ビジネス BUSINESS BASICS
来客応対と案内
講義 3 本・確認問題 30 問 | 本試験では「マナー実践」(0問)の一部 | 最終更新 2026-09-24
この章で学ぶこと- 来客に気づいてから担当者につなぐまでの数十秒で、会社の印象はほぼ決まります。名乗ってもらう聞き方、待たせるときの一言、担当者が不在のときの動き方を型にします。
- 案内の原則は「客より少し前を歩き、しかし客の前を塞がない」。廊下・階段・エレベーター・ドアの四場面で立ち位置と声かけを決めておけば、迷う場面はなくなります。
- 応接室に通してからが本番です。上座のすすめ方、お茶を出す順序と置く位置、茶托の扱い、そして扉が閉まりきるまでの見送りを、ひと続きの所作にします。
1. 受付でのお迎えと取り次ぎ
来客に気づいてから担当者につなぐまでの数十秒で、会社の印象はほぼ決まります。名乗ってもらう聞き方、待たせるときの一言、担当者が不在のときの動き方を型にします。
来客に気づいたら、手元の作業を止めて立ち上がり、相手の目を見て「いらっしゃいませ」と迎えます。ここで大事なのは内容より速さです。相手から声をかけられてやっと反応する、座ったまま会釈だけで済ませる、という応対は、来客の側から見れば「無視された数秒」として残ります。受付に人が立った瞬間に体ごと向き直る、それだけで印象はほぼ決まります。
次に、会社名と氏名、用件、約束の有無を確かめます。「恐れ入りますが、御社名とお名前をお伺いできますでしょうか」のように、クッション言葉を置いてから依頼の形で尋ねます。名乗ってもらったら「○○商事の佐藤様でいらっしゃいますね」と復唱します。復唱は聞き違いを相手の目の前で消せる唯一の手段で、同時に「確かに受け止めました」という合図にもなります。約束の有無は、名乗ってもらったあとに確認する事柄で、名乗る前の条件にしてはいけません。
取り次ぐときの言い方には決まりがあります。社外の人に自社の人物のことを話すときは、その人物を自分側、つまりウチとして扱うので、敬称を付けません。「田中部長がただいま参ります」ではなく「部長の田中がただいま参ります」とします。文化庁の敬語の指針も、上司をウチ扱いにするときは「田中」あるいは「部長の田中」と呼べばよく、「田中部長」という呼び方はウチ扱いにした呼び方にはならないので不適切だと述べています。担当者に内線でつなぐときは、来客の会社名・氏名・用件・約束の有無・待ってもらっている場所を伝えます。
担当者が不在のときは、「おりません」で会話を終わらせないことです。いつ戻るか、代わりの者で用が足りるか、伝言を預かるか、折り返しの連絡でよいか。この四つを並べて来客に選んでもらうところまでが応対です。名刺や資料を託されたら、確かに預かる旨を述べ、自分の部署と氏名を名乗ってから受け取ります。誰が預かったかを相手に示しておくことが、そのまま責任の所在になります。
担当者の状態別、受付での言い方と次にすること| 担当者の状態 | 来客への言い方 | 次にすること |
|---|
| 在席していて約束あり | お待ちしておりました。ただいま参りますので、こちらへどうぞ | 応接室へ案内してから内線でつなぐ |
| 在席していて約束なし | 確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか | 担当部署に取り次ぎ、会えるかどうかを聞く |
| 会議中 | あいにく○○は席を外しております。○時ごろには戻る予定でございます | 戻る時刻と折り返しの可否を伝える |
| 外出していて直帰 | 本日は外出しており、戻らない予定でございます | 代理・伝言・後日の面会を並べて選んでもらう |
| 担当者が分からない | 恐れ入ります、確認いたしますので少々お待ちください | 部署名や用件から探す。知らないとは返さない |
受付応対の6手順1. 3秒以内に手を止めて立ち上がり、目を見て「いらっしゃいませ」2. 「恐れ入りますが、御社名とお名前をお伺いできますでしょうか」3. 「○○商事の佐藤様でいらっしゃいますね」と復唱する4. 用件と、お約束の有無を確認する5. 「確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか」と断る6. 担当者へ、社名・氏名・用件・約束の有無・待機場所を伝える
用語
- 取り次ぎ
- 受付や電話で受けた来客・用件を、社内の担当者につなぐこと。誰が何の用で来たかを担当者が判断できる形で伝えるところまでを含む。
- アポイント
- 事前に取り決めた面会の約束。約束の有無で受付の動き方が変わるため、名乗ってもらったあとに必ず確認する。
- クッション言葉
- 「恐れ入りますが」「差し支えなければ」のように、依頼や断りの前に置いて衝撃をやわらげる言葉。
- 復唱
- 相手が名乗った社名や氏名をその場で繰り返して確認すること。聞き違いを相手の前で正せる。
- 身内呼称
- 社外の人に自社の人物を話すとき、敬称を付けずに「部長の田中」のように呼ぶ言い方。
- 伝言メモ
- 不在者あての用件を書き残す紙。相手の社名・氏名・連絡先・用件・受けた日時・受けた人の名前を書く。
例題
例題:来客に「田中部長はいらっしゃいますか」と聞かれた。どう答えるか。
答えと考え方 「部長の田中でございますね。ただいま確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか」。社外の人に自社の人物を話すときはウチ扱いにするので、田中部長ではなく部長の田中と呼ぶ。
例題:約束のない来客が「営業部の方に会いたい」と言ってきた。
答えと考え方 用件と会社名を確かめたうえで営業部に取り次ぎ、会うか会わないかの返事を受付から伝える。会う会わないを受付が判断して断ると、会うべき相手を追い返す危険がある。無断で社内へ通すのも入館管理の点で問題になる。
例題:担当者が外出中で本日は戻らない。来客にどう伝えるか。
答えと考え方 「あいにく○○は外出しており、本日は戻らない予定でございます」と事実を述べたうえで、代わりの者で足りるか、伝言を預かるか、後日あらためて時間を取るかを尋ねる。事実だけ告げて引き取らせると、来客が使った時間が無駄になる。
出典・根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行を整理したものです
2. 廊下・階段・エレベーターの案内
案内の原則は「客より少し前を歩き、しかし客の前を塞がない」。廊下・階段・エレベーター・ドアの四場面で立ち位置と声かけを決めておけば、迷う場面はなくなります。
案内の基本は、来客の斜め前を2、3歩先で歩くことです。斜め前なら進む方向を体で示せて、しかも来客の視界を塞ぎません。真正面を歩くと背中を見せ続けることになり道もふさぎます。真横に並ぶと先導になりませんし、斜め後ろからでは来客に道を探させることになります。時々振り返って歩調を合わせ、曲がり角では手前で「こちらでございます」と声をかけます。方向を示すときは手のひらを上に向けて指をそろえ、腕全体で示します。人差し指1本で指す、あごで示す、といった所作は人に向けるものとしては避けます。
案内を始める前に「4階の第一応接室へご案内いたします」と行き先と階を告げます。これだけで来客は自分がどこへ連れて行かれるのかが分かり、歩く間の落ち着きが違います。階段では、来客を見下ろす位置に立たないよう配慮するとされ、上るときは来客が先、下りるときは案内者が先という説明が多く見られます。ただしこの先後の説明は会社や研修によって分かれるので、確実に共通しているのは、行き先の階を先に告げることと「足元にお気をつけください」と声をかけることの二つだと考えてください。
エレベーターは、かごに誰も乗っていないときと先客がいるときで動きが変わります。無人のときは「お先に失礼します」と断って案内者が先に乗り、操作盤の前に立って扉を押さえます。来客を先に乗せると、扉の開閉を来客に任せることになるためです。すでに人が乗っているときは、扉を外から手で押さえて来客に先に乗ってもらい、自分は後から乗って操作盤の近くに立ちます。降りるときはどちらの場合も、案内者が開くボタンを押して扉を押さえ、来客に先に降りてもらいます。操作盤の前が案内する側の位置になるのは、席次の考え方で操作盤の前が末席とされることとも一致します。
ドアは、開く向きで動きが逆になります。手前に引いて開ける外開きの扉は、開けた案内者がその位置のまま扉を押さえていられるので、自分は外側に立ったまま「どうぞ」と来客を先に通します。奥に押して開ける内開きの扉は、外に立ったままでは押さえ続けられないので、「失礼します」と言って案内者が先に入り、内側から扉を押さえて来客を通します。覚えるべき判断基準は「来客を先に」ではなく「来客に扉を触らせない」です。この一つで両方の向きに答えが出ます。
場面ごとの立ち位置と順序| 場面 | 案内者 | 来客 |
|---|
| 廊下 | 斜め前を2、3歩先で歩く | 中央寄りを歩いてもらう |
| エレベーターに誰もいない | 先に乗り、操作盤の前で扉を押さえる | 後から乗って奥へ |
| エレベーターに先客がいる | 扉を外から押さえ、後から乗る | 先に乗ってもらう |
| エレベーターを降りる | 開くボタンを押して最後に降りる | 先に降りてもらう |
| 外開きの扉 | 扉を引き、外側で押さえたまま待つ | 先に入ってもらう |
| 内開きの扉 | 先に入り、内側から扉を押さえる | 後から入ってもらう |
案内のときの声かけ「4階の第一応接室へご案内いたします」と行き先を先に告げる「こちらへどうぞ」と手のひらを上に向けて方向を示す曲がり角の手前で「こちらでございます」階段では「足元にお気をつけください」エレベーターでは「お先に失礼します」と断って先に乗る応接室では「こちらへおかけください」と上座をすすめる
用語
- 斜め前
- 来客の進行方向に対して斜め前方の位置。案内者の基本の立ち位置で、方向を示しつつ視界を塞がない。
- 誘導の手
- 手のひらを上に向け、指をそろえて腕全体で方向を示す所作。指1本で指すのは避ける。
- 外開き
- 手前に引いて開ける扉。案内者が引いて押さえ、来客を先に通す。
- 内開き
- 奥に押して開ける扉。案内者が先に入り、内側から押さえて来客を通す。
- 操作盤
- エレベーターの階数ボタンと開閉ボタンの並んだ面。席次では末席にあたり、案内者が立つ位置。
- 上座
- 入口から遠い側の席。応接室では来客にこちらをすすめる。
例題
例題:廊下で来客を案内している。どの位置を歩くか。
答えと考え方 来客の斜め前を2、3歩先。時々振り返って歩調を合わせる。真正面だと背中を向け続けて道もふさぎ、真横だと先導にならない。
例題:誰も乗っていないエレベーターに来客と乗る。どちらが先か。
答えと考え方 「お先に失礼します」と断って案内者が先に乗り、操作盤の前で扉を押さえる。降りるときは逆に、扉を押さえて来客に先に降りてもらう。
例題:応接室の扉が奥に押して開く向きだった。どう通すか。
答えと考え方 「失礼します」と言って案内者が先に入り、内側から扉を押さえて来客を通す。手前に引く扉なら、外側で押さえたまま来客を先に通す。判断基準は来客に扉を触らせないこと。
出典・根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行を整理したものです
3. お茶の出し方と見送り
応接室に通してからが本番です。上座のすすめ方、お茶を出す順序と置く位置、茶托の扱い、そして扉が閉まりきるまでの見送りを、ひと続きの所作にします。
応接室に通したら、入口から遠い側の席、つまり上座を手で示して「こちらへおかけください」とすすめます。入口に近い席は下座なので、来客に案内する席ではありません。来客が別の席を選んだ場合は無理強いしません。コートを着たままなら「お預かりいたします」と申し出ます。申し出るところまでが応対で、預けるかどうかは来客が決めることです。断りなく背後に回って脱がせるのは、相手の身体に触れる行為なので許されません。
お茶を運ぶときは、扉の前で盆をサイドテーブルなどに一度置ける状態にしてから、ノックをして返事を待ち、「失礼いたします」と言って入ります。返事を待つのは、来客と担当者の話を不意に断ち切らないためです。出す順序は、まず来客側の上位者から、来客側を全員出し終えてから自社側の上位者へ移ります。自社の部長を来客より先に出すと、身内を客より上に置いたことになります。置く位置は来客の右斜め前が基本で、書類が広がっているときは無断で動かさず、「こちらに置かせていただきます」と断って空いている場所に置きます。
茶碗と茶托は別々に運び、置く直前に茶碗を茶托に乗せてから出します。乗せたまま運ぶと、かたむきでこぼれた茶が茶托を濡らし、汚れた茶托をそのまま来客の前に出すことになるからです。茶碗に絵柄があれば来客から見て正面になるように向け、両手で扱います。木目のある茶托は木目が来客と平行になるように置くとも言われますが、この種の細部は会社や地域で説明が分かれるので、まずは別々に運ぶこと、両手で出すこと、客側から順に出すことを固めてください。出し終えたら盆を体の脇に持ち、出口で一礼して静かに扉を閉めます。
見送りは、応接室の前で終える、エレベーターホールまで出る、玄関まで出る、車まで見送る、と相手との関係や社内の慣習で範囲が変わります。範囲がどこであっても共通するのは終わり方です。エレベーターなら「本日はありがとうございました」と述べ、扉が閉まりきるまで頭を下げたまま待ちます。閉まる直前に頭を上げると、来客の目には途中で切り上げたように映ります。帰る前に、預かったコートや荷物を返したか、忘れ物がないかを確かめておきます。帰ってしまってからでは取り返しがつきません。
応接室でのもてなしと見送り、そのときの一言| 場面 | 動作 | そのときの一言 |
|---|
| 応接室に通す | 入口から遠い席を手で示す | こちらへおかけください |
| お茶を持って入室 | ノックして返事を待ってから入る | 失礼いたします |
| お茶を出す | 来客側の上位者から順に、右斜め前へ | どうぞ |
| 書類が広がっている | 無断で動かさず空いた場所を選ぶ | こちらに置かせていただきます |
| 退出 | 盆を体の脇に持ち、一礼して静かに閉める | ごゆっくりどうぞ |
| 見送り | 扉が閉まりきるまで頭を下げる | 本日はありがとうございました |
お茶出しの7手順1. 扉の前でノックを2、3回、返事を待って「失礼いたします」2. 盆をサイドテーブルか下座側にいったん置く3. 茶碗を茶托に乗せ、絵柄を来客から見て正面に向ける4. 来客側の上位者から順に出し、来客を出し終えてから自社側へ5. 来客の右斜め前、書類にかからない位置へ両手で置く6. 出し終えたら盆を体の脇に持つ7. 出口で一礼し、「ごゆっくりどうぞ」と言って静かに閉める
用語
- 上座
- 入口から遠い側の席。応接室では来客にこちらをすすめる。
- 下座
- 入口に近い側の席。出入りや取り次ぎをする側が座る。
- 茶托
- 茶碗の下に敷く受け皿。茶碗とは別に運び、出す直前に乗せる。
- サイドテーブル
- 応接室の隅などに置く小机。盆をいったん置く場所として使う。
- 預かり物
- 来客から託されたコート・名刺・資料など。受け取った人の責任になるので、名乗ってから受け取る。
- 見送り
- 帰る来客に付き添って送り出すこと。扉が閉まる、車が見えなくなる、といった区切りまで頭を下げる。
例題
例題:来客2名と自社の部長・担当者がいる。お茶はどの順で出すか。
答えと考え方 来客の上位者、来客のもう1名、自社の部長、自社の担当者の順。客側を全員出し終えてから自社側へ移り、それぞれの中では上位者が先。
例題:テーブルに書類が広げられていてお茶を置く場所がない。
答えと考え方 「こちらに置かせていただきます」と断って空いている場所に置く。来客の書類に無断で触れない。手渡しは相手の手をふさぎ、打ち合わせの終了まで待てば出す意味がなくなる。
例題:エレベーターホールで来客を見送る。どこまでが見送りか。
答えと考え方 「本日はありがとうございました」と述べ、扉が閉まりきるまで頭を下げたまま待つところまで。扉が開いた時点で引き返すのは見送りにならない。
出典・根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行を整理したものです
確認問題(30問)
四肢択一。「正解と解説」を開くと、正解の理由と他の選択肢が違う理由を確認できます。
問1|受付の第一声
来客が受付に立ったときの応対として、最も適切なものはどれか。
- 手元の作業をそのまま続けながら、相手のほうから先に声をかけてくるのを待つ
- 作業の手を止めて立ち上がり、相手を見て「いらっしゃいませ」と声をかける
- 座ったままで会釈だけをして、担当者が迎えに来るのをそのまま待っていてもらう
- まず「お待たせいたしました」と言ってから用件を尋ねる
正解と解説
正解:B. 作業の手を止めて立ち上がり、相手を見て「いらっしゃいませ」と声をかける来客に気づいたら手を止めて立ち上がり、目を見て迎えるのが基本。相手からの声かけを待つのも、座ったまま会釈で済ませるのも、来客の側から見れば放置された数秒になる。「お待たせいたしました」は実際に待たせたときの言葉なので、気づいた直後に言うと、待たせた事実を自分から作り出すことになる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問2|社名の確認
初対面の来客に会社名と氏名を尋ねる言い方として、最も適切なものはどれか。
- 恐れ入りますが、御社名とお名前をお伺いできますでしょうか
- どちら様でしょうか、お名前のほうを言っていただけますでしょうか
- あなたはどこの会社の方ですか
- お約束のない方については、お名前を伺うことができないことになっているのですが
正解と解説
正解:A. 恐れ入りますが、御社名とお名前をお伺いできますでしょうかクッション言葉「恐れ入りますが」を置き、依頼の形で尋ねるのが基本形。「お伺いする」は形の上では二重敬語だが、敬語の指針が習慣として定着した例に挙げているので問題ない。「言っていただけますか」「どこの会社の方ですか」は詰問に聞こえる。約束の有無は名乗ってもらったあとに確認する事柄で、名乗る前の条件にはできない。
根拠:文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日)第2章 敬語の仕組み
問3|復唱の意味
来客が「○○商事の佐藤です」と名乗った直後にすることとして、適切なものはどれか。
- 聞き間違いを避けるため、名刺をその場で必ず要求する
- 担当者名が分かるまで、無言でメモを取り続ける
- 「○○商事の佐藤様でいらっしゃいますね」と復唱して確認する
- 自分の会社名と氏名を名乗り直してから用件を聞く
正解と解説
正解:C. 「○○商事の佐藤様でいらっしゃいますね」と復唱して確認する復唱は聞き違いを相手の目の前で消せる唯一の手段で、確かに受け止めたという合図にもなる。名刺の要求は来客に負担を強いる行為で、受付から求めるものではない。無言のメモは相手を不安にさせる。受付はすでに社の顔として立っているので、名乗り直しより先に相手の確認を済ませる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問4|取り次ぎ表現
来客に、社内の田中部長がすぐ来る旨を伝える言い方として、適切なものはどれか。
- 田中部長がただいま参ります
- 田中部長がただいまいらっしゃいます
- 田中部長様がただいま参ります
- 部長の田中がただいま参ります
正解と解説
正解:D. 部長の田中がただいま参ります社外の人に自社の人物を話すときはウチ扱いにする。敬語の指針は、そのときに「田中」や「部長の田中」と呼ぶのは問題ないが、「田中部長」と呼ぶことはウチ扱いにした呼び方にならないので不適切だと述べている。「いらっしゃる」は尊敬語で自社の人物には使えず、「田中部長様」はさらに敬称を重ねている。
根拠:文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日)第3章 敬語の具体的な使い方
問5|待たせる一言
取り次ぎのため来客をその場で少し待ってもらうときの言葉として、最も適切なものはどれか。
- ちょっとそこで待っていてください、こちらもすぐに戻ってきますので
- 確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか
- すぐに済みますので、そのままそこにいてくださいますでしょうか
- 呼んでまいりますので、そこから動かないでいてくださいますでしょうか
正解と解説
正解:B. 確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか何のために待つのか(確認する)と、どのくらいか(少々)を示し、依頼の形で終えるのが型。「ちょっと」「そこにいて」「動かないで」はいずれも指示の言い方で、待たせる負担への配慮が言葉に表れていない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問6|待たせた後
取り次ぎに5分ほどかかった。来客のところへ戻ったときの第一声として適切なものはどれか。
- 大変お待たせいたしました
- 少々お待たせしました、すぐ終わりましたので
- お待たせして申し訳ありませんが、まだかかります
- お待たせいたしました、こちらの都合ですみません
正解と解説
正解:A. 大変お待たせいたしました待たせた事実をまず認めて詫びる言葉を先頭に置く。「少々」は実際より短く見積もる言い方で5分には合わない。まだかかるのなら、詫びるより先に見込み時間を伝えて座って待てる場所へ通す。「こちらの都合」は言い訳で、来客には関係のない内部事情。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問7|約束なしの客
約束のない来客が「営業部の方に会いたい」と言ってきた。受付の対応として適切なものはどれか。
- 約束のない方はお通しできない決まりになっていると伝え、その場で帰ってもらう
- 営業部まで来客を連れて行き、手が空いている人に引き渡す
- 用件と会社名を確認し、担当部署に取り次いだうえで会えるかどうかを伝える
- 担当者の携帯番号を教えて、直接連絡してもらう
正解と解説
正解:C. 用件と会社名を確認し、担当部署に取り次いだうえで会えるかどうかを伝える約束がなくても、会うかどうかを決めるのは受付ではなく担当部署。用件と会社名を聞いて取り次ぎ、返事を受付から伝える。その場で断ると会うべき相手を追い返す危険があり、無断で社内に通すのは入館管理の点で問題がある。社員の携帯番号は社内情報で、来客に伝えてよいものではない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問8|不在の伝え方
担当者が外出中で本日は戻らない。来客への伝え方として最も適切なものはどれか。
- 担当の者は外出しております、とだけ伝えて引き取ってもらう
- 本日は戻らない旨を伝え、代理の者の対応・伝言・後日の面会のいずれがよいかを尋ねる
- 担当者が戻ってくる日時をその場で約束したうえで、次回の訪問の日程までその場で確定させる
- 担当者の予定表を見せて、空いている日を選んでもらう
正解と解説
正解:B. 本日は戻らない旨を伝え、代理の者の対応・伝言・後日の面会のいずれがよいかを尋ねる不在の連絡で終わらせず、来客が次に取れる道を並べて選んでもらうところまでが応対。受付が担当者の予定を勝手に確定させることはできず、社内の予定表は外部に見せる資料でもない。事実だけ告げて引き取らせると、来客が使った時間がそのまま無駄になる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問9|預かり物
不在の担当者あてに、来客から名刺と資料を託された。このときの対応として適切なものはどれか。
- 担当者の机の上に置いておき、気づくのを待つ
- 名刺だけを受け取り、資料は郵送してもらうよう頼む
- その場で中身を確認し、渡す必要があるかどうかを判断してから預かる
- 確かに預かる旨を述べ、自分の部署と氏名を名乗ってから受け取る
正解と解説
正解:D. 確かに預かる旨を述べ、自分の部署と氏名を名乗ってから受け取る預かり物は受け取った人の責任になるので、誰が預かったかを相手に示すために部署と氏名を名乗る。机に置いて放置するのは紛失や見落としの元。持参したものを郵送に回すのは二度手間を強いる行為で、受付がその場で中身の要否を判断する立場にもない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問10|内線で伝える
担当者に内線で取り次ぐとき、伝える内容として過不足のないものはどれか。
- 来客の会社名・氏名・用件・約束の有無と、待ってもらっている場所
- 来客の氏名と、受付で応対した自分の部署と名前、そして応対した時刻
- 来客の会社名と、来客が着ている服装や持ち物の特徴についての細かい説明
- 来客の用件と、受付の側が推測したその用件の重要度についての見立て
正解と解説
正解:A. 来客の会社名・氏名・用件・約束の有無と、待ってもらっている場所担当者が「誰が何の用で来たか、約束があったか、どこへ迎えに行くか」を判断できる情報がそろって初めて取り次ぎになる。氏名だけでは用件が分からず、服装は見分けの助けにはなっても取り次ぎの本題ではない。重要度の推測は受付が加えてよい情報ではなく、担当者の判断を誤らせる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問11|廊下の位置
廊下で来客を案内するときの立ち位置として、適切なものはどれか。
- 来客の真正面の位置を、来客とまったく同じ速さで歩いて先導していく
- 来客の真横に並んで歩く
- 来客の斜め前を2、3歩先で歩き、時々振り返って歩調を合わせる
- 来客の斜め後ろの位置から、行き先を口で指示しながら付いて歩いていく
正解と解説
正解:C. 来客の斜め前を2、3歩先で歩き、時々振り返って歩調を合わせる斜め前なら進む方向を示しながら来客の視界を塞がず、振り返って速さも確かめられる。真正面は背中を向け続けることになり道もふさぐ。真横は並列で先導にならない。斜め後ろからでは来客に道を探させることになる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問12|方向の示し方
曲がり角で進む方向を示すときの所作として、適切なものはどれか。
- 人差し指をまっすぐ伸ばして行き先を指し示しながら、「あちらです」と声をかけて先へ進む
- 手のひらを上に向け、指をそろえて方向を示しながら「こちらでございます」と言う
- あごで方向を示しながら早足で先に進む
- 来客の背中に軽く手を添えて進む向きを変えてもらい、そのまま曲がった先へ案内していく
正解と解説
正解:B. 手のひらを上に向け、指をそろえて方向を示しながら「こちらでございます」と言う手のひらを上に向け、指をそろえて腕全体で示すのが基本形で、声を添えて初めて伝わる。指1本で指すのもあごで示すのも、人に向ける所作としては避ける。相手の体に触れるのは、たとえ軽くても案内では行わない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問13|行き先の予告
応接室まで距離があるとき、案内を始める前に伝えるべきことはどれか。
- 担当者が今どのような会議に出席しているかということ
- 社内の各部署の配置と、それぞれの部署の人数
- そこまで歩く距離と、かかるおおよその歩数の見当
- これから向かう場所と、それが何階にあるか
正解と解説
正解:D. これから向かう場所と、それが何階にあるか行き先と階を先に告げると、来客は自分がどこへ連れて行かれるのかが分かり、歩く間の落ち着きが違う。担当者の会議の中身や部署の配置は社内事情で、来客に説明する事柄ではない。歩数だけ伝えても、行き先が分からなければ意味がない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問14|階段の案内
階段で来客を案内するときに必ず行うこととして、適切なものはどれか。
- 上る前に行き先の階を告げ、足元への注意を声に出して促す
- 常に来客より数段下を歩き、真下から見上げる位置を保つ
- 手すりは自分が使い、来客には壁側を歩いてもらう
- 来客より必ず先に上りきり、上で待って手招きをする
正解と解説
正解:A. 上る前に行き先の階を告げ、足元への注意を声に出して促す階段では上り下りの先後の説明が会社や研修によって分かれるが、行き先の階を告げることと足元への声かけはどの流儀でも共通して求められる。真下から見上げる位置を保つのも、手すりを自分が占めるのも来客への配慮を欠く。先に上りきって手招きするのは案内ではなく置き去りになる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問15|無人のかご
誰も乗っていないエレベーターに来客と乗り込むときの動きとして、適切なものはどれか。
- 来客に先に乗ってもらい、自分は乗らずに階数だけを伝える
- 「お先に失礼します」と断って先に乗り、操作盤の前で扉を押さえる
- 来客に先に乗ってもらい、自分は最後に乗って扉の奥に立つ
- 来客と並んで同時に乗り込み、二人とも操作盤から離れて立つ
正解と解説
正解:B. 「お先に失礼します」と断って先に乗り、操作盤の前で扉を押さえる無人のかごでは、案内者が先に乗って操作盤を押さえたほうが扉に挟まれる危険がなく、階数の操作もできる。先に来客を乗せると扉の開閉を来客に任せることになる。奥に立つと操作盤に手が届かず、席次の考え方でも操作盤の前は案内する側の位置とされる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問16|先客がいる
すでに人が乗っているエレベーターに来客と乗るときの順序として、適切なものはどれか。
- 案内者が先に乗り込み、かごの奥へ進んでから来客を招き入れる
- そのかごは一台見送ることにして、無人のかごが来るまで来客と待つ
- 扉を手で押さえ、来客に先に乗ってもらってから自分が乗る
- 来客には降りる階数だけを伝えておき、自分は次のかごで追いかける
正解と解説
正解:C. 扉を手で押さえ、来客に先に乗ってもらってから自分が乗る先客がいるかごは操作盤の前が空いていないことも多く、案内者が先に入ると来客を待たせて詰めさせることになる。扉を外から押さえて来客を先に乗せ、自分は後から乗って操作盤の近くに立つ。見送りは来客を無駄に待たせ、別のかごで追うのは案内を放棄したのと同じ。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問17|降りる順序
エレベーターが目的の階に着いたときの動きとして、適切なものはどれか。
- 開くボタンを押して扉を押さえ、来客に先に降りてもらう
- 案内者が先に降り、廊下から来客を手招きする
- 扉が開いたら、乗っている順に自然に降りる
- 来客に開くボタンを押してもらい、案内者が先に出る
正解と解説
正解:A. 開くボタンを押して扉を押さえ、来客に先に降りてもらう降りるときは乗るときと逆で、扉を押さえられる案内者が最後に残り、来客を先に通す。案内者が先に降りると来客が自分で扉を押さえることになり、来客にボタンを押させるのは論外。順に降りるだけでは、扉が閉まりかけたときに来客を挟む危険がある。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問18|外開きの扉
手前に引いて開ける扉から応接室に入ってもらう場面で、適切な動きはどれか。
- 扉を手前に引いて開けたあとで、自分が先に室内へ入り来客が入るのを待つ
- 来客に扉を引いてもらい、自分は室内から迎える
- 扉を奥に押し開けて自分が先に入り、内側から押さえたまま来客を通す
- 扉を引いて開け、自分は外側で押さえたまま来客に先に入ってもらう
正解と解説
正解:D. 扉を引いて開け、自分は外側で押さえたまま来客に先に入ってもらう手前に引く扉は、開けた案内者がその位置のまま押さえていられるので、来客を先に通せる。自分が先に入ると扉から手が離れ、来客に引かせるのは扉を触らせないという原則に反する。押し開けるのは反対向きの扉の動作で、この扉には当てはまらない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問19|内開きの扉
奥に押して開ける扉の場合、案内者の動きとして適切なものはどれか。
- 扉を奥に押し開けたあとで手を放してしまい、来客に先に入ってもらう
- 「失礼します」と言って先に入り、内側から扉を押さえて来客を通す
- 扉を手前に引いて開けたうえで、外側で押さえたままにして来客を先に通す
- 扉を全開にしたところで固定しておき、来客と並んで同時に室内へ入っていく
正解と解説
正解:B. 「失礼します」と言って先に入り、内側から扉を押さえて来客を通す押して開ける扉は、外に立ったままでは押さえ続けられないので、案内者が先に入って内側から支える。手を放せば扉が戻って来客に当たる。手前に引くのは反対向きの扉の動作で、この扉では動かない。並んで同時に入れる幅の扉はまれで、そもそも押さえる人がいなくなる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問20|すすめる敬語
エレベーターの利用を来客にすすめる言い方のうち、敬語の使い方が誤っているものはどれか。
- あちらのエレベーターをご利用ください
- あちらのエレベーターをお使いになってください
- あちらのエレベーターをご利用してください
- あちらのエレベーターをご利用いただけますでしょうか
正解と解説
正解:C. あちらのエレベーターをご利用してください「ご……する」は謙譲語Ⅰを作る形式なので、来客の行為に使うと相手を低める誤りになる。敬語の指針も「御在宅する必要はありません」を同じ理由で不適切とし、「御在宅なさる」のような尊敬語に直すべきだとしている。「ご利用ください」「お使いになってください」は尊敬語、「ご利用いただく」は謙譲語Ⅰだが立てる相手は来客なので問題ない。
根拠:文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日)第3章 敬語の具体的な使い方
問21|席のすすめ方
応接室に通した来客に座ってもらうときの動きとして、適切なものはどれか。
- 入口に近い椅子を手で示してすすめる
- 来客が自分で座る席を選べるように、何も言わないままそのまま退出する
- 自分のほうが先に椅子に座ってから、空いている椅子を来客にすすめる
- 入口から遠い椅子を手で示し、「こちらへおかけください」と言う
正解と解説
正解:D. 入口から遠い椅子を手で示し、「こちらへおかけください」と言う上座は入口から遠い席なので、そちらを示してすすめる。入口に近い席は下座で、来客に案内する席ではない。何も言わずに出ると来客は立ったままになりやすく、案内者が先に座るのは順序が逆になる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問22|上着を預かる
コートを着たまま応接室に入った来客への対応として、適切なものはどれか。
- 「お預かりいたします」と申し出て、預かる場合はしわにならないよう掛けておく
- コートは来客本人が管理するものであるから、こちらからは特に何も言わないままにしておく
- 無言で来客の背後に回り、コートを脱がせて受け取る
- 「暑いのでお脱ぎください」と言って脱ぐよう促す
正解と解説
正解:A. 「お預かりいたします」と申し出て、預かる場合はしわにならないよう掛けておく申し出るところまでが応対で、預けるかどうかは来客が決める。何も言わなければ来客は置き場所に困る。断りなく脱がせるのは相手の身体に触れる行為で許されない。脱ぐよう促すのは来客の判断を奪う言い方になる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問23|入室のノック
お茶を持って応接室に入るときの手順として、適切なものはどれか。
- 両手がふさがっているので、扉を足で押して開ける
- ノックをせずに静かに入り、声もかけずに置いて出る
- ノックをしてすぐに扉を開け、入りながら用件を述べる
- ノックをして返事を待ち、「失礼いたします」と言ってから入る
正解と解説
正解:D. ノックをして返事を待ち、「失礼いたします」と言ってから入るノックのあと返事を待つことで、来客と担当者の話を不意に断ち切らずに済む。返事を待たずに開けるのではノックの意味がない。無言の出入りは来客を驚かせる。扉を足で扱うのは論外で、そもそも盆はサイドテーブルなどに一度置いてから扉を開ける。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問24|茶托の扱い
茶托と茶碗の扱いとして、適切なものはどれか。
- 茶碗を茶托に乗せたままの状態で盆で運び、そのまま片手でテーブルに置く
- 茶托は使わず、茶碗だけを直接テーブルに置く
- 茶碗と茶托を別々に運び、置く直前に茶碗を茶托に乗せてから出す
- 茶托に茶碗を乗せておいたうえで、茶托の底のほうを持って片手で差し出す
正解と解説
正解:C. 茶碗と茶托を別々に運び、置く直前に茶碗を茶托に乗せてから出す別々に運ぶのは、運ぶ途中でこぼれた茶が茶托を濡らすのを避けるため。乗せたまま運ぶと、汚れた茶托をそのまま来客の前に出すことになる。茶托を省くのは略式で、来客用としては不足。片手は安定しないので両手で扱う。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問25|出す順序
応接室に来客2名と自社の部長・担当者がいる。お茶を出す順序として適切なものはどれか。
- 来客の上位者、来客のもう1名、自社の部長、自社の担当者
- 自社の部長、来客の上位者と同行者、自社の担当者
- 来客と自社を区別せず、上座に近い人から順に一周する
- 入口に近い人から順に出し、最後に上座の人へ出す
正解と解説
正解:A. 来客の上位者、来客のもう1名、自社の部長、自社の担当者客側を全員出し終えてから自社側へ移り、それぞれの中では上位者が先。自社の部長を先に出すと、身内を客より上に置いたことになる。席順だけで一周すると来客と自社が混ざり、入口に近い順は下座から出す逆の順序になる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問26|置く位置
テーブルに書類が広げられている状態でお茶を置く場合の対応として、適切なものはどれか。
- 書類の上に重ならないよう、書類を少し動かしてから置く
- 「こちらに置かせていただきます」と断り、空いている場所に置く
- 置く場所がないので、盆に乗せたまま来客に手渡す
- 打ち合わせが終わるまで待ち、終了後にまとめて出す
正解と解説
正解:B. 「こちらに置かせていただきます」と断り、空いている場所に置く来客の書類に無断で触れるのは避け、声をかけて空いた場所に置く。書類を勝手に動かすのは相手の資料を扱うことになる。手渡しは相手の手をふさぎ、置き場所の問題を来客に押しつける。終わるまで待てば、お茶を出す意味そのものがなくなる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問27|退出の所作
お茶を出し終えて応接室を出るときの動きとして、適切なものはどれか。
- 話の内容が気になるので、扉の近くで少し様子を見てから出る
- 来客に背を向けないよう、後ろ向きのまま扉まで下がる
- 盆を胸の前で抱え、扉を大きく開け放したまま出る
- 盆を体の脇に持ち、出口で一礼してから静かに扉を閉める
正解と解説
正解:D. 盆を体の脇に持ち、出口で一礼してから静かに扉を閉める一礼して静かに閉めるまでが一続きの所作。話を聞こうと残るのは論外で、後ろ向きに下がるのは足元が危なく、かえって不自然に映る。扉を開け放すと廊下の音や視線が入り、応接室に通した意味がなくなる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問28|見送りの終わり
エレベーターホールで来客を見送る場面での動きとして、適切なものはどれか。
- 扉が開いたらすぐ引き返し、業務に戻る
- 来客が乗り込むまで並んで立ち、乗ったところで手を振る
- 「本日はありがとうございました」と述べ、扉が閉まりきるまで頭を下げて見送る
- かごの中まで一緒に乗り込んで、1階に着くまでずっと付き添いながら会話を続ける
正解と解説
正解:C. 「本日はありがとうございました」と述べ、扉が閉まりきるまで頭を下げて見送る扉が閉じるまでが見送りで、閉まる直前に頭を上げると、来客の目には途中で切り上げたように映る。開いた時点で引き返すのは見送りにならない。手を振るのは親しい間柄の所作。用がないのに1階まで付き添うと、かえって来客に気を遣わせる。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問29|帰る前の確認
来客が帰る前に応接室で確かめておくこととして、最も適切なものはどれか。
- 来客が座っていた椅子の向きと位置がずれていないかどうか
- 出したお茶を来客がすべて飲み終えているかどうかということ
- 預かった上着や荷物を返したか、来客の忘れ物がないか
- 次回の訪問予定を来客に代わって手帳に書き込んでおくこと
正解と解説
正解:C. 預かった上着や荷物を返したか、来客の忘れ物がないか預かり物の返却と忘れ物の確認は、帰ったあとでは取り返しがつかない。椅子の位置は来客が出たあとに整えればよく、飲み残しは来客の自由。手帳への書き込みは来客が自分で行うことで、代わりに書くものではない。
根拠:※ 公的な定めはありません。広く通用しているビジネス慣行にもとづく問題です
問30|見送りの敬語
見送りの場面で来客に述べる言葉として、敬語の使い方が適切なものはどれか。
- お足元にお気をつけてお帰りくださいませ
- お気をつけてお帰りになられてくださいませ
- お気をつけてご帰宅してくださいませ
- お気をつけてお帰りいたしてくださいませ
正解と解説
正解:A. お足元にお気をつけてお帰りくださいませ「お帰りください」は「帰る」を尊敬語にした形で、そのまま使える。「お帰りになられる」は「お帰りになる」に「れる」を重ねた二重敬語で、指針が習慣として認めた例にも入っていない。「ご帰宅する」は「ご……する」という謙譲語Ⅰの形式を相手の行為に使った誤り。「お帰りいたす」の「お……いたす」も謙譲の形なので、来客の行為には使えない。
根拠:文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年2月2日)第2章 敬語の仕組み
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※ 解説は学習用の情報提供です。最新の出題範囲・制度は必ず公式発表をご確認ください。
※ 敬語は文化庁「敬語の指針」(平成19年文化審議会答申)に沿っています。マナーの慣行は広く一般に通用する形を紹介するもので、業界・会社により異なる場合があります。