仮の宿 学習室 資格 医療情報技師 合格ラボ データベースとネットワーク
医療情報技師 HEALTHCARE INFORMATION TECHNOLOGIST
データベースとネットワーク
講義 4 本・確認問題 35 問 | 本試験では「情報処理技術系」(50問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと データベースは医療情報システムに欠かせない基盤技術である。DBMSの役割、データモデルの概念、関係データベースの構造、キー制約と正規化を学ぶ。 関係データベースはSQLで操作する。SELECT文の基本構文と関係演算、トランザクションのACID特性、排他制御、バックアップとリカバリ、データ活用技術を学ぶ。 通信の約束事であるプロトコルは階層モデルで整理される。OSI参照モデルとTCP/IP4層モデル、IPアドレスとサブネット、DNS・DHCPなどの基本プロトコルを学ぶ。 WWWや電子メールなどのネットワークサービスとポート番号、LANを構成する機器、無線LAN、VLAN・VPNによる対外接続を、医療機関での使われ方とあわせて学ぶ。
1. 関係データベースの基礎
データベースは医療情報システムに欠かせない基盤技術である。DBMSの役割、データモデルの概念、関係データベースの構造、キー制約と正規化を学ぶ。
データベース管理システム(DBMS)は、データを一元管理し、複数の利用者やプログラムからの同時利用の制御、整合性の維持、認証やアクセス権限の管理などを担うソフトウェアである。データベースには、木構造でデータを持つ階層型データベース(HDB)、網の目状の網型データベース(NDB)、表で表す関係データベース(RDB)、オブジェクト指向データベース(OODB)、XMLデータベース、そして関係モデルによらないNoSQLデータベースなどの種類がある。
データベースの設計では、利用者から見えるビューを定義する外部スキーマ、データベース全体の論理構造を定義する概念スキーマ、記憶装置上の物理的な格納方法を定義する内部スキーマの三層スキーマアーキテクチャが使われる。三層に分けることで、物理的な変更が応用プログラムに影響しにくくなる(データの独立性)。概念設計にはE-R図が使われ、実体(エンティティ)とその属性、実体間のリレーションシップ、1対多などの対応関係(カーディナリティ)を表す。
関係データベースでは、データを表(テーブル)で管理する。表の行がレコード、列がフィールド(属性・項目)である。行を一意に識別する列が主キーで、重複やNULL(空値)は許されない。他の表の主キーを参照する列が外部キーで、参照先に存在しない値を持てないという参照整合性制約を保つ。このほか、列の値の重複を禁止する一意制約などの整合性制約がある。実表から必要な部分を取り出して見せる仮想的な表をビューという。
正規化は、データの重複を排除して更新時の矛盾(不整合)を防ぐための表の分割手順である。繰り返し項目を排除して1つのフィールドに1つの値だけを持たせると第1正規形、主キーの一部にだけ従属する列(部分関数従属)を分離すると第2正規形、主キー以外の列を介して従属する列(推移的関数従属)を分離すると第3正規形になる。
正規化の段階(第1〜第3正規形) 正規形 満たす条件 非正規形 繰り返し項目を含む表 第1正規形 繰り返し項目を排除し、1つのフィールドに1つの値だけを持つ 第2正規形 第1正規形で、主キーの一部にだけ従属する列(部分関数従属)を分離した形 第3正規形 第2正規形で、主キー以外の列を介した従属(推移的関数従属)を分離した形
用語 DBMS データベース管理システム。データの一元管理、同時利用の制御、整合性の維持、認証・アクセス権限の管理などを担うミドルウェアである。 三層スキーマアーキテクチャ データベースを外部スキーマ・概念スキーマ・内部スキーマの三層で定義する考え方。物理的な変更の影響を応用プログラムに及ぼしにくくし、データの独立性を高める。 主キー 表の中の行(レコード)を一意に識別するための列または列の組。値の重複やNULLは許されない。患者テーブルの患者IDなどが典型例である。 外部キー 他の表の主キーを参照する列。参照先の表に存在しない値を持てないという参照整合性制約により、表と表の間の整合性を保つ。 正規化 データの重複を排除し、更新時の不整合を防ぐために表を分割していく手順。第1〜第3正規形が基本で、繰り返し項目や関数従属を段階的に取り除く。
例題
例題:患者テーブルで行を一意に識別する患者IDのような列を何と呼ぶか。
答えと考え方 主キー。値の重複もNULLも許されない。
例題:処方テーブルの患者ID列が患者テーブルの患者IDを参照しているとき、この列を何と呼ぶか。
答えと考え方 外部キー。参照整合性制約により、患者テーブルに存在しない患者IDは登録できない。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)第4章 データベース技術 GIO 4.1・4.2(SBO 4.1.1・4.1.2・4.2.1)
2. SQLとデータベース運用管理
関係データベースはSQLで操作する。SELECT文の基本構文と関係演算、トランザクションのACID特性、排他制御、バックアップとリカバリ、データ活用技術を学ぶ。
SQL(Structured Query Language)には、表の作成・削除を行うデータ定義、検索・抽出・追加・更新・削除を行うデータ操作、アクセス権の付与などを行うデータ制御の機能がある。検索の基本はSELECT文で、SELECT句で取り出す列を指定し(関係演算の射影)、FROM句で対象の表を、WHERE句で行の条件を指定する(選択)。複数の表はJOIN(結合)で主キーと外部キーを突き合わせて結び付ける。GROUP BY句でグループごとの集計(COUNT・SUM・AVGなど)を行い、ORDER BY句で結果を並べ替える。関係演算には射影・選択・結合が、集合演算には和・積・差がある。
一連の処理をひとまとまりとして扱う単位をトランザクションという。トランザクションにはACID特性が求められる。原子性(不可分性)は処理がすべて実行されるかまったく実行されないかのどちらかになること、一貫性はデータの整合性が保たれること、隔離性(独立性)は複数のトランザクションが互いに干渉しないこと、耐久性(持続性)は完了した結果が失われないことである。
同じデータへの同時更新を防ぐには、ロックによる排他制御を行う。ロックには共有ロックと排他ロックがあり、ロックする範囲をロックレベルという。2相ロックで一貫性を保つが、2つのトランザクションが互いに相手のロック解除を待って止まるデッドロックが起こりうる。処理が正常に完了したら更新を確定するコミットを行い、異常時には更新前の状態に戻すロールバックを行う。媒体障害の際は、バックアップファイルを復元したうえで、ログファイル(ジャーナルファイル)の更新後情報を使って障害直前の状態まで更新をやり直すロールフォワードで回復する。回復の起点にはチェックポイントが使われる。
データ活用の基盤として、業務システムから抽出(Extract)・変換(Transform)・格納(Load)するETL処理により、分析用のデータウェアハウス(DWH)やデータマートにデータを蓄積する。データの誤りや表記ゆれを整えるデータクレンジング、多次元的に集計・分析するOLAP、結果をダッシュボードで可視化するBIツールなども、医療データの二次利用で重要である。
トランザクションのACID特性 特性 別名 内容 原子性(Atomicity) 不可分性 処理がすべて実行されるか、まったく実行されないかのいずれかになる 一貫性(Consistency) 整合性 トランザクションの前後でデータの整合性が保たれる 隔離性(Isolation) 独立性 同時に実行される他のトランザクションの影響を受けない 耐久性(Durability) 持続性 完了したトランザクションの結果は障害が起きても失われない
SELECT文の基本構文(射影・選択・整列)
-- 65歳以上の患者を氏名順に取り出す例 1: SELECT 氏名, 年齢 2: FROM 患者 3: WHERE 年齢 >= 65 4: ORDER BY 氏名;
用語 ACID特性 トランザクションに求められる原子性・一貫性・隔離性・耐久性の4つの性質。信頼できるデータベース処理の基本条件とされる。 デッドロック 2つ以上のトランザクションが、互いに相手が確保しているロックの解放を待ち合ってどちらも進めなくなる状態。一方を強制的にロールバックして解消する。 ロールバックとロールフォワード ロールバックは異常終了時に更新前の状態へ戻す処理。ロールフォワードは媒体障害時にバックアップを復元し、ログの更新後情報で障害直前まで更新をやり直す処理である。 ETL 業務システムなどからデータを抽出(Extract)し、形式を変換(Transform)して、DWHなどに格納(Load)する一連の処理。データ分析基盤の構築に使われる。
例題
例題:会計処理の途中でエラーが発生し、途中までの更新を取り消した。この処理は?
答えと考え方 ロールバック。トランザクションの原子性を保つため、更新前の状態に戻す。
例題:電子カルテのデータを分析用に抽出・変換してDWHへ格納する処理は?
答えと考え方 ETL(Extract/Transform/Load)。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)第4章 データベース技術 GIO 4.2〜4.4(SBO 4.2.2・4.3.1・4.3.2・4.4.1〜4.4.3)
3. ネットワークの基礎
通信の約束事であるプロトコルは階層モデルで整理される。OSI参照モデルとTCP/IP4層モデル、IPアドレスとサブネット、DNS・DHCPなどの基本プロトコルを学ぶ。
ネットワークの機能は階層(Layer)に分けて整理される。OSI参照モデルは物理層・データリンク層・ネットワーク層・トランスポート層・セッション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層の7階層、TCP/IP4層モデルはネットワークインタフェース層・インターネット層・トランスポート層・アプリケーション層の4階層で通信機能を整理する。トランスポート層のTCPはコネクション型で、到達確認や再送制御により信頼性の高い通信を行う。UDPはコネクションレス型で、確認を省く代わりに軽く、音声・映像配信などに向く。
LANの主流はイーサネットで、機器のネットワークインターフェースには48ビットのMACアドレス(物理アドレス)が割り当てられている。イーサネットのアクセス制御方式にはCSMA/CDがある。インターネット層のIP(インターネットプロトコル)では、データをパケットに分割し、IPアドレスを使って宛先に届ける。IPv4アドレスは32ビットで、サブネットマスク(またはCIDRのプレフィックス表記)によってネットワークアドレス部とホスト部に分けられる。ホスト部がすべて0のアドレスはネットワークアドレス、すべて1のアドレスはブロードキャストアドレスとして予約されるため、ホストに割り当てられる数は「2のホスト部ビット数乗−2」である。IPv6は128ビットのアドレスを使う。
組織内では自由に使えるプライベートアドレス(10.0.0.0〜、172.16.0.0〜172.31.255.255、192.168.0.0〜の各範囲)を使い、インターネット上ではグローバルアドレスを使う。異なるネットワーク間の転送(ルーティング)はルータがルーティングテーブルに基づいて行い、宛先が自ネットワーク外のパケットはデフォルトゲートウェイ(デフォルトルート)に送られる。宛先の指定には、1対1のユニキャスト、全体へのブロードキャスト、特定グループへのマルチキャストがある。
その他の基本プロトコルとして、IPアドレスからMACアドレスを求めるARP、エラー通知や疎通確認(pingが利用)を行うICMP、端末にIPアドレスなどの設定を自動的に割り当てるDHCP、ドメインネームとIPアドレスの対応付け(名前解決)を行うDNSがある。ルーティングプロトコルにはRIP・OSPF・BGPがある。
OSI参照モデルとTCP/IP4層モデルの対応 OSI参照モデル TCP/IP4層モデル 代表的なプロトコル・技術 第7層 アプリケーション層 アプリケーション層 HTTP、SMTP、POP、DNS、DHCP、NTP 第6層 プレゼンテーション層 アプリケーション層 データ表現形式の変換 第5層 セッション層 アプリケーション層 対話(セッション)の管理 第4層 トランスポート層 トランスポート層 TCP、UDP、ポート番号 第3層 ネットワーク層 インターネット層 IP、ICMP、ルータ、L3スイッチ 第2層 データリンク層 ネットワークインタフェース層 イーサネット、MACアドレス、L2スイッチ 第1層 物理層 ネットワークインタフェース層 UTPケーブル、光ファイバー、リピータハブ
用語 OSI参照モデル 通信機能を物理層からアプリケーション層まで7つの階層に分けて整理した参照モデル。各層の役割と代表的な機器・プロトコルの対応を押さえることが重要である。 TCPとUDP どちらもトランスポート層のプロトコル。TCPはコネクション型で到達確認により信頼性が高い。UDPはコネクションレス型で軽く、リアルタイム性を重視する通信に向く。 MACアドレス ネットワークインターフェースに割り当てられた48ビットの物理アドレス。イーサネットやWi-Fiで機器を識別する。Ethernetアドレスとも呼ばれる。 サブネットマスク IPv4アドレス32ビットのうち、どこまでがネットワークアドレス部かを示す値。CIDRでは/26のようにプレフィックス長で表記する。 DNSとDHCP DNSはドメインネームとIPアドレスの対応付け(名前解決)を行う仕組み。DHCPは端末にIPアドレスなどのネットワーク設定を自動的に割り当てるプロトコルである。
例題
例題:192.168.1.0/24 のネットワークでホストに割り当てられるアドレス数は?
答えと考え方 ホスト部が8ビットなので2の8乗−2=254個。ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは割り当てられない。
例題:端末をつなぐだけでIPアドレスが自動設定される仕組みは?
答えと考え方 DHCP。サーバがアドレスやデフォルトゲートウェイなどの設定を払い出す。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)第5章 ネットワーク技術 GIO 5.1(SBO 5.1.1〜5.1.3)
4. ネットワークサービスとLAN
WWWや電子メールなどのネットワークサービスとポート番号、LANを構成する機器、無線LAN、VLAN・VPNによる対外接続を、医療機関での使われ方とあわせて学ぶ。
代表的なネットワークサービスに、HTTPで転送されるWWW、SMTP(送信・転送)とPOP(受信)を使う電子メール、機器の時刻を合わせるNTPがある。アプリケーションはポート番号で区別され、HTTPの80番、SMTPの25番、POP3の110番、DNSの53番、NTPの123番などのよく知られたポート番号をWell Known Portという。医療情報システムでは、各サーバや医療機器の時刻をNTPで同期させることが、診療記録の時刻の信頼性の面で重要である。
LANを構成する機器には、受信した信号をすべてのポートに中継するHUB(リピータハブ)、MACアドレスを見て宛先のポートだけに転送するL2スイッチ、IPアドレスに基づいて異なるネットワーク間のルーティングを行うルータやL3スイッチがある。伝送媒体にはUTPケーブルや光ファイバーケーブルが使われ、トポロジーにはスター型などがある。VLANは、スイッチの設定によって物理的な配線とは独立に論理的なネットワークを分割する技術で、医療機関では電子カルテなどの基幹系と事務系・来訪者用のネットワークを分離する目的などに使われる。
無線LAN(Wi-Fi)はIEEE802.11a/b/g/n/acなどの規格で標準化されており、アクセスポイントをSSIDで識別する。暗号化にはWEP・WPA・WPA2があり、WEPは解読が容易なため、より強固なWPA2などを使う。電波は同じチャンネルで干渉が起こること、端末が移動するとアクセスポイント間をローミングすることも押さえる。近距離無線にはBluetoothがあり、低消費電力のBluetooth Low Energy(LE)はセンサ機器などに使われる。
拠点間の接続やリモートアクセスには、専用線のほか、暗号化などにより公衆回線上に仮想的な専用ネットワークを作るVPNが使われる。医療機関が地域連携や遠隔保守のために外部と接続する場合も、VPNなどで通信を保護する。プライベートアドレスのネットワークからインターネットへ出る際は、NAT(NAPT)がプライベートアドレスとグローバルアドレスを変換する。対外接続回線にはFTTHやCATV、5Gなどがあり、通信品質を保証しないベストエフォート型の回線では、SLA(サービス品質の合意)の内容にも注意が必要である。
代表的なサービスとWell Known Port サービス プロトコル ポート番号 Webページの転送 HTTP 80 メールの送信・転送 SMTP 25 メールの受信 POP3 110 名前解決 DNS 53 時刻同期 NTP 123
用語 Well Known Port 主要なサービスにあらかじめ割り当てられた、よく知られたポート番号。HTTPの80番、SMTPの25番、POP3の110番、DNSの53番、NTPの123番などがある。 L2スイッチとルータ L2スイッチはMACアドレスに基づいて同一LAN内でフレームを転送する機器。ルータ(L3スイッチ)はIPアドレスに基づいて異なるネットワーク間のルーティングを行う。 VLAN スイッチの設定により、物理的な配線とは独立に論理的にネットワークを分割する技術。医療機関では基幹系と事務系の分離などに使われる。 VPN 暗号化などの技術により、インターネットなどの公衆回線上に仮想的な専用ネットワークを構築する技術。拠点間接続やリモートアクセス、遠隔保守の通信保護に使われる。 NAT(NAPT) プライベートアドレスとグローバルアドレスを相互に変換する技術。NAPTはポート番号も併用し、1つのグローバルアドレスを複数の端末で共有できる。
例題
例題:院内の電子カルテ系ネットワークと来訪者用Wi-Fiを、同じスイッチ上で論理的に分けたい。使う技術は?
答えと考え方 VLAN。物理配線を変えずにネットワークを論理的に分割できる。
例題:医療機器メーカーがインターネット経由で院内サーバを安全に遠隔保守するために使う代表的技術は?
答えと考え方 VPN。暗号化により公衆回線上に仮想的な専用ネットワークを作る。
出典・根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)第5章 ネットワーク技術 GIO 5.2(SBO 5.2.1〜5.2.4)
確認問題(35問) 四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|DBMS
データベース管理システム(DBMS)の役割として適切なのはどれか。
文書や表を作成・編集し、印刷するための機能を提供する データを一元管理し、複数の利用者からの同時利用を制御する ネットワーク機器の間で経路情報を交換し、パケットの経路選択を行う 画像データの圧縮・伸張を行い、記憶容量を節約する 正解と解説 正解:B. データを一元管理し、複数の利用者からの同時利用を制御する DBMSはデータを一元管理し、複数の利用者やプログラムからの同時利用の制御、整合性の維持、認証やアクセス権限の管理を担うミドルウェアである。文書作成はアプリケーションソフトウェア、経路選択はルータ、画像圧縮は画像処理系ソフトウェアの役割であり、DBMSの説明ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.1.1(データベースの役割)
問2|NoSQL
NoSQLデータベースに関する記述として適切なのはどれか。
関係モデルに基づき、行と列からなる表形式でデータを扱うデータベースである 木構造でデータを表す階層型データベース(HDB)の別名である 関係モデルによらないデータベースの総称で、多様なデータ形式を扱える SQLでしか操作できず、他の方法では扱えないデータベースである 正解と解説 正解:C. 関係モデルによらないデータベースの総称で、多様なデータ形式を扱える NoSQLは関係モデル(RDB)によらないデータベースの総称で、キー・バリュー型やドキュメント型など多様な形式があり、大量データの分散処理に向くものが多い。関係モデルに基づく表形式のデータベースはRDBの説明であり、HDBは階層型という別の分類である。SQL専用という記述も誤り。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.1.1(データベースの役割)
問3|三層スキーマ
三層スキーマアーキテクチャで、データベース全体の論理構造を定義するスキーマはどれか。
概念スキーマ 外部スキーマ 内部スキーマ 物理スキーマ 正解と解説 正解:A. 概念スキーマ 概念スキーマはデータベース全体の論理構造を定義する層である。外部スキーマは利用者やプログラムから見えるビューを、内部スキーマは記憶装置上の物理的な格納方法を定義する。物理スキーマという層は三層スキーマアーキテクチャの用語にはない。三層に分けることでデータの独立性が高まる。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.1.2(データベースのモデル)
問4|E-R図
E-R図に関する記述として適切なのはどれか。
プログラムの処理手順を、決められた記号と流れ線で表した図である ネットワークを構成する機器とその接続関係を表した図である 論理演算の入力と出力の対応をすべて表で示したものである エンティティ間のリレーションシップやカーディナリティを表す図である 正解と解説 正解:D. エンティティ間のリレーションシップやカーディナリティを表す図である E-R図は、実体(エンティティ)とその属性、実体間の関連(リレーションシップ)、1対多などの対応関係(カーディナリティ)を表す図で、データベースの概念設計に使われる。処理手順を表すのはフローチャート、機器構成を表すのはネットワーク構成図、論理演算の入出力を表すのは真理値表である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.1.2(データベースのモデル)
問5|主キー
関係データベースの主キーに関する記述として適切なのはどれか。
同じ値が複数の行にあってもよい 値としてNULL(空値)を設定できる 表の中の行(レコード)を一意に識別する 他の表の行を参照するためのキーである 正解と解説 正解:C. 表の中の行(レコード)を一意に識別する 主キーは表の中の行を一意に識別するための列(または列の組)であり、値の重複もNULLも許されない。したがって重複やNULLを認める記述は誤りである。他の表の主キーを参照するのは外部キーの役割で、主キーとは区別される。患者テーブルの患者IDが主キーの典型例である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.1(関係モデルと関係データベース)
問6|外部キー
外部キーの役割として適切なのはどれか。
他の表の主キーを参照し、表間の参照整合性を保つ 表の中の行を一意に識別し、重複や空値を許さない 検索を高速化するための索引として働き、探索の負荷を減らす 列に格納する値の重複を禁止する制約として働く 正解と解説 正解:A. 他の表の主キーを参照し、表間の参照整合性を保つ 外部キーは他の表の主キーを参照する列で、参照先に存在しない値を持てないという参照整合性制約によって表間の整合性を保つ。行を一意に識別するのは主キー、検索の高速化はインデックス、値の重複禁止は一意制約の役割であり、いずれも外部キーの説明ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.1(関係モデルと関係データベース)
問7|正規化
関係データベースの正規化の目的として適切なのはどれか。
表を分割することで検索速度を必ず向上させる データの重複を排除し、更新時の不整合を防ぐ データを暗号化して保存し、機密性を高める データ量を減らしてバックアップの時間を短縮する 正解と解説 正解:B. データの重複を排除し、更新時の不整合を防ぐ 正規化はデータの重複を排除するように表を分割し、更新時の矛盾(不整合)を防ぐことが目的である。表が分割される分、結合が必要になって検索がむしろ遅くなる場合もあるため、検索速度の向上が目的という記述は誤り。暗号化やバックアップ時間の短縮は正規化とは別の技術である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.1(関係モデルと関係データベース)
問8|第1正規形
非正規形の表を第1正規形にする操作として適切なのはどれか。
主キーの一部にだけ従属する列を別の表に分離する 主キー以外の列を介して従属する列を別の表に分離する すべての列に索引を付ける 繰り返し項目を排除し、1つのフィールドに1つの値だけを持たせる 正解と解説 正解:D. 繰り返し項目を排除し、1つのフィールドに1つの値だけを持たせる 第1正規形は、1つのフィールドに複数の値が入る繰り返し項目を排除した形である。主キーの一部への従属(部分関数従属)の分離は第2正規形、主キー以外の列を介した従属(推移的関数従属)の分離は第3正規形にする操作であり、索引の付与は正規化とは無関係である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.1(関係モデルと関係データベース)
問9|SQLの検索
「患者」表に対して次のSQL文を実行したとき、得られる値はどれか。
-- 患者表 患者ID | 氏名 | 年齢 P001 | 佐藤 | 72 P002 | 鈴木 | 45 P003 | 高橋 | 65 P004 | 田中 | 80 P005 | 伊藤 | 30 1: SELECT COUNT(*) FROM 患者 2: WHERE 年齢 >= 65; 1 2 3 4 正解と解説 正解:C. 3 WHERE句の条件「年齢 >= 65」を満たすのは佐藤(72)・高橋(65)・田中(80)の3行で、COUNT(*)は条件を満たす行数を返すため結果は3である。65歳ちょうどの高橋も「>=」に含まれる点に注意する。2は高橋を数え落とした値、4は鈴木(45)を誤って含めた値である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.2(関係データベースの操作)
問10|GROUP BY
「受診」表に対して次のSQL文を実行したとき、結果の行数はどれか。
-- 受診表 受診ID | 診療科 1 | 内科 2 | 外科 3 | 内科 4 | 内科 5 | 外科 6 | 眼科 1: SELECT 診療科, COUNT(*) 2: FROM 受診 3: GROUP BY 診療科; 3 4 5 6 正解と解説 正解:A. 3 GROUP BY句は診療科の値ごとに行をまとめるため、結果は診療科の種類の数だけの行になる。表に含まれる診療科は内科・外科・眼科の3種類なので結果は3行(内科3件、外科2件、眼科1件)である。6はGROUP BYを行わない場合の元の行数であり、グループ化の働きを問う問題である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.2(関係データベースの操作)
問11|表の結合
「患者」表と「処方」表に対して次のSQL文を実行したとき、結果の行数はどれか。
-- 患者表 -- 処方表 患者ID | 氏名 処方ID | 患者ID | 薬剤名 P001 | 佐藤 1 | P001 | 薬A P002 | 鈴木 2 | P003 | 薬B P003 | 高橋 3 | P003 | 薬C 1: SELECT 患者.氏名, 処方.薬剤名 2: FROM 患者 3: INNER JOIN 処方 4: ON 患者.患者ID = 処方.患者ID; 2 3 4 5 正解と解説 正解:B. 3 INNER JOINは結合条件(患者ID)が一致する行の組だけを返す。処方表の3行はいずれも患者表に対応する行がある(P001が1件、P003が2件)ため、結果は3行である。処方のない鈴木(P002)は結果に現れない。2は高橋の2件を1件と数えた値、5は単純な行数の合計と混同した値である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.2(関係データベースの操作)
問12|並べ替え
「患者」表に対して次のSQL文を実行したとき、結果の先頭行に表示される氏名はどれか。
-- 患者表 患者ID | 氏名 | 年齢 P001 | 佐藤 | 72 P002 | 鈴木 | 45 P003 | 高橋 | 80 P004 | 田中 | 65 1: SELECT 氏名 FROM 患者 2: ORDER BY 年齢 DESC; 佐藤 鈴木 田中 高橋 正解と解説 正解:D. 高橋 ORDER BY 年齢 DESCは年齢の降順(大きい順)に並べ替える指定なので、最高齢の高橋(80)が先頭になる。佐藤(72)は2番目である。昇順(ASC)と取り違えると最年少の鈴木(45)を選んでしまう。DESCが降順、ASCが昇順という指定の意味を確実に覚えておく。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.2(関係データベースの操作)
問13|関係演算
関係演算のうち、表から条件を満たす行を取り出す操作はどれか。
選択 射影 結合 和 正解と解説 正解:A. 選択 選択は条件を満たす行を取り出す関係演算で、SQLではWHERE句が対応する。射影は特定の列を取り出す操作(SELECT句の列指定)、結合は複数の表を共通の列で結び付ける操作(JOIN)である。和は2つの表の行を合わせる集合演算であり、関係演算の行の絞り込みとは異なる。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.2.2(関係データベースの操作)
問14|ACID特性
トランザクションのACID特性のうち、「処理がすべて実行されるか、まったく実行されないかのいずれかになる」性質はどれか。
一貫性 耐久性 原子性 隔離性 正解と解説 正解:C. 原子性 原子性(不可分性)は、トランザクションの処理が全部実行されるか全く実行されないかのどちらかになる性質で、途中までの中途半端な状態を許さない。一貫性は整合性が保たれること、耐久性は完了した結果が失われないこと、隔離性は他のトランザクションの影響を受けないことである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.3.1(データベースの特性)
問15|デッドロック
2つのトランザクションが互いに相手のロックの解放を待ち、どちらも処理を進められなくなる状態はどれか。
ライブロック デッドロック ロールフォワード チェックポイント 正解と解説 正解:B. デッドロック デッドロックは、2つのトランザクションが互いに相手が確保した資源のロック解放を待ち合って停止する状態で、一方を強制的にロールバックして解消する。ライブロックは処理が譲り合いを繰り返して進まない状態、ロールフォワードは障害回復の処理、チェックポイントは回復の起点であり、いずれも異なる。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.3.2(データベースの運用管理)
問16|ロールバック
トランザクションが異常終了したとき、データベースを更新前の状態に戻す処理はどれか。
ロールバック コミット ロールフォワード 2相ロック 正解と解説 正解:A. ロールバック ロールバックは、異常終了したトランザクションの更新をログの更新前情報を使って取り消し、開始前の状態に戻す処理である。コミットは正常終了時に更新を確定する処理、ロールフォワードは媒体障害時にバックアップとログで障害直前まで更新をやり直す処理、2相ロックは排他制御の方式である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.3.2(データベースの運用管理)
問17|障害回復
ディスクの媒体障害が起きたとき、バックアップファイルを復元した後、ログ(ジャーナル)ファイルを用いて障害直前の状態まで更新をやり直す処理はどれか。
ロールバック コミット デッドロック ロールフォワード 正解と解説 正解:D. ロールフォワード ロールフォワードは、バックアップ時点の状態を復元したうえで、ログファイルに記録された更新後情報を順に適用し、障害直前の状態まで回復する処理である。ロールバックは更新を取り消して戻す逆方向の処理、コミットは更新の確定、デッドロックはロックの待ち合い状態であり、いずれも媒体障害からの回復処理ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.3.2(データベースの運用管理)
問18|ETL
業務システムからデータを抽出・変換してデータウェアハウス(DWH)に格納する一連の処理はどれか。
OLAP データクレンジング ETL ダッシュボード 正解と解説 正解:C. ETL ETLはExtract(抽出)・Transform(変換)・Load(格納)の頭文字で、業務システムのデータを分析用のDWHに取り込む一連の処理である。OLAPは蓄積されたデータを多次元的に集計・分析する処理、データクレンジングは誤りや表記ゆれを整える処理、ダッシュボードはBIツールの可視化画面であり、格納までの一連の流れを指すのはETLである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 4.4.1(データの収集)
問19|OSI第3層
OSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)の役割として適切なのはどれか。
隣接する機器の間でフレームを伝送する IPアドレスに基づいて経路選択(ルーティング)を行う アプリケーション間のデータ表現形式を変換する ビット列を電気信号や光信号に変換して伝送する 正解と解説 正解:B. IPアドレスに基づいて経路選択(ルーティング)を行う ネットワーク層はIPアドレスを使って宛先までの経路選択(ルーティング)を行う層で、IPが代表的なプロトコル、ルータが代表的な機器である。フレームの伝送は第2層データリンク層、データ表現形式の変換は第6層プレゼンテーション層、信号への変換は第1層物理層の役割である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(通信プロトコルの階層モデル)
問20|TCPとUDP
TCPとUDPに関する記述として適切なのはどれか。
TCPはコネクション型で、到達確認により信頼性の高い通信を行う UDPはコネクション型で、TCPより信頼性が高い TCPはOSI参照モデルの物理層のプロトコルである UDPは受信確認と再送制御を行う 正解と解説 正解:A. TCPはコネクション型で、到達確認により信頼性の高い通信を行う TCPはコネクション型のトランスポート層プロトコルで、到達確認や再送制御により信頼性の高い通信を実現する。UDPはコネクションレス型で確認や再送を行わない代わりに軽く、音声・映像などのリアルタイム通信に向く。TCPが物理層という記述、UDPが再送制御を行うという記述はいずれも誤り。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.1(通信プロトコルの階層モデル)
問21|MACアドレス
MACアドレスに関する記述として適切なのはどれか。
端末が接続するたびに、DHCPサーバから自動的に割り当てられるアドレスである 32ビットで表され、ネットワーク層で使われる論理アドレスである DNSによる名前解決でドメインネームから求められるアドレスである ネットワークインターフェースに割り当てられた48ビットの物理アドレスである 正解と解説 正解:D. ネットワークインターフェースに割り当てられた48ビットの物理アドレスである MACアドレスはネットワークインターフェースに割り当てられた48ビットの物理アドレスで、イーサネットやWi-Fiで機器を識別する。DHCPが割り当てるのはIPアドレスなどの設定、32ビットの論理アドレスはIPv4アドレス、ドメインネームから求められるのもIPアドレス(DNSによる名前解決)であり、いずれもMACアドレスの説明ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.2(通信プロトコルの種類)
問22|サブネット
IPアドレス192.168.10.130/26のホストが属するネットワークのネットワークアドレスはどれか。
192.168.10.0 192.168.10.64 192.168.10.128 192.168.10.192 正解と解説 正解:C. 192.168.10.128 /26はサブネットマスク255.255.255.192にあたり、第4オクテットは64ごとの区切り(0、64、128、192)になる。130は128以上192未満の範囲にあるため、ネットワークアドレスは192.168.10.128である。130を2進数にすると10000010で、上位2ビットを残しホスト部6ビットを0にすると10000000=128になることからも確認できる。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.2(通信プロトコルの種類)
問23|ホスト数
プレフィックス長/28のサブネットで、ホストに割り当てられるIPアドレスの数はどれか。
12 14 16 30 正解と解説 正解:B. 14 /28ではホスト部が32−28=4ビットなので、アドレスは2の4乗=16個ある。このうちホスト部がすべて0のネットワークアドレスと、すべて1のブロードキャストアドレスは割り当てられないため、16−2=14個がホストに使える。16は2つを引き忘れた値、30は/27の場合の値である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.2(通信プロトコルの種類)
問24|同一サブネット
IPアドレス192.168.1.66、サブネットマスク255.255.255.224のホストと同じサブネットに属するIPアドレスはどれか。
192.168.1.70 192.168.1.60 192.168.1.100 192.168.1.130 正解と解説 正解:A. 192.168.1.70 マスク255.255.255.224(/27)では第4オクテットが32ごとの区切りになり、66は64〜95の範囲(ネットワークアドレス192.168.1.64)に属する。70は同じ64〜95の範囲にあるため同一サブネットである。60は32〜63、100は96〜127、130は128〜159の範囲で、いずれも別のサブネットに属する。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.2(通信プロトコルの種類)
問25|私設アドレス
IPv4のプライベートアドレスに該当するものはどれか。
8.8.8.8 203.0.113.10 172.32.0.1 192.168.100.1 正解と解説 正解:D. 192.168.100.1 プライベートアドレスは10.0.0.0〜10.255.255.255、172.16.0.0〜172.31.255.255、192.168.0.0〜192.168.255.255の3つの範囲で、192.168.100.1はこれに該当する。172.32.0.1は172.31までの範囲を外れているため該当しない。8.8.8.8と203.0.113.10はグローバル側のアドレスである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.2(通信プロトコルの種類)
問26|DNS
DNSの役割として適切なのはどれか。
端末にIPアドレスやサブネットマスクを自動的に割り当てる ドメインネームとIPアドレスの対応付け(名前解決)を行う ネットワーク上の機器の時刻を基準サーバに合わせて同期する 電子メールをメールサーバ間で転送し、宛先に届ける 正解と解説 正解:B. ドメインネームとIPアドレスの対応付け(名前解決)を行う DNSはドメインネームとIPアドレスの対応付け(名前解決)を行う仕組みで、問合せにはDNSサーバが答える。IPアドレスの自動割り当てはDHCP、時刻同期はNTP、メールの転送はSMTPの役割であり、それぞれ別のプロトコルである。役割の対応関係は頻出なので確実に区別する。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.3(その他の通信プロトコルとその利用)
問27|DHCP
DHCPの役割として適切なのはどれか。
ドメインネームとIPアドレスの対応付けを行い、名前解決に応答する ルータ間で経路情報を交換し、最適な経路を決める IPアドレスなどのネットワーク設定を端末に自動的に割り当てる 試験用のパケットを送って相手までの到達性を確認する 正解と解説 正解:C. IPアドレスなどのネットワーク設定を端末に自動的に割り当てる DHCPは、端末が接続したときにIPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイなどの設定を自動的に払い出すプロトコルである。名前解決はDNS、経路情報の交換はRIPやOSPFなどのルーティングプロトコル、到達性の確認はICMPを利用するpingの役割である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.1.3(その他の通信プロトコルとその利用)
問28|ポート番号
サービスとWell Known Portの組合せとして適切なのはどれか。
HTTP - 80 SMTP - 110 DNS - 25 NTP - 53 正解と解説 正解:A. HTTP - 80 HTTPのWell Known Portは80番である。SMTPは25番(110番はPOP3)、DNSは53番(25番はSMTP)、NTPは123番(53番はDNS)であり、他の選択肢は番号の対応がずれている。主要サービスのポート番号はセキュリティ設定にも関わるため、正確に覚えておく。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.1(ネットワークサービス)
問29|メール送信
電子メールの送信やメールサーバ間の転送に用いられるプロトコルはどれか。
POP HTTP NTP SMTP 正解と解説 正解:D. SMTP SMTPは電子メールの送信と、メールサーバ間の転送に使われるプロトコルである。POPは利用者がメールサーバから自分あてのメールを受信するためのプロトコルで、送信には使われない。HTTPはWebページの転送、NTPは時刻同期のプロトコルであり、メールの転送とは無関係である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.1(ネットワークサービス)
問30|NTP
NTPの役割として適切なのはどれか。
WebサーバとブラウザでWebページを転送する ネットワーク上の機器の時刻を同期する ファイルを暗号化して保存する メールサーバから電子メールを受信する 正解と解説 正解:B. ネットワーク上の機器の時刻を同期する NTPはネットワーク上の機器の時刻を基準のサーバに合わせて同期するプロトコルである。医療情報システムでは、診療記録やログの時刻の信頼性を保つために各サーバ・端末の時刻同期が重要になる。Webページの転送はHTTP、メールの受信はPOPの役割で、ファイルの暗号化を行うプロトコルでもない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.1(ネットワークサービス)
問31|ルータ
IPアドレスに基づいて、異なるネットワーク間のパケット転送(ルーティング)を行う機器はどれか。
HUB(リピータハブ) L2スイッチ ルータ UTPケーブル 正解と解説 正解:C. ルータ ルータはIPアドレスとルーティングテーブルに基づいて、異なるネットワーク間でパケットを転送する機器で、同等の機能を持つスイッチがL3スイッチである。HUBは受信信号をすべてのポートに中継し、L2スイッチはMACアドレスを見て同一LAN内で転送する。UTPケーブルは伝送媒体であり機器ではない。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.2(ネットワーク機器と技術)
問32|無線LAN
無線LAN(IEEE802.11)に関する記述として適切なのはどれか。
暗号化方式は、WEPよりWPA2の方が安全性が高い SSIDは通信を暗号化するための鍵である IEEE802.11の規格の別名をBluetoothという 電波の干渉は発生しない 正解と解説 正解:A. 暗号化方式は、WEPよりWPA2の方が安全性が高い WEPは解読が容易なことが知られており、WPA、さらに強固なWPA2の利用が推奨される。SSIDはアクセスポイント(ネットワーク)を識別する名前であり暗号鍵ではない。Bluetoothは802.11とは別の近距離無線規格である。無線LANでは同一チャンネルの電波の干渉が起こるため、チャンネル設計が必要である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.3(無線LAN)
問33|VLAN
VLANに関する記述として適切なのはどれか。
無線LANの通信を保護するために定められた暗号化の規格の一つである 物理的に離れた拠点どうしを結ぶために通信事業者が提供する公衆回線である より対線を用いたLANケーブルの種類の一つである スイッチの設定により、物理的な配線とは独立に論理的にネットワークを分割する技術である 正解と解説 正解:D. スイッチの設定により、物理的な配線とは独立に論理的にネットワークを分割する技術である VLANはスイッチの設定によって、物理配線を変えずに論理的なネットワークを分割する技術である。医療機関では電子カルテなどの基幹系ネットワークと事務系・来訪者用ネットワークの分離などに使われる。無線LANの暗号化規格はWPA2など、ケーブルの種類はUTPやSTPであり、公衆回線の説明も誤りである。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.2(ネットワーク機器と技術)
問34|VPN
VPNに関する記述として適切なのはどれか。
通信事業者の専用線だけで構成され、公衆回線を使わないネットワークである 暗号化などにより、公衆回線上に仮想的な専用ネットワークを構築する技術である 無線LANで端末を接続するアクセスポイントの名称である DNSサーバを複数台用意して冗長化する技術である 正解と解説 正解:B. 暗号化などにより、公衆回線上に仮想的な専用ネットワークを構築する技術である VPNは、暗号化などの技術によりインターネットなどの公衆回線上に仮想的な専用ネットワークを構築する技術で、拠点間接続やリモートアクセス、医療機器の遠隔保守の通信保護などに使われる。物理的な専用線そのものではなく、専用線より低コストで構築できる点が特徴である。アクセスポイントやDNSの冗長化とは無関係である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.4(対外接続)
問35|NAT
NAT(NAPT)の役割として適切なのはどれか。
ネットワーク上の機器の時刻を基準サーバに合わせて同期する MACアドレスからIPアドレスを求めて通信相手を特定する プライベートアドレスとグローバルアドレスを相互に変換する 電子メールを暗号化し、改ざんを防いで送信する 正解と解説 正解:C. プライベートアドレスとグローバルアドレスを相互に変換する NATはプライベートアドレスとグローバルアドレスを相互に変換する技術で、NAPTはさらにポート番号も使い、1つのグローバルアドレスを複数の端末で共有できるようにする。院内のプライベートアドレスの端末がインターネットに出る際に使われる。時刻同期はNTP、メールの暗号化はS/MIMEなどの役割である。
根拠:日本医療情報学会 医療情報技師育成部会「医療情報技師 到達目標」(情報処理技術系)v7(2025年7月26日更新)SBO 5.2.4(対外接続)
演習:この章の問題を解く ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
← 前の章:情報の表現とコンピュータ 次の章:情報セキュリティ →
※ 解説は学習用の情報提供です。医療上の助言ではありません。最新の試験実施要項は医療情報技師育成部会の公式発表をご確認ください。 ※ 出題は日本医療情報学会 医療情報技師育成部会が公開する「医療情報技師 到達目標」(v7・GIO/SBO/キーワード)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。医療上の助言ではありません。合格基準は非公開のため、本サイトの到達度は独自の目安です。試験の実施要項は育成部会の公式発表をご確認ください。