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適正使用情報と製品表示

講義 4 本・確認問題 40 問 | 本試験では「第5章 適正使用と安全対策」(20問)の一部 | 最終更新 2026-09-24

この章で学ぶこと
目次
  1. 添付文書の読み方
  2. 「してはいけないこと」
  3. 「相談すること」
  4. 製品表示と保管
  5. 確認問題(40問)
  6. 演習ツール

1. 添付文書の読み方

一般用医薬品の添付文書に何がどの順で書かれているか、改訂年月から製造販売業者の名称・所在地までを通しでたどれるようになります。

手引きでは、医薬品は、効能・効果、用法・用量、起こり得る副作用等、その適正な使用のために必要な情報(適正使用情報)を伴って初めて医薬品としての機能を発揮するものであるとされている。要指導医薬品又は一般用医薬品の場合、そのリスク区分に応じた販売又は授与する者その他の医薬関係者から提供された情報に基づき、一般の生活者が購入し、自己の判断で使用するものであるため、添付文書や製品表示に記載されている適正使用情報は、その適切な選択、適正な使用を図る上で特に重要であるとされている。それらの記載は一般の生活者に理解しやすい平易な表現でなされているが、その内容は一般的・網羅的なものとならざるをえない。そのため専門家には、記載内容を的確に理解した上で、個々の生活者の状況に応じて、積極的な情報提供が必要と思われる事項に焦点を絞った効果的かつ効率的な説明が求められるとされている。

法第52条第2項の規定により、要指導医薬品、一般用医薬品及び薬局製造販売医薬品には、それに添付する文書(添付文書)又はその容器若しくは被包に、「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」等の記載が義務づけられている。記載の構成は、①改訂年月、②添付文書の必読及び保管に関する事項、③販売名、薬効名及びリスク区分、④製品の特徴、⑤使用上の注意、⑥効能又は効果、⑦用法及び用量、⑧成分及び分量、⑨病気の予防・症状の改善につながる事項(いわゆる「養生訓」)、⑩保管及び取扱い上の注意、⑪消費者相談窓口、⑫製造販売業者の名称及び所在地、という順である。

①改訂年月について、手引きでは、一般用医薬品を含めて医薬品の添付文書の内容は変わるものであり、有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、必要に応じて随時改訂がなされているとされている。重要な内容が変更された場合には、改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされており、以前からその医薬品を使用している人が変更箇所に注意を払えるようになっている。定期的な改訂が義務づけられているのではなく、あくまで「必要に応じて随時」である点が押さえどころである。

②添付文書の必読及び保管に関する事項は、添付文書の販売名の上部に「使用にあたって、この説明文書を必ず読むこと。また、必要なときに読めるよう大切に保存すること。」等の文言として記載される。添付文書は開封時に一度目を通されれば十分というものではなく、実際に使用する人やその時の状態等によって留意されるべき事項が異なってくるため、必要なときにいつでも取り出して読めるよう保管される必要があるとされている。販売時に専門家から直接情報提供を受けた購入者以外の家族等が使用する際にも添付文書に目を通すこと、一般用医薬品を使用した人が医療機関を受診する際にはその添付文書を持参して医師や薬剤師に見せて相談することが重要であるとされている。

③販売名、薬効名及びリスク区分(人体に直接使用しない検査薬では「販売名及び使用目的」)では、通常の医薬品では承認を受けた販売名が記載される。薬効名とは、その医薬品の薬効又は性質(例えば、主たる有効成分など)が簡潔な分かりやすい表現で示されたもので、販売名に薬効名が含まれているような場合には薬効名の記載は省略されることがある。各製品のリスク区分も記載される。④製品の特徴は、医薬品を使用する人にその製品の概要を分かりやすく説明することを目的として、簡潔に記載される。

⑤使用上の注意は、「してはいけないこと」、「相談すること」及び「その他の注意」から構成され、適正使用のために重要と考えられる項目が前段に記載される。枠囲い、文字の色やポイントを変えるなど他の記載事項と比べて目立つように記載されており、「使用上の注意」、「してはいけないこと」及び「相談すること」の各項目の見出しには、それぞれ例示された標識的マークが付されていることが多い。なお「その他の注意」には、容認される軽微なものについて「次の症状が現れることがある」として記載されるとされている。

⑥効能又は効果(一般用検査薬では「使用目的」)には、一般の生活者が自ら判断できる症状、用途等が示され、「適応症」として記載されている場合もある。⑦用法及び用量(一般用検査薬では「使用方法」)には、年齢区分、1回用量、1日の使用回数等が、表形式で示されるなど分かりやすく工夫して記載される。小児における使用に関して認められていない年齢区分(使用年齢の制限)がある場合は、当該年齢区分に当たる小児に使用させない旨が記載される。効能又は効果、用法及び用量に関連する注意事項がある場合には、それぞれの項目に続けて、これと区別して記載される。

⑧成分及び分量(一般用検査薬では「キットの内容及び成分・分量」)には、有効成分の名称(一般的名称のあるものについてはその一般的名称。有効成分が不明なものにあってはその本質及び製造方法の要旨)及び分量が記載され、併せて添加物として配合されている成分も掲げられる(人体に直接使用しない検査薬等を除く)。手引きでは、医薬品の添加物はそれ自体積極的な薬効を期待して配合されるものでなく、製剤としての品質、有効性及び安全性を高めることを目的として配合されているが、アレルギーの原因となり得ることが知られているものもあり、その成分に対するアレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要があるとされている。尿や便が着色することがある旨の注意等も、この項目に続けて記載される。

⑨病気の予防・症状の改善につながる事項(いわゆる「養生訓」)は、医薬品の使用のみに頼ることなく日常生活上どのようなことに心がけるべきかを記載するもので、必須記載ではない。⑩保管及び取扱い上の注意に続き、⑪消費者相談窓口には、製造販売元の製薬企業(製造販売業者)において購入者等からの相談に応じるための窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等が記載される。⑫製造販売業者の名称及び所在地には、製造販売業の許可を受け、その医薬品について製造責任を有する製薬企業の名称及び所在地が記載され、販売を他社に委託している場合には販社等の名称及び所在地も併せて記載されることがある。

添付文書情報の扱いについては、令和3年8月1日から、医療用医薬品への紙の添付文書の同梱を廃止し、注意事項等情報は電子的な方法により提供されることとなった。具体的には、医薬品の容器又は被包に当該情報を入手するために必要な符号(バーコード又は二次元コード)を記載することが求められている。一方で、一般用医薬品等の消費者が直接購入する製品は、使用時に添付文書情報の内容を直ちに確認できる状態を確保する必要があるため、添付文書がある場合は引き続き紙の添付文書が同梱される、とされている。

一般用医薬品の添付文書の記載構成(①〜⑫の順)
順記載項目押さえどころ
①改訂年月必要に応じて随時改訂。重要な変更時は改訂年月を記載し改訂箇所を明示
②添付文書の必読及び保管に関する事項販売名の上部に記載。必要なときにいつでも読めるよう保管
③販売名、薬効名及びリスク区分販売名に薬効名が含まれる場合は薬効名を省略できる
④製品の特徴製品の概要を分かりやすく簡潔に説明
⑤使用上の注意してはいけないこと/相談すること/その他の注意。枠囲い等で目立つように
⑥効能又は効果一般用検査薬では「使用目的」。「適応症」と記載される場合もある
⑦用法及び用量一般用検査薬では「使用方法」。年齢区分・1回用量・1日の使用回数等
⑧成分及び分量有効成分の名称と分量。添加物も掲げられる
⑨病気の予防・症状の改善につながる事項いわゆる「養生訓」。必須記載ではない
⑩保管及び取扱い上の注意保管条件、小児の手の届かないところ、他の容器への入れ替え禁止等
⑪消費者相談窓口製造販売業者の窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等
⑫製造販売業者の名称及び所在地製造責任を有する製薬企業。販社等が併記されることもある

用語

適正使用情報
効能・効果、用法・用量、起こり得る副作用等、医薬品の適正な使用のために必要な情報。手引きでは、医薬品はこれを伴って初めて医薬品としての機能を発揮するものであるとされている。
改訂年月
添付文書の記載①。内容は必要に応じて随時改訂され、重要な内容が変更された場合には改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされている。
薬効名
その医薬品の薬効又は性質(例えば、主たる有効成分など)が簡潔な分かりやすい表現で示されたもの。販売名に薬効名が含まれている場合は記載が省略されることがある。
養生訓
添付文書の記載⑨「病気の予防・症状の改善につながる事項」の通称。日常生活上心がけるべきことを分かりやすく記載するもので、必須記載ではない。
消費者相談窓口
添付文書の記載⑪。製造販売元の製薬企業において購入者等からの相談に応じるための窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等が記載される。
標識的マーク
「使用上の注意」「してはいけないこと」「相談すること」の各項目の見出しに付されることが多いマーク。枠囲いや文字の色・ポイントの変更と併せ、目立つ記載とするための工夫。

例題

例題:添付文書の改訂は、定期的に行うことが義務づけられているか。
答えと考え方 いいえ。手引きでは、有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、必要に応じて随時改訂がなされているとされている。重要な内容が変更された場合には、改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされている。
例題:「養生訓」は添付文書に必ず記載しなければならないか。
答えと考え方 いいえ。⑨病気の予防・症状の改善につながる事項(いわゆる「養生訓」)は、記載されていることがあるとされるもので、必須記載ではない。

出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

2. 「してはいけないこと」

別表5-1の「してはいけないこと」を、記載・主な成分や薬効群・理由の三つ組で結び付けられるようになります。

手引きでは、「してはいけないこと」には、守らないと症状が悪化する事項、副作用又は事故等が起こりやすくなる事項について記載されるとされている。一般用検査薬では、その検査結果のみで確定診断はできないので、判定が陽性であれば速やかに医師の診断を受ける旨が記載される。項目は(a)「次の人は使用(服用)しないこと」、(b)「次の部位には使用しないこと」、(c)「本剤を使用(服用)している間は、次の医薬品を使用(服用)しないこと」、(d)その他「してはいけないこと」から成る。

(a)「次の人は使用(服用)しないこと」には、アレルギーの既往歴、症状や状態、基礎疾患、年齢、妊娠の可能性の有無、授乳の有無等からみて重篤な副作用を生じる危険性が特に高いため使用を避けるべき人が、生活者が自らの判断で認識できるよう記載される。重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、喘息等が掲げられている医薬品では、アレルギーの既往歴がある人等は使用しないこととして記載される。小児が使用した場合に特異的な有害作用のおそれがある成分を含有する医薬品では、通常、この項に「15歳未満の小児」「6歳未満の小児」等として記載される。(b)「次の部位には使用しないこと」は、局所に適用する医薬品について、使用を避けるべき患部の状態、適用部位等に分けて簡潔に記載される。

(c)併用に関する記載では、要指導医薬品又は一般用医薬品は複数の有効成分が配合されている場合が多く、使用方法や効能・効果が異なる医薬品同士でも、同一成分又は類似の作用を有する成分が重複することがあるため、併用すると作用の増強、副作用等のリスクの増大が予測されるものについて注意が喚起される。ここで重要なのは、医療用医薬品との併用は「してはいけないこと」ではなく、「相談すること」の項において「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」等として記載されるという点である。医療機関で治療を受けている人が、治療のために処方された医薬品の使用を自己判断で控えることは適当でないためとされている。

(d)その他「してはいけないこと」の主なものとして、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」(成分の作用によって眠気や異常なまぶしさ等が引き起こされると重大な事故につながるおそれがあるため)、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」(体に吸収されると一部が乳汁中に移行して乳児に悪影響を及ぼすおそれがあることが知られている成分が配合された医薬品)、「服用前後は飲酒しないこと」(摂取されたアルコールによって医薬品の作用の増強、副作用を生じる危険性の増大等が予測される場合)、「長期連用しないこと」等(連用すると副作用等が現れやすくなる成分、効果が減弱して医薬品に頼りがちになりやすい成分又は比較的作用の強い成分が配合されている場合)がある。

別表5-1のアレルギーの既往歴の欄では、「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人」として、かぜ薬・解熱鎮痛薬のほか、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、チペピジンヒベンズ酸塩、アミノフィリン水和物、テオフィリン、リドカイン、メキタジン、ロペラミド塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ポビドンヨードが配合された含嗽薬・口腔咽喉薬・殺菌消毒薬、ヨードチンキを含有するみずむし・たむし用薬等が挙げられている。理由は、アレルギー症状の既往歴のある人が再度使用した場合、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死融解症(ライエル症候群)等の重篤なアレルギー性の副作用を生じる危険性が高まるためとされている。また「喘息を起こしたことがある人」にはインドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェン又はピロキシカムが配合された外用鎮痛消炎薬(喘息発作を誘発するおそれ)、「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」にはアセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛成分(アスピリン喘息を誘発するおそれ)が挙げられている。

症状・状態や基礎疾患等の欄も出題が多い。胃酸過多にはカフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬(カフェインが胃液の分泌を亢進し症状を悪化させるおそれ)、前立腺肥大による排尿困難にはプソイドエフェドリン塩酸塩(交感神経刺激作用により尿の貯留・尿閉を生じるおそれ)、激しい腹痛又は吐き気・嘔吐にはヒマシ油が配合された瀉下薬(急性腹症の可能性)が挙げられている。基礎疾患等では、心臓病にプソイドエフェドリン塩酸塩・芍薬甘草湯、胃潰瘍にカフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬、高血圧・甲状腺機能障害・糖尿病にプソイドエフェドリン塩酸塩が挙げられ、「日常的に不眠の人、不眠症の診断を受けた人」には抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬)が挙げられている。透析療法を受けている人にはアルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬、胃腸鎮痛鎮痙薬(アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症の報告)、口の中に傷やひどいただれのある人にはクロルヘキシジングルコン酸塩が配合された製剤(口腔内への適応を有する場合)が挙げられている。

小児における年齢制限は、そのまま問われやすい。「15歳未満の小児」はアスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチル酸ナトリウム(ライ症候群の発症との関連性が示唆)、プロメタジン塩酸塩等のプロメタジンを含む成分(乳児突然死症候群、乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制の報告)、イブプロフェン及びオキセサゼイン(小児向けの製品はないため)、抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬(神経過敏、興奮のおそれ)、ロペラミド(中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスの報告)である。「12歳未満の小児」はコデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩(重篤な呼吸抑制のおそれ)、「6歳未満の小児」はアミノ安息香酸エチル(メトヘモグロビン血症を起こすおそれ)、「3歳未満の小児」はヒマシ油類である。

妊婦・授乳婦等の欄では、「妊婦又は妊娠していると思われる人」にヒマシ油類(腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれ)、ジフェンヒドラミン塩酸塩を主薬とする催眠鎮静薬(妊娠に伴う不眠は睡眠改善薬の適用症状でないため)、エチニルエストラジオール、エストラジオール(胎児の先天性異常の発生が報告)、オキセサゼイン(妊娠中における安全性は確立されていないため)が、「出産予定日12週以内の妊婦」にアスピリン、アスピリンアルミニウム、イブプロフェン(妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれ)が挙げられている。「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」は、ジフェンヒドラミンを含む成分(乳児に昏睡)、アミノフィリン水和物・テオフィリン(乳児に神経過敏)、ロートエキス(乳児に頻脈。なお授乳婦の乳汁分泌が抑制されることがある)、センノシド・センナ・ダイオウ又はカサントラノール(乳児に下痢)、ヒマシ油類、コデインリン酸塩水和物・ジヒドロコデインリン酸塩(母乳への移行により乳児でモルヒネ中毒が生じたとの報告)である。

「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」は、抗ヒスタミン成分(かぜ薬、催眠鎮静薬、乗物酔い防止薬、鎮咳去痰薬、口腔咽喉薬、鼻炎用内服薬、アレルギー用薬、内服痔疾用薬)、コデインリン酸塩水和物やデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物等、ブロモバレリル尿素・アリルイソプロピルアセチル尿素、ロペラミド塩酸塩・ロートエキス、そしてスコポラミン臭化水素酸塩水和物・メチルオクタトロピン臭化物等の抗コリン成分やピレンゼピン塩酸塩水和物に記載される。手引きでは、抗コリン成分では眠気、目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがあるため、ピレンゼピン塩酸塩水和物では目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがあるためとされている。

連用に関する注意では、かぜ薬・解熱鎮痛薬・抗菌性点眼薬・鼻炎用内服薬・鎮静薬・アレルギー用薬は成分によらず薬効群のすべてに「長期連用しないこと」が記載される(他に原因がある可能性があるため)。鼻炎用点鼻薬も成分によらず記載され、理由は二次充血、鼻づまり等を生じるおそれである。眠気防止薬のカフェインは「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」、グリチルリチン酸を含む成分(1日用量がグリチルリチン酸として40mg以上、又はカンゾウとして1g以上)は偽アルドステロン症を生じるおそれ、ステロイド性抗炎症成分は副腎皮質の機能低下、アルミニウムを含む成分はアルミニウム脳症・骨症、芍薬甘草湯は「症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないこと」(うっ血性心不全、心室頻拍)、ビスマスを含む成分は「1週間以上継続して服用しないこと」(海外において長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告)、浣腸薬は「連用しないこと」(感受性の低下、いわゆる「慣れ」)である。刺激性瀉下成分が配合された瀉下剤には「大量に使用(服用)しないこと」が記載される。

食品との相互作用、併用薬、部位の注意も別表5-1に含まれる。「服用前後は飲酒しないこと」はかぜ薬・解熱鎮痛薬(肝機能障害、胃腸障害)、ビスマスを含む成分(吸収増大による精神神経系障害)、ブロモバレリル尿素又はアリルイソプロピルアセチル尿素が配合された解熱鎮痛薬等(鎮静作用の増強)、抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬に記載される。「コーヒーやお茶等のカフェインを含有する飲料と同時に服用しないこと」はカフェインを主薬とする眠気防止薬である。併用では、他の瀉下薬(下剤)とダイオウを含む漢方処方製剤等、ヒマシ油と駆虫薬が相互に挙げられている。部位では、みずむし・たむし用薬を目や目の周囲、粘膜、陰のう、外陰部等、湿疹に使用しないこと、うおのめ・いぼ・たこ用薬を目の周囲、粘膜、やわらかな皮膚面、顔面等に使用しないこと、ケトプロフェンが配合された外用鎮痛消炎薬では天候にかかわらず戸外活動を避け貼付部を衣服等で覆い紫外線に当てないこと(重篤な光線過敏症)等が記載される。

別表5-1「してはいけないこと」の主な記載と対象成分・薬効群・理由
区分記載主な成分・薬効群等理由
アレルギー本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人かぜ薬、解熱鎮痛薬、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、チペピジンヒベンズ酸塩、アミノフィリン水和物、テオフィリン、リドカイン、メキタジン、ロペラミド塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ポビドンヨードが配合された含嗽薬・口腔咽喉薬・殺菌消毒薬再度使用した場合、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症等の重篤なアレルギー性の副作用を生じる危険性が高まるため
アレルギー喘息を起こしたことがある人インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェン又はピロキシカムが配合された外用鎮痛消炎薬喘息発作を誘発するおそれがあるため
アレルギー本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用して喘息を起こしたことがある人アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛成分アスピリン喘息を誘発するおそれがあるため
アレルギー本剤又は本剤の成分、牛乳によるアレルギー症状を起こしたことがある人タンニン酸アルブミン、カゼイン・カゼインナトリウム等(添加物)タンニン酸アルブミンは乳製カゼインを由来としているため/カゼインは牛乳タンパクの主成分であるため
症状・状態胃酸過多カフェイン、無水カフェイン、カフェインクエン酸塩等のカフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬カフェインが胃液の分泌を亢進し、症状を悪化させるおそれがあるため
症状・状態前立腺肥大による排尿困難プソイドエフェドリン塩酸塩交感神経刺激作用により、尿の貯留・尿閉を生じるおそれがあるため
症状・状態激しい腹痛又は吐き気・嘔吐ヒマシ油が配合された瀉下薬急性腹症(腸管の狭窄、閉塞、腹腔内器官の炎症等)の症状である可能性があるため
基礎疾患心臓病プソイドエフェドリン塩酸塩、芍薬甘草湯徐脈又は頻脈を引き起こし、心臓病の症状を悪化させるおそれがあるため
基礎疾患胃潰瘍カフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬胃液の分泌が亢進し、胃潰瘍の症状を悪化させるおそれがあるため
基礎疾患高血圧/甲状腺機能障害/糖尿病プソイドエフェドリン塩酸塩高血圧=交感神経興奮作用により血圧を上昇させるため/甲状腺機能障害=交感神経系を興奮させる成分は症状を悪化させるため/糖尿病=肝臓でグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させるため
基礎疾患日常的に不眠の人、不眠症の診断を受けた人抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬)睡眠改善薬は慢性的な不眠症状に用いる医薬品でないため
その他透析療法を受けている人スクラルファート、水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、アルジオキサ等のアルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬、胃腸鎮痛鎮痙薬長期間服用した場合にアルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を発症したとの報告があるため
その他口の中に傷やひどいただれのある人クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された製剤(口腔内への適応を有する場合)傷やただれの状態を悪化させるおそれがあるため
小児15歳未満の小児アスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチル酸ナトリウム/プロメタジンを含む成分/イブプロフェン/抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬/オキセサゼイン/ロペラミドライ症候群/致命的な呼吸抑制の報告/小児向けの製品はないため/神経過敏、興奮のおそれ/麻痺性イレウス等の報告
小児12歳未満の小児コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩重篤な呼吸抑制があらわれるおそれがあるため
小児6歳未満の小児アミノ安息香酸エチルメトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため
小児3歳未満の小児ヒマシ油類(別表5-1 小児における年齢制限の欄に記載)
妊婦妊婦又は妊娠していると思われる人ヒマシ油類/ジフェンヒドラミン塩酸塩を主薬とする催眠鎮静薬/エチニルエストラジオール、エストラジオール/オキセサゼイン流産・早産の誘発/妊娠に伴う不眠は適用症状でない/胎児の先天性異常の報告/妊娠中の安全性未確立
妊婦出産予定日12週以内の妊婦アスピリン、アスピリンアルミニウム、イブプロフェン妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれがあるため
授乳授乳中の人は本剤を服用しないか、服用する場合は授乳を避けることジフェンヒドラミンを含む成分/アミノフィリン水和物、テオフィリン/ロートエキス/センノシド、センナ、ダイオウ、カサントラノール/ヒマシ油類/コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩乳児に昏睡/乳児に神経過敏/乳児に頻脈/乳児に下痢/—/母乳への移行により乳児でモルヒネ中毒の報告
運転服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと抗ヒスタミン成分/コデイン類、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物/ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素/ロペラミド塩酸塩、ロートエキス/スコポラミン臭化水素酸塩水和物等の抗コリン成分/ピレンゼピン塩酸塩水和物眠気等/抗コリン成分は眠気、目のかすみ、異常なまぶしさ/ピレンゼピン塩酸塩水和物は目のかすみ、異常なまぶしさ
連用長期連用しないこと(成分によらず薬効群すべてに記載)かぜ薬、解熱鎮痛薬、抗菌性点眼薬、鼻炎用内服薬、鎮静薬、アレルギー用薬一定期間又は一定回数使用しても症状の改善がみられない場合は、ほかに原因がある可能性があるため
連用長期連用しないこと(成分によらず薬効群すべてに記載)鼻炎用点鼻薬二次充血、鼻づまり等を生じるおそれがあるため
連用短期間の服用にとどめ、連用しないことカフェイン、無水カフェイン等のカフェインを含む成分(眠気防止薬)/グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、カンゾウ等連用によって睡眠が不要になるものではないため/偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため
連用症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないこと芍薬甘草湯うっ血性心不全、心室頻拍の副作用が現れることがあるため
連用1週間以上継続して服用しないこと次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分(止瀉薬)海外において、長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるため
連用連用しないこと浣腸薬(成分によらず記載)感受性の低下(いわゆる「慣れ」)が生じて、習慣的に使用される傾向があるため
連用長期連用しないことステロイド性抗炎症成分(外用痔疾用薬、化膿性皮膚疾患用薬、鎮痒消炎薬、しもやけ・あかぎれ用薬)副腎皮質の機能低下を生じるおそれがあるため
大量大量に使用(服用)しないことセンナ、センノシド、ダイオウ、カサントラノール、ビサコジル、ピコスルファートナトリウム等の刺激性瀉下成分が配合された瀉下剤腸管粘膜への刺激が大きくなり、腸管粘膜に炎症を生じるおそれがあるため
飲酒服用前後は飲酒しないことかぜ薬、解熱鎮痛薬/ビスマスを含む成分/ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素/抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬肝機能障害、胃腸障害/吸収増大による精神神経系障害/鎮静作用の増強
飲食物コーヒーやお茶等のカフェインを含有する飲料と同時に服用しないことカフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬カフェインが過量摂取となり、中枢神経系、循環器系等に作用が強く現れるおそれがあるため
併用本剤を使用している間は次の医薬品を使用しないこと他の瀉下薬(下剤)=茵蔯蒿湯、大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯、麻子仁丸、桃核承気湯、防風通聖散、三黄瀉心湯、大柴胡湯、乙字湯(ダイオウを含む場合)等/ヒマシ油と駆虫薬激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすくなるため/駆虫成分が腸管内で吸収されやすくなるため
部位次の部位には使用しないことみずむし・たむし用薬(目や目の周囲、粘膜、陰のう、外陰部等、湿疹)/うおのめ・いぼ・たこ用薬(目の周囲、粘膜、やわらかな皮膚面、顔面等、炎症又は傷のある患部)/殺菌消毒薬(液体絆創膏)(ただれ、化膿している患部)強い刺激や痛み/角質溶解作用が強く目に入ると障害を与える危険性/湿潤した患部では分泌液が貯留して症状を悪化させることがあるため
乱用過量服用・長期連用しないことコデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩が配合された鎮咳去痰薬(内服液剤)倦怠感や虚脱感等が現れることがあり、依存性・習慣性がある成分が配合され乱用事例が報告されているため

用語

してはいけないこと
守らないと症状が悪化する事項、副作用又は事故等が起こりやすくなる事項の記載。「次の人は使用しないこと」「次の部位には使用しないこと」「本剤を使用している間は次の医薬品を使用しないこと」「その他」から構成される。
アスピリン喘息
別表5-1で「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」の記載理由とされるもの。対象はアセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛成分。
ライ症候群
15歳未満の小児にアスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチル酸ナトリウムを使用しないこととされる理由。外国において発症との関連性が示唆されているためとされる。
メトヘモグロビン血症
アミノ安息香酸エチルを6歳未満の小児に使用しないこととされる理由。別表5-1の小児における年齢制限の欄に記載されている。
偽アルドステロン症
グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、カンゾウ等のグリチルリチン酸を含む成分を1日用量40mg以上(カンゾウとして1g以上)連用した場合に生じるおそれがあるとされるもの。
光線過敏症
ケトプロフェンが配合された外用鎮痛消炎薬で、使用中又は使用後しばらくしてから重篤なものが現れることがあるとされ、天候にかかわらず戸外活動を避け、貼付部を衣服・サポーター等で覆う旨が記載される。

例題

例題:医療用医薬品との併用は、添付文書のどの項目に記載されるか。
答えと考え方 「相談すること」の項に「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」等として記載される。医療機関で治療を受けている人が処方された医薬品の使用を自己判断で控えることは適当でないためとされている。
例題:アミノ安息香酸エチルはどの年齢の小児に使用しないこととされ、その理由は何か。
答えと考え方 6歳未満の小児。理由はメトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるためとされている。

出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方/別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

3. 「相談すること」

別表5-2の「相談すること」を対象者ごとに整理し、「してはいけないこと」との取り違えを防げるようになります。

「相談すること」は、その医薬品を使用する前に、その適否について専門家に相談した上で適切な判断がなされるべきである場合の記載である。手引きでは(a)「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」、(b)「妊婦又は妊娠していると思われる人」、(c)「授乳中の人」、(d)「高齢者」、(e)「薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人」、(f)「次の症状がある人」、(g)「次の診断を受けた人」が挙げられている。

(a)医師又は歯科医師の治療を受けているときは、何らかの薬剤の投与等の処置がなされており、その人の自己判断で要指導医薬品又は一般用医薬品が使用されると、治療の妨げとなったり、処方された薬剤(医療用医薬品)と同種の有効成分の重複や相互作用等を生じることがある。そのため、治療を行っている医師又は歯科医師にあらかじめ相談して使用の適否について判断を仰ぐべきであり、特に医療用医薬品を使用している場合には、その薬剤を処方した医師若しくは歯科医師、又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明がなされる必要があるとされている。

(b)妊婦又は妊娠していると思われる人は、胎児への影響や妊娠という特別な身体状態を考慮して、一般的に医薬品の使用には慎重を期す必要がある。「してはいけないこと」の項で「次の人は使用(服用)しないこと」として記載されている場合と異なり、必ずしもヒトにおける具体的な悪影響が判明しているものでないが、妊婦における使用経験に関する科学的データが限られているため安全性の評価が困難とされている場合も多い。そのため、一般の生活者の自己判断による医薬品の使用は最低限にとどめることが望ましく、既に妊娠が判明し定期的な産科検診を受けている場合には担当医師に相談するよう説明がなされる必要があるとされている。(c)授乳中の人は、摂取した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られているが、「してはいけないこと」の項で記載するほどではない場合に「相談すること」に記載される。

(d)使用上の注意の記載における「高齢者」とは、およその目安として65歳以上を指す。一般に高齢者では加齢に伴い副作用等を生じるリスクが高まる傾向にあり、何らかの持病(基礎疾患)を抱えていること等も多い。ただし65歳以上の年齢であっても、どの程度リスクが増大しているかを年齢のみから一概に判断することは難しく、専門家に相談しながら個々の状態に応じて使用の適否について慎重な判断がなされるべきであるとされている。(e)薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人は、その医薬品でアレルギー症状を起こしたことはなくても、他の医薬品でアレルギーの既往歴がある人やアレルギー体質の人は一般にアレルギー性の副作用を生じるリスクが高いためとされている。

(f)「次の症状がある人」は、一般の生活者において適切な判断を行うことが必ずしも容易でなく、軽率な使用がなされると状態の悪化や副作用等を招きやすい症状(その医薬品では改善が期待できないにもかかわらず、誤って使用してしまいやすい症状を含む)や、その状態等によっては医療機関を受診することが適当と考えられる場合について記載される。(g)「次の診断を受けた人」は、現に医師の治療を受けているか否かによらず、その医薬品が使用されると状態の悪化や副作用等を招きやすい基礎疾患等が示されるものである。

使用後の記載も重要である。副作用と考えられる症状を生じた場合には、i)「使用(服用)後、次の症状が現れた場合」としてまず一般的な副作用が関係部位別に記載され、続いてii)「まれに下記の重篤な症状が現れることがあります。その場合はただちに医師の診療を受けること」として、まれに発生する重篤な副作用が副作用名ごとに記載される。一般的な副作用は重篤ではないものの、そのまま使用を継続すると状態の悪化を招いたり回復が遅れるおそれのあるものであり、発疹や発赤などのように重篤な副作用の初期症状である可能性があるものも含まれているので軽んじることのないよう説明がなされることが重要であるとされている。重篤な副作用は入院相当以上の健康被害につながるおそれがあり、その初期段階において速やかに医師の診療を受ける必要がある。

薬理作用等から発現が予測され容認される軽微な症状(例えば、抗ヒスタミン薬の眠気等)であっても、症状の持続又は増強がみられた場合には、いったん使用を中止した上で専門家に相談する旨が記載される。また、一定期間又は一定回数使用したあとに症状の改善が見られない場合は、その医薬品の適用範囲でない疾患による症状や合併症が生じている可能性等が考えられ、要指導医薬品又は一般用医薬品で対処できる範囲を超えており、医師の診療を受けることが必要な場合もあるとされている。漢方処方製剤では、ある程度の期間継続して使用されることにより効果が得られるとされているものが多いが、長期連用する場合には専門家に相談する旨が記載されている(本記載がない漢方処方製剤は、短期の使用に限られるもの)。一般用検査薬では、検査結果が陰性であっても何らかの症状がある場合は、再検査するか又は医師に相談する旨等が記載される。

別表5-2の「妊婦又は妊娠していると思われる人」には、アスピリン、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェンが配合されたかぜ薬・解熱鎮痛薬(妊娠末期のラットに投与した実験で胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告)、ブロモバレリル尿素が配合された医薬品(胎児障害の可能性)、コデインリン酸塩水和物・ジヒドロコデインリン酸塩(胎盤関門を通過して胎児へ移行)、瀉下薬・浣腸薬・外用痔疾用薬(流産・早産の誘発のおそれ)が挙げられている。また「妊娠3ヶ月以内の妊婦、妊娠していると思われる人又は妊娠を希望する人」にはビタミンA主薬製剤、ビタミンAD主薬製剤が挙げられ、理由はビタミンAを妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間に栄養補助剤から1日10,000国際単位以上を継続的に摂取した婦人から生まれた児に、先天異常(口裂、耳・鼻の異常等)の発生率の増加が認められたとの研究報告があるためとされている。

「授乳中の人」(乳汁中に移行する可能性がある主な成分等)には、メチルエフェドリン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、プソイドエフェドリン塩酸塩、ペントキシベリンクエン酸塩、アスピリン、イブプロフェン、カフェイン(1回分量100mg以上を含有する場合)、メチルオクタトロピン臭化物・メチキセン塩酸塩・ジサイクロミン塩酸塩、ロペラミド塩酸塩、エチニルエストラジオール・エストラジオールが挙げられている。「高齢者」には、解熱鎮痛薬・鼻炎用内服薬・グリセリンが配合された浣腸薬(効き目が強すぎたり副作用が現れやすいため)、アドレナリン作動成分又はマオウ(心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいため)、グリチルリチン酸を含む成分(偽アルドステロン症を生じやすいため)、抗コリン成分又はロートエキス(緑内障の悪化、口渇、排尿困難又は便秘の副作用が現れやすいため)が挙げられている。

基礎疾患等の欄は特に問われやすい。てんかんにジプロフィリン(中枢神経系の興奮作用)、胃・十二指腸潰瘍にアスピリン等の解熱鎮痛成分やビスマスを含む成分、肝臓病に小柴胡湯(間質性肺炎の副作用が現れやすいため)、解熱鎮痛成分、サントニン、ピペラジンを含む成分、甲状腺疾患にポビドンヨード等のヨウ素系殺菌消毒成分が配合された口腔咽喉薬・含嗽薬(ヨウ素の体内摂取が増える可能性)、甲状腺機能障害・甲状腺機能亢進症にアドレナリン作動成分やマオウ、ジプロフィリン、高血圧・心臓病・糖尿病にアドレナリン作動成分やマオウ、腎臓病にアルミニウムを含む成分や制酸成分を主体とする胃腸薬、マグネシウムを含む成分、緑内障に眼科用薬、パパベリン塩酸塩、抗コリン成分、ペントキシベリンクエン酸塩、ジフェニドール塩酸塩、抗ヒスタミン成分、血栓のある人にトラネキサム酸(内服)・セトラキサート塩酸塩、全身性エリテマトーデス・混合性結合組織病にイブプロフェン(無菌性髄膜炎の副作用を起こしやすいため)が挙げられている。併用薬等では、瀉下薬(下剤)を使用している人に柴胡加竜骨牡蛎湯・響声破笛丸、モノアミン酸化酵素阻害剤で治療を受けている人にプソイドエフェドリン塩酸塩、インターフェロン製剤で治療を受けている人に小柴胡湯が挙げられている。

別表5-2「相談すること」の主な記載と対象成分・薬効群・理由
区分記載主な成分・薬効群等理由
妊婦妊婦又は妊娠していると思われる人アスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェンが配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため
妊婦妊婦又は妊娠していると思われる人ブロモバレリル尿素が配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬、乗物酔い防止薬胎児障害の可能性があり、使用を避けることが望ましいため
妊婦妊婦又は妊娠していると思われる人コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩が配合されたかぜ薬、鎮咳去痰薬麻薬性鎮咳成分であり、吸収された成分の一部が胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られているため
妊婦妊婦又は妊娠していると思われる人瀉下薬、浣腸薬、外用痔疾用薬(坐薬、注入軟膏)腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがあるため
妊婦妊娠3ヶ月以内の妊婦、妊娠していると思われる人又は妊娠を希望する人ビタミンA主薬製剤、ビタミンAD主薬製剤妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間に栄養補助剤から1日10,000国際単位以上を継続的に摂取した婦人から生まれた児に、先天異常の発生率の増加が認められたとの研究報告があるため
授乳授乳中の人メチルエフェドリン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、プソイドエフェドリン塩酸塩、ペントキシベリンクエン酸塩、アスピリン、イブプロフェン/カフェイン(1回分量100mg以上)/メチルオクタトロピン臭化物、メチキセン塩酸塩、ジサイクロミン塩酸塩/ロペラミド塩酸塩/エチニルエストラジオール、エストラジオール乳汁中に移行する可能性がある成分であるため
高齢者高齢者解熱鎮痛薬、鼻炎用内服薬、グリセリンが配合された浣腸薬効き目が強すぎたり、副作用が現れやすいため
高齢者高齢者メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩水和物、メトキシフェナミン塩酸塩等のアドレナリン作動成分又はマオウ心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいため
高齢者高齢者グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸又はカンゾウが配合された内服薬等偽アルドステロン症を生じやすいため
高齢者高齢者スコポラミン臭化水素酸塩水和物、メチルオクタトロピン臭化物、イソプロパミドヨウ化物等の抗コリン成分又はロートエキス緑内障の悪化、口渇、排尿困難又は便秘の副作用が現れやすいため
小児発熱している小児、けいれんを起こしたことがある小児テオフィリン、アミノフィリン水和物けいれんを誘発するおそれがあるため
小児水痘(水ぼうそう)もしくはインフルエンザにかかっている又はその疑いのある乳・幼・小児(15歳未満)サリチルアミド、エテンザミド構造が類似しているアスピリンにおいてライ症候群の発症との関連性が示唆されており、原則として使用を避ける必要があるため
小児1ヶ月未満の乳児(新生児)マルツエキス身体が非常に未熟であり、安易に瀉下薬を使用すると脱水症状を引き起こすおそれがあるため
アレルギー薬によりアレルギー症状や喘息を起こしたことがある人黄色4号(タートラジン)(添加物)/ガジュツ末・真昆布末を含む製剤喘息誘発のおそれがあるため/まれにアナフィラキシーを起こすことがあるため
症状高熱かぜ薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬、小児五疳薬かぜ以外のウイルス性の感染症その他の重篤な疾患の可能性があるため
症状むくみグリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、カンゾウ等のグリチルリチン酸を含む成分偽アルドステロン症の発症のおそれが特にあるため
症状排尿困難ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩等の抗ヒスタミン成分/ジフェニドール塩酸塩/マオウを含む漢方処方製剤/抗コリン成分/ロートエキス排尿筋の弛緩と括約筋の収縮が起こり、尿の貯留を来すおそれがあるため。特に前立腺肥大症を伴っている場合には尿閉を引き起こすおそれがあるため
症状痔出血グリセリンが配合された浣腸薬腸管、肛門に損傷があると、傷口からグリセリンが血管内に入って溶血を起こすことや、腎不全を起こすおそれがあるため
症状はげしい目の痛み眼科用薬急性緑内障、角膜潰瘍又は外傷等の可能性が考えられるため
基礎疾患てんかんジプロフィリン中枢神経系の興奮作用により、てんかんの発作を引き起こすおそれがあるため
基礎疾患胃・十二指腸潰瘍アスピリン、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、サリチルアミド/ビスマスを含む成分潰瘍を悪化させるおそれ/ビスマスの吸収が高まり精神神経障害等が発現するおそれ
基礎疾患肝臓病小柴胡湯/アスピリン、エテンザミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン/サントニン/ピペラジンを含む成分/ガジュツ末・真昆布末を含む製剤間質性肺炎の副作用が現れやすいため/肝機能障害を悪化させるおそれ/体内への蓄積によって副作用が現れやすくなるため
基礎疾患甲状腺疾患ポビドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素等のヨウ素系殺菌消毒成分が配合された口腔咽喉薬、含嗽薬ヨウ素の体内摂取が増える可能性があり、甲状腺疾患の治療に影響を及ぼすおそれがあるため
基礎疾患甲状腺機能障害・甲状腺機能亢進症アドレナリン作用成分が配合された鼻炎用点鼻薬、アドレナリン作動成分、マオウ/ジプロフィリン/沈降炭酸カルシウム等交感神経系を興奮させる成分は症状を悪化させるおそれ/中枢神経系の興奮作用/甲状腺ホルモンの吸収を阻害するおそれ
基礎疾患高血圧アドレナリン作動成分、マオウ/グリチルリチン酸を含む成分交感神経興奮作用により血圧を上昇させるため/ナトリウム貯留、カリウム排泄促進によりむくみ等が現れるため
基礎疾患心臓病アドレナリン作動成分、ジプロフィリン、マオウ/抗コリン成分、ロートエキス/解熱鎮痛成分/グリチルリチン酸の塩類、カンゾウ/硫酸ナトリウム/グリセリンが配合された浣腸薬心臓に負担をかけるため/むくみ・循環体液量の増加/電解質バランスの乱れ/排便直後の急激な血圧低下等
基礎疾患腎臓病アスピリン等の解熱鎮痛成分/グリチルリチン酸を含む成分/アルミニウムを含む成分/制酸成分を主体とする胃腸薬/マグネシウムを含む成分、硫酸ナトリウム/ピペラジンを含む成分、プソイドエフェドリン塩酸塩むくみ・循環体液量の増加/アルミニウム脳症、アルミニウム骨症/無機塩類の排泄遅延・体内貯留/排泄が円滑に行われず副作用が現れやすくなるため
基礎疾患糖尿病アドレナリン作動成分が配合された鼻炎用点鼻薬、アドレナリン作動成分、マオウ肝臓でグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させる作用があるため
基礎疾患緑内障眼科用薬/パパベリン塩酸塩/抗コリン成分/ペントキシベリンクエン酸塩/ジフェニドール塩酸塩/抗ヒスタミン成分眼圧が上昇し緑内障を悪化させるおそれ/抗コリン作用によって房水流出路が狭くなるため
基礎疾患血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)トラネキサム酸(内服)、セトラキサート塩酸塩生じた血栓が分解されにくくなるため
基礎疾患全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病イブプロフェン無菌性髄膜炎の副作用を起こしやすいため
既往胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病にかかったことのある人イブプロフェンプロスタグランジン産生抑制作用によって消化管粘膜の防御機能が低下し、再発するおそれがあるため
併用瀉下薬(下剤)を使用している人柴胡加竜骨牡蛎湯、響声破笛丸腹痛、激しい腹痛を伴う下痢が現れやすくなるため
併用モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)で治療を受けている人プソイドエフェドリン塩酸塩モノアミン酸化酵素阻害剤との相互作用によって、血圧を上昇させるおそれがあるため
併用インターフェロン製剤で治療を受けている人小柴胡湯、小柴胡湯が配合されたかぜ薬インターフェロン製剤との相互作用によって、間質性肺炎を起こしやすくなるため

用語

高齢者
使用上の注意の記載における「高齢者」とは、およその目安として65歳以上を指す。加齢に伴い副作用等を生じるリスクが高まる傾向にあるが、年齢のみからリスクの程度を一概に判断することは難しいとされる。
次の診断を受けた人
「相談すること」の記載の一つ。現に医師の治療を受けているか否かによらず、その医薬品が使用されると状態の悪化や副作用等を招きやすい基礎疾患等が示されている。
一般的な副作用
重篤ではないものの、そのまま使用を継続すると状態の悪化を招いたり回復が遅れるおそれのあるもの。関係部位別に症状が記載され、発疹や発赤など重篤な副作用の初期症状である可能性があるものも含まれる。
重篤な副作用
入院相当以上の健康被害につながるおそれがあるもの。「まれに下記の重篤な症状が現れることがあります。その場合はただちに医師の診療を受けること」として副作用名ごとに症状が記載される。
無菌性髄膜炎
全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病の診断を受けた人がイブプロフェンについて相談することとされる理由。この副作用を起こしやすいためとされている。
間質性肺炎
肝臓病の診断を受けた人が小柴胡湯について相談することとされる理由。またインターフェロン製剤で治療を受けている人では、相互作用によって起こしやすくなるためとされる。

例題

例題:「妊婦又は妊娠していると思われる人」が「相談すること」に記載される場合、必ずヒトでの悪影響が判明しているのか。
答えと考え方 いいえ。手引きでは、「してはいけないこと」として記載される場合と異なり、必ずしもヒトにおける具体的な悪影響が判明しているものでないが、妊婦における使用経験に関する科学的データが限られているため安全性の評価が困難とされている場合も多いとされている。
例題:漢方処方製剤で「長期連用する場合には専門家に相談する」旨の記載がないものは、どのようなものか。
答えと考え方 手引きでは、本記載がない漢方処方製剤は、短期の使用に限られるものであるとされている。

出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方/別表5-2 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(相談すること)

4. 製品表示と保管

外箱等に何が書かれ、使用期限や可燃性ガスの表示が何に基づくのかを、保管及び取扱い上の注意と合わせて説明できるようになります。

手引きでは、毒薬若しくは劇薬又は要指導医薬品に該当する医薬品における表示や、その一般用医薬品が分類されたリスク区分を示す識別表示等の法定表示事項のほかにも、医薬品の製品表示として、購入者等における適切な医薬品の選択、適正な使用に資する様々な情報が記載されているとされている。医薬品によっては添付文書の形でなく、法第52条第2項の規定に基づく「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」等の記載を、外箱等に行っている場合がある。

添付文書がある医薬品にあっても、添付文書は通常、外箱等に封入されていることから、購入者等が購入後に製品を開封して添付文書を見て初めて、自分(又は家族)にとって適当な製品でなかったことが分かるといった事態等を防ぐため、医薬品の適切な選択に資する事項として、添付文書の内容のうち、効能・効果、用法・用量、添加物として配合されている成分等のほか、使用上の注意の記載から一定の事項が外箱等にも記載されている。

外箱等に記載される使用上の注意の内容は次の4つである。①「してはいけないこと」の項において、「次の人は使用(服用)しないこと」、「次の部位には使用しないこと」、「授乳中は本剤を服用しないか本剤を服用する場合は授乳を避けること」、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」等、副作用や事故等が起きる危険性を回避するため記載されている内容。②「使用にあたって添付文書をよく読むこと」等、添付文書の必読に関する事項。③専門家への相談勧奨に関する事項。④「保管及び取扱い上の注意」の項のうち、医薬品の保管に関する事項である。

②について、手引きでは、包装中に封入されている医薬品(内袋を含む)だけが取り出され、添付文書が読まれないといったことのないように記載されているとされている。③については、症状、体質、年齢等からみて副作用による危険性が高い場合若しくは医師又は歯科医師の治療を受けている人であって、一般使用者の判断のみで使用することが不適当な場合について記載され、記載スペースが狭小な場合には「使用が適さない場合があるので、使用前には必ず医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」等と記載される。④については、購入者によっては購入後すぐ開封せずにそのまま保管する場合や持ち歩く場合があるため、添付文書を見なくても適切な保管がなされるよう、その容器や包装にも保管に関する注意事項が記載されるとされている。なお、1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、例えば「アルコール含有○○mL以下」のように、アルコールを含有する旨及びその分量が記載される。

使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はないが、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっている(配置販売される医薬品では「配置期限」として記載される場合がある)。表示された「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、いったん開封されたものについては記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。購入後、開封されてからどの程度の期間品質が保持されるかについては、医薬品それぞれの包装形態や個々の使用状況、保管状況等によるので、購入者等から質問等がなされたときには、それらを踏まえて適切な説明がなされる必要があるとされている。

法の規定による法定表示事項のほか、他の法令に基づいて製品表示がなされている事項として、次のものが挙げられている。可燃性ガスを噴射剤としているエアゾール製品や消毒用アルコール等、危険物に該当する製品に対する消防法(昭和23年法律第186号)に基づく注意事項(「火気厳禁」等)、エアゾール製品に対する高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)に基づく注意事項(「高温に注意」、使用ガスの名称等)、資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)に基づく容器包装の識別表示(識別マーク)である。これらは法律上、その容器への表示が義務づけられているが、添付文書においても「保管及び取扱い上の注意」として記載されるとされている。

添付文書の⑩保管及び取扱い上の注意では、(a)「直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい場所に(密栓して)保管すること」等の保管条件に関する注意が挙げられている。医薬品は適切な保管がなされないと化学変化や雑菌の繁殖等を生じることがあり、特にシロップ剤などは変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされている。一方で、錠剤、カプセル剤、散剤等では、取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当であるとされている。なお、凍結すると変質したり効力が減弱する場合があること、家庭における誤飲事故等を避けるため医薬品は食品と区別して誰にも分かるように保管されることも重要であるとされている。

(b)「小児の手の届かないところに保管すること」については、乳・幼児は好奇心が強く、すぐ手を出して口の中に入れることがあり、また家庭内において、小児が容易に手に取れる場所(病人の枕元など)や、まだ手が届かないと思っても小児の目につくところに医薬品が置かれていた場合に、誤飲事故が多く報告されているためとされている。(c)「他の容器に入れ替えないこと。(誤用の原因になったり品質が変わる)」については、旅行や勤め先等へ携行するために別の容器へ移し替えると、日時が経過して中身がどんな医薬品であったか分からなくなってしまうことがあり誤用の原因となるおそれがあること、また移し替えた容器が湿っていたり汚れていたりした場合に医薬品として適切な品質が保持できなくなるおそれがあることが理由とされている。(d)その他「他の人と共用しないこと」等は、点眼薬について、複数の使用者間で使い回されると、万一、使用に際して薬液に細菌汚染があった場合に別の使用者に感染するおそれがあるため記載される。

製品表示情報の活用について、手引きでは、添付文書情報が事前に閲覧できる環境が整っていない場合にあっては、製品表示から読み取れる適正使用情報が有効に活用され、購入者等に対して適切な情報提供がなされることが一層重要となるとされている。要指導医薬品並びに一般用医薬品のリスク区分のうち第一類医薬品及び第二類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるものであり、これらリスク区分に分類されている旨が製品表示から容易に判別できることによって、副作用等の回避、早期発見のため必要な注意事項に自ずと関心が向けられる。第三類医薬品に分類された医薬品については、その製品が医薬品であることが製品表示から明確となることにより、適正に使用された場合であっても身体の変調・不調が起こり得ることや、添付文書を必ず読む意義、用法・用量等を守って適正に使用する必要性等について、一般の生活者に認識できるとされている。

なお、添付文書や外箱表示は、それらの記載内容が改訂された場合、実際にそれが反映された製品が流通し購入者等の目に触れるようになるまでには一定の期間を要する。専門家においては、常に最新の知見に基づいた適切な情報提供を行うため、得られる情報を積極的に収集し、専門家としての資質向上に努めることが求められるとされている。一般の生活者が接する医薬品の有効性や安全性等に関する情報は、断片的かつ必ずしも正確でない情報として伝わっている場合も多く、購入者等に対して科学的な根拠に基づいた正確なアドバイスを与え、セルフメディケーションを適切に支援することが期待されている。

製品表示(外箱等)の記載と保管及び取扱い上の注意
区分記載内容・根拠理由・押さえどころ
外箱等の記載使用上の注意の一部「次の人は使用(服用)しないこと」「次の部位には使用しないこと」「授乳中は本剤を服用しないか本剤を服用する場合は授乳を避けること」「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」等副作用や事故等が起きる危険性を回避するため
外箱等の記載添付文書の必読「使用にあたって添付文書をよく読むこと」等包装中に封入されている医薬品(内袋を含む)だけが取り出され、添付文書が読まれないといったことのないように
外箱等の記載専門家への相談勧奨スペースが狭小な場合は「使用が適さない場合があるので、使用前には必ず医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」等症状、体質、年齢等からみて副作用の危険性が高い場合等に、一般使用者の判断のみで使用することが不適当なため
外箱等の記載保管に関する事項「保管及び取扱い上の注意」の項のうち保管に関する事項購入後すぐ開封せずに保管する場合や持ち歩く場合があるため
外箱等の記載アルコール含有量1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)で「アルコール含有○○mL以下」等アルコールを含有する旨及びその分量を示すため
使用期限使用期限(配置販売では配置期限)適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品では法的な表示義務なし。流通管理等の便宜上、記載されるのが通常未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限。開封後は記載の期日まで品質が保証されない場合がある
他の法令火気厳禁 等消防法(昭和23年法律第186号)可燃性ガスを噴射剤としているエアゾール製品や消毒用アルコール等、危険物に該当する製品
他の法令高温に注意、使用ガスの名称 等高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)エアゾール製品に対する注意事項
他の法令容器包装の識別表示(識別マーク)資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)法定表示事項のほかに他の法令に基づいて表示される事項
保管直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい場所に(密栓して)保管することシロップ剤は開封後、冷蔵庫内に保管されるのが望ましい/錠剤、カプセル剤、散剤等は冷蔵庫内での保管は不適当適切な保管がなされないと化学変化や雑菌の繁殖等を生じることがあるため。錠剤等は室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため
保管小児の手の届かないところに保管すること小児が容易に手に取れる場所(病人の枕元など)や目につくところ乳・幼児は好奇心が強くすぐ手を出して口の中に入れることがあり、誤飲事故が多く報告されているため
保管他の容器に入れ替えないこと誤用の原因になったり品質が変わる中身が分からなくなり誤用の原因となるおそれ。移し替えた容器が湿っていたり汚れていたりすると品質が保持できなくなるおそれ
保管他の人と共用しないこと点眼薬薬液に細菌汚染があった場合に、別の使用者に感染するおそれがあるため

用語

使用期限
未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限。適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品では法的な表示義務はないが、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常。
配置期限
配置販売される医薬品において、使用期限が「配置期限」として記載される場合があるとされるもの。
消防法に基づく注意事項
可燃性ガスを噴射剤としているエアゾール製品や消毒用アルコール等、危険物に該当する製品に対して表示される「火気厳禁」等の注意事項。消防法は昭和23年法律第186号。
高圧ガス保安法に基づく注意事項
エアゾール製品に対して表示される「高温に注意」、使用ガスの名称等の注意事項。高圧ガス保安法は昭和26年法律第204号。
容器包装の識別表示
資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)に基づく識別マーク。法の規定による法定表示事項のほかに、他の法令に基づいて製品表示がなされている事項の一つ。
他の容器に入れ替えないこと
保管及び取扱い上の注意の記載。別の容器へ移し替えると中身が分からなくなり誤用の原因となるおそれがあること、容器が湿っていたり汚れていたりすると適切な品質が保持できなくなるおそれがあることが理由。

例題

例題:すべての医薬品の外箱等に、使用期限の表示が法的に義務づけられているか。
答えと考え方 いいえ。適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品においては法的な表示義務はないが、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常であるとされている。
例題:シロップ剤と錠剤とで、冷蔵庫内での保管の扱いはどう違うか。
答えと考え方 シロップ剤などは変質しやすいため開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされる一方、錠剤、カプセル剤、散剤等では取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当であるとされている。

出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 2)製品表示の読み方

確認問題(40問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|記載の順序

一般用医薬品の添付文書の記載の順序に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 改訂年月に続いて、添付文書の必読及び保管に関する事項、販売名、薬効名及びリスク区分の順で記載される。
  2. 消費者相談窓口は、製造販売業者の名称及び所在地よりもあとに記載される。
  3. 効能又は効果は、用法及び用量よりもあとに記載される。
  4. 病気の予防・症状の改善につながる事項(いわゆる「養生訓」)は、すべての添付文書に記載が義務づけられている。
正解と解説
正解:A. 改訂年月に続いて、添付文書の必読及び保管に関する事項、販売名、薬効名及びリスク区分の順で記載される。

手引きでは、添付文書の記載は①改訂年月、②添付文書の必読及び保管に関する事項、③販売名、薬効名及びリスク区分、④製品の特徴、⑤使用上の注意、⑥効能又は効果、⑦用法及び用量、⑧成分及び分量、⑨病気の予防・症状の改善につながる事項、⑩保管及び取扱い上の注意、⑪消費者相談窓口、⑫製造販売業者の名称及び所在地の順とされている。したがって消費者相談窓口は製造販売業者の名称及び所在地より前、効能又は効果は用法及び用量より前である。養生訓は必須記載ではない。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問2|改訂年月

添付文書の改訂に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 添付文書は、少なくとも5年ごとに定期的に改訂することが義務づけられている。
  2. 重要な内容が変更された場合には、改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされている。
  3. 一般用医薬品の添付文書の内容は、承認を受けた時点のものから変更されることはない。
  4. 改訂は医薬品の有効性に係る新たな知見に基づく場合に限られ、安全性に係る知見に基づく改訂は行われない。
正解と解説
正解:B. 重要な内容が変更された場合には、改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされている。

手引きでは、添付文書の内容は、医薬品の有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、必要に応じて随時改訂がなされるとされており、定期的な改訂が義務づけられているわけではない。重要な内容が変更された場合には改訂年月を記載するとともに改訂箇所を明示することとされ、以前からその医薬品を使用している人が変更箇所に注意を払えるようになっている。有効性・安全性のいずれの知見も改訂の根拠となる。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問3|必読と保管

添付文書の必読及び保管に関する事項についての記述として、正しいものはどれか。

  1. 「使用にあたって、この説明文書を必ず読むこと。」等の文言は、添付文書の販売名の上部ではなく、添付文書のいちばん末尾に記載されることとされている。
  2. 添付文書は、実際に使用する人やそのときの状態にかかわらず、開封時に一度目を通されれば十分なものである。
  3. 一般用医薬品を使用した人が医療機関を受診する際にも、その添付文書を持参し、医師や薬剤師に見せて相談がなされることが重要であるとされている。
  4. 添付文書は、販売時に専門家から直接情報提供を受けた購入者本人のみが読めばよく、その家族等が実際に医薬品を使用する際に改めて目を通す必要はない。
正解と解説
正解:C. 一般用医薬品を使用した人が医療機関を受診する際にも、その添付文書を持参し、医師や薬剤師に見せて相談がなされることが重要であるとされている。

手引きでは、当該文言は添付文書の販売名の「上部」に記載されるとされている。また、実際に使用する人やその時の状態等によって留意されるべき事項が異なるため、開封時に一度読めば十分というものではなく、必要なときにいつでも取り出して読めるよう保管される必要がある。購入者以外の家族等が使用する際にも添付文書に目を通すことが重要とされ、医療機関受診時に持参して見せて相談することも重要とされている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問4|販売名等

添付文書の「販売名、薬効名及びリスク区分」及び「製品の特徴」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 薬効名とは、承認を受けた販売名そのものをいう。
  2. 販売名に薬効名が含まれている場合であっても、薬効名の記載を省略することはできない。
  3. 人体に直接使用しない検査薬では、「販売名、薬効名及びリスク区分」として記載される。
  4. 製品の特徴は、医薬品を使用する人に、その製品の概要を分かりやすく説明することを目的として記載される。
正解と解説
正解:D. 製品の特徴は、医薬品を使用する人に、その製品の概要を分かりやすく説明することを目的として記載される。

手引きでは、薬効名とはその医薬品の薬効又は性質(例えば、主たる有効成分など)が簡潔な分かりやすい表現で示されたものであり、販売名に薬効名が含まれているような場合には記載が省略されることがあるとされている。人体に直接使用しない検査薬では「販売名及び使用目的」となる。製品の特徴は、製品の概要を知るために必要な内容を簡潔に記載するものである。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問5|使用上の注意

添付文書の「使用上の注意」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 「してはいけないこと」、「相談すること」及び「その他の注意」から構成されている。
  2. 他の記載事項と区別されないよう、同じ書体・同じ大きさの文字で記載されることとされている。
  3. 適正使用のために重要と考えられる項目であるため、添付文書の後段にまとめて記載される。
  4. 「その他の注意」には、まれに発生する重篤な副作用について、ただちに医師の診療を受けるべき旨が記載される。
正解と解説
正解:A. 「してはいけないこと」、「相談すること」及び「その他の注意」から構成されている。

手引きでは、「使用上の注意」は「してはいけないこと」、「相談すること」及び「その他の注意」から構成され、適正使用のために重要と考えられる項目が前段に記載されるとされている。また、枠囲い、文字の色やポイントを変えるなど他の記載事項と比べて目立つように記載される。「その他の注意」には、容認される軽微なものについて「次の症状が現れることがある」として記載される。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問6|効能と用法

添付文書の「効能又は効果」及び「用法及び用量」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 効能又は効果は、一般用検査薬では「使用方法」として記載される。
  2. 用法及び用量には、年齢区分、1回用量、1日の使用回数等について、表形式で示されるなど工夫して記載される。
  3. 小児における使用に関して認められていない年齢区分がある場合であっても、その旨は記載されない。
  4. 効能又は効果に関連する注意事項は、「使用上の注意」の項にのみ記載され、効能又は効果の項目に続けて記載されることはない。
正解と解説
正解:B. 用法及び用量には、年齢区分、1回用量、1日の使用回数等について、表形式で示されるなど工夫して記載される。

手引きでは、一般用検査薬では効能又は効果が「使用目的」、用法及び用量が「使用方法」として記載されるとされている。用法及び用量には年齢区分、1回用量、1日の使用回数等が分かりやすく記載され、使用年齢の制限がある場合は当該年齢区分に当たる小児に使用させない旨が記載される。効能又は効果、用法及び用量に関連する注意事項は、それぞれの項目に続けて、これと区別して記載される。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問7|成分と分量

添付文書の「成分及び分量」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 医薬品の添加物は、それ自体積極的な薬効を期待して配合されるものである。
  2. 添加物として配合されている成分は、添付文書には記載されない。
  3. 有効成分の名称及び分量が記載され、それらの記載と併せて、添加物として配合されている成分も掲げられる。
  4. 添加物がアレルギーの原因となることは知られていないため、アレルギーの既往歴がある人でも使用を避ける必要はない。
正解と解説
正解:C. 有効成分の名称及び分量が記載され、それらの記載と併せて、添加物として配合されている成分も掲げられる。

手引きでは、有効成分の名称(一般的名称のあるものについてはその一般的名称)及び分量が記載され、併せて添加物として配合されている成分も掲げられる(人体に直接使用しない検査薬等を除く)とされている。添加物は積極的な薬効を期待して配合されるものではなく、製剤としての品質、有効性及び安全性を高めることを目的とするものであるが、アレルギーの原因となり得ることが知られているものもあり、その成分に対するアレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要があるとされている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問8|窓口と業者

添付文書の「消費者相談窓口」、「製造販売業者の名称及び所在地」等に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 消費者相談窓口には、都道府県の薬務主管課の名称及び電話番号が記載される。
  2. 製造販売業者の名称及び所在地の欄には、販売を請け負っている販社等の名称及び所在地のみが記載される。
  3. 病気の予防・症状の改善につながる事項(いわゆる「養生訓」)は、すべての一般用医薬品の添付文書において記載が義務づけられている。
  4. 消費者相談窓口には、製造販売業者において購入者等からの相談に応じるための窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等が記載される。
正解と解説
正解:D. 消費者相談窓口には、製造販売業者において購入者等からの相談に応じるための窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等が記載される。

手引きでは、消費者相談窓口には製造販売元の製薬企業(製造販売業者)の窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等が記載されるとされている。製造販売業者の名称及び所在地の欄には、製造販売業の許可を受けその医薬品について製造責任を有する製薬企業の名称及び所在地が記載され、販売を他社に委託している場合には販社等の名称及び所在地も「併せて」記載されることがある。養生訓は必須記載ではない。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問9|記載の義務

添付文書等の記載に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 法第52条第2項の規定により、要指導医薬品、一般用医薬品及び薬局製造販売医薬品には、添付文書又はその容器若しくは被包に、「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」等の記載が義務づけられている。
  2. 令和3年8月1日から、一般用医薬品について紙の添付文書の同梱が廃止され、注意事項等情報は電子的な方法により提供されることとなったが、医療用医薬品については引き続き紙の添付文書が同梱されると考えられている。
  3. 医療用医薬品の注意事項等情報は、電子的な方法によらず、引き続き紙の添付文書の同梱により提供されることとされている。
  4. 一般用医薬品の添付文書情報は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページには掲載されていない。
正解と解説
正解:A. 法第52条第2項の規定により、要指導医薬品、一般用医薬品及び薬局製造販売医薬品には、添付文書又はその容器若しくは被包に、「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」等の記載が義務づけられている。

手引きでは、法第52条第2項の規定により、要指導医薬品、一般用医薬品及び薬局製造販売医薬品には当該記載が義務づけられているとされている。令和3年8月1日から紙の添付文書の同梱が廃止されたのは「医療用医薬品」であり、注意事項等情報は電子的な方法により提供される。一般用医薬品等の消費者が直接購入する製品は、添付文書がある場合は引き続き紙の添付文書が同梱される。総合機構ホームページには一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報が掲載されている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方

問10|して×総論

添付文書の「してはいけないこと」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. その医薬品を使用する前に、その適否について専門家に相談した上で適切な判断がなされるべきである場合について記載されている。
  2. 医療用医薬品との併用については、「相談すること」の項において「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」等として記載される。
  3. 小児が使用した場合に特異的な有害作用のおそれがある成分を含有する医薬品では、通常、「相談すること」の項に「15歳未満の小児」等として記載される。
  4. 一般用検査薬では、判定が陽性であれば確定診断ができるので、医師の診断を受ける必要がない旨が記載されている。
正解と解説
正解:B. 医療用医薬品との併用については、「相談すること」の項において「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」等として記載される。

手引きでは、「してはいけないこと」には守らないと症状が悪化する事項、副作用又は事故等が起こりやすくなる事項が記載されるとされている。使用前に専門家に相談すべき場合は「相談すること」の記載である。医療機関で治療を受けている人が処方された医薬品の使用を自己判断で控えることは適当でないため、医療用医薬品との併用は「相談すること」に記載される。小児の年齢制限は「次の人は使用(服用)しないこと」の項に記載される。一般用検査薬では、検査結果のみで確定診断はできないので、判定が陽性であれば速やかに医師の診断を受ける旨が記載される。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方(してはいけないこと)

問11|して×既往

別表5-1の「次の人は使用(服用)しないこと」に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 「本剤又は本剤の成分、牛乳によるアレルギー症状を起こしたことがある人」はタンニン酸アルブミンを使用しないこととされており、その理由はタンニン酸アルブミンが乳製カゼインを由来としているためである。
  2. 「喘息を起こしたことがある人」はインドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェン又はピロキシカムが配合された外用鎮痛消炎薬を使用しないこととされており、その理由は喘息発作を誘発するおそれがあるためである。
  3. 「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」はポビドンヨードが配合された含嗽薬を使用しないこととされており、その理由はアスピリン喘息を誘発するおそれがあるためである。
  4. ケトプロフェンが配合された外用鎮痛消炎薬は、チアプロフェン酸を含有する解熱鎮痛薬等によるアレルギー症状を起こしたことがある人は使用しないこととされており、その理由は接触皮膚炎、光線過敏症を誘発するおそれがあるためである。
正解と解説
正解:C. 「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」はポビドンヨードが配合された含嗽薬を使用しないこととされており、その理由はアスピリン喘息を誘発するおそれがあるためである。

別表5-1では、「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」に対応する成分は、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛成分であり、理由はアスピリン喘息を誘発するおそれがあるためとされている。ポビドンヨードが配合された含嗽薬等は「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人」の欄に掲げられている。他の3つは別表5-1の記載のとおりである。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問12|アスピリン喘息

別表5-1において、「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)して喘息を起こしたことがある人」は使用しないこととされている成分として、正しいものはどれか。

  1. ロペラミド塩酸塩
  2. ブチルスコポラミン臭化物
  3. メキタジン
  4. イソプロピルアンチピリン
正解と解説
正解:D. イソプロピルアンチピリン

別表5-1では、この記載の対象はアセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛成分であり、理由はアスピリン喘息を誘発するおそれがあるためとされている。ロペラミド塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、メキタジンは、いずれも「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人」の欄に掲げられている成分であり、喘息の既往による記載とは区別される。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問13|して×症状

別表5-1の症状・状態に関する「してはいけないこと」の記述として、正しいものはどれか。

  1. 胃酸過多の症状がある人は、カフェイン、無水カフェイン、カフェインクエン酸塩等のカフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬を服用しないこととされている。
  2. 前立腺肥大による排尿困難の症状がある人は、ヒマシ油が配合された瀉下薬を服用しないこととされており、その理由は尿の貯留や尿閉を生じるおそれがあるためである。
  3. 激しい腹痛又は吐き気・嘔吐の症状がある人は、プソイドエフェドリン塩酸塩を含有する鼻炎用内服薬を服用しないこととされており、その理由は急性腹症の可能性があるためである。
  4. 患部が化膿している人は、ヨードチンキを含有するみずむし・たむし用薬を使用しないこととされている。
正解と解説
正解:A. 胃酸過多の症状がある人は、カフェイン、無水カフェイン、カフェインクエン酸塩等のカフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬を服用しないこととされている。

別表5-1では、胃酸過多にはカフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬が掲げられ、理由はカフェインが胃液の分泌を亢進し症状を悪化させるおそれがあるためとされている。前立腺肥大による排尿困難に対応するのはプソイドエフェドリン塩酸塩(交感神経刺激作用による尿の貯留・尿閉)、激しい腹痛又は吐き気・嘔吐に対応するのはヒマシ油が配合された瀉下薬(急性腹症の可能性)であり、選択肢2と3は入れ替わっている。患部が化膿している人に対応するのは、ステロイド性抗炎症成分が配合された外用薬及びインドメタシン等が配合された外用薬である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問14|して×疾患

別表5-1の基礎疾患等に関する「してはいけないこと」の記述として、誤っているものはどれか。

  1. 心臓病の診断を受けた人は、プソイドエフェドリン塩酸塩又は芍薬甘草湯を使用しないこととされている。
  2. 胃潰瘍の診断を受けた人は、ロペラミド塩酸塩を服用しないこととされている。
  3. 透析療法を受けている人は、スクラルファート、水酸化アルミニウムゲル、合成ヒドロタルサイト等のアルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬、胃腸鎮痛鎮痙薬を使用しないこととされている。
  4. 日常的に不眠の人、不眠症の診断を受けた人は、抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬)を服用しないこととされている。
正解と解説
正解:B. 胃潰瘍の診断を受けた人は、ロペラミド塩酸塩を服用しないこととされている。

別表5-1では、胃潰瘍に対応するのはカフェイン、無水カフェイン、カフェインクエン酸塩等のカフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬であり、理由は胃液の分泌が亢進し胃潰瘍の症状を悪化させるおそれがあるためとされている。心臓病にはプソイドエフェドリン塩酸塩と芍薬甘草湯(徐脈又は頻脈)、透析療法を受けている人にはアルミニウムを含む成分(アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症の報告)、日常的に不眠の人には睡眠改善薬(慢性的な不眠症状に用いる医薬品でないため)が掲げられている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問15|小児の制限

別表5-1の小児における年齢制限に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. アミノ安息香酸エチルは、15歳未満の小児は使用しないこととされている。
  2. コデインリン酸塩水和物は、15歳未満の小児は服用しないこととされている。
  3. ヒマシ油類は、3歳未満の小児は服用しないこととされている。
  4. イブプロフェンは、12歳未満の小児は服用しないこととされている。
正解と解説
正解:C. ヒマシ油類は、3歳未満の小児は服用しないこととされている。

別表5-1では、ヒマシ油類は3歳未満の小児が対象とされている。アミノ安息香酸エチルは6歳未満の小児(メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため)、コデインリン酸塩水和物及びジヒドロコデインリン酸塩は12歳未満の小児(重篤な呼吸抑制があらわれるおそれがあるため)、イブプロフェンは15歳未満の小児(一般用医薬品では小児向けの製品はないため)である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問16|制限の理由

別表5-1の小児における年齢制限とその理由の組合せに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. プロメタジン塩酸塩等のプロメタジンを含む成分が15歳未満の小児に使用しないこととされているのは、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるためである。
  2. アミノ安息香酸エチルが6歳未満の小児に使用しないこととされているのは、外国においてライ症候群の発症との関連性が示唆されているためである。
  3. オキセサゼインが15歳未満の小児に使用しないこととされているのは、外国で乳幼児が過量摂取した場合に麻痺性イレウスを起こしたとの報告があるためである。
  4. アスピリンが15歳未満の小児に使用しないこととされているのは、外国においてライ症候群の発症との関連性が示唆されているためである。
正解と解説
正解:D. アスピリンが15歳未満の小児に使用しないこととされているのは、外国においてライ症候群の発症との関連性が示唆されているためである。

別表5-1では、アスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、サリチル酸ナトリウムについて、外国においてライ症候群の発症との関連性が示唆されているためとされている。プロメタジンを含む成分は、外国において乳児突然死症候群、乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制が現れたとの報告があるため。メトヘモグロビン血症はアミノ安息香酸エチル(6歳未満)の理由。麻痺性イレウス等の報告はロペラミドの理由であり、オキセサゼインは一般用医薬品では小児向けの製品はないためである。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問17|して×妊婦

別表5-1の妊婦等に関する「してはいけないこと」の記述として、誤っているものはどれか。

  1. 「出産予定日12週以内の妊婦」は、ヒマシ油類を服用しないこととされている。
  2. 「妊婦又は妊娠していると思われる人」は、エチニルエストラジオール、エストラジオールを使用しないこととされており、その理由は妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって胎児の先天性異常の発生が報告されているためである。
  3. 「妊婦又は妊娠していると思われる人」は、ジフェンヒドラミン塩酸塩を主薬とする催眠鎮静薬を服用しないこととされており、その理由は妊娠に伴う不眠は睡眠改善薬の適用症状でないためである。
  4. 「妊婦又は妊娠していると思われる人」は、オキセサゼインを服用しないこととされており、その理由は妊娠中における安全性は確立されていないためである。
正解と解説
正解:A. 「出産予定日12週以内の妊婦」は、ヒマシ油類を服用しないこととされている。

別表5-1では、「出産予定日12週以内の妊婦」に対応するのはアスピリン、アスピリンアルミニウム、イブプロフェンであり、理由は妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれがあるためとされている。ヒマシ油類は「妊婦又は妊娠していると思われる人」の欄に掲げられ、理由は腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがあるためである。他の3つは別表5-1の記載のとおりである。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問18|して×授乳

別表5-1の「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」とされる成分とその理由の組合せとして、正しいものはどれか。

  1. センノシド、センナ、ダイオウ又はカサントラノールが配合された内服薬 ─ 乳児に昏睡を起こすおそれがあるため
  2. ロートエキスが配合された内服薬 ─ 乳児に頻脈を起こすおそれがあるため
  3. ジフェンヒドラミン塩酸塩等のジフェンヒドラミンを含む成分が配合された内服薬 ─ 乳児に神経過敏を起こすことがあるため
  4. アミノフィリン水和物、テオフィリンが配合された鎮咳去痰薬 ─ 乳児に下痢を起こすおそれがあるため
正解と解説
正解:B. ロートエキスが配合された内服薬 ─ 乳児に頻脈を起こすおそれがあるため

別表5-1では、ロートエキスは乳児に頻脈を起こすおそれがあるため(なお授乳婦の乳汁分泌が抑制されることがある)とされている。センノシド、センナ、ダイオウ又はカサントラノールは乳児に下痢、ジフェンヒドラミンを含む成分は乳児に昏睡、アミノフィリン水和物・テオフィリンは乳児に神経過敏であり、選択肢1・3・4は理由が入れ替わっている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問19|運転操作

別表5-1の「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. ピレンゼピン塩酸塩水和物が配合された胃腸薬では、眠気を生じることがあるためこの記載がなされる。
  2. スコポラミン臭化水素酸塩水和物やメチルオクタトロピン臭化物では、眠気のみを生じることがあるためこの記載がなされる。
  3. ブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素が配合された解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬にはこの記載がなされる。
  4. ロペラミド塩酸塩やロートエキスが配合された止瀉薬には、この記載はなされない。
正解と解説
正解:C. ブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素が配合された解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬にはこの記載がなされる。

別表5-1では、解熱鎮痛薬、催眠鎮静薬のブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素にこの記載がなされるとされている。ピレンゼピン塩酸塩水和物は「目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがあるため」であり眠気ではない。スコポラミン臭化水素酸塩水和物やメチルオクタトロピン臭化物は「眠気、目のかすみ、異常なまぶしさを生じることがあるため」である。止瀉薬のロペラミド塩酸塩、ロートエキスも記載の対象として掲げられている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問20|連用の注意

別表5-1の連用に関する注意についての記述として、正しいものはどれか。

  1. 鼻炎用点鼻薬は、成分によらず「連用しないこと」とされており、その理由は感受性の低下(いわゆる「慣れ」)が生じるためである。
  2. 芍薬甘草湯は「1週間以上継続して服用しないこと」とされており、その理由は精神神経症状が現れたとの報告があるためである。
  3. ステロイド性抗炎症成分が配合された外用痔疾用薬は「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」とされており、その理由は偽アルドステロン症を生じるおそれがあるためである。
  4. 次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分が配合された止瀉薬は「1週間以上継続して服用しないこと」とされており、その理由は海外において長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるためである。
正解と解説
正解:D. 次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分が配合された止瀉薬は「1週間以上継続して服用しないこと」とされており、その理由は海外において長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるためである。

別表5-1では、ビスマスを含む成分について「1週間以上継続して服用しないこと」とされ、理由は海外において長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるためとされている。鼻炎用点鼻薬は「長期連用しないこと」で理由は二次充血、鼻づまり等(「慣れ」による記載は浣腸薬)。芍薬甘草湯は「症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないこと」で理由はうっ血性心不全、心室頻拍。ステロイド性抗炎症成分は「長期連用しないこと」で理由は副腎皮質の機能低下である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-1 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(してはいけないこと)

問21|相談×総論

添付文書の「相談すること」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 医師又は歯科医師の治療を受けている人が自己判断で要指導医薬品又は一般用医薬品を使用すると、治療の妨げとなったり、処方された薬剤と同種の有効成分の重複や相互作用等を生じることがあるため記載されている。
  2. 「次の診断を受けた人」は、現に医師の治療を受けている人に限って記載されることとされている。
  3. 「相談すること」には、それを守らないと症状が悪化する事項や、副作用又は事故等が起こりやすくなる事項について記載されている。
  4. 「次の症状がある人」には、その医薬品を使用することが適当でない症状のみが記載されるものであり、その医薬品では改善が期待できないにもかかわらず誤って使用してしまいやすい症状は含まれないこととされている。
正解と解説
正解:A. 医師又は歯科医師の治療を受けている人が自己判断で要指導医薬品又は一般用医薬品を使用すると、治療の妨げとなったり、処方された薬剤と同種の有効成分の重複や相互作用等を生じることがあるため記載されている。

手引きでは、医師又は歯科医師の治療を受けているときは何らかの薬剤の投与等の処置がなされており、自己判断での使用は治療の妨げや有効成分の重複、相互作用等を生じることがあるため、あらかじめ相談して使用の適否について判断を仰ぐべきとされている。「次の診断を受けた人」は現に医師の治療を受けているか否かによらず記載される。守らないと症状が悪化する事項等が記載されるのは「してはいけないこと」である。「次の症状がある人」には、その医薬品では改善が期待できないにもかかわらず誤って使用してしまいやすい症状も含まれる。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方(相談すること)

問22|相談×妊婦

「相談すること」の項における「妊婦又は妊娠していると思われる人」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. この項に記載される場合は、いずれもヒトにおける具体的な悪影響が判明しているものである。
  2. 妊婦における使用経験に関する科学的データが限られているため、安全性の評価が困難とされている場合も多いとされている。
  3. 既に妊娠が判明し、定期的な産科検診を受けている場合には、担当医師に相談する必要はないとされている。
  4. 妊婦については、胎児への影響を考慮した上で、一般の生活者の自己判断による医薬品の使用が広く推奨されている。
正解と解説
正解:B. 妊婦における使用経験に関する科学的データが限られているため、安全性の評価が困難とされている場合も多いとされている。

手引きでは、「してはいけないこと」の項で「次の人は使用(服用)しないこと」として記載されている場合と異なり、必ずしもヒトにおける具体的な悪影響が判明しているものでないが、妊婦における使用経験に関する科学的データが限られているため安全性の評価が困難とされている場合も多いとされている。また、一般の生活者の自己判断による医薬品の使用は最低限にとどめることが望ましく、既に妊娠が判明し定期的な産科検診を受けている場合には担当医師に相談するよう説明がなされる必要があるとされている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方(相談すること)

問23|高齢者

使用上の注意の記載における「高齢者」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. およその目安として75歳以上を指す。
  2. 65歳以上であれば、どの程度リスクが増大しているかを年齢のみから一概に判断することができる。
  3. 一般に高齢者では、加齢に伴い副作用等を生じるリスクが高まる傾向にあり、また、何らかの持病(基礎疾患)を抱えていること等も多い。
  4. 高齢者は副作用等のリスクが高いため、要指導医薬品及び一般用医薬品を使用してはならないこととされている。
正解と解説
正解:C. 一般に高齢者では、加齢に伴い副作用等を生じるリスクが高まる傾向にあり、また、何らかの持病(基礎疾患)を抱えていること等も多い。

手引きでは、使用上の注意の記載における「高齢者」とは、およその目安として65歳以上を指すとされている。一般に高齢者では加齢に伴い副作用等を生じるリスクが高まる傾向にあり、基礎疾患を抱えていることも多いが、65歳以上であってもリスクの程度を年齢のみから一概に判断することは難しく、専門家に相談しながら個々の状態に応じて使用の適否について慎重な判断がなされるべきであるとされており、使用が一律に禁じられているわけではない。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方(相談すること)

問24|授乳とアレ

「相談すること」の項における「授乳中の人」及び「薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 摂取した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られている場合は、必ず「してはいけないこと」の項に記載される。
  2. 「薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人」は、その医薬品を使用してアレルギー症状を起こしたことがある人のみが対象である。
  3. アレルギー体質の人は、一般にアレルギー性の副作用を生じるリスクが低いとされている。
  4. 「授乳中の人」は、「してはいけないこと」の項で「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」として記載するほどではない場合に記載される。
正解と解説
正解:D. 「授乳中の人」は、「してはいけないこと」の項で「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」として記載するほどではない場合に記載される。

手引きでは、授乳中の人について、摂取した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られているが、「してはいけないこと」の項で記載するほどではない場合に「相談すること」に記載されるとされている。また、その医薬品でアレルギー症状を起こしたことはなくても、他の医薬品でアレルギーの既往歴がある人やアレルギー体質の人は、一般にアレルギー性の副作用を生じるリスクが「高く」、使用の適否について慎重な判断がなされるべきであるとされている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方(相談すること)

問25|副作用記載

添付文書における副作用に関する記載についての記述として、正しいものはどれか。

  1. まず一般的な副作用について関係部位別に症状が記載され、そのあとに続けて、まれに発生する重篤な副作用について副作用名ごとに症状が記載される。
  2. 一般的な副作用として記載されている症状には、重篤な副作用の初期症状である可能性があるものは含まれない。
  3. 重篤な副作用は、入院を要しない程度の健康被害にとどまるものである。
  4. 薬理作用等から発現が予測される軽微な症状は、その持続又は増強がみられても、使用を中止する必要はないとされている。
正解と解説
正解:A. まず一般的な副作用について関係部位別に症状が記載され、そのあとに続けて、まれに発生する重篤な副作用について副作用名ごとに症状が記載される。

手引きでは、副作用について、i) まず一般的な副作用が関係部位別に記載され、そのあとに続けて ii) まれに発生する重篤な副作用が副作用名ごとに記載されるとされている。一般的な副作用として記載されている症状であっても、発疹や発赤などのように重篤な副作用の初期症状である可能性があるものも含まれている。重篤な副作用は入院相当以上の健康被害につながるおそれがあるものである。容認される軽微な症状であっても、持続又は増強がみられた場合には、いったん使用を中止した上で専門家に相談する旨が記載されている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方(相談すること)

問26|改善なし

一定期間又は一定回数使用したあとに症状の改善がみられない場合に関する記載についての記述として、正しいものはどれか。

  1. その医薬品の適用範囲でない疾患による症状であっても、医師の診療を受ける必要はないとされている。
  2. 漢方処方製剤で「長期連用する場合には専門家に相談する」旨の記載がないものは、短期の使用に限られるものである。
  3. 漢方処方製剤は、いずれも短期間の使用によって効果が得られるとされている。
  4. 一般用検査薬では、検査結果が陰性であれば、何らかの症状がある場合でも再検査や医師への相談は不要である旨が記載される。
正解と解説
正解:B. 漢方処方製剤で「長期連用する場合には専門家に相談する」旨の記載がないものは、短期の使用に限られるものである。

手引きでは、漢方処方製剤はある程度の期間継続して使用されることにより効果が得られるとされているものが多いが、長期連用する場合には専門家に相談する旨が記載されており、本記載がない漢方処方製剤は短期の使用に限られるものであるとされている。症状の改善がみられない場合は、その医薬品の適用範囲でない疾患や合併症の可能性等が考えられ、一般用医薬品で対処できる範囲を超えており医師の診療を受けることが必要な場合もある。一般用検査薬では、検査結果が陰性であっても何らかの症状がある場合は再検査するか又は医師に相談する旨等が記載される。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方(相談すること)

問27|相談×妊婦2

別表5-2の「妊婦又は妊娠していると思われる人」に関する成分等とその理由の組合せとして、正しいものはどれか。

  1. ブロモバレリル尿素が配合されたかぜ薬 ─ 吸収された成分の一部が胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られているため
  2. ビタミンA主薬製剤 ─ 腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがあるため
  3. アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェン等が配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬 ─ 妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため
  4. 浣腸薬、外用痔疾用薬(坐薬、注入軟膏) ─ 麻薬性鎮咳成分であり、吸収された成分の一部が血液-胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られており、胎児に影響を及ぼすおそれがあるため
正解と解説
正解:C. アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェン等が配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬 ─ 妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため

別表5-2では、解熱鎮痛成分が配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬について、妊娠末期のラットに投与した実験において胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるためとされている。ブロモバレリル尿素は胎児障害の可能性があり使用を避けることが望ましいため。ビタミンA主薬製剤は「妊娠3ヶ月以内の妊婦、妊娠していると思われる人又は妊娠を希望する人」の欄で、先天異常の発生率の増加が認められたとの研究報告があるため。浣腸薬・外用痔疾用薬は流産・早産を誘発するおそれがあるためであり、胎盤関門の通過はコデインリン酸塩水和物等の理由である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-2 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(相談すること)

問28|相談×高齢

別表5-2の「高齢者」に関する成分等とその理由の組合せとして、正しいものはどれか。

  1. グリセリンが配合された浣腸薬 ─ 偽アルドステロン症を生じやすいため
  2. スコポラミン臭化水素酸塩水和物等の抗コリン成分又はロートエキス ─ 心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいため
  3. グリチルリチン酸二カリウム、カンゾウが配合された内服薬 ─ 緑内障の悪化、口渇、排尿困難又は便秘の副作用が現れやすいため
  4. メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分又はマオウが配合された内服薬 ─ 心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいため
正解と解説
正解:D. メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分又はマオウが配合された内服薬 ─ 心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいため

別表5-2では、アドレナリン作動成分又はマオウについて、心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいためとされている。グリセリンが配合された浣腸薬は解熱鎮痛薬、鼻炎用内服薬とともに「効き目が強すぎたり、副作用が現れやすいため」。グリチルリチン酸を含む成分は偽アルドステロン症を生じやすいため。抗コリン成分又はロートエキスは緑内障の悪化、口渇、排尿困難又は便秘の副作用が現れやすいためであり、選択肢1〜3は理由が入れ替わっている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-2 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(相談すること)

問29|相談×疾患

別表5-2の「次の診断を受けた人」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. てんかんの診断を受けた人はジプロフィリンについて相談することとされており、その理由は中枢神経系の興奮作用により、てんかんの発作を引き起こすおそれがあるためである。
  2. 肝臓病の診断を受けた人は小柴胡湯について相談することとされており、その理由は肝機能障害を悪化させるおそれがあるためである。
  3. 甲状腺疾患の診断を受けた人はパパベリン塩酸塩について相談することとされており、その理由はヨウ素の体内摂取が増える可能性があるためである。
  4. 腎臓病の診断を受けた人はジプロフィリンについて相談することとされており、その理由は体内に貯留してアルミニウム脳症、アルミニウム骨症を生じるおそれがあるためである。
正解と解説
正解:A. てんかんの診断を受けた人はジプロフィリンについて相談することとされており、その理由は中枢神経系の興奮作用により、てんかんの発作を引き起こすおそれがあるためである。

別表5-2では、てんかんにジプロフィリンが掲げられ、理由は中枢神経系の興奮作用によりてんかんの発作を引き起こすおそれがあるためとされている。肝臓病の小柴胡湯の理由は間質性肺炎の副作用が現れやすいためである。甲状腺疾患に掲げられるのはポビドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素等のヨウ素系殺菌消毒成分が配合された口腔咽喉薬、含嗽薬であり、パパベリン塩酸塩は緑内障の欄に掲げられている。アルミニウム脳症、アルミニウム骨症は腎臓病におけるアルミニウムを含む成分の理由である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-2 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(相談すること)

問30|相談×疾患2

別表5-2の「次の診断を受けた人」等に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 緑内障の診断を受けた人はパパベリン塩酸塩について相談することとされており、その理由は眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがあるためである。
  2. 血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)はピペラジンリン酸塩等のピペラジンを含む成分について相談することとされており、その理由は生じた血栓が分解されにくくなるためである。
  3. 全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病の診断を受けた人はイブプロフェンについて相談することとされており、その理由は無菌性髄膜炎の副作用を起こしやすいためである。
  4. 胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病にかかったことのある人はイブプロフェンについて相談することとされており、その理由はプロスタグランジン産生抑制作用によって消化管粘膜の防御機能が低下し、再発するおそれがあるためである。
正解と解説
正解:B. 血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)はピペラジンリン酸塩等のピペラジンを含む成分について相談することとされており、その理由は生じた血栓が分解されにくくなるためである。

別表5-2では、血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)、血栓症を起こすおそれのある人に掲げられているのはトラネキサム酸(内服)及びセトラキサート塩酸塩であり、理由は生じた血栓が分解されにくくなるためとされている。ピペラジンを含む成分は貧血、肝臓病、腎臓病の欄に掲げられている。他の3つは別表5-2の記載のとおりである。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-2 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(相談すること)

問31|して×と相談

「してはいけないこと」と「相談すること」の区別に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 前立腺肥大による排尿困難の症状がある人は、プソイドエフェドリン塩酸塩について「相談すること」とされている。
  2. 15歳未満の小児に対するアスピリンの使用は、「相談すること」とされている。
  3. モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)で治療を受けている人は、プソイドエフェドリン塩酸塩について「相談すること」とされている。
  4. 透析療法を受けている人に対するアルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬の使用は、「相談すること」とされている。
正解と解説
正解:C. モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)で治療を受けている人は、プソイドエフェドリン塩酸塩について「相談すること」とされている。

別表5-2では、モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)で治療を受けている人にプソイドエフェドリン塩酸塩が掲げられ、理由は相互作用によって血圧を上昇させるおそれがあるためとされている。一方、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人へのプソイドエフェドリン塩酸塩、15歳未満の小児へのアスピリン、透析療法を受けている人へのアルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬は、いずれも別表5-1の「してはいけないこと」に掲げられている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 別表5-2 主な使用上の注意の記載とその対象成分・薬効群等(相談すること)

問32|外箱の記載

医薬品の外箱等への記載に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 添付文書がある医薬品の外箱等には、効能・効果や用法・用量は記載されるが、使用上の注意の内容が記載されることはない。
  2. 「次の人は使用(服用)しないこと」「次の部位には使用しないこと」等は、外箱等には記載されず、添付文書にのみ記載される。
  3. 医薬品によっては、添付文書の形ではなく、法第52条第2項の規定に基づく「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」等の記載を外箱等に行うことも認められているが、使用上の注意の内容については外箱等に記載することは認められていない。
  4. 添付文書は通常、外箱等に封入されていることから、購入者等が購入後に製品を開封して添付文書を見て初めて自分(又は家族)にとって適当な製品でなかったことが分かるといった事態等を防ぐため、使用上の注意の一部が外箱等にも記載されている。
正解と解説
正解:D. 添付文書は通常、外箱等に封入されていることから、購入者等が購入後に製品を開封して添付文書を見て初めて自分(又は家族)にとって適当な製品でなかったことが分かるといった事態等を防ぐため、使用上の注意の一部が外箱等にも記載されている。

手引きでは、医薬品の適切な選択に資する事項として、添付文書の内容のうち効能・効果、用法・用量、添加物として配合されている成分等のほか、使用上の注意の記載から「次の人は使用(服用)しないこと」「次の部位には使用しないこと」「授乳中は本剤を服用しないか本剤を服用する場合は授乳を避けること」「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」等が外箱等にも記載されるとされている。また、医薬品によっては添付文書の形でなく法第52条第2項の規定に基づく記載を外箱等に行っている場合がある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 2)製品表示の読み方

問33|使用期限

医薬品の使用期限の表示に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品においては、法的な表示義務はない。
  2. 表示された「使用期限」は、開封後であっても記載されている期日まで品質が保証される期限である。
  3. 配置販売される医薬品では、使用期限が「配置期限」として記載されることはない。
  4. 使用期限は法的な表示義務がないことから、外箱等に記載されることはほとんどない。
正解と解説
正解:A. 適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品においては、法的な表示義務はない。

手引きでは、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品においては法的な表示義務はないが、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっているとされている。配置販売される医薬品では「配置期限」として記載される場合がある。表示された使用期限は「未開封状態」で保管された場合に品質が保持される期限であり、いったん開封されたものについては記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 2)製品表示の読み方

問34|他の法令

法の規定による法定表示事項のほか、他の法令に基づいて製品表示がなされている事項に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 可燃性ガスを噴射剤としているエアゾール製品や消毒用アルコール等に対する「火気厳禁」等の注意事項は、高圧ガス保安法に基づくものである。
  2. エアゾール製品に対する「高温に注意」、使用ガスの名称等の注意事項は、高圧ガス保安法に基づくものである。
  3. 容器包装の識別表示(識別マーク)は、消防法に基づくものである。
  4. 消防法や高圧ガス保安法に基づく注意事項は容器への表示が義務づけられているが、添付文書に記載されることはない。
正解と解説
正解:B. エアゾール製品に対する「高温に注意」、使用ガスの名称等の注意事項は、高圧ガス保安法に基づくものである。

手引きでは、エアゾール製品に対する「高温に注意」、使用ガスの名称等の注意事項は高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)に基づくものとされている。「火気厳禁」等は消防法(昭和23年法律第186号)に基づくもので、容器包装の識別表示(識別マーク)は資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)に基づくものである。これらは法律上その容器への表示が義務づけられているが、添付文書においても「保管及び取扱い上の注意」として記載されるとされている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 2)製品表示の読み方

問35|添付文書必読

外箱等における「使用にあたって添付文書をよく読むこと」等の記載及び専門家への相談勧奨に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 「使用にあたって添付文書をよく読むこと」等の記載は、外箱等ではなく添付文書にのみなされることとされている。
  2. 専門家への相談勧奨に関する事項は、記載スペースが狭小な場合には、その記載が省略されることとされている。
  3. 「使用にあたって添付文書をよく読むこと」等の記載は、包装中に封入されている医薬品(内袋を含む)だけが取り出され、添付文書が読まれないといったことのないようになされている。
  4. 専門家への相談勧奨に関する事項は、症状、体質、年齢等からみて副作用による危険性が高い場合には記載されるが、医師又は歯科医師の治療を受けている人については記載されないこととされている。
正解と解説
正解:C. 「使用にあたって添付文書をよく読むこと」等の記載は、包装中に封入されている医薬品(内袋を含む)だけが取り出され、添付文書が読まれないといったことのないようになされている。

手引きでは、「使用にあたって添付文書をよく読むこと」等、添付文書の必読に関する事項は外箱等に記載され、その趣旨は包装中に封入されている医薬品(内袋を含む)だけが取り出され添付文書が読まれないといったことのないようにするためであるとされている。専門家への相談勧奨に関する事項は、症状、体質、年齢等からみて副作用による危険性が高い場合若しくは医師又は歯科医師の治療を受けている人であって一般使用者の判断のみで使用することが不適当な場合について記載され、記載スペースが狭小な場合には「使用が適さない場合があるので、使用前には必ず医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」等と記載される。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 2)製品表示の読み方

問36|外箱と保管

外箱等の記載に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤については、アルコールを含有する旨のみが外箱等に記載され、その分量については添付文書にも外箱等にも記載されることはないと考えられている。
  2. 外箱等には、有効成分は記載されるが、添加物として配合されている成分が記載されることは一切ない。
  3. 医薬品の保管に関する事項は添付文書にのみ記載され、その容器や包装に記載されることはない。
  4. 購入者によっては購入後すぐ開封せずにそのまま保管する場合や持ち歩く場合があるため、添付文書を見なくても適切な保管がなされるよう、その容器や包装にも保管に関する注意事項が記載されている。
正解と解説
正解:D. 購入者によっては購入後すぐ開封せずにそのまま保管する場合や持ち歩く場合があるため、添付文書を見なくても適切な保管がなされるよう、その容器や包装にも保管に関する注意事項が記載されている。

手引きでは、「保管及び取扱い上の注意」の項のうち医薬品の保管に関する事項が外箱等にも記載されるとされ、その理由として購入後すぐ開封せずに保管する場合や持ち歩く場合があることが挙げられている。1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、例えば「アルコール含有○○mL以下」のように、アルコールを含有する旨及びその分量が記載される。添加物として配合されている成分も外箱等に記載される事項として挙げられている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 2)製品表示の読み方

問37|保管条件

医薬品の保管条件に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. シロップ剤などは変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされている。
  2. 錠剤、カプセル剤、散剤等については、湿気を防ぐため冷蔵庫内で保管することが望ましいとされている。
  3. 医薬品は、凍結させても変質したり効力が減弱したりすることはない。
  4. 家庭における誤飲事故等を避けるため、医薬品は食品と同じ場所にまとめて保管することが重要である。
正解と解説
正解:A. シロップ剤などは変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされている。

手引きでは、医薬品は適切な保管がなされないと化学変化や雑菌の繁殖等を生じることがあり、特にシロップ剤などは変質しやすいため開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされている。一方、錠剤、カプセル剤、散剤等では取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため冷蔵庫内での保管は不適当である。また、凍結すると変質したり効力が減弱する場合があること、誤飲事故等を避けるため医薬品は食品と「区別して」誰にも分かるように保管されることが重要であるとされている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方 ⑩保管及び取扱い上の注意

問38|小児と容器

「小児の手の届かないところに保管すること」及び「他の容器に入れ替えないこと」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 小児の目につくところであっても、まだ手が届かない場所であれば、医薬品を置いても差し支えない。
  2. 医薬品を旅行や勤め先等へ携行するために別の容器へ移し替えると、日時が経過して中身がどんな医薬品であったか分からなくなってしまうことがあり、誤用の原因となるおそれがある。
  3. 医薬品を別の容器へ移し替えた場合であっても、その移し替えた容器が湿っていたり汚れていたりしなければ、医薬品としての適切な品質は保持されるため、特に問題はない。
  4. 小児が容易に手に取れる場所(病人の枕元など)や、まだ手が届かないと思っても小児の目につくところに医薬品が置かれていた場合の誤飲事故は、これまでに報告されたことがない。
正解と解説
正解:B. 医薬品を旅行や勤め先等へ携行するために別の容器へ移し替えると、日時が経過して中身がどんな医薬品であったか分からなくなってしまうことがあり、誤用の原因となるおそれがある。

手引きでは、別の容器へ移し替えると中身がどんな医薬品であったか分からなくなってしまうことがあり誤用の原因となるおそれがあること、また移し替えた容器が湿っていたり汚れていたりした場合には医薬品として適切な品質が保持できなくなるおそれがあることが理由とされている。また、小児が容易に手に取れる場所(病人の枕元など)、又はまだ手が届かないと思っても小児の目につくところに医薬品が置かれていた場合に誤飲事故が多く報告されているとされている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方 ⑩保管及び取扱い上の注意

問39|共用しない

「保管及び取扱い上の注意」に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 「他の人と共用しないこと」は、点眼薬に限らず、すべての医薬品に記載されることとされている。
  2. 点眼薬について「他の人と共用しないこと」とされているのは、複数の使用者間で使い回されると薬液が早く減ってしまい、必要なときに使用することができなくなるおそれがあるためであると考えられている。
  3. 点眼薬について「他の人と共用しないこと」とされているのは、複数の使用者間で使い回されると、万一、使用に際して薬液に細菌汚染があった場合に、別の使用者に感染するおそれがあるためである。
  4. 「保管及び取扱い上の注意」は、添付文書の「使用上の注意」の項の中に含まれる項目である。
正解と解説
正解:C. 点眼薬について「他の人と共用しないこと」とされているのは、複数の使用者間で使い回されると、万一、使用に際して薬液に細菌汚染があった場合に、別の使用者に感染するおそれがあるためである。

手引きでは、点眼薬では複数の使用者間で使い回されると、万一、使用に際して薬液に細菌汚染があった場合に別の使用者に感染するおそれがあるため「他の人と共用しないこと」が記載されるとされている。これは「その他」として点眼薬を例に挙げたものであり、すべての医薬品に記載されるものではない。また「保管及び取扱い上の注意」は、添付文書の記載の⑩に当たる独立した項目であり、⑤「使用上の注意」とは別の項目である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方 ⑩保管及び取扱い上の注意

問40|表示の活用

製品表示情報の活用に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 添付文書や外箱表示については、その記載内容が改訂された場合、改訂が反映された製品がただちに製造販売業者から流通して購入者等の目に触れるようになるため、改訂前の記載のままの製品が市場に残ることはなく、購入者等が改訂前の古い情報に接するおそれもないものと考えられている。
  2. 添付文書情報が事前に閲覧できる環境が整っていない場合であっても、外箱等の製品表示から読み取れる適正使用情報をあえて活用する必要はなく、購入後に添付文書を読めば足りる。
  3. 添付文書に「使用上の注意」として記載される内容を、配合成分等の記載から読み取ることは全くできない。
  4. 要指導医薬品並びに一般用医薬品のリスク区分のうち第一類医薬品及び第二類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるものであり、これらリスク区分に分類されている旨が製品表示から容易に判別できることに意義があるとされている。
正解と解説
正解:D. 要指導医薬品並びに一般用医薬品のリスク区分のうち第一類医薬品及び第二類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるものであり、これらリスク区分に分類されている旨が製品表示から容易に判別できることに意義があるとされている。

手引きでは、第一類医薬品及び第二類医薬品はその副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるものであり、リスク区分に分類されている旨が製品表示から容易に判別できることによって、必要な注意事項に自ずと関心が向けられるとされている。添付文書や外箱表示の改訂が反映された製品が流通し購入者等の目に触れるまでには一定の期間を要する。添付文書情報が事前に閲覧できない場合には、製品表示から読み取れる適正使用情報の活用が一層重要となる。使用上の注意の内容は配合成分等の記載からある程度読み取ることも可能であるとされている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第5章 Ⅰ 医薬品の適正使用情報 2)製品表示の読み方

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※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 出題は厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。試験は都道府県ごとに実施され、日程・合格基準の細部は都道府県により異なります。最新の情報は各都道府県の公表をご確認ください。