基本情報技術者 FUNDAMENTAL IT ENGINEER
ネットワーク
講義 4 本・確認問題 40 問 | 本試験では「科目A テクノロジ」(41問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- LANの仕組みと、ハブ・スイッチ・ルータがそれぞれどの層で何を見ているのかが分かります。
- CIDR表記からネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・収容できる台数を自分で計算できるようになります。
- TCPとUDPの使い分けと、伝送時間・伝送効率・回線利用率の計算のやり方が身につきます。
- DNS・Web・電子メールの仕組みと、モバイル通信やトラブルシューティングの道具が分かります。
1. ネットワーク方式と構成機器
LANの仕組みと、ハブ・スイッチ・ルータがそれぞれどの層で何を見ているのかが分かります。
ネットワークは、つながる範囲で二つに分けて考えます。一つの建物や事業所の中など、自分たちで敷設して管理できる範囲がLAN(構内通信網)です。これに対し、離れた拠点どうしを通信事業者の回線を借りてつなぐ広い範囲がWAN(広域通信網)です。LANは自前なので速度も構成も自由に決められますが、WANは事業者のサービス品目と料金の範囲で決まります。
有線LANの標準がイーサネット(IEEE802.3)です。1000BASE-Tのように「速度BASE-媒体」の形で規格名が付き、1000BASE-Tなら1Gビット/秒・ツイストペアケーブル、1000BASE-SXなら光ファイバを指します。初期のイーサネットは1本の伝送路を全員で共有していたため、送信前に回線が空いているか聞き、空いていれば送り、それでも衝突(コリジョン)したら検出してランダムな時間待って送り直すCSMA/CDという方式を使いました。現在のスイッチングハブによる全二重通信では送信と受信の経路が分かれるので衝突自体が起こらず、CSMA/CDは実質的に使われませんが、試験ではイーサネットのアクセス制御方式として問われます。
無線LAN(IEEE802.11)では、電波は送信中に自分の信号が大きすぎて他局の信号を聞き取れないため、衝突を「検出」できません。そこで、回線が空いていても少し待ってから送り、受信側からACKが返ってこなければ衝突したとみなして送り直すCSMA/CAという回避型の方式を使います。規格は802.11b(2.4GHz帯・11Mビット/秒)、802.11a(5GHz帯・54Mビット/秒)、802.11g(2.4GHz帯・54Mビット/秒)、802.11n(2.4/5GHz帯・MIMOで最大600Mビット/秒)、802.11ac(5GHz帯のみ・最大約6.9Gビット/秒)、802.11ax(Wi-Fi 6、2.4/5GHz帯・OFDMAで最大約9.6Gビット/秒)と進んできました。2.4GHz帯は電子レンジやBluetoothと干渉しやすく、隣接するアクセスポイントとはチャネル(使う周波数の区画)をずらす必要があります。アクセスポイントは自分の名前としてSSIDを電波に乗せ、端末はこれを選んで接続します。
ネットワーク機器は「どの層の情報を見て中継するか」で区別すると整理できます。リピータとリピータハブは物理層で信号を増幅・整形して全ポートにそのまま流すだけなので、つないだ全体が一つの衝突領域(コリジョンドメイン)になります。ブリッジとL2スイッチ(スイッチングハブ)はデータリンク層のMACアドレスを見て、宛先がつながっているポートにだけ転送するので、ポートごとに衝突領域が分かれます。ただしブロードキャストは全ポートに流れるため、ブロードキャストドメインは分かれません。ルータとL3スイッチはネットワーク層のIPアドレスを見て別のネットワークへ中継するので、ここでブロードキャストドメインが分かれます。トランスポート層より上位で、プロトコルそのものを変換して橋渡しする装置がゲートウェイです。パソコン側でネットワークに接続する部品がNIC(ネットワークインタフェースカード)で、製造時にMACアドレスが割り当てられています。
L2スイッチでは、物理的な配線とは無関係に、ポートやMACアドレスの単位でネットワークを論理的に分けるVLANが使えます。同じフロアのスイッチにつながっていても、VLANが違えばブロードキャストは届かず、行き来するにはルータやL3スイッチによる中継が必要です。部署ごとに通信を分けたいときに、配線をやり直さずに実現できるのが利点です。また、IEEE802.3af/at/btのPoEを使うと、LANケーブルで通信と給電を同時に行えるため、天井のアクセスポイントやIPカメラに電源工事なしで電力を供給できます。
通信のきまりごとを層に分けて整理したものがOSI基本参照モデルで、下から物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層の7層です。実際のインターネットで使われているTCP/IPは4階層で、ネットワークインタフェース層(OSIの第1〜2層)、インターネット層(第3層)、トランスポート層(第4層)、アプリケーション層(第5〜7層)に対応します。送信側では上の層から順にヘッダを付けていき(カプセル化)、受信側では下の層から順にヘッダを外して上へ渡します。
回線の使い方には、通信の間じゅう通信路を占有する回線交換方式と、データを小さなパケットに区切って宛先情報を付け、空いている回線を次々に共有しながら送るパケット交換方式があります。インターネットは後者で、回線を効率よく使える反面、混み具合によって遅延が変わります。さらに近年は、機器ごとに設定していた経路制御の頭脳部分(制御プレーン)を機器の転送部分(データプレーン)から切り離し、ソフトウェアから集中制御するSDNという考え方が広がっています。SDNの代表的な実装がOpenFlowで、ネットワーク構成の変更をプログラムで一括して行えます。
OSI基本参照モデルとTCP/IP階層モデルの対応(動く機器と代表的なプロトコル)| OSIの層 | TCP/IPの階層 | 役割 | この層で動く機器 | 代表的なプロトコル・規格 |
|---|
| 7 アプリケーション層 | アプリケーション層 | 応用ソフトへの通信サービス | ゲートウェイ | HTTP、SMTP、POP3、IMAP4、FTP、DNS、DHCP、NTP、SNMP |
| 6 プレゼンテーション層 | アプリケーション層 | 文字コードやデータ形式の変換 | ゲートウェイ | MIME、SSL/TLS(暗号化の位置づけ) |
| 5 セッション層 | アプリケーション層 | 通信の開始から終了までの管理 | ゲートウェイ | セッション管理の機能全般 |
| 4 トランスポート層 | トランスポート層 | 端末間の通信品質の確保と多重化 | (ゲートウェイ) | TCP、UDP |
| 3 ネットワーク層 | インターネット層 | ネットワーク間の中継とあて先までの経路制御 | ルータ、L3スイッチ | IP、ICMP、RIP、OSPF、BGP |
| 2 データリンク層 | ネットワークインタフェース層 | 隣接する機器との誤りのない伝送 | ブリッジ、L2スイッチ、無線アクセスポイント、NIC | イーサネット(IEEE802.3)、無線LAN(IEEE802.11)、PPP |
| 1 物理層 | ネットワークインタフェース層 | 電気信号や光信号への変換 | リピータ、リピータハブ、NIC | 1000BASE-Tなどのケーブル・コネクタ規格 |
用語
- LANとWAN
- LANは建物や事業所など自分で管理できる範囲の構内通信網、WANは通信事業者の回線を借りて離れた拠点をつなぐ広域通信網。速度や構成を自由に決められるのはLANのほうである。
- CSMA/CD
- 有線イーサネットのアクセス制御方式。送信前に回線が空いているか調べ、衝突したら検出してランダムな時間待って再送する。全二重のスイッチング環境では衝突が起こらないため実質使われない。
- CSMA/CA
- 無線LANのアクセス制御方式。電波では衝突を検出できないため、空いていても待ち時間を置いてから送信し、ACKが返らなければ衝突したとみなして再送する衝突回避型の方式。
- SSID
- 無線LANのアクセスポイントに付ける最大32文字の識別名。端末はこの名前を選んで接続する。同じSSIDを複数のアクセスポイントに設定すると、移動しながら接続を引き継げる。
- コリジョンドメイン
- 信号の衝突が影響し合う範囲。リピータハブでつないだ全体が一つの範囲になるが、L2スイッチはポートごとに分ける。ルータやL3スイッチはブロードキャストドメインも分ける。
- L2スイッチ
- データリンク層のMACアドレスを見て、宛先の機器がつながっているポートにだけフレームを転送する装置。スイッチングハブとも呼ぶ。ブロードキャストは全ポートに転送する。
- L3スイッチ
- ネットワーク層のIPアドレスを見て中継する機能をスイッチに持たせた装置。ルータと同じ働きをハードウェア処理で高速に行うが、WAN回線向けの機能はルータのほうが豊富である。
- ゲートウェイ
- トランスポート層より上位の層でプロトコルそのものを変換し、方式の違うネットワークどうしを橋渡しする装置。単に「デフォルトゲートウェイ」というときは外部へ出るルータを指す。
- VLAN
- 物理的な配線とは無関係に、ポートやMACアドレスの単位でLANを論理的に分割する機能。VLANが違えばブロードキャストは届かず、行き来にはルータやL3スイッチによる中継が必要になる。
- PoE
- IEEE802.3af/at/btで規格化された、LANケーブルで通信と給電を同時に行う仕組み。電源が取りにくい天井のアクセスポイントやIPカメラに、電源工事なしで電力を供給できる。
- OSI基本参照モデル
- 通信機能を下から物理・データリンク・ネットワーク・トランスポート・セッション・プレゼンテーション・アプリケーションの7層に分けて整理したモデル。層ごとに役割を切り分けて考える。
- カプセル化
- 送信側で上位層のデータに各層のヘッダを順に付けていくこと。受信側は下位層から順にヘッダを外して上位層へ渡す。層ごとに独立して機能を差し替えられるようになる。
- パケット交換方式
- データを小さなパケットに区切り、宛先情報を付けて空いている回線を共有しながら送る方式。回線を占有する回線交換方式より効率がよいが、混雑によって遅延が変動する。
- SDN
- ネットワーク機器の経路制御を行う制御プレーンを転送部分から切り離し、ソフトウェアから集中制御する考え方。代表的な実装にOpenFlowがあり、構成変更をプログラムで一括して行える。
- ルーティングプロトコル
- ルータどうしが経路情報を交換して経路表を自動で作る手順。組織内ではホップ数を使うRIPやコストを使うOSPF、組織(AS)どうしの接続にはBGPが使われる。
例題
例題:リピータハブ8ポートに8台のPCをつないだ場合と、L2スイッチ8ポートにつないだ場合で、コリジョンドメインとブロードキャストドメインはそれぞれいくつになるか。
答えと考え方 リピータハブはコリジョンドメイン1・ブロードキャストドメイン1。L2スイッチはポートごとに衝突が分かれるのでコリジョンドメイン8・ブロードキャストドメイン1。どちらもブロードキャストは全ポートに流れるので、ドメインを分けるにはルータやL3スイッチ、またはVLANが必要。
例題:OSI基本参照モデルで、ルータとL2スイッチはそれぞれ第何層の機器か。
答えと考え方 ルータは第3層(ネットワーク層)でIPアドレスを見て中継する。L2スイッチは第2層(データリンク層)でMACアドレスを見て転送する。リピータハブは第1層(物理層)で信号を流すだけである。
出典・根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク方式・通信プロトコル)
2. IPアドレスとサブネット
CIDR表記からネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・収容できる台数を自分で計算できるようになります。
IPv4アドレスは32ビットで、8ビットずつ4つに区切って10進数で書きます(例: 192.168.10.35)。32ビットは前半のネットワーク部と後半のホスト部に分かれ、どこまでがネットワーク部かを示すのがサブネットマスクです。サブネットマスクは、ネットワーク部のビットをすべて1、ホスト部をすべて0にした32ビットの値で、1が続く個数を「/24」のように書く方法をCIDR表記(プレフィックス長)といいます。かつてはアドレスの先頭ビットで区切り位置が決まるクラスA〜Cという分け方でしたが、アドレスの無駄が大きいため、現在は任意の位置で区切るCIDRが使われます。
計算の土台になるのは次の3つです。第一に、ホスト部のビット数をnとすると、そのネットワークに含まれるアドレスの総数は2のn乗個です。第二に、そのうちホスト部が全部0のものはネットワークそのものを表すネットワークアドレス、全部1のものは同じネットワーク全員あてのブロードキャストアドレスなので、機器に割り当てられる台数は2のn乗から2を引いた個数になります。第三に、あるIPアドレスのネットワークアドレスは、IPアドレスとサブネットマスクのビットごとの論理積(AND)で求められます。/24なら第4オクテットだけがホスト部なのでn=8、総数256個、使える台数254台です。
区切りがオクテットの途中に来る場合は、その1オクテットだけを見て考えると早く解けます。プレフィックス長が/26なら、第4オクテットのうち上位2ビットがネットワーク部、下位6ビットがホスト部なので、マスクは11000000(10進で192)、区切りは0、64、128、192の64個おきです。つまり192.168.10.100は192.168.10.64〜192.168.10.127の範囲に入り、ネットワークアドレスは192.168.10.64、ブロードキャストアドレスは192.168.10.127、使えるのは.65〜.126の62台です。この「1オクテット内の区切り幅=256からマスクの値を引いた数」という見方が、そのままブロードキャストアドレスの計算にも使えます。
大きなネットワークを分けることをサブネット分割といいます。プレフィックス長を1ビット伸ばすとネットワークは2つに、2ビット伸ばすと4つに増え、その分ホスト部が短くなって収容台数は半分ずつ減ります。たとえば192.168.1.0/24を/27に分けると、伸ばしたビット数は3なので2の3乗=8個のサブネットができ、それぞれのホスト部は5ビットなので使えるのは2の5乗−2=30台ずつです。逆に「500台収容したい」と言われたら、2のn乗−2が500以上になる最小のnを探してn=9、つまり32−9=23で/23(510台)と決めます。
組織の内部だけで自由に使ってよいアドレスがプライベートIPアドレスで、10.0.0.0〜10.255.255.255(10.0.0.0/8)、172.16.0.0〜172.31.255.255(172.16.0.0/12)、192.168.0.0〜192.168.255.255(192.168.0.0/16)の3つの範囲が決められています。これらはインターネット上では通用しないので、外部と通信するときは境界のルータでグローバルIPアドレスに変換します。1対1で入れ替えるのがNAT、ポート番号も一緒に書き換えて1つのグローバルアドレスを多数の端末で共有するのがNAPT(IPマスカレード)です。NAPTでは戻ってきたパケットをポート番号で見分けて内部の端末に振り分けます。
IPv4のアドレス枯渇に対する本命の答えがIPv6です。アドレス長は128ビットで、16ビットずつ8つに区切って16進数でコロン区切りに書きます。ヘッダを簡素にして中継処理を軽くし、IPsecによる暗号化への対応、ルータからの情報を使ってアドレスを自動で決めるアドレス自動設定などが取り込まれました。ブロードキャストは廃止され、代わりにマルチキャストとエニーキャストを使います。
同じネットワーク内で相手に届けるには、IPアドレスから相手のMACアドレスを知る必要があります。これを行うのがARPで、「このIPアドレスの人はMACアドレスを教えてほしい」とブロードキャストで尋ね、本人がユニキャストで答えます。宛先が別のネットワークなら、パケットはまずデフォルトゲートウェイ(自分のネットワークの出口のルータ)に渡され、ルータが経路表に従って次のルータへ中継していきます。経路表を人が書くのがスタティックルーティング、ルータどうしが情報交換して自動で作るのがダイナミックルーティングで、後者には最小ホップ数で選ぶRIP、回線速度などのコストで選ぶOSPF、組織(AS)どうしをつなぐBGPがあります。
プレフィックス長・サブネットマスク・収容台数の対応(下位オクテットの区切り幅つき)| CIDR | サブネットマスク | ホスト部のビット数 | アドレス総数 | 割当て可能な台数 | 第4オクテットの区切り幅 |
|---|
| /24 | 255.255.255.0 | 8 | 256 | 254 | —(0〜255が1組) |
| /25 | 255.255.255.128 | 7 | 128 | 126 | 128 |
| /26 | 255.255.255.192 | 6 | 64 | 62 | 64 |
| /27 | 255.255.255.224 | 5 | 32 | 30 | 32 |
| /28 | 255.255.255.240 | 4 | 16 | 14 | 16 |
| /29 | 255.255.255.248 | 3 | 8 | 6 | 8 |
| /30 | 255.255.255.252 | 2 | 4 | 2 | 4 |
| /23 | 255.255.254.0 | 9 | 512 | 510 | 第3オクテットが2おき |
| /22 | 255.255.252.0 | 10 | 1024 | 1022 | 第3オクテットが4おき |
| /20 | 255.255.240.0 | 12 | 4096 | 4094 | 第3オクテットが16おき |
192.168.10.100/26 を2進数で分解する
IPアドレス 192.168.10.100 第4オクテット 100 = 01100100 サブネットマスク /26 = 255.255.255.192 第4オクテット 192 = 11000000 AND をとる(ネットワークアドレス) 01100100 11000000 -------- 01000000 = 64 → 192.168.10.64 ホスト部を全部1にする(ブロードキャストアドレス) 01111111 = 127 → 192.168.10.127 割当て可能な範囲 192.168.10.65 〜 192.168.10.126(62台)
用語
- サブネットマスク
- IPアドレスのどこまでがネットワーク部かを示す32ビットの値。ネットワーク部を1、ホスト部を0で表す。IPアドレスとの論理積(AND)でネットワークアドレスが求められる。
- CIDR表記
- サブネットマスクの1が続く個数(プレフィックス長)を「192.168.1.0/24」のようにスラッシュに続けて書く方法。クラスにとらわれず任意の位置でネットワーク部を区切れる。
- ネットワークアドレス
- ホスト部のビットがすべて0のアドレス。そのネットワーク自体を指す番号で、個々の機器には割り当てられない。経路表ではこの値とマスクの組で宛先ネットワークを表す。
- ブロードキャストアドレス
- ホスト部のビットがすべて1のアドレス。同じネットワーク内の全機器あてを意味する。ネットワークアドレスと合わせて2個は機器に割り当てられないため、収容台数は2のn乗−2となる。
- サブネット分割
- プレフィックス長を伸ばして一つのネットワークを複数に分けること。kビット伸ばすと2のk乗個のサブネットができ、1サブネットあたりの収容台数はその分だけ減る。
- プライベートIPアドレス
- 組織内で自由に使えるアドレス。10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3範囲が定められている。インターネットでは通用しないので変換が必要になる。
- NAT
- プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを1対1で相互に変換する仕組み。同時に外部と通信できる端末数は、用意したグローバルアドレスの個数までに限られる。
- NAPT
- IPアドレスに加えてポート番号も書き換えることで、1つのグローバルIPアドレスを多数の端末で共有する仕組み。IPマスカレードとも呼ばれ、戻りのパケットはポート番号で振り分ける。
- IPv6
- 128ビットのアドレスを持つ次世代のIP。16ビットごとに16進数でコロン区切りに書く。ヘッダの簡素化、IPsec対応、アドレス自動設定が特徴で、ブロードキャストは廃止された。
- ARP
- 同一ネットワーク内で、IPアドレスから対応するMACアドレスを問い合わせるプロトコル。要求はブロードキャスト、応答はユニキャストで行われ、結果は一定時間キャッシュされる。
- デフォルトゲートウェイ
- 経路表に載っていない宛先あてのパケットを託す出口のルータ。自分と同じネットワーク内のIPアドレスを指定する必要があり、ここが誤っていると外部と通信できない。
- スタティックルーティング
- 経路表を管理者が手作業で設定する方式。構成が固定された小規模ネットワークに向き、回線障害が起きても自動では迂回しない。自動で経路を学習するのがダイナミックルーティング。
- RIPとOSPF
- 組織内で使うルーティングプロトコル。RIPはホップ数が最小の経路を選ぶディスタンスベクタ型で最大15ホップ。OSPFは回線速度などのコストで選ぶリンクステート型で、大規模構成に向く。
- BGP
- AS(自律システム)と呼ばれる組織単位のネットワークどうしを結ぶ経路制御プロトコル。通過するASの並びを情報として交換し、インターネットの基幹の経路制御に使われている。
例題
例題:172.16.5.200/21 のネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを求めよ。
答えと考え方 /21は第3オクテットの上位5ビットまでがネットワーク部で、マスクは255.255.248.0。区切り幅は256−248=8なので、第3オクテットは0、8、16、24…と8おき。5は0〜7の組に入るので、ネットワークアドレスは172.16.0.0、ブロードキャストアドレスは172.16.7.255。割当て可能な台数は2の11乗−2=2046台。
例題:192.168.4.0/22 を、1サブネットあたり60台を収容できる大きさに分割したい。プレフィックス長と、できるサブネットの数はいくつか。
答えと考え方 60台には2のn乗−2≧60を満たす最小のn=6が必要なので、プレフィックス長は32−6=26。/22から/26へは4ビット伸ばすので、2の4乗=16個のサブネットに分割できる。各サブネットの収容台数は62台。
出典・根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC1918(プライベートアドレス)/RFC4632(CIDR)
3. トランスポート層と伝送性能
TCPとUDPの使い分けと、伝送時間・伝送効率・回線利用率の計算のやり方が身につきます。
トランスポート層は、届いたデータを「どの通信のどのアプリケーションあてか」まで見分け、必要なら品質を保証する層です。ここには性格の違う2つのプロトコルがあります。TCPはコネクション型で、通信を始める前にSYN、SYN+ACK、ACKという3ウェイハンドシェイクで相手と合意を取り、送ったデータには確認応答(ACK)を求め、届かなければ再送し、順番が入れ替わっても並べ直します。UDPはコネクションレス型で、確認も再送も順序制御もせず、ヘッダも8バイトと小さいまま投げっぱなしにします。その代わり手続きの分の待ちがなく、ブロードキャストやマルチキャストにも使えるので、DNSの問合せ、DHCP、NTP、音声や映像のリアルタイム配信のように、少しの欠落より速さが大事な通信で使われます。
TCPには流れを調整する仕組みもあります。受信側がまだ処理していないのに送りすぎると溢れるので、受信側が「今これだけ受け取れる」という窓の大きさ(ウィンドウサイズ)を伝え、送信側はその範囲内なら確認応答を待たずに続けて送れます。これがスライディングウィンドウによるフロー制御で、1つ送るたびに応答を待つ方式より効率が上がります。さらに、ネットワークの混雑を検知して送る量を絞る輻輳制御も備えています。
伝送路の誤りは、電気的な雑音などで0と1が入れ替わることで起こります。1ビットの誤りを検出できるパリティチェック、連続した誤り(バースト誤り)に強く、データリンク層で広く使われるCRC(巡回冗長検査)、誤りの位置まで特定して訂正できるハミング符号などがあり、誤りを見つけたら送り直してもらう方式をARQ(自動再送要求)といいます。また、1本の伝送路に複数の通信をまとめて載せる多重化には、時間で区切る時分割多重(TDM)、周波数で分ける周波数分割多重(FDM)、光の波長で分ける波長分割多重(WDM)があります。
性能の計算はどれも「ビットにそろえてから割る」だけです。1バイト=8ビットなのでファイルの大きさは8倍してビットに直し、回線速度で割れば理屈上の時間が出ます。実際には制御情報や再送があるため、有効に使えるのは一部だけです。この割合が伝送効率で、実効速度=回線速度×伝送効率、伝送時間=データ量(ビット)÷実効速度、となります。逆に、実際に流したデータ量を回線速度と時間で割ると回線利用率が求められます。試験では1Mビット/秒=10の6乗ビット/秒のように単位の前提が必ず書かれるので、1000系か1024系かを読み落とさないことが大切です。
パケットに分けて送ると、1つ1つにヘッダが付くぶん送る量が増えます。データ1,000バイトを、1パケットに載せられるデータが200バイト、ヘッダが20バイトという条件で送ると、パケットは5個、実際に流れるのは5×(200+20)=1,100バイトになり、伝送効率は1,000÷1,100=約90.9%です。パケットを小さくすると誤り時の再送は軽くなりますが、ヘッダの割合が増えて効率は落ちるという関係があります。
遠くのサーバとやり取りするときは、回線速度だけでなく往復にかかる伝播遅延も効いてきます。世界中の利用者に同じコンテンツを配るときに、あらかじめ各地のキャッシュサーバに複製を置き、利用者に近いところから配信して遅延と本体サーバの負荷を減らす仕組みがCDN(コンテンツデリバリネットワーク)です。
拠点間を安く安全につなぐにはVPNを使います。インターネットVPNは公衆のインターネット上に暗号化したトンネルを作る方式で、ネットワーク層で暗号化と認証を行うIPsecを使うIPsec-VPNと、ブラウザのSSL/TLSをそのまま利用して個々の端末から社内システムへ接続するSSL-VPNがあります。一方、通信事業者の閉域網を使って安全性と品質を確保するのがIP-VPNで、インターネットを通らないぶん品質が安定します。
TCPとUDPの比較| 観点 | TCP | UDP |
|---|
| 接続の考え方 | コネクション型(3ウェイハンドシェイクで確立) | コネクションレス型(いきなり送る) |
| 到達の保証 | 確認応答と再送で保証する | 保証しない(欠落しても気付かない) |
| 順序の保証 | 順番が入れ替わっても並べ直す | 並べ直さない |
| フロー制御・輻輳制御 | ウィンドウ制御などで行う | 行わない |
| ヘッダの大きさ | 20バイト以上 | 8バイト |
| 1対多の送信 | できない(1対1のみ) | ブロードキャスト・マルチキャストに使える |
| 速さとオーバヘッド | 手続きの分だけ遅く、負荷も大きい | 手続きがなく速い |
| 主な用途 | HTTP、HTTPS、SMTP、POP3、IMAP4、FTP、Telnet、SSH | DNSの問合せ、DHCP、NTP、SNMP、VoIP、動画のストリーミング |
用語
- TCP
- コネクション型のトランスポート層プロトコル。3ウェイハンドシェイクで接続を確立し、確認応答・再送・順序制御・フロー制御・輻輳制御によって、データが確実に順番どおり届くことを保証する。
- UDP
- コネクションレス型のトランスポート層プロトコル。確認応答も再送も順序制御も行わず、ヘッダも8バイトと小さい。遅延を嫌う音声・映像や、DNS・DHCP・NTPなどの短い通信で使われる。
- 3ウェイハンドシェイク
- TCPが通信を始めるときに行う3回のやり取り。SYN、SYN+ACK、ACKの順に交換して、双方の送信開始位置と受信準備を確認してからデータ転送に入る。
- スライディングウィンドウ
- 受信側が伝えたウィンドウサイズの範囲内なら、確認応答を待たずに続けてデータを送れるTCPのフロー制御方式。1つずつ応答を待つ方式に比べて回線を効率よく使える。
- 伝送効率
- 回線速度のうち、実際にデータの送信に使える割合。制御情報や再送、待ち時間の分だけ100%より小さくなる。実効速度は回線速度に伝送効率を掛けて求める。
- 回線利用率
- 回線の能力に対して実際にどれだけ使われたかの割合。ある時間に流れたデータ量(ビット)を、回線速度と経過時間の積で割って求める。
- CRC
- 巡回冗長検査。データを多項式とみなした割り算の余りを検査符号として付け、受信側で同じ計算をして誤りを検出する。連続して起こるバースト誤りに強く、データリンク層で広く使われる。
- パリティチェック
- 1が奇数個か偶数個かをそろえる1ビットの検査符号を付けて誤りを検出する方式。1ビットの誤りは検出できるが位置は分からず、2ビット同時に誤ると検出できない。
- ハミング符号
- 複数の検査ビットを付けることで、1ビットの誤りであれば位置を特定して訂正できる符号。誤りを見つけて再送を求めるだけの検出方式と違い、その場で復元できる点が異なる。
- 多重化
- 1本の伝送路に複数の通信をまとめて載せる技術。時間を細かく区切って割り当てる時分割多重、周波数帯を分ける周波数分割多重、光の波長を分ける波長分割多重がある。
- CDN
- コンテンツデリバリネットワーク。各地に置いたキャッシュサーバに複製を配置し、利用者に近い場所から配信することで、応答の遅延と本体サーバの負荷をともに減らす仕組み。
- IPsec
- ネットワーク層でパケットの暗号化と認証を行うプロトコル群。IPパケット全体を包み直すトンネルモードを使うと、拠点間を結ぶVPNをアプリケーションを変えずに構築できる。
- SSL-VPN
- ブラウザなどが備えるSSL/TLSをそのまま使って社内システムへ安全に接続する方式。専用のソフトを入れなくても使えることが多く、在宅勤務など個々の端末からの接続に向く。
例題
例題:回線速度100Mビット/秒(1Mビット/秒=10の6乗ビット/秒)、伝送効率50%の回線で、50Mバイト(1Mバイト=10の6乗バイト、1バイト=8ビット)のファイルを転送する時間は何秒か。
答えと考え方 データ量は50×10の6乗×8=4×10の8乗ビット。実効速度は100×10の6乗×0.5=5×10の7乗ビット/秒。したがって4×10の8乗÷5×10の7乗=8秒。
例題:64kビット/秒(1kビット/秒=10の3乗ビット/秒)の回線で、1時間に14.4Mバイト(1Mバイト=10の6乗バイト)のデータを送った。回線利用率は何%か。
答えと考え方 送ったビット数は14.4×10の6乗×8=1.152×10の8乗ビット。1時間=3,600秒なので平均速度は1.152×10の8乗÷3,600=32,000ビット/秒。64,000ビット/秒に対して32,000÷64,000=0.5、すなわち50%。
出典・根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル・伝送)/RFC793(TCP)/RFC768(UDP)
4. アプリケーション層とネットワーク応用
DNS・Web・電子メールの仕組みと、モバイル通信やトラブルシューティングの道具が分かります。
アプリケーション層のプロトコルは、相手のIPアドレスに加えてポート番号で見分けられます。ポート番号は16ビットの数で、サーバ側で待ち受ける代表的な番号が0〜1023のウェルノウンポートとして決められています。HTTPは80番、HTTPSは443番、SMTPは25番、POP3は110番、IMAP4は143番、DNSは53番、FTPは制御に21番・データ転送に20番、SSHは22番です。クライアント側は空いている番号を一時的に使い、この組合せでどの通信への応答かを見分けます。
人が使うドメイン名とIPアドレスを対応づけるのがDNSです。名前からIPアドレスを求めるのが正引き、IPアドレスから名前を求めるのが逆引きです。利用者側で問合せを代行するのがリゾルバ(DNSキャッシュサーバ)で、答えを知らなければルートDNSサーバから順にたどり、そのドメインの情報を正式に持つ権威DNSサーバから答えをもらって、一定時間(TTL)キャッシュしてから利用者に返します。DNSが引けないと、通信そのものはできる状態でも「名前解決できません」となって使えません。
Webの通信はHTTPで行います。クライアントがリクエストを送り、サーバがステータスコードとともにレスポンスを返す形で、HTTPは本来やり取りの前後関係を覚えません。そこで、サーバがブラウザに小さなデータを保存させて次のリクエストに付けさせるcookieを使い、これでセッションIDを持ち回ってログイン状態を保ちます。HTTPSはHTTPの通信をSSL/TLSで暗号化したもので、サーバ証明書によって接続先の正当性も確認できます。組織の出口に置いて代理でアクセスし、内容をキャッシュしたり、アクセス先を制限したり、内部のIPアドレスを隠したりする装置がプロキシサーバです。
電子メールは、送信と受信で使うプロトコルが違うのが要点です。送信者から送信メールサーバへ、そして送信メールサーバから受信側のメールサーバへの配送はどちらもSMTPが担います。受信者が自分あてのメールをメールサーバから取り出すときはPOP3かIMAP4を使います。POP3は原則としてメールを手元にダウンロードして管理する方式、IMAP4はサーバ上にメールを置いたまま読む方式で、複数の端末から同じ状態で読みたい場合はIMAP4が向きます。日本語や添付ファイルなど、本来ASCII文字しか運べないメールで多様なデータを扱えるようにする拡張がMIMEで、これに暗号化とデジタル署名を加えたものがS/MIMEです。
差出人のなりすまし対策として、送信ドメイン認証が使われます。SPFは、そのドメインのメールを送ってよい送信元サーバのIPアドレスをDNSに公開しておき、受信側が実際の送信元と突き合わせる仕組みです。DKIMは、送信側がメールに電子署名を付け、受信側がDNSで公開鍵を取得して検証する仕組みです。DMARCは、SPFやDKIMの検証に失敗したメールをどう扱うか(何もしない・隔離する・拒否する)というドメイン所有者の方針をDNSで公開し、結果の報告も受け取れるようにするものです。
音声を扱うIP電話はVoIPの技術で成り立っています。音声をディジタル化して小さなパケットに分け、RTPで運び、SIPで呼の開始と終了を制御します。パケット交換なので、遅延そのものに加えて、到着間隔がばらつくゆらぎ(ジッタ)が音質に影響します。移動体通信では、高速大容量・低遅延・多数同時接続を特徴とする5G、複数の周波数帯を束ねて速度を上げるキャリアアグリゲーション、通信速度は低いが低消費電力で広い範囲をカバーしIoT機器に向くLPWAなどが押さえどころです。自社で無線設備を持たず、通信事業者の設備を借りてサービスを提供する事業者をMVNOといいます。
つながらないときは、下の層から順に切り分けます。ipconfig(UNIX系ではifconfigやip)で自分のIPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイの設定を確認し、pingでICMPのエコー要求を送って相手までの到達性と応答時間を調べます。デフォルトゲートウェイには届くのに外部に届かないときは、tracerouteやtracertで経路上のどのルータまで到達しているかをたどります。IPアドレス指定なら通じるのに名前では通じない場合はDNSの問題なので、nslookupやdigで名前解決だけを試します。機器の状態を集中的に監視するにはSNMPを使い、時刻をそろえるにはNTPを使います。
主なアプリケーション層プロトコルの役割とポート番号(メールは送受信の役割の違いに注目)| 区分 | プロトコル | 役割 | ポート番号 | トランスポート |
|---|
| メール送信 | SMTP | 送信者からメールサーバへ、およびメールサーバ間でメールを転送する | 25(送信専用の窓口は587) | TCP |
| メール受信 | POP3 | メールサーバから自分あてのメールを手元にダウンロードして管理する | 110 | TCP |
| メール受信 | IMAP4 | メールをサーバ上に置いたまま読む。複数端末で同じ状態を見られる | 143 | TCP |
| Web | HTTP | Webページなどのコンテンツを要求し、応答を受け取る | 80 | TCP |
| Web | HTTPS | HTTPの通信をSSL/TLSで暗号化し、サーバ証明書で相手を確認する | 443 | TCP |
| ファイル転送 | FTP | ファイルを転送する。制御用と実際のデータ転送用に別の接続を使う | 21(制御)、20(データ) | TCP |
| 名前解決 | DNS | ドメイン名とIPアドレスを相互に対応づける | 53 | UDP(大きな応答やゾーン転送はTCP) |
| アドレス配布 | DHCP | IPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイなどを自動で配る | 67(サーバ)、68(クライアント) | UDP |
| 時刻同期 | NTP | 機器の時刻を基準の時計に合わせる | 123 | UDP |
| 機器監視 | SNMP | ネットワーク機器の状態を収集・監視する | 161(ポーリング)、162(トラップ) | UDP |
| 遠隔操作 | SSH | 暗号化した通信で遠隔のコンピュータを操作する | 22 | TCP |
用語
- ウェルノウンポート
- 0〜1023に割り当てられた、サーバ側で待ち受ける代表的なポート番号。HTTPの80番、HTTPSの443番、SMTPの25番、DNSの53番などがあり、クライアント側は空き番号を一時的に使う。
- DNSの正引きと逆引き
- ドメイン名からIPアドレスを求めるのが正引き、IPアドレスからドメイン名を求めるのが逆引き。逆引きは送信元の確認やログの解析に使われる。
- 権威DNSサーバ
- 自分が管理するドメインの情報を正式に持ち、問合せに対して正式な回答を返すサーバ。これに対し、利用者に代わって問い合わせて結果を一定時間キャッシュするのがリゾルバである。
- cookie
- Webサーバがブラウザに保存させる小さなデータ。次のリクエストで自動的に送り返されるので、状態を覚えないHTTPでもセッションIDを持ち回ってログイン状態を保てる。
- プロキシサーバ
- 内部の端末に代わって外部へアクセスする中継サーバ。応答をキャッシュして通信量を減らす、アクセス先を制限する、内部のIPアドレスを隠すといった役割を持つ。
- SMTP
- 電子メールを送るためのプロトコル。送信者からメールサーバへの送信と、メールサーバ間の転送の両方で使われる。受信者がメールを取り出すのには使わない。
- POP3とIMAP4
- メールサーバから自分あてのメールを受け取るプロトコル。POP3は手元にダウンロードして管理し、IMAP4はサーバ上に置いたまま読む。複数端末で同じ状態を見たいならIMAP4が向く。
- MIMEとS/MIME
- MIMEは日本語や添付ファイルなどをメールで扱えるようにする拡張。S/MIMEはそれに公開鍵暗号による暗号化とデジタル署名を加え、盗聴と改ざん・なりすましを防ぐ。
- SPF
- そのドメインのメールを送ってよい送信元サーバのIPアドレスをDNSに公開し、受信側が実際の送信元と突き合わせる送信ドメイン認証。電子署名は使わない。
- DKIM
- 送信側がメールに電子署名を付け、受信側がDNSから取得した公開鍵で検証する送信ドメイン認証。なりすましだけでなく、途中での改ざんの検知にも役立つ。
- DMARC
- SPFやDKIMの検証に失敗したメールを、受信側にどう扱ってほしいか(何もしない・隔離・拒否)という方針をDNSで公開する仕組み。認証結果のレポートも受け取れる。
- VoIP
- 音声をディジタル化してIPパケットで運ぶ技術。音声データはRTPで運び、呼の接続や切断はSIPで制御する。遅延と、到着間隔のばらつきであるゆらぎが音質を左右する。
- LPWA
- 低消費電力で広い範囲をカバーする無線通信の総称。通信速度は低いが電池で長期間動くため、大量のセンサを広域に置くIoTの用途に適する。
- MVNO
- 自社では無線通信設備を持たず、移動体通信事業者の設備を借りて自社ブランドで通信サービスを提供する事業者。設備投資を抑えた料金設定ができる。
- pingとtraceroute
- pingはICMPのエコー要求と応答で相手までの到達性と応答時間を調べる。tracerouteは経路上のルータを順に表示し、どこで通信が止まっているかを特定するのに使う。
例題
例題:利用者が電子メールを送ってから、相手が読むまでに使われるプロトコルを順に挙げよ。
答えと考え方 送信者のメールソフトから送信メールサーバへSMTP、送信メールサーバから受信者のメールサーバへSMTP、受信者が自分のメールサーバから取り出すときにPOP3またはIMAP4。宛先メールサーバの場所はDNSのMXレコードを引いて調べる。送信は一貫してSMTPで、受信だけがPOP3/IMAP4であることが要点。
例題:「ブラウザでサイトが開けないが、そのサイトのIPアドレスを直接入力すると開ける」場合、どこを疑うべきか。
答えと考え方 IPアドレスで通信できている以上、経路やデフォルトゲートウェイは正常で、名前解決だけが失敗していると考えられる。DNSサーバの設定やDNSサーバ自体の障害を疑い、nslookupやdigで名前解決を単独で試して切り分ける。
出典・根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル・ネットワーク応用)/RFC5321(SMTP)/RFC7208(SPF)
確認問題(40問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|CSMA/CD
有線LANで用いられるCSMA/CD方式の説明として、適切なものはどれか。
- 送信前に伝送路が使用中でないかを調べ、衝突が起きたことを検出したら、ランダムな時間だけ待ってから再送する
- 伝送路が空いていても一定の待ち時間を置いてから送信し、受信側からの応答がなければ衝突したとみなす
- 各端末にあらかじめ送信できる時間帯を割り当て、その時間帯だけ送信させることで衝突を起こさない
- トークンと呼ばれる送信権を巡回させ、これを受け取った端末だけが送信できるようにする
正解と解説
正解:A. 送信前に伝送路が使用中でないかを調べ、衝突が起きたことを検出したら、ランダムな時間だけ待ってから再送するCSMA/CDは、伝送路の空きを確認して送信し、衝突(コリジョン)を検出したらランダムな時間待って再送する方式で、イーサネットで使われた。選択肢2は衝突を検出できない無線LANのCSMA/CA、選択肢3は時分割多重(TDMA)の考え方、選択肢4はトークンパッシング方式の説明であり、いずれもCSMA/CDではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク方式)/IEEE802.3
問2|CSMA/CA
無線LANでCSMA/CDではなくCSMA/CAが用いられる理由として、最も適切なものはどれか。
- 無線では複数の端末が同時に送信しても電波が干渉しないから
- 無線ではアクセスポイントが全端末の送信順序を完全に管理しているから
- 無線では有線より伝送速度が速く、衝突を検出する余裕がないから
- 無線では送信中に他局の信号を聞き取れず、衝突を検出できないから
正解と解説
正解:D. 無線では送信中に他局の信号を聞き取れず、衝突を検出できないから無線では自分の送信電波が強すぎて他局の信号を同時に受信できず、衝突の「検出」ができない。そのため待ち時間とACKで衝突を「回避」するCSMA/CAを使う。無線でも同時送信すれば干渉して壊れるので選択肢1は誤り。速度は理由ではなく選択肢3も誤り。CSMA/CAはアクセスポイントが送信順序を完全に管理する方式ではないので選択肢2も誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク方式)/IEEE802.11
問3|OSIと機器
OSI基本参照モデルにおいて、ネットワーク層(第3層)の情報を見て中継を行う機器はどれか。
- リピータハブ
- L2スイッチ(スイッチングハブ)
- NIC
- ルータ
正解と解説
正解:D. ルータルータはネットワーク層のIPアドレスを見て、異なるネットワークへパケットを中継する第3層の機器である。リピータハブは物理層(第1層)で信号を増幅・整形して全ポートに流すだけ、L2スイッチはデータリンク層(第2層)でMACアドレスを見て転送する。NICは端末をLANに接続する部品で、物理層とデータリンク層の機能を担う。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク方式)/JIS X 5003(OSI基本参照モデル)
問4|衝突領域
8ポートのリピータハブに8台のPCを接続した場合と、8ポートのL2スイッチに8台のPCを接続した場合を比べたときの記述として、適切なものはどれか。
- リピータハブではコリジョンドメインが8個に分かれるが、L2スイッチでは1個になる
- L2スイッチではコリジョンドメインがポートごとに分かれるが、ブロードキャストドメインは1個のままである
- L2スイッチではブロードキャストドメインがポートごとに分かれるので、ブロードキャストは他ポートに届かない
- どちらの機器でもコリジョンドメインとブロードキャストドメインの数は変わらない
正解と解説
正解:B. L2スイッチではコリジョンドメインがポートごとに分かれるが、ブロードキャストドメインは1個のままであるL2スイッチは宛先MACアドレスのポートにだけフレームを送るのでコリジョンドメインはポートごとに分かれるが、ブロードキャストは全ポートに転送するためブロードキャストドメインは1個のままである。リピータハブは全ポートに信号を流すのでコリジョンドメインは1個であり選択肢1は逆。ブロードキャストドメインを分けるにはルータやL3スイッチ、VLANが必要なので選択肢3も誤りで、両者に違いがあるため選択肢4も誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク方式)
問5|無線LAN規格
無線LANの規格に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- IEEE802.11bは5GHz帯だけを使用する規格である
- IEEE802.11aは2.4GHz帯を使用するため、電子レンジの影響を受けにくい
- IEEE802.11acは2.4GHz帯だけを使用する規格である
- IEEE802.11gは2.4GHz帯を使用し、IEEE802.11bと同じ周波数帯で通信できる
正解と解説
正解:D. IEEE802.11gは2.4GHz帯を使用し、IEEE802.11bと同じ周波数帯で通信できるIEEE802.11gは2.4GHz帯を使う規格で、同じ2.4GHz帯のIEEE802.11bと互換性がある。IEEE802.11bは2.4GHz帯なので選択肢1は誤り。IEEE802.11acは5GHz帯だけを使う規格なので選択肢3も誤り。IEEE802.11aは5GHz帯であり、また電子レンジの影響を受けやすいのは2.4GHz帯のほうなので選択肢2は前提も結論も誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク方式)/IEEE802.11
問6|経路制御
ルーティングプロトコルに関する記述のうち、適切なものはどれか。
- RIPは、通過するルータの台数(ホップ数)が最小になる経路を選ぶ
- OSPFは、経路情報を持たないルータに管理者が手作業で経路を設定する方式である
- BGPは、同一の組織内のルータどうしだけで経路情報を交換するために使う
- スタティックルーティングは、回線障害が起きると自動的に迂回経路へ切り替える
正解と解説
正解:A. RIPは、通過するルータの台数(ホップ数)が最小になる経路を選ぶRIPはホップ数を距離とみなし、最小になる経路を選ぶディスタンスベクタ型のプロトコルである。OSPFは回線速度などのコストを使って経路を自動計算するリンクステート型なので選択肢2は誤り(手作業で設定するのはスタティックルーティング)。BGPはAS(自律システム)どうしを結ぶプロトコルなので選択肢3も誤り。スタティックルーティングは自動で迂回しないので選択肢4も誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問7|VLAN
L2スイッチのVLAN機能を使う目的として、最も適切なものはどれか。
- ケーブルの長さの制限を超えて、遠く離れた拠点どうしを直接接続する
- 物理的な配線を変えずに、ブロードキャストが届く範囲を論理的に分割する
- パケットのIPアドレスを書き換えて、内部の端末をインターネットへ接続する
- LANケーブルを使って、接続した機器へ通信と同時に電力を供給する
正解と解説
正解:B. 物理的な配線を変えずに、ブロードキャストが届く範囲を論理的に分割するVLANは、ポートやMACアドレスの単位でLANを論理的に分ける機能で、物理配線を変えずにブロードキャストドメインを分割できる。VLANが違えば通信にはルータやL3スイッチによる中継が必要になる。選択肢1は中継器やWAN回線の役割、選択肢3はNAT/NAPTの説明、選択肢4はPoEの説明であり、いずれもVLANの目的ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク方式)/IEEE802.1Q
問8|SDN
SDN(Software-Defined Networking)の特徴として、適切なものはどれか。
- 各ネットワーク機器に個別にコマンドを打ち込むことで、機器ごとに独立して経路を決める
- LANケーブル1本で通信と給電を同時に行う
- 無線LANの電波干渉を避けるため、チャネルを自動的に切り替える
- 経路制御を行う制御機能を個々の機器から切り離し、ソフトウェアによって集中的に制御する
正解と解説
正解:D. 経路制御を行う制御機能を個々の機器から切り離し、ソフトウェアによって集中的に制御するSDNは、機器が持つ制御プレーン(経路の決定)を転送を行うデータプレーンから分離し、ソフトウェアから集中制御する考え方で、代表的な実装にOpenFlowがある。選択肢1はSDN登場前の従来型の運用そのもの。選択肢3は無線LANのチャネル制御、選択肢2はPoEの説明であり、SDNとは関係がない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク方式)
問9|TCP/IP階層
TCP/IP階層モデルの4階層のうち、OSI基本参照モデルのセッション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層をまとめて対応させている階層はどれか。
- ネットワークインタフェース層
- インターネット層
- トランスポート層
- アプリケーション層
正解と解説
正解:D. アプリケーション層TCP/IP階層モデルのアプリケーション層が、OSIの第5層(セッション層)から第7層(アプリケーション層)までをまとめて担当する。ネットワークインタフェース層はOSIの第1〜2層、インターネット層は第3層(IPが動く)、トランスポート層は第4層(TCPやUDPが動く)に対応するので、いずれも該当しない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問10|IPv6
IPv6がIPv4と比べて備えている特徴として、適切なものはどれか。
- アドレス長が64ビットに拡張され、16進数で表記する
- アドレス長が128ビットに拡張され、ブロードキャストアドレスは廃止された
- アドレス長は32ビットのままだが、ヘッダを簡素にして処理を高速化した
- アドレスの自動設定ができないため、必ず手動で設定する必要がある
正解と解説
正解:B. アドレス長が128ビットに拡張され、ブロードキャストアドレスは廃止されたIPv6のアドレス長は128ビットで、16ビットずつコロンで区切って16進数で表記する。ブロードキャストは廃止され、マルチキャストとエニーキャストで代替する。アドレス長は64ビットでも32ビットでもないので選択肢1と3は誤り。IPv6はルータからの情報を使ったアドレス自動設定を備えているので選択肢4も誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC8200(IPv6)
問11|マスク変換
サブネットマスク255.255.255.240をCIDR表記(プレフィックス長)で表すとどれか。
- /26
- /27
- /28
- /29
正解と解説
正解:C. /28240は2進数で11110000であり、先頭から連続する1は4ビット。第1〜第3オクテットの24ビットと合わせて1が28ビット続くので/28である。/26は255.255.255.192、/27は255.255.255.224、/29は255.255.255.248に対応するため、いずれも該当しない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC4632(CIDR)
問12|ホスト数
192.168.10.0/26 のネットワークにおいて、機器に割り当てて使用できるIPアドレスは最大何個か。ここで、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは機器に割り当てないものとする。
- 30
- 62
- 64
- 126
正解と解説
正解:B. 62/26ではホスト部が32−26=6ビットなので、アドレスの総数は2の6乗=64個。このうちホスト部が全部0のネットワークアドレスと全部1のブロードキャストアドレスは使えないので、64−2=62個となる。64はアドレスの総数、30は/27の場合、126は/25の場合の割当て可能数である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問13|ネットワーク
IPアドレス 203.0.113.100、サブネットマスク 255.255.255.240 が設定された機器がある。この機器が属するネットワークのネットワークアドレスはどれか。
- 203.0.113.64
- 203.0.113.96
- 203.0.113.100
- 203.0.113.112
正解と解説
正解:B. 203.0.113.96マスク255.255.255.240(/28)では第4オクテットの区切り幅が256−240=16なので、区切りは0、16、32…96、112…となる。100は96以上112未満の区分に入るため、ネットワークアドレスは203.0.113.96、ブロードキャストアドレスは203.0.113.111である。203.0.113.112は次の区分の先頭、203.0.113.64はさらに手前の区分の先頭、203.0.113.100は機器自身のアドレスであり、いずれもネットワークアドレスではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問14|ブロード
ネットワーク 172.16.0.0/20 のブロードキャストアドレスはどれか。
- 172.16.0.255
- 172.16.7.255
- 172.16.15.255
- 172.16.255.255
正解と解説
正解:C. 172.16.15.255/20は第3オクテットの上位4ビットまでがネットワーク部で、マスクは255.255.240.0。第3オクテットの区切り幅は256−240=16なので、172.16.0.0の範囲は172.16.0.0〜172.16.15.255となり、ブロードキャストアドレスは172.16.15.255である。172.16.0.255は/24、172.16.7.255は/21、172.16.255.255は/16とみなした場合の値であり、いずれも/20には当てはまらない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問15|分割数
192.168.1.0/24 のネットワークを、すべて同じ大きさの /27 のサブネットに分割する。分割後のサブネットの数と、1サブネットあたりに割り当てて使用できるアドレス数の組合せはどれか。ここで、各サブネットのネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは使用しないものとする。
- 4個、62個
- 8個、30個
- 8個、32個
- 16個、14個
正解と解説
正解:B. 8個、30個/24から/27へはプレフィックス長を3ビット伸ばすので、2の3乗=8個のサブネットができる。各サブネットのホスト部は32−27=5ビットでアドレス総数は32個、うち2個は使えないので30個である。4個・62個は/26に分割した場合、16個・14個は/28に分割した場合の値であり、8個・32個は使用できない2個を引いていないので誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問16|同一判定
IPアドレス 10.1.5.130、サブネットマスク 255.255.255.192 が設定された機器と、ルータを経由せずに直接通信できる機器のIPアドレスはどれか。ここで、いずれの機器にも同じサブネットマスクが設定されているものとする。
- 10.1.5.60
- 10.1.5.100
- 10.1.5.190
- 10.1.5.200
正解と解説
正解:C. 10.1.5.190マスク255.255.255.192(/26)では区切り幅が64なので、区分は0〜63、64〜127、128〜191、192〜255となる。10.1.5.130は128〜191の区分、すなわち10.1.5.128/26に属し、同じ区分にある10.1.5.190とはルータを介さずに直接通信できる。10.1.5.60は0〜63、10.1.5.100は64〜127、10.1.5.200は192〜255の区分に属し、いずれも別のネットワークとなるためルータによる中継が必要である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問17|設計
一つのネットワークに500台の機器を接続したい。ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いて500台以上を割り当てられる、最も小さいアドレス空間となるプレフィックス長はどれか。
- /21
- /22
- /23
- /24
正解と解説
正解:C. /23割当て可能数は2の(32−プレフィックス長)乗から2を引いた数である。/24は2の8乗−2=254台で足りない。/23は2の9乗−2=510台で500台を満たす。/22は1022台、/21は2046台といずれも条件は満たすが、必要以上に大きくアドレスが無駄になるため、最も小さいアドレス空間で条件を満たす/23が正しい。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問18|AND計算
IPアドレス 172.20.35.77/22 が属するネットワークのネットワークアドレスはどれか。
- 172.20.32.0
- 172.20.34.0
- 172.20.35.0
- 172.20.36.0
正解と解説
正解:A. 172.20.32.0/22はマスクが255.255.252.0で、第3オクテットの区切り幅は256−252=4である。区切りは0、4、8…32、36…なので、35は32〜35の区分に入り、ネットワークアドレスは172.20.32.0、ブロードキャストアドレスは172.20.35.255となる。172.20.36.0は次の区分の先頭、172.20.34.0と172.20.35.0は区分の途中の値であり、いずれもネットワークアドレスではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問19|収容台数
192.168.0.0/22 のネットワークに割り当てて使用できるIPアドレスの個数はどれか。ここで、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは使用しないものとする。
- 254
- 510
- 1022
- 1024
正解と解説
正解:C. 1022/22ではホスト部が32−22=10ビットなので、アドレスの総数は2の10乗=1024個。ここからネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2個を除いた1022個が割当て可能である。1024は総数そのもの、510は/23、254は/24の場合の値であり、いずれも/22には当てはまらない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問20|私的IP
プライベートIPアドレスとして使用できるIPv4アドレスはどれか。
- 172.20.10.1
- 192.169.1.1
- 172.32.10.1
- 11.0.0.1
正解と解説
正解:A. 172.20.10.1プライベートIPアドレスは10.0.0.0/8、172.16.0.0/12(172.16.0.0〜172.31.255.255)、192.168.0.0/16の3範囲である。172.20.10.1は172.16〜172.31の範囲に入るのでプライベートアドレスである。172.32.10.1は172.31を超えており範囲外、192.169.1.1は192.168ではないので範囲外、11.0.0.1は10で始まらないので範囲外であり、いずれもグローバルIPアドレスの範囲となる。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC1918(プライベートアドレス)
問21|NAPT
NAPT(IPマスカレード)がNATと比べて実現していることはどれか。
- ポート番号も併せて変換することで、1個のグローバルIPアドレスを複数の端末が同時に共有できる
- IPアドレスを変換せずに、ドメイン名からIPアドレスへの対応づけだけを行う
- 端末に対してIPアドレスやデフォルトゲートウェイの設定を自動的に配布する
- IPパケットを暗号化して、インターネット上に安全なトンネルを作る
正解と解説
正解:A. ポート番号も併せて変換することで、1個のグローバルIPアドレスを複数の端末が同時に共有できるNATはプライベートアドレスとグローバルアドレスを1対1で変換するため、同時に外部と通信できる台数はグローバルアドレスの個数までである。NAPTはポート番号も書き換えて対応表を作るので、1個のグローバルアドレスを多数の端末で共有できる。選択肢2はDNS、選択肢3はDHCP、選択肢4はIPsecなどのVPNの説明であり、NAPTの機能ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)
問22|ARP
ARPの役割として、適切なものはどれか。
- ドメイン名から対応するIPアドレスを求める
- IPアドレスから対応するMACアドレスを求める
- MACアドレスから製造したベンダを特定する
- 経路上のルータを順にたどって、通信が止まっている場所を調べる
正解と解説
正解:B. IPアドレスから対応するMACアドレスを求めるARPは、同一ネットワーク内でIPアドレスに対応するMACアドレスを問い合わせるプロトコルで、要求はブロードキャスト、応答はユニキャストで行われる。選択肢1はDNSの正引きの説明である。選択肢3はMACアドレス上位のベンダ識別子を調べる話でプロトコルではなく、選択肢4はtracerouteの説明であり、いずれもARPの役割ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC826(ARP)
問23|TCPとUDP
TCPとUDPを比較した記述のうち、適切なものはどれか。
- UDPは確認応答と再送によってデータが確実に届くことを保証する
- TCPはコネクションを確立せずにデータを送るため、UDPよりヘッダが小さい
- TCPは順序が入れ替わって届いたデータを並べ直すが、UDPは並べ直さない
- UDPはブロードキャストによる送信ができないが、TCPはできる
正解と解説
正解:C. TCPは順序が入れ替わって届いたデータを並べ直すが、UDPは並べ直さないTCPはシーケンス番号を使って順序を復元するが、UDPは順序制御を行わない。到達を保証するのはTCPであってUDPではないので選択肢1は誤り。TCPは3ウェイハンドシェイクでコネクションを確立し、ヘッダも20バイト以上と、8バイトのUDPより大きいので選択肢2も誤り。ブロードキャストやマルチキャストに使えるのはUDPのほうなので、選択肢4も逆である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC793(TCP)/RFC768(UDP)
問24|ウィンドウ
TCPのスライディングウィンドウによるフロー制御の説明として、適切なものはどれか。
- 1つのセグメントを送るたびに必ず確認応答を待ってから次を送ることで、送りすぎを防ぐ
- 送信するデータを圧縮して、伝送するビット数そのものを減らす
- パケットの誤りを検出したときに、誤ったビットの位置を特定して訂正する
- 受信側が通知したウィンドウサイズの範囲内であれば、確認応答を待たずに続けて送信できる
正解と解説
正解:D. 受信側が通知したウィンドウサイズの範囲内であれば、確認応答を待たずに続けて送信できるスライディングウィンドウでは、受信側が「これだけ受け取れる」というウィンドウサイズを通知し、送信側はその範囲内なら確認応答を待たずに連続して送れるため、回線を効率よく使える。選択肢1は1つずつ応答を待つ方式で、ウィンドウサイズが1の場合に相当する。選択肢3はハミング符号などの誤り訂正、選択肢2はデータ圧縮の説明であり、フロー制御ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC793(TCP)
問25|伝送時間
伝送速度1Gビット/秒、伝送効率60%の回線を使って、6Gバイトのファイルを転送するのに必要な時間は何秒か。ここで、1バイト=8ビット、1Gビット/秒=10の9乗ビット/秒、1Gバイト=10の9乗バイトとする。
- 10
- 48
- 80
- 133
正解と解説
正解:C. 80データ量は6×10の9乗×8=4.8×10の10乗ビット。実効速度は1×10の9乗×0.6=6×10の8乗ビット/秒。よって4.8×10の10乗÷6×10の8乗=80秒である。48秒は伝送効率を考えずに計算した値、10秒はバイトをビットに直さずに計算した値、133秒は伝送効率で2回割ってしまった場合の値であり、いずれも誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(伝送)
問26|転送時間
伝送速度500Mビット/秒、伝送効率80%の回線で2.5Gバイトのデータを転送するとき、転送に要する時間は何秒か。ここで、1バイト=8ビット、1Mビット/秒=10の6乗ビット/秒、1Gバイト=10の9乗バイトとする。
- 5
- 40
- 50
- 400
正解と解説
正解:C. 50データ量は2.5×10の9乗×8=2×10の10乗ビット。実効速度は500×10の6乗×0.8=4×10の8乗ビット/秒なので、2×10の10乗÷4×10の8乗=50秒である。5秒はバイトをビットに直さず伝送効率も考えずに計算した値、40秒は伝送効率を考えずに計算した値、400秒はバイトからビットへの換算を二重に行った値であり、いずれも誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(伝送)
問27|送信量
伝送速度100Mビット/秒、伝送効率80%の回線を5秒間使ったとき、送ることのできるデータ量は何Mバイトか。ここで、1バイト=8ビット、1Mビット/秒=10の6乗ビット/秒、1Mバイト=10の6乗バイトとする。
- 10Mバイト
- 50Mバイト
- 62.5Mバイト
- 400Mバイト
正解と解説
正解:B. 50Mバイト実効速度は100×10の6乗×0.8=8×10の7乗ビット/秒で、5秒間では4×10の8乗ビット。8で割ってバイトに直すと5×10の7乗バイト、すなわち50Mバイトである。10Mバイトは1秒間に送れる量、62.5Mバイトは伝送効率を考えずに計算した値、400Mバイトはビットをバイトに直していない値であり、いずれも誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(伝送)
問28|必要速度
1.2Gバイトのデータを60秒以内で転送したい。伝送効率を50%とするとき、必要な回線の伝送速度は最低何Mビット/秒か。ここで、1バイト=8ビット、1Gバイト=10の9乗バイト、1Mビット/秒=10の6乗ビット/秒とする。
- 40
- 80
- 160
- 320
正解と解説
正解:D. 320データ量は1.2×10の9乗×8=9.6×10の9乗ビット。60秒で送るには9.6×10の9乗÷60=1.6×10の8乗ビット/秒の実効速度が必要で、これが回線速度の50%にあたるので、回線速度は1.6×10の8乗÷0.5=3.2×10の8乗ビット/秒=320Mビット/秒である。160Mビット/秒は伝送効率を考えていない値、80Mビット/秒は0.5で割るべきところを掛けてしまった値、40Mビット/秒はバイトをビットに直していない値であり、いずれも誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(伝送)
問29|利用率
伝送速度64kビット/秒の回線を用いて、1時間に14.4Mバイトのデータを送信した。この回線の利用率は何%か。ここで、1バイト=8ビット、1kビット/秒=10の3乗ビット/秒、1Mバイト=10の6乗バイトとする。
- 6.25
- 12.5
- 50
- 100
正解と解説
正解:C. 50送信したビット数は14.4×10の6乗×8=1.152×10の8乗ビット。1時間=3,600秒なので平均の伝送速度は1.152×10の8乗÷3,600=32,000ビット/秒。回線速度64,000ビット/秒に対する割合は32,000÷64,000=0.5、すなわち50%である。6.25%はバイトをビットに直さずに計算した値、100%は回線速度を32kビット/秒と取り違えた場合の値、12.5%はビットへの換算と時間の換算をともに誤った場合の値であり、いずれも正しくない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(伝送)
問30|分割送信
1,000バイトのデータを、1パケットあたりデータ部200バイト・ヘッダ部20バイトのパケットに分割して送信する。データ部は必ず200バイトまで詰めるものとすると、回線上を実際に流れる総バイト数は何バイトか。
- 1,000
- 1,020
- 1,100
- 1,200
正解と解説
正解:C. 1,100データ1,000バイトをデータ部200バイトずつに分けると1,000÷200=5パケットになる。1パケットの大きさは200+20=220バイトなので、総量は220×5=1,100バイトである。1,000バイトはヘッダを数えていない値、1,020バイトはヘッダを1個分しか数えていない値、1,200バイトはヘッダを6パケット分数えた値であり、いずれも誤りである。なお、このときの伝送効率は1,000÷1,100=約90.9%となる。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(伝送)
問31|誤り制御
データリンク層で広く用いられ、連続して発生するバースト誤りの検出に適している誤り検出方式はどれか。
- 水平パリティチェック
- CRC(巡回冗長検査)
- ハミング符号
- チェックディジット
正解と解説
正解:B. CRC(巡回冗長検査)CRCはデータを多項式とみなした割り算の余りを検査符号として付ける方式で、連続して起こるバースト誤りの検出に強く、イーサネットなどデータリンク層で広く使われる。パリティチェックは1ビットの誤りしか検出できず偶数個の誤りを見逃す。ハミング符号は1ビットの誤りを訂正できるが、バースト誤りへの検出力ではCRCに劣る。チェックディジットは伝送誤りではなく、コード番号の入力誤りを検出する仕組みである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(伝送)
問32|VPN
IPsecを用いたインターネットVPNの説明として、適切なものはどれか。
- ネットワーク層でパケットを暗号化・認証し、インターネット上に安全なトンネルを作る
- アプリケーションごとに専用の暗号化ソフトを組み込む必要があり、既存のアプリケーションはそのままでは使えない
- 通信事業者の閉域網だけを使うため、インターネットを経由しない
- 暗号化は行わず、通信相手の認証だけを行う
正解と解説
正解:A. ネットワーク層でパケットを暗号化・認証し、インターネット上に安全なトンネルを作るIPsecはネットワーク層で暗号化と認証を行うプロトコル群で、IPパケット全体を包み直すトンネルモードを使うことでインターネット上に安全な通信路を作る。ネットワーク層で処理するので上位のアプリケーションを変更する必要はなく選択肢2は誤り。閉域網を使うのはIP-VPNなので選択肢3も誤り。IPsecのESPは暗号化を行うので選択肢4も誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(伝送)/RFC4301(IPsec)
問33|ポート番号
Webサーバがブラウザからの暗号化された接続を待ち受けるときに使用する、代表的なポート番号はどれか。
- 25
- 80
- 110
- 443
正解と解説
正解:D. 443HTTPS(HTTPをSSL/TLSで暗号化したもの)のウェルノウンポートは443番である。25番はメールの送信と転送に使うSMTP、80番は暗号化しないHTTP、110番はメールを受信するPOP3のポート番号であり、いずれもブラウザの暗号化接続の待受けには使われない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/IANAポート番号レジストリ
問34|DNS
DNSにおける「正引き」の説明として、適切なものはどれか。
- ドメイン名から対応するIPアドレスを求めること
- IPアドレスから対応するドメイン名を求めること
- IPアドレスから対応するMACアドレスを求めること
- 端末にIPアドレスを自動的に割り当てること
正解と解説
正解:A. ドメイン名から対応するIPアドレスを求めること正引きはドメイン名からIPアドレスを求める処理で、Webサイトへの接続時などに行われる。選択肢2は逆にIPアドレスから名前を求める逆引きである。選択肢3はARPの役割、選択肢4はDHCPの役割であり、いずれもDNSの正引きではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC1034(DNS)
問35|メール
電子メールで使われるプロトコルの役割に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- メールサーバ間でメールを転送するときにはPOP3を使う
- 利用者がメールサーバから自分あてのメールを取り出すときにはSMTPを使う
- POP3を使うと、送信したメールがサーバに保存され、あとから再送信できる
- IMAP4を使うと、メールをサーバ上に置いたまま複数の端末から同じ状態で読める
正解と解説
正解:D. IMAP4を使うと、メールをサーバ上に置いたまま複数の端末から同じ状態で読めるIMAP4はメールをサーバ上に残したまま操作するプロトコルなので、複数の端末から同じ状態で読める。メールサーバ間の転送はSMTPが行うので選択肢1は誤り。利用者がメールを取り出すのはPOP3かIMAP4なので選択肢2も誤り。POP3は受信のためのプロトコルであり、送信メールの保存や再送信を行う仕組みではないので選択肢3も誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク応用)/RFC5321(SMTP)
問36|送信認証
送信ドメイン認証の一つであるSPFの仕組みとして、適切なものはどれか。
- 送信側がメールに電子署名を付け、受信側がDNSから取得した公開鍵で検証する
- そのドメインのメールを送信してよいサーバのIPアドレスをDNSに公開し、受信側が実際の送信元と照合する
- 認証に失敗したメールの取扱い方針をDNSで公開し、受信側にその方針で処理してもらう
- メール本文と添付ファイルを共通鍵で暗号化して、盗聴を防ぐ
正解と解説
正解:B. そのドメインのメールを送信してよいサーバのIPアドレスをDNSに公開し、受信側が実際の送信元と照合するSPFは、正当な送信元サーバのIPアドレスをDNSのレコードとして公開し、受信側が実際の接続元IPアドレスと突き合わせることでなりすましを検出する。選択肢1は電子署名を使うDKIM、選択肢3はSPFやDKIMの結果に基づく方針を示すDMARCの説明である。選択肢4は本文の暗号化でありS/MIMEなどが担う役割で、送信ドメイン認証ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク応用)/RFC7208(SPF)
問37|cookie
WebシステムでHTTP cookieが使われる理由として、最も適切なものはどれか。
- HTTPは前後のやり取りの状態を保持しないため、セッションIDなどを持ち回って利用者を識別する必要があるから
- HTTPでは日本語を送れないため、文字コードを変換して送る必要があるから
- HTTPには暗号化の機能がないため、cookieによって通信内容を暗号化するから
- HTTPでは大きなファイルを送れないため、cookieで分割して送るから
正解と解説
正解:A. HTTPは前後のやり取りの状態を保持しないため、セッションIDなどを持ち回って利用者を識別する必要があるからHTTPはやり取りの前後関係を保持しないので、サーバはブラウザにcookieを保存させ、次のリクエストで送り返させることでセッションIDを持ち回り、ログイン状態などを維持する。文字の扱いは文字コードやMIMEの話であり選択肢2は誤り。通信の暗号化はSSL/TLS(HTTPS)が担うので選択肢3も誤り。HTTPは大きなファイルも送れるので選択肢4も誤りである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク応用)/RFC6265(HTTP cookie)
問38|DHCP
DHCPサーバが端末に対して自動的に設定する情報として、適切でないものはどれか。
- IPアドレス
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイのIPアドレス
- 端末のNICのMACアドレス
正解と解説
正解:D. 端末のNICのMACアドレスDHCPはIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイやDNSサーバのIPアドレスなど、TCP/IPの設定を自動的に配布する仕組みである。MACアドレスはNICの製造時に書き込まれている固有の識別子で、DHCPが割り当てるものではない。むしろDHCPサーバは、要求元のMACアドレスを手掛かりに毎回同じIPアドレスを割り当てる設定を行うことがある。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(通信プロトコル)/RFC2131(DHCP)
問39|切分け
あるPCから、IPアドレスを直接指定するとWebサーバに接続できるが、ドメイン名を指定すると接続できない。最初に疑うべき原因はどれか。
- DNSサーバの設定または動作に問題がある
- デフォルトゲートウェイの設定が誤っている
- PCのLANケーブルが外れている
- Webサーバが停止している
正解と解説
正解:A. DNSサーバの設定または動作に問題があるIPアドレス指定で接続できている以上、物理的な接続もデフォルトゲートウェイ経由の経路もWebサーバ自体も正常に動いている。残る違いは名前解決だけなので、DNSサーバの設定や動作を疑い、nslookupやdigで名前解決だけを試して切り分ける。他の3つが原因なら、IPアドレスを直接指定した場合にも接続できないはずである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク応用)
問40|モバイル
IoT機器向けの通信方式であるLPWAの特徴として、適切なものはどれか。
- 通信速度は低いが、消費電力が小さく広い範囲をカバーできる
- 通信速度が非常に高く、高精細な動画の配信に適している
- 複数の周波数帯を束ねることで通信速度を高める技術である
- 移動体通信事業者から設備を借りてサービスを提供する事業形態である
正解と解説
正解:A. 通信速度は低いが、消費電力が小さく広い範囲をカバーできるLPWAは低消費電力・広域を特徴とする無線通信の総称で、電池で長期間動くため、広い範囲に多数のセンサを置くIoTの用途に向く。その代わり通信速度は低いので選択肢2は誤り。選択肢3は複数の周波数帯を束ねるキャリアアグリゲーション、選択肢4は自社設備を持たずにサービスを提供するMVNOの説明であり、いずれもLPWAではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類3:技術要素 中分類10:ネットワーク(ネットワーク応用)
演習:この章の問題を解く
ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。
※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ずIPAの公式発表をご確認ください。
※ 出題はIPA公開のシラバスVer.9.2(2026年1月8日適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。擬似言語の記述形式もIPA公開の仕様に合わせています。試験制度・実施要項はIPAの公式発表をご確認ください(2027年度春ごろに新試験制度へ移行予定)。