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アレルギー・鼻・眼の薬
講義 3 本・確認問題 25 問 | 本試験では「第3章 主な医薬品」(40問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- アレルギーが起こる仕組み(ヒスタミン)と、抗ヒスタミン成分・プソイドエフェドリン塩酸塩・抗コリン成分・漢方処方製剤の要点を区別できるようになります。
- 急性鼻炎・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎の違いと、点鼻薬のアドレナリン作動成分による二次充血、その他の配合成分と正しい使い方が分かるようになります。
- 点眼薬の4つの区分と正しい点眼方法(1滴の量と結膜嚢、目頭の押さえ、コンタクトレンズ)、主な配合成分のはたらきが分かるようになります。
1. 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)
アレルギーが起こる仕組み(ヒスタミン)と、抗ヒスタミン成分・プソイドエフェドリン塩酸塩・抗コリン成分・漢方処方製剤の要点を区別できるようになります。
どのような物質がアレルゲン(抗原)となるかは人によって異なり、複数の物質がアレルゲンとなることもある。主なものとして、小麦、卵、乳、そば、落花生、えび、かに等の食品、ハウスダスト(室内塵)、家庭用品が含有する化学物質や金属等が知られ、スギやヒノキ、ブタクサ等の花粉のように季節性のものもある。アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって肥満細胞が刺激され、ヒスタミンやプロスタグランジン等の生理活性物質が遊離する。遊離したヒスタミンは受容体と反応することで、血管拡張、血管透過性亢進等の作用を示す。なお蕁麻疹には、アレルゲンとの接触以外に、皮膚への物理的な刺激等によって生じるもの(寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹、心因性蕁麻疹など)や、傷んだ食品(特にサバなどの生魚)に生成したヒスタミン様物質の摂取によって生じるものもある。
内服アレルギー用薬は、蕁麻疹や湿疹、かぶれ及びそれらに伴う皮膚の痒み又は鼻炎に用いられる内服薬の総称で、抗ヒスタミン成分を主体として配合されている。抗ヒスタミン成分に、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状の緩和を目的として、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる成分(アドレナリン作動成分)や鼻汁分泌やくしゃみを抑える成分(抗コリン成分)等を組み合わせて配合されたものを鼻炎用内服薬という。
抗ヒスタミン成分は、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える。クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、メキタジン、ケトチフェンフマル酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジン等が用いられる。ヒスタミンは脳の下部で覚醒の維持・調節を担っており、抗ヒスタミン成分によりその働きが抑えられると眠気が促されるため、服用後は乗物又は機械類の運転操作を避けることとされている。また抗コリン作用も示すため、排尿困難や口渇、便秘等の副作用が現れることがあり、排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人は使用前に医師・薬剤師に相談がなされるべきである。ジフェンヒドラミンを含む成分は、一部が乳汁に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがあるため、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける。メキタジンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがある。
プソイドエフェドリン塩酸塩は、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用として不眠や神経過敏が現れることがある。心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要がある。パーキンソン病の治療でセレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素阻害剤の処方を受けている人では、プソイドエフェドリンの代謝が妨げられて副作用が現れやすくなるおそれが高く、使用を避ける必要がある。また、プソイドエフェドリン塩酸塩とメチルエフェドリン塩酸塩は依存性がある成分であり、長期間の連用は薬物依存につながるおそれがある。メチルエフェドリン塩酸塩は、血管収縮作用により痒みを鎮める効果を期待してアレルギー用薬でも用いられることがある。
抗コリン成分(ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド等)は、鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑えるとともに、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑える。ベラドンナはナス科の草本で、葉や根に、副交感神経系から放出されるアセチルコリンの働きを抑えるアルカロイドを含む。そのほか、抗炎症成分(グリチルリチン酸二カリウム、トラネキサム酸等)、ビタミン成分、生薬成分としてシンイ(鎮静、鎮痛)、サイシン(鎮痛、鎮咳、利尿等。鼻閉への効果)、ケイガイ(発汗、解熱、鎮痛等。鼻閉への効果)が配合される場合がある。
漢方処方製剤では、皮膚の症状を主とする人に適すとされるものとして茵蔯蒿湯、十味敗毒湯、消風散、当帰飲子等が、鼻の症状を主とする人に適すとされるものとして葛根湯加川芎辛夷、小青竜湯、荊芥連翹湯、辛夷清肺湯等がある。このうち茵蔯蒿湯と辛夷清肺湯を除き、いずれも構成生薬としてカンゾウを含み、葛根湯加川芎辛夷は構成生薬としてマオウを含む。受診勧奨としては、アレルギー用薬の使用は基本的に対症療法であり、長期の連用は避け、5〜6日間使用しても症状の改善がみられない場合には医師の診療を受けるなどの対応が必要とされる。一般用医薬品(漢方処方製剤を含む)にはアトピー性皮膚炎による慢性湿疹等の治療を目的とするものはなく、皮膚感染症(たむし、疥癬等)による症状には感染症そのものへの対処を優先する必要がある。
内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬)の主な成分・処方| 成分名・処方名 | 分類 | はたらき | 注意 |
|---|
| クロルフェニラミンマレイン酸塩、ロラタジン等 | 抗ヒスタミン成分 | 遊離したヒスタミンと受容体の反応を妨げる | 眠気(運転操作を避ける)。抗コリン作用で排尿困難・口渇・便秘 |
| ジフェンヒドラミンを含む成分 | 抗ヒスタミン成分 | 同上 | 乳汁に移行し乳児に昏睡のおそれ。授乳婦は使用か授乳を避ける |
| メキタジン | 抗ヒスタミン成分 | 同上 | まれにショック、肝機能障害、血小板減少 |
| プソイドエフェドリン塩酸塩 | アドレナリン作動成分 | 鼻粘膜の血管を収縮させ充血・腫れを和らげる | 心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能障害・前立腺肥大による排尿困難では使用を避ける。依存性あり |
| メチルエフェドリン塩酸塩 | アドレナリン作動成分 | 血管収縮。痒みを鎮める目的でも用いられる | 依存性あり |
| ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド | 抗コリン成分 | 鼻汁分泌やくしゃみを抑える | ベラドンナはナス科。アセチルコリンの働きを抑える |
| シンイ/サイシン/ケイガイ | 生薬成分 | 鎮静・鎮痛/鼻閉への効果/発汗・解熱・鎮痛、鼻閉への効果 | — |
| 葛根湯加川芎辛夷 | 漢方(鼻の症状) | 鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎 | 構成生薬にマオウとカンゾウを含む |
| 辛夷清肺湯 | 漢方(鼻の症状) | 濃い鼻汁、鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症 | カンゾウを含まない。肝機能障害・間質性肺炎・腸間膜静脈硬化症 |
| 茵蔯蒿湯 | 漢方(皮膚の症状) | 口渇・便秘傾向の蕁麻疹、口内炎、湿疹・皮膚炎、皮膚の痒み | カンゾウを含まない |
| 当帰飲子 | 漢方(皮膚の症状) | 冷え症で皮膚が乾燥するものの湿疹・皮膚炎、痒み | 胃腸が弱く下痢しやすい人は不向き |
用語
- 肥満細胞
- マスト細胞ともいい、血管周囲、特に皮膚・皮下組織、肺、消化管、肝臓に存在して免疫機構の一端を担う細胞。生理活性物質を貯蔵して細胞自体が大きくなることから付いた名称で、肥満症とは関連しない。
- ヒスタミン
- 細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質。受容体と反応して血管拡張・血管透過性亢進等の作用を示すほか、脳の下部では覚醒の維持・調節を行う働きを担っている。
- 抗コリン作用
- アセチルコリンの働きを抑える作用。抗ヒスタミン成分もこの作用を示すため、排尿困難や口渇、便秘等の副作用が現れることがある。
- モノアミン酸化酵素阻害剤
- セレギリン塩酸塩等。パーキンソン病の治療のため医療機関で処方される。プソイドエフェドリンの代謝を妨げて副作用が現れやすくなるおそれがあるため、併用は避ける必要がある。
例題
例題:プソイドエフェドリン塩酸塩の使用を避ける必要があるのはどのような人か。
答えと考え方 手引きでは、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人では症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要があるとされている。セレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素阻害剤で治療中の人も避ける。
例題:この節の漢方処方製剤のうち、構成生薬としてカンゾウを含まないものはどれか。
答えと考え方 茵蔯蒿湯と辛夷清肺湯。この2つを除き、いずれもカンゾウを含む。また葛根湯加川芎辛夷はマオウも含む。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
2. 鼻に用いる薬(鼻炎用点鼻薬)
急性鼻炎・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎の違いと、点鼻薬のアドレナリン作動成分による二次充血、その他の配合成分と正しい使い方が分かるようになります。
急性鼻炎は、鼻腔内に付着したウイルスや細菌が原因となって生じる鼻粘膜の炎症で、かぜの随伴症状として現れることが多い。アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉等のアレルゲンに対する過敏反応によって引き起こされる鼻粘膜の炎症で、スギ等の花粉がアレルゲンとなって生じるものは一般に「花粉症」と呼ばれる。副鼻腔炎は、こうした鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもので、慢性のものは一般に「蓄膿症」と呼ばれる。
鼻炎用点鼻薬は、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状のうち、鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみ、頭重の緩和を目的として鼻腔内に適用される外用液剤である。鼻炎用内服薬との主な違いは、鼻粘膜の充血を和らげる成分(アドレナリン作動成分)が主体となり、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分が配合されていても鼻腔内における局所的な作用を目的としている点である。剤形はスプレー式で鼻腔内に噴霧するものが多い。使用にあたっては、噴霧後に鼻汁とともに逆流する場合があるので使用前に鼻をよくかんでおくこと、使用後には鼻に接した部分を清潔なティッシュペーパー等で拭き、必ずキャップを閉めた状態で保管すること、容器はなるべく直接鼻に触れないようにすること、他人と点鼻薬を共有しないことが必要とされる。
アドレナリン作動成分としては、交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩等が用いられる。これらが配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。点鼻薬は局所(鼻腔内)に適用されるものだが、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。
抗ヒスタミン成分としては、ヒスタミンの働きを抑えることによりくしゃみや鼻汁等の症状の緩和を目的として、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩等が配合されている場合がある。抗アレルギー成分のクロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効で、3日間使用して症状の改善がみられない場合はアレルギー以外の原因の可能性が考えられる。減感作療法等のアレルギー治療を受けている人はその妨げとなるおそれがあるため使用前に相談が必要で、まれに重篤な副作用としてアナフィラキシーを、その他の副作用として鼻出血や頭痛を生じることがある。
そのほか、局所麻酔成分(リドカイン、リドカイン塩酸塩等)が鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑える目的で、殺菌消毒成分(ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物)が鼻粘膜を清潔に保ち細菌による二次感染を防止する目的で配合される場合がある。これらの殺菌消毒成分はいずれも陽性界面活性成分で、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスには効果がない。抗炎症成分としてはグリチルリチン酸二カリウムが配合される場合があり、ステロイド性抗炎症成分が配合されている場合には長期連用を避ける必要がある。
一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎であり、蓄膿症などの慢性のものは対象となっていない。アドレナリン作動成分のように鼻以外の器官や臓器に影響を及ぼすおそれがある成分も配合されていることから長期連用は避けることとされ、3日位使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続せずに医療機関(耳鼻科)を受診するなどの対応が必要である。鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合には、一般用医薬品により対処を図ることは適当でなく、医療機関における治療が必要となる。
鼻炎用点鼻薬の主な配合成分| 成分名 | 分類 | はたらき | 注意 |
|---|
| ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩 | アドレナリン作動成分 | 交感神経系を刺激し血管を収縮させ、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる | 過度の使用で二次充血を招き鼻づまりが悪化。血管から吸収され全身的な影響も |
| クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩 | 抗ヒスタミン成分 | ヒスタミンの働きを抑え、くしゃみや鼻汁等を緩和 | — |
| クロモグリク酸ナトリウム | 抗アレルギー成分 | 肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑える | アレルギー性でない鼻炎・副鼻腔炎には無効。まれにアナフィラキシー |
| リドカイン、リドカイン塩酸塩 | 局所麻酔成分 | 鼻粘膜の過敏性や痛み・痒みを抑える | — |
| ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物 | 殺菌消毒成分 | 細菌による二次感染を防止(黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、カンジダ等に有効) | 結核菌やウイルスには効果がない |
| グリチルリチン酸二カリウム | 抗炎症成分 | 鼻粘膜の炎症を和らげる | ステロイド性抗炎症成分配合の場合は長期連用を避ける |
用語
- 二次充血
- アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬を過度に使用したとき、鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して充血を招く現象。鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
- 花粉症
- アレルギー性鼻炎のうち、スギ等の花粉がアレルゲンとなって生じるものの一般的な呼び名。
- 蓄膿症
- 副鼻腔炎(鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもの)のうち慢性のものの一般的な呼び名。一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲には含まれない。
- 陽性界面活性成分
- ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物等の殺菌消毒成分。黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、カンジダ等の真菌類に殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスには効果がない。
例題
例題:アドレナリン作動成分配合の点鼻薬を過度に使用するとどうなるか。
答えと考え方 手引きでは、鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすいとされている。3日位使用しても改善がみられない場合は耳鼻科の受診などの対応が必要。
例題:点鼻薬の殺菌消毒成分が効かない病原体は何か。
答えと考え方 ベンザルコニウム塩化物等の陽性界面活性成分は、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、カンジダ等の真菌類には殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスには効果がないとされている。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
3. 眼科用薬(点眼薬・洗眼薬)
点眼薬の4つの区分と正しい点眼方法(1滴の量と結膜嚢、目頭の押さえ、コンタクトレンズ)、主な配合成分のはたらきが分かるようになります。
眼科用薬は、目の疲れやかすみ、痒み等の症状の緩和を目的として、結膜嚢(結膜で覆われた眼瞼(まぶた)の内側と眼球の間の空間)に適用する外用薬(点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液)である。コンタクトレンズ装着液は、あらかじめ定められた範囲内の成分のみを含む等の基準に当てはまる製品は医薬部外品として認められている。一般用医薬品の点眼薬は、主たる配合成分から、人工涙液(涙液成分を補い、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いる)、一般点眼薬(目の疲れや痒み、結膜充血等の症状を抑える成分を配合)、抗菌性点眼薬(抗菌成分を配合し、結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎(まぶたのただれ)等に用いる)、アレルギー用点眼薬(抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分を配合し、目のアレルギー症状の緩和を目的とする)に大別される。洗眼薬は目の洗浄、眼病予防に用いられ、涙液成分のほか抗炎症成分、抗ヒスタミン成分等が用いられる。
点眼方法では、容器の先端が眼瞼(まぶた)や睫毛(まつげ)に触れると雑菌が薬液に混入して汚染を生じる原因となるため、触れないように注意しながら1滴ずつ正確に点眼する。1滴の薬液の量は約50μLであるのに対して結膜嚢の容積は30μL程度とされており、一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではなく、むしろ薬液が鼻腔内へ流れ込み、鼻粘膜や喉から吸収されて副作用を起こしやすくなる。点眼後はしばらく眼瞼を閉じて薬液を結膜嚢内に行き渡らせ、その際、目頭を押さえると薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされる。別の人が使用している点眼薬は中身が汚染されている可能性があり共用は避ける。容器に記載されている使用期限は未開封の状態におけるものである。
コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズに関わらず、添付文書に使用可能と記載されていない限り行うべきでない。通常、ソフトコンタクトレンズは水分を含みやすく、防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラオキシ安息香酸ナトリウム等)などの配合成分がレンズに吸着されて角膜に障害を引き起こす原因となるおそれがあるため、装着したままの点眼は避けることとされている製品が多い。ただし1回使い切りタイプとして防腐剤を含まない製品では、ソフトコンタクトレンズ装着時にも使用できるものがある。
ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。目の充血を除去する目的では、結膜を通っている血管を収縮させるナファゾリン塩酸塩、ナファゾリン硝酸塩、エフェドリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が配合される場合があるが、緑内障と診断された人では眼圧の上昇をまねき、緑内障を悪化させたり治療を妨げるおそれがあるため使用前に相談がなされるべきで、連用又は頻回に使用すると異常なまぶしさを感じたり、かえって充血を招くことがある。抗炎症成分としてはグリチルリチン酸二カリウム、ベルベリン硫酸塩、イプシロン-アミノカプロン酸(炎症の原因となる物質の生成を抑える)、プラノプロフェン(非ステロイド性抗炎症成分)が、組織修復成分としてアズレンスルホン酸ナトリウムやアラントインが、収斂成分として硫酸亜鉛水和物(タンパク質と結合して皮膜を形成し保護)が、目の乾きの改善にはコンドロイチン硫酸ナトリウムや精製ヒアルロン酸ナトリウム等が用いられる。
目の痒みを抑える成分としては、ヒスタミンの働きを抑えるジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩等の抗ヒスタミン成分が配合されている場合があり、鼻炎用点鼻薬と併用した場合には眠気が現れることがあるため、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。抗アレルギー成分のクロモグリク酸ナトリウムは肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑え、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合されるが、アレルギー性でない結膜炎等には無効である。抗菌成分としては、細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として、スルファメトキサゾール等のサルファ剤が用いられる。すべての細菌に対して効果があるわけではなく、ウイルスや真菌の感染に対する効果はないので、3〜4日使用しても症状の改善がみられない場合には眼科専門医の診療を受けるなどの対応が必要で、サルファ剤によるアレルギー症状を起こしたことがある人では使用を避けるべきである。ホウ酸は洗眼薬として結膜嚢の洗浄・消毒に用いられるほか、防腐効果を期待して点眼薬の添加物(防腐剤)として配合されることもある。
受診勧奨としては、一般用医薬品の点眼薬には緑内障の症状を改善できるものはなく、配合成分によっては緑内障の悪化につながるおそれもある。目の痛みが激しい場合には、急性緑内障、角膜潰瘍、眼球への外傷等を生じている可能性があり、すみやかに眼科専門医による適切な処置が施されなければ視力障害等の後遺症を生じるおそれがある。目の症状は目以外の病気による可能性、特に脳が原因であることも多く知られており、目に何らかの異常が現れたときには医療機関を受診し専門医の診療を受けるよう促すべきとされている。
眼科用薬の主な配合成分| 成分名 | 分類 | はたらき | 注意 |
|---|
| ネオスチグミンメチル硫酸塩 | 調節機能改善成分 | コリンエステラーゼを抑え、毛様体のアセチルコリンの働きを助ける | — |
| ナファゾリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩等 | アドレナリン作動成分 | 結膜の血管を収縮させ目の充血を除去 | 緑内障の人は相談。連用・頻回使用で異常なまぶしさや、かえって充血 |
| イプシロン-アミノカプロン酸、プラノプロフェン | 抗炎症成分 | 炎症の原因となる物質の生成を抑える | プラノプロフェンは非ステロイド性抗炎症成分 |
| アズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン | 組織修復成分 | 炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す | — |
| 硫酸亜鉛水和物 | 収斂成分 | 眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成し、外部の刺激から保護 | — |
| コンドロイチン硫酸ナトリウム、精製ヒアルロン酸ナトリウム | 目の乾きを改善する成分 | 角膜の乾燥を防ぐ | — |
| ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩等 | 抗ヒスタミン成分 | ヒスタミンの働きを抑え、目の痒みを和らげる | 鼻炎用点鼻薬と併用すると眠気。運転操作を避ける |
| クロモグリク酸ナトリウム | 抗アレルギー成分 | 肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑える | アレルギー性でない結膜炎等には無効。まれにアナフィラキシー |
| スルファメトキサゾール等(サルファ剤) | 抗菌成分 | 細菌感染による結膜炎・ものもらい・眼瞼炎等の化膿性の症状を改善 | ウイルス・真菌には無効。3〜4日で改善なければ眼科受診 |
| ホウ酸 | 抗菌成分 | 結膜嚢の洗浄・消毒。点眼薬の防腐剤としても | — |
用語
- 結膜嚢
- 結膜で覆われた眼瞼(まぶた)の内側と眼球の間の空間。眼科用薬はここに適用する。容積は30μL程度とされ、1滴の薬液の量(約50μL)より小さい。
- 人工涙液
- 涙液成分を補うことを目的とする点眼薬。目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる。
- サルファ剤
- スルファメトキサゾール等の抗菌成分。細菌感染による結膜炎やものもらい、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善に用いられるが、すべての細菌に効果があるわけではなく、ウイルスや真菌には効果がない。
- ネオスチグミンメチル硫酸塩
- コリンエステラーゼの働きを抑え、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する成分。
例題
例題:一度に何滴も点眼すると効果は増すか。
答えと考え方 増さない。手引きでは、1滴の薬液の量は約50μLであるのに対して結膜嚢の容積は30μL程度とされており、何滴も点眼するとむしろ薬液が鼻腔内へ流れ込み、鼻粘膜や喉から吸収されて副作用を起こしやすくなるとされている。
例題:点眼後に目頭を押さえるのはなぜか。
答えと考え方 手引きでは、点眼後にしばらく眼瞼(まぶた)を閉じて薬液を結膜嚢内に行き渡らせる際、目頭を押さえると薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされている。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
確認問題(25問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|抗ヒスタミン成分
内服アレルギー用薬の抗ヒスタミン成分の作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 肥満細胞からのヒスタミンの遊離そのものを抑えることにより作用を示す。
- 肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える。
- 交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる作用を示す。
- 副交感神経系の働きを抑えることにより、鼻汁分泌やくしゃみを抑える。
正解と解説
正解:B. 肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える。手引きでは、抗ヒスタミン成分は肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることでヒスタミンの働きを抑えるとされている。ヒスタミンの遊離そのものを抑えるのはクロモグリク酸ナトリウム等の抗アレルギー成分、交感神経刺激による血管収縮はアドレナリン作動成分、副交感神経系の働きを抑えて鼻汁分泌やくしゃみを抑えるのは抗コリン成分の説明である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問2|アレルギーの仕組み
アレルギー(過敏反応)を生じる仕組みに関する記述として、正しいものはどれか。
- アレルゲンが体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって肥満細胞が刺激され、ヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離する。
- 肥満細胞から遊離したヒスタミンは、その受容体と反応することによって血管の収縮や血管透過性の低下等の作用を示し、蕁麻疹などのアレルギー症状を引き起こすと考えられている。
- どのような物質がアレルゲンとなるかは人によらず共通しており、複数の物質がアレルゲンとなることはない。
- 蕁麻疹はアレルゲンとの接触によってのみ生じるものであり、寒冷蕁麻疹や日光蕁麻疹のように皮膚への物理的な刺激によって生じることはないものである。
正解と解説
正解:A. アレルゲンが体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって肥満細胞が刺激され、ヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離する。手引きでは、アレルゲンを特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって肥満細胞が刺激され、ヒスタミンやプロスタグランジン等が遊離するとされている。遊離したヒスタミンは血管「拡張」・血管透過性「亢進」等の作用を示すので2は誤り。アレルゲンは人によって異なり、複数の物質がアレルゲンとなることもある。蕁麻疹には皮膚への物理的な刺激等で生じるもの(寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹等)もある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問3|抗ヒスタミンの注意
抗ヒスタミン成分が配合された内服薬に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ヒスタミンは脳の下部にある睡眠・覚醒に大きく関与する部位で覚醒の維持・調節を行う働きを担っており、抗ヒスタミン成分によりその働きが抑えられると眠気が促される。
- 服用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避けることとされている。
- ジフェンヒドラミンを含む成分は、吸収されたジフェンヒドラミンの一部が乳汁に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがある。
- 抗ヒスタミン成分は抗コリン作用を示さないため、排尿困難や口渇等の副作用が現れることはない。
正解と解説
正解:D. 抗ヒスタミン成分は抗コリン作用を示さないため、排尿困難や口渇等の副作用が現れることはない。手引きでは、抗ヒスタミン成分はヒスタミンの働きを抑える作用以外に抗コリン作用も示すため、排尿困難や口渇、便秘等の副作用が現れることがあるとされており、4が誤り。排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人は使用前に医師・薬剤師への相談がなされるべきとされる。眠気と運転操作の回避、ジフェンヒドラミンの乳汁移行(授乳婦は使用を避けるか授乳を避ける)はいずれも手引きのとおり。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問4|プソイドエフェドリン
手引きにおいて、プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された鼻炎用内服薬の使用を避ける必要があるとされている人として、誤っているものはどれか。
- 高血圧の診断を受けた人
- 甲状腺機能障害の診断を受けた人
- 貧血の診断を受けた人
- 前立腺肥大による排尿困難の症状がある人
正解と解説
正解:C. 貧血の診断を受けた人手引きでは、プソイドエフェドリン塩酸塩は交感神経系に対する刺激作用によって心臓血管系や肝臓でのエネルギー代謝等への影響が生じやすく、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人では症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要があるとされている。貧血の診断を受けた人は、この使用を避ける対象として手引きに挙げられていない。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問5|プソイドの注意
プソイドエフェドリン塩酸塩に関する記述として、正しいものはどれか。
- 他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用として不眠や神経過敏が現れることがある。
- 依存性がない成分であり、長期間にわたって連用しても薬物依存につながるおそれはない。
- セレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素阻害剤で治療を受けている人が使用しても、副作用が現れやすくなることはない。
- 副交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を拡張させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる。
正解と解説
正解:A. 他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用として不眠や神経過敏が現れることがある。手引きでは、プソイドエフェドリン塩酸塩は他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、不眠や神経過敏が現れることがあるとされている。依存性がある成分であり長期連用は薬物依存につながるおそれがあるので2は誤り。モノアミン酸化酵素阻害剤で治療中の人では代謝が妨げられて副作用が現れやすくなるおそれが高く使用を避ける必要がある。作用は「交感神経系を刺激して血管を収縮」させるものである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問6|抗コリン成分
鼻炎用内服薬に配合される抗コリン成分に関する記述として、正しいものはどれか。
- ヨウ化イソプロパミドは、交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげるアドレナリン作動成分であると考えられている。
- ベラドンナはキク科の草本で、その花穂に副交感神経系の働きを高めるアルカロイドを含む生薬である。
- 抗コリン成分は、肥満細胞からのヒスタミンの遊離そのものを抑えることにより、鼻汁分泌やくしゃみ、鼻づまり等の鼻炎症状を抑える。
- 鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑えるとともに、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑える。
正解と解説
正解:D. 鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑えるとともに、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑える。手引きでは、ベラドンナ総アルカロイドやヨウ化イソプロパミド等の抗コリン成分は、鼻腔内の粘液の分泌を抑えるとともに副交感神経系の働きを抑えることで鼻汁分泌やくしゃみを抑えるとされている。ヨウ化イソプロパミドは抗コリン成分でありアドレナリン作動成分ではない。ベラドンナは「ナス科」の草本で、葉や根にアセチルコリンの働きを「抑える」アルカロイドを含む。ヒスタミン遊離を抑えるのは抗アレルギー成分の説明である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問7|鼻の漢方処方
鼻の症状を主とする人に適すとされる漢方処方製剤に関する記述として、正しいものはどれか。
- 辛夷清肺湯は、構成生薬としてカンゾウを含む漢方処方製剤である。
- 葛根湯加川芎辛夷は、構成生薬としてマオウを含み、比較的体力があるものの鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎に適すとされる。
- 荊芥連翹湯は、鼻の症状を主とする人ではなく、皮膚の症状を主とする人に適すとされる漢方処方製剤であり、にきびの症状に用いられる。
- 小青竜湯は、マオウを含むが構成生薬としてカンゾウは含まない漢方処方製剤であり、鼻の症状を主とする人に適すとされる。
正解と解説
正解:B. 葛根湯加川芎辛夷は、構成生薬としてマオウを含み、比較的体力があるものの鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎に適すとされる。手引きでは、葛根湯加川芎辛夷は構成生薬としてマオウを含み、比較的体力があるものの鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎に適すとされている。この節の漢方処方製剤のうちカンゾウを含まないのは茵蔯蒿湯と辛夷清肺湯であり、辛夷清肺湯がカンゾウを含むとする1と、小青竜湯がカンゾウを含まないとする4は誤り。荊芥連翹湯は鼻の症状を主とする人に適すとされるもの(蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび)である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問8|皮膚の漢方処方
体力中等度以下で、冷え症で、皮膚が乾燥するものの湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、痒みに適すとされる漢方処方製剤はどれか。
- 茵蔯蒿湯
- 消風散
- 当帰飲子
- 十味敗毒湯
正解と解説
正解:C. 当帰飲子手引きでは、当帰飲子は体力中等度以下で、冷え症で、皮膚が乾燥するものの湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、痒みに適すとされている。茵蔯蒿湯は体力中等度以上で口渇があり、尿量少なく、便秘するものの蕁麻疹、口内炎等に適す。消風散は体力中等度以上の人で痒みが強くて分泌物が多く、ときに局所の熱感があるものの湿疹・皮膚炎等に適す。十味敗毒湯は化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹等に適すとされる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問9|受診勧奨
内服アレルギー用薬の相互作用・受診勧奨に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 一般用医薬品のアレルギー用薬は体質の改善を目的とするものであり、症状の改善がみられなくても長期間継続して使用することが望ましい。
- 5〜6日間使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。
- 一般用医薬品(漢方処方製剤を含む。)には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹等の治療に用いることを目的とするものは一切含まれていない。
- アレルギー用薬と鼻炎用点鼻薬のように、内服薬と外用薬でも同じ成分又は同種の作用を有する成分が重複することがあるため、注意が必要である。
正解と解説
正解:A. 一般用医薬品のアレルギー用薬は体質の改善を目的とするものであり、症状の改善がみられなくても長期間継続して使用することが望ましい。手引きでは、アレルギー症状に対する医薬品の使用は基本的に対症療法であり、一般用医薬品のアレルギー用薬は一時的な症状の緩和に用いられるもので、長期の連用は避けることとされているため、1が誤り。5〜6日間使用しても改善がみられない場合の受診、アトピー性皮膚炎の治療を目的とする一般用医薬品はないこと、内服薬と外用薬での成分の重複への注意は、いずれも手引きに記載のとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)
問10|鼻炎の種類
鼻炎及び副鼻腔炎に関する記述として、正しいものはどれか。
- 急性鼻炎は、ハウスダストや花粉等のアレルゲンに対する過敏反応によって引き起こされる鼻粘膜の炎症である。
- アレルギー性鼻炎のうち、スギ等の花粉がアレルゲンとなって生じるものは一般に「蓄膿症」と呼ばれる。
- 副鼻腔炎は、鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもので、慢性のものは一般に「蓄膿症」と呼ばれる。
- 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬は、急性鼻炎のほか、蓄膿症などの慢性の副鼻腔炎も対応範囲としている。
正解と解説
正解:C. 副鼻腔炎は、鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもので、慢性のものは一般に「蓄膿症」と呼ばれる。手引きでは、副鼻腔炎は鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもので、慢性のものは一般に「蓄膿症」と呼ばれるとされている。急性鼻炎は鼻腔内に付着したウイルスや細菌が原因となって生じる鼻粘膜の炎症で、アレルゲンへの過敏反応によるものはアレルギー性鼻炎である。スギ等の花粉によるものは「花粉症」と呼ばれる。鼻炎用点鼻薬の対応範囲は急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎で、蓄膿症などの慢性のものは対象外である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
問11|二次充血
アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬に関する記述として、正しいものはどれか。
- 過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
- 二次充血は、アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬の過度の使用により、鼻粘膜の血管の収縮が強まりすぎることによって生じる。
- ナファゾリン塩酸塩は、副交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させ、鼻づまり(鼻閉)や鼻炎症状を和らげる作用を示す成分である。
- 点鼻薬は鼻腔内の局所に適用されるものであるため、その成分が鼻粘膜の血管から吸収されて全身的な影響を生じることはない。
正解と解説
正解:A. 過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。手引きでは、アドレナリン作動成分配合の点鼻薬を過度に使用すると、鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が「拡張」して二次充血を招き、鼻づまりがひどくなりやすいとされている。二次充血は血管収縮が強まることではなく血管の拡張により生じる。ナファゾリン塩酸塩は「交感神経系」を刺激する成分である。点鼻薬の成分は鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
問12|二次充血の注意
鼻炎用点鼻薬に配合されるアドレナリン作動成分に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が用いられる。
- 交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる。
- 成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。
- 局所に適用される薬であるため、過度に使用しても鼻づまり(鼻閉)が悪化することはない。
正解と解説
正解:D. 局所に適用される薬であるため、過度に使用しても鼻づまり(鼻閉)が悪化することはない。手引きでは、アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすいとされているため、4が誤り。用いられる成分名(ナファゾリン塩酸塩等)、交感神経系刺激による血管収縮という作用、血管から吸収されて全身的な影響を生じることがあるという記述は、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
問13|クロモグリク酸
点鼻薬に配合されるクロモグリク酸ナトリウムに関する記述として、正しいものはどれか。
- 肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、鼻炎症状を抑える作用を示す。
- 肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。
- アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しても有効である。
- 重篤な副作用は知られておらず、医療機関でアレルギーの治療を受けている人であっても、相談することなく使用できる。
正解と解説
正解:B. 肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。手引きでは、クロモグリク酸ナトリウムは肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合されるとされている。受容体との反応を妨げるのは抗ヒスタミン成分の作用である。アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効とされる。まれに重篤な副作用としてアナフィラキシーを生じることがあり、減感作療法等の治療を受けている人はその妨げとなるおそれがあるため使用前に相談が必要である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
問14|殺菌消毒成分
点鼻薬に配合される殺菌消毒成分に関する記述として、正しいものはどれか。
- ベンザルコニウム塩化物は、陰イオン界面活性成分であり、鼻粘膜を清潔に保って細菌による二次感染を防止する目的で配合される。
- セチルピリジニウム塩化物は、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌や真菌類のほか、結核菌やウイルスに対しても殺菌消毒作用を示す。
- ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物等は、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。
- 殺菌消毒成分は、鼻粘膜の血管を収縮させて充血や腫れを和らげることを目的として配合される。
正解と解説
正解:C. ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物等は、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。手引きでは、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物はいずれも陽性界面活性成分で、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスには効果がないとされている。陰イオン界面活性成分ではない。配合目的は鼻粘膜を清潔に保ち細菌による二次感染を防止することであり、充血や腫れを和らげるのはアドレナリン作動成分の目的である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
問15|点鼻薬の使い方
スプレー式鼻炎用点鼻薬の使用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 噴霧後に鼻汁とともに逆流する場合があるので、使用前に鼻をよくかんでおく。
- 使用後には鼻に接した部分を清潔なティッシュペーパー等で拭き、必ずキャップを閉めた状態で保管する。
- 汚染を防ぐために、容器はなるべく直接鼻に触れないようにする。
- 家族間であれば、同じ点鼻薬を共有して使用しても差し支えない。
正解と解説
正解:D. 家族間であれば、同じ点鼻薬を共有して使用しても差し支えない。手引きでは、他人と点鼻薬を共有しないようにする必要があるとされており、家族間であっても共有してよいとする4が誤り。使用前に鼻をよくかんでおくこと、使用後に鼻に接した部分を清潔なティッシュペーパー等で拭き必ずキャップを閉めた状態で保管し清潔に保つこと、容器はなるべく直接鼻に触れないようにすることは、いずれもスプレー式鼻炎用点鼻薬に関する一般的な注意事項として手引きに記載されているとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
問16|点鼻薬の成分
鼻炎用点鼻薬の配合成分とその配合目的に関する記述として、正しいものはどれか。
- リドカインは、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合される局所麻酔成分である。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩は、細菌による二次感染を防止することを目的として配合される殺菌消毒成分である。
- グリチルリチン酸二カリウムは、鼻粘膜の血管を収縮させて鼻づまりを和らげることを目的として配合される。
- ケトチフェンフマル酸塩は、局所麻酔成分として配合される。
正解と解説
正解:A. リドカインは、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合される局所麻酔成分である。手引きでは、リドカイン、リドカイン塩酸塩等の局所麻酔成分は鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されるとされている。クロルフェニラミンマレイン酸塩とケトチフェンフマル酸塩はいずれもヒスタミンの働きを抑えてくしゃみや鼻汁等の症状を緩和する抗ヒスタミン成分であり、二次感染防止はベンザルコニウム塩化物等の殺菌消毒成分の目的である。グリチルリチン酸二カリウムは鼻粘膜の炎症を和らげる抗炎症成分である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
問17|点鼻薬受診勧奨
鼻炎用点鼻薬の受診勧奨に関する記述として、正しいものはどれか。
- 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬は、蓄膿症などの慢性の副鼻腔炎も対応範囲としている。
- 3日位使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続せずに医療機関(耳鼻科)を受診するなどの対応が必要である。
- 鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合であっても、一般用医薬品の点鼻薬によって対処を図ることが適当である。
- 鼻炎用点鼻薬は鼻腔内の局所にのみ作用する薬であるため、長期連用しても鼻以外の器官や臓器に影響を及ぼすことはない。
正解と解説
正解:B. 3日位使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続せずに医療機関(耳鼻科)を受診するなどの対応が必要である。手引きでは、鼻炎用点鼻薬は3日位使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続せずに医療機関(耳鼻科)を受診するなどの対応が必要とされている。対応範囲は急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎で、蓄膿症などの慢性のものは対象外である。鼻茸には一般用医薬品による対処は適当でなく医療機関での治療が必要となる。アドレナリン作動成分のように鼻以外の器官や臓器に影響を及ぼすおそれがある成分も配合されているため長期連用は避ける。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅷ 鼻に用いる薬
問18|点眼薬の区分
一般用医薬品の眼科用薬に関する記述として、正しいものはどれか。
- 人工涙液は、抗菌成分の配合により結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎(まぶたのただれ)の改善を目的とするものである。
- 一般点眼薬は、涙液成分を補うことのみを目的とするものであり、目の疲れや痒み、結膜充血等の症状を抑える成分が配合されることはない。
- 抗菌性点眼薬は、抗菌成分が配合され、結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎(まぶたのただれ)等に用いられるものである。
- 洗眼薬には涙液成分は用いられず、抗炎症成分や抗ヒスタミン成分のみが配合されるものである。
正解と解説
正解:C. 抗菌性点眼薬は、抗菌成分が配合され、結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎(まぶたのただれ)等に用いられるものである。手引きでは、抗菌性点眼薬は抗菌成分が配合され、結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎(まぶたのただれ)等に用いられるとされている。人工涙液は涙液成分を補うことを目的とし、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる。一般点眼薬は目の疲れや痒み、結膜充血等の症状を抑える成分が配合されているものである。洗眼薬は主な配合成分として涙液成分のほか、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分等が用いられる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
問19|点眼の方法
点眼方法に関する記述として、正しいものはどれか。
- 1滴の薬液の量は約50μLであるのに対して、結膜嚢の容積は30μL程度とされており、一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではない。
- 1滴では効果が不十分なため、一度に数滴を点眼することが望ましい。
- 結膜嚢の容積は約50μLであり、1滴の薬液の量である30μL程度よりも大きいため、一度に数滴を点眼しても差し支えない。
- 点眼した薬液が鼻腔内へ流れ込み、鼻粘膜や喉から吸収されることはあるが、それによって副作用を起こすことはない。
正解と解説
正解:A. 1滴の薬液の量は約50μLであるのに対して、結膜嚢の容積は30μL程度とされており、一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではない。手引きでは、1滴の薬液の量は約50μLであるのに対して結膜嚢の容積は30μL程度とされており、一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではないとされている。したがって一度に数滴を点眼することが望ましいとする2、結膜嚢の容積の方が大きいとする3は誤り。何滴も点眼すると、むしろ薬液が鼻腔内へ流れ込み、鼻粘膜や喉から吸収されて副作用を起こしやすくなるとされているため4も誤りである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
問20|点眼の注意
点眼薬の使用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 点眼の際に容器の先端が眼瞼(まぶた)や睫毛(まつげ)に触れると、雑菌が薬液に混入して汚染を生じる原因となる。
- 点眼後はしばらく眼瞼(まぶた)を閉じて、その際に目頭を押さえると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされる。
- 点眼薬の容器に記載されている使用期限は、未開封の状態で保管された場合におけるものである。
- 別の人が使用している点眼薬であっても、容器の先端に直接触れなければ共用して差し支えない。
正解と解説
正解:D. 別の人が使用している点眼薬であっても、容器の先端に直接触れなければ共用して差し支えない。手引きでは、別の人が使用している点眼薬は、容器の先端が睫毛(まつげ)に触れる等して中身が汚染されている可能性があり、共用することは避けることとされているため、4が誤り。容器の先端が眼瞼や睫毛に触れると雑菌が混入して汚染の原因となること、点眼後にしばらく眼瞼を閉じて目頭を押さえると薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防げて効果的であること、使用期限は未開封の状態におけるものであることは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
問21|コンタクトレンズ
コンタクトレンズ使用時の点眼法に関する記述として、正しいものはどれか。
- ハードコンタクトレンズであれば、添付文書の記載にかかわらず、装着したまま点眼して差し支えない。
- コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズに関わらず、添付文書に使用可能と記載されていない限り行うべきでない。
- ソフトコンタクトレンズは水分を含みにくいため、ベンザルコニウム塩化物などの防腐剤がレンズに吸着されて角膜に障害を引き起こすおそれはないものである。
- 1回使い切りタイプとして防腐剤を含まない製品であっても、ソフトコンタクトレンズ装着時に使用できるものはない。
正解と解説
正解:B. コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズに関わらず、添付文書に使用可能と記載されていない限り行うべきでない。手引きでは、コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフト・ハードに関わらず、添付文書に使用可能と記載されていない限り行うべきでないとされている。ハードなら常に可とする1は誤り。ソフトコンタクトレンズは水分を「含みやすく」、防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラオキシ安息香酸ナトリウム等)が吸着されて角膜に障害を引き起こすおそれがある。1回使い切りタイプで防腐剤を含まない製品には、ソフトコンタクトレンズ装着時にも使用できるものがある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
問22|ネオスチグミン
ネオスチグミンメチル硫酸塩に関する記述として、正しいものはどれか。
- ヒスタミンの働きを抑えることによって、目の痒みや結膜の充血を和らげる作用を示す成分であり、一般点眼薬に配合される。
- コリンエステラーゼの働きを助けることによって、毛様体におけるアセチルコリンの分解を促し、目の調節機能を改善する。
- コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する。
- 結膜を通っている血管を収縮させて、目の充血を除去する作用を示す成分である。
正解と解説
正解:C. コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する。手引きでは、ネオスチグミンメチル硫酸塩はコリンエステラーゼの働きを「抑える」作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで目の調節機能を改善する効果を目的として用いられるとされている。コリンエステラーゼの働きを「助ける」とする2は逆で誤り。ヒスタミンの働きを抑えるのはジフェンヒドラミン塩酸塩等の抗ヒスタミン成分、血管を収縮させて充血を除去するのはナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分の説明である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
問23|目の充血除去
目の充血を除去する目的で点眼薬に配合されるアドレナリン作動成分に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ナファゾリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩等が、結膜を通っている血管を収縮させて目の充血を除去することを目的として配合される場合がある。
- 緑内障と診断された人では、眼圧の上昇をまねき、緑内障を悪化させたり、その治療を妨げるおそれがある。
- 連用又は頻回に使用すると、異常なまぶしさを感じたり、かえって目の充血を招いたりすることがある。
- 5〜6日間使用して症状の改善がみられない場合でも、副作用がなければそのまま使用を継続してよい。
正解と解説
正解:D. 5〜6日間使用して症状の改善がみられない場合でも、副作用がなければそのまま使用を継続してよい。手引きでは、長引く目の充血症状は重大な疾患による可能性も考えられるため、5〜6日間使用して症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続することなく、医療機関(眼科)を受診する必要性を含め専門家に相談がなされるべきとされており、4が誤り。ナファゾリン塩酸塩等が血管を収縮させて充血を除去すること、緑内障と診断された人での眼圧上昇のおそれ、連用・頻回使用による異常なまぶしさやかえって充血を招くことは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
問24|眼科用薬の成分
眼科用薬の配合成分とその配合目的に関する記述として、正しいものはどれか。
- 硫酸亜鉛水和物は、炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して配合される。
- コンドロイチン硫酸ナトリウムは、角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられる。
- アズレンスルホン酸ナトリウムは、眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成する収斂成分である。
- イプシロン-アミノカプロン酸は、視細胞が光を感受する反応に関与し、視力調整等の反応を改善する効果を期待して用いられる。
正解と解説
正解:B. コンドロイチン硫酸ナトリウムは、角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられる。手引きでは、コンドロイチン硫酸ナトリウムや精製ヒアルロン酸ナトリウムは角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられるとされている。硫酸亜鉛水和物は眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成し外部の刺激から保護する収斂成分であり、組織修復を促すのはアズレンスルホン酸ナトリウムやアラントインである。イプシロン-アミノカプロン酸は炎症の原因となる物質の生成を抑える抗炎症成分で、視細胞の光の感受に関与するのはビタミンAである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
問25|サルファ剤
点眼薬に配合されるサルファ剤に関する記述として、正しいものはどれか。
- スルファメトキサゾールは、細菌感染による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられるが、ウイルスや真菌の感染に対する効果はない。
- スルファメトキサゾール等のサルファ剤は、細菌感染による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎に用いられ、ウイルスや真菌を含むすべての微生物に対して効果があると考えられている。
- 3〜4日使用して症状の改善がみられない場合であっても、そのまま使用を継続すれば効果が期待できる。
- サルファ剤によるアレルギー症状を起こしたことがある人であっても、使用を避ける必要はない。
正解と解説
正解:A. スルファメトキサゾールは、細菌感染による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられるが、ウイルスや真菌の感染に対する効果はない。手引きでは、スルファメトキサゾール等のサルファ剤は細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられ、ウイルスや真菌の感染に対する効果はないとされている。すべての細菌に対して効果があるわけではないため2は誤り。3〜4日使用して改善がみられない場合には眼科専門医の診療を受けるなどの対応が必要である。サルファ剤によるアレルギー症状を起こしたことがある人では使用を避けるべきとされている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第3章 Ⅸ 眼科用薬
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※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 出題は厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。試験は都道府県ごとに実施され、日程・合格基準の細部は都道府県により異なります。最新の情報は各都道府県の公表をご確認ください。