仮の宿 学習室

教員採用試験 TEACHER EMPLOYMENT EXAM

論作文・面接・模擬授業の準備

講義 3 本・確認問題 10 問 | 論作文・面接 | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 2次選考の流れと「評価の観点」の手がかり
  2. 論作文・面接の土台になる知識
  3. 学習指導案の型と模擬授業
  4. 確認問題(10問)
  5. 演習ツール

1. 2次選考の流れと「評価の観点」の手がかり

第一次・第二次で何が行われるかを公式資料の例で確かめ、面接や論作文で見られる資質能力の手がかりを法律と指針から整理します。

教員採用試験(正式には「教員採用候補者選考試験」などと呼びます)は、多くの自治体で第一次選考と第二次選考の2段階で行われます。第一次は筆記試験が中心で、第二次では面接・論作文・模擬授業・実技などで「教師としての人物」を見ます。ただし、どの試験をどちらの段階に置くかは、自治体ごとに違います。この講義では、制度のしくみと「評価の観点」の手がかりを、公式資料で確かめられる範囲で整理します。

採用は「選考」で行う

一般の地方公務員の採用は、人事委員会を置く自治体では競争試験が原則です(地方公務員法第17条の2)。これに対し、教育公務員特例法(教特法)第11条は、公立学校の校長・教員の採用と昇任を選考によるとし、選考を行うのは任命権者である教育委員会の教育長としています。選考は、点数の順位だけでなく、教師としての適性を総合的に判断するしくみです。面接や模擬授業が重く見られるのは、このためです。

第一次選考の共同実施と第二次選考

2026年4月時点で、51の自治体(道府県・指定都市など)が協議会をつくり、第一次選考の筆答試験を共通の問題で行う準備を進めています。対象は教養試験(一般教養・教職教養)と教科専門試験です。文部科学省の資料は、作問の負担が減ることで「第二次選考において人物重視の丁寧な選考が可能に」なることを、共同実施の効果の1つに挙げています。第二次選考は、これまでどおり各自治体が独自に行います。

公式資料で確かめられる選考の例(2026年10月時点)
実施者第一次第二次
名古屋市(2026年実施分)小論文(全員)、総合教養・専門(マークシート)口述(個人面接1・個人面接2)。高校は個人面接2で模擬指導。音楽・美術・保健体育などは実技
堺市(2027年実施分)筆答試験(共同実施の教養・専門)、面接試験面接試験、実技試験(一部の教科)
文部科学省の小学校教員資格認定試験択一式・論述式の筆記学習指導案作成、模擬授業、口頭試問

表のとおり、名古屋市は小論文を第一次で、堺市は面接を第一次でも行います。「論作文は2次」と決めつけず、受験する自治体の実施要項で、段階・時間・形式を必ず確かめましょう。

「評価の観点」をどこで知るか

面接や論作文の採点基準そのものは、公表されていない場合が多くあります(名古屋市の実施要項にも配点や観点の記載はありません)。そこで手がかりになるのが、法律にもとづく指標です。文部科学大臣は教員の資質の向上に関する指針を定め(教特法第22条の2)、任命権者はそれを参酌して校長及び教員としての資質に関する指標を定めます(第22条の3)。2022年(令和4年)8月31日の指針の改正では、教師に共通的に求められる資質能力が次の5つの柱で整理されました(同年12月の中央教育審議会答申も、この改正と5つの柱を取り上げています)。

教師に共通的に求められる資質能力の5つの柱(2022年8月の指針改正)
柱面接・論作文で問われやすい中身の例
①教職に必要な素養使命感、服務の理解、学び続ける姿勢
②学習指導授業づくり、学習評価
③生徒指導児童生徒理解、いじめ・不登校への対応
④特別な配慮や支援を必要とする子供への対応特別支援教育、日本語指導が必要な子ども
⑤ICTや情報・教育データの利活用1人1台端末の活用、情報モラル

右の列は、この学習室が整理した例です。受験する自治体の「育成指標」を読むと、その自治体が新しく採用する教員に何を求めているかが分かります。面接で「どんな教師になりたいか」を答えるときも、この柱に沿って考えると話がぶれません。

用語

選考
競争試験の順位だけでなく、職にふさわしい能力・適性を総合的に判断して採用する方法。教員の採用は選考による(教特法第11条)。
任命権者
職員を採用・異動させる権限を持つ機関。公立学校の教員では主に都道府県・指定都市の教育委員会。
共同実施
複数の自治体が第一次選考の筆答試験を共通問題で行うしくみ。第二次選考は各自治体が行う。
指標
任命権者が国の指針を参酌して定める、校長・教員に求める資質の目安。研修計画のもとにもなる。

例題

例題:「論作文は必ず第二次選考で行われるので、第一次の対策では考えなくてよい」という考えは正しいか。
答えと考え方 正しくありません。名古屋市のように小論文を第一次で全員に課す例があります。試験の段階・形式は自治体ごとに違うので、受験先の実施要項で確かめます。

根拠:教育公務員特例法第11条・第22条の2・第22条の3(e-Gov)、地方公務員法第17条の2(e-Gov)、文部科学省「教員採用選考に係る第一次選考の共同実施について」(2026年4月30日)、自治体協議会「令和10年度教員採用選考に係る第一次選考の共同実施における出題方針について」(2026年7月29日)、名古屋市教育委員会「令和8年度実施 名古屋市公立学校教員採用選考試験 実施要項」、堺市「教員採用選考の第一次選考の共同実施について」(2026年9月10日更新)、文部科学省 資料「教員資格認定試験」、中央教育審議会「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について(答申)」(2022年12月19日)・答申本文(2026-10-16確認)

2. 論作文・面接の土台になる知識

論作文や面接で答えの中身を支える、教育基本法・服務・生徒指導提要・答申のキーワードを確認します。

論作文や面接では、「この人は教師としての基本を理解しているか」が見られます。文章の上手さや話し方の練習はこの章では扱いません。ここでは、答えの中身の土台になる知識を、法令・答申・提要から確かめます。根拠のある言葉を正確に使えると、答えに説得力が出ます。

教師の使命と服務

教育基本法第9条は、法律に定める学校の教員は「自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」と定めています。面接で「採用後も学び続けるために何をするか」と問われたときの出発点になる条文です。

公立学校の教員は地方公務員なので、地方公務員法の服務の規定が適用されます。特に、場面を想定した質問で問われやすいのは次の2つです。

面接で問われやすい服務の規定
条文内容考える場面の例
地方公務員法第33条信用失墜行為の禁止(職の信用を傷つけ、職全体の不名誉となる行為をしない)勤務時間外の行動、SNSでの発信
地方公務員法第34条秘密を守る義務(職務上知った秘密を漏らさない。退職後も同じ)子どもや家庭の情報の扱い

どちらも勤務時間の内外を問わない「身分上の義務」です。「勤務時間外だから」「もう退職したから」という考え方は、条文に照らすと誤りです。

子どもをどう支えるか:生徒指導の定義

2022年(令和4年)12月に改訂された生徒指導提要は、生徒指導を「児童生徒が、社会の中で自分らしく生きることができる存在へと、自発的・主体的に成長や発達する過程を支える教育活動」と定義しています。そのうえで、生徒指導上の課題に対応するために、必要に応じて指導や援助を行うとしています。いじめや不登校についての論題でも、「問題を起こさせない管理」ではなく「成長を支える」という視点から書くと、提要の考え方に沿った答えになります。

これからの学び:個別最適な学びと協働的な学び

2021年1月の中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」は、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を求めました。個別最適な学びは、支援が必要な子どもに重点的に指導するなどの指導の個別化と、興味・関心等に応じた学習課題に取り組む機会を提供する学習の個性化からなります。協働的な学びは、子ども同士や地域の人など多様な他者と協働しながら学ぶことで、個別最適な学びが「孤立した学び」にならないためにも大切だとされています。ICTの活用を論じるときも、「端末を使うこと」自体を目的にせず、この2つの学びをどう実現するかで考えます。

受験先の計画を読む

教育基本法第17条第2項は、地方公共団体が国の教育振興基本計画を参酌し、地域の実情に応じた教育振興の基本計画を定めるよう努めなければならないとしています。受験先の自治体の教育振興基本計画と育成指標を読んでおくと、論作文や面接で、その地域の課題に沿った具体的な話ができます。

用語

研究と修養
教育基本法第9条の言葉。研究は専門的な学び、修養は人格を高めること。これを合わせたのが「研修」。
信用失墜行為
職の信用を傷つけ、職全体の不名誉となる行為。地方公務員法第33条で禁止。
守秘義務
職務上知った秘密を漏らさない義務。退職後も続く(地方公務員法第34条)。
生徒指導
子どもが社会の中で自分らしく生きることができる存在へと成長する過程を支える教育活動(生徒指導提要、2022年)。
教育振興基本計画
政府が定める教育施策の基本計画。地方公共団体は参酌して独自の計画を定めるよう努める(教育基本法第17条)。

例題

例題:面接で「退職した後なら、在職中に知った子どもの家庭の事情を本に書いてもよいか」と問われた。条文に照らした答えの土台は何か。
答えと考え方 地方公務員法第34条は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、職を退いた後も同様としています。退職後でも許されない、というのが答えの土台です。

根拠:教育基本法第9条・第17条(e-Gov)、地方公務員法第33条・第34条(e-Gov)、文部科学省「生徒指導提要」(2022年12月)1.1.1、中央教育審議会「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(答申)」(2021年1月26日)(2026-10-16確認)

3. 学習指導案の型と模擬授業

学習指導案の骨組みと、学習評価の3観点・学習指導要領総則とのつながりを学び、模擬授業や口頭試問で設計の理由を説明できるようにします。

模擬授業や「学習指導案作成」の試験では、授業の設計図である学習指導案(指導案)の考え方が問われます。文部科学省の小学校教員資格認定試験でも、第二次試験は学習指導案作成・模擬授業・口頭試問で構成されています。指導案の書式は、受験する自治体や試験の指示に従うのが基本です。ここでは、多くの指導案に共通する骨組みと、その背景にある学習指導要領・学習評価の考え方を整理します。

指導案の骨組み

学習指導案によく含まれる項目
項目書くこと
単元名(題材名)何を学ぶまとまりか
単元の目標このまとまりで身に付ける資質・能力
単元の評価規準3つの観点ごとに、目標が実現した姿を文で示す
指導と評価の計画何時間で、どの時間に何をどの観点で評価するか
本時の目標その1時間で目指すこと
本時の展開導入・展開・まとめの流れ、学習活動、指導上の留意点、評価

大切なのは、目標・活動・評価がつながっていることです。目標に書いたことを、活動で子どもが実際に行い、評価でその姿を確かめる、という一本の線が通っているかを確認します。

学習評価の3つの観点

2019年(平成31年)3月29日の文部科学省の通知は、観点別学習状況の評価を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点としました。これは学習指導要領の資質・能力の3つの柱(知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等)に対応しています。ただし「学びに向かう力・人間性等」のうち、感性や思いやりなど観点別評価になじまない部分は、個人内評価などで見取るとされています。

「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数やノートの丁寧さのような形式的な態度ではありません。通知は、知識・技能を獲得したり思考力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとしているかを含めて評価するとしています。また、評価規準や評価方法を事前に教師同士で検討し明確にすることも求めています。指導の改善に評価を生かす考え方を指導と評価の一体化といいます。

授業の流れと学習指導要領

学習指導要領(平成29年告示)の総則は、単元など内容や時間のまとまりを見通しながら、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うことを求めています。また、児童生徒が学習の見通しを立てたり、学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるよう工夫することも示しています。本時の展開でいえば、導入でめあて(学習課題)を示して見通しを持たせ、まとめで振り返りの時間をとる形が、この規定に沿った設計です。評価についても、総則は単元などのまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫し、指導の改善や学習意欲の向上に生かすよう求めています。1時間の授業ですべての観点を評価しようとせず、単元全体で場面を配分するのはこのためです。

模擬授業・口頭試問で問われること

模擬授業では、短い時間で指導案の一部を実際に行います。口頭試問や授業後の質問では「なぜその活動にしたのか」「その時間の評価の観点は何か」「つまずいた子にどう対応するか」など、設計の理由が問われます。指導案の各項目を、上の通知や総則の言葉で説明できるようにしておきましょう。

用語

学習指導案
単元や1時間の授業の目標・流れ・評価を書いた授業の設計図。
評価規準
目標が実現した子どもの姿を、観点ごとに文で表したもの。数値の目安である「基準」と区別する。
観点別学習状況の評価
知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3観点で学習状況を評価すること。
個人内評価
一人一人のよい点や可能性、進歩の状況を、その子自身の中で評価すること。
指導と評価の一体化
評価の結果を指導の改善に生かし、指導と評価を一体として進める考え方。

例題

例題:指導案の本時の評価欄に「主体的に学習に取り組む態度:発表した回数で評価する」と書いた。通知の考え方に照らして、どう直すべきか。
答えと考え方 この観点は、発言回数のような形式的な態度ではなく、粘り強く取り組む中で自らの学習を調整しようとしているかを見ます。たとえば「振り返りの記述で、うまくいかなかった点と次の工夫を書いているか」のように、学習の調整が見える場面と方法に直します。

根拠:文部科学省 資料「教員資格認定試験」(小学校の第2次試験)、文部科学省「令和8年度教員資格認定試験」、文部科学省「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(2019年3月29日、30文科初第1845号)、小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 総則 第3の1・第3の2(2026-10-16確認)

確認問題(10問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|教員の採用の方法

公立学校の教員の採用について、教育公務員特例法の規定として正しいものはどれか。

  1. 競争試験によるものとし、人事委員会が試験を行う
  2. 採用される学校の校長が面接によって決定する
  3. 選考によるものとし、任命権者である教育委員会の教育長が行う
  4. 筆記試験の得点の順位だけで採用者を決める
正解と解説
正解:C. 選考によるものとし、任命権者である教育委員会の教育長が行う

教特法第11条は、公立学校の校長・教員の採用と昇任を「選考」によるとし、選考は任命権者である教育委員会の教育長が行うとしています。「競争試験によるものとし、人事委員会が試験を行う」は、人事委員会を置く自治体の一般の地方公務員の原則(地公法第17条の2)で、教員には教特法の特例があります。「採用される学校の校長が面接で決定する」は誤りで、校長は選考を行う者ではありません。「筆記試験の得点の順位だけで決める」も誤りで、選考は適性を総合的に判断する方法であり、筆記の順位だけで決めるとは定められていません。

根拠:教育公務員特例法第11条(e-Gov)

問2|共同実施の範囲

2027年から予定されている教員採用選考の「第一次選考の共同実施」について、2026年時点の公式資料の内容として正しいものはどれか。

  1. 教養試験と教科専門試験の筆答を共通問題で行い、第二次選考は各自治体が行う
  2. 第一次・第二次とも全国共通の問題と面接で行い、合否も一括で決める
  3. 論作文と面接を共通の課題で行い、筆記試験は各自治体が独自に作る
  4. 教職教養だけを共通化し、一般教養と教科専門は各自治体が作る
正解と解説
正解:A. 教養試験と教科専門試験の筆答を共通問題で行い、第二次選考は各自治体が行う

文部科学省の資料と協議会の出題方針では、共同実施の対象は第一次選考の教養試験(一般教養・教職教養)と教科専門試験で、第二次選考は各自治体が行います。資料は、作問の負担が減ることで第二次の人物重視の選考を丁寧にできることを効果に挙げています。「第一次・第二次とも共通で合否も一括」は誤りで、第二次や合否まで共通にするものではありません。「論作文と面接を共通の課題で行う」も誤りで、論作文・面接は共同実施の問題に含まれていません。「教職教養だけを共通化」も誤りで、一般教養も教科専門も共通問題の対象です。

根拠:文部科学省「教員採用選考に係る第一次選考の共同実施について」(2026年4月30日)、自治体協議会「出題方針」(2026年7月29日)

問3|資質能力の5つの柱

2022年の指針改正で、教師に共通的に求められる資質能力の柱として示されたものはどれか。

  1. 部活動の指導実績
  2. 保護者からの評判
  3. 取得している免許状の数
  4. ICTや情報・教育データの利活用
正解と解説
正解:D. ICTや情報・教育データの利活用

2022年8月31日の指針の改正では、①教職に必要な素養、②学習指導、③生徒指導、④特別な配慮や支援を必要とする子供への対応、⑤ICTや情報・教育データの利活用、の5つが柱として示されました。部活動の指導実績、保護者からの評判、取得している免許状の数は、教職に関係はありますが、指針の柱として示されたものではありません。

根拠:中央教育審議会「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について(答申)」本文(2022年12月19日)(「令和4年8月31日に指針を改正した」と記載)、教育公務員特例法第22条の2・第22条の3

問4|教育基本法第9条

教育基本法第9条が、法律に定める学校の教員に求めていることとして正しいものはどれか。

  1. 勤務時間の範囲内に限って、職務上の研修に励むこと
  2. 自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励むこと
  3. 任命権者が定めた研修計画のとおりに、毎年の研修を受けること
  4. 学習指導要領に定められた内容だけを、正確に教えること
正解と解説
正解:B. 自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励むこと

第9条第1項は、教員は「自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」と定めています。「勤務時間の範囲内に限って」という限定はなく、条文は「絶えず」です。「任命権者の研修計画のとおりに受ける」は誤りで、教員研修計画は教特法の仕組みであり、第9条の内容ではありません。「学習指導要領の内容だけを正確に教える」も誤りで、第9条は教える内容の範囲を定める条文ではありません。

根拠:教育基本法第9条(e-Gov)

問5|秘密を守る義務

公立学校の教員の「秘密を守る義務」について、地方公務員法の規定として正しいものはどれか。

  1. 勤務時間中に知った秘密に限られ、勤務時間外には及ばない
  2. 在職中だけの義務で、退職すれば適用されなくなる
  3. 職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、退職後も同様である
  4. 校長の許可があれば、職務上の秘密をSNSで公開してよい
正解と解説
正解:C. 職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、退職後も同様である

地方公務員法第34条第1項は、職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、その職を退いた後も同様としています。「勤務時間中に知った秘密に限る」は誤りで、勤務時間の内外で区別する規定ではありません。「退職すれば適用されない」も誤りで、退職後も義務は続きます。「校長の許可があればSNSで公開してよい」も誤りです。法令による証人などとして職務上の秘密を発表する場合に任命権者の許可が必要とする規定(同条第2項)はありますが、校長の許可でSNSに公開してよいという規定はありません。

根拠:地方公務員法第34条(e-Gov)

問6|個別最適な学び

2021年1月の中央教育審議会答申が示した「個別最適な学び」の説明として正しいものはどれか。

  1. 「指導の個別化」と「学習の個性化」からなり、協働的な学びと一体的に充実させる
  2. 子どもが一人で端末に向かい、他者と関わらずに学ぶことを中心にする
  3. 習熟度の低い子どもを別の学級に分け、同じ内容をくり返し教える
  4. 全員に同じ課題を同じ速さで与え、学習の結果をそろえる
正解と解説
正解:A. 「指導の個別化」と「学習の個性化」からなり、協働的な学びと一体的に充実させる

答申は、個別最適な学びを「指導の個別化」と「学習の個性化」に整理し、それが「孤立した学び」に陥らないよう協働的な学びと一体的に充実させることを求めました。「一人で端末に向かい、他者と関わらずに学ぶ」は誤りで、答申は孤立した学びにならないよう注意しています。「習熟度の低い子どもを別の学級に分ける」も、答申が示した個別最適な学びの説明ではありません。「全員に同じ課題を同じ速さで与える」は、一人一人に応じるという趣旨と逆です。

根拠:中央教育審議会「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(答申)」(2021年1月26日)

問7|学習評価の3観点

2019年3月の文部科学省の通知で示された、観点別学習状況の評価の観点の組合せとして正しいものはどれか。

  1. 関心・意欲・態度、思考・判断・表現、技能、知識・理解
  2. 知識・理解、技能・表現、関心・態度
  3. 知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等
  4. 知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度
正解と解説
正解:D. 知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度

2019年3月29日の通知は、観点を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つに整理しました。「関心・意欲・態度、思考・判断・表現、技能、知識・理解」は以前の4観点です。「知識・理解、技能・表現、関心・態度」は通知の観点名ではありません。「知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等」は学習指導要領の資質・能力の3つの柱の名前で、評価の観点名とは少し違います(「学びに向かう力・人間性等」には観点別評価になじまない部分があります)。

根拠:文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(2019年3月29日)

問8|主体的に学習に取り組む態度

「主体的に学習に取り組む態度」の評価について、2019年3月の通知の考え方に合うものはどれか。

  1. 授業中の挙手や発言の回数を数えて評価する
  2. 粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとしているかを含めて評価する
  3. ノートの字の丁寧さや提出の早さで評価する
  4. 授業への関心の高さを、性格や行動の傾向から評価する
正解と解説
正解:B. 粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとしているかを含めて評価する

通知は、知識・技能の獲得や思考力等を身に付けることに向けた粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとしているかどうかを含めて評価するとしています。挙手や発言の回数、ノートの丁寧さや提出の早さのような形式的な態度を見るものではありません。性格や行動の傾向を評価するものでもありません。

根拠:文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(2019年3月29日)

問9|見通しと振り返り

学習指導要領(平成29年告示)総則の「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」に示された事項として正しいものはどれか。

  1. 児童生徒が学習の見通しを立てたり、学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れる
  2. 1単位時間の授業ごとに、3つの観点すべてを必ず評価する
  3. 授業は教師の説明を中心にし、話し合い活動は総合的な学習の時間で行う
  4. 単元のまとまりは考えず、1時間ごとに独立した目標を立てる
正解と解説
正解:A. 児童生徒が学習の見通しを立てたり、学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れる

総則第3の1⑷は、児童(生徒)が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるよう工夫することを示しています。「1単位時間ごとに3観点すべてを評価する」は誤りで、総則は単元など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫するとしています。「話し合い活動は総合的な学習の時間で行う」も誤りで、対話的な学びは各教科等で求められています。「単元のまとまりは考えない」も、内容や時間のまとまりを見通すことを求める総則と逆です。

根拠:小学校学習指導要領(平成29年告示)・中学校学習指導要領(平成29年告示) 総則 第3の1・第3の2

問10|認定試験の第2次

文部科学省の小学校教員資格認定試験の第2次試験の内容として正しいものはどれか。

  1. 教職教養と一般教養の択一式試験
  2. 教科に関する論述式の筆記試験だけ
  3. 学習指導案作成、模擬授業、口頭試問
  4. 集団討論と体力測定
正解と解説
正解:C. 学習指導案作成、模擬授業、口頭試問

文部科学省の資料では、小学校教員資格認定試験の第2次試験は「学習指導案作成」「模擬授業」「口頭試問」です。択一式の試験や論述式の筆記は第1次試験の内容で、第2次の内容ではありません。集団討論や体力測定は示されていません。

根拠:文部科学省 資料「教員資格認定試験」、文部科学省「令和8年度教員資格認定試験」

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。採用選考の実施方法・出題範囲は、必ず受験する自治体の実施要項をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。法令は2026年10月時点のものです。