仮の宿 学習室

応用情報技術者 APPLIED IT ENGINEER

午後問題の読み方

講義 3 本・確認問題 15 問 | 本試験では「午後対策」(0問)の一部 | 最終更新 2026-09-24

この章で学ぶこと
目次
  1. 午後(科目B)の全体像と問題の選び方
  2. 問題文と図表から条件を拾う
  3. 記述解答の作り方と見直し
  4. 確認問題(15問)
  5. 演習ツール

1. 午後(科目B)の全体像と問題の選び方

何問出て何問答えるのか、どれが必須で何点なのかを公表資料で確認し、選び方と時間配分の型を決めます。

まず制度の確認からです。IPAの試験要綱Ver.5.6(2026年7月)では、応用情報技術者試験は科目Aと科目Bの二つで構成されています。従来「午前」と呼ばれていたものが科目A、「午後」と呼ばれていたものが科目Bで、このラボでも呼びやすさを優先して午後という言い方を併用しますが、公式の資料では科目Bという名称が使われている点は覚えておいてください。科目Aは試験時間150分、多肢選択式(四肢択一)で80問出題80問解答、科目Bは試験時間150分、記述式で11問出題5問解答です。同じ要綱に、応用情報技術者試験では別日に科目Aと科目Bを実施すると注記されています。

科目Bで最も大事な枠組みが、必須と選択の区別です。試験要綱の別紙「応用情報技術者試験 科目B試験の分野別出題数」には、問1が情報セキュリティ分野の必須解答問題(1問出題1問解答)、問2から問11までが選択解答問題(10問出題4問解答)と示されています。つまり情報セキュリティは避けられません。ここを苦手なままにしておくと、残り4問をどれだけ得意分野で固めても土台が崩れます。学習の順序としては、まず問1の情報セキュリティを確実にすることが最優先です。

配点も要綱に載っています。科目Aは問1から問80まで各1.25点で合計100点、科目Bは問1が20点、問2から問11のうち解答した4問が各20点で合計100点です。基準点はどちらの科目も100点満点中60点で、採点方式は素点方式です。さらに応用情報技術者試験では多段階選抜方式が採られており、科目Aの得点が基準点に達しない場合は科目Bの採点を行わずに不合格となります。科目Bの対策にいくら時間をかけても、科目Aが60点に届かなければ答案は読まれません。試験結果に問題の難易差が認められた場合には基準点を変更することがある、とも記されています。

1問20点という配点は、戦略に直結します。5問のうち1問を丸ごと落とすと最大20点を失い、それだけで基準点に届かなくなる可能性があります。逆に、5問それぞれで7割ずつ取れれば70点です。したがって「得意な1問で満点を狙う」より「選んだ5問すべてで確実に部分を積む」ほうが合格に近い、という方針が立ちます。

選択問題の分野は要綱の別紙で示されており、経営戦略・情報戦略・戦略立案とコンサルティング技法、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、プログラミング(アルゴリズム)、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査が並びます。年度によってどの分野が何問目に来るかは変わり得るので、問番号で覚えるのではなく分野で覚えます。

選び方の型を決めておきましょう。第一に、本番で初めて決めるのではなく、あらかじめ本命を3分野、予備を2分野ほど決めておきます。本命が難しかったときに逃げ場がないと、そこで時間を溶かします。第二に、試験開始後すぐに全問を数分でざっと眺め、5問を決めてから書き始めます。1問目から順に解いて時間切れになるのが最も損な失敗です。第三に、選ぶ基準は題材の親しみやすさではなく、設問の答えやすさです。題材が身近でも、設問が「本文の条件を組み合わせて考えさせる」形なら時間を食います。逆に題材が見慣れなくても、設問が本文の記述をたどれば答えられる形なら得点しやすい。数分でそこまで見抜くのは難しいので、設問の数、空欄補充の割合、字数の指定がある記述の数、計算の有無を目安にします。第四に、いったん選んだら基本的に乗り換えません。乗り換えは、それまでに使った時間を捨てる行為です。ただし開始10分ほどで明らかに手が出ないと分かったときだけは、早い段階で切り替えます。

時間配分は、150分を5問で単純に割れば1問30分ですが、選ぶ時間と見直す時間が要ります。目安として、最初の5分で全問を見て5問を決める、1問あたり26分から27分で解く、最後に10分から15分を見直しに残す、という配分にすると、書き切れなかった欄を埋める余裕が生まれます。問1の情報セキュリティは必須なので選ぶ迷いがなく、最初に片付けて調子を作る受験者が多いですが、難しい年に問1で粘りすぎると全体が崩れます。1問にかける上限時間を先に決め、超えたら次に進んで最後に戻る、という運用にします。

最後に大切な注意です。試験の名称、出題数、解答数、配点、実施方法は制度改正で変わります。ここに書いた内容はIPAが公表している試験要綱Ver.5.6に基づいていますが、受験する回の条件は必ずIPAの最新の受験案内と試験要綱で確認してください。とくに試験時間帯や当日の注意事項、解答用紙の形式については、公表資料で確認できた範囲を超えて推測しないことが大切です。

応用情報技術者試験の構成(IPA 試験要綱 Ver.5.6 による)
項目科目A(従来の午前)科目B(従来の午後)
試験時間150分150分
出題形式多肢選択式(四肢択一)記述式
出題数と解答数80問出題、80問解答11問出題、5問解答
必須と選択全問必須問1が必須(情報セキュリティ)、問2から問11のうち4問を選択
配点問1から問80まで各1.25点問1が20点、選択した4問が各20点
基準点100点満点中60点100点満点中60点

用語

科目A
応用情報技術者試験の従来「午前」と呼ばれていた試験。試験要綱Ver.5.6では試験時間150分、多肢選択式(四肢択一)、80問出題80問解答、問1から問80まで各1.25点。
科目B
応用情報技術者試験の従来「午後」と呼ばれていた試験。試験要綱Ver.5.6では試験時間150分、記述式、11問出題5問解答。
必須解答問題
科目Bの問1のこと。試験要綱の別紙で情報セキュリティ分野の必須解答問題(1問出題1問解答)と示されており、選択の余地がない。
選択解答問題
科目Bの問2から問11のこと。試験要綱の別紙で10問出題4問解答と示されている。分野は年度によって問番号が変わり得るので分野で覚える。
基準点
合格に必要な最低点。応用情報技術者試験では科目A・科目Bとも100点満点中60点。試験結果に問題の難易差が認められた場合には変更されることがある。
多段階選抜方式
応用情報技術者試験では、科目Aの得点が基準点に達しない場合、科目Bの採点を行わずに不合格とする方式。科目Aを固めることが先決である理由。
素点方式
設問ごとの配点をそのまま合計して得点とする採点方式。応用情報技術者試験の科目A・科目Bはこの方式による。

例題

例題:科目Bで、得意なネットワークとデータベースを選び、残りは自信のある分野がないので当日に決めることにした。この方針の問題点は何か。
答えと考え方 二つある。第一に、問1の情報セキュリティは必須解答問題なので、選ぶ余地はなく必ず解答することになる。ネットワークとデータベースを選んだ時点で残りの選択枠は2問であって3問ではない。第二に、残り2問を当日に決めると、開始直後に全問を読み比べる時間を余分に使ううえ、どれも手が出ないときの逃げ場がない。あらかじめ本命3分野と予備2分野を決め、当日は数分の下見で確定させる形にしておくのが安全である。
例題:科目Aは62点、科目Bは自己採点で70点だった。合否はどうなるか。もし科目Aが55点だったらどうなるか。
答えと考え方 科目A・科目Bとも基準点は100点満点中60点なので、62点と70点であればどちらも基準点以上であり、合格の条件を満たす。科目Aが55点だった場合は、多段階選抜方式により科目Bの採点自体が行われず、不合格となる。科目Bをどれだけ書けていても結果は変わらない。ここから、学習の順序としてまず科目Aを60点以上で安定させることが最優先だと分かる。なお、問題の難易差が認められた場合に基準点が変更されることがある点も要綱に記されている。
例題:科目Bの150分をどう割り振るか。1問あたりの上限時間を決める意味は何か。
答えと考え方 最初の5分ほどで全11問を下見して解く5問を決め、1問あたり26分から27分で解き、最後に10分から15分を見直しに残す、という配分が目安になる。1問あたりの上限時間を先に決めておく意味は、深追いを止められることにある。1問は20点で、5問のうち1問を丸ごと落とすと最大20点を失う。難しい設問1個に15分粘るより、その時間を他の問の未記入欄に回すほうが得点は増える。上限に達したらいったん次へ進み、最後の見直し時間で戻るという運用にする。

出典・根拠:IPA 情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6 出題範囲(科目B試験)応用情報技術者試験

2. 問題文と図表から条件を拾う

前提・制約・除外条件がどこに書いてあるか、下線部と設問がどう対応するか、図表から何を読むかを型にします。

記述式の問題は、知識だけでは解けません。答えの材料はほとんどが問題文の中にあり、それを見つけて組み立てる作業が中心です。IPAの採点講評でも、正答率が低かった設問について「仕様を正しく読み解いて解答してほしい」「本文中から必要な情報を読み取り、正しく計算してほしい」といった指摘が繰り返し書かれています。読み方の型を持っているかどうかが、そのまま得点差になります。

問題文の構造は、おおむね決まっています。冒頭に業務やシステムの概要があり、その後は角括弧の見出しで区切られた節が続きます。節の見出しは「現状の課題」「新システムの要件」「移行の手順」のように、何について書かれた段落かを示しています。設問で問われている事柄がどの節に関係するかを先に見当付けると、探す範囲が一気に狭まります。読む順序としては、まず設問文を先に読み、何を聞かれるのかを頭に入れてから本文に戻る方法が有効です。何を探すか決まっていない状態で長い本文を読むと、二度読みになって時間を失います。

条件が書かれている場所には癖があります。第一に、本文の中の「ただし」「なお」「ここで」で始まる文です。ここには例外や適用範囲の限定が書かれます。第二に、箇条書きの各項目です。要件や制約は箇条書きで並べられることが多く、そのうち一つだけが設問の鍵になります。第三に、表の脚注や図の注記です。本文には書かず、表の下に小さく「※ 保守時間帯は除く」のように書かれる条件が、計算の答えを分けます。第四に、括弧書きです。「(1台あたり)」「(税抜き)」といった単位や前提が括弧の中だけに書かれていることがあります。この四か所は、読み飛ばすと必ず失点する場所だと決めて、印を付けながら読みます。

除外条件はとくに見落としやすい部分です。「〜を除く」「〜は考慮しない」「〜は正常に動作するものとする」といった表現は、考えなくてよい範囲を指定しています。これを見落とすと、余計な要素まで考えて答えが合わなくなります。逆に「〜も含める」「〜の場合も考慮する」は、見落とすと考慮漏れになります。どちらも一言で答えが変わるので、条件文には必ず印を付けます。

下線部と設問の対応も型があります。本文中の下線には番号が振られており、設問は「本文中の下線①について」という形で始まります。このとき答えの材料は、下線部そのものだけでなく、その前後の文脈に置かれていることがほとんどです。下線部が「ある対策を実施した」なら、なぜその対策が必要になったのかは前の段落に、実施した結果どうなったかは後の段落に書かれています。下線部だけを見て一般論を書くと、その問題でなくても成り立つ答えになり、設問の要求から外れます。IPAの採点講評でも、問われている内容とずれた記述をした解答が散見された旨が指摘されています。

図表の読み取りに移ります。システム構成図では、四角が機器やサーバ、線が通信経路を表します。ここで見るのは、どの機器とどの機器が直接つながっているか、その線がどの区間を通るか、そして境界にファイアウォールやルータなど何が置かれているかです。設問で「通信が到達しない原因」を問われたら、経路上の境界に置かれた機器と、その設定を述べた本文の記述を突き合わせます。

シーケンス図では、縦の線が処理の主体、横の矢印がやり取りするメッセージ、上から下への並びが時間の流れを表します。読むべきは、どの主体がどの順序で何を送るか、そして矢印が向いている方向です。設問で空欄になっている矢印は、直前と直後の矢印から挟み撃ちにすると特定できます。処理の主体を取り違えたまま答えを書くと、内容が正しくても得点になりません。

E-R図では、四角がエンティティ、線が関連を表し、一対多や多対多といった多重度が線の端の記号で示されます。読むべきは、どちらが一でどちらが多かという向きと、主キーと外部キーがどこにあるかです。IPAの採点講評でも、E-R図の設問について、下線などの記法が付いていない解答や、関連の多重度を取り違えた解答が散見されたと指摘されています。図の記法は問題冊子で定義されているので、その定義に従って書くことが前提になります。

表からの条件抽出では、行と列が何を表すかを最初に確認します。処理時間の表なら、行が処理の種類、列が条件や台数を表しているといった具合です。設問が求める値がどの行と列の交点にあるか、あるいは複数のセルをどう組み合わせるかを、計算を始める前に決めます。ここでも脚注が効きます。「単位はミリ秒」「1台あたりの値」といった注記を読み落とすと、桁や台数を間違えます。IPAの採点講評でも、本文中から必要な情報を読み取って正しく計算してほしいという指摘が出ています。

最後に、問題文に書かれていないことを持ち込まないという原則です。実務経験があると、現場ではこうする、という知識で答えを埋めたくなります。しかし採点講評では、問題文中に記載のない項目についての解答が散見された、という指摘が実際に書かれています。答えは問題文の世界の中で完結させ、一般論や自分の職場の慣行は根拠にしない。これが記述式でもっとも守るべき原則です。

条件が隠れている四つの場所と、見落としたときに起きること
場所目印になる表現見落とすとどうなるか
本文中の限定文ただし、なお、ここで例外を無視した一般論を書いてしまう
箇条書きの項目要件、制約、前提の一覧鍵になる1項目を使わずに答えを組み立てる
表の脚注・図の注記※、注、単位の指定単位や台数を取り違えて計算が合わない
括弧書き(1台あたり)、(税抜き)前提が違うまま数値を当てはめる
脚注を読んでから計算に入る
/* 表の脚注が単位と前提を決めている、という型 */    表2 1件の処理に含まれる各手順   手順   所要時間 実行回数   受信         15        1   変換          4      200   書込み        9      200   注 所要時間は1回あたりの値(ミリ秒)   1件あたりの合計    = 15 + (4 + 9) × 200    = 15 + 2,600 = 2,615ms = 2.615秒   脚注を読まずに 15 + 4 + 9 = 28ms と答えるのが典型的な誤り。  「1回あたり」「1件あたり」「1台あたり」は必ず回数と掛け合わせる。

用語

設問先読み
本文を読む前に設問文に目を通し、何を探すのかを決めてから本文に戻る読み方。目的を持って読むことで二度読みを減らせる。
除外条件
「〜を除く」「〜は考慮しない」「〜は正常に動作するものとする」のように、考えなくてよい範囲を指定する記述。見落とすと余計な要素まで考えて答えがずれる。
脚注
表の下や図の横に小さく書かれた注記。単位、前提、例外がここだけに書かれていることがあり、計算問題では答えを分ける決め手になる。
下線部
本文中に番号付きで引かれた線。設問はこの下線部について問う。答えの材料は下線部そのものより、その前後の段落にあることが多い。
システム構成図
機器やサーバを四角、通信経路を線で表した図。どこがどこと直接つながり、境界に何が置かれているかを読む。
シーケンス図
縦の線が処理の主体、横の矢印がメッセージ、上から下が時間の流れを表す図。空欄の矢印は前後の矢印から挟み撃ちで特定する。
多重度
E-R図で、二つのエンティティの間の対応関係が一対一か一対多か多対多かを示す記号。向きを取り違えると設計そのものが変わる。

例題

例題:設問に「本文中の下線②について、この方式では要件を満たせない理由を述べよ」とある。どこを読めばよいか。
答えと考え方 下線②の文だけを読んでも足りない。まず、その方式が満たすべき要件がどこに書かれているかを探す。多くは前の節の「要件」や「制約」を述べた箇条書きにある。次に、下線②の前後の段落で、その方式の動作や性能について述べた記述を探す。答えは「要件のこの部分」と「方式のこの性質」が食い違う、という形で組み立てる。下線部だけを見て一般論を書くと、その問題でなくても成り立つ答えになり、設問の要求から外れる。
例題:処理時間の表に「注 値は1件あたりの処理時間(ミリ秒)」と書かれている。設問は1,000件を処理する時間を秒で答えさせている。何に注意するか。
答えと考え方 注記が二つの落とし穴を作っている。第一に、表の値は1件あたりなので、1,000件分は1,000倍しなければならない。第二に、表の単位はミリ秒だが設問は秒で答えさせているので、1,000で割って単位を換算する。どちらかを忘れると桁が1,000倍または1,000分の1ずれる。表を使う計算では、値を拾う前に「単位は何か」「1件あたりか合計か」を確認し、答えを書く前に設問が指定した単位に直したかを確かめる。
例題:サービス停止可能な時間を求める設問で、本文に「毎週日曜の2時から4時は定期保守のため利用者はいない」と書かれていた。この一文はどう使うか。
答えと考え方 この一文は除外条件であり、その時間帯は停止してもサービスに影響しないという意味である。したがって停止可能時間の計算にこの2時間を含める。逆に、これを見落とすと停止可能時間を短く見積もり、答えが合わなくなる。「ただし」「なお」で始まる文や、稼働時間を述べた箇条書きの中の但し書きは、計算の前提を変える記述なので、必ず印を付けて計算式に反映させる。

出典・根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

3. 記述解答の作り方と見直し

問われた形で答え、主語と単位を落とさず、字数の中に収める。書いてから見直すまでの手順を決めます。

記述式の答案は、内容が合っていても書き方でつまずきます。IPAが公表している採点講評には、正答率が低かった設問について「設問の意図を正しく理解して記述してほしい」という指摘がはっきり書かれています。原因を問われているのに原因に至る前の状況を書いた解答が散見された、という具体的な指摘もあります。つまり、知らなかったのではなく、聞かれた形で答えなかったために点を落としている受験者が相当数いるということです。

第一の型は、問われた形で答えることです。設問の末尾の言葉と、答えの末尾の言葉を対応させます。「理由を述べよ」「なぜか」なら「〜から」または「〜ため」で終える。「目的を述べよ」なら「〜するため」で終える。「何を確認するか」なら確認する対象を名詞で答える。「どのような効果があるか」なら効果を名詞句で答える。「どうすればよいか」なら対策を動詞で終える文にする。IPAが公表している解答例を見ると、理由を問う設問の解答例は「〜から」で終わる一文、効果を問う設問の解答例は「調達コストの削減」のような名詞句、対策を問う設問の解答例は「〜を図る。」のような動詞で終わる文、というように、問われた形にきちんと対応しています。

第二の型は、主語を落とさないことです。日本語は主語を省略できてしまうため、「監視できないから」のように書くと、誰が何を監視できないのかが伝わりません。登場する主体が複数ある問題文では、主語の取り違えがそのまま誤答になります。「運用担当者が」「サーバAが」「利用部門が」といった主体を必ず書く。字数が足りないときに最初に削りたくなるのが主語ですが、削ってよいのは修飾語であって主語ではありません。

第三の型は、数字には単位を付けることです。「30」ではなく「30秒」「30分」「30件」と書きます。表の値がミリ秒で設問が秒を求めているような場合、単位を書く習慣があると換算忘れに自分で気付けます。割合を答えるときは「0.3」なのか「30パーセント」なのかを設問の指定に合わせます。金額なら千円単位か円単位かを確認します。

第四の型は、字数の中に収めることです。字数の指定がある設問では、指定を超えた分は評価されないと考えて、必ず範囲内に収めます。目安として、指定字数の8割から9割を使い切るように書くと、要素の入れ忘れが減ります。逆に半分ほどしか埋まらないときは、要素が足りていない可能性が高いので、設問が求める要素をもう一度数えます。IPAが公表している解答例は、多くが20字から40字程度の短い一文です。長く書くほど良いのではなく、要素が過不足なく入っているかが問われています。

書く前の準備として、答えに入れるべき要素を数える習慣を付けます。「〜の理由を、Aの観点から述べよ」なら、理由とAへの言及の二要素が要ります。「〜を二つ挙げよ」なら二つ書く。「原因と対策を述べよ」なら両方を書く。設問文に含まれる「〜を踏まえて」「〜に着目して」は、その語を答えに反映させよという指示です。要素を数えてから書き出すと、字数の配分も決まります。

第五の型は、問題文の言葉を使うことです。問題文で「点検プロセス」と呼ばれているものを、自分の言葉で「チェック作業」と言い換えると、同じことを指しているかどうかが読み手に伝わりません。問題文で定義された用語や略称は、そのまま使います。逆に、問題文に出てこない専門用語を持ち出すのは危険です。IPAの採点講評には、問われている内容とは別の技術を説明した解答が散見された、という指摘や、問題文中に記載のない項目についての解答が散見された、という指摘が実際に書かれています。

記法の指定にも従います。図を書き込む設問では、問題冊子で定義された記法どおりに書く必要があります。IPAの採点講評では、E-R図の設問について、実線の下線が付いていない解答が散見されたという指摘が出ています。内容が合っていても記法を外すと評価されない可能性があるため、図中の記号の意味は解き始める前に確認します。

採点の詳細な基準はIPAから公表されていないので、どこまで書けば何点という断定はできません。ただし確実に言えるのは、空欄は0点だということです。したがって、分からない設問でも、問題文から読み取れる範囲で関係のありそうな条件を使って一文を書きます。ここで大切なのは、当てずっぽうの一般論ではなく、問題文に根拠がある内容を書くことです。根拠のある一文は的を外していても近いところに落ちますが、問題文に出てこない話は近づきようがありません。

見直しの手順も決めておきます。第一に、未記入の欄がないかを最初に確認します。これは内容を読まずに形だけで確認できるので、時間がなくても必ずできます。第二に、設問の末尾と自分の答えの末尾が対応しているかを確認します。理由を聞かれて名詞で終わっていないか、二つ挙げよと言われて一つしか書いていないか。第三に、主語と単位が入っているかを確認します。第四に、字数の指定を超えていないかを確認します。第五に、計算した設問については、使った値を表や本文から拾い直して、桁と単位を確かめます。この五つは、内容の正しさを考え直すのではなく、形式を機械的に点検する作業なので、疲れた終盤でも実行できます。内容を考え直すのは、この五つが終わってから、時間が余った場合に限ります。

設問の問い方と、答えの終わり方の対応
設問の問い方答えの形終わり方の例
なぜか、理由を述べよ理由を述べた一文〜から。/〜ため。
目的を述べよ目的を述べた一文〜するため。
どのような効果があるか効果を表す名詞句〜の削減/〜の短縮
何を確認するか確認する対象を表す名詞句〜の設定値/〜の記録
どうすればよいか、対策を述べよ対策を述べた一文〜する。/〜を行う。
どの時点か、いつか時点を特定する語句〜を受信した直後

用語

問われた形で答える
設問の末尾の言葉に、答えの末尾の言葉を対応させること。理由なら「〜から」、目的なら「〜するため」、効果なら名詞句、対策なら動詞で終える文にする。
要素の数え上げ
書き出す前に、答えに入れるべき事柄がいくつあるかを設問文から数える作業。「二つ挙げよ」「原因と対策を」「〜を踏まえて」などが要素の指示になる。
問題文の用語をそのまま使う
問題文で定義された名称や略称を言い換えずに使うこと。自分の言葉に置き換えると、同じものを指しているかが伝わらなくなる。
記法の指定
図を書き込む設問で、問題冊子が定義している書き方。E-R図の下線や矢印の向きなど、内容が合っていても記法を外すと評価されない可能性がある。
空欄を残さない
採点の詳細な基準は公表されていないが、空欄が0点であることは確かなので、問題文に根拠のある内容で必ず一文を書くという方針。
形式点検の見直し
未記入の有無、設問と答えの末尾の対応、主語と単位、字数、計算に使った値の五点を機械的に確かめる見直しの手順。内容の再検討より先に行う。

例題

例題:「利用者からの問合せ窓口を一本化する目的を、40字以内で述べよ」という設問に対し、「窓口が複数あると混乱するので一本化する。」と書いた。どこを直すか。
答えと考え方 三点直す。第一に、目的を問われているので「〜するため。」で終える形にする。第二に、主語と対象が抜けている。誰の混乱か、何が一本化されるのかを書く。第三に、40字以内という指定に対して短すぎるので、要素を足す余地がある。たとえば「利用者が問合せ先に迷わず、対応状況を一元的に記録して重複対応を防ぐため。」のように、問題文に根拠のある効果を二つ入れて指定字数の8割程度まで使う。字数が余っているときは、要素の入れ忘れを疑う。
例題:「データの欠落が発生した原因を述べよ」という設問に、「センサからの送信間隔が短く、受信側の処理が追いつかない状況であった。」と書いた。何が問題か。
答えと考え方 問われているのは欠落が発生した原因だが、書かれているのは欠落に至る前の状況にとどまっている。IPAの採点講評でも、原因を問うているのに欠落に至る前の状況を記述した解答が散見された、という同種の指摘が出ている。原因として答えるには、その状況によって何が起きたのかまで踏み込む必要がある。たとえば受信用のバッファがあふれて未処理のデータが上書きされた、というように、欠落そのものを引き起こした事象を書く。設問の末尾が「原因」なら、答えの中心も原因でなければならない。
例題:残り10分になった。まだ2か所が未記入で、他の設問の内容にも自信がない。何から手を付けるか。
答えと考え方 未記入の2か所を先に埋める。採点の詳細な基準は公表されていないが、空欄が0点であることは確実だからである。埋めるときは思い付きの一般論ではなく、その設問が指している本文の節に戻り、そこに書かれている条件を使って一文を書く。次に、内容の再検討ではなく形式の点検を行う。設問の末尾と答えの末尾が対応しているか、理由を聞かれて名詞で終わっていないか、二つ挙げよと言われて一つになっていないか、主語と単位が入っているか、字数を超えていないか。これらは短時間で確認でき、修正も一言で済む。内容を考え直すのは最後にする。

出典・根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

確認問題(15問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|科目B構成

IPAの試験要綱に示された応用情報技術者試験の科目B(従来の午後)の出題数と解答数の組合せはどれか。

  1. 11問出題、11問解答
  2. 80問出題、80問解答
  3. 5問出題、5問解答
  4. 11問出題、5問解答
正解と解説
正解:D. 11問出題、5問解答

試験要綱Ver.5.6によれば、応用情報技術者試験の科目Bは試験時間150分の記述式で、11問出題5問解答である。80問出題80問解答は科目A(従来の午前)で、こちらは試験時間150分の多肢選択式(四肢択一)である。出題数と解答数、出題形式、配点は制度改正で変わり得るので、受験する回の条件は必ずIPAの最新の受験案内と試験要綱で確認する。

根拠:IPA 情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6 出題範囲(科目B試験)応用情報技術者試験

問2|必須問題

試験要綱の別紙に示された、応用情報技術者試験の科目Bにおける必須解答問題の分野はどれか。

  1. 経営戦略
  2. プロジェクトマネジメント
  3. 情報セキュリティ
  4. プログラミング(アルゴリズム)
正解と解説
正解:C. 情報セキュリティ

試験要綱の別紙「応用情報技術者試験 科目B試験の分野別出題数」では、問1が情報セキュリティ分野の必須解答問題(1問出題1問解答)とされ、問2から問11までが選択解答問題(10問出題4問解答)とされている。プログラミング、プロジェクトマネジメント、経営戦略はいずれも問2から問11の側に並ぶ選択解答問題の分野である。情報セキュリティは避けられないので、学習の優先順位を最も高くする。

根拠:IPA 情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6 出題範囲(科目B試験)応用情報技術者試験

問3|科目B配点

試験要綱に示された応用情報技術者試験の科目Bの配点として、適切なものはどれか。

  1. 問1が20点、選択した4問が各20点で合計100点
  2. 解答した5問の合計を素点とし、基準点は50点である
  3. 問1が40点、選択した4問が各15点で合計100点
  4. 問1から問11まで各20点で、得点の高い5問が採点される
正解と解説
正解:A. 問1が20点、選択した4問が各20点で合計100点

試験要綱の問題別配点割合では、応用情報技術者試験の科目Bは問1が20点、問2から問11のうち解答した4問が各20点とされ、合計100点満点である。基準点は100点満点中60点で、採点方式は素点方式である。1問20点という配点は、1問を丸ごと落とすと最大20点を失うことを意味するので、得意な1問で満点を狙うより、選んだ5問すべてで確実に部分を積むほうが合格に近い。

根拠:IPA 情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6 出題範囲(科目B試験)応用情報技術者試験

問4|多段階選抜

応用情報技術者試験の多段階選抜方式に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 科目Aと科目Bの合計が120点に達しない場合、不合格とする
  2. 科目Aで基準点に達すれば、科目Bの得点にかかわらず合格とする
  3. 科目Bの得点が基準点に達しない場合、科目Aの採点を行わずに不合格とする
  4. 科目Aの得点が基準点に達しない場合、科目Bの採点を行わずに不合格とする
正解と解説
正解:D. 科目Aの得点が基準点に達しない場合、科目Bの採点を行わずに不合格とする

試験要綱によれば、応用情報技術者試験では科目Aの得点が基準点に達しない場合、科目Bの採点を行わずに不合格とする多段階選抜方式が採られている。したがって科目Bの対策にどれだけ時間をかけても、科目Aが基準点の60点に届かなければ答案は採点されない。合格には科目A・科目Bとも100点満点中60点以上が必要で、合計点で判定するのでも、科目Aだけで判定するのでもない。

根拠:IPA 情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6 出題範囲(科目B試験)応用情報技術者試験

問5|選び方

科目Bの選択問題を選ぶときの進め方として、最も適切なものはどれか。

  1. 題材が自分の業務に近い問を優先し、設問の形式は見ないで決める
  2. 開始直後に全問を数分で下見し、あらかじめ決めておいた本命と予備の分野から5問を確定させてから書き始める
  3. 1問ごとに解答を書き終えてから次の問を読み、途中で難しければ既に書いた答案を消して別の問に移る
  4. 問2から順に解き始め、解けなくなった時点で次の問に移る
正解と解説
正解:B. 開始直後に全問を数分で下見し、あらかじめ決めておいた本命と予備の分野から5問を確定させてから書き始める

科目Bは1問20点で、時間切れは最も損失が大きい。開始直後に全問を数分で下見し、あらかじめ決めておいた本命と予備の分野から解く5問を確定させてから書き始めるのが安全である。問2から順に解くと、後半に自分の得意分野があっても届かない。題材の親しみやすさだけで選ぶと、設問が本文の条件を組み合わせて考えさせる形だった場合に時間を失う。いったん書き始めた答案を消して乗り換えるのは、使った時間を捨てる行為なので、原則として避ける。

根拠:IPA 情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6 出題範囲(科目B試験)応用情報技術者試験

問6|ログ読取

次は、ある夜間バッチの実行ログである。このログから読み取れることとして適切なものはどれか。

時刻の差と、レベルの変わり目を先に押さえる
/* 受注取込バッチの実行ログ。左から 日付 時刻 レベル メッセージ */ 2026-03-09 01:00:00 INFO  取込開始 対象 order_0309.csv2026-03-09 01:00:02 INFO  読込件数 12,480 件2026-03-09 01:03:41 WARN  在庫マスタ応答遅延 待機 3,000ms2026-03-09 01:06:12 ERROR 在庫マスタ接続タイムアウト 再試行 1 回目2026-03-09 01:09:12 ERROR 在庫マスタ接続タイムアウト 再試行 2 回目2026-03-09 01:12:12 ERROR 在庫マスタ接続タイムアウト 再試行 3 回目2026-03-09 01:12:12 FATAL 再試行上限に達したため処理を中止2026-03-09 01:12:13 INFO  ロールバック完了 確定件数 0 件
  1. 読込件数が多すぎたため、開始から2秒後に取込が打ち切られた
  2. 再試行は3分間隔で3回行われ、上限に達して処理が中止された
  3. 3回目の再試行で接続が回復し、12,480件が確定して終了した
  4. 最初の警告から中止までに要した時間は12分12秒であった
正解と解説
正解:B. 再試行は3分間隔で3回行われ、上限に達して処理が中止された

ERROR の行は 01:06:12、01:09:12、01:12:12 で、間隔はいずれも3分、回数は3回である。その直後の FATAL で再試行上限に達して中止しているので、3分間隔で3回という読み取りが正しい。01:00:02 の行は読込件数を記録しただけで打切りではない。最終行は確定件数 0 件のロールバックなので、回復も正常終了もしていない。最初の警告は 01:03:41 で中止は 01:12:12 だから差は8分31秒であり、12分12秒は時刻そのものを所要時間と読み違えた誤りである。ログは時刻の差を取ってから、レベルが上がった行を探す順に読むと事実関係を取り違えにくい。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問7|設定の誤り

拠点ルータに次の設定を投入したところ、要件のうち一つが満たされなかった。要件は「192.168.10.0/24 と 192.168.20.0/24 の双方から HTTPS を許可し、192.168.10.0/24 からの DNS 問合せも許可し、それ以外はすべて遮断する」である。設定の誤りとして適切なものはどれか。

行の順序そのものが、通るか通らないかを決める
/* 拠点ルータの設定。アクセスリストは上の行から順に評価し、   最初に一致した行の permit または deny をその場で適用する */access-list 101 permit tcp 192.168.10.0 0.0.0.255 any eq 443access-list 101 deny   ip  any anyaccess-list 101 permit tcp 192.168.20.0 0.0.0.255 any eq 443access-list 101 permit udp 192.168.10.0 0.0.0.255 any eq 53interface GigabitEthernet0/1 ip access-group 101 in
  1. 4行目の拒否がすべての通信に一致し、その後の許可が評価されない
  2. 3行目のワイルドカードマスクが誤りで、対象が1台だけに絞られる
  3. 6行目の宛先ポートが誤りで、DNS には 53 ではなく 953 を指定する
  4. 8行目の適用方向が誤りで、in ではなく out を指定する必要がある
正解と解説
正解:A. 4行目の拒否がすべての通信に一致し、その後の許可が評価されない

アクセスリストは上から順に評価し、最初に一致した行で処理が決まる。4行目の deny ip any any にすべての通信が一致するため、5行目の 192.168.20.0/24 からの HTTPS も、6行目の DNS も評価されない。包括的な拒否は必ず末尾に置き、個別の許可を先に並べるのが原則である。3行目のワイルドカードマスク 0.0.0.255 は下位8ビットを問わない指定で /24 全体を正しく指す。DNS の標準ポートは 53 であり 953 ではない。8行目の in は、この拠点側から入ってくる通信を絞る指定として要件に合っている。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問8|戻り値の範囲

次の関数について、戻り値が取り得る値の範囲はどれか。

上限と下限を決めている行を先に探す
○整数型: 補正点(整数型: 素点, 整数型: 係数)  /* 素点は 0 以上 100 以下、係数は 1 以上 5 以下の整数 */  整数型: v  v ← 素点 × 係数 ÷ 4 の商  if (v > 100)    v ← 100  endif  if (v < 10)    v ← 10  endif  return v
  1. 0 以上 100 以下
  2. 0 以上 125 以下
  3. 10 以上 100 以下
  4. 10 以上 125 以下
正解と解説
正解:C. 10 以上 100 以下

4行目の計算だけを見ると、素点 100 と係数 5 で 125 まで届き、素点 0 なら 0 になる。しかし 5行目からの if が 100 を超える値を 100 に、8行目からの if が 10 未満の値を 10 に置き換えるので、実際に返るのは 10 以上 100 以下である。0 以上 100 以下は下限を押さえる2つ目の if を、0 以上 125 以下は両方の if を見落とした誤り、10 以上 125 以下は上限側の if だけを見落とした誤りである。午後問題では「戻り値の範囲」「最大何件になるか」がよく問われる。計算式の値域を出したうえで、それを狭めている分岐を必ず数え上げるのが型である。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問9|表と計算

次の表1とプログラム1がある。当月の利用量が 800GB だったときに 当月料金(800) が返す値はどれか。

表の段階と、プログラムの if が1対1に対応している
/* 表1 従量課金の単価表。段階ごとに、その範囲に入る量だけに単価を掛ける */    段階 利用量の範囲(GB)  単価(円/GB)   1    0 を超え 100 まで              20   2    100 を超え 500 まで            12   3    500 を超える分                  8 /* プログラム1 当月料金の算出。基本料は 3,000 円とする */○整数型: 当月料金(整数型: 利用量)  整数型: 料金 ← 3000  整数型: 残り ← 利用量  if (残り > 500)    料金 ← 料金 + (残り − 500) × 8    残り ← 500  endif  if (残り > 100)    料金 ← 料金 + (残り − 100) × 12    残り ← 100  endif  料金 ← 料金 + 残り × 20  return 料金
  1. 9,200 円
  2. 12,200 円
  3. 13,400 円
  4. 19,000 円
正解と解説
正解:B. 12,200 円

800 は 500 を超えるので (800 − 500) × 8 で 2,400 円が足され、残りは 500 になる。次に 500 は 100 を超えるので (500 − 100) × 12 で 4,800 円が足され、残りは 100 になる。最後に 100 × 20 で 2,000 円が足され、基本料 3,000 円と合わせて 12,200 円である。9,200 円は基本料を足し忘れた値、13,400 円は2つ目の if で (残り − 100) ではなく 残り に単価を掛けた場合の値、19,000 円は段階を無視して全量に 20 円を掛けた値である。表とプログラムが出たら、表の1行がプログラムのどの分岐に対応するかを線で結んでから計算に入る。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問10|仕様との差

次のプログラムは、注釈に書かれた仕様どおりに動いていない。仕様と異なる結果になる入力はどれか。

仕様の「以上」と、プログラムの不等号を突き合わせる
/* 仕様   ・注文金額が 5,000 円以上のとき、送料は 0 円とする   ・会員は、注文金額が 3,000 円以上であれば送料は 0 円とする   ・上のいずれにも当てはまらないとき、送料は 500 円とする */○整数型: 送料(整数型: 金額, 論理型: 会員)  if (会員 = true)    if (金額 ≧ 3000)      return 0    endif  endif  if (金額 > 5000)    return 0  endif  return 500
  1. 会員で、金額が 2,900 円のとき
  2. 会員で、金額が 3,000 円のとき
  3. 会員でなく、金額が 5,000 円のとき
  4. 会員でなく、金額が 5,100 円のとき
正解と解説
正解:C. 会員でなく、金額が 5,000 円のとき

仕様は 5,000 円以上で送料 0 円だが、11行目の条件は 金額 > 5000 なので、ちょうど 5,000 円のときに成り立たない。会員でない 5,000 円の注文では 14行目に進んで 500 円が返り、仕様の 0 円と食い違う。正しくは 金額 ≧ 5000 と書く。会員で 2,900 円のときは、仕様でも 3,000 円にも 5,000 円にも届かないので 500 円で一致する。会員で 3,000 円のときは 7行目で 0 円が返り仕様どおり、会員でない 5,100 円のときは 11行目が成り立ち 0 円で一致する。境界値は「以上・以下」と「より大きい・より小さい」の言い換えでずれるので、仕様の語尾と不等号を1つずつ照合する。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問11|表と判定

次の表1、表2と判定規則がある。10:20 の測定値まで評価し終えた時点で、危険が通知された項目と警告どまりの項目の組合せはどれか。

項目ごとに、危険の連続と警告の連続を別々に数える
/* 表1 監視項目としきい値 */    項目           警告しきい値 危険しきい値 連続回数   CPU使用率                70           90        3   メモリ使用率             80           95        2   ディスク使用率           85           95        1 /* 表2 5分ごとの測定値。単位はいずれもパーセント */    時刻  CPU メモリ ディスク   10:00  72     78       84   10:05  91     82       86   10:10  93     96       86   10:15  92     88       87   10:20  68     81       88 /* 判定規則。項目ごとに独立して評価する */  ・危険しきい値以上の測定値が、表1の連続回数だけ続いたら「危険」を通知する  ・そうでなく、警告しきい値以上の測定値が連続回数だけ続いたら「警告」を通知する  ・しきい値を下回った時点で、その連続の数え直しを行う
  1. 危険はCPU使用率とメモリ使用率で、警告はディスク使用率である
  2. 危険はCPU使用率だけで、警告はメモリ使用率とディスク使用率である
  3. 危険はメモリ使用率だけで、警告はCPU使用率とディスク使用率である
  4. 危険はどの項目にも出ず、3項目とも警告どまりで終わる
正解と解説
正解:B. 危険はCPU使用率だけで、警告はメモリ使用率とディスク使用率である

CPU使用率は 90 以上が 91、93、92 と3回続き、連続回数の3に達するので 10:15 に危険となる。メモリ使用率は 95 以上が 96 の1回だけで連続回数の2に届かず危険にならないが、80 以上が 82 から続くので 10:10 に警告となる。ディスク使用率は 95 以上が一度も無く、85 以上が 10:05 の 86 で連続回数の1に達するので警告となる。メモリ使用率を危険と数えるのは、96 の1回だけで連続回数2を満たしたと誤ったもの。CPU使用率を警告どまりとするのは、10:10 で警告が出た時点で数えるのをやめ、その後も 90 以上が続いた点を見落とした誤りである。表が2枚あるときは、どの列とどの行を突き合わせるのかを先に決めてから数える。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問12|理由の形

「なぜこの対策が有効なのか、理由を述べよ」という設問に対する解答の終わり方として、最も適切なものはどれか。

  1. 〜から。
  2. 〜の一覧。
  3. 〜という手順で実施する。
  4. 〜という対策。
正解と解説
正解:A. 〜から。

設問の末尾の言葉と、答えの末尾の言葉を対応させるのが記述式の基本である。理由やなぜかを問われたら「〜から。」または「〜ため。」で終える。IPAが公表している解答例でも、理由を問う設問の解答例は「〜から」で終わる一文になっている。対策を問われたら「〜する。」のように対策を述べる文、効果を問われたら「〜の削減」のような名詞句、確認する対象を問われたら対象を表す名詞句で答える。理由を問われて対策や手順で終えると、聞かれたことに答えていない解答になる。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問13|主語と単位

記述式の解答で字数が足りなくなったとき、削ってはいけないものとして最も適切なものはどれか。

  1. 同じ内容を言い換えた重複した表現
  2. 「非常に」「きわめて」といった程度を表す修飾語
  3. 問題文にすでに書かれている前提の繰り返し
  4. 動作の主体を表す主語と、数値に付ける単位
正解と解説
正解:D. 動作の主体を表す主語と、数値に付ける単位

字数が足りないときに最初に削りたくなるのが主語だが、削ってよいのは修飾語や重複表現であって主語ではない。登場する主体が複数ある問題文では、誰が何をするのかを書かないと内容が特定できず、取り違えとみなされる。数値の単位も同様で、「30」ではなく「30秒」「30件」と書く。単位を書く習慣があると、表の値がミリ秒で設問が秒を求めているような場合に換算忘れへ自分で気付ける。程度を表す修飾語、重複表現、前提の繰り返しは削ってよい部分である。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問14|字数

「40字以内で述べよ」という設問に対し、書き上げた解答が18字だった。このときに取るべき行動として最も適切なものはどれか。

  1. 短いほど採点者に伝わるので、そのまま提出する
  2. 文字を大きく書いて解答欄を埋める
  3. 設問が求める要素が不足していないかを数え直し、必要なら要素を補う
  4. 同じ内容を言い換えた文を付け足して、40字ちょうどにする
正解と解説
正解:C. 設問が求める要素が不足していないかを数え直し、必要なら要素を補う

字数の指定は、そこに収まる程度の要素が要るという目安でもある。指定の半分以下しか埋まらないときは、設問が求める要素が抜けている可能性が高いので、まず要素を数え直す。「原因と対策を述べよ」なら二要素、「〜を踏まえて」とあればその語への言及が要る。目安として指定字数の8割から9割を使い切るように書くと、入れ忘れが減る。ただし、同じ内容の言い換えで字数を埋めても要素は増えないので意味がなく、文字を大きく書くのは字数の問題への対応になっていない。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

問15|見直し

科目Bで残り10分になった。未記入の欄が2か所ある。取るべき行動の順序として最も適切なものはどれか。

  1. 未記入の2か所を、本文の該当箇所に戻って根拠のある内容で埋め、その後で設問と答えの対応、主語と単位、字数を機械的に点検する
  2. 自信のない設問の答えをいったんすべて消したうえで、残り時間で書き直せるものだけを本文に戻って書き直し、他は空欄のままにする
  3. 未記入の2か所は配点が読めないので捨て、既に書いた解答の言い回しと文末表現を整えることに残り時間を使う
  4. 最初の設問から答案を読み直して内容の正しさを一つずつ検討し直し、未記入の欄は時間が余ったときだけ埋める
正解と解説
正解:A. 未記入の2か所を、本文の該当箇所に戻って根拠のある内容で埋め、その後で設問と答えの対応、主語と単位、字数を機械的に点検する

採点の詳細な基準は公表されていないが、空欄が0点であることは確実なので、未記入をなくすことが最優先である。埋めるときは思い付きの一般論ではなく、その設問が指している本文の節に戻り、書かれている条件を使って一文を書く。その後は内容の再検討ではなく形式の点検を行う。設問の末尾と答えの末尾が対応しているか、二つ挙げよと言われて一つになっていないか、主語と単位が入っているか、字数を超えていないか。形式の点検は短時間で確実にでき、修正も一言で済む。既に書いた解答を消すのは、確実な得点を捨てる行為なので避ける。

根拠:IPA 応用情報技術者試験 採点講評(令和7年度秋期 午後)

演習:この章の問題を解く

ランダム出題の演習ツールです(JavaScript が有効な場合に動きます)。上の「確認問題」はそのままでもすべて読めます。

※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ずIPAの公式発表をご確認ください。
※ 出題はIPA公開のシラバスに沿った仮の宿 学習室のオリジナル問題です。計算問題はすべて機械検算ずみ。試験制度・実施要項はIPAの公式発表をご確認ください(2027年度春ごろに新試験制度へ移行予定)。