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ビジネス BUSINESS BASICS

ビジネス知識の基礎

講義 4 本・確認問題 40 問 | 本試験では「ビジネス知識」(0問)の一部 | 最終更新 2026-09-24

この章で学ぶこと
目次
  1. 会計の初歩(利益の段階・決算書・固定費と変動費)
  2. 契約の初歩(見積から検収・請求まで、印紙とNDA)
  3. 労務の初歩(労働時間・年次有給休暇・割増賃金と給与明細)
  4. コンプライアンス(ハラスメント・個人情報・情報管理)
  5. 確認問題(40問)
  6. 演習ツール

1. 会計の初歩(利益の段階・決算書・固定費と変動費)

売上から利益が生まれるまでの段階と、損益計算書や貸借対照表が何を写した書類なのかを、実際の数字の読み方から押さえます。

会社の数字は、もうけを一段ずつ削りながら見ていきます。まず売上高から売上原価を引いた額が売上総利益で、現場では粗利と呼ばれます(会社計算規則 第89条)。粗利は、その商品やサービスそのものにどれだけ力があるかを示します。次に販売費及び一般管理費、つまり人件費・家賃・広告費など売るために必要な費用を引くと営業利益になり(同 第90条)、これが本業でどれだけ稼げたかを表します。さらに営業利益に営業外収益を足し、借入金の利息のような営業外費用を引くと経常利益です(同 第91条)。「粗利は出ているのに営業利益が薄い」なら、売り方や間接費のかけ方に原因がある、という読み方ができます。

決算書のうち損益計算書は、1年などの一定期間にいくら稼いでいくら使ったかという流れを示します。貸借対照表は、決算日というある一時点で何を持ち、誰にいくら返す義務があるかという残高を示します。貸借対照表は資産・負債・純資産の3つの部に区分して表示することになっており(会社計算規則 第73条)、資産の合計は負債と純資産の合計に必ず一致します。損益計算書は売上高・売上原価・販売費及び一般管理費・営業外収益・営業外費用・特別利益・特別損失に区分されます(同 第88条)。流れを見る書類と残高を見る書類、という違いを最初に頭に入れておくと迷いません。

費用は固定費と変動費に分けると見通しがよくなります。固定費は売上が増えても減ってもほぼ一定額かかる費用で、事務所の家賃や正社員の給与が代表です。変動費は売上にあわせて増減する費用で、材料費や仕入、売上連動の販売手数料が当たります。売価から1個あたりの変動費を引いた額を限界利益といい、固定費を限界利益で割ると、損も得もしない販売数量である損益分岐点が求められます。どちらに区分するかは業種や契約の形で変わるので、自社の実態に合わせて判断してください。

長く使う設備は、買った年に全額を費用にせず、使う年数に配分して費用にします。これが減価償却です(法人税法 第31条)。定額法なら、取得価額を耐用年数で割った額が毎年の償却費のイメージになります。消費税は、事業者が売上とともに受け取った税額から、仕入や経費で支払った税額を差し引いて納める仕組みです(消費税法 第30条)。標準税率は合計10パーセント、軽減税率は合計8パーセントです(同 第29条)。手元に残っている消費税分は最終的に納めるお金なので、資金繰りのうえでは自分のもうけと混ぜないように意識しておくと安全です。具体的な計算や申告は税務署や税理士に確認してください。

利益の段階(上から順に削っていく)
利益の段階計算のしかた何が分かるか
売上総利益(粗利)売上高 − 売上原価商品やサービスそのものの利幅
営業利益売上総利益 − 販売費及び一般管理費本業でのもうけ
経常利益営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用利息など本業以外も含めた実力
税引前当期純利益経常利益 + 特別利益 − 特別損失臨時の損益まで含めた利益
当期純利益税引前当期純利益 − 法人税等最終的に会社に残る利益
損益分岐点の販売数量を求める(例)売価 900円、1個あたり変動費 400円、固定費 月300万円1個あたり限界利益: 900 − 400 = 500円損益分岐点数量: 3,000,000 ÷ 500 = 6,000個検算(売上): 900 × 6,000 = 5,400,000円検算(費用): 400 × 6,000 + 3,000,000 = 5,400,000円 で一致

用語

売上総利益(粗利)
売上高から売上原価を引いた額。商品やサービスそのものの利幅を示す(会社計算規則 第89条)。
営業利益
売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた額。本業でどれだけ稼げたかを示す(会社計算規則 第90条)。
経常利益
営業利益に営業外収益を足し営業外費用を引いた額。利息など本業以外の常の損益まで含めた実力(会社計算規則 第91条)。
貸借対照表
ある一時点の財政状態を示す書類。資産・負債・純資産の3つの部に区分される(会社計算規則 第73条)。
固定費と変動費
売上に関わらず一定額かかるのが固定費、売上にあわせて増減するのが変動費。損益分岐点の計算に使う。
減価償却
長く使う資産の取得価額を、使用する年数に配分して費用にする考え方(法人税法 第31条)。

例題

例題:売上高 1,000万円、売上原価 600万円、販売費及び一般管理費 250万円のとき、営業利益はいくらか。
答えと考え方 まず売上総利益が 1,000 − 600 で 400万円。そこから 250万円を引いて営業利益は 150万円。粗利の段階と営業利益の段階を分けて見るのがこつ。
例題:取得価額 120万円の機械を耐用年数5年、定額法(残存価額は考えない)で償却すると1年あたりいくらか。
答えと考え方 1,200,000 ÷ 5 で 240,000円。買った年に120万円全額を費用にするのではなく、5年に分けて費用にするのが減価償却の考え方(法人税法 第31条)。
例題:税抜 20,000円の商品を標準税率で販売したときの税込価格はいくらか。
答えと考え方 20,000 × 1.1 で 22,000円。差額の 2,000円は最終的に納める分であって会社のもうけではない。納付額は受け取った税額から支払った税額を差し引いて計算する(消費税法 第30条)。

出典・根拠:会社計算規則 第89条・第90条・第91条

2. 契約の初歩(見積から検収・請求まで、印紙とNDA)

取引を動かす書類の並び順と、それぞれが何を証明しているのかを押さえ、印紙・秘密保持・下請取引のルールまで一続きで理解します。

取引の書類には順番があり、それぞれが役割を持っています。見積書はこの条件・この金額でできるという提示、発注書や注文書は買う側の申込み、請書や注文請書は受ける側の承諾、納品書は渡した記録、検収は受け取った側が中身を確かめて合格と認める区切り、そして請求書と支払です。契約そのものは、内容を示した申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて書面などの方式は要りません(民法 第522条)。それでも書面を交わすのは、後から言った言わないにならないよう、合意の中身を残しておくためです。

検収は支払の起点になることが多い、実務上とても大事な区切りです。数量・仕様・品質を確かめ、問題があればこの段階で伝えます。引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しないときは、買主は修補や代替物の引渡しなどの追完を請求できます(民法 第562条)。なお請負は、当事者の一方が仕事を完成することを約し、相手方がその結果に対して報酬を支払うことを約する契約です(民法 第632条)。何をもって完成とするかを最初にすり合わせておくと、検収でもめません。

印紙税は、印紙税法の別表第一に掲げられた文書、つまり課税文書を作成した人に納税義務があります(印紙税法 第3条)。よく出会うのは領収書で、金銭または有価証券の受取書は記載された受取金額が5万円未満なら非課税とされています(同法 別表第一 第17号文書)。印紙は貼るだけでは足りず、文書と印紙の彩紋にかけて判明に消さなければなりません(同法 第8条第2項)。電子データだけでやり取りする場合の取扱いは判断が分かれる場面もあるので、税務署や税理士に確認してください。

秘密保持契約、いわゆるNDAは、打ち合わせや共同作業で知った情報を目的外に使わず第三者に開示しないと約束するものです。話す前に結んでおくのが基本になります。あわせて社内の管理も欠かせません。不正競争防止法にいう営業秘密は、秘密として管理されていること、事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること、公然と知られていないことの3つを満たすものです(同法 第2条第6項)。管理していない情報は保護されにくいということです。下請取引のルールは、下請代金支払遅延等防止法が改正されて2026年1月1日に施行され、略称は中小受託取引適正化法、通称は取適法となりました。手形払いが禁止され、従来の資本金基準に従業員数の基準が加わり、製造等の目的物の引渡しに必要な運送の委託も対象に加わるなど、範囲が広がっています。

取引書類の流れと、それぞれが意味すること
段階出す人何を意味するか
見積書受注側この条件・この金額でできるという提示
発注書・注文書発注側買いたいという申込みの意思表示
請書・注文請書受注側申込みを受けるという承諾の意思表示
納品書受注側約束した物や成果物を渡したという記録
検収書発注側中身を確かめて合格と認めたという記録
請求書受注側代金を支払ってほしいという求め
1. 仕様と納期をすり合わせ、見積書をもらう2. 社内の決裁を通してから発注書を出す3. 請書を受け取り、契約が成立したことを書面で残す4. 納品を受けたら納品書と現物を突き合わせる5. 検収し、不適合があればこの段階で連絡する6. 検収完了を受けて請求書を受け取り、期日に支払う

用語

見積書
この条件・この金額でできるという提示。発注の前に金額と仕様を合わせるための書類。
注文請書
発注書という申込みに対して、受ける側が承諾したことを示す書類。契約成立の証拠になる。
検収
納品されたものが注文どおりかを確かめ、合格と認めること。支払の起点になることが多い。
課税文書
印紙税法 別表第一に掲げられた文書。作成した人に印紙税の納税義務がある(同法 第3条)。
NDA(秘密保持契約)
知り得た情報を目的外に使わず第三者に開示しないと約束する契約。打ち合わせの前に結ぶのが基本。
中小受託取引適正化法
下請代金支払遅延等防止法の改正により2026年1月1日に施行された法律の略称。通称は取適法。

例題

例題:発注書は送ったが請書をもらっていない。何が困るか。
答えと考え方 契約は承諾があれば成立するが(民法 第522条)、承諾した証拠が残らない。数量や納期でもめたときに合意内容を示せないので、請書やメールでの明示的な承諾を必ず残す。
例題:48,000円の領収書に収入印紙は必要か。
答えと考え方 受取書は記載された受取金額が5万円未満なら非課税なので不要(印紙税法 別表第一 第17号文書)。境目に近い金額のときは、税抜か税込かの表示にも注意する。
例題:打ち合わせの前にNDAを結ぶのはなぜか。
答えと考え方 話した後では守秘の約束が間に合わない。あわせて社内で秘密として管理していないと、不正競争防止法の営業秘密(同法 第2条第6項)としても守られにくい。

出典・根拠:民法 第522条、印紙税法 第3条、不正競争防止法 第2条第6項

3. 労務の初歩(労働時間・年次有給休暇・割増賃金と給与明細)

働く時間と休みのルール、残業代の割増率、社会保険と労働保険の違い、給与明細の読み方までを、条文の裏づけとともに確認します。

労働時間の原則は、休憩時間を除いて1日8時間、1週40時間です(労働基準法 第32条)。これを超えて働かせるには、労働者の過半数で組織する労働組合または過半数を代表する者との書面による協定、いわゆる36協定を結んで行政官庁に届け出る必要があります(同法 第36条第1項)。延長できる時間の限度は原則として1か月45時間、1年360時間です(同条第4項)。休憩は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上を、労働時間の途中に与えます(同法 第34条)。休日は毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上です(同法 第35条)。

年次有給休暇は、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10労働日が与えられます(労働基準法 第39条第1項)。その後は勤続年数に応じて加算されます。原則は労働者が請求する時季に与えるもので、会社は事業の正常な運営を妨げる場合に他の時季に変更できるにとどまります(同条第5項)。取得の理由を説明する義務は条文にありません。あわせて、年10日以上付与される労働者については、基準日から1年以内に5日について会社が時季を定めて取得させなければなりません(同条第7項)。

割増賃金の最低の率は法令で決まっています。時間外労働は2割5分以上、法定休日の労働は3割5分以上です(労働基準法 第37条第1項、平成6年政令第5号)。1か月について60時間を超える時間外労働の部分は5割以上になります(同項ただし書)。深夜、原則として午後10時から午前5時までの労働には2割5分以上の割増が必要で(同条第4項)、時間外が深夜にかかればそれぞれを足し合わせます。なお家族手当や通勤手当は割増賃金の基礎となる賃金に算入しません(同条第5項)。

保険は2つの系統に分けて覚えると混乱しません。健康保険と厚生年金保険はいわゆる社会保険で、保険料は労働者と事業主が半分ずつ負担します(健康保険法 第161条、厚生年金保険法 第82条)。労災保険と雇用保険はまとめて労働保険と呼ばれ、労災保険の保険料に労働者の負担分はなく、雇用保険は労働者も一部を負担します(労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第31条)。給与明細は勤怠・支給・控除の3つの区画でできていて、総支給額から控除の合計を引いた差引支給額が手取りです。賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うのが原則です(労働基準法 第24条)。

割増賃金の最低の率
どんな労働か割増率の最低限根拠
法定労働時間を超える時間外労働2割5分以上労働基準法 第37条第1項、平成6年政令第5号
1か月60時間を超える時間外労働5割以上労働基準法 第37条第1項ただし書
法定休日の労働3割5分以上労働基準法 第37条第1項、平成6年政令第5号
深夜労働(午後10時から午前5時)2割5分以上労働基準法 第37条第4項
残業代の計算(1時間あたりの賃金が 2,000円の場合)時間外の割増率: 1 + 0.25 = 1.251時間あたり: 2,000 × 1.25 = 2,500円時間外2時間分: 2,500 × 2 = 5,000円その2時間が深夜にもかかる場合: 1 + 0.25 + 0.25 = 1.51時間あたり: 2,000 × 1.5 = 3,000円

用語

法定労働時間
休憩時間を除き1日8時間、1週40時間という労働時間の原則(労働基準法 第32条)。
36協定
時間外労働や休日労働をさせるために結び届け出る労使協定(労働基準法 第36条第1項)。限度は原則1か月45時間・1年360時間。
年次有給休暇
6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に10労働日が与えられる有給の休暇(労働基準法 第39条第1項)。
割増賃金
時間外は2割5分以上、法定休日は3割5分以上、深夜は2割5分以上という上乗せの賃金(労働基準法 第37条)。
総支給額と手取り
基本給や手当を合計したものが総支給額、そこから控除の合計を引いた差引支給額が手取り。
労働保険
労災保険と雇用保険の総称。労災保険の保険料に労働者の負担分はない(労働保険徴収法 第31条)。

例題

例題:8時間ちょうど働く日の休憩は最低何分必要か。
答えと考え方 労働基準法 第34条は、6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上と定めている。8時間ちょうどは8時間を超えていないので45分以上でよい。ただし少しでも残業すると1時間以上が必要になるため、初めから1時間としている会社が多い。
例題:入社して6か月。年次有給休暇は何日もらえるか。
答えと考え方 全労働日の8割以上出勤していれば10労働日(労働基準法 第39条第1項)。8割に満たない場合は付与されない。年5日は会社が時季を定めて取得させる義務の日数(同条第7項)で、付与日数とは別の話。
例題:総支給額 300,000円、控除合計 45,000円のときの手取りはいくらか。
答えと考え方 300,000 − 45,000 で 255,000円。控除には健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税などが並ぶ。個別の金額は会社の担当部署に確認する。

出典・根拠:労働基準法 第32条・第34条・第35条・第37条・第39条

4. コンプライアンス(ハラスメント・個人情報・情報管理)

会社と自分の両方を守るために、ハラスメントの型、個人情報の扱い、SNSと情報漏えい、インサイダー取引、著作権の最低線を押さえます。

職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動であること、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること、労働者の就業環境が害されること、という3つで整理されます。事業主には相談体制の整備など雇用管理上必要な措置を講ずる義務があります(労働施策総合推進法 第30条の2第1項)。厚生労働大臣の指針は代表的な6類型として、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害を挙げています。加害の意図は要素に入っていないので悪気がなくても該当しうる一方、業務上必要かつ相当な範囲の指導まで否定するものではない、という両面を押さえてください。

セクシュアルハラスメントは、性的な言動への労働者の対応によって労働条件について不利益を受ける型と、性的な言動により就業環境が害される型に整理され、事業主に措置義務があります(男女雇用機会均等法 第11条第1項)。妊娠、出産等に関する言動によるものは同法 第11条の3、育児休業や介護休業などの制度利用に関する言動によるものは育児介護休業法 第25条が、それぞれ措置義務を定めています。いずれも、相談を行ったことや相談への対応に協力して事実を述べたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いをすることは禁じられています。

個人情報を取り扱うときは、まず利用の目的をできる限り特定します(個人情報保護法 第17条第1項)。あらかじめ本人の同意を得ないで、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱ってはなりません(同 第18条第1項)。取得したときは、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知するか公表します(同 第21条第1項)。第三者への提供は、法令に基づく場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得るのが原則です(同 第27条第1項)。人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴などは要配慮個人情報として、より慎重な扱いが求められます(同 第2条第3項)。

情報漏えいは、持ち出さない・見せない・つながない、が基本です。顧客リストや入館証を私物と一緒に持ち歩かない、公共の場で画面を開かない、私物の記録媒体を業務データにつながない。SNSは、社内だけのつもりの話でも公開の場に出た瞬間に取り返せません。上場会社等の業務等に関する重要事実を職務に関して知った会社関係者は、その重要事実が公表された後でなければ、その会社の株式などの売買をしてはなりません(金融商品取引法 第166条第1項)。他人の著作物は、公表された著作物を公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内で引用する場合などを除いて無断では使えません(著作権法 第32条第1項)。著作権は原則として著作者の死後70年まで存続します(同 第51条第2項)。個別の判断に迷ったら、必ず社内の管理部門や専門家に相談してください。

ハラスメントの種類と根拠となる法律
種類何をめぐる決まりか根拠
パワーハラスメント優越的な関係を背景とした過度な言動労働施策総合推進法 第30条の2
セクシュアルハラスメント性的な言動による不利益と環境の悪化男女雇用機会均等法 第11条
妊娠、出産等に関するハラスメント妊娠や出産に関する言動男女雇用機会均等法 第11条の3
育児休業等に関するハラスメント育児や介護の制度利用に関する言動育児介護休業法 第25条
個人情報を扱う前の確認手順1. 何のために使うのかを言葉にして特定する2. その目的を本人に通知したか公表しているか確かめる3. 目的の範囲を超える使い方をしていないか点検する4. 社外に渡すなら、あらかじめ本人の同意があるか確かめる5. 病歴などの要配慮個人情報が混ざっていないか見る6. 不要になったデータは決められた方法で確実に消す

用語

パワーハラスメントの3要素
優越的な関係を背景とした言動、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、就業環境が害されること(労働施策総合推進法 第30条の2)。
6類型
厚生労働大臣の指針が示す代表的な型。身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害。
対価型と環境型
性的な言動への対応で労働条件上の不利益を受けるのが対価型、性的な言動で就業環境が害されるのが環境型(男女雇用機会均等法 第11条)。
要配慮個人情報
人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴など、特に配慮を要する記述等を含む個人情報(個人情報保護法 第2条第3項)。
重要事実
上場会社等の業務等に関する重要な事実。職務に関して知った会社関係者は公表前の売買を禁じられる(金融商品取引法 第166条)。
引用
公表された著作物を、公正な慣行に合致し目的上正当な範囲内で利用すること(著作権法 第32条第1項)。出所を示し、自分の記述を主にする。

例題

例題:採用面接で受け取った応募書類を、本人に伝えていない新規事業の営業リストに使ってよいか。
答えと考え方 使えない。採用のために取得した個人情報を、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱うには、あらかじめ本人の同意が必要(個人情報保護法 第17条・第18条)。
例題:未公表の大型契約の話を社内で聞いた。相手方の上場企業の株を今買ってよいか。
答えと考え方 職務に関して重要事実を知った会社関係者は、公表されるまでその会社の株式などを売買してはならない(金融商品取引法 第166条第1項)。家族名義や他人に伝えて買わせる行為も問題になる。必ず社内の管理部門に相談する。
例題:他社のウェブ記事を自社の提案資料にそのまま貼り付けてよいか。
答えと考え方 引用として認められるには、公表された著作物であること、公正な慣行に合致すること、目的上正当な範囲内であることが必要(著作権法 第32条第1項)。出所を示し、自分の記述が主で引用が従になる形にする。丸ごとの転載は引用の範囲を超える。

出典・根拠:労働施策総合推進法 第30条の2、個人情報保護法 第17条、著作権法 第32条

確認問題(40問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|粗利の計算

売上高が1,000万円、売上原価が600万円の会社の売上総利益(粗利)はいくらか。

  1. 400万円
  2. 600万円
  3. 1,000万円
  4. 1,600万円
正解と解説
正解:A. 400万円

売上総利益は売上高から売上原価を引いた額(会社計算規則 第89条)。1,000万円 − 600万円 で 400万円になる。600万円は引く側の売上原価そのもの、1,600万円は引かずに足してしまった誤り、1,000万円は売上原価を引き忘れた誤り。

根拠:会社計算規則 第89条

問2|営業利益

売上総利益が400万円、販売費及び一般管理費が250万円のときの営業利益はいくらか。

  1. 250万円
  2. 150万円
  3. 400万円
  4. 650万円
正解と解説
正解:B. 150万円

営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた額(会社計算規則 第90条)。400万円 − 250万円 で 150万円。250万円は引く側の金額、650万円は足してしまった誤り、400万円は引き忘れた誤り。

根拠:会社計算規則 第90条

問3|経常利益

営業利益が150万円、営業外収益が20万円、営業外費用が50万円の会社の経常利益はいくらか。

  1. 100万円
  2. 180万円
  3. 120万円
  4. 220万円
正解と解説
正解:C. 120万円

経常利益は営業利益に営業外収益を足し、営業外費用を引いた額(会社計算規則 第91条)。150 + 20 − 50 で 120万円。180万円は営業外収益と営業外費用の符号を取り違えた額(150 − 20 + 50)、220万円は収益も費用も足した額、100万円は営業外収益を計算に入れ忘れた額。

根拠:会社計算規則 第91条

問4|貸借対照表

貸借対照表の区分として会社計算規則が定めている組合せはどれか。

  1. 売上高・売上原価・販売費及び一般管理費
  2. 収益・費用・当期純利益
  3. 資産・費用・純資産
  4. 資産・負債・純資産
正解と解説
正解:D. 資産・負債・純資産

貸借対照表は資産・負債・純資産の3つの部に区分して表示する(会社計算規則 第73条)。売上高・売上原価・販売費及び一般管理費は損益計算書の区分(同 第88条)で、混同しやすい。費用や収益は損益計算書側の言葉なので、貸借対照表の部には入らない。

根拠:会社計算規則 第73条

問5|二つの決算書

損益計算書と貸借対照表の説明として適切なものはどれか。

  1. 損益計算書は一定期間の経営成績を、貸借対照表はある時点の財政状態を表す
  2. 損益計算書はある時点の財政状態を表し、貸借対照表は一定期間の経営成績を表す
  3. どちらも一定期間における現金の入りと出の増減の内訳だけを表すもので、残高は示さない
  4. どちらもある時点の株価と時価総額を表す
正解と解説
正解:A. 損益計算書は一定期間の経営成績を、貸借対照表はある時点の財政状態を表す

損益計算書は1年などの期間にいくら稼いでいくら使ったかという流れ、貸借対照表は決算日という一時点で何を持ち誰にいくら返す義務があるかという残高を示す。2番目は両者を入れ替えた誤り。現金の増減を追うのはキャッシュ・フロー計算書の役割で、株価は決算書には載らない。

根拠:会社計算規則 第73条・第88条

問6|固定費の例

費用を固定費と変動費に分けるとき、一般に固定費に当たるものはどれか。

  1. 商品の仕入原価
  2. 事務所の家賃
  3. 売上に応じて支払う販売手数料
  4. 製品に使う原材料費
正解と解説
正解:B. 事務所の家賃

固定費は売上が増えても減ってもほぼ一定額かかる費用で、家賃はその代表。仕入原価・原材料費・売上連動の販売手数料はいずれも売上にあわせて増減するので変動費に当たる。どちらに区分するかは業種や契約の形で変わることがあるので、自社の実態で判断する。

根拠:企業会計審議会「原価計算基準」(昭和37年11月8日 中間報告)第一章 八(四) 操業度との関連における分類

問7|損益分岐点

売価900円、1個あたりの変動費400円、固定費が月300万円の商品がある。月の損益分岐点となる販売数量はどれか。

  1. 3,333個
  2. 約2,308個
  3. 6,000個
  4. 7,500個
正解と解説
正解:C. 6,000個

1個売るごとに残る限界利益は 900 − 400 で 500円。固定費 3,000,000円 ÷ 500円 で 6,000個。3,333個は固定費を売価で割った誤り、7,500個は変動費で割った誤り、約2,308個は限界利益を差ではなく和の1,300円として割った誤り。

根拠:企業会計審議会「原価計算基準」(昭和37年11月8日 中間報告)第一章 八(四) 操業度との関連における分類/※ 損益分岐点の式そのものに公的な定めはありません

問8|減価償却の額

取得価額120万円の機械を耐用年数5年、定額法(残存価額は考えない)で償却する場合の1年あたりの減価償却費はどれか。

  1. 120万円
  2. 60万円
  3. 12万円
  4. 24万円
正解と解説
正解:D. 24万円

定額法では取得価額を耐用年数で均等に割る。1,200,000 ÷ 5 で 240,000円。120万円は買った年に全額を費用にしてしまう誤り、60万円は耐用年数を2年としたときの額、12万円は10年で割った額。減価償却は長く使う資産の費用を使用する年数に配分する考え方(法人税法 第31条)。

根拠:法人税法 第31条

問9|納める消費税

ある課税事業者が、売上とともに受け取った消費税が50万円、仕入や経費で支払った消費税が30万円だった。納付額の考え方として適切なものはどれか。

  1. 受け取った50万円から支払った30万円を差し引いた20万円を納める
  2. 受け取った50万円をそのまま納める
  3. 支払った30万円をそのまま納める
  4. 受け取った50万円と支払った30万円を合計した80万円を納める
正解と解説
正解:A. 受け取った50万円から支払った30万円を差し引いた20万円を納める

消費税は、売上で受け取った税額から仕入や経費で支払った税額を差し引いて納める(消費税法 第30条)。50万円 − 30万円 で 20万円。受け取った額をそのまま納めると支払った分を二重に負担することになる。実際の計算には適格請求書の保存などの要件があるので、詳細は税務署や税理士に確認する。

根拠:消費税法 第30条

問10|消費税の税率

消費税の標準税率と軽減税率の組合せとして適切なものはどれか。

  1. 標準8パーセント、軽減6.24パーセント
  2. 標準10パーセント、軽減8パーセント
  3. 標準10パーセント、軽減5.5パーセント
  4. 標準12パーセント、軽減10パーセント
正解と解説
正解:B. 標準10パーセント、軽減8パーセント

標準税率は合計10パーセント、軽減税率は合計8パーセントで、それぞれ消費税7.8パーセントと地方消費税2.2パーセント、消費税6.24パーセントと地方消費税1.76パーセントの内訳になる(消費税法 第29条、地方税法 第72条の83)。軽減税率の対象は酒類と外食を除く飲食料品、および週2回以上発行される定期購読の新聞。

根拠:消費税法 第29条、地方税法 第72条の83

問11|書類の順序

一般的な取引書類の流れとして適切な順序はどれか。

  1. 発注書 → 見積書 → 請書 → 納品書 → 請求書
  2. 見積書 → 納品書 → 発注書 → 請書 → 請求書
  3. 見積書 → 発注書 → 請書 → 納品書 → 請求書
  4. 請求書 → 見積書 → 発注書 → 納品書 → 請書
正解と解説
正解:C. 見積書 → 発注書 → 請書 → 納品書 → 請求書

金額と条件を示す見積書が先で、それを受けて買う側が発注書という申込みを出し、売る側が請書という承諾を返す。物や成果物を渡すときに納品書、検収を経て請求書という順になる。発注書が見積書より先に来ると金額の合意がないまま注文したことになり、請求書が先頭に来ることもない。

根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です

問12|契約の成立

契約の成立について、民法の定めとして適切なものはどれか。

  1. 契約書を作成して双方が押印しなければ、どのような契約も成立しない
  2. 申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立する
  3. 代金を支払ったときに初めて成立する
  4. 当事者の押印がなければ、どのような場合でも契約は成立しない
正解と解説
正解:B. 申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立する

契約は、内容を示して締結を申し入れる意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて書面その他の方式は要らない(民法 第522条)。書面や押印は成立の要件ではなく、後から合意内容を証明するための手段。代金の支払は契約に基づく履行であって成立の条件ではない。

根拠:民法 第522条

問13|検収とは

検収の説明として適切なものはどれか。

  1. 納品されたものが注文どおりかを確かめ、合格と認めること
  2. 取引の相手方に対して、あらかじめ見積の金額と条件を提示すること
  3. 支払期日に合わせて、代金の支払の手続を取引銀行に依頼すること
  4. 契約書に収入印紙を貼ること
正解と解説
正解:A. 納品されたものが注文どおりかを確かめ、合格と認めること

検収は、受け取った側が数量・仕様・品質を確かめて受入れを認める区切りで、支払の起点になることが多い。不適合があればこの段階で伝え、修補や代替物の引渡しなどの追完を求める(民法 第562条)。見積の提示・支払の依頼・印紙の貼付はいずれも別の手続。

根拠:民法 第562条(不適合時の追完請求)/※ そのほかは公的な定めのない商慣行です

問14|領収書と印紙

印紙税法上、金銭または有価証券の受取書(領収書)が非課税とされる記載金額の範囲はどれか。

  1. 1万円未満
  2. 3万円未満
  3. 10万円未満
  4. 5万円未満
正解と解説
正解:D. 5万円未満

受取書は記載された受取金額が5万円未満なら非課税とされている(印紙税法 別表第一 第17号文書)。5万円以上100万円以下は200円というように、金額が上がると税額も上がる。課税文書を作成した人に納税義務がある(同法 第3条)。

根拠:印紙税法 別表第一 第17号文書

問15|印紙の消印

課税文書に収入印紙を貼ったときの扱いとして適切なものはどれか。

  1. 文書に貼り付けるだけでよく、印紙を消す必要はまったくない
  2. 印紙の上に鉛筆で日付と担当者の名前を書いておけばよい
  3. 文書と印紙の彩紋にかけて判明に消さなければならない
  4. 印紙は文書の裏面にだけ貼ることとされ、表面に貼ってはならない
正解と解説
正解:C. 文書と印紙の彩紋にかけて判明に消さなければならない

印紙は貼ったうえで、当該文書と印紙の彩紋にかけて判明に消さなければならない(印紙税法 第8条第2項)。消印がなければ納付したことにならない。容易に消せる方法では消したことにならないとされ、貼る位置を裏面に限るような定めは条文にない。

根拠:印紙税法 第8条第2項

問16|営業秘密の要件

不正競争防止法にいう営業秘密の要件として、条文が挙げていないものはどれか。

  1. 秘密として管理されていること
  2. 特許庁に登録されていること
  3. 事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること
  4. 公然と知られていないものであること
正解と解説
正解:B. 特許庁に登録されていること

営業秘密は、秘密として管理されている、事業活動に有用な技術上または営業上の情報である、公然と知られていない、の3つを満たすもの(不正競争防止法 第2条第6項)。登録は要件ではなく、登録して内容が公開される特許とはむしろ逆に、秘密のまま守る仕組み。社内で秘密として管理していないと保護されにくい。

根拠:不正競争防止法 第2条第6項

問17|NDAの目的

NDA(秘密保持契約)を結ぶ目的として適切なものはどれか。

  1. 取引の金額と支払の条件について、契約を結ぶより先に確定させておくこと
  2. 納品した物の所有権を、いつどの時点で相手方に移転するかを定めること
  3. 従業員の労働時間を管理すること
  4. 知り得た情報を目的外に使わず第三者に開示しないと約束すること
正解と解説
正解:D. 知り得た情報を目的外に使わず第三者に開示しないと約束すること

NDAは、打ち合わせや共同作業で知った情報の扱いを事前に取り決める契約で、目的外利用の禁止と第三者への開示の禁止が中心になる。金額の確定は見積書や契約書、所有権の移転は売買や請負の条項、労働時間の管理は労務の話で、いずれもNDAの役割ではない。

根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です

問18|下請法の現行名

いわゆる下請法は2026年1月1日施行の改正で名称が変わった。現在の略称として適切なものはどれか。

  1. 中小受託取引適正化法
  2. 中小企業基本法
  3. 下請中小企業振興法
  4. 独占禁止法
正解と解説
正解:A. 中小受託取引適正化法

下請代金支払遅延等防止法は改正により名称が変わり、略称は中小受託取引適正化法、通称は取適法とされている。中小企業基本法と下請中小企業振興法は目的の異なる別の法律、独占禁止法は取引全般の競争ルールを定める法律で、いずれも改称後の名称ではない。

根拠:中小受託取引適正化法(2026年1月1日施行)

問19|改正の内容

2026年1月1日に施行された下請法の改正について、公正取引委員会が示している内容はどれか。

  1. 支払手段は手形払いのみに限定された
  2. 対象の判定は資本金の基準だけに絞り込まれた
  3. 製造等の目的物の運送の委託は対象から外された
  4. 代金の支払手段として手形払いが禁止された
正解と解説
正解:D. 代金の支払手段として手形払いが禁止された

改正では手形払いが禁止され、支払期日までに満額を得ることが難しい支払手段も禁止された。対象の判定は従来の資本金基準に従業員数の基準が加わって広がり、製造等の目的物の引渡しに必要な運送の委託も新たに対象へ加わっている。

根拠:中小受託取引適正化法(2026年1月1日施行)

問20|請書とは

注文請書(請書)の説明として適切なものはどれか。

  1. 買う側が金額の見積を求めるために出す書類
  2. 納品した物の数量を知らせる書類
  3. 注文を受ける側が、その注文を引き受けると示す書類
  4. 代金の支払を求める書類
正解と解説
正解:C. 注文を受ける側が、その注文を引き受けると示す書類

請書は、発注書という申込みに対する承諾の意思表示を書面にしたもので、これがそろうと合意内容を後から示しやすくなる。見積を求めるのは見積依頼、数量を知らせるのは納品書、支払を求めるのは請求書で、それぞれ役割が違う。

根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です

問21|法定労働時間

労働基準法が定める法定労働時間の原則として適切なものはどれか。

  1. 1日8時間、1週40時間
  2. 1日8時間、1週48時間
  3. 1日7時間、1週35時間
  4. 1日10時間、1週50時間
正解と解説
正解:A. 1日8時間、1週40時間

休憩時間を除き、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはならない(労働基準法 第32条)。これを超えて働かせるには36協定を結んで届け出る必要がある(同法 第36条第1項)。1週48時間は現行法の数字ではない。

根拠:労働基準法 第32条

問22|休憩の長さ

労働時間が7時間の日に、労働基準法上、最低限与えなければならない休憩時間はどれか。

  1. 30分以上
  2. 45分以上
  3. 1時間以上
  4. 休憩を与える義務はない
正解と解説
正解:B. 45分以上

労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中に与える(労働基準法 第34条)。7時間は6時間を超え8時間を超えないので45分以上。1時間以上が必要になるのは8時間を超える場合で、8時間ちょうどでは45分以上でよい。

根拠:労働基準法 第34条

問23|休日の原則

労働基準法が定める休日の原則として適切なものはどれか。

  1. 毎週2回以上の休日を与えなければならない
  2. 1か月に4日以上の休日を与えなければならない
  3. 毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない
  4. 年間120日以上の休日を与えなければならない
正解と解説
正解:C. 毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない

使用者は労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならず、4週間を通じて4日以上の休日を与える場合はこの規定を適用しないとされている(労働基準法 第35条)。週休2日制や年間120日は多くの会社が採る運用だが、法律が一律に義務づけている数ではない。

根拠:労働基準法 第35条

問24|年休の付与日数

雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に与えなければならない年次有給休暇の日数はどれか。

  1. 5労働日
  2. 7労働日
  3. 8労働日
  4. 10労働日
正解と解説
正解:D. 10労働日

6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者には、継続または分割した10労働日の有給休暇を与える(労働基準法 第39条第1項)。以後は勤続年数に応じて加算される。5日は年10日以上付与される人について会社が時季を定めて取得させる義務の日数(同条第7項)で、付与日数とは別の話。

根拠:労働基準法 第39条第1項

問25|時季指定義務

年次有給休暇の時季について、法令の定めとして適切なものはどれか。

  1. 年10日以上付与される労働者には、会社が時季を定めて年5日取得させなければならない
  2. 労働者が本人から請求しない限り、会社の側から時季を定めて取得させる必要はいっさいない
  3. 会社は労働者の意向にかかわらず、すべての年次有給休暇について時季を決めることができる
  4. 取得の理由を会社に説明しなければ取得できない
正解と解説
正解:A. 年10日以上付与される労働者には、会社が時季を定めて年5日取得させなければならない

年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、基準日から1年以内に5日について、会社が労働者ごとに時季を定めて与えなければならない(労働基準法 第39条第7項)。すべての日数を会社が決められるわけではなく、原則は労働者が請求する時季に与える(同条第5項)。取得理由の説明を求める定めは条文にない。

根拠:労働基準法 第39条第7項

問26|時間外の割増率

法定労働時間を超える時間外労働の割増賃金について、法令が定める最低の率はどれか。

  1. 1割以上
  2. 2割5分以上
  3. 3割5分以上
  4. 5割以上
正解と解説
正解:B. 2割5分以上

時間外労働の割増率は2割5分以上(労働基準法 第37条第1項、平成6年政令第5号)。3割5分以上は法定休日の労働、5割以上は1か月について60時間を超える時間外労働の部分(同項ただし書)で、それぞれ場面が違う。

根拠:労働基準法 第37条第1項

問27|残業代の計算

1時間あたりの賃金が2,000円の人が、法定労働時間を超えて2時間働いた(深夜には及ばない)。割増を含めて支払われる金額はどれか。

  1. 4,000円
  2. 4,500円
  3. 5,000円
  4. 6,000円
正解と解説
正解:C. 5,000円

時間外は2割5分以上の割増なので、1時間あたり 2,000 × 1.25 で 2,500円、2時間分で 5,000円。4,000円は割増を付け忘れた額、6,000円は5割増で計算した額、4,500円は1時間分だけ割増を付けて残り1時間を割増なしとした誤り。

根拠:労働基準法 第37条第1項

問28|深夜の時間帯

労働基準法上、深夜労働として割増賃金の対象になる時間帯の原則はどれか。

  1. 午後8時から午前4時まで
  2. 午後9時から午前6時まで
  3. 午前0時から午前5時まで
  4. 午後10時から午前5時まで
正解と解説
正解:D. 午後10時から午前5時まで

原則として午後10時から午前5時までの間の労働について、2割5分以上の割増賃金が必要(労働基準法 第37条第4項)。厚生労働大臣が必要と認める地域や期間について午後11時から午前6時までとする例外がある。時間外労働が深夜に及ぶ場合は割増を足し合わせる。

根拠:労働基準法 第37条第4項

問29|保険料の負担

保険料の負担について適切なものはどれか。

  1. 健康保険と厚生年金保険の保険料は、労働者と事業主がそれぞれ半額を負担する
  2. 健康保険と厚生年金保険の保険料は、被保険者である労働者の側がその全額を負担する
  3. 労災保険の保険料についても、労働者と事業主がそれぞれ半額ずつを分けて負担する
  4. 雇用保険の保険料については、事業主の負担はいっさいなく、全額を労働者が負担する
正解と解説
正解:A. 健康保険と厚生年金保険の保険料は、労働者と事業主がそれぞれ半額を負担する

健康保険と厚生年金保険の保険料は、被保険者と事業主がそれぞれ半額を負担する(健康保険法 第161条、厚生年金保険法 第82条)。労働保険の側では、被保険者が負担するのは雇用保険率に応ずる部分に限られており、労災保険の部分に労働者の負担はない(労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第31条)。

根拠:健康保険法 第161条、厚生年金保険法 第82条

問30|手取りの計算

総支給額が300,000円、控除合計が45,000円の給与明細における差引支給額(手取り)はどれか。

  1. 300,000円
  2. 255,000円
  3. 345,000円
  4. 45,000円
正解と解説
正解:B. 255,000円

差引支給額は総支給額から控除合計を引いた額なので 300,000 − 45,000 で 255,000円。345,000円は控除を足してしまった誤り、300,000円は控除を引き忘れた誤り。賃金は通貨で直接その全額を毎月1回以上一定の期日に支払うのが原則で、控除は法令や労使協定に根拠がある場合に限られる(労働基準法 第24条)。

根拠:労働基準法 第24条(賃金の支払の原則)/※ そのほかは公的な定めのない商慣行です

問31|パワハラの要素

職場におけるパワーハラスメントの要素として、法令が挙げていないものはどれか。

  1. 優越的な関係を背景とした言動であること
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
  3. 行為者に害を与える意図があったこと
  4. 労働者の就業環境が害されるものであること
正解と解説
正解:C. 行為者に害を与える意図があったこと

法令は、優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されること、という形で整理しており、行為者の意図は要素として挙げていない(労働施策総合推進法 第30条の2第1項)。悪気がなくても該当しうる一方、業務上必要かつ相当な範囲の指導まで否定するものではない。

根拠:労働施策総合推進法 第30条の2

問32|6類型

厚生労働大臣の指針が示すパワーハラスメントの代表的な6類型に含まれないものはどれか。

  1. 人間関係からの切り離し
  2. 過小な要求
  3. 個の侵害
  4. 賃金の未払
正解と解説
正解:D. 賃金の未払

6類型は、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害。賃金の未払は賃金の支払に関する問題(労働基準法 第24条)で、ハラスメントの類型としては挙げられていない。

根拠:労働施策総合推進法 第30条の2に基づく指針

問33|セクハラの整理

男女雇用機会均等法が措置義務を定める職場のセクシュアルハラスメントの説明として適切なものはどれか。

  1. 性的な言動への対応で労働条件上の不利益を受ける場合と、性的な言動で就業環境が害される場合がある
  2. 措置義務の対象となるのは女性の労働者に限られていて、男性の労働者が性的な言動を受けた場合は対象にならない
  3. 取引先など社外の人からの性的な言動はまったく対象にならず、事業主が雇用管理上の措置をとる必要もない
  4. その場で明確に拒否しなかった場合は問題にならない
正解と解説
正解:A. 性的な言動への対応で労働条件上の不利益を受ける場合と、性的な言動で就業環境が害される場合がある

同法 第11条第1項は、性的な言動に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受ける場合と、性的な言動により就業環境が害される場合の双方について、相談体制の整備など雇用管理上必要な措置を義務づけている。条文は労働者と定めており性別を限定していない。事業主は他の事業主から措置の実施に必要な協力を求められたときは応ずるよう努めるとされる(同条第3項)。

根拠:男女雇用機会均等法 第11条

問34|相談者の保護

ハラスメントの相談をした労働者の扱いとして、法令に照らし適切なものはどれか。

  1. 相談した事実を理由に配置転換や減給をしてもよい
  2. 相談したことを理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならない
  3. 相談の内容は必ず全社に公開しなければならない
  4. 相談は書面でしか受け付けてはならない
正解と解説
正解:B. 相談したことを理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならない

相談を行ったこと、または相談への対応に協力して事実を述べたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(労働施策総合推進法 第30条の2第2項、男女雇用機会均等法 第11条第2項)。相談内容はむしろ保護すべき情報で、受付の方法を書面に限るような定めもない。

根拠:労働施策総合推進法 第30条の2第2項

問35|育児と言動

育児休業や介護休業などの制度の利用に関する言動によるハラスメントについて、事業主に雇用管理上の措置を義務づけている法律はどれか。

  1. 労働施策総合推進法
  2. 男女雇用機会均等法
  3. 育児介護休業法
  4. 個人情報の保護に関する法律
正解と解説
正解:C. 育児介護休業法

育児休業、介護休業その他の子の養育または家族の介護に関する制度や措置の利用に関する言動について、育児介護休業法 第25条が相談体制の整備など雇用管理上必要な措置を義務づけている。妊娠、出産等に関する言動は男女雇用機会均等法 第11条の3が扱う。

根拠:育児介護休業法 第25条

問36|利用目的の特定

個人情報を取り扱う事業者の義務として適切なものはどれか。

  1. 利用の目的は特定しなくてよい
  2. 一度決めた利用目的はどのようにでも変更できる
  3. 取得した事実は本人に伏せておかなければならない
  4. 利用の目的をできる限り特定しなければならない
正解と解説
正解:D. 利用の目的をできる限り特定しなければならない

個人情報を取り扱うにあたっては、その利用の目的をできる限り特定しなければならない(個人情報保護法 第17条第1項)。変更は、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行えない(同条第2項)。取得したときは、あらかじめ公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知するか公表する(同 第21条第1項)。

根拠:個人情報保護法 第17条

問37|第三者提供

個人データを第三者に提供するときの原則として適切なものはどれか。

  1. あらかじめ本人の同意を得るのが原則である
  2. 社内で決裁を取れば本人の同意は不要になる
  3. 相手が取引先であれば自由に提供できる
  4. 法令に基づく場合であっても提供は一切できない
正解と解説
正解:A. あらかじめ本人の同意を得るのが原則である

個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合や、人の生命・身体・財産の保護に必要で本人の同意を得ることが困難な場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない(個人情報保護法 第27条第1項)。社内決裁や取引関係があることは本人の同意の代わりにはならない。

根拠:個人情報保護法 第27条

問38|要配慮個人情報

個人情報保護法にいう要配慮個人情報に当たるものはどれか。

  1. 勤務先の部署名
  2. 本人の病歴
  3. 会社の代表電話番号
  4. 業務で使うメールアドレス
正解と解説
正解:B. 本人の病歴

要配慮個人情報は、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実など、不当な差別や偏見が生じないよう特に配慮を要するものとして定められた記述等を含む個人情報(個人情報保護法 第2条第3項)。部署名や電話番号、メールアドレスは個人情報になりうるが、この定義に挙げられた事項ではない。

根拠:個人情報保護法 第2条第3項

問39|公表前の売買

上場している取引先の未公表の重要事実を、職務に関して知った場合の対応として適切なものはどれか。

  1. 自分は役員ではないので自由に株式を売買してよい
  2. 家族の名義であれば売買してよい
  3. 公表されるまでその会社の株式などを売買しない
  4. 同僚に伝えて代わりに売買してもらう
正解と解説
正解:C. 公表されるまでその会社の株式などを売買しない

会社関係者が上場会社等の業務等に関する重要事実を職務に関して知った場合、その重要事実が公表された後でなければ、その会社の株式などの売買をしてはならない(金融商品取引法 第166条第1項)。役職の上下は関係がなく、名義を変えたり他人に伝えて売買させたりする行為も問題になる。判断に迷ったら社内の管理部門に相談する。

根拠:金融商品取引法 第166条

問40|引用の条件

他人の著作物を引用するときの条件として、著作権法が挙げていないものはどれか。

  1. 公表された著作物であること
  2. 公正な慣行に合致すること
  3. 引用の目的上正当な範囲内であること
  4. 著作者が存命であること
正解と解説
正解:D. 著作者が存命であること

公表された著作物は引用して利用することができ、その引用は公正な慣行に合致し、報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない(著作権法 第32条第1項)。著作者の生死は引用の条件ではない。なお著作権は原則として著作者の死後70年を経過するまで存続する(同 第51条第2項)。

根拠:著作権法 第32条

演習:この章の問題を解く

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※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 敬語は文化庁「敬語の指針」(平成19年文化審議会答申)に沿っています。マナーの慣行は広く一般に通用する形を紹介するもので、業界・会社により異なる場合があります。