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滋養強壮・漢方・衛生・検査

講義 3 本・確認問題 30 問 | 本試験では「第3章 主な医薬品」(40問)の一部 | 最終更新 2026-09-24

この章で学ぶこと
目次
  1. 滋養強壮保健薬
  2. 漢方処方製剤・生薬製剤の考え方
  3. 公衆衛生用薬と一般用検査薬
  4. 確認問題(30問)
  5. 演習ツール

1. 滋養強壮保健薬

医薬品として扱われる保健薬の範囲と、各ビタミン・カルシウム・アミノ酸成分・生薬の働きや注意(特にビタミンAと妊婦)を区別できるようになります。

滋養強壮保健薬は、体調不良を生じやすい状態や体質の改善、特定の栄養素の不足による症状の改善又は予防等を目的として、ビタミン成分、カルシウム、アミノ酸、生薬成分等が配合された医薬品である。同様にビタミン等の補給を目的とするものとして医薬部外品の保健薬があるが、その効能・効果の範囲は滋養強壮、虚弱体質の改善、病中・病後の栄養補給等に限定されている。神経痛、筋肉痛、関節痛、しみ・そばかす等のような特定部位の症状に対する効能・効果は、医薬品においてのみ認められている。また、カシュウ、ゴオウ、ゴミシ、ジオウ、ロクジョウ等の生薬成分や、1日最大量が既定値を超えるビタミン成分も、医薬品としてのみ認められている。

1種類以上のビタミンを主薬とし、そのビタミンの有効性が期待される症状及びその補給に用いられることを目的とする内服薬を、ビタミン主薬製剤(いわゆるビタミン剤)という。ビタミンは「微量で体内の代謝に重要な働きを担うにもかかわらず、生体が自ら産生することができない、又は産生されても不十分であるため外部から摂取する必要がある化合物」と定義され、微量でビタミンと同様に働く又はビタミンの働きを助ける化合物はビタミン様物質と呼ばれる。ビタミン成分等は、多く摂取したからといって適用となっている症状の改善が早まるものではなく、むしろ脂溶性ビタミンでは、過剰摂取により過剰症を生じるおそれがある。

ビタミンAは、夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素で、レチノール酢酸エステル、肝油等が主薬とされ、目の乾燥感、夜盲症(とり目)の症状の緩和等に用いられる。一般用医薬品におけるビタミンAの1日分量は4000国際単位が上限となっているが、妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間にビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児において先天異常の割合が上昇したとの報告があり、妊娠3ヶ月以内の妊婦、妊娠していると思われる女性及び妊娠を希望する女性では、医薬品以外からのビタミンAの摂取を含め、過剰摂取に留意する必要がある(なお、野菜類のβ-カロテンは必要な分だけがビタミンAに転換されるため、過剰摂取につながる心配はないとされる)。ビタミンDは、腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して骨の形成を助ける栄養素で、エルゴカルシフェロール又はコレカルシフェロールが主薬とされ、くる病の予防等に用いられる。過剰症として高カルシウム血症、異常石灰化が知られており、高カルシウム血症は自覚症状がないこともあるが、初期症状として便秘、吐きけ、嘔吐、腹痛、食欲減退、多尿等が現れる。ビタミンEは、体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける栄養素で、血流を改善させる作用もあり、トコフェロール等が主薬とされる。下垂体や副腎系に作用してホルモン分泌の調節に関与するとされ、ときに生理が早く来たり、経血量が多くなったりすることがある。これは一時的なものであるが、出血が長く続く場合には他の原因による不正出血も考えられるため、医療機関の受診が必要である。

ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用があり、腸管運動を促進する働きもある。チアミン塩化物塩酸塩等が主薬とされ、神経痛、筋肉痛・関節痛、眼精疲労、脚気等に用いられる。ビタミンB2は、脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ栄養素で、リボフラビン酪酸エステル等が主薬とされ、口角炎、口内炎、にきび等に用いられる。摂取により尿が黄色くなることがある。ビタミンB6は、タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素で、ピリドキシン塩酸塩等が主薬とされる。ビタミンB12は、赤血球の形成を助け、神経機能を正常に保つために重要な栄養素で、シアノコバラミン等としてビタミン主薬製剤や貧血用薬等に配合される。ビタミンCは、体内の脂質を酸化から守る作用(抗酸化作用)を示し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ栄養素で、メラニンの産生を抑える働きもあるとされ、アスコルビン酸等が主薬とされ、しみ、そばかす等に用いられる。このほか、皮膚や粘膜などの機能維持を助ける栄養素として、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビオチン等が配合されている場合がある。

カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素で、筋肉の収縮、血液凝固、神経機能にも関与する。過剰症として高カルシウム血症が知られ、カルシウムを含む成分は胃腸薬等にも配合されているため、併用による過剰摂取に留意する。システインは髪や爪、肌などに存在するアミノ酸の一種で、皮膚におけるメラニンの生成を抑え、メラニンの排出を促す働きのほか、肝臓においてアセトアルデヒドの代謝を促す働きがあるとされる。アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、筋肉や脳、心臓、目、神経等、体のあらゆる部分に存在し、細胞の機能が正常に働くために重要な物質で、肝臓機能を改善する働きがあるとされる。アスパラギン酸ナトリウムは、エネルギーの産生効率を高め、骨格筋に溜まった乳酸の分解を促す等の働きを期待して用いられる。ヘスペリジンはビタミン様物質のひとつでビタミンCの吸収を助け、コンドロイチン硫酸は軟骨組織の主成分で軟骨成分を形成及び修復する働きがあるとされる。グルクロノラクトンは、肝臓の働きを助け、肝血流を促進する働きがあり、全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合される。ガンマ-オリザノールは、米油及び米胚芽油から見出された抗酸化作用を示す成分である。

生薬成分では、ニンジン、ジオウ、トウキ、センキュウが既定値以上配合されている生薬主薬保健薬に、虚弱体質、肉体疲労、病中病後のほか、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症における滋養強壮の効能が認められている。ニンジンはウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根等を基原とする生薬で(根を蒸したものはコウジンとも呼ばれる)、神経系の興奮や副腎皮質の機能亢進等の作用により、外界からのストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高めるとされる。インヨウカクやハンピ(ニホンマムシ等の皮及び内臓を取り除いたもの)は強壮、血行促進、強精等の作用を期待して用いられ、ヨクイニン(イネ科のハトムギの種皮を除いた種子)は肌荒れやいぼに用いられる。そのほか強壮作用を期待してタイソウ、ゴミシ、サンシュユ、サンヤク、オウギ等が配合される場合がある。数種類の生薬をアルコールで抽出した薬用酒も滋養強壮に用いられるが、血行を促進させる作用があるため手術や出産の直後等で出血しやすい人では使用を避け、アルコールを含有するため服用後は乗り物又は機械類の運転操作等を避ける。滋養強壮に用いられる漢方処方製剤には十全大補湯、補中益気湯があり、いずれも構成生薬としてカンゾウを含む。滋養強壮保健薬は、1ヶ月位服用しても症状の改善がみられない場合には、栄養素の不足以外の要因が考えられるため、漫然と使用を継続せず、症状によっては医療機関を受診する等、適切な対処が図られることが重要である。

主なビタミンの働きと注意(手引き 第3章ⅩⅢ)
ビタミン主な働き注意など
A夜間視力の維持、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ1日分量の上限4000国際単位。妊娠3ヶ月以内の妊婦・妊娠を希望する女性等は過剰摂取に留意
D腸管でのカルシウム吸収・尿細管での再吸収を促し骨の形成を助ける過剰症として高カルシウム血症、異常石灰化
E脂質を酸化から守り細胞の活動を助ける。血流改善作用ホルモン分泌の調節に関与し、生理が早く来ることがある
B1炭水化物からのエネルギー産生に不可欠。神経の正常な働きの維持、腸管運動の促進脚気、神経痛、眼精疲労等に用いられる
B2脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ摂取により尿が黄色くなることがある
B6タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持口角炎、口内炎、手足のしびれ等に用いられる
B12赤血球の形成を助け、神経機能を正常に保つ貧血用薬等にも配合される
C抗酸化作用。皮膚や粘膜の機能を正常に保つ。メラニン産生を抑えるしみ・そばかす、歯ぐきからの出血・鼻血の予防等に用いられる

用語

ビタミン主薬製剤
1種類以上のビタミンを主薬とし、そのビタミンの有効性が期待される症状及びその補給に用いられることを目的とする内服薬。いわゆるビタミン剤のこと。
ビタミン様物質
不足した場合に欠乏症を生じるかどうか明らかにされていないが、微量でビタミンと同様に働く又はビタミンの働きを助ける化合物。ヘスペリジンはそのひとつでビタミンCの吸収を助けるとされる。
高カルシウム血症
血液中のカルシウム濃度が非常に高くなった状態。ビタミンDやカルシウムの過剰症として知られる。自覚症状がないこともあるが、初期症状として便秘、吐きけ、嘔吐、腹痛、食欲減退、多尿等が現れる。
くる病
ビタミンDの代謝障害によって、カルシウムやリンの吸収が進まなくなるために起こる乳幼児の骨格異常。ビタミンD主薬製剤はその予防等に用いられる。

例題

例題:妊娠を希望する女性がビタミンA主薬製剤を求めてきた。留意すべきことは。
答えと考え方 手引きでは、妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間にビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児で先天異常の割合が上昇したとの報告があり、妊娠3ヶ月以内の妊婦、妊娠していると思われる女性及び妊娠を希望する女性では、医薬品以外からの摂取を含め過剰摂取に留意する必要があるとされている。
例題:滋養強壮保健薬を多めに服用すれば早く効くと考えてよいか。
答えと考え方 手引きでは、多く摂取したからといって適用となっている症状の改善が早まるものではなく、滋養強壮の効果が高まるものでもないとされ、脂溶性ビタミンではむしろ過剰摂取により過剰症を生じるおそれがあるとされている。

出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

2. 漢方処方製剤・生薬製剤の考え方

漢方医学の基本(証・しばり)と、カンゾウ・マオウ・ダイオウを含む代表的な処方(防風通聖散・大柴胡湯・黄連解毒湯・防已黄耆湯・清上防風湯)の適応と注意を区別できるようになります。

漢方医学は、古来に中国から伝わり、日本において発展してきた日本の伝統医学である。漢方薬は漢方医学で用いる薬剤全体を広く表現する言葉で、基本的に生薬を組み合わせて構成された漢方処方に基づく漢方処方製剤(漢方方剤)として存在する。現代中国の中医学に基づく薬剤は中薬、韓国の韓医学で用いられる薬剤は韓方薬と呼ばれ、いずれも漢方薬とは明らかに別物である。漢方処方は、処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきもので、使用する人の体質や症状その他の状態に適した処方を既成の処方の中から選択して用いられる。なお、漢方医学の考え方に基づかない、生薬を使用した日本の伝統薬も存在し、漢方処方製剤と合わせて生薬製剤と呼ばれる。

漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」(虚実、陰陽、気血水、五臓など)に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。一般用漢方処方の効能効果では、「証」という専門用語を避け、「しばり」(使用制限)として記載されている。虚実の概念では、実の病態には「体力が充実して」、中間の病態には「体力中等度で」、虚の病態には「体力虚弱で」、虚実に関わらず幅広く用いられるものには「体力に関わらず」と表現される。陰陽では、「陽」の病態は「のぼせぎみで顔色が赤く」などの熱症状、「陰」の病態は「疲れやすく冷えやすいものの」などの寒性の症状で表現される。証に合った処方が選択されれば効果が期待できるが、合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなる。

一般の生活者においては「漢方薬はすべからく作用が穏やかで、副作用が少ない」などという誤った認識がなされていることがあるが、漢方処方製剤においても間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがあり、証に適さない処方が使用されたために症状の悪化や副作用を引き起こす場合もある。漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされている。また、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1ヶ月位)継続して服用されることがある。処方によっては服用によりまれに症状が進行することがあるものもあり、一定期間使用した後も専門家に相談する等、症状の経過や副作用の発現に留意する。

構成生薬としてカンゾウ又はマオウを含む漢方処方、ダイオウを含む漢方処方には、それぞれ共通する留意点がある。この節の処方では、防已黄耆湯・清上防風湯はカンゾウを、大柴胡湯はダイオウを、防風通聖散はカンゾウ・マオウ・ダイオウの3つすべてを構成生薬として含む。また、肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤(防已黄耆湯、防風通聖散、大柴胡湯)は、どのような肥満症にも適すわけではない。基本的に肥満症には、糖質や脂質を多く含む食品の過度の摂取を控える、日常生活に適度な運動を取り入れる等、生活習慣の改善が図られることが重要である。

黄連解毒湯は、体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎に適すとされるが、体の虚弱な人では不向きとされる。まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られ、鼻出血、二日酔いに用いられる場合には、5〜6回使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談する。防已黄耆湯は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(水ぶとり)に適すとされる。まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症が起こることが知られている。防風通聖散は、体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では不向きとされる。小児に対する適用はなく、他の瀉下薬との併用は避ける。まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られ、便秘に用いられる場合には1週間位使用しても改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談する。

大柴胡湯は、体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人では不向きとされる。まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎が起こることが知られ、常習便秘、高血圧に伴う便秘に用いられる場合には1週間位使用しても改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談する。清上防風湯は、体力中等度以上で、赤ら顔で、ときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻(酒さ)に適すとされるが、胃腸の弱い人では食欲不振、胃部不快感の副作用が現れやすく不向きとされる。まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られ、服用によりまれに症状が進行することもある。

相互作用として、漢方処方を構成する生薬には複数の処方で共通しているものもあり、同じ生薬を含む漢方処方製剤が併用された場合、作用が強く現れたり、副作用を生じやすくなるおそれがある。漢方処方はそれ自体が一つの有効成分として独立したものであり、自己判断によってみだりに生薬成分が追加摂取された場合、生薬の構成が乱れて処方が成立しなくなるおそれもある。小柴胡湯とインターフェロン製剤の相互作用のように、医療用医薬品との相互作用も知られている。また、生薬成分は医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ食品(ハーブ等)として流通することが可能なものもある。生薬製剤は、生薬成分を組み合わせて配合された医薬品で、漢方処方製剤のように使用する人の体質等に適した配合を選択するという考え方に基づくものではなく、個々の有効成分(生薬成分)の薬理作用を主に考えて相加的に配合された、西洋医学的な基調の上に立つものであり、定まった処方というものはない。代表的な生薬成分として、ブシ(心筋の収縮力を高めて血液循環を改善。プロスタグランジンを抑えないため胃腸障害等の副作用は示さない。生のままでは毒性が高いため減毒加工して用いる)、カッコン(解熱、鎮痙)、サイコ(抗炎症、鎮痛)、ボウフウ(発汗、解熱、鎮痛、鎮痙)、ショウマ(発汗、解熱、解毒、消炎)、ブクリョウ(利尿、健胃、鎮静)、レンギョウ(鎮痛、抗菌)、サンザシ(健胃、消化促進)等がある。

代表的な漢方処方製剤とカンゾウ・マオウ・ダイオウの有無(手引き 第3章ⅩⅢ・ⅩⅣ)
処方名カンゾウ/マオウ/ダイオウ適する人注意
黄連解毒湯記載なし体力中等度以上。のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向(鼻出血・不眠症・二日酔い等)体の虚弱な人は不向き。鼻出血・二日酔いは5〜6回で改善なければ中止し相談
防已黄耆湯カンゾウ体力中等度以下。疲れやすく汗のかきやすい傾向(肥満症・水ぶとり、多汗症等)まれに肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症
防風通聖散カンゾウ・マオウ・ダイオウ体力充実して腹部に皮下脂肪が多く便秘がち(高血圧や肥満に伴う諸症状、肥満症等)小児に適用なし。他の瀉下薬との併用は避ける。便秘は1週間位で改善なければ中止し相談
大柴胡湯ダイオウ体力が充実して脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく便秘の傾向(胃炎・常習便秘・肥満症等)胃腸が弱く下痢しやすい人は不向き。便秘は1週間位で改善なければ中止し相談
清上防風湯カンゾウ体力中等度以上。赤ら顔でときにのぼせ(にきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻)胃腸の弱い人は不向き。まれに症状が進行することもある
十全大補湯カンゾウ体力虚弱なものの病後・術後の体力低下、疲労倦怠等胃腸の弱い人は不向き。まれに肝機能障害
補中益気湯カンゾウ体力虚弱で元気がなく、胃腸の働きが衰えて疲れやすいものまれに間質性肺炎、肝機能障害

用語

証
漢方独自の病態認識で、虚実、陰陽、気血水、五臓などがある。証に基づいて漢方薬を用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要とされる。
しばり
一般用漢方処方の効能効果において、「証」という専門用語を避けて記載される使用制限のこと。実の病態は「体力が充実して」、虚の病態は「体力虚弱で」などと表現される。
間質性肺炎
漢方処方製剤でも起きることがある重篤な副作用のひとつ。黄連解毒湯、防已黄耆湯、防風通聖散、大柴胡湯等で、まれに重篤な副作用として起こることが知られている。
生薬製剤
生薬成分を組み合わせて配合された医薬品で、個々の生薬成分の薬理作用を主に考えて相加的に配合された、西洋医学的な基調の上に立つもの。漢方処方製剤と異なり、定まった処方というものはない。

例題

例題:「漢方薬は副作用がないから安心」と言う購入者にどう説明するか。
答えと考え方 手引きでは、漢方処方製剤においても間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがあり、証に適さない処方が使用されたために症状の悪化や副作用を引き起こす場合もあるとされている。誤った考えで使用することを避けられるよう、積極的な情報提供を行う。
例題:防風通聖散と便秘薬(瀉下薬)を一緒に使ってよいか。
答えと考え方 手引きでは、防風通聖散を使用するときには他の瀉下薬との併用は避けることとされている。防風通聖散は構成生薬としてダイオウを含む。

出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

3. 公衆衛生用薬と一般用検査薬

消毒薬の特徴と誤用時の応急処置、殺虫剤の作用機序の分類、忌避剤の注意、一般用検査薬(偽陰性・偽陽性、尿検査、妊娠検査薬)の考え方が分かるようになります。

殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らすために行われる処置であり、滅菌は物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することである。消毒薬が微生物を死滅させる仕組み及び効果は、殺菌消毒成分の種類、濃度、温度、時間、消毒対象物の汚染度、微生物の種類や状態などによって異なる。手指又は皮膚の殺菌・消毒を目的とする消毒薬のうち、配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品は医薬部外品として流通が認められているが、器具等の殺菌・消毒を併せて目的とする製品は医薬品としてのみ製造販売されている。

クレゾール石ケン液は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用はない。刺激性が強いため原液が直接皮膚に付着しないようにし、付着した場合には直ちに石けん水と水で洗い流す。エタノール、イソプロパノールは、アルコール分が微生物のタンパク質を変性させることにより、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。ただし、イソプロパノールのウイルスに対する不活性効果はエタノールよりも低い。脱脂による肌荒れを起こしやすく、粘膜刺激性があり、粘膜面や目の周り、傷がある部分への使用は避ける。揮発性で引火しやすい点にも注意する。次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などの塩素系殺菌消毒成分は、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、皮膚刺激性が強いため通常人体の消毒には用いられない。金属腐食性があり、プラスチックやゴム製品を劣化させ、漂白作用があるため色・柄物等への使用は避ける。酸性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するため、混ざらないように注意する。吐瀉物や血液等がこぼれたときの殺菌消毒にも適しているが、有機物の影響を受けやすいので対象物を洗浄した後に使用した方が効果的である。ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等の有機塩素系殺菌消毒成分は、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。

消毒薬の誤用・事故等による中毒への対処は、基本的に応急処置の後、すみやかに医療機関に受診する。誤って飲み込んだ場合は、通常は牛乳など(卵白水や小麦粉を水で溶いたものでもよい)を飲ませるが、手元に何もないときはまず水を飲ませる。中毒物質の消化管からの吸収を遅らせ、粘膜を保護するために、誤飲してから数分以内に行う。原末や濃厚液を誤って飲み込んだ場合には、自己判断で安易に吐き出させることは避ける。誤って目に入った場合は、顔を横に向けて上から水を流すなどにより、流水で十分に(15分間以上)洗眼する。水流が強いと目に障害を起こすことがある。酸やアルカリが目に入った場合は早期に十分な水洗が重要で、特にアルカリ性物質の場合には念入りに水洗する。酸をアルカリで中和したり、アルカリを酸で中和するといった処置は、熱を発生して刺激をかえって強め、状態が悪化するおそれがあるため適切ではない。誤って皮膚に付着した場合は、流水をかけながら着衣を取り、石けんを用いて流水で15分間以上水洗し、中和剤は用いない。誤って吸入し、意識がない場合は新鮮な空気の所へ運び出し、人工呼吸などをする。

衛生害虫(ハエ、蚊、ゴキブリ、シラミ、トコジラミ、ノミ、イエダニ、ツツガムシ等)の防除を目的とする殺虫剤・忌避剤は、医薬品又は医薬部外品として法による規制の対象とされている。殺虫剤使用に当たっては、殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるため、同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していくことが望ましい。有機リン系殺虫成分(ジクロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン等)の殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合してその働きを阻害することによる。ほ乳類や鳥類では速やかに分解されて排泄されるため毒性は比較的低いが、高濃度又は多量に曝露した場合には神経の異常な興奮が起こり、縮瞳、呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れるおそれがあり、直ちに医師の診断を受ける必要がある。ピレスロイド系殺虫成分(ペルメトリン、フェノトリン、フタルスリン等)は除虫菊の成分から開発され、比較的速やかに自然分解して残効性が低いため家庭用殺虫剤に広く用いられる。殺虫作用は神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害することによる。フェノトリンは、殺虫成分で唯一人体に直接適用されるものである(シラミの駆除を目的とする製品の場合)。カーバメイト系殺虫成分(プロポクスル等)とオキサジアゾール系殺虫成分(メトキサジアゾン等)は、有機リン系と同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示すが、その結合は可逆的で、ピレスロイド系に抵抗性を示す害虫の駆除に用いられる。有機塩素系殺虫成分は残留性や体内蓄積性の問題から、現在ではオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除の目的で使用されているのみである。昆虫成長阻害成分のうちメトプレンやピリプロキシフェンは幼若ホルモンに類似した作用により幼虫が蛹になるのを妨げる(蛹にならない不完全変態の昆虫やダニには無効)。ジフルベンズロンは脱皮時の新しい外殻の形成を阻害する。

忌避剤は人体に直接使用されるが、虫さされによる痒みや腫れなどの症状を和らげる効果はない。ディートは最も効果的で効果の持続性も高いとされるが、外国において動物実験で神経毒性が示唆されているため、ディートを含有する忌避剤は生後6ヶ月未満の乳児への使用を避けることとされている。生後6ヶ月から12歳未満までの小児については、顔面への使用を避け、1日の使用限度(6ヶ月以上2歳未満は1日1回、2歳以上12歳未満は1日1〜3回)を守って使用する。イカリジンは、年齢による使用制限がない忌避成分で、蚊やマダニなどに対して効果を発揮する。スプレー剤を顔面に使用する場合は、いったん手のひらに噴霧してから塗布し、直接顔面に噴霧しない。

専ら疾病の診断に使用されることが目的とされる医薬品のうち、人体に直接使用されることのないものを体外診断用医薬品といい、一般用検査薬は薬局又は医薬品の販売業(店舗販売業、配置販売業)において取り扱うことが認められている。検体は尿、糞便、鼻汁、唾液、涙液など採取に際して侵襲のないものであり、悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に関係するものは一般用検査薬の対象外である。検出反応が起こるための最低限の濃度を検出感度(検出限界)という。検体中に対象物質が存在しているにもかかわらず、その濃度が検出感度以下であったり、検出反応を妨害する他の物質の影響等によって検査結果が陰性となった場合を偽陰性という。逆に、検体中に存在していないにもかかわらず、検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって検査結果が陽性となった場合を偽陽性という。いかなる検査薬においても偽陰性・偽陽性を完全に排除することは困難である。

尿糖・尿タンパク検査では、採尿のタイミングが重要である。尿糖検査の場合は食後1〜2時間等、検査薬の使用方法に従って採尿する。尿タンパクの場合は原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動の直後は避ける。尿糖・尿タンパク同時検査の場合は早朝尿を検体とし、尿糖が検出された場合には食後の尿について改めて検査して判断する。出始めの尿では尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物が混入することがあるため、中間尿を採取して検査することが望ましい。採取した尿は放置すると雑菌の繁殖等により検査結果に影響を与えるおそれがあるため、なるべく速やかに検査する。通常、尿は弱酸性であるが、食事その他の影響で中性〜弱アルカリ性に傾くと正確な検査結果が得られなくなることがある。検査結果をもって直ちに疾患の有無や種類を判断することはできず、陽性の場合には早期に医師の診断を受け、陰性でも何らかの症状がある場合は再検査又は受診する。

妊娠が成立すると、胎児(受精卵)を取り巻く絨毛細胞からヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)が分泌され始め、やがて尿中に検出されるようになる。妊娠検査薬は尿中のhCGの有無を調べるもので、通常、実際に妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度を検出感度としている。一般的な妊娠検査薬は、月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されており、それよりも早い時期に検査して陰性の結果が出たとしても、妊娠していないのか、hCGが検出感度に達していないことによる偽陰性なのか判別できない。検体としては早朝尿が向いているが、尿が濃すぎるとかえって正確な結果が得られないこともある。hCGの検出反応は抗体や酵素を用いた反応であるため温度の影響を受けることがあり、室温が極端に高いか低い場合にも正確な結果が得られないことがある。絨毛細胞が腫瘍化している場合や、経口避妊薬・更年期障害治療薬などのホルモン剤を使用している人、閉経期に入っている人では、妊娠していなくても陽性となることがある。妊娠検査薬は妊娠の早期判定の補助であり、その結果をもって直ちに妊娠しているか否かを断定することはできず、確定診断には専門医による問診や超音波検査などが必要である。検査結果が陰性で月経の遅れが著しい場合には、偽陰性の可能性のほか続発性無月経等の病気のおそれもあり、医療機関の受診が必要である。

消毒薬・殺虫剤・忌避剤の分類と特徴(手引き 第3章ⅩⅤ)
区分成分・分類対象・作用特徴・注意
消毒薬クレゾール石ケン液結核菌を含む一般細菌類、真菌類大部分のウイルスには殺菌消毒作用がない。原液の皮膚付着に注意
消毒薬エタノール・イソプロパノール結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスイソプロパノールのウイルス不活性効果はエタノールより低い。粘膜刺激性・引火性
消毒薬次亜塩素酸ナトリウム等(塩素系)一般細菌類、真菌類、ウイルス全般皮膚刺激性が強く人体には用いない。金属腐食・漂白作用。酸性洗剤と混ぜると塩素ガス発生
消毒薬ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等(有機塩素系)プール等の大型設備塩素臭・刺激性・金属腐食性が比較的抑えられている
殺虫剤有機リン系(ジクロルボス等)アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合し阻害高濃度曝露で縮瞳・呼吸困難・筋肉麻痺のおそれ
殺虫剤ピレスロイド系(ペルメトリン、フェノトリン等)神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害残効性が低い。フェノトリンは唯一人体に直接適用される殺虫成分
殺虫剤カーバメイト系・オキサジアゾール系アセチルコリンエステラーゼを可逆的に阻害ピレスロイド系に抵抗性を示す害虫の駆除に用いる
殺虫剤昆虫成長阻害成分(メトプレン等)昆虫の脱皮や変態を阻害メトプレン等は不完全変態の昆虫やダニには無効
忌避剤ディート/イカリジン衛生害虫が人体に取り付いて吸血・病原体を媒介するのを防止ディートは生後6ヶ月未満に使用を避ける。イカリジンは年齢による使用制限がない

用語

滅菌
物質中のすべての微生物を殺滅又は除去すること。生存する微生物の数を減らすために行われる殺菌・消毒とは区別される。
検出感度(検出限界)
検査薬において検出反応が起こるための最低限の濃度。検出感度を鋭敏にしようとすると非特異的な反応が起こりやすくなり、偽陽性を生じる可能性が高くなる。
偽陰性
検体中に対象物質が存在しているにもかかわらず、その濃度が検出感度以下であったり、検出反応を妨害する他の物質の影響等によって、検査結果が陰性となった場合をいう。
偽陽性
検体中に対象物質が存在していないにもかかわらず、検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって、検査結果が陽性となった場合をいう。
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)
妊娠が成立すると胎児(受精卵)を取り巻く絨毛細胞から分泌され始めるホルモン。妊娠検査薬は尿中のhCGの有無を調べるものである。

例題

例題:家庭で消毒薬を誤って飲み込んでしまった場合の応急処置は。
答えと考え方 手引きでは、通常は牛乳などを飲ませるが、手元に何もないときはまず水を飲ませ、誤飲してから数分以内に行うとされている。原末や濃厚液の場合は自己判断で安易に吐き出させることは避け、応急処置の後はすみやかに医療機関に受診する。
例題:月経予定日の前に妊娠検査薬を使ってもよいか。
答えと考え方 手引きでは、一般的な妊娠検査薬は月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されており、早い時期に検査して陰性でも、妊娠していないのか偽陰性なのか判別できないとされている。

出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅤ 公衆衛生用薬・ⅩⅥ 一般用検査薬

確認問題(30問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|ビタミンA

ビタミンAの働きに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける。
  2. 夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。
  3. 炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、腸管運動を促進する働きもある。
  4. 赤血球の形成を助け、神経機能を正常に保つために重要な栄養素である。
正解と解説
正解:B. 夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。

手引きでは、ビタミンAは夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素とされ、目の乾燥感、夜盲症(とり目)の症状の緩和等に用いられる。腸管でのカルシウム吸収等を促し骨の形成を助けるのはビタミンD、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠で腸管運動を促進するのはビタミンB1、赤血球の形成を助け神経機能を正常に保つのはビタミンB12の説明である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問2|ビタミンAと妊婦

ビタミンAの過剰摂取に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 一般用医薬品におけるビタミンAの1日分量は、10000国際単位が上限となっている。
  2. 野菜類に含まれるβ-カロテンは、摂取した全量がそのまま体内でビタミンAに転換されるため、医薬品以外の食品からの摂取であっても過剰摂取につながりやすい。
  3. 妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間にビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児において、先天異常の割合が上昇したとの報告がある。
  4. 妊娠3ヶ月以内の妊婦や妊娠を希望する女性は、医薬品からのビタミンAの摂取にのみ留意すればよく、医薬品以外の食品等からの摂取については考慮しなくてよい。
正解と解説
正解:C. 妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間にビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児において、先天異常の割合が上昇したとの報告がある。

手引きでは、妊娠3ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間にビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児で先天異常の割合が上昇したとの報告があるとされている。一般用医薬品の1日分量の上限は4000国際単位である。β-カロテンは必要な分だけがビタミンAに転換されるため過剰摂取につながる心配はないとされる。妊娠3ヶ月以内の妊婦、妊娠していると思われる女性及び妊娠を希望する女性では、医薬品以外からの摂取を含めて過剰摂取に留意する必要がある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問3|ビタミンD

ビタミンDに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素である。
  2. ビタミンD主薬製剤は、エルゴカルシフェロール又はコレカルシフェロールが主薬として配合され、くる病の予防等に用いられる。
  3. ビタミンDの過剰症としては、高カルシウム血症、異常石灰化が知られている。
  4. 高カルシウム血症では、初期から必ず自覚症状が現れる。
正解と解説
正解:D. 高カルシウム血症では、初期から必ず自覚症状が現れる。

手引きでは、高カルシウム血症は血液中のカルシウム濃度が非常に高くなった状態で、自覚症状がないこともあるとされており、「必ず自覚症状が現れる」は誤り。初期症状としては便秘、吐きけ、嘔吐、腹痛、食欲減退、多尿等が現れる。他の3つは手引きの記述どおりで、ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収及び尿細管での再吸収を促して骨の形成を助け、過剰症として高カルシウム血症、異常石灰化が知られている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問4|ビタミンE

ビタミンEに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける栄養素であり、血流を改善させる作用もある。
  2. 摂取により、尿が黄色くなることがある。
  3. タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素で、神経痛に用いられる。
  4. メラニンの産生を抑える働きがあるとされ、しみ、そばかすの症状の緩和に用いられる栄養素である。
正解と解説
正解:A. 体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける栄養素であり、血流を改善させる作用もある。

手引きでは、ビタミンEは体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける栄養素で、血流を改善させる作用もあるとされている。また下垂体や副腎系に作用してホルモン分泌の調節に関与するとされ、ときに生理が早く来ることがある。尿が黄色くなることがあるのはビタミンB2、タンパク質の代謝に関与するのはビタミンB6、メラニンの産生を抑える働きがありしみ・そばかすに用いられるのはビタミンCの説明である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問5|ビタミンB1

ビタミンB1に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素で、目の充血や口内炎の緩和に用いられる。
  2. 炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用があり、腸管運動を促進する働きもある。
  3. 体内の脂質を酸化から守る抗酸化作用を示し、しみ・そばかすの緩和や歯ぐきからの出血・鼻血の予防に用いられる栄養素である。
  4. 腸管でのカルシウム吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素である。
正解と解説
正解:B. 炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用があり、腸管運動を促進する働きもある。

手引きでは、ビタミンB1は炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用があり、腸管運動を促進する働きもあるとされ、脚気や神経痛、眼精疲労等に用いられる。脂質の代謝に関与するのはビタミンB2、抗酸化作用を示し歯ぐきからの出血・鼻血の予防に用いられるのはビタミンC、腸管でのカルシウム吸収を促し骨の形成を助けるのはビタミンDの説明である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問6|ビタミンB2・B6

ビタミンB2及びビタミンB6に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. ビタミンB2は、タンパク質の代謝に関与する栄養素である。
  2. ビタミンB6は、脂質の代謝に関与する重要な栄養素である。
  3. ビタミンB2の摂取により、尿が黄色くなることがある。
  4. ビタミンB6主薬製剤は、目の乾燥感、夜盲症の症状の緩和に用いられる。
正解と解説
正解:C. ビタミンB2の摂取により、尿が黄色くなることがある。

手引きでは、ビタミンB2の摂取により尿が黄色くなることがあるとされている。ビタミンB2は脂質の代謝に関与し、ビタミンB6はタンパク質の代謝に関与する栄養素であり、最初の2つの選択肢は対応が逆である。目の乾燥感、夜盲症の症状の緩和に用いられるのはビタミンA主薬製剤で、ビタミンB6主薬製剤は口角炎、口内炎、手足のしびれ等の症状の緩和に用いられる。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問7|ビタミンB12・C

ビタミンB12及びビタミンCに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ビタミンB12は、赤血球の形成を助け、神経機能を正常に保つために重要な栄養素である。
  2. ビタミンB12は、シアノコバラミン等として、ビタミン主薬製剤や貧血用薬等に配合されている。
  3. ビタミンCは、体内の脂質を酸化から守る作用(抗酸化作用)を示し、メラニンの産生を抑える働きもあるとされる。
  4. ビタミンCの過剰症としては、高カルシウム血症が知られている。
正解と解説
正解:D. ビタミンCの過剰症としては、高カルシウム血症が知られている。

手引きで過剰症として高カルシウム血症が知られているとされているのはビタミンDやカルシウムであり、ビタミンCの過剰症としてこのような記述はないため誤り。ビタミンB12は赤血球の形成を助け、神経機能を正常に保つ栄養素で、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン塩酸塩等としてビタミン主薬製剤や貧血用薬等に配合される。ビタミンCは抗酸化作用を示し、メラニンの産生を抑える働きもあるとされる。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問8|カルシウム等

滋養強壮保健薬に配合されるカルシウム及びアミノ酸成分等に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、筋肉や脳、心臓、目、神経等、体のあらゆる部分に存在し、細胞の機能が正常に働くために重要な物質である。
  2. グルクロノラクトンは、髪や爪、肌などに存在するアミノ酸の一種で、皮膚におけるメラニンの生成を抑えるとともに、肝臓においてアルコールの分解を促す働きがある。
  3. システインは、軟骨組織の主成分で、軟骨成分を形成及び修復する働きがあるとされ、関節痛や肩こりの緩和を目的として配合される。
  4. カルシウムの過剰症としては、乳幼児の骨格異常であるくる病が知られている。
正解と解説
正解:A. アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、筋肉や脳、心臓、目、神経等、体のあらゆる部分に存在し、細胞の機能が正常に働くために重要な物質である。

手引きでは、アミノエチルスルホン酸(タウリン)は体のあらゆる部分に存在し、細胞の機能が正常に働くために重要な物質で、肝臓機能を改善する働きがあるとされている。髪や爪、肌などに存在するアミノ酸の一種はシステイン、軟骨組織の主成分はコンドロイチン硫酸であり、グルクロノラクトンは肝臓の働きを助け肝血流を促進する成分である。カルシウムの過剰症は高カルシウム血症であり、くる病はビタミンDの代謝障害による乳幼児の骨格異常である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問9|強壮の生薬

滋養強壮保健薬に配合される生薬成分等に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. ニンジンは、ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根等を基原とする生薬で、外界からのストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高めるとされる。
  2. ヨクイニンは、ニホンマムシ等の皮及び内臓を取り除いたものを基原とする生薬で、強壮、血行促進、強精(性機能の亢進)等の作用を期待して用いられる。
  3. ハンピは、イネ科のハトムギの種皮を除いた種子を基原とする生薬で、肌荒れやいぼに用いられる。
  4. 薬用酒は、血行を促進させる作用があることから、手術や出産の直後等で出血しやすい人にも適しており、滋養強壮を目的として広く用いられている。
正解と解説
正解:A. ニンジンは、ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根等を基原とする生薬で、外界からのストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高めるとされる。

手引きでは、ニンジンはウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根又はこれを軽く湯通ししたものを基原とする生薬で、神経系の興奮や副腎皮質の機能亢進等の作用により、ストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高めるとされている。ニホンマムシ等を基原とするのはハンピ、ハトムギの種子を基原とし肌荒れやいぼに用いられるのはヨクイニンで、対応が逆である。薬用酒は血行を促進させる作用があることから、手術や出産の直後等で出血しやすい人では使用を避ける必要がある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問10|保健薬の範囲

医薬品として扱われる保健薬に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 医薬部外品の保健薬の効能・効果の範囲は、滋養強壮、虚弱体質の改善、病中・病後の栄養補給等に限定されているものである。
  2. 神経痛、筋肉痛、関節痛、しみ・そばかす等のような特定部位の症状に対する効能・効果は、医薬部外品の保健薬にも認められている。
  3. カシュウ、ゴオウ、ゴミシ、ジオウ、ロクジョウ等の生薬成分は、医薬品においてのみ配合が認められているものである。
  4. ビタミン成分の1日最大量が既定値を超えるものは、医薬品としてのみ認められている。
正解と解説
正解:B. 神経痛、筋肉痛、関節痛、しみ・そばかす等のような特定部位の症状に対する効能・効果は、医薬部外品の保健薬にも認められている。

手引きでは、神経痛、筋肉痛、関節痛、しみ・そばかす等のような特定部位の症状に対する効能・効果は、医薬品においてのみ認められているとされており、医薬部外品にも認められるとするのは誤り。医薬部外品の保健薬の効能・効果は滋養強壮、虚弱体質の改善、病中・病後の栄養補給等に限定され、カシュウ、ゴオウ等の生薬成分や1日最大量が既定値を超えるビタミン成分は医薬品においてのみ認められている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅢ 滋養強壮保健薬

問11|漢方と証

漢方処方製剤の基本的な考え方に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 漢方薬はすべからく作用が穏やかで、重篤な副作用が起きることはない。
  2. 現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤(中薬)も、韓国の韓方薬と同様に漢方薬に含まれるものである。
  3. 患者の証に合わない漢方処方が選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなる。
  4. 漢方処方は、それを構成する個々の生薬成分の薬理作用を相加的に組み合わせたものとして捉えるべきものである。
正解と解説
正解:C. 患者の証に合わない漢方処方が選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなる。

手引きでは、証に合った漢方処方が選択されれば効果が期待できるが、合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなるとされている。漢方処方製剤においても間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがある。中医学に基づく中薬は漢方薬とは明らかに別物である。漢方処方は処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきもので、個々の生薬成分の薬理作用を相加的に配合したものは生薬製剤の説明である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問12|しばりの表現

一般用漢方処方の効能効果に記載される「しばり」(使用制限)に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 実の病態が適応となるものには、証として「体力虚弱で」と表現される。
  2. 虚実に関わらず幅広く用いられるものについては、「体力に関わらず」と表現される。
  3. 「陰」の病態を適応とするものは、「のぼせぎみで顔色が赤く」などの熱症状として表現される。
  4. 一般用漢方処方の効能効果には、「証」という漢方の専門用語をそのまま使用することとされている。
正解と解説
正解:B. 虚実に関わらず幅広く用いられるものについては、「体力に関わらず」と表現される。

手引きでは、虚実に関わらず幅広く用いられるものについては「体力に関わらず」と表現されるとされている。実の病態が適応となるものには「体力が充実して」、虚の病態には「体力虚弱で」と表現される。「のぼせぎみで顔色が赤く」などの熱症状として表現されるのは「陽」の病態で、「陰」の病態は「疲れやすく冷えやすいものの」などの寒性の症状で示される。効能効果の表現では「証」という専門用語の使用を避け、「しばり」として記載が行われている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問13|漢方の使い方

漢方処方製剤の使用に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 漢方処方製剤は、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1ヶ月位)継続して服用されることがある。
  2. 漢方処方製剤によっては、服用によりまれに症状が進行することがあるものもある。
  3. 証に適さない漢方処方製剤が使用されたために、症状の悪化や副作用を引き起こす場合もある。
  4. 用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合は、生後3ヶ月未満の乳児にも使用することができる。
正解と解説
正解:D. 用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合は、生後3ヶ月未満の乳児にも使用することができる。

手引きでは、漢方処方製剤は用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされており、「使用することができる」は誤り。他の3つは手引きの記述どおりで、体質の改善を主眼とするものが多く比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがあること、まれに症状が進行することがあるものもあること、証に適さない処方により症状の悪化や副作用を引き起こす場合があることが述べられている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問14|漢方の相互作用

漢方処方製剤・生薬製剤の相互作用に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 同じ生薬を含む漢方処方製剤が併用された場合であっても、その作用が強く現れたり副作用を生じやすくなったりすることはない。
  2. 自己判断によってみだりに生薬成分が追加摂取された場合、生薬の構成が乱れて処方が成立しなくなるおそれがある。
  3. 小柴胡湯とインターフェロン製剤の相互作用のような、医療用医薬品との間の相互作用は知られていない。
  4. 生薬成分が食品(ハーブ等)として流通することはない。
正解と解説
正解:B. 自己判断によってみだりに生薬成分が追加摂取された場合、生薬の構成が乱れて処方が成立しなくなるおそれがある。

手引きでは、漢方処方はそれ自体が一つの有効成分として独立したものであり、自己判断によってみだりに生薬成分が追加摂取された場合、生薬の構成が乱れて処方が成立しなくなるおそれがあるとされている。同じ生薬を含む漢方処方製剤が併用されると作用が強く現れたり副作用を生じやすくなるおそれがあり、小柴胡湯とインターフェロン製剤のように医療用医薬品との相互作用も知られている。生薬成分は、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ食品(ハーブ等)として流通することが可能なものもある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問15|防風通聖散

防風通聖散に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、肥満症等に適すとされる。
  2. 構成生薬としてカンゾウ、マオウ、ダイオウを含む漢方処方製剤である。
  3. 小児に対する適用があり、他の瀉下薬と併用することができる。
  4. まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られている。
正解と解説
正解:C. 小児に対する適用があり、他の瀉下薬と併用することができる。

手引きでは、防風通聖散は小児に対する適用はなく、また本剤を使用するときには他の瀉下薬との併用は避けることとされており、この選択肢は誤り。防風通聖散は体力充実して腹部に皮下脂肪が多く便秘がちなものの肥満症等に適すとされ、構成生薬としてカンゾウ、マオウ、ダイオウを含み、まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られている。便秘に用いる場合は1週間位で改善がなければいったん中止して専門家に相談する。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問16|大柴胡湯

大柴胡湯に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 体力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ等に適すとされる。
  2. 構成生薬としてマオウを含む漢方処方製剤である。
  3. 常習便秘に用いる場合、1週間位使用して症状の改善がみられなくても、漫然と3ヶ月間は継続して服用することとされている。
  4. 体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘等に適すとされる。
正解と解説
正解:D. 体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘等に適すとされる。

手引きでは、大柴胡湯は体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされている。体力虚弱で元気がなく胃腸の働きが衰えて疲れやすいものに適すとされるのは補中益気湯である。大柴胡湯が構成生薬として含むとされているのはマオウではなくダイオウである。常習便秘に用いる場合は漫然と長期の使用を避け、1週間位使用しても改善がみられないときはいったん中止して専門家に相談する。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問17|防已黄耆湯

防已黄耆湯に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ、むくみ、便秘、肥満症に適すとされる。
  2. 構成生薬としてダイオウを含み、便秘の傾向があるものに用いられる漢方処方製剤である。
  3. 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(水ぶとり)に適すとされる。
  4. 重篤な副作用は知られておらず、肝機能障害や間質性肺炎を生じることはない。
正解と解説
正解:C. 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(水ぶとり)に適すとされる。

手引きでは、防已黄耆湯は体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適すとされている。体力充実して腹部に皮下脂肪が多く便秘がちなものに適すとされるのは防風通聖散である。防已黄耆湯が構成生薬として含むとされているのはダイオウではなくカンゾウである。まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症が起こることが知られている。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問18|構成生薬

手引きにおいて、構成生薬としてカンゾウ、マオウ及びダイオウのすべてを含むとされている漢方処方製剤はどれか。

  1. 黄連解毒湯
  2. 防已黄耆湯
  3. 大柴胡湯
  4. 防風通聖散
正解と解説
正解:D. 防風通聖散

手引きでは、防風通聖散は構成生薬としてカンゾウ、マオウ、ダイオウを含むとされている。防已黄耆湯はカンゾウを、大柴胡湯はダイオウを含むとされているが、3つすべてを含むとはされていない。黄連解毒湯については、カンゾウ・マオウ・ダイオウを含む旨の記載はない。カンゾウ、マオウ、ダイオウを含む処方には、それぞれ共通する留意点があるため、構成生薬の重複にも注意が必要である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問19|清上防風湯

清上防風湯に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 胃腸の弱い人に最も適すとされる。
  2. 体力中等度以上で、赤ら顔で、ときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻(酒さ)に適すとされる。
  3. 構成生薬としてカンゾウを含む。
  4. まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られている。
正解と解説
正解:A. 胃腸の弱い人に最も適すとされる。

手引きでは、清上防風湯は胃腸の弱い人では食欲不振、胃部不快感の副作用が現れやすい等、不向きとされており、「最も適す」は誤り。清上防風湯は体力中等度以上で、赤ら顔で、ときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻(酒さ)に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られ、服用によりまれに症状が進行することもある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問20|黄連解毒湯

黄連解毒湯に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(水ぶとり)に適すとされる。
  2. 体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、二日酔い等に適すとされる。
  3. 鼻出血や二日酔いに用いる場合、5〜6回使用して症状の改善がみられなくても、漫然と1ヶ月間は継続して使用することとされている。
  4. 体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)に最も適すとされる。
正解と解説
正解:B. 体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、二日酔い等に適すとされる。

手引きでは、黄連解毒湯は体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い等に適すとされている。体力中等度以下で疲れやすく汗のかきやすい傾向があるものに適すとされるのは防已黄耆湯である。鼻出血、二日酔いに用いられる場合には、漫然と長期の使用は避け、5〜6回使用しても症状の改善がみられないときはいったん使用を中止して専門家に相談する。体の虚弱な人では不向きとされる。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤

問21|偽陰性

一般用検査薬における偽陰性に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 検体中に対象物質が存在しているにもかかわらず、その濃度が検出感度以下であったり、検出反応を妨害する他の物質の影響等によって、検査結果が陰性となった場合を偽陰性という。
  2. 検体中に対象物質が存在していないにもかかわらず、検出反応を妨害する他の物質の影響等によって検査対象外の物質と非特異的な反応が起こり、検査結果が陽性となった場合を偽陰性という。
  3. 検査薬を添付文書どおりに適切に用いれば、偽陰性や偽陽性を完全に排除することができるとされており、判定を誤ることはない。
  4. 検出反応が起こるための最低限の濃度を偽陰性といい、これを検出感度とは区別している。
正解と解説
正解:A. 検体中に対象物質が存在しているにもかかわらず、その濃度が検出感度以下であったり、検出反応を妨害する他の物質の影響等によって、検査結果が陰性となった場合を偽陰性という。

手引きでは、検体中に存在しているにもかかわらず、その濃度が検出感度以下であったり、検出反応を妨害する他の物質の影響等によって、検査結果が陰性となった場合を偽陰性というとされている。検体中に存在していないのに陽性となるのは偽陽性であり、逆の説明である。いかなる検査薬においても偽陰性・偽陽性を完全に排除することは困難とされている。検出反応が起こるための最低限の濃度は検出感度(検出限界)という。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅥ 一般用検査薬

問22|偽陽性と感度

一般用検査薬の検出感度及び偽陽性に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 偽陽性とは、検体中の対象物質の濃度が検出感度以下であるために、検査結果が陰性となることをいう。
  2. 検査薬が高温になる場所に放置されたり、冷蔵庫内に保管されていたりした場合であっても、設計どおりの検出感度に影響が及ぶことはなく、正確に判定できる。
  3. 検体中に対象物質が存在していないにもかかわらず、検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって検査結果が陽性となった場合を偽陽性という。
  4. 一般用検査薬は、悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断にも用いることができるものとされており、その対象から除かれていない。
正解と解説
正解:C. 検体中に対象物質が存在していないにもかかわらず、検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって検査結果が陽性となった場合を偽陽性という。

手引きでは、検体中に存在していないにもかかわらず、検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって検査結果が陽性となった場合を偽陽性というとされている。対象物質の濃度が検出感度以下で陰性となるのは偽陰性の説明である。検査薬が高温になる場所に放置されたり、冷蔵庫内に保管されていたりすると、設計どおりの検出感度を発揮できなくなるおそれがある。悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に関係するものは一般用検査薬の対象外である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅥ 一般用検査薬

問23|採尿の時期

尿糖・尿タンパク検査薬の採尿のタイミングに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 尿糖検査の場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、食後の尿は用いない。
  2. 尿タンパク検査の場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動の直後は避ける必要がある。
  3. 尿糖・尿タンパク同時検査で尿糖が検出された場合には、改めて検査することなく、その結果をもって疾患の有無を判断できる。
  4. 採尿は、激しい運動の直後に行うことが望ましい。
正解と解説
正解:B. 尿タンパク検査の場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動の直後は避ける必要がある。

手引きでは、尿タンパクの場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動の直後は避ける必要があるとされている。尿糖検査の場合は食後1〜2時間等、検査薬の使用方法に従って採尿を行う。尿糖・尿タンパク同時検査では早朝尿を検体とし、尿糖が検出された場合には食後の尿について改めて検査して判断する必要がある。また、検査結果をもって直ちに疾患の有無や種類を判断することはできない。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅥ 一般用検査薬

問24|中間尿

尿糖・尿タンパク検査薬の採尿の仕方等に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物を洗い流すことができるため、中間尿ではなく出始めの尿を採取して検査することが望ましい。
  2. 採取した尿は、雑菌の繁殖を抑えるため、半日程度放置してから検査することが望ましく、採尿後すぐに検査を行う必要はない。
  3. 検査薬を長い間尿に浸しておくことで、より正確な検査結果が得られる。
  4. 出始めの尿では、尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物が混入することがあるため、中間尿を採取して検査することが望ましい。
正解と解説
正解:D. 出始めの尿では、尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物が混入することがあるため、中間尿を採取して検査することが望ましい。

手引きでは、出始めの尿では、尿道や外陰部等に付着した細菌や分泌物が混入することがあるため、中間尿を採取して検査することが望ましいとされている。採取した尿を放置すると雑菌の繁殖等によって尿中の成分の分解が進み、検査結果に影響を与えるおそれがあるので、なるべく採尿後速やかに検査する。また、長い間尿に浸していると検出成分が溶け出して正確な検査結果が得られなくなることがある。なお、通常尿は弱酸性であるが、食事その他の影響で中性〜弱アルカリ性に傾くと正確な検査結果が得られなくなることがある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅥ 一般用検査薬

問25|妊娠検査の時期

妊娠検査薬の検査の時期に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 一般的な妊娠検査薬は、月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されている。
  2. 一般的な妊娠検査薬は、月経予定日の1週間前からの検査が推奨されている。
  3. 推奨される時期より早く検査した場合であっても、陰性であれば妊娠していないと断定できる。
  4. 妊娠検査薬の検査結果をもって、直ちに妊娠の確定診断とすることができる。
正解と解説
正解:A. 一般的な妊娠検査薬は、月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されている。

手引きでは、一般的な妊娠検査薬は月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されているとされている。それよりも早い時期に検査して陰性の結果が出たとしても、妊娠していないこと(単なる月経の遅れ)を意味するのか、実際には妊娠していて尿中hCGが検出感度に達していないことによる偽陰性であるのか判別できない。また、妊娠検査薬は妊娠の早期判定の補助であり、確定診断には専門医による問診や超音波検査などの結果から総合的に見極める必要がある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅥ 一般用検査薬

問26|妊娠検査薬

妊娠検査薬の検査結果に影響を与える要因に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 妊娠検査薬は、通常、実際に妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度を検出感度としている。
  2. 検体としては早朝尿(起床直後の尿)が向いているが、尿が濃すぎると、かえって正確な結果が得られないこともある。
  3. 経口避妊薬や更年期障害治療薬などのホルモン剤を使用している人では、妊娠していなくても尿中hCGが検出されることがある。
  4. 検査操作を行う場所の室温が、検査結果に影響を与えることはない。
正解と解説
正解:D. 検査操作を行う場所の室温が、検査結果に影響を与えることはない。

手引きでは、尿中hCGの検出反応は、hCGと特異的に反応する抗体や酵素を用いた反応であるため温度の影響を受けることがあり、検査操作を行う場所の室温が極端に高いか、又は低い場合にも正確な検査結果が得られないことがあるとされており、「影響を与えることはない」は誤り。他の3つは手引きの記述どおりで、検出感度は妊娠成立から4週目前後の尿中hCG濃度であり、早朝尿が向いているが濃すぎる尿には注意が必要で、ホルモン剤の使用者や閉経期の人では妊娠していなくても陽性となることがある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅥ 一般用検査薬

問27|消毒薬の誤飲

消毒薬を誤って飲み込んだ場合の応急処置に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 中毒物質の吸収を遅らせるため、誤飲から数時間経過した後に牛乳などを飲ませる。
  2. 通常は牛乳などを飲ませるが、手元に何もないときはまず水を飲ませる。
  3. 原末や濃厚液を誤って飲み込んだ場合には、直ちに吐き出させる。
  4. 応急処置を行えば、医療機関を受診する必要はない。
正解と解説
正解:B. 通常は牛乳などを飲ませるが、手元に何もないときはまず水を飲ませる。

手引きでは、一般的な家庭における応急処置として、通常は牛乳など(卵白水や小麦粉を水で溶いたものでもよい)を飲ませるが、手元に何もないときはまず水を飲ませるとされている。中毒物質の消化管からの吸収を遅らせ、粘膜を保護するために誤飲してから数分以内に行うものであり、数時間後では遅い。原末や濃厚液を誤って飲み込んだ場合には、自己判断で安易に吐き出させることは避ける。また、基本的に応急処置の後は、すみやかに医療機関に受診するなどの対応が必要である。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅤ 公衆衛生用薬

問28|目に入った時

消毒薬が誤って目に入った場合の応急処置に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 酸が目に入った場合は、水洗する前にアルカリで中和する処置を行うことが適切である。
  2. 洗眼にあたっては、付着した汚染物をすばやく洗い流すために、水流をできるだけ強くして洗眼することが望ましいと考えられている。
  3. 顔を横に向けて上から水を流すか、水道水の場合には弱い流れの水で洗うなどにより、流水で十分に(15分間以上)洗眼する。
  4. アルカリ性物質が目に入った場合は、刺激が少なく組織への影響も小さいため、水洗は簡単に済ませてよいものである。
正解と解説
正解:C. 顔を横に向けて上から水を流すか、水道水の場合には弱い流れの水で洗うなどにより、流水で十分に(15分間以上)洗眼する。

手引きでは、顔を横に向けて上から水を流すか、水道水の場合には弱い流れの水で洗うなどにより、流水で十分に(15分間以上)洗眼するとされている。水流が強いと目に障害を起こすことがある。酸をアルカリで中和したり、アルカリを酸で中和するといった処置は、熱を発生して刺激をかえって強め、状態が悪化するおそれがあるため適切ではない。酸やアルカリが目に入った場合は早期に十分な水洗がされることが重要であり、特にアルカリ性物質の場合には念入りに水洗する。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅤ 公衆衛生用薬

問29|有機リン系

有機リン系殺虫成分に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合してその働きを阻害することによる。
  2. 殺虫作用は、アセチルコリンエステラーゼとは結合せず、神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害することによるものである。
  3. 殺虫作用は、昆虫の脱皮や変態を阻害することによるものである。
  4. ほ乳類に対する毒性が極めて高く、体内で速やかに分解されて排泄されることもないため、現在では使用されていない。
正解と解説
正解:A. 殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合してその働きを阻害することによる。

手引きでは、有機リン系殺虫成分(ジクロルボス、ダイアジノン等)の殺虫作用は、アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合してその働きを阻害することによるとされている。神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害するのはピレスロイド系殺虫成分、昆虫の脱皮や変態を阻害するのは昆虫成長阻害成分の説明である。有機リン系殺虫成分は、ほ乳類や鳥類では速やかに分解されて排泄されるため毒性は比較的低いが、高濃度又は多量に曝露した場合には縮瞳、呼吸困難、筋肉麻痺等が現れるおそれがあり、直ちに医師の診断を受ける必要がある。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅤ 公衆衛生用薬

問30|殺虫剤の機序

殺虫成分の作用機序等に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ピレスロイド系殺虫成分は、除虫菊の成分から開発された成分で、比較的速やかに自然分解して残効性が低いという特徴があると考えられている。
  2. フェノトリンは、殺虫成分のうちで唯一人体に直接適用されるものである(シラミの駆除を目的とする製品の場合)。
  3. カーバメイト系殺虫成分は、有機リン系殺虫成分と同様に、アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合してその働きを阻害する。
  4. ピレスロイド系殺虫成分の殺虫作用は、神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害することによるものである。
正解と解説
正解:C. カーバメイト系殺虫成分は、有機リン系殺虫成分と同様に、アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合してその働きを阻害する。

手引きでは、カーバメイト系殺虫成分(プロポクスル等)やオキサジアゾール系殺虫成分は、有機リン系殺虫成分と同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示すが、有機リン系殺虫成分と異なり、その結合は可逆的であるとされており、「不可逆的」は誤り。ピレスロイド系殺虫成分は除虫菊の成分から開発され、残効性が低く、神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害する。フェノトリンは殺虫成分で唯一人体に直接適用されるものである。

根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅤ 公衆衛生用薬

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※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 出題は厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。試験は都道府県ごとに実施され、日程・合格基準の細部は都道府県により異なります。最新の情報は各都道府県の公表をご確認ください。