保育士試験 CHILDCARE WORKER EXAM
保育原理②(子育て支援・歴史・現状)
講義 3 本・確認問題 20 問 | 保育原理(本試験 20問) | 最終更新 2026-10-16
この章で学ぶこと- 保育所保育指針第4章「子育て支援」の3つの柱と、保護者の気持ちを受け止め自己決定を尊重する支援の基本を理解します。
- 利用している保護者への個別の支援、育児不安や虐待が疑われるときの対応、地域に開かれた子育て支援の考え方を確認します。
- 欧米の先駆者(オーエン、フレーベルなど)と、日本の幼稚園・託児施設・保育所の歩みを年代順に整理します。
- 2026年4月時点の待機児童の特徴と、配置基準の改善、無償化、こども誰でも通園制度などの制度の動きを知ります。
1. 保育所の子育て支援(保育所保育指針 第4章)
保育所の子育て支援は、通っている子どもの保護者だけでなく、地域の家庭にも向けられています。保育所保育指針の第4章と児童福祉法の規定を、場面に当てはめて読めるようにします。
保育所の仕事は、子どもを保育することだけではありません。児童福祉法第18条の4は、保育士を「児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導」を行う専門職と定めています。つまり、保護者への支援も保育士の本来の仕事です。この考え方を具体的に示しているのが、保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号、2018年4月適用。2026年10月時点の現行版)の第4章「子育て支援」です。
2017年の改定で、それまでの「保護者に対する支援」という章の名前が「子育て支援」に改められ、記載内容の整理と充実が図られました(保育所保育指針解説 序章)。解説は、その背景として、特別な配慮が必要な家庭への支援や児童虐待への対応の重要性が増したこと、地域の様々な社会資源との連携・協働が求められていることを挙げています。第4章のはじめには、子育て支援は「全ての子どもの健やかな育ち」を実現するために、子どもの育ちを家庭と連携して支え、保護者や地域が持っている子育てを自ら実践する力の向上につながるように行う、という趣旨が書かれています。
保育所保育指針 第4章「子育て支援」の構成| 項目 | 主な内容 |
| 1 保育所における子育て支援に関する基本的事項 | (1) 保育所の特性を生かした子育て支援(保護者の気持ちを受け止める・自己決定の尊重・保育所の特性を生かす) (2) 子育て支援に関して留意すべき事項(関係機関との連携・協働、プライバシーの保護と秘密保持) |
| 2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援 | (1) 保護者との相互理解 (2) 保護者の状況に配慮した個別の支援 (3) 不適切な養育等が疑われる家庭への支援 |
| 3 地域の保護者等に対する子育て支援 | (1) 地域に開かれた子育て支援 (2) 地域の関係機関等との連携 |
基本的事項:受け止める・信頼関係・自己決定
指針は、支援を行うときは「保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること」と書いています。保育士が正しいと思う方法を押しつけるのではなく、保護者の思いを聞き、選ぶのは保護者自身、という姿勢です。また、保育の知識や技術といった保育士等の専門性や、子どもが常に存在する環境など保育所の特性を生かし、保護者が子どもの成長に気付き、子育ての喜びを感じられるように努める、とされています。
留意事項として、地域の関係機関等と連携・協働し、保育所全体で支援の体制をつくること、そして「子どもの利益に反しない限りにおいて」保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た秘密を守ることが挙げられています。秘密保持には、子どもの利益を守るための例外があることに注意しましょう。
保育所を利用している保護者への支援
毎日の送迎や連絡帳など、日常の保育に関連したさまざまな機会を使って、子どもの様子を伝え合い、保育の意図を説明して、相互理解を図ります。保護者が保育の活動に積極的に参加することは、保護者が子育てを自ら実践する力の向上につながるので、参加を促すこととされています。
個別の支援では、病児保育事業など多様な事業を行うときも、保護者の状況に配慮しつつ子どもの福祉が尊重されるよう努め、子どもの生活の連続性を考えること、障害や発達上の課題が見られる子どもの保護者には市町村や関係機関と連携しながら個別の支援を行うこと、外国籍家庭など特別な配慮が必要な家庭にも状況に応じて個別の支援を行うことが書かれています。保護者に育児不安などが見られるときは、保護者の希望に応じて個別の支援を行います。一方、虐待が疑われるときは、速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切に対応します。
地域の保護者等への支援
児童福祉法第48条の4は、保育所に、地域の住民へ保育に関する情報を提供すること、そして保育に支障がない限りで乳児・幼児等の保育に関する相談に応じ助言するよう努めることを求めています。指針もこれを受けて、「その行う保育に支障がない限りにおいて」、地域の実情や保育所の体制を踏まえ、保育所保育の専門性を生かした子育て支援を積極的に行うよう努めるとしています。地域の子どもの一時預かり事業などを行うときは、一人一人の心身の状態を考え、日常の保育との関連に配慮して柔軟に活動を展開します。また、地域の要保護児童への対応などでは、要保護児童対策地域協議会など関係機関と連携・協力するよう努めます。
地域の子育て支援には、児童福祉法第6条の3に定められた事業もあります。たとえば地域子育て支援拠点事業は、乳児・幼児とその保護者が交流する場所を開き、子育ての相談・情報提供・助言などを行う事業です。一時預かり事業は、家庭で保育を受けることが一時的に難しい乳児・幼児を、主に昼間に一時的に預かる事業です。ほかに、病児保育事業、子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター)などがあります。
用語
- 自己決定の尊重
- 支援する側が答えを決めず、保護者が自分で考えて選ぶことを大切にすること。
- 子どもの生活の連続性
- 家庭と保育所、日々の生活が途切れずにつながるよう配慮すること。延長や病児の保育など多様な事業の場面で求められる。
- 要保護児童対策地域協議会
- 虐待を受けている子どもなどへの支援のため、市町村などの関係機関が情報を共有し協力する仕組み。
- 地域子育て支援拠点事業
- 親子が交流する場を開き、子育ての相談や情報提供を行う事業(児童福祉法第6条の3第6項)。
- 一時預かり事業
- 家庭での保育が一時的に難しい乳児・幼児を、主に昼間に預かる事業(同第7項)。
例題
例題:保育所の地域の子育て支援は、保育所の通常の保育より優先して行うべきものか。
答えと考え方 優先するものではありません。児童福祉法第48条の4も保育所保育指針も、地域の相談・助言や子育て支援を「その行う保育に支障がない限りにおいて」行うよう努める、としています。まず通っている子どもの保育を守り、そのうえで専門性を生かして地域を支える、という順序です。
根拠:こども家庭庁「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号、第4章)、こども家庭庁「保育所保育指針解説」(序章)、e-Gov法令検索「児童福祉法」(第6条の3、第18条の4、第48条の4)(2026-10-16確認)
2. 保育の思想と歴史
保育所や幼稚園は、どのような考えから、どのような人々によって始まったのでしょうか。欧米の先駆者と、日本の幼稚園・保育所の歩みを年代順に整理します。
保育原理では、保育の思想と歴史が毎回のように出題されます。人物の名前だけでなく、「誰が・どこで・何をしたか」の組合せで覚えることが大切です。人物の思想そのものは教育原理でも学ぶので、この講義では保育の施設がどう生まれたか、という流れを中心に見ます。
欧米の先駆者
働く親の子どもや貧しい家庭の子どもを昼間預かる施設は、18世紀後半から19世紀にヨーロッパで生まれました。事典では、フランス(アルザス地方)のオーベルランが1779年に貧しい家庭の幼児を昼間保護する施設を始めたことが、その最初の例としてよく挙げられます。イギリスのオーエンは、1816年にスコットランドのニュー・ラナークの工場に性格形成学院を設け、そこに幼児のための学校も置きました。人の性格は環境によってつくられる、という考えにもとづくものです。フランスではマルボーが1844年にパリで、工場で働く人の子どもを預かる施設を始めました。
スイスのペスタロッチ(1746〜1827)は、1798年にシュタンツで戦乱のため親を失った子どもたちの世話と教育にあたりました。『隠者の夕暮』(1780年)などを著し、直観を認識の基礎とし、「生活が陶冶する」(生活そのものが人を育てる)と述べたことで知られます。ドイツのフレーベル(1782〜1852)は、ブランケンブルクに幼児の施設を開き、1840年にこれを「幼稚園(Kindergarten)」と名づけました。遊びを重んじ、神からの贈り物という意味の恩物(Gabe)という遊具を考案し、『人間の教育』(1826年)を著しました。イタリアのモンテッソーリ(1870〜1952)は医師で、20世紀のはじめにローマの「子どもの家」で子どもの自発的な活動を大切にする教育を行い、感覚教育のための教具を考案しました。
日本の幼稚園と保育施設の始まり
日本の保育・幼児教育の主なできごと| 年 | できごと |
| 1876(明治9) | 東京女子師範学校附属幼稚園が開園。フレーベル式で、ドイツ出身の松野クララが首席保母 |
| 1882(明治15) | 文部省が、貧しい労働者などの子どもも受け入れる「簡易幼稚園」の設置を勧める |
| 1890(明治23) | 赤沢鍾美・仲子夫妻が新潟静修学校で、生徒が連れてきた幼い子どもを別室で預かる(日本で最も古い託児施設とされる) |
| 1899(明治32) | 幼稚園保育及設備規程。保育項目は遊戯・唱歌・談話・手技 |
| 1900(明治33) | 野口幽香・森島美根が、貧しい家庭の子どものために二葉幼稚園を開く |
| 1926(大正15) | 幼稚園令。保育項目に「観察」が加わり「等」が付く。特別な事情があれば3歳未満も入園可 |
| 1947(昭和22) | 学校教育法で幼稚園が学校に、児童福祉法で保育所が児童福祉施設に位置づけられる |
| 1948(昭和23) | 文部省が「保育要領」を刊行(幼稚園と保育所に共通する保育内容の基準) |
| 1965(昭和40) | 保育所保育指針が作られる(その後1990・1999・2008・2017年に改訂・改定) |
最初の幼稚園に通ったのは、主に上流家庭の子どもでした。そこで文部省は1882年、父母が子育てをする暇のない貧しい家庭の子どもも受け入れる簡易な幼稚園を勧めます。明治の中ごろからは、紡績工場や炭鉱に働く人のための託児施設もつくられました。二葉幼稚園はのちに東京の四谷鮫河橋に移り、大正期には乳児も預かる分園もでき、徳永恕がその運営に力を尽くしました。
大正から昭和にかけて活躍したのが倉橋惣三(1882〜1955)です。東京女子高等師範学校の教授で、附属幼稚園の主事を務め、明治期に形式的になっていたフレーベル主義を改めて、子どもの生活を本位とする保育を説きました。子どもの生活や興味に沿った主題で活動をまとめていく「誘導保育」の考えは、『幼稚園保育法真諦』(1934年)にまとめられています。戦後は日本保育学会の初代会長を務めました。
戦後、保育所は児童福祉法によって児童福祉施設となり、「保母」の名称は1999年に「保育士」に改められました。保育所保育指針は2008年の改定で厚生労働大臣の告示となり、守るべき基準としての性格が明確になりました(指針の性格は保育原理①で学びます)。
用語
- 恩物
- フレーベルが考案した遊具。ドイツ語Gabe(贈り物)の訳で、神からの贈り物という意味。
- 性格形成学院
- オーエンが1816年にニュー・ラナークの工場に設けた教育施設。幼児の学校も置かれた。
- 簡易幼稚園
- 1882年に文部省が勧めた、貧しい家庭の子どもも受け入れる簡素な幼稚園。
- 誘導保育
- 倉橋惣三が説いた、子どもの生活や興味に沿った主題を中心に活動を系統づける保育。
- 保育要領
- 1948年に文部省が出した、幼稚園と保育所に共通する保育内容の基準。
例題
例題:1926年の幼稚園令で、それまでの保育項目に新しく加えられたものは何か。
答えと考え方 「観察」です。1899年の幼稚園保育及設備規程では、保育項目は遊戯・唱歌・談話・手技の4つでした。幼稚園令ではこれに観察を加え、さらに「等」を付けて、園が内容を工夫できる余地を広げました。
根拠:文部科学省 学制百年史「幼稚園の創設」・同「幼稚園の整備」・同「幼稚園令の制定」・同「新しい幼稚園制度の充実」、文部科学省 湯川嘉津美「幼稚園と小学校の連携・接続をめぐる歴史的考察」(中央教育審議会 幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議 資料、2010年)、国立国会図書館 レファレンス協同データベース「新宿で発足した『二葉幼稚園』について分かる資料はあるか。」、こども家庭庁「過去の保育所保育指針」、コトバンク(日本大百科全書〔ニッポニカ〕・改訂新版 世界大百科事典ほか)「保育所」「フレーベル」「ペスタロッチ」「モンテッソリ」「倉橋惣三」(2026-10-16確認)。人物の年号は事典によって1〜2年違うことがあるため、事典の記述が一致するものだけを書いています。
3. 保育の現状と課題(待機児童・制度の動き)
待機児童はどこまで減り、今どんな課題があるのでしょうか。2026年4月1日時点の統計と、配置基準の改善、こども誰でも通園制度、無償化などの制度の動きを確認します。
保育原理の「現状と課題」では、待機児童などの統計と、近年の制度の動きが問われます。数字は毎年変わるので、何年何月時点の数字かを必ず確かめましょう。本試験は、その年の4月1日時点の法令などにもとづいて出題されます。この講義の数字と制度は2026年10月時点で確認したものです。
待機児童の推移と特徴
こども家庭庁の「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」によると、2026年4月1日の待機児童数は2,435人で、前の年(2,254人)より181人増えました。待機児童が最も多かったのは2017年の26,081人で、その後は減り続けてきましたが、2026年は久しぶりに増えました。それでも、2017年の10分の1以下です。
待機児童の状況(2026年4月1日、こども家庭庁)| 項目 | 数字 |
| 待機児童数 | 2,435人(前年より181人増) |
| うち1・2歳児 | 2,117人(86.9%) |
| うち3歳以上児 | 98人(4.0%) |
| 都市部(7都府県・指定都市・中核市)の割合 | 75.5% |
| 待機児童のいる市区町村 | 189(いない市区町村は1,552で89.1%) |
| 保育所等の定員充足率 | 87.7%(前年より0.7ポイント低下) |
待機児童は1・2歳児に集中し、都市部に多いのが特徴です。なお、待機児童数には数え方の決まりがあり、たとえばほかに利用できる保育所等があるのに特定の保育所等だけを希望している場合や、育児休業中の保護者の場合(復職の意思が確認できる場合を除く)などは待機児童数に含めず、別に数を示しています。一方で、全国では保育所等の定員に空きが出てきています。過疎地域では定員充足率が72.7%まで下がっており、こども家庭庁は、人口減少に合わせた施設の統合・縮小や多機能化を検討する必要があるとしています。「量を増やす」時代から、地域ごとに「質を高め、あり方を見直す」時代に移りつつあります。
制度の主な動き
子ども・子育て支援新制度(2015年開始)では、認定こども園・幼稚園・保育所を通じた共通の「施設型給付」と、小規模保育などへの「地域型保育給付」、地域の実情に応じた「地域子ども・子育て支援事業」が設けられました。児童福祉法では、家庭的保育事業(利用定員5人以下)、小規模保育事業(利用定員6人以上19人以下)、居宅訪問型保育事業(子どもの家で保育)、事業所内保育事業(会社などが従業員の子どものために設ける)が定められ、主に満3歳未満の子どもが対象です。
幼児教育・保育の無償化(2019年10月開始)では、幼稚園・保育所・認定こども園等を利用する3歳から5歳までのすべての子どもの利用料と、住民税非課税世帯の0歳から2歳の子どもの利用料が無償になりました。ただし、通園送迎費・食材料費・行事費などは保護者の負担です。幼稚園は月2.57万円まで、認可外保育施設は保育の必要性の認定を受けた場合に上限つきで対象になります。
職員配置基準の改善:2024年度に「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」が改正され、保育士1人あたりの子どもの数が、3歳児は20人から15人へ、4・5歳児は30人から25人へ改められました。4・5歳児の改善は、制度ができてから76年ぶりです(経過措置として、4・5歳児は当分の間、3歳児は2027年度末まで、改正前の基準で運営することもできます)。1歳児は基準(6人に1人)は変わらず、2025年度から5人に1人の配置をした施設への加算で改善を進めています。
こども誰でも通園制度(乳児等通園支援事業)は、2026年4月1日から全国で始まった給付です。対象は0歳6か月から満3歳未満で保育所等に通っていない子どもで、保護者の就労を問わず、月一定時間(2026年度は1人月10時間が上限。2026・2027年度は経過措置として、市町村が3時間以上10時間未満で定めることもできます)まで時間単位などで利用できます。すべての子どもの育ちを応援し、子育て家庭を支えることがねらいです。
用語
- 待機児童
- 保育所等に申し込んでいるが利用できていない子どものうち、国の決まりに沿って数えたもの。ほかに利用できる園があるのに特定の園だけを希望している場合などは含めない。
- 定員充足率
- 保育所等の利用定員に対して、実際に利用している子どもの割合。
- 地域型保育
- 小規模保育・家庭的保育・居宅訪問型保育・事業所内保育の4つ。主に3歳未満児が対象。
- 配置基準
- 子どもの年齢ごとに、保育士1人あたり何人までの子どもを保育できるかを定めた最低基準。
- 乳児等通園支援事業
- こども誰でも通園制度の法律上の名前。就労要件なしで、月一定時間まで保育所等を利用できる。
例題
例題:2026年4月1日時点で、待機児童が最も多い年齢区分はどれか。
答えと考え方 1・2歳児です。2,435人のうち2,117人(86.9%)が1・2歳児で、0歳児は220人(9.0%)、3歳以上児は98人(4.0%)でした。保育所等の定員全体には空きが出てきていても、年齢や地域によっては足りない、という点が今の課題です。
根拠:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」・同 本文PDF、こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」、e-Gov法令検索「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(第33条)、e-Gov法令検索「児童福祉法」(第6条の3)、こども家庭庁「「こども誰でも通園制度」について~基礎資料集~(2026年4月1日改定)」、こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」・「子ども・子育て支援制度」、コトバンク(日本大百科全書)「保育所」(2026-10-16確認)
確認問題(20問)
五肢択一(「2つ選べ」などの問題は正解が複数)。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|第4章の構成
保育所保育指針(2017年告示)の第4章「子育て支援」の構成として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 章名は「保護者に対する支援」で、保育所を利用している保護者だけを対象にしている
- 基本的事項、保育所を利用している保護者への支援、地域の保護者等への支援の3つで構成される
- 保育所を利用している保護者への支援だけを定め、地域への支援は児童福祉法に任せている
- 地域の保護者等への支援だけを定め、利用している保護者への支援は第2章で定めている
- 子育て支援は保育士の業務ではないとして、施設長が行う業務として定めている
正解と解説
正解:B. 基本的事項、保育所を利用している保護者への支援、地域の保護者等への支援の3つで構成される第4章は「1 保育所における子育て支援に関する基本的事項」「2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援」「3 地域の保護者等に対する子育て支援」の3つで構成されています。「保護者に対する支援」は2017年改定前の章名で、改定で「子育て支援」に改められ、記載内容の整理と充実が図られました。第4章は地域への支援も定めており、利用している保護者への支援も第4章の中にあります。保育士は児童福祉法上、保護者に対する保育に関する指導も行う専門職なので、施設長だけの業務でもありません。
根拠:こども家庭庁「保育所保育指針」(第4章)、こども家庭庁「保育所保育指針解説」(序章)(2026-10-16確認)
問2|自己決定の尊重
保護者から「夜泣きが続いて困っている」と相談を受けた。保育所保育指針第4章の考え方に沿った保育士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 保育士が最善と考える方法を1つ決め、その通りに実行するよう保護者に指示する
- 家庭の問題なので、保育所では相談には応じられないと伝える
- 同じ悩みをもつ別の保護者の名前を出し、その家庭のやり方を詳しく紹介する
- 話は聞くが、子育ては家庭の責任なので、具体的な助言は控えると伝える
- 保護者の気持ちを受け止め、いくつかの方法を伝えたうえで、保護者自身が選べるようにする
正解と解説
正解:E. 保護者の気持ちを受け止め、いくつかの方法を伝えたうえで、保護者自身が選べるようにする指針は、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重するよう求めています。方法を1つに決めて指示するのは自己決定の尊重に反します。保育所は保育の専門性を生かして保護者を支援する役割があり、相談を断ったり助言を控えたりするのは適切ではありません。別の家庭の名前や様子を伝えるのは、知り得た秘密の保持に反します。
根拠:こども家庭庁「保育所保育指針」(第4章)(1(1)ア・イ、1(2)イ)(2026-10-16確認)
問3|育児不安と虐待の疑い
保育所保育指針第4章で示されている対応の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 育児不安が見られる:保護者の希望に応じて個別の支援/虐待が疑われる:速やかに市町村又は児童相談所に通告
- 育児不安が見られる:直ちに児童相談所に通告/虐待が疑われる:保護者の希望に応じて個別の支援
- 育児不安が見られる:保育所では対応しない/虐待が疑われる:確かな証拠が得られるまで様子を見る
- 育児不安が見られる:保護者に知らせず専門機関に連絡/虐待が疑われる:保護者と話し合って通告を決める
- 育児不安が見られる:保護者の希望に応じて個別の支援/虐待が疑われる:保護者の同意を得てから通告
正解と解説
正解:A. 育児不安が見られる:保護者の希望に応じて個別の支援/虐待が疑われる:速やかに市町村又は児童相談所に通告指針は、保護者に育児不安等が見られる場合は「保護者の希望に応じて個別の支援」を行うよう努め、虐待が疑われる場合は「速やかに市町村又は児童相談所に通告」するとしています。育児不安だけで直ちに通告したり、保護者に知らせず連絡したりするのは、希望に応じた支援という考え方と合いません。虐待の疑いでは、証拠がそろうのを待つ、保護者と話し合って決める、保護者の同意を待つ、といった対応は「速やか」な通告になりません。
根拠:こども家庭庁「保育所保育指針」(第4章)(2(3)ア・イ)(2026-10-16確認)
問4|子育て支援の基本的事項
保育所保育指針第4章「1 保育所における子育て支援に関する基本的事項」の内容として、適切なものを2つ選びなさい。
- 保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重する
- 保育所の方針を保護者に理解させ、家庭での育て方をそれに合わせるよう指導する
- 保護者や子どものプライバシーは、どのような場合も例外なく関係機関に伝えない
- 保育士等の専門性や、子どもが常に存在する環境など、保育所の特性を生かす
- 子育て支援は担任保育士個人の判断で行い、地域の関係機関とは連携しない
正解と解説
正解:A・D(保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重する / 保育士等の専門性や、子どもが常に存在する環境など、保育所の特性を生かす)基本的事項では、保護者の気持ちを受け止め、信頼関係を基本に自己決定を尊重すること、保育士等の専門性や子どもが常に存在する環境など保育所の特性を生かし、保護者が子育ての喜びを感じられるよう努めることが示されています。家庭の育て方を保育所の方針に合わせさせるのは自己決定の尊重に反します。秘密保持は「子どもの利益に反しない限りにおいて」とされ、虐待が疑われるときの通告など例外があります。また、地域の関係機関等と連携・協働し、保育所全体の体制をつくるよう求めています。
根拠:こども家庭庁「保育所保育指針」(第4章)(1(1)・(2))(2026-10-16確認)
問5|地域に開かれた子育て支援
保育所保育指針第4章の「地域の保護者等に対する子育て支援」の記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 地域の子育て支援は、保育所の通常の保育よりも優先して行わなければならない
- 一時預かり事業は、日常の保育と切り離し、在園児と関わらない形で行う
- 保育に支障がない限りで、地域の実情等を踏まえ、専門性を生かした支援を積極的に行うよう努める
- 地域の要保護児童への対応は児童相談所の仕事なので、保育所は関わらない
- 地域の子育て支援の対象は、翌年度に入所を予定している家庭に限られる
正解と解説
正解:C. 保育に支障がない限りで、地域の実情等を踏まえ、専門性を生かした支援を積極的に行うよう努める指針は、児童福祉法第48条の4にもとづき、「その行う保育に支障がない限りにおいて」、地域の実情や保育所の体制等を踏まえ、保育所保育の専門性を生かした子育て支援を積極的に行うよう努めるとしています。通常の保育より優先するものではありません。一時預かり事業などでは、日常の保育との関連に配慮し、柔軟に活動を展開するとされています。地域の要保護児童への対応では、要保護児童対策地域協議会など関係機関と連携・協力するよう努めます。対象を入所予定の家庭に限る規定はありません。
根拠:こども家庭庁「保育所保育指針」(第4章)(3(1)・(2))、e-Gov法令検索「児童福祉法」(第48条の4)(2026-10-16確認)
問6|地域子育て支援拠点事業
児童福祉法で「乳児又は幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業」と定められている事業として、正しいものを1つ選びなさい。
- 一時預かり事業
- 病児保育事業
- 子育て援助活動支援事業
- 地域子育て支援拠点事業
- 乳児等通園支援事業
正解と解説
正解:D. 地域子育て支援拠点事業この定義は児童福祉法第6条の3第6項の地域子育て支援拠点事業です。一時預かり事業は、家庭での保育が一時的に難しい乳児・幼児を主に昼間に預かる事業です。病児保育事業は、病気の子どもを保育所や病院などで保育する事業です。子育て援助活動支援事業は、援助を受けたい人と行いたい人をつなぐ事業(ファミリー・サポート・センター)です。乳児等通園支援事業は、保育所等に通っていない満3歳未満の子どもに遊びと生活の場を与える事業(こども誰でも通園制度)です。
根拠:e-Gov法令検索「児童福祉法」(第6条の3第6項・第7項・第13項・第14項・第23項)(2026-10-16確認)
問7|利用している保護者への支援
保育所保育指針第4章「2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援」の内容として、適切なものを2つ選びなさい。
- 保護者が保育の活動に参加すると負担になるので、参加はなるべく求めないようにする
- 日常の保育に関連した機会を活用し、子どもの様子の伝達や保育の意図の説明で相互理解を図る
- 病児保育事業などを行うときは保護者の就労を最優先し、子どもの生活の連続性は考えない
- 外国籍家庭に個別の対応をすると不公平になるので、他の家庭と全く同じ対応にとどめる
- 子どもに障害や発達上の課題が見られるときは、関係機関と連携しつつ保護者を個別に支援する
正解と解説
正解:B・E(日常の保育に関連した機会を活用し、子どもの様子の伝達や保育の意図の説明で相互理解を図る / 子どもに障害や発達上の課題が見られるときは、関係機関と連携しつつ保護者を個別に支援する)指針は、日常の保育に関連したさまざまな機会を活用し、子どもの日々の様子の伝達や収集、保育の意図の説明などを通じて相互理解を図ること、障害や発達上の課題が見られる場合は市町村や関係機関と連携・協力しつつ保護者に個別の支援を行うことを示しています。保護者の積極的な参加は、子育てを自ら実践する力の向上に役立つので、促すこととされています。病児保育事業などでは、子どもの福祉が尊重されるよう努め、子どもの生活の連続性を考慮します。外国籍家庭など特別な配慮が必要な家庭には、状況に応じて個別の支援を行うよう努めます。
根拠:こども家庭庁「保育所保育指針」(第4章)(2(1)・(2))(2026-10-16確認)
問8|保育施設の源流
欧米の保育施設の歴史に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- オーベルランは、19世紀半ばのパリで、工場で働く人の子どもを預かる施設を始めた
- マルボーは、18世紀後半のアルザス地方で、貧しい家庭の幼児を昼間保護する施設を始めた
- オーエンは、ドイツのブランケンブルクで幼児の施設を開き、「幼稚園」と名づけた
- フレーベルは、ニュー・ラナークの工場に性格形成学院を設け、幼児の学校を置いた
- オーエンは、1816年にニュー・ラナークの工場に性格形成学院を設け、幼児の学校も置いた
正解と解説
正解:E. オーエンは、1816年にニュー・ラナークの工場に性格形成学院を設け、幼児の学校も置いたオーエンは1816年、ニュー・ラナークの工場に性格形成学院を設け、幼児の学校も置きました。オーベルランは18世紀後半(1779年)にフランスのアルザス地方で貧しい家庭の幼児を昼間保護する施設を始めた人で、19世紀半ばのパリで工場で働く人の子どもを預かる施設を始めたのはマルボー(1844年)です。「オーベルランは19世紀半ばのパリで」「マルボーは18世紀後半のアルザス地方で」とする選択肢は、2人を入れ替えています。ブランケンブルクで施設を開き「幼稚園」と名づけたのはフレーベルで、性格形成学院はオーエンです。
根拠:コトバンク(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)「保育所」、コトバンク「フレーベル」(2026-10-16確認)
問9|人物と業績
人物とその業績の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ペスタロッチ ― 恩物を考案し、1840年に自分の施設を「幼稚園」と名づけた
- フレーベル ― 『人間の教育』を著し、遊びを重んじて恩物を考案した
- モンテッソーリ ― シュタンツで戦乱により親を失った子どもを教え、『隠者の夕暮』を著した
- ペスタロッチ ― 医師として、ローマの「子どもの家」で感覚教育の教具を考案した
- モンテッソーリ ― ニュー・ラナークの工場に性格形成学院を設け、幼児の学校を置いた
正解と解説
正解:B. フレーベル ― 『人間の教育』を著し、遊びを重んじて恩物を考案したフレーベルは『人間の教育』(1826年)を著し、遊びを重んじ、神からの贈り物という意味の恩物を考案して、1840年に自分の施設を「幼稚園」と名づけました。「ペスタロッチ ― 恩物を考案し、1840年に自分の施設を『幼稚園』と名づけた」とする選択肢はペスタロッチの名を挙げていますが、内容はフレーベルの業績です。シュタンツで子どもたちを教え『隠者の夕暮』を著したのはペスタロッチです。医師としてローマの「子どもの家」で感覚教育の教具を考案したのはモンテッソーリです。性格形成学院を設けたのはオーエンです。
根拠:コトバンク(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典ほか)「フレーベル」「ペスタロッチ」「モンテッソリ」「保育所」(2026-10-16確認)
問10|簡易幼稚園
1882(明治15)年に文部省が設置を勧めた「簡易幼稚園」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 父母が子育てをする暇のない、貧しい労働者などの家庭の子どもも受け入れることをめざした
- 上流家庭の子どもに限って、フレーベル式の本格的な保育を行うことをめざした
- 工場の中に設け、女性工員の乳児だけを専門に預かることをめざした
- 医師を必ず置き、3歳未満の病気がちな子どもを中心に保育することをめざした
- 小学校の中に置き、就学前の子どもに読み書きや計算を教えることをめざした
正解と解説
正解:A. 父母が子育てをする暇のない、貧しい労働者などの家庭の子どもも受け入れることをめざした1876年に開園した東京女子師範学校附属幼稚園の子どもは主に上流家庭の子どもでした。文部省は1882年、貧しい労働者などで父母が養育する暇のない家庭の子どもも受け入れる、簡易な幼稚園の設置を勧めました。上流家庭に限るのは逆の内容です。工場の託児施設はこれとは別に明治の中ごろから民間でつくられたもので、医師を置くことや3歳未満児中心という規定もありません。文部省は1884年、学齢前の子どもを小学校に通わせることをやめ、幼稚園の方法で保育するよう求めています。
根拠:文部科学省 学制百年史「幼稚園の創設」、コトバンク「保育所」(2026-10-16確認)
問11|明治期の保育施設
明治期に始まった保育施設について、適切なものを2つ選びなさい。
- 二葉幼稚園は、1876年に東京女子師範学校の附属として開かれ、上流家庭の子が通った
- 赤沢鍾美・仲子夫妻は、東京の紡績工場に女性工員のための託児所を設けた
- 赤沢鍾美・仲子夫妻は、新潟静修学校で、生徒が連れてきた幼い子どもを別室で預かった
- 野口幽香と森島美根は、貧しい家庭の子どもにも幼稚園教育を届けようと二葉幼稚園を開いた
- 倉橋惣三は、明治の初めに新潟で、日本で最も古いとされる託児施設を開いた
正解と解説
正解:C・D(赤沢鍾美・仲子夫妻は、新潟静修学校で、生徒が連れてきた幼い子どもを別室で預かった / 野口幽香と森島美根は、貧しい家庭の子どもにも幼稚園教育を届けようと二葉幼稚園を開いた)赤沢鍾美・仲子夫妻は1890年、新潟静修学校で、生徒が授業を受けられるよう、連れてきた幼い子どもを別室で預かりました。日本で最も古い託児施設とされます。野口幽香と森島美根は1900年、貧しい家庭の子どもにも幼稚園教育を届けたいと二葉幼稚園を開きました。1876年に開かれたのは東京女子師範学校附属幼稚園で、二葉幼稚園ではありません。赤沢夫妻の施設は新潟の学校で、東京の工場ではありません。倉橋惣三は大正・昭和期に東京女子高等師範学校附属幼稚園で活躍した人です。
根拠:コトバンク(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)「保育所」、国立国会図書館 レファレンス協同データベース「新宿で発足した『二葉幼稚園』について分かる資料はあるか。」、文部科学省 学制百年史「幼稚園の創設」、コトバンク「倉橋惣三」(2026-10-16確認)
問12|倉橋惣三
倉橋惣三についての説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 明治の初めに来日し、附属幼稚園の首席保母としてフレーベル式の保育を伝えた
- 医師として感覚教育の教具を考案し、日本各地に「子どもの家」を広げた
- 附属幼稚園の主事として形式化したフレーベル主義を改め、生活を本位とする保育を説いた
- 貧しい家庭の子どものために四谷に幼稚園を移し、乳児も預かる分園を運営した
- 戦後に厚生省で保育所保育指針を初めて作り、幼稚園と保育所を一つの施設に統合した
正解と解説
問13|幼稚園令の保育項目
1926(大正15)年の幼稚園令で、それまでの保育項目(遊戯・唱歌・談話・手技)に新しく加えられたものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 読み方
- 書き方
- 体操
- 恩物
- 観察
正解と解説
正解:E. 観察1899年の幼稚園保育及設備規程では、保育項目は遊戯・唱歌・談話・手技の4つでした。1926年の幼稚園令(幼稚園に関する初めての独立した勅令)は、これに「観察」を加え、さらに「等」を付けて「遊戯、唱歌、観察、談話、手技等」とし、保育内容の自由度を高めました。読み方・書き方は小学校の内容で、保育項目には入っていません。体操も幼稚園令で加えられた項目ではありません。恩物はフレーベルが考案した遊具で、幼稚園令で加えられた保育項目ではありません。
根拠:文部科学省 同「幼稚園の整備」・同「幼稚園令の制定」・学制百年史「幼稚園の創設」(2026-10-16確認)
問14|戦後の制度
1947〜1948年の保育・幼児教育の制度についての記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 学校教育法で、保育所が学校の1つとして位置づけられた
- 児童福祉法で、保育所が児童福祉施設として位置づけられた
- 保育要領が、保育所だけに向けた保育内容の基準として出された
- 幼稚園令の改正で、幼稚園と保育所が1つの施設に統合された
- 厚生省から保育所保育指針が初めて示された
正解と解説
問15|待機児童の特徴
こども家庭庁の「保育所等関連状況取りまとめ」による2026年4月1日時点の待機児童の状況として、適切なものを2つ選びなさい。
- 待機児童のうち1・2歳児が8割以上を占めている
- 待機児童のうち3歳以上児が6割以上を占めている
- 待機児童の約4分の3が、7都府県・指定都市・中核市の都市部にいる
- 待機児童数は2017年から毎年増え続け、2026年に過去最多となった
- 待機児童のいる市区町村は、全国の市区町村の半数を超えている
正解と解説
正解:A・C(待機児童のうち1・2歳児が8割以上を占めている / 待機児童の約4分の3が、7都府県・指定都市・中核市の都市部にいる)2026年4月1日の待機児童2,435人のうち、1・2歳児は2,117人(86.9%)で、3歳以上児は98人(4.0%)でした。都市部(7都府県・指定都市・中核市)の割合は75.5%で、約4分の3です。待機児童数が最も多かったのは2017年の26,081人で、その後は減り続け、2026年は前年より181人増えたものの、2017年の10分の1以下です。待機児童のいる市区町村は189で、いない市区町村が1,552(89.1%)を占めます。
根拠:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」・同 本文PDF(2026-10-16確認)
問16|待機児童の数え方
待機児童数の数え方についての説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 保育所等に申し込んで入れなかった子どもは、理由を問わずすべて待機児童数に含める
- 保育所等に申し込んでいなくても、0〜2歳であれば待機児童数に含める
- 育児休業中の保護者の子どもは、復職の意思にかかわらずすべて待機児童数に含める
- 特定の保育所等だけを希望している場合などは待機児童数に含めず、別に数を示している
- 待機児童数は、3歳以上の子どもだけを対象として数えている
正解と解説
正解:D. 特定の保育所等だけを希望している場合などは待機児童数に含めず、別に数を示しているこども家庭庁のとりまとめでは、ほかに利用できる保育所等があるのに特定の保育所等のみを希望している場合、育児休業中の場合(復職の意思が確認できる場合を除く)、求職活動を休止している場合、地方単独の保育施策を利用している場合は待機児童数に含めず、それぞれの人数を別に示しています。そのため、入れなかった子どもがすべて待機児童になるわけではありません。申し込みをしていない子どもは数えません。育児休業中でも、復職の意思が確認できれば待機児童数に含まれます。待機児童は0歳から数えており、むしろ1・2歳児に多くいます。
根拠:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」・同 本文PDF(2026-10-16確認)
問17|配置基準の改善
2024年度の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の改正による保育士の配置基準の変更として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 0歳児を3人に1人から2人に1人へ改め、1・2歳児は据え置いた
- 1・2歳児を6人に1人から5人に1人へ改め、3歳児は据え置いた
- 3歳児を20人から15人に1人へ、4・5歳児を30人から25人に1人へ改めた
- 3歳児は据え置き、4・5歳児を30人に1人から20人に1人へ改めた
- 0歳児は据え置き、3歳児を15人に1人から20人に1人へ改めた
正解と解説
正解:C. 3歳児を20人から15人に1人へ、4・5歳児を30人から25人に1人へ改めた2024年度の改正で、3歳児は20人に1人から15人に1人へ、4・5歳児は30人に1人から25人に1人へ改められました。4・5歳児の改善は制度ができてから76年ぶりです(経過措置として、4・5歳児は当分の間、3歳児は2027年度末まで、改正前の基準で運営することもできます)。現行の第33条第2項は、乳児おおむね3人に1人以上、満1歳以上満3歳未満おおむね6人に1人以上、満3歳以上満4歳未満おおむね15人に1人以上、満4歳以上おおむね25人に1人以上です。0歳児の基準は変わっていません。1歳児の5人に1人は基準の改正ではなく、2025年度からの加算で進められています。4・5歳児は25人で、20人ではありません。3歳児を20人に戻したわけではありません。
根拠:e-Gov法令検索「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(第33条第2項)、こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」(2026-10-16確認)
問18|こども誰でも通園制度
こども誰でも通園制度(乳児等通園支援事業)の2026年度の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 0歳6か月〜満3歳未満で保育所等に通っていない子が、就労を問わず月一定時間まで使える
- 3歳から5歳の子どもが、保護者の就労を条件として、時間の上限なく毎日利用できる
- 保育所に通っている子どもが、休日や夜間に追加の保育として利用できる
- 0歳から小学校就学前までのすべての子どもが、保護者の就労を条件に利用できる
- 2026年度は一部の市町村だけで試行し、全国での実施時期は決まっていない
正解と解説
正解:A. 0歳6か月〜満3歳未満で保育所等に通っていない子が、就労を問わず月一定時間まで使えるこども誰でも通園制度は、2026年4月1日から全国で一斉に始まった給付です。対象は0歳6か月から満3歳未満で保育所等に通っていない子どもで、就労要件を問わず、時間単位などで柔軟に利用できます。2026年度の利用可能時間の上限は1人月10時間です(2026・2027年度は、市町村が3時間以上10時間未満で定めることもできます)。3〜5歳児や、保育所に通っている子どもは対象ではありません。保護者の就労は条件になっていません。
根拠:こども家庭庁「「こども誰でも通園制度」について~基礎資料集~(2026年4月1日改定)」、e-Gov法令検索「児童福祉法」(第6条の3第23項)(2026-10-16確認)
問19|小規模保育と家庭的保育
児童福祉法に定める事業と、その利用定員の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 家庭的保育事業 ― 6人以上19人以下
- 小規模保育事業 ― 6人以上19人以下
- 家庭的保育事業 ― 20人以上
- 小規模保育事業 ― 5人以下
- 居宅訪問型保育事業 ― 6人以上19人以下
正解と解説
正解:B. 小規模保育事業 ― 6人以上19人以下児童福祉法第6条の3では、小規模保育事業は利用定員6人以上19人以下、家庭的保育事業は利用定員5人以下と定められています。「家庭的保育事業 ― 6人以上19人以下」と「小規模保育事業 ― 5人以下」は、2つの事業の定員を入れ替えたものです。20人以上は保育所の規模で、家庭的保育事業ではありません。居宅訪問型保育事業は子どもの家で保育を行う事業で、条文に6〜19人という定員の定めはありません。これらの事業は主に満3歳未満の子どもを対象としています。
根拠:e-Gov法令検索「児童福祉法」(第6条の3第9項〜第12項)(2026-10-16確認)
問20|幼児教育・保育の無償化
2019年10月に始まった幼児教育・保育の無償化についての説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 0歳から5歳までのすべての子どもの保育所の利用料が、世帯の所得にかかわらず無償になった
- 3歳から5歳の子どもについて、通園送迎費や給食の食材料費も含めてすべて無償になった
- 幼稚園は対象外とされ、保育所と認定こども園の利用料だけが無償になった
- 認可外保育施設は、保育の必要性の認定がなくても、上限なく無償になった
- 3〜5歳は幼稚園・保育所・認定こども園等の利用料が、0〜2歳は住民税非課税世帯が対象となった
正解と解説
正解:E. 3〜5歳は幼稚園・保育所・認定こども園等の利用料が、0〜2歳は住民税非課税世帯が対象となった無償化では、幼稚園・保育所・認定こども園等を利用する3歳から5歳までのすべての子どもの利用料と、住民税非課税世帯の0歳から2歳の子どもの利用料が無償になりました。0〜2歳はすべての世帯ではありません。通園送迎費・食材料費・行事費などは保護者の負担です。幼稚園も対象で、月2.57万円までが無償です。認可外保育施設は、保育の必要性の認定を受けた場合に、3〜5歳は月3.7万円まで、0〜2歳の住民税非課税世帯は月4.2万円までが対象です。
根拠:こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」・「子ども・子育て支援制度」(2026-10-16確認)
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※ 解説は学習用の情報提供です。試験の日程・出題範囲・合格基準は、必ず全国保育士養成協議会の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。保健・栄養の内容は国のガイドラインに基づく学習用の説明で、医療上の助言ではありません。