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企業研究 COMPANY RESEARCH

中小企業と地域の会社

講義 3 本・確認問題 30 問 | 本試験では「中小企業」(0問)の一部 | 最終更新 2026-09-24

この章で学ぶこと
目次
  1. 中小企業とは何か - 法律が引いた線
  2. 地域の会社を探す - どこに情報があるか
  3. 承継・取引・支援 - 中小企業を受けるときに見るところ
  4. 確認問題(30問)
  5. 演習ツール

1. 中小企業とは何か - 法律が引いた線

「中小企業」は雰囲気の言葉ではなく、中小企業基本法 第2条に数字で定義があります。業種ごとに線が違うので、まず条文の形で覚えます。

中小企業基本法 第2条第1項は、国の施策の対象とする中小企業者をおおむね四つの号に分けています。第1号は「資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種に属する事業を主たる事業として営むもの」。第2号は卸売業で、資本金一億円以下または従業員百人以下。第3号はサービス業で、資本金五千万円以下または従業員百人以下。第4号は小売業で、資本金五千万円以下または従業員五十人以下です。製造業だけでなく建設業も運輸業も第1号に入る点、卸売業と小売業で線がまるで違う点が、まちがえやすいところです。

大事なのは、資本金の基準と従業員の基準のどちらか一方を満たせば中小企業者にあたるという読み方です。中小企業庁も「資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下」と説明しています。資本金が十億円でも従業員が二百人の製造業なら中小企業者、資本金が一千万円でも従業員が五百人の製造業なら中小企業者です。両方を満たす必要はありません。就職活動の場でこの読み違いをすると、支援制度の対象かどうかの話が全部ずれてしまいます。

同じ条文の第5項に、もう一段小さい区分があります。「小規模企業者」とは、おおむね常時使用する従業員の数が二十人、商業またはサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については五人以下の事業者をいいます(中小企業基本法 第2条第5項)。ここには資本金の基準がなく、従業員の数だけで決まります。国の施策では、中小企業向けのものと小規模企業向けのものが分かれていることが多いので、志望先がどちらに入るかで受けられる支援も変わります。

数のうえでは、中小企業は日本の企業のほとんどを占めます。中小企業庁の企業数集計(2021年6月時点)では、中小企業は336.5万者で企業全体の99.7パーセントを占めます(中小企業庁「中小企業白書」)。就職活動で名前を知っている会社は大企業に偏りますが、それは全体の0.3パーセント程度の側を見ているということです。なお中小企業基本法は、経営の革新を「新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入…その他の新たな事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること」と定義し(同法 第2条第2項)、経営資源を「設備、技術、個人の有する知識及び技能その他の事業活動に活用される資源」と定義しています(同条第4項)。支援制度の説明文に頻繁に出る言葉なので、意味を条文で押さえておくと読み違えません。

中小企業基本法 第2条が定める中小企業者と小規模企業者の線
業種資本金の額又は出資の総額常時使用する従業員の数小規模企業者の従業員数
製造業、建設業、運輸業その他3億円以下300人以下20人以下
卸売業1億円以下100人以下5人以下
サービス業5千万円以下100人以下5人以下
小売業5千万円以下50人以下5人以下
読み方この額か従業員数のどちらか一方を満たせばよい同左資本金の基準はない
志望先が中小企業者に当たるかを確かめる手順1. 会社の公式サイトの「会社概要」で資本金と従業員数を見る2. 主たる事業が製造業・卸売業・小売業・サービス業のどれかを決める3. 中小企業基本法 第2条第1項の該当する号の基準と比べる4. 資本金か従業員数のどちらか一方が基準内なら中小企業者にあたる5. 応募したい支援制度がある場合は、その制度の要領で定義を再確認する

用語

中小企業者
中小企業基本法 第2条第1項が定める、国の施策の対象となる事業者。業種ごとに資本金の額または出資の総額と、常時使用する従業員の数で線が引かれる。
小規模企業者
おおむね常時使用する従業員の数が二十人、商業またはサービス業では五人以下の事業者(中小企業基本法 第2条第5項)。資本金の基準はない。
常時使用する従業員
中小企業基本法の基準で使われる従業員の数え方。役員や日雇いの扱いなど細かい点は各制度の要領で定められている。
資本金の額又は出資の総額
会社の元手として登記されている金額。中小企業基本法では、この額と従業員数のどちらか一方が基準内であれば中小企業者にあたる。
経営の革新
新商品の開発や新しい生産・販売方式の導入などの新たな事業活動により、経営の相当程度の向上を図ること(中小企業基本法 第2条第2項)。
経営資源
設備、技術、個人の有する知識及び技能その他の事業活動に活用される資源(中小企業基本法 第2条第4項)。
中小企業白書
中小企業庁が毎年出す報告書。企業数や業況、事業承継などの実態がまとまっており、中小企業を調べる出発点になる。
みなし大企業
形のうえでは中小企業者の基準に当てはまっても、大企業の出資比率などによって支援制度の対象から外れる扱い。制度ごとに要件が定められている。

例題

例題:資本金5億円、従業員150人の製造業は中小企業者ですか。
答えと考え方 中小企業者にあたります。中小企業基本法 第2条第1項第1号は資本金3億円以下または従業員300人以下としており、従業員の基準を満たしているためです。
例題:従業員18人の卸売業は小規模企業者ですか。
答えと考え方 小規模企業者にはあたりません。同条第5項の五人以下という基準は商業またはサービス業に適用され、卸売業は商業に含まれます。中小企業者ではありますが小規模企業者ではありません。
例題:建設会社は「製造業その他」と「サービス業」のどちらの基準ですか。
答えと考え方 第1号の「製造業、建設業、運輸業その他の業種」です。資本金3億円以下または従業員300人以下が基準になります。

出典・根拠:中小企業基本法 第2条、中小企業庁「中小企業白書」

2. 地域の会社を探す - どこに情報があるか

名前を聞いたことのない会社ほど、調べる手がかりが決まっています。公的な団体、法律で公開が決まっている書類、地域の産業のかたまり。この三つをたどります。

消費者に商品を売らない会社は、どれだけ大きくても名前が知られません。部品、素材、生産設備、業務用機器、加工の受託。買い手が企業なので、広告を出す理由がないからです。だから「知らない会社は小さい会社」という思い込みをまず外してください。特定の部品で世界の需要の多くを引き受けているのに、社員数が二百人という会社はいくらでもあります。探し方は逆からです。自分が知っている完成品を思い浮かべ、それが何でできているかを分解し、その部分をつくっている会社を探す。あるいは大企業の有価証券報告書や統合報告書に出てくる仕入先・協力会社の名前を拾う。この二つが基本になります。

地域には、会社を束ねる公的な団体があります。商工会議所と商工会です。二つは根拠となる法律が違い、受け持つ地域も違います。商工会議所の地区は市の区域とされ(商工会議所法 第8条第1項)、商工会の地区は一の町村の区域とされています(商工会法 第7条第1項)。そして両者の地区は重複してはならないと定められています(商工会議所法 第8条第4項、商工会法 第7条第3項)。つまり、ある町の会社を調べたいなら、その地域を受け持つのが商工会議所か商工会かが自動的に決まります。商工会議所の事業には、調査研究や情報の刊行のほか、輸出品の原産地証明を行うことも含まれています(商工会議所法 第9条第6号)。会員名簿や地域の産業紹介の冊子は、無名の会社にたどり着く早道です。

上場していない会社にも、公開されている情報があります。株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告しなければなりません(会社法 第440条第1項)。これが決算公告で、官報や新聞、自社のウェブサイトなどで見られます。もう一つが登記です。商業登記法 第10条第1項は「何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができる」と定めています。誰でも取れる書面なので、設立の年、資本金、役員、本店の移転歴などを確かめられます。有価証券報告書がないから何も分からない、ということはありません。

もう一つの手がかりが産業集積です。同じ種類の会社が特定の地域にかたまって立地している状態のことで、そこには材料屋も加工屋も検査屋も揃い、人も技術も行き来します。集積の場所は歴史で決まっていることが多く、その地域の自治体や公設試験研究機関、地域金融機関が情報を持っています。地方銀行や信用金庫は地域の会社と長く取引していて、取引先を紹介する催しや冊子を出していることがあります。自治体のウェブサイトにも、地元企業を紹介するページや合同説明会の案内が置かれています。無名の会社を探すときは、会社名から入るのではなく、地域と産業から入るのが早いのです。

無名の会社を調べるときの入口と、そこで分かること
入口根拠や出どころ分かること
商工会議所商工会議所法 第8条第1項。地区は市の区域地域の会員企業、産業の紹介冊子、催し
商工会商工会法 第7条第1項。地区は一の町村の区域町村部の会員企業、経営相談の窓口
決算公告会社法 第440条第1項非上場会社の貸借対照表
登記事項証明書商業登記法 第10条第1項設立年、資本金、役員、本店の移転歴
取引先の開示資料取引先企業の有価証券報告書や統合報告書サプライチェーンのなかでの位置
地域金融機関・自治体取引先紹介の催し、地元企業紹介のページ地域に根ざした会社の名前
地域の無名の会社にたどり着く手順1. 興味のある完成品を一つ決め、部品や工程に分解する2. その工程を担う会社の呼び方を調べ、業種の名前にする3. 志望する地域を決め、その地域が商工会議所と商工会のどちらの地区かを見る4. その団体のウェブサイトで会員名簿や産業紹介の冊子を探す5. 気になった会社の登記事項証明書と決算公告を確認する6. 取引先とみられる大企業の有価証券報告書で、その会社の名前が出るか探す

用語

BtoB
企業が企業に売る取引の形。消費者向けの広告を出す理由がないため、規模が大きくても一般に知られていないことが多い。
商工会議所
商工会議所法にもとづく法人。地区は原則として市の区域(同法 第8条第1項)。調査研究、情報の刊行、輸出品の原産地証明などを行う(同法 第9条)。
商工会
商工会法にもとづく法人。地区は原則として一の町村の区域(同法 第7条第1項)。相談・指導、情報の収集提供などを行う(同法 第11条)。
特定商工業者
商工会議所の地区内で六月以上引き続き営業所等を有する商工業者のうち、従業員二十人(商業またはサービス業では五人)以上、または資本金額等が三百万円以上の者(商工会議所法 第7条第2項)。
決算公告
株式会社が定時株主総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告しなければならないという義務(会社法 第440条第1項)。非上場会社の財務を知る手がかりになる。
登記事項証明書
登記簿に記録されている事項を証明した書面。何人も手数料を納めて交付を請求できる(商業登記法 第10条第1項)。
産業集積
同じ分野の会社が特定の地域にかたまって立地している状態。材料・加工・検査などの分業が地域内で成り立っている。
公設試験研究機関
都道府県などが設ける試験研究の機関。地域の中小企業の技術相談や試験を受け持ち、地元企業の一覧を持っていることが多い。

例題

例題:町にある会社を調べたいとき、商工会議所と商工会のどちらを見ますか。
答えと考え方 原則として商工会です。商工会の地区は一の町村の区域(商工会法 第7条第1項)、商工会議所の地区は市の区域(商工会議所法 第8条第1項)とされ、両者の地区は重複しません。
例題:上場していない会社の財務はどこで見られますか。
答えと考え方 決算公告です。株式会社は定時株主総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告しなければならず(会社法 第440条第1項)、官報や自社のウェブサイトなどで確認できます。
例題:会社の設立年や役員を確かめたいときは何を取りますか。
答えと考え方 登記事項証明書です。商業登記法 第10条第1項により、何人も手数料を納めて交付を請求できます。

出典・根拠:商工会議所法 第7条・第8条・第9条、商工会法 第7条・第11条、会社法 第440条、商業登記法 第10条

3. 承継・取引・支援 - 中小企業を受けるときに見るところ

中小企業の将来を左右するのは、誰が継ぐか、どんな条件で取引しているか、どんな制度を使えるかです。2026年に名前が変わった法律もあるので、現行名で押さえます。

中小企業でいちばん大きな経営課題が事業承継です。中小企業庁は事業承継を、親族内承継、従業員承継、第三者承継すなわちM&Aの三つに整理しています。後継者が見つからないまま経営者が高齢になると、事業そのものが続けられなくなります。そこで国は、全国47都道府県に事業承継・引継ぎ支援センターを置き、事業承継全般に関する相談対応や事業承継計画の策定、M&Aのマッチング支援を原則無料で実施しています(中小企業庁「事業承継の支援策」)。税の面では事業承継税制があり、非上場の株式等の承継に伴う贈与税・相続税の負担を軽くする特例が設けられています。志望先の社長の年齢と後継者の有無は、その会社の十年後を占う情報です。

取引の条件を守るための法律は、2026年1月1日に名前が変わりました。下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法が、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に改められ、略称は中小受託取引適正化法、通称は取適法とされています(公正取引委員会)。呼び方も変わり、これまでの親事業者は委託事業者、下請事業者は中小受託事業者、下請代金は製造委託等代金になりました(同法 第2条第8項・第9項・第11項)。就職活動の面接でうっかり古い名前を使うと、勉強していないと受け取られかねません。

中身も押さえておきます。製造委託等代金の支払期日は、委託事業者が給付を受領した日から起算して六十日の期間内で、かつできる限り短い期間内に定めなければなりません(同法 第3条第1項)。委託事業者の禁止事項は第5条に並び、受領の拒否、支払期日を過ぎての不払い、代金の減額、返品、買いたたき、購入の強制、報復措置などが挙げられています。特徴的なのが二つあります。一つは、代金を手形などで支払うことが支払期日を過ぎての不払いに含まれると明記されたこと(同法 第5条第1項第2号)。もう一つは、費用の変動などが生じたときに中小受託事業者が協議を求めたのに応じず、一方的に代金の額を決定することが禁じられたこと(同法 第5条第2項第4号)です。なお建設業を営む者が建設工事を他の建設業を営む者に請け負わせることは、役務提供委託から除かれています(同法 第2条第4項)。建設の下請は建設業法の側で規律されている、という住み分けです。

支援制度の考え方も押さえます。中小企業向けの補助金は、まず国が公募を出し、事業計画を出させ、審査のうえ採択するという形をとります(中小企業庁「補助金の公募・採択」)。申請すれば必ずもらえるものではなく、通れば設備投資や新事業の費用の一部が支えられます。設備投資と生産性向上を支えてきたものづくり補助金と、新しい分野への進出を支える枠組みは、2026年時点では新事業進出・ものづくり商業サービス補助金という形で公募されています(同)。制度の名前は年度で変わるので、覚えるべきは名前ではなく型のほうです。公募がある、計画を書く、審査がある、採択される、実施する、報告する。この流れが分かっていれば、名前が変わっても読めます。最後に、中小企業を受けるときに見るところを三つにまとめます。取引先の構成、つまり売上が特定の一社に偏っていないか。技術、つまり他社が同じことをできるのか。地域での位置、つまりその地域の産業集積のなかでどの工程を担っているか。この三つを自分の言葉で説明できれば、志望動機は書けます。

2026年1月1日からの呼び方の対応と、主な義務
改称前の呼び方現在の呼び方関係する定め
下請法中小受託取引適正化法(通称 取適法)2026年1月1日施行
親事業者委託事業者同法 第2条第8項
下請事業者中小受託事業者同法 第2条第9項
下請代金製造委託等代金同法 第2条第11項
支払期日受領日から起算して六十日以内同法 第3条第1項
手形での支払支払期日を過ぎての不払いに含まれる同法 第5条第1項第2号
協議に応じない代金決定禁止される同法 第5条第2項第4号
中小企業を受けるときに調べる手順1. 公式サイトの「取引先」「主要納入先」のページで、売上の相手を確かめる2. 特定の一社に偏っていないか、業種が分散しているかを見る3. 特許情報プラットフォームで、その会社名の特許出願を検索する4. 地域の商工会議所または商工会の産業紹介で、同業他社と並べてみる5. 決算公告と登記事項証明書で、資本金と役員の構成を確かめる6. 経営者の年齢と後継者について、公開されている記事や取材を探す

用語

事業承継
経営を後継者に引き継ぐこと。中小企業庁は親族内承継、従業員承継、第三者承継(M&A)の三つに整理している。
事業承継・引継ぎ支援センター
全国47都道府県に置かれた公的な相談窓口。事業承継全般の相談、事業承継計画の策定、M&Aのマッチング支援を原則無料で行う。
中小受託取引適正化法
下請代金支払遅延等防止法が2026年1月1日に改められた法律の略称。正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」。通称は取適法。
委託事業者
中小受託取引適正化法 第2条第8項が定める、資本金の額や従業員数の基準に当たり中小受託事業者に製造委託等をする者。改称前の親事業者にあたる。
中小受託事業者
同法 第2条第9項が定める、委託事業者から製造委託等を受ける者。改称前の下請事業者にあたる。
製造委託等代金
委託事業者が製造委託等をした場合に、中小受託事業者の給付に対し支払うべき代金(同法 第2条第11項)。支払期日は受領日から六十日以内(同法 第3条第1項)。
特定運送委託
販売・製造・修理・作成の目的物の、取引の相手方に対する運送を他の事業者に委託すること(同法 第2条第5項)。改称にあわせて対象に加わった類型。
補助金の採択
公募に応じて出された事業計画を審査し、支援の対象を選ぶこと。申請すれば必ず交付されるものではない。

例題

例題:面接で「下請法」と言ってしまいそうです。今の呼び方は何ですか。
答えと考え方 中小受託取引適正化法、通称は取適法です。2026年1月1日に下請代金支払遅延等防止法から改称されました。親事業者は委託事業者、下請事業者は中小受託事業者と呼びます。
例題:取引先の構成を見るのはなぜですか。
答えと考え方 売上が特定の一社に偏っていると、その一社の事情で会社全体が揺れるためです。取引先が分散しているか、業種がまたがっているかは、その会社の安定を読む材料になります。
例題:補助金の名前を全部覚える必要はありますか。
答えと考え方 ありません。制度名は年度で変わります。公募があり、計画を書き、審査を経て採択されるという型を押さえておけば、名前が変わっても内容を読み解けます。

出典・根拠:中小受託取引適正化法 第2条・第3条・第5条、公正取引委員会「2026年1月施行 下請法は取適法へ」、中小企業庁「事業承継の支援策」、中小企業庁「補助金の公募・採択」

確認問題(30問)

四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。

問1|製造業の基準

中小企業基本法 第2条第1項が定める、製造業・建設業・運輸業その他の業種における中小企業者の基準はどれか。

  1. 資本金の額又は出資の総額が1億円以下、又は常時使用する従業員の数が100人以下
  2. 資本金の額又は出資の総額が3億円以下、又は常時使用する従業員の数が300人以下
  3. 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下、又は常時使用する従業員の数が50人以下
  4. 資本金の額又は出資の総額が10億円以下、又は常時使用する従業員の数が1000人以下
正解と解説
正解:B. 資本金の額又は出資の総額が3億円以下、又は常時使用する従業員の数が300人以下

同項第1号は「資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種に属する事業を主たる事業として営むもの」と定める。

根拠:中小企業基本法 第2条

問2|卸売業の基準

中小企業基本法における卸売業の中小企業者の基準として正しいものはどれか。

  1. 資本金5千万円以下、又は従業員50人以下
  2. 資本金3億円以下、又は従業員300人以下
  3. 資本金5千万円以下、又は従業員100人以下
  4. 資本金1億円以下、又は従業員100人以下
正解と解説
正解:D. 資本金1億円以下、又は従業員100人以下

同法 第2条第1項第2号は、卸売業について資本金の額又は出資の総額が一億円以下、常時使用する従業員の数が百人以下と定める。小売業は五千万円以下または五十人以下で、線が違う。

根拠:中小企業基本法 第2条

問3|小売業の基準

中小企業基本法における小売業の中小企業者の従業員数の基準はどれか。

  1. 300人以下
  2. 100人以下
  3. 50人以下
  4. 20人以下
正解と解説
正解:C. 50人以下

同法 第2条第1項第4号は、小売業について資本金の額又は出資の総額が五千万円以下、常時使用する従業員の数が五十人以下と定める。四つの区分のなかでもっとも小さい人数の線になっている。

根拠:中小企業基本法 第2条

問4|サービス業

中小企業基本法におけるサービス業の中小企業者の基準として正しいものはどれか。

  1. 資本金5千万円以下、又は従業員100人以下
  2. 資本金5千万円以下、又は従業員50人以下
  3. 資本金1億円以下、又は従業員100人以下
  4. 資本金3億円以下、又は従業員100人以下
正解と解説
正解:A. 資本金5千万円以下、又は従業員100人以下

同法 第2条第1項第3号の定め。資本金の線は小売業と同じ五千万円だが、従業員の線は百人で小売業の五十人より大きい。似ているので取り違えやすい。

根拠:中小企業基本法 第2条

問5|基準の読み方

資本金5億円、常時使用する従業員150人の製造業の会社について、中小企業基本法上の扱いとして正しいものはどれか。

  1. 資本金が3億円を超えるので中小企業者にあたらない
  2. 資本金と従業員数の両方が基準内でなければならないので中小企業者にあたらない
  3. 従業員数が300人以下なので中小企業者にあたる
  4. 製造業には従業員数の基準がないため判断できない
正解と解説
正解:C. 従業員数が300人以下なので中小企業者にあたる

中小企業庁も「資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下」と説明しており、どちらか一方を満たせば中小企業者にあたる。両方を満たす必要はない。

根拠:中小企業基本法 第2条

問6|小規模企業者

中小企業基本法 第2条第5項が定める小規模企業者の従業員数の基準はどれか。

  1. おおむね50人以下、商業又はサービス業は20人以下
  2. おおむね100人以下、商業又はサービス業は50人以下
  3. おおむね30人以下、商業又はサービス業は10人以下
  4. おおむね20人以下、商業又はサービス業は5人以下
正解と解説
正解:D. おおむね20人以下、商業又はサービス業は5人以下

同項は「おおむね常時使用する従業員の数が二十人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、五人)以下の事業者」と定める。ここには資本金の基準がない。

根拠:中小企業基本法 第2条

問7|業種の区分

中小企業基本法 第2条第1項の業種の区分について正しいものはどれか。

  1. 建設業と運輸業は「製造業、建設業、運輸業その他の業種」として第1号に含まれる
  2. 建設業は卸売業と同じ区分に含まれ、資本金1億円以下または従業員100人以下が基準になる
  3. 運輸業はサービス業の区分に含まれ、資本金5千万円以下または従業員100人以下が基準になる
  4. 建設業と運輸業には中小企業者の定めがない
正解と解説
正解:A. 建設業と運輸業は「製造業、建設業、運輸業その他の業種」として第1号に含まれる

同項第1号は「製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く。)」と書かれており、卸売業・サービス業・小売業以外はここに入る。建設業も運輸業も資本金3億円以下または従業員300人以下が基準になる。

根拠:中小企業基本法 第2条

問8|中小の割合

中小企業白書が記している、日本の企業全体に占める中小企業の割合はどれか。

  1. およそ50パーセント
  2. およそ70パーセント
  3. およそ99.7パーセント
  4. およそ90パーセント
正解と解説
正解:C. およそ99.7パーセント

中小企業庁の企業数集計(2021年6月時点)では中小企業は336.5万者で、企業全体の99.7パーセントにあたる。この割合は長く大きくは動いていないが、最新の数字は中小企業庁の集計で確かめること。

根拠:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)」

問9|経営の革新

中小企業基本法にいう「経営の革新」の説明として正しいものはどれか。

  1. 会社の代表者を親族以外の者に交代させたうえで、新たな代表者のもとで経営の相当程度の向上を図ること
  2. 新商品の開発や新たな販売方式の導入などの新たな事業活動により、経営の相当程度の向上を図ること
  3. 資本金を増やして中小企業者の範囲から外れること
  4. 他の会社と合併して規模を拡大すること
正解と解説
正解:B. 新商品の開発や新たな販売方式の導入などの新たな事業活動により、経営の相当程度の向上を図ること

同法 第2条第2項の定義。新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入などが挙げられている。支援制度の説明文に頻出する言葉である。

根拠:中小企業基本法 第2条

問10|経営資源

中小企業基本法にいう「経営資源」に含まれるものとして、条文に挙げられているものはどれか。

  1. 補助金の交付決定通知書とその添付の書類
  2. 株主の氏名と住所を記載している株主名簿
  3. 法務局が交付する会社の登記事項証明書の写し
  4. 設備、技術、個人の有する知識及び技能
正解と解説
正解:D. 設備、技術、個人の有する知識及び技能

同法 第2条第4項は、経営資源を「設備、技術、個人の有する知識及び技能その他の事業活動に活用される資源」と定義している。書類そのものは経営資源ではない。

根拠:中小企業基本法 第2条

問11|BtoBの会社

高いシェアを持ちながら一般には名前が知られていない会社が多い理由として、適切なものはどれか。

  1. 法律で社名の公表が禁じられているため
  2. 買い手が企業であり、消費者向けの広告を出す理由が乏しいため
  3. 上場することが法律で禁じられているため
  4. 従業員数が少ない会社は商号を登記できないため
正解と解説
正解:B. 買い手が企業であり、消費者向けの広告を出す理由が乏しいため

部品・素材・生産設備・業務用機器などを企業に売る会社は、消費者に向けて広告を出す必要がない。名前を知らないことと事業の規模やシェアは別の話である。

根拠:※ 公的な定めはありません。広く知られた業界の構造にもとづく問題です

問12|会議所の地区

商工会議所法が定める商工会議所の地区について、原則として正しいものはどれか。

  1. 一の町村の区域とする
  2. 都道府県の区域とする
  3. 市の区域とする
  4. 全国を一つの地区とする
正解と解説
正解:C. 市の区域とする

商工会議所法 第8条第1項は「商工会議所の地区は、市の区域とする」と定める。商工業の状況により必要があるときは町の区域などとすることもできるが、原則は市の区域である。

根拠:商工会議所法 第8条

問13|商工会の地区

商工会法が定める商工会の地区について、原則として正しいものはどれか。

  1. 市の区域とする
  2. 一の町村の区域とする
  3. 都道府県の区域とする
  4. 商工会議所の地区と重ねてよい
正解と解説
正解:B. 一の町村の区域とする

商工会法 第7条第1項は「商工会の地区は、一の町村の区域とする」と定める。さらに同条第3項は、商工会の地区が他の商工会の地区または商工会議所の地区と重複してはならないと定めている。

根拠:商工会法 第7条

問14|会議所の事業

商工会議所法 第9条が商工会議所の事業として挙げているものはどれか。

  1. 会員企業の株式を取得して経営を支配すること
  2. 会員企業に代わって法人税を納付すること
  3. 会員企業の従業員を直接雇用して派遣すること
  4. 輸出品の原産地証明を行うこと
正解と解説
正解:D. 輸出品の原産地証明を行うこと

同条第6号に「輸出品の原産地証明を行うこと」が挙げられている。ほかに調査研究、情報や資料の収集・刊行、講演会や講習会の開催などが並ぶ。なお商工会議所は営利を目的としてはならない(同法 第4条第1項)。

根拠:商工会議所法 第9条

問15|特定商工業者

商工会議所法にいう特定商工業者の基準として、条文に定められているものはどれか。

  1. 従業員20人(商業又はサービス業では5人)以上、又は資本金額等が300万円以上であること
  2. 従業員50人(商業又はサービス業では10人)以上、かつ資本金額等が1000万円以上であること
  3. 証券取引所に上場していて、その地区内で六月以上引き続き営業所または事務所を有しているものであること
  4. 設立から10年以上経過していること
正解と解説
正解:A. 従業員20人(商業又はサービス業では5人)以上、又は資本金額等が300万円以上であること

商工会議所法 第7条第2項の定め。地区内で六月以上引き続き営業所等を有する商工業者のうち、この基準に当たる者を特定商工業者という。中小企業基本法の小規模企業者の人数と同じ数字が使われている点が特徴的である。

根拠:商工会議所法 第7条

問16|決算公告

上場していない株式会社の財務を調べる手がかりとして、会社法が定めているものはどれか。

  1. 株式会社は定時株主総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告しなければならない
  2. すべての株式会社に、事業年度ごとの有価証券報告書の提出が義務づけられている
  3. 株式会社は毎月の試算表を作成したうえで、これを官報に公告しなければならない
  4. 株式会社の財務は非公開であり、確認する方法はない
正解と解説
正解:A. 株式会社は定時株主総会の終結後遅滞なく貸借対照表を公告しなければならない

会社法 第440条第1項の定め。いわゆる決算公告で、官報や新聞、自社のウェブサイトなどで行われる。有価証券報告書を提出する会社にはこの規定は適用されない(同条第4項)。

根拠:会社法 第440条

問17|登記の閲覧

会社の登記事項証明書の交付請求について、商業登記法の定めとして正しいものはどれか。

  1. その会社の株主だけが請求できる
  2. その会社の取引先だけが請求できる
  3. 何人も、手数料を納付して請求することができる
  4. 裁判所の許可を得た者だけが請求できる
正解と解説
正解:C. 何人も、手数料を納付して請求することができる

商業登記法 第10条第1項は「何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができる」と定める。設立年、資本金、役員、本店の移転歴などを確かめられる。

根拠:商業登記法 第10条

問18|産業集積

産業集積の説明として適切なものはどれか。

  1. 同じ分野の会社が特定の地域にかたまって立地し、材料や加工などの分業が地域内で成り立っている状態
  2. 一つの大企業が全国の各地に工場を分散して置き、それぞれの地域で同じ製品を作り分けて出荷している状態
  3. 複数の会社が合併して一社になった状態
  4. 会社が本社機能を東京に移転した状態
正解と解説
正解:A. 同じ分野の会社が特定の地域にかたまって立地し、材料や加工などの分業が地域内で成り立っている状態

産業集積のある地域では、材料屋も加工屋も検査屋も揃い、人と技術が行き来する。地域と産業から入ると、名前を知らない会社にたどり着きやすくなる。

根拠:※ 公的な定めはありません。広く知られた業界の構造にもとづく問題です

問19|地域の情報源

地域に根ざした会社を探すときの進め方として、適切でないものはどれか。

  1. 地域金融機関が出す取引先紹介の催しや冊子を見る
  2. 自治体のウェブサイトの地元企業紹介のページを見る
  3. 商工会議所や商工会の会員名簿や産業紹介の冊子を見る
  4. 知名度の高さだけを基準にして、名前を知らない会社は候補から外す
正解と解説
正解:D. 知名度の高さだけを基準にして、名前を知らない会社は候補から外す

知名度は消費者向けの広告を出しているかどうかで決まりやすく、事業の規模や技術力とは別である。地域金融機関、自治体、商工会議所や商工会は、名前の知られていない会社にたどり着くための入口になる。

根拠:※ 公的な定めはありません。広く知られた業界の構造にもとづく問題です

問20|承継の類型

中小企業庁が事業承継の類型として整理している三つの組合せはどれか。

  1. 株式の上場、社債の発行、第三者割当増資
  2. 親族内承継、従業員承継、第三者承継
  3. 合併、会社分割、株式交換および株式移転
  4. 自主的な廃業、一時的な休業、会社の清算
正解と解説
正解:B. 親族内承継、従業員承継、第三者承継

中小企業庁の事業承継の支援策では、親族内承継、従業員承継、第三者承継すなわちM&Aの三つに整理して施策が示されている。後継者が親族に限られないことが要点である。

根拠:中小企業庁「事業承継の支援策」

問21|承継センター

事業承継・引継ぎ支援センターについて、中小企業庁の説明に合うものはどれか。

  1. 東京にのみ置かれた窓口で、事業承継全般の相談やM&Aのマッチング支援を有料で行っている
  2. 上場企業だけを対象にした窓口である
  3. 全国47都道府県に置かれ、事業承継全般の相談やM&Aのマッチング支援を原則無料で行う
  4. 金融機関が独自に設けた民間の相談窓口である
正解と解説
正解:C. 全国47都道府県に置かれ、事業承継全般の相談やM&Aのマッチング支援を原則無料で行う

中小企業庁は、全国47都道府県で事業承継全般に関する相談対応や事業承継計画の策定、M&Aのマッチング支援などを原則無料で実施していると説明している。国が設ける公的な窓口である。

根拠:中小企業庁「事業承継の支援策」

問22|事業承継税制

事業承継税制の考え方として、中小企業庁の説明に合うものはどれか。

  1. 非上場の株式等の承継に伴う贈与税・相続税の負担を軽くする特例である
  2. 後継者に給与を支給する会社に補助金を出す制度である
  3. 承継した会社の借入金を国が肩代わりする制度である
  4. 会社を廃業した経営者に年金を上乗せする制度である
正解と解説
正解:A. 非上場の株式等の承継に伴う贈与税・相続税の負担を軽くする特例である

中小企業庁の事業承継の支援策では、非上場の株式等の承継に伴う贈与税・相続税の負担を軽くする特例として説明されている。適用には期限や要件があるため、実際に使う際は最新の案内を確認する。

根拠:中小企業庁「事業承継の支援策」

問23|下請法の改称

下請代金支払遅延等防止法が2026年1月1日から改められた後の略称はどれか。

  1. 中小企業取引適正安定法
  2. 中小受託取引適正化法
  3. 下請取引公正化等推進法
  4. 中小受託事業者代金保護法
正解と解説
正解:B. 中小受託取引適正化法

公正取引委員会は、正式名称を「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」、略称を中小受託取引適正化法、通称を取適法としている。令和8年1月1日から施行された。

根拠:公正取引委員会「2026年1月施行 下請法は取適法へ」

問24|当事者の呼称

中小受託取引適正化法における当事者の呼び方の組合せとして正しいものはどれか。

  1. 発注者と受注者
  2. 元請負人と下請負人
  3. 親事業者と下請事業者
  4. 委託事業者と中小受託事業者
正解と解説
正解:D. 委託事業者と中小受託事業者

同法 第2条第8項が委託事業者、第9項が中小受託事業者を定義している。改称前の親事業者が委託事業者、下請事業者が中小受託事業者にあたる。元請負人と下請負人は建設業法の用語である。

根拠:中小受託取引適正化法 第2条

問25|支払期日

中小受託取引適正化法が定める製造委託等代金の支払期日について、正しいものはどれか。

  1. 給付を受領した日から起算して六十日の期間内で、かつできる限り短い期間内に定めなければならない
  2. 給付を受領した日から起算して百二十日以内の期間内で定めればよく、できる限り短い期間にする必要はない
  3. 検査が終わるまでは支払期日を定めなくてよい
  4. 当事者が合意すれば期間の制限はない
正解と解説
正解:A. 給付を受領した日から起算して六十日の期間内で、かつできる限り短い期間内に定めなければならない

同法 第3条第1項の定め。検査をするかどうかを問わず、受領日から起算して六十日以内かつできる限り短い期間内に定める。期日までに支払わなければ遅延利息の支払義務が生じる(同法 第6条第1項)。

根拠:中小受託取引適正化法 第3条

問26|手形払い

中小受託取引適正化法における代金の支払手段の取扱いとして正しいものはどれか。

  1. 手形で支払えば、支払期日を過ぎても代金を支払わないことにはあたらない
  2. 代金の支払手段については、この法律は特に何も定めておらず当事者の自由である
  3. 現金以外の支払手段はすべて刑事罰の対象となる
  4. 手形を交付することは、支払期日の経過後なお支払わないことに含まれる
正解と解説
正解:D. 手形を交付することは、支払期日の経過後なお支払わないことに含まれる

同法 第5条第1項第2号は、製造委託等代金を支払期日の経過後なお支払わないことを禁じ、その括弧書きで手形を交付することなどを含むと明記している。改称にあわせて明確にされた点である。

根拠:中小受託取引適正化法 第5条

問27|協議の義務

中小受託取引適正化法 第5条第2項第4号が禁じている行為はどれか。

  1. 中小受託事業者に対して、代金の額を決めるために必要となる見積書の提出をあらかじめ求めること
  2. 取引の内容を書面で明示すること
  3. 費用の変動が生じた場合に協議を求められても応じず、一方的に代金の額を決定すること
  4. 納期を書面で定めること
正解と解説
正解:C. 費用の変動が生じた場合に協議を求められても応じず、一方的に代金の額を決定すること

同号は、費用の変動その他の事情が生じた場合に中小受託事業者が代金の額に関する協議を求めたにもかかわらず、協議に応じず、または必要な説明や情報の提供をせず、一方的に代金の額を決定することを禁じている。

根拠:中小受託取引適正化法 第5条

問28|建設の除外

建設業を営む者が建設工事を他の建設業を営む者に請け負わせる場合について、中小受託取引適正化法の扱いとして正しいものはどれか。

  1. 役務提供委託から除かれており、この法律の対象にならない
  2. 建設工事の全部または一部を請け負わせるものとして、製造委託として扱われる
  3. 特定運送委託として扱われる
  4. 建設工事の設計図面の作成を伴うものとして、情報成果物作成委託として扱われる
正解と解説
正解:A. 役務提供委託から除かれており、この法律の対象にならない

同法 第2条第4項の括弧書きで、建設業を営む者が業として請け負う建設工事の全部又は一部を他の建設業を営む者に請け負わせることは、役務提供委託から除かれている。建設の下請は建設業法の側で規律される。

根拠:中小受託取引適正化法 第2条

問29|補助金の型

中小企業向けの補助金の仕組みの説明として適切なものはどれか。

  1. 公募の要件を満たす事業者が申請すれば、審査を経ることなく必ず交付される
  2. 国が公募を行い、提出された事業計画を審査したうえで採択する
  3. 国ではなく金融機関がそれぞれ独自に選んだ企業に対してだけ交付される
  4. 申請した事業者のなかから抽選で選ばれた者に対して、交付の可否が決まる
正解と解説
正解:B. 国が公募を行い、提出された事業計画を審査したうえで採択する

中小企業庁は補助金について公募情報と採択結果を公表しており、公募に応じて事業計画を出し、審査を経て採択されるという流れをとる。制度名は年度で変わるので、名前ではなくこの型を覚えるとよい。

根拠:中小企業庁「補助金の公募・採択」

問30|見るところ

中小企業を志望先として調べるときに見るべき点として、適切でないものはどれか。

  1. 売上が特定の一社に偏っていないかという取引先の構成
  2. 他社が同じことをできるのかという技術の中身
  3. 地域の産業集積のなかでどの工程を担っているかという位置
  4. 同業のなかで社名が有名かどうかという知名度の順位
正解と解説
正解:D. 同業のなかで社名が有名かどうかという知名度の順位

知名度は消費者向けの広告を出しているかどうかで決まりやすく、事業の内容とは直接つながらない。取引先の構成、技術、地域での位置の三つを自分の言葉で説明できるかが、志望動機の土台になる。

根拠:※ 公的な定めはありません。広く知られた業界の構造にもとづく問題です

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