仮の宿 学習室

保育士試験 CHILDCARE WORKER EXAM

保育の心理学

講義 5 本・確認問題 45 問 | 保育の心理学(20問) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 発達を捉える視点(遺伝と環境・発達の特徴)
  2. 発達理論(ピアジェ・ヴィゴツキー・エリクソン)
  3. 乳幼児期の発達過程(愛着・言葉・自我)
  4. 子どもの学びと遊び
  5. 家族の心理と発達の援助
  6. 確認問題(45問)
  7. 演習ツール

1. 発達を捉える視点(遺伝と環境・発達の特徴)

「発達」とは何か、遺伝と環境はどう関わるのか。保育所保育指針の「発達過程」の考え方とあわせて、発達を見る基本の視点を学びます。

保育の心理学は、子どもがどのように育つのかを理解し、その理解を保育に生かすための科目です。まず「発達」という言葉の意味から始めます。心理学でいう発達とは、受精(受胎)から死に至るまでの、心と体の変化のことです。かつては「子どもが大人になるまでの成長」と考えられていましたが、現在は、大人になってからも変化が続くと考える生涯発達の見方が一般的です。また、発達には、できることが増える「獲得」だけでなく、ある力が弱まる「喪失」も含まれます。

保育所保育指針(以下、指針)では、子どもの育ちを発達過程という言葉でとらえます。指針の解説によると、子どもはそれまでの体験を基にして、環境に働きかけ、様々な環境との相互作用により発達していきます。そして、ある時期に「できる・できない」で発達を判断する画一的な見方をとらず、一人一人の育ちの過程全体を大切にするために、この言葉を使っています。指針は保育の方法として「一人一人の発達過程に応じて保育すること。その際、子どもの個人差に十分配慮すること」と定めています。

遺伝か、環境か

発達を決めるのは生まれつきの性質(遺伝)なのか、育つ環境なのか。この問いには、歴史的にいくつかの考え方があります。試験では、人物と説の組合せがよく問われます。

遺伝と環境についての主な考え方
考え方主な人物内容
成熟優位説ゲゼル発達は主に内側からの成熟で進む。学習が成り立つには、心身の準備(レディネス)が整っている必要がある。一卵性双生児の一方に早くから階段のぼりの訓練をし、もう一方は後から短い期間だけ訓練したところ、後の子もすぐに追いついたという研究で知られる。
環境優位説(行動主義)ワトソン発達は主に経験(学習)で決まる。環境を整えれば、子どもをどのような専門家にも育てられると述べたことで知られる。
輻輳説(ふくそうせつ)シュテルン遺伝の要因と環境の要因が、足し合わさるように集まって発達が決まる。
環境閾値説(かんきょういきちせつ)ジェンセン環境がある水準(閾値)を超えると、遺伝的な可能性が現れる。その閾値は特性によって違う。身長のように環境の影響を受けにくい特性もあれば、よい環境がないと現れにくい特性もある。
相互作用説(現在の主流の考え方)遺伝と環境は単純な足し算ではなく、互いに影響し合いながら発達をつくる。

指針の「環境との相互作用により発達していく」という考え方は、この相互作用説の立場に近いものです。

人間の赤ちゃんの特徴と「時期」の考え方

スイスの生物学者ポルトマンは、人間の赤ちゃんは、ほかの高等な哺乳類と比べて、本来よりも早く、未熟な状態で生まれてくると考え、これを生理的早産と呼びました。生まれてすぐには歩けず、長い間、大人の世話が必要です。そのぶん、生まれた後の環境や人との関わりから多くを学ぶといえます。

動物行動学者のローレンツは、ハイイロガンのひなが、ふ化した後に最初に見た動くものの後を追い続けることを観察し、これを刻印づけ(インプリンティング)と名付けました。この学習は生後のごく限られた時期にしか起こりません。このように、ある経験がその時期にしか強い効果を持たない期間を臨界期といいます。人間の発達では、時期を過ぎても学び直しの余地があることから、「ある経験の影響を受けやすい時期」という意味で敏感期という言葉が使われることが多くなっています。

子どもを取り巻く環境の重なり

アメリカの心理学者ブロンフェンブレンナーは、子どもを取り巻く環境を、入れ子のように重なったシステムとしてとらえました(生態学的システム論)。子どもが直接参加する家庭や保育所はマイクロシステム、家庭と保育所の連携のように、マイクロシステム同士のつながりはメゾシステムです。親の職場の働き方や、地域の行政の決定のように、子どもは直接参加しないが間接的に影響する環境はエクソシステム、社会の文化・価値観・制度はマクロシステムです。のちに、時間の流れによる変化(クロノシステム)も加えられました。

子どもマクロシステム(文化・価値観・制度)エクソシステム(親の職場・地域の行政など)メゾシステム(家庭と保育所のつながり)マイクロシステム
図:子どもを取り巻く環境の重なり(ブロンフェンブレンナーの考え方を簡略化。時間の流れ=クロノシステムは省略)

図がなくても要点は同じです。子どもは家庭や保育所だけで育つのではなく、親の働き方、地域、社会の制度や文化といった、より広い環境の影響も受けています。保育士が保護者の状況や地域の資源を理解しようとするのは、このためです。

発達の一般的な特徴

指針の解説は、発達にはある程度一定の順序性や方向性があり、身体・運動・情緒・認知・社会性などが相互に関連し合いながら総合的に発達すると述べています。一方で、実際の育ちは一直線ではなく、行きつ戻りつしたり、ある時期に急に伸びたりします。言葉は早いが運動はゆっくり、というように、同じ子どもの中でも側面によって進み方が違うこともあります(不均一性)。

例題

例題:「同じ年齢なのだから、全員が同じことをできるはずだ」という見方は、指針の「発達過程」の考え方と合っているか。
答えと考え方 合っていません。指針は「できる・できない」で判断する画一的な見方をとらず、一人一人の育ちの過程全体と個人差を大切にします。同じ年齢でも、育ちの道筋や速さは一人一人違います。

用語

発達
受精から死に至るまでの心と体の変化。獲得だけでなく喪失も含む
レディネス
学習が成り立つための心身の準備ができた状態
生理的早産
人間は未熟な状態で生まれてくるというポルトマンの考え
刻印づけ
ふ化後の限られた時期に、最初に見た動くものの後を追う行動が身につく現象
敏感期
ある経験の影響を特に受けやすい時期。臨界期より柔らかい意味で使う

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章1(3)、保育所保育指針解説[1](第1章)(発達過程、発達の順序性・不均一性)、厚生労働省 保育士養成課程等検討会(2017年12月)資料「保育士試験の出題範囲について(素案)」。ゲゼル、ワトソン、シュテルン、ジェンセン、ポルトマン、ローレンツ、ブロンフェンブレンナー(『人間発達の生態学』1979年)の学説は原典に基づく教科書的な内容(2026-10-16確認)

2. 発達理論(ピアジェ・ヴィゴツキー・エリクソン)

試験で最もよく問われる3人の理論を、「何の発達を説明したか」で区別しながら整理します。

この講義では、保育士試験でくり返し出てくる3人の発達理論、ピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンを学びます。それぞれ「何の発達」を説明しているのかを区別すると、混乱しにくくなります。ピアジェは主に考える力(認知)、ヴィゴツキーは人との関わりと言葉が学びを導くこと、エリクソンは人生の各時期の心と社会の課題を説明しました。

ピアジェ:子どもは自分で知識をつくる

スイスの心理学者ピアジェは、子どもは大人の知識をそのまま受け取るのではなく、自分から環境に働きかけて知識の枠組みをつくっていく、と考えました。この枠組みをシェマといいます。新しい物事を、すでに持っているシェマに取り入れることを同化、取り入れられないときにシェマのほうを作り変えることを調節、この二つを通してより安定した状態に向かうことを均衡化と呼びます。たとえば、犬を「ワンワン」と覚えた子が猫を見ても「ワンワン」と言うのは同化、やがて猫は違う動物だと区別できるようになるのは調節です。

ピアジェの認知発達の4段階(年齢は原典が示すおおよその目安)
段階おおよその時期主な特徴
感覚運動期0〜2歳ごろ見る・触る・しゃぶるなど、感覚と運動を通して世界を知る。見えなくなった物も存在し続けると分かる(対象の永続性)ようになっていく。
前操作期2〜7歳ごろ目の前にない物を思い浮かべる(象徴機能)ことができ、見立て遊びやごっこ遊びが盛んになる。自分の視点から離れにくい(自己中心性)、物にも心があると考える(アニミズム)、見た目に左右され量の保存が分からない、などの特徴がある。
具体的操作期7〜11歳ごろ具体的な物事については、筋道を立てて考えられる。見た目が変わっても量は同じ(保存)と分かり、元に戻せば同じと考える(可逆性)ことができる。
形式的操作期11歳ごろ以降目の前にない抽象的なことについても、仮説を立てて推論できる。

前操作期の自己中心性は、わがままという意味ではありません。自分と違う位置にいる人には、物が違って見えることが分かりにくい、という思考の特徴です。ピアジェは、3つの山の模型を使い、自分とは違う位置にいる人形から山がどう見えるかを子どもに選ばせる課題(三つの山問題)でこれを調べました。また、同じ量のジュースを細長いコップに移しかえると「増えた」と答えるのは、液面の高さという一つの目立つ点だけに注意が向き(中心化)、量の保存がまだ分からないためです。

ヴィゴツキー:人との関わりが発達を導く

旧ソ連の心理学者ヴィゴツキーは、子どもの発達における社会的な関わりと言葉の役割を重視しました。代表的な考えが最近接発達領域です。子どもが自分ひとりで解決できる水準と、大人や、より有能な仲間の助けがあれば解決できる水準との間の領域を指します。教育や保育は、この領域に働きかけることで発達を引き出せる、と考えました。

言葉については、言葉はまず人に向けて話す外言として使われ、やがて声に出さずに頭の中で考えるための内言になっていくと考えました。幼児が遊びながら独り言を言うのは、外言から内言へ移る途中の姿だと説明されます。

なお、足場かけ(スキャフォールディング)という言葉は、ウッド、ブルーナー、ロスが1976年の論文で使ったもので、子どもが一人ではできないことを大人が手助けし、できるようになるにつれて支援を減らしていくことをいいます。ヴィゴツキー自身の用語ではありませんが、最近接発達領域の考えと結びつけて説明されることが多い言葉です。

エリクソン:人生の8つの段階と課題

エリクソンは、人は生涯を通して発達し、各段階で、社会との関わりの中で向き合う課題(心理社会的危機)があると考えました。危機とは「悪いこと」ではなく、どちらの方向にも進みうる「分かれ道」という意味です。どちらか一方だけになるのではなく、肯定的な面が否定的な面を上回るように乗り越えることが大切だとされます。

エリクソンの心理社会的発達の8段階
段階心理社会的危機(課題)
乳児期基本的信頼 対 不信
幼児期初期自律性 対 恥・疑惑
遊戯期(幼児期後期)自主性(積極性) 対 罪悪感
学童期勤勉性 対 劣等感
青年期同一性(アイデンティティ) 対 同一性の拡散(混乱)
前成人期親密性 対 孤立
成人期生殖性(世代性) 対 停滞
老年期統合 対 絶望

保育所の子どもに関係が深いのは最初の3段階です。乳児期は、世話をしてくれる大人とのやり取りを通して、世界や人は信頼できるという感覚を育てます。幼児期初期は、トイレや着替えなど自分の体を自分でコントロールしようとする時期で、自律性が課題になります。遊戯期は、自分から計画し、遊びや活動を始めようとする自主性(積極性)が課題です。後半の段階は、保護者自身の発達を考えるときにも役立ちます(第5講)。

例題

例題:積み木の塔を一人では途中で崩してしまう4歳児が、保育士に「下に大きいのを置くといいかもね」と言われて高く積めた。保育士の支援が働きかけた領域を、ヴィゴツキーの用語で何というか。
答えと考え方 最近接発達領域です。一人ではできないが、助けがあればできる水準に働きかけています。できるようになったら助言を減らしていく関わり方は「足場かけ」と呼ばれます。

用語

シェマ
物事を理解するための知識や行動の枠組み(ピアジェ)
同化と調節
新しいことを今の枠組みに取り入れるのが同化、枠組みを作り変えるのが調節
保存
見た目が変わっても、量や数は変わらないと分かること
最近接発達領域
一人でできる水準と、助けがあればできる水準の間の領域(ヴィゴツキー)
心理社会的危機
各段階で社会との関わりの中で向き合う課題。分かれ道の意味(エリクソン)

根拠:厚生労働省 保育士養成課程等検討会(2017年12月)資料「保育士試験の出題範囲について(素案)」(発達理論)。原典:ピアジェ『知能の心理学』(1947年)、ヴィゴツキー『思考と言語』(1934年)、Wood, Bruner & Ross (1976) “The role of tutoring in problem solving”、エリクソン『幼児期と社会』(1950年・1963年改訂)。学説は原典に基づく教科書的な内容(2026-10-16確認)

3. 乳幼児期の発達過程(愛着・言葉・自我)

0歳から就学前までの育ちを、愛着、人との関わりと言葉、自我の3つの流れで見ていきます。月齢は保育所保育指針解説の目安を使います。

この講義では、0歳から就学前までの発達を、愛着、人との関わりと言葉、自我の3つの流れで見ていきます。月齢は、保育所保育指針解説に書かれている目安を使います。目安には個人差があり、早い・遅いだけで判断しないことが前提です。

愛着(アタッチメント)

イギリスの精神科医ボウルビィは、子どもが不安なときに特定の大人に近づき、守ってもらおうとする心の結びつきを愛着(アタッチメント)と呼びました。愛着の対象は、子どもが安心して外の世界を探索するための安全基地になります。また、愛着の経験を通して、子どもは「自分は大切にされる存在か」「人は頼れるか」についての心の中のモデル(内的作業モデル)をつくり、それがその後の人間関係の土台になると考えました。

政府の「はじめの100か月の育ちビジョン」(2023年12月閣議決定)も、アタッチメントを、こどもが怖がったり不安になったりしたときに身近なおとなが気持ちを受け止め、寄り添い、安心感を与える経験の繰り返しで育まれる「安心の土台」と説明しています。そして「保育者など、こどもと密に接する特定の身近なおとなも愛着対象になることができる」と述べています。

アメリカの心理学者ハーロウは、子ザルに、ミルクの出る針金製の代理母と、ミルクは出ないが柔らかい布製の代理母を用意する実験を行いました。子ザルは布製の代理母に長くしがみつき、怖いときにも布製のほうに逃げ込みました。愛着は、ミルクをもらうことだけでなく、柔らかな接触による安心感が大切であることを示した研究です。

エインズワースは、1歳ごろの子どもを、養育者との分離と再会を含む8つの場面に置いて観察するストレンジ・シチュエーション法を考え、愛着の型を分類しました。

ストレンジ・シチュエーション法による愛着の型
型分離と再会のときの主な様子
回避型(Aタイプ)分離してもあまり泣かず、再会しても養育者を避けたり、目をそらしたりする
安定型(Bタイプ)分離で泣いたり探したりするが、再会すると近づいて慰められ、すぐ落ち着いて遊びに戻る
アンビバレント型(Cタイプ)分離で強く不安になり、再会すると接触を求める一方で、怒って押しのけるなど、なかなか落ち着かない
無秩序・無方向型(Dタイプ)近づきながら顔をそむけるなど、行動にまとまりがない(のちにメインらが加えた型)

発達の目安

指針は乳児保育について、「特定の大人との応答的な関わりを通じて、情緒的な絆が形成される」という乳児期の特徴を踏まえ、愛情豊かに、応答的に行うことを求めています。指針の解説が示す主な目安は次のとおりです。

乳幼児期の主な発達の目安(保育所保育指針解説の記述から)
時期主な姿
生後2〜3か月ごろ機嫌のよいときに柔らかい声を出す
生後4か月ごろ首がすわる。「アーアー」「バー」などの喃語が見られる
生後6か月ごろ身近な人の顔が分かり、愛着関係が強まる。見知らぬ相手には人見知りをする
生後9か月ごろ指差しや身振りで意思を伝えようとし、大人の気持ちや簡単な言葉が分かるようになる
1歳半ばごろ自己主張が強くなり、「自分でしたい」気持ちが高まる
3歳以上基本的な生活習慣がほぼ自立し、仲間の中の一人という自覚が生まれ、集団的な遊びや協同的な活動が見られるようになる

人との関わりと言葉

はじめ、赤ちゃんの関わりは「自分と人」「自分と物」という二者の関係です。やがて、子どもと大人が同じ物に注意を向け、そのことを互いに分かり合う共同注意が成り立ち、「自分・人・物」の三項関係ができます。犬を見つけて指差し、大人の顔を見て、大人も犬を見て「わんわんだね」と応える、といったやり取りです。また、初めて見る物に近づいてよいか迷ったとき、大人の表情を見て行動を決めることを社会的参照といいます。

言葉は、意味のある言葉が出る前の喃語から始まり、一つの言葉で「ママ、来て」などの文のような意味を伝える一語文、「ワンワン いた」のように二つの言葉をつなぐ二語文へと進みます。話せる言葉より先に、分かる言葉が増えていくのが一般的です。指針の解説は、1歳以上3歳未満の時期の終わりごろには、したいことやしてほしいことを言葉で表せるようになるとしています。

自我の育ちと心の理論

1歳以上3歳未満では、歩行が始まり、行動の範囲が一気に広がります。玩具を実物に見立てる象徴機能が発達し、大人と簡単なごっこ遊びを楽しむようになります。1歳半ばごろからは自己主張が強くなり、大人の手助けを嫌がって「自分で」と言う姿が増えます。この時期の強い自己主張は第一反抗期とも呼ばれ、自我が育っている表れとして受け止めることが大切です。

3歳以上では、自己主張のぶつかり合いや葛藤を経験しながら、話し合いで折り合いをつけることを学んでいきます。その土台の一つが、他の人には自分と違う考えや思い(信念)があると理解する力で、心の理論と呼ばれます。ウィマーとパーナー(1983年)は、登場人物が知らない間に物の場所が移される話を聞かせ、登場人物がどこを探すかを尋ねる誤信念課題でこれを調べました。3歳児の多くは「今ある場所」と答え、4〜6歳にかけて登場人物の思いに沿って正しく答える子が増えると報告されています。

例題

例題:1歳10か月の子が、着替えを手伝おうとすると「じぶんで!」と怒り、うまく着られずに泣く。どう受け止めるとよいか。
答えと考え方 この時期は自己主張が強くなり、「自分でしたい」気持ちが高まる時期です。指針も自分でしようとする気持ちを尊重し、温かく見守ることを求めています。時間に余裕を持たせ、できない部分だけをさりげなく手伝う、などの関わりが考えられます。

用語

愛着(アタッチメント)
不安なときに特定の大人に近づき、安心を得ようとする心の結びつき
安全基地
子どもが安心して探索に出かけ、不安なときに戻ってこられる存在
共同注意
子どもと大人が同じ物に注意を向け、そのことを互いに分かり合うこと
社会的参照
迷ったときに大人の表情などを手がかりにして行動を決めること
心の理論
他の人には自分と違う考えや思いがあると理解する力

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章、保育所保育指針解説[2](第2章1・2)(乳児・1歳以上3歳未満児の発達の特徴と月齢)、保育所保育指針解説[3](第2章3・4)(3歳以上児)、「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)」(2023年12月22日閣議決定。広島県掲載の本文)(アタッチメント)。原典:ボウルビィ『母子関係の理論』(1969〜1980年)、Harlow (1958) “The nature of love”、Ainsworth et al. (1978) “Patterns of Attachment”、Wimmer & Perner (1983)。学説は原典に基づく教科書的な内容(2026-10-16確認)

4. 子どもの学びと遊び

乳幼児期の学びは遊びを通して起こります。保育所保育指針の考え方と、遊びの分類、学習と動機づけのしくみを学びます。

乳幼児期の学びは、机に向かって知識を覚えることではありません。指針は保育の方法として、子どもが自ら関わる環境を構成し、「乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること」を示しています。指針の解説は、遊びは「それ自体が目的となっている活動」であり、何よりも「今」を十分に楽しむことが重要だと述べています。

政府の「はじめの100か月の育ちビジョン」も、「遊びは何らかの効果を求めてさせるのではなく、それ自体が目的である」とし、遊びが認知的スキルや社会情動的スキルなど様々な育ちを促すと説明しています。また、安定した愛着による安心感があるから、子どもは遊びや体験を通して外の世界に挑戦できる、という「安心と挑戦の循環」を示しています。

育みたい資質・能力と「10の姿」

指針は、幼稚園教育要領・幼保連携型認定こども園教育・保育要領と共通に、生涯にわたる生きる力の基礎として育みたい資質・能力を3つ示しています。「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」です。

そして、これらが育まれている子どもの、幼児期の終わり(小学校就学の始期)ごろの具体的な姿として、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)を示しています。健康な心と体/自立心/協同性/道徳性・規範意識の芽生え/社会生活との関わり/思考力の芽生え/自然との関わり・生命尊重/数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚/言葉による伝え合い/豊かな感性と表現、の10項目です。

大切なのは、この10の姿は到達すべき目標ではなく、個別に取り出して指導するものでもないことです。保育士が指導を行う際に考慮するものであり、要録などに記入するときも項目別に記入しないよう留意することとされています。また「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」は、読み書きや計算の習得を求めるものではなく、遊びや生活の中で関心や感覚を育てるという意味です。

遊びの分類

アメリカのパーテンは、保育園での自由遊びを観察し、子ども同士の関わり方によって遊びを分類しました。年齢が上がるにつれて、連合遊びや協同遊びが増える傾向があります。ただし、一人遊びや平行遊びが「劣った遊び」というわけではなく、年長児でも一人で集中して遊ぶことは大切な経験です。

パーテンによる遊びの分類(子ども同士の関わり方による)
分類様子
何もしていない行動特に遊ばず、ぼんやりしたり、その場で体を動かしたりしている
傍観他の子の遊びを見ていて、話しかけることもあるが、遊びには加わらない
一人遊び近くの子とは関係なく、一人で自分の遊びをする
平行遊び他の子のそばで同じような遊びをするが、互いに関わり合わない
連合遊び他の子と一緒に遊び、物の貸し借りや会話もあるが、役割分担や共通の目標ははっきりしない
協同遊び共通の目的のもとで役割を分担し、組織立って遊ぶ

ピアジェは、認知の発達に沿って遊びを、体を動かすこと自体を楽しむ機能遊び(練習遊び)、ある物を別の物に見立てる象徴遊び(ごっこ遊び・見立て遊び)、決まりを共有して遊ぶルールのある遊びの順に現れると考えました。

学びのしくみ

心理学では、経験による行動の変化を学習といいます。代表的なしくみを整理しておきます。

学習の主なしくみ
しくみ人物内容と例
古典的条件づけパブロフベルの音とえさを繰り返し一緒に示すと、ベルの音だけで犬が唾液を出すようになる
オペラント条件づけスキナー自発的な行動のあとに、よい結果(強化)があるとその行動が増える
観察学習(モデリング)バンデューラ他の人の行動を見るだけで、その行動を身につける。大人が人形をたたく様子を見た子が、同じようにたたくようになった実験で知られる

やる気(動機づけ)には、楽しい・知りたいという気持ちから行動する内発的動機づけと、ほめ言葉やごほうびのために行動する外発的動機づけがあります。デシは、もともと楽しんで取り組んでいた活動に報酬を与えると、報酬がなくなったときに自発的に取り組む時間が減る場合があることを示しました。これをアンダーマイニング効果といいます。遊びそのものの楽しさを大切にする保育の考え方とも重なります。

例題

例題:砂場で、3人の子がそれぞれ自分の山を作っている。隣り合ってはいるが、話したり道具を貸し借りしたりはしない。パーテンの分類では何遊びか。
答えと考え方 平行遊びです。同じような遊びをそばでしていますが、互いに関わり合っていません。道具の貸し借りや会話があれば連合遊び、「みんなで大きなトンネルを作ろう」と役割を分けて取り組めば協同遊びです。

用語

育みたい資質・能力
知識及び技能の基礎、思考力・判断力・表現力等の基礎、学びに向かう力・人間性等の3つ
10の姿
幼児期の終わりまでに育ってほしい姿。到達目標ではない
平行遊び
そばで同じような遊びをするが、互いに関わらない遊び
観察学習
他の人の行動を見ることで、その行動を身につけること
アンダーマイニング効果
報酬によって、もともとあった内発的動機づけが弱まること

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章1(3)・第1章4、保育所保育指針解説[1](第1章)、「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)」(2023年12月22日閣議決定。広島県掲載の本文)(遊び、安心と挑戦の循環)、幼児理解に基づいた評価に関する検討会(2018年1月)資料「幼稚園幼児指導要録の様式の参考例」(厚生労働省掲載)(10の姿は到達すべき目標ではない)。原典:Parten (1932) “Social participation among pre-school children”、ピアジェ『遊びの心理学』(1945年)、バンデューラ(1960年代の観察学習の実験)、Deci (1971)。学説は原典に基づく教科書的な内容(2026-10-16確認)

5. 家族の心理と発達の援助

保護者を含めた生涯発達と家族の見方、保育所保育指針が示す保護者支援、子どもを理解する方法と、特別な配慮を要する子どもへの援助を学びます。

出題範囲の「子ども家庭支援の心理学」では、子どもだけでなく、保護者を含めた生涯発達と家族について学びます。また「子どもの理解と援助」では、子どもを理解する方法と、理解に基づく援助を学びます。この講義では、この2つをまとめて扱います。

生涯発達と親の育ち

エリクソンの8段階(第2講)では、成人期の課題は生殖性(世代性) 対 停滞です。子どもを育てることや、次の世代を育て導くことに関心を向けることが、この時期の課題とされます。親は最初から親なのではなく、子育てを通して親として育っていく存在です。アメリカの教育学者ハヴィガーストも、乳幼児期から老年期までの各時期に、達成が期待される発達課題があると考えました。

政府の「はじめの100か月の育ちビジョン」は、5つのビジョンの一つに「保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をすること」を挙げています。保護者を「指導する相手」ではなく、ともに子どもを育てるパートナーとして支えることが求められています。

家族を一つのシステムとしてみる

家族システム論は、家族を、互いに影響し合う人々からなる一つのまとまり(システム)としてとらえる考え方です。家族の誰かに問題が見えるとき、その原因を一人に求めるのではなく、家族の関係の中で、互いの行動が原因にも結果にもなりながら問題が続いている(円環的因果律)と考えます。たとえば、子どもの夜泣きで親が疲れ、親の余裕のなさが子どもを不安にし、さらに夜泣きが続く、という循環です。保育士は、子どもの様子だけでなく、家族全体の状況にも目を向けることが大切です。

保護者への支援(保育所保育指針 第4章)

指針の第4章は、子育て支援の基本として、「保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること」を挙げています。そのうえで、特に配慮が必要な場合を次のように示しています。

保育所を利用している保護者への個別の支援(指針 第4章2から)
状況指針が示す対応
子どもに障害や発達上の課題が見られる市町村や関係機関と連携・協力を図りつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努める
外国籍家庭など、特別な配慮を必要とする家庭状況等に応じて個別の支援を行うよう努める
保護者に育児不安等が見られる保護者の希望に応じて個別の支援を行うよう努める
保護者に不適切な養育等が疑われる市町村や関係機関と連携し、要保護児童対策地域協議会で検討するなど適切な対応を図る
虐待が疑われる速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図る

子どもを理解する方法

子どもを理解する基本は観察です。日常の生活や遊びの中で、子どもの行動をありのままに観察する方法を自然観察法、条件を整えた場面をつくって行動を観察する方法を実験観察法といいます。乳幼児は言葉で自分の気持ちを説明することが難しいため、保育では自然観察が中心になります。ほかに、質問紙法、面接法、検査法などの方法もあります。

観察したことは記録し、記録を読み返して自分の保育を振り返る(省察)ことで、次の保育に生かします。指針は、保育士等の自己評価にあたって「子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮する」よう求めています。一人の見方には偏りがあるため、職員間で対話して多面的に理解すること、保護者と情報を共有することも大切です。

特別な配慮を要する子どもと就学への連続性

発達障害者支援法は、発達障害を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」として政令で定めるものと定義し、発達障害者のうち18歳未満の者を「発達障害児」としています。指針は、障害のある子どもの保育について、一人一人の発達過程や障害の状態を把握し、「他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること」、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ることを求めています。また、3歳未満児については、一人一人の生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して個別的な計画を作成するとしています。

就学に向けては、指針は小学校の教師との意見交換や合同の研究の機会を設け、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を共有するなど連携を図ること、子どもの就学に際して、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料を保育所から小学校へ送付することを示しています。

例題

例題:ある保育士が「Aちゃんは乱暴な子だ」と考えていた。記録を読み返し、同僚と話すと、Aちゃんが手を出すのは、遊びに入りたいのに言葉で伝えられない場面に多いと分かった。この過程で大切だったことは何か。
答えと考え方 記録と省察、職員間の対話です。一人の印象で決めつけず、記録をもとに行動の背景を考え、複数の目で多面的に理解したことで、「言葉で伝える手助けをする」という具体的な援助につなげられます。

用語

生涯発達
発達は子ども時代で終わらず、一生続くという考え方
家族システム論
家族を互いに影響し合う一つのまとまりとしてとらえる考え方
自己決定の尊重
保護者が自分で考えて決めることを大切にする、子育て支援の基本
自然観察法
日常の場面で、子どもの行動をありのままに観察する方法
省察
自分の保育を振り返り、次の保育に生かすために考えること

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章3、第2章4(2)、第4章、発達障害者支援法(e-Gov法令検索)第2条、「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)」(2023年12月22日閣議決定。広島県掲載の本文)、厚生労働省 保育士養成課程等検討会(2017年12月)資料「保育士試験の出題範囲について(素案)」(子ども家庭支援の心理学、子どもの理解と援助)。原典:エリクソン『幼児期と社会』、ハヴィガースト『人間の発達課題と教育』(1953年)。学説は教科書的な内容(2026-10-16確認)

確認問題(45問)

五肢択一(「2つ選べ」などの問題は正解が複数)。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|成熟優位説

一卵性双生児の一方に早くから階段のぼりの訓練をし、もう一方には後から短い期間だけ訓練したところ、後の子もすぐに追いついた。この研究から、学習には心身の準備(レディネス)が整うことが重要だと考えた人物はだれか。

  1. ワトソン
  2. ゲゼル
  3. シュテルン
  4. ジェンセン
  5. ポルトマン
正解と解説
正解:B. ゲゼル

ゲゼルは双生児の研究から、発達は主に成熟によって進み、学習にはレディネスが必要だと考えました(成熟優位説)。ワトソンは経験を重視する環境優位説、シュテルンは遺伝と環境が足し合わさるとする輻輳説、ジェンセンは特性ごとに環境の閾値が違うとする環境閾値説、ポルトマンは人間の赤ちゃんを「生理的早産」と呼んだ人物です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問2|環境閾値説

ジェンセンの環境閾値説の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 遺伝と環境が足し合わさって発達が決まるとし、特性による違いは考えない。
  2. 発達は内側からの成熟でほぼ決まり、環境はその速さにも影響しない。
  3. 環境がある水準を超えると遺伝的な可能性が現れ、その水準は特性によって違う。
  4. 環境さえ整えれば、どの子どもも望むとおりの専門家に育てられる。
  5. ふ化後の限られた時期に最初に見た物を追う行動が、その後も固定される。
正解と解説
正解:C. 環境がある水準を超えると遺伝的な可能性が現れ、その水準は特性によって違う。

環境閾値説は、環境がある水準(閾値)を超えると遺伝的な可能性が現れ、その閾値は特性ごとに違うとする考え方です。遺伝と環境の足し算として説明するのはシュテルンの輻輳説、成熟でほぼ決まるとするのはゲゼルの成熟優位説の考え方に近いもの、環境さえ整えればどんな専門家にも育てられるというのはワトソンの環境優位説、最初に見た物を追う行動はローレンツの刻印づけです。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問3|生理的早産

ポルトマンが「生理的早産」と呼んだことの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 人間の赤ちゃんは、他の高等な哺乳類に比べ未熟な状態で生まれてくるということ。
  2. 早く生まれた赤ちゃんほど、その後の発達がゆっくり進むということ。
  3. 生まれてすぐの時期にしか、親子の結びつきはつくられないということ。
  4. 人間の赤ちゃんは、生まれた直後から自分で移動できるということ。
  5. 人間の赤ちゃんは、予定日より早く生まれることが多いということ。
正解と解説
正解:A. 人間の赤ちゃんは、他の高等な哺乳類に比べ未熟な状態で生まれてくるということ。

ポルトマンは、人間は他の高等な哺乳類に比べて未熟な状態で生まれ、長く大人の世話を必要とすることを「生理的早産」と呼びました。医学的な早産(予定日より早い出産)のことではありません。早く生まれた子ほど発達が遅いという意味でも、結びつきの時期を限定する考え(臨界期)でもありません。人間の赤ちゃんは生まれてすぐには歩けないので、自分で移動できるというのは逆です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問4|刻印づけ

ハイイロガンのひなが、ふ化した後に最初に見た動くものの後を追い続けるようになる現象を、ローレンツは何と名付けたか。

  1. 社会的参照
  2. 古典的条件づけ
  3. 同化
  4. 刻印づけ(インプリンティング)
  5. 観察学習
正解と解説
正解:D. 刻印づけ(インプリンティング)

ローレンツは、ふ化後のごく限られた時期に最初に見た動くものの後を追う行動が身につく現象を刻印づけ(インプリンティング)と名付けました。古典的条件づけはパブロフの学習のしくみ、同化はピアジェの用語、観察学習はバンデューラの考え、社会的参照は迷ったときに大人の表情を手がかりにすることで、いずれも別の概念です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問5|生態学的システム

ブロンフェンブレンナーの生態学的システム論で、「保護者の職場の勤務時間が長くなり、家庭で子どもと過ごす時間が減った」というように、子どもが直接参加しないが間接的に影響する環境はどれか。

  1. マクロシステム
  2. クロノシステム
  3. マイクロシステム
  4. メゾシステム
  5. エクソシステム
正解と解説
正解:E. エクソシステム

子どもは保護者の職場に直接参加しませんが、その働き方は家庭を通して子どもに影響します。このような環境をエクソシステムといいます。マイクロシステムは家庭や保育所など子どもが直接参加する場、メゾシステムは家庭と保育所のつながりのようなマイクロシステム同士の関係、マクロシステムは文化・価値観・制度、クロノシステムは時間の流れによる変化です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問6|発達過程(指針)

保育所保育指針とその解説における「発達過程」の考え方として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 子どもは、環境との相互作用を通して発達していくととらえる。
  2. 同じ年齢の子どもが一律に到達すべき基準として示されている。
  3. 「できる・できない」で発達を判断する画一的な見方をとらない。
  4. 個人差は、保育の計画を立てるときには考えなくてよい。
  5. 発達は、常に一直線に右肩上がりで進むものと考える。
正解と解説
正解:A・C(子どもは、環境との相互作用を通して発達していくととらえる。 / 「できる・できない」で発達を判断する画一的な見方をとらない。)

指針の解説は、子どもはそれまでの体験を基に環境に働きかけ、環境との相互作用により発達するとし、「できる・できない」で判断する画一的な見方をとらないために「発達過程」という語を使うと説明しています。一律の到達基準ではありません。指針は「子どもの個人差に十分配慮すること」を求めているので、個人差を考えなくてよいは誤りです。また、育ちは行きつ戻りつすることもあり、一直線とは限りません。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章1(3)ウ、保育所保育指針解説[1](第1章)

問7|人物と説

遺伝と環境に関する考え方と人物の組合せとして、適切なものを2つ選びなさい。

  1. ゲゼル ― 環境優位説
  2. ワトソン ― 環境優位説
  3. ジェンセン ― 成熟優位説
  4. シュテルン ― 輻輳説
  5. ポルトマン ― 輻輳説
正解と解説
正解:B・D(ワトソン ― 環境優位説 / シュテルン ― 輻輳説)

ワトソンは経験を重視する環境優位説(行動主義)、シュテルンは遺伝と環境が足し合わさるとする輻輳説の代表的な人物です。ゲゼルは成熟優位説、ジェンセンは環境閾値説です。ポルトマンは「生理的早産」の考えで知られ、輻輳説の人物ではありません。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問8|発達の特徴

保育所保育指針解説が述べる発達の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 発達にはある程度一定の順序性や方向性があり、各側面が関連し合って進む。
  2. 発達の順序は子どもごとにまったく異なり、見通しを持てない。
  3. 運動・言葉・社会性などの側面は、互いに無関係に別々に進む。
  4. 同じ子どもであれば、どの側面も同じ速さで伸びていく。
  5. 一度できるようになったことは、後戻りすることがない。
正解と解説
正解:A. 発達にはある程度一定の順序性や方向性があり、各側面が関連し合って進む。

指針の解説は、発達にはある程度一定の順序性や方向性があり、身体・運動・情緒・認知・社会性などが相互に関連し合いながら総合的に発達すると述べています。各側面は無関係ではありません。同じ子どもの中でも言葉は早いが運動はゆっくり、というように側面ごとに違いがあり、行きつ戻りつすることもあります。順序性がある程度あるので、まったく見通しが持てないわけでもありません。

根拠:保育所保育指針解説[1](第1章)

問9|生涯発達

現在の発達心理学における「発達」のとらえ方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 成人になった時点で終わり、老年期は対象としない。
  2. 受胎から死に至るまで、生涯にわたって続く変化ととらえる。
  3. 子どもが大人になるまでの、体の大きさの変化だけを指す。
  4. 青年期で完成し、その後は変化しないものとする。
  5. 能力を獲得する変化だけを指し、衰える変化は含めない。
正解と解説
正解:B. 受胎から死に至るまで、生涯にわたって続く変化ととらえる。

現在は、発達を受胎から死に至るまで続く変化ととらえる生涯発達の見方が一般的です。体の大きさだけでなく心の変化も含みます。青年期や成人で終わるものではなく、老年期も対象です。また、獲得だけでなく、ある力が弱まる喪失も発達に含めて考えます。

根拠:厚生労働省 保育士養成課程等検討会(2017年12月)資料「保育士試験の出題範囲について(素案)」(生涯発達)、講義1

問10|ピアジェの段階

ピアジェの認知発達の段階で、見る・触るなど感覚と運動を通して外界を知り、見えなくなった物も存在し続けると分かる「対象の永続性」を獲得していく段階はどれか。

  1. 具体的操作期
  2. 形式的操作期
  3. 潜伏期
  4. 感覚運動期
  5. 前操作期
正解と解説
正解:D. 感覚運動期

感覚と運動を通して外界を知り、対象の永続性を獲得していくのは、0〜2歳ごろの感覚運動期です。前操作期は象徴機能や自己中心性、具体的操作期は保存の獲得、形式的操作期は抽象的な推論が特徴です。潜伏期はフロイトの心理性的発達の段階名で、ピアジェの段階ではありません。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問11|保存

4歳児の前で、同じ形のコップ2つに同じ量のジュースを入れ、同じだと確かめた後、一方を細長いコップに移した。子どもは「こっちのほうが多い」と答えた。ピアジェの考えで、この子の思考の特徴として最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 物にも人と同じように心があると考えて答えている。
  2. 見えなくなった物も存在し続けると、まだ分からない。
  3. 見た目が変わっても量は変わらないことが、まだ分からない。
  4. 仮説を立てて、抽象的に推論することができている。
  5. 元に戻せば同じになると考える、可逆的な思考ができている。
正解と解説
正解:C. 見た目が変わっても量は変わらないことが、まだ分からない。

液面の高さという目立つ一点に注意が向き(中心化)、量の保存がまだ分からない、前操作期の特徴です。対象の永続性は感覚運動期に獲得していくもので、この場面の問題ではありません。仮説的・抽象的な推論は形式的操作期、可逆的な思考は具体的操作期の特徴で、この子はまだできていません。アニミズム(物にも心があると考える)も前操作期の特徴ですが、この答えとは関係がありません。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問12|自己中心性

ピアジェは、3つの山の模型を置き、自分とは違う位置にいる人形から山がどう見えるかを子どもに選ばせる課題を用いた。この課題で調べようとした、前操作期の思考の特徴はどれか。

  1. 可逆性
  2. 内言
  3. アニミズム
  4. 対象の永続性
  5. 自己中心性
正解と解説
正解:E. 自己中心性

三つの山問題は、自分と違う位置の人には物が違って見えることが分かりにくいという、前操作期の自己中心性を調べる課題です。アニミズムは物にも心があると考えること、対象の永続性は感覚運動期に獲得するもの、可逆性は具体的操作期の特徴、内言はヴィゴツキーの用語です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問13|同化

犬を「ワンワン」と覚えた子どもが、初めて猫を見て「ワンワン」と言った。ピアジェの考えで、すでに持っている枠組み(シェマ)に新しい物事を取り入れるこの働きを何というか。

  1. 同化
  2. 般化
  3. 模倣
  4. 調節
  5. 均衡化
正解と解説
正解:A. 同化

すでに持っているシェマに新しい物事を取り入れるのは同化です。やがて猫は犬と違うと区別できるようにシェマを作り変えるのが調節、同化と調節を通してより安定した状態に向かうのが均衡化です。般化は条件づけの用語で、似た刺激にも同じ反応が起こること、模倣は他者の行動をまねることで、ピアジェのこの場面の説明ではありません。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問14|最近接発達領域

ヴィゴツキーの「最近接発達領域」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 子どもが自分ひとりで、すでに確実にできることの範囲。
  2. 大人の助けがあっても、まだ到底できないことの範囲。
  3. 特定の経験が、その時期にしか効果を持たない期間。
  4. 一人でできる水準と、助けがあればできる水準との間の領域。
  5. 感覚と運動を通して外界を知る、乳児期の段階。
正解と解説
正解:D. 一人でできる水準と、助けがあればできる水準との間の領域。

最近接発達領域は、自分ひとりで解決できる水準と、大人やより有能な仲間の助けがあれば解決できる水準との間の領域です。一人で確実にできる範囲や、助けがあってもできない範囲そのものではありません。特定の時期にしか効果のない期間は臨界期、感覚と運動で外界を知る段階はピアジェの感覚運動期です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問15|ヴィゴツキー

ヴィゴツキーの考えに関係が深いものを2つ選びなさい。

  1. 最近接発達領域
  2. 対象の永続性
  3. 心理社会的危機
  4. 言葉は外言から内言へと発達する
  5. 刻印づけ
正解と解説
正解:A・D(最近接発達領域 / 言葉は外言から内言へと発達する)

ヴィゴツキーは、最近接発達領域と、言葉はまず人に向ける外言として使われ、やがて頭の中で考えるための内言になるという考えで知られます。対象の永続性はピアジェ、心理社会的危機はエリクソン、刻印づけはローレンツの用語です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問16|エリクソン(幼児期初期)

エリクソンの心理社会的発達理論で、トイレや着替えなど、自分の体を自分でコントロールしようとする幼児期初期の課題として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 同一性 対 同一性の拡散
  2. 自律性 対 恥・疑惑
  3. 基本的信頼 対 不信
  4. 勤勉性 対 劣等感
  5. 自主性(積極性) 対 罪悪感
正解と解説
正解:B. 自律性 対 恥・疑惑

幼児期初期の課題は「自律性 対 恥・疑惑」です。基本的信頼対不信は乳児期、自主性(積極性)対罪悪感は遊戯期(幼児期後期)、勤勉性対劣等感は学童期、同一性対同一性の拡散は青年期の課題です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問17|エリクソンの段階

エリクソンの発達段階と課題の組合せについて、ア〜エの正誤の組合せとして正しいものを1つ選びなさい。<br>ア 乳児期 ― 基本的信頼 対 不信<br>イ 遊戯期 ― 勤勉性 対 劣等感<br>ウ 青年期 ― 同一性 対 同一性の拡散<br>エ 成人期 ― 統合 対 絶望

  1. ア× イ× ウ○ エ×
  2. ア○ イ○ ウ× エ×
  3. ア○ イ× ウ○ エ×
  4. ア× イ○ ウ○ エ○
  5. ア○ イ× ウ○ エ○
正解と解説
正解:C. ア○ イ× ウ○ エ×

アは正しい組合せです。イの勤勉性対劣等感は学童期の課題で、遊戯期は自主性(積極性)対罪悪感です。ウは正しい組合せです。エの統合対絶望は老年期の課題で、成人期は生殖性(世代性)対停滞です。したがって「ア○ イ× ウ○ エ×」です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問18|足場かけ

「足場かけ(スキャフォールディング)」の説明として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 子どもが自力でできることも、大人が代わりにやってあげること。
  2. 子どもが一人ではできないことを大人が手助けし、できるにつれて支援を減らすこと。
  3. 正しい答えを先に教え、繰り返し暗記させること。
  4. ウッドらが用いた言葉で、ヴィゴツキーの最近接発達領域と結びつけて説明されることが多い。
  5. ピアジェが、感覚運動期の特徴として名付けたもの。
正解と解説
正解:B・D(子どもが一人ではできないことを大人が手助けし、できるにつれて支援を減らすこと。 / ウッドらが用いた言葉で、ヴィゴツキーの最近接発達領域と結びつけて説明されることが多い。)

足場かけは、子どもが一人ではできないことを大人が手助けし、できるようになるにつれて支援を減らしていく関わりです。ウッド、ブルーナー、ロスが1976年の論文で用いた言葉で、最近接発達領域と結びつけて説明されます。自力でできることを代わりにやるのは支援の取り過ぎで、足場かけではありません。答えを先に教えて暗記させることとも違います。ピアジェの用語でもありません。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問19|愛着の型

エインズワースのストレンジ・シチュエーション法で、養育者と離れると泣いて探すが、再会すると近づいて慰められ、すぐに落ち着いて遊びに戻る子どもの型はどれか。

  1. アンビバレント型(Cタイプ)
  2. 無秩序・無方向型(Dタイプ)
  3. 人見知り型
  4. 回避型(Aタイプ)
  5. 安定型(Bタイプ)
正解と解説
正解:E. 安定型(Bタイプ)

分離で不安を示し、再会で養育者に慰められて落ち着き、探索に戻るのは安定型(Bタイプ)です。回避型は分離してもあまり泣かず、再会しても避けます。アンビバレント型は再会しても接触を求めながら怒って押しのけるなど落ち着きません。無秩序・無方向型は行動にまとまりがありません。「人見知り型」という型はありません。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問20|ハーロウ

ハーロウの子ザルの実験(ミルクの出る針金製の代理母と、ミルクの出ない布製の代理母)から示されたこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 愛着の形成には、柔らかな接触による安心感が大切である。
  2. 愛着は、空腹を満たしてもらうことだけで形成される。
  3. 子ザルは、どちらの代理母にも違いを示さなかった。
  4. 愛着は、生まれつき決まっていて環境の影響を受けない。
  5. 子ザルは、ミルクの出る針金製の代理母に長くしがみついた。
正解と解説
正解:A. 愛着の形成には、柔らかな接触による安心感が大切である。

子ザルは、ミルクの出ない布製の代理母に長くしがみつき、怖いときも布製のほうに逃げ込みました。愛着には、ミルク(空腹を満たすこと)だけでなく、柔らかな接触による安心感が大切だと示されました。針金製にしがみついたのではなく、違いもはっきり示しました。環境(接触の経験)が重要だという結果なので、生まれつき決まっているという選択肢も誤りです。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問21|内的作業モデル

ボウルビィの愛着理論における「内的作業モデル」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 保育士が作成する、子ども一人一人の個別の指導計画のこと。
  2. 愛着の経験からつくられる、自分や他者についての心の中のモデルのこと。
  3. 他の人には自分と違う考えがあると理解する力のこと。
  4. 不安なときに戻ってこられる、安心できる存在のこと。
  5. 分離と再会の場面を観察して、愛着の型を分類する方法のこと。
正解と解説
正解:B. 愛着の経験からつくられる、自分や他者についての心の中のモデルのこと。

内的作業モデルは、愛着の経験を通してつくられる「自分は大切にされる存在か」「人は頼れるか」についての心の中のモデルで、その後の人間関係の土台になると考えられています。安心して戻れる存在は安全基地、分離と再会で型を分類するのはエインズワースのストレンジ・シチュエーション法、個別の計画は保育の計画の用語、他者の考えを理解する力は心の理論です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問22|発達の目安

保育所保育指針解説で、「指差しや身振りなどで自分の意思を伝えようとし、大人の気持ちや簡単な言葉が分かるようになる」とされているのは、おおむねいつごろか。

  1. 生後2〜3か月ごろ
  2. 生後4か月ごろ
  3. 生後6か月ごろ
  4. 生後9か月ごろ
  5. 1歳半ばごろ
正解と解説
正解:D. 生後9か月ごろ

指針の解説は、9か月ごろには指差しや身振りで意思を伝えようとし、大人の気持ちや簡単な言葉が分かるようになるとしています。2〜3か月ごろは機嫌のよいときに柔らかい声を出す時期、4か月ごろは首がすわり喃語が見られる時期、6か月ごろは身近な人の顔が分かり人見知りが見られる時期、1歳半ばごろは自己主張が強くなる時期として書かれています。

根拠:保育所保育指針解説[2](第2章1・2)

問23|共同注意

1歳の子が散歩中に犬を見つけて指差し、保育士の顔を見た。保育士も犬を見て「わんわんだね」と応えた。このように、子どもと大人が同じ対象に注意を向け、そのことを互いに分かり合っている状態を何というか。

  1. 平行遊び
  2. 自己中心性
  3. 共同注意
  4. 対象の永続性
  5. 社会的参照
正解と解説
正解:C. 共同注意

子どもと大人が同じ対象に注意を向け、それを互いに分かり合うのが共同注意で、「自分・人・物」の三項関係が成り立っています。社会的参照は迷ったときに大人の表情を手がかりに行動を決めることで、この場面とは違います。平行遊びは遊びの分類、自己中心性は前操作期の思考の特徴、対象の永続性は見えなくても物が存在すると分かることです。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問24|社会的参照

初めて見る動くおもちゃに近づくか迷っていた子が、保育士の顔を見て、保育士がにっこりしているのを確かめてから近づいた。このような行動を何というか。

  1. 観察学習
  2. 一語文
  3. アンダーマイニング
  4. 刻印づけ
  5. 社会的参照
正解と解説
正解:E. 社会的参照

迷ったときに大人の表情などを手がかりにして行動を決めることを社会的参照といいます。刻印づけはふ化後の限られた時期に最初に見た物を追う行動、観察学習は他者の行動を見てその行動を身につけること、一語文は一つの言葉で文のような意味を伝える言葉の段階、アンダーマイニングは報酬によって内発的動機づけが弱まることです。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問25|1歳以上3歳未満児

保育所保育指針とその解説が示す、1歳以上3歳未満児の発達の特徴として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 1歳半ばごろから自己主張が強くなり、「自分でしたい」気持ちが高まる。
  2. 基本的な生活習慣がほぼ自立し、生活の流れを見通して行動する。
  3. 仲間の中の一人という自覚が生まれ、協同的な活動が見られるようになる。
  4. 玩具を実物に見立てるなど象徴機能が発達し、簡単なごっこ遊びを楽しむ。
  5. 身近な人の顔が分かるようになり、見知らぬ相手に人見知りをし始める。
正解と解説
正解:A・D(1歳半ばごろから自己主張が強くなり、「自分でしたい」気持ちが高まる。 / 玩具を実物に見立てるなど象徴機能が発達し、簡単なごっこ遊びを楽しむ。)

1歳以上3歳未満児については、1歳半ばごろから自己主張が強くなること、玩具を実物に見立てるなどの象徴機能が発達し大人と簡単なごっこ遊びを楽しむことが示されています。基本的な生活習慣がほぼ自立することや、仲間の一人という自覚と協同的な活動は、3歳以上児の特徴です。身近な人の顔が分かり人見知りをするのは、乳児期(6か月ごろ)の特徴です。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章、保育所保育指針解説[2](第2章1・2)、保育所保育指針解説[3](第2章3・4)

問26|誤信念課題

「ミカが青い箱にクッキーを入れて部屋を出た。その間に弟がクッキーを赤い箱に移した。戻ったミカはどちらの箱を探すか」と子どもに尋ねる課題は、主に何を調べるためのものか。

  1. 心の理論(他者の誤った信念の理解)
  2. 最近接発達領域
  3. 量の保存の理解
  4. 対象の永続性
  5. 愛着の型
正解と解説
正解:A. 心の理論(他者の誤った信念の理解)

これは誤信念課題で、他の人には自分と違う(事実と異なる)信念がありうると理解する「心の理論」を調べるものです。正しく答えるには、ミカは移されたことを知らないので青い箱を探す、と考える必要があります。量の保存は見た目が変わっても量が同じと分かること、対象の永続性は見えなくても物が存在すると分かること、愛着の型はストレンジ・シチュエーション法で調べるもの、最近接発達領域はヴィゴツキーの概念です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問27|言葉の発達

乳幼児期の言葉の発達について、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 二語文は、喃語よりも先に現れる。
  2. 指差しは、言葉の発達とは関係のない行動である。
  3. 喃語は、意味のある言葉が出る前に見られる発声である。
  4. 言葉の理解は、自分で話せるようになってから始まる。
  5. 一語文は、一つの言葉で文のような意味を伝えるものである。
正解と解説
正解:C・E(喃語は、意味のある言葉が出る前に見られる発声である。 / 一語文は、一つの言葉で文のような意味を伝えるものである。)

喃語は意味のある言葉が出る前の発声で、指針の解説では4か月ごろに見られるとされています。一語文は、「ママ」で「ママ、来て」を表すように、一つの言葉で文のような意味を伝えます。二語文は喃語・一語文の後に現れます。指差しは意思を伝える手段で、言葉の発達と深く関わります。一般に、話せる言葉より先に分かる言葉が増えるので、理解が話すことより後に始まるわけではありません。

根拠:保育所保育指針解説[2](第2章1・2)、講義3

問28|平行遊び

砂場で3人の子どもが、隣り合ってそれぞれ自分の山を作っている。同じような遊びをしているが、話したり道具を貸し借りしたりはしていない。パーテンの分類では何遊びか。

  1. 一人遊び
  2. 平行遊び
  3. 連合遊び
  4. 協同遊び
  5. 傍観
正解と解説
正解:B. 平行遊び

他の子のそばで同じような遊びをしながら、互いに関わり合わないのは平行遊びです。傍観は他の子の遊びを見ているだけで加わらないこと、一人遊びは近くの子と関係なく自分の遊びをすること、連合遊びは会話や貸し借りがあるが役割分担のない遊び、協同遊びは共通の目的と役割分担のある遊びです。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問29|協同遊び

5歳児が「お店屋さんごっこ」をするために、品物を作る係、お金を作る係、店員役を話し合って分担し、一つのお店を作り上げた。パーテンの分類では何遊びか。

  1. 連合遊び
  2. 一人遊び
  3. 協同遊び
  4. 平行遊び
  5. 傍観
正解と解説
正解:C. 協同遊び

共通の目的(お店を作る)のもとで役割を分担し、組織立って遊んでいるので協同遊びです。連合遊びは一緒に遊び会話や貸し借りもありますが、役割分担や共通の目標ははっきりしません。平行遊びはそばで同じ遊びをするが関わらない遊び、傍観は見ているだけ、一人遊びは自分だけの遊びです。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問30|ピアジェの遊び

積み木を電車に見立てて「ガタンゴトン」と動かしたり、ままごとでお母さん役になりきったりする遊びは、ピアジェの遊びの分類では何にあたるか。

  1. 協同遊び
  2. 傍観
  3. 機能遊び(練習遊び)
  4. 象徴遊び
  5. ルールのある遊び
正解と解説
正解:D. 象徴遊び

ある物を別の物に見立てたり、役になりきったりする遊びは、象徴機能に支えられた象徴遊び(ごっこ遊び・見立て遊び)です。機能遊びは体を動かすこと自体を楽しむ遊び、ルールのある遊びは決まりを共有して遊ぶもので、より後に現れます。協同遊びと傍観はパーテンの分類で、ピアジェの分類ではありません。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問31|10の姿の扱い

保育所保育指針の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の扱いとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 就学前までに、全項目に到達したかを一人一人確認する目標である。
  2. 要録には、10の項目ごとに達成の度合いを記入する。
  3. 5歳児クラスの保育だけで意識すればよい。
  4. 小学校の教科に合わせて、項目別に取り出して指導する。
  5. 到達すべき目標ではなく、個別に取り出して指導するものでもない。
正解と解説
正解:E. 到達すべき目標ではなく、個別に取り出して指導するものでもない。

10の姿は、保育士等が指導を行う際に考慮するもので、到達すべき目標ではなく、個別に取り出して指導するものでもないことに留意するとされています。そのため、全項目の到達を確認する目標ではなく、要録も項目別に記入しないよう留意することとされています。10の姿は5歳児になって突然現れるものではなく、乳児期からの育ちの積み重ねなので、5歳児クラスだけで意識すればよいわけでもありません。教科のように項目別に指導するものでもありません。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章4(2)、幼児理解に基づいた評価に関する検討会(2018年1月)資料「幼稚園幼児指導要録の様式の参考例」(厚生労働省掲載)

問32|10の姿の項目

保育所保育指針の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に含まれる項目として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 基本的生活習慣の確立
  2. 協同性
  3. 読み書き計算の習得
  4. 思考力の芽生え
  5. 集団への適応
正解と解説
正解:B・D(協同性 / 思考力の芽生え)

10の姿は、健康な心と体、自立心、協同性、道徳性・規範意識の芽生え、社会生活との関わり、思考力の芽生え、自然との関わり・生命尊重、数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚、言葉による伝え合い、豊かな感性と表現です。「協同性」と「思考力の芽生え」が含まれます。「基本的生活習慣の確立」「集団への適応」は項目名にありません。「読み書き計算の習得」も項目ではなく、文字や数量については「関心・感覚」を育てるとされています。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章4(2)

問33|育みたい資質・能力

保育所保育指針が示す「育みたい資質・能力」の3つの組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」
  2. 「健康」「人間関係」「環境」
  3. 「生命の保持」「情緒の安定」「学びに向かう力、人間性等」
  4. 「知識及び技能の基礎」「協同性」「豊かな感性と表現」
  5. 「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」
正解と解説
正解:A. 「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」

指針は、育みたい資質・能力として「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」を示しています。乳幼児期なので、前の2つには「の基礎」が付きます。「健康」「人間関係」「環境」は保育内容の領域、「生命の保持」「情緒の安定」は養護の内容、「協同性」「豊かな感性と表現」は10の姿の項目です。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章4(1)、保育所保育指針解説[1](第1章)

問34|アンダーマイニング効果

絵を描くことが大好きだった子に、描くたびにごほうびのシールを渡し続けた。その後シールをやめると、その子は自分から絵を描くことが減った。この現象を何というか。

  1. 社会的参照
  2. 観察学習
  3. 古典的条件づけ
  4. アンダーマイニング効果
  5. 刻印づけ
正解と解説
正解:D. アンダーマイニング効果

もともと楽しんで取り組んでいた活動(内発的動機づけ)に報酬を与えると、報酬がなくなったときに自発的に取り組むことが減る場合があります。これをアンダーマイニング効果といい、デシの研究で知られます。観察学習は他者の行動を見て身につけること、古典的条件づけはパブロフが示した刺激の結びつきによる学習、刻印づけはローレンツの概念、社会的参照は大人の表情を手がかりにすることです。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問35|観察学習

大人が人形をたたく様子を見た子どもが、その後、同じように人形をたたくようになったという実験で知られ、他の人の行動を見るだけで行動を身につける学習を示した人物はだれか。

  1. スキナー
  2. バンデューラ
  3. ゲゼル
  4. デシ
  5. パブロフ
正解と解説
正解:B. バンデューラ

バンデューラは、他の人の行動を見るだけで行動を身につける観察学習(モデリング)を示しました。パブロフは古典的条件づけ、スキナーはオペラント条件づけ、ゲゼルは成熟優位説、デシはアンダーマイニング効果で知られます。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問36|遊びのとらえ方

保育所保育指針や「はじめの100か月の育ちビジョン」における遊びのとらえ方として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 遊びは何らかの効果を求めてさせるのではなく、それ自体が目的である。
  2. 遊びと学びは別のものであり、学びは机上の指導で行う。
  3. 遊びは自由時間に限られ、保育士は環境づくりにも関わらない。
  4. 乳幼児期にふさわしい体験が得られるよう、生活や遊びを通して総合的に保育する。
  5. 遊びは、特定の知識を早く身につけさせるために計画するものである。
正解と解説
正解:A・D(遊びは何らかの効果を求めてさせるのではなく、それ自体が目的である。 / 乳幼児期にふさわしい体験が得られるよう、生活や遊びを通して総合的に保育する。)

「はじめの100か月の育ちビジョン」は、遊びは何らかの効果を求めてさせるのではなく、それ自体が目的であるとしています。指針は、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育することを保育の方法として示しています。乳幼児期の学びは遊びを通して起こるので、遊びと学びを切り離すのは誤りです。保育士は子どもが自ら関わる環境を構成する役割を持ちます。指針の解説は、特定の知識や能力の習得に偏らないよう留意することを求めています。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章1(3)オ、「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)」(2023年12月22日閣議決定。広島県掲載の本文)

問37|家族システム論

家族システム論の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 家族の問題は、遺伝によってほぼ決まると考える。
  2. 家族は一人一人が独立しており、互いの行動は影響し合わないと考える。
  3. 原因から結果へと一方向に流れる、直線的な因果関係で問題をとらえる。
  4. 問題の原因を家族の一人に特定し、その人だけを変えることを目指す。
  5. 家族の一人に見える問題も、家族の関係の中で互いに影響し合って続いていると考える。
正解と解説
正解:E. 家族の一人に見える問題も、家族の関係の中で互いに影響し合って続いていると考える。

家族システム論は、家族を互いに影響し合う一つのまとまりとしてとらえ、問題は家族の関係の中で、互いの行動が原因にも結果にもなりながら続いている(円環的因果律)と考えます。問題の原因を一人に特定する見方や、原因から結果へ一方向に流れる直線的な因果関係の見方とは異なります。家族は互いに影響し合うと考えるので、独立していて影響し合わないというのは逆です。遺伝で決まるという考えでもありません。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問38|保護者支援の基本

保育所保育指針第4章が示す子育て支援の基本として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 保護者の就労状況に関係なく、すべての家庭に同じ支援を行う。
  2. 保育士の専門的な判断を優先し、保護者にその方針に従ってもらう。
  3. 保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重する。
  4. 子育ての問題点を指摘し、保護者を指導して改めさせることを中心とする。
  5. 保護者から相談があった場合にのみ関わり、日常の伝達は行わない。
正解と解説
正解:C. 保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重する。

指針第4章は、子育て支援の基本として「保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること」を挙げています。保育士の方針に従わせることや、問題点を指摘して指導・改めさせることは、自己決定の尊重と合いません。指針は日常の保育の様々な機会を活用して子どもの様子を伝え合うことを求めているので、相談時にのみ関わるのも誤りです。また、保護者の状況に配慮した個別の支援を示しているので、すべての家庭に同じ支援というのも合いません。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第4章1(1)ア・2

問39|虐待が疑われる場合

保育所保育指針で、保護者による虐待が疑われる場合の対応として示されているものはどれか。最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図る。
  2. 担任保育士が保護者と話し合い、保育所だけで解決する。
  3. 子どもが自分から話すまで待ち、記録はとらない。
  4. 確証が得られるまで、保育所の中だけで様子を見る。
  5. 保護者の同意を得てから、関係機関に相談する。
正解と解説
正解:A. 速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図る。

指針は、虐待が疑われる場合には「速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図ること」としています。確証を待つ、保護者の同意を前提にする、保育所だけで解決する、といった対応は指針の内容と合いません。また、指針の解説は日々の観察とその記録が虐待への対応の根拠資料にもなるとしており、記録をとらないのも誤りです。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第4章2(3)イ、保育所保育指針解説[1](第1章)

問40|発達障害児の定義

発達障害者支援法で「発達障害児」とされているのはどれか。

  1. 発達障害者のうち、20歳未満の者
  2. 発達障害者のうち、小学校就学前の者
  3. 発達障害者のうち、15歳未満の者
  4. 発達障害者のうち、18歳未満の者
  5. 発達障害者のうち、18歳以下の者
正解と解説
正解:D. 発達障害者のうち、18歳未満の者

発達障害者支援法第2条第2項は、「発達障害児」を発達障害者のうち18歳未満のものとしています。「18歳以下」では18歳を含んでしまうので条文と違います。15歳未満、20歳未満、小学校就学前という区切りは、この法律の定義ではありません。

根拠:発達障害者支援法(e-Gov法令検索)第2条第2項

問41|障害のある子どもの保育

保育所保育指針における、障害のある子どもの保育の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 障害のある子どもは、他の子どもとは別の時間・場所で保育することを基本とする。
  2. 他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付ける。
  3. 個別の支援計画は、家庭や関係機関とは共有せず保育所内だけで作る。
  4. 障害の診断名が分かるまでは、特別な配慮は行わない。
  5. 指導計画には位置付けず、担当の保育士の判断で対応する。
正解と解説
正解:B. 他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付ける。

指針は、一人一人の発達過程や障害の状態を把握し、障害のある子どもが「他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること」、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ることを求めています。別の時間・場所での保育を基本とすること、計画を家庭や関係機関と共有しないこと、指導計画に位置付けないことは、これと合いません。指針は子どもの状態の把握に基づく配慮を求めており、診断名を条件にしていません。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章3(2)キ

問42|観察法

保育所の日常の遊びの場面で、条件を特に設定せず、子どもの行動をありのままに観察して理解する方法を何というか。

  1. 検査法
  2. 実験観察法
  3. 質問紙法
  4. 面接法
  5. 自然観察法
正解と解説
正解:E. 自然観察法

日常の場面で、条件を設定せずに行動をありのままに観察するのは自然観察法です。実験観察法は、条件を整えた場面をつくって行動を観察する方法です。質問紙法は質問への回答を集める方法、面接法は直接話を聞く方法、検査法は標準化された検査を用いる方法で、言葉で説明することが難しい乳幼児の日常の理解には、自然観察が中心になります。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問43|成人期の課題

エリクソンの心理社会的発達理論で、子どもを育てることなど、次の世代を育て導くことに関心を向けることが課題とされる成人期の課題はどれか。

  1. 親密性 対 孤立
  2. 統合 対 絶望
  3. 生殖性(世代性) 対 停滞
  4. 勤勉性 対 劣等感
  5. 同一性 対 同一性の拡散
正解と解説
正解:C. 生殖性(世代性) 対 停滞

成人期の課題は「生殖性(世代性) 対 停滞」で、次の世代を育て導くことへの関心が中心になります。親密性対孤立は前成人期、統合対絶望は老年期、勤勉性対劣等感は学童期、同一性対同一性の拡散は青年期の課題です。

根拠:学説の原典に基づく教科書的な内容(講義の出典欄を参照)

問44|子ども理解と評価

保育所での子どもの理解と保育の評価について、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 評価では、子どもの活動の結果だけを見て判断する。
  2. 一度の観察で子どもの特徴を判断し、その見方は変えないようにする。
  3. 記録を読み返して自分の保育を振り返り、次の保育に生かす。
  4. 子どもの様子は保育所内の情報なので、保護者とは共有しない。
  5. 職員間で対話し、一人の見方に偏らず多面的に子どもを理解する。
正解と解説
正解:C・E(記録を読み返して自分の保育を振り返り、次の保育に生かす。 / 職員間で対話し、一人の見方に偏らず多面的に子どもを理解する。)

観察を記録し、読み返して振り返る(省察)ことで次の保育に生かすこと、職員間で対話して多面的に理解することは、子どもを理解する大切な方法です。指針は自己評価で「活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮する」よう求めているので、結果だけを見るのは誤りです。一度の観察で決めつけず、見方を見直していくことが必要です。指針は保護者との相互理解を求めているので、保護者と共有しないのも誤りです。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章3(4)ア、第4章2(1)、保育所保育指針解説[1](第1章)

問45|3歳未満児の計画

保育所保育指針で、3歳未満児の指導計画について示されている内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 一人一人の生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成する。
  2. 月齢ごとに定めた全国共通の到達基準に合わせて計画を作成する。
  3. 保護者が作成した計画を、そのまま保育所の計画とする。
  4. 3歳以上児と同じ計画を用い、年齢による区別はしない。
  5. クラス全体の計画だけを作成し、個別の計画は作らない。
正解と解説
正解:A. 一人一人の生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成する。

指針は「3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること」としています。この時期は発達の個人差が大きいためです。クラス全体の計画だけ、全国共通の到達基準に合わせる、保護者の計画をそのまま使う、3歳以上児と同じ計画を用いる、はいずれも指針の内容ではありません。

根拠:保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章3(2)イ(ア)

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。試験の日程・出題範囲・合格基準は、必ず全国保育士養成協議会の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。保健・栄養の内容は国のガイドラインに基づく学習用の説明で、医療上の助言ではありません。