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機械学習の手法と評価

講義 3 本・確認問題 30 問 | 本試験では「G検定」(0問)の一部 | 最終更新 2026-09-24

この章で学ぶこと
目次
  1. 教師あり学習 回帰と分類を分ける道具
  2. 教師なし学習と強化学習 正解が無いところで学ぶ
  3. モデルの選択・評価と、支えになる統計
  4. 確認問題(30問)
  5. 演習ツール

1. 教師あり学習 回帰と分類を分ける道具

正解つきのデータから予測の規則を学ぶのが教師あり学習です。回帰と分類の違い、決定木とアンサンブル、SVM、そして時系列のARモデルまでを一続きに整理します。

教師あり学習は、入力になる特徴量と、その答えである教師データのペアを与えて、入力から答えを言い当てる規則を学ばせるやり方です。シラバスはこの中項目の目標の先頭に「教師あり学習には、特徴量と教師データのペアが必要であることを理解する」と置いています。裏を返せば、正解が用意できないデータしか手元に無い場面では、そもそもこの枠組みに乗りません。ここが教師なし学習や強化学習との分かれ道になります。

教師あり学習が扱う問題は、大きく回帰問題と分類問題に分かれます。回帰問題は売上や気温のような連続値を予測するもの、分類問題は迷惑メールかどうか、どの品種かといった離散的なクラスを予測するものです。クラスが3つ以上あるものは多クラス分類と呼ばれます。線形回帰は回帰問題の基本形で、説明変数が1つのものを単回帰分析、2つ以上のものを重回帰分析といいます。

ここで最初のつまずきどころが来ます。ロジスティック回帰は、名前に「回帰」が付いていますが分類に使う手法です。線形の計算結果を確率の形に押し込んで、そのクラスに属する確率として読むところが要点になります。名前だけで回帰問題の手法だと決めつけると、四択でそのまま落とされます。シラバスでも線形回帰とロジスティック回帰は同じ「7. 教師あり学習」の中に並んでいますが、役割は回帰と分類で分かれています。

決定木は、特徴量に対する条件分岐を木の形に並べてデータを絞り込んでいく手法です。どの条件でどちらへ進んだかを人が読み取れるので、説明のしやすさでは群を抜きます。ただし木を深く育てるほど訓練データの細かい癖まで覚えてしまい、単体では過学習しやすいという弱点があります。そこで、木を1本で使うのではなく大量に束ねる発想が出てきます。

多数のモデルを束ねて1つの答えを出すやり方をアンサンブル学習といい、束ね方に大きく2通りあります。バギングは、ブートストラップサンプリングという重複を許した抽出で少しずつ違う訓練データを作り、そこから作った学習器を並列に、互いに独立に学習させて多数決や平均をとります。ランダムフォレストがその代表で、決定木を大量に並列に育てます。

もう一方のブースティングは、学習器を逐次に足していきます。前の学習器が間違えた例を重く扱いながら次の学習器を作るので、順番に依存し、並列には作れません。勾配ブースティングがその代表です。並列のバギングと逐次のブースティング、この対比はほぼ必ず問われます。ランダムフォレストがどちらの仲間かも合わせて覚えてください。

サポートベクターマシン(SVM)は、境界と最も近いデータ点との間隔、すなわちマージンが最大になる位置に境界を引きます。これがマージン最大化です。まっすぐな境界では分けられないデータは、高次元へ写してから分ければよいのですが、写した先の座標をまともに計算すると重くなります。そこで写像後の内積だけをカーネル関数で直接求めるのがカーネルトリックで、座標を計算せずに非線形な分離ができます。

最後に時系列です。自己回帰モデル(ARモデル)は、1つの時系列の現在の値を、その系列自身の過去の値で説明します。ベクトル自己回帰モデル(VARモデル)は、複数の時系列を並べて、互いの過去の値で説明し合う形に広げたものです。1本か複数本か、という違いで覚えておくと取り違えません。

教師あり学習の代表的な手法と、取り違えやすい相手
手法何をする道具か覚えどころ取り違えやすい相手
線形回帰連続値を予測する説明変数が1つで単回帰、複数で重回帰ロジスティック回帰
ロジスティック回帰クラスを予測する名前は回帰でも用途は分類線形回帰
決定木条件分岐で予測する読みやすいが単体では過学習しやすいランダムフォレスト
ランダムフォレスト決定木を束ねるバギングの代表で並列に育てる勾配ブースティング
勾配ブースティング学習器を足していくブースティングの代表で逐次に足すランダムフォレスト
サポートベクターマシン(SVM)境界を引くマージン最大化とカーネルトリック決定木
自己回帰モデル(ARモデル)時系列を予測する1系列を自身の過去で説明、複数ならVARベクトル自己回帰モデル(VARモデル)
教師あり学習で手法を選ぶときの順番 1. 予測したいものは連続値か、クラスか   連続値 -> 回帰問題(線形回帰、単回帰分析、重回帰分析)   クラス -> 分類問題(ロジスティック回帰、決定木、SVM) 2. 1本のモデルで足りるか   足りない -> アンサンブル学習      並列に束ねる -> バギング(ランダムフォレスト)      逐次に足す   -> ブースティング(勾配ブースティング) 3. 予測したいものが時間に沿って並んでいるか   1系列だけ -> ARモデル   複数系列   -> VARモデル

用語

教師あり学習
特徴量と教師データ(正解)のペアを与えて、入力から答えを予測する規則を学ばせる枠組み。ペアが必要であることがシラバスの目標に明記されている。
回帰問題
売上や気温のような連続値を予測する問題。線形回帰が基本形。
分類問題
離散的なクラスのどれに属するかを予測する問題。クラスが3つ以上あるものが多クラス分類。
単回帰分析
説明変数が1つの回帰分析。説明変数が2つ以上になると重回帰分析と呼ぶ。
ロジスティック回帰
名前に反して分類に使う手法。線形の計算結果を確率の形に変換し、クラスに属する確率として読む。
決定木
条件分岐の木でデータを絞り込む手法。分岐の条件を人が読み取れる一方、単体では過学習しやすい。
アンサンブル学習
複数のモデルを束ねて1つの答えを出す考え方。束ね方の代表がバギングとブースティング。
ブートストラップサンプリング
重複を許して元データから標本を取り直す方法。バギングで少しずつ違う訓練データを作るのに使う。
バギング
学習器を並列に、互いに独立に学習させて多数決や平均をとる束ね方。ランダムフォレストが代表例。
ブースティング
前の学習器が誤った例を重く扱いながら学習器を逐次に足していく束ね方。勾配ブースティングが代表例。
ランダムフォレスト
ブートストラップサンプリングで作った多数の決定木を並列に育てる、バギングの代表例。
マージン最大化
SVMが、境界と最も近いデータ点との間隔が最大になる位置に境界を引くこと。
カーネルトリック
高次元へ写した後の座標を計算せず、内積だけをカーネル関数で直接求めて非線形な分離を行う工夫。
自己回帰モデル(ARモデル)
1つの時系列の現在の値を、その系列自身の過去の値で説明するモデル。複数系列に広げたものがVARモデル。

例題

例題:例題:ある通販サイトで「翌月の売上金額」を当てたい場合と、「この注文が不正利用かどうか」を当てたい場合。それぞれどちらの問題か。
答えと考え方 前者は金額という連続値を当てるので回帰問題です。後者は不正か正常かというクラスを当てるので分類問題になります。同じ教師あり学習でも、答えが連続値かクラスかで問題の種類が分かれ、選ぶ手法も変わります。なお名前に引きずられてロジスティック回帰を回帰問題の側に置かないでください。あれは分類の道具です。
例題:例題:「ランダムフォレストは、前の木の誤りを直しながら木を1本ずつ足していく手法だ」という説明は正しいか。
答えと考え方 正しくありません。それはブースティングの説明です。ランダムフォレストはブートストラップサンプリングで作った多数の決定木を並列に、互いに独立に育てて多数決や平均をとる、バギングの代表例です。逐次に足していくのは勾配ブースティングなどブースティングの側で、並列と逐次を入れ替えた記述が定番の誤りになります。

出典・根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

2. 教師なし学習と強化学習 正解が無いところで学ぶ

正解ラベルが無くても学べる道はふたつ。データの構造そのものを見つける教師なし学習と、報酬を手がかりに行動を直していく強化学習を、まとめて押さえます。

教師なし学習は、正解ラベルを持たず、特徴量だけを与えてデータそのものが持つ構造や規則を見つけさせるやり方です。シラバスの目標にも「教師なし学習には、特徴量のみが必要であることを理解する」と書かれています。答え合わせをする相手がいないので、出てきた結果が何を意味するのかは人が解釈することになります。ここが教師あり学習との一番大きな違いです。

代表的な仕事のひとつがクラスタリング、つまり似たものどうしをまとめる作業です。k-means法は、クラスタ数kをあらかじめ決めておき、各点を最も近い重心に割り当てる操作と重心の再計算を繰り返します。非階層の手法で、樹形図は作りません。一方ウォード法は階層的クラスタリングで、近いものから順に併合していく過程をデンドログラム(樹形図)として描けます。何個に分けるかを後から決めたいならこちらです。

もうひとつの柱が次元削減です。主成分分析(PCA)は、分散が最大になる方向に軸を取り直して情報の損失を抑えながら次元を落とす線形の手法です。t-SNEは近い点どうしの近さを保つように低次元へ写す非線形の手法で、2次元や3次元での可視化によく使われます。多次元尺度構成法(MDS)は点どうしの距離関係を保つ配置を探し、特異値分解(SVD)は行列を分解する形で成分を取り出します。PCAは線形、t-SNEは非線形という対比が問われます。

文書を扱う場面ではトピックモデルが出てきます。1つの文書がいくつかの話題の混ざり物だとみなし、その話題の割合を推定する考え方で、潜在的ディリクレ配分法(LDA)が代表です。どの話題が何個あるかを人が用意する必要はなく、単語の出方から話題を浮かび上がらせます。

推薦の場面では協調フィルタリングが使われます。似た好みの利用者が高く評価したものを勧める、あるいは一緒に買われている商品を勧める、という具合に評価の履歴を手がかりにします。ここで避けられないのがコールドスタート問題で、新しい利用者や新しい商品には履歴が無く、手がかりが取れません。商品の説明文や属性そのものを手がかりにするコンテンツベースフィルタリングは、この弱点を補う方向の考え方です。

ここから強化学習に移ります。強化学習は、環境の中でエージェントが行動し、状態が変わり、報酬を受け取る、というやり取りを繰り返しながら、累積の報酬が大きくなる方策を学びます。この枠組みを数学的に整えたものがマルコフ決定過程です。学習の手がかりは1手ごとの正解ラベルではなく報酬である、という点をまず押さえてください。遠い将来の報酬をどれだけ軽く見るかを決めるのが割引率で、1に近いほど先を見る学習になります。

シラバスは「価値関数の学習と、方策の学習の2つの代表的なアプローチを理解する」ことを目標に挙げています。前者はその状態の良さを表す状態価値関数や、その状態でその行動をとる良さを表す行動価値関数を推定してから行動を選ぶやり方で、Q学習とSARSAが代表です。両者の違いは更新に何を使うかで、Q学習は次の状態で価値が最大の行動を使い、SARSAは実際に選んだ次の行動を使います。後者は方策そのものをパラメータで表して直接更新するやり方で、方策勾配法やREINFORCEが代表です。Actor-Criticは方策を担うActorと価値を担うCriticを組み合わせ、両方を併せ持ちます。

最後に探索と活用の兼ね合いです。今いちばん良さそうな手ばかり選んでいると、まだ試していない良い手を見つけられません。バンディットアルゴリズムはこの問題を扱う枠組みで、ε-greedy方策は一定の確率εでランダムに試し、残りで最も良さそうな手を選びます。UCB方策は、推定の不確かさが大きい手ほど選ばれやすくなる形で探索を促します。

教師なし学習の代表的な手法と、何を取り出す道具か
手法分類取り出すもの覚えどころ
k-means法クラスタリング指定した数の塊kを先に決める。非階層で樹形図は描かない
ウォード法クラスタリング入れ子になった塊階層的。デンドログラム(樹形図)を描ける
主成分分析(PCA)次元削減分散が最大の方向の軸線形の変換
t-SNE次元削減近さを保った低次元の配置非線形。可視化に向く
多次元尺度構成法(MDS)次元削減距離関係を保った配置点どうしの距離が出発点
特異値分解(SVD)次元削減行列を分解した成分行列の形で扱う
潜在的ディリクレ配分法(LDA)トピックモデル文書に潜む話題の割合文書を話題の混ざり物とみなす
協調フィルタリング推薦似た利用者や商品の評価履歴が無いとコールドスタート問題
強化学習の用語を1本の流れに並べる 環境の中でエージェントが行動する  -> 状態が変わり、報酬を受け取る(マルコフ決定過程)  -> 遠い将来の報酬ほど割引率で小さく評価する 学び方は大きく2つ  A. 価値関数を学ぶ     状態価値関数(その状態の良さ)     行動価値関数(その状態でその行動をとる良さ)     代表手法: Q学習, SARSA  B. 方策を直接学ぶ     代表手法: 方策勾配法, REINFORCE  A と B を組み合わせたもの: Actor-Critic まだ試していない手を試すか(探索)、今よい手を選ぶか(活用)  代表手法: ε-greedy 方策, UCB 方策(バンディットアルゴリズム)

用語

教師なし学習
特徴量のみを与えて、データそのものが持つ構造や規則を見つけさせる枠組み。正解ラベルは使わない。
k-means法
クラスタ数kを先に決め、最も近い重心への割り当てと重心の再計算を繰り返す非階層クラスタリング。樹形図は作らない。
ウォード法
近いものから順に併合していく階層的クラスタリング。併合の過程をデンドログラム(樹形図)として描ける。
主成分分析(PCA)
分散が最大になる方向へ軸を取り直す線形の次元削減。
t-SNE
近い点どうしの近さを保つように低次元へ写す非線形の次元削減。可視化に向く。
潜在的ディリクレ配分法(LDA)
文書をいくつかの話題の混ざり物とみなして話題の割合を推定する、トピックモデルの代表。
協調フィルタリング
利用者どうし、または商品どうしの評価の似かたを手がかりに推薦する方法。
コールドスタート問題
履歴がまだ無い新しい利用者や商品には手がかりが取れず、推薦を出しにくいという協調フィルタリングの弱点。
強化学習
環境とのやり取りで受け取る報酬を手がかりに、累積の報酬が大きくなる方策を学ぶ枠組み。正解ラベルは使わない。
割引率
遠い将来の報酬をどれだけ軽く見るかを決める値。1に近いほど先まで見る学習になる。
行動価値関数
その状態でその行動をとることの良さを表す関数。状態そのものの良さを表すのが状態価値関数。
Q学習とSARSA
どちらも行動価値関数を更新する手法。Q学習は次の状態で価値が最大の行動を使い、SARSAは実際に選んだ次の行動を使う。
方策勾配法
方策そのものをパラメータで表して直接更新するアプローチ。REINFORCEが代表例。
Actor-Critic
方策を担うActorと価値を担うCriticを組み合わせ、方策の学習と価値関数の学習を併せ持つ手法。
ε-greedy方策
一定の確率εでランダムに試し、残りの確率で推定価値が最大の手を選ぶ、探索と活用の兼ね合いのとり方。

例題

例題:例題:会員1万人を、事前に数を決めずにグループへ分け、どのグループとどのグループが近いのかも見たい。どの手法が向くか。
答えと考え方 ウォード法などの階層的クラスタリングが向きます。併合していく過程をデンドログラム(樹形図)として描けるので、どの高さで切るかを見ながらグループ数を後から決められ、グループどうしの近さも読み取れます。k-means法はクラスタ数kを先に決めてしまう非階層の手法で、樹形図は描きません。まずk-means法で速く当たりを付け、構造を見たいときにウォード法へ移る、という使い分けもできます。
例題:例題:「強化学習は、1手ごとに正解の手を教えてもらいながら学ぶ教師あり学習の一種だ」という説明は正しいか。
答えと考え方 正しくありません。強化学習が受け取るのは1手ごとの正解ではなく、環境から返ってくる報酬です。しかも報酬はすぐに返るとは限らないため、遠い将来の報酬を割引率で小さく評価しながら、累積の報酬が大きくなる方策を探します。正解ラベルとのペアを前提にする教師あり学習とは、学習の手がかりそのものが違います。

出典・根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 8. 教師なし学習/同 技術分野 機械学習の概要 9. 強化学習

3. モデルの選択・評価と、支えになる統計

作ったモデルが本当に使えるのかを測る物差しの話です。混同行列から出る指標、ROC曲線とAUC、交差検証、情報量規準、そして土台になる統計の基本をまとめます。

モデルに求められているのは、訓練データをうまく再現することではなく、まだ見ていないデータでも当たることです。この力を汎化性能といいます。訓練データに合わせ込みすぎて細かい癖まで覚えてしまい、新しいデータで成績が落ちる状態が過学習です。訓練データでの成績だけを見ていては過学習に気づけないので、必ず学習に使っていないデータで測ります。

測り方の基本は2つです。ホールドアウト検証は、手元のデータを訓練用と検証用に一度だけ分けます。単純で計算も軽い代わりに、たまたまどう分かれたかに結果が左右されます。k-分割交差検証は、データをk個に分け、1つを検証、残りを学習に使う手続きをk回繰り返して結果を平均します。全部のデータが一度ずつ検証に回るので、分割の運に振り回されにくく、データが少ないときほど効きます。

分類の評価は混同行列から始まります。実際に陽性か陰性か、モデルが陽性と予測したか陰性と予測したかの組合せで、真陽性・偽陽性・偽陰性・真陰性の4つに数えます。ここから出る指標はどれも、この4つの数のどれを分子に、どれを分母に置くかの違いにすぎません。数字を暗記するのではなく、分母に何を置いているかで区別してください。

正解率は、全件のうち正しく当てた割合です。適合率は、陽性と予測したもののうち実際に陽性だった割合で、分母が予測側にあります。再現率は、実際に陽性のもののうち拾えた割合で、分母が実際側にあります。この2つを逆に覚える誤りが最も多いので、分母が予測か実際かで思い出してください。誤検出を減らしたいときは適合率、見逃しを減らしたいときは再現率を重く見ます。F値はこの2つの調和平均で、算術平均ではありません。調和平均は小さいほうへ引き寄せられるので、片方だけ高くても数字が伸びません。

正解率にはわなもあります。陽性が全体の1%しかないデータでは、すべて陰性と答えるだけで正解率は99%になりますが、陽性は1件も拾えていません。クラスの数が釣り合っていないときは、正解率だけを見て判断しないことです。閾値の取り方によらず全体を見たいときはROC曲線を描きます。縦軸に真陽性率、横軸に偽陽性率をとり、その下の面積がAUCです。AUCは1に近いほど良く、0.5はでたらめに判定したのと同じ水準です。なお縦軸を適合率、横軸を再現率にすると、これとは別の曲線になります。

回帰の評価には、平均二乗誤差(MSE)、二乗平均平方根誤差(RMSE)、平均絶対値誤差(MAE)を使います。MSEは誤差を二乗して平均したもので、大きな外れをより強く罰します。その平方根がRMSEで、誤差ともとの単位がそろうので読みやすくなります。MAEは誤差の絶対値の平均で、外れ値の影響がMSEほど強く出ません。同じ予測でも、どの物差しを使うかで良し悪しの見え方が変わります。

モデルの複雑さそのものを罰する物差しもあります。赤池情報量規準(AIC)とベイズ情報量規準(BIC)は、データへの当てはまりの良さと、パラメータを増やしたことへの罰則を足し合わせた指標で、どちらも値が小さいほど良いモデルとみなします。大きいほど良い、と覚え違えないでください。必要以上に複雑な説明を持ち込まないというオッカムの剃刀の考え方と、同じ向きを向いた道具です。

土台には統計の基本があります。代表値には平均・中央値・最頻値があり、外れ値があるときに大きく動くのは平均です。ばらつきは分散と標準偏差で見ます。データがどんな形で散らばっているかは確率分布で表し、正規分布はその代表で、確率変数の平均的な値が期待値です。2つの量が一緒に動く度合いは共分散、それを単位によらない形に直したものが相関係数ですが、相関があるからといって因果があるとは限りません。共通の要因があるために関係の無い2つが一緒に動くことを疑似相関といいます。ほかに、ある条件のもとでの確率を表す条件付き確率、点どうしの近さを測るユークリッド距離やマハラノビス距離、向きの近さを測るコサイン類似度、当てはめの基準となる最小二乗法や最尤法、検定で立てる帰無仮説と対立仮説も、この中項目に並んでいます。

混同行列から出る指標の、分母のちがい
指標分子分母重く見たい場面
正解率真陽性と真陰性の和全件クラスの数が釣り合っているとき
適合率真陽性真陽性と偽陽性の和(陽性と予測した件数)誤検出を減らしたいとき
再現率真陽性真陽性と偽陰性の和(実際に陽性の件数)見逃しを減らしたいとき
F値適合率と再現率の調和平均同左(比を組み合わせた値)誤検出と見逃しの釣り合いを見たいとき
混同行列の置き方と、指標の作り方                 実際に陽性   実際に陰性  予測が陽性        TP           FP  予測が陰性        FN           TN   正解率 = (TP + TN) / (TP + FP + FN + TN)  適合率 = TP / (TP + FP)     分母は「陽性と予測した数」  再現率 = TP / (TP + FN)     分母は「実際に陽性の数」  F値   = 2 * 適合率 * 再現率 / (適合率 + 再現率)   調和平均   ROC 曲線: 縦軸 真陽性率, 横軸 偽陽性率。その下の面積が AUC  AIC, BIC: 値が小さいほうが良いモデル

用語

汎化性能
まだ見ていないデータに対しても当たる力。モデルの評価はここを推定するために行う。
過学習
訓練データに合わせ込みすぎて細かい癖まで覚え、新しいデータで成績が落ちる状態。
ホールドアウト検証
手元のデータを訓練用と検証用に一度だけ分ける検証方法。軽いが分割の仕方に左右されやすい。
k-分割交差検証
データをk個に分け、1つを検証、残りを学習に使う手続きをk回繰り返して平均する検証方法。
混同行列
真陽性・偽陽性・偽陰性・真陰性の4つの数え方をまとめた表。分類の評価指標はここから作られる。
適合率
陽性と予測したもののうち実際に陽性だった割合。分母は予測側。誤検出を減らしたいときに重く見る。
再現率
実際に陽性のもののうち拾えた割合。分母は実際側。見逃しを減らしたいときに重く見る。
F値
適合率と再現率の調和平均。算術平均ではなく、片方だけが高くても値は伸びない。
ROC曲線・AUC
縦軸に真陽性率、横軸に偽陽性率をとって閾値を動かしながら描く曲線がROC曲線。その下の面積がAUCで、1に近いほど良い。
MSE・RMSE・MAE
回帰の誤差の物差し。MSEは誤差の二乗の平均、RMSEはその平方根で単位がそろう、MAEは誤差の絶対値の平均。
AIC・BIC
当てはまりの良さとパラメータ数への罰則を足し合わせた情報量規準。どちらも値が小さいほど良い。
オッカムの剃刀
必要以上に複雑な説明を持ち込まないという指針。情報量規準が罰則を置く考え方と同じ向き。
代表値
平均・中央値・最頻値。外れ値があるときに大きく引っ張られるのは平均で、中央値は動きにくい。
疑似相関
共通の要因があるために、直接の因果が無い2つの間にも相関が現れること。相関は因果を意味しない。

例題

例題:例題:真陽性が9件、偽陽性が1件、偽陰性が41件だった。適合率と再現率はいくつで、どう読むべきか。
答えと考え方 適合率は9を、陽性と予測した10で割って0.90です。再現率は9を、実際に陽性の50で割って0.18です。陽性だと言い切ったものはほぼ当たっているのに、実際の陽性の8割以上を見逃しています。慎重すぎるモデルの典型です。F値は2に0.90と0.18の積を掛けた値を、0.90と0.18の和で割って0.30となり、片方だけが高くても数字が伸びないことが分かります。
例題:例題:訓練データでの正解率が99%なのに、新しいデータでは60%しか当たらない。何が起きていて、どう確かめるべきか。
答えと考え方 訓練データの細かい癖まで覚えてしまった過学習が疑われます。求められているのは訓練データの再現ではなく、未知のデータに対する汎化性能です。手元のデータを一度だけ分けるホールドアウト検証か、k個に分けてk回評価して平均するk-分割交差検証で、学習に使っていないデータでの成績を必ず測ってください。データが少ないときほど、分割の運に左右されにくい交差検証が効きます。

出典・根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価/同 技術分野 AI に必要な数理・統計知識 37. AI に必要な数理・統計知識

確認問題(30問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|ロジ回帰の用途

ロジスティック回帰についての記述として適切なものはどれか。

  1. 名前のとおり回帰問題に使い、連続値そのものを出力する
  2. 名前に反して分類問題に使い、クラスに属する確率を出力する
  3. 教師データを使わずに、データの塊を見つけるために使う
  4. 報酬を手がかりにして、行動の選び方を改善するために使う
正解と解説
正解:B. 名前に反して分類問題に使い、クラスに属する確率を出力する

ロジスティック回帰は名前に「回帰」が付くが、線形の計算結果を確率の形に変換してクラスを判定する分類の手法である。連続値そのものを予測するのは線形回帰など回帰問題の手法で、名前に引かれてこちらを選ぶのが定番の誤りである。教師データを使わずに塊を見つけるのはクラスタリングで教師なし学習の話、報酬を手がかりに行動を改善するのは強化学習の話であり、いずれも別の中項目に置かれている。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問2|回帰と分類

教師あり学習における回帰問題と分類問題の違いはどれか。

  1. 回帰問題は離散的なクラスを予測し、分類問題は連続値を予測する
  2. 回帰問題は特徴量だけを使い、分類問題は特徴量と教師データを使う
  3. 回帰問題は教師データを使い、分類問題は報酬だけを手がかりに学ぶ
  4. 回帰問題は連続値を予測し、分類問題は離散的なクラスを予測する
正解と解説
正解:D. 回帰問題は連続値を予測し、分類問題は離散的なクラスを予測する

回帰問題は売上や気温のような連続値を予測し、分類問題は迷惑メールかどうかのような離散的なクラスを予測する。この2つを入れ替えた記述が最もありがちな誤りである。教師あり学習はどちらの問題でも特徴量と教師データのペアを必要とするので、片方だけ特徴量で済むということはない。報酬だけを手がかりにするのは強化学習であり、教師あり学習の説明にはならない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問3|単回帰と重回帰

単回帰分析と重回帰分析の違いとして適切なものはどれか。

  1. 単回帰分析は説明変数が1つ、重回帰分析は説明変数が複数である
  2. 単回帰分析は説明変数が複数、重回帰分析は説明変数が1つである
  3. 単回帰分析は分類に使い、重回帰分析は連続値の予測に使う
  4. 単回帰分析は教師データが要らず、重回帰分析は教師データが要る
正解と解説
正解:A. 単回帰分析は説明変数が1つ、重回帰分析は説明変数が複数である

説明変数が1つのものが単回帰分析、2つ以上あるものが重回帰分析である。「単」と「重」という字がそのまま説明変数の本数を表しているので、入れ替えた記述は誤りだと分かる。どちらも連続値を予測する回帰の手法なので、片方が分類だという記述も当たらない。また回帰分析は教師あり学習であり、本数にかかわらず教師データを必要とする。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問4|マージン最大化

サポートベクターマシン(SVM)が境界を決めるときの考え方はどれか。

  1. クラスの重心どうしを結ぶ線分の中点を通る位置に境界を引く
  2. 誤分類したデータの重みを増やしながら境界を引き直していく
  3. 境界と最も近いデータ点との間隔が最大になる位置に境界を引く
  4. 説明変数の分散が最大になる方向に合わせて境界を引いていく
正解と解説
正解:C. 境界と最も近いデータ点との間隔が最大になる位置に境界を引く

SVMはマージン最大化、つまり境界と最も近いデータ点との間隔が最大になる位置に境界を引く。この最も近い点がサポートベクターと呼ばれる。誤分類したデータの重みを増やしながら学習器を足していくのはブースティングの考え方であり、分散が最大になる方向を探すのは主成分分析(PCA)の考え方で、どちらもSVMの説明ではない。重心の中点を通す方法はマージンをまったく考えていない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問5|カーネルトリック

カーネルトリックによって可能になることはどれか。

  1. 高次元へ写した後の座標を実際に計算せずに非線形な分離を行える
  2. 高次元の特徴量を実際に一つずつ計算してから線形に分離できる
  3. 教師データを使わずにデータを複数の塊へ自動的に分割できる
  4. 学習に使うデータの件数そのものを大きく減らして速くできる
正解と解説
正解:A. 高次元へ写した後の座標を実際に計算せずに非線形な分離を行える

カーネルトリックは、高次元空間へ写した後の内積をカーネル関数で直接求めることで、写した先の座標を実際に計算せずに非線形な分離を可能にする。座標を一つずつ計算しなくてよいところが「トリック」と呼ばれる理由なので、実際に計算してから分離するという記述は逆になっている。教師データを使わない分割はクラスタリングの話で、学習データの件数を減らす仕組みでもない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問6|並列と逐次

アンサンブル学習におけるバギングとブースティングの違いはどれか。

  1. バギングは弱学習器を逐次に学習し、ブースティングは並列に学習する
  2. バギングは教師データを使わず、ブースティングは教師データを使う
  3. バギングは決定木にだけ使え、ブースティングは線形回帰にだけ使える
  4. バギングは弱学習器を並列に学習し、ブースティングは逐次に学習する
正解と解説
正解:D. バギングは弱学習器を並列に学習し、ブースティングは逐次に学習する

バギングはブートストラップサンプリングで作った訓練データから学習器を並列に、互いに独立に作って多数決や平均をとる。ブースティングは前の学習器が誤った例を重く扱いながら学習器を逐次に足していくので、順番に依存し並列には作れない。この並列と逐次を入れ替えるのが最も多い誤りである。どちらも教師あり学習で教師データを使い、使える弱学習器の種類も決定木や線形回帰に限られてはいない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問7|ランダムフォレスト

ランダムフォレストの学習の仕方として適切なものはどれか。

  1. 一本の決定木をできるだけ深く育て、枝の数を最後にそろえていく
  2. ブートストラップサンプリングで作った多数の決定木を並列に学習する
  3. 前の決定木が誤った例を重く見ながら決定木を一本ずつ足していく
  4. 決定木は使わず、複数の線形回帰の予測を平均して結果を出していく
正解と解説
正解:B. ブートストラップサンプリングで作った多数の決定木を並列に学習する

ランダムフォレストは、重複を許した抽出であるブートストラップサンプリングで少しずつ違う訓練データを作り、そこから多数の決定木を並列に、互いに独立に育てて多数決や平均をとる、バギングの代表例である。前の木の誤りを重く見ながら一本ずつ足していくのは勾配ブースティングなどブースティングの側の説明で、ここを入れ替える誤りが定番である。木は一本ではなく大量に使い、束ねるのは線形回帰ではなく決定木である。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問8|決定木の弱点

決定木の性質についての記述として適切なものはどれか。

  1. 分岐の条件は人には読み取れないが、過学習は起こしにくい
  2. 分岐を深くするほど、訓練データへの当てはまりは必ず悪くなる
  3. 分岐の条件を人が読み取れる一方、単体では過学習しやすい
  4. 教師データが不要なため、分類にも回帰にも使えない手法である
正解と解説
正解:C. 分岐の条件を人が読み取れる一方、単体では過学習しやすい

決定木は特徴量に対する条件分岐を木の形に並べる手法で、どの条件でどちらへ進んだかを人が読み取れる点が強みである。一方で木を深く育てるほど訓練データの細かい癖まで覚えてしまい、単体では過学習しやすい。深くすれば訓練データへの当てはまりはむしろ良くなり、それでも新しいデータで落ちるところが問題なので、当てはまりが必ず悪くなるという記述は誤りである。決定木は教師あり学習で、分類にも回帰にも使える。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問9|ARとVAR

自己回帰モデル(ARモデル)とベクトル自己回帰モデル(VARモデル)の関係はどれか。

  1. ARは1つの時系列を自身の過去の値で説明し、VARは複数の時系列を互いの過去の値で説明する
  2. ARは複数の時系列を同時に扱い、VARは1つの時系列だけを過去の値で説明する
  3. ARは画像の局所的な特徴を取り出し、VARは音声の周波数成分を取り出す
  4. ARは教師データを必要とせず、VARは教師データを必要とする手法である
正解と解説
正解:A. ARは1つの時系列を自身の過去の値で説明し、VARは複数の時系列を互いの過去の値で説明する

ARモデルは1本の時系列の現在の値を、その系列自身の過去の値で説明する。VARモデルはこれを複数の時系列に広げ、互いの過去の値で説明し合う形にしたものである。1本か複数本かという違いなので、これを入れ替えた記述は誤りになる。どちらも時系列を扱うモデルで、画像の局所特徴や音声の周波数成分を取り出す道具ではない。教師データの要不要で分かれるものでもない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問10|多クラス分類

次のうち多クラス分類にあたるものはどれか。

  1. 気温と湿度から明日の最高気温の値を予測する
  2. 顧客の購買履歴から似た顧客どうしの塊を見つける
  3. 盤面の状態から次の一手を報酬をもとに選び直す
  4. 手書き数字の画像を0から9のいずれかに割り当てる
正解と解説
正解:D. 手書き数字の画像を0から9のいずれかに割り当てる

多クラス分類は、3つ以上のクラスのどれに属するかを当てる分類問題で、手書き数字を0から9のいずれかに割り当てる課題が典型例である。最高気温の値のような連続値を当てるのは回帰問題であって分類ではない。似た顧客の塊を見つけるのはクラスタリングで教師なし学習、報酬をもとに手を選び直すのは強化学習であり、どちらもそもそも教師あり学習の分類問題ではない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 7. 教師あり学習

問11|教師なしの入力

教師なし学習の説明として適切なものはどれか。

  1. 特徴量と教師データのペアを与え、正解との差を小さくしていく
  2. 環境から受け取る報酬を手がかりに、行動の選び方を改善する
  3. 特徴量のみを与え、データそのものが持つ構造や規則を見つける
  4. 少数の正解つきデータだけを使い、残りは捨てて学習を進める
正解と解説
正解:C. 特徴量のみを与え、データそのものが持つ構造や規則を見つける

シラバスは「教師なし学習には、特徴量のみが必要であることを理解する」ことを目標に挙げている。正解ラベルを持たないまま、クラスタリングや次元削減によってデータそのものの構造を見つけるのが教師なし学習である。特徴量と教師データのペアを前提にするのは教師あり学習、報酬を手がかりにするのは強化学習であり、それぞれ別の中項目に置かれている。残りのデータを捨てるという手続きも教師なし学習の説明ではない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 8. 教師なし学習

問12|k-means法

k-means法の進め方として適切なものはどれか。

  1. クラスタ数を先に決め、重心の更新と割り当てを繰り返す
  2. クラスタ数を決めずに、近いものから順に併合を繰り返す
  3. 正解ラベルを与えて、境界のマージンを最大にしていく
  4. 文書に潜む話題の割合を、単語の出方から推定していく
正解と解説
正解:A. クラスタ数を先に決め、重心の更新と割り当てを繰り返す

k-means法はクラスタ数kをあらかじめ決めておき、各点を最も近い重心へ割り当てる操作と重心の再計算を繰り返す非階層クラスタリングである。クラスタ数を決めずに近いものから順に併合していくのはウォード法などの階層的クラスタリングで、こちらはデンドログラム(樹形図)を描ける。マージンを最大にするのはSVMで教師あり学習、単語の出方から話題を推定するのは潜在的ディリクレ配分法(LDA)などのトピックモデルである。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 8. 教師なし学習

問13|ウォード法

ウォード法とデンドログラム(樹形図)の関係はどれか。

  1. 非階層クラスタリングの手法で、樹形図は原理的に描けない
  2. 次元削減の手法で、削減後の2つの軸を樹形図として描いている
  3. 教師あり学習の手法で、分類の境界を樹形図として描いている
  4. 階層的クラスタリングの手法で、併合の過程を樹形図として描ける
正解と解説
正解:D. 階層的クラスタリングの手法で、併合の過程を樹形図として描ける

ウォード法は近いものから順に併合していく階層的クラスタリングで、その併合の過程をデンドログラム(樹形図)として描ける。どの高さで切るかを見ながらクラスタ数を後から決められるのが利点である。非階層でクラスタ数を先に決めるのはk-means法のほうで、こちらは樹形図を作らない。ウォード法は次元削減の手法でも教師あり学習の手法でもなく、正解ラベルは使わない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 8. 教師なし学習

問14|PCAとt-SNE

主成分分析(PCA)とt-SNEの違いとして適切なものはどれか。

  1. PCAは非線形な次元削減で、t-SNEは線形で可視化に向く
  2. PCAは線形な次元削減で、t-SNEは非線形で可視化に向く
  3. PCAは文書の話題を推定し、t-SNEは行列を分解する手法である
  4. PCAは教師データが必要で、t-SNEは特徴量だけで動く手法である
正解と解説
正解:B. PCAは線形な次元削減で、t-SNEは非線形で可視化に向く

PCAは分散が最大になる方向へ軸を取り直す線形の次元削減で、t-SNEは近い点どうしの近さを保つように低次元へ写す非線形の手法であり、2次元や3次元での可視化によく使われる。この線形と非線形を入れ替えた記述が定番の誤りである。文書の話題を推定するのは潜在的ディリクレ配分法(LDA)などのトピックモデル、行列を分解するのは特異値分解(SVD)である。PCAもt-SNEも教師なし学習なので教師データは要らない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 8. 教師なし学習

問15|コールドスタート

協調フィルタリングにおけるコールドスタート問題はどれか。

  1. 履歴が多すぎる利用者には、推薦の計算が終わらなくなること
  2. 商品の説明文だけを手がかりにすると、推薦が偏ってしまうこと
  3. 履歴がまだ無い利用者や商品には、推薦をうまく出せないこと
  4. 推薦した商品が売り切れていて、利用者に届けられなくなること
正解と解説
正解:C. 履歴がまだ無い利用者や商品には、推薦をうまく出せないこと

協調フィルタリングは利用者どうし、あるいは商品どうしの評価の似かたを手がかりに推薦するため、評価の履歴がまだ無い新しい利用者や新しい商品には手がかりが取れず、推薦を出しにくい。これがコールドスタート問題である。商品の説明文や属性そのものを手がかりにするコンテンツベースフィルタリングは、この弱点を補う方向の考え方として並べて語られる。計算時間や在庫の話ではない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 8. 教師なし学習

問16|強化学習の信号

強化学習が学習の手がかりにするものはどれか。

  1. 1件ごとに人が与えた正解ラベル
  2. 環境から受け取る報酬の信号
  3. 特徴量どうしの距離の近さだけ
  4. 文書に含まれる単語の出現回数
正解と解説
正解:B. 環境から受け取る報酬の信号

強化学習は環境と試行錯誤しながらやり取りし、受け取る報酬の累積が大きくなる方策を学ぶ。手がかりは1手ごとの正解ラベルではなく報酬なので、教師あり学習の一種ではない。距離の近さだけを手がかりにするのはクラスタリングなど教師なし学習の発想であり、単語の出現回数は自然言語処理の特徴表現の話で、いずれも強化学習の学習信号ではない。報酬がすぐ返らない場合に備えて割引率で将来を評価するのも、この枠組みの特徴である。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 9. 強化学習

問17|価値と方策

強化学習の2つの代表的なアプローチの説明として適切なものはどれか。

  1. 価値関数を学ぶ方法と方策を直接学ぶ方法があり、両方を併せ持つのがActor-Critic
  2. 価値関数を学ぶ方法しかなく、方策は価値関数から一意に決まってしまう
  3. 方策を直接学ぶ方法しかなく、価値関数は学習の途中で使うことができない
  4. 価値関数も方策も人が手で設計するもので、学習の対象になることはない
正解と解説
正解:A. 価値関数を学ぶ方法と方策を直接学ぶ方法があり、両方を併せ持つのがActor-Critic

シラバスは「価値関数の学習と、方策の学習の2つの代表的なアプローチを理解する」ことを目標に挙げている。状態価値関数や行動価値関数を推定してから行動を選ぶのが前者で、Q学習やSARSAが代表である。方策そのものをパラメータで表して直接更新するのが後者で、方策勾配法やREINFORCEが代表である。Actor-Criticは方策を担うActorと価値を担うCriticを組み合わせ、両方を併せ持つ。どちらか一方しか無いという記述や、学習の対象にならないという記述は誤りである。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 9. 強化学習

問18|Q学習とSARSA

Q学習とSARSAの違いとして適切なものはどれか。

  1. Q学習は実際に選んだ行動の価値を使い、SARSAは次の状態で最大の行動価値を使う
  2. Q学習は行動価値関数を使わず、SARSAだけが行動価値関数を更新していく
  3. Q学習は教師データが必要で、SARSAは教師データを使わずに更新していく
  4. Q学習は次の状態で最大の行動価値を使い、SARSAは実際に選んだ行動の価値を使う
正解と解説
正解:D. Q学習は次の状態で最大の行動価値を使い、SARSAは実際に選んだ行動の価値を使う

どちらも行動価値関数を更新していく強化学習の手法で、更新に何を使うかが違う。Q学習は次の状態で取りうる行動のうち価値が最大のものを使い、SARSAは実際に選んだ次の行動の価値を使って更新する。この2つを入れ替えた記述が定番の誤りである。Q学習も行動価値関数を更新するので、片方だけが使うという記述は当たらない。強化学習はどちらも報酬で学ぶ枠組みなので、教師データが必要だという記述も誤りである。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 9. 強化学習

問19|ε-greedy

腕が4本あるバンディット問題で、確率εで4本から一様ランダムに1本を選び、確率1-εで推定価値が最大の腕を選ぶε-greedy方策を用いる。εが0.1のとき、1回の選択で結果として推定価値が最大の腕が選ばれる確率はどれか。

  1. 0.900
  2. 0.925
  3. 0.250
  4. 0.100
正解と解説
正解:B. 0.925

推定価値が最大の腕が選ばれるのは、貪欲に選ぶ場合と、ランダムに選んだ結果たまたまその腕に当たる場合の2通りである。前者は1から0.1を引いて0.900、後者は0.1を4で割って0.025となり、合わせて0.925になる。0.900はランダムに選んだときに当たる分を数え落とした値、0.250は4本から一様に選んだときの確率、0.100はεそのものである。εを大きくするほど探索が増え、この確率は下がる。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 9. 強化学習

問20|割引率の計算

ある時点から、1ステップ後に報酬4、2ステップ後に報酬12、3ステップ後に報酬8を受け取る。1ステップ後の報酬に0.5、2ステップ後の報酬に0.5の2乗、3ステップ後の報酬に0.5の3乗を掛けて合計するとき、その値はどれか。

  1. 7.5
  2. 12.0
  3. 6.0
  4. 24.0
正解と解説
正解:C. 6.0

4に0.5を掛けて2、12に0.5の2乗すなわち0.25を掛けて3、8に0.5の3乗すなわち0.125を掛けて1となり、合計は6.0である。24.0は割引をまったく掛けずに4と12と8を足した値、12.0はその24に0.5を1回だけ掛けた値、7.5は掛ける順番を逆にして4に0.125、12に0.25、8に0.5を掛けた値で、いずれもありがちな取り違えである。遠い将来の報酬ほど小さく評価するのが割引率の役目なので、近いほうに大きな重みが付く。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 9. 強化学習

問21|適合率の計算

あるモデルの予測結果が、真陽性40件・偽陽性10件・偽陰性20件・真陰性130件であった。適合率はいくらか。

  1. 0.80
  2. 0.67
  3. 0.85
  4. 0.73
正解と解説
正解:A. 0.80

適合率は陽性と予測したものを分母にとるので、真陽性40を、真陽性40と偽陽性10の和である50で割って0.80となる。0.67は実際に陽性であるものを分母にした再現率で、40を真陽性40と偽陰性20の和である60で割った値である。0.85は全200件のうち正しく当てた170件の割合である正解率、0.73は適合率0.80と再現率0.67の調和平均であるF値で、どれも別の指標を求めてしまった値である。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価

問22|分母のちがい

適合率と再現率の分母の違いとして適切なものはどれか。

  1. 適合率は実際に陽性である件数、再現率は陽性と予測した件数を分母にとる
  2. 適合率も再現率も、データ全体の件数をそのまま分母にとる指標である
  3. 適合率は真陰性の件数、再現率は偽陰性の件数だけを分母にとる指標である
  4. 適合率は陽性と予測した件数、再現率は実際に陽性である件数を分母にとる
正解と解説
正解:D. 適合率は陽性と予測した件数、再現率は実際に陽性である件数を分母にとる

適合率は「陽性と予測したもののうち、実際に陽性だった割合」なので分母は予測側にある。再現率は「実際に陽性のもののうち、拾えた割合」なので分母は実際側にある。この2つを入れ替える誤りが最も多いので、分母が予測か実際かで思い出したい。データ全体を分母にとるのは正解率であり、真陰性や偽陰性だけを分母にとる指標はこの2つのどちらでもない。誤検出を減らしたいときは適合率、見逃しを減らしたいときは再現率を重く見る。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価

問23|F値の計算

適合率が0.6、再現率が0.9であるとき、F値はいくらか。

  1. 0.75
  2. 0.54
  3. 0.72
  4. 1.50
正解と解説
正解:C. 0.72

F値は適合率と再現率の調和平均なので、2に0.6と0.9の積である0.54を掛けた1.08を、0.6と0.9の和である1.5で割って0.72となる。0.75は調和平均ではなく算術平均を計算してしまった値、0.54は2つを掛け合わせただけの値、1.50は足し合わせただけの値である。調和平均は小さいほうへ引き寄せられるため、算術平均の0.75より小さくなる点も確認しておきたい。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価

問24|不均衡データ

陽性が全体の1%しかないデータに対し、すべてを陰性と予測するモデルを作った。この状況の説明として適切なものはどれか。

  1. 正解率は1%と低く、再現率も0%で、どちらの指標でも問題が見える
  2. 正解率は99%と高いが、再現率は0%で陽性を1件も拾えていない
  3. 正解率は99%と高く、再現率も99%と高いので実用に耐えるといえる
  4. 正解率は50%となり、あてずっぽうと同じ性能であることが分かる
正解と解説
正解:B. 正解率は99%と高いが、再現率は0%で陽性を1件も拾えていない

陽性が1%しかないので、すべて陰性と答えるだけで99%が当たり、正解率は99%になる。しかし実際の陽性を1件も拾えていないため再現率は0%であり、このモデルは役に立たない。クラスの数が釣り合っていないときに正解率だけを見ると判断を誤るので、再現率やF値、ROC曲線とAUCも合わせて見る必要がある。この設定で正解率が1%や50%になることはない。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価

問25|ROC曲線の軸

ROC曲線の縦軸と横軸の組合せとして適切なものはどれか。

  1. 縦軸が真陽性率、横軸が偽陽性率で、その下の面積がAUCになる
  2. 縦軸が適合率、横軸が再現率で、その下の面積がAUCになる
  3. 縦軸が正解率、横軸が学習に使ったデータの件数になる
  4. 縦軸が誤差の大きさ、横軸が学習を回した回数になる
正解と解説
正解:A. 縦軸が真陽性率、横軸が偽陽性率で、その下の面積がAUCになる

ROC曲線は判定の閾値を動かしながら、縦軸に真陽性率、横軸に偽陽性率をとって描いた曲線で、その下の面積がAUCである。AUCは1に近いほど良く、0.5はでたらめに判定したのと同じ水準を意味する。縦軸を適合率、横軸を再現率にすると、これとは別の曲線になってしまうので、ここが取り違えの定番である。正解率とデータ件数、誤差と反復回数の組合せは、学習の様子を見る別のグラフである。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価

問26|AICとBIC

赤池情報量規準(AIC)とベイズ情報量規準(BIC)の使い方はどれか。

  1. 当てはまりとパラメータ数の釣り合いを見て、値が大きいモデルを選ぶ
  2. 訓練データへの当てはまりだけを見て、誤差が最も小さいモデルを選ぶ
  3. 当てはまりとパラメータ数の釣り合いを見て、値が小さいモデルを選ぶ
  4. パラメータ数だけを見て、パラメータが最も多いモデルを選ぶ
正解と解説
正解:C. 当てはまりとパラメータ数の釣り合いを見て、値が小さいモデルを選ぶ

AICもBICも、データへの当てはまりの良さと、パラメータを増やしたことへの罰則を足し合わせた指標で、値が小さいほど良いモデルとみなす。大きいほど良いとするのは誤りで、ここが最も狙われる。訓練データへの当てはまりだけで選ぶとパラメータの多いモデルばかりが選ばれて過学習に向かうため、罰則を置いて釣り合いをとっている。必要以上に複雑にしないというオッカムの剃刀の考え方と同じ向きである。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価

問27|5分割の回数

200件のデータを5分割交差検証にかけるとき、1回あたりの検証データの件数と、学習と評価を繰り返す回数の組合せはどれか。

  1. 検証40件で、学習と評価を1回だけ行う
  2. 検証160件で、学習と評価を5回繰り返す
  3. 検証100件で、学習と評価を2回繰り返す
  4. 検証40件で、学習と評価を5回繰り返す
正解と解説
正解:D. 検証40件で、学習と評価を5回繰り返す

k-分割交差検証はデータをk個に分け、そのうち1つを検証、残りを学習に使う手続きをk回繰り返して結果を平均する。200件を5分割すれば1つの塊は40件なので、検証は毎回40件、学習は残る160件で、これを5回繰り返す。1回だけ分けて終えるのはホールドアウト検証で、計算は軽いが分割の仕方に結果が左右されやすい。検証に160件を使うのは学習と検証を取り違えた数え方である。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価

問28|RMSEの計算

4件の予測について、実測値から予測値を引いた誤差が順に2、4、-4、0であった。二乗平均平方根誤差(RMSE)はいくらか。

  1. 9.0
  2. 3.0
  3. 2.5
  4. 6.0
正解と解説
正解:B. 3.0

誤差の二乗は4、16、16、0で、その合計は36である。これを件数4で割った9が平均二乗誤差(MSE)であり、その平方根である3.0がRMSEになる。9.0はMSEのまま答えてしまった値、2.5は誤差の絶対値2、4、4、0の平均である平均絶対値誤差(MAE)、6.0は件数で割るのを忘れて二乗和36の平方根をとった値である。RMSEはもとの誤差と単位がそろうため読みやすい。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 機械学習の概要 10. モデルの選択・評価

問29|平均と中央値

7件のデータが2、4、4、6、8、10、50であるとき、平均・中央値・最頻値の組合せはどれか。

  1. 平均12、中央値6、最頻値4
  2. 平均6、中央値12、最頻値4
  3. 平均12、中央値4、最頻値6
  4. 平均6、中央値4、最頻値10
正解と解説
正解:A. 平均12、中央値6、最頻値4

合計84を件数7で割って平均は12、小さい順に並べたときの4番目が6なので中央値は6、2回現れる4が最頻値である。50という外れ値に平均だけが大きく引っ張られ、中央値と最頻値はほとんど動いていないところが要点で、代表値を1つだけ見て判断してはいけない例になっている。平均と中央値を入れ替えた値や、中央値と最頻値を取り違えた値がありがちな誤りである。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 AI に必要な数理・統計知識 37. AI に必要な数理・統計知識

問30|疑似相関

疑似相関についての記述として適切なものはどれか。

  1. 相関係数が正であれば、必ず一方が他方の原因であるといえること
  2. 相関係数が0であれば、2つの間に何の関係も無いと確定できること
  3. 共通の要因があるために、因果が無い2つの間にも相関が現れること
  4. 相関係数の計算では外れ値を必ず取り除かねばならないという決まり
正解と解説
正解:C. 共通の要因があるために、因果が無い2つの間にも相関が現れること

疑似相関は、気温という共通の要因があるためにアイスの売上と水難事故の件数が一緒に動くように、直接の因果が無い2つの間に相関が現れる現象である。相関があっても因果があるとは限らないというのがここでの教訓なので、相関係数が正だから原因と結果だとはいえない。また相関係数が0でも直線的でない関係が隠れていることはあるため、関係が無いと確定はできない。外れ値の扱いはこれとは別の論点である。

根拠:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定 試験出題範囲(シラバス 2024)」第1.4版(2026年5月11日) 技術分野 AI に必要な数理・統計知識 37. AI に必要な数理・統計知識

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※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 出題は、AWS公式ドキュメント・試験ガイド、JDLA「G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版」、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会の公開情報とPython公式ドキュメントに沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です(2026年8月時点で確認)。Pythonの問題はすべて実行して確認しています。試験制度・出題範囲は各実施団体の公式発表をご確認ください。