仮の宿 学習室

医療情報技師 HEALTHCARE INFORMATION TECHNOLOGIST

医学・医療総論と社会保障

講義 4 本・確認問題 30 問 | 本試験では「医学・医療系」(50問)の一部 | 最終更新 2026-09-24

この章で学ぶこと
目次
  1. 医療倫理と患者の権利
  2. 健康の概念と医療政策
  3. 社会保障制度と医療保険・介護保険
  4. 診療報酬と医療提供体制
  5. 確認問題(30問)
  6. 演習ツール

1. 医療倫理と患者の権利

医の倫理の歴史的変遷と、患者が参画する医療の考え方を学ぶ。

医の倫理の出発点は古代ギリシャに由来する「ヒポクラテスの誓い」で、患者への献身や守秘義務など医師の職業倫理を示した。世界医師会(WMA)は1948年、これを現代の言葉で表した「ジュネーブ宣言」を採択した。

1964年の「ヘルシンキ宣言」は人を対象とする医学研究の倫理原則を定め、被験者へのインフォームドコンセントの取得や、倫理審査委員会(IRB)による研究計画の事前審査を求めている。1981年の「リスボン宣言」は、良質の医療を受ける権利、選択の自由、自己決定権など患者の権利を明示した。

現代の医療は、患者が参画する医療へと変化している。インフォームドコンセントは、十分な説明を受け理解したうえで患者自身が自らの意思で同意することであり、医療法にも医療者が適切な説明を行い理解を得るよう努める旨が規定されている。診断や治療方針について主治医以外の医師に意見を求めるセカンドオピニオンも広く行われている。リビングウィルやターミナルケアにおける意思決定も患者の自己決定権に関わる重要なテーマである。

医の倫理に関する主な宣言
宣言採択主な内容
ヒポクラテスの誓い古代ギリシャ医師の職業倫理の原点(患者への献身・守秘義務など)
ジュネーブ宣言1948年・世界医師会ヒポクラテスの誓いを現代化した医師の倫理規範
ヘルシンキ宣言1964年・世界医師会人を対象とする医学研究の倫理原則
リスボン宣言1981年・世界医師会患者の権利(良質の医療を受ける権利・自己決定権など)

用語

ヒポクラテスの誓い
古代ギリシャの医師ヒポクラテスに由来するとされる医師の職業倫理の宣誓文。患者の利益を第一とすること、守秘義務、生命の尊重などを含み、現代に続く医の倫理の原点とされる。
ジュネーブ宣言
1948年に世界医師会(WMA)が採択した医師の倫理規範。ヒポクラテスの誓いを現代の言葉で表したものとされ、患者の健康を第一に考えることや守秘義務などを宣誓の形で示している。
ヘルシンキ宣言
1964年に世界医師会が採択した、人を対象とする医学研究の倫理原則。被験者の福利の優先、インフォームドコンセントの取得、倫理審査委員会による研究計画の審査などを求めている。
リスボン宣言
1981年に世界医師会が採択した患者の権利に関する宣言。良質の医療を受ける権利、選択の自由、自己決定権、情報を得る権利、機密保持、尊厳への権利などを掲げている。
IRB
Institutional Review Board。施設内の倫理審査委員会・治験審査委員会のこと。研究対象者の人権と安全を守るため、研究計画の倫理的・科学的妥当性を実施前に審査する。
インフォームドコンセント
医療者から病状や治療の内容・危険性・代替手段などについて十分な説明を受け、患者が理解したうえで自らの意思で同意すること。医療法にも説明と理解を得る努力義務が規定されている。
セカンドオピニオン
診断や治療方針について、主治医以外の医師に意見を求めること。患者が納得して治療法を選択するために行われ、一般に公的医療保険の適用外(自由診療)で提供される。

例題

例題:人を対象とする医学研究の倫理原則を定めた世界医師会の宣言はどれか。
答えと考え方 ヘルシンキ宣言。被験者のインフォームドコンセントや倫理審査委員会(IRB)による審査を求めている。

出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.2.1(医の倫理の変遷), SBO 1.2.3(患者が参画する医療)

2. 健康の概念と医療政策

健康の定義、予防医学、健康日本21、地域包括ケアシステムなど医療政策の基本を学ぶ。

WHO憲章は健康を「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または虚弱が存在しないことではない」と定義している。

予防医学は三段階に分けられる。一次予防は健康増進や予防接種など発症そのものの予防、二次予防は健診などによる早期発見・早期治療、三次予防はリハビリテーションなどによる機能回復・再発防止である。特定健診(特定健康診査)はメタボリックシンドロームに着目した健診で、40〜74歳を対象に医療保険者が実施する。

健康日本21は21世紀における国民健康づくり運動で、健康増進法を法的基盤とし、生活習慣病の一次予防や健康寿命の延伸を重視する。2024年度からは第三次の運動が進められている。

少子高齢化による医療需要の増加と多様化に対応するため、病院の機能分化と連携が進められている。地域包括ケアシステムは、医療・介護・予防・住まい・生活支援を日常生活圏域で一体的に提供する体制である。病床機能報告制度では、一般病床・療養病床を有する病院等が病棟単位の病床機能を高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4区分で都道府県知事に報告し、地域医療構想(地域医療計画)の基礎資料となる。

病床機能報告制度の4つの病床機能
病床機能内容
高度急性期急性期の患者に対し、診療密度が特に高い医療を提供する
急性期急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けた医療を提供する
回復期急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する
慢性期長期にわたり療養が必要な患者を入院させる

用語

健康日本21
21世紀における国民健康づくり運動。健康増進法を法的基盤とし、生活習慣病の一次予防や健康寿命の延伸を重視する。2024年度からは第三次の運動が進められている。
予防医学
疾病の発生や進行を防ぐための医学。健康増進や予防接種による一次予防、健診等による早期発見・早期治療の二次予防、リハビリテーション等による機能回復・再発防止の三次予防に分けられる。
特定健診
特定健康診査。メタボリックシンドロームに着目した健診で、高齢者医療確保法に基づき40〜74歳の被保険者・被扶養者を対象に医療保険者が実施する。結果に応じて特定保健指導が行われる。
地域包括ケアシステム
高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を日常生活圏域で一体的に提供する体制。市町村等が地域の特性に応じて構築する。
病床機能報告制度
一般病床・療養病床を有する病院等が、病棟単位の病床機能を高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4区分で都道府県知事に毎年報告する制度。地域医療構想の基礎資料となる。
生活習慣病
食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が発症や進行に関与する疾患の総称。糖尿病、高血圧症、脂質異常症、がんなどが含まれ、一次予防が重視される。

例題

例題:病床機能報告制度で報告する4つの病床機能は何か。
答えと考え方 高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分。都道府県知事に報告する。

出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.1.1(健康の定義と医療政策), SBO 1.1.3(医療需要への対応), SBO 2.3.3(健康維持増進)

3. 社会保障制度と医療保険・介護保険

社会保障の全体像と、国民皆保険を支える医療保険制度、介護保険制度の仕組みを学ぶ。

日本の社会保障制度は、社会保険、公的扶助(生活保護)、社会福祉、公衆衛生の4部門で構成される。社会保険には医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類がある。

日本では1961年に国民皆保険が達成され、すべての国民がいずれかの公的医療保険に加入する。医療保険は、被用者保険(協会けんぽ・組合健保・共済組合・船員保険)、国民健康保険(地域保険)、後期高齢者医療制度に大別される。保険を運営する主体を保険者、加入者を被保険者という。日本の医療保険は、受診する医療機関を自由に選べるフリーアクセスと、医療サービスそのものを給付する現物給付を特徴とする。

後期高齢者医療制度は、高齢者医療確保法に基づき、75歳以上の者と65歳以上で一定の障害の状態にある者を被保険者とする制度で、都道府県単位の後期高齢者医療広域連合が運営する。窓口負担は原則1割(一定以上所得2割・現役並み所得3割)である。

介護保険の保険者は市町村・特別区で、第1号被保険者は65歳以上の者、第2号被保険者は40〜64歳の医療保険加入者である。給付を受けるには市町村による要介護認定(要支援1〜2・要介護1〜5)が必要で、ケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプランを作成してサービス利用を調整する。介護保険は地域包括ケアシステムの中核をなす制度である。

医療保険制度の分類
区分制度保険者主な対象
被用者保険健康保険(協会けんぽ)全国健康保険協会主に中小企業の従業員
被用者保険健康保険(組合健保)健康保険組合主に大企業の従業員
被用者保険共済組合各共済組合公務員・私立学校教職員
地域保険国民健康保険都道府県・市町村(国保組合もある)自営業者・無職者など
高齢者医療後期高齢者医療制度後期高齢者医療広域連合75歳以上の者など

用語

国民皆保険制度
すべての国民がいずれかの公的医療保険に加入する仕組み。日本では1961年に達成された。保険料と公費を主な財源とし、フリーアクセスと現物給付を特徴とする。
保険者
医療保険事業を運営する主体。保険料を徴収し、保険給付を行う。全国健康保険協会、健康保険組合、市町村(国民健康保険では都道府県とともに)などが該当する。
被保険者
保険に加入して保険料を納め、疾病等の際に保険給付を受ける本人のこと。被用者保険では、被保険者に扶養される家族は被扶養者として給付の対象になる。
後期高齢者医療制度
75歳以上の者と65歳以上で一定の障害の状態にある者を被保険者とする医療制度。高齢者医療確保法に基づき、都道府県単位の後期高齢者医療広域連合が運営する。
公的扶助
生活に困窮する国民に対し、国が最低限度の生活を保障する制度。日本では生活保護制度がこれに当たり、医療扶助により医療の給付も行われる。社会保障4部門の一つである。
要介護認定
介護保険の給付を受けるために必要な認定。市町村の介護認定審査会の審査判定に基づき保険者である市町村が行い、要支援1〜2・要介護1〜5に区分される。
ケアマネジャー
介護支援専門員。要介護者等からの相談に応じ、心身の状況に応じた介護サービスが利用できるようケアプラン(介護サービス計画)を作成し、事業者や市町村との連絡調整を行う。

例題

例題:介護保険の保険者はどこか。
答えと考え方 市町村および特別区。第1号被保険者は65歳以上、第2号被保険者は40〜64歳の医療保険加入者である。

出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.1(日本の社会保障制度), SBO 2.1.3(医療保険制度), SBO 2.1.8(高齢者医療確保法), SBO 2.1.10(介護保険法)

4. 診療報酬と医療提供体制

診療報酬制度の仕組みと、医療法に基づく医療提供体制、医療専門職の資格を学ぶ。

保険診療の対価は全国一律の診療報酬点数表に基づいて算定され、1点の単価は10円である。支払い方式には、実施した診療行為ごとに点数を積み上げる出来高払いと、急性期入院医療を対象に診断群分類(DPC)ごとに定められた1日当たり点数で算定する包括評価(DPC/PDPS)がある。DPC/PDPSでは入院基本料・検査・投薬などは包括され、手術・麻酔などは出来高で算定される。

医療機関は患者ごとに1か月分の診療内容をまとめたレセプト(診療報酬明細書)を作成し、審査支払機関に請求する。被用者保険等の審査・支払いは社会保険診療報酬支払基金が、国民健康保険・後期高齢者医療分は国民健康保険団体連合会が行う。現在は電子レセプトによるオンライン請求が原則である。患者は窓口で一部負担金(70歳未満は原則3割、義務教育就学前2割、70〜74歳2割、75歳以上原則1割)を支払い、高額療養費制度により自己負担限度額が設けられている。

診療報酬は中央社会保険医療協議会(中医協)の審議を経て厚生労働大臣が定め、原則として2年に1回改定される。薬価基準は保険診療で使用できる医薬品の品目と価格を定めたものである。

医療法は医療提供体制の基本となる法律で、病院は20床以上、診療所は無床または19床以下の医療施設である。特定機能病院は高度医療の提供・開発・研修を担い厚生労働大臣が承認する。地域医療支援病院はかかりつけ医等の支援や紹介患者への医療提供を担い都道府県知事が承認する。

医療専門職には医師、看護師、薬剤師など多くの国家資格がある。資格がなければその業務を行えない業務独占と、資格名を名乗ることのみを制限する名称独占があり、医師・看護師などは業務独占、保健師・理学療法士・作業療法士などは名称独占である。

出来高払い方式とDPC/PDPSの比較
項目出来高払いDPC/PDPS
算定方法診療行為ごとに点数を積算診断群分類に基づく1日当たり包括評価
主な対象外来診療・包括対象外の入院診療急性期の入院医療(対象病院)
出来高で算定する部分全体が出来高手術・麻酔・リハビリテーションなど
特徴医療内容を反映しやすいが過剰診療を招きやすい医療の標準化・効率化を促す

用語

出来高払い
実施した診療行為ごとに診療報酬点数表に基づき点数を積み上げて算定する支払い方式。個々の医療内容を反映しやすい一方、過剰診療を招きやすいとされる。
DPC/PDPS
急性期入院医療を対象とした、診断群分類(DPC)に基づく1日当たり包括評価による支払い制度。入院基本料や検査等は包括され、手術・麻酔などは出来高で算定される。
レセプト
診療報酬明細書。医療機関が患者ごとに1か月分の診療内容をまとめ、審査支払機関を通じて保険者に医療費を請求するための書類。現在は電子レセプトによる請求が原則である。
薬価基準
保険診療で使用できる医薬品の品目を定めるとともに、その価格(薬価)を定めたもの。厚生労働大臣が告示し、保険請求時の医薬品の価格算定の基礎となる。
支払基金
社会保険診療報酬支払基金。被用者保険等のレセプトの審査と支払いを行う機関。国民健康保険・後期高齢者医療分は国民健康保険団体連合会が審査・支払いを行う。
特定機能病院
高度の医療の提供・開発・評価と研修の能力などを備え、厚生労働大臣の承認を受けた病院。400床以上の病床を有することなどが要件で、大学病院本院などが承認されている。
地域医療支援病院
かかりつけ医等を支援し、紹介患者への医療提供、施設・設備の共同利用、救急医療、医療従事者の研修などを行う病院。原則200床以上で、都道府県知事が承認する。
業務独占
資格を持つ者以外がその業務を行うことを禁止する仕組みで、医師や看護師などが該当する。名称独占は資格名の使用のみを制限するもので、保健師や理学療法士などが該当する。

例題

例題:被用者保険のレセプトの審査・支払いを行う機関はどこか。
答えと考え方 社会保険診療報酬支払基金。国民健康保険・後期高齢者医療分は国民健康保険団体連合会が行う。

出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.2(日本の医療制度), SBO 2.1.4(保険診療報酬制度の仕組み(医科)), SBO 2.2.1(医療専門職の役割), SBO 3.1.1(病院の機能)

確認問題(30問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|医の倫理の起源

ヒポクラテスの誓いについて正しいのはどれか。

  1. 世界医師会が採択した、患者の自己決定権や選択の自由を定めた宣言である
  2. 人を対象とする医学研究の倫理原則を定め、倫理審査委員会の審査を求めたものである
  3. 古代ギリシャに由来する医師の職業倫理の宣誓で、守秘義務などを含む
  4. 1948年に世界医師会が採択した、医師の職業倫理を現代化した規範である
正解と解説
正解:C. 古代ギリシャに由来する医師の職業倫理の宣誓で、守秘義務などを含む

ヒポクラテスの誓いは古代ギリシャに由来する医師の職業倫理の宣誓で、患者の利益の優先や守秘義務などを含み、医の倫理の原点とされる。患者の権利に関する宣言はリスボン宣言、人を対象とする医学研究の倫理原則はヘルシンキ宣言、1948年採択の医師の倫理規範はジュネーブ宣言である。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.2.1(医の倫理の変遷)

問2|ジュネーブ宣言

ジュネーブ宣言について正しいのはどれか。

  1. ヒポクラテスの誓いを現代化した医師の倫理規範として世界医師会が採択した
  2. 患者の自己決定権や情報を得る権利など、患者の権利を定めた宣言である
  3. 人を対象とする医学研究について、被験者の同意と倫理審査を定めた宣言である
  4. 古代ギリシャに由来する医師の宣誓文で、守秘義務などを説いたものである
正解と解説
正解:A. ヒポクラテスの誓いを現代化した医師の倫理規範として世界医師会が採択した

ジュネーブ宣言は1948年に世界医師会(WMA)が採択した医師の倫理規範で、ヒポクラテスの誓いを現代の言葉で表したものとされる。患者の権利を定めたのはリスボン宣言、人を対象とする医学研究の倫理(倫理審査を含む)を定めたのはヘルシンキ宣言であり、古代ギリシャの宣誓文はヒポクラテスの誓いである。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.2.1(医の倫理の変遷)

問3|ヘルシンキ宣言

ヘルシンキ宣言について正しいのはどれか。

  1. 患者の自己決定権を中心とした患者の権利宣言である
  2. 人を対象とする医学研究の倫理原則を定めた宣言である
  3. 古代から伝わる医師の宣誓文である
  4. 感染症対策に関する国際規則である
正解と解説
正解:B. 人を対象とする医学研究の倫理原則を定めた宣言である

ヘルシンキ宣言は1964年に世界医師会が採択した、人を対象とする医学研究の倫理原則であり、被験者へのインフォームドコンセントや倫理審査委員会による研究計画の審査を求めている。患者の権利宣言はリスボン宣言、古代から伝わる医師の宣誓文はヒポクラテスの誓いであり、感染症対策の国際規則ではない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.2.1(医の倫理の変遷)

問4|リスボン宣言

リスボン宣言について正しいのはどれか。

  1. 医学研究における被験者保護と倫理審査の原則を定めた宣言である
  2. 古代ギリシャに由来し、医師の職業倫理の起源とされる宣誓文である
  3. 1948年に採択された、医師の倫理規範を現代の言葉で表した宣言である
  4. 良質の医療を受ける権利や自己決定権など患者の権利を定めた宣言である
正解と解説
正解:D. 良質の医療を受ける権利や自己決定権など患者の権利を定めた宣言である

リスボン宣言は1981年に世界医師会が採択した患者の権利に関する宣言で、良質の医療を受ける権利、選択の自由、自己決定権、情報を得る権利などを定めている。医学研究における被験者保護の原則はヘルシンキ宣言、医師の職業倫理の起源はヒポクラテスの誓い、1948年採択の医師の倫理規範はジュネーブ宣言である。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.2.1(医の倫理の変遷)

問5|IRB

IRB(Institutional Review Board)について正しいのはどれか。

  1. 研究計画の倫理的・科学的妥当性を実施前に審査する委員会である
  2. 医療事故の原因を調査し、再発防止のための情報提供を行う機関である
  3. 医療機関が請求したレセプトの内容を審査し支払いを行う機関である
  4. 病院の医療機能や運営体制を第三者の立場から評価する機関である
正解と解説
正解:A. 研究計画の倫理的・科学的妥当性を実施前に審査する委員会である

IRBは、研究対象者の人権と安全を守るため、研究計画の倫理的・科学的妥当性を実施前に審査する施設内の倫理審査委員会・治験審査委員会である。医療事故の調査に関わるのは医療事故調査・支援センター、診療報酬の審査は社会保険診療報酬支払基金などの審査支払機関であり、病院の医療機能や運営体制を評価する第三者機関でもない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.2.1(IRB)

問6|説明と同意

インフォームドコンセントについて正しいのはどれか。

  1. 医師が決定した治療方針を事後に患者へ通知することである
  2. 十分な説明を受け理解したうえで患者が自らの意思で同意することである
  3. 同意は口頭では無効であり文書によるものに限られる
  4. 患者は一度同意した内容を撤回できない
正解と解説
正解:B. 十分な説明を受け理解したうえで患者が自らの意思で同意することである

インフォームドコンセントは、病状や治療の内容・危険性・代替手段などについて十分な説明を受け、患者が理解したうえで自らの意思で同意することである。医療法にも医療者が適切な説明を行い理解を得るよう努める旨が規定されている。事後の通知は該当せず、同意は文書に限られず、患者はいったん行った同意を撤回できる。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.2.3(患者が参画する医療)/医療法

問7|第二の意見

セカンドオピニオンについて正しいのはどれか。

  1. 主治医に無断で他の医療機関に転院することである
  2. 入院中の患者が別の疾患で他の診療科を受診することである
  3. 診断や治療方針について主治医以外の医師に意見を求めることである
  4. 公的医療保険が全面的に適用される
正解と解説
正解:C. 診断や治療方針について主治医以外の医師に意見を求めることである

セカンドオピニオンは、診断や治療方針について主治医以外の医師に意見を求め、患者が納得して治療法を選択できるようにするものである。転院や主治医の変更を前提とするものではなく、通常は主治医からの診療情報提供書を持参して受ける。相談は一般に公的医療保険の適用外(自由診療)である。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.2.3(患者が参画する医療)

問8|健康の定義

WHO憲章における健康の定義として正しいのはどれか。

  1. 疾病や虚弱が存在しないことのみを指す状態である
  2. 身体面に異常がなく体力が保たれている状態である
  3. 就労や日常生活の動作に支障がない状態である
  4. 身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態である
正解と解説
正解:D. 身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態である

WHO憲章は健康を「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または虚弱が存在しないことではない」と定義している。疾病がないことや身体面の良好さだけでなく、精神面・社会面を含めた概念である点が特徴で、労働能力の有無は定義に含まれない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.1.1(健康の定義と医療政策)

問9|予防医学

予防医学の三段階のうち、二次予防に該当するのはどれか。

  1. 予防接種の実施
  2. 健康診断による疾病の早期発見
  3. リハビリテーションによる社会復帰
  4. 生活習慣の改善による健康増進
正解と解説
正解:B. 健康診断による疾病の早期発見

予防医学の三段階のうち、一次予防は健康増進や予防接種など発症そのものの予防、二次予防は健診などによる疾病の早期発見・早期治療、三次予防はリハビリテーションなどによる機能回復・再発防止である。健康診断による早期発見は二次予防に該当し、予防接種と生活習慣の改善は一次予防、リハビリテーションは三次予防である。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.1.1(予防医学)

問10|健康日本21

健康日本21について正しいのはどれか。

  1. 生活習慣病の一次予防に重点を置いた国民健康づくり運動である
  2. 感染症の発生状況を把握するため医師に届出を義務づける制度である
  3. 医療機関が広告できる事項を医療法によって制限する仕組みである
  4. 出生率の向上を目的として子育て支援を進める少子化対策である
正解と解説
正解:A. 生活習慣病の一次予防に重点を置いた国民健康づくり運動である

健康日本21は21世紀における国民健康づくり運動で、健康増進法を法的基盤とし、生活習慣病の一次予防や健康寿命の延伸を重視する。2024年度からは第三次が進められている。感染症の届け出制度や医療機関の広告規制、少子化対策の施策ではない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.1.1(健康日本21), SBO 2.3.3(健康維持増進)

問11|特定健診

特定健康診査(特定健診)について正しいのはどれか。

  1. 後期高齢者医療制度の対象である75歳以上の者を対象に、市町村が実施する
  2. 実施主体は都道府県であり、年齢を問わず住民全体を対象として実施される
  3. メタボリックシンドロームに着目し、40〜74歳を対象に医療保険者が実施する
  4. 全国民に受診が義務付けられ、受けない場合は罰則が科される仕組みである
正解と解説
正解:C. メタボリックシンドロームに着目し、40〜74歳を対象に医療保険者が実施する

特定健診は、高齢者医療確保法に基づき、メタボリックシンドロームに着目して40〜74歳の被保険者・被扶養者を対象に医療保険者が実施する。75歳以上は対象ではなく、実施主体は都道府県ではない。受診に罰則付きの義務もない。結果に応じて特定保健指導が行われる。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.3.3(特定健康診査・特定保健指導), SBO 1.1.1/高齢者医療確保法

問12|地域包括ケア

地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。

  1. 高度急性期医療を大規模病院に集約し、病床の機能分化を進める仕組みである
  2. 国が全国一律の基準でサービスを直接提供し、市町村は関与しない制度である
  3. 介護保険で給付される介護サービスのみを対象とし、医療は含まない体制である
  4. 住み慣れた地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する体制である
正解と解説
正解:D. 住み慣れた地域で医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する体制である

地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を日常生活圏域で一体的に提供する体制である。大病院への集約や国による全国一律の直接提供ではなく、市町村等が地域の特性に応じて構築する。介護だけでなく医療や生活支援も含む点が特徴である。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.1.3(医療需要への対応), SBO 2.4.2(医療介護連携体制)

問13|病床機能報告

病床機能報告制度について正しいのはどれか。

  1. 病床の機能を高度急性期・急性期・回復期・慢性期に区分して都道府県知事に報告する
  2. 病棟ごとの入院患者数と病床数の増減を、毎日厚生労働大臣に報告する
  3. 精神病床のみを対象として、入院形態別の患者数を報告する制度である
  4. 診療報酬を請求するために、実施した診療行為を審査支払機関に報告する
正解と解説
正解:A. 病床の機能を高度急性期・急性期・回復期・慢性期に区分して都道府県知事に報告する

病床機能報告制度は、一般病床・療養病床を有する病院・有床診療所が、病棟単位の病床機能を高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4区分で都道府県知事に報告する制度で、地域医療構想の基礎資料となる。報告先は厚生労働大臣ではなく、精神病床のみを対象とするものでも、診療報酬の請求制度でもない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 1.1.3(病床機能報告制度), SBO 2.4.1(地域医療体制)

問14|社会保障4部門

日本の社会保障制度を構成する部門に含まれないのはどれか。

  1. 社会保険
  2. 生命保険
  3. 公的扶助
  4. 社会福祉
正解と解説
正解:B. 生命保険

日本の社会保障制度は、社会保険、公的扶助(生活保護)、社会福祉、公衆衛生の4部門で構成される。生命保険は民間の保険であり社会保障制度には含まれない。なお社会保険には医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類がある。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.1(日本の社会保障制度)

問15|国民皆保険

国民皆保険制度について正しいのはどれか。

  1. 公的医療保険への加入は個人の任意である
  2. 財源はすべて税金で賄われている
  3. すべての国民がいずれかの公的医療保険に加入する
  4. 1991年に達成された
正解と解説
正解:C. すべての国民がいずれかの公的医療保険に加入する

国民皆保険制度は、すべての国民がいずれかの公的医療保険に加入する仕組みで、日本では1961年に達成された。加入は任意ではなく、財源は保険料を中心に公費と患者の一部負担金で構成されており、すべてが税金ではない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.1(国民皆保険制度)

問16|医療保険の分類

被用者保険(職域保険)に該当しないのはどれか。

  1. 組合管掌健康保険
  2. 全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
  3. 共済組合
  4. 国民健康保険
正解と解説
正解:D. 国民健康保険

被用者保険(職域保険)には、主に中小企業の従業員が加入する協会けんぽ、主に大企業の従業員が加入する組合管掌健康保険、公務員等が加入する共済組合、船員保険などがある。国民健康保険は自営業者などを対象とする地域保険であり、被用者保険には該当しない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.3(医療保険制度)

問17|保険者

医療保険の保険者はどれか。

  1. 被保険者本人
  2. 保険医療機関
  3. 社会保険診療報酬支払基金
  4. 健康保険組合
正解と解説
正解:D. 健康保険組合

保険者は医療保険事業を運営する主体で、保険料を徴収し保険給付を行う。健康保険組合は組合管掌健康保険の保険者である。被保険者は加入者本人、保険医療機関は保険診療を担当する医療機関、社会保険診療報酬支払基金はレセプトの審査・支払いを行う機関であり、いずれも保険者ではない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.3(保険者・被保険者)

問18|後期高齢者医療

後期高齢者医療制度の被保険者となる年齢として正しいのはどれか(障害認定による場合を除く)。

  1. 75歳以上
  2. 70歳以上
  3. 65歳以上
  4. 80歳以上
正解と解説
正解:A. 75歳以上

後期高齢者医療制度の被保険者は、75歳以上の者および65歳以上75歳未満で一定の障害の状態にあると広域連合の認定を受けた者である。障害認定による場合を除けば、原則として75歳が基準となる。70歳以上や65歳以上、80歳以上ではない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.8(後期高齢者医療制度)/高齢者医療確保法

問19|広域連合

後期高齢者医療制度について誤っているのはどれか。

  1. 運営主体は都道府県単位の後期高齢者医療広域連合である
  2. 保険料はすべて国が負担し、被保険者の負担はない
  3. 窓口負担は原則1割で、所得により2割または3割となる
  4. 高齢者医療確保法に基づく制度である
正解と解説
正解:B. 保険料はすべて国が負担し、被保険者の負担はない

後期高齢者医療制度の財源は、患者負担を除き、公費約5割、現役世代からの支援金約4割、被保険者の保険料約1割で構成され、被保険者も保険料を負担する。運営主体が都道府県単位の広域連合であること、窓口負担が原則1割(一定以上所得2割・現役並み所得3割)であること、高齢者医療確保法に基づくことは正しい。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.8(後期高齢者医療制度)/高齢者医療確保法

問20|現物給付

日本の医療保険の給付について正しいのはどれか。

  1. 医療費は全額を患者がいったん支払い、後日払い戻される方式が原則である
  2. 受診する医療機関は保険者が指定する
  3. 診療などの医療サービスそのものを給付する現物給付が原則である
  4. 保険診療と自由診療の併用は自由に認められている
正解と解説
正解:C. 診療などの医療サービスそのものを給付する現物給付が原則である

日本の医療保険では、診療・薬剤などの医療サービスそのものを給付する現物給付(療養の給付)が原則で、患者は窓口で一部負担金のみを支払う。受診する医療機関は患者が自由に選べる(フリーアクセス)。保険診療と自由診療の併用(混合診療)は原則として認められず、保険外併用療養費制度などの例外に限られる。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.4(フリーアクセス・現物給付)

問21|介護保険

介護保険の第2号被保険者はどれか。

  1. 40歳以上65歳未満の医療保険加入者
  2. 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
  3. 20歳以上で国民年金に加入するすべての者
  4. 後期高齢者医療制度に加入する75歳以上の者
正解と解説
正解:A. 40歳以上65歳未満の医療保険加入者

介護保険の第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者であり、第1号被保険者は65歳以上の者である。第2号被保険者は、加齢に伴う特定疾病により要介護・要支援状態となった場合に限り給付を受けられる。20歳以上の全国民や75歳以上という区分は介護保険の被保険者区分ではない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.10(介護保険法)

問22|要介護認定

介護保険の要介護認定とケアプランについて正しいのはどれか。

  1. 要介護認定は都道府県知事が行う
  2. 要支援と判定された者は介護保険の給付を一切受けられない
  3. ケアプランは必ず医師が作成しなければならない
  4. 要介護認定は介護認定審査会の審査判定に基づき市町村が行う
正解と解説
正解:D. 要介護認定は介護認定審査会の審査判定に基づき市町村が行う

要介護認定は、市町村の介護認定審査会の審査判定に基づき、保険者である市町村が行う。都道府県知事が行うのではない。要支援者には予防給付が行われるため、給付が受けられないわけではない。ケアプランは介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成するのが一般的で、本人が作成することも可能であり、医師が作成するものではない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.10(要介護認定・ケアプラン・ケアマネージャー)

問23|出来高払い

出来高払い方式について正しいのはどれか。

  1. 病名ごとに1入院当たりの定額で算定する
  2. 実施した診療行為ごとに点数を積み上げて算定する
  3. 過剰診療を抑制しやすい支払い方式である
  4. 日本の外来診療では用いられていない
正解と解説
正解:B. 実施した診療行為ごとに点数を積み上げて算定する

出来高払いは、実施した診療行為ごとに診療報酬点数表に基づいて点数を積み上げて算定する方式で、日本の外来診療などで広く用いられている。医療内容を反映しやすい一方、検査や投薬が増えるほど収入が増えるため過剰診療を招きやすいとされる。1入院当たりの定額算定は出来高払いの説明ではない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.4(出来高払い)

問24|DPC/PDPS

DPC/PDPSについて正しいのはどれか。

  1. 急性期・慢性期を問わず、すべての病院に導入が義務付けられている
  2. 外来診療を対象とし、来院1回当たりの定額で算定する包括払い制度である
  3. 診断群分類に基づく1日当たりの包括評価による支払い制度である
  4. 手術料や麻酔料も含め、入院中の費用がすべて包括評価に含まれる
正解と解説
正解:C. 診断群分類に基づく1日当たりの包括評価による支払い制度である

DPC/PDPSは、急性期入院医療を対象に、診断群分類(DPC)ごとに定められた1日当たり点数で包括評価する支払い制度である。対象は制度に参加する病院の入院医療であり、すべての病院に義務付けられてはいない。外来診療は対象外で、手術・麻酔などは包括に含まれず出来高で算定される。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.4(DPC/PDPS)

問25|レセプト審査

被用者保険(健康保険)のレセプトの審査・支払いを行う機関はどれか。

  1. 社会保険診療報酬支払基金
  2. 国民健康保険団体連合会
  3. 中央社会保険医療協議会
  4. 地方厚生局
正解と解説
正解:A. 社会保険診療報酬支払基金

被用者保険等のレセプトの審査・支払いは社会保険診療報酬支払基金が行い、国民健康保険と後期高齢者医療分は国民健康保険団体連合会が行う。中央社会保険医療協議会(中医協)は診療報酬改定を審議する機関、地方厚生局は保険医療機関の指導・監査などを行う行政機関である。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.4(レセプト・支払基金)

問26|診療報酬改定

診療報酬について正しいのはどれか。

  1. 診療報酬点数の1点当たりの単価は1円であり、都道府県ごとに定められている
  2. 診療報酬は物価の変動に合わせて毎月改定される仕組みになっている
  3. 診療報酬点数は各医療機関が費用を積み上げて自由に設定し、都道府県に届け出る
  4. 中央社会保険医療協議会の審議を経て厚生労働大臣が定め、原則2年に1回改定される
正解と解説
正解:D. 中央社会保険医療協議会の審議を経て厚生労働大臣が定め、原則2年に1回改定される

診療報酬は中央社会保険医療協議会(中医協)の審議を経て厚生労働大臣が定め、原則として2年に1回改定される。点数の単価は1点10円で全国一律であり、医療機関が自由に設定することはできない。毎月改定されるものでもない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.4(診療報酬・診療報酬改訂)

問27|薬価基準

薬価基準について正しいのはどれか。

  1. 医薬品の製造方法を定めた基準である
  2. 保険診療で使用できる医薬品の品目と価格を定めたものである
  3. 医薬品の市場での自由な販売価格を示したものである
  4. 一般用医薬品(OTC薬)の価格を定めたものである
正解と解説
正解:B. 保険診療で使用できる医薬品の品目と価格を定めたものである

薬価基準は、保険診療で使用できる医薬品の品目を定めるとともに、その価格(薬価)を定めたもので、厚生労働大臣が告示する。保険請求時の医薬品の価格算定の基礎となる。製造方法の基準や市場での自由価格ではなく、保険適用外である一般用医薬品の価格を定めるものでもない。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.4(薬価基準)

問28|一部負担金

医療保険の一部負担金について正しいのはどれか。

  1. 年齢によらず一律1割である
  2. 義務教育就学前の児は3割である
  3. 70歳未満の者は原則3割である
  4. 一部負担金に上限を定める制度はない
正解と解説
正解:C. 70歳未満の者は原則3割である

一部負担金は、70歳未満は原則3割、義務教育就学前は2割、70〜74歳は2割(現役並み所得者3割)、75歳以上は原則1割(一定以上所得2割・現役並み所得3割)である。年齢等により割合が異なり、高額療養費制度により所得等に応じた自己負担限度額も設けられている。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.4(一部負担金・自己負担限度額)

問29|医療法の施設

医療法に基づく医療提供施設について正しいのはどれか。

  1. 診療所は10床以上の病床を有する施設である
  2. 特定機能病院は都道府県知事が承認する
  3. 病院は20床以上の病床を有する施設である
  4. 地域医療支援病院は高度医療の開発を主な目的とする
正解と解説
正解:C. 病院は20床以上の病床を有する施設である

医療法上、病院は20床以上の病床を有する医療施設、診療所は無床または19床以下の施設である。特定機能病院は高度医療の提供・開発・研修を担い厚生労働大臣が承認する。地域医療支援病院はかかりつけ医等の支援や紹介患者への医療提供を目的とし都道府県知事が承認するもので、高度医療の開発を主目的とするのは特定機能病院である。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.1.2(医療法), SBO 3.1.1(病院と診療所・特定機能病院・地域医療支援病院)

問30|名称独占

名称独占であるが業務独占ではない資格はどれか。

  1. 保健師
  2. 看護師
  3. 助産師
  4. 医師
正解と解説
正解:A. 保健師

保健師は名称独占であるが業務独占ではなく、保健指導の業務自体は資格がなくても行える。医師、看護師、助産師は業務独占資格であり、資格のない者がその業務を行うことは禁止されている(看護師等は名称独占でもある)。理学療法士や作業療法士も名称独占のみの資格である。

根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(医学・医療系)v7(2025年7月26日更新)SBO 2.2.1(医療専門職の役割・国家資格)/保健師助産師看護師法

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※ 解説は学習用の情報提供です。医療上の助言ではありません。最新の試験実施要項は医療情報技師育成部会の公式発表をご確認ください。
※ 出題は日本医療情報学会 医療情報技師育成部会が公開する「医療情報技師 到達目標」(v7・GIO/SBO/キーワード)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。合格基準は非公開のため、本サイトの到達度は独自の目安です。試験の実施要項は育成部会の公式発表をご確認ください。