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保育士試験 CHILDCARE WORKER EXAM

教育原理

講義 3 本・確認問題 25 問 | 教育原理(10問)・社会的養護(10問) | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 教育の意義と教育の法制度(教育基本法・学校教育法)
  2. 教育の思想と歴史(西洋の人物と日本の近代教育)
  3. 教育実践と生涯学習(教育課程・評価・社会教育)
  4. 確認問題(25問)
  5. 演習ツール

1. 教育の意義と教育の法制度(教育基本法・学校教育法)

教育は何のために行うのかを、日本の教育の土台になる憲法・教育基本法・学校教育法の条文で確かめます。

教育原理は、保育士試験の筆記試験で50点・30分の科目です。社会的養護とあわせて、両方とも6割以上とったときに合格になります(片方だけでは合格になりません)。この章では、出題の柱である「教育の意義と目的」「教育の思想と歴史」「教育制度」「教育実践」「生涯学習」を、3つの講義で学びます。法令は2026年10月時点の条文で説明します。本試験はその年の4月1日時点の法令が基準なので、受験する回の基準日も確かめてください。

教育とは、人が知識や技能、ものの見方や態度を身につけ、よりよく生きられるように働きかける営みです。家庭、学校、地域のどこでも行われます。日本では、教育の目的や原則が法律で定められています。その頂点にあるのが日本国憲法と教育基本法です。

日本国憲法第26条

第1項は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」と定めます。第2項は、国民は「その保護する子女に普通教育を受けさせる義務」を負い、「義務教育は、これを無償とする。」と定めます。義務を負うのは子ども本人ではなく、保護者です。

教育基本法

教育基本法は1947年(昭和22年法律第25号)に作られ、2006年(平成18年)12月22日に全部改正されました(平成18年法律第120号)。第1条(教育の目的)は、教育は「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して」行われなければならない、と定めます。第2条(教育の目標)は、その目的を実現するための5つの目標を並べます(幅広い知識と教養、勤労を重んずる態度、男女の平等や公共の精神、生命と自然の尊重、伝統と文化の尊重と国際社会への寄与など)。

保育者にとって特に大切なのは次の条文です。第3条(生涯学習の理念)は、国民が「その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ」る社会の実現をうたいます。第10条(家庭教育)は、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」と定めます。第11条(幼児期の教育)は、幼児期の教育を「生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの」とし、国と地方公共団体にその振興に努めるよう求めます。

そのほか、第4条(教育の機会均等:人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって教育上差別されない)、第5条(義務教育:国・地方公共団体の設置する学校では授業料を徴収しない)、第6条(法律に定める学校は、国、地方公共団体、法律に定める法人だけが設置できる)、第9条(教員は「絶えず研究と修養に励み」)、第13条(学校・家庭・地域住民等の連携協力)、第14条(政治教育)、第15条(宗教教育:国公立の学校は特定の宗教のための宗教教育をしてはならない)も、よく問われます。

2006年の改正で新しく置かれた主な条文(文部科学省の通知による)
条見出し
第3条生涯学習の理念
第7条大学
第8条私立学校
第10条家庭教育
第11条幼児期の教育
第13条学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力
第17条教育振興基本計画

反対に、旧法第5条の男女共学の条文は、趣旨が定着したとして新しい法律には置かれていません。男女の平等は第2条の目標に入りました。

学校教育法

学校教育法は1947年3月31日に公布されました(昭和22年法律第26号)。第1条は「学校」を、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校と定めます。保育所はここに含まれず、児童福祉法の児童福祉施設です。第11条は、校長と教員は教育上必要なときは懲戒を加えられるが、「体罰を加えることはできない」と定めます。第16条・第17条は、保護者は子に9年の普通教育を受けさせる義務を負い、小学校段階は満6歳に達した日の翌日以後の最初の学年の初めから始まる、と定めます。

幼稚園については、第22条が目的を「義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること」と定めます。第23条は5つの目標、第24条は保護者や地域住民からの相談に応じる子育て支援の努力、第25条は保育内容を文部科学大臣が定めること、第26条は入園できる者を「満三歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児」と定めます。

用語

教育基本法
日本の教育の目的・目標・原則を定める法律。1947年制定、2006年に全部改正。
人格の完成
教育基本法第1条が示す教育の目的の中心となる言葉。
第一義的責任
子の教育について、まず最初に責任を負うのは保護者であるという意味(教育基本法第10条)。
学校教育法第1条
法律上の「学校」の種類を並べた条文。保育所は含まれない。
懲戒と体罰
懲戒は教育上必要な場合に認められるが、体罰は禁止されている(学校教育法第11条)。

例題

例題:教育基本法で、子の教育について「第一義的責任」を有するとされているのはだれか。
答えと考え方 父母その他の保護者です(第10条第1項)。国と地方公共団体は、家庭教育を支援する施策を講じるよう努める立場です。「国が第一義的責任」とする選択肢は誤りです。

根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」第1〜18条、「日本国憲法」第26条、「学校教育法」第1・11・16・17・22〜26条、文部科学省「教育基本法の施行について(通知)」(平成18年12月22日 18文科総第170号)、全国保育士養成協議会「試験日程・科目」(2026年10月16日確認)

2. 教育の思想と歴史(西洋の人物と日本の近代教育)

コメニウスからモンテッソーリまでの人物と、学制から戦後改革までの日本の教育の歩みを整理します。

教育原理では、教育の考え方を作った人物と、日本の近代教育の歩みがよく出題されます。人物は「名前・時代・代表的な著作や実践」をセットで覚えると、組合せ問題に強くなります。年は、出典で確かめられたものだけ載せています。

西洋の主な人物

人物と業績(年は出典による)
人物業績・著作
コメニウス(1592〜1670)モラヴィア(今のチェコ)生まれ。すべての子どもが学校で学ぶべきだと考えた。絵と文を組み合わせた『世界図絵』(1658年)は、子ども向けの最初の絵本とされる。
ロック(イギリス)人の心は生まれたとき白紙(タブラ・ラサ)で、知識は経験から得られると考えた。『教育に関する考察』(1693年)では、知識よりも人格の形成を重んじた。
ルソー(1712〜1778)『エミール』(1762年)は小説と教育論を組み合わせた形式。悪や誤りは子どもの本来の性質ではなく、外から持ち込まれると考え、発達の時期に合った教育を説いた。
ペスタロッチ(1746〜1827)スイスの教育者で、貧しい人々の教育に力を注いだ。『リーンハルトとゲルトルート』(1781〜87年)、『ゲルトルートはいかにしてその子を教えるか』(1801年)。1805年にイヴェルドンに学校を開いた。正確な観察を重んじた。
オーウェン(イギリス)1816年、スコットランドのニューラナークの工場に、イギリス最初の幼児学校を開いた。
フレーベル(1782〜1852)イヴェルドンでペスタロッチのもとで働いた。『人間の教育』(1826年)。1837年にブランケンブルクで幼児のための施設を開き、のちに「キンダーガルテン(子どもの庭)」と名づけた。遊びのための教具「恩物(おんぶつ)」を考えた。
ヘルバルト(1776〜1841)ドイツの哲学者・教育者。近代の科学的な教育学の創始者の一人とされる。段階を追って授業を進める考え方は、その後の授業の型に大きな影響を与えた。
エレン・ケイ(スウェーデン)『児童の世紀』(1900年)で、子どもを社会の大きな関心事にした。
デューイ(1859〜1952)アメリカの哲学者。1896年にシカゴ大学で実験学校を始めた。『学校と社会』(1899年)。なすことによって学ぶ(learning by doing)ことを重んじ、進歩主義教育の中心となった。
モンテッソーリ(1870〜1952)イタリア。1896年にローマ大学で女性として初めて医学の学位を得た。1907年、ローマのサン・ロレンツォ地区に3〜6歳の「子どもの家」を開いた。感覚を通して学ぶ教具を使う。

日本の教育の歩み

江戸時代には、庶民の子どもが読み・書きの初歩を学ぶ寺子屋(手習が中心)と、武士の子弟のための藩校(儒学が中心。幕末には洋学や武芸も)がありました。

1872年(明治5年)、学制が公布されました。学事奨励に関する被仰出書は「邑に不学の戸なく家に不学の人なからしめん」として、身分にかかわらずすべての人が学ぶことを目指しました。全国を8大学区、各大学区を32中学区、各中学区を210小学区に分ける計画で、学区制は主にフランスにならいました。1879年(明治12年)の教育令は、教育の権限を大きく地方に移しました。

1876年(明治9年)11月、東京女子師範学校附属幼稚園が開かれました。フレーベルの幼稚園を手本とし、首席保母は松野クララでした。1878年(明治11年)には、アメリカで学んだ高嶺秀夫がペスタロッチ主義の教育方法(開発主義)を持ち帰りました。

1885年(明治18年)、内閣制度ができ、森有礼が初代文部大臣になりました。1886年(明治19年)には小学校令・中学校令・帝国大学令・師範学校令が出されました。1890年(明治23年)10月30日には教育ニ関スル勅語(教育勅語)が出され、国民道徳の柱とされました。

戦後、1946年(昭和21年)3月に米国教育使節団が来日し、報告書で六・三制の義務制とその無月謝、男女共学などを勧告しました。1947年(昭和22年)3月に教育基本法(旧法)と学校教育法が作られ、今の学校制度の土台ができました。

用語

恩物
フレーベルが考えた遊びのための教具(英語で gifts)。球や積み木など。
子どもの家
モンテッソーリが1907年にローマで開いた3〜6歳の子どものための施設。
学制
1872年に公布された日本最初の近代的な学校制度。
教育勅語
1890年に出された、教育の基本方針と国民道徳を示した勅語。
米国教育使節団
1946年に来日し、六・三制や男女共学などを勧告した使節団。

例題

例題:「1837年に幼児のための施設を開き、恩物を考えた人物」と「1907年に子どもの家を開いた人物」をそれぞれ答えよ。
答えと考え方 前者はフレーベル、後者はモンテッソーリです。年と施設名をセットで覚えると、人物の取り違えを防げます。日本最初の幼稚園(1876年)が手本にしたのはフレーベルです。

根拠:文部科学省『学制百年史』「幕末期の教育」「学制の制定」「教育令・改正教育令と小学校の制度」「小学校教育の内容と方法」「幼稚園の創設」「森文相と諸学校令の公布」「明治憲法と教育勅語」「新教育の基本方針」、Encyclopaedia Britannica「The Visible World in Pictures」「Some Thoughts Concerning Education」「Émile」「Jean-Jacques Rousseau」「Friedrich Froebel」「Johann Friedrich Herbart」「The Century of the Child」「University of Chicago Laboratory Schools」「Children's House」、Britannica Students「John Comenius」「Johann Heinrich Pestalozzi」「Robert Owen」「John Dewey」「Maria Montessori」(2026年10月16日確認)

3. 教育実践と生涯学習(教育課程・評価・社会教育)

幼稚園教育要領と学習評価の基本、そして学校の外でも続く生涯学習と社会教育のしくみを学びます。

この講義では、教育が実際にどう計画され、評価されるのか(教育実践)と、学校を出たあとも続く生涯学習を学びます。

幼稚園教育要領と学習指導要領

学校の教育課程(どんな内容をどう教えるかの全体計画)の基準は、文部科学大臣が告示します。学校教育法施行規則第38条は、幼稚園の教育課程その他の保育内容は「文部科学大臣が別に公示する幼稚園教育要領によるもの」とし、第52条は、小学校は「小学校学習指導要領によるもの」とします。現在の幼稚園教育要領は2017年(平成29年)3月31日に告示され、2018年(平成30年)4月1日から施行されています(2026年10月時点)。改訂の予定や時期は、文部科学省の発表で確かめてください。

幼稚園教育要領は、幼稚園教育は「環境を通して行うものであることを基本とする」と述べ、①幼児の主体的な活動と幼児期にふさわしい生活、②遊びを通しての総合的な指導、③一人一人の発達の特性に応じた指導、を重視します。ねらいと内容は健康・人間関係・環境・言葉・表現の5領域で示されます。教育週数は、特別の事情がある場合を除き39週を下ってはならず(施行規則第37条)、1日の教育時間は4時間を標準とします。

育みたい資質・能力は、「知識及び技能の基礎」「思考力,判断力,表現力等の基礎」「学びに向かう力,人間性等」の3つです。さらに「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として10の姿が示されています。

幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(幼稚園教育要領 第1章第2の3)
番号姿
1健康な心と体
2自立心
3協同性
4道徳性・規範意識の芽生え
5社会生活との関わり
6思考力の芽生え
7自然との関わり・生命尊重
8数量や図形,標識や文字などへの関心・感覚
9言葉による伝え合い
10豊かな感性と表現

10の姿は、到達すべき目標や、一つずつ取り出して教えるものではありません。たとえば8は文字への「関心・感覚」であり、読み書きの習熟を求めるものではありません。

学習評価

評価には、学習指導要領の目標に照らしてその実現状況を見る目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)、学級や学年など集団の中での位置を示す集団に準拠した評価(相対評価)、一人一人のよい点や可能性、進歩の状況を見る個人内評価があります。評価の結果を授業の改善に生かすことを指導と評価の一体化といいます。2019年(平成31年)3月29日の文部科学省の通知で、観点別学習状況の評価の観点は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つに整理されました。

生涯学習と社会教育

1965年(昭和40年)のユネスコの会議で「生涯教育」の必要性が示されました。この考えを示した人物としてラングランが知られています(著書の邦訳『生涯教育入門』)。日本では、1981年(昭和56年)の中央教育審議会答申「生涯教育について」、1984〜1987年の臨時教育審議会による「生涯学習体系への移行」の提言、1990年(平成2年)の「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」(生涯学習振興法)を経て、2006年の教育基本法第3条に生涯学習の理念が置かれました。

社会教育法(1949年)は、社会教育を、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、「主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーシヨンの活動を含む。)」と定義します(第2条)。第9条は「図書館及び博物館は、社会教育のための機関とする。」と定め、第20条は公民館の目的を、市町村などの住民のために実際生活に即する教育・学術・文化の事業を行うことと定めます。

用語

教育課程
学校が教育の目的を実現するために、内容や時間を組み立てた全体計画。
5領域
幼稚園教育要領のねらいと内容のまとまり。健康・人間関係・環境・言葉・表現。
個人内評価
他の子どもとではなく、その子自身のよい点や進歩を見る評価。
生涯学習
生涯にわたって、あらゆる機会・場所で学ぶこと。教育基本法第3条に理念がある。
社会教育
学校の教育課程以外で、主に青少年と成人に対して行われる組織的な教育活動。

例題

例題:幼稚園教育要領が示す5領域をすべて答えよ。
答えと考え方 健康・人間関係・環境・言葉・表現です。「数量」「文字」は領域の名前ではありません(10の姿の8に「数量や図形,標識や文字などへの関心・感覚」として出てきます)。

根拠:文部科学省「幼稚園教育要領(平成29年告示)」、e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」第37・38・52条、文部科学省「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(平成31年3月29日)、中央教育審議会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(平成22年)、中央教育審議会 総則・評価特別部会「学習評価の在り方について 検討資料⑧」(令和8年3月30日)、文部科学省「生涯学習振興の経緯等について」、国立教育政策研究所「社会教育主事講習 講義レジュメ(令和5年度)」、「教育基本法」第3条、「社会教育法」第2・9・20条(2026年10月16日確認)

確認問題(25問)

五肢択一(「2つ選べ」などの問題は正解が複数)。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|教育基本法の目的

教育基本法第1条(教育の目的)の内容として、最も適切なものを一つ選びなさい。

  1. 教育は、国家の発展を目指し、産業社会に必要な知識と技能を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
  2. 教育は、個性の伸長を目指し、自ら学び考える力を備えた自立した個人の育成を期して行われなければならない。
  3. 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
  4. 教育は、社会への適応を目指し、変化の激しい社会を生き抜く資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
  5. 教育は、伝統と文化の継承を目指し、我が国と郷土を愛する態度を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
正解と解説
正解:C. 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

正解は「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」です。第1条は「人格の完成」を目指すと定めています。「国家の発展」「産業社会」、「個性の伸長」、「社会への適応」を挙げる選択肢は、第1条の言葉ではありません。「伝統と文化」「我が国と郷土を愛する」を挙げる選択肢は第2条第5号(教育の目標)の内容で、第1条の目的ではありません。

根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」第1条・第2条(2026年10月16日確認)

問2|生涯学習の理念

次の文は教育基本法第3条(生涯学習の理念)の一部である。(A)(B)に入る語句の組合せとして正しいものを一つ選びなさい。<br>「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、(A)、(B)学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。」

  1. A:あらゆる機会に B:あらゆる場所において
  2. A:学校教育の場で B:家庭や地域において
  3. A:自らの意思で B:必要な時期に
  4. A:あらゆる機会に B:学校及び社会教育施設において
  5. A:生涯の各段階で B:あらゆる場所において
正解と解説
正解:A. A:あらゆる機会に B:あらゆる場所において

正解は「A:あらゆる機会に B:あらゆる場所において」です。第3条は「あらゆる機会に、あらゆる場所において」学習できる社会をうたいます。Bを「家庭や地域において」「学校及び社会教育施設において」とする選択肢は、学ぶ場所を学校や施設などに限っており、条文の「あらゆる場所」と違います。「自らの意思で」「必要な時期に」「生涯の各段階で」という語句は条文にありません。

根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」第3条(2026年10月16日確認)

問3|家庭教育と幼児期の教育

教育基本法の家庭教育(第10条)と幼児期の教育(第11条)に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 子の教育について第一義的責任を有するのは、国及び地方公共団体であると定めている。
  2. 幼児期の教育は義務教育の一部であり、授業料を徴収しないと定めている。
  3. 家庭教育は保護者の自主性に任されるため、国や地方公共団体は関わらないと定めている。
  4. 幼児期の教育は、小学校の教科の基礎を前もって教えるためのものと定めている。
  5. 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものと定めている。
正解と解説
正解:E. 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものと定めている。

正解は「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものと定めている。」です(第11条)。「第一義的責任を有するのは国及び地方公共団体」とする選択肢:第一義的責任を有するのは「父母その他の保護者」です(第10条第1項)。「幼児期の教育は義務教育の一部」とする選択肢:義務教育は第5条の普通教育で、幼児期の教育は義務教育ではありません。「国や地方公共団体は関わらない」とする選択肢:第10条第2項は、国と地方公共団体に家庭教育を支援する施策を講じるよう努めることを求めています。「小学校の教科の基礎を前もって教える」とする選択肢:第11条にそのような定めはありません。

根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」第5条・第10条・第11条(2026年10月16日確認)

問4|2006年改正で新設された条文

2006年(平成18年)の教育基本法の全部改正で、旧法に対応する条文がなく新たに設けられた条として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 教育の機会均等(第4条)
  2. 生涯学習の理念(第3条)
  3. 宗教教育(第15条)
  4. 幼児期の教育(第11条)
  5. 政治教育(第14条)
正解と解説
正解:B・D(生涯学習の理念(第3条) / 幼児期の教育(第11条))

正解は「生涯学習の理念(第3条)」と「幼児期の教育(第11条)」です。文部科学省の通知は、第3条(生涯学習の理念)、第7条(大学)、第8条(私立学校)、第10条(家庭教育)、第11条(幼児期の教育)、第13条(連携協力)、第17条(教育振興基本計画)を新たな規定としています。教育の機会均等、宗教教育、政治教育は旧法にも同じ趣旨の条文がありました(改正で内容が加わった条もあります。第4条には障害のある人への支援を定めた第2項が、第15条には宗教に関する一般的な教養の尊重が加わりましたが、条そのものは旧法から引き継がれています)。

根拠:文部科学省「教育基本法の施行について(通知)」(平成18年12月22日)、e-Gov法令検索「教育基本法」(2026年10月16日確認)

問5|教育基本法の条文の正誤

次のア〜エのうち、教育基本法の内容として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組合せを一つ選びなさい。<br>ア すべて国民は、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。<br>イ 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。<br>ウ 法律に定める学校は、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが設置することができる。<br>エ 国及び地方公共団体が設置する学校は、宗教に関する一般的な教養についても教えてはならない。

  1. ア○ イ○ ウ× エ○
  2. ア○ イ○ ウ○ エ×
  3. ア○ イ× ウ○ エ×
  4. ア× イ○ ウ○ エ×
  5. ア○ イ× ウ× エ○
正解と解説
正解:B. ア○ イ○ ウ○ エ×

正解は「ア○ イ○ ウ○ エ×」です。ア(第4条第1項)、イ(第5条第4項)、ウ(第6条第1項)は条文どおりで○です。エは×です。第15条第1項は、宗教に関する寛容の態度や一般的な教養は「教育上尊重されなければならない」とし、第2項で禁じているのは「特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動」です。

根拠:e-Gov法令検索「教育基本法」第4条・第5条・第6条・第15条(2026年10月16日確認)

問6|日本国憲法第26条

日本国憲法第26条に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. すべて国民は、その能力にかかわらず、同じ内容の教育を受ける権利を有すると定めている。
  2. 義務教育を無償とすることに加えて、教科書と給食も無償とすることを明記している。
  3. 保護する子女に普通教育を受けさせる義務は、国と地方公共団体が負うと定めている。
  4. すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有すると定めている。
  5. 子ども本人が、法律の定めるところにより、普通教育を受ける義務を負うと定めている。
正解と解説
正解:D. すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有すると定めている。

正解は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有すると定めている。」で、第26条第1項の文言です。「同じ内容の教育を受ける権利」とする選択肢:条文は「能力に応じて、ひとしく」で、「同じ内容」ではありません。「教科書と給食も無償とすることを明記」とする選択肢:第2項は「義務教育は、これを無償とする」とだけ定め、教科書や給食は書かれていません。義務を負うのは「国と地方公共団体」「子ども本人」とする選択肢:普通教育を受けさせる義務を負うのは、子を保護する「国民」(保護者)です。

根拠:e-Gov法令検索「日本国憲法」第26条(2026年10月16日確認)

問7|学校教育法第1条の学校

学校教育法第1条に定める「学校」に含まれないものを一つ選びなさい。

  1. 幼稚園
  2. 義務教育学校
  3. 中等教育学校
  4. 高等専門学校
  5. 保育所
正解と解説
正解:E. 保育所

正解は「保育所」です。第1条の学校は、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校です。保育所は児童福祉法第7条に定める児童福祉施設であり、学校教育法の学校ではありません。ほかの4つはすべて第1条に含まれます。

根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」第1条、e-Gov法令検索「児童福祉法」第7条(2026年10月16日確認)

問8|学校教育法と幼稚園

学校教育法に定める幼稚園に関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、心身の発達を助長することを目的とする。
  2. 幼稚園に入園することのできる者は、満1歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児とする。
  3. 幼稚園は、保護者や地域住民などからの幼児期の教育に関する相談に応じ、情報の提供や助言を行うよう努める。
  4. 幼稚園の教育課程その他の保育内容に関する事項は、それぞれの都道府県知事が定める。
  5. 幼稚園には、園長、教頭及び保育士を置かなければならないと定められている。
正解と解説
正解:A・C(幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、心身の発達を助長することを目的とする。 / 幼稚園は、保護者や地域住民などからの幼児期の教育に関する相談に応じ、情報の提供や助言を行うよう努める。)

正解は「幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、心身の発達を助長することを目的とする。」(第22条)と「幼稚園は、保護者や地域住民などからの幼児期の教育に関する相談に応じ、情報の提供や助言を行うよう努める。」(第24条)です。「満1歳から」とする選択肢:入園できるのは「満三歳から」です(第26条)。「都道府県知事が定める」とする選択肢:保育内容に関する事項は「文部科学大臣が定める」とされています(第25条)。「園長、教頭及び保育士」とする選択肢:第27条第1項で置かなければならないのは園長、教頭及び「教諭」です。保育士は児童福祉法の資格です。

根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」第22条〜第27条(2026年10月16日確認)

問9|懲戒と体罰

学校教育法第11条に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 校長及び教員は、懲戒を加えることはできず、口頭で注意することだけが認められている。
  2. 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは懲戒を加えることができるが、体罰を加えることはできない。
  3. 校長及び教員は、保護者の同意があれば、教育上必要な範囲で体罰を加えることができる。
  4. 校長及び教員が懲戒を加えることができるのは、高等学校の生徒に対してだけである。
  5. 懲戒を加えることができるのは校長だけで、教員は校長の許可を得れば体罰を加えることができる。
正解と解説
正解:B. 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは懲戒を加えることができるが、体罰を加えることはできない。

正解は「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは懲戒を加えることができるが、体罰を加えることはできない。」です。第11条は、校長及び教員は教育上必要があると認めるときは、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる、ただし「体罰を加えることはできない」と定めています。「口頭で注意することだけ」「高等学校の生徒に対してだけ」とする選択肢は懲戒を不当に狭めています。「保護者の同意があれば」「校長の許可を得れば」体罰を加えられるとする選択肢は、どんな条件でも体罰は認められないので誤りです。

根拠:e-Gov法令検索「学校教育法」第11条(2026年10月16日確認)

問10|幼稚園教育要領の基本

幼稚園教育要領(平成29年告示)と関係する法令に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 幼稚園教育要領は、こども家庭庁長官が告示する保育内容の基準である。
  2. 幼稚園教育は、教科ごとに時間を区切った一斉授業で行うことを基本としている。
  3. 幼稚園の毎学年の教育週数は、特別の事情がある場合を除き、35週を下ってはならない。
  4. 幼稚園教育は、幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うものであることを基本としている。
  5. 幼稚園の1日の教育課程に係る教育時間は、6時間を標準としている。
正解と解説
正解:D. 幼稚園教育は、幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うものであることを基本としている。

正解は「幼稚園教育は、幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うものであることを基本としている。」です。「こども家庭庁長官が告示する」とする選択肢:幼稚園教育要領は文部科学大臣が公示します(学校教育法施行規則第38条)。「教科ごとに時間を区切った一斉授業」とする選択肢:要領は遊びを通しての総合的な指導を重視しています。「35週」とする選択肢:教育週数は39週を下ってはなりません(施行規則第37条)。「6時間を標準」とする選択肢:教育時間は4時間が標準です。

根拠:文部科学省「幼稚園教育要領(平成29年告示)」第1章、e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」第37条・第38条(2026年10月16日確認)

問11|コメニウス

コメニウスに関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 絵と文を組み合わせた教科書『世界図絵』(1658年)を著し、子ども向けの絵本の先駆けとされる。
  2. 小説の形式で書かれた『エミール』(1762年)で、子どもの本来の性質に沿った教育を説いた。
  3. 1837年にブランケンブルクで幼児のための施設を開き、のちに「キンダーガルテン」と名づけた。
  4. 1907年にローマの集合住宅の一角に「子どもの家」を開き、3〜6歳の子どもを受け入れた。
  5. 1816年にニューラナークの工場に幼児学校を開き、労働者の子どもの教育に取り組んだ。
正解と解説
正解:A. 絵と文を組み合わせた教科書『世界図絵』(1658年)を著し、子ども向けの絵本の先駆けとされる。

正解は『世界図絵』(1658年)を挙げた選択肢です。コメニウスの『世界図絵』は、絵とラテン語・母語の文を並べた本で、子ども向けの最初の絵本とされます。『エミール』はルソー、1837年のブランケンブルクの施設はフレーベル、1907年の「子どもの家」はモンテッソーリ、1816年のニューラナークの幼児学校はオーウェンの説明です。

根拠:Encyclopaedia Britannica「The Visible World in Pictures」「Émile」「Friedrich Froebel」「Children's House」、Britannica Students「Robert Owen」(2026年10月16日確認)

問12|ルソー『エミール』

ルソーの『エミール』に関する記述として、最も適切なものを一つ選びなさい。

  1. 人の心は生まれたときは白紙であり、知識はすべて経験から得られると論じた哲学の論文である。
  2. 事物の絵と、ラテン語と母語の文を並べて、子どもにものの名前を教える教科書である。
  3. 小説と教育論を組み合わせた形式で書かれ、悪や誤りは子どもの本来の性質ではなく外から持ち込まれると考えた。
  4. 学校を子どもの生活と結びつけるため、大学に附属した実験学校での実践をまとめた本である。
  5. 新しい世紀を子どもの世紀にすべきだと訴え、子どもと家庭のあり方を論じた本である。
正解と解説
正解:C. 小説と教育論を組み合わせた形式で書かれ、悪や誤りは子どもの本来の性質ではなく外から持ち込まれると考えた。

正解は「小説と教育論を組み合わせた形式で書かれ、悪や誤りは子どもの本来の性質ではなく外から持ち込まれると考えた。」です。『エミール』(1762年)は小説と教育論を組み合わせた形式で、悪や誤りは外の力によって持ち込まれると考えました。「心は生まれたときは白紙」とする選択肢はロックの白紙(タブラ・ラサ)説、「絵とラテン語・母語の文を並べた教科書」はコメニウスの『世界図絵』、「大学に附属した実験学校」はデューイの実験学校、「新しい世紀を子どもの世紀に」はエレン・ケイの『児童の世紀』に近い説明です。

根拠:Encyclopaedia Britannica「Émile」「Jean-Jacques Rousseau」「Some Thoughts Concerning Education」「The Visible World in Pictures」「The Century of the Child」(2026年10月16日確認)

問13|ペスタロッチ

ペスタロッチに関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. シカゴ大学に附属の実験学校を開き、子どもを中心とした教育方法を試して研究した。
  2. イギリスで工場を経営し、労働者の子どものためにイギリス最初の幼児学校を開いた。
  3. スウェーデンの思想家で、『児童の世紀』を著して子どもを社会の大きな関心事にした。
  4. ドイツで遊びと「恩物」を用いる幼児教育を考え、『人間の教育』を著した。
  5. スイスの教育者で、貧しい人々の教育に力を注ぎ、イヴェルドンの学校には欧州各地から生徒が集まった。
正解と解説
正解:E. スイスの教育者で、貧しい人々の教育に力を注ぎ、イヴェルドンの学校には欧州各地から生徒が集まった。

正解は「スイスの教育者で、貧しい人々の教育に力を注ぎ、イヴェルドンの学校には欧州各地から生徒が集まった。」です。ペスタロッチはスイスの教育者で、貧しい人々の教育を主張し、1805年にイヴェルドンに学校を開きました。著作に『ゲルトルートはいかにしてその子を教えるか』(1801年)があります。シカゴ大学の実験学校はデューイ、イギリス最初の幼児学校はオーウェン、『児童の世紀』はエレン・ケイ、恩物と『人間の教育』はフレーベルです。

根拠:Britannica Students「Johann Heinrich Pestalozzi」「Robert Owen」「John Dewey」、Encyclopaedia Britannica「The Century of the Child」「Friedrich Froebel」(2026年10月16日確認)

問14|フレーベル

フレーベルに関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. ペスタロッチとは関わりがなく、遊びは学習の妨げになると考えて、幼児に読み書きを教えた。
  2. イヴェルドンでペスタロッチのもとで働いた経験があり、1837年に幼児のための施設を開いた。
  3. 医師として障害のある子どもの教育に取り組み、その方法を一般の幼児の教育に応用した。
  4. 『大教授学』を書き、すべての子どもが学校で学ぶべきだと主張した17世紀の人物である。
  5. 『学校と社会』を著し、学校を子どもの生活と結びつける進歩主義教育を進めた。
正解と解説
正解:B. イヴェルドンでペスタロッチのもとで働いた経験があり、1837年に幼児のための施設を開いた。

正解は「イヴェルドンでペスタロッチのもとで働いた経験があり、1837年に幼児のための施設を開いた。」です。フレーベルはイヴェルドンでペスタロッチと共に働き、『人間の教育』(1826年)を著し、1837年にブランケンブルクで幼児のための施設を開いて「キンダーガルテン」と名づけました。遊びと恩物を重んじたので、「ペスタロッチとは関わりがなく、遊びは学習の妨げになると考えた」とする選択肢は誤りです。医師として障害のある子どもの教育に取り組んだのはモンテッソーリ、『大教授学』はコメニウス、『学校と社会』はデューイです。

根拠:Encyclopaedia Britannica「Friedrich Froebel」「Children's House」、Britannica Students「John Comenius」「John Dewey」(2026年10月16日確認)

問15|デューイ

デューイに関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 1907年にローマで「子どもの家」を開き、感覚を通して学ぶ教具を用いた。
  2. 1801年に『ゲルトルートはいかにしてその子を教えるか』を著した。
  3. 1693年に『教育に関する考察』を著し、知識よりも人格の形成を重んじた。
  4. 1896年にシカゴ大学で実験学校を始め、1899年に『学校と社会』を著した。
  5. 1658年に『世界図絵』を著し、絵を用いた教科書の先駆けとなった。
正解と解説
正解:D. 1896年にシカゴ大学で実験学校を始め、1899年に『学校と社会』を著した。

正解は「1896年にシカゴ大学で実験学校を始め、1899年に『学校と社会』を著した。」です。デューイはシカゴ大学で1896年に実験学校(のちのシカゴ大学実験学校)を始め、『学校と社会』(1899年)を著しました。なすことによって学ぶことを重んじ、進歩主義教育の中心となりました。「子どもの家」はモンテッソーリ、『ゲルトルートはいかにしてその子を教えるか』はペスタロッチ、『教育に関する考察』はロック、『世界図絵』はコメニウスです。

根拠:Encyclopaedia Britannica「University of Chicago Laboratory Schools」「Some Thoughts Concerning Education」「The Visible World in Pictures」「Children's House」、Britannica Students「John Dewey」「Johann Heinrich Pestalozzi」(2026年10月16日確認)

問16|モンテッソーリ

モンテッソーリに関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. ローマ大学で医学の学位を得た女性で、1907年にローマのサン・ロレンツォ地区に「子どもの家」を開いた。
  2. アメリカの哲学者で、プラグマティズムの創始者の一人として、なすことによって学ぶことを重んじた。
  3. ドイツの哲学者・教育者で、近代の科学的な教育学の創始者の一人とされる。
  4. スウェーデンの女性思想家で、1900年に『児童の世紀』を著した。
  5. モラヴィア出身で、三十年戦争のころポーランドに逃れて教育書を書いた。
正解と解説
正解:A. ローマ大学で医学の学位を得た女性で、1907年にローマのサン・ロレンツォ地区に「子どもの家」を開いた。

正解は「ローマ大学で医学の学位を得た女性で、1907年にローマのサン・ロレンツォ地区に『子どもの家』を開いた。」です。モンテッソーリは1896年にローマ大学で女性として初めて医学の学位を得て、1907年にローマのサン・ロレンツォ地区に3〜6歳の子どものための「子どもの家」を開きました。プラグマティズムの哲学者はデューイ、近代の科学的な教育学の創始者の一人はヘルバルト、『児童の世紀』の著者はエレン・ケイ、モラヴィア出身の人物はコメニウスです。

根拠:Encyclopaedia Britannica「Children's House」「Johann Friedrich Herbart」「The Century of the Child」、Britannica Students「Maria Montessori」「John Dewey」「John Comenius」(2026年10月16日確認)

問17|人物と著作・考えの組合せ

人物とその著作・考えの組合せとして、適切なものを2つ選びなさい。

  1. ロック ―『エミール』
  2. エレン・ケイ ―『人間の教育』
  3. ロック ― 人の心は生まれたとき白紙(タブラ・ラサ)である
  4. オーウェン ―『世界図絵』
  5. エレン・ケイ ―『児童の世紀』
正解と解説
正解:C・E(ロック ― 人の心は生まれたとき白紙(タブラ・ラサ)である / エレン・ケイ ―『児童の世紀』)

正解は「ロック ― 人の心は生まれたとき白紙(タブラ・ラサ)である」と「エレン・ケイ ―『児童の世紀』」です。ロックは心は生まれたとき白紙であり知識は経験から得られると考え、『教育に関する考察』(1693年)を著しました。エレン・ケイの著作は『児童の世紀』(1900年)です。『エミール』はルソー、『人間の教育』はフレーベル、『世界図絵』はコメニウスの著作です。オーウェンは1816年にニューラナークで幼児学校を開いた人物です。

根拠:Encyclopaedia Britannica「Some Thoughts Concerning Education」「The Century of the Child」「Émile」「Friedrich Froebel」「The Visible World in Pictures」、Britannica Students「Robert Owen」(2026年10月16日確認)

問18|寺子屋と藩校

江戸時代の寺子屋と藩校に関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 寺子屋は、庶民の子どもが読み・書きの初歩を学ぶ簡易な学校で、手習が学習の中心だった。
  2. 寺子屋は、幕府が全国に設置を命じた公立の学校で、師匠はすべて武士だった。
  3. 藩校は、庶民の子どものための学校で、読み・書き・そろばんだけを教えた。
  4. 藩校は、武士の子弟のための学校で、儒学を中心とし、幕末には洋学や武芸も取り入れた。
  5. 藩校は、明治以降も名前を変えずに残り、そのまま帝国大学になった。
正解と解説
正解:A・D(寺子屋は、庶民の子どもが読み・書きの初歩を学ぶ簡易な学校で、手習が学習の中心だった。 / 藩校は、武士の子弟のための学校で、儒学を中心とし、幕末には洋学や武芸も取り入れた。)

正解は「寺子屋は、庶民の子どもが読み・書きの初歩を学ぶ簡易な学校で、手習が学習の中心だった。」と「藩校は、武士の子弟のための学校で、儒学を中心とし、幕末には洋学や武芸も取り入れた。」です。「寺子屋は幕府が設置を命じた公立の学校」とする選択肢:寺子屋は私設の教育機関で、師匠の身分は平民が最も多かったとされます。「藩校は庶民の子どものための学校」とする選択肢:藩校は武士の子弟のための学校で、漢学(特に儒学)が中心でした。「そのまま帝国大学になった」とする選択肢:藩校は廃藩置県後に廃止され、学制後の中等・高等の学校の母体になりました。

根拠:文部科学省『学制百年史』「幕末期の教育」(2026年10月16日確認)

問19|学制

1872年(明治5年)の「学制」に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 森有礼文部大臣のもとで出され、小学校令・中学校令・帝国大学令・師範学校令の4つからなる。
  2. 教育の権限を大幅に地方に移し、地方による教育の管理を基本とする制度として出された。
  3. 「邑に不学の戸なく家に不学の人なからしめん」として、すべての人が学ぶことを目指した。
  4. 戦後の教育改革で出され、六・三制の義務教育と男女共学を定めた。
  5. 国民道徳の柱として出され、教育の基本方針を勅語の形で示した。
正解と解説
正解:C. 「邑に不学の戸なく家に不学の人なからしめん」として、すべての人が学ぶことを目指した。

正解は「『邑に不学の戸なく家に不学の人なからしめん』として、すべての人が学ぶことを目指した。」です。学制とともに出された被仰出書は、身分にかかわらずすべての人が学ぶことを目指しました。森有礼文部大臣と4つの学校令の選択肢は1886年(明治19年)の諸学校令、権限を地方に移したとする選択肢は1879年(明治12年)の教育令、六・三制と男女共学の選択肢は戦後の改革、勅語の形で示したとする選択肢は1890年(明治23年)の教育勅語の説明です。

根拠:文部科学省『学制百年史』「学制の制定」「教育令・改正教育令と小学校の制度」「森文相と諸学校令の公布」「明治憲法と教育勅語」(2026年10月16日確認)

問20|日本最初の幼稚園

1876年(明治9年)に開かれた東京女子師範学校附属幼稚園に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. モンテッソーリの「子どもの家」を手本とし、感覚を通して学ぶ教具を中心に保育を行った。
  2. デューイの実験学校を手本とし、作業を中心とする保育を行った。
  3. 寺子屋の伝統を受け継ぎ、手習を中心とする保育を行った。
  4. ルソーの『エミール』を手本とし、家庭での個別の教育を中心とした。
  5. フレーベルの幼稚園を手本とし、首席保母は松野クララであった。
正解と解説
正解:E. フレーベルの幼稚園を手本とし、首席保母は松野クララであった。

正解は「フレーベルの幼稚園を手本とし、首席保母は松野クララであった。」です。学制百年史は、フレーベルの幼稚園を模範とする保育を始めたと記し、首席保母に松野クララの名をあげています。モンテッソーリの子どもの家(1907年)とデューイのシカゴ大学の実験学校(1896年)は、この幼稚園より後にできたものです。寺子屋の伝統や『エミール』を手本にしたとする選択肢も記録と合いません。

根拠:文部科学省『学制百年史』「幼稚園の創設」、Encyclopaedia Britannica「Children's House」「University of Chicago Laboratory Schools」(2026年10月16日確認)

問21|日本の教育史の年代順

次のア〜エの出来事を古い順に並べたものとして、正しいものを一つ選びなさい。<br>ア 教育ニ関スル勅語(教育勅語)が出される<br>イ 学制が公布される<br>ウ 教育基本法(旧法)と学校教育法が制定される<br>エ 小学校令などの諸学校令が公布される

  1. イ→ア→エ→ウ
  2. イ→エ→ア→ウ
  3. エ→イ→ア→ウ
  4. イ→エ→ウ→ア
  5. ア→イ→エ→ウ
正解と解説
正解:B. イ→エ→ア→ウ

正解は「イ→エ→ア→ウ」です。学制は1872年(明治5年)、小学校令などの諸学校令は1886年(明治19年)、教育勅語は1890年(明治23年)、教育基本法(旧法)と学校教育法は1947年(昭和22年)です。

根拠:文部科学省『学制百年史』「学制の制定」「森文相と諸学校令の公布」「明治憲法と教育勅語」「新教育の基本方針」、e-Gov法令検索「学校教育法」(2026年10月16日確認)

問22|戦後の教育改革

第二次世界大戦後の教育改革に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 1946年に来日した米国教育使節団は、義務教育を4年に短くすることを勧告した。
  2. 1947年の教育基本法(旧法)には、男女共学についての条文はなかった。
  3. 学校教育法は、1890年に教育勅語と同じ年に公布された。
  4. 米国教育使節団の報告書は、六・三制の義務制とその無月謝、男女共学などを勧告した。
  5. 教育刷新委員会は、戦前の1930年代に内閣に設けられた審議機関である。
正解と解説
正解:D. 米国教育使節団の報告書は、六・三制の義務制とその無月謝、男女共学などを勧告した。

正解は「米国教育使節団の報告書は、六・三制の義務制とその無月謝、男女共学などを勧告した。」です。「義務教育を4年に短くする」とする選択肢:使節団は六・三の義務制を勧告しました。「男女共学についての条文はなかった」とする選択肢:旧法第5条に男女共学の条文があり、2006年の改正で置かれなくなりました。「1890年に公布」とする選択肢:学校教育法は1947年(昭和22年)の公布です。「戦前の1930年代に設けられた」とする選択肢:教育刷新委員会は1946年(昭和21年)8月に内閣に設けられました。

根拠:文部科学省『学制百年史』「新教育の基本方針」、文部科学省「教育基本法の施行について(通知)」、e-Gov法令検索「学校教育法」(2026年10月16日確認)

問23|幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

幼稚園教育要領(平成29年告示)に示された「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に含まれないものを一つ選びなさい。

  1. 文字の読み書きの習熟
  2. 協同性
  3. 道徳性・規範意識の芽生え
  4. 自然との関わり・生命尊重
  5. 言葉による伝え合い
正解と解説
正解:A. 文字の読み書きの習熟

正解は「文字の読み書きの習熟」です。10の姿は、健康な心と体、自立心、協同性、道徳性・規範意識の芽生え、社会生活との関わり、思考力の芽生え、自然との関わり・生命尊重、数量や図形,標識や文字などへの関心・感覚、言葉による伝え合い、豊かな感性と表現です。文字については「関心・感覚」であり、読み書きの習熟は含まれません。「協同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「言葉による伝え合い」はすべて10の姿に含まれます。

根拠:文部科学省「幼稚園教育要領(平成29年告示)」第1章第2の3(2026年10月16日確認)

問24|学習評価

学習評価に関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 2019年(平成31年)の文部科学省の通知では、観点別学習状況の評価の観点を「関心・意欲・態度」を含む4観点とした。
  2. 学習指導要領の目標に照らして実現状況を見る評価は、目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)と呼ばれる。
  3. 学級や学年など集団の中での相対的な位置を示す評価は、個人内評価と呼ばれる。
  4. 個人内評価は、一人一人のよい点や進歩を見るのではなく、他の子どもとの比較に用いる評価である。
  5. 2019年(平成31年)の文部科学省の通知では、観点を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つとした。
正解と解説
正解:B・E(学習指導要領の目標に照らして実現状況を見る評価は、目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)と呼ばれる。 / 2019年(平成31年)の文部科学省の通知では、観点を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つとした。)

正解は「学習指導要領の目標に照らして実現状況を見る評価は、目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)と呼ばれる。」と「2019年(平成31年)の文部科学省の通知では、観点を『知識・技能』『思考・判断・表現』『主体的に学習に取り組む態度』の3つとした。」です。「関心・意欲・態度」を含む4観点とする選択肢:2019年の通知の観点は3つで、「関心・意欲・態度」は以前の観点名です。「集団の中での相対的な位置を示す評価は個人内評価」とする選択肢:集団の中での位置を示すのは集団に準拠した評価(相対評価)です。「個人内評価は他の子どもとの比較に用いる」とする選択肢:個人内評価は、観点別評価などでは示しきれない一人一人のよい点や可能性、進歩の状況を見る評価です。

根拠:文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(平成31年3月29日)、中央教育審議会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(2026年10月16日確認)

問25|生涯学習と社会教育

生涯学習と社会教育に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 社会教育法は、社会教育を、学校の教育課程として行われる教育活動のことと定義している。
  2. 社会教育法は、図書館と博物館を、学校教育を補うための学校の附属機関と定めている。
  3. 1965年(昭和40年)のユネスコの会議で「生涯教育」の必要性が示され、ラングランがその考えを示した人物として知られる。
  4. 臨時教育審議会は、2006年(平成18年)の答申で初めて「生涯学習体系への移行」を提言した。
  5. 生涯学習の理念は、1947年制定の教育基本法(旧法)の第3条にすでに定められていた。
正解と解説
正解:C. 1965年(昭和40年)のユネスコの会議で「生涯教育」の必要性が示され、ラングランがその考えを示した人物として知られる。

正解は「1965年(昭和40年)のユネスコの会議で『生涯教育』の必要性が示され、ラングランがその考えを示した人物として知られる。」です。「学校の教育課程として行われる教育活動」とする選択肢:社会教育法第2条は、学校の教育課程として行われる教育活動を除いたうえで、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動を社会教育としています。「図書館と博物館を学校の附属機関」とする選択肢:第9条は「図書館及び博物館は、社会教育のための機関とする」と定めています。「2006年の答申で初めて」とする選択肢:臨時教育審議会は1984〜1987年に置かれ、4次にわたる答申で生涯学習体系への移行を提言しました。「旧法の第3条にすでに定められていた」とする選択肢:生涯学習の理念(第3条)は2006年の改正で新たに置かれました。

根拠:文部科学省「生涯学習振興の経緯等について」、国立教育政策研究所「社会教育主事講習 講義レジュメ(令和5年度)」、e-Gov法令検索「社会教育法」第2条・第9条、文部科学省「教育基本法の施行について(通知)」(2026年10月16日確認)

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。試験の日程・出題範囲・合格基準は、必ず全国保育士養成協議会の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。保健・栄養の内容は国のガイドラインに基づく学習用の説明で、医療上の助言ではありません。