う義務のある企業の範囲は従業員40.0人以上から37.5人以上に広がりました。40.0人以上は2024年4月から2026年6月までの範囲です。100人以上に限るという決まりもありません。すべての企業に1人以上の雇用義務があるわけではありません(差別の禁止と合理的配慮の義務は、すべての事業主にあります)。

根拠:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」(リーフレット、PDF)、大分労働局「令和8年7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられます」

問3|手帳と雇用率

障害者手帳と障害者雇用の関係について、正しいものはどれですか。

  1. 手帳を持っていない人は、ハローワークで障害についての相談ができない
  2. 雇用率に数えるときは原則として手帳で障害を確かめるが、支援機関の利用や合理的配慮は手帳を持つ人に限られない
  3. 雇用率には、手帳がなくても医師の診断書があれば必ず数えられる
  4. 合理的配慮を受けられるのは、手帳を持っている人だけである
正解と解説
正解:B. 雇用率に数えるときは原則として手帳で障害を確かめるが、支援機関の利用や合理的配慮は手帳を持つ人に限られない

実雇用率に数えるときは、原則として身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳で障害を確かめます。一方で、ハローワークや地域障害者職業センターの支援は手帳を持つ人に限られず、雇用分野の合理的配慮も手帳の有無で決まりません。手帳がないと相談できないという考えは誤りです。手帳を持たない精神障害のある人は雇用率の対象外とされているので、診断書があれば必ず数えられるわけでもありません。

根拠:福井労働局「障害者雇用率制度」、ハローワーク新宿 専門援助第二部門「障害者求人の申込みについて」(PDF)、厚生労働省「合理的配慮指針」の概要資料(PDF)、愛知労働局(ハローワーク)「障害をお持ちの求職者の方へ」、福井労働局 掲載「福井障害者職業センター」案内(PDF)

問4|オープンとクローズ

一般求人に応募するときの「オープン」と「クローズ」について、最も適切なものはどれですか。

  1. 一般求人では、障害があることを必ず伝えなければならない
  2. 障害者求人に応募するときは、障害を伝えないで応募するのが一般的である
  3. クローズで応募すると、会社はあとから必ず合理的配慮を用意してくれる
  4. 障害を伝えて応募する(オープン)か、伝えないで応募する(クローズ)かは本人が選び、クローズでは配慮を求めにくくなることがある
正解と解説
正解:D. 障害を伝えて応募する(オープン)か、伝えないで応募する(クローズ)かは本人が選び、クローズでは配慮を求めにくくなることがある

一般求人では、障害を伝えて応募することも、伝えないで応募することもでき、どちらにするかは本人が決めます。伝えないで働くと、会社は困りごとを知らないので、配慮を求めにくくなることがあります。一般求人で障害を必ず伝える決まりはありません。障害者求人は障害のある人のための求人なので、障害を伝えたうえで応募します。会社が必ず配慮を用意する、という保証もありません。配慮は申し出や話し合いを通じて決まるものです。

根拠:※ 当サイトのオリジナル問題です(応募のしかたは一般的な特徴で、会社によって異なります)。関連:ハローワーク新宿 専門援助第二部門「障害者求人の申込みについて」(PDF)

問5|採用の段階での合理的配慮

障害者雇用促進法のもとで、募集・採用の段階での合理的配慮はどのように始まりますか。

  1. 障害のある人が、会社に対して支障となっている事情を申し出る
  2. 会社が応募者全員に、障害の有無を必ず確認する
  3. ハローワークが会社に、配慮の内容を命令する
  4. 内定が出るまでは、配慮について話してはいけない
正解と解説
正解:A. 障害のある人が、会社に対して支障となっている事情を申し出る

募集・採用の段階では、障害のある人が会社に支障となっている事情を申し出て、そのうえで話し合って配慮を決めます。会社の側から職場での支障の有無を確かめるのは、採用後の流れです。障害の情報は特に慎重に扱う個人情報なので、応募者全員に障害の有無を必ず確認する、ということにはなりません。ハローワークが配慮の内容を命令する制度でもありません。面接の段階でも、筆談などの配慮を求めることができます。

根拠:厚生労働省「合理的配慮指針」の概要資料(PDF)、厚生労働省「雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」、ハローワーク新宿 専門援助第二部門「障害者求人の申込みについて」(PDF)

問6|2024年4月の変化

2024年4月1日から始まったこととして、正しいものはどれですか。

  1. 会社が働く人に対して行う合理的配慮が、はじめて義務になった
  2. 障害者差別解消法の改正で、お店やサービスなどの事業者にも合理的配慮の提供が義務になった
  3. 合理的配慮を受けるには、障害者手帳の提示が必要になった
  4. 民間企業の法定雇用率が2.7%になった
正解と解説
正解:B. 障害者差別解消法の改正で、お店やサービスなどの事業者にも合理的配慮の提供が義務になった

2024年4月1日に改正障害者差別解消法が施行され、事業者による合理的配慮の提供が義務になりました。一方、雇用の場面での合理的配慮は、障害者雇用促進法によって2016年4月からすべての事業主の義務になっているので、「はじめて義務になった」は誤りです。差別解消法の障害者は手帳を持つ人に限られません。法定雇用率が2.7%になったのは2026年7月で、2024年4月は2.5%への引上げでした。

根拠:内閣府「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」、内閣府 リーフレット「障害者差別解消法が変わります」(PDF)、厚生労働省「障害者の雇用の促進等に関する法律」改正(平成28年4月1日施行)の案内、厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」(リーフレット、PDF)

問7|過重な負担

会社にとって合理的配慮が「過重な負担」になる場合について、正しいものはどれですか。

  1. 会社は理由を言わずに、配慮をすべて断ってよい
  2. どんなに費用がかかっても、会社は申し出のとおりに配慮しなければならない
  3. 過重な負担かどうかは、障害のある人が決める
  4. 提供の義務はなくなるが、会社は理由を説明し、負担にならない範囲で配慮することが求められる
正解と解説
正解:D. 提供の義務はなくなるが、会社は理由を説明し、負担にならない範囲で配慮することが求められる

過重な負担にあたる場合、その配慮を提供する義務はなくなります。ただし会社は、その旨と理由を説明し、本人の意向を尊重しながら、過重な負担にならない範囲で配慮することが求められます。理由を言わずにすべて断ってよいわけではありません。逆に、どんなに費用がかかっても申し出のとおりにする義務があるわけでもありません。過重な負担かどうかは、事業への影響、費用、会社の規模や財務状況などから個別に判断され、本人が一方的に決めるものではありません。

根拠:厚生労働省「合理的配慮指針」の概要資料(PDF)、厚生労働省「雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」

問8|仕事と生活の両面の支援

仕事のことと生活のことをまとめて相談できる、身近な地域の支援機関はどれですか。

  1. 地域障害者職業センター
  2. 就労継続支援B型事業所
  3. 障害者就業・生活支援センター
  4. 職業訓練校の入学相談窓口
正解と解説
正解:C. 障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、雇用・保健・福祉・教育などの機関と連携し、身近な地域で就業面と生活面を一体的に支援します(2026年4月時点で全国340か所)。地域障害者職業センターはJEEDが各都道府県に置く機関で、職業評価や職業指導などの専門的な職業リハビリテーションが中心です。就労継続支援B型は、雇用契約にもとづいて働くことが難しい人に、働く機会や生産活動の機会を提供するサービスです。職業訓練校の入学相談は訓練についての窓口で、生活面までまとめて支援する機関ではありません。

根拠:厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」、高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「地域障害者職業センター」、厚生労働省「就労支援施策(障害福祉サービス)」

問9|就労移行支援

障害福祉サービスの「就労移行支援」について、正しいものはどれですか。

  1. 一般の会社への就職をめざす人のための訓練などで、標準の利用期間は2年である
  2. 雇用契約を結んで働く場所で、利用期間に上限はない
  3. ハローワークの窓口の名前で、求人の紹介だけを行う
  4. 就職したあとに職場に来て支援する人の名前である
正解と解説
正解:A. 一般の会社への就職をめざす人のための訓練などで、標準の利用期間は2年である

就労移行支援は、一般の会社への就職が見込まれる障害のある人に、働くために必要な訓練、適性に合った職場探し、就職後の定着支援などを行う障害福祉サービスです。標準の利用期間は2年で、必要と認められた場合に限り最大1年更新できます。雇用契約を結んで働く場は就労継続支援A型で、就労移行支援ではありません。ハローワークの障害者の窓口は専門援助部門です。就職後に職場で支援する人はジョブコーチ(職場適応援助者)です。

根拠:厚生労働省「就労支援施策(障害福祉サービス)」、厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要」(PDF)、厚生労働省「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について」

問10|面接で配慮を伝える

面接で配慮について伝えるときの方法として、最も適切なものはどれですか。

  1. 病名と診断の経過を、できるだけ詳しく説明することに時間を使う
  2. できること、困ることと必要な配慮、自分の工夫を、仕事に関係する範囲で具体的に伝える
  3. 「何でも大丈夫です」と答え、配慮の話は入社後まで一切しない
  4. 就労パスポートは採用選考で必ず出す書類なので、出さないと応募できない
正解と解説
正解:B. できること、困ることと必要な配慮、自分の工夫を、仕事に関係する範囲で具体的に伝える

会社が知りたいのは、仕事をどう進められるかです。できること・得意なこと、困ることと必要な配慮、自分で工夫していることを具体的に伝えると、会社が仕事の内容や配慮を考えやすくなります。病名や経過の説明に時間を使っても、仕事のしかたは伝わりにくく、どこまで伝えるかは本人が決めることです。「何でも大丈夫」と言って配慮の話を避けると、入社後に困りごとが起きやすくなります(クローズで働くことを選ぶ人もいますが、その場合も体調が変わったときのことを考えておきます)。就労パスポートは伝えるための道具で、採用選考の必須書類ではありません。

根拠:厚生労働省「就労パスポート」、ハローワーク新宿 専門援助第二部門「障害者求人の申込みについて」(PDF)。※ 伝え方の3点は当サイトの整理です

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。制度や手続きは変わることがあるため、最新の情報はハローワーク・厚生労働省などの公式案内でご確認ください。
※ 採用の進め方は企業によって異なります。