企業研究 COMPANY RESEARCH
インフラ・建設・不動産・運輸
講義 3 本・確認問題 30 問 | 本試験では「業界研究」(0問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- 電気やガスは、誰でも自由に売れる商品ではありません。事業ごとに法律の手続が決まっていて、それがそのまま参入障壁になっています。まずこの仕組みを押さえます。
- 鉄道会社の売上の多くは、運賃以外から来ています。運ぶ会社は「運ぶこと」だけを見ていると読み違えます。三つの輸送機関を並べて構造を掴みます。
- 建設は元請と下請の重なりで動き、不動産は開発・仲介・管理・運用で分かれます。誰が誰から仕事をもらっているかを図にすると、業界の姿が見えてきます。
1. 規制産業とは何か - 電力とガスの読み方
電気やガスは、誰でも自由に売れる商品ではありません。事業ごとに法律の手続が決まっていて、それがそのまま参入障壁になっています。まずこの仕組みを押さえます。
電力・ガス・鉄道・航空・建設・不動産は、まとめて規制産業と呼ばれます。共通しているのは、事業を始めるのに法律上の手続が要ることです。手続の重さは三段階あって、軽いほうから届出、登録、許可の順に並びます。届出は書類を出せば足りるもの、登録は要件に当てはまらない限り拒めないもの、許可は行政庁が基準に照らして審査して与えるものです。就職活動でこの三つを見分けられると、その会社がどれくらい守られた場所にいるのかが分かります。誰でも入れる市場と、大臣の許可がないと一歩も入れない市場では、競争のかたちがまるで違うからです。
電気事業法は、電気に関わる事業を七つに分けています。家庭や会社に電気を売るのが小売電気事業で、これは経済産業大臣の登録が必要です(電気事業法 第2条の2)。電線をはりめぐらせて地域全体に電気を送り届けるのが一般送配電事業で、こちらは許可です(同法 第3条)。発電所を持って電気をつくるのが発電事業で、これは届出で足ります(同法 第2条第1項第15号、第27条の27第1項)。同じ「電力会社」という言葉でも、登録の会社と許可の会社と届出の会社が混ざっています。求人票の会社名だけでは分からないので、会社概要で事業の種類を確かめる癖をつけてください。
むかしは地域ごとの電力会社が発電から小売までを一手に担っていました。国はこれを三段階で組み替えます。2015年4月1日に電力広域的運営推進機関が発足し、2016年4月に電力の小売全面自由化を実施し、2020年4月に送配電部門の法的分離が行われました(資源エネルギー庁「エネルギー白書2024」)。法的分離とは、送配電の部分を別会社にして中立にすることです。電気事業法は、一般送配電事業者が小売電気事業や発電事業を営むことを原則として禁じ(同法 第22条の2第1項)、その取締役が小売や発電の会社の役員を兼ねることも禁じています(同法 第22条の3第1項)。送電線は他社も使う共用の道路だから、道路の管理者が運送屋を兼ねてはいけない、という発想です。
都市ガスもほぼ同じ道をたどりました。ガスの小売全面自由化は2017年4月です。ガス事業法もライセンス制で、ガス小売事業は登録(ガス事業法 第3条)、一般ガス導管事業は許可(同法 第35条)、ガス製造事業と特定ガス導管事業は届出です(同法 第86条第1項、第72条第1項)。ただし兼業の禁止は電気と少し違い、導管の規模が政令の基準以上である特別一般ガス導管事業者だけが対象です(同法 第54条の2)。電気は一般送配電事業者すべてが対象なのに、ガスは大規模な導管事業者に限られる。同じ「分離」でも法律ごとに線の引き方が違うので、面接で語るときは条文の側から確かめるのが安全です。
電気とガスの事業区分と、必要な手続| やっていること | 電気での呼び方と手続 | ガスでの呼び方と手続 |
|---|
| つくる | 発電事業 / 届出(電気事業法 第27条の27第1項) | ガス製造事業 / 届出(ガス事業法 第86条第1項) |
| 地域全体に送り届ける | 一般送配電事業 / 許可(電気事業法 第3条) | 一般ガス導管事業 / 許可(ガス事業法 第35条) |
| 特定の場所に送る | 特定送配電事業 / 届出(電気事業法 第27条の13第1項) | 特定ガス導管事業 / 届出(ガス事業法 第72条第1項) |
| 利用者に売る | 小売電気事業 / 登録(電気事業法 第2条の2) | ガス小売事業 / 登録(ガス事業法 第3条) |
| 全面自由化の時期 | 2016年4月 | 2017年4月 |
電力・ガス会社が「どの事業の会社か」を確かめる手順1. 会社の公式サイトで「会社概要」または「企業情報」を開く2. 事業内容の欄にある事業の名前を、そのまま書き出す3. その名前を電気事業法 第2条またはガス事業法 第2条の定義と突き合わせる4. 一般送配電事業・一般ガス導管事業なら許可、小売なら登録、発電・製造なら届出と分かる5. 持株会社の場合は、グループ会社一覧でどの子会社がどの事業を持つかを見る
用語
- 規制産業
- 事業を始めるのに法律上の許可・登録・届出などが必要な産業。電力・ガス・鉄道・航空・建設・不動産などが当たる。手続そのものが参入障壁になる。
- 許可
- 行政庁が基準に照らして審査したうえで与える処分。一般送配電事業(電気事業法 第3条)、鉄道事業(鉄道事業法 第3条)、建設業(建設業法 第3条)などがこれ。三つのなかで最も重い。
- 登録
- 定められた要件に該当しない限り拒否できない手続。小売電気事業(電気事業法 第2条の2)やガス小売事業(ガス事業法 第3条)がこれ。
- 届出
- 行政庁に知らせれば足りる手続。発電事業(電気事業法 第27条の27第1項)やガス製造事業(ガス事業法 第86条第1項)がこれ。三つのなかで最も軽い。
- 一般送配電事業
- 自らの送電用・配電用の電気工作物により、その供給区域で託送供給と電力量調整供給を行う事業(電気事業法 第2条第1項第8号)。許可制で、地域独占が続いている。
- 託送供給
- 他社から受け取った電気を、別の場所でその他社に供給すること。振替供給と接続供給をあわせた呼び方(電気事業法 第2条第1項第6号)。送配電会社の本業にあたる。
- 法的分離
- 送配電部門を別会社にして中立性を確保するやり方。電気は2020年4月に実施された。電気事業法 第22条の2の兼業の制限がその中身にあたる。
- 特別一般ガス導管事業者
- 導管の規模などが政令の要件に当たる一般ガス導管事業者。ガス小売事業などとの兼業が禁じられる(ガス事業法 第54条の2)。
例題
例題:「電力会社に入りたい」と言う友人に、まず何を聞き分けさせますか。
答えと考え方 発電・送配電・小売のどれかです。電気事業法では発電事業は届出、一般送配電事業は許可、小売電気事業は登録と手続が違い、収益の出方も競争相手も別物になります。
例題:送配電会社が小売もやってはいけないのはなぜですか。
答えと考え方 送電線は他社も使う共用の設備だからです。電気事業法 第22条の2第1項は、一般送配電事業者が小売電気事業や発電事業を営むことを原則として禁じています。
例題:電気とガスで、分離の対象になる会社の範囲は同じですか。
答えと考え方 違います。電気は一般送配電事業者すべてが兼業の制限を受けますが、ガスは導管の規模が政令の要件に当たる特別一般ガス導管事業者に限られます(ガス事業法 第54条の2)。
出典・根拠:電気事業法 第2条・第2条の2・第3条・第22条の2・第22条の3・第27条の27、ガス事業法 第2条・第3条・第35条・第54条の2・第86条、資源エネルギー庁「エネルギー白書2024」
2. 運ぶ会社の稼ぎ方 - 鉄道・航空・海運
鉄道会社の売上の多くは、運賃以外から来ています。運ぶ会社は「運ぶこと」だけを見ていると読み違えます。三つの輸送機関を並べて構造を掴みます。
鉄道事業法は鉄道事業を三つに分けます。線路も車両も自前で持って運ぶのが第一種鉄道事業、他人の敷いた線路を借りて運ぶのが第二種鉄道事業、線路を敷いて他社に譲るか使わせるのが第三種鉄道事業です(鉄道事業法 第2条第2項から第4項)。どれも経営するには国土交通大臣の許可が必要で、許可は路線と種別について与えられます(同法 第3条第1項・第2項)。貨物列車の会社が旅客会社の線路を走るときは第二種、第三セクターが線路だけを持って運行を他社に任せるときは第三種、というふうに使い分けられています。
日本の私鉄には、世界的にみて珍しい特徴があります。鉄道を敷き、その沿線で住宅地を開発し、ターミナルに百貨店を置き、行き先に遊園地や劇場をつくる。運賃と不動産と流通を一つの会社群で回す形です。だから鉄道会社を企業研究するときは、運輸のセグメントだけを見ても半分しか分かりません。たとえば阪急阪神ホールディングス株式会社は、グループの事業領域として都市交通・不動産・エンタテインメント・情報通信・旅行・国際輸送を挙げています(同社 公式サイト グループの事業領域、2026年8月確認)。運賃収入が伸びなくても、沿線の価値が上がれば会社は伸びる、という構造です。
航空も許可の世界です。航空運送事業を経営しようとする者は国土交通大臣の許可を受けなければならず(航空法 第100条第1項)、許可を受けた者を本邦航空運送事業者と呼びます(同法 第102条第1項)。さらに航空機の登録には外資の制限があり、外国人などが役員の三分の一以上または議決権の三分の一以上を占める法人が所有する航空機は登録できません(同法 第4条第1項第4号)。日本の航空会社が外資に買われにくいのは、この条文があるからです。許認可が参入障壁になる、という話の分かりやすい例になります。
海運は、決まった航路を時刻表どおりに走る定期船と、貨物のあるところへ都度向かう不定期船に大きく分かれます。定期船の代表がコンテナ船で、荷主が個々の箱を託す形なので営業と航路網の維持に費用がかかります。不定期船は鉄鉱石・石炭・穀物・原油・液化天然ガスなどを大量に運び、長期の契約で船を貸す形も多くあります。日本の三社はコンテナ船の部分を切り出して一社にまとめました。日本郵船株式会社、株式会社商船三井、川崎汽船株式会社は2017年に定期コンテナ船事業の統合に踏み切り、シンガポールに Ocean Network Express Pte. Ltd.(ONE)を合弁で設立して、2018年4月にサービスを開始しています(日本郵船株式会社 公式サイト 定期船事業、2026年8月確認)。同業が競争しながら一部だけ共同でやる、という形は業界研究の重要な視点です。
三つの輸送機関の、法律上の手続と収益の柱| 分野 | 事業を始めるための手続 | 運賃以外の主な収益源 |
|---|
| 鉄道 | 国土交通大臣の許可(鉄道事業法 第3条第1項) | 不動産、流通、ホテル、レジャーなどの兼営 |
| 航空 | 国土交通大臣の許可(航空法 第100条第1項) | 貨物輸送、整備の受託、マイレージなどの関連事業 |
| 海運 | 海上運送法・内航海運業法などによる手続 | 定期船と不定期船で構造が異なる。物流や不動産を持つ会社もある |
| 共通して見る点 | 許認可が参入障壁になっているか | 本業以外のセグメントがどれだけあるか |
運ぶ会社のセグメントを読む手順1. 公式サイトの「事業紹介」または「セグメント情報」を開く2. セグメントの名前をすべて書き出し、運ぶ事業と、それ以外に分ける3. 有価証券報告書の「事業の内容」で、各セグメントの中身を確かめる4. 鉄道会社なら、不動産・流通・ホテルのセグメントがあるかを見る5. 志望動機では、自分が関わりたいセグメントの名前を正確に使う
用語
- 第一種鉄道事業
- 自らの鉄道線路で旅客または貨物の運送を行う事業(鉄道事業法 第2条第2項)。線路も列車も自前で持つ、いちばん想像しやすい形。
- 第二種鉄道事業
- 自らが敷設した鉄道線路以外の線路を使って運送を行う事業(鉄道事業法 第2条第3項)。他社の線路を借りて列車を走らせる形。
- 第三種鉄道事業
- 線路を第一種鉄道事業者に譲る目的で敷設する事業、または敷設した線路を第二種鉄道事業者に専ら使わせる事業(鉄道事業法 第2条第4項)。線路だけを持つ形。
- 本邦航空運送事業者
- 航空法 第100条第1項の許可を受けた者(同法 第102条第1項)。航空運送事業は国土交通大臣の許可がなければ経営できない。
- 定期船
- 決まった航路と日程で運航する船。コンテナ船が代表で、多数の荷主の貨物をまとめて運ぶ。航路網の維持に費用がかかる。
- 不定期船
- 貨物のある場所へ都度向かう船。鉄鉱石・石炭・穀物などのばら積み貨物や、原油・液化天然ガスを運ぶ専用船が含まれる。
- 沿線開発
- 鉄道を敷いた沿線で住宅地・商業施設・レジャー施設を開発し、輸送需要と地価の両方を高めるやり方。日本の私鉄に多い経営の形。
- ターミナル
- 路線の起点や終点になる大きな駅。百貨店や商業施設を併設し、鉄道以外の収益源にしている例が多い。
例題
例題:貨物列車の会社が他社の線路を走るのは、鉄道事業法ではどの種別ですか。
答えと考え方 第二種鉄道事業です。自らが敷設した線路以外の線路を使って運送を行う事業と定義されています(鉄道事業法 第2条第3項)。
例題:鉄道会社の志望動機で気をつけることは何ですか。
答えと考え方 運輸以外のセグメントを見落とさないことです。私鉄には不動産・流通・ホテルなどを兼営する会社が多く、配属先も鉄道の現場とは限りません。
例題:日本の航空会社が外資に支配されにくいのはなぜですか。
答えと考え方 航空法 第4条第1項第4号が、外国人などが役員の三分の一以上または議決権の三分の一以上を占める法人の所有する航空機を登録できないと定めているためです。
出典・根拠:鉄道事業法 第2条・第3条、航空法 第4条・第100条・第102条、阪急阪神ホールディングス株式会社 公式サイト グループの事業領域(2026年8月確認)、日本郵船株式会社 公式サイト 定期船事業(2026年8月確認)
3. つくる会社と持つ会社 - 建設・プラント・不動産
建設は元請と下請の重なりで動き、不動産は開発・仲介・管理・運用で分かれます。誰が誰から仕事をもらっているかを図にすると、業界の姿が見えてきます。
建設業を営むには許可が必要です。二つ以上の都道府県に営業所を置くなら国土交通大臣、一つの都道府県だけなら知事の許可で、五年ごとに更新します(建設業法 第3条第1項・第3項)。許可はさらに二つに分かれます。発注者から直接請け負った一件の工事について、政令で定める金額以上の下請契約を結んで施工しようとする者は特定建設業の許可、それ以外は一般建設業の許可です(同法 第3条第1項各号)。大きな工事を元請として取り仕切るには特定建設業の許可が要る、と覚えると分かりやすくなります。
現場の言葉も条文で決まっています。工事を注文する側のうち、他から請け負ったものでない注文者が発注者、下請契約の注文者で建設業者であるものが元請負人、下請契約の請負人が下請負人です(建設業法 第2条第5項)。建築や土木を一式で受けて全体をまとめる会社を通称でゼネコン、鉄骨・電気設備・空調・内装など専門工事を受け持つ会社をサブコンと呼びますが、これは法律用語ではありません。元請は請け負った工事を丸ごと他人に請け負わせてはならず(同法 第22条第1項)、工事現場には主任技術者を、特定建設業者が大きな下請契約を結ぶ場合には監理技術者を置かなければなりません(同法 第26条第1項・第2項)。大規模な現場では、下請の顔ぶれを記した施工体制台帳の作成も義務づけられています(同法 第24条の8第1項)。
ゼネコンは建てるだけの会社ではありません。株式会社大林組は、国内建設事業を中核として、海外建設事業・エンジニアリング事業・開発事業・グリーンエネルギー事業・新領域ビジネスを展開すると説明しています(同社 公式サイト 事業、2026年8月確認)。石油・ガス・化学などの工場をまるごと設計し、機材を調達し、建設まで請け負う会社はプラントエンジニアリングと呼ばれ、設計・調達・建設の頭文字からEPCといいます。日揮ホールディングス株式会社は、総合エンジニアリング事業と機能材製造事業の二つを事業セグメントの中心に挙げています(同社 公式サイト 事業紹介、2026年8月確認)。同じ「建設」でも、建物を建てる会社と工場をつくる会社では、客も稼ぎ方も違います。
不動産は四つの役回りに分けると整理できます。土地を仕入れて建物を企画し売る、または貸すのがデベロッパー。売り手と買い手、貸し手と借り手を結ぶのが仲介。建物と入居者の面倒を見るのが管理。投資家からお金を集めて不動産を持ち、賃料を配るのが不動産投資信託です。仲介や売買を業として行うには宅地建物取引業の免許が必要で、二つ以上の都道府県に事務所を置くなら国土交通大臣、一つなら知事の免許です(宅地建物取引業法 第3条第1項)。事務所ごとに国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければなりません(同法 第31条の3第1項)。投資法人はさらに変わっていて、資産の運用以外を営業とすることができず、本店以外の営業所を設けることも使用人を雇用することもできません(投資信託及び投資法人に関する法律 第63条)。登録投資法人は資産運用会社に運用業務を委託しなければならないので(同法 第198条第1項)、就職先として名前が挙がるのは投資法人ではなく資産運用会社のほうです。
建設と不動産で、誰が誰から仕事をもらうか| 立場 | 誰から仕事を受けるか | 必要な手続の例 |
|---|
| 発注者 | 受けない。工事を注文する側 | 特になし |
| 元請負人(ゼネコン) | 発注者から直接請け負う | 建設業の許可(建設業法 第3条第1項) |
| 下請負人(サブコン) | 元請負人から請け負う | 建設業の許可(軽微な工事のみなら不要) |
| デベロッパー | 自ら土地を仕入れて企画する | 自ら売主となる場合は宅地建物取引業の免許 |
| 仲介会社 | 売主・買主・貸主・借主から依頼を受ける | 宅地建物取引業の免許(宅地建物取引業法 第3条第1項) |
| 資産運用会社 | 登録投資法人から運用業務の委託を受ける | 金融商品取引業者であること(投資信託及び投資法人に関する法律 第199条) |
建設・不動産の会社が業界のどこにいるかを調べる手順1. 公式サイトの「事業紹介」で、建築・土木・開発・エンジニアリングの内訳を見る2. 主な施工実績のページで、発注者の名前が並んでいるかを確かめる3. 建設業なら、許可の種類が一般建設業か特定建設業かを会社概要で見る4. 不動産なら、宅地建物取引業の免許番号が会社概要に載っているかを見る5. 免許番号の括弧内の数字は更新回数なので、営業の年数の目安になる
用語
- 一般建設業と特定建設業
- 発注者から直接請け負った一件の工事で、政令で定める金額以上の下請契約を結んで施工しようとする者は特定建設業の許可、それ以外は一般建設業の許可(建設業法 第3条第1項)。
- 元請負人
- 下請契約における注文者で、建設業者であるもの(建設業法 第2条第5項)。発注者から直接仕事を受け、下請に一部を出す立場。
- ゼネコン
- 土木・建築を一式で請け負い、現場全体をまとめる総合建設会社の通称。法律上の用語ではない。
- サブコン
- 鉄骨・電気設備・空調・内装など、専門工事を受け持つ会社の通称。多くは下請負人の立場に立つ。
- 一括下請負の禁止
- 建設業者は請け負った工事を一括して他人に請け負わせてはならないという定め(建設業法 第22条第1項)。丸投げの禁止。
- 監理技術者
- 特定建設業者が発注者から直接請け負った工事で、政令で定める金額以上の下請契約を結ぶ場合に工事現場に置く技術者(建設業法 第26条第2項)。
- EPC
- 設計・調達・建設をまとめて請け負う契約の形。プラントエンジニアリング会社の中心的な仕事のしかた。
- 投資法人
- 資産を主として特定資産への投資として運用する目的で設立された社団(投資信託及び投資法人に関する法律 第2条第12項)。使用人を雇用できず、運用は資産運用会社に委託する。
例題
例題:ゼネコンとサブコンの違いを一文で言うとどうなりますか。
答えと考え方 ゼネコンは発注者から工事一式を直接請け負って現場をまとめる立場、サブコンは専門工事を受け持ち多くは元請から仕事を受ける立場です。法律上の用語ではなく通称です。
例題:不動産投資信託に就職したい、という言い方はなぜ危ういのですか。
答えと考え方 投資法人は使用人を雇用できず(投資信託及び投資法人に関する法律 第63条第2項)、運用は資産運用会社に委託されるためです。採用しているのは資産運用会社のほうになります。
例題:建設会社の会社概要で、まず何を見ますか。
答えと考え方 建設業の許可の種類と番号です。一般建設業か特定建設業か、大臣許可か知事許可かで、その会社が請け負える工事の大きさと営業の広がりが読めます。
出典・根拠:建設業法 第2条・第3条・第22条・第24条の8・第26条、宅地建物取引業法 第3条・第31条の3、投資信託及び投資法人に関する法律 第2条・第63条・第198条・第199条、株式会社大林組 公式サイト 事業(2026年8月確認)、日揮ホールディングス株式会社 公式サイト 事業紹介(2026年8月確認)
確認問題(30問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|規制産業
規制産業と呼ばれる産業に共通する特徴として適切なものはどれか。
- 事業を始めるのに法律上の許可・登録・届出などが必要である
- 国が株式の過半数を持つことが法律で義務づけられている
- 従業員の給与の額が法律で一律に定められている
- 取り扱う商品の価格を毎年国が決めることになっている
正解と解説
正解:A. 事業を始めるのに法律上の許可・登録・届出などが必要である規制産業とは、事業の開始に法律上の手続が必要な産業をいう。電力・ガス・鉄道・航空・建設・不動産などが当たり、その手続そのものが参入障壁になる。株式の保有や給与、価格の決め方が一律に定まっているわけではない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く知られた業界の構造にもとづく問題です
問2|小売電気
小売電気事業を営もうとする者に、電気事業法が求めている手続はどれか。
- 国土交通大臣の許可
- 都道府県知事の免許
- 市町村長への事前の届出
- 経済産業大臣の登録
正解と解説
正解:D. 経済産業大臣の登録電気事業法 第2条の2は「小売電気事業を営もうとする者は、経済産業大臣の登録を受けなければならない」と定める。許可ではなく登録である点に注意する。
根拠:電気事業法 第2条の2
問3|送配電の許可
一般送配電事業を営むために電気事業法が求めている手続はどれか。
- 経済産業大臣への届出
- 経済産業大臣の登録
- 経済産業大臣の許可
- 手続は不要
正解と解説
正解:C. 経済産業大臣の許可電気事業法 第2条第1項第9号は、一般送配電事業者を「一般送配電事業を営むことについて第三条の許可を受けた者」と定義している。小売電気事業の登録より重い手続で、地域独占が続いている分野である。
根拠:電気事業法 第3条
問4|発電の手続
電気事業法における発電事業者の説明として正しいものはどれか。
- 発電事業を営むことについて許可を受けた者である
- 発電事業を営むことについて登録を受けた者である
- 発電事業を営むことについて届出をした者である
- 発電事業は電気事業法の対象外なので手続は要らない
正解と解説
正解:C. 発電事業を営むことについて届出をした者である電気事業法 第2条第1項第15号は、発電事業者を「発電事業を営むことについて第二十七条の二十七第一項の規定による届出をした者」と定義する。発電は届出、小売は登録、一般送配電は許可という三段階になっている。
根拠:電気事業法 第2条
問5|兼業の制限
一般送配電事業者について、電気事業法 第22条の2が原則として禁じている行為はどれか。
- 小売電気事業や発電事業を営むこと
- 供給区域の外に送電線を引くこと
- 他社に託送供給を行うこと
- 株式会社の形態をとること
正解と解説
正解:A. 小売電気事業や発電事業を営むこと同条第1項は、一般送配電事業者が小売電気事業、発電事業、特定卸供給事業を営んではならないと定める(経済産業大臣の認可を受けた場合を除く)。送配電を中立に保つための、法的分離の中心となる条文である。
根拠:電気事業法 第22条の2
問6|小売自由化
電気の小売全面自由化が実施された時期として正しいものはどれか。
- 2011年4月
- 2013年4月
- 2022年4月
- 2016年4月
正解と解説
正解:D. 2016年4月資源エネルギー庁のエネルギー白書は「2016年4月に電力の小売全面自由化を実施しました」と記している。これにより家庭も電気を買う相手を選べるようになった。
根拠:資源エネルギー庁「エネルギー白書2024」
問7|法的分離
送配電部門の法的分離が行われた時期として正しいものはどれか。
- 2020年4月
- 2015年4月
- 2016年4月
- 2024年4月
正解と解説
正解:A. 2020年4月資源エネルギー庁のエネルギー白書は「2020年4月に送配電部門の法的分離が行われました」と記している。2015年4月1日は電力広域的運営推進機関の発足、2016年4月は小売全面自由化にあたる。
根拠:資源エネルギー庁「エネルギー白書2024」
問8|ガスの区分
ガス事業法における一般ガス導管事業の手続として正しいものはどれか。
- 届出
- 登録
- 認可
- 許可
正解と解説
正解:D. 許可ガス事業法 第2条第6項は、一般ガス導管事業者を「第三十五条の許可を受けた者」と定義する。ガス小売事業は登録(同法 第3条)、ガス製造事業は届出(同法 第86条第1項)で、電気の区分と対応している。
根拠:ガス事業法 第35条
問9|東電HD
東京電力ホールディングス株式会社について、公式サイトの記載にもとづく説明として正しいものはどれか。
- 2016年4月1日に他社と合併して新たに設立された会社である
- 設立以来、社名を一度も変えたことがない
- 2016年4月1日に商号を変更し、持株会社としてグループを統括している
- 自ら一般送配電事業の許可を受けて送電線を運用している
正解と解説
正解:C. 2016年4月1日に商号を変更し、持株会社としてグループを統括している同社の会社概要には設立1951年5月1日、2016年4月1日商号変更と記載されており、東京電力株式会社から東京電力ホールディングス株式会社となって持株会社体制へ移行した。送配電は子会社が担っている。
根拠:東京電力ホールディングス株式会社 公式サイト 会社概要(2026年8月確認)
問10|東電の分社
東京電力グループの事業会社の役割の組合せとして、公式サイトの記載に合うものはどれか。
- 東京電力パワーグリッドが電気の小売、東京電力エナジーパートナーが送電・配電と燃料の調達
- 両社とも火力発電と燃料の調達を担当していて、送電・配電や電気の小売はいっさい行っていない
- 東京電力パワーグリッドが送電・配電、東京電力エナジーパートナーが電気・ガス・くらし
- 両社とも再生可能エネルギーの開発だけを担当する
正解と解説
正解:C. 東京電力パワーグリッドが送電・配電、東京電力エナジーパートナーが電気・ガス・くらし同グループの会社体制のページでは、東京電力パワーグリッド株式会社が送電・配電、東京電力エナジーパートナー株式会社が電気・ガス・くらし、東京電力フュエル&パワー株式会社が火力発電・燃料と示されている。
根拠:東京電力ホールディングス株式会社 公式サイト グループ会社(2026年8月確認)
問11|第一種鉄道
鉄道事業法にいう第一種鉄道事業の説明として正しいものはどれか。
- 自ら鉄道線路を敷設して、これを第二種鉄道事業者に専ら使わせる事業で、自らは運送を行わないもの
- 他人の敷設した鉄道線路を使用して旅客または貨物の運送を行う事業で、自らは線路を持たないもの
- 自らの鉄道線路により旅客または貨物の運送を行う事業で、第二種鉄道事業以外のもの
- 索道により旅客または貨物の運送を行う事業
正解と解説
正解:C. 自らの鉄道線路により旅客または貨物の運送を行う事業で、第二種鉄道事業以外のもの鉄道事業法 第2条第2項の定義。線路も列車も自前で持って運ぶ、いちばん典型的な形が第一種鉄道事業である。索道事業は同条第5項に別に定義がある。
根拠:鉄道事業法 第2条
問12|第二種鉄道
他社が敷いた線路を使って貨物列車を走らせる事業は、鉄道事業法ではどれに当たるか。
- 第二種鉄道事業
- 第一種鉄道事業
- 第三種鉄道事業
- 自己の用に供する専用鉄道
正解と解説
正解:A. 第二種鉄道事業鉄道事業法 第2条第3項は、第二種鉄道事業を「自らが敷設する鉄道線路以外の鉄道線路を使用して鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業」と定義する。線路だけを持つのが第三種、専ら自己の用に供するのが専用鉄道である。
根拠:鉄道事業法 第2条
問13|鉄道の許可
鉄道事業を経営しようとする者に必要な手続として正しいものはどれか。
- 都道府県知事への届出
- 国土交通大臣の許可
- 経済産業大臣の登録
- 市町村長の認可
正解と解説
正解:B. 国土交通大臣の許可鉄道事業法 第3条第1項は「鉄道事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない」と定める。許可は路線と鉄道事業の種別について与えられる(同条第2項)。
根拠:鉄道事業法 第3条
問14|私鉄の構造
日本の私鉄に多く見られる経営の形の説明として適切なものはどれか。
- 鉄道の運行だけに専念し、他の事業を一切持たない
- 線路の保有を禁じられているため、すべて第二種鉄道事業として運行している
- 運賃を自由に決められるため、収益のほとんどを運賃の値上げでまかなう
- 鉄道を敷いた沿線で住宅や商業施設を開発し、運輸以外の収益源を併せ持つ
正解と解説
正解:D. 鉄道を敷いた沿線で住宅や商業施設を開発し、運輸以外の収益源を併せ持つ沿線で住宅地を開発し、ターミナルに商業施設を置き、行き先にレジャー施設をつくって、運賃と不動産と流通を一つの企業グループで回すのが日本の私鉄に多い形である。運輸のセグメントだけを見ると会社の姿を読み違える。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く知られた業界の構造にもとづく問題です
問15|阪急阪神
阪急阪神ホールディングス株式会社が公式サイトでグループの事業領域として挙げているものに当てはまらないのはどれか。
- 鉄道を中心とする都市交通
- 不動産の開発と賃貸
- エンタテインメント
- 半導体の製造
正解と解説
正解:D. 半導体の製造同社の公式サイトは、グループの事業領域として都市交通・不動産・エンタテインメント・情報通信・旅行・国際輸送を掲げている。半導体の製造は挙げられていない。
根拠:阪急阪神ホールディングス株式会社 公式サイト グループの事業領域(2026年8月確認)
問16|東急の再編
東急株式会社の沿革について、公式サイトの記載にもとづく説明として正しいものはどれか。
- 2019年9月に東急へ商号を変更し、同年10月に鉄軌道事業を東急電鉄が承継した
- 2019年に商号は変えたが、鉄軌道事業の分社は行っていない
- 2019年に他の鉄道会社と合併して新会社となった
- 商号は創業以来変わっておらず、分社もしていない
正解と解説
正解:A. 2019年9月に東急へ商号を変更し、同年10月に鉄軌道事業を東急電鉄が承継した同社の沿革には、2019年9月2日に東急へ商号変更、2019年10月1日に会社分割により東急の鉄軌道事業を東急電鉄が承継して営業を開始した、と記されている。持株的な機能と鉄道の運行を分けた形である。
根拠:東急株式会社 公式サイト 沿革(2026年8月確認)
問17|航空の許可
航空運送事業を経営しようとする者に必要な手続として、航空法が定めているものはどれか。
- 経済産業大臣への届出
- 国土交通大臣の許可
- 内閣総理大臣の登録
- 空港管理者の承認
正解と解説
正解:B. 国土交通大臣の許可航空法 第100条第1項は「航空運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない」と定める。この許可を受けた者を本邦航空運送事業者という(同法 第102条第1項)。
根拠:航空法 第100条
問18|航空の外資
航空法が定める航空機の登録の要件について、正しいものはどれか。
- 外国人が一株でも株式を持っている法人が所有する航空機は、その用途を問わずいっさい登録することができない
- 外国人などが議決権の過半数を占める法人であっても、その所有する航空機は自由に登録することができる
- 外国人などが役員の三分の一以上または議決権の三分の一以上を占める法人の航空機は登録できない
- 航空機の登録に外国資本に関する制限は設けられていない
正解と解説
正解:C. 外国人などが役員の三分の一以上または議決権の三分の一以上を占める法人の航空機は登録できない航空法 第4条第1項第4号は、外国人などが役員の三分の一以上または議決権の三分の一以上を占める法人が所有する航空機を登録できないと定める。許認可が参入障壁になっている典型例である。
根拠:航空法 第4条
問19|定期と不定期
海運の定期船と不定期船の違いの説明として適切なものはどれか。
- 定期船は決まった航路と日程で運航し、不定期船は貨物のある場所へ都度向かう
- 定期船は国内の港の間だけを走り、不定期船は海外の港との間だけを行き来して運航する
- 定期船は貨物をいっさい運ばず、旅客だけを決まった航路と日程にしたがって運んでいる
- 不定期船は法律上の手続をいっさい経ることなく、どの航路でも自由に運航することができる
正解と解説
正解:A. 定期船は決まった航路と日程で運航し、不定期船は貨物のある場所へ都度向かう定期船の代表がコンテナ船で、多数の荷主の貨物を決まった航路と日程で運ぶ。不定期船は鉄鉱石・石炭・穀物などのばら積み貨物や、原油・液化天然ガスを運ぶ専用船が中心になる。国内と海外の別ではない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く知られた業界の構造にもとづく問題です
問20|ONEの設立
日本郵船株式会社が公式サイトで説明している Ocean Network Express Pte. Ltd.(ONE)について、正しいものはどれか。
- 日本郵船が単独で出資して設立した子会社で、定期コンテナ船事業を引き継いだ会社である
- 日本郵船、川崎汽船、商船三井の3社が定期コンテナ船事業を統合して合弁で設立した
- 鉄鉱石や石炭を運ぶ不定期専用船の運航のために、日本郵船が他社と共同で設立した会社である
- 国が出資して設立した特殊法人であり、定期コンテナ船の運航を行うことを目的としている
正解と解説
正解:B. 日本郵船、川崎汽船、商船三井の3社が定期コンテナ船事業を統合して合弁で設立した同社の定期船事業のページには、日本郵船、川崎汽船、商船三井の3社が2017年に定期コンテナ船事業の統合に踏み切り、シンガポールに ONE を合弁で設立して2018年4月にサービスを開始した、と記されている。
根拠:日本郵船株式会社 公式サイト 定期船事業(2026年8月確認)
問21|建設業許可
建設業の許可について、建設業法の定めとして正しいものはどれか。
- 営業所の所在地や数にかかわらず、すべての建設業者は国土交通大臣から一つの許可を受けなければならない
- 二つ以上の都道府県に営業所を設ける場合は国土交通大臣、一つの都道府県だけなら知事の許可を受ける
- 許可は一度受ければ更新の必要がない
- 営業所の数にかかわらず、それぞれの営業所の所在地を管轄する市町村長から許可を受けなければならない
正解と解説
正解:B. 二つ以上の都道府県に営業所を設ける場合は国土交通大臣、一つの都道府県だけなら知事の許可を受ける建設業法 第3条第1項の定め。許可は五年ごとに更新を受けなければ効力を失う(同条第3項)。政令で定める軽微な建設工事のみを請け負う者は許可を要しない。
根拠:建設業法 第3条
問22|特定建設業
特定建設業の許可が必要になる場合として、建設業法の定めに合うものはどれか。
- 発注者から直接請け負う一件の工事について、常時使用する従業員の数が政令で定める人数を超えることとなるとき
- 発注者から直接請け負う一件の工事について、自社の資本金の額が政令で定める金額以上であることとなったとき
- 発注者から直接請け負う一件の工事について、政令で定める金額以上の下請契約を結んで施工しようとするとき
- 海外の工事を請け負おうとするとき
正解と解説
正解:C. 発注者から直接請け負う一件の工事について、政令で定める金額以上の下請契約を結んで施工しようとするとき建設業法 第3条第1項第2号の定め。元請として大きな下請契約を結ぶ立場になるかどうかで、一般建設業の許可か特定建設業の許可かが分かれる。従業員数や資本金で分かれるのではない。
根拠:建設業法 第3条
問23|元請下請
建設業法が定める用語の説明として正しいものはどれか。
- 元請負人とは、下請契約における注文者で建設業者であるものをいう
- 元請負人とは、工事を実際に施工する職人のことをいう
- 発注者とは、他から請け負った工事をさらに他人に注文する者のことをいう
- 下請負人とは、工事の設計を行う建築士のことをいう
正解と解説
正解:A. 元請負人とは、下請契約における注文者で建設業者であるものをいう建設業法 第2条第5項は、発注者を他から請け負ったものでない建設工事の注文者、元請負人を下請契約における注文者で建設業者であるもの、下請負人を下請契約における請負人と定義している。
根拠:建設業法 第2条
問24|一括下請
建設業法 第22条が定めている内容はどれか。
- 下請負人は元請負人より低い価格で請け負わなければならない
- 建設業者は請け負った建設工事を一括して他人に請け負わせてはならない
- 元請負人は下請負人を三社以上選ばなければならない
- 下請契約は口頭で結ばなければならない
正解と解説
正解:B. 建設業者は請け負った建設工事を一括して他人に請け負わせてはならない一括下請負の禁止の定め。いわゆる丸投げを禁じている。重要な建設工事以外について、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得たときは適用されない(同条第3項)。
根拠:建設業法 第22条
問25|監理技術者
建設業法における監理技術者の説明として正しいものはどれか。
- 工事の規模や請負代金の額の大小にかかわらず、すべての建設工事の現場に必ず一人ずつ置かなければならない
- 発注者から直接請け負った特定建設業者が、政令で定める金額以上の下請契約を結ぶ場合に工事現場に置く
- 工事に用いる設計図書を作成するために、建設業者ではなく設計を担当する事務所の側に置かなければならない
- 建設業の許可を申請するために必要となる技術者であり、工事の現場ではなく本社のほうに置かなければならない
正解と解説
正解:B. 発注者から直接請け負った特定建設業者が、政令で定める金額以上の下請契約を結ぶ場合に工事現場に置く建設業法 第26条第2項の定め。工事を施工するときに置くのが主任技術者(同条第1項)で、大きな下請契約を伴う元請の現場ではそれに代えて監理技術者を置く。
根拠:建設業法 第26条
問26|ゼネコン
ゼネコンとサブコンの関係の説明として適切なものはどれか。
- ゼネコンもサブコンも建設業法に定義が置かれた法律上の用語で、許可の区分もそれぞれ別に定められている
- ゼネコンが専門工事だけを受け持ち、サブコンが発注者から工事一式を直接請け負って現場全体をまとめることが多い
- ゼネコンは工事一式を発注者から直接請け負って現場をまとめ、サブコンは専門工事を受け持つことが多い
- サブコンは建設業の許可を受けることができない
正解と解説
正解:C. ゼネコンは工事一式を発注者から直接請け負って現場をまとめ、サブコンは専門工事を受け持つことが多いゼネコンは総合建設会社、サブコンは鉄骨・電気設備・空調・内装などの専門工事会社を指す通称で、法律上の用語ではない。多くの場合ゼネコンが元請負人、サブコンが下請負人の立場に立つ。設計を設計事務所に頼む場合と、ゼネコンが設計から施工まで一括で請け負う場合の両方がある。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く知られた業界の構造にもとづく問題です
問27|宅建業免許
宅地建物取引業を営もうとする者の手続について、宅地建物取引業法の定めとして正しいものはどれか。
- 事務所の所在地や数にかかわらず、すべて国土交通大臣に届け出れば足り、あらためて免許を受ける必要はない
- 二つ以上の都道府県に事務所を置く場合は国土交通大臣、一つの都道府県だけなら知事の免許を受ける
- 事務所の数にかかわらず、それぞれの事務所の所在地を管轄する市町村長の登録を受けなければならない
- 免許を受ければ有効期間の定めはない
正解と解説
正解:B. 二つ以上の都道府県に事務所を置く場合は国土交通大臣、一つの都道府県だけなら知事の免許を受ける宅地建物取引業法 第3条第1項の定め。免許の有効期間は五年で、引き続き営むには更新を受ける(同条第2項・第3項)。事務所等ごとに国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置く義務もある(同法 第31条の3第1項)。
根拠:宅地建物取引業法 第3条
問28|大林組
株式会社大林組が公式サイトで挙げている事業展開の分野に当てはまらないものはどれか。
- 海外における建設事業
- エンジニアリング事業
- グリーンエネルギー事業
- 定期航空運送事業
正解と解説
正解:D. 定期航空運送事業同社の事業のページは、国内建設事業を中核として、海外建設事業・エンジニアリング事業・開発事業・グリーンエネルギー事業・新領域ビジネスを展開すると説明している。建設会社が開発事業を持つ点は業界研究の要点になる。
根拠:株式会社大林組 公式サイト 事業(2026年8月確認)
問29|日揮の区分
日揮ホールディングス株式会社が公式サイトで事業セグメントの中心として挙げている二つはどれか。
- 総合エンジニアリング事業と機能材製造事業
- 国内建設事業と不動産開発事業
- 定期船事業とドライバルク事業
- 小売電気事業と一般送配電事業
正解と解説
正解:A. 総合エンジニアリング事業と機能材製造事業同社の事業紹介のページは、総合エンジニアリング事業と機能材製造事業の二つを事業セグメントの中心に挙げている。プラント建設は設計・調達・建設をまとめて請け負うEPCという形で行われる。
根拠:日揮ホールディングス株式会社 公式サイト 事業紹介(2026年8月確認)
問30|投資法人
投資信託及び投資法人に関する法律が定める投資法人について、正しいものはどれか。
- 自ら多数の従業員を雇用し、本店以外にも営業所を設けたうえで、不動産の運用を行うことができる
- 資産の運用のほかに小売業を営むことができ、本店以外の営業所を設けて使用人を雇用することも認められている
- 設立には国土交通大臣の許可を受けることが必要であって、資産の運用は自ら行わなければならない
- 本店以外の営業所を設けることも使用人を雇用することもできず、運用は資産運用会社に委託する
正解と解説
正解:D. 本店以外の営業所を設けることも使用人を雇用することもできず、運用は資産運用会社に委託する同法 第63条は、投資法人が資産の運用以外の行為を営業としてできず、本店以外の営業所を設けることも使用人を雇用することもできないと定める。登録投資法人は資産運用会社に運用業務を委託しなければならない(同法 第198条第1項)。
根拠:投資信託及び投資法人に関する法律 第63条・第198条
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