登録販売者 REGISTERED SALES CLERK
人体の構造と働き
講義 4 本・確認問題 40 問 | 本試験では「第2章 人体と医薬品」(20問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- 口腔から肛門までの消化管と、唾液腺・肝臓・胆嚢・膵臓という消化腺のはたらきを、消化酵素と栄養分の吸収を軸に整理します。
- 鼻腔から肺胞までの気道の構造とガス交換、そして心臓・血管・血液・脾臓・リンパ系という循環器系のしくみをまとめます。
- 腎臓のネフロンと副腎、尿路のしくみと、目・鼻・耳という感覚器官の構造とはたらきを押さえます。
- 皮膚・骨・筋という運動器官の構造と、中枢神経系・末梢神経系、とりわけ交感神経と副交感神経の効果器への作用を対比で覚えます。
1. 消化器系
口腔から肛門までの消化管と、唾液腺・肝臓・胆嚢・膵臓という消化腺のはたらきを、消化酵素と栄養分の吸収を軸に整理します。
消化器系は、飲食物を消化して生命を維持していくため必要な栄養分として吸収し、その残滓を体外に排出する器官系である。これに関わる器官として、口腔・咽頭・食道・胃・小腸・大腸・肛門からなる消化管と、唾液腺・肝臓・胆嚢・膵臓などの消化腺がある。消化管は口腔から肛門まで続く管で、平均的な成人で全長約9mある。
飲食物はそのままの形で栄養分として利用できず、消化管で吸収される形に分解する必要があり、これを消化という。消化には、消化腺から分泌される消化液に含まれる消化酵素の作用によって飲食物を分解する化学的消化と、口腔における咀嚼や消化管の運動によって内容物を細かくして消化液と混和する機械的消化とがある。
口腔では、歯が歯周組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質)によって上下の顎の骨に固定されている。歯冠の表面はエナメル質で覆われ、体で最も硬い部分となっており、その下には象牙質と呼ばれる硬い骨状の組織があって、神経や血管が通る歯髄を取り囲んでいる。舌の表面には舌乳頭という無数の小さな突起があり、味覚を感知する味蕾が分布している。唾液腺から分泌される唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素であるプチアリン(唾液アミラーゼ)が含まれるほか、リゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含み、唾液によって口腔内のpHはほぼ中性に保たれて酸による歯の齲蝕を防いでいる。
咽頭は口腔から食道に通じる食物路と、呼吸器の気道とが交わるところである。嚥下が起きるときには喉頭の入り口にある弁(喉頭蓋)が反射的に閉じ、飲食物が喉頭や気管に流入せずに食道へと送られる。食道は直径1~2cmの管状の器官で、消化液の分泌腺はない。嚥下された飲食物は重力によって胃に落ち込むのではなく、食道の運動によって胃に送られる。食道の上端と下端には括約筋があり、胃の内容物が食道や咽頭に逆流しないよう防いでいる。
胃は、食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し容積が拡がる(胃適応性弛緩)。粘膜表面の孔は胃腺につながって塩酸(胃酸)のほかペプシノーゲンなどを分泌しており、ペプシノーゲンは胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとなる。タンパク質がペプシンによって半消化された状態をペプトンという。胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収にも重要な役割を果たしている。内容物の胃内の滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長い。
小腸は全長6~7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれる。十二指腸は胃から連なる約25cmのC字型に彎曲した部分で、彎曲部には膵臓からの膵管と胆嚢からの胆管の開口部がある。十二指腸で分泌される腸液に含まれる成分の働きによって、膵液中のトリプシノーゲンがトリプシンになる。十二指腸に続く部分の概ね上部40%が空腸、残り約60%が回腸である。腸管粘膜上の消化酵素として、半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解するエレプシン、炭水化物を単糖類まで分解するマルターゼ、ラクターゼ等がある。小腸の内壁には輪状のひだがあり、粘膜表面は絨毛に覆われ、絨毛を構成する細胞の表面にはさらに微絨毛が密生して吸収効率を高めている。
炭水化物とタンパク質は、消化酵素の作用によってそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収される。脂質(トリグリセリド)は消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(カイロミクロンとも呼ばれる)となる。その際、脂溶性ビタミンも一緒に取り込まれる。
膵臓は胃の後下部に位置する細長い臓器で、弱アルカリ性の膵液を十二指腸へ分泌し、胃で酸性となった内容物を中和する。膵液はトリプシノーゲンのほか、デンプンを分解するアミラーゼ(膵液アミラーゼ)、脂質を分解するリパーゼなど多くの消化酵素を含み、膵臓は炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。また膵臓は、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。
胆嚢は、肝臓で産生された胆汁を濃縮して蓄える器官で、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送り込む。胆汁に含まれる胆汁酸塩は脂質の消化を容易にし、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は小腸で再吸収されて肝臓に戻される(腸肝循環)。胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物である。
肝臓は横隔膜の直下に位置する大きい臓器で、胆汁を産生するほか、栄養分の代謝・貯蔵(ブドウ糖をグリコーゲンとして蓄える。ビタミンA、D等の脂溶性ビタミンのほかビタミンB6やB12等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもある)、生体に有害な物質の無毒化・代謝(アルコールはアセトアルデヒドに代謝されたのちさらに代謝されて酢酸となる。アンモニアは尿素へと代謝される)、生体物質の産生(コレステロール、フィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン等)を担う。必須アミノ酸以外のアミノ酸を生合成することもできる。
大腸は盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器で、内壁粘膜に絨毛がない点で小腸と区別される。大腸では水分とナトリウム、カリウム、リン酸等の電解質の吸収が行われて固形状の糞便が形成され、消化はほとんど行われない。大腸内には腸内細菌が多く存在して食物繊維を発酵分解し、血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンK等の物質も産生している。糞便の成分の大半は水分で、食物の残滓は約5%に過ぎない。肛門は直腸粘膜が皮膚へと連なる体外への開口部で、境目には歯状線と呼ばれる線があり、周囲は肛門括約筋で囲まれている。
主な消化酵素と、その分泌される場所・はたらき| 分泌される場所 | 消化酵素 | はたらき |
|---|
| 唾液腺(唾液) | プチアリン(唾液アミラーゼ) | デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する |
| 胃(胃液) | ペプシン(ペプシノーゲンが胃酸により変化) | タンパク質を消化する(半消化された状態をペプトンという) |
| 膵臓(膵液) | トリプシン(トリプシノーゲンが十二指腸で変化) | ペプトンをさらに細かく消化する |
| 膵臓(膵液) | アミラーゼ(膵液アミラーゼ) | デンプンを分解する |
| 膵臓(膵液) | リパーゼ | 脂質を分解する |
| 小腸(腸管粘膜上) | エレプシン | 半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解する |
| 小腸(腸管粘膜上) | マルターゼ、ラクターゼ | 炭水化物を単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)まで分解する |
用語
- 化学的消化
- 消化液に含まれる消化酵素の作用によって飲食物を分解すること。これに対し、口腔における咀嚼や消化管の運動などによって消化管の内容物を細かくし、消化液と混和して化学的消化を容易にすることを機械的消化という。
- プチアリン
- 唾液に含まれる消化酵素で、唾液アミラーゼともいう。デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する。唾液にはこのほかリゾチーム等の殺菌・抗菌物質も含まれ、口腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用がある。
- ペプシノーゲン
- 胃腺から塩酸(胃酸)とともに分泌される物質で、胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとなり、胃酸とともに胃液として働く。タンパク質がペプシンによって半消化された状態をペプトンという。
- 胃適応性弛緩
- 中身が空の状態では扁平に縮んでいる胃に、食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し、容積が拡がること。
- トリプシン
- 膵液中のトリプシノーゲンが、十二指腸で分泌される腸液に含まれる成分の働きによって変化したもの。胃で半消化されたタンパク質(ペプトン)をさらに細かく消化する酵素である。
- 絨毛
- 十二指腸の上部を除く小腸の内壁にある輪状のひだの粘膜表面を覆う突起で、柔突起ともいう。絨毛を構成する細胞の表面にはさらに微絨毛が密生し、吸収効率を高めている。大腸の内壁粘膜には絨毛がない。
- 乳状脂粒
- 脂質(トリグリセリド)が消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受け、小腸粘膜の上皮細胞で吸収された後に脂質へ再形成されたもの。リポタンパク質の一種でカイロミクロンとも呼ばれ、その際に脂溶性ビタミンも一緒に取り込まれる。
- 腸肝循環
- 腸内に放出された胆汁酸塩の大部分が、小腸で再吸収されて肝臓に戻されること。胆汁酸塩は脂質の消化を容易にし、また脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
- グリコーゲン
- 小腸で吸収されたブドウ糖が血液によって肝臓に運ばれ、蓄えられた形。ブドウ糖が重合してできた高分子多糖で、血糖値が下がったときなど必要に応じてブドウ糖に分解されて血液中に放出される。
例題
例題:デンプンを分解する消化酵素を、手引きに出てくる範囲で2つ挙げてください。
答えと考え方 唾液に含まれるプチアリン(唾液アミラーゼ)と、膵液に含まれるアミラーゼ(膵液アミラーゼ)。プチアリンはデンプンをデキストリンや麦芽糖に分解するとされている。
例題:小腸と大腸の内壁の違いは何ですか。
答えと考え方 小腸の内壁(十二指腸の上部を除く)は輪状のひだの粘膜表面が絨毛に覆われているのに対し、大腸は内壁粘膜に絨毛がない点で小腸と区別される、とされている。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
2. 呼吸器系と循環器系
鼻腔から肺胞までの気道の構造とガス交換、そして心臓・血管・血液・脾臓・リンパ系という循環器系のしくみをまとめます。
呼吸器系は呼吸を行うための器官系で、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺からなる。鼻腔から気管支までの呼気及び吸気の通り道を気道といい、そのうち咽頭・喉頭までの部分を上気道、気管から気管支、肺までの部分を下気道という。呼吸器は常時外気と接触する器官であり、様々な異物、病原物質の侵入経路となるため、幾つもの防御機構が備わっている。
鼻腔の入り口(鼻孔)にある鼻毛は、空気中の塵、埃等を吸い込まないようにするフィルターの役目を果たしている。鼻腔の内壁は粘膜で覆われた棚状の凸凹になっており、吸入された空気に効率よく適度な湿り気と温もりを与える。鼻腔の内壁には粘液分泌腺が多く分布して鼻汁を分泌し、鼻汁にはリゾチームが含まれ、気道の防御機構の一つとなっている。
咽頭は鼻腔と口腔につながっており、消化管と気道の両方に属する。咽頭の後壁には扁桃があり、扁桃はリンパ組織(白血球の一種であるリンパ球が密集する組織)が集まってできていて、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。喉頭は咽頭と気管の間にある軟骨に囲まれた円筒状の器官で、軟骨の突起した部分(喉頭隆起)がいわゆる「のどぼとけ」である。喉頭は発声器としての役割もあり、呼気で喉頭上部にある声帯を振動させて声が発せられる。
喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を気管といい、そこから肺の中で複数に枝分かれする部分を気管支という。喉頭の大部分と気管から気管支までの粘膜は線毛上皮で覆われており、吸い込まれた粉塵、細菌等の異物は気道粘膜から分泌される粘液にからめ取られ、線毛運動による粘液層の連続した流れによって気道内部から咽頭へ向けて排出され、唾液とともに嚥下される。
肺は胸部の左右両側に1対ある。肺自体には肺を動かす筋組織がないため、自力で膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮して呼吸運動が行われている。肺の内部で気管支が細かく枝分かれし、末端の球状の袋部分を肺胞という。肺胞の壁は非常に薄く、周囲を毛細血管が網のように取り囲んでいる。肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織を間質という。肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、代わりに酸素が血液中の赤血球に取り込まれるガス交換が行われる。
循環器系は体液(血液やリンパ液)を体内に循環させ、酸素、栄養分等を全身の組織へ送り、老廃物を排泄器官へ運ぶための器官系で、心臓、血管系、血液、脾臓、リンパ系からなる。血管系が心臓を中心とする閉じた管(閉鎖循環系)であるのに対して、リンパ系は末端がリンパ毛細管となって組織の中に開いている開放循環系である。
心臓は心筋でできた握りこぶし大の袋状の臓器で、内部は上部左右の心房、下部左右の心室の4つの空洞に分かれている。心房で血液を集めて心室に送り、心室から血液を拍出する。血液が確実に一方向に流れるよう、心室には血液を取り込む側と送り出す側にそれぞれ弁があり、拍動と協調して交互に開閉する。心臓の右側部分(右心房、右心室)は全身から集まってきた血液を肺へ送り出し、肺でのガス交換が行われた血液は心臓の左側部分(左心房、左心室)に入り、そこから全身に送り出される。
心臓から拍出された血液を送る血管を動脈、心臓へ戻る血液を送る血管を静脈という。いずれも血管壁が収縮すると血管は細くなり、弛緩すると拡張し、心拍数と同様に自律神経系によって制御される。動脈は弾力性があり圧力がかかっても耐えられるようになっており、血圧は通常、上腕部の動脈で測定される。静脈にかかる圧力は比較的低いため血管壁は動脈よりも薄く、四肢を通る静脈では静脈弁が発達して血液の逆流を防いでいる。毛細血管は動脈と静脈の間をつなぐ細い血管で、その薄い血管壁を通して酸素と栄養分が血液中から組織へ運び込まれ、それと交換に二酸化炭素や老廃物が組織から血液中へ取り込まれる。消化管壁を通っている毛細血管の大部分は門脈と呼ばれる血管に集まって肝臓に入る。
血液は血漿と血球からなる。血漿は90%以上が水分からなり、アルブミン、グロブリン等のタンパク質のほか微量の脂質、糖質、電解質を含む。アルブミンは血液の浸透圧を保持する働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。グロブリンはその多くが免疫反応において異物を特異的に認識する抗体としての役割を担い、免疫グロブリンとも呼ばれる。血液の粘稠性は主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない。
赤血球は中央部がくぼんだ円盤状の細胞で、血液全体の約40%を占め、赤い血色素(ヘモグロビン)を含む。ヘモグロビンは鉄分と結合したタンパク質で、酸素量の多いところで酸素分子と結合し、酸素が少なく二酸化炭素が多いところで酸素分子を放出する。二酸化炭素はヘモグロビンとほとんど結合せず、血漿中に溶け込んで末梢組織から肺へ運ばれる。赤血球は骨髄で産生され、その数が少なすぎたりヘモグロビン量が欠乏すると貧血症状が現れる。白血球は体内に侵入した細菌やウイルス等の異物に対する防御を受け持つ細胞で、好中球は最も数が多く白血球の約60%を占めて食作用によって異物を取り込んで分解し、リンパ球は白血球の約1/3を占めて異物を認識したり(T細胞リンパ球)抗体を産生したりし(B細胞リンパ球)、単球は約5%と少ないが最も大きく強い食作用を持ち組織の中ではマクロファージと呼ばれる。血小板は、損傷部位に粘着・凝集して傷口を覆い、フィブリノゲンが重合して線維状のフィブリンとなる止血の仕組みで重要な役割を担っている。
脾臓は握りこぶし大のスポンジ状臓器で、胃の後方の左上腹部に位置する。主な働きは、脾臓内を流れる血液から古くなった赤血球を濾し取って処理することである。健康な赤血球には柔軟性があるので脾臓内の網目構造をすり抜けられるが、古くなって柔軟性が失われた赤血球は引っかかり、マクロファージによって壊される。脾臓にはリンパ球が増殖、密集する組織もあり、免疫応答に関与する。リンパ系には心臓のようにポンプの働きをする器官がなく、リンパ液の流れは主に骨格筋の収縮によるもので、流速は血流に比べて緩やかである。リンパ液は血漿の一部が組織中へ滲み出た組織液がリンパ管に入ったもので、血漿とほとんど同じ成分からなるがタンパク質が少なく、リンパ球を含む。リンパ管には逆流防止のための弁があり、最終的に鎖骨の下にある静脈につながる。
血液の成分とそのはたらき| 区分 | 成分 | 主な特徴・はたらき |
|---|
| 血漿 | 血漿 | 90%以上が水分。アルブミン、グロブリン等のタンパク質のほか、微量の脂質、糖質、電解質を含む |
| 血漿 | アルブミン | 血液の浸透圧を保持する。ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成し、代謝や排泄を受けにくくする |
| 血漿 | グロブリン | その多くが免疫反応で異物を特異的に認識する抗体(免疫グロブリン)としての役割を担う |
| 血球 | 赤血球 | 血液全体の約40%を占める。ヘモグロビンが酸素を運ぶ。骨髄で産生される |
| 血球 | 白血球(好中球) | 白血球の約60%で最も数が多い。食作用によって細菌やウイルス等を取り込んで分解する |
| 血球 | 白血球(リンパ球) | 白血球の約1/3。異物を認識するT細胞リンパ球と、抗体を産生するB細胞リンパ球がある |
| 血球 | 白血球(単球) | 白血球の約5%と少ないが最も大きく強い食作用を持つ。組織中ではマクロファージと呼ばれる |
| 血球 | 血小板 | 損傷部位に粘着・凝集して傷口を覆い、フィブリンによる血液凝固の仕組みで重要な役割を担う |
用語
- 上気道と下気道
- 鼻腔から気管支までの呼気及び吸気の通り道を気道といい、そのうち咽頭・喉頭までの部分を上気道、気管から気管支、肺までの部分を下気道という。
- 扁桃
- 咽頭の後壁にあり、粘膜表面が凸凹している組織。リンパ組織(白血球の一種であるリンパ球が密集する組織)が集まってできていて、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。分泌腺ではない。
- 肺胞
- 肺の内部で気管支が細かく枝分かれした末端の、ブドウの房のような構造の球状の袋部分。壁は非常に薄く周囲を毛細血管が取り囲み、その壁を介して血液から二酸化炭素が拡散し、代わりに酸素が赤血球に取り込まれるガス交換が行われる。
- 間質
- 肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織のこと。
- 門脈
- 消化管壁を通っている毛細血管の大部分が集まって肝臓に入る血管。消化管で吸収された物質が一度肝臓を通って代謝や解毒を受けた後に、血流に乗って全身を循環する仕組みとなっている。
- アルブミン
- 血漿中のタンパク質の一つ。血液の浸透圧を保持する(血漿成分が血管から組織中に漏れ出るのを防ぐ)働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。
- 好中球
- 白血球のうち最も数が多く、約60%を占めるもの。血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。
- 単球
- 白血球の約5%と少ないが最も大きく、強い食作用を持つもの。血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、組織の中ではマクロファージ(貪食細胞)と呼ばれる。
- フィブリン
- 血小板から放出される酵素によって起こる血液凝固反応で、血漿タンパク質の一種であるフィブリノゲンが傷口で重合してできる線維状の物質。フィブリン線維に赤血球や血小板などが絡まり合い、血餅となって傷口をふさぐ。
例題
例題:肺が自力で膨らんだり縮んだりできないのはなぜですか。
答えと考え方 肺自体には肺を動かす筋組織がないため。手引きでは、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮して呼吸運動が行われている、とされている。
例題:全身から集まってきた血液は、心臓のどの部分に入りますか。
答えと考え方 心臓の右側部分(右心房、右心室)に入り、そこから肺へ送り出される。肺でガス交換が行われた血液は左側部分(左心房、左心室)に入り、そこから全身に送り出されるとされている。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
3. 泌尿器系と感覚器官
腎臓のネフロンと副腎、尿路のしくみと、目・鼻・耳という感覚器官の構造とはたらきを押さえます。
泌尿器系は、血液中の老廃物を尿として体外へ排泄するための器官系である。泌尿器のほかに広義の排泄器官としては、二酸化炭素を排出する呼吸器や、老廃物を汗として排出する外皮等も含まれるが、生命活動によって生じた老廃物の排出のほとんどは泌尿器系によって行われている。
腎臓は横隔膜の下、背骨の左右両側に位置する一対の空豆状の臓器で、内側中央部のくびれた部分に尿管、動脈、静脈、リンパ管等がつながっている。腎臓に入る動脈は細かく枝分かれして、毛細血管が小さな球状になった糸球体を形成する。糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体という。ボウマン嚢から1本の尿細管が伸びて、腎小体と尿細管とで腎臓の基本的な機能単位(ネフロン)を構成している。
腎小体では、肝臓でアミノ酸が分解されて生成する尿素など、血液中の老廃物が濾過され、原尿として尿細管へ入る。そのほか、血球やタンパク質以外の血漿成分も腎小体で濾過される。尿細管では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。その結果、老廃物が濃縮され、余分な水分、電解質とともに最終的に尿となる。
腎臓には、心臓から拍出される血液の1/5~1/4が流れている。血液中の老廃物の除去のほか、水分及び電解質(特にナトリウム)の排出調節が行われており、血液の量と組成を維持して血圧を一定範囲内に保つ上でも重要な役割を担っている。また腎臓には内分泌腺としての機能もあり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。食品から摂取あるいは体内で生合成されたビタミンDは、腎臓で活性型ビタミンDに転換されて、骨の形成や維持の作用を発揮する。
副腎は左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、皮質と髄質の2層構造からなる。副腎皮質では副腎皮質ホルモンが産生・分泌され、その一つであるアルドステロンは体内に塩分と水を貯留し、カリウムの排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。一方、副腎髄質では、自律神経系に作用するアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌される。
左右の腎臓と膀胱は尿管でつながっており、腎臓から膀胱を経て尿道に至る尿の通り道を尿路という。尿のほとんどは水分で、尿素、尿酸等の老廃物、その他微量の電解質、ホルモン等を含む。尿は血液が濾過されて作られるため、糞便とは異なり、健康な状態であれば細菌等の微生物は存在しない。膀胱は下腹部の中央に位置し尿を一時的に溜める袋状の器官で、尿が溜まってくると刺激が脳に伝わって尿意が生じ、膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩むと同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。女性は尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。男性では膀胱の真下に尿道を取り囲むように前立腺があり、加齢とともに肥大して尿道を圧迫し、排尿困難等を生じることがある。
目は視覚情報の受容器官で、眼球と、眼瞼、結膜、涙器、眼筋等からなる。眼球の外側は、正面前方付近(黒目の部分)のみ透明な角膜が覆い、その他の部分は強膜という乳白色の比較的丈夫な結合組織が覆っている。角膜と水晶体の間は組織液(房水)で満たされ、眼内に一定の圧(眼圧)を生じさせている。透明な角膜や水晶体には血管が通っておらず、房水によって栄養分や酸素が供給される。水晶体の前には虹彩があり、瞳孔を散大・縮小させて眼球内に入る光の量を調節している。水晶体から網膜までの眼球内は、硝子体という透明のゼリー状組織で満たされている。
角膜に射し込んだ光は、角膜、房水、水晶体、硝子体を透過しながら屈折して網膜に焦点を結ぶが、主に水晶体の厚みを変化させることによって遠近の焦点調節が行われている。水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。網膜には光を受容する細胞(視細胞)が密集していて、視細胞が受容した光の情報は網膜内の神経細胞を介して神経線維に伝えられ、網膜の神経線維は眼球の後方で束になって視神経となる。視細胞には色を識別する細胞と、わずかな光でも敏感に反応する細胞の二種類があり、後者が光を感じる反応にはビタミンAが不可欠であるため、ビタミンAが不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じる。
眼瞼(まぶた)は眼球の前面を覆う薄い皮膚のひだで、素早くまばたき運動ができるよう皮下組織が少なく薄くできているため、内出血や裂傷を生じやすく、むくみ等の全身的な体調不良の症状が現れやすい部位である。結膜は眼瞼の裏側と眼球前方の強膜とを結ぶように覆っており、結膜の充血では白目の部分だけでなく眼瞼の裏側も赤くなるのに対し、強膜が充血したときは眼瞼の裏側は赤くならず、白目の部分がピンク味を帯びる。涙器は涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなり、涙腺は上眼瞼の裏側にある分泌腺で血漿から涙液を産生する。涙液には、異物を洗い流す、角膜に酸素や栄養分を供給する、リゾチームや免疫グロブリン等を含み角膜や結膜を感染から防御する等の働きがある。眼筋は6本あり、眼球を上下左右斜めの各方向に向ける。
鼻は嗅覚情報の受容器官で、鼻腔上部の粘膜にある嗅細胞をにおい分子が刺激すると、その刺激が脳の嗅覚中枢へ伝えられる。においに対する感覚は非常に鋭敏であるが順応を起こしやすい。鼻腔は薄い板状の軟骨と骨でできた鼻中隔によって左右に仕切られており、鼻中隔の前部は毛細血管が豊富に分布し粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい。鼻の周囲の骨内には鼻腔に隣接した空洞があり、それらを総称して副鼻腔という。副鼻腔はいずれも鼻腔と細い管でつながっているが、その管は非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、炎症を生じることがある。
耳は聴覚情報と平衡感覚を感知する器官で、外耳、中耳、内耳からなる。外耳は側頭部から突出した耳介と、耳介で集められた音を鼓膜まで伝導する外耳道からなり、外耳道にある耳垢腺(汗腺の一種)や皮脂腺からの分泌物に埃や外耳道上皮の老廃物などが混じって耳垢となる。中耳は外耳と内耳をつなぐ部分で、鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管からなり、鼓室の内部では互いに連結した微細な3つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝導する。鼓室は耳管という管で鼻腔や咽頭と通じており、小さな子供では耳管が太く短くて走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。内耳は聴覚器官である蝸牛と、平衡器官である前庭の2つの部分からなり、蝸牛は渦巻き形をした器官で内部はリンパ液で満たされている。前庭は水平・垂直方向の加速度を感知する耳石器官と、体の回転や傾きを感知する半規管に分けられる。
泌尿器系と感覚器官の主な部位とはたらき| 区分 | 部位 | 主なはたらき |
|---|
| 泌尿器系 | 腎小体(糸球体+ボウマン嚢) | 血液中の老廃物を濾過して原尿とする。血球やタンパク質以外の血漿成分も濾過される |
| 泌尿器系 | 尿細管 | 原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分、必要な水分や電解質を再吸収する |
| 泌尿器系 | 副腎皮質 | アルドステロン等の副腎皮質ホルモンを産生・分泌する |
| 泌尿器系 | 副腎髄質 | アドレナリンとノルアドレナリンを産生・分泌する |
| 泌尿器系 | 膀胱 | 尿を一時的に溜める。膀胱括約筋が緩むと同時に排尿筋が収縮し、尿が尿道へ押し出される |
| 目 | 角膜・房水 | 角膜と水晶体の間を房水が満たし眼圧を生じる。血管のない角膜・水晶体に栄養分と酸素を供給する |
| 目 | 水晶体・毛様体 | 毛様体の収縮・弛緩で水晶体の厚みが変わり、近くを見るときは丸く厚みが増す |
| 目 | 虹彩 | 瞳孔を散大・縮小させて眼球内に入る光の量を調節する |
| 目 | 網膜 | 視細胞が密集し、受容した光の情報を神経細胞を介して神経線維に伝える。神経線維は視神経となる |
| 鼻 | 鼻腔・副鼻腔 | 鼻腔上部の嗅細胞がにおい分子の刺激を受ける。副鼻腔は鼻腔と細い管でつながる骨内の空洞 |
| 耳 | 中耳(鼓膜・鼓室・耳小骨・耳管) | 3つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝導する。耳管は鼻腔や咽頭と通じている |
| 耳 | 内耳(蝸牛・前庭) | 蝸牛は聴覚器官、前庭は平衡器官。いずれも内部はリンパ液で満たされている |
用語
- ネフロン
- 腎臓の基本的な機能単位。糸球体とその外側を包むボウマン嚢からなる腎小体と、ボウマン嚢から伸びる1本の尿細管とで構成される。
- 原尿
- 腎小体で血液中の老廃物が濾過されて尿細管へ入ったもの。血球やタンパク質以外の血漿成分も腎小体で濾過される。尿細管でブドウ糖やアミノ酸等の栄養分、水分、電解質が再吸収された結果、最終的に尿となる。
- アルドステロン
- 副腎皮質で産生・分泌される副腎皮質ホルモンの一つ。体内に塩分と水を貯留し、カリウムの排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。
- 副腎髄質
- 副腎の2層構造のうち内側の層。自律神経系に作用するアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌される。外側の皮質では副腎皮質ホルモンが産生・分泌される。
- 房水
- 角膜と水晶体の間を満たしている組織液で、眼内に一定の圧(眼圧)を生じさせている。透明な角膜や水晶体には血管が通っておらず、房水によって栄養分や酸素が供給される。
- 毛様体
- 水晶体の周りを囲んでいる組織。その収縮・弛緩によって水晶体は、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になり、遠近の焦点調節が行われる。
- 涙器
- 涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなる。涙腺は上眼瞼の裏側にある分泌腺で、血漿から涙液を産生する。涙液はリゾチーム、免疫グロブリン等を含み、角膜や結膜を感染から防御する。
- 副鼻腔
- 鼻の周囲の骨内にある、鼻腔に隣接した目と目の間、額部分、頬の下、鼻腔の奥の空洞の総称。骨の強さや形を保ちつつ重量を軽くしている。いずれも鼻腔と細い管でつながっている。
- 耳管
- 中耳の鼓室と鼻腔や咽頭を通じさせている管。急な気圧変化で鼓膜の内外に気圧差が生じたとき、耳抜き動作で意識的に開けると気圧の均衡が戻る。小さな子供では太く短く走行が水平に近い。
- 蝸牛と前庭
- 内耳を構成する2つの部分。蝸牛は渦巻き形をした聴覚器官で、リンパ液の振動が聴細胞の感覚毛を揺らして聴神経が刺激される。前庭は平衡器官で、耳石器官と半規管に分けられる。
例題
例題:ネフロンは何と何で構成されますか。
答えと考え方 腎小体(糸球体とボウマン嚢)と尿細管。この2つで腎臓の基本的な機能単位を構成するとされている。
例題:近くの物を見るとき、水晶体はどうなりますか。
答えと考え方 毛様体の収縮・弛緩によって丸く厚みが増す。遠くの物を見るときには扁平になるとされている。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(4)泌尿器系/2 目、鼻、耳などの感覚器官
4. 運動器官と神経系
皮膚・骨・筋という運動器官の構造と、中枢神経系・末梢神経系、とりわけ交感神経と副交感神経の効果器への作用を対比で覚えます。
身体を覆う皮膚と、汗腺、皮脂腺、乳腺等の皮膚腺、爪や毛等の角質を総称して外皮系という。皮膚には、身体の維持と保護(バリア機能)、体水分の保持、熱交換、外界情報の感知という機能がある。熱交換では、体温が上がり始めると皮膚を通っている毛細血管に血液がより多く流れるように血管が開いて体外へより多くの熱を排出し、また汗腺から汗を分泌してその蒸発時の気化熱を利用して体温を下げる。逆に体温が下がり始めると血管は収縮して放熱を抑える。
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる。表皮は最も外側にある角質層と生きた表皮細胞の層に分けられ、角質層はケラチンでできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。皮膚の色は表皮や真皮に沈着したメラニン色素によるもので、メラニン色素は表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。真皮は線維芽細胞とその細胞で産生されたコラーゲン、フィブリリン、エラスチン等の線維性のタンパク質からなる結合組織の層で、皮膚の弾力と強さを与えており、毛細血管や知覚神経の末端が通っている。真皮の下には皮下組織があり、脂肪細胞が多く集まって皮下脂肪層となり、外気の熱や寒さから体を守るとともに、衝撃から体を保護し、脂質としてエネルギー源を蓄える。
毛根を鞘状に包んでいる毛包には、立毛筋と皮脂腺がつながっている。立毛筋は気温や感情の変化などの刺激により収縮し、毛穴が隆起する立毛反射(いわゆる「鳥肌」)が生じる。皮脂腺は腺細胞が集まってできており、脂分を蓄えて死んだ腺細胞自身が分泌物(皮脂)となって毛穴から排出される。汗腺には、腋窩(わきのした)などの毛根部に分布するアポクリン腺(体臭腺)と、手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布するエクリン腺の二種類がある。汗はエクリン腺から分泌され、体温調節のための発汗は全身の皮膚に生じるが、精神的緊張による発汗は手のひらや足底、脇の下、顔面などの限られた皮膚に生じる。
骨格系は骨と関節からなる。骨の基本構造は、主部となる骨質、骨質表面を覆う骨膜、骨質内部の骨髄、骨の接合部にある関節軟骨の四組織からなる。骨の機能には、身体各部の支持機能、臓器保護機能、運動機能、造血機能(骨髄で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が分化することにより体内に供給する)、貯蔵機能(カルシウムやリン等の無機質を蓄える)がある。骨は生きた組織であり、成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われ、吸収と形成のバランスが取られることにより一定の骨密度が保たれる。無機質は骨に硬さを与え、有機質(タンパク質及び多糖体)は骨の強靱さを保つ。
筋組織は、その機能や形態によって骨格筋、平滑筋、心筋に分類される。このうち運動器官とされるのは骨格筋であり、関節を構成する骨に腱を介してつながっている。腱は結合組織のみでできているため伸縮性はあまりない。骨格筋は横縞模様(横紋)が見えるので横紋筋とも呼ばれ、収縮力が強く自分の意識どおりに動かすことができる随意筋であるが、疲労しやすく長時間の動作は難しい。平滑筋は筋線維に横縞模様がなく、消化管壁、血管壁、膀胱等に分布し、比較的弱い力で持続的に収縮する。心筋は心臓壁にある筋層を構成する筋組織で、不随意筋であるが筋線維には横縞模様があり、強い収縮力と持久力を兼ね備えている。随意筋(骨格筋)は体性神経系(運動神経)で支配されるのに対して、不随意筋(平滑筋及び心筋)は自律神経系に支配されている。
神経系は、その働きにより中枢神経系と末梢神経系とに大別される。中枢神経系は脳と脊髄から構成される。脳は知覚、運動、記憶、情動、意思決定等の働きを行っており、脳の下部には自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)がある。脳における血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%、ブドウ糖の消費量は全身の約25%と多い。
脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、タンパク質などの大分子や小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。このように、脳の毛細血管が中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能を血液脳関門という。小児では、血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。脳は脊髄と、延髄でつながっており、延髄には心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢等がある。脊髄は脊椎の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があり、これを脊髄反射と呼ぶ。
末梢神経系は、その機能に着目して、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、消化管の運動や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のため無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。自律神経系は交感神経系と副交感神経系からなり、概ね、交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、副交感神経系は体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。効果を及ぼす各臓器・器官(効果器)に対して、交感神経系と副交感神経系の二つの神経系が支配しており(自律神経系の二重支配)、通常、両者は互いに拮抗して働き、一方が活発になっているときには他方は活動を抑制して効果器を制御している。
効果器に伸びる自律神経は、節前線維と節後線維からできている。交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はノルアドレナリンであり、副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はアセチルコリンである。ただし、汗腺を支配する交感神経線維の末端では、例外的にアセチルコリンが伝達物質として放出される。効果器に対してアドレナリン様の作用を有する成分をアドレナリン作動成分、アセチルコリン様の作用を有する成分をコリン作動成分といい、それらと逆に、アドレナリンの働きを抑える作用を有する成分を抗アドレナリン成分、アセチルコリンの働きを抑える作用を有する成分を抗コリン成分という。
効果器ごとの作用は対比で覚えるとよい。目では交感神経系が瞳孔散大、副交感神経系が瞳孔収縮。気管、気管支では交感神経系が拡張、副交感神経系が収縮。心臓では交感神経系が心拍数増加、副交感神経系が心拍数減少。胃では交感神経系が血管の収縮、副交感神経系が胃液分泌亢進。腸では交感神経系が運動低下、副交感神経系が運動亢進。肝臓では交感神経系がグリコーゲンの分解(ブドウ糖の放出)、副交感神経系がグリコーゲンの合成。膀胱では交感神経系が排尿筋の弛緩(排尿抑制)、副交感神経系が排尿筋の収縮(排尿促進)である。皮膚の立毛筋収縮と汗腺の発汗亢進は交感神経系の働きで、副交感神経系については手引きの表では「-」とされている。
交感神経系と副交感神経系が効果器に及ぼす作用の対比(手引きの表)| 効果器 | 交感神経系 | 副交感神経系 |
|---|
| 目 | 瞳孔散大 | 瞳孔収縮 |
| 唾液腺 | 少量の粘性の高い唾液を分泌 | 唾液分泌亢進 |
| 心臓 | 心拍数増加 | 心拍数減少 |
| 末梢血管 | 収縮(→血圧上昇) | 拡張(→血圧降下) |
| 気管、気管支 | 拡張 | 収縮 |
| 胃 | 血管の収縮 | 胃液分泌亢進 |
| 腸 | 運動低下 | 運動亢進 |
| 肝臓 | グリコーゲンの分解(ブドウ糖の放出) | グリコーゲンの合成 |
| 皮膚 | 立毛筋収縮 | - |
| 汗腺 | 発汗亢進 | - |
| 膀胱 | 排尿筋の弛緩(→排尿抑制) | 排尿筋の収縮(→排尿促進) |
用語
- 角質層
- 表皮の最も外側にある層。細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。
- アポクリン腺とエクリン腺
- 汗腺の二種類。アポクリン腺(体臭腺)は腋窩などの毛根部に分布し、エクリン腺は手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布する。汗はエクリン腺から分泌される。
- 立毛筋
- 毛根を鞘状に包んでいる毛包につながっている筋。気温や感情の変化などの刺激により収縮し、毛穴が隆起する立毛反射(いわゆる「鳥肌」)が生じる。交感神経系の働きで収縮する。
- 造血機能
- 骨の機能の一つ。骨髄で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が分化することにより、体内に供給する。すべての骨の骨髄で造血が行われるわけではない。
- 随意筋と不随意筋
- 自分の意識どおりに動かすことができる筋を随意筋といい、骨格筋がこれにあたる。意識的にコントロールできない筋組織を不随意筋といい、平滑筋と心筋がこれにあたる。随意筋は体性神経系、不随意筋は自律神経系に支配されている。
- 血液脳関門
- 脳の毛細血管が中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能。脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高い。小児では未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。
- 脊髄反射
- 脊髄が、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返すこと。脊髄は脊椎の中にあり、通常は脳と末梢の間で刺激を伝えている。
- 自律神経系の二重支配
- 効果を及ぼす各臓器・器官(効果器)に対して、交感神経系と副交感神経系の二つの神経系が支配していること。通常、両者は互いに拮抗して働き、一方が活発なときには他方は活動を抑制する。
- ノルアドレナリンとアセチルコリン
- 交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質がノルアドレナリン、副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質がアセチルコリンである。ただし汗腺を支配する交感神経線維の末端では例外的にアセチルコリンが放出される。
例題
例題:交感神経系が活発になったとき、膀胱と気管支はそれぞれどうなりますか。
答えと考え方 膀胱では排尿筋が弛緩して排尿が抑制され、気管、気管支は拡張するとされている。副交感神経系ではそれぞれ排尿筋の収縮(排尿促進)、気管支の収縮となる。
例題:汗腺を支配する交感神経線維の末端から放出される神経伝達物質は何ですか。
答えと考え方 アセチルコリン。交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質は通常ノルアドレナリンであるが、汗腺を支配する交感神経線維の末端では例外的にアセチルコリンが放出されるとされている。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 3 皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官/4 脳や神経系の働き
確認問題(40問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|消化器系の基本
消化器系に関する記述として、正しいものはどれか。
- 消化管は、口腔から肛門まで続く管で、平均的な成人で全長約9mある。
- 食道には消化液の分泌腺が多く分布しており、そこから分泌される消化液によって消化が行われる。
- 大腸の内壁粘膜には絨毛があり、これによって栄養分の吸収を効率よく行っている。
- 咀嚼や消化管の運動によって消化管の内容物を細かくすることを、化学的消化という。
正解と解説
正解:A. 消化管は、口腔から肛門まで続く管で、平均的な成人で全長約9mある。手引きでは、消化管は口腔から肛門まで続く管で、平均的な成人で全長約9mあるとされている。食道には消化液の分泌腺はない。大腸は内壁粘膜に絨毛がない点で小腸と区別される。咀嚼や消化管の運動によるものは機械的消化であり、消化酵素の作用によるものが化学的消化である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問2|唾液と口腔
口腔及び唾液に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 歯冠の表面はエナメル質で覆われ、体で最も硬い部分となっている。
- 舌の表面には舌乳頭という無数の小さな突起があり、味覚を感知する味蕾が分布している。
- 唾液に含まれるプチアリンは、タンパク質をアミノ酸に分解する消化酵素である。
- 唾液によって口腔内はpHがほぼ中性に保たれ、酸による歯の齲蝕を防いでいる。
正解と解説
正解:C. 唾液に含まれるプチアリンは、タンパク質をアミノ酸に分解する消化酵素である。手引きでは、プチアリン(唾液アミラーゼ)はデンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素とされており、タンパク質をアミノ酸まで分解するのは小腸の腸管粘膜上のエレプシンである。エナメル質が体で最も硬い部分であること、舌乳頭に味蕾が分布すること、唾液によって口腔内のpHがほぼ中性に保たれることはいずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問3|胃のはたらき
胃に関する記述として、正しいものはどれか。
- 胃液に含まれるペプシンは、脂質を分解する酵素である。
- ペプシノーゲンは、胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとなる。
- 内容物の胃内における滞留時間は、脂質分の多い食品の場合には比較的短い。
- 胃粘液に含まれる成分は、大腸におけるビタミンKの吸収に重要な役割を果たしている。
正解と解説
正解:B. ペプシノーゲンは、胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとなる。手引きでは、胃腺から分泌されるペプシノーゲンが胃酸によってペプシンとなり、胃酸とともに胃液として働くとされている。ペプシンは脂質ではなくタンパク質を消化する。滞留時間は炭水化物主体の食品では比較的短く、脂質分の多い食品では比較的長い。胃粘液に含まれる成分が重要な役割を果たすのは、小腸におけるビタミンB12の吸収である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問4|小腸の構造
小腸に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 全長6~7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれる。
- 十二指腸は胃から連なる約25cmのC字型に彎曲した部分で、彎曲部には膵管と胆管の開口部がある。
- 小腸のうち十二指腸に続く部分の、概ね上部40%が空腸、残り約60%が回腸である。
- 十二指腸の上部を除く小腸の内壁は平滑で、ひだや絨毛はみられない。
正解と解説
正解:D. 十二指腸の上部を除く小腸の内壁は平滑で、ひだや絨毛はみられない。手引きでは、小腸は栄養分の吸収に重要な器官であるため内壁の表面積を大きくする構造を持ち、十二指腸の上部を除く小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は絨毛に覆われているとされている。全長6~7mで3部分に分かれること、十二指腸が約25cmのC字型で膵管と胆管の開口部があること、概ね上部40%が空腸で残り約60%が回腸であることは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問5|膵臓
膵臓に関する記述として、正しいものはどれか。
- 膵液は強酸性で、胃で酸性となった内容物をさらに分解しやすくする働きがあり、十二指腸に分泌される。
- 膵臓は、炭水化物とタンパク質を消化する酵素のみを供給する消化腺であり、脂質を消化する酵素については供給を担っていないと考えられている。
- 膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。
- 膵液中のトリプシンは活性体のまま分泌され、胃の中で半消化されたタンパク質(ペプトン)をアミノ酸まで分解する。
正解と解説
正解:C. 膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。手引きでは、膵臓は消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもあるとされている。膵液は弱アルカリ性で、胃で酸性となった内容物を中和する。膵臓は炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。トリプシンは前駆体のトリプシノーゲンとして分泌され、十二指腸で分泌される腸液に含まれる成分の働きによってトリプシンになる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問6|胆嚢と胆汁
胆嚢及び胆汁に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、白血球が分解されて生じた老廃物である。
- 胆嚢は、肝臓で産生された胆汁を濃縮して蓄える器官で、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送り込む。
- 胆汁に含まれる胆汁酸塩は、脂質の消化を容易にし、また、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
- 腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される。
正解と解説
正解:A. 胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、白血球が分解されて生じた老廃物である。手引きでは、ビリルビン(胆汁色素)は赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物とされており、白血球ではない。胆嚢が胆汁を濃縮して蓄え、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して送り込むこと、胆汁酸塩が脂質の消化を容易にし脂溶性ビタミンの吸収を助けること、その大部分が小腸で再吸収されて肝臓に戻されること(腸肝循環)は、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問7|肝臓の働き
肝臓に関する記述として、正しいものはどれか。
- 肝臓は脂溶性ビタミンのみの貯蔵臓器であり、水溶性ビタミンは貯蔵されない。
- アルコールは、肝臓で一度酢酸に代謝されたのち、さらに代謝されてアセトアルデヒドとなる。
- アミノ酸が分解された場合等に生成するアンモニアは、肝臓において尿酸へと代謝され、腎臓から排泄される。
- 小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。
正解と解説
正解:D. 小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。手引きでは、小腸で吸収されたブドウ糖は血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられるとされている。肝臓はビタミンA、D等の脂溶性ビタミンのほか、ビタミンB6やB12等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもある。アルコールは一度アセトアルデヒドに代謝されたのち、さらに代謝されて酢酸となる(順序が逆)。アンモニアは肝臓において尿素へと代謝される。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問8|大腸
大腸に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器である。
- 通常、糞便の成分の大半は食物の残滓であり、水分は約5%に過ぎない。
- 大腸では、水分とナトリウム、カリウム、リン酸等の電解質の吸収が行われ、固形状の糞便が形成される。
- 大腸の腸内細菌は、血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンK等の物質も産生している。
正解と解説
正解:B. 通常、糞便の成分の大半は食物の残滓であり、水分は約5%に過ぎない。手引きでは、通常、糞便の成分の大半は水分で、食物の残滓は約5%に過ぎないとされており、記述は逆である。大腸が盲腸から直腸までの7つの部分からなる管状の臓器であること、水分と電解質の吸収が行われて固形状の糞便が形成されること、腸内細菌がビタミンK等の物質を産生することは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問9|酵素と基質
消化酵素とそのはたらきの組合せとして、正しいものはどれか。
- リパーゼ ― 唾液に含まれ、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素である
- エレプシン ― 腸管粘膜上にあり、炭水化物を単糖類まで分解する消化酵素である
- マルターゼ ― 炭水化物を単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)まで分解する
- プチアリン ― 膵液に含まれ、脂質を分解する作用を示す消化酵素である
正解と解説
正解:C. マルターゼ ― 炭水化物を単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)まで分解する手引きでは、腸管粘膜上の消化酵素として、炭水化物を単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)まで分解するマルターゼ、ラクターゼ等が挙げられている。リパーゼは脂質を分解する酵素、エレプシンは半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解する酵素、プチアリン(唾液アミラーゼ)はデンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する酵素であり、いずれも組合せが誤っている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問10|栄養分の吸収
小腸における栄養分の吸収に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 炭水化物とタンパク質は、消化酵素の作用によってそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収される。
- 脂質は、小腸粘膜の上皮細胞で吸収された後、再形成されることなくそのままの形で全身に運ばれる。
- 脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受ける。
- 脂質が乳状脂粒となる際、脂溶性ビタミンも一緒に取り込まれる。
正解と解説
正解:B. 脂質は、小腸粘膜の上皮細胞で吸収された後、再形成されることなくそのままの形で全身に運ばれる。手引きでは、脂質はリパーゼの作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(リポタンパク質の一種でカイロミクロンとも呼ばれる)となるとされている。炭水化物とタンパク質がそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収されること、乳状脂粒となる際に脂溶性ビタミンも一緒に取り込まれることは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(1)消化器系
問11|呼吸器系
呼吸器系に関する記述として、正しいものはどれか。
- 気道のうち、咽頭・喉頭までの部分を下気道、気管から気管支、肺までの部分を上気道という。
- 喉頭は、咽頭と気管の間にある軟骨に囲まれた円筒状の器官で、発声器としての役割もある。
- 咽頭は気道のみに属する器官であり、消化管には属さない。
- 鼻汁にはペプシンが含まれ、気道の防御機構の一つとなっている。
正解と解説
正解:B. 喉頭は、咽頭と気管の間にある軟骨に囲まれた円筒状の器官で、発声器としての役割もある。手引きでは、喉頭は咽頭と気管の間にある軟骨に囲まれた円筒状の器官で、発声器としての役割もあり、呼気で声帯を振動させて声が発せられるとされている。上気道は咽頭・喉頭までの部分、下気道は気管から気管支、肺までの部分で、記述は逆である。咽頭は消化管と気道の両方に属する。鼻汁に含まれ気道の防御機構の一つとなっているのはリゾチームである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問12|肺とガス交換
肺に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 肺自体には肺を動かす筋組織があり、自力で膨らんだり縮んだりして呼吸運動を行っている。
- 肺の内部で気管支が細かく枝分かれし、末端の球状の袋部分を肺胞という。
- 肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織を間質という。
- 肺胞の壁を介して、血液から二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、代わりに酸素が血液中の赤血球に取り込まれる。
正解と解説
正解:A. 肺自体には肺を動かす筋組織があり、自力で膨らんだり縮んだりして呼吸運動を行っている。手引きでは、肺自体には肺を動かす筋組織がないため、自力で膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮して呼吸運動が行われているとされている。肺胞が気管支の末端の球状の袋部分であること、間質の定義、肺胞の壁を介したガス交換の記述は、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問13|心臓のしくみ
心臓に関する記述として、正しいものはどれか。
- 心臓の内部は上部左右の心室、下部左右の心房の4つの空洞に分かれている。
- 心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。
- 心室で血液を集めて心房に送り、心房から血液を拍出する。
- 肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の右側部分に入り、そこから全身に送り出される。
正解と解説
正解:B. 心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。手引きでは、心臓の右側部分(右心房、右心室)は全身から集まってきた血液を肺へ送り出し、肺でのガス交換が行われた血液は心臓の左側部分(左心房、左心室)に入って全身に送り出されるとされている。心臓の内部は上部左右が心房、下部左右が心室であり、心房で血液を集めて心室に送り、心室から拍出する。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問14|血管系
血管系に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 心臓から拍出された血液を送る血管を動脈、心臓へ戻る血液を送る血管を静脈という。
- 静脈にかかる圧力は比較的低いため、血管壁は動脈よりも薄い。
- 四肢を通る静脈では、一定の間隔で存在する静脈弁が発達しており、血液の逆流を防いでいる。
- 消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈と呼ばれる血管に集まって腎臓に入る。
正解と解説
正解:D. 消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈と呼ばれる血管に集まって腎臓に入る。手引きでは、消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈と呼ばれる血管に集まって肝臓に入るとされている。消化管で吸収された物質が一度肝臓を通って代謝や解毒を受けた後に全身を循環する仕組みである。動脈と静脈の定義、静脈の血管壁が動脈よりも薄いこと、四肢を通る静脈で静脈弁が発達していることは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問15|血漿
血漿に関する記述として、正しいものはどれか。
- 血漿は、50%程度が水分からなり、残りの大半はタンパク質である。
- アルブミンは、その多くが免疫反応において異物を特異的に認識する抗体としての役割を担う。
- アルブミンは、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。
- 血液の粘稠性は、主として血中脂質量で決まり、血漿の水分量や赤血球の量はほとんど影響を与えない。
正解と解説
正解:C. アルブミンは、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。手引きでは、アルブミンは血液の浸透圧を保持する働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、代謝や排泄を受けにくくするとされている。血漿は90%以上が水分からなる。抗体としての役割を担うのはグロブリン(免疫グロブリン)である。血液の粘稠性は主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問16|赤血球
赤血球に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 赤血球は中央部がくぼんだ円盤状の細胞で、血液全体の約40%を占める。
- ヘモグロビンは鉄分と結合したタンパク質で、酸素量の多いところで酸素分子と結合する。
- 二酸化炭素の大部分はヘモグロビンと結合して、末梢組織から肺へ運ばれる。
- 赤血球は骨髄で産生される。
正解と解説
正解:C. 二酸化炭素の大部分はヘモグロビンと結合して、末梢組織から肺へ運ばれる。手引きでは、二酸化炭素はヘモグロビンとほとんど結合せず、血漿中に溶け込んで末梢組織から肺へ運ばれるとされている。赤血球が血液全体の約40%を占める円盤状の細胞であること、ヘモグロビンが鉄分と結合したタンパク質で酸素量の多いところで酸素分子と結合すること、赤血球が骨髄で産生されることは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問17|白血球の種類
白血球に関する記述として、正しいものはどれか。
- 好中球は、白血球の約5%と数は少ないが最も大きく、組織の中ではマクロファージと呼ばれ、強い食作用を持つ。
- リンパ球は白血球の約1/3を占め、細菌、ウイルス等の異物を認識するT細胞リンパ球と、それらに対する抗体を産生するB細胞リンパ球がある。
- 単球は白血球の中で最も数が多く白血球の約60%を占め、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込み、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。
- 感染や炎症などが起きると白血球の全体の数は増加するが、種類ごとの割合が変化することはない。
正解と解説
正解:B. リンパ球は白血球の約1/3を占め、細菌、ウイルス等の異物を認識するT細胞リンパ球と、それらに対する抗体を産生するB細胞リンパ球がある。手引きでは、リンパ球は白血球の約1/3を占め、異物を認識するT細胞リンパ球と、抗体(免疫グロブリン)を産生するB細胞リンパ球があるとされている。白血球の約60%を占めて最も数が多いのは好中球、約5%と少ないが最も大きく組織中でマクロファージと呼ばれるのは単球であり、両者の記述が入れ替わっている。感染や炎症などが起きると全体の数が増加するとともに、種類ごとの割合も変化する。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問18|血小板と止血
血小板及び止血の仕組みに関する記述として、誤っているものはどれか。
- 損傷した血管は、血管壁が収縮することで血流を減少させ、大量の血液が流出するのを防ぐ。
- 損傷部位に血小板が粘着、凝集して傷口を覆う。
- 血漿タンパク質の一種であるフィブリンが傷口で重合して、線維状のフィブリノゲンとなる。
- フィブリン線維に赤血球や血小板などが絡まり合い、血餅となって傷口をふさぐ。
正解と解説
正解:C. 血漿タンパク質の一種であるフィブリンが傷口で重合して、線維状のフィブリノゲンとなる。手引きでは、血漿タンパク質の一種であるフィブリノゲンが傷口で重合して線維状のフィブリンとなるとされており、フィブリノゲンとフィブリンの関係が逆である。血管壁の収縮による血流の減少、血小板の粘着・凝集、フィブリン線維に赤血球や血小板などが絡まり合って血餅となることは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問19|脾臓
脾臓に関する記述として、正しいものはどれか。
- 脾臓の主な働きは、脾臓内を流れる血液から古くなった白血球を濾し取って処理することである。
- 脾臓は、胃の後方の左上腹部に位置する握りこぶし大のスポンジ状臓器である。
- 古くなって柔軟性が失われた赤血球は、脾臓内の網目構造をすり抜けて全身の循環に戻る。
- 脾臓にはリンパ組織が存在せず、免疫応答に関与することもない。
正解と解説
正解:B. 脾臓は、胃の後方の左上腹部に位置する握りこぶし大のスポンジ状臓器である。手引きでは、脾臓は握りこぶし大のスポンジ状臓器で、胃の後方の左上腹部に位置するとされている。主な働きは古くなった赤血球(白血球ではない)を濾し取って処理することである。古くなって柔軟性が失われた赤血球は網目構造に引っかかり、マクロファージによって壊される。脾臓にはリンパ球が増殖、密集するリンパ組織があり、血流中の異物に対する免疫応答に関与する。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問20|リンパ系
リンパ系に関する記述として、誤っているものはどれか。
- リンパ系には心臓のようにポンプの働きをする器官がなく、リンパ液の流れは主に骨格筋の収縮によるものである。
- リンパ液は、血漿とほとんど同じ成分からなるが、タンパク質が少なく、リンパ球を含む。
- リンパ管は互いに合流して次第に太くなり、最終的に鎖骨の下にある動脈につながる。
- リンパ節の内部にはリンパ球やマクロファージが密集していて、リンパ液で運ばれてきた細菌やウイルス等は、ここで免疫反応によって排除される。
正解と解説
正解:C. リンパ管は互いに合流して次第に太くなり、最終的に鎖骨の下にある動脈につながる。手引きでは、リンパ管は互いに合流して次第に太くなり、最終的に鎖骨の下にある静脈につながるとされており、動脈ではない。リンパ液の流れが主に骨格筋の収縮によること、リンパ液の成分が血漿とほとんど同じでタンパク質が少なくリンパ球を含むこと、リンパ節での免疫反応の記述は、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(2)呼吸器系・(3)循環器系
問21|ネフロン
腎臓の構造に関する記述として、正しいものはどれか。
- 糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体という。
- 尿細管と尿管とで、腎臓の基本的な機能単位であるネフロンを構成している。
- 腎臓は、横隔膜の上、背骨の左右両側に位置する一対の空豆状の臓器である。
- 腎小体では老廃物の再吸収が行われ、尿細管では血液の濾過が行われる。
正解と解説
正解:A. 糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体という。手引きでは、毛細血管が小さな球状になった糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体というとされている。ネフロンは腎小体と尿細管とで構成され、尿管ではない。腎臓は横隔膜の下に位置する。腎小体で血液中の老廃物が濾過されて原尿となり、尿細管で栄養分や水分・電解質の再吸収が行われるのであり、濾過と再吸収の場所が逆である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(4)泌尿器系
問22|原尿と再吸収
腎臓における尿の生成に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 腎小体では、尿素など、血液中の老廃物が濾過され、原尿として尿細管へ入る。
- 血球やタンパク質以外の血漿成分も、腎小体で濾過される。
- 尿細管では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。
- 尿は血液が濾過されて作られるが、健康な状態であっても細菌等の微生物が常に存在する。
正解と解説
正解:D. 尿は血液が濾過されて作られるが、健康な状態であっても細菌等の微生物が常に存在する。手引きでは、尿は血液が濾過されて作られるため、糞便とは異なり、健康な状態であれば細菌等の微生物は存在しないとされている。腎小体での老廃物の濾過、血球やタンパク質以外の血漿成分も濾過されること、尿細管でのブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び水分や電解質の再吸収は、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(4)泌尿器系
問23|腎臓の機能
腎臓に関する記述として、正しいものはどれか。
- 腎臓には、心臓から拍出される血液の1/2~1/3が流れている。
- 腎臓には内分泌腺としての機能もあり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。
- 食品から摂取あるいは体内で生合成されたビタミンKは、腎臓で活性型ビタミンKに転換される。
- 腎臓では、水分及び電解質のうち特にカルシウムの排出調節が行われている。
正解と解説
正解:B. 腎臓には内分泌腺としての機能もあり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。手引きでは、腎臓には内分泌腺としての機能もあり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌するとされている。腎臓に流れるのは心臓から拍出される血液の1/5~1/4である。腎臓で活性型に転換されるのはビタミンDである。排出調節が行われる電解質として特に挙げられているのはナトリウムである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(4)泌尿器系
問24|副腎
副腎に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 副腎は、左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、皮質と髄質の2層構造からなる。
- 副腎皮質ホルモンの一つであるアルドステロンは、体内に塩分と水を貯留し、カリウムの排泄を促す作用がある。
- 副腎皮質では、自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。
- アルドステロンは、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。
正解と解説
正解:C. 副腎皮質では、自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。手引きでは、アドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌されるのは副腎髄質であり、副腎皮質では副腎皮質ホルモンが産生・分泌されるとされている。副腎が腎臓の上部に附属し皮質と髄質の2層構造からなること、アルドステロンが塩分と水を貯留しカリウムの排泄を促すこと、電解質と水分の排出調節の役割を担うことは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(4)泌尿器系
問25|尿路
尿路(膀胱、尿道)に関する記述として、正しいものはどれか。
- 排尿時には、膀胱の出口にある膀胱括約筋が収縮すると同時に、膀胱壁の排尿筋が弛緩する。
- 男性は尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。
- 女性では、膀胱の真下に尿道を取り囲むように前立腺があり、加齢とともに肥大することがある。
- 膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩むと、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。
正解と解説
正解:D. 膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩むと、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。手引きでは、膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩むと、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出されるとされている。括約筋の収縮と排尿筋の弛緩という記述は逆である。尿道が短いため膀胱まで感染を生じやすいのは女性であり、膀胱の真下に前立腺があるのは男性である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(4)泌尿器系
問26|目のつくり
目に関する記述として、正しいものはどれか。
- 角膜と水晶体の間は、組織液(房水)で満たされ、眼内に一定の圧(眼圧)を生じさせている。
- 透明な角膜や水晶体には血管が通っており、そこから栄養分や酸素が供給される。
- 水晶体の前には虹彩があり、水晶体の厚みを変化させて遠近の焦点調節を行っている。
- 網膜と水晶体の間は、房水という透明のゼリー状組織で満たされている。
正解と解説
正解:A. 角膜と水晶体の間は、組織液(房水)で満たされ、眼内に一定の圧(眼圧)を生じさせている。手引きでは、角膜と水晶体の間は組織液(房水)で満たされ、眼内に一定の圧(眼圧)を生じさせているとされている。透明な角膜や水晶体には血管が通っておらず、房水によって栄養分や酸素が供給される。虹彩は瞳孔を散大・縮小させて眼球内に入る光の量を調節するものであり、遠近の焦点調節は主に水晶体の厚みの変化(毛様体の収縮・弛緩)による。水晶体から網膜までの眼球内を満たすのは硝子体である。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 2 目、鼻、耳などの感覚器官
問27|水晶体と網膜
目に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 水晶体は、毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。
- 網膜には光を受容する細胞(視細胞)が密集しており、網膜の神経線維は眼球の後方で束になり、視神経となる。
- 視細胞のうちわずかな光でも敏感に反応する細胞が光を感じる反応にはビタミンAが不可欠であり、不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じる。
- 水晶体は、近くの物を見るときには扁平になり、遠くの物を見るときには丸く厚みが増す。
正解と解説
正解:D. 水晶体は、近くの物を見るときには扁平になり、遠くの物を見るときには丸く厚みが増す。手引きでは、水晶体は毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になるとされており、選択肢4はこれを逆にした誤りである。網膜の視細胞と視神経の記述、ビタミンAの不足による夜盲症の記述は、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 2 目、鼻、耳などの感覚器官
問28|涙液と結膜
眼瞼、結膜、涙器に関する記述として、正しいものはどれか。
- 涙腺は下眼瞼の裏側にある分泌腺であって、リンパ液を材料として涙液を産生している。
- 涙液には、リゾチーム、免疫グロブリン等が含まれ、角膜や結膜を感染から防御する働きがある。
- 結膜の充血では、白目の部分は赤くなるが、眼瞼の裏側は赤くならず白いままである。
- 眼瞼は皮下組織が厚く丈夫にできているため、外傷を受けても内出血や裂傷を生じにくい。
正解と解説
正解:B. 涙液には、リゾチーム、免疫グロブリン等が含まれ、角膜や結膜を感染から防御する働きがある。手引きでは、涙液はリゾチーム、免疫グロブリン等を含み、角膜や結膜を感染から防御するとされている。涙腺は上眼瞼の裏側にある分泌腺で、血漿から涙液を産生する。結膜の充血では白目の部分だけでなく眼瞼の裏側も赤くなる(眼瞼の裏側が赤くならないのは強膜の充血)。眼瞼は皮下組織が少なく薄くできているため、内出血や裂傷を生じやすい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 2 目、鼻、耳などの感覚器官
問29|鼻と副鼻腔
鼻に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 鼻腔上部の粘膜にある嗅細胞を、におい分子が刺激すると、その刺激が脳の嗅覚中枢へ伝えられる。
- においに対する感覚は非常に鋭敏であるが順応を起こしやすく、同じにおいを継続して嗅いでいると次第にそのにおいを感じなくなる。
- 鼻中隔の前部は、毛細血管が豊富に分布していることに加えて粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい。
- 副鼻腔と鼻腔をつなぐ管は太く広いため、鼻腔粘膜が腫れても副鼻腔に炎症が生じることはない。
正解と解説
正解:D. 副鼻腔と鼻腔をつなぐ管は太く広いため、鼻腔粘膜が腫れても副鼻腔に炎症が生じることはない。手引きでは、副鼻腔は鼻腔と細い管でつながっており、その管は非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがあるとされている。嗅細胞への刺激が嗅覚中枢へ伝えられること、においの感覚が順応を起こしやすいこと、鼻中隔前部が鼻出血を起こしやすいことは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 2 目、鼻、耳などの感覚器官
問30|耳のつくり
耳に関する記述として、正しいものはどれか。
- 内耳は、音を感知する聴覚器官である前庭と、体の平衡を感知する平衡器官である蝸牛の2つの部分から構成されている。
- 小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。
- 外耳は、鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管の3つの部分からなり、鼓膜の振動を耳小骨が増幅して内耳へ伝導している。
- 蝸牛の内部は空気で満たされており、耳小骨から伝わる振動が直接聴神経を刺激することで、音として感知される仕組みになっている。
正解と解説
正解:B. 小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。手引きでは、小さな子供では耳管が太く短くて走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすいとされている。内耳は聴覚器官である蝸牛と平衡器官である前庭からなり、記述は逆である。鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管からなるのは中耳である。蝸牛の内部はリンパ液で満たされ、振動がリンパ液を震わせて聴細胞の感覚毛を揺らし、聴神経が刺激される。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 2 目、鼻、耳などの感覚器官
問31|白血球の役割
白血球の種類とその役割に関する記述として、正しいものはどれか。
- 好中球は、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。
- リンパ球は、白血球の約5%と数は少ないが最も大きく、強い食作用を持ち、組織の中ではマクロファージと呼ばれる細胞である。
- 単球は、リンパ節、脾臓等のリンパ組織で増殖し、細菌やウイルス等の異物を認識するとともに、それらに対する抗体(免疫グロブリン)を産生する働きを持つ。
- 白血球には、細菌やウイルス等の感染に関与するものはあるが、アレルギーに関与するものは存在しない。
正解と解説
正解:A. 好中球は、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。手引きでは、好中球は血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解するとされている。白血球の約5%と少ないが最も大きく強い食作用を持つのは単球、リンパ組織で増殖し抗体を産生するのはリンパ球(B細胞リンパ球)であり、記述が入れ替わっている。また、これらのほかアレルギーに関与する白血球もあるとされている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 1 内臓器官(3)循環器系
問32|中枢神経系
中枢神経系に関する記述として、正しいものはどれか。
- 脳の毛細血管が中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能を血液脳関門という。
- 脳における酸素の消費量は全身の約25%、ブドウ糖の消費量は全身の約20%である。
- 心拍数を調節する心臓中枢や、呼吸を調節する呼吸中枢は、脊髄にある。
- 脊髄反射とは、末梢からの刺激のすべてが脳を介して処理されることをいう。
正解と解説
正解:A. 脳の毛細血管が中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能を血液脳関門という。手引きでは、脳の毛細血管が中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能を血液脳関門というとされている。脳の酸素の消費量は全身の約20%、ブドウ糖の消費量は全身の約25%であり、数値が入れ替わっている。心臓中枢や呼吸中枢は延髄にある。脊髄反射は、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返すことである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 4 脳や神経系の働き
問33|血液脳関門
血液脳関門に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高い。
- タンパク質などの大分子や、小分子でもイオン化した物質は、血液中から脳の組織へ移行しにくい。
- 脳において、血液の循環量は心拍出量の約15%である。
- 小児では、血液脳関門が発達しているため、循環血液中に移行した医薬品の成分は脳の組織に達しにくい。
正解と解説
正解:D. 小児では、血液脳関門が発達しているため、循環血液中に移行した医薬品の成分は脳の組織に達しにくい。手引きでは、小児では血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすいとされており、記述は逆である。脳の血管の物質透過に関する選択性が高いこと、タンパク質などの大分子や小分子でもイオン化した物質は脳の組織へ移行しにくいこと、脳における血液の循環量が心拍出量の約15%であることは、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 4 脳や神経系の働き
問34|皮膚と汗腺
皮膚に関する記述として、誤っているものはどれか。
- アポクリン腺(体臭腺)は、手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布する。
- 皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる。
- メラニン色素は、表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生される。
- 立毛筋は、気温や感情の変化などの刺激により収縮し、毛穴が隆起する立毛反射(いわゆる「鳥肌」)が生じる。
正解と解説
正解:A. アポクリン腺(体臭腺)は、手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布する。手引きでは、アポクリン腺(体臭腺)は腋窩(わきのした)などの毛根部に分布し、手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布するのはエクリン腺とされており、両者が入れ替わっている。皮膚が表皮、真皮、皮下組織の3層構造であること、メラニン色素が表皮の最下層のメラノサイトで産生されること、立毛筋の収縮による立毛反射は、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 3 皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官
問35|自律神経と目
自律神経系が効果器に及ぼす作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 副交感神経系が活発になると、瞳孔が散大する。
- 交感神経系が活発になると、唾液分泌が亢進する。
- 副交感神経系が活発になると、少量の粘性の高い唾液が分泌される。
- 交感神経系が活発になると、瞳孔が散大する。
正解と解説
正解:D. 交感神経系が活発になると、瞳孔が散大する。手引きの表では、目に対して交感神経系は瞳孔散大、副交感神経系は瞳孔収縮と作用するとされている。また唾液腺に対しては、交感神経系は少量の粘性の高い唾液を分泌させ、副交感神経系は唾液分泌を亢進させるとされており、他の選択肢はいずれも交感神経系と副交感神経系の作用を入れ替えた誤りである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 4 脳や神経系の働き
問36|自律神経と心臓
自律神経系が心臓及び末梢血管に及ぼす作用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 交感神経系が活発になると、心拍数が増加する。
- 副交感神経系が活発になると、心拍数が減少する。
- 交感神経系が活発になると、末梢血管が拡張して血圧が降下する。
- 副交感神経系が活発になると、末梢血管が拡張して血圧が降下する。
正解と解説
正解:C. 交感神経系が活発になると、末梢血管が拡張して血圧が降下する。手引きの表では、末梢血管に対して交感神経系は収縮(血圧上昇)、副交感神経系は拡張(血圧降下)と作用するとされており、交感神経系で末梢血管が拡張するという記述は誤りである。心臓に対して交感神経系が心拍数増加、副交感神経系が心拍数減少と作用することは手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 4 脳や神経系の働き
問37|自律神経と気管支
自律神経系が気管、気管支及び胃に及ぼす作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 副交感神経系が活発になると、気管、気管支が拡張する。
- 交感神経系が活発になると、気管、気管支が拡張する。
- 交感神経系が活発になると、胃液分泌が亢進する。
- 副交感神経系が活発になると、胃の血管が収縮する。
正解と解説
正解:B. 交感神経系が活発になると、気管、気管支が拡張する。手引きの表では、気管、気管支に対して交感神経系は拡張、副交感神経系は収縮と作用するとされている。また胃に対しては、交感神経系は血管の収縮、副交感神経系は胃液分泌亢進と作用するとされており、他の選択肢はいずれも両神経系の作用を入れ替えた誤りである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 4 脳や神経系の働き
問38|自律神経と腸
自律神経系が腸及び肝臓に及ぼす作用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 交感神経系が活発になると、腸の運動が亢進する。
- 副交感神経系が活発になると、腸の運動が亢進する。
- 交感神経系が活発になると、肝臓ではグリコーゲンが分解され、ブドウ糖が放出される。
- 副交感神経系が活発になると、肝臓ではグリコーゲンの合成が行われる。
正解と解説
正解:A. 交感神経系が活発になると、腸の運動が亢進する。手引きの表では、腸に対して交感神経系は運動低下、副交感神経系は運動亢進と作用するとされており、交感神経系で腸の運動が亢進するという記述は誤りである。肝臓に対して交感神経系がグリコーゲンの分解(ブドウ糖の放出)、副交感神経系がグリコーゲンの合成と作用することは手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 4 脳や神経系の働き
問39|自律神経と膀胱
自律神経系が膀胱及び皮膚に及ぼす作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 副交感神経系が活発になると、排尿筋が弛緩して排尿が促進される。
- 交感神経系が活発になると、排尿筋が収縮して排尿が促進される。
- 交感神経系が活発になると、排尿筋が弛緩して排尿が抑制される。
- 副交感神経系が活発になると、体表の立毛筋が収縮する。
正解と解説
正解:C. 交感神経系が活発になると、排尿筋が弛緩して排尿が抑制される。手引きの表では、膀胱に対して交感神経系は排尿筋の弛緩(排尿抑制)、副交感神経系は排尿筋の収縮(排尿促進)と作用するとされている。排尿筋が収縮するのは副交感神経系であり、また弛緩と促進を組み合わせた記述も誤りである。立毛筋収縮は交感神経系の作用であり、副交感神経系については手引きの表では「-」とされている。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 4 脳や神経系の働き
問40|神経伝達物質
自律神経系に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はノルアドレナリンである。
- 汗腺を支配する交感神経線維の末端では、例外的にアセチルコリンが伝達物質として放出される。
- 効果器に対しては交感神経系と副交感神経系の二つの神経系が支配しており、通常、互いに拮抗して働く。
- 副交感神経系が活発になると、汗腺からの発汗が亢進する。
正解と解説
正解:D. 副交感神経系が活発になると、汗腺からの発汗が亢進する。手引きの表では、汗腺の発汗亢進は交感神経系の作用とされており、副交感神経系については「-」とされているため、副交感神経系で発汗が亢進するという記述は誤りである。交感神経の節後線維末端の神経伝達物質がノルアドレナリンであること、汗腺を支配する交感神経線維の末端では例外的にアセチルコリンが放出されること、自律神経系の二重支配と拮抗は、いずれも手引きのとおりである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第2章 Ⅰ 人体の構造と働き 4 脳や神経系の働き
演習:この章の問題を解く
ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 出題は厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。試験は都道府県ごとに実施され、日程・合格基準の細部は都道府県により異なります。最新の情報は各都道府県の公表をご確認ください。