仮の宿 学習室 資格 基本情報技術者 合格ラボ システム構成要素
基本情報技術者 FUNDAMENTAL IT ENGINEER
システム構成要素
講義 4 本・確認問題 35 問 | 本試験では「科目A テクノロジ」(41問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと クライアントサーバや3層構成、仮想化の3方式、クラウドのIaaS/PaaS/SaaSといった「システムの組み方」の違いが説明できるようになります。 デュアルシステムとデュプレックスシステムの違い、フェールセーフ・フェールソフト・フールプルーフの使い分け、RASISの5項目が区別できるようになります。 RAID 0/1/5/6/10の使用可能容量と耐障害性、MTBF・MTTRからの稼働率、直列・並列を組み合わせた稼働率の計算ができるようになります。 レスポンスタイムとターンアラウンドタイムの違い、待ち行列を使った応答時間の見積り、ベンチマークやTCO、スケールアップとスケールアウトが分かるようになります。
1. システムの構成と仮想化・クラウド
クライアントサーバや3層構成、仮想化の3方式、クラウドのIaaS/PaaS/SaaSといった「システムの組み方」の違いが説明できるようになります。
1台の大型コンピュータにすべての処理を集めるやり方を集中処理、複数のコンピュータに処理を分けて受け持たせるやり方を分散処理といいます。集中処理は管理や保守が1か所で済む反面、その1台が止まると全体が止まります。分散処理は障害の影響を局所化でき、機器を足して性能を伸ばしやすい一方、構成が複雑になり運用管理の手間が増えます。
分散処理の代表がクライアントサーバシステムです。サービスを要求する側(クライアント)と、要求に応えて処理やデータを提供する側(サーバ)に役割を分けます。これを3つの層に分けたものが3層クライアントサーバ(3層アーキテクチャ)で、画面表示を担うプレゼンテーション層、業務処理を担うファンクション層(アプリケーション層)、データの格納と検索を担うデータ層に分かれます。層ごとに独立して修正・増強できるので、業務ロジックだけを直したいときにデータベースを触らずに済みます。Webシステムは、クライアント側をWebブラウザだけにし、Webサーバ・アプリケーションサーバ・データベースサーバを組み合わせた3層構成にすることが多く、クライアントに専用ソフトを配布しなくてよいのが利点です。
これに対し、対等な立場のコンピュータ同士が直接データをやり取りする形態をピアツーピア(P2P)といいます。各機器がクライアントにもサーバにもなるため、中央サーバがなくても成立し、参加台数が増えるほど全体の資源も増えます。反面、資源の所在や利用者の管理を一元的に行いにくいという弱点があります。
利用者側の端末に必要最小限の機能しか持たせず、処理やデータをサーバ側に集約する構成をシンクライアントといいます。端末にデータが残らないので情報漏えい対策になります。中でも、サーバ上で仮想的なデスクトップ環境を動かし、その画面だけを端末に転送する方式をVDI(仮想デスクトップ基盤)と呼びます。また、複数台のコンピュータを結合して1台のように見せる技術がクラスタリングで、性能向上(負荷分散)と可用性向上(1台が故障しても他が引き継ぐ)の両方の目的で使われます。地理的に離れた多数のコンピュータの余力を集めて1つの大きな計算に使うやり方はグリッドコンピューティングです。
1台の物理サーバの上に複数の仮想的なコンピュータを動かす技術が仮想化です。方式は3つあります。ホスト型はWindowsなどのホストOSの上に仮想化ソフトを載せる方式で導入が手軽ですが、ホストOSを経由するぶん性能面で不利です。ハイパーバイザ型はハードウェア上に直接ハイパーバイザを置き、その上でゲストOSを動かす方式で、サーバ用途の主流です。コンテナ型はOSのカーネルを共有し、アプリケーションとその実行環境だけを隔離する方式で、ゲストOSを持たないため起動が速く消費資源も小さいのが特徴です。動作中の仮想マシンを停止させずに別の物理サーバへ移すライブマイグレーションも仮想化の重要な機能です。
仮想化を土台に、計算資源をネットワーク越しに従量課金で借りる形態がクラウドコンピューティングです。提供範囲によって、サーバやストレージなどのインフラを貸すIaaS、アプリケーションを動かす基盤(OSやミドルウェア)まで貸すPaaS、完成したアプリケーションそのものを提供するSaaSに分かれます。利用者の管理範囲はIaaSが最も広く、SaaSが最も狭くなります。一方、クラウドにすべてを送らず、データが発生する現場の近くに処理装置を置いて即座に処理する考え方がエッジコンピューティングで、通信遅延と回線量を減らせます。
記憶装置の置き方にも構成の違いがあります。NASはLANに直接つなぐファイルサーバ専用機で、ファイル単位でアクセスします。SANはストレージ専用の高速ネットワークを別に作り、サーバからはブロック単位でアクセスします。さらにアプリケーションの作り方として、機能を小さな独立したサービスに分けて組み合わせるマイクロサービスアーキテクチャがあり、サービス単位で改修・増強できます。取引記録を複数の参加者で分散して持ち合い、直前のブロックのハッシュ値を含めて鎖状につなぐことで改ざんを困難にする技術がブロックチェーンです。
仮想化3方式の比較(ゲストOSの有無が最大の違い) 方式 構成の並び ゲストOS 特徴 ホスト型 ハードウェア → ホストOS → 仮想化ソフト → ゲストOS あり 既存のPCに導入しやすいが、ホストOSを経由するため性能面で不利 ハイパーバイザ型 ハードウェア → ハイパーバイザ → ゲストOS あり ホストOSを介さないので性能を出しやすい。サーバ仮想化の主流 コンテナ型 ハードウェア → OS(カーネル共有) → コンテナ なし ゲストOSがないため起動が速く軽い。カーネルを共有する制約がある
用語 クライアントサーバシステム サービスを要求するクライアントと、要求に応じて処理やデータを提供するサーバに役割を分けた分散処理の形態。処理をサーバに集めつつ、画面操作はクライアントで行う。 3層クライアントサーバ システムをプレゼンテーション層(画面)、ファンクション層(業務処理)、データ層(データ管理)の3つに分ける構成。層ごとに独立して改修・増強できる。 ピアツーピア(P2P) 対等な立場のコンピュータ同士が直接データをやり取りする形態。各機器がクライアントにもサーバにもなるため中央サーバが不要だが、資源や利用者の一元管理はしにくい。 シンクライアント 端末には最小限の機能だけを持たせ、処理やデータをサーバ側に集約する構成。端末にデータを残さないため、紛失や盗難による情報漏えいを防ぎやすい。 VDI(仮想デスクトップ基盤) サーバ上で利用者ごとの仮想デスクトップを動かし、その画面情報だけを端末に転送する方式。シンクライアントを実現する代表的な仕組み。 クラスタリング 複数のコンピュータを結合して利用者からは1台に見せる技術。負荷を分散して性能を高める目的と、1台が故障しても他が処理を引き継ぐ可用性向上の目的がある。 グリッドコンピューティング ネットワークでつながった多数のコンピュータの空き処理能力を集め、1つの大きな計算を分担して処理する方式。科学技術計算などに使われる。 ハイパーバイザ型仮想化 ハードウェア上に直接ハイパーバイザを置き、その上で複数のゲストOSを動かす方式。ホストOSを介さないため性能を出しやすく、サーバ仮想化の主流。 コンテナ型仮想化 OSのカーネルを共有したまま、アプリケーションと実行環境だけを隔離する方式。ゲストOSを持たないので起動が速く、必要な資源も小さい。 ライブマイグレーション 稼働中の仮想マシンを停止させずに別の物理サーバへ移す機能。保守作業時にサービスを止めずに物理サーバを空けられる。 IaaS・PaaS・SaaS クラウドの提供範囲による分類。IaaSはサーバやストレージ、PaaSはOSやミドルウェアを含む実行基盤、SaaSは完成したアプリケーションを提供する。 エッジコンピューティング データが発生する現場の近くに処理装置を置き、その場で処理してから必要なぶんだけクラウドへ送る考え方。通信の遅延と回線の負荷を減らせる。 NASとSAN NASはLANに直接接続しファイル単位でアクセスする専用機。SANはストレージ専用の高速ネットワークを別に構成し、ブロック単位でアクセスする。 マイクロサービスアーキテクチャ アプリケーションを小さく独立したサービスの集合として作り、APIで連携させる構成。サービス単位で開発・改修・増強ができる。 ブロックチェーン 取引記録をブロックにまとめ、直前のブロックのハッシュ値を含めて鎖状につなぎ、多数の参加者で分散して保持する技術。過去の改ざんが極めて困難になる。
例題
例題:Webブラウザ・アプリケーションサーバ・データベースサーバで構成されたシステムは、3層のどれに対応するか。
答えと考え方 ブラウザ(とWebサーバの画面生成)がプレゼンテーション層、アプリケーションサーバがファンクション層、データベースサーバがデータ層にあたる。業務ロジックだけを直したいときはファンクション層のみを改修すればよい。
例題:OSのバージョンを利用者が自由に選びたい。IaaS・PaaS・SaaSのどれが適切か。
答えと考え方 IaaS。IaaSはサーバやストレージといったインフラだけを借り、OSより上は利用者が構築・管理する。PaaSはOSやミドルウェアが提供済みで選択の自由度が低く、SaaSは完成したアプリケーションを使うだけになる。
出典・根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素(システムの構成)
2. 信頼性設計と冗長構成
デュアルシステムとデュプレックスシステムの違い、フェールセーフ・フェールソフト・フールプルーフの使い分け、RASISの5項目が区別できるようになります。
システムを止めないための工夫には、大きく2つの方向があります。1つは、故障しにくい高品質な部品を使い、そもそも故障を起こさせないようにするフォールトアボイダンス(故障回避)。もう1つは、故障が起きることを前提に、起きても機能を保てるように冗長化しておくフォールトトレランス(耐故障)です。フォールトトレラントシステムとは、構成要素が壊れても全体としては正常な処理を続けられるシステムを指します。
障害が起きたときの振る舞いの設計思想には、名前の似た用語が並びます。フェールセーフは、故障したときに安全な側に倒す設計で、信号機が故障したら全方向を赤にする例が典型です。フェールソフトは、故障部分を切り離して性能や機能を落としてでも稼働を続ける設計で、この縮退運転をフォールバックといいます。フールプルーフは、利用者が誤った操作をしても危険が生じないようにする設計で、ふたを閉めないと回らない洗濯機や、数字欄に文字を入力させない画面が例です。この3つは「故障時に安全側へ」「故障時に機能を落として継続」「誤操作を受け付けない」と覚えると区別できます。
冗長構成には代表的な型があります。デュアルシステムは2組の系で同じ処理を同時に行い、結果を照合します。照合により誤りを検出でき、一方が故障してもその系を切り離してそのまま処理を続けられます。デュプレックスシステムは、主系(現用系)が業務を行い、もう一方は待機します。この待機の仕方で呼び方が変わり、待機系も電源を入れて同じ状態を保ち即座に切り替えられるものがホットスタンバイ、待機系は起動しているが別の処理をしており切替えに準備が要るものがウォームスタンバイ、待機系の電源を入れておらず障害時に起動して切り替えるものがコールドスタンバイです。切替えが速いほど費用は高くなります。ロードシェアシステムは複数の系に負荷を分け合って処理し、1台が故障しても残りが処理を引き継ぎます(ただし処理能力は落ちます)。
信頼性の評価軸をまとめたものがRASISです。Reliability(信頼性、故障しにくさ。MTBFで測る)、Availability(可用性、動いている割合。稼働率で測る)、Serviceability(保守性、直しやすさ。MTTRで測る)、Integrity(保全性・完全性、データが壊れたり矛盾したりしないこと)、Security(機密性・安全性、不正利用や漏えいを防げること)の5つの頭文字です。信頼性と可用性は似ていますが、めったに壊れなくても修理に何日もかかれば可用性は下がる、という関係にあります。
なお、冗長化は費用と釣り合わせて選びます。24時間止められない基幹系にはデュアルやホットスタンバイ、夜間に止められる業務にはコールドスタンバイ、というように、停止したときの損害と冗長化の費用を比べて決めるのが基本です。
障害への設計思想と冗長構成の比較 分類 用語 内容 具体例・特徴 考え方 フォールトアボイダンス 故障そのものを起こさせない 高品質な部品の採用、予防保守、徹底した品質管理 考え方 フォールトトレランス 故障しても全体は正常に動き続ける 多重化した装置で処理を継続。フォールトトレラントシステム 考え方 フェールセーフ 故障時に安全な側へ倒す 信号機の故障時に全方向を赤にする、異常時にガスを止める 考え方 フェールソフト 機能を落としてでも稼働を続ける 故障部分を切り離した縮退運転(フォールバック) 考え方 フールプルーフ 誤操作をしても危険が生じない ふたを閉めないと回らない洗濯機、数字欄に文字を入れさせない画面 構成 デュアルシステム 2系で同じ処理を同時に行い結果を照合 誤りを検出できる。片系故障時は切り離して継続。費用は高い 構成 デュプレックス(ホットスタンバイ) 待機系を同じ状態で通電待機 切替えがほぼ瞬時。待機側にも常時費用がかかる 構成 デュプレックス(ウォームスタンバイ) 待機系は起動済みだが別処理をしている 切替えに準備が必要で、ホットとコールドの中間 構成 デュプレックス(コールドスタンバイ) 待機系は電源を切って用意しておく 費用は最も安いが、起動と設定に時間がかかり復旧が遅い 構成 ロードシェアシステム 複数系で負荷を分担する 故障時は残りの系で継続。能力が落ちるため応答は遅くなる
用語 フォールトアボイダンス 信頼性の高い部品を使い、点検や品質管理を徹底して、故障そのものを起こさないようにする考え方。故障を前提とするフォールトトレランスと対になる。 フォールトトレラントシステム 構成要素の一部が故障しても、システム全体としては正常な処理を継続できるように冗長化されたシステム。故障が起こることを前提に設計する。 フェールセーフ 故障が起きたとき、被害が出ない安全な側の状態に移行させる設計。故障した信号機を全方向赤にする、ガス機器が異常時に元栓を閉じるなどが例。 フェールソフト 故障した部分を切り離し、性能や機能を落としてでも稼働を続ける設計。この縮退運転をフォールバックという。全面停止を避けることを優先する。 フールプルーフ 利用者が誤った操作をしても危険や重大な誤りが生じないようにする設計。ふたを閉めないと動かない機器、数字欄に文字を入力できない画面などが例。 デュアルシステム 2組の系で同じ処理を同時に行い、結果を照合する構成。誤りを検出でき、片方が故障してもその系を切り離して処理を続けられるが、費用は高い。 デュプレックスシステム 主系が業務を処理し、もう一方を待機させておく構成。主系の障害時に待機系へ切り替える。待機の仕方でホット・ウォーム・コールドに分かれる。 ホットスタンバイ 待機系も電源を入れて主系と同じ状態を保ち、障害時に即座に切り替えられる方式。切替時間は最も短いが、待機側にも常に費用がかかる。 コールドスタンバイ 待機系の電源を入れずに用意しておき、障害発生後に起動して切り替える方式。費用は最も安いが、復旧までの時間は最も長くなる。 ロードシェアシステム 複数の系で負荷を分担して処理する構成。1台が故障しても残りの系が処理を引き継げるが、処理能力は減るため応答が遅くなることがある。 RASIS 信頼性(Reliability)、可用性(Availability)、保守性(Serviceability)、保全性(Integrity)、機密性(Security)の5つの評価項目の頭文字。
例題
例題:エレベータが停電時にその場で自動停止し、扉を開かないようにするのはどの設計か。
答えと考え方 フェールセーフ。異常時に危険のない状態(かご内に閉じ込めても落下や転落を防ぐ状態)へ移行させている。機能を落として運転を続けるならフェールソフト、そもそも誤操作をさせないならフールプルーフである。
例題:デュアルシステムとホットスタンバイのデュプレックスシステムは、何が違うか。
答えと考え方 デュアルは2系が同じ処理を同時に実行して結果を照合するため、故障だけでなく処理誤りも検出できる。ホットスタンバイは待機系が同じ状態を保つだけで業務処理はしておらず、障害時に切り替える。照合の有無が本質的な違いである。
出典・根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素(システムの評価指標・信頼性設計)
3. RAIDと稼働率の計算
RAID 0/1/5/6/10の使用可能容量と耐障害性、MTBF・MTTRからの稼働率、直列・並列を組み合わせた稼働率の計算ができるようになります。
複数台の磁気ディスクを組み合わせて、速度や信頼性を高める技術がRAIDです。RAID0(ストライピング)はデータを分割して複数台に分散して書くので高速ですが、冗長性がなく1台でも壊れると全データを失います。RAID1(ミラーリング)は同じデータを2台に書くため、片方が壊れても運用を続けられますが、使える容量は全体の半分です。RAID5はデータとパリティ(誤り訂正用の情報)を全台に分散して書き、どれか1台が故障してもパリティから復元できます。n台で構成したときに使える容量は(n−1)台ぶんです。RAID6はパリティを二重に持つため2台までの同時故障に耐えられ、使える容量は(n−2)台ぶんになります。RAID10(RAID1+0)はミラーリングした組をストライピングするもので、最低4台が必要、使える容量はn/2台ぶんです。
「RAID5は(n−1)台ぶん、RAID6は(n−2)台ぶん、RAID10はn/2台ぶん」は計算問題で最もよく問われます。例えば2Tバイトのディスク6台でRAID5を構成すると、使用可能容量は2×(6−1)=10Tバイト、同じ6台でRAID6なら2×(6−2)=8Tバイト、RAID10なら2×6÷2=6Tバイトです。なお、RAIDは故障に備える仕組みであって、誤って消したファイルは復元できないため、バックアップの代わりにはなりません。
システムがどれだけ動いているかを表す指標が稼働率です。平均故障間隔MTBF(Mean Time Between Failures:修理が終わってから次に故障するまでの平均時間)と、平均修理時間MTTR(Mean Time To Repair:故障してから復旧するまでの平均時間)を使い、稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)で求めます。この値がRASISのA(可用性、アベイラビリティ)にあたります。逆に故障率はMTBFの逆数で表されます。運用実績から求めるときは、全運用時間から停止時間を引いたものを故障回数で割ってMTBF、停止時間の合計を故障回数で割ってMTTRとします。
装置を組み合わせたときのシステム全体の稼働率は、直列と並列で計算が変わります。直列(すべてが動いていないと機能しない)は各稼働率の積で、A×Bです。並列(どれか1つでも動いていれば機能する)は、全部が同時に止まる確率を1から引いて、1−(1−A)×(1−B)で求めます。直列につなぐほど全体の稼働率は下がり、並列にするほど上がります。複合構成は、まず並列部分をひとかたまりの稼働率にまとめてから、直列の掛け算をするのが定石です。
n台のうちk台以上が動いていれば機能するシステムでは、動いている台数の組合せをすべて足します。例えば稼働率0.9の装置3台のうち2台以上動けばよい場合、ちょうど2台動く確率3×0.9×0.9×0.1=0.243と、3台とも動く確率0.9×0.9×0.9=0.729を足して0.972となります。「ちょうど2台」の場合の数が3通りであること(どの1台が止まるかで3通り)を忘れないのがコツです。
RAID 0/1/5/6/10の比較(n台で構成した場合) 方式 最低台数 使用可能容量 耐えられる故障 特徴 RAID0 2台 n台ぶん(全容量) 0台(冗長性なし) ストライピング。高速だが1台の故障で全滅する RAID1 2台 n/2台ぶん(2台なら1台ぶん) ミラーの片方1台 ミラーリング。容量効率は悪いが構成が単純で確実 RAID5 3台 (n−1)台ぶん 1台 パリティを全台に分散。容量効率と耐障害性のバランスがよい RAID6 4台 (n−2)台ぶん 2台 パリティを二重化。RAID5より安全だが書込み負荷が大きい RAID10 4台 n/2台ぶん 各ミラー組で1台ずつ RAID1+0。高速かつ耐障害性が高いが必要台数が多い
用語 RAID0(ストライピング) データを分割して複数台のディスクに分散して読み書きする方式。速度は上がるが冗長性がなく、1台でも故障すると全データを失う。 RAID1(ミラーリング) 同じデータを2台のディスクに同時に書き込む方式。片方が故障しても運用を続けられるが、使用可能容量は全体の半分になる。 RAID5 データとパリティを全ディスクに分散して記録する方式。最低3台が必要で、n台なら使用可能容量は(n−1)台ぶん。1台までの故障に耐えられる。 RAID6 パリティを二重に持ち、2台まで同時に故障してもデータを復元できる方式。最低4台が必要で、n台なら使用可能容量は(n−2)台ぶん。 RAID10(RAID1+0) ミラーリングした組をストライピングで束ねる方式。最低4台が必要で、使用可能容量はn/2台ぶん。高速性と耐障害性を両立できるが費用は高い。 MTBF(平均故障間隔) 修理が完了してから次に故障するまでの平均時間。値が大きいほど故障しにくく、RASISの信頼性(Reliability)を表す指標になる。 MTTR(平均修理時間) 故障が発生してから復旧するまでの平均時間。値が小さいほど直しやすく、RASISの保守性(Serviceability)を表す指標になる。 稼働率(アベイラビリティ) 全体の時間のうちシステムが動いていた割合。MTBF÷(MTBF+MTTR)で求める。RASISの可用性(Availability)にあたる指標。 直列システムの稼働率 すべての装置が動いていないと機能しない構成の稼働率。各装置の稼働率の積(A×B)で求める。装置を増やすほど全体の稼働率は下がる。 並列システムの稼働率 どれか1つでも動いていれば機能する構成の稼働率。1−(1−A)×(1−B)で求める。全部が同時に停止する確率を1から引くという考え方。 故障率 単位時間あたりに故障が発生する割合で、MTBFの逆数として表される。MTBFが1,000時間なら故障率は1時間あたり0.001となる。
例題
例題:1Tバイトのディスク5台でRAID6を構成したときの使用可能容量は何Tバイトか。
答えと考え方 RAID6の使用可能容量は(n−2)台ぶんなので、1×(5−2)=3Tバイト。同じ5台でもRAID5なら1×(5−1)=4Tバイト、RAID0なら5Tバイトになる。
例題:稼働率0.95の装置Aと、稼働率0.9の装置を2台並列にしたブロックが直列につながっている。全体の稼働率はいくらか。
答えと考え方 まず並列部分をまとめる。1−(1−0.9)×(1−0.9)=1−0.01=0.99。次に直列なので0.95×0.99=0.9405。並列を先にまとめてから掛け算するのが定石。
出典・根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素(信頼性設計・システムの評価指標)
4. 性能の評価指標と処理形態
レスポンスタイムとターンアラウンドタイムの違い、待ち行列を使った応答時間の見積り、ベンチマークやTCO、スケールアップとスケールアウトが分かるようになります。
システムの性能は複数の物差しで測ります。スループットは単位時間あたりに処理できる仕事の量で、1時間に何件処理できるかといった形で表します。レスポンスタイム(応答時間)は、利用者が入力を終えてから最初の応答が返り始めるまでの時間です。ターンアラウンドタイムは、処理を依頼してから結果をすべて受け取り終えるまでの時間で、入力(データの転送)や出力(印刷)の時間も含みます。したがって同じ処理ならターンアラウンドタイムのほうが長くなります。対話型処理では利用者の体感に直結するレスポンスタイムを、バッチ処理では全体が終わるまでのターンアラウンドタイムを重視します。
処理形態には、一定期間のデータをまとめて一括処理するバッチ処理、要求のたびに即座に処理して結果を返すリアルタイム処理、利用者と応答をやり取りしながら進める対話型処理があります。オンラインで発生する取引を1件ずつ確実に処理する形態はトランザクション処理と呼ばれ、処理は「すべて実行するか、まったく実行しないか」のどちらかになるように管理します。
混雑したシステムの応答時間は、待ち行列理論で見積もれます。窓口が1つで、到着も処理もばらつく最も基本的なモデル(M/M/1)では、利用率をρ(ロー)、1件あたりの平均処理時間をTsとすると、平均待ち時間は ρ÷(1−ρ)×Ts、平均応答時間(待ち時間+処理時間)は Ts÷(1−ρ) で求められます。利用率が0.5のときの待ち時間は処理時間と同じですが、0.8では4倍、0.9では9倍になります。利用率が1に近づくと待ち時間が急激に伸びる、というのがこの式の要点です。
性能を測る手段としてベンチマークテストがあります。標準的な処理を実際に実行して測定するもので、SPECはCPUなどの処理性能を測る指標、TPCはトランザクション処理性能(1分あたりの処理件数と価格性能比など)を測る指標です。将来の業務量の伸びを予測し、必要な資源を前もって計画することをキャパシティプランニングといいます。
性能が足りないときの増強には2つの方向があります。スケールアップは、CPUやメモリをより高性能なものに交換して1台の能力を上げるやり方。スケールアウトは、同等の機器の台数を増やして処理を分担するやり方です。スケールアウトは台数を増やせば伸ばしやすく、1台が故障しても全体は止まりにくい一方、処理を分担できる仕組みが必要です。
費用の面では、システムの導入費だけでなく生涯にわたる総費用で判断します。これがTCO(総所有費用)で、ハードウェアやソフトウェアの購入費・開発費といった初期コスト(イニシャルコスト)と、運用・保守・教育・電気代などの運用コスト(ランニングコスト)の合計です。導入時に安く見えても運用コストが高ければTCOは大きくなるため、比較は必ずTCOで行います。
レスポンスタイムとターンアラウンドタイムの違い 項目 レスポンスタイム ターンアラウンドタイム 測る区間 入力し終えてから、最初の応答が返り始めるまで 処理を依頼してから、結果をすべて受け取り終えるまで 含まれる時間 システム内部の処理時間と伝送時間 入力(転送)+処理+出力(印刷など)のすべて 長さの関係 同じ処理ならこちらが短い 同じ処理ならこちらが長い 重視される場面 対話型処理。利用者の体感速度に直結する バッチ処理。仕事が終わるまでの総時間を見る
用語 スループット 単位時間あたりに処理できる仕事の量。1時間あたりの処理件数などで表し、値が大きいほど処理能力が高い。バッチ処理の評価によく使われる。 レスポンスタイム 利用者が入力を終えた時点から、最初の応答が返り始めるまでの時間。応答時間ともいい、対話型処理での体感の速さを表す。 ターンアラウンドタイム 処理を依頼してから結果をすべて受け取り終えるまでの時間。入力データの転送時間や印刷などの出力時間も含むため、レスポンスタイムより長くなる。 バッチ処理 一定期間に発生したデータをまとめて一括で処理する形態。給与計算や月次集計などに使われ、スループットとターンアラウンドタイムが重視される。 リアルタイム処理 要求が発生するたびに即座に処理し、決められた時間内に結果を返す形態。座席予約や制御システムなど、遅れが許されない業務で使われる。 待ち行列(M/M/1) 窓口が1つで、到着間隔と処理時間がともにばらつくときの基本モデル。利用率ρ、平均処理時間Tsのとき、平均待ち時間はρ÷(1−ρ)×Tsとなる。 ベンチマークテスト 標準的な処理プログラムを実際に実行して性能を測る方法。CPUなどの処理性能はSPEC、トランザクション処理性能はTPCの指標がよく使われる。 キャパシティプランニング 将来の業務量やデータ量の伸びを予測し、必要な処理能力や記憶容量をあらかじめ計画すること。性能不足による停止や過剰投資を防ぐ。 スケールアップ CPUやメモリをより高性能なものに交換し、1台あたりの処理能力を高める増強方法。構成は変わらないが、1台の上限を超えては伸ばせない。 スケールアウト 同等の機器を台数で増やし、処理を分担させる増強方法。台数で性能を伸ばしやすく、1台が故障しても全体は止まりにくい。 TCO(総所有費用) システムの導入から廃棄までにかかる費用の総額。購入費や開発費などの初期コストと、運用・保守・教育などの運用コストの合計で比較する。
例題
例題:利用率が0.5のシステムで、1件あたりの平均処理時間が0.4秒のとき、平均待ち時間はいくらか。
答えと考え方 ρ÷(1−ρ)×Ts=0.5÷0.5×0.4=0.4秒。利用率0.5では待ち時間は処理時間と等しくなる。応答時間は待ち時間+処理時間で0.8秒。
例題:1件0.5秒で処理できるシステムのスループットは1時間あたり何件か。
答えと考え方 3,600秒÷0.5秒=7,200件。スループットは単位時間あたりの処理量なので、1件の所要時間の逆数に時間を掛ければよい。
出典・根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素(システムの評価指標・処理形態)
確認問題(35問) 四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|クライアントサーバ
クライアントサーバシステムの説明として、最も適切なものはどれか。
サービスを要求する側と、要求に応じて処理やデータを提供する側に役割を分けて処理する形態 1台の大型コンピュータにすべての処理を集約し、端末は入出力だけを行う形態 対等な立場のコンピュータ同士が、中央のサーバを介さずに直接データをやり取りする形態 多数のコンピュータの余った処理能力を集め、1つの大規模な計算を分担して処理する形態 正解と解説 正解:A. サービスを要求する側と、要求に応じて処理やデータを提供する側に役割を分けて処理する形態 クライアントサーバシステムは、要求する側(クライアント)と提供する側(サーバ)に役割を分けた分散処理形態である。イは集中処理の説明、ウはピアツーピアの説明、エはグリッドコンピューティングの説明であり、いずれも役割分担によるクライアントとサーバの関係を示していない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問2|3層構成
3層クライアントサーバシステムにおいて、ファンクション層(アプリケーション層)が担う役割はどれか。
利用者に画面を表示し、入力を受け付ける データベースへのデータの格納と検索を行う 業務上の処理手順や計算などの業務ロジックを実行する ネットワークの経路制御とパケットの中継を行う 正解と解説 正解:C. 業務上の処理手順や計算などの業務ロジックを実行する 3層構成はプレゼンテーション層(画面)、ファンクション層(業務処理)、データ層(データ管理)に分かれ、ファンクション層は業務ロジックを担当する。アはプレゼンテーション層、イはデータ層の役割。エはネットワーク機器の役割であり、3層構成の層とは無関係である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問3|P2P
ピアツーピア方式が、クライアントサーバ方式と比べて優れている点はどれか。
利用者の認証やアクセス権を一元的に管理しやすい 中央のサーバがなくても成立し、参加する機器が増えるほど全体で使える資源も増える データの所在が1か所にまとまるため、バックアップの運用が容易である クライアント側に専用のソフトウェアを一切導入しなくてよい 正解と解説 正解:B. 中央のサーバがなくても成立し、参加する機器が増えるほど全体で使える資源も増える ピアツーピアは各機器が対等でクライアントにもサーバにもなるため、中央サーバなしで成立し、参加台数が増えるほど資源も増える。ア・ウは管理やデータが集中するクライアントサーバ方式の利点であり、ピアツーピアはむしろ一元管理が難しい。エはWebシステムの利点で、方式の比較としては誤り。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問4|VDI
VDI(仮想デスクトップ基盤)を導入する主な効果として、最も適切なものはどれか。
サーバの台数を減らし、データセンタ全体の処理能力を高められる 通信回線が切断されても、端末側で業務を継続できる 利用者ごとに異なるCPUを端末に搭載し、処理性能を個別に最適化できる 業務データが端末に残らないため、端末の紛失や盗難による情報漏えいを防ぎやすい 正解と解説 正解:D. 業務データが端末に残らないため、端末の紛失や盗難による情報漏えいを防ぎやすい VDIはサーバ上で仮想デスクトップを動かし画面情報だけを端末に転送するため、端末にデータが残らず情報漏えい対策になる。アは仮想化によるサーバ統合の効果で、VDIはむしろサーバ側の負荷が増える。イは通信が前提のVDIでは成立しない。ウは処理をサーバ側に集約するVDIの考え方と逆である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問5|仮想化方式
コンテナ型仮想化の特徴として、適切なものはどれか。
ハードウェア上に直接置いた制御ソフトの上で、複数のゲストOSを動かす OSのカーネルを共有し、アプリケーションと実行環境だけを隔離するため、起動が速く必要な資源が小さい ホストOSの上に仮想化ソフトを導入し、その上でゲストOSを動かすため導入が手軽である 1つのCPUを時分割で切り替え、複数の利用者が同時に使っているように見せる 正解と解説 正解:B. OSのカーネルを共有し、アプリケーションと実行環境だけを隔離するため、起動が速く必要な資源が小さい コンテナ型はゲストOSを持たずカーネルを共有するため、軽量で起動が速い。アはハイパーバイザ型、ウはホスト型の説明である。エはタイムシェアリングシステム(TSS)の説明であり、仮想化の3方式の分類とは別の概念である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問6|クラウド区分
利用者がOSやミドルウェアの導入・管理を行わず、提供された実行環境上に自社開発のアプリケーションを配置して運用したい。適切なクラウドサービスの区分はどれか。
IaaS SaaS PaaS DaaS 正解と解説 正解:C. PaaS PaaSはOSやミドルウェアを含む実行基盤までを提供し、利用者はその上に自作アプリケーションを載せる。IaaSはサーバやストレージだけの提供でOSの管理は利用者の責任、SaaSは完成したアプリケーションの提供で自社開発の余地がない。DaaSはデスクトップ環境の提供であり、用途が異なる。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問7|エッジ処理
エッジコンピューティングの説明として、最も適切なものはどれか。
データが発生する現場の近くに処理装置を置いて処理し、通信の遅延や回線への負荷を減らす 地理的に分散した多数のコンピュータの空き能力を集め、1つの大規模計算を分担させる 複数のサーバを結合して利用者からは1台に見せ、負荷分散と可用性向上を図る すべてのデータを中央のデータセンタに集め、大規模な分析基盤で一括処理する 正解と解説 正解:A. データが発生する現場の近くに処理装置を置いて処理し、通信の遅延や回線への負荷を減らす エッジコンピューティングは、末端(エッジ)側で処理してから必要なぶんだけクラウドへ送る考え方で、遅延と回線量を抑えられる。イはグリッドコンピューティング、ウはクラスタリングの説明。エは中央集約型の処理であり、エッジの考え方と正反対である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問8|NASとSAN
NASとSANの違いに関する記述のうち、適切なものはどれか。
NASはブロック単位でアクセスし、SANはファイル単位でアクセスする点が異なる NASはストレージ専用の高速ネットワークを別に構成するが、SANは既存のLANに直接接続する NASもSANも、サーバ本体の筐体内にディスクを増設して容量を拡張する技術である NASはLANに接続してファイル単位でアクセスし、SANはストレージ専用ネットワークを介してブロック単位でアクセスする 正解と解説 正解:D. NASはLANに接続してファイル単位でアクセスし、SANはストレージ専用ネットワークを介してブロック単位でアクセスする NASはLANに直接つなぐファイルサーバ専用機でファイル単位、SANはストレージ専用ネットワークを構成しブロック単位でアクセスする。アはファイルとブロックが逆、イは接続形態が逆である。ウはいずれもネットワーク経由で共有する外部ストレージであり、内蔵ディスクの増設ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問9|マイクロサービス
マイクロサービスアーキテクチャの特徴として、適切なものはどれか。
アプリケーションを小さく独立したサービスの集合として構成し、サービス単位で改修や増強ができる 画面・業務処理・データ管理を3つの層に分け、層ごとに別のサーバへ配置する 1つの実行ファイルにすべての機能をまとめ、一括で配布・更新する 処理の内容にかかわらず、すべての要求を1台のサーバで順番に処理する 正解と解説 正解:A. アプリケーションを小さく独立したサービスの集合として構成し、サービス単位で改修や増強ができる マイクロサービスは機能を小さな独立サービスに分割しAPIで連携させる構成で、サービス単位の開発・改修・増強ができる。イは3層クライアントサーバの説明、ウは一枚岩(モノリシック)な構成でマイクロサービスと対極にある。エは処理形態の話であり、アーキテクチャの説明になっていない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問10|ブロックチェーン
ブロックチェーンにおいて、過去の取引記録の改ざんが困難になる主な理由はどれか。
取引記録が特定の管理者のサーバだけに保管され、外部からアクセスできないため 各ブロックが直前のブロックのハッシュ値を含んで連鎖し、記録が多数の参加者に分散保持されるため 取引記録が書き込み時に圧縮され、元の内容を復元できなくなるため 取引記録に有効期限が設定され、一定期間が過ぎると自動的に削除されるため 正解と解説 正解:B. 各ブロックが直前のブロックのハッシュ値を含んで連鎖し、記録が多数の参加者に分散保持されるため ブロックチェーンは直前のブロックのハッシュ値を含めて鎖状につなぐため、途中を書き換えると以降のハッシュ値がすべて合わなくなり、しかも多数の参加者が同じ記録を持つので改ざんが極めて困難になる。アは分散保持というブロックチェーンの前提と逆。ウの圧縮やエの自動削除は改ざん防止の仕組みではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問11|デュアル
デュアルシステムの説明として、適切なものはどれか。
主系が処理を行い、待機系は電源を切って待機し、障害時に起動して切り替える 複数の系が負荷を分担して処理し、1系が故障したときは残りの系で処理を続ける 2組の系が同じ処理を同時に行い、結果を照合しながら処理を進める 1台のサーバ上で複数の仮想マシンを動かし、障害時に別の物理サーバへ移す 正解と解説 正解:C. 2組の系が同じ処理を同時に行い、結果を照合しながら処理を進める デュアルシステムは2組の系で同一処理を同時に実行し結果を照合するため、故障だけでなく処理誤りも検出できる。アはコールドスタンバイのデュプレックスシステム、イはロードシェアシステムの説明。エはライブマイグレーションであり、冗長構成の分類とは別の技術である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問12|待機方式
デュプレックスシステムの待機方式のうち、ホットスタンバイの説明はどれか。
待機系も電源を入れて主系と同じ状態を保ち、障害発生時にただちに切り替える 待機系は電源を切って保管しておき、障害発生時に起動と設定を行ってから切り替える 待機系は起動しているが別の業務を処理しており、切替えには準備作業が必要である 待機系を持たず、障害発生時は機能を縮退させたまま主系だけで処理を続ける 正解と解説 正解:A. 待機系も電源を入れて主系と同じ状態を保ち、障害発生時にただちに切り替える ホットスタンバイは待機系を通電し主系と同じ状態に保つため、切替時間が最も短い。イはコールドスタンバイ、ウはウォームスタンバイの説明である。エは待機系のない縮退運転(フェールソフト)であり、デュプレックスシステムの待機方式ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問13|フェールセーフ
フェールセーフの考え方に基づく設計例はどれか。
入力欄に数字以外の文字を入力できないようにして、誤入力を防ぐ 故障した処理装置を切り離し、性能を落としてでもサービスを継続する 高信頼な部品を採用し、定期点検を徹底して故障の発生自体を抑える 踏切の制御装置が故障したときに、遮断機を下ろした状態で停止させる 正解と解説 正解:D. 踏切の制御装置が故障したときに、遮断機を下ろした状態で停止させる フェールセーフは故障時に安全な側の状態へ倒す設計で、遮断機を下ろしたまま止めるのは典型例である。アはフールプルーフ(誤操作対策)、イはフェールソフト(縮退運転)、ウはフォールトアボイダンス(故障回避)であり、いずれも安全側への移行という観点ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問14|フールプルーフ
フールプルーフの考え方を適用した例として、適切なものはどれか。
システムを二重化し、片方が故障してももう一方で処理を継続できるようにする 削除の操作をしたときに確認画面を表示し、利用者が意図しない削除を防ぐ 障害が発生した装置を切り離し、処理能力を落として運転を続ける 故障率の低い部品を選定して、機器が故障する確率そのものを下げる 正解と解説 正解:B. 削除の操作をしたときに確認画面を表示し、利用者が意図しない削除を防ぐ フールプルーフは、利用者が誤った操作をしても重大な結果を招かないようにする設計で、削除前の確認画面はその典型である。アは冗長化によるフォールトトレランス、ウはフェールソフト、エはフォールトアボイダンスであり、いずれも人の誤操作を対象とした対策ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問15|耐故障
フォールトトレランスとフォールトアボイダンスの違いを説明したものとして、適切なものはどれか。
フォールトトレランスは誤操作を防ぐ設計、フォールトアボイダンスは誤操作を許容する設計である フォールトトレランスは故障を起こさせない設計、フォールトアボイダンスは故障しても動き続ける設計である フォールトトレランスは故障が起こる前提で冗長化して稼働を続ける考え方、フォールトアボイダンスは高信頼な部品や保守で故障の発生自体を避ける考え方である どちらも同じ意味で、多重化によって稼働を継続させる考え方を指す 正解と解説 正解:C. フォールトトレランスは故障が起こる前提で冗長化して稼働を続ける考え方、フォールトアボイダンスは高信頼な部品や保守で故障の発生自体を避ける考え方である フォールトトレランスは故障を前提に冗長化して稼働を継続する考え方、フォールトアボイダンスは高品質な部品や予防保守で故障そのものを避ける考え方である。イは両者の説明が入れ替わっている。アはフールプルーフの説明が混じっており、エは両者を同一視している点で誤り。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問16|RASIS
RASISの5項目のうち、MTTR(平均修理時間)が短いことによって高まるものはどれか。
保守性(Serviceability) 信頼性(Reliability) 保全性(Integrity) 機密性(Security) 正解と解説 正解:A. 保守性(Serviceability) MTTRは故障してから復旧するまでの平均時間なので、短いほど直しやすさ、すなわち保守性が高い。信頼性は故障しにくさでMTBFが指標となる。保全性はデータが壊れたり矛盾したりしないこと、機密性は不正利用や漏えいを防ぐことであり、修理時間とは直接結び付かない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問17|RAID種類
RAID5の説明として、適切なものはどれか。
データを分割して複数のディスクに分散して書き込み、冗長情報は持たない データとパリティを複数のディスクに分散して記録し、1台の故障ならデータを復元できる 同じデータを2台のディスクに書き込み、一方が故障しても運用を継続する パリティを二重に持ち、2台が同時に故障してもデータを復元できる 正解と解説 正解:B. データとパリティを複数のディスクに分散して記録し、1台の故障ならデータを復元できる RAID5はデータとパリティを全ディスクに分散して記録し、1台までの故障ならパリティから復元できる。アは冗長性のないRAID0、ウはミラーリングのRAID1、エは二重パリティのRAID6の説明である。RAID5とRAID6は耐えられる故障台数が1台か2台かで区別する。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問18|R5容量
容量が2Tバイトの磁気ディスク6台を用いてRAID5を構成したとき、利用者が使用できるデータ容量は何Tバイトか。
6 8 10 12 正解と解説 正解:C. 10 RAID5ではパリティ1台ぶんの容量を消費するため、使用可能容量は(n−1)台ぶんとなり、2×(6−1)=10Tバイトである。12Tバイトは冗長性のないRAID0(6台ぶん)、8TバイトはRAID6(n−2=4台ぶん)、6TバイトはRAID10(n/2=3台ぶん)の値であり、いずれもRAID5ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問19|R6とR10
同じ容量の磁気ディスク8台でRAID6とRAID10をそれぞれ構成した。使用可能容量を比較した記述として適切なものはどれか。
RAID6は8台ぶん、RAID10は4台ぶんで、RAID6のほうが大きい RAID6は4台ぶん、RAID10は6台ぶんで、RAID10のほうが大きい RAID6もRAID10も4台ぶんで等しい RAID6は6台ぶん、RAID10は4台ぶんで、RAID6のほうが大きい 正解と解説 正解:D. RAID6は6台ぶん、RAID10は4台ぶんで、RAID6のほうが大きい RAID6の使用可能容量は(n−2)台ぶんで8−2=6台ぶん、RAID10はn/2台ぶんで8÷2=4台ぶんとなり、RAID6のほうが大きい。アのRAID6が8台ぶんという値は冗長情報を無視しており誤り。イは両者の値が入れ替わっている。ウは容量効率が異なるため成り立たない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問20|稼働率基本
MTBFが475時間、MTTRが25時間である装置の稼働率はいくらか。
0.95 0.05 0.9025 0.99 正解と解説 正解:A. 0.95 稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)=475÷(475+25)=475÷500=0.95である。0.05はMTTR÷(MTBF+MTTR)で求まる停止していた割合(1−稼働率)、0.9025はこの装置を2台直列にしたときの値(0.95×0.95)、0.99はMTTRを5時間と読み違えて475÷(475+5)=0.9896とした場合の概算値であり、いずれも定義式に正しく当てはめた結果ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問21|実績稼働率
あるシステムを8,000時間運用したところ、故障が4回発生し、その修理に合計200時間を要した。このシステムの稼働率はいくらか。
0.950 0.975 0.980 0.995 正解と解説 正解:B. 0.975 稼働していた時間は8,000−200=7,800時間なので、MTBF=7,800÷4=1,950時間、MTTR=200÷4=50時間となり、稼働率=1,950÷(1,950+50)=0.975である。7,800÷8,000=0.975と直接求めてもよい。0.950や0.980、0.995は停止時間や故障回数の扱いを誤った場合の値である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問22|直列2台
稼働率0.9の装置Aと稼働率0.8の装置Bを直列に接続し、両方が動作しているときだけ機能するシステムを作った。このシステムの稼働率はいくらか。
0.68 0.70 0.72 0.98 正解と解説 正解:C. 0.72 直列構成の稼働率は各装置の稼働率の積なので、0.9×0.8=0.72である。0.98は並列構成のときの値1−(1−0.9)×(1−0.8)=0.98であり、直列と取り違えた場合の値。0.68や0.70は直列の積とも並列の式とも一致しない値で、掛け算を途中で誤ったときに選びやすい。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問23|直列3台
稼働率が0.99の装置3台を直列に接続し、3台すべてが動作しているときだけ機能するシステムがある。このシステムの稼働率に最も近い値はどれか。
0.940 0.950 0.960 0.970 正解と解説 正解:D. 0.970 直列なので0.99×0.99×0.99=0.970299となり、最も近いのは0.970である。直列に装置を増やすほど全体の稼働率は単体より下がる点が要点で、0.940や0.950は下がり過ぎ、0.960も3乗の値とは一致しない。並列であれば1−0.01^3=0.999999とほぼ1になる。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問24|並列2台
稼働率0.8の装置と稼働率0.9の装置を並列に接続し、どちらか一方でも動作していれば機能するシステムを作った。このシステムの稼働率はいくらか。
0.98 0.95 0.90 0.72 正解と解説 正解:A. 0.98 並列構成では両方が同時に停止する確率を1から引くので、1−(1−0.8)×(1−0.9)=1−0.2×0.1=1−0.02=0.98である。0.72は直列とみなした0.8×0.9の値。0.95は両者の平均、0.90は高いほうの値をそのまま採用したもので、いずれも並列の計算にはならない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問25|並列3台
稼働率が0.7の装置3台を並列に接続し、いずれか1台でも動作していればシステム全体が機能する。このシステムの稼働率はいくらか。
0.910 0.973 0.980 0.999 正解と解説 正解:B. 0.973 3台すべてが同時に停止する確率は(1−0.7)^3=0.027なので、稼働率は1−0.027=0.973である。0.910は2台並列にしたときの値1−0.3^2、0.999は稼働率0.9の装置3台を並列にしたときの値であり、条件が異なる。0.980に対応する構成もこの条件からは導けない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問26|複合構成
稼働率0.9の装置Aと、稼働率0.8の装置B・Cを並列にしたブロックが直列に接続されている。システム全体は、Aが動作し、かつBとCの少なくとも一方が動作しているときに機能する。全体の稼働率はいくらか。
0.576 0.720 0.864 0.960 正解と解説 正解:C. 0.864 先に並列部分をまとめると1−(1−0.8)×(1−0.8)=1−0.04=0.96。これとAを直列に掛けて0.9×0.96=0.864となる。0.576は3台すべてを直列とみなした0.9×0.8×0.8の値、0.960は並列部分だけの値、0.720はAとB1台だけの直列の値であり、いずれも構成の読み違いである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問27|二重並列
稼働率0.8の装置を2台並列にしたブロックを2組作り、その2組を直列に接続した。システム全体の稼働率はいくらか。
0.6400 0.9600 0.9984 0.9216 正解と解説 正解:D. 0.9216 1組の並列ブロックの稼働率は1−(1−0.8)^2=0.96で、これを直列に2組つなぐので0.96×0.96=0.9216となる。0.6400は0.8×0.8とだけ計算した値、0.9600は並列ブロック1組ぶんの値、0.9984は2組を直列ではなく並列とみなした1−(1−0.96)^2の値であり、いずれも構成の読み違いである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問28|3台中2台
稼働率が0.9の装置3台で構成され、3台のうち2台以上が動作していればシステム全体が機能する。このシステムの稼働率はいくらか。
0.972 0.729 0.900 0.999 正解と解説 正解:A. 0.972 ちょうど2台が動作する確率は、止まる1台の選び方が3通りあるので3×0.9×0.9×0.1=0.243。3台とも動作する確率は0.9^3=0.729。合計して0.972となる。0.729は3台すべて必要な直列の場合、0.999は1台でも動けばよい並列の場合の値であり、0.900は単体の稼働率そのままである。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問29|必要台数
稼働率0.9の装置を並列に接続し、いずれか1台でも動作していればシステムが機能するようにする。システム全体の稼働率を0.999以上にするには、装置は最低何台必要か。
2台 3台 4台 5台 正解と解説 正解:B. 3台 n台並列の稼働率は1−(1−0.9)^n=1−0.1^nである。2台では1−0.01=0.99で不足、3台では1−0.001=0.999となり条件を満たす。4台では0.9999、5台では0.99999となり条件は満たすが最低台数ではない。よって3台が正解となる。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問30|応答時間
レスポンスタイムとターンアラウンドタイムの関係を説明したものとして、適切なものはどれか。
レスポンスタイムには印刷などの出力時間が含まれるが、ターンアラウンドタイムには含まれない レスポンスタイムは単位時間あたりの処理件数を表し、ターンアラウンドタイムは1件あたりの処理時間を表す ターンアラウンドタイムは入力・処理・出力のすべてを含むため、同じ処理ならレスポンスタイムより長くなる どちらも同じ区間を測る指標であり、対話型処理かバッチ処理かで呼び分けているだけである 正解と解説 正解:C. ターンアラウンドタイムは入力・処理・出力のすべてを含むため、同じ処理ならレスポンスタイムより長くなる ターンアラウンドタイムは依頼から結果を受け取り終えるまでで、入力の転送や印刷などの出力時間も含むため、最初の応答までを測るレスポンスタイムより長い。アは両者の説明が逆。イのうち単位時間あたりの処理件数はスループットの説明である。エは測る区間が異なるので誤り。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問31|処理形態
バッチ処理の特徴として、適切なものはどれか。
利用者の要求が発生するたびに即座に処理し、決められた時間内に応答を返す 利用者と画面上で応答をやり取りしながら、対話的に処理を進める 複数の処理装置に負荷を分散し、障害時には残りの装置で処理を継続する 一定期間に発生したデータをまとめて一括で処理し、スループットを重視する 正解と解説 正解:D. 一定期間に発生したデータをまとめて一括で処理し、スループットを重視する バッチ処理は一定期間分のデータをまとめて一括処理する形態で、給与計算や月次集計などに用いられ、単位時間あたりの処理量(スループット)が重視される。アはリアルタイム処理、イは対話型処理の説明。ウはロードシェアシステムという構成の話であり、処理形態の分類ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問32|待ち行列
窓口が1つの待ち行列モデル(M/M/1)に従うシステムがある。利用率が0.8、1件あたりの平均処理時間が0.2秒であるとき、平均応答時間(平均待ち時間と処理時間の合計)は何秒か。
1.0 0.8 0.25 1.8 正解と解説 正解:A. 1.0 平均待ち時間はρ÷(1−ρ)×Ts=0.8÷0.2×0.2=0.8秒。これに処理時間0.2秒を加えて平均応答時間は1.0秒となる(Ts÷(1−ρ)=0.2÷0.2=1.0秒と直接求めてもよい)。0.8秒は待ち時間だけを答えた値、0.25秒と1.8秒は式の当てはめを誤った値である。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問33|ベンチマーク
システムの性能評価に用いるベンチマークテストの説明として、適切なものはどれか。
システムの導入から廃棄までにかかる費用の総額を算出し、複数案を比較する 標準的な処理プログラムを実際に実行し、その所要時間や処理件数で性能を測定する 将来の業務量を予測し、必要となる処理能力や記憶容量をあらかじめ計画する 利用者の要求を聞き取り、システムに求める機能を仕様としてまとめる 正解と解説 正解:B. 標準的な処理プログラムを実際に実行し、その所要時間や処理件数で性能を測定する ベンチマークテストは標準的な処理を実際に実行して性能を測る方法で、処理性能のSPEC、トランザクション処理性能のTPCなどの指標がある。アはTCOによる比較、ウはキャパシティプランニング、エは要件定義の説明であり、いずれも実測による性能評価ではない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問34|スケール
スケールアウトによるシステム増強の説明として、適切なものはどれか。
サーバのCPUをより高速なものに交換し、1台あたりの処理能力を高める サーバのメモリを増設し、同時に扱えるデータ量を増やす 同等の性能のサーバの台数を増やし、処理を分担させて全体の処理能力を高める 使用していないサーバを停止し、消費電力と運用費用を削減する 正解と解説 正解:C. 同等の性能のサーバの台数を増やし、処理を分担させて全体の処理能力を高める スケールアウトは機器の台数を増やして処理を分担させる増強方法で、台数で性能を伸ばしやすく1台の故障の影響も小さい。ア・イはいずれも1台の能力を高めるスケールアップの例である。エはコスト削減策であり、処理能力の増強にはあたらない。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
問35|TCO
システムの費用をTCO(総所有費用)で比較する理由として、最も適切なものはどれか。
ハードウェアの購入費だけを比べれば、システム全体の優劣を判断できるから 初期コストが同じであれば、その後の運用コストも同じになるから 運用コストは会計上の費用に含まれないため、初期コストだけで比較する必要があるから 導入時の初期コストに加え、運用・保守・教育などの運用コストまで含めた総額でなければ実際の負担を比較できないから 正解と解説 正解:D. 導入時の初期コストに加え、運用・保守・教育などの運用コストまで含めた総額でなければ実際の負担を比較できないから TCOは導入から廃棄までの総費用で、初期コスト(購入費・開発費など)と運用コスト(保守・教育・電力など)の合計である。導入時に安価でも運用費が高ければ総額は大きくなるため、アやイの前提は成り立たない。ウは事実誤認で、運用コストも当然費用として計上される。
根拠:IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2 大分類2:コンピュータシステム 中分類4:システム構成要素
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※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ずIPAの公式発表をご確認ください。 ※ 出題はIPA公開のシラバスVer.9.2(2026年1月8日適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。擬似言語の記述形式もIPA公開の仕様に合わせています。試験制度・実施要項はIPAの公式発表をご確認ください(2027年度春ごろに新試験制度へ移行予定)。