仮の宿 学習室

日商簿記3級 BOOKKEEPING GRADE 3

試算表・精算表・財務諸表と帳簿の締切

講義 3 本・確認問題 12 問 | 決算 | 最終更新 2026-10-16

この章で学ぶこと
目次
  1. 試算表と精算表(8桁)
  2. 決算整理後残高試算表・損益振替と帳簿の締切
  3. 損益計算書と貸借対照表(勘定式)
  4. 確認問題(12問)
  5. 演習ツール

1. 試算表と精算表(8桁)

転記が正しいかを確かめる試算表と、決算の流れを1枚にまとめる精算表の作り方を学びます。

決算では、1年間の記録を集計して、会社のもうけ(経営成績)と財産の状態(財政状態)をまとめます。その最初の道具が試算表(しさんひょう)と精算表(せいさんひょう)です。どちらも、日本商工会議所の出題区分表で3級の「第三 決算」の項目(1.試算表の作成、2.精算表(8桁))に入っています。

試算表は「転記の確認表」

仕訳は必ず借方と貸方の金額が同じです。そのため、総勘定元帳(すべての勘定をまとめた帳簿)への転記が正しければ、全部の勘定の借方の合計と貸方の合計は一致します。これを一覧にして確かめるのが試算表です。試算表には3つの形があります。

試算表の3つの形
種類書く金額一致する合計
合計試算表各勘定の借方合計と貸方合計借方の総合計=貸方の総合計(期中の取引の総額)
残高試算表各勘定の残高(借方合計と貸方合計の差額)を、多い側に書く借方残高の合計=貸方残高の合計
合計残高試算表合計と残高の両方を並べて書く合計欄どうし、残高欄どうしが一致

残高は「多い側から少ない側を引いた額」で、多い側に書きます。たとえば売掛金の借方合計が500,000円、貸方合計が320,000円なら、残高は借方に180,000円です。資産と費用の勘定はふつう借方残高、負債・純資産・収益の勘定はふつう貸方残高になります。

注意:試算表の合計が一致しても、記録が正しいとは限りません。取引の仕訳をまるごと忘れた場合、勘定科目を取り違えた場合、借方と貸方を同じ額だけ誤った場合は、合計が一致したままなので見つかりません。見つけられるのは、片方だけの転記もれや、借方と貸方で金額を違えて書いた誤りなどです。

精算表(8桁)は「決算の下書き」

精算表は、決算整理前の残高試算表から、損益計算書と貸借対照表までを1枚の表で作る作業表です。欄が4組(各組に借方・貸方の2列)、合わせて8列あるので「8桁精算表」と呼びます。

手順は次のとおりです。①試算表欄に決算整理前の残高を写す。②決算整理仕訳(期末に行う修正の仕訳。bk9 で学びます)を修正記入欄に書く。③各勘定について、試算表欄の金額に修正記入をたし引きする(同じ側ならたす、反対側なら引く)。④収益・費用の勘定は損益計算書欄へ、資産・負債・純資産の勘定は貸借対照表欄へ移す。⑤損益計算書欄の差額が当期純利益(または当期純損失)です。

精算表(8桁)の記入例(架空の会社、単位:円。左から 試算表・修正記入・損益計算書・貸借対照表 の順に、それぞれ借方・貸方)
勘定科目試算表 借方試算表 貸方修正記入 借方修正記入 貸方損益計算書 借方損益計算書 貸方貸借対照表 借方貸借対照表 貸方
現金150,000150,000
普通預金420,000420,000
売掛金300,000300,000
繰越商品60,00080,00060,00080,000
備品400,000400,000
買掛金210,000210,000
貸倒引当金2,0004,0006,000
備品減価償却累計額80,00080,000160,000
資本金600,000600,000
繰越利益剰余金200,000200,000
売上1,200,0001,200,000
受取手数料40,00040,000
仕入720,00060,00080,000700,000
給料210,000210,000
保険料24,0006,00018,000
支払家賃48,00048,000
貸倒引当金繰入4,0004,000
減価償却費80,00080,000
前払保険料6,0006,000
当期純利益180,000180,000
合計2,332,0002,332,000230,000230,0001,240,0001,240,0001,356,0001,356,000

この例の決算整理は、期末商品棚卸高80,000円(仕入/繰越商品60,000円、繰越商品/仕入80,000円)、貸倒引当金を売掛金の2%=6,000円に補充(繰入4,000円)、備品の減価償却80,000円、保険料のうち6,000円が次期分(前払保険料)、の4つです。修正記入で新しく出てくる勘定(貸倒引当金繰入、減価償却費、前払保険料)は、表の下の行に書き足します。

損益計算書欄では、収益(貸方)1,240,000円と費用(借方)1,060,000円の差額180,000円が当期純利益です。この金額を損益計算書欄の借方と貸借対照表欄の貸方に書くと、両方の欄の借方合計と貸方合計がそろいます。当期純利益は純資産(繰越利益剰余金)を増やすので、貸借対照表では貸方側に入る、と理解しておきましょう。純損失なら逆で、損益計算書欄の貸方と貸借対照表欄の借方に書きます。

用語

試算表
総勘定元帳の各勘定の合計や残高を一覧にし、転記の正しさを確かめる表。
残高
勘定の借方合計と貸方合計の差額。多い側に書く。
精算表(8桁)
試算表・修正記入・損益計算書・貸借対照表の4組8列で、決算の流れを1枚にまとめる作業表。
修正記入
精算表に決算整理仕訳を書き込む欄。
当期純利益
収益の合計から費用の合計を引いた額(プラスのとき)。

例題

例題:精算表で、試算表欄の保険料(借方)が24,000円、修正記入欄の貸方に6,000円があります。損益計算書欄の保険料はいくらで、借方・貸方のどちらに書きますか。
答えと考え方 借方に18,000円。試算表欄が借方で、修正記入が反対側(貸方)なので引きます。24,000円−6,000円=18,000円。保険料は費用なので損益計算書欄の借方に書きます。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 1(試算表の作成)・2(精算表(8桁))。数値は説明用の架空例。

2. 決算整理後残高試算表・損益振替と帳簿の締切

収益と費用を損益勘定に集めて当期純利益を出し、繰越利益剰余金へ移して、帳簿を締め切るまでを学びます。

精算表は作業用の表です。正式な帳簿の上でも決算を行い、1年分の記録を締めくくって次の期に引き継ぎます。出題区分表の第三 4(決算整理後残高試算表)、5(収益と費用の損益勘定への振替)、6(純損益の繰越利益剰余金勘定への振替)、8(帳簿の締切。仕訳帳と総勘定元帳は英米式決算法、補助簿)にあたる部分です。

決算整理後残高試算表

決算整理仕訳を総勘定元帳に転記したあとで作る残高試算表を、決算整理後残高試算表といいます。精算表で、試算表欄に修正記入をたし引きした結果と同じ金額になります。前の講義の例では、仕入700,000円、保険料18,000円、貸倒引当金6,000円、備品減価償却累計額160,000円、繰越商品80,000円、前払保険料6,000円となり、借方合計と貸方合計はともに2,416,000円で一致します。損益計算書と貸借対照表は、この表の金額から作ります。

収益・費用を「損益」勘定に集める

次に、帳簿の上で当期純利益を計算するため、損益という決算のための勘定を作り、収益と費用の残高をすべてそこへ移します(振替)。振替仕訳は、残高のある側の反対側に記入して、その勘定の残高をゼロにします。

損益勘定への振替仕訳(前の講義の例、単位:円)
振替借方貸方
収益を損益へ売上 1,200,000、受取手数料 40,000損益 1,240,000
費用を損益へ損益 1,060,000仕入 700,000、給料 210,000、保険料 18,000、支払家賃 48,000、貸倒引当金繰入 4,000、減価償却費 80,000

振替のあと、損益勘定の貸方には収益、借方には費用が並び、貸方のほうが 1,240,000円−1,060,000円=180,000円 多くなります。これが当期純利益です。

当期純利益を繰越利益剰余金へ

株式会社では、当期純利益を損益勘定から繰越利益剰余金(純資産の勘定。まだ使い道を決めていない利益の積み重ね)へ振り替えます。仕訳は(借)損益 180,000/(貸)繰越利益剰余金 180,000 です。繰越利益剰余金は200,000円から380,000円に増えます。当期純損失の場合は逆で、(借)繰越利益剰余金/(貸)損益 となり、繰越利益剰余金が減ります。これで損益勘定の残高もゼロになります。

帳簿の締切(英米式決算法)

3級では、総勘定元帳を英米式決算法で締め切ります。ポイントは、勘定の種類によって締め方が違うことです。

英米式決算法による締切
勘定締め方
収益・費用・損益上の振替仕訳を転記すると残高がゼロになる。借方と貸方の合計を書き、二重線で締め切る
資産・負債・純資産仕訳をしない。勘定の残高の少ない側に「次期繰越」と残高を書いて貸借を一致させ、締め切る。次の期の最初に反対側へ「前期繰越」と書いて残高を戻す(開始記入)

たとえば現金勘定(借方残高150,000円)なら、貸方に「次期繰越 150,000」と書いて締め、翌期首に借方へ「前期繰越 150,000」と書きます。資産・負債・純資産の勘定は仕訳を通さずに繰り越すので、繰越額が正しいかを確かめるため、次期繰越の金額を集めた繰越試算表を作ることがあります。また、仕訳帳や、商品有高帳・売掛金元帳などの補助簿も、期末に合計を出して締め切り、翌期へ繰り越します。

用語

決算整理後残高試算表
決算整理仕訳を転記したあとの残高試算表。財務諸表の元になる。
損益(勘定)
収益と費用を集めて当期純損益を計算する、決算のための勘定。
振替
ある勘定の金額を別の勘定へ移す記入。
英米式決算法
資産・負債・純資産の勘定を、仕訳をせず元帳上の「次期繰越」記入で締め切る方法。
繰越試算表
資産・負債・純資産の次期繰越額を集め、貸借の一致を確かめる表。

例題

例題:損益勘定の貸方合計(収益)が800,000円、借方合計(費用)が870,000円でした。繰越利益剰余金への振替仕訳を答えなさい。
答えと考え方 費用のほうが70,000円多いので当期純損失70,000円です。(借)繰越利益剰余金 70,000/(貸)損益 70,000。損益勘定の借方が多いので、貸方に記入して残高をゼロにします。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 4(決算整理後残高試算表)・5(収益と費用の損益勘定への振替)・6(純損益の繰越利益剰余金勘定への振替)・8(帳簿の締切:仕訳帳と総勘定元帳(英米式決算法)、補助簿)。損益・繰越利益剰余金は日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)」の3級A欄。

3. 損益計算書と貸借対照表(勘定式)

決算整理後の金額から、外部に見せる損益計算書と貸借対照表を作るときの表示のルールを学びます。

決算の最後に、外部の人(株主、銀行、取引先など)に見せる財務諸表を作ります。3級で作るのは損益計算書と貸借対照表で、出題区分表では第三 9「損益計算書と貸借対照表の作成(勘定式)」です。勘定式とは、T字の勘定と同じように左右に分けて書く形式です。上の行から順に並べる「報告式」や、流動・固定に分ける「区分表示」は、区分表では2級の項目です。

財務諸表は、決算整理後残高試算表(精算表の損益計算書欄・貸借対照表欄)の金額から作ります。ただし、帳簿の勘定科目名をそのまま使わず、表示用の名前に置き換えるものがあります。勘定科目表の注意事項にも「ここに示した勘定科目は仕訳目的の科目であって、財務諸表表示目的の科目は除外されています」とあり、帳簿の科目と財務諸表の表示は別のものとして扱います。

損益計算書(勘定式)

損益計算書(前の講義の例、単位:円)
費用金額収益金額
売上原価700,000売上高1,200,000
給料210,000受取手数料40,000
保険料18,000
支払家賃48,000
貸倒引当金繰入4,000
減価償却費80,000
当期純利益180,000
合計1,240,000合計1,240,000

左(借方)に費用、右(貸方)に収益を書き、差額の当期純利益を左に書いて左右の合計をそろえます。当期純損失なら右側に書きます。三分法の「仕入」勘定は、決算整理で売上原価(売れた商品の原価)に直してあるので、売上原価と表示します。「売上」勘定は売上高と表示します。

貸借対照表(勘定式)

貸借対照表(前の講義の例、単位:円)
資産金額負債及び純資産金額
現金150,000買掛金210,000
普通預金420,000資本金600,000
売掛金 300,000 貸倒引当金 △6,000294,000繰越利益剰余金380,000
商品80,000
前払費用6,000
備品 400,000 減価償却累計額 △160,000240,000
合計1,190,000合計1,190,000

左に資産、右に負債と純資産を書きます。表示で注意する点は次のとおりです。

①評価勘定は資産から差し引く:貸倒引当金と減価償却累計額は、帳簿では貸方残高の勘定ですが、負債ではありません。それぞれ売掛金(または電子記録債権)と備品などの下に書いて差し引き、差額を示します(△は「マイナス」の意味)。貸倒引当金を売掛金と電子記録債権の両方に設定しているときは、このラボでは、それぞれの債権の下に、その債権に対する分だけを書いて引く形で表示します。

②名前を置き換える:「繰越商品」は商品と表示します。前払保険料などは前払費用、未収利息などは未収収益(資産)、未払利息などは未払費用、前受家賃などは前受収益(負債)と表示します。

③繰越利益剰余金は当期純利益を加えた額:決算整理前の200,000円に当期純利益180,000円を加えた380,000円を表示します。損益計算書の当期純利益と、貸借対照表の繰越利益剰余金の増加額が一致することは、作成した財務諸表を確かめる手がかりになります。

用語

財務諸表
会社の成績と財産の状態を外部に示す書類。3級では損益計算書と貸借対照表。
勘定式
左右に分けて書く財務諸表の形式。
売上原価
当期に売れた商品の原価。損益計算書で「仕入」に代えて表示する。
評価勘定
貸倒引当金・減価償却累計額のように、資産の金額を間接的に減らす勘定。
前払費用・未払費用
前払保険料・未払利息などの経過勘定を貸借対照表に表示するときの名前。

例題

例題:決算整理後残高試算表に、車両運搬具 900,000円、車両運搬具減価償却累計額 360,000円があります。貸借対照表で車両運搬具の差引額はいくらで、どちら側に表示しますか。
答えと考え方 資産の側(左)に、900,000円から360,000円を差し引いて540,000円と表示します。減価償却累計額は貸方残高ですが負債ではないので、右側には書きません。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 9(損益計算書と貸借対照表の作成(勘定式))、区分表示・報告式は2級の欄。日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)」(注意事項:仕訳目的の科目で、財務諸表表示目的の科目は除外。売上原価・前払保険料・未払利息などは3級A欄)。

確認問題(12問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|〔計〕合計試算表と残高

合計試算表で、売掛金の借方合計が480,000円、貸方合計が310,000円でした。残高試算表に書く売掛金の残高はどれか。

  1. 借方に170,000円
  2. 貸方に170,000円
  3. 借方に480,000円
  4. 借方に790,000円
正解と解説
正解:A. 借方に170,000円

残高は多い側から少ない側を引いた額で、多い側に書きます。480,000円−310,000円=170,000円で、借方が多いので借方に書きます。貸方に書くのは貸借の向きの誤り、480,000円は借方合計をそのまま書いた誤り、790,000円は合計どうしを足した誤りです。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 1(試算表の作成)

問2|〔読〕試算表で見つからない誤り

次の誤りのうち、試算表の借方合計と貸方合計が一致したままで、試算表では見つけられないものはどれか。

  1. 仕訳の借方だけを転記し、貸方の転記を忘れた
  2. ある取引の仕訳と転記をまるごと忘れた
  3. 借方に50,000円、貸方に5,000円と転記した
  4. 借方の合計を計算するときに足し算を誤った
正解と解説
正解:B. ある取引の仕訳と転記をまるごと忘れた

取引全体の記録もれは、借方・貸方の両方が同じだけ少ないため、合計は一致したままで見つかりません。片方だけの転記もれ、借方と貸方で金額が違う転記、片方の合計の計算ミスは、いずれも合計が一致しなくなるので試算表で気づけます。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 1(試算表の作成)

問3|〔計〕精算表の当期純利益

精算表の損益計算書欄の金額は、売上 900,000円、受取手数料 30,000円、仕入 560,000円、給料 180,000円、減価償却費 40,000円、支払利息 6,000円です(仕入は決算整理後の金額)。当期純利益はいくらか。

  1. 104,000円
  2. 150,000円
  3. 144,000円
  4. 184,000円
正解と解説
正解:C. 144,000円

収益は900,000円+30,000円=930,000円、費用は560,000円+180,000円+40,000円+6,000円=786,000円で、差額は144,000円です。104,000円は減価償却費を二重に引いた額、150,000円は支払利息を引き忘れた額、184,000円は減価償却費を引き忘れた額です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 2(精算表(8桁))

問4|〔読〕当期純利益の記入位置

精算表(8桁)で、当期純利益の金額を書く場所の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. 損益計算書欄の貸方と、貸借対照表欄の借方
  2. 損益計算書欄の借方と、貸借対照表欄の借方
  3. 損益計算書欄の貸方と、貸借対照表欄の貸方
  4. 損益計算書欄の借方と、貸借対照表欄の貸方
正解と解説
正解:D. 損益計算書欄の借方と、貸借対照表欄の貸方

利益が出ると損益計算書欄は貸方(収益)が多いので、差額を借方に書いてそろえます。当期純利益は純資産を増やすので、貸借対照表欄では貸方に書きます。損益計算書欄の貸方・貸借対照表欄の借方は当期純損失のときの位置です。同じ側どうしの組み合わせでは、どちらかの欄の貸借がそろいません。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 2(精算表(8桁))

問5|〔計〕精算表の仕入

精算表の試算表欄に、仕入 800,000円(借方)、繰越商品 70,000円(借方)があります。期末商品棚卸高は90,000円で、売上原価は仕入の行で計算します。損益計算書欄の仕入の金額はどれか。

  1. 820,000円
  2. 780,000円
  3. 800,000円
  4. 710,000円
正解と解説
正解:B. 780,000円

売上原価=期首商品70,000円+当期仕入800,000円−期末商品90,000円=780,000円です。820,000円は期首と期末を逆に扱った額、800,000円は決算整理をしていない額、710,000円は期首商品を足さずに期末商品だけを引いた額です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 2(精算表(8桁))

問6|〔計〕整理後の保険料

会計期間は4月1日から3月31日までです。9月1日に1年分の保険料36,000円を支払い、全額を保険料で処理しました。決算で前払分を整理したあと、決算整理後残高試算表の保険料はいくらか。

  1. 15,000円
  2. 36,000円
  3. 24,000円
  4. 21,000円
正解と解説
正解:D. 21,000円

当期分は9月から3月までの7か月で、36,000円×7/12=21,000円です(前払分は4月から8月の5か月、15,000円)。15,000円は前払保険料の額、36,000円は整理をしていない額、24,000円は当期分を8か月と数え違えた額です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 3(決算整理)・4(決算整理後残高試算表)

問7|〔読〕英米式決算法の締切

英米式決算法による総勘定元帳の締切について、正しい説明はどれか。

  1. 資産・負債・純資産の勘定は、仕訳をせずに元帳上で次期繰越と記入して締め切る
  2. 資産・負債・純資産の勘定も、残高を損益勘定へ振り替えて締め切る
  3. 収益・費用の勘定は、元帳上で次期繰越と記入して翌期へ繰り越す
  4. 繰越利益剰余金の勘定は、残高を損益勘定へ振り替えて締め切る
正解と解説
正解:A. 資産・負債・純資産の勘定は、仕訳をせずに元帳上で次期繰越と記入して締め切る

英米式決算法では、資産・負債・純資産の勘定は振替仕訳をせず、残高の少ない側に次期繰越を記入して締め切ります。損益勘定へ振り替えるのは収益と費用だけです。収益・費用は振替でゼロになるので繰り越しません。繰越利益剰余金は損益勘定から当期純利益を受け入れる側で、損益へ振り替えることはありません。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 8(帳簿の締切:英米式決算法)

問8|〔計〕振替後の繰越利益剰余金

決算振替後、損益勘定の貸方合計は1,250,000円、借方合計(当期純利益の振替前)は1,090,000円でした。決算整理前の繰越利益剰余金は貸方残高300,000円です。当期純利益を振り替えたあとの繰越利益剰余金の残高はどれか。

  1. 140,000円
  2. 160,000円
  3. 460,000円
  4. 1,550,000円
正解と解説
正解:C. 460,000円

当期純利益は1,250,000円−1,090,000円=160,000円で、(借)損益/(貸)繰越利益剰余金 と振り替えるので、300,000円+160,000円=460,000円です。140,000円は純利益を損失として引いた額、160,000円は当期純利益だけの額、1,550,000円は収益の合計を足した額です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 5・6(損益勘定への振替、繰越利益剰余金勘定への振替)

問9|〔読〕損益勘定の借方

決算で収益と費用を損益勘定へ振り替えたとき、損益勘定の借方に記入されるものはどれか。

  1. 収益の各勘定の残高
  2. 資産の各勘定の残高
  3. 次期繰越の金額
  4. 費用の各勘定の残高
正解と解説
正解:D. 費用の各勘定の残高

費用の勘定は借方残高なので、(借)損益/(貸)費用の各勘定 と振り替え、損益勘定の借方に費用が並びます。収益は損益勘定の貸方に入ります。資産は損益勘定へ振り替えません。次期繰越は資産・負債・純資産の勘定に書くもので、損益勘定には書きません。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 5・6(損益勘定への振替、繰越利益剰余金勘定への振替)

問10|〔読〕貸借対照表の表示

貸借対照表(勘定式)の表示として正しいものはどれか。

  1. 貸倒引当金は、負債の側に独立して表示する
  2. 繰越商品は、商品という名前で資産の側に表示する
  3. 減価償却累計額は、費用として損益計算書に表示する
  4. 前払保険料は、前払費用という名前で負債の側に表示する
正解と解説
正解:B. 繰越商品は、商品という名前で資産の側に表示する

帳簿の繰越商品は、貸借対照表では商品と表示します。貸倒引当金は負債ではなく、売掛金などから差し引いて資産の側に示します。減価償却累計額も備品などから差し引く評価勘定で、費用は減価償却費です。前払保険料は前払費用と表示しますが、これは資産です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 9(損益計算書と貸借対照表の作成(勘定式))、日本商工会議所「商業簿記標準・許容勘定科目表(2027年度適用)」

問11|〔計〕貸倒引当金の控除

決算整理後、売掛金 300,000円、電子記録債権 200,000円、貸倒引当金 10,000円(両方の期末残高の2%)です。貸借対照表で、売掛金から貸倒引当金を差し引いた金額はどれか。

  1. 294,000円
  2. 290,000円
  3. 300,000円
  4. 490,000円
正解と解説
正解:A. 294,000円

問題は売掛金に対する分を差し引いた額を聞いています。売掛金分は300,000円×2%=6,000円なので、300,000円−6,000円=294,000円です。290,000円は引当金の全額を売掛金から引いた額、300,000円は差し引いていない額、490,000円は2つの債権の合計から全額を引いた額です。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 9(損益計算書と貸借対照表の作成(勘定式))

問12|〔読〕損益計算書の左側

損益計算書(勘定式)で当期純利益が出たとき、左側(借方)に表示されるものの組み合わせはどれか。

  1. 売上高と当期純利益
  2. 売上原価と当期純損失
  3. 売上原価と当期純利益
  4. 売上高と当期純損失
正解と解説
正解:C. 売上原価と当期純利益

勘定式の損益計算書は、左に費用、右に収益を書き、当期純利益は左に書いて左右をそろえます。売上原価(仕入に代えて表示)は費用なので左です。売上高は収益なので右です。当期純損失が出たときは右に書きます。

根拠:日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表(2027年度適用)」 第三 9(損益計算書と貸借対照表の作成(勘定式))

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※ 解説は学習用の情報提供です。出題範囲・配点・試験の実施方法は、必ず日本商工会議所の公式発表をご確認ください。
※ 問題はすべて日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2027年度適用)に沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題で、本試験の問題ではありません。