登録販売者 REGISTERED SALES CLERK
皮膚・歯や口中・禁煙
講義 3 本・確認問題 25 問 | 本試験では「第3章 主な医薬品」(40問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- きず口の殺菌消毒成分の効き目の範囲と、ステロイド性・非ステロイド性抗炎症成分の使用上の注意(長期連用・広範囲・化膿部位・光線過敏症)を区別できるようになります。
- きず口の保護・保湿成分、にきびの抗菌成分、みずむしの抗真菌成分と剤形の選び方、頭皮・毛根に作用する成分、温感・冷感刺激成分を整理します。
- 歯痛薬・歯槽膿漏薬・口内炎用薬の配合成分と、禁煙補助剤(咀嚼剤)の正しい使い方・使用を避ける人を整理します。
1. 皮膚に用いる薬(その1)殺菌消毒成分と抗炎症成分
きず口の殺菌消毒成分の効き目の範囲と、ステロイド性・非ステロイド性抗炎症成分の使用上の注意(長期連用・広範囲・化膿部位・光線過敏症)を区別できるようになります。
外皮用薬は、皮膚表面に生じた創傷や症状、又は皮膚の下にある毛根、血管、筋組織、関節等の症状を改善・緩和するため、外用局所に直接適用される医薬品である。適用する皮膚表面に汚れや皮脂が多く付着していると有効成分の浸透性が低下するため、患部を清浄にしてから使用することが重要で、表皮の角質層が柔らかくなり有効成分が浸透しやすくなることから、入浴後に用いるのが効果的とされる。剤形による注意として、塗り薬はいったん手の甲などに必要量を取ってから患部に塗布することが望ましく、貼付剤は同じ部位に連続して貼付するとかぶれ等を生じやすくなる。スプレー剤・エアゾール剤は目の周囲や粘膜への使用を避け、患部から十分離して噴霧し、連続して噴霧する時間は3秒以内とすることが望ましい。
きず口等の殺菌消毒成分は、それぞれ効き目の範囲が異なる。アクリノールは黄色の色素で、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌に殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスには効果がなく、比較的刺激性が低く創傷患部にしみにくい。オキシドール(過酸化水素水)の作用は、活性酸素による酸化と発生する酸素の泡立ちによる物理的な洗浄効果で、持続性は乏しく組織への浸透性も低い。ヨウ素系(ポビドンヨード、ヨードチンキ)は結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに殺菌消毒作用を示すが、殺菌力はアルカリ性になると低下するため石けん分をよく洗い落としてから使用する。まれにショック(アナフィラキシー)を生じることがあり、ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人は使用を避ける。クロルヘキシジングルコン酸塩・クロルヘキシジン塩酸塩は一般細菌類、真菌類に比較的広い殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスには作用がない。消毒用エタノールは皮膚刺激性が強く、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けるべきとされる。
ステロイド性抗炎症成分(デキサメタゾン、プレドニゾロン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン等)は、副腎皮質ホルモンと共通する化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物で、患部局所の炎症を抑え、特に痒みや発赤などの皮膚症状を抑える。一方で末梢組織の免疫機能を低下させる作用も示すため、水痘(水疱瘡)、みずむし、たむし等又は化膿している患部には使用を避ける。体の一部分に生じた一時的な皮膚症状の緩和が目的であり、広範囲に生じた皮膚症状や慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものではない。コルチゾンに換算して1g又は1mL中0.025mgを超えて含有する製品では特に長期連用を避け、患部が広範囲の人は短期間でも吸収量が相対的に多くなるため、適用部位を限る等、過度の使用を避けるべきである。
非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)のうち、インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウムは、皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑え、筋肉痛、関節痛、腰痛、捻挫等に用いられる。殺菌作用はないため皮膚感染症には効果がなく、みずむし、たむし等又は化膿している患部への使用は避ける。喘息を起こしたことがある人は使用を避け、妊婦は胎児への影響を考慮して使用を避けるべきとされる。ケトプロフェンはまれに重篤な光線過敏症を生じることがあり、チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート、オキシベンゾン、オクトクリレンでアレルギーを起こしたことがある人は使用を避ける。ピロキシカムにも光線過敏症の副作用があり、野外活動が多い人は他の成分の製品を選ぶことが望ましい。ウフェナマートは皮膚の炎症によるほてりや痒み等の緩和に、イブプロフェンピコノールは専らにきび治療薬として用いられる。
皮膚に用いる薬(その1)の主な成分| 成分名 | 分類 | はたらき | 注意 |
|---|
| アクリノール | 殺菌消毒 | 黄色の色素。連鎖球菌・黄色ブドウ球菌などの化膿菌に殺菌消毒作用。真菌・結核菌・ウイルスには効果がない | 比較的刺激性が低い。衣類等に付くと黄色く着色 |
| オキシドール(過酸化水素水) | 殺菌消毒 | 化膿菌に殺菌消毒作用。活性酸素による酸化と酸素の泡立ちによる洗浄効果 | 持続性が乏しく浸透性も低い。目の周りは避ける |
| ポビドンヨード | 殺菌消毒(ヨウ素系) | 結核菌を含む一般細菌類・真菌類・ウイルスに殺菌消毒作用。PVPにヨウ素を結合させ徐々に遊離 | アルカリ性で殺菌力低下。ヨウ素アレルギー既往は使用を避ける。まれにショック |
| ヨードチンキ | 殺菌消毒(ヨウ素系) | ヨウ素・ヨウ化カリウムをエタノールに溶解したもの | 皮膚刺激性が強い。粘膜・目の周りは避け、化膿部位では悪化のおそれ |
| クロルヘキシジングルコン酸塩 | 殺菌消毒 | 一般細菌類・真菌類に比較的広い殺菌消毒作用 | 結核菌・ウイルスには作用がない |
| エタノール(消毒用エタノール) | 殺菌消毒 | 手指・皮膚の消毒、創傷面の殺菌・消毒 | 刺激性が強い。脱脂綿等に浸して貼付しない。粘膜・目の周りは避ける |
| デキサメタゾン、プレドニゾロン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン等 | ステロイド性抗炎症 | 患部局所の炎症を抑え、痒みや発赤を抑える | 水痘・みずむし・たむし・化膿部位は避ける。長期連用・広範囲の使用を避ける |
| ウフェナマート | 非ステロイド性抗炎症 | 細胞膜の安定化、活性酸素の生成抑制等により抗炎症作用。ほてり・痒み等の緩和 | 刺激感(ヒリヒリ感)、熱感、乾燥感 |
| インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウム | 非ステロイド性抗炎症 | 骨格筋や関節部まで浸透しプロスタグランジンの産生を抑える。筋肉痛・関節痛等 | 喘息既往・妊婦は避ける。みずむし等・化膿部位は避ける。ケトプロフェン・ピロキシカムは光線過敏症 |
| サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール | その他(鎮痛) | 主として局所刺激により血行を促し、知覚神経に軽い麻痺を起こして鎮痛 | ― |
| イブプロフェンピコノール | その他 | 吹き出物(面皰)の拡張を抑える。専らにきび治療薬 | 外用での鎮痛作用はほとんど期待されない |
用語
- ステロイド性抗炎症成分
- 副腎皮質ホルモンと共通する化学構造(ステロイド骨格)を持つ人工合成の抗炎症成分。患部局所の炎症を抑える一方、末梢組織の免疫機能を低下させるため、水痘・みずむし・たむし・化膿部位には使用を避ける。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- 分子内にステロイド骨格を持たず、プロスタグランジンの産生を抑える作用(抗炎症作用)を示す成分の総称。外用ではインドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム等がある。
- 光線過敏症
- 紫外線により、使用中又は使用後しばらくしてから重篤な症状が現れることがある副作用。ケトプロフェン配合の外皮用薬では、使用中及び使用後も当分の間、天候にかかわらず塗布部を紫外線に当てないようにする。
- アレルギー感作
- その物質をアレルゲンとして免疫機構が認識するようになること。感作された物質と化学構造が類似する成分でもアレルギーを起こすおそれが大きくなる。
例題
例題:ヨウ素系殺菌消毒成分を石けんと併用するときの注意は?
答えと考え方 ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下するため、石けん分をよく洗い落としてから使用する。『高まる』と入れ替える誤り選択肢が定番。
例題:ケトプロフェン配合の外皮用薬を使い終えたら、すぐに戸外活動をしてよい?
答えと考え方 手引きでは、使用中だけでなく使用後も当分の間は、天候にかかわらず戸外活動を避け、塗布部を衣服等で覆い紫外線に当たるのを避ける必要があるとされている。ラップフィルム等の通気性の悪いもので覆うのは適当でない。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
2. 皮膚に用いる薬(その2)保護・抗菌・抗真菌・毛髪用薬
きず口の保護・保湿成分、にきびの抗菌成分、みずむしの抗真菌成分と剤形の選び方、頭皮・毛根に作用する成分、温感・冷感刺激成分を整理します。
きず口の保護と修復に関わる成分として、酸化亜鉛は患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する。ピロキシリン(ニトロセルロース)も創傷面に薄い皮膜を形成して保護する目的で用いられる。いずれも患部が浸潤又は化膿している場合や傷が深いときは、表面だけを乾燥させてかえって症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける。組織修復成分としてアラントインやビタミンA油、血管収縮成分(止血)としてナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が配合される。血行促進成分のヘパリン類似物質は抗炎症作用や保湿作用も期待されるが、血液凝固を抑える働きがあるため、出血しやすい人や出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人では使用を避ける。
角質軟化成分では、サリチル酸が角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示し、抗菌・抗真菌・抗炎症作用も期待されてにきび用薬等にも配合される。イオウは角質層のケラチンを変質させることにより角質軟化作用を示し、抗菌・抗真菌作用も期待される。保湿成分としては、グリセリン、尿素、白色ワセリン、オリブ油、ヘパリン類似物質等が角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善する目的で用いられる。
にきび、吹き出物は最も一般的に生じる化膿性皮膚疾患で、皮膚常在菌であるにきび桿菌(アクネ菌)が毛穴で繁殖して生じる。洗顔等により皮膚を清浄に保つことが基本で、油分の多い化粧品は悪化させることがある。抗菌成分は作用機序で区別する。サルファ剤(スルファジアジン等)は細菌のDNA合成を阻害、バシトラシンは細胞壁合成を阻害、フラジオマイシン硫酸塩とクロラムフェニコールはタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
みずむし、たむしは皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌類が皮膚に寄生して起こる表在性真菌感染症で、部位により、みずむし(手足の白癬)、ぜにたむし(体部白癬)、いんきんたむし(頑癬)と呼ばれる。剤形の選択が重要で、一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部には軟膏が適すとされ、液剤は有効成分の浸透性が高いが刺激が強く、皮膚が厚く角質化している部分に適している。湿疹か皮膚糸状菌による感染かはっきりしない場合に抗真菌成分を使用することは適当でない。抗真菌成分は、イミダゾール系(オキシコナゾール硝酸塩、クロトリマゾール、ミコナゾール硝酸塩等)が皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げ、又は細胞膜の透過性を変化させて増殖を抑える。アモロルフィン塩酸塩・ブテナフィン塩酸塩・テルビナフィン塩酸塩は細胞膜を構成する成分の産生を妨げ、シクロピロクスオラミンは細胞膜の輸送機能を妨げ、ウンデシレン酸は患部を酸性にして発育を抑え、ピロールニトリンは菌の呼吸や代謝を妨げる(単独では作用が弱く他の成分と組み合わせる)。2週間位使用しても症状が良くならない場合は、他の薬に切り換えず、いったん使用を中止して医療機関(皮膚科)を受診する。
毛髪用薬では、カルプロニウム塩化物が末梢組織においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、頭皮の血管を拡張して毛根への血行を促す発毛効果を期待して用いられ、副作用としてコリン作用による発汗、寒気、震え、吐きけが現れることがある。エストラジオール安息香酸エステルは女性ホルモン成分で、妊婦は使用を避けるべきである。生薬ではカシュウ(タデ科ツルドクダミの塊根。頭皮の脂質代謝を高め余分な皮脂を取り除く)、チクセツニンジン(血行促進・抗炎症)、ヒノキチオール(抗菌・抗炎症)が用いられる。局所刺激成分では、冷感刺激成分(メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油等)が打撲や捻挫など急性の腫れや熱感を伴う症状に適すとされ、温感刺激成分(カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド等)を主薬とする貼付剤は、コタツ等の保温器具で温めると強い痛みや低温やけどのおそれがあるため、入浴1時間前には剥がし、入浴後はほてりが鎮まってから貼付する。
皮膚に用いる薬(その2)の主な成分| 成分名 | 分類 | はたらき | 注意 |
|---|
| 酸化亜鉛 | 収斂・皮膚保護 | 患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し保護 | 浸潤・化膿している患部、深い傷には使用を避ける |
| アラントイン、ビタミンA油 | 組織修復 | 損傷皮膚の組織の修復を促す | ― |
| ナファゾリン塩酸塩 | 血管収縮 | 創傷面の血管を収縮させて止血 | ― |
| ヘパリン類似物質 | 血行促進 | 血行促進のほか抗炎症作用・保湿作用も期待 | 血液凝固を抑えるため出血性血液疾患の人は使用を避ける |
| サリチル酸 | 角質軟化 | 角質成分を溶解。抗菌・抗真菌・抗炎症作用も期待 | ― |
| イオウ | 角質軟化 | 角質層のケラチンを変質させる。抗菌・抗真菌作用も期待 | ― |
| グリセリン、尿素、白色ワセリン等 | 保湿 | 角質層の水分保持量を高め皮膚の乾燥を改善 | ― |
| サルファ剤(スルファジアジン等) | 抗菌 | 細菌のDNA合成を阻害 | ― |
| バシトラシン | 抗菌 | 細菌の細胞壁合成を阻害 | ― |
| フラジオマイシン硫酸塩、クロラムフェニコール | 抗菌 | 細菌のタンパク質合成を阻害 | ― |
| イミダゾール系(オキシコナゾール硝酸塩、ミコナゾール硝酸塩等) | 抗真菌 | 皮膚糸状菌の細胞膜成分の産生を妨げ、透過性を変化させる | かぶれたことがある人は他のイミダゾール系も避ける |
| アモロルフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩 | 抗真菌 | 皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げる | ― |
| シクロピロクスオラミン | 抗真菌 | 細胞膜に作用し増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げる | ― |
| ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛 | 抗真菌 | 患部を酸性にして皮膚糸状菌の発育を抑える | ― |
| ピロールニトリン | 抗真菌 | 菌の呼吸や代謝を妨げる | 単独では作用が弱く他の抗真菌成分と組み合わせる |
| カルプロニウム塩化物 | 頭皮・毛根 | コリン作用で頭皮の血管を拡張し毛根への血行を促す | 副作用として発汗、寒気、震え、吐きけ |
| メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油 | 冷感刺激 | 血行促進、知覚神経の麻痺による鎮痛・鎮痒 | 急性の腫れ・熱感を伴う症状に適す。目の周り・粘膜は避ける |
| カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド等 | 温感刺激 | 末梢血管を拡張させて血行を促す | 保温器具で温めない。入浴1時間前に剥がし、入浴後はほてりが鎮まってから貼付 |
用語
- 皮膚糸状菌(白癬菌)
- みずむし、たむし等の原因となる真菌類の一種。皮膚に寄生して表在性真菌感染症を起こす。スリッパやタオルなどを介して他の保菌者やペットから感染することも多い。
- うおのめ(鶏眼)とたこ(胼胝)
- いずれも機械的刺激や圧迫の繰り返しで角質層が厚くなったもの。うおのめは角質の芯が真皮にくい込み圧迫されると痛むのに対し、たこは角質層の単純な肥厚で芯がなく、通常、痛みは伴わない。
- 毛嚢炎(疔)
- にきび桿菌ではなく黄色ブドウ球菌などの化膿菌が毛穴から侵入し、皮脂腺、汗腺で増殖して生じた吹き出物。にきびに比べて痛みや腫れが顕著で、顔面に生じたものを面疔という。
- コリン作用
- アセチルコリンに類似した作用。カルプロニウム塩化物はコリンエステラーゼによる分解を受けにくく作用が持続し、副作用として局所又は全身性の発汗、それに伴う寒気、震え、吐きけが現れることがある。
例題
例題:じゅくじゅくと湿潤しているみずむしの患部に適した剤形は?
答えと考え方 手引きでは、一般的にじゅくじゅくと湿潤している患部には軟膏が適すとされている。液剤は浸透性が高いが刺激が強く、皮膚が厚く角質化している部分に適している。
例題:サルファ剤とバシトラシンの作用機序の違いは?
答えと考え方 サルファ剤は細菌のDNA合成を阻害し、バシトラシンは細胞壁合成を阻害する。フラジオマイシン硫酸塩・クロラムフェニコールはタンパク質合成を阻害する。機序の入れ替えが定番の出題。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
3. 歯や口中に用いる薬と禁煙補助剤
歯痛薬・歯槽膿漏薬・口内炎用薬の配合成分と、禁煙補助剤(咀嚼剤)の正しい使い方・使用を避ける人を整理します。
歯痛は多くの場合、歯の齲蝕(むし歯)とそれに伴う歯髄炎によって起こる。歯痛薬(外用)は齲蝕による歯痛を応急的に鎮める医薬品であり、歯の齲蝕が修復されることはなく、早めに医療機関(歯科)を受診して治療を受けることが基本となる。局所麻酔成分(アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン等)は、齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める。殺菌消毒成分(フェノール、歯科用フェノールカンフル、オイゲノール、セチルピリジニウム塩化物等)は齲蝕部分の細菌の繁殖を抑えるが、粘膜刺激を生じることがあるため歯以外の口腔粘膜や唇に付着しないよう注意する。生薬のサンシシ(アカネ科のクチナシの果実)は抗炎症作用を期待して用いられる。
歯槽膿漏薬は、歯肉炎・歯槽膿漏の諸症状(歯肉からの出血や膿、腫れ、口臭等)の緩和を目的とし、外用薬のほか内服薬もあり、併せて用いると効果的である。外用薬には殺菌消毒成分(セチルピリジニウム塩化物、クロルヘキシジングルコン酸塩等)、抗炎症成分(グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸)、止血成分(カルバゾクロム)、組織修復成分(アラントイン)等が配合される。口腔内に適用されるステロイド性抗炎症成分は、含有量によらず長期連用を避ける必要がある。内服薬には、カルバゾクロムやフィトナジオン(ビタミンK1、血液の凝固機能を正常に保つ)、銅クロロフィリンナトリウム(組織修復のほか口臭を抑える)、ビタミンC(コラーゲン代謝を改善し毛細血管を強化)、ビタミンE(歯周組織の血行を促す)等が配合される。
口内炎用薬は、口内炎、舌炎の緩和を目的として口腔内局所に適用される外用薬である。抗炎症成分としてグリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸等が用いられ、口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待してアズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)が配合されることもある。殺菌消毒成分としてセチルピリジニウム塩化物、クロルヘキシジン塩酸塩、アクリノール、ポビドンヨード等、生薬としてシコン(ムラサキ科のムラサキの根。組織修復促進・抗菌)が用いられる。口内炎や舌炎は通常1〜2週間で自然寛解するが、一度に複数箇所に発生して食事に著しい支障を来す場合や、長期間症状が長引く場合、再発を繰り返す場合には受診が必要とされる。漢方処方製剤の茵蔯蒿湯は、体力中等度以上で口渇があり、尿量少なく、便秘するものの口内炎等に適すとされ、構成生薬としてダイオウを含む。
禁煙補助剤は、ニコチン置換療法に使用されるニコチンを有効成分とする医薬品で、口腔粘膜から吸収させる咀嚼剤と、1日1回皮膚に貼付するパッチ製剤がある。咀嚼剤は、菓子のガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれて口腔粘膜からの吸収が十分なされず、吐きけや腹痛等の副作用も現れやすくなるため、ゆっくりと断続的に噛む。大量に使用しても禁煙達成が早まるものではなく、1度に2個以上の使用は避ける。口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後しばらくは使用を避ける。使用を避ける必要がある人として、顎の関節に障害がある人(咀嚼剤)、脳梗塞・脳出血等の急性期脳血管障害や重い心臓病等の基礎疾患がある人(3ヶ月以内の心筋梗塞発作がある人、重い狭心症や不整脈と診断された人)、うつ病と診断されたことのある人、妊婦又は妊娠していると思われる女性、母乳を与える女性が手引きに挙げられている。非喫煙者はニコチンに対する耐性がなく、吐きけ、めまい、腹痛などの症状が現れやすい。ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用によりその作用を増強させるおそれがある。禁煙補助剤は喫煙を完全に止めたうえで使用することとされ、使用中又は使用直後の喫煙は血中のニコチン濃度が急激に高まるおそれがあり避ける。高血圧、糖尿病(インスリン製剤を使用している人)、心臓疾患等の診断を受けた人は、使用前に医師又は薬剤師に相談するなどの対応が必要である。
歯や口中に用いる薬・禁煙補助剤の主な成分| 成分名 | 分類 | はたらき | 注意 |
|---|
| アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン | 歯痛薬|局所麻酔 | 露出した歯髄の知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める | ― |
| フェノール、歯科用フェノールカンフル、オイゲノール | 歯痛薬|殺菌消毒 | 齲蝕部分の細菌の繁殖を抑える | 口腔粘膜や唇に付着しないよう注意 |
| サンシシ | 歯痛薬|生薬 | 抗炎症作用(アカネ科のクチナシの果実) | ― |
| セチルピリジニウム塩化物、クロルヘキシジングルコン酸塩 | 歯槽膿漏薬|殺菌消毒 | 歯肉溝での細菌の繁殖を抑える | クロルヘキシジンは口腔内適用でまれにショック |
| カルバゾクロム | 歯槽膿漏薬|止血 | 炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える | ― |
| フィトナジオン(ビタミンK1) | 歯槽膿漏薬(内服)|止血 | 血液の凝固機能を正常に保つ | ― |
| 銅クロロフィリンナトリウム | 歯槽膿漏薬(内服)|組織修復 | 歯周組織の修復を促し、歯肉炎に伴う口臭を抑える | ― |
| ビタミンC(アスコルビン酸等) | 歯槽膿漏薬(内服)|ビタミン | コラーゲン代謝を改善し、毛細血管を強化 | ― |
| アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン) | 口内炎用薬|組織修復 | 口腔粘膜の組織修復を促す | ― |
| シコン | 口内炎用薬|生薬 | 組織修復促進、抗菌(ムラサキ科のムラサキの根) | ― |
| 茵蔯蒿湯 | 口内炎用薬|漢方 | 体力中等度以上で口渇があり、便秘するものの口内炎等に適す | ダイオウを含む。まれに重篤な肝機能障害 |
| ニコチン | 禁煙補助剤 | ニコチン置換療法に使用。咀嚼剤とパッチ製剤 | 1度に2個以上使用しない。コーヒー・炭酸飲料の後は避ける。重い心臓病・うつ病診断歴・妊婦・授乳婦等は使用を避ける |
用語
- 歯槽膿漏
- 歯と歯肉の境目にある溝(歯肉溝)で細菌が繁殖して起こる歯肉炎が重症化し、炎症が歯周組織全体に広がった状態(歯周炎)。歯肉からの出血や膿、腫れ、口臭、口腔内の粘り等の症状が現れる。
- ニコチン置換療法
- ニコチンの摂取方法を喫煙以外に換えて離脱症状の軽減を図りながら徐々に摂取量を減らし、最終的にニコチン摂取をゼロにする方法。禁煙補助剤はこの療法に使用される医薬品である。
- ニコチン離脱症状
- 習慣的な喫煙により、血中ニコチン濃度の低下によって現れるイライラ感、集中困難、落ち着かない等の症状(禁断症状)。通常、禁煙開始から1〜2週間の間に起きることが多い。
例題
例題:禁煙補助剤の咀嚼剤はどのように噛む?
答えと考え方 手引きでは、菓子のガムのように噛むと唾液が多く分泌されてニコチンが飲み込まれ、口腔粘膜からの吸収が十分なされないため、ゆっくりと断続的に噛むこととされている。1度に2個以上の使用は避ける。
例題:銅クロロフィリンナトリウムの配合目的は?
答えと考え方 内服の歯槽膿漏薬で、炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用のほか、歯肉炎に伴う口臭を抑える効果も期待して配合される。止血成分(カルバゾクロム等)との入れ替えに注意。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅠ 歯や口中に用いる薬/ⅩⅡ 禁煙補助剤
確認問題(25問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|アクリノール
アクリノールに関する記述として、正しいものはどれか。
- 無色の色素で、衣類等に付着しても着色することはなく、付着した場合でも脱色は容易である。
- 黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)のほか、真菌、結核菌、ウイルスに対しても幅広く殺菌消毒作用を示すと考えられている。
- 黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。
- 刺激性が強く、創傷患部にしみやすいため、使用には注意が必要。
正解と解説
正解:C. 黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。手引きでは、アクリノールは黄色の色素で、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌に殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスには効果がないとされている。黄色の色素であるため衣類等に付着すると黄色く着色し脱色しにくくなることがあり、また比較的刺激性が低く創傷患部にしみにくいとされているので、他の選択肢はいずれも誤り。結核菌やウイルスにも効果を示すのはヨウ素系殺菌消毒成分である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問2|オキシドール
オキシドール(過酸化水素水)に関する記述として、正しいものはどれか。
- 作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化と、発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しく、組織への浸透性も低い。
- 作用の持続性が高く、組織への浸透性にも優れているため、深い傷にも効果が期待できる。
- 過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素の作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して幅広く殺菌消毒作用を示し、その作用は持続的である。
- 刺激性がないため、目の周りにも使用することができる。
正解と解説
正解:A. 作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化と、発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しく、組織への浸透性も低い。手引きでは、オキシドールの作用は過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化と、発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しく、組織への浸透性も低いとされている。持続性・浸透性に優れるという記述は逆。結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに作用を示すのはヨウ素系殺菌消毒成分である。オキシドールには刺激性があるため、目の周りへの使用は避ける必要がある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問3|ヨウ素系消毒
ヨウ素系殺菌消毒成分に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。
- ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると高まるため、石けんと併用すると効果的である。
- ポビドンヨードは、ヨウ素をポリビニルピロリドン(PVP)と呼ばれる担体に結合させて水溶性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すように工夫されたものである。
- 外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。
正解と解説
正解:B. ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると高まるため、石けんと併用すると効果的である。手引きでは、ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると『低下』するため、石けん等と併用する場合には石けん分をよく洗い落としてから使用するべきとされており、『高まる』とする記述は誤り。結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスへの殺菌消毒作用、ポビドンヨードの仕組み、まれにショック(アナフィラキシー)を生じることがあるという記述は、いずれも手引きのとおり正しい。ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人は使用を避ける必要がある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問4|殺菌消毒成分
きず口等の殺菌消毒成分に関する記述として、正しいものはどれか。
- ヨードチンキは皮膚刺激性が弱く、化膿している部位や粘膜への使用にも適している。
- 消毒用エタノールは、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することが推奨されているとされ、粘膜や目の周りへの使用にも適している。
- ベンザルコニウム塩化物は陽性界面活性成分であり、一般細菌類や真菌類に殺菌消毒作用を示すが、石けんと混合しても殺菌消毒効果が低下することはない。
- クロルヘキシジングルコン酸塩は、一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない。
正解と解説
正解:D. クロルヘキシジングルコン酸塩は、一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない。手引きでは、クロルヘキシジングルコン酸塩・クロルヘキシジン塩酸塩は一般細菌類、真菌類に比較的広い殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はないとされている。ヨードチンキは皮膚刺激性が強く、化膿している部位ではかえって症状を悪化させるおそれがある。消毒用エタノールは脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けるべきとされている。ベンザルコニウム塩化物等の陽性界面活性成分は石けんとの混合により殺菌消毒効果が低下する。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問5|ステロイド注意
外皮用薬のステロイド性抗炎症成分に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 副腎皮質ホルモンと共通する化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物が人工的に合成されたもので、デキサメタゾン、プレドニゾロン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン等がある。
- 水痘(水疱瘡)、みずむし、たむし等又は化膿している患部については、症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要がある。
- 広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものである。
- 好ましくない作用として、末梢組織の免疫機能を低下させる作用も示す。
正解と解説
正解:C. 広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものである。手引きでは、外皮用薬のステロイド性抗炎症成分は体の一部分に生じた湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等の一時的な皮膚症状(ほてり・腫れ・痒み等)の緩和を目的とするものであり、広範囲に生じた皮膚症状や慢性の湿疹・皮膚炎を『対象とするものではない』とされているため、この記述が誤り。ステロイド骨格を持つ合成化合物であること、免疫機能を低下させる作用を示すこと、水痘・みずむし・たむし・化膿患部への使用を避けることは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問6|ステロイド長期
ステロイド性抗炎症成分を含有する外皮用薬の使用に関する記述として、正しいものはどれか。
- コルチゾンに換算して1g又は1mL中0.025mgを超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要がある。
- 短期間の使用であれば、患部が広範囲にわたっている人であっても、適用部位を限ることなく患部全体に使用してよい。
- 化膿している患部には、免疫機能を高める作用があるため積極的に用いられる。
- まとめ買いや頻回に購入する購入者に対して、医薬品の販売等に従事する専門家が注意を促す必要はないものである。
正解と解説
正解:A. コルチゾンに換算して1g又は1mL中0.025mgを超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要がある。手引きでは、ステロイド性抗炎症成分をコルチゾンに換算して1g又は1mL中0.025mgを超えて含有する製品では特に長期連用を避ける必要があるとされている。短期間の使用であっても患部が広範囲の人では吸収量が相対的に多くなるため、適用部位を限る等、過度の使用を避けるべきとされる。ステロイド性抗炎症成分は免疫機能を『低下』させる作用を示し、化膿している患部には使用を避ける。専門家はまとめ買いや頻回購入者に注意を促していくことが重要とされている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問7|光線過敏症
ケトプロフェンが配合された外皮用薬の光線過敏症に関する記述として、正しいものはどれか。
- 天候が悪い日であれば紫外線に当たるおそれがないため、使用中であっても戸外活動をしてよい。
- 使用中又は使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症が現れることがあるため、使用中及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当たるのを避ける必要がある。
- 塗布部は、紫外線に当たるのを避けるため、ラップフィルム等の通気性の悪いもので覆うことが適当。
- 光線過敏症は原因となる医薬品の使用を中止すれば直ちに生じなくなるため、使用中は天候にかかわらず戸外活動を避ける必要があるものの、使用後については塗布部を衣服やサポーター等で覆うといった紫外線対策は不要である。
正解と解説
正解:B. 使用中又は使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症が現れることがあるため、使用中及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当たるのを避ける必要がある。手引きでは、紫外線により使用中又は使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症が現れることがあるため、使用中及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず戸外活動を避け、外出時も塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当たるのを避ける必要があるとされている。『天候にかかわらず』であるため天候が悪ければよいとする記述は誤り。ラップフィルム等の通気性の悪いもので覆うことは適当でないとされ、使用後もしばらくしてから現れることがあるため使用後の対策が不要という記述も誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問8|ケトプロフェン
ケトプロフェンに関する記述として、正しいものはどれか。
- チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート又はオキシベンゾン、オクトクリレンはいずれも医療用医薬品の有効成分であり、これらでアレルギー症状を起こしたことがある人であっても、化学構造が異なるケトプロフェンであれば使用することができる。
- ピロキシカムやスプロフェンには、ケトプロフェンと異なり光線過敏症の副作用は知られていない。
- ケトプロフェンの重篤な副作用として光線過敏症は知られているが、アナフィラキシーや接触皮膚炎は知られていない。
- チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート又はオキシベンゾン、オクトクリレンのような物質でアレルギー感作された人は、分子の化学構造が類似しているケトプロフェンでもアレルギーを起こすおそれが大きいことから、これらの成分でアレルギー症状を起こしたことがある人は使用を避けることとされている。
正解と解説
正解:D. チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート又はオキシベンゾン、オクトクリレンのような物質でアレルギー感作された人は、分子の化学構造が類似しているケトプロフェンでもアレルギーを起こすおそれが大きいことから、これらの成分でアレルギー症状を起こしたことがある人は使用を避けることとされている。手引きでは、チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート(医療用医薬品の有効成分)又はオキシベンゾン、オクトクリレン(化粧品や医薬部外品に紫外線吸収剤として配合される化合物)でアレルギー感作された人は、化学構造が類似するケトプロフェンでもアレルギーを起こすおそれが大きく、使用を避けることとされている。オキシベンゾン、オクトクリレンは紫外線吸収剤であり医療用医薬品の有効成分ではない。ケトプロフェンの重篤な副作用にはアナフィラキシー、接触皮膚炎、光線過敏症があり、ピロキシカムにも光線過敏症の副作用が知られている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問9|NSAIDs外用
筋肉痛、関節痛等に用いられる非ステロイド性抗炎症成分(インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウム)に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 殺菌作用を有するため、みずむし、たむし等の皮膚感染症に効果がある。
- 喘息を起こしたことがある人では、その使用を避ける必要がある。
- 妊婦又は妊娠していると思われる女性では、胎児への影響を考慮して、使用を避けるべきである。
- 過度に使用しても鎮痛効果が増すことはなく、また、その場合の安全性は確認されていない。
正解と解説
正解:A. 殺菌作用を有するため、みずむし、たむし等の皮膚感染症に効果がある。手引きでは、これらの非ステロイド性抗炎症成分には殺菌作用は『ない』ため皮膚感染症に対しては効果がなく、痛みや腫れを鎮めることでかえって皮膚感染が自覚されにくくなる(不顕性化する)おそれがあるため、みずむし、たむし等又は化膿している患部への使用は避ける必要があるとされている。喘息を起こしたことがある人が使用を避けること、妊婦が使用を避けるべきこと、過度に使用しても鎮痛効果が増さず安全性も確認されていないことは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問10|成分と用途
外皮用薬の成分とその作用・用途に関する記述として、正しいものはどれか。
- ウフェナマートは、皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透して、筋肉痛、関節痛、腰痛、肩こりに伴う肩の痛みなどの鎮痛を目的として用いられる非ステロイド性抗炎症成分である。
- サリチル酸メチルは、皮膚糸状菌の細胞膜に作用して、その増殖を抑える抗真菌成分である。
- イブプロフェンピコノールは、吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えるほか、吹き出物(面皰)の拡張を抑える作用があるとされ、専らにきび治療薬として用いられる。
- インドメタシンを主薬とする外皮用薬は、小児への有効性・安全性が確認されているため、11歳未満の小児であっても年齢を問わず使用することができる。
正解と解説
正解:C. イブプロフェンピコノールは、吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えるほか、吹き出物(面皰)の拡張を抑える作用があるとされ、専らにきび治療薬として用いられる。手引きでは、イブプロフェンピコノールは外用での鎮痛作用はほとんど期待されず、吹き出物に伴う発赤や腫れを抑え、面皰の拡張を抑える作用があるとされ、専らにきび治療薬として用いられるとされている。ウフェナマートは皮膚の炎症によるほてりや痒み等の緩和が目的で、骨格筋や関節部まで浸透するのはインドメタシン等である。サリチル酸メチルは局所刺激により血行を促し知覚神経に軽い麻痺を起こす成分で、抗真菌成分ではない。非ステロイド性抗炎症成分の外用薬は小児への有効性・安全性が確認されておらず、インドメタシン主薬の外皮用薬では11歳未満(含量1%の貼付剤では15歳未満)の小児向け製品はない。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問11|皮膚保護成分
きず口の保護等に用いられる成分に関する記述として、正しいものはどれか。
- 酸化亜鉛は、患部が浸潤又は化膿している場合に適している。
- 酸化亜鉛は、患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。
- ピロキシリン(ニトロセルロース)は、損傷皮膚の組織の修復を促す組織修復成分である。
- アラントインは、創傷面からの出血を抑える血管収縮成分である。
正解と解説
正解:B. 酸化亜鉛は、患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。手引きでは、酸化亜鉛は患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示すとされている。ただし患部が浸潤又は化膿している場合や傷が深いときは、表面だけを乾燥させてかえって症状を悪化させるおそれがあり使用を避けることとされているため、浸潤・化膿部位に適するという記述は誤り。ピロキシリンは創傷面に薄い皮膜を形成して保護する成分であり、組織修復成分はアラントインやビタミンA油である。アラントインは血管収縮成分ではなく、出血を抑える血管収縮成分はナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問12|血行促進成分
外皮用薬の血行促進成分等に関する記述として、正しいものはどれか。
- ナファゾリン塩酸塩は、創傷面の血管を拡張させることにより止血効果を示すアドレナリン作動成分であり、外皮用薬に配合される。
- ビタミンA油は、患部を酸性にすることで皮膚糸状菌の発育を抑え、細菌の増殖も抑える成分である。
- ヘパリン類似物質は、患部局所の血行を促すほか血液凝固を促す働きもあるため、出血しやすい人、出血が止まりにくい人、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人にも適している。
- ヘパリン類似物質は、患部局所の血行を促すほか、抗炎症作用や保湿作用も期待され、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人では使用を避ける必要がある。
正解と解説
正解:D. ヘパリン類似物質は、患部局所の血行を促すほか、抗炎症作用や保湿作用も期待され、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人では使用を避ける必要がある。手引きでは、ヘパリン類似物質は患部局所の血行を促す目的で用いられ、抗炎症作用や保湿作用も期待されるが、血液凝固を『抑える』働きがあるため、出血しやすい人、出血が止まりにくい人、出血性血液疾患の診断を受けた人では使用を避ける必要があるとされている。ナファゾリン塩酸塩は血管を『収縮』させることによる止血効果を期待して用いられるアドレナリン作動成分である。ビタミンA油は損傷皮膚の組織の修復を促す組織修復成分であり、患部を酸性にして皮膚糸状菌の発育を抑えるのはウンデシレン酸である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問13|温感・冷感刺激
外皮用薬の局所刺激成分に関する記述として、正しいものはどれか。
- 温感刺激成分を主薬とする貼付剤は、入浴1時間前には剥がし、入浴後は皮膚のほてりが鎮まってから貼付するべきである。
- 打撲や捻挫などの急性の腫れや熱感を伴う症状に対しては、温感刺激成分が配合された外用鎮痛薬が適している。
- メントール、カンフルは、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す温感刺激成分である。
- 温感刺激成分を主薬とする貼付剤は、コタツや電気毛布等の保温器具で貼付部位を温めると効果がいっそう高まる。
正解と解説
正解:A. 温感刺激成分を主薬とする貼付剤は、入浴1時間前には剥がし、入浴後は皮膚のほてりが鎮まってから貼付するべきである。手引きでは、温感刺激成分を主薬とする貼付剤は入浴前後の使用は適当でなく、入浴1時間前には剥がし、入浴後は皮膚のほてりが鎮まってから貼付するべきとされている。急性の腫れや熱感を伴う症状に適すとされるのは『冷感』刺激成分が配合された外用鎮痛薬である。メントール、カンフルは冷感刺激成分であり、温感刺激成分はカプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド等である。保温器具で貼付部位を温めると強い痛みを生じやすくなるほか低温やけどを引き起こすおそれがあり、注意が必要とされている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問14|抗菌成分
にきび、化膿性皮膚疾患用薬の抗菌成分の作用機序に関する記述として、正しいものはどれか。
- スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフイソキサゾール等のサルファ剤は、細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
- バシトラシンは、細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示す成分であり、化膿性皮膚疾患用薬に配合される。
- フラジオマイシン硫酸塩、クロラムフェニコールは、いずれも細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
- サルファ剤は、細菌の呼吸や代謝を妨げることにより抗菌作用を示す成分である。
正解と解説
正解:C. フラジオマイシン硫酸塩、クロラムフェニコールは、いずれも細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示す。手引きでは、フラジオマイシン硫酸塩とクロラムフェニコールはいずれも細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示すとされている。サルファ剤(スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフイソキサゾール等)は細菌のDNA合成を阻害する成分であり、細胞壁合成の阻害や呼吸・代謝の妨害ではない。バシトラシンは細菌の細胞壁合成を阻害する成分である。作用機序の入れ替えに注意して整理しておくこと。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問15|剤形の選択
みずむし・たむし用薬の剤形の選択に関する記述として、正しいものはどれか。
- じゅくじゅくと湿潤している患部には、有効成分の浸透性が高い液剤が適すとされる。
- 一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部には、軟膏が適すとされる。
- 液剤は、有効成分の浸透性が低いが、患部に対する刺激は弱い。
- 皮膚が厚く角質化している部分には、液剤ではなく軟膏やクリームが適している。
正解と解説
正解:B. 一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部には、軟膏が適すとされる。手引きでは、一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部には軟膏が適すとされている。液剤は有効成分の浸透性が『高い』が、患部に対する刺激が『強い』とされており、浸透性が低く刺激が弱いという記述は逆である。また、皮膚が厚く角質化している部分には液剤が適しているとされており、軟膏とする記述も誤り。湿潤患部=軟膏、角質化部分=液剤という対応を確実に覚えること。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問16|みずむし用薬
みずむし・たむし用薬の使用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 液剤は有効成分の浸透性が高いが、患部に対する刺激が強いという特徴がある。
- 皮膚が厚く角質化している部分には、液剤が適している。
- 湿疹か皮膚糸状菌による皮膚感染かはっきりしない場合に、抗真菌成分が配合された医薬品を使用することは適当でない。
- 湿疹に抗真菌作用を有する成分を使用すると、湿疹の治りが早くなる。
正解と解説
正解:D. 湿疹に抗真菌作用を有する成分を使用すると、湿疹の治りが早くなる。手引きでは、湿疹に抗真菌作用を有する成分を使用すると、かえって湿疹の『悪化』を招くことがあるとされており、治りが早くなるという記述は誤り。湿疹とみずむし等の初期症状は類似していることが多く、はっきりしない場合に抗真菌成分配合の医薬品を使用することは適当でない。液剤は浸透性が高いが刺激が強いこと、皮膚が厚く角質化している部分には液剤が適していることは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問17|抗真菌成分
みずむし・たむし用薬の抗真菌成分に関する記述として、正しいものはどれか。
- オキシコナゾール硝酸塩、ミコナゾール硝酸塩等のイミダゾール系抗真菌成分は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、その増殖を抑える。
- ウンデシレン酸は、患部をアルカリ性にすることで皮膚糸状菌の発育を抑える成分である。
- ピロールニトリンは、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える作用が強いため、他の抗真菌成分と組み合わせることなく単独で配合される成分であると考えられている。
- シクロピロクスオラミンは、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す成分である。
正解と解説
正解:A. オキシコナゾール硝酸塩、ミコナゾール硝酸塩等のイミダゾール系抗真菌成分は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、その増殖を抑える。手引きでは、イミダゾール系抗真菌成分は皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより増殖を抑えるとされている。ウンデシレン酸は患部を『酸性』にすることで発育を抑える成分である。ピロールニトリンは単独での抗真菌作用が『弱い』ため、他の抗真菌成分と組み合わせて配合される。シクロピロクスオラミンは皮膚糸状菌の細胞膜に作用して増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げる抗真菌成分であり、細菌のDNA合成阻害はサルファ剤の説明である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問18|毛髪用薬
毛髪用薬(頭皮・毛根に作用する配合成分)に関する記述として、正しいものはどれか。
- カシュウは、ウコギ科のトチバニンジンの根茎を基原とする生薬で、頭皮の血行を促進し、余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられる。
- エストラジオール安息香酸エステルは男性ホルモン成分の一種で、脱毛は男性ホルモンの働きが低下することが一因とされることから配合されるものであり、妊婦又は妊娠していると思われる女性であっても安全に使用できる。
- カルプロニウム塩化物は、末梢組織においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、頭皮の血管を拡張して毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられ、副作用として発汗や、それに伴う寒気、震え、吐きけが現れることがある。
- 「壮年性脱毛症」「円形脱毛症」等の疾患名を掲げた効能・効果は、医薬品だけでなく医薬部外品においても認められている。
正解と解説
正解:C. カルプロニウム塩化物は、末梢組織においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、頭皮の血管を拡張して毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられ、副作用として発汗や、それに伴う寒気、震え、吐きけが現れることがある。手引きでは、カルプロニウム塩化物はコリン作用により頭皮の血管を拡張して毛根への血行を促す発毛効果を期待して用いられ、副作用としてコリン作用による発汗、寒気、震え、吐きけが現れることがあるとされている。カシュウはタデ科のツルドクダミの塊根を基原とし、頭皮の脂質代謝を高めて余分な皮脂を取り除く作用を期待する生薬で、トチバニンジン基原で血行促進を期待するのはチクセツニンジンである。エストラジオール安息香酸エステルは『女性』ホルモン成分で、妊婦は使用を避けるべきである。「壮年性脱毛症」等の疾患名を掲げた効能・効果は医薬品においてのみ認められている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問19|角質軟化成分
肌の角質化、かさつき等を改善する配合成分に関する記述として、正しいものはどれか。
- イオウは、角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す成分である。
- サリチル酸は、角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示し、併せて抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もある。
- 尿素は、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより角質軟化作用を示し、併せて抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待される成分であると考えられている。
- うおのめ(鶏眼)は、角質層の一部が単純に肥厚したものであって芯がなく、圧迫されても通常は痛みを伴わないものであり、いわゆるたこ(胼胝)とも呼ばれる。
正解と解説
正解:B. サリチル酸は、角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示し、併せて抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もある。手引きでは、サリチル酸は角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示し、併せて抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もあるとされている。ケラチンを変質させることにより角質軟化作用を示すのはイオウであり、両者の機序の入れ替えに注意。尿素は角質層の水分保持量を高めて皮膚の乾燥を改善する保湿成分である。角質層の一部が単純に肥厚し芯がなく痛みを伴わないのは『たこ(胼胝)』で、うおのめは角質の芯が真皮にくい込み、圧迫されると痛みを感じる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅹ 皮膚に用いる薬
問20|歯痛薬
歯痛薬(外用)に関する記述として、正しいものはどれか。
- 歯痛薬を使用すれば歯の齲蝕(むし歯)が修復されるため、歯科を受診する必要はない。
- サンシシは、齲蝕により露出した歯髄に対する殺菌消毒作用を期待して用いられる生薬である。
- フェノール、オイゲノール等の殺菌消毒成分は、齲蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑えるものであり、粘膜刺激を生じないため、歯以外の口腔粘膜や唇に付着しても問題ないと考えられている。
- アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン等の局所麻酔成分は、齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として用いられる。
正解と解説
正解:D. アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン等の局所麻酔成分は、齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として用いられる。手引きでは、局所麻酔成分(アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン等)は齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める目的で用いられるとされている。歯痛薬は歯痛を応急的に鎮める医薬品であり、歯の齲蝕が修復されることはなく、早めに歯科を受診することが基本となる。サンシシは抗炎症作用を期待して用いられる生薬である。フェノール等の殺菌消毒成分は粘膜刺激を生じることがあるため、歯以外の口腔粘膜や唇に付着しないよう注意が必要とされている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅠ 歯や口中に用いる薬
問21|歯槽膿漏薬
歯槽膿漏薬の配合成分に関する記述として、正しいものはどれか。
- カルバゾクロムは、炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して配合されている場合がある。
- 銅クロロフィリンナトリウムは、炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して配合される止血成分である。
- ビタミンC(アスコルビン酸等)は、歯周組織の血行を促す効果を期待して配合される成分である。
- 内服で用いる歯槽膿漏薬は、外用薬と併せて用いてはならない。
正解と解説
正解:A. カルバゾクロムは、炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して配合されている場合がある。手引きでは、カルバゾクロムは炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して配合される止血成分とされている。銅クロロフィリンナトリウムは、歯周組織の修復を促す作用のほか歯肉炎に伴う口臭を抑える効果も期待される組織修復成分であり、止血成分ではない。ビタミンCはコラーゲン代謝を改善して歯周組織の修復を助け、毛細血管を強化する目的で配合され、歯周組織の血行を促す効果を期待して配合されるのはビタミンEである。内服の歯槽膿漏薬は外用薬と併せて用いると効果的とされている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅠ 歯や口中に用いる薬
問22|口内炎用薬
口内炎用薬に関する記述として、正しいものはどれか。
- シコンは、キク科のカミツレの頭花を基原とする生薬で、抗炎症作用を期待して用いられる。
- 口腔内に適用されるステロイド性抗炎症成分については、その含有量が少ない製品であれば、長期にわたって連用しても差し支えない。
- アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待して配合されている場合がある。
- 口内炎や舌炎は自然寛解することはないため、症状に気づいたときは直ちに医療機関を受診して治療を受ける必要がある。
正解と解説
正解:C. アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待して配合されている場合がある。手引きでは、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待して配合されている場合があるとされている。シコンはムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬で、組織修復促進、抗菌などの作用を期待して用いられる(キク科のカミツレの頭花を基原とするのはカミツレ)。口腔内に適用されるステロイド性抗炎症成分は、その含有量に『よらず』長期連用を避ける必要がある。口内炎や舌炎は通常であれば1〜2週間で自然寛解するとされ、複数箇所に発生して食事に著しい支障を来す場合等に受診が必要となる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅠ 歯や口中に用いる薬
問23|咀嚼剤の使い方
禁煙補助剤(咀嚼剤)の使用方法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 菓子のガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまい、口腔粘膜からの吸収が十分なされないため、ゆっくりと断続的に噛むこととされている。
- 大量に使用すると禁煙達成が早まるため、1度に2個以上を使用するとよい。
- 口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後しばらくは使用を避けることとされている。
- 顎の関節に障害がある人では、その使用を避ける必要がある。
正解と解説
正解:B. 大量に使用すると禁煙達成が早まるため、1度に2個以上を使用するとよい。手引きでは、大量に使用しても禁煙達成が早まるものではなく、かえってニコチン過剰摂取による副作用のおそれがあるため、1度に2個以上の使用は避ける必要があるとされており、この記述が誤り。ゆっくりと断続的に噛むこと、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品の摂取後しばらくは使用を避けること、顎の関節に障害がある人は使用を避けることは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅡ 禁煙補助剤
問24|禁煙補助剤禁忌
禁煙補助剤の使用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 脳梗塞・脳出血等の急性期脳血管障害や重い心臓病等の基礎疾患がある人(3ヶ月以内の心筋梗塞発作がある人、重い狭心症や不整脈と診断された人)では、循環器系に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
- うつ病と診断されたことのある人では、禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがあるため、使用を避ける必要がある。
- 妊婦又は妊娠していると思われる女性、母乳を与える女性では、摂取されたニコチンにより胎児又は乳児に影響が生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
- 高血圧の診断を受けた人では使用を避ける必要があるとされ、医師や薬剤師に相談したうえで使用することもできない。
正解と解説
正解:D. 高血圧の診断を受けた人では使用を避ける必要があるとされ、医師や薬剤師に相談したうえで使用することもできない。手引きでは、高血圧の診断を受けた人は『使用を避ける』のではなく、使用している治療薬の効果に影響を生じたり症状を悪化させる可能性があるため、禁煙補助剤を使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬を調剤した薬剤師に『相談する』などの対応が必要とされている。急性期脳血管障害や重い心臓病等の基礎疾患がある人、うつ病と診断されたことのある人、妊婦・授乳婦が使用を避ける必要があることは、いずれも手引きに明記されたとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅡ 禁煙補助剤
問25|禁煙の相互作用
禁煙補助剤の相互作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- ニコチンは副交感神経系を興奮させる作用を示し、副交感神経系の働きを抑える抗コリン成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、胃腸鎮痛鎮痙薬等)との併用により、その作用を減弱させるおそれがある。
- ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用により、その作用を増強させるおそれがある。
- 禁煙補助剤は、喫煙量を徐々に減らしながら、併行して使用することとされている。
- ニコチンはインスリンの血糖降下作用を増強するおそれがあるため、インスリン製剤を使用して糖尿病の治療を受けている人では、低血糖の症状が現れないか特に注意する必要がある。
正解と解説
正解:B. ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用により、その作用を増強させるおそれがある。手引きでは、ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用によりその作用を増強させるおそれがあるとされている。副交感神経系ではない。禁煙補助剤は喫煙を『完全に止めたうえ』使用することとされ、使用中又は使用直後の喫煙は血中のニコチン濃度が急激に高まるおそれがあり避ける必要がある。ニコチンはインスリンの血糖降下作用に『拮抗』して効果を妨げるおそれがあるとされており、増強するという記述は誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 ⅩⅡ 禁煙補助剤
演習:この章の問題を解く
ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 出題は厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。試験は都道府県ごとに実施され、日程・合格基準の細部は都道府県により異なります。最新の情報は各都道府県の公表をご確認ください。