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効き目に影響する要因
講義 4 本・確認問題 40 問 | 本試験では「第1章 共通の基本」(20問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- 副作用はなぜ起こるのか、その2つの型と、不適正な使用が招く危険を整理する。
- 医薬品どうし・食品との相互作用がどこで起こり、何をもたらすかをつかむ。
- 年齢区分の目安と、小児・高齢者・妊婦等それぞれへの配慮、プラセボ効果と医薬品の品質の考え方を押さえる。
- 一般用医薬品にできること・できないことの線引きと、販売時に確認すべきポイントを整理する。
1. 副作用と不適正な使用
副作用はなぜ起こるのか、その2つの型と、不適正な使用が招く危険を整理する。
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。「通常用いられる量で」「有害かつ意図しない」が要点である。副作用は発生原因の観点から、薬理作用による副作用と、アレルギー(過敏反応)に大別される。
医薬品の有効成分である薬物が生体の生理機能に影響を与えることを薬理作用という。薬物は通常、複数の薬理作用を併せ持つため、期待される有益な反応(主作用)以外の反応が現れることがある。主作用以外の反応であっても、特段の不都合を生じないものであれば通常は副作用として扱われないが、好ましくないものは一般に副作用という。複数の疾病を有する人では、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、別の疾病の症状を悪化させたり、治療を妨げたりすることもある。
アレルギーは、免疫機構が過敏に反応して好ましくない症状が引き起こされるもので、結膜炎症状、鼻炎症状、蕁麻疹や湿疹・かぶれ等の皮膚症状、血管性浮腫のようなやや広い範囲にわたる腫れ等が生じることが多い。アレルギーは医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るもので、内服薬だけでなく外用薬等でも引き起こされる。有効成分だけでなく、基本的に薬理作用がない添加物(黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム、ピロ硫酸カリウム等)等)もアレルゲンとなり得る。アレルギーには体質的・遺伝的な要素もあり、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には注意が必要とされる。また、医薬品の中には鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあり、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もある。
一般用医薬品では、通常、その使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先され、副作用の兆候が現れたときには基本的に使用を中止することとされている。また、副作用は血液や内臓機能への影響等のように明確な自覚症状として現れないこともあるため、継続して使用する場合には、特段の異常が感じられなくても医療機関を受診するよう専門家から促していくことも重要とされている。
医薬品の不適正な使用は、使用する人の誤解や認識不足に起因するもの(「多く飲めば早く効く」と用量を超えて服用する、大人用のものを半分にして小児に飲ませる等)と、医薬品を本来の目的以外の意図で使用するもの(乱用)に大別される。便秘薬や総合感冒薬、解熱鎮痛薬などの長期連用は、重篤な疾患の発見の遅れや、肝臓や腎臓などの器官を傷めること、精神的な依存や経済的負担の増大につながる。乱用は過量摂取による急性中毒や、繰り返しによる慢性的な臓器障害、薬物依存を生じるおそれがあり、一度形成された薬物依存から離脱することは容易ではない。必要以上の大量購入や頻回購入などを試みる不審な者には、積極的に事情を尋ねる、状況によっては販売を差し控えるなどの対応が望ましいとされている。
副作用と不適正な使用の全体像| 区分 | 内容 |
|---|
| 薬理作用による副作用 | 主作用以外の反応のうち好ましくないもの。特段の不都合を生じないものは通常、副作用として扱われない |
| アレルギー(過敏反応) | 免疫機構の過敏な反応。薬理作用と関係なく起こり、内服薬だけでなく外用薬等でも起こり得る。添加物もアレルゲンとなり得る |
| 誤解・認識不足による不適正使用 | 定められた用量を超える服用、大人用を半分にして小児へ与える、長期連用(常習)など |
| 本来の目的以外の使用(乱用) | 用量を意図的に超える服用、みだりに他の医薬品や酒類等と一緒に摂取。急性中毒・慢性的な臓器障害・薬物依存のおそれ |
用語
- 主作用
- 医薬品を使用したときに期待される有益な反応。薬物は通常、複数の薬理作用を併せ持つため主作用以外の反応も現れることがあり、そのうち好ましくないものが一般に副作用と呼ばれる。
- アレルゲン
- アレルギーを引き起こす原因物質。医薬品の有効成分だけでなく、基本的に薬理作用がない添加物(黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩等)もアレルゲンとなり得ることが知られている。
- 薬物依存
- ある薬物の精神的な作用を体験するために、その薬物を連続的、あるいは周期的に摂取することへの強迫(欲求)を常に伴っている行動等によって特徴づけられる精神的・身体的な状態。一度形成されると離脱は容易ではない。
- 習慣性
- 明確な依存を形成するほどではないものの、習慣的に使用することにつながりやすい性質。これに対し依存性とは、物質が有する依存を形成する性質(依存形成性)のことをいう。
例題
例題:主作用以外の反応は、すべて副作用と呼ばれるか。
答えと考え方 呼ばれない。手引きでは、主作用以外の反応であっても、特段の不都合を生じないものであれば通常、副作用として扱われることはなく、好ましくないものについて一般に副作用というとされている。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
2. 相互作用と飲み合わせ
医薬品どうし・食品との相互作用がどこで起こり、何をもたらすかをつかむ。
複数の医薬品を併用した場合、又は保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品)やいわゆる健康食品を含む特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。作用が増強すれば、作用が強く出過ぎたり副作用が発生しやすくなり、作用が減弱すれば、十分な効果が得られないなどの不都合を生じる。
相互作用には、医薬品が吸収、分布、代謝(体内で化学的に変化すること)又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。相互作用を回避するには、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならないのが通常である。
一般用医薬品は、一つの医薬品の中に作用の異なる複数の成分を組み合わせて含んでいることが多い。かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では成分や作用が重複することが多く、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされている。緩和を図りたい症状が明確である場合には、なるべくその症状に合った成分のみが配合された医薬品が選択されることが望ましい。医療機関・薬局から交付された薬剤を使用している場合には、診療を行った医師若しくは歯科医師又は調剤した薬剤師に相談するよう説明がなされるべきである。
酒類(アルコール)は、医薬品の吸収や代謝に影響を与えることがある。アルコールは主として肝臓で代謝されるため、酒類をよく摂取する者では肝臓の代謝機能が高まっていることが多い。その結果、肝臓で代謝されるアセトアミノフェンなどでは通常よりも代謝されやすくなり、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。また、代謝によって産生する物質(代謝産物)に薬効があるものの場合には作用が強く出過ぎたり、逆に、代謝産物が人体に悪影響を及ぼす医薬品の場合は副作用が現れやすくなる。
カフェインやビタミンA等のように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品(例:総合感冒薬)と食品(例:コーヒー)を一緒に服用すると過剰摂取となるものもある。生薬成分等については、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ食品(ハーブ等)として流通可能なものもあり、そうした食品を合わせて摂取すると、生薬成分が配合された医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。また、外用薬や注射薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。
飲み合わせで注意すべき組合せ| 区分 | 例 | 起こり得ること |
|---|
| 医薬品どうし | かぜ薬・解熱鎮痛薬・鎮静薬・鎮咳去痰薬・アレルギー用薬の併用 | 成分や作用が重複し、作用が強く出過ぎたり副作用を招く危険性が増す(併用は避ける) |
| 酒類(アルコール) | 肝臓で代謝されるアセトアミノフェン等 | 肝臓の代謝機能が高まり医薬品が速く消失し、十分な薬効が得られないことがある |
| 食品中の同じ成分 | 総合感冒薬とコーヒー(カフェイン)、ビタミンA | 過剰摂取となるものがある |
| 生薬成分 | ハーブ等として流通する食品 | 生薬成分が配合された医薬品の効き目や副作用を増強させることがある |
用語
- 相互作用
- 複数の医薬品の併用や、特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり減弱したりすること。吸収・分布・代謝・排泄の過程で起こるものと、薬理作用をもたらす部位で起こるものがある。
- 代謝
- 体内で化学的に変化すること。アルコールは主として肝臓で代謝されるため、酒類をよく摂取する者では肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、肝臓で代謝される医薬品の効き目に影響することがある。
- 保健機能食品
- 特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品のこと。これらやいわゆる健康食品を含む特定の食品と医薬品を一緒に摂取した場合にも、相互作用が生じることがある。
例題
例題:酒類をよく摂取する人で、アセトアミノフェンの薬効が得られにくくなることがあるのはなぜか。
答えと考え方 手引きでは、アルコールは主として肝臓で代謝されるため、酒類をよく摂取する者では肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、肝臓で代謝されるアセトアミノフェンなどは通常より代謝されやすくなり、体内から速く消失して十分な薬効が得られなくなることがあるとされている。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
3. 小児・高齢者・妊婦等への配慮とプラセボ・品質
年齢区分の目安と、小児・高齢者・妊婦等それぞれへの配慮、プラセボ効果と医薬品の品質の考え方を押さえる。
「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」では、おおよその目安として、新生児は生後4週未満、乳児は生後4週以上1歳未満、幼児は1歳以上7歳未満、小児は7歳以上15歳未満という年齢区分が用いられている。ただし、一般的に15歳未満を小児とすることもあり、具体的な年齢が明らかな場合は、医薬品の使用上の注意においては「3歳未満の小児」等と表現される場合がある。高齢者は、おおよその目安として65歳以上とされている。
小児は医薬品を受けつける生理機能が未発達であるため、特に配慮が必要である。小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に高い。血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。肝臓や腎臓の機能も未発達であるため、成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。乳児は医薬品の影響を受けやすく状態が急変しやすいため、基本的には医師の診療が優先され、一般用医薬品による対処は最小限(夜間等、医師の診療を受けることが困難な場合)にとどめるのが望ましい。誤飲・誤用事故を防ぐため、小児が容易に手に取れる場所や目につく場所に医薬品を置かないことも重要である。
高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなる。ただし基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にリスクの程度を判断することは難しい。また、喉の筋肉が衰えて飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり内服薬を喉に詰まらせやすいこと、医薬品の副作用で口渇を生じると誤嚥を誘発しやすくなること、基礎疾患の悪化や治療の妨げとなる場合があること、添付文書等の記載を読み取るのが難しい場合があること等にも配慮が必要である。
胎児は母体との間にある胎盤を通じて栄養分を受け取っており、胎盤には胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある。母体が使用した医薬品の成分がどの程度胎児へ移行するのを防御されるかは未解明のことも多く、一般用医薬品でも妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。ビタミンA含有製剤のように妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものや、便秘薬のように配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものもある。授乳婦では、使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらくの間は授乳を避けることができるよう、積極的な情報提供がなされる必要がある。
医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)という。プラセボ効果は、楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられている。プラセボ効果によってもたらされる反応や変化にも、望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがあり、主観的な変化だけでなく客観的に測定可能な変化として現れることもあるが、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。
医薬品に配合されている成分(有効成分及び添加物成分)には、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多く、適切な保管・陳列がなされなければ、効き目が低下したり、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがある。また、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。一般用医薬品は家庭における常備薬として購入されることも多いため、使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることも重要である。
年齢区分のおおよその目安(「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」による)| 区分 | おおよその目安 |
|---|
| 新生児 | 生後4週未満 |
| 乳児 | 生後4週以上、1歳未満 |
| 幼児 | 1歳以上、7歳未満 |
| 小児 | 7歳以上、15歳未満(一般的に15歳未満を小児とすることもある) |
| 高齢者 | 65歳以上 |
用語
- 血液脳関門
- 手引きでは、小児は血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすいとされている。
- 血液-胎盤関門
- 胎盤にある、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み。母体が医薬品を使用した場合に、医薬品の成分の胎児への移行がどの程度防御されるかは、未解明のことも多いとされている。
- プラセボ効果
- 医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じること(偽薬効果)。暗示効果や条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられている。
- 使用期限
- 未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限。液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。
例題
例題:小児で医薬品の作用が強く出過ぎることがあるのはなぜか。
答えと考え方 手引きでは、小児は肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがあるとされている。腸が長く吸収率が相対的に高いこと、血液脳関門が未発達であることも小児の特徴である。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
4. 一般用医薬品の範囲と受診勧奨
一般用医薬品にできること・できないことの線引きと、販売時に確認すべきポイントを整理する。
一般用医薬品は、法において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」(第4条第5項第4号)と定義されている。
その役割は、(1) 軽度な疾病に伴う症状の改善、(2) 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。)、(3) 生活の質(QOL)の改善・向上、(4) 健康状態の自己検査、(5) 健康の維持・増進、(6) その他保健衛生の6つとされ、医療機関での治療を受けるほどではない体調不良や疾病の初期段階、あるいは日常において、生活者が自らの疾病の治療、予防又は生活の質の改善・向上を図ることを目的としている。
世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」とされている。セルフメディケーションの主役は一般の生活者であり、専門家は科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行って支援していくことが期待されている。情報提供は必ずしも医薬品の販売に結びつけるのでなく、医療機関の受診を勧めたり(受診勧奨)、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合があることにも留意する必要がある。
症状が重いとき(例えば、高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合等)に一般用医薬品を使用することは、その役割にかんがみて適切な対処とはいえない。一般用医薬品を使用して対処した場合であっても、一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。対処可能な範囲は使用する人によって変わり、乳幼児や妊婦等では通常の成人に比べその範囲は限られてくる。スポーツ競技者については、一般用医薬品にも使用すればドーピングに該当する成分を含んだものがあるため、相談があった場合は専門知識を有する薬剤師などへの確認が必要である。
販売時のコミュニケーションでは、購入者等の個々の状況の把握に努めることが重要となる。確認しておきたい基本的なポイントは①購入の動機、②使用者は当人か家族等か、③小児・高齢者・妊婦等が想定されるか、④医療機関で治療を受けていないか、⑤アレルギーや副作用等の経験があるか、⑥相互作用・飲み合わせで問題を生じるおそれのある医薬品の使用や食品の摂取をしていないか、の6つで、常備薬としての購入も想定して⑦すぐに使用される状況にあるか、⑧症状がある場合はいつ頃からか・原因や患部の特定はなされているか、の把握にも努めることが望ましい。第一類医薬品を販売する場合は③〜⑤を販売する薬剤師が確認しなければならず、第二類医薬品では③〜⑤を薬剤師又は登録販売者が確認するよう努めなければならない。また、購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、コミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することも重要である。
販売時に購入者等から確認しておきたい事項(第一類医薬品は③〜⑤を薬剤師が確認、第二類医薬品は薬剤師又は登録販売者が確認に努める)| 区分 | 確認しておきたい事項 |
|---|
| 基本① | 何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者等のニーズ、購入の動機) |
| 基本② | その医薬品を使用するのは情報提供を受けている当人か、又はその家族等が想定されるか |
| 基本③ | その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるか |
| 基本④ | その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか |
| 基本⑤ | その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか |
| 基本⑥ | 相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品の使用や食品の摂取をしていないか |
| 常備薬も想定⑦ | その医薬品がすぐに使用される状況にあるか(対処しようとする症状等が現にあるか) |
| 常備薬も想定⑧ | 症状等がある場合、それはいつ頃からか、その原因や患部等の特定はなされているか |
用語
- 一般用医薬品
- 医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く)。
- セルフメディケーション
- 世界保健機関(WHO)によれば「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」。その主役は一般の生活者であり、専門家は科学的な根拠に基づいた正確な情報提供で支援することが期待されている。
- 受診勧奨
- 医療機関の受診を勧めること。専門家の情報提供は必ずしも医薬品の販売に結びつけるのではなく、受診勧奨や医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合があることに留意する必要がある。
例題
例題:第二類医薬品を販売する場合、③〜⑤の事項の確認はどのように定められているか。
答えと考え方 手引きでは、第二類医薬品を販売する場合は、③〜⑤の事項を販売する薬剤師又は登録販売者が確認するよう努めなければならないとされている。第一類医薬品では、販売する薬剤師が確認しなければならない。
出典・根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
確認問題(40問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|WHOの定義
世界保健機関(WHO)による医薬品の副作用の定義に関する記述として、正しいものはどれか。
- 「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
- 「疾病の治療のためにのみ、人に通常用いられる量を超えて発現する医薬品の有害な反応」とされており、予防や診断の場面は含まれない。
- 「人に通常用いられる量で発現する医薬品の有益かつ意図しない反応」とされており、有害な反応は副作用に含まれない。
- 「疾病の予防、診断、治療のために、用いられる量にかかわらず発現する医薬品のあらゆる反応」とされており、有害でない反応も含まれる。
正解と解説
正解:A. 「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。手引きでは、WHOの定義による医薬品の副作用は「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。「通常用いられる量で」発現する「有害かつ意図しない」反応である点が要点であり、量を超えた場合に限る、有益な反応とする、量にかかわらないあらゆる反応とする、といった記述はいずれも定義と異なる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問2|副作用の定義
医薬品の副作用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 医薬品の副作用は、発生原因の観点から、薬理作用による副作用とアレルギー(過敏反応)とに大別することができる。
- WHOの定義による医薬品の副作用は、人に通常用いられる量を超えて使用した場合に発現する反応に限られる。
- 副作用は、眠気や口渇等の比較的よく見られるものから、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じる重大なものまで様々である。
- 医薬品が人体に及ぼす作用はすべてが解明されているわけではないため、十分注意して適正に使用された場合であっても、副作用が生じることがある。
正解と解説
正解:B. WHOの定義による医薬品の副作用は、人に通常用いられる量を超えて使用した場合に発現する反応に限られる。WHOの定義では、副作用は「人に通常用いられる量で発現する」有害かつ意図しない反応とされており、通常用いられる量を超えた場合に限られるという記述は誤り。副作用が薬理作用によるものとアレルギーに大別されること、よく見られるものから重大なものまで様々であること、適正に使用しても副作用が生じることがあることは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問3|薬理作用
薬理作用と副作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 薬物は通常、単一の薬理作用のみを持つものであるため、医薬品を使用しても、期待される有益な反応(主作用)以外の反応が現れることはない。
- 主作用以外の反応は、特段の不都合を生じないものであっても、生体の生理機能に影響を与えている以上、すべて副作用として扱われる。
- 医薬品の有効成分である薬物が生体の生理機能に影響を与えることを薬理作用といい、期待される有益な反応(主作用)以外の反応のうち好ましくないものを一般に副作用という。
- 複数の疾病を有する人において、ある疾病のために使用された医薬品は、その疾病に対する主作用のみを示すため、別の疾病の症状を悪化させたり治療を妨げたりすることはない。
正解と解説
正解:C. 医薬品の有効成分である薬物が生体の生理機能に影響を与えることを薬理作用といい、期待される有益な反応(主作用)以外の反応のうち好ましくないものを一般に副作用という。手引きでは、薬物が生体の生理機能に影響を与えることを薬理作用といい、通常、薬物は複数の薬理作用を併せ持つため主作用以外の反応が現れることがあるとされる。主作用以外の反応でも特段の不都合を生じないものは通常、副作用として扱われず、好ましくないものが一般に副作用とされる。また、複数の疾病を有する人では、ある疾病のための医薬品が別の疾病の症状を悪化させたり治療を妨げたりすることもある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問4|アレルギー
アレルギー(過敏反応)に関する記述として、誤っているものはどれか。
- アレルギーにより体の各部位に生じる炎症等の反応をアレルギー症状といい、結膜炎症状、鼻炎症状、蕁麻疹や湿疹等の皮膚症状などが生じることが多い。
- アレルギーは、医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得るものである。
- 普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、思わぬアレルギーを生じることがある。
- アレルギーは内服薬によって引き起こされるものであり、外用薬で引き起こされることはない。
正解と解説
正解:D. アレルギーは内服薬によって引き起こされるものであり、外用薬で引き起こされることはない。手引きでは、アレルギーは内服薬だけでなく外用薬等でも引き起こされることがあるとされており、外用薬では起こらないとする記述は誤り。アレルギー症状として結膜炎症状・鼻炎症状・皮膚症状等が生じやすいこと、薬理作用とは関係なく起こり得ること、抵抗力が低下している状態では医薬品がアレルゲンになり思わぬアレルギーを生じることがあることは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問5|アレルゲン
手引きにおいて、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)となり得る医薬品の添加物として挙げられているものはどれか。
- 黄色4号(タートラジン)
- アセトアミノフェン
- カフェイン
- ビタミンA
正解と解説
正解:A. 黄色4号(タートラジン)手引きでは、基本的に薬理作用がない添加物もアレルゲンとなり得るとされ、アレルゲンとなり得る添加物として黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム、ピロ硫酸カリウム等)等が知られていると記載されている。アセトアミノフェンは肝臓で代謝される有効成分の例、カフェインやビタミンAは食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在する例として相互作用の項で挙げられており、アレルゲンとなり得る添加物の例ではない。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問6|アレルギー体質
アレルギーと体質等に関する記述として、正しいものはどれか。
- アレルギーには体質的・遺伝的な要素はないため、近い親族にアレルギー体質の人がいても注意する必要はない。
- 医薬品の中には鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もある。
- 医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがある人であっても、その原因となった医薬品を再び使用することは差し支えない。
- 医薬品の有効成分はアレルゲンとなり得るが、薬理作用がない添加物がアレルゲンとなることはない。
正解と解説
正解:B. 医薬品の中には鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もある。手引きでは、医薬品の中には鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあり、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もあるとされている。アレルギーには体質的・遺伝的な要素もあり、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には注意が必要とされる。アレルギーを起こしたことがある人はその原因となった医薬品の使用を避ける必要があり、薬理作用がない添加物もアレルゲンとなり得る。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問7|不適正な使用
医薬品の不適正な使用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 医薬品の不適正な使用は、使用する人の誤解や認識不足に起因するものと、医薬品を本来の目的以外の意図で使用するものとに大別することができる。
- 「多く飲めば早く効く」と短絡的に考えて、定められた用量を超える量を服用することは、副作用につながる危険性が高い。
- 小児への使用を避けるべき医薬品であっても、大人用のものを半分にして小児に服用させれば、安全に使用することができる。
- 疾病の根本的な治療や生活習慣の改善等がなされないまま、一般用医薬品で症状を一時的に緩和するだけの対処を漫然と続けると、適切な治療の機会を失うことにつながりやすい。
正解と解説
正解:C. 小児への使用を避けるべき医薬品であっても、大人用のものを半分にして小児に服用させれば、安全に使用することができる。手引きでは、小児への使用を避けるべき医薬品を「子供だから大人用のものを半分にして飲ませればよい」として服用させるなど、安易に医薬品を使用する場合には、特に副作用につながる危険性が高いとされており、安全に使用できるとする記述は誤り。不適正な使用が2つに大別されること、用量を超える服用の危険性、症状を一時的に緩和するだけの対処を漫然と続けることの問題は、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問8|長期連用
一般用医薬品の長期連用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 便秘薬や総合感冒薬、解熱鎮痛薬は、長期連用しても肝臓や腎臓などの器官を傷めるおそれはない。
- 長期連用によって症状を抑えていることで、重篤な疾患の発見が遅れることはない。
- 使用量が指示どおりであれば、長期にわたりほぼ毎日連用した場合であっても、精神的な依存が起こることはない。
- 長期連用により精神的な依存が起こり、使用量が増え、購入するための経済的な負担も大きくなる例も見られる。
正解と解説
正解:D. 長期連用により精神的な依存が起こり、使用量が増え、購入するための経済的な負担も大きくなる例も見られる。手引きでは、長期連用により精神的な依存が起こり、使用量が増え、購入するための経済的な負担も大きくなる例も見られるとされている。便秘薬や総合感冒薬、解熱鎮痛薬などを長期連用すれば、症状を抑えていることで重篤な疾患の発見が遅れたり、肝臓や腎臓などの医薬品を代謝する器官を傷めたりする可能性もあるとされており、他の選択肢はいずれもこれに反するため誤り。使用量が指示どおりでも連用(常習)の事例は見られる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問9|薬物依存
薬物依存に関する記述として、正しいものはどれか。
- 薬物依存とは、ある薬物の精神的な作用を体験するために、その薬物を連続的、あるいは周期的に摂取することへの強迫(欲求)を常に伴っている行動等によって特徴づけられる精神的・身体的な状態をいう。
- 適正な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であれば、その精神的な作用を体験するために連続的あるいは周期的に摂取された場合であっても、薬物依存を生じることはなく、乱用の対象とはならない。
- 一度、薬物依存が形成されても、その薬物の摂取をやめさえすれば、そこから離脱することは容易である。
- 薬物依存とは、ある薬物を連続的あるいは周期的に摂取することへの強迫(欲求)を常に伴っている行動等によって特徴づけられる身体的な状態のみを指すものであり、精神的な状態はこれに含まれない。
正解と解説
正解:A. 薬物依存とは、ある薬物の精神的な作用を体験するために、その薬物を連続的、あるいは周期的に摂取することへの強迫(欲求)を常に伴っている行動等によって特徴づけられる精神的・身体的な状態をいう。手引きでは、薬物依存は薬物の精神的な作用を体験するための連続的・周期的な摂取への強迫(欲求)を常に伴っている行動等によって特徴づけられる精神的・身体的な状態とされている。適正な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であっても、乱用された場合には薬物依存を生じることがあり、一度形成されると離脱することは容易ではないとされているため、他の選択肢は誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問10|乱用への対応
医薬品の乱用等に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 定められた用量を意図的に超えて服用したり、みだりに他の医薬品や酒類等と一緒に摂取するといった乱用がなされると、過量摂取による急性中毒等を生じる危険性が高くなる。
- 一般用医薬品には習慣性・依存性がある成分を含んでいるものはないため、乱用のおそれを考慮する必要はない。
- 青少年は、薬物乱用の危険性に関する認識や理解が必ずしも十分でなく、好奇心から身近に入手できる薬物を興味本位で乱用することがある。
- 必要以上の大量購入や頻回購入などを試みる不審な者には慎重に対処する必要があり、積極的に事情を尋ねる、状況によっては販売を差し控えるなどの対応が図られることが望ましい。
正解と解説
正解:B. 一般用医薬品には習慣性・依存性がある成分を含んでいるものはないため、乱用のおそれを考慮する必要はない。手引きでは、一般用医薬品にも習慣性・依存性がある成分を含んでいるものがあり、そうした医薬品がしばしば乱用されることが知られているとされており、乱用のおそれを考慮する必要はないとする記述は誤り。乱用による急性中毒の危険性、青少年の興味本位の乱用への注意、大量購入・頻回購入を試みる不審な者への対応は、いずれも手引きのとおり正しい。乱用の繰り返しによって慢性的な臓器障害等を生じるおそれもある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問11|相互作用とは
医薬品の相互作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 相互作用とは、複数の医薬品を併用したときに医薬品の作用が増強する場合のみをいい、作用が減弱する場合は含まれない。
- 相互作用により医薬品の作用が減弱した場合には、副作用が現れる心配がないことから、十分な効果が得られないなどの不都合が生じることもなく、特に注意を払う必要もない。
- 複数の医薬品を併用した場合、又は保健機能食品やいわゆる健康食品を含む特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。
- 相互作用は複数の医薬品を併用した場合にのみ生じるものであり、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品)やいわゆる健康食品を含む食品との間で生じることはない。
正解と解説
正解:C. 複数の医薬品を併用した場合、又は保健機能食品やいわゆる健康食品を含む特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。手引きでは、複数の医薬品を併用した場合、又は保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品)やいわゆる健康食品を含む特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり減弱したりすることを相互作用というとされている。増強だけでなく減弱も含まれ、減弱すれば十分な効果が得られないなどの不都合を生じるため、他の選択肢はいずれも誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問12|相互作用の過程
医薬品の相互作用に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 相互作用には、医薬品が吸収、分布、代謝又は排泄される過程で起こるものがある。
- 相互作用には、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。
- 相互作用を回避するには、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならないのが通常である。
- 代謝とは、医薬品の成分が体外へ排出されることをいう。
正解と解説
正解:D. 代謝とは、医薬品の成分が体外へ排出されることをいう。手引きでは、代謝とは体内で化学的に変化することとされており、体外へ排出されることとする記述は誤り(体外への排出は排泄)。相互作用が吸収・分布・代謝・排泄の過程で起こるものと薬理作用をもたらす部位で起こるものに分けられること、回避のためには使用している期間やその前後を通じて相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えるのが通常であることは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問13|薬効群の併用
医薬品の併用に関する記述として、正しいものはどれか。
- かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多く、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされている。
- 一般用医薬品は単一の有効成分のみで構成されているものであるため、かぜ薬や解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬などを他の医薬品と併用しても、成分や作用が重複することはない。
- 緩和を図りたい症状が明確である場合には、その症状に合った成分のみが配合された医薬品ではなく、なるべく多くの成分が配合された医薬品を選択することが望ましい。
- 医療機関・薬局から交付された薬剤と一般用医薬品を併用してよいかどうかは、その医薬品を販売した登録販売者が判断すればよい。
正解と解説
正解:A. かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多く、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされている。手引きでは、かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では成分や作用が重複することが多く、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされている。一般用医薬品は作用の異なる複数の成分を組み合わせて含んでいることが多く、症状が明確な場合はその症状に合った成分のみが配合された医薬品が望ましい。交付された薬剤との併用の可否は、診療を行った医師若しくは歯科医師又は調剤した薬剤師に相談する必要がある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問14|アルコール
酒類(アルコール)と医薬品の相互作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- アルコールは主として腎臓で代謝されるため、酒類をよく摂取する者では腎臓の代謝機能が高まっていることが多い。
- 酒類(アルコール)をよく摂取する者では肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、肝臓で代謝されるアセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなり、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。
- 酒類(アルコール)をよく摂取する者では肝臓の代謝機能が低下していることが多く、肝臓で代謝されるアセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されにくくなり、体内から医薬品が消失しにくくなって作用が過剰に強く現れることがある。
- アルコールは医薬品の消化管からの吸収に影響を与えることはあるが、主として腎臓で代謝されるものであるため、酒類をよく摂取する者であっても、肝臓で代謝されるアセトアミノフェンなどの医薬品の代謝に影響を与えることはない。
正解と解説
正解:B. 酒類(アルコール)をよく摂取する者では肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、肝臓で代謝されるアセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなり、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。手引きでは、アルコールは主として肝臓で代謝されるため、酒類をよく摂取する者では肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、肝臓で代謝されるアセトアミノフェンなどでは通常よりも代謝されやすくなり、体内から速く消失して十分な薬効が得られなくなることがあるとされている。腎臓で代謝される、代謝機能が低下している、代謝に影響を与えない、とする記述はいずれもこれに反するため誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問15|代謝産物
医薬品の代謝と相互作用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 代謝によって産生する物質(代謝産物)に薬効があるものの場合、肝臓の代謝機能が高まっていると、その代謝産物も速やかに排泄されてしまうため、医薬品の作用は必ず弱くなる。
- 代謝産物が人体に悪影響を及ぼす医薬品の場合には、代謝されやすくなることでその代謝産物が速やかに処理されるため、副作用はかえって現れにくくなり、注意を要しない。
- 代謝によって産生する物質(代謝産物)に薬効があるものの場合には作用が強く出過ぎたり、逆に、代謝産物が人体に悪影響を及ぼす医薬品の場合は副作用が現れやすくなる。
- 医薬品の代謝は肝臓の機能によってのみ決まるものであるため、食品の摂取による影響を受けることはない。
正解と解説
正解:C. 代謝によって産生する物質(代謝産物)に薬効があるものの場合には作用が強く出過ぎたり、逆に、代謝産物が人体に悪影響を及ぼす医薬品の場合は副作用が現れやすくなる。手引きでは、肝臓の代謝機能が高まっている者において、代謝によって産生する物質(代謝産物)に薬効があるものの場合には作用が強く出過ぎたり、逆に、代謝産物が人体に悪影響を及ぼす医薬品の場合は副作用が現れやすくなるとされている。代謝産物に薬効があれば代謝が進むことでかえって作用が強く出過ぎることがあるため「必ず弱くなる」は誤りで、悪影響のある代謝産物では副作用が現れやすくなる。食品は医薬品の作用や代謝に影響を与えることがある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問16|カフェイン
食品と医薬品の飲み合わせに関する記述として、正しいものはどれか。
- 食品と医薬品の相互作用は、皮膚に用いる外用薬と食品との間で生じる場合が主に想定されるものであり、飲み薬との間では生じないため「飲み合わせ」と表現されることはない。
- カフェインを含む医薬品(例:総合感冒薬)とコーヒーを一緒に服用しても、カフェインの過剰摂取となることはない。
- 食品中に、カフェインやビタミンAのような医薬品の成分と同じ物質が存在することはないため、飲み合わせを気にする必要はない。
- カフェインやビタミンA等のように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品(例:総合感冒薬)と食品(例:コーヒー)を一緒に服用すると過剰摂取となるものもある。
正解と解説
正解:D. カフェインやビタミンA等のように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品(例:総合感冒薬)と食品(例:コーヒー)を一緒に服用すると過剰摂取となるものもある。手引きでは、カフェインやビタミンA等のように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品(例:総合感冒薬)と食品(例:コーヒー)を一緒に服用すると過剰摂取となるものもあるとされている。食品と医薬品の相互作用はしばしば「飲み合わせ」と表現され、食品と飲み薬が体内で相互作用を生じる場合が主に想定されるため、他の選択肢はいずれも誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問17|生薬と食品
生薬成分と食品に関する記述として、正しいものはどれか。
- 生薬成分等については、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ、食品(ハーブ等)として流通可能なものもあり、そうした食品を合わせて摂取すると、生薬成分が配合された医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。
- 生薬成分については、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていない場合であっても、食品(ハーブ等)として流通することはいかなる場合もない。
- 食品として流通しているハーブ等を、生薬成分が配合された医薬品と合わせて摂取したとしても、医薬品的な効能効果が標榜されていない以上、その医薬品の効き目や副作用に影響することはない。
- 生薬成分が配合された医薬品については、医薬品どうしの相互作用のみを考慮すればよく、食品との相互作用を考慮する必要はない。
正解と解説
正解:A. 生薬成分等については、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ、食品(ハーブ等)として流通可能なものもあり、そうした食品を合わせて摂取すると、生薬成分が配合された医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。手引きでは、生薬成分等については、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ食品(ハーブ等)として流通可能なものもあり、そうした食品を合わせて摂取すると、生薬成分が配合された医薬品の効き目や副作用を増強させることがあるとされている。したがって、食品として流通することはない、影響することはない、相互作用を考慮する必要はない、とする記述はいずれも誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問18|外用薬と食品
相互作用・飲み合わせに関する記述として、誤っているものはどれか。
- 複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用される場合が多く、医薬品同士の相互作用に関して特に注意が必要となる。
- 外用薬や注射薬は、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受けることはない。
- 医療機関・薬局から交付された薬剤を使用している場合には、診療を行った医師若しくは歯科医師又は調剤した薬剤師に相談するよう説明がなされるべきである。
- 相互作用による副作用のリスクを減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確である場合には、なるべくその症状に合った成分のみが配合された医薬品が選択されることが望ましい。
正解と解説
正解:B. 外用薬や注射薬は、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受けることはない。手引きでは、外用薬や注射薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性があるとされており、影響を受けることはないとする記述は誤り。複数の疾病を有する人での相互作用への注意、交付された薬剤を使用している場合に医師・歯科医師・調剤した薬剤師への相談を促すこと、症状に合った成分のみが配合された医薬品の選択が望ましいことは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問19|乳児の目安
「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」において、おおよその目安として用いられている年齢区分に関する記述として、正しいものはどれか。
- 乳児とは、生後4週以上、2歳未満をいう。
- 乳児とは、生後8週以上、1歳未満をいう。
- 乳児とは、生後4週以上、1歳未満をいう。
- 乳児とは、1歳以上、3歳未満をいうというおおよその目安が示されている。
正解と解説
正解:C. 乳児とは、生後4週以上、1歳未満をいう。手引きでは、おおよその目安として、新生児は生後4週未満、乳児は生後4週以上1歳未満、幼児は1歳以上7歳未満、小児は7歳以上15歳未満という年齢区分が用いられているとされている。したがって乳児は「生後4週以上、1歳未満」が正しく、2歳未満まで、生後8週以上、1歳以上とする記述はいずれも誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問20|年齢区分
医薬品の使用における年齢区分のおおよその目安に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 新生児とは、生後4週未満をいうというおおよその目安が示されている。
- 幼児とは、1歳以上、7歳未満をいうというおおよその目安が示されている。
- 小児とは、7歳以上、15歳未満をいうというおおよその目安が示されている。
- 高齢者とは、おおよその目安として75歳以上とされている。
正解と解説
正解:D. 高齢者とは、おおよその目安として75歳以上とされている。手引きでは、「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」はおおよその目安として65歳以上を「高齢者」としており、75歳以上とする記述は誤り。新生児は生後4週未満、幼児は1歳以上7歳未満、小児は7歳以上15歳未満というおおよその目安は、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問21|小児の表現
小児等の年齢区分に関する記述として、正しいものはどれか。
- 一般的に15歳未満を小児とすることもあり、具体的な年齢が明らかな場合は、医薬品の使用上の注意においては「3歳未満の小児」等と表現される場合がある。
- 新生児とは生後8週未満をいうとされ、医薬品の使用上の注意においては、具体的な年齢が明らかな場合であっても、具体的な年齢を用いて表現されることはない。
- 小児とは5歳以上18歳未満をいい、医薬品の使用上の注意においても、具体的な年齢が明らかな場合には「5歳未満の小児」等と表現される場合がある年齢区分である。
- 幼児とは生後4週以上1歳未満をいい、この年齢区分は「乳児」とは区別して用いられている。
正解と解説
正解:A. 一般的に15歳未満を小児とすることもあり、具体的な年齢が明らかな場合は、医薬品の使用上の注意においては「3歳未満の小児」等と表現される場合がある。手引きでは、おおよその目安としての小児は7歳以上15歳未満だが、一般的に15歳未満を小児とすることもあり、具体的な年齢が明らかな場合は使用上の注意において「3歳未満の小児」等と表現される場合があるとされている。新生児は生後4週未満、幼児は1歳以上7歳未満であり、生後4週以上1歳未満は乳児であるため、他の選択肢はいずれも誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問22|小児と吸収
小児が医薬品を使用する場合の生理的特徴に関する記述として、正しいものはどれか。
- 小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。
- 小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に高い。
- 小児は医薬品を受けつける生理機能が十分に発達しているため、医薬品の使用に際して特段の配慮は必要ない。
- 小児は大人と比べて医薬品の吸収率が低いため、成人用の医薬品を多めに与える必要がある。
正解と解説
正解:B. 小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に高い。手引きでは、小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に高いとされている。小児は医薬品を受けつける生理機能が未発達であるため、その使用に際して特に配慮が必要であり、保護者等には成人用の医薬品の量を減らして与えるような安易な使用を避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明することが重要とされているため、他の選択肢はいずれも誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問23|血液脳関門
小児と医薬品に関する記述として、正しいものはどれか。
- 小児は血液脳関門が発達しているため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しにくく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こすこともない。
- 小児では血液脳関門が未発達で、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすいが、そのことは中枢神経系に影響を与える医薬品の副作用の起こしやすさとは関係がない。
- 小児は血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。
- 血液脳関門とは胎盤にある仕組みで、胎児の血液と母体の血液とが混ざらないようにしているものである。
正解と解説
正解:C. 小児は血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。手引きでは、小児は血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすいとされている。発達している、副作用と関係がない、とする記述は誤り。胎盤にある胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組みは血液-胎盤関門であり、血液脳関門とは別のものである。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問24|小児と代謝
小児への医薬品の使用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 錠剤やカプセル剤は、5歳未満の幼児であっても服用時に喉につかえるおそれはない。
- 小児の肝臓や腎臓の機能は成人と同等に発達しているため、医薬品の成分の代謝・排泄に要する時間も成人と変わらず、作用が強く出過ぎることはない。
- 小児は肝臓や腎臓の機能が十分に発達しており、医薬品の成分の代謝・排泄が成人より速いため、作用が現れにくく、副作用が強く出ることもない。
- 小児は肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。
正解と解説
正解:D. 小児は肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがある。手引きでは、小児は肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがあるとされている。また、5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤などの医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されているため、喉につかえるおそれはないとする記述も誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問25|乳幼児の対処
乳幼児への医薬品の使用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、状態が急変しやすいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。
- 5歳未満の幼児に使用される錠剤やカプセル剤の医薬品については、大人用のものを半分にして飲ませることが想定されているため、服用時に喉につかえやすいことへの注意が添付文書に記載されることはない。
- 乳幼児の誤飲・誤用事故を未然に防止するには、すぐに取り出して使用できるよう、小児が容易に手に取れる場所に医薬品を置くことが望ましい。
- 乳幼児は自分の体調を適切に伝えることができるため、医薬品を使用した後に保護者等がその状態をよく観察する必要はない。
正解と解説
正解:A. 乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、状態が急変しやすいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。手引きでは、乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく状態が急変しやすいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限(夜間等、医師の診療を受けることが困難な場合)にとどめるのが望ましいとされている。5歳未満の幼児向けの錠剤等には喉につかえやすい旨の注意が記載され、誤飲・誤用防止には小児が手に取れる場所に医薬品を置かないこと、乳幼児は体調を適切に伝えることが難しいため保護者等の観察が重要とされる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問26|高齢者
高齢者と医薬品に関する記述として、正しいものはどれか。
- 高齢者は基礎体力や生理機能の衰えの度合いの個人差が小さいため、その年齢のみからリスクの程度を容易に判断することができる。
- 高齢者は、喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすい。
- 高齢者では、肝臓や腎臓の機能が低下していても、医薬品の作用の現れ方に影響することはない。
- 「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」では、おおよその目安として70歳以上を「高齢者」としている。
正解と解説
正解:B. 高齢者は、喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすい。手引きでは、高齢者は喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすいとされている。基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にリスクを判断することは難しい。肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすい。高齢者のおおよその目安は65歳以上であり、70歳以上とする記述も誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問27|妊婦
妊婦又は妊娠していると思われる女性の医薬品の使用に関する記述として、正しいものはどれか。
- 胎盤には胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)があり、医薬品の成分の胎児への移行がどの程度防御されるかは、すべて解明されている。
- 一般用医薬品では、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が容易であるため、妊婦の使用について「相談すること」としているものは少ない。
- ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものがある。
- 便秘薬は、配合成分やその用量にかかわらず、流産や早産を誘発するおそれはない。
正解と解説
正解:C. ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものがある。手引きでは、ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものがあるとされる。血液-胎盤関門によって胎児への移行がどの程度防御されるかは未解明のことも多く、一般用医薬品でも安全性に関する評価が困難であるため妊婦の使用について「相談すること」としているものが多い。便秘薬には配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問28|授乳婦
母乳を与える女性(授乳婦)と医薬品に関する記述として、正しいものはどれか。
- 医薬品の成分が乳汁中に移行することはないため、授乳婦が医薬品を使用する場合であっても、乳児への影響について特に配慮する必要はない。
- 乳汁中に移行した医薬品の成分を、乳児が母乳を介して摂取することはないため、授乳期間中の医薬品の使用について情報提供を行う必要はない。
- 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られているが、乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品についても、授乳期間中の使用を避けたり使用後しばらくの間授乳を避けたりするよう情報提供を行う必要はなく、購入者の判断に委ねればよい。
- 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらくの間は授乳を避けることができるよう、積極的な情報提供がなされる必要がある。
正解と解説
正解:D. 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらくの間は授乳を避けることができるよう、積極的な情報提供がなされる必要がある。手引きでは、医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取することになる場合があるとされる。乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらくの間は授乳を避けることができるよう積極的な情報提供が必要とされており、他の選択肢はいずれもこれに反するため誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問29|プラセボ効果
プラセボ効果に関する記述として、正しいものはどれか。
- 医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)という。
- プラセボ効果とは、医薬品の薬理作用によって生じる主作用のことをいう。
- プラセボ効果は確実であるため、それを目的として医薬品が使用されるべきである。
- プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、望ましいもの(効果)のみが含まれ、不都合なもの(副作用)は含まれない。
正解と解説
正解:A. 医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)という。手引きでは、医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)といい、暗示効果や条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられているとされる。薬理作用による主作用ではなく、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。もたらされる反応や変化には望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問30|プラセボの性質
プラセボ効果に関する記述として、誤っているものはどれか。
- プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられている。
- プラセボ効果は、主観的な変化としてのみ現れ、客観的に測定可能な変化として現れることはない。
- プラセボ効果は不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。
- プラセボ効果によってもたらされる反応や変化にも、望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)とがある。
正解と解説
正解:B. プラセボ効果は、主観的な変化としてのみ現れ、客観的に測定可能な変化として現れることはない。手引きでは、プラセボ効果は主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもあるとされており、主観的な変化としてのみ現れるとする記述は誤り。暗示効果・条件付けによる生体反応・自然緩解等が関与すること、不確実でありそれを目的として医薬品が使用されるべきではないこと、望ましいものと不都合なものの両方があることは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問31|品質と保管
医薬品の品質に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 医薬品に配合されている成分(有効成分及び添加物成分)には、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多い。
- 一般用医薬品は家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることも重要である。
- 医薬品は、適切な保管・陳列がなされれば、経時変化による品質の劣化を避けることができる。
- 医薬品が保管・陳列される場所については、清潔性が保たれるとともに、高温、多湿、直射日光等の下に置かれることのないよう留意される必要がある。
正解と解説
正解:C. 医薬品は、適切な保管・陳列がなされれば、経時変化による品質の劣化を避けることができる。手引きでは、医薬品は適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられないとされており、避けることができるとする記述は誤り。有効成分及び添加物成分には高温・多湿・光(紫外線)等で品質の劣化を起こしやすいものが多いこと、使用期限から十分な余裕をもって販売することが重要であること、保管・陳列場所の清潔性と環境への留意は、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問32|使用期限
医薬品の使用期限に関する記述として、正しいものはどれか。
- 表示されている「使用期限」は、開封された状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、未開封のまま保管されていれば、その期日を過ぎた後であっても品質は保証されると考えられている。
- 液剤は、いったん開封した後であっても、容器に記載されている使用期限までは品質が保証される。
- 一般用医薬品は購入後すぐに使用されるものであり、家庭における常備薬として購入されることはないため、使用期限から十分な余裕をもって販売等をする必要はない。
- 表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。
正解と解説
正解:D. 表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。手引きでは、表示されている「使用期限」は未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合があるとされている。開封された状態での期限ではなく、開封後の液剤の品質は保証されない場合がある。一般用医薬品は家庭における常備薬として購入されることも多く、使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることも重要とされる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅱ 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
問33|定義の字句
一般用医薬品の定義に関する記述について、( )に入る字句として正しいものはどれか。「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が( )ものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」
- 著しくない
- 緩和な
- 認められない
- 少ない
正解と解説
正解:A. 著しくない手引きでは、一般用医薬品は法において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」(第4条第5項第4号)と定義されているとされる。条文の言い回しは「著しくない」であり、「緩和な」「認められない」「少ない」はいずれも定義の字句と異なる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
問34|要指導の扱い
一般用医薬品に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 一般用医薬品は、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされている。
- 一般用医薬品の法律上の定義には、要指導医薬品が含まれる。
- 一般用医薬品は、医療機関での治療を受けるほどではない体調不良や疾病の初期段階、あるいは日常において、生活者が自らの疾病の治療、予防又は生活の質の改善・向上を図ることを目的としている。
- 一般用医薬品は、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものである。
正解と解説
正解:B. 一般用医薬品の法律上の定義には、要指導医薬品が含まれる。一般用医薬品の定義は「(要指導医薬品を除く。)」と規定されており、要指導医薬品は一般用医薬品の定義に含まれないため誤り。需要者の選択により使用されることが目的とされていること、人体に対する作用が著しくないものであること、医療機関での治療を受けるほどではない体調不良や疾病の初期段階等で生活者が治療・予防・生活の質の改善・向上を図ることを目的としていることは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
問35|役割
一般用医薬品の役割に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 軽度な疾病に伴う症状の改善は、健康の維持・増進やその他保健衛生と並んで、一般用医薬品の役割の一つとして手引きに挙げられているものである。
- 生活の質(QOL)の改善・向上や、健康状態の自己検査は、軽度な疾病に伴う症状の改善と並んで、一般用医薬品の役割に含まれている。
- 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防は、科学的・合理的に効果が期待できるかどうかにかかわらず、一般用医薬品の役割に含まれる。
- 健康の維持・増進や、その他保健衛生は、一般用医薬品の役割の一つとして挙げられている。
正解と解説
正解:C. 生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防は、科学的・合理的に効果が期待できるかどうかにかかわらず、一般用医薬品の役割に含まれる。手引きでは、一般用医薬品の役割は (1)軽度な疾病に伴う症状の改善、(2)生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。)、(3)生活の質(QOL)の改善・向上、(4)健康状態の自己検査、(5)健康の維持・増進、(6)その他保健衛生の6つとされている。(2)は科学的・合理的に効果が期待できるものに限られるため、「期待できるかどうかにかかわらず」とする記述は誤り。他の選択肢はいずれも役割に含まれる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
問36|自分で手当て
セルフメディケーションに関する記述として、正しいものはどれか。
- セルフメディケーションの主役は一般の生活者ではなく医薬品の販売等に従事する専門家であり、生活者はその指示に従って医薬品を使用する立場にあるにすぎない。
- 世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは「重度の疾病であっても自分自身で治療すること」とされており、軽度な身体の不調はその対象に含まれない。
- 医薬品の販売等に従事する専門家からの情報提供は、必ず医薬品の販売に結びつけなければならないものである。
- 世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」とされている。
正解と解説
正解:D. 世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」とされている。手引きでは、WHOによれば、セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」とされている。対象は軽度な身体の不調であって重度の疾病ではない。セルフメディケーションの主役は一般の生活者であり、情報提供は必ずしも医薬品の販売に結びつけるのでなく、医療機関の受診を勧めたり、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合があることにも留意する必要があるとされる。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
問37|対処可能な範囲
一般用医薬品で対処可能な症状等の範囲に関する記述として、正しいものはどれか。
- 一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わってくるものであり、乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は限られてくる。
- 高熱や激しい腹痛がある場合など症状が重いときにも、まず一般用医薬品を使用することが適切な対処である。
- 一般用医薬品を一定期間使用しても症状の改善がみられない場合は、医療機関を受診せず、使用を継続しながら様子をみることが望ましい。
- 一般用医薬品には、スポーツ競技者が使用すればドーピングに該当する成分を含んだものはない。
正解と解説
正解:A. 一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わってくるものであり、乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は限られてくる。手引きでは、一般用医薬品で対処可能な範囲は使用する人によって変わってくるものであり、乳幼児や妊婦等では通常の成人に比べその範囲は限られてくるとされている。症状が重いとき(高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合等)の使用は適切な対処とはいえず、一定期間若しくは一定回数使用しても改善がみられない又は悪化したときには医療機関を受診する必要がある。一般用医薬品にも使用すればドーピングに該当する成分を含んだものがある。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
問38|受診勧奨
適切な医薬品選択と受診勧奨に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 情報提供は必ずしも医薬品の販売に結びつけるのでなく、医療機関の受診を勧めたり(受診勧奨)、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合がある。
- 体調不良や軽度の症状等について一般用医薬品を使用して対処した場合、症状の改善がみられなくても、悪化していなければ使用を継続して様子をみればよい。
- スポーツ競技者から医薬品の使用に関する相談があった場合は、専門知識を有する薬剤師などへの確認が必要である。
- 症状が重いとき(例えば、高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合等)に一般用医薬品を使用することは、一般用医薬品の役割にかんがみて、適切な対処とはいえない。
正解と解説
正解:B. 体調不良や軽度の症状等について一般用医薬品を使用して対処した場合、症状の改善がみられなくても、悪化していなければ使用を継続して様子をみればよい。手引きでは、一般用医薬品を使用して対処した場合であっても、一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要があるとされており、改善がみられないまま使用を継続して様子をみればよいとする記述は誤り。受診勧奨等が適切な場合があること、スポーツ競技者のドーピングに関する薬剤師などへの確認、症状が重いときの使用が適切でないことは、いずれも手引きのとおり正しい。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
問39|確認事項
医薬品の販売等に従事する専門家が購入者等から確認しておきたい基本的なポイントに関する記述として、正しいものはどれか。
- その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないかどうかは、確認しておきたい事項に含まれない。
- その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるかどうかは、確認しておきたい事項に含まれない。
- その医薬品を使用するのは情報提供を受けている当人か、又はその家族等が想定されるかは、確認しておきたい基本的なポイントの一つである。
- 何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者等のニーズ、購入の動機)を確認する必要はない。
正解と解説
正解:C. その医薬品を使用するのは情報提供を受けている当人か、又はその家族等が想定されるかは、確認しておきたい基本的なポイントの一つである。手引きでは、確認しておきたい基本的なポイントとして、①購入の動機(ニーズ)、②使用するのは情報提供を受けている当人か家族等か、③小児や高齢者、妊婦等が想定されるか、④医療機関で治療を受けていないか、⑤過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか、⑥相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品の使用や食品の摂取をしていないか、が挙げられている。①④⑤も含まれるため、他の選択肢はいずれも誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
問40|販売時の対応
販売時のコミュニケーションに関する記述として、正しいものはどれか。
- 第一類医薬品を販売する場合、使用する人として小児や高齢者、妊婦等が想定されるか、といった事項(③〜⑤)については、その医薬品を販売する登録販売者が確認しなければならない。
- 購入者等が医薬品を使用する状況は変化しないものであるため、販売数量について特段の考慮をする必要はなく、まとめて販売してもよい。
- 一般用医薬品は、必ず情報提供を受けた当人が使用するものであるから、その人の状態のみを踏まえて販売時のコミュニケーションを考えればよい。
- 購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することも重要である。
正解と解説
正解:D. 購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することも重要である。手引きでは、購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することも重要とされている。第一類医薬品では③〜⑤の事項を販売する薬剤師が確認しなければならず(登録販売者ではない)、また、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことを踏まえてコミュニケーションを考える必要があるため、他の選択肢は誤り。
根拠:厚生労働省公表「試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)第1章 Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
演習:この章の問題を解く
ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 出題は厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。試験は都道府県ごとに実施され、日程・合格基準の細部は都道府県により異なります。最新の情報は各都道府県の公表をご確認ください。