「社会学(sociologie)」という言葉を作り、社会学の創始者とされる19世紀フランスの思想家は誰か?
- デュルケーム
- オーギュスト・コント
- マルクス
- ウェーバー
コントは実証主義の立場から、社会を科学的に研究する学問として「社会学」を構想・命名しました。デュルケームやウェーバーはその後の世代で、社会学を大学の学問として確立させた「古典社会学」の代表者です。
大学
古典理論から家族・都市・メディア・社会調査まで
デュルケーム・ウェーバー・マルクスの古典から、家族とジェンダー、都市、メディア、社会調査法まで、大学教養レベルの社会学の基本概念を4択40問で確かめます。各問に解説つき、無料・登録不要。
「社会学(sociologie)」という言葉を作り、社会学の創始者とされる19世紀フランスの思想家は誰か?
コントは実証主義の立場から、社会を科学的に研究する学問として「社会学」を構想・命名しました。デュルケームやウェーバーはその後の世代で、社会学を大学の学問として確立させた「古典社会学」の代表者です。
デュルケームは『自殺論』で、自殺を主にどのような観点から研究したか?
デュルケームは、国や集団によって自殺率が異なり、しかも安定していることに注目し、自殺を個人心理ではなく「社会的事実」として説明しました。社会の統合や規制の強弱が自殺率を左右するという分析は、社会学の方法を示した古典です。
デュルケームが用いた「アノミー」の意味として正しいものはどれか?
アノミーは、急激な社会変動などによって規範による規制が働かなくなった状態を指します。デュルケームは不況だけでなく好景気でも欲望が際限なく膨らんでアノミーが生じうると論じ、この状態と結びつく自殺を「アノミー的自殺」と呼びました。
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を著し、宗教倫理と資本主義の関係を論じた社会学者は誰か?
ウェーバーは、禁欲的プロテスタンティズムの倫理(天職としての労働・禁欲)が、意図せざる結果として近代資本主義の精神の形成を後押ししたと論じました。経済という土台が観念を規定するとするマルクス的見方に対し、観念が経済に影響する側面を示した古典です。
ウェーバーの「支配の3類型」に含まれないものはどれか?
ウェーバーは支配の正当性の根拠から、伝統的支配(昔からの慣習)、カリスマ的支配(指導者の非凡な資質)、合法的支配(制定された規則)の3類型を挙げました。「民主的支配」という類型はなく、近代国家の支配は合法的支配を典型とします。
ウェーバーが論じた近代官僚制の特徴に当てはまらないものはどれか?
官僚制は規則・文書・階層・専門化によって、誰が担当しても同じように処理される没人格的な仕組みです。個人的な情実による判断は、むしろ官僚制が排除しようとするものです。ウェーバーは官僚制を効率的な組織形態としつつ、その硬直化の危険も示唆しました。
マルクスの理論で、工場や土地などの「生産手段」を所有する階級を何と呼ぶか?
生産手段を所有するのがブルジョアジー(資本家階級)、生産手段を持たず自らの労働力を売って生活するのがプロレタリアート(労働者階級)です。マルクスは両者の対立を歴史を動かす原動力とみなしました。
社会学の主要パラダイムのうち「機能主義」の着眼点として正しいものはどれか?
機能主義は社会を、各部分が機能を果たし合う一つのシステムとして捉える立場で、デュルケームからパーソンズ、マートンへと受け継がれました。葛藤理論・シンボリック相互作用論と並ぶ主要パラダイムの一つで、これらは優劣ではなく着眼点の違いとして理解されます。
「人々は物事に意味を与え、その意味にもとづいて行為し、意味は相互作用を通じて修正されていく」と考える立場はどれか?
シンボリック相互作用論はミードの思想を受けてブルーマーが定式化した立場で、日常の対面的なやりとりと意味の生成に注目するミクロ社会学の代表です。マクロな構造に注目する機能主義や葛藤理論とは、分析のレベルと着眼点が異なる相補的な視点です。
社会学の主要パラダイムのうち「葛藤理論」の説明として正しいものはどれか?
葛藤理論はマルクスらの系譜を引き、社会の変動や不平等を集団間の利害対立から説明します。安定と統合を重視する機能主義、ミクロな相互作用を見るシンボリック相互作用論とともに3大パラダイムと呼ばれ、それぞれ社会の異なる側面を照らす相補的な視点とされています。
「核家族」の定義として正しいものはどれか?
核家族は、夫婦のみ、夫婦と未婚の子、ひとり親と未婚の子からなる家族の基本単位です。祖父母などを含む三世代同居の家族は拡大家族(直系家族)に分類されます。世帯統計を読むときの基礎になる区分です。
あらゆる社会に核家族が普遍的に存在すると論じ、「核家族普遍説」を唱えた人類学者は誰か?
マードックは約250の社会の比較研究から、核家族は単独で、あるいはより大きな家族の構成単位として普遍的に見られると論じました。なお、この説には例外を挙げる批判もあり、「家族とは何か」をめぐる議論の出発点となっています。
社会学でいう「ジェンダー」の意味として最も適切なものはどれか?
ジェンダーは「男らしさ・女らしさ」など社会的・文化的に作られた性差を指し、生物学的性別(セックス)と区別して用いられます。何が「らしさ」とされるかは時代や社会によって変化することが、多くの比較研究で示されています。
「夫は外で働き、妻は家庭を守る」という役割の割り当てを表す社会学の用語はどれか?
性別によって役割を固定的に割り当てる考え方・仕組みを性別役割分業と呼びます。近代の産業化とともに広がった歴史的な産物とされます。その是非をめぐっては社会の中に様々な立場がありますが、用語としては役割の割り当てそのものを指します。
跡継ぎとなる子の家族が親と同居し、世代を超えて家が継承されていく家族形態を何と呼ぶか?
直系家族は、親と跡継ぎ夫婦の同居が世代ごとに繰り返される形態で、日本の伝統的な「家(イエ)」はその典型例とされます。夫婦一代限りの核家族と対比され、戦後日本では核家族世帯や単独世帯の割合が増えてきました。
『ジェンダー・トラブル』で、ジェンダーは繰り返される行為の遂行(パフォーマティヴィティ)によって構築されると論じた思想家は誰か?
バトラーは1990年の『ジェンダー・トラブル』で、ジェンダーは生まれつきの本質ではなく、日々の行為の反復を通じて作られると論じました。この理論の評価をめぐっては様々な議論がありますが、提唱者と概念の対応は現代思想の基本知識として問われます。
「都市化」の説明として最も適切なものはどれか?
都市化は、人口の都市への集中と、それに伴う生活様式や社会関係の変化を含む過程を指します。建物の高層化のような物理的変化だけでなく、匿名性の高い人間関係の広がりといった社会的な変化も含む概念です。
20世紀前半、シカゴという都市そのものを「実験室」として都市社会学を発展させた学派を何と呼ぶか?
シカゴ大学のパークやバージェスらは、移民の集住や犯罪などの都市問題を実地調査し、都市社会学と参与観察などの調査法を発展させました。フランクフルト学派は批判理論で知られるドイツの学派で、別の系統です。
都市は中心業務地区から、遷移地帯・労働者住宅地帯・住宅地帯・通勤者地帯へと同心円状に広がるとしたモデルの提唱者は誰か?
バージェスの同心円地帯理論は、シカゴをモデルに都市の空間構造を説明した古典的モデルです。のちに扇形理論(ホイト)や多核心理論(ハリスとウルマン)などの修正モデルも提唱されており、あくまで理念型の一つとして理解されています。
都市に特徴的な生活様式を「アーバニズム」と呼び、人口の規模・密度・異質性から分析した社会学者は誰か?
ワースは論文「生活様式としてのアーバニズム」で、都市的生活様式の特徴を人口の規模・密度・異質性という3要素から説明しました。表面的・匿名的・一時的な人間関係の広がりなどが都市の特徴とされます。
マッキーヴァーの分類で、地域性にもとづいて自然発生的に成立する「村や町」のような集団を何と呼ぶか?
マッキーヴァーは、共同生活の場として自然に成り立つ集団をコミュニティ、特定の目的のために人為的に作られる集団(学校・会社・組合など)をアソシエーションと呼んで区別しました。アソシエーションはコミュニティを基盤として生まれるとされます。
社会結合を、血縁や地縁による本質意志にもとづく「ゲマインシャフト」と、利害や契約による選択意志にもとづく「ゲゼルシャフト」に分けた社会学者は誰か?
テンニースは、共同体的なゲマインシャフト(家族・村落)から利益社会的なゲゼルシャフト(大都市・会社)へと近代化が進むと論じました。デュルケームの「機械的連帯から有機的連帯へ」という図式など、類似の近代化論と比較すると整理しやすい概念です。
「マスメディア」の説明として最も適切なものはどれか?
新聞・テレビ・ラジオ・雑誌などが典型的なマスメディアで、送り手から不特定多数の受け手への一方向的な大量伝達が特徴です。SNSは個人も発信者になれる双方向的なメディアであり、マスメディアとの違いが現代メディア論の重要な論点になっています。
「マスメディアは人々が『何について考えるか』(争点の重要度の認識)に影響を与える」という理論を何と呼ぶか?
マコームズとショーが選挙研究で示した議題設定機能は、メディアが意見の中身を直接変えるのではなく、「どの争点が重要か」という認識に影響するという理論です。強力効果論と限定効果論の中間に位置づけられる考え方とされます。
「自分の意見が少数派だと感じた人は孤立を恐れて発言を控え、多数派に見える意見がますます優勢になっていく」という理論の提唱者は誰か?
ノエル=ノイマンの「沈黙の螺旋」理論です。人は周囲の意見分布を敏感に感じ取り、少数派と感じると沈黙しやすいため、実際以上に一方の意見が支配的に見える螺旋が生じます。世論形成におけるメディアの役割を考えるうえで重要な理論です。
「メディアの影響は弾丸のように直接強力」とする初期の見方に対し、ラザースフェルドらの選挙研究が示した見方はどれか?
ラザースフェルドらは、情報がまずオピニオンリーダーに届き、そこから人々へ流れる「コミュニケーションの二段の流れ」を示し、この立場は限定効果論と呼ばれました。その後、議題設定研究などでメディアの影響力を再評価する流れもあり、効果論は時代とともに変遷しています。
SNSなどで自分と似た意見ばかりに囲まれ、その意見が反響し合って増幅・強化されていく現象を何と呼ぶか?
閉じた部屋で音が反響するように、似た意見どうしが反響し合って増幅される現象をエコーチェンバー(反響室)と呼びます。アルゴリズムが好みに合う情報だけを表示する「フィルターバブル」と関連の深い概念ですが、後者は情報環境側の仕組みを指す点で区別されます。
「メディアはメッセージである」と述べ、伝達内容以上にメディアの形式そのものが社会や感覚に影響すると論じた理論家は誰か?
マクルーハンは、伝えられる内容以上に、メディアという形式(活字・テレビなど)自体が人間の感覚のあり方や社会の構造を変えると論じました。電子メディアが世界を一つの村のようにするという「グローバル・ヴィレッジ(地球村)」の概念でも知られます。
社会調査のうち「量的調査」の特徴として正しいものはどれか?
量的調査はアンケート(質問紙)調査に代表され、多数の対象から数値化できるデータを集めて統計的に分析します。分布や変数間の関連を広く把握するのに向く一方、個々の事例の文脈や意味の深い理解には質的調査が向くとされます。
「質的調査」の方法の例として最も適切なものはどれか?
質的調査はインタビュー、参与観察、生活史(ライフヒストリー)の聞き取りなどによって、対象の経験や意味世界を深く理解しようとする方法です。量的調査と質的調査は優劣の関係ではなく、明らかにしたい問いに応じて使い分けられます。
「参与観察」の説明として正しいものはどれか?
参与観察は、調査者がフィールドに入り込み、メンバーとして活動しながら観察する質的調査の代表的な方法です。ホワイトの『ストリート・コーナー・ソサエティ』などが古典として知られます。内側からの深い理解が得られる一方、客観性の確保が課題とされます。
標本調査で「無作為抽出(ランダム・サンプリング)」を行う主な目的はどれか?
無作為抽出は、くじ引きのように全員へ等しい選出確率を与えることで、標本が母集団の縮図になることを目指す方法です。「都合よく集めた標本」では選択バイアスが生じ、結果を母集団に一般化できなくなります。
質問紙調査で「多くの専門家が反対している〇〇に、あなたも反対ですよね?」という質問文の問題点はどれか?
「専門家が反対している」「〜ですよね」という表現は、回答を一方向へ導く誘導質問です。質問文の言い回し(ワーディング)は結果を大きく左右するため、中立的な表現を使うこと、1つの文で2つのことを聞く二重質問を避けることなどが調査設計の基本とされています。
量的調査と質的調査の関係について、現在の社会調査論で標準的とされる考え方はどれか?
量的調査は分布や関連の把握に、質的調査は意味や過程の理解に強みがあり、どちらが上という関係ではありません。両者を組み合わせる混合研究法(ミックスド・メソッド)も広く用いられています。方法の選択は、明らかにしたい問いによって決まります。
総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)が14%を超えた社会は、一般に何と呼ばれるか?
慣用的に、高齢化率7%超を「高齢化社会」、14%超を「高齢社会」、21%超を「超高齢社会」と呼び分けます。日本は1994年に14%を超え、2007年には21%を超えて、世界でも高齢化率の高い超高齢社会となっています。
「逸脱は行為そのものの性質ではなく、周囲がその行為に『逸脱』というラベルを貼ることで作り出される」と論じた理論と提唱者の組み合わせはどれか?
ベッカーは『アウトサイダーズ』で、規則を作り適用する側の働きに注目し、逸脱をラベル付けの産物として捉え直しました。ラベルを貼られた人がその自己像を内面化し、さらに逸脱が深まる過程も論じられます。逸脱の原因を個人の内側だけに求める見方からの転換でした。
「相対的貧困」の一般的な定義として正しいものはどれか?
生存ぎりぎりの絶対的貧困と区別して、相対的貧困はその社会の標準的な生活水準との比較(所得中央値の50%を貧困線とする)で定義されます。OECDなどが国際比較に用いる指標で、先進国内の貧困を捉えるための概念です。
学歴や言葉遣い、芸術の素養など、家庭を通じて受け継がれ、社会的地位の再生産に関わる資本を「文化資本」と呼んだ社会学者は誰か?
ブルデューは、お金などの経済資本だけでなく、教養・振る舞い・学歴といった文化資本が世代を超えて受け継がれ、階層の再生産に働くと論じました。教育の機会均等をめぐる議論で頻繁に参照される概念です。
インターネットなどの情報通信技術を利用できる人とできない人の間に生じる格差を何と呼ぶか?
デジタルデバイド(情報格差)は、機器やネット環境の有無だけでなく、活用スキルの差によっても生じます。行政手続きや教育のオンライン化が進むほど、この格差が生活上の不利益に直結しやすくなると指摘されています。
所得格差の大きさを測る「ジニ係数」の説明として正しいものはどれか?
ジニ係数は0から1の値をとり、0は全員の所得が等しい完全平等、1は1人が全所得を独占する完全不平等を表します。格差の現状評価やあるべき水準については様々な立場がありますが、指標の定義そのものは中立的な統計概念です。
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