売上高が1,000万円、売上原価が600万円の会社の売上総利益(粗利)はいくらか。
- 400万円
- 600万円
- 1,000万円
- 1,600万円
正解と解説
売上総利益は売上高から売上原価を引いた額(会社計算規則 第89条)。1,000万円 − 600万円 で 400万円になる。600万円は引く側の売上原価そのもの、1,600万円は引かずに足してしまった誤り、1,000万円は売上原価を引き忘れた誤り。
根拠:会社計算規則 第89条
ビジネス BUSINESS BASICS
売上から利益が生まれるまでの段階と、損益計算書や貸借対照表が何を写した書類なのかを、実際の数字の読み方から押さえます。
会社の数字は、もうけを一段ずつ削りながら見ていきます。まず売上高から売上原価を引いた額が売上総利益で、現場では粗利と呼ばれます(会社計算規則 第89条)。粗利は、その商品やサービスそのものにどれだけ力があるかを示します。次に販売費及び一般管理費、つまり人件費・家賃・広告費など売るために必要な費用を引くと営業利益になり(同 第90条)、これが本業でどれだけ稼げたかを表します。さらに営業利益に営業外収益を足し、借入金の利息のような営業外費用を引くと経常利益です(同 第91条)。「粗利は出ているのに営業利益が薄い」なら、売り方や間接費のかけ方に原因がある、という読み方ができます。
決算書のうち損益計算書は、1年などの一定期間にいくら稼いでいくら使ったかという流れを示します。貸借対照表は、決算日というある一時点で何を持ち、誰にいくら返す義務があるかという残高を示します。貸借対照表は資産・負債・純資産の3つの部に区分して表示することになっており(会社計算規則 第73条)、資産の合計は負債と純資産の合計に必ず一致します。損益計算書は売上高・売上原価・販売費及び一般管理費・営業外収益・営業外費用・特別利益・特別損失に区分されます(同 第88条)。流れを見る書類と残高を見る書類、という違いを最初に頭に入れておくと迷いません。
費用は固定費と変動費に分けると見通しがよくなります。固定費は売上が増えても減ってもほぼ一定額かかる費用で、事務所の家賃や正社員の給与が代表です。変動費は売上にあわせて増減する費用で、材料費や仕入、売上連動の販売手数料が当たります。売価から1個あたりの変動費を引いた額を限界利益といい、固定費を限界利益で割ると、損も得もしない販売数量である損益分岐点が求められます。どちらに区分するかは業種や契約の形で変わるので、自社の実態に合わせて判断してください。
長く使う設備は、買った年に全額を費用にせず、使う年数に配分して費用にします。これが減価償却です(法人税法 第31条)。定額法なら、取得価額を耐用年数で割った額が毎年の償却費のイメージになります。消費税は、事業者が売上とともに受け取った税額から、仕入や経費で支払った税額を差し引いて納める仕組みです(消費税法 第30条)。標準税率は合計10パーセント、軽減税率は合計8パーセントです(同 第29条)。手元に残っている消費税分は最終的に納めるお金なので、資金繰りのうえでは自分のもうけと混ぜないように意識しておくと安全です。具体的な計算や申告は税務署や税理士に確認してください。
| 利益の段階 | 計算のしかた | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 売上総利益(粗利) | 売上高 − 売上原価 | 商品やサービスそのものの利幅 |
| 営業利益 | 売上総利益 − 販売費及び一般管理費 | 本業でのもうけ |
| 経常利益 | 営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用 | 利息など本業以外も含めた実力 |
| 税引前当期純利益 | 経常利益 + 特別利益 − 特別損失 | 臨時の損益まで含めた利益 |
| 当期純利益 | 税引前当期純利益 − 法人税等 | 最終的に会社に残る利益 |
損益分岐点の販売数量を求める(例)売価 900円、1個あたり変動費 400円、固定費 月300万円1個あたり限界利益: 900 − 400 = 500円損益分岐点数量: 3,000,000 ÷ 500 = 6,000個検算(売上): 900 × 6,000 = 5,400,000円検算(費用): 400 × 6,000 + 3,000,000 = 5,400,000円 で一致
出典・根拠:会社計算規則 第89条・第90条・第91条
取引を動かす書類の並び順と、それぞれが何を証明しているのかを押さえ、印紙・秘密保持・下請取引のルールまで一続きで理解します。
取引の書類には順番があり、それぞれが役割を持っています。見積書はこの条件・この金額でできるという提示、発注書や注文書は買う側の申込み、請書や注文請書は受ける側の承諾、納品書は渡した記録、検収は受け取った側が中身を確かめて合格と認める区切り、そして請求書と支払です。契約そのものは、内容を示した申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて書面などの方式は要りません(民法 第522条)。それでも書面を交わすのは、後から言った言わないにならないよう、合意の中身を残しておくためです。
検収は支払の起点になることが多い、実務上とても大事な区切りです。数量・仕様・品質を確かめ、問題があればこの段階で伝えます。引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しないときは、買主は修補や代替物の引渡しなどの追完を請求できます(民法 第562条)。なお請負は、当事者の一方が仕事を完成することを約し、相手方がその結果に対して報酬を支払うことを約する契約です(民法 第632条)。何をもって完成とするかを最初にすり合わせておくと、検収でもめません。
印紙税は、印紙税法の別表第一に掲げられた文書、つまり課税文書を作成した人に納税義務があります(印紙税法 第3条)。よく出会うのは領収書で、金銭または有価証券の受取書は記載された受取金額が5万円未満なら非課税とされています(同法 別表第一 第17号文書)。印紙は貼るだけでは足りず、文書と印紙の彩紋にかけて判明に消さなければなりません(同法 第8条第2項)。電子データだけでやり取りする場合の取扱いは判断が分かれる場面もあるので、税務署や税理士に確認してください。
秘密保持契約、いわゆるNDAは、打ち合わせや共同作業で知った情報を目的外に使わず第三者に開示しないと約束するものです。話す前に結んでおくのが基本になります。あわせて社内の管理も欠かせません。不正競争防止法にいう営業秘密は、秘密として管理されていること、事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること、公然と知られていないことの3つを満たすものです(同法 第2条第6項)。管理していない情報は保護されにくいということです。下請取引のルールは、下請代金支払遅延等防止法が改正されて2026年1月1日に施行され、略称は中小受託取引適正化法、通称は取適法となりました。手形払いが禁止され、従来の資本金基準に従業員数の基準が加わり、製造等の目的物の引渡しに必要な運送の委託も対象に加わるなど、範囲が広がっています。
| 段階 | 出す人 | 何を意味するか |
|---|---|---|
| 見積書 | 受注側 | この条件・この金額でできるという提示 |
| 発注書・注文書 | 発注側 | 買いたいという申込みの意思表示 |
| 請書・注文請書 | 受注側 | 申込みを受けるという承諾の意思表示 |
| 納品書 | 受注側 | 約束した物や成果物を渡したという記録 |
| 検収書 | 発注側 | 中身を確かめて合格と認めたという記録 |
| 請求書 | 受注側 | 代金を支払ってほしいという求め |
1. 仕様と納期をすり合わせ、見積書をもらう2. 社内の決裁を通してから発注書を出す3. 請書を受け取り、契約が成立したことを書面で残す4. 納品を受けたら納品書と現物を突き合わせる5. 検収し、不適合があればこの段階で連絡する6. 検収完了を受けて請求書を受け取り、期日に支払う
出典・根拠:民法 第522条、印紙税法 第3条、不正競争防止法 第2条第6項
働く時間と休みのルール、残業代の割増率、社会保険と労働保険の違い、給与明細の読み方までを、条文の裏づけとともに確認します。
労働時間の原則は、休憩時間を除いて1日8時間、1週40時間です(労働基準法 第32条)。これを超えて働かせるには、労働者の過半数で組織する労働組合または過半数を代表する者との書面による協定、いわゆる36協定を結んで行政官庁に届け出る必要があります(同法 第36条第1項)。延長できる時間の限度は原則として1か月45時間、1年360時間です(同条第4項)。休憩は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上を、労働時間の途中に与えます(同法 第34条)。休日は毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上です(同法 第35条)。
年次有給休暇は、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10労働日が与えられます(労働基準法 第39条第1項)。その後は勤続年数に応じて加算されます。原則は労働者が請求する時季に与えるもので、会社は事業の正常な運営を妨げる場合に他の時季に変更できるにとどまります(同条第5項)。取得の理由を説明する義務は条文にありません。あわせて、年10日以上付与される労働者については、基準日から1年以内に5日について会社が時季を定めて取得させなければなりません(同条第7項)。
割増賃金の最低の率は法令で決まっています。時間外労働は2割5分以上、法定休日の労働は3割5分以上です(労働基準法 第37条第1項、平成6年政令第5号)。1か月について60時間を超える時間外労働の部分は5割以上になります(同項ただし書)。深夜、原則として午後10時から午前5時までの労働には2割5分以上の割増が必要で(同条第4項)、時間外が深夜にかかればそれぞれを足し合わせます。なお家族手当や通勤手当は割増賃金の基礎となる賃金に算入しません(同条第5項)。
保険は2つの系統に分けて覚えると混乱しません。健康保険と厚生年金保険はいわゆる社会保険で、保険料は労働者と事業主が半分ずつ負担します(健康保険法 第161条、厚生年金保険法 第82条)。労災保険と雇用保険はまとめて労働保険と呼ばれ、労災保険の保険料に労働者の負担分はなく、雇用保険は労働者も一部を負担します(労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第31条)。給与明細は勤怠・支給・控除の3つの区画でできていて、総支給額から控除の合計を引いた差引支給額が手取りです。賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うのが原則です(労働基準法 第24条)。
| どんな労働か | 割増率の最低限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 法定労働時間を超える時間外労働 | 2割5分以上 | 労働基準法 第37条第1項、平成6年政令第5号 |
| 1か月60時間を超える時間外労働 | 5割以上 | 労働基準法 第37条第1項ただし書 |
| 法定休日の労働 | 3割5分以上 | 労働基準法 第37条第1項、平成6年政令第5号 |
| 深夜労働(午後10時から午前5時) | 2割5分以上 | 労働基準法 第37条第4項 |
残業代の計算(1時間あたりの賃金が 2,000円の場合)時間外の割増率: 1 + 0.25 = 1.251時間あたり: 2,000 × 1.25 = 2,500円時間外2時間分: 2,500 × 2 = 5,000円その2時間が深夜にもかかる場合: 1 + 0.25 + 0.25 = 1.51時間あたり: 2,000 × 1.5 = 3,000円
出典・根拠:労働基準法 第32条・第34条・第35条・第37条・第39条
会社と自分の両方を守るために、ハラスメントの型、個人情報の扱い、SNSと情報漏えい、インサイダー取引、著作権の最低線を押さえます。
職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動であること、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること、労働者の就業環境が害されること、という3つで整理されます。事業主には相談体制の整備など雇用管理上必要な措置を講ずる義務があります(労働施策総合推進法 第30条の2第1項)。厚生労働大臣の指針は代表的な6類型として、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害を挙げています。加害の意図は要素に入っていないので悪気がなくても該当しうる一方、業務上必要かつ相当な範囲の指導まで否定するものではない、という両面を押さえてください。
セクシュアルハラスメントは、性的な言動への労働者の対応によって労働条件について不利益を受ける型と、性的な言動により就業環境が害される型に整理され、事業主に措置義務があります(男女雇用機会均等法 第11条第1項)。妊娠、出産等に関する言動によるものは同法 第11条の3、育児休業や介護休業などの制度利用に関する言動によるものは育児介護休業法 第25条が、それぞれ措置義務を定めています。いずれも、相談を行ったことや相談への対応に協力して事実を述べたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いをすることは禁じられています。
個人情報を取り扱うときは、まず利用の目的をできる限り特定します(個人情報保護法 第17条第1項)。あらかじめ本人の同意を得ないで、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱ってはなりません(同 第18条第1項)。取得したときは、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知するか公表します(同 第21条第1項)。第三者への提供は、法令に基づく場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得るのが原則です(同 第27条第1項)。人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴などは要配慮個人情報として、より慎重な扱いが求められます(同 第2条第3項)。
情報漏えいは、持ち出さない・見せない・つながない、が基本です。顧客リストや入館証を私物と一緒に持ち歩かない、公共の場で画面を開かない、私物の記録媒体を業務データにつながない。SNSは、社内だけのつもりの話でも公開の場に出た瞬間に取り返せません。上場会社等の業務等に関する重要事実を職務に関して知った会社関係者は、その重要事実が公表された後でなければ、その会社の株式などの売買をしてはなりません(金融商品取引法 第166条第1項)。他人の著作物は、公表された著作物を公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内で引用する場合などを除いて無断では使えません(著作権法 第32条第1項)。著作権は原則として著作者の死後70年まで存続します(同 第51条第2項)。個別の判断に迷ったら、必ず社内の管理部門や専門家に相談してください。
| 種類 | 何をめぐる決まりか | 根拠 |
|---|---|---|
| パワーハラスメント | 優越的な関係を背景とした過度な言動 | 労働施策総合推進法 第30条の2 |
| セクシュアルハラスメント | 性的な言動による不利益と環境の悪化 | 男女雇用機会均等法 第11条 |
| 妊娠、出産等に関するハラスメント | 妊娠や出産に関する言動 | 男女雇用機会均等法 第11条の3 |
| 育児休業等に関するハラスメント | 育児や介護の制度利用に関する言動 | 育児介護休業法 第25条 |
個人情報を扱う前の確認手順1. 何のために使うのかを言葉にして特定する2. その目的を本人に通知したか公表しているか確かめる3. 目的の範囲を超える使い方をしていないか点検する4. 社外に渡すなら、あらかじめ本人の同意があるか確かめる5. 病歴などの要配慮個人情報が混ざっていないか見る6. 不要になったデータは決められた方法で確実に消す
出典・根拠:労働施策総合推進法 第30条の2、個人情報保護法 第17条、著作権法 第32条
売上高が1,000万円、売上原価が600万円の会社の売上総利益(粗利)はいくらか。
売上総利益は売上高から売上原価を引いた額(会社計算規則 第89条)。1,000万円 − 600万円 で 400万円になる。600万円は引く側の売上原価そのもの、1,600万円は引かずに足してしまった誤り、1,000万円は売上原価を引き忘れた誤り。
根拠:会社計算規則 第89条
売上総利益が400万円、販売費及び一般管理費が250万円のときの営業利益はいくらか。
営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた額(会社計算規則 第90条)。400万円 − 250万円 で 150万円。250万円は引く側の金額、650万円は足してしまった誤り、400万円は引き忘れた誤り。
根拠:会社計算規則 第90条
営業利益が150万円、営業外収益が20万円、営業外費用が50万円の会社の経常利益はいくらか。
経常利益は営業利益に営業外収益を足し、営業外費用を引いた額(会社計算規則 第91条)。150 + 20 − 50 で 120万円。180万円は営業外収益と営業外費用の符号を取り違えた額(150 − 20 + 50)、220万円は収益も費用も足した額、100万円は営業外収益を計算に入れ忘れた額。
根拠:会社計算規則 第91条
貸借対照表の区分として会社計算規則が定めている組合せはどれか。
貸借対照表は資産・負債・純資産の3つの部に区分して表示する(会社計算規則 第73条)。売上高・売上原価・販売費及び一般管理費は損益計算書の区分(同 第88条)で、混同しやすい。費用や収益は損益計算書側の言葉なので、貸借対照表の部には入らない。
根拠:会社計算規則 第73条
損益計算書と貸借対照表の説明として適切なものはどれか。
損益計算書は1年などの期間にいくら稼いでいくら使ったかという流れ、貸借対照表は決算日という一時点で何を持ち誰にいくら返す義務があるかという残高を示す。2番目は両者を入れ替えた誤り。現金の増減を追うのはキャッシュ・フロー計算書の役割で、株価は決算書には載らない。
根拠:会社計算規則 第73条・第88条
費用を固定費と変動費に分けるとき、一般に固定費に当たるものはどれか。
固定費は売上が増えても減ってもほぼ一定額かかる費用で、家賃はその代表。仕入原価・原材料費・売上連動の販売手数料はいずれも売上にあわせて増減するので変動費に当たる。どちらに区分するかは業種や契約の形で変わることがあるので、自社の実態で判断する。
根拠:企業会計審議会「原価計算基準」(昭和37年11月8日 中間報告)第一章 八(四) 操業度との関連における分類
売価900円、1個あたりの変動費400円、固定費が月300万円の商品がある。月の損益分岐点となる販売数量はどれか。
1個売るごとに残る限界利益は 900 − 400 で 500円。固定費 3,000,000円 ÷ 500円 で 6,000個。3,333個は固定費を売価で割った誤り、7,500個は変動費で割った誤り、約2,308個は限界利益を差ではなく和の1,300円として割った誤り。
根拠:企業会計審議会「原価計算基準」(昭和37年11月8日 中間報告)第一章 八(四) 操業度との関連における分類/※ 損益分岐点の式そのものに公的な定めはありません
取得価額120万円の機械を耐用年数5年、定額法(残存価額は考えない)で償却する場合の1年あたりの減価償却費はどれか。
定額法では取得価額を耐用年数で均等に割る。1,200,000 ÷ 5 で 240,000円。120万円は買った年に全額を費用にしてしまう誤り、60万円は耐用年数を2年としたときの額、12万円は10年で割った額。減価償却は長く使う資産の費用を使用する年数に配分する考え方(法人税法 第31条)。
根拠:法人税法 第31条
ある課税事業者が、売上とともに受け取った消費税が50万円、仕入や経費で支払った消費税が30万円だった。納付額の考え方として適切なものはどれか。
消費税は、売上で受け取った税額から仕入や経費で支払った税額を差し引いて納める(消費税法 第30条)。50万円 − 30万円 で 20万円。受け取った額をそのまま納めると支払った分を二重に負担することになる。実際の計算には適格請求書の保存などの要件があるので、詳細は税務署や税理士に確認する。
根拠:消費税法 第30条
消費税の標準税率と軽減税率の組合せとして適切なものはどれか。
標準税率は合計10パーセント、軽減税率は合計8パーセントで、それぞれ消費税7.8パーセントと地方消費税2.2パーセント、消費税6.24パーセントと地方消費税1.76パーセントの内訳になる(消費税法 第29条、地方税法 第72条の83)。軽減税率の対象は酒類と外食を除く飲食料品、および週2回以上発行される定期購読の新聞。
根拠:消費税法 第29条、地方税法 第72条の83
一般的な取引書類の流れとして適切な順序はどれか。
金額と条件を示す見積書が先で、それを受けて買う側が発注書という申込みを出し、売る側が請書という承諾を返す。物や成果物を渡すときに納品書、検収を経て請求書という順になる。発注書が見積書より先に来ると金額の合意がないまま注文したことになり、請求書が先頭に来ることもない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
契約の成立について、民法の定めとして適切なものはどれか。
契約は、内容を示して締結を申し入れる意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて書面その他の方式は要らない(民法 第522条)。書面や押印は成立の要件ではなく、後から合意内容を証明するための手段。代金の支払は契約に基づく履行であって成立の条件ではない。
根拠:民法 第522条
検収の説明として適切なものはどれか。
検収は、受け取った側が数量・仕様・品質を確かめて受入れを認める区切りで、支払の起点になることが多い。不適合があればこの段階で伝え、修補や代替物の引渡しなどの追完を求める(民法 第562条)。見積の提示・支払の依頼・印紙の貼付はいずれも別の手続。
根拠:民法 第562条(不適合時の追完請求)/※ そのほかは公的な定めのない商慣行です
印紙税法上、金銭または有価証券の受取書(領収書)が非課税とされる記載金額の範囲はどれか。
受取書は記載された受取金額が5万円未満なら非課税とされている(印紙税法 別表第一 第17号文書)。5万円以上100万円以下は200円というように、金額が上がると税額も上がる。課税文書を作成した人に納税義務がある(同法 第3条)。
根拠:印紙税法 別表第一 第17号文書
課税文書に収入印紙を貼ったときの扱いとして適切なものはどれか。
印紙は貼ったうえで、当該文書と印紙の彩紋にかけて判明に消さなければならない(印紙税法 第8条第2項)。消印がなければ納付したことにならない。容易に消せる方法では消したことにならないとされ、貼る位置を裏面に限るような定めは条文にない。
根拠:印紙税法 第8条第2項
不正競争防止法にいう営業秘密の要件として、条文が挙げていないものはどれか。
営業秘密は、秘密として管理されている、事業活動に有用な技術上または営業上の情報である、公然と知られていない、の3つを満たすもの(不正競争防止法 第2条第6項)。登録は要件ではなく、登録して内容が公開される特許とはむしろ逆に、秘密のまま守る仕組み。社内で秘密として管理していないと保護されにくい。
根拠:不正競争防止法 第2条第6項
NDA(秘密保持契約)を結ぶ目的として適切なものはどれか。
NDAは、打ち合わせや共同作業で知った情報の扱いを事前に取り決める契約で、目的外利用の禁止と第三者への開示の禁止が中心になる。金額の確定は見積書や契約書、所有権の移転は売買や請負の条項、労働時間の管理は労務の話で、いずれもNDAの役割ではない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
いわゆる下請法は2026年1月1日施行の改正で名称が変わった。現在の略称として適切なものはどれか。
下請代金支払遅延等防止法は改正により名称が変わり、略称は中小受託取引適正化法、通称は取適法とされている。中小企業基本法と下請中小企業振興法は目的の異なる別の法律、独占禁止法は取引全般の競争ルールを定める法律で、いずれも改称後の名称ではない。
根拠:中小受託取引適正化法(2026年1月1日施行)
2026年1月1日に施行された下請法の改正について、公正取引委員会が示している内容はどれか。
改正では手形払いが禁止され、支払期日までに満額を得ることが難しい支払手段も禁止された。対象の判定は従来の資本金基準に従業員数の基準が加わって広がり、製造等の目的物の引渡しに必要な運送の委託も新たに対象へ加わっている。
根拠:中小受託取引適正化法(2026年1月1日施行)
注文請書(請書)の説明として適切なものはどれか。
請書は、発注書という申込みに対する承諾の意思表示を書面にしたもので、これがそろうと合意内容を後から示しやすくなる。見積を求めるのは見積依頼、数量を知らせるのは納品書、支払を求めるのは請求書で、それぞれ役割が違う。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
労働基準法が定める法定労働時間の原則として適切なものはどれか。
休憩時間を除き、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはならない(労働基準法 第32条)。これを超えて働かせるには36協定を結んで届け出る必要がある(同法 第36条第1項)。1週48時間は現行法の数字ではない。
根拠:労働基準法 第32条
労働時間が7時間の日に、労働基準法上、最低限与えなければならない休憩時間はどれか。
労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中に与える(労働基準法 第34条)。7時間は6時間を超え8時間を超えないので45分以上。1時間以上が必要になるのは8時間を超える場合で、8時間ちょうどでは45分以上でよい。
根拠:労働基準法 第34条
労働基準法が定める休日の原則として適切なものはどれか。
使用者は労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならず、4週間を通じて4日以上の休日を与える場合はこの規定を適用しないとされている(労働基準法 第35条)。週休2日制や年間120日は多くの会社が採る運用だが、法律が一律に義務づけている数ではない。
根拠:労働基準法 第35条
雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に与えなければならない年次有給休暇の日数はどれか。
6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者には、継続または分割した10労働日の有給休暇を与える(労働基準法 第39条第1項)。以後は勤続年数に応じて加算される。5日は年10日以上付与される人について会社が時季を定めて取得させる義務の日数(同条第7項)で、付与日数とは別の話。
根拠:労働基準法 第39条第1項
年次有給休暇の時季について、法令の定めとして適切なものはどれか。
年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、基準日から1年以内に5日について、会社が労働者ごとに時季を定めて与えなければならない(労働基準法 第39条第7項)。すべての日数を会社が決められるわけではなく、原則は労働者が請求する時季に与える(同条第5項)。取得理由の説明を求める定めは条文にない。
根拠:労働基準法 第39条第7項
法定労働時間を超える時間外労働の割増賃金について、法令が定める最低の率はどれか。
時間外労働の割増率は2割5分以上(労働基準法 第37条第1項、平成6年政令第5号)。3割5分以上は法定休日の労働、5割以上は1か月について60時間を超える時間外労働の部分(同項ただし書)で、それぞれ場面が違う。
根拠:労働基準法 第37条第1項
1時間あたりの賃金が2,000円の人が、法定労働時間を超えて2時間働いた(深夜には及ばない)。割増を含めて支払われる金額はどれか。
時間外は2割5分以上の割増なので、1時間あたり 2,000 × 1.25 で 2,500円、2時間分で 5,000円。4,000円は割増を付け忘れた額、6,000円は5割増で計算した額、4,500円は1時間分だけ割増を付けて残り1時間を割増なしとした誤り。
根拠:労働基準法 第37条第1項
労働基準法上、深夜労働として割増賃金の対象になる時間帯の原則はどれか。
原則として午後10時から午前5時までの間の労働について、2割5分以上の割増賃金が必要(労働基準法 第37条第4項)。厚生労働大臣が必要と認める地域や期間について午後11時から午前6時までとする例外がある。時間外労働が深夜に及ぶ場合は割増を足し合わせる。
根拠:労働基準法 第37条第4項
保険料の負担について適切なものはどれか。
健康保険と厚生年金保険の保険料は、被保険者と事業主がそれぞれ半額を負担する(健康保険法 第161条、厚生年金保険法 第82条)。労働保険の側では、被保険者が負担するのは雇用保険率に応ずる部分に限られており、労災保険の部分に労働者の負担はない(労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第31条)。
根拠:健康保険法 第161条、厚生年金保険法 第82条
総支給額が300,000円、控除合計が45,000円の給与明細における差引支給額(手取り)はどれか。
差引支給額は総支給額から控除合計を引いた額なので 300,000 − 45,000 で 255,000円。345,000円は控除を足してしまった誤り、300,000円は控除を引き忘れた誤り。賃金は通貨で直接その全額を毎月1回以上一定の期日に支払うのが原則で、控除は法令や労使協定に根拠がある場合に限られる(労働基準法 第24条)。
根拠:労働基準法 第24条(賃金の支払の原則)/※ そのほかは公的な定めのない商慣行です
職場におけるパワーハラスメントの要素として、法令が挙げていないものはどれか。
法令は、優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されること、という形で整理しており、行為者の意図は要素として挙げていない(労働施策総合推進法 第30条の2第1項)。悪気がなくても該当しうる一方、業務上必要かつ相当な範囲の指導まで否定するものではない。
根拠:労働施策総合推進法 第30条の2
厚生労働大臣の指針が示すパワーハラスメントの代表的な6類型に含まれないものはどれか。
6類型は、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害。賃金の未払は賃金の支払に関する問題(労働基準法 第24条)で、ハラスメントの類型としては挙げられていない。
根拠:労働施策総合推進法 第30条の2に基づく指針
男女雇用機会均等法が措置義務を定める職場のセクシュアルハラスメントの説明として適切なものはどれか。
同法 第11条第1項は、性的な言動に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受ける場合と、性的な言動により就業環境が害される場合の双方について、相談体制の整備など雇用管理上必要な措置を義務づけている。条文は労働者と定めており性別を限定していない。事業主は他の事業主から措置の実施に必要な協力を求められたときは応ずるよう努めるとされる(同条第3項)。
根拠:男女雇用機会均等法 第11条
ハラスメントの相談をした労働者の扱いとして、法令に照らし適切なものはどれか。
相談を行ったこと、または相談への対応に協力して事実を述べたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(労働施策総合推進法 第30条の2第2項、男女雇用機会均等法 第11条第2項)。相談内容はむしろ保護すべき情報で、受付の方法を書面に限るような定めもない。
根拠:労働施策総合推進法 第30条の2第2項
育児休業や介護休業などの制度の利用に関する言動によるハラスメントについて、事業主に雇用管理上の措置を義務づけている法律はどれか。
育児休業、介護休業その他の子の養育または家族の介護に関する制度や措置の利用に関する言動について、育児介護休業法 第25条が相談体制の整備など雇用管理上必要な措置を義務づけている。妊娠、出産等に関する言動は男女雇用機会均等法 第11条の3が扱う。
根拠:育児介護休業法 第25条
個人情報を取り扱う事業者の義務として適切なものはどれか。
個人情報を取り扱うにあたっては、その利用の目的をできる限り特定しなければならない(個人情報保護法 第17条第1項)。変更は、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行えない(同条第2項)。取得したときは、あらかじめ公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知するか公表する(同 第21条第1項)。
根拠:個人情報保護法 第17条
個人データを第三者に提供するときの原則として適切なものはどれか。
個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合や、人の生命・身体・財産の保護に必要で本人の同意を得ることが困難な場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない(個人情報保護法 第27条第1項)。社内決裁や取引関係があることは本人の同意の代わりにはならない。
根拠:個人情報保護法 第27条
個人情報保護法にいう要配慮個人情報に当たるものはどれか。
要配慮個人情報は、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実など、不当な差別や偏見が生じないよう特に配慮を要するものとして定められた記述等を含む個人情報(個人情報保護法 第2条第3項)。部署名や電話番号、メールアドレスは個人情報になりうるが、この定義に挙げられた事項ではない。
根拠:個人情報保護法 第2条第3項
上場している取引先の未公表の重要事実を、職務に関して知った場合の対応として適切なものはどれか。
会社関係者が上場会社等の業務等に関する重要事実を職務に関して知った場合、その重要事実が公表された後でなければ、その会社の株式などの売買をしてはならない(金融商品取引法 第166条第1項)。役職の上下は関係がなく、名義を変えたり他人に伝えて売買させたりする行為も問題になる。判断に迷ったら社内の管理部門に相談する。
根拠:金融商品取引法 第166条
他人の著作物を引用するときの条件として、著作権法が挙げていないものはどれか。
公表された著作物は引用して利用することができ、その引用は公正な慣行に合致し、報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない(著作権法 第32条第1項)。著作者の生死は引用の条件ではない。なお著作権は原則として著作者の死後70年を経過するまで存続する(同 第51条第2項)。
根拠:著作権法 第32条
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